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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】目的物所在検索システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20230911BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230911BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20230911BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230911BHJP
【FI】
G06F16/903
B65G1/137 A
G06F16/909
G06Q30/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022037388
(22)【出願日】2022-03-10
【審査請求日】2022-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154438
【氏名又は名称】末次 功憲
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】末次 功憲
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
【審判官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0314512(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113051489(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1949647(KR,B1)
【文献】特開2002-245333(JP,A)
【文献】特開2020-24739(JP,A)
【文献】特開2016-169080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/903
B65G1/137
G06F16/909
G06Q30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ対象エリア内に居る時に前記対象エリア内に存在する物品の中から前記ユーザの目的とする目的物を検索する目的物所在検索システムであって、
前記ユーザによる設定入力操作に応じて、物品が複数配置又は保管されている店舗、倉庫、オフィス、自宅等の複数の対象エリアをデータベースに予め設定する対象エリア設定手段と、
前記対象エリア内に存在する物品についての情報である物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記対象エリア内において前記物品が存在する場所を表す物品所在情報を記憶する物品所在記憶手段と、
前記ユーザが前記予め設定された複数の対象エリアのうちの1つの対象エリア内に居る時に、前記1つの対象エリアの選択操作った後に前1つの対象エリア内における検索対象とする目的物の入力操作た場合に、前記1つの対象エリア内に存在する前記目的物についての検索要求を受ける検索要求受信手段と、
前記検索要求受信手段により前記検索要求が受け取られた場合に、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報を検索することにより、前記目的物に該当する物品を判定する目的物判定手段と、
前記目的物判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を、前記物品所在記憶手段に記憶されている物品所在情報に基づいて判定する物品所在判定手段と、
前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知する物品所在通知手段と
を備えたことを特徴とする目的物所在検索システム。
【請求項2】
前記対象エリアの見取り図を表す見取図情報を記憶する見取図記憶手段と、
前記見取図記憶手段に記憶されている見取図情報に基づいて、前記対象エリア内の前記ユーザが居る場所から前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所までの前記見取り図上における最短経路を判定する経路判定手段とをさらに備え
記物品所在通知手段は、
前記経路判定手段により判定された最短経路を前記ユーザに通知することを特徴とする
請求項1に記載の目的物所在検索システム。
【請求項3】
前記物品所在通知手段は、前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品の近傍に設置された立体の造形物を回転させることにより、前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知することを特徴とする請求項に記載の目的物所在検索システム。
