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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】通気口部材
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/04 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
F24F7/04 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022009684
(22)【出願日】2022-01-25
(65)【公開番号】P2023108522
(43)【公開日】2023-08-04
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】391040788
【氏名又は名称】三菱電機システムサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小美野 瞬
(72)【発明者】
【氏名】文田 悠斗
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-019550(JP,A)
【文献】特開2010-223518(JP,A)
【文献】特開平03-039843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に取り付けられ、前記外壁に形成された換気孔と繋がる通気口部材であって、
後向きに開口して前記換気孔と向かい合う接続口と、下向きに開口する開放口と、を有し、前記接続口と前記開放口との間で空気が流れる管状体である本体部と、
前記本体部の前壁の下端に沿って、前記前壁より外側に配される前樋と、
前記本体部の側壁の下端に沿って、前記側壁より外側に配される横樋と、
前記前樋および前記横樋の一方を他方に向かって延長した延長部であり、前記前樋で集められた水および前記横樋で集められた水が合流する合流部と、
を備え
前記合流部は、前記前樋および前記横樋の一方の一部である、
ことを特徴とする通気口部材。
【請求項2】
請求項1に記載の通気口部材であって、さらに、
前記合流部の端部から下方に延びるガイド部材を備えることを特徴とする通気口部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通気口部材であって、さらに、
前記前壁と前記側壁とのコーナ部において、後下方向に突出する補助プレートを備える、ことを特徴とする通気口部材。
【請求項4】
外壁に取り付けられ、前記外壁に形成された換気孔と繋がる通気口部材であって、
後向きに開口して前記換気孔と向かい合う接続口と、下向きに開口する開放口と、を有し、前記接続口と前記開放口との間で空気が流れる管状体である本体部と、
前記本体部の前壁の下端に沿って配される前樋と、
前記本体部の側壁の下端に沿って配される横樋と、
前記前樋および前記横樋の一方を延長した延長部であり、前記前樋で集められた水および前記横樋で集められた水が合流する合流部と、
前記合流部の端部から下方に延びるガイド部材と、
前記前壁と前記側壁とのコーナ部において、後下方向に突出する補助プレートと、
を備え、
前記補助プレートの下端は、前記ガイド部材の下端より、下側に位置している、ことを特徴とする通気口部材。
【請求項5】
外壁に取り付けられ、前記外壁に形成された換気孔と繋がる通気口部材であって、
後向きに開口して前記換気孔と向かい合う接続口と、下向きに開口する開放口と、を有し、前記接続口と前記開放口との間で空気が流れる管状体である本体部と、
前記本体部の前壁の下端に沿って配される前樋と、
前記本体部の側壁の下端に沿って配される横樋と、
前記前樋および前記横樋の一方を延長した延長部であり、前記前樋で集められた水および前記横樋で集められた水が合流する合流部と、
前記合流部の端部から下方に延びるガイド部材と、
前記前壁と前記側壁とのコーナ部において、後下方向に突出する補助プレートと、
を備え、
