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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】携帯型装置の消毒
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20230911BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20230911BHJP
   H04M 1/17 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
A61L2/10
H04M1/11
H04M1/17
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022063920
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2020569072の分割
【原出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2022091983
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】62/683,933
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520378012
【氏名又は名称】ユーブイ パートナーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュ.バールマン
【審査官】長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-236414(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174232(JP,U)
【文献】特開平09-000608(JP,A)
【文献】特開2006-180357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
H04M 1/02-1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器によって支持される、画面を有する携帯型電気装置を消毒して充電するためのUV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器は、
前記携帯型電気装置の前記画面へのアクセスが妨げられることなく、前記画面を有する前記携帯型電気装置を支持するUV透過性支持面を有するUV消毒充電器ハウジングと、
前記UV透過性支持面の下に配置されたUV源であって、前記UV透過性支持面にUV光を照射するUV源と、
前記UV源に隣接して配置されたUV透過性支持面と、
前記UV源を操作して、前記UV透過性支持面が、前記携帯型電気装置の周りを360度移動して前記携帯型電気装置の3D消毒を提供するUV光経路に沿ってUV光を促進するように、前記UV透過性支持面にてUV光を生成する、消毒制御システムと、
前記携帯型電気装置に電力を供給する充電制御システムと、を具備する、UV消毒充電器。
【請求項2】
前記UV透過性支持面は、前記UV光が消毒の困難なエリアに到達するのを支援する、請求項1に記載のUV消毒充電器。
【請求項3】
センサシステムを備えており、
前記消毒制御システムが、前記UV消毒充電器に近接するユーザを検出すると1ミリ秒内に消毒を停止するように構成される、請求項1に記載のUV消毒充電器。
【請求項4】
前記UV源は、第1のUV光源及び第2のUV光源を備え、前記第1のUV光源は、前記UV透過性支持面の下に位置づけられ、前記第2のUV光源は、前記携帯型電気装置の上に位置づけられる、請求項1に記載のUV消毒充電器。
【請求項5】
前記携帯型電気装置の充電状態及び消毒状態を示すユーザインターフェースを備える、請求項1に記載のUV消毒充電器。
【請求項6】
前記消毒制御システム及び前記充電制御システムは、前記携帯型電気装置の使用、充電及び消毒に関連する情報を追跡する、請求項1に記載のUV消毒充電器。
【請求項7】
UV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器によって支持される、画面を有する携帯型電気装置を消毒して充電するためのUV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器は、
UV源と、
前記UV源の上に隣接して配置された支持面であって、記支持面はUV透過部分を有し前記支持面は、前記携帯型電気装置の前記画面へのアクセスが妨げられることなく、前記画面を有する前記携帯型電気装置を支持するように構成される、支持面と、
前記UV源を操作して、前記支持面の前記UV透過部分が、前記携帯型電気装置の外面の消毒を提供する、前記携帯型電気装置の周りのUVエネルギー経路に沿って、UVエネルギーを促進するように、UVエネルギーを生成して、前記支持面へ向ける、消毒制御システムと、
前記携帯型電気装置に電力を供給する充電制御システムと、
センサシステムと、
コントローラと、
を具備し、
前記携帯型電気装置が置かれると、UV消毒サイクルが開始され、
ユーザが前記携帯型電気装置に触れていること、又は前記ユーザが前記携帯型電気装置の近傍に存在することを前記センサシステムが判定したときに、前記コントローラは、前記消毒制御システムの動作を無効化するか変更して、前記コントローラは、タイミングループを起動して所定の時間待機し、その後、消毒サイクルが再開され、前記コントローラによって動きが検出されると、前記消毒サイクルが遅延される、UV消毒充電器。
【請求項8】
前記UV透過部分は、前記携帯型電気装置が前記支持面に置かれる時に、前記携帯型電気装置の見えない隠れたエリアにUVエネルギーを向けるのを支援する、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項9】
前記消毒制御システムが、前記UV消毒充電器に近接する前記ユーザを検出すると、消毒を停止するように構成される、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項10】
前記UV源は、第1のUVエネルギー源及び第2のUVエネルギー源を備え、前記第1のUVエネルギー源は、前記支持面の下に位置づけられ、前記第2のUVエネルギー源は、前記携帯型電気装置の上に位置づけられる、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項11】
前記携帯型電気装置の充電状態及び消毒状態を示すユーザインターフェースを備える、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項12】
前記消毒制御システム及び前記充電制御システムは、前記携帯型電気装置の使用、充電及び消毒に関連する情報を追跡する、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項13】
静電容量及び動き検出のうち1つ以上を監視して、それに応じてUV消毒充電器を遮断するか再構成するセンサシステムを含む、請求項に記載のUV消毒充電器。
【請求項14】
前記UV源が、低線量UV源である、請求項に記載のUV消毒充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消毒、さらに具体的には、消毒に関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌が携帯型装置の表面に存在し、物理的な接触を介して携帯型装置との間で感染し、感染が広がる可能性があることはよく知られている。細菌及び関連する感染症によってもたらされるリスクを低減するために、さまざまな努力がなされてきた。例えば、感染の拡大を抑制することを目的として、携帯型装置の使用が社会で普及するにつれて、携帯型装置に殺菌作用を施すことに関心が高まっている。これには、消毒を繰り返し実施するか、体系的に実施するUV(「紫外線」)消毒システムの使用の増大が含まれる。現在、商業市場で入手可能なさまざまな種類のUV消毒製品がある。多くの従来のUV消毒製品には、さまざまな欠点がある。例えば、UVエネルギーには、プラスチックをはじめとする材料を劣化させる傾向がある。結果として、従来のUV消毒治療計画には、治療範囲内及びその周辺の物体に過度の望ましくない損傷を引き起こすという意図しない結果をもたらす可能性がある。
【0003】
一部の消毒システムでは、安全のために装置又は一式の装置を箱又はカートに入れて隔離し、装置にUVを過剰に照射して迅速に消毒する。このようなシステムは典型的には、高出力照明器具と伝達機構によって提供される高強度のUVエネルギーが利用される。これにより、多くの制限が発生して、システムが望ましいものではなくなり、高価になり、最終的には実用的ではなくなる。システム内では典型的には、装置を、箱、カート又はラックに関連付けられた構造を支持することにより、物理的に保持する。その構造は、細菌及び病原体を隠すか、表面が消毒されないように遮蔽することがある。UV照射量を低くしすぎると、装置の消毒がさらに困難になるか、消毒の信頼性が低下する可能性がある。このような問題に対処するために、一部のUV消毒システムでは、UVエネルギーの供給量を増大させて、UVエネルギーが装置のできるだけ多くの部分に到達するのを確実なものにする。しかし、これは、ラック内の位置又は装置の特定の物理的構成によっては、装置の一部にUV光が到達するのが難しい場合があるため、常に問題を解決するとは限らない。さらに、支持構造の接触エリアは、仮に処理されたとしても充分に処理されない可能性がある。これは、ユーザが装置を回収する際に支持構造に接触するときに問題を引き起こすことがある。