【請求項4】
前記物品所在通知手段は、前記ユーザにより予め選択入力された通知方法に基づいて、前記ユーザが使用する情報通信端末への通知と前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品の近傍に設置された立体の造形物の回転との少なくとも一方を行うことにより、前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知することを特徴とする請求項1に記載の目的物所在検索システム。
【請求項5】
前記目的物判定手段により前記目的物に該当する物品を判定できなかった場合には、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報に基づいて、前記目的物に該当する物品の候補となる候補一覧を前記ユーザに提示する候補提示手段をさらに備え、
前記候補提示手段により前記ユーザに提示された候補一覧の中から特定の物品が選択された場合、前記目的物判定手段は、前記特定の物品が前記目的物に該当する物品であるものとして処理を行うことを特徴とする
請求項1からの何れか1項に記載の目的物所在検索システム。
【請求項6】
前記目的物の検索要求には、前記目的物に該当する物品の候補一覧を要求するか否かを表す候補要求フラグが含まれ、
前記候補要求フラグが前記候補一覧を要求することを表している場合、
前記候補提示手段は、
前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報に基づいて、前記目的物に該当する物品の候補一覧を前記ユーザに提示することを特徴とする
請求項5に記載の目的物所在検索システム。
【請求項7】
ユーザ対象エリア内に居る時に前記対象エリア内に存在する物品の中から前記ユーザの目的とする目的物を検索するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザによる設定入力操作に応じて、物品が複数配置又は保管されている店舗、倉庫、オフィス、自宅等の複数の対象エリアをデータベースに予め設定する対象エリア設定手段と、
前記対象エリア内に存在する物品についての情報である物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記対象エリア内において前記物品が存在する場所を表す物品所在情報を記憶する物品所在記憶手段と、
前記ユーザが前記予め設定された複数の対象エリアのうちの1つの対象エリア内に居る時に、前記1つの対象エリアの選択操作った後に前1つの対象エリア内における検索対象とする目的物の入力操作た場合に、前記1つの対象エリア内に存在する前記目的物についての検索要求を受ける検索要求受信手段と、
前記検索要求受信手段により前記検索要求が受け取られた場合に、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報を検索することにより、前記目的物に該当する物品を判定する目的物判定手段と、
前記目的物判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を、前記物品所在記憶手段に記憶されている物品所在情報に基づいて判定する物品所在判定手段と、
前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知する物品所在通知手段と
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象エリア内に存在する物品を検索する目的物所在検索システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、インターネット上のECサイトで商品を購入するユーザが増加傾向にあるが、市中に実店舗(以下、「リアル店舗」ともいう)を構える店舗も多数存在する。
従来、目的の商品を購入するために、商品の品揃えが豊富なリアル店舗を訪れたユーザは、目的の商品を探すのが困難であった。この場合、ユーザは当該商品を探すのを諦めるか、時間をかけて探し出すか、或いは、店員に聞いて探し出していた。同様に、倉庫やオフィスにおいても、従業員は目的物を探し出すのに時間を要していた。
【0003】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、保管場所を視覚的に特定できる画面をモニターに表示させるとともに、当該保管場所に設置されたランプを検索の目的の種類毎に、異なる点滅パターンと異なる発色による発光を組み合わせて点灯させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5150018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、書類検索に特化した技術であり、ユーザ所望の書類を正確に検索するのには適しているが、汎用的に利用することは困難である。書類に限らず、リアル店舗で所望の商品を検索したり、倉庫で所望の商品が保管されている場所まで辿り着いて当該商品を搬出したり、家庭内で以前購入して保管しておいた物品の所在を知りたいというニーズがある。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等、各種の検索対象エリア内にあるユーザの目的とする物品の所在を検索することができる目的物所在検索システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の目的物所在検索システムは、
