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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】治療効果ならびに治療過程予測装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/70 20180101AFI20230911BHJP
【FI】
G16H50/70
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022160788
(22)【出願日】2022-10-05
【審査請求日】2022-10-06
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-26
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522392793
【氏名又は名称】一般社団法人 医療レーザー研究会
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】西堀真依
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】松尾 俊介
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-233611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H10/00-80/00
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する治療希望者識別情報取得部(A)と、
治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する治療希望者属性情報取得部(B)と、
治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する治療希望対象属性情報取得部(C)と、
前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する治療希望対象画像情報取得部(D)と、
治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する治療希望対象情報保持部(E)と、
他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する治療済対象情報保持部(F)と、
前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する治療済対象情報検索部(G)と、
検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果又は/及び治療過程の予測情報として、治療済対象情報保持部(F)に保持された治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報であって、治療者の年齢や性別が近似しているものに基づいて作成された画像を出力する予測情報出力部(H)と、
を有し、さらに、
治療希望対象属性情報取得部(C)は、人体の模式図または3Dモデル上で治療希望対象の位置の情報である治療希望対象位置情報の入力を受付ける治療希望対象位置情報図示手段(N)を有し、
治療済対象情報検索部(G)は、治療希望対象画像情報取得部(D)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する画像検索手段(J)を、
有する治療効果ならびに治療過程予測装置。
【請求項2】
治療済対象情報保持部(F)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含む請求項1に記載の治療効果ならびに治療過程予測装置。
【請求項3】
治療済対象情報保持部(F)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む請求項1に記載の治療効果ならびに治療過程予測装置。
【請求項4】
検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力する治療支援情報出力部(M)をさらに有する請求項3に記載の治療効果ならびに治療過程予測装置。
【請求項5】
外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する治療希望者識別情報取得ステップ(a)と、
治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する治療希望者属性情報取得ステップ(b)と、
治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する治療希望対象属性情報取得ステップ(c)と、
前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する治療希望対象画像情報取得ステップ(d)と、
治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する治療希望対象情報保持ステップ(e)と、
他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する治療済対象情報保持ステップ(f)と、
前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する治療済対象情報検索ステップ(g)と、
検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果又は/及び治療過程の予測情報として、治療済対象情報保持ステップ(f)で保持された治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報であって、治療者の年齢や性別が近似しているものに基づいて作成された画像を出力する予測情報出力ステップ(h)と、
を有し、さらに、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)は、人体の模式図または3Dモデル上で治療希望対象の位置の情報である治療希望対象位置情報の入力を受付ける治療希望対象位置情報図示サブステップ(n)を有し、
治療済対象情報検索ステップ(g)は、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する画像検索サブステップ(j)を有する、計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法。