【0004】
装置の消毒と充電を同時に実施することができるように、一部の既知の消毒システムが充電ラックと一体化されている。これにより、消毒がいっそう困難になり、信頼性が低下する可能性がある。例えば、充電ラックの物理的な配置が原因で、装置を完全に消毒するのが難しい場合がある。消毒充電ラックには、隠れた細菌の量を増やすか、表面を消毒から遮断することのある、充電機能を支持するための追加の支持構造がある。このようなシステムは、相互作用(interaction)の容易化及び/又は高度に自動化された相互作用のために設計されていない。特に問題となる消毒の課題の1つが、細菌及び病原体の増殖を増大させる原因となる可能性のある充電接続点に関するものである。充電ラックがコード又は別のタイプの物理的充電接続部を利用するかどうかにかかわらず、充電期間の開始時と終了時に装置と物理的充電接続部とを手動で操作すると、生命への負荷(bio-burden)が増大するとともに、望ましくない相互汚染の機会とそれに関連するコストが発生する可能性がある。さらに、消毒ラックの充電では典型的に、相互作用の繰り返しと頻度が増大する。この増大した活動は、人の混雑した環境での使用の安全性を維持しながら、良好な消毒を装置の表面エリア全体に提供する必要があるという追加の課題を提示する。
【0005】
装置へのUVエネルギーの影響について学べば学ぶほど、従来のUV消毒システムにさらに多くの問題と欠点があることが明らかになる。UVエネルギーに関しては「多ければ多いほど良い」というUV消毒システムのこれまでの方向性には、強烈なUV曝露を意図していなかった材料の破壊又は劣化につながる悪影響がある。既知のUV消毒システムに関する他の課題には、自動化の欠如と不充分なユーザインターフェースとが挙げられる。既知のUVシステムでは、ユーザによる過度の手動介入を必要とすることが多く、ユーザが一連の作業全体にわたる装置の充電状態及び消毒状態を理解できないというように、作業を不明瞭にすることがよくある。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの態様が、UV透過性ケースを用いて感染の拡大を抑制することにつながる改善に関する。携帯型電気装置を、携帯型電気装置の周りの経路にてUVエネルギーの伝達を可能にするUV透過層を提供するUV透過性ケースに設置することができる。3次元のUVエネルギー経路により、携帯型電気装置とケースとの外部に露出した表面を迅速かつ確実に消毒することができる。UV透過性ケースは、UVエネルギーをUV透過経路に向けて戻すのを支援するために、UV反射基板を備えてもよい。UV透過性ケースのいくつかの実施形態が、UV透過性ケース内に組み込まれたUV消毒制御システム及びUV源を有する自己消毒型であってもよい。
【0007】
本発明の他の態様が、UV消毒充電システムを用いて感染の拡大を抑制することにつながる改善に関する。UV消毒充電器が、携帯型電気装置への充電電力のほか、携帯型電子装置を消毒するためのUVエネルギーも提供することができる。UVエネルギーからユーザを保護すると同時に、携帯型電気装置の消毒を提供することができる。システムは自動化するか半自動化して、いっそう高速でいっそう制御された消毒及び充電ソリューションを提供し、顧客満足度を向上させることができる。即ち、充電、消毒及び安全性に関連する一連の作業を、自動化するか半自動化することができる。ユーザインターフェースが、充電状態と消毒状態に関連する情報を提供することができる。消毒充電器のいくつかの実施形態には、携帯型電気装置を均一かつ一貫した方法で消毒することができるように、UVエネルギー経路に沿ってUVエネルギーを方向づけるUV透過性支持面が含まれてもよい。
【0008】
UV透過性ケース及びUV消毒充電器のさまざまな実施形態は、完全な消毒を確実なものにするのに役立ち、携帯型電子装置のうちの到達しにくいエリアの方にUVエネルギーを提供するか方向づけることができる。即ち、本発明のいくつかの実施形態が、効果的な消毒に関連する多くの問題に対処することができるUV透過性材料及び利用法に関する。このような材料をケースと支持面とに統合することにより、以前は見えなかった表面(即ち、UVエネルギーが到達できないか到達しにくい表面又はその一部)の処理が可能になり、3次元消毒ソリューションが可能になる。例えば、携帯型電気装置の一部のエリア及び装置ケースの一部のエリアには、充電ポート、構造によって阻止されたエリア又はUV光源からさらに離れて位置決めされたエリアなどの消毒が困難なエリアが含まれる場合がある。
【0009】
充電装置
携帯型装置を充電することが必要になるのは日々の必須要件である。装置を、電気接続又は無線充電を介して充電することができる。USBからマイクロUSB、USBC、避雷コネクタ、電気接点又は他の電気接続部まで、さまざまな接続ソリューションを使用して携帯型装置を充電することができる。1日を通して数人が携帯型装置を使用するため、装置を消毒が困難な環境に置く可能性がある。
【0010】
表示と監視のフィードバック
装置の接点端子を保持する充電ステーションにて装置を充電することがある。このような装置の接点端子が充電され、新しい装置が追加され、充電された装置が取り外される場合、何が充電され、何が消毒されて使用できる状態であるかを確認することができることには価値がある。本発明のいくつかの実施形態では、例えば、赤及び緑のLEDを使用して、充電状態及び消毒状態の表示器を含むユーザインターフェースが提供される。これにより、装置がいつ充電され消毒されたかを、容易かつ効率的に一目で識別することが可能になる。
【0011】
人間の近傍での消毒の停止
従来の消毒システムの中には、蓋付きの箱を使用し、扉を開けると消毒が停止するものがある。本発明のいくつかの実施形態では、改善された感知及びインターロック(interlock)が提供される。例えば、いくつかの実施形態には、静電容量、動き検出(例えば、受動型赤外線(「PIR」)又は温度ベースの動き検出)又は加速運動のうちの1つ又は複数を監視して、消毒過程を遮断するか再構成できるセンサシステムが含まれる。低線量UVを使用すると、充電面又は充電ラックと関わり合う人間との安全なユーザインターフェースが可能になる。
【0012】
360度の3D保護
いくつかの実施形態には、携帯型装置を取り囲む保護ケースを提供するUV半透明材料又はUV透過性材料が含まれる。このケースは、UV伝達媒体を形成し、携帯型装置周り、例えば、携帯型装置の略直方体の形状全体の周りを消毒することを可能にする。携帯型装置の底部のように、UVが届かないエリアをここでは消毒することができ、360度又は3次元(「3D」)の保護を提供することができるようになる。ケースのない携帯型装置の場合、UV消毒充電器が、基部にUV透過性材料又はUV半透明材料を利用して、製品の底部をUV処理することができる。UV支持構造体又はUV透過性ケースのいずれかである透過性材料を介して低線量UV投影を行うことにより、携帯型装置を効果的、効率的及び安全に消毒することができる。
【0013】
制御とインターフェース
UV消毒充電システムの実施形態のいくつかでは、人間の活動を検出し、検出した活動を使用してシステムを制御することができる。いくつかの実施形態では、システム近傍を走っている間でさえ、人間を検出することができる。このシステムは、センサシステムを使用して人間の活動、例えば、1つ又は複数の動き、加速度、静電容量式タッチを検出することができるか、電力センサを使用して、ユーザが存在するときにUV源を遮断するか再構成することができる。
【0014】
システムは、装置がいつ充電されているか、充電及び消毒の時間、消毒の充電サイクル及び充電状態を追跡することができる。携帯型装置は、例えば、携帯型装置のアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を介して通信することにより、この情報の追跡を支援することができる。携帯型装置APIは、充電を追跡し、その充電が装置に関するものであれば、充電器に報告を戻す。APIは、USB接続又はBTLE経由で作成してもよく、充電器と組み合わせることができる。
【0015】
材料の選択
プラスチックを注入したPFAを利用して、UV透過面を提供することができる。プラスチックを注入したPFAは、UV-C透過によって機能する。さらに、テフロン(登録商標)もUV透過面を提供することができる。材料の厚さは、透過能力を判定する1つの因子である。内壁面は、散乱反射を可能にするためにテクスチャ加工することができる。内壁面はこのほか、装置をUV曝露から保護するほか、UV光の良好な分散及び反射を提供するために反射体で被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工面と反射体被覆との組み合わせが利用される。
【0016】
内側から外側への投射、外側での投射、内側から外側の送信器基板への投射、外側から送信器基板への投射
UV消毒システムの複数の実施形態では、本発明によるUV源のさまざまな構成を提供することができる。いくつかの実施形態には、
・上から装置に向けられたUV源照明と、
・透過性材料を介してUVを透過する装置の下からのUV源と、