対象エリア内に存在する物品の中からユーザの目的とする目的物を検索する目的物所在検索システムであって、
前記対象エリア内に存在する物品についての情報である物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記対象エリア内において前記物品が存在する場所を表す物品所在情報を記憶する物品所在記憶手段と、
前記対象エリア内に存在する目的物についての前記ユーザによる検索要求を受けとる検索要求受信手段と、
前記検索要求受信手段により前記検索要求が受け取られた場合に、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報を検索することにより、前記目的物に該当する物品を判定する目的物判定手段と、
前記目的物判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を、前記物品所在記憶手段に記憶されている物品所在情報に基づいて判定する物品所在判定手段と、
前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知する物品所在通知手段と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等、各種の検索対象エリア内にあるユーザの目的とする物品の所在を検索することができる。
【0009】
上記発明において、
前記目的物判定手段により前記目的物に該当する物品を判定できなかった場合には、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報に基づいて、前記目的物に該当する物品の候補となる候補一覧を前記ユーザに提示する候補提示手段をさらに備え、
前記候補提示手段により前記ユーザに提示された候補一覧の中から特定の物品が選択された場合、前記目的物判定手段は、前記特定の物品が前記目的物に該当する物品であるものとして処理を行うことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ユーザに候補一覧の中から目的とする物品を選択させることで、目的物判定手段により目的物に該当する物品を判定できなくても、ユーザの選択した特定の物品が目的物に該当する物品であるものとして処理を行うことができるため、処理を円滑に進めることができる。
また、ユーザは、目的物候補一覧の中に目的物に該当する物品がなくても、候補一覧から代替の物品を選択することができる。
【0011】
上記発明において、
前記目的物の検索要求には、前記目的物に該当する物品の候補一覧を要求するか否かを表す候補要求フラグが含まれ、
前記候補要求フラグが前記候補一覧を要求することを表している場合、
前記候補提示手段は、
前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報に基づいて、前記目的物に該当する物品の候補一覧を前記ユーザに提示することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、
ユーザは、例えば、リアル店舗で所定の種類の商品の中から購入する商品を選択したい場合に、候補一覧の提示を受けることができる。
【0013】
上記発明において、
前記対象エリアの見取り図を表す見取図情報を記憶する見取図記憶手段と、
前記見取図記憶手段に記憶されている見取図情報に基づいて、前記ユーザが居る場所から前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所までの前記見取り図上における最短経路を判定する経路判定手段とをさらに備え、
前記物品所在通知手段は、
前記経路判定手段により判定された最短経路を前記ユーザに通知することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、ユーザは現在居る場所から最短経路で目的物に該当する物品が存在する場所に到達することができる。
【0015】
上記発明において、
前記対象エリアの床には、ライトが取り付けられており、
前記物品所在通知手段は、前記最短経路上に存在するライトを点灯又は点滅させることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ユーザはを点灯又は点滅するライトに沿って進むことにより、迷わずに目的物に該当する物品が存在する場所に到達することができる。
【0017】
上記発明において、
前記目的物の検索要求は、