【請求項6】
治療済対象情報保持ステップ(f)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含む請求項5に記載動作方法。
【請求項7】
治療済対象情報保持ステップ(f)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む請求項5に記載動作方法。
【請求項8】
検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力する治療支援情報出力ステップ(m)をさらに有する請求項7に記載動作方法。
【請求項9】
外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する治療希望者識別情報取得ステップ(a)と、
治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する治療希望者属性情報取得ステップ(b)と、
治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する治療希望対象属性情報取得ステップ(c)と、
前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する治療希望対象画像情報取得ステップ(d)と、
治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する治療希望対象情報保持ステップ(e)と、
他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する治療済対象情報保持ステップ(f)と、
前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する治療済対象情報検索ステップ(g)と、
検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果又は/及び治療過程の予測情報として、治療済対象情報保持ステップ(f)で保持された治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報であって、治療者の年齢や性別が近似しているものに基づいて作成された画像を出力する予測情報出力ステップ(h)と、
さらに、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)は、人体の模式図または3Dモデル上で治療希望対象の位置の情報である治療希望対象位置情報の入力を受付ける治療希望対象位置情報図示サブステップ(n)と、
治療済対象情報検索ステップ(g)は、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する画像検索サブステップ(j)とを、
計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させるプログラム。
【請求項10】
治療済対象情報保持ステップ(f)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含む請求項9に記載プログラム。
【請求項11】
治療済対象情報保持ステップ(f)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む請求項9に記載プログラム。
【請求項12】
検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力する治療支援情報出力ステップ(m)をさらに実行させる、請求項11に記載プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から観察可能な体の治療希望対象の治療効果ならびに治療過程予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
社会は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)を有しない人が多くを占め、その多数派の人は前記治療希望対象を有しないほうが良いという美的感覚を有する傾向にある。そのため、前記治療希望対象を有する個人にとって、例え衣服の下に隠れる箇所であっても万一他人に見られるとすれば、それは苦痛である。そのため前記治療希望対象を有する者は、完全治癒が望ましいが、少しでも小さく薄くなることを求めて医療機関へ治療を求めて訪れる。実際に医療機関等を訪問しても、担当者(担当医等。以下同じ。)から治療をした結果に関して明確にイメージできる情報を得ることは難しい。これは、担当者自身の経験値や、担当者自身の表現力が必ずしも十分であるとは限らないからである。
【0003】
特許文献1には、通信ネットワークを経由して入力したデジタルカメラで撮影した患部の写真や症状の内容によって、蓄積された皮膚疾患のデータから対応する疾患名を予測し対処方法を出力する皮膚疾患解析センタ装置とその装置を用いた皮膚疾患解析システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-58398号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、患者の皮膚疾患の様子の画像をもとに、これに類似するデータベース内の皮膚疾患にかかった患部の写真を選択し、選択された幹部の写真に関連づけられている疾患に関する情報をもとにして患者の皮膚疾患を予測し、予測疾患名と対処法を取得する。しかし、その対処法によって症状がどこまで改善されるかに関する情報を得ることまでは開示されていない。また、やけど跡や、皮下出血起因ではない母斑起因の痣など、一旦治癒した状態だが、外観的に人体の他の個所とは異なる様相を見せている部分を他の個所と同様の外観としたい場合は、対象が疾患ではないために特許文献1の技術範囲には入らない。さらに外観を改善するための処置の予測費用もわからず、医療機関に行って治療(処置)方針を聞いて初めて費用がわかるといった課題があった。
【0006】
そこで本発明では、治療希望者の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の画像を取得し、保持されている他の治療済対象の治療に関する情報から類似の症例を検索し、治療効果並びに治療過程(治療前、治療中、治療済み)の情報を予測情報として出力する治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような治療効果ならびに治療過程予測装置に関する課題を解決するために、本願では、第一の発明として、