・上下のUV源であって、支持材料上のUV源が透過性支持材料を介してUVを透過させ、底部を適切に消毒できる上下のUV源と、
・上方のUV光源であって、UV源が先ず携帯型装置に放射し、次に透過性支持材料を介してUVを透過させて、取り付け状態に応じて、底面又は側面を適切に消毒することを可能にすることによって、携帯型装置を消毒する上方のUV光源と、
・携帯型装置周りのケースを消毒するUV源であって、ケースが、適切な消毒のために携帯型装置周りのエリアにUVを分配する、UV源と、が含まれる。
【0017】
自己消毒保護ケース
UV透過性ケースのいくつかの実施形態を、内部に消毒源及び消毒制御システムを備えることによって、自己消毒型として構成することができる。このような実施形態では、携帯型装置の電力を使用する場合も、独自の電池を使用する場合もある。ケースには、追加の細菌又は病原体の隠れ場所を防ぎ、コネクタの無い設計を可能にする無線充電が含まれてもよい。システムは、加速度計、電池充電レベル、静電容量タッチセンサなど、携帯型装置からの機器及び情報を使用するか、必要に応じて、消毒システムと共に使用するためにケース内にもこのようなシステムを設けてもよい。
【0018】
装置保護
従来の装置では、消毒キャビネットが、装置にUVを照射し、UVは材料を分解することがある。本発明によるUV透過性装置ケースのいくつかの実施形態には、外部消毒を可能にしながら装置を保護するための内部反射体が含まれる。
【0019】
動作のインターロック
受動型赤外線(「PIR」)センサなどの赤外線センサを使用して、動きを検出することができる。さらに、加速度計を使用して加速度を検出し、手がいつ届いたか、装置がいつ移動したか、タップされたか、操作されたかを知ることができる。このようなセンサをUV消毒制御システムと組み合わせて、インターロックを提供する動作を停止するか変更することができる。
【0020】
アセット追跡(Asset tracking)
アセット追跡部品をUV透過性ケースに設けることができる。アセット追跡部品を利用して、電力を供給し、携帯型装置と共にアセットタグ(asset tag)を保護することができる。
【0021】
保護ケースと透過性消毒媒体
いくつかの実施形態では、スクリーンフィルムへのUV光伝送を可能にするように、溶接されるか終端された保護ケース及びスクリーンフィルムを形成するように組み合わされる、成形済みUV透過性ケースと透過性フィルムとが提供される。フィルムは約0.05mm以下であるため、携帯型装置の静電容量式タッチが適切に機能することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A図1Aは、スマートフォン用のUV透過性ケースの一実施形態を示す図である。
図1B図1Bは、断面線1Bに沿って切断された図1AのUV透過性ケースの代替実施形態の断面図である。
図1C図1Cは、断面線1Bに沿って切断された図1AのUV透過性ケースの代替実施形態の断面図である。
図2図2は、スマートフォン用のUV透過性ケースの代替実施形態の分解図である。
図3図3は、タブレット用のUV透過性ケースの実施形態を示す図である。
図4A図4Aは、自己消毒型UV透過性ケースの一実施形態の分解図である。
図4B図4Bは、自己消毒型UV透過性ケースの一実施形態の回路の代表的なブロック図である。
図5図5は、可撓性UV透過性カバーの一実施形態を示す図である。
図6図6は、UV消毒充電器の代表的なブロック図である。
図7図7は、携帯型装置の背面を支持するUV透過性材料を備えたUV消毒充電器の側面斜視図である。
図8図8は、図7のUV消毒充電器の上面図である。
図9図9は、図7のUV消毒充電器及び壁取り付け電源の上面図である。
図10図10は、UV消毒充電キャビネット又はラックの代表的なブロック図である。
図11図11は、表示器及び動き検出を備えたUV消毒充電キャビネットの一実施形態の斜視図である。
図12図12は、UV-C半透明又は透過性フィルムの設置を示す、断面線1Bに沿って切断された図1AのUV透過性ケースの断面図である。
図13図13は、断面線13に沿って切断された図4AのUV透過性ケースの代替実施形態の断面図である。
図14図14は、断面線13に沿って切断された図4AのUV透過性ケースの代替実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
A.UV透過性ケース
図1図5は、さまざまな携帯型装置と共に使用するためのUV消毒ケースの複数の実施形態を示す。各ケースは、UV源から携帯型装置及びケースアセンブリのさまざまな外面へのUVエネルギーの信頼性の高い伝送を容易にすることにより、内部に設置された携帯型装置の消毒を促進するように構成される。
【0024】
各ケースには、UV透過層又は直上層と、ケースの接触可能な表面を形成する露出外面とがある。いくつかの実施形態では、ケースの露出外面はUV透過層である。UV透過層は、少なくとも65パーセントのUV透過率を有してもよい。多くの実施形態では、典型的には100nmから290nmの波長範囲の光を含むUV-Cを利用する。本発明によるさまざまな実施形態と併せて機能するUV光源は、約254nmの波長でUV光を生成するように構成されてもよい。一実施形態では、本発明は、254nmにて少なくとも60パーセントの透過率を有するUV-C透過性材料を利用する。別の実施形態では、本発明のUV透過性材料は、254nmにて少なくとも65パーセントの透過率を有する。さらに別の実施形態では、UV透過性材料は、少なくとも70パーセント又は少なくとも約72パーセントの透過率を有する。UV溶融シリカ、溶融水晶及びPFAが、254nmにて適切なUV-C透過率を提供する。アクリライト(Acrylite)材料などの多くの典型的な材料が、典型的な用途に適した充分なUV-Cを通過させない。UV透過層は、フルオロポリマー又はペルフルオロアルコキシから製造されてもよい。それぞれのケースはUV反射基板層を備えてもよい。特に、携帯型装置上に設置されたときのケースが、UV光をケース全体に方向づけて携帯型装置とケースアセンブリの露出面を確実に消毒するUV透過システムを提供する。UV光源を、ケースの内部に位置決めしても、別個の外部のUV消毒システムに位置決めしてもよい。UV光源は、UV透過性直上層に隣接して位置決めすることができ、その結果、UV光が、UV透過性直上層内に透過し、同層に沿って移動して、外面全体にわたって徐々に放射され、外面を処理する。反射層は、基板へのUV光の浸透に抵抗し、基板、ひいてはケースが保持する携帯型装置をUV劣化から保護するだけでなく、そのUV光を反射してUV透過性直上層に戻し、そこで外面のUV処理に貢献することができる。即ち、UV透過性直上層は、外面を通って放射されるUV光と共に、直上層に沿ったUV光の透過を容易にする。UV透過性直上層は、UV光の概ね均一な漏出を提供し、ひいては外面の概ね均一な処理を提供するように構成されてもよい。例えば、直上層の厚さは、UV光源から離れるにつれて減少してもよく、及び/又は直上層は、UV光の制御された漏出を提供するためにテクスチャ加工されてもよい。
【0025】
反射層を含む実施形態の場合、反射層は、反射性材料として反射性粒子を有する外層の下に配置された熱可塑性基板であってもよい。一実施形態では、本発明は、UV-C光に対する反射性が向上した熱可塑性プラスチックを含んでもよい。e-PTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)を含有するフローセルが、95%以上のUV-C光の反射率を提供し、このような材料で構築されたシステムを高透過性にする。
【0026】
熱可塑性組成物及びUV反射性材料の組成及び構成は、所望のレベルのUV反射率及び所望の用途のための透過率を有する組成物を提供するように選択することができる。熱可塑性組成物の組成はこのほか、費用効果が高く、少なくとも所望の期間、UV放射に暴露されたときの劣化に耐性があるように選択されてもよい。PFA及びe-PTFEの利用は、反射体及びUV-C透過性材料の優れた例である。本発明での使用に適切なUV反射性材料の詳細及び例はさらに、2018年3月30日出願のBaarmanによる「消毒行動の追跡とランク付け」と題された米国仮特許出願62/650,340に記載される。この仮特許出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0027】
装置には、ペルフルオロアルコキシ(「PFA」)などのフルオロポリマーが、その接触可能な表面上にUV-C 254nm光を透過させるための光導体として層上に含まれてもよい。デュポン社のテフロン(登録商標)(Teflon)を使用することもできるが、ダイキン社のNEOFLON PFA AP201SH、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体を用いて、いくつかの良好な結果が得られている。炭素原子とフッ素原子のみで構成され、水素原子を含まないペルフルオロポリマーがそれにあたる。
【0028】
ケースは、さまざまな異なる構造の形態にすることができる。スマートフォン用のUV透過性ケースのいくつかの異なる実施形態を図1図2に示す。図3は、タブレット用のUV透過性ケースを示す。
【0029】