所定期間及び所定の母集団において所定の売上順位を有する物品の検索要求であることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ユーザは所望の売上順位を有する物品を検索することができる。
【0019】
また、本発明のプログラムは、
対象エリア内に存在する物品の中からユーザの目的とする目的物を検索するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記対象エリア内に存在する物品についての情報である物品情報を記憶する物品情報記憶手段と、
前記対象エリア内において前記物品が存在する場所を表す物品所在情報を記憶する物品所在記憶手段と、
前記対象エリア内に存在する目的物についての前記ユーザによる検索要求を受けとる検索要求受信手段と、
前記検索要求受信手段により前記検索要求が受け取られた場合に、前記物品情報記憶手段に記憶されている物品情報を検索することにより、前記目的物に該当する物品を判定する目的物判定手段と、
前記目的物判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を、前記物品所在記憶手段に記憶されている物品所在情報に基づいて判定する物品所在判定手段と、
前記物品所在判定手段により判定された前記目的物に該当する物品が存在する場所を前記ユーザに通知する物品所在通知手段と
して機能させるためのプログラムである。
【0020】
この発明によれば、リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等、各種の検索対象エリア内にあるユーザの目的とする物品の所在を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る目的物所在検索システムの全体構成図である。
図2】同実施形態に係る目的物所在検索システムのサーバの機能構成図である。
図3】同実施形態に係る目的物所在検索システムが行う検索処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る目的物所在検索システム1の全体構成図である。同図に示すように、目的物所在検索システム1は、検索の対象エリア内に存在する物品の検索処理を制御するサーバ10と、対象エリア内に存在する物品を検索するためにユーザにより使用される情報通信端末20と、対象エリアの通路や商品を陳列する棚等に配置されたランプ30と、これらの装置10,20,30を通信可能に接続するインターネット、移動通信網等の通信ネットワーク40と、を含んで構成される。
【0023】
情報通信端末20は、対象エリア内に存在するユーザが目的とする物品を検索するためにユーザが用いる通信可能なコンピュータであり、例えば、スマートフォンである。なお、スマートフォンに限定されることはなく、目的物を検索するために、キーワード等のテキスト、音声、画像等のデータ入力と送受信ができ、さらに、位置情報を取得するGPS機能を備えた装置であればよい。例えば、タブレット装置でも、PC端末でも、腕時計のように体に装着するウェアラブル端末でも、首にかけるハンズフリー端末であってもよい。
【0024】
ここで、検索対象となる「対象エリア」としては、リアル店舗、倉庫、オフィス、図書館、家庭等の、商品や物品が複数配置又は保管されているエリアが考えられる。当該対象エリアは、ユーザのニーズに応じて複数設定することもできる。
【0025】
サーバ10は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、通信ネットワーク40を介した通信を制御する通信インターフェースと、を備えている。サーバ10の記憶装置には、各種データ、データベース、プログラム等のソフトウェアが記憶されている。サーバ10の記憶装置に記憶されているデータとしては、対象エリアの名称、対象エリアの位置情報、対象エリアの見取図情報、対象エリアに配置されている物品の物品情報、物品の近傍に配置されているランプ、スピーカ等の情報が含まれる。
【0026】
見取図情報は、対象エリア内に存在する場所の名称とその場所の位置情報とが対応付けられた情報を含み、当該見取図情報に基づいて対象エリアの立体形状を認識及び表示することができる。
これらの情報は、ユーザが入力してもよいし、他システムで入力及び管理されている情報をダウンロードしてもよい。
【0027】
また、サーバ10の記憶装置に記憶されているプログラムとしては、情報通信端末20から受信した目的物の検索要求を解析するためのプログラム、対象エリア内における目的物の所在を判定するためのプログラム、目的物の所在をユーザに通知するためのプログラム、ランプ30に点灯指示又は点滅指示を送信することでランプ30の点灯又は点滅を制御するためのプログラム、等が存在する。
サーバ10のCPUが記憶装置に記憶されているソフトウェアに従って処理を実行することにより、図2に示す機能構成がサーバ10に実現される。
【0028】