外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する治療希望者識別情報取得部(A)と、
治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する治療希望者属性情報取得部(B)と、
治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する治療希望対象属性情報取得部(C)と、
前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する治療希望対象画像情報取得部(D)と、
治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する治療希望対象情報保持部(E)と、
他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する治療済対象情報保持部(F)と、
前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する治療済対象情報検索部(G)と、
検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する予測情報出力部(H)と、
を有する治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0008】
第二の発明として、第一の発明を基礎として、
治療済対象情報保持部(F)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含む治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0009】
第三の発明として、第二の発明を基礎として、
治療済対象情報検索部(G)は、治療希望対象画像情報取得部(D)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する画像検索手段(J)を有する治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0010】
第四の発明として、第三の発明を基礎として、
予測情報出力部(H)は、予測情報として治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報を出力する治療済画像情報出力手段(K)を有する治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0011】
第五の発明として、第三の発明を基礎として、予測情報出力部(H)は、治療済対象情報に含まれる治療中又は治療済の画像情報に基づいてこれを模擬する画像の情報である模擬画像情報を出力する模擬画像情報出力手段(L)を有する治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0012】
第六の発明として、第一の発明を基礎として、
治療済対象情報保持部(G)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0013】
第七の発明として、第六の発明を基礎として、
検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力する治療支援情報出力部(M)をさらに有する請求項6に記載の治療効果ならびに治療過程予測装置を提供する。
【0014】
さらに、第一の発明から第七の発明の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法と、読み込み可能な動作プログラムも提供する。また、動作プログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
主に以上のような構成をとる本発明によって、担当医等の経験値や表現力に依存しないで、治療効果ならびに治療過程の状態を客観的に予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1にかかる発明の機能ブロック図
図2】実施形態1にかかる発明の動作フローチャート図
図3】実施形態1にかかる発明のハードウェア図
図4】実施形態2にかかる発明の機能ブロック図
図5】実施形態2にかかる発明の動作フローチャート図
図6】実施形態2にかかる発明のハードウェア図
図7】実施形態3にかかる発明の機能ブロック図
図8】実施形態3にかかる発明の動作フローチャート図
図9】実施形態3にかかる発明のハードウェア図
図10】実施形態4にかかる発明の機能ブロック図
図11】実施形態4にかかる発明の動作フローチャート図
図12】実施形態4にかかる発明のハードウェア図
図13】実施形態5にかかる発明の機能ブロック図
図14】実施形態5にかかる発明の動作フローチャート図
図15】実施形態5にかかる発明のハードウェア図
図16】実施形態6にかかる発明の機能ブロック図
図17】実施形態6にかかる発明の動作フローチャート図
図18】実施形態6にかかる発明のハードウェア図
図19】実施形態7にかかる発明の機能ブロック図
図20】実施形態7にかかる発明の動作フローチャート図
図21】実施形態7にかかる発明のハードウェア図
図22】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の全体概略図
図23】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例1
図24】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例2
図25】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例3
図26】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例4
図27】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例5
図28】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例6
図29】本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置の使用時画面例7
【発明を実施するための形態】
【0017】
<全実施形態の説明の前提>
<本発明を構成し得るハードウェアについて>
本件発明は,原則的に電子計算機を利用する発明であるが,少なくとも一部はソフトウェアによって実現され,ハードウェアによっても実現され,ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。この場合に、ソフトウェアはハードウェア資源を利用して各種演算を行い求められるデータや情報を通じて諸機能を実現する。ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていると言える。