図1Aを参照すると、一実施形態のUV透過性ケースが示される。ケースは、3つのスナップ式要素、即ち、前部及び後部の筐体102、104及びスクリーンフィルム106を備える。代替の実施形態では、前部及び後部の筐体は、携帯型装置の摩擦嵌合を可能にする単一の構造として提供されてもよい。あるいは、別の代替手段として、スナップ篏合(snap-fit)以外の方法、例えば、機械的締結具を使用することにより、筐体同士を締結してもよい。図示の実施形態では、このような3つの要素は、保護のために装置を取り囲み、3次元表面全体にわたってUV消毒分布を可能にする。
【0030】
図1Aに示すケース100は、UV透過性フィルムの形態のスクリーンカバー106を備えた消毒半透明プラスチックハウジング102、104を備える。消毒半透明プラスチックハウジング102、104は、上記のように、UV反射基板層及びUV透過性直上層を備える。
【0031】
UV反射基板層は、ケースの表面に面する装置の一部又は全部として構成することができる。即ち、ケース100の装置に面する表面は、テクスチャ加工され、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)、二酸化チタン(「Ti02」)又はアルミニウムなどのUV反射性材料によって被覆されてもよい。UV反射性材料は、UV反射特性及び/又はUV吸収特性を有してもよい。表面は、基板にUV反射性材料をめっきし、電気被覆し、基板をUV反射性材料で塗装することによって仕上げることができ、あるいはその他の方法で基板に塗布することができる。さまざまな表面処理は、基板の両面又は基板の片面だけに適用することができる。
【0032】
ハウジング102、104及びスクリーンカバー106の配置は、おそらく、図1Bに示す断面図を参照すると最もよく理解することができる。断面図は、ハウジング102、104が、スナップ篏合又は他の方法で組み立てられると、UV透過層122と、UV反射基板120と、ケースの外面の大部分を形成する任意選択の仕上げ層124とを筐体にどのように設けられるかを示す。現在の実施形態では、携帯型装置101は、内部ハウジングに対して摩擦嵌合している。具体的には、携帯型装置101は、UV反射基板120に対して摩擦篏合している。スクリーンフィルム106は、携帯型装置101の前面のタッチスクリーン上の所定の位置にはめ込まれる。UV透過層122と接触するUV光又はUVエネルギーは、装置周りの3次元空間に沿って層122によって案内される。スクリーンカバー106はそれ自体がUV透過性であり、UV透過層122は光学的接続で配置されるため、透過層を通って移動するUVエネルギーが、スクリーンフィルム106に沿って移動し、その表面を消毒するように促される。図1Cは、ハウジング102、104が互いにはめ込まれて仕上げ層124が携帯型装置の背面周りを包み込まない代替の実施形態を示す。代わりに、UV透過層122及びUV反射層120のみが、装置の側面及び背面周りを包み込む。仕上げ層124は、携帯型装置の周辺縁に沿ってのみ設けられる。この構成では、装置がUV充電ラック又はUV消毒充電器上に載置されるときに、UVエネルギーがUV透過層120に到達するために仕上げ被覆124を透過する必要がなく、装置周りを360度包み込むUVエネルギー経路に沿って伝達され、3次元消毒を提供することになるため、仕上げ層124は非UV透過性表面であってもよい。
【0033】
図1Aに戻ると、ハウジング102、104は、スクリーンカバー106によって覆われているスクリーンエリアを主に除いて、携帯型装置101を概ね取り囲んでいる。ハウジングはこのほか、ボリューム制御ハウジング特徴110、電力制御ハウジング特徴112、スピーカーハウジング特徴114、カメラハウジング特徴116及び電源接続ハウジング特徴118など、携帯型装置のさまざまな特徴の利用を容易にするための追加の開口及びボタンを備える。UV透過層122は、これらの特徴を取り囲み、これらの特徴が充分な線量のUVエネルギーを受け取り、それによって消毒されるように、UVエネルギーをこれらの特徴の方に方向づける。
【0034】
UV透過性フィルム106の厚さは、用途に応じて変えることができる。現在の実施形態では、厚さは0.05mm未満であり、UV光を携帯型装置スクリーンに誘導しながら携帯型装置スクリーンの静電容量式タッチ機能を可能にする。代替の実施形態では、厚さは、0.05mm以下であることがあり、それでも、UV光を携帯型装置スクリーンに誘導しながら、携帯型装置スクリーンの静電容量式タッチ機能を可能にする。スクリーンフィルム106は、光学的及び機械的又は他の方法で物理的にケースハウジング102、104又は携帯型装置101に接合することができる。具体的には、スクリーンフィルム106は、おそらく図12の断面図に最もよく示すように、UVがフィルムの縁に自由に入ることができるように、研磨面を備えた前面ハウジング近くのその周辺に沿ってハウジングに取り付けることができる。UV透過性フィルム106は、さまざまな周知の技術を介して、前部筐体及び/又は携帯型装置101自体に接合することができる。例えば、図12に示すように、UV透過性フィルム106は、前面ハウジング104の内壁面の部分180にプラスチック溶接されてもよい。このようにスクリーンフィルム106をケースに接合することにより、UV透過性スクリーンフィルム106とUV透過性ケースとの間の光通信を可能にすることができる。前部筐体は、前部筐体及び後部筐体が携帯型装置周りに取り付けられたときに、スクリーンフィルム106が携帯型装置101のタッチスクリーンに隣接するように、事前に溶接されたスクリーンフィルム106を有することができる。これとは別に、スクリーンフィルム106は、さまざまな乾式又は湿式取り付け技術を介して、ユーザが携帯型装置101又はケース100に取り付ける別個の構成部品として設けることができる。例えば、1つの代替の実施形態では、フィルムは、基板において携帯型装置101又はケース100の部分180に直接接着するための接着剤を有する一方の側に設けることができる。
【0035】
図2は、UV透過性ケースの別の実施形態を示す。図2の分解図は、消毒半透明プラスチックケース202の後部と、消毒プラスチックケース204の前部と、消毒半透明フィルム206と、ケースに設置することができる携帯型装置201とを示す。ケースの前部204及び後部202は、共にスナップ篏合して、携帯型装置201を囲む。消毒半透明フィルムは、ケースの前部204の開口部の縁に沿ってスナップ篏合する。構成部品は、組み立てられると、消毒半透明プラスチックケース200を提供する。
【0036】
図3は、UV透過性ケースの別の実施形態を示す。このケースは、図1図2に示すケースとほぼ同じであるが、タブレット装置用に特別に構築される。消毒半透明プラスチックケース300は、タブレット301の(図示しない)タッチスクリーンを覆う(図示しない)消毒半透明フィルムと共に、後部ハウジング部分302及び前部ハウジング部分304を備える。後部ハウジング部分302及び前部ハウジング部分304は、協働して、UV透過性ハウジング全体にUV光を導くほか、UV光を消毒半透明フィルムに方向づけるUV透過性表面を用いてタブレットを包む。本質的に任意の携帯型装置の代替の実施形態は、UV反射基板層と、UV光の透過を容易にして装置及びケースを消毒するUV透過性直上層とを有するハウジングで装置が覆われるように構築することができる。
【0037】
図5は、消毒用の可撓性UV透過性ケースの実施形態を示す。UV透過性物質及びUV反射性物質の配置は、上記で考察したUV透過性ケースの配置とほぼ同じである。しかし、このような物質が適用される材料は、袋が多数の異なるサイズ及び形状の装置に適合することができるように手で曲げやすい柔軟な材料である。例えば、袋は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)又は別の可撓性プラスチック材料から作成することができる。袋の柔軟性の程度は、可塑性及び柔軟性を生成するか促進し、脆弱性を低減するために合成樹脂に添加される物質である可塑剤の添加を介して調整することができる。UV透過性材料及びUV反射性材料は、めっき、被覆、塗装又はその他の方法で可撓性材料に適用することができる。
【0038】
可撓性UV透過性ケースは、UV透過性材料を含む袋として構成される。袋は、携帯型電気装置を挿入するための開口部を備え、ジップロック、スナップ又は引きひもなどの閉鎖具を備えてもよい。例えば、スライダをチェーンに沿って移動させて、筐体を留め具で開閉することができる。閉鎖具は、封止を作成することができるか、装置が袋から簡単に脱落しないように単に袋を充分に閉じることができる。使用中は、携帯型装置を袋に滑り込ませ、袋を閉じる。袋にはUV透過性材料が含まれているため、UV源の近くに載置すると、UVエネルギーが袋に到達するため、可撓性袋の壁は、袋の壁全体にUVエネルギーを分散させる光伝送面として機能し、可撓性袋がUV源の近くにあるときに形成されるさまざまな隅と隙間を消毒する。袋のUV透過性壁は、UV透過層の下に配置されたUV反射基板と組み合わされると、袋の表面全体を消毒する携帯型装置周りに3次元でUVエネルギー透過経路を形成する。この低コストのUV透過性筐体は、ほとんどあらゆる携帯型装置に使用することができる。これにより、多数の装置での迅速な適応と使用が可能になり、簡単に形成して製造することができるため、スキャナー、ラジオ、電話をはじめとする装置に迅速に適応させることができる。
【0039】
UV透過性ケースにUV消毒回路を組み込んでもよい。それにより、自己消毒型UV透過性ケースを提供する。UV消毒回路により、ケースに設置された携帯型電気装置をケースが自己消毒することができる。UV消毒回路は、特別に配置して、携帯型電気装置の周りのUV透過経路に沿ってUVエネルギーを提供するように構成することができる。例えば、図4A及び図4Bは、UV消毒回路402及びUV源404を備える自己消毒型UV透過性ケース400の一実施形態を示す。