物品情報記憶部11は、対象エリア内に存在する物品についての各種情報(以下、「物品情報」という)をデータベースに記憶する。ここで、「物品情報」としては、物品の名称、当該物品が置かれている対象エリア、物品の種類・カテゴリ、当該物品が置かれている場所に関する情報、物品が商品の場合には売上の情報等が存在する。「物品が置かれている場所に関する情報」とは、当該場所の対象エリア名(店舗名、倉庫名等、場所の名前(棚、引出し等)、当該場所の位置情報等が存在する。
【0029】
当該物品情報は、当該物品がリアル店舗で販売される商品の場合には、当該商品が倉庫に保管される際や、当該商品が陳列される際に、店員が情報通信端末20を操作して入力することができる。
物品が自宅に保管或いは陳列される物品である場合には、ユーザが自宅内の所定の場所に収納又は陳列する際に、情報通信端末20を操作して物品情報を入力することができる。
【0030】
物品所在記憶部12は、対象エリア内において物品が存在する場所を表す物品所在情報をデータベースに記憶する。例えば、物品所在記憶部12は、ユーザが情報通信端末20を操作して特定の物品についての情報を入力した時に、情報通信端末20のGPSから位置情報を取得し、当該位置情報を当該物品の所在情報として記憶する。
或いは、ユーザにより入力された物品についての情報の中に、当該物品を保管した場所の名称(例えば、2階の会議室の棚、居間等)が含まれている場合には、見取図情報と照合することにより、当該物品を保管した場所の名称に対応する位置情報を取得し、当該位置情報を当該物品の所在情報として記憶する。
【0031】
見取図記憶部18は、対象エリアの見取り図を表す見取図情報をデータベースに記憶する。
【0032】
検索要求受信部13は、ユーザによる目的物の検索要求を情報通信端末20から受信する。当該目的物の検索要求には、検索方法の指定情報、検索対象の指定情報、及び、「候補要求フラグ」が含まれる。
【0033】
検索方法の指定情報としては、テキストによるキーワード検索、類似検索、あいまい検索、AIによる検索、ユーザにより描画された画像データによる検索、複数候補の中から選択された画像データ又はテキストデータ等による検索、音声による検索、これらを組み合わせた検索方法の指定を示す情報が存在する。
画像による検索の場合は、ユーザが情報通信端末20を操作して描いた画像データを情報通信端末20から受信してもよい。
【0034】
検索対象の指定情報としては、例えば、検索の「対象エリア」がリアル店舗の場合、「雑貨 AND 500円以下」といった、500円以下の雑貨を検索する指定が存在する。また、「対象エリア」が倉庫の場合、「今年入荷商品 OR 商品A」といった、今年入荷した商品、又は、商品Aを検索する指定や、「今年入荷以外」といった指定が存在する。また、「対象エリア」が事務所の場合、「商品型番2022-A」といった、商品型番での商品の検索指定が存在する。また、「先月のリアル店舗Aで販売されたワイシャツのうち売上順位1~3位の商品」といった、所定期間及び所定の母集団において所定の売上順位を有する商品の検索指定が存在する。
【0035】
「候補要求フラグ」は、ユーザが目的物に該当する物品の候補一覧を要求するか否かを表すフラグである。当該「候補要求フラグ」がオンに設定された場合には、候補一覧を要求する旨を表しており、物品情報記憶部11に記憶されている物品情報に基づいて、目的物に該当する物品の候補一覧を表示するための候補一覧情報が生成される。
【0036】
目的物判定部14は、検索要求受信部13により受信された目的物の検索要求に含まれる検索方法の指定情報に基づいて、物品情報記憶部11に記憶されている物品情報を検索することにより、目的物に該当する物品を判定する。
【0037】
なお、目的物判定部14は、物品情報を検索して目的物に該当する物品を判定できなかった場合、或いは、目的物の検索要求に含まれる「候補要求フラグ」がオンに設定されている場合、或いは、「候補要求フラグ」がオフに設定されているが候補をユーザに提案した方がよいと判断した場合は、候補提示部17に対して、候補一覧をユーザに提示するように指示する。
なお、目的物判定部14が目的物に該当する物品を判定できなかった場合とは、キーワード検索で物品情報記憶部11に完全一致する物品名がなかった場合、あいまい検索でも類似度が所定の範囲になかった場合、目的物に該当する物品数が所定数以上ある場合等が考えられる。
【0038】
なお、物品情報記憶部11を構成するデータベースや検索方法は公知の技術を使用することができる。例えば、データベースは、SQLリレーションデータベースであっても、ビックデータに用いられるNoSQLであってもよい。また、検索方法は、文字入力でも音声入力でもAIによる個人の履歴や属性に基づく予想検索でもあいまい検索でもよい。
【0039】
物品所在判定部15は、目的物判定部14が当該目的物に該当する物品を判定することができた場合には、物品所在記憶部12に記憶されている物品所在情報を検索することにより、当該目的物に該当する物品が存在する場所を判定する。
【0040】
経路判定部19は、見取図記憶部18に記憶されている見取図情報に基づいて、ユーザが居る場所から物品所在判定部14により判定された目的物に該当する物品が存在する場所までの見取り図上における最短経路を判定する。