前記補助プレートは、前記前壁の下端から突出する前板と、前記側壁の下端から突出する横板と、前記前板と前記横板とを接続する中間板と、が繋がった形状である、ことを特徴とする通気口部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、外壁に取り付けられ、前記外壁に形成された換気孔と繋がる通気口部材を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内へ室外の空気を取り入れるために、外壁に取り付けられる通気口部材が広く知られている。こうした通気口部材は、外壁に形成された換気孔に繋がる接続口と、下向きに開口する開放口と、を有しており、開放口から吸いこんだ外気が接続口へと流れる。
【0003】
通気口部材は、屋外に設置されるため、雨天時には、かかる通気口部材の外表面に雨滴が付着する。こうした雨滴を集めて落下させるために、通気口部材に樋を設けることが一部で提案されている。例えば、特許文献1では、通気口部材の下端に樋部を設け、当該樋部で雨滴を集める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-112650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、樋部で集められた水滴を、当該樋部の端部から直接落下させている。この場合、樋部の端部まで到達した水滴の一部が、表面張力により、樋部の裏面に回り込むことがあった。そして、裏面に回り込んだ水滴が、吸気のための気流の影響を受けて、通気口部材の内部、ひいては、屋内に浸入することがあった。
【0006】
こうした問題を抑制するために、特許文献1では、開放口の角部にバッフル板を設けている。かかるバッフル板を設けることで、その近傍の風速を低下させることができる。そして、これにより、樋部を伝わって流れる水滴が通気口部材の内部に逆流することをある程度防ぐことができる。ただし、バッフル板による水滴の逆流防止効果には限界があり、特許文献1の技術には、更なる改善の余地があった。
【0007】
そこで、本明細書では、通気口部材を通じて水滴が屋内に浸入することをより確実に防止できる通気口部材を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で開示する通気口部材は、外壁に取り付けられ、前記外壁に形成された換気孔と繋がる通気口部材であって、後向きに開口して前記換気孔と向かい合う接続口と、下向きに開口する開放口と、を有し、前記接続口と前記開放口との間で空気が流れる管状体である本体部と、前記本体部の前壁の下端に沿って、前記前壁より外側に配される前樋と、前記本体部の側壁の下端に沿って、前記側壁より外側に配される横樋と、前記前樋および前記横樋の一方を他方に向かって延長した延長部であり、前記前樋で集められた水および前記横樋で集められた水が合流する合流部と、を備え、前記合流部は、前記前樋および前記横樋の一方の一部である、ことを特徴とする。
【0009】
この場合、さらに、前記合流部の端部から下方に延びるガイド部材を備えてもよい。
【0010】
この場合、さらに、前記前壁と前記側壁とのコーナ部において、後下方向に突出する補助プレートを備えてもよい。
【0011】
また、前記補助プレートの下端は、前記ガイド部材の下端より、下側に位置していてもよい。
【0012】
また、前記補助プレートは、前記前壁の下端から突出する前板と、前記側壁の下端から突出する横板と、前記前板と前記横板とを接続する中間板と、が繋がった形状であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本明細書で開示する通気口部材によれば、前樋および横樋で集められた水滴が、合流部で合流する。そして、これにより、水滴は、大きな塊となって空中に放出されるため、気流の影響を受けにくくなる。また、合流部に集められた水滴は、さらに、ガイド部材に沿って下方に案内される。これにより、水滴が、樋の裏面に回り込むことが効果的に防止できる。結果として、水滴が、通気口部材に逆流することが効果的に防止でき、通気口部材を通じて水滴が屋内に浸入することをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】通気口部材の概略斜視図である。
図2】通気口部材の概略縦断面図である。
図3】樋およびガイド部材の斜視図である。
図4】補助プレートを側方からみた図である。
図5】補助プレート50の概略斜視図である。
図6図2のB-B線で切断した際の補助プレート周辺の概略断面図である。