【0040】
図4A及び図4Bは、携帯型装置用の自己消毒型UV透過性ケース400のための例示的な制御システムを示す。図示の実施形態には、上記のUV透過性ケースの特徴が含まれ、さらに、ケース内又はケース上に設置された1つ又は複数の消毒源404を使用して消毒を実施するための構成部品が含まれる。自己消毒型UV透過性ケースにはこのほか、消毒プロセスの状態と進展を追跡するためのさまざまな構成部品が含まれてもよい。代替の実施形態には、所望の機能に応じて、図示の構成部品の一部又は全部が含まれてもよい。
【0041】
図4Bを参照すると、スタンドアロン型又は自己消毒型UV消毒ケース用の回路の一実施形態を示す代表的なブロック図が示される。ケースには、コネクタ424を介して携帯型装置401の電池、ケース内に配置された補助電池406によって電力を供給するか、電気コネクタ425、426を介して外部有線電源408から電力を供給するか、コイル420を介して(図示しない)無線電源から電力を供給することができる。ケースは、装置の電源を利用しないように構成されてもよい。ケースは、電力管理、消毒制御、有線又は無線充電411に対する充電制御及びアプリケーションプログラミングインターフェースなどのさまざまな機能を備えたコントローラ410を備えることができる。ケースは、RFIDコイル412及び関連するRFID回路414などのアセット追跡回路を備えることができる。ケースはこのほか、加速度計416及び/又は他の動きセンサ422及びユーザインターフェース418を備えることができる。1つ又は複数の無線電力コイル420を、ケース内に配置することができ、完全に内在するようにして、洗浄対しては水密にすることができる。
【0042】
自己消毒型UV透過性ケースは、電子装置、電池、UV源及び無線電力回路をはじめとするさまざまな構成要素用のポケットを備えてもよい。図4Aを参照すると、一実施形態では、構成要素402の大部分は、電源入力の近くに配置することができ、消毒源404は、ケース401のUV透過層に沿って方向づけられたUVエネルギーを伝達するように配置されたケースの縁に沿って配置される。UVエネルギーは、前部及び後部の筐体450、452に位置づけられたUV透過性材料及びUV透過性フィルム456によって提供されるUVエネルギー経路に沿って分散することになる。装置401、透過性ハウジング450、452、消毒源404、UV反射被膜480及びUV透過性フィルム456の配置は、図4Aの断面線13に沿って切断された図13の断面図に示される。図示のように、UV源は、ハウジングのUV透過層と、ハウジング450、452の内壁面に配置されたUV反射被覆480との間のケース内に配置される。UV光がUV源から放射されると、ハウジング450、452のUV透過性材料に沿って透過するのに対し、内部反射被覆480は、UV光をUV透過性ハウジング450、452に戻すように方向づける。UV光はこのほか、薄いUV透過性フィルム456を透過して、その表面を消毒する。
【0043】
図14は、UV透過性材料内の光の移動の例示的な描写を提供する。現在の実施形態では、描写は、UV透過性ケースの文脈内で示されるが、同じ原理が、UV消毒充電器の実施形態に関連して説明したUV支持構造に適用されることを理解されたい。図14を参照すると、UV源404は、全方向性又は指向性の様式で光を放射することができる。図示の実施形態では、凹型UV反射器490を装置401とUV源との間に位置決めする。反射器490は、UV光を装置から離れてケースの縁に向かって反射し、ケースの外面492の消毒に寄与する。図示のように、一部のUV光は、屈折して、UV透過性フィルム456をはじめとしたUV透過性ケース材料に沿って移動する。このようにして、UV光は装置周りを360度移動し、装置の表面の3次元すべてを囲む。図示の実施形態は、2つの追加の任意選択の特徴を含む。第一に、UV透過層494の内壁面の側面及び底面は、UV光分散のためにテクスチャ加工される。テクスチャ加工模様は、本質的に、所望のUV光分散を提供する任意のパターンであってもよい。第二に、UV反射コーティング又は層496を、UV光を反射してケースの外面492に向かって戻すために、テクスチャ加工模様に隣接して設けてもよい。
【0044】
光学的には、テクスチャを使用すると、複数の光路を作成することによって、伝送と性能を向上させることができる。基板は、強度のための構造的な厚さと、損失を少なくしてUV伝達を向上させるための薄めの厚さとを備えてもよい。厚さは、透過率の低い材料のUV-C損失に正比例する。引っかき傷、プリズムのような表面の勾配又は単純なテクスチャを提供することで、システムは材料から光を抽出することができる。この材料の変更がなければ、光は方向づけられたパターンで放出される傾向を有することになる。この例では、材料を通して投影されると、テクスチャ加工により光を拡散する。一例として、端からの光が石英片に投影されると、端から端への透過は大きいが、表面放射はほとんどない。石英がテクスチャ加工されている場合、あるいはUV反射性のある反射板がある場合、良好な透過率が達成される。いくつかの用途では、基板は、間接的な発生源捕捉のためのテクスチャと、直接的な発生源エリアのための研磨された表面とを備えてもよい。フレーミング工程(flaming texture)を用いて基板をテクスチャ加工して、研磨することにより、性能を向上させてもよい。
【0045】
このシステムは、ユーザの要求又は要望に基づいて、無線電力又は有線電力を有効にするように設計される。即ち、システムは、電力がコネクタ426に接続されたことを認識し、その電力を使用して、消毒システムを操作したり、電力を装置401に通過させたり、及び/又は補助電池406を充電したりすることができる。システムはこのほか、通信、電力の監視、充電状態、加速度センサ及びタッチインターフェース用の装置アプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)に接続するためのユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポート及び/又はBluetooth(登録商標) Low Energy(「BTLE」)機能をはじめとする装置インターフェースを備えることができる。ここに挙げた機能をはじめとする機能は、2018年3月30日に出願されたBaarmanの「消毒行動の追跡及びランク付け」と題された米国仮特許出願第62/650,340号に説明されるように実装することができる。この仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。通信と外部処理とを使用することにより、自己消毒型ケースに位置決めされた回路は縮小される場合がある。
【0046】
ケース400は、消毒状態を示すことができる1つ又は複数の表示器を備えたユーザインターフェース418を備えてもよい。例えば、装置が汚れていて消毒が推奨される場合は赤で点滅し、消毒の進行中は青で点滅し、装置が清潔であることを示すために緑で点滅する表示器を備える。
【0047】
消毒剤透過性半透明ケースにより、ケースを使用して、必要なときに必要な場所でこの表示を実施することができる。例えば、制御システムは、動き及び存在の検出の組み合わせを使用して、装置の移動が停止し、ユーザが不在のときを判定することができる。次に、装置が下に置かれると、UV消毒サイクルが開始され、適切な線量が供給される。システムは動きを監視し、システムがユーザの存在を判定してプロセスを最初からやり直すのに充分な大きな動きが検出された場合、消毒サイクルをリセットすることができる。このように、自己消毒型透過性ケースは、使用のたびに消毒し、次の使用のために装置を自動的に使えるようにすることができる。このケースに無線電力を受信するための回路を装備することにより、コネクタ又はアダプタが、装置の電源コネクタへの電気接続を可能にし、ひいては、消毒ケースに供給される無線電力を使用して装置を充電することができるようにする。これにより、バイオバーデンが増大するエリアになりやすいコネクタ及びコードの量を制限することにより、細菌及び病原体を隠す可能性のあるエリアが減少する。
【0048】
B.UV消毒充電器
いくつかの実施形態が、ユーザ検出及びセンサを利用して近接を検出し、安全性、消毒及び充電状態に関するユーザフィードバックを提供する監視及び安全システムを備えた消毒充電器に関するものである。充電器は、届きにくい表面を安全に消毒することができるように設計されたUV透過性材料を含んでもよい。この消毒充電器は、ユーザをUV曝露から保護するための自動インターロックを備えることができ、曝露限界対実際の暴露を記録することができる。このシステムは、エコシステムをさらに安全なものにし、安全パラメータの統計的共有を可能にするクラウドベースのシステムにすることができる。
【0049】
図6図9は、UV消毒充電器の第1の実施形態を示し、図10図11は、UV消毒充電器の第2の実施形態を示す。本発明のUV消毒充電器を、本質的に任意の装置又は装置ケースで使用するように構成することができる。即ち、本発明の一実施形態によるUV消毒充電器が、携帯型電気装置及び/又はその装置のケースを消毒するために、装置又は装置ケースに向けてUVエネルギーを伝達するためのUV源を備えることができ、さらに、同時に、あるいは異なる時間に携帯型電気装置に電力を供給することができる。例えば、本発明によるUV消毒充電器のいくつかの実施形態が、上記で考察したUV透過性ケースのいずれかと併せて機能することができる。これとは別に、UV消毒充電器のいくつかの実施形態では、UV透過性ケースなしで、あるいはケースが全くない状態で装置を消毒することができる。