なお、経路判定部19は、ユーザが対象エリアに居る場合にのみ、当該ユーザが居る場所から目的物までの最短経路を判定してもよい。或いは、経路判定部19は、目的物の検索要求に、ユーザが居る場所又は対象エリア内の指定場所から目的物に該当する物品が存在する場所までの最短経路の提示要求が含まれている場合にのみ、当該最短経路を判定してもよい。
【0041】
物品所在通知部16は、物品所在判定部15により判定された、目的物に該当する物品が存在する場所をユーザに通知する。
ユーザに通知する方法としては、目的物の検索要求が送信されてきた情報通信端末20に対して、当該目的物に該当する物品が存在する場所を通知する音声、画像、テキストデータ等を送信する方法がある。或いは、見取図情報に基づいて当該物品が存在する場所に最も距離が近い位置にあるランプ30を判定し、当該ランプ30に点灯指示又は点滅指示を送信することにより、当該ランプ30を点滅又は点灯させて通知する方法もある。これにより、商品を販売する場合には、商品の陳列棚に複数のランプ30を取り付け、当該ランプ30各々の近傍に商品を配置することで、点灯又は点滅しているランプ30の近傍の商品がユーザの目的とする商品であることが容易に判る。
【0042】
さらに、経路判定部19により最短経路が判定された場合には、物品所在通知部16は、当該最短経路上にあるランプ30に指示を送信することにより、当該ランプ30を点灯又は点滅させる。或いは、物品所在通知部16は、対象エリアの見取り図上に当該目的物が置かれている場所や最短経路を表示した画像を情報通信端末20のディスプレイに表示する。或いは、AR、VR、MR、ホログラム等を用いて場所や最短経路を通知してもよい。
なお、ランプ30の代わりに、或いは、ランプ30に加えて、スピーカや電動オブジェクトをランプ30と同じ場所に配置して、当該スピーカから音を出力したり電動オブジェクトを動作させたりすることにより通知してもよい。
【0043】
以下、ユーザへの通知方法の具体例を説明する。
例えば、サインとなる看板に取り付けられたランプ30を点灯させたり、立体の造形物(例えば、目的物として「ミネラルウォーター」が検索された場合には、ミネラルウォーターのペットボトルの形をした造形物)を回転させたりして、ユーザの目的物が当該看板や造形物の近くに存在することをユーザに知らせてもよいし、「水」が検索された場合には、水の流れる音を流すことで、当該流水音の近くに「水」が存在することをユーザに通知してもよい。
【0044】
また、目的物の検索要求として、対象エリアがリアル店舗で検索キーワードが「雑貨 AND 500円以下」と入力された場合、物品情報記憶部11に商品カテゴリが雑貨として登録されている商品のうち、当該リアル店舗で販売価格が500円以下の商品が陳列されている棚の近傍に配置されているランプ30に対して物品所在通知部16により点灯指示を行うことにより、ランプ30を点灯させる。
また、目的物の検索要求として、対象エリアが倉庫で検索キーワードが「今年入荷商品 OR 商品A」と入力された場合、当該倉庫に今年入荷した商品、又は、商品Aが保管されている場所の通知と方向指示がユーザになされる。
また、目的物の検索要求として、対象エリアが事務所で検索キーワードが「商品型番2022-A」と入力された場合、「商品型番2022-A」の物品の事務所内における場所の通知及び方向指示がユーザになされる。
また、目的物の検索要求として、対象エリアが倉庫で検索キーワードが「今年入荷以外」と入力された場合、当該倉庫に今年入荷した商品以外の商品が保管されている場所への方向指示及び当該場所の通知がユーザになされる。
【0045】
また、リアル店舗にてユーザが情報通信端末20に「水」とテキスト入力してキーワード検索を行った場合、当該リアル店舗の「水」が販売されているエリア、「水」が提供される喫茶店エリア、「水」を流す水道があるレストルームエリア等が情報通信端末20に表示される。なお、ユーザは、情報通信端末20を操作して、「コップに入った水」や水滴の絵をディスプレイ上に描いて検索することもできる。
【0046】
また、リアル店舗A内に陳列されている「水」、「パン」、「リンゴ」等の商品の画像を事前に物品情報記憶部11に登録しておいた場合、ユーザは目的物の検索要求として、「リアル店舗Aの商品」で検索することができる。この場合、検索要求に該当する商品の数が多い場合には、後述する候補提示部17がこれらの登録されている商品の画像を情報通信端末20に選択枝として表示し、ユーザがその表示された複数の画像から「水」の画像を選択した場合に、物品所在通知部16は当該画像で示される商品の所在を通知してもよい。
【0047】
また、サーバ10が情報通信端末20から受信した目的物の検索要求が、所定期間及び所定の母集団において所定の売上順位を有する商品についての検索要求である場合には、物品所在通知部16は、複数箇所のランプ30を同時に点灯させる等、複数場所での通知表示を行っても良い。また、その通知表示された各場所の区別をつけるために通知方法及び表示方法を変えても良い。具体的には、ユーザが倉庫にて今月の売れ筋商品の上位から3つの商品を検索した場合、今月の売上が1~3位の商品が保管されている3箇所の場所各々の近傍に配置されているランプ30を同時に点灯させる。この場合に、1位の商品が保管されている場所の近傍に配置されているランプ30の色を赤色に点灯させ、同様に2位は青色、3位は緑色といったように、順位によってランプ30の色を変えて通知してもよい。或いは、ランプ30の代わりに電光掲示板を設置して、当該電光掲示板に、画像や文字で、それぞれ1位、2位、3位と表示してもよい。