図7】開放口付近で生じる気流の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して通気口部材10の構成について説明する。図1は、通気口部材10の概略斜視図である。また、図2は、通気口部材10の縦断面図である。この通気口部材10は、屋外の空気を屋内に取り入れるために、外壁100の屋外側の面に取り付けられる部材である。なお、以下の説明では、外壁100からみて水平方向屋外側の向きを「前側」、水平方向屋内側の向きを「後側」と呼ぶ。また、以下の説明における「左」、「右」、「上」、「下」は、いずれも、換気孔102から屋外を見た状態での左右上下を意味している。
【0016】
図2に示すように、外壁100には、屋内外に連通する略矩形の換気孔102が、形成されている。通気口部材10は、この換気孔102取り囲むように、外壁100の屋外側の面に取り付けられている。通気口部材10は、換気孔102を取り囲む枠体12と、当該枠体12に固定される本体部14と、を有する。枠体12は、換気孔102を一回り大きくした略矩形部材であり、外壁100に固定されている。
【0017】
本体部14は、後向きに開口して換気孔102と繋がる接続口26(図2参照)と、下向きに開口した開放口28(図2参照)と、を有する管状部材である。管状を形成するために、本体部14は、側壁22、天壁16、および前壁18を有している。側壁22は、枠体12の左右両端から水平方向に延びる壁である。天壁16は、枠体12の上端から水平方向に延びる壁である。前壁18は、換気孔102より前側となる位置において、略鉛直方向に延びる壁である。天壁16の前端は、下方に弯曲して、前壁18の上端に繋がっている。天壁16および前壁18の左右両端には、側壁22が接続されている。その結果、換気孔102の前方には、天壁16、前壁18、および一対の側壁22で囲まれた通気路30(図2参照)が形成される。屋外の空気は、通気路30の一端である開放口28から進入し、通気路30の他端である接続口26、および、換気孔102を経て、屋内に流入する。
【0018】
ところで、こうした通気口部材10は、屋外に設置されるため、雨天の際には、本体部14の外表面に、雨水等の水滴が付着する。こうした水滴が、通気口部材10の表面を伝って、通気路30、ひいては、屋内に浸入することがある。かかる水滴の屋内への浸入を防止するために、本例では、通気口部材10の本体部14に、複数の樋32,38,40と、ガイド部材48と、補助プレート50と、を設けている。以下、これについて詳説する。
【0019】
図1に示すように、本例では、前壁18の下端に前樋32を、側壁22の下端に上横樋38および下横樋40をそれぞれ設けている。図3は、前樋32と下横樋40とが合流する合流部46付近の拡大図である。図3では、理解を容易にするために、本体部14や後述する補助プレート50の図示は省略し、前樋32、下横樋40、およびガイド部材48のみを図示している。
【0020】
図1および図3に示すように、前樋32は、前壁18の下端において左右方向に延びる樋である。前樋32は、平板をU字溝状に屈曲して構成されている。より具体的には、前樋32は、左右方向に長尺な底面33と、底面33の後端縁から立脚する締結面34と、底面33の前端縁から立脚する堰面36と、を有している。堰面36は、前樋32に流入した水分の前端縁からの落下を防止し、当該水分を前樋32の左右両端までガイドする。また、締結面34は、前壁に溶接等で締結されている。前樋32の左右両端は開放されており、集められた水滴が流出する流出口として機能する。なお、水滴が流出口に円滑に導かれるように、前樋32の左右両端が、左右中央部より、重力方向下方に位置するように、前樋32は、僅かに傾斜または弯曲していてもよい。また、本例では、前樋32を、前壁18と別部材で構成しているが、前壁18の下端を屈曲して、前樋32を構成してもよい。
【0021】
図1に示すように、側壁22には、上横樋38と下横樋40とが固定されている。ここで、図1から明らかな通り、側壁22の前下縁は、前下がりに傾斜している。換言すれば、側壁22の下縁は、略水平方向に延びる後部と、前下がりに傾斜する前部と、に分けることができる。上横樋38は、この下縁後部に沿って側壁22に固定されている。下横樋40は、下縁前部に沿って側壁22に固定されている。上横樋38および下横樋40は、いずれも、前樋32と同様に、平板をU字溝状に屈曲して構成されている。そして、上横樋38は、ほぼ水平方向前後方向に長尺となる姿勢で固定されており、下横樋40は、前下がりに傾斜する姿勢で固定されている。なお、本例では、上横樋38と下横樋40を設けているが、これらは、一体化された一部品で構成されてもよい。また、上横樋38および下横樋40は、側壁22の下端を屈曲して構成されてもよい。