【0018】
本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは,計算機の基本的構成であるCPU,メモリ,バス,入出力装置,各種周辺機器,ユーザーインターフェイスなどによって構成される。各種周辺機器には,記憶装置,インターネット等インターフェイス,インターネット等機器,LAN機器、Wifi(登録商標)機器、ディスプレイ,ディスプレイインターフェイス、キーボード,マウス,スピーカ,マイク、カメラ,ビデオ,テレビ,CD装置,DVD装置,ブルーレイ装置,USBメモリ,USBメモリインターフェイス,着脱可能タイプのハードディスク,一般的なハードディスク,プロジェクタ装置,SSD,電話,ファックス,コピー機,印刷装置,ムービー編集装置,各種センサ装置などが含まれうる。
【0019】
また,本システムは,必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく,複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また,通信は,LANであってもWAN、Wifi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標),赤外線通信,超音波通信であってもよく,さらに,一部が国境を跨いで設置されていてもよい。
【0020】
<全実施形態における本願発明の自然法則の利用性の充足>
【0021】
本発明は,計算機とソフトウェアとの協働で機能するものである。本発明ではインターネット回線又は専用回線を介して、治療希望者からの画像や治療希望者識別情報や治療希望者属性情報や治療希望対象属性情報等を取得し、治療効果ならびに治療過程予測装置にて保持している治療済対象情報を検索し予測情報として出力する。前記各種情報をデータとしてやり取りしたり、計算機上で検索したりといったICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。この観点からも本願発明は計算機などのリソースを請求項や明細書に記載された事項と,それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば,本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
【0022】
<特許法で求められる自然法則の利用の意義についての出願人の理解>
【0023】
特許法で求められる自然法則の利用とは,法目的に基づいて,発明が産業上利用性を有し,産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から,産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり,産業上有用であること,すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは,発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい,と解釈される。さらに言えば,発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって,その有用性を利用者がどのように感じたり,考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって,治療効果ならびに治療過程予測装置の利用者である治療希望者や、装置の管理又は/及び運営者などが本治療効果ならびに治療過程予測装置によって得る効果が心理的な効果(安心できる等)であったとしても,その効果自体は求められる自然法則の利用性の有無を判断するための対象外の事象である。
【0024】
<ハードウェア構成>
【0025】
図22に本装置の全体構成の概略を示す。インターネット回線(2220)(他の商用回線や専用回線でもよい)を介して本装置のプログラムが動作するサーバ装置A(2221)、サーバ装置B(2222)、治療希望者A(2223)のスマートフォン、治療希望者B(2224)のスマートフォン、治療を担う者A(2225)のデスクトップPC、治療を担う者B(2226)のノートPCが有線または無線で接続されている。図22ではサーバ装置A(2221),サーバ装置B(2222)に分かれているが1台に統合されていてもよいし、3台以上に分けられていてもよい。図22の例では、例えば治療済対象情報検索部(G)をサーバ装置B(2222)に構成し、サーバ装置A(2221)に他を構成するといったことができる。治療希望者は治療希望者A(2223)や、治療希望者B(2224)のようなスマートフォンでの接続に限定されず、タブレット端末やカメラを有するPCやインターネット接続機能を有しカメラも有する携帯ゲーム機などでもよい。治療を担う者もPCでの接続には限定されずスマートフォンやタブレット端末などインターネットへ接続可能な他の情報端末を使用できる。図示していないが、ほかに本発明の装置のサーバ装置(図22中のサーバ装置A,B)を管理又は/及び運営する者がいてもよい。インターネット接続できる情報端末(PC等)を介してサーバ装置へアクセスしたり、またはサーバ装置に直接接続した情報端末でサーバ装置を管理又は/及び運営したりすることができる。必要に応じて、本装置を利用する者又は利用しようとする者である治療希望者や治療を担う者からの、本装置への改善要望などを取得する治療効果および治療過程予測装置改善要望取得部を本装置に設けることにより、継続的に本装置を改善し続けることができる。
【0026】
図3は本実施形態1におけるハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態における治療効果ならびに治療過程予測装置のハードウェア構成について,図3を用いて説明する。
【0027】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成される、チップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS、USBやLANなどの各種インターフェイス、リアルタイムクロック等からなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USBなどの各種インターフェイス、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。LAN端子などを通じてインターネット回線へ接続される。インターネット回線への接続にWiFi(登録商標)を使用して接続してもよい。