【0048】
候補提示部17は、目的物判定部14が目的物に該当する物品を判定できなかった場合、或いは、「候補要求フラグ」がオンの場合、或いは、「候補要求フラグ」がオフであっても目的物判定部14によりユーザに候補の提案が必要と判定された場合には、物品情報記憶部11に記憶されている物品情報に基づいて、前記目的物に該当する物品の候補となる目的物候補一覧を表示するための候補一覧情報を生成し、当該候補一覧情報を情報通信端末20に送信することにより、ユーザに候補一覧を提示する。
【0049】
候補提示部17によりユーザに提示された候補一覧の中から特定の物品が選択された場合、目的物判定部14は、当該選択された特定の物品が目的物に該当する物品であるものとして処理を行う。ここで、ユーザにより選択される物品は1つのみであってもよいし、複数選択可能としてもよい。複数選択可能とする場合には、選択数の上限を設けてもよい。
【0050】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、上記構成の目的物所在検索システム1が行う検索処理の手順について説明する。
前提として、物品情報記憶部11、物品所在記憶部12、見取図記憶部18には、対象エリアに置かれている物品についての物品情報、所在情報、対象エリアの見取図情報がそれぞれ予め登録されているものとする。
【0051】
ユーザは、情報通信端末20を操作して、検索対象とする対象エリア(リアル店舗、倉庫、オフィス、自宅等)を選択し、検索対象の指定情報として検索キーワードを入力し、「候補要求フラグ」を設定した上で、目的物の検索要求を送信する指示を行う。これにより、情報通信端末20は、目的物の検索要求をサーバ10に送信する(ステップS101)。
【0052】
サーバ10の検索要求受信部13は、情報通信端末20から目的物の検索要求を受信する(ステップS102)。当該目的物の検索要求を解析し、当該検索要求に含まれる「候補要求フラグ」がオフに設定されている場合には(ステップS103:No)、目的物判定部14は、物品情報記憶部11に記憶されている物品情報を検索して、目的物に該当する物品を判定する(ステップS105)。
【0053】
検索対象とされている目的物に該当する物品を判定できた場合には(ステップS106:Yes)、物品所在判定部15は、物品所在記憶部12に記憶されている物品所在情報を検索することにより、対象エリア内において当該目的物に該当する物品が存在する場所を判定する(ステップS109)。なお、情報通信端末20のGPSから情報を取得する等によりユーザが居る場所が判る場合には、サーバ10は経路判定部19によりユーザが居る場所から物品所在判定部15により判定された物品が存在する場所までの見取り図上における最短経路を判定してもよい。
【0054】
一方、目的物判定部14により目的物に該当する物品を判定できなかった場合(ステップS106:No)、又は、ステップS103において、目的物の検索要求に含まれる「候補要求フラグ」がオンに設定されていると判定した場合には(ステップS103:Yes)、候補提示部17は、物品情報記憶部11に記憶されている物品情報に基づいて、目的物に該当する物品の候補となる候補一覧を表示するための候補一覧情報を生成し、当該候補一覧情報を情報通信端末20に送信する(ステップS104)。
【0055】
情報通信端末20は、候補一覧情報を受信すると、ディスプレイに目的物の候補一覧を表示する(ステップS107)。ユーザは、情報通信端末20のディスプレイに表示された目的物の候補一覧の中から特定の物品を選択する操作を行う。これにより、情報通信端末20は、選択された物品に関する情報を送信する(ステップS108)。
【0056】
サーバ10は情報通信端末20から当該情報を受信すると、当該選択された物品が目的物に該当する物品であるものとして、当該目的物の所在判定処理を行う(ステップS109)。
物品所在通知部16は、物品所在判定部15により判定された当該目的物に該当する物品が存在する場所をユーザに通知する(ステップS110)。
具体的には、物品所在通知部16は、情報通信端末20のディスプレイに当該物品が置かれている場所を通知するための通知情報を送信する。なお、経路判定部19により最短経路が判定された場合には、物品所在通知部16は、当該通知情報に最短経路を示す情報を含める。
また、物品所在通知部16は、当該物品の近くに配置されているランプ30がある場合には、当該ランプ30に点灯指示を行う(ステップS111)。さらに、当該物品までの最短経路が判定された場合には、物品所在通知部16は、当該最短経路上に存在するランプ30に点灯指示を行う。
【0057】