【0022】
ここで、下横樋40は、その前側端部において前樋32と合流する。すなわち、図3に示すように、下横樋40は、前方に延長された延長部46を有しており、この延長部46が、前樋32の長尺方向端部、すなわち、前樋32で収集した水分の流出口の下側に位置している。そのため、前樋32で収集された水分は、流出口から下横樋40の延長部46に落下し、横樋38,40で収集された水分と合流する。以下では、この下横樋40と前樋32とが合流する延長部46を「合流部46」と呼ぶ。
【0023】
合流部46の端部には、さらに、ガイド部材48が、接続されている。ガイド部材48は、合流部46の前端部から下方に延びる部材である。合流部46に集まった水分は、堰面44に案内されてガイド部材48まで到達し、ガイド部材48を伝って、下方に落下する。
【0024】
なお、本例では、前樋32および下横樋40を合流させるために、下横樋40を前方に延長しているが、前樋32を左右に延長して、両樋32,40を合流させてもよい。すなわち、前樋32を左右に延長したうえで、当該前樋32の延長部の上方に、下横樋40の流出口が位置するような配置としてもよい。この場合、ガイド部材48は、前樋32の延長部(すなわち合流部46)の端部から下方に延びる。
【0025】
本体部14の内側下端には、さらに、補助プレート50が固定されている。図4は、補助プレート50近傍を側方からみた図である。また、図5は、補助プレート50周辺の概略斜視図である。また、図6は、図2のB-B線で切断した際の補助プレート50周辺の概略断面図である。なお、図5図6では、樋32,38,40の図示は省略している。
【0026】
補助プレート50は、前壁18と、当該前壁18の両側の側壁22と、に固定された平面視で略コ字状の板金部材である。より具体的に説明すると、補助プレート50は、前壁18の内側下端から後下方向(すなわち下方に進むにつれ外壁100に近づく方向)に突出する前板52と、側壁22から後下方向に突出する横板54と、前板52と横板54とを接続する中間板56と、が折り目を介して繋がった板金部材である。図4に示す通り、補助プレート50は、全体として、後下方向に傾いている。また、補助プレート50の下端は、ガイド部材48の下端より、下方に位置している。
【0027】
次に、上記の構成を採用した理由について説明する。繰り返し述べる通り、本例の通気口部材10は、外気を屋内に取り込む吸気のために用いられる。そのため、開放口28付近には、吸気のための上向きの気流が生じる。従来、樋32,40から落下して、空中に放出された水滴が、この気流の影響を受けて上昇し、通気路30、ひいては、屋内に逆流することがあった。
【0028】
本例の場合、上述した通り、前樋32と下横樋40とを合流させ、すなわち、水滴を1ヶ所に凝集させている。これにより、凝集した水滴は、比較的大きな水滴として、空中に放出される。そして、水滴が大きくなることで、気流の影響を受けにくくなり、重力により、そのまま下方に落下しやすくなる。つまり、前樋32と下横樋40を合流させることで、空中に放出された水滴が、通気路30内に逆流することを効果的に防止できる。
【0029】
また、本例では、合流部46から下方に延びるガイド部材48を設けている。かかるガイド部材48が存在しない場合、合流部46で集められた水滴の一部が、合流部46(ひいては樋32,40)の裏面に回り込み、そのまま、気流の影響を受けて、通気路30に逆流することがあった。一方、本例では、合流部46から下方に進むガイド部材48を設けているため、合流部46に凝集した水滴は、当該ガイド部材48を伝って下方に移動し、ガイド部材48の下端から空中に放出されることになる。結果として、水滴が、樋32,40の裏面に回り込むことが効果的に防止できる。また、ガイド部材48を設けることで、当該ガイド部材48を設けない場合に比べて、水滴が空中に放出される際の高さ位置を、開放口28より下方にシフトさせることができる。その結果、空中に放出された水分が通気路30で生じる気流の影響を受けにくくなり、当該水分が、通気路30に逆流することを効果的に防止できる。なお、本願出願人の実験によれば、上述した合流部46およびガイド部材48を設けることにより、これらを設けない場合に比べて、通気路30に浸入する水分量を、約77%低減できる。
【0030】