【0028】
≪チップセット≫
【0029】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェイスの側にサウスブリッジが設けられる。
【0030】
(ノースブリッジ)
ノースブリッジには、CPUインターフェイス、メモリコントローラ、グラフィックインターフェイスが含まれる。従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0031】
(サウスブリッジ)
サウスブリッジには、PCIインターフェイス(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インターフェイス、USBインターフェイス、EthernetインターフェイスなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスが用いられる。バスはチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPU(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0032】
≪CPU≫
【0033】
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。また,CPUに加えて,グラフィックインターフェイス(GPU)若しくはFPUによって,処理を行っても良い。なお、実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPU内にプログラムを内蔵することもできる。
【0034】
≪不揮発性メモリ≫
【0035】
(HDD)
【0036】
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェイスは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0037】
(フラッシュメモリ)
現在、NAND型フラッシュメモリとNOR型フラッシュメモリの2種が一般に使われている。読み出し書き出し速度は一長一短あるが、NAND型の方が高集積化には有利であり、データストレージ用途に使われる。ハードディスクドライブと比較し、可動部がないため小型で、稼動時の振動や音が発生しない。但し容量単価はハードディスクドライブを置き換えるようなところまで下がってはいない。ハードディスクドライブよりも高価だが、装置が小型化でき、衝撃などにも強くなるという利点がある。スマートフォンや携帯情報端末では、搭載されるデータストレージ目的の記憶容量は通常64GB~256GB程度であるため、小型軽量化目的もあってフラッシュメモリが使われる。PCなどではOSやアプリケーションソフトを記憶するアクセス頻度の高いドライブにはフラッシュメモリからなるソリッドステートドライブ(SSD)が使用されるようになりつつある。
【0038】
≪メインメモリ≫
【0039】
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0040】
≪オペレーティングシステム(OS)≫
【0041】
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
【0042】
≪BIOS≫
【0043】
BIOSは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたBIOSによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、BIOSは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにBIOSを構成してもよい。なおBIOSの代わりに同様の機能を有する後継のUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)を用いて計算機を起動するように構成してもよい。以上については,すべての実施形態でも同様である。
【0044】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムを主メモリにロードして、主メモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。インターフェイスには、ディスプレイインターフェイス、キーボード、通信バッファ等が考えられる。
【0045】
以下に記載する治療効果ならびに治療過程予測装置を構成する各機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアのいずれによっても実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される操作ボタン等の入力デバイス、マウス、タッチパネル、専らタッチパネルをタッチする目的で利用する電子ペン、ジョイスティック又はジョイスティック類似のポインタ位置入力装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、LAN端子などの通信用インターフェイス、GPS受信インターフェイス、GPS用演算装置、ジャイロセンサ、加速度センサ、回転検知センサ、これらセンサの信号の処理装置、カメラ、画像ファイル処理回路、スピーカ、マイク、音声ファイル処理回路、通信用インターフェイス、バーコードリーダー、電子カードリーダー、POS端末、顔認証装置、暗号化装置、指紋認証装置、掌紋認証装置、網膜認証装置などの生体認証装置や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。特にスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、データセンターのサーバ装置、有線・無線ネットワーク及びインターフェイスなどを利用する。
【0046】
メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、二以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0047】
また、本発明は、その一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)。
【0048】
<本願発明において使う用語について>
【0049】