情報通信端末20は、サーバ10から当該通知情報を受信すると、当該通知画面を表示する(ステップS112)。
ランプ30は、サーバ10から点灯指示を受信すると、点灯する(ステップS113)。
【0058】
以上、説明したように、目的物所在検索システム1は、リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等、各種の検索対象エリア内にあるユーザの目的とする物品の所在や、ユーザの居る場所から当該目的物までの最短経路を判定し、ユーザに通知するため、ユーザは目的物の所在及び最短経路を容易に知ることができ、検索に無駄な時間を費やすことなく、効率的に目的物を入手したり作業を行うことができる。
【0059】
なお、上述した実施形態は一例に過ぎず、本発明は特許請求の範囲に記載の発明の要旨を変更しない範囲内で、種々変形して実施することができる。
【0060】
例えば、目的物の実際の場所や最短経路の通知方法として、ランプ30の点灯又は点滅で通知する代わりに、矢印など方向がわかる記号や文字で通知してもよい。また、音や、オブジェクトの回転等の動作で通知してもよいし、ホログラム、AR、VR、MR、画面表示等、任意の通知方法を採用することができる。
また、目的物の場所及び最短経路の両方を通知するか、或いは、何れか一方を通知するかを、ユーザに予め選択入力させておいてもよい、また、目的物の場所の通知方法として、情報通信端末20への通知のみとするか、実際の場所でのランプ30の点灯のみとするか、或いは両方とするかを、ユーザに予め選択入力させておいてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態では、目的物所在検索システム1の通信方式はクライアントサーバ方式として説明したが、これに限定されることはなく、例えば、ブロックチェーン通信、P2P(ピアツーピア)であってもよいし、分散ストーレージ型ブロックチェーンを使用した通信であってもよいし、これらを組み合わせた通信方式であってもよいし、将来開発される通知方式であってもよい。
【0062】
また、目的物所在検索システム1は、複数の装置でなく、1つの装置で構成されていてもよい。目的物所在検索システム1が1つの装置で構成されている場合には、当該装置はインターネット等の通信ネットワーク40に接続してないスタンドアロンの装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等で、陳列商品の検索、在庫商品の検索、買い置き商品の検索、書類の検索等に利用することができる。
対象エリアが店舗の場合は、消費者向けに陳列する商品、及び、在庫としてバックヤードに置く商品の何れでも適用することができる。
また、対象エリアが倉庫の場合は、目的とする商品へのルートを情報通信端末20に画像表示させることもできるし、通路に配置したランプ30で通知することもできるし、また、商品を保管している棚やその棚のエリア自体を情報通信端末20に画像表示させることもできるし、当該棚のエリアに設けられたランプ30を点灯させて通知することもできる。対象エリアが図書館の場合には、ユーザが目的とする本が置かれている書棚に取り付けられたランプ30を点灯させて通知表示することができる。対象エリアが家庭の場合には、目的物が置いてある部屋へのルートや収納保管場所自体をユーザに通知表示することができる。対象エリアがオフィスであって書籍を探す場合、ユーザは情報通信端末20を用いてキーワード検索することで、当該書籍が保管されている場所の情報を情報通信端末20に通知表示することができ、容易に目的とする書籍を発見することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 目的物所在検索システム
10 サーバ
11 物品情報記憶部
12 物品所在記憶部
13 検索要求受信部
14 目的物判定部
15 物品所在判定部
16 物品所在通知部
17 候補提示部
18 見取図記憶部
19 経路判定部
20 情報通信端末
30 ランプ
40 通信ネットワーク

【要約】      (修正有)
【課題】リアル店舗、倉庫、オフィス、家庭等、各種の検索対象エリア内にあるユーザの目的とする物品の所在を検索する目的物所在検索システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバと、情報通信端末と、ランプとが、通信ネットワークを介して通信可能に接続する目的物所在検索システムにおいて、サーバ10は、対象エリア内における物品情報を記憶する物品情報記憶部11と、物品所在情報を記憶する物品所在記憶部12と、対象エリア内に存在する目的物についてのユーザによる検索要求を受けとる検索要求受信部13と、物品情報を検索することにより目的物に該当する物品を判定する目的物判定部14と、目的物判定部により判定された目的物に該当する物品が存在する場所を物品所在記憶部12に記憶されている物品所在情報に基づいて判定する物品所在判定部15と、当該場所をユーザに通知する物品所在通知部16と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3