【0050】
図6は、UV消毒充電器600の代表的なブロック図の一実施形態を示す。装置101は、下に任意選択のUV源を備えたUV半透明表面又はUV透過性表面604上に位置する。無線充電用に1つ又は複数の充電コイル616が提供される。システムは、無線充電回路614及びコイル616を使用して、装置が表面上に載置されたことを検出することができる。システムは、複数のインターロックを使用して動き、加速、充電を検出し、ユーザが装置に触れている、あるいは装置の近くにいると判定されたときに、UV消毒システムの動作を無効化するか変更する。これにより、タイミングループが起動され、所定の時間待機してから、消毒サイクルが再開される。動きが検出されると、消毒サイクルが遅れ、表示器が設定されて、装置が消毒されていないことを示す。図示の充電器はこのほか、図7図9に示すように、装置の上面を消毒するための頭上UV源606を備える。
【0051】
図示の実施形態には、充電面の下に配置された下部UV源602と、消毒される携帯型電気装置の上部にUV光を照射するように構成された上部UV源606の両方が含まれる。充電面は、底面及び側面を底面から消毒しながら、充電している装置601を支持するためのUV透過性支持材料604を含む。充電器600は、例えば、1つ又は複数の動きセンサ610を用いて、物理的動き及び赤外線の移動を検出する保護インターロックを備えることができる。このような動きセンサ610は、動きが検出されたときに消毒源を中断し、所定の時間動きがないときに消毒サイクルを開始するか、最初からやり直すことを可能にするために使用することができる。充電器基部600は、充電の状態、消毒の状態、ユーザの存在又は他のさまざまな情報を表すさまざまな表示器を備えるユーザインターフェースを備えてもよい。例えば、消毒状態表示器が、消毒が推奨される場合は赤く点灯し、消毒が進行中の場合は青く点灯し、消毒が完了して装置が清潔な場合は緑に点灯することができる。
【0052】
図6に示す実施形態は、無線電力伝達器回路614及びコイル616の形態の無線電力回路を含む。図示の実施形態はこのほか、コードを使用して単一又は複数の装置を充電するための1つ又は複数のUSBポート及びUSBCポート618を含む。代替の実施形態では、UV消毒充電器は、有線充電のみに対応し、無線充電には対応しなくてもよく、あるいはその逆でもよい。
【0053】
充電面のサイズは、用途によって異なることがある。おそらく図7図9に最もよく示すように、現在の実施形態のUV透過性支持面604は、スマートフォンを保持するサイズであるが、用途に応じて、15インチ×15インチ以上に拡大することができる。例えば、充電器が複数の装置、タブレット又はラジオを保持することになる場合は、エリアが大きくなることが望ましい場合がある。充電面の寸法は、装置のサイズが適切なものであればどのようなサイズにも対応できるように寸法決めすることができる。充電器はこのほか、さまざまな用途に使用するために複数の無線充電器及びUSB/USBCタイプのコネクタを提供することができる。UV消毒充電器600には、主電力線に接続された壁アダプタ620などの装置電源620によって電力を供給することができる。これとは別に、UV消毒充電器600には、電池又は他の電源によって電力が供給されてもよい。
【0054】
UV消毒充電器600は、電力管理、消毒制御、有線充電又は無線充電のための充電制御及びアプリケーションプログラミングインターフェースなどのさまざまな機能を提供するようにプログラムされたコントローラ622を備えることができる。コントローラ622は、さまざまなセンサ、例えば、動きセンサ610、ユーザインターフェース612、加速度計624など、用途に応じたセンサを備えることができるUV消毒充電器のセンサシステムと通信することができる。さらに、コントローラ622は、UV消毒源604、606を駆動する消毒源駆動装置627を操作することができる。
【0055】
図7図9は、UV消毒充電器600のさまざまな図を示す。図7は斜視側面図を示し、図8は俯瞰図を示し、図9は壁取り付け電源620を含む図を示す。1つのUV源を、UV透過性支持構造体604の下に位置づけ、1つのUV源606を、UV透過性支持構造体604上に設定された携帯型装置の上部にUV光を照射するように方向づけられたハウジング628の傾斜部分に位置づける。下部UV源606は、UV透過性支持構造体604にUV光を照射するように、UV透過性支持構造体604の下に位置決めされる。UV透過性支持構造体604は、UV光がUV支持面604を貫通して充電面に設置された携帯型装置の底部に到達するほか、携帯型装置の側面に到達するように、携帯型装置周りの経路に沿ってUV光を案内する。2つのUV源及びUV透過性支持構造体は共に、UV消毒充電器600のUV透過性支持構造体604上に設定された携帯型装置の3次元表面にUVエネルギーを提供するために協働する。
【0056】
図10図11は、本発明によるUV消毒充電器の代替の実施形態を示す。この実施形態は、複数の携帯型電気装置を設置し、同時に充電/消毒することができるキャビネット構成を提供する。
【0057】
図10は、キャビネット又はラックに取り付けられた充電及び消毒システム1000の制御システムの代表的なブロック図を示す。システム1000は、UV消毒充電器600に関連して考察したものと同じユーザ保護及び低線量消毒光源を提供することができる。ラックは、無線電力と、複数装置の充電及び消毒用のいくつかのUSB充電ポートとを備えることができる。キャビネットは、ラック上の装置の消毒状態及び充電状態についてユーザに効率的かつ容易に通知するためのユーザインターフェースを備えるほか、UV透過性支持構造体1020とも呼ばれる透過性ラックアセンブリを備える。
【0058】
制御システム1000は、UV消毒充電器600の制御システムと同じように動作する。システム1000は、消毒される携帯型電気装置に向かってUV光を照射するように構成された1つ又は複数の消毒源1002を備える。キャビネット1000は、例えば、1つ又は複数の動きセンサ1010を用いて、物理的動き及び赤外線の動きを検出する保護インターロックを備えてもよい。このような動きセンサ1002は、動きが検出されたときに消毒源1002を中断し、所定の時間動きがないときに消毒サイクルを開始するか、最初からやり直すことを可能にするために使用することができる。キャビネット1000は、充電の状態、消毒の状態、ユーザの存在又は他のさまざまな情報を表すさまざまな表示器を備えるユーザインターフェース1012を備えてもよい。例えば、各携帯型電気装置スロットの消毒/充電状態表示器が、充電又は消毒が推奨される場合は赤く点灯し、消毒又は充電の進行中は青く点灯し、消毒及び充電が完了すると緑に点灯することができる。このほか、充電と消毒のための別々の表示器を設けてもよい。例えば、充電状態表示器が、装置が存在しない場合は赤、部分的に充電された場合は黄、完全に充電された場合は緑を示すことができる。消毒状態表示器の場合、表示器が、消毒が推奨されるか装置が存在しない場合は赤く点灯し、消毒が進行中は青く点灯し、消毒が完了すると緑に点灯することができる。このように、状態表示器により、ユーザは消毒の安全性と充電状態に基づいてキャビネットから装置を簡単に選択することができる。
【0059】
UV消毒充電器1000は、電力管理、消毒制御、有線充電又は無線充電のための充電制御及びアプリケーションプログラミングインターフェースなどのさまざまな機能を提供するようにプログラムされたコントローラ1030を備えることができる。コントローラ1030は、統合された加速度計又はセンサシステムの一部を構成する加速度計又は他のセンサへの接続部を備えてもよい。これは、制御システムにさまざまな入力を提供するために使用することができる。コントローラ1030は、UV消毒充電器のセンサシステムと通信することができる。このセンサシステムは、任意の統合センサのほか、動きセンサ1010、ユーザインターフェース1012をはじめとするセンサなどの任意の外部センサを備えることができる。さらに、コントローラ1030は、1つ又は複数のUV消毒源1002を駆動する消毒源駆動装置1032を操作することができる。UV消毒充電器1030には、主電力線に接続された壁アダプタ1034などの装置電源1034によって電力を供給するようにしてもよい。これとは別に、UV消毒充電器1034には、電池又は他の電源によって電力を供給してもよい。コントローラ1030は、1つ又は複数の伝達装置コイル1016を介して無線電力を伝達することができてもよい。キャビネットはこのほか、コードを使用して単一又は複数の装置を充電するための1つ又は複数の充電ポート1018を備えてもよい。代替の実施形態では、UV消毒充電器は、有線充電のみに対応し、無線充電には対応しなくてもよく、あるいはその逆でもよい。
【0060】
本実施形態のUV消毒充電器1000は、UV透過性ケースに設置された装置、UV透過性ラック又は装置保持具1022、あるいは両方の組み合わせのいずれかで使用するように構成される。このUV透過性材料は、消毒が完全なものになり、各携帯型電気装置の外面のほか、通常の操作中に人が触れやすい任意のキャビネット表面を囲む3次元空間に、UVエネルギーが到達することを確実なものにするのに役立つ。UV透過性ケースのさまざまな実施形態を上記で詳細に考察したため、ここでは詳細に考察しない。言うまでもなく、UV透過性ケースに関連して考察した同一原理の多くが、携帯型電気装置を保持するUV透過性支持構造2020に適用される。図10に示す保持具1020の例示的な平面図は、光伝送器として機能するUV透過面が、保持具1020のスロット1022に保持された携帯型電気装置を取り囲む3次元エリアにUV光を到達させることができる方法の一例を示す。