「識別情報」とは、何らかを識別するために用いられる記号、文字、符号などである。ただし、識別情報そのものが識別される情報そのものである場合があってもよい。例えば、例えば、文字列記録Aを識別する情報である識別情報が、文字列記録A自身である場合があってよい。従って治療希望者識別情報の意味は単なる記号、文字、符号である場合とその記号、文字、符号などで識別される治療希望者個人の姓名などである場合が同時に成立してもよい。
【0050】
「関連付け」とは、二以上の情報が直接的に関連付けられている場合の他、二以上の情報が他の一以上の情報を介して間接的に関連付けられている場合も含む意味で本願明細書においては用いられる。間接的な関連付けは、必ずしも一の装置(筐体が一の筐体である装置)内での関連付けに限定されず、複数の装置にわたって関連付けられている場合も含まれる。
【0051】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0052】
<実施形態1 概要>主に請求項1、8,15
実施形態1の治療効果ならびに治療過程予測装置は、治療希望者から治療希望者識別情報と、治療希望者属性情報と、治療希望対象属性情報と、治療希望対象画像情報とを取得し、保持した他の治療済対象の治療に関する情報から、前記取得した治療希望対象の情報と類似した症例の治療例を検索し、予測情報を出力するように構成される。
【0053】
<実施形態1 機能的構成>
図1に実施形態1の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態1の治療効果ならびに治療過程予測装置(0100)は、治療希望者識別情報取得部(A)(0101)と、治療希望者属性情報取得部(B)(0102)と、治療希望対象属性情報取得部(C)(0103)と、治療希望対象画像情報取得部(D)(0104)と、治療希望対象情報保持部(E)(0105)と、治療済対象情報保持部(F)(0106)と、治療済対象情報検索部(G)(0107)と、予測情報出力部(H)(0108)を有する。
【0054】
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。以下の実施形態1以降の説明でも同様である。
【0055】
<実施形態1 構成の説明>
<実施形態1 治療希望者識別情報取得部(A)(0101)>
「治療希望者識別情報取得部(A)」(0101)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得するように構成される。
【0056】
「治療希望者識別情報」は、本発明の装置を使用するうえで治療希望者を識別するための情報である。本装置への登録時に英数字などの文字列を利用者番号として本装置が割り振るように構成してもよい。または治療希望者のメールアドレス、治療希望者が希望する任意の文字列(ニックネームでもよいが、既登録者との重複チェックを行い重複時には再入力を促すとよい)や、電話番号、保険証番号などを、治療希望者が選択し、本装置で他の治療希望者との重複を確認したのち登録可とするように構成してもよい。法規制上許容されれば個人番号でもよい。治療希望者の氏名そのものでもよい。ただし個人情報保護の観点からは、個人情報を含まない任意の文字列が望ましい。
【0057】
前記の治療希望者が希望する治療希望者識別情報を入力し、既に取得された他の治療希望者識別情報と重複しないか確認するには、以下のような構成とするとよい。入力された治療希望者識別情報候補が、既に取得済みの他の治療希望者を識別する治療希望者識別情報と同一であるか否かを判定する治療希望者識別情報候補判定手段を治療希望者識別情報保持部(A)に有し、治療希望者識別情報取得部(A)は前記治療希望者識別情報候補判定手段にて既に取得済みの他の治療希望者識別情報と同一ではないという判定結果である場合に、入力された治療希望者機器別情報候補を取得する、ように構成するとよい。
【0058】
「治療希望対象」は、体の外部から観察可能なものであるが、治癒していないものだけではなく、かつて一度治療を受け治癒したがまだ体の外部から観察可能な痕が残っているものも対象である。例えば前記のような痣、シミ、火傷痕、口唇裂以外にも、いぼ、そばかす、肝斑、ほくろ、ニキビ跡、角栓、色素沈着、手術の縫合痕、ピアス穴(ピアス穴を閉じたい場合)、刺青(刺青を消したい場合)、しわ、たるみなども対象である。外部から観察可能なものということで、歯の黄ばみ、歯の欠損、円形脱毛症、男性型/女性型脱毛症、下肢静脈瘤、白内障、眼瞼下垂、外反母趾、乾癬、帯状疱疹、水泡、痔、乳房再建術なども対象となりうる。
【0059】
本装置は治療希望対象として体の外部から観察可能なものを治療希望対象としているが、治療希望対象の属性情報や画像情報に基づいて検索した、類似した治療済対象情報に基づいて予測情報を出力できるのであれば、外部から観察できない体内の治療希望対象であっても、本装置の治療希望対象とすることができる。
【0060】
<実施形態1 治療希望者属性情報取得部(B)(0102)>
「治療希望者属性情報取得部(B)」(0102)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得するように構成される。
【0061】
「治療希望者属性情報」は、治療希望者の属性(年齢、性別)などを示す情報であるが、これには限定されない。治療希望者の治療希望対象以外の既往症やアレルギー(アレルゲン種別の情報)の情報や、薬物過敏症や、アルコールアレルギー、体重、持病、現在治療中の他の疾患、服用中の薬、手術歴、喫煙歴、飲酒歴などをも含むことができる。15歳未満の子供に対しては、使用できない薬品があったり、処方量を年齢区分によって成人(15歳以上)より減らしたり、体重によって処方量を減らしたりするため、体重の情報も取得されることが好ましい。後記する、予測情報を出力する際に、治療時に必要となる情報であれば、例えば持病(治療済対象情報では、使用された薬品が腎臓に負担をかける薬品であって腎臓疾患があると使用できないなど)があるとその治療ができない場合は、注記することが望ましい。また治療希望者属性情報に含まれる治療希望者の情報に基づいて選択できる予測情報をまず出力し、持病がなければ選択できた予測情報は参考として出力するように構成してもよい。なお、この情報は、類似症例の治療結果や治療過程の情報を検索する際に検索キーとして利用されることがある情報である。類似症例とは、治療希望対象の外観だけでなくその治療希望者の属性情報が類似である場合である方が好ましい類似症例となる。
【0062】
<実施形態1 治療希望対象属性情報取得部(C)(0103)>
「治療希望対象属性情報取得部(C)」(0103)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得するように構成される。
【0063】