なお、ガイド部材48は、合流部46に集まった水滴を、下方に導けるのであれば、その角度は、適宜、変更されてもよい。したがって、例えば、ガイド部材48は、側方視で、鉛直方向に対して、±45度の範囲α(図4参照)であれば、その傾きは、適宜、変更されてもよい。また、本例では、ガイド部材48を、合流部46の前端から下方に延ばしているが、ガイド部材48は、合流部46の水滴を下方に導けるのであれば、他の箇所、例えば、合流部46の左右方向端部から下方に延びてもよい。いずれの場合であっても、水滴をガイド部材48に導けるように、合流部46には、ガイド部材48に向かう僅かな傾斜が設けられていてもよい。
【0031】
さらに、本例では、ガイド部材48の近傍において、後下方向に突出する補助プレート50を設けている。かかる補助プレート50を設けることで、空中に放出された水滴の逆流をより効果的に防止できる。これについて図7を参照して説明する。図7は、開放口28付近で生じる気流の一例を示す図である。
【0032】
補助プレート50が無い場合、ガイド部材48のすぐ下側、図7の位置P1において、開放口28に向かう、流速の大きい気流F1が発生する。そのため、補助プレート50が無い場合、ガイド部材48の下端から放出された水滴の一部は、当該気流F1に乗って通気路30内に浸入することがあった。
【0033】
一方、補助プレート50を設けた場合、位置P1において、開放口28に向かう気流F1は、殆ど生じなくなる。位置P1より下側、補助プレート50の下端より下方となる位置P2において、開放口28に向かう気流F2は、存在するものの、その流速は、小さい。そのため、補助プレート50を設けた場合、ガイド部材48の下端から放出された水滴の多くは、気流F1,F2に乗ることなく、そのまま下方に落下する。つまり、補助プレート50を設けることで、水滴が通気路30に逆流することをより効果的に防止できる。
【0034】
ここで、本例では、補助プレート50を、後下方向に延ばしている。かかる構成とするのは、水滴の逆流を防止しつつ、開放口28を広く確保するためである。すなわち、補助プレート50を、図7のラインL1に示すように、水平方向後側に延ばした場合、開放口28の開口面積が低下し、通気口部材10の吸気能力が低下する。また、補助プレート50を、図7のラインL2に示すように、後上方向に延ばした場合、ガイド部材48の下端から開放口28に向かう気流F1を殆ど抑制しないため、水滴の逆流防止効果が著しく低下する。また、補助プレート50を、図7のラインL3に示すように、前下方向に延ばした場合、雨滴が直接、補助プレート50に付着する。そして、補助プレート50を伝って、当該補助プレート50の下端まで到達した雨滴が、気流の影響を受けて、通気路30内に逆流するおそれがあった。一方、本例のように、補助プレート50を、後下方向に延ばすことで、上述した問題を避けることができるため、吸気能力の低下を抑制しつつ、水滴の逆流を効果的に防止できる。
【0035】
なお、本例では、補助プレート50を、前板52と、横板54が、中間板56を介して繋がる形状としている。しかし、補助プレート50は、前壁18と側壁22とのコーナ部において、後下方向に突出する部分を有するのであれば、他の形状でもよい。例えば、中間板56を無くし、前板52と横板54が、平面視で、略90度の角度を成して直接繋がる形状としてもよい。また、本例では、補助プレート50は、一方の側壁22から他方の側壁22まで延びる一部品として構成しているが、補助プレート50は、左右で分割されてもよい。すなわち、本体部14の右下のコーナ部に配置される右用の補助プレート50と、本体部14の左下のコーナ部に配置される左用の補助プレート50と、に分割されてもよい。
【0036】
また、これまで開示した構成は、一例であり、少なくとも、前樋32と横樋40とが合流する合流部46を備えるのであれば、その他の構成は、変更されてもよい。したがって、例えば、ガイド部材48および補助プレート50の一方、または、両方は、省略されてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 通気口部材、12 枠体、14 本体部、16 天壁、18 前壁、22 側壁、26 接続口、28 開放口、30 通気路、32 前樋、38 上横樋、40 下横樋、46 合流部、48 ガイド部材、50 補助プレート、52 前板、54 横板、56 中間板、100 外壁、102 換気孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7