【0061】
UV透過性支持構造体1020は、外部装置に面する露出3次元表面を形成するUV透過層又は直上層1060によって裏打ちされる。UV透過層1060は、テクスチャ加工されるか、或いはUVエネルギー透過を妨げない仕上げ層を備えてもよい。保持具は、UV反射基板層1062を備えてもよい。保持具は、各スロット1022内の携帯型装置の露出面を確実に消毒するために、保持具全体にUV光を方向づけるUV透過システムを提供する。UV光源を、キャビネット内に内部的に位置決めし、UV光が保持具を通って各スロットの装置に面する表面に送られるように、UV光がUV透過性材料装置保持具に向かって好適に照射するように方向づけてもよい。反射層が設けられる場合、反射層はUV光の基板への浸透に抵抗し、そのUV光を反射してUV透過性直上層に戻し、反射層はUV透過性直上層において各スロット1022内の携帯型電気装置のUV処理に寄与することができる。UV透過性直上層は、UV光の概ね均一な漏出を提供し、ひいては、各スロットに提供された表面の概ね均一な処理を提供するように構成されてもよい。例えば、直上層の厚さは、UV光源から離れるにつれて減少してもよく、及び/又は直上層は、UV光の漏出を制御するためにテクスチャ加工されてもよい。
【0062】
図11は、UV消毒充電キャビネット1000の斜視図を示す。キャビネットの本実施形態は、ラック構成のスロット1022に格納された装置1001を備えた開放型UV消毒及び充電ステーションを提供する。キャビネットは、充電及び消毒表示器を備えたユーザインターフェース1012、キャビネット1000のすぐ近くにいる人間の存在を検出するための動き検出器1010を備える。装置1001を、UV透過性支持構造体1020、具体的には、UV透過層1060に隣接するスロット1022に滑り込ませることができる。各装置1001の電源コネクタは、挿入されると、図11に示すように、コードを介してUSBポート1018に接続することができる。これとは別に、キャビネットは、1つ又は複数の伝送コイル1016からの電力を装置1001又は付随するケース内の1つ又は複数の誘導コイルに誘導結合するための無線電力回路を備えてもよい。
【0063】
図6図11に開示する実施形態は、消毒される装置を充電する能力を有するUV消毒充電器に言及しているが、いくつかの代替の実施形態では、充電能力を提供しなくてもよく、代わりに、UV消毒ラックを本発明に従って提供してもよい。本発明には、UV透過経路に沿ってUVエネルギーを方向づけて、装置、ケース及び/又はラック内の表面を消毒するが、装置に電力を供給する能力がないUV透過性支持面が含まれる。
【0064】
UV消毒充電器のコントローラ、充電回路及びUV消毒回路を、さまざまな方法で操作することができる。充電コントローラは、電池からの電流又は電源1034からの電流を調整するためのさまざまな既知の方法を実施することができる。充電コントローラ1030は、過充電を防止し、過電圧から保護するようにプログラムすることができる。充電コントローラはこのほか、さまざまな異なるプロトコル及びさまざまな異なるパラメータに従って電力を供給するようにプログラムすることができる。例えば、充電コントローラ1030は、電源コネクタ1018を介して、電源を消毒源駆動装置1032と装置2001との間で効率的かつ合理的に分割することができる。コントローラ410、622、1030はこのほか、UV-C強度制御及び接触時間制御を可能にするUV-C源にエネルギーを付与するUV消毒制御システムとして機能することができる。UV-C源は、本質的に、所望の強度にてUV-C光を生成することができる任意のUV-C源であってもよい。例えば、UV-C源は、冷陰極照明器具、低圧水銀照明器具又はUV-C発光ダイオードであってもよい。各実施形態の制御システムは、受動型赤外線(「PIR」)センサ、動きセンサ、静電容量タッチセンサ、加速度計及び温度センサなどのさまざまなセンサ入力をシステムに提供するセンサシステムに結合することができ、RFID読取機のインターフェースを提供してもよい。このようなセンサによって収集されたデータは、システムの動作を制御し、消毒活動の追跡に関連する可能性のあるデータを収集するのに役立つ可能性がある。動きと存在の検出により、UV光源を起動し、消毒サイクルを中断し、サイクル時間及び光源の強度などのUVパラメータを動態的に調整する際に貴重なデータを提供する。熱と動きに対するPIRソリューションは今日多く用いられているかもしれないが、静電容量式タッチセンシングが別のソリューションである。説明された実施形態のコントローラ410、622、1030はこのほか、適切な動作及び照明器具診断のために、事前設定された範囲内の電流及び電圧を監視することができる。光源が開放され、短絡し、電気抵抗が変化する可能性があり、これにより、コントローラが識別して応答することができるさまざまな動作電圧が発生する。UV-C源はこのほか、UV源への電流と電圧を監視し、その情報をコントローラにフィードバックすることができる。コントローラ36はこのほか、揮発性及び/又は不揮発性の記憶メモリを備えてもよい。例えば、コントローラはフラッシュメモリを備えてもよい。コントローラ及び関連するUV消毒回路の操作は、2018年3月30日出願のBaarmanによる「消毒行動の追跡及びランク付け」と題する米国仮特許出願第62/650,340号に説明されるように、部分的又は完全に実施するか、適合させることができる。この仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
2013年10月2日出願のColeによる「携帯型光固定アセンブリ」と題する米国特許出願第14/044,448号、2013年10月2日出願のColeによる「UV殺菌システム、方法及びその装置」と題する米国特許出願第14/044,380号、 2019年3月25日出願のBaarmanによる「消毒行動の追跡とランク付け」と題する国際特許出願第PCT/US2019/023842号及び2016年11月29日出願のColeによる「UV殺菌装置、システム及び方法」と題する米国特許出願第第15/364,242号がそれぞれ、その全体が参照により組み込まれる。このような開示では、本明細書に開示するシステムの実施形態に組み込まれ得るさまざまな特徴が考察される。例えば、「消毒行動の追跡とランク付け」では、目と目が合う程度の場合は6mJ/cm2未満、8時間働く従業員の場合は60mJ未満のUV曝露レベルの追跡と維持について考察している。線量のレベルを維持し、安全記録のために1日あたりの清浄レベル及び線量レベルを追跡するために、UV曝露の追跡及び制御を本発明の実施形態にて実施することができる。
【0066】
説明した実施形態又は他の実施形態でのコントローラのいずれかのアプリケーションプログラミングインターフェースは、各装置の充電サイクル、洗浄サイクルの数及び典型的な使用時間を含む使用を追跡することができる。このデータは、サーバ、例えば、インターネットにローカルに保存するか、リモートで保存することができる。このデータを使用して、メンテナンスと継続的な作業状態のための消毒プロセスと機能を追跡することができる。
【0067】
UV消毒充電器は、人間の活動の存在を検出し、UV源の動作を自動的に中断するために、センサシステムを利用することができる。さらに、わかりやすい表示器システムとともに開放型インターフェースを提供することにより、装置を効率的かつ簡単に回収して交換することができる。従来のUV消毒システムでは、装置が全体的に消毒されることを確実なものにするために利用される高線量のUVエネルギーにユーザが暴露しないように、装置をキャビネットに係止する必要があることが多い。しかし、進行中の消毒プロセスの停止、キャビネット扉のロック解除、キャビネット扉の開放、装置の挿入/回収、キャビネット扉の閉鎖、キャビネット扉のロック、消毒の再開に関連する認識時間又は実時間のために、ユーザがキャビネットの使用を阻止されるか抑止されることから、このような従来のシステムには、目に見えないコストがある。
【0068】
図11に示すUV消毒充電器は、扉のロックを解除したり開いたりする必要なく装置を把持することができる開放型構造を提供することにより、この課題に対処する。さらに、センサと制御インターロックが、人間の活動を検出し、システムの動作を自動的に変更することができる。例えば、受動型赤外線センサなどの動き検出システムが、ラックの近傍に人間の活動があるかどうかを確実に識別し、システムの動作を自動的に変更して、進行中の任意の消毒がユーザに害を及ぼさないことを確実なものにすることができる。例えば、システムは、人間の存在が検出されると、自動的にUV源を停止することができる。あるいは、これとは別に、システムは、UV源強度の操作を変更することができる。さらに、図示のUV消毒充電器1000は、ユーザの目及び接触に対する安全性が高めの低線量UV-C源を利用している。さらに、UV-C源が利用する最小線量率の方が低い。これは、サイクル時間の延長で補正され、過剰線量と同じ効果を提供するが、表面が破壊という結果に至ることが少なくなる。線量を低くすると、高線量の場合と同じようにプラスチックが分解されることはない。さらに、提供されたユーザインターフェース1012は、ユーザが、装置が充電され消毒されているかどうかを一目で識別できるようにし、これにより、充電ラックの近傍で費やされる時間を削減する。UV消毒充電ラックと組み合わせて使用されるUV透過性支持構造及び/又はUV透過性ケースはこのほか、UV源が、ユーザの存在下でいくらかの稼働率で動作することを可能にする実施形態にて、UV光が装置の方に方向づけられることを確実なものにするのを支援する。さらに、無線電力充電が提供される実施形態では、ユーザは、UV消毒充電ラックとのコードの接続/切断に時間を費やすことがないため、ラックに人間が存在する状態で費やされる時間が短縮され、最終的に充電率及び消毒率が増大する。さらに、UV透過性ケース及び携帯型装置に対するこのようなコードのないソリューションにより、細菌及び病原体が増殖するエリアを排除することができる。
【0069】
「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「内」、「内向き」、「外」及び「外向き」などの方向に関する用語が、図示の実施形態の方向に基づいて本発明を説明するのを支援するために使用される。方向に関する用語の使用は、本発明を特定の方向に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0070】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。均等論を含む特許法の原則に従って解釈される必要がある添付の特許請求の範囲で規定される本発明の精神及び幅広い態様から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を施すことができる。この開示は、例示の目的で提示されており、本発明の全実施形態の網羅的な説明として解釈されるべきものでも、請求項の範囲をこのような実施形態に関連して図示されるか説明された特定の要素に限定するものとして解釈されるべきものでもない。例えば、限定することなく、記載した本発明の任意の個々の要素が、実質的に類似の機能を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素によって置き換えられてもよい。これには、例えば、当業者に現在知られている可能性を否定できないものなどの現在知られている代替要素と、当業者が開発時に代替物として認識する可能性を否定できないものなど、将来開発される可能性がある代替要素とが含まれる。さらに、開示した実施形態は、同時に説明され、協調して利益の集合を提供し得る複数の特徴を含む。本発明は、発行された特許請求の範囲に明示的に記載される範囲を除いて、このような特徴のすべてを含むか、記載された利益のすべてを提供する実施形態のみに限定されない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使用した、単数形のクレーム要素への言及は、要素を単数形に限定するものと解釈されるべきではない。
【0071】
排他的財産又は特権が主張される本発明の実施形態は、添付特許請求の範囲のように規定される。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
UV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器によって支持される携帯型電気装置を消毒して充電するためのUV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器は、
UV源と、
前記UV源に隣接して配置されたUV透過性支持面と、
前記UV源を操作して、前記UV透過性支持面が、前記携帯型電気装置の周りを360度移動して前記携帯型電気装置の3D消毒を提供するUV光経路に沿ってUV光を促進するように、前記UV透過性支持面にてUV光を生成する、消毒制御システムと、
前記携帯型電気装置に電力を供給する充電制御システムと、を具備する、UV消毒充電器。
[態様2]
前記UV透過性支持面は、前記UV光が消毒の困難なエリアに到達するのを支援する、態様1に記載のUV消毒充電器。
[態様3]
センサシステムを備えており、
前記消毒制御システムが、前記UV消毒充電器に近接するユーザを検出すると1ミリ秒内に消毒を停止するように構成される、態様1に記載のUV消毒充電器。
[態様4]
前記UV源は、第1のUV光源及び第2のUV光源を備え、前記第1のUV光源は、前記UV透過性支持面の下に位置づけられ、前記第2のUV光源は、前記携帯型電気装置の上に位置づけられる、態様1に記載のUV消毒充電器。
[態様5]
前記携帯型電気装置の充電状態及び消毒状態を示すユーザインターフェースを備える、態様1に記載のUV消毒充電器。
[態様6]
前記消毒制御システム及び前記充電制御システムは、携帯型電気装置の使用、充電及び消毒に関連する情報を追跡する、態様1に記載のUV消毒充電器。
[態様7]
UV消毒充電キャビネットであって、前記UV消毒充電キャビネットによって支持される複数の携帯型電気装置を消毒して充電するためのUV消毒充電キャビネットであって、前記UV消毒充電キャビネットは、
複数のUV源と、
前記複数のUV源に隣接して配置されたUV透過性支持保持具であって、前記UV透過性支持保持具は、複数の携帯型電気装置を受け入れるための複数のスロットを備え、前記スロットのそれぞれはUV透過性材料によって裏打ちされる、UV透過性支持保持具と、
前記複数のUV源を操作して、前記UV透過性支持保持具が、前記複数のスロットを裏打ちする前記UV透過性材料に沿ったUV光経路に沿ってUV光を促進するように、前記UV透過性支持保持具にてUV光を生成し、その結果、UV光が、前記携帯型電気装置のそれぞれの3D消毒を提供する前記複数のスロットに保持された前記複数の携帯型電気装置のそれぞれの周りを360度移動する、消毒制御システムと、
前記携帯型電気装置のそれぞれに電力を供給する充電制御システムと、を具備する、UV消毒充電キャビネット。
[態様8]
前記UV透過性支持保持具は、UV光を消毒の困難なエリアに到達するように方向づける、態様7に記載のUV消毒充電キャビネット。
[態様9]
動きセンサを備えており、
前記消毒制御システムは、前記UV消毒充電キャビネットに近接するユーザを検出すると、1ミリ秒以内で消毒を停止するように構成される、態様7に記載のUV消毒充電キャビネット。
[態様10]
前記複数のUV源のそれぞれが、前記複数のスロットのうちの少なくとも1つに隣接して配置される、態様7に記載のUV消毒充電キャビネット。
[態様11]
前記複数の携帯型電気装置のそれぞれの充電状態及び消毒状態を示すユーザインターフェースを備える、態様7に記載のUV消毒充電キャビネット。
[態様12]
前記消毒制御システム及び前記充電制御システムは、携帯型電気装置の使用、充電及び消毒に関連する情報を追跡する、態様7に記載のUV消毒充電キャビネット。
[態様13]
UV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器によって支持される携帯型電気装置を消毒して充電するためのUV消毒充電器であって、前記UV消毒充電器は、
UV源と、
前記UV源に隣接して配置された支持面であって、UV透過部分を有する前記支持面と、
前記UV源を操作して、前記支持面の前記UV透過部分が、前記携帯型電気装置の外面の消毒を提供する、前記携帯型電気装置の周りのUVエネルギー経路に沿って、UVエネルギーを促進するように、UVエネルギーを生成して、前記支持面へ向ける、消毒制御システムと、
前記携帯型電気装置に電力を供給する充電制御システムと、を具備する、UV消毒充電器。
[態様14]
前記UV透過部分は、前記携帯型電気装置が前記支持面に置かれる時に、前記携帯型電気装置の見えない隠れたエリアにUVエネルギーを向けるのを支援する、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様15]
センサシステムを備えており、
前記消毒制御システムが、前記UV消毒充電器に近接するユーザを検出すると、消毒を停止するように構成される、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様16]
前記UV源は、第1のUVエネルギー源及び第2のUVエネルギー源を備え、前記第1のUVエネルギー源は、前記支持面の下に位置づけられ、前記第2のUVエネルギー源は、前記携帯型電気装置の上に位置づけられる、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様17]
前記携帯型電気装置の充電状態及び消毒状態を示すユーザインターフェースを備える、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様18]
前記消毒制御システム及び前記充電制御システムは、携帯型電気装置の使用、充電及び消毒に関連する情報を追跡する、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様19]
静電容量及び動き検出のうち1つ以上を監視して、それに応じてUV消毒充電器を遮断するか再構成するセンサシステムを含む、態様13に記載のUV消毒充電器。
[態様20]
前記UV源が、低線量UV源である、態様13に記載のUV消毒充電器。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14