「治療希望対象属性情報」は、治療を希望する対象に関する情報であり、基本的には上記の例の情報(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。)を含む。なお一つの領域に同じような治療希望対象が複数ある場合には、一つとして扱ってもよい。例えば、やけど痕が連続せずところどころ途切れている場合や、円形脱毛症が近傍に数か所ある場合などである。経歴には、治療希望対象の発生した時の情報(生まれつきのものか、または事故や災害によって負った場合にはその時の状況)や、他の医療機関で治療を受けたときの診断や治療に関する情報が含まれていてもよい。他の医療機関で治療を受けたときの情報には、治療を受けた医療機関名が含まれることが好ましい。
【0064】
治療希望対象の位置については、言葉での記載に加え、人体の模式図上(上下左右任意角度の回転や任意倍率の拡大などを自在にできる3Dモデルでもよい。)に示して取得するとわかりやすい。治療希望者は全身の模式図(前、後ろ)のどのあたりか、例えば腕にある場合は腕の拡大図に対してどのあたりかを入力するとより好ましい。または人体模式図を情報取得用機器の画面上で拡大し、前記例では腕の部分を拡大し該当場所にタッチしたり、マウスでクリック(またはクリックしたままドラッグして領域を囲うなど)したりする。人体の模式図上で治療希望対象の位置を入力する治療希望対象位置情報図示手段を治療希望対象属性情報取得部(C)に設けることができる。
【0065】
<実施形態1 治療希望対象属性情報取得部(C):治療希望対象識別情報取得部>
一の治療希望者が複数の治療希望対象(同種であっても異種であってもよい)を同時に所持する場合も考えられるため、治療希望対象を識別するための情報として治療希望対象識別情報を、治療希望者識別情報と関連付けて取得する治療希望対象識別情報取得部を設けてもよい。治療希望対象識別情報取得部を設けた場合には、後記する治療希望対象情報保持部(E)は治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報と治療希望対象識別情報を、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持するように構成する。
【0066】
<実施形態1 治療希望対象画像情報取得部(D)(0104)>
「治療希望対象画像情報取得部(D)」(0104)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得するように構成される。
【0067】
「治療希望対象画像情報」は、治療希望者自身または知人や家族、または医師や看護師などの医療関係者が撮影した写真を使用することができる。デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末、カメラ付きPC、カメラ付携帯ゲーム機、内視鏡、拡大レンズ付きカメラ、口腔内用カメラなどを使用して写真撮影することができる。体のどこにあるかを示す全体画像情報と、詳細な状態を示す拡大画像情報や、治癒直後の画像情報と時間経過後の現時点の画像情報とによって時間変化を示す画像情報等、できるだけ複数の画像情報を数多く治療希望者は本装置に登録(本装置が取得)することが望ましい。該当する治療希望対象を治療した医療機関で撮影された画像情報(外観写真(治療前や治療中の写真が含まれてもよい)、X線写真、超音波検査画像など)を使用したり、または前記写真と合わせて使用したりすることができる。治療希望対象画像情報は、後述する治療済対象情報検索部(G)での検索キーとして利用される。また、治療希望対象が治療されて外観が改善され治療済対象として、前述のように治療中、治療後の画像などを蓄積してゆくことによって検索データベース内の他の治療済対象の治療に関する情報として利用可能となる。
【0068】
<実施形態1 治療希望対象情報保持部(E)(0105)>
「治療希望対象情報保持部(E)」(0105)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持するように構成される。
【0069】
<実施形態1 治療希望対象情報保持部(E):複数の治療希望対象を持つ場合>
前記のように、一の治療希望者が複数の異なる治療希望対象を持つ場合には、治療希望対象を識別する治療希望対象識別情報を取得し、治療希望対象情報保持部(E)は治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報と治療希望対象識別情報を、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持するように構成することができる。
【0070】
治療希望対象識別情報は、一の治療者が複数の治療希望対象を持たない場合でも保持するように構成することができる。本装置を用いて治療効果および治療過程を予測する予測情報を得て、体の外側から観察可能な治療希望対象の治療を行った場合に、治療前、治療中、治療後の画像や治療方法、治療期間、治療を行った医療機関などの情報を治療済対象情報として本装置内の治療済対象情報保持部(F)に保持すると、他の治療希望者の治療希望対象の類似症例を検索する際の母集団を増やすことができる。さらに治療希望対象識別情報(治療後は、治療済対象情報識別情報)を階層構造とし、桁内に治療希望対象の分類を含めるように構成すると、後記する治療済対象情報検索部(G)で治療希望対象と類似した治療希望済対象情報を検索する際に分類を参照することによって、検索を容易にすることができる。
【0071】
<実施形態1 治療希望対象情報保持部(E):治療希望対象情報履歴保持手段>
治療希望者が治療を希望する同じ治療希望対象に関する情報を、時間間隔を空けて取得した場合に時間的に古い情報を保持するためには次のように構成するとよい。治療希望対象情報に含まれる治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報と、前記それぞれを取得した時間を示す情報である時間情報とを治療希望者識別情報と関連付けて履歴として保持する治療希望対象情報履歴保持手段を治療希望対象情報保持部(E)に有するように構成するとよい。このような構成とすると、例えば治療希望者が一度入力した情報に対し、修正や、追加を行った場合に、その履歴を残すことができる。治療希望対象の外観や状態が時間経過で変化したような場合(例:あざが薄くなった、小さくなった、または濃くなった、広がったなど)、治療希望対象情報を更新することで、経過を残せる。
【0072】
<実施形態1 治療済対象情報保持部(F)(0106)>
「治療済対象情報保持部(F)」(0106)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持するに構成される。
【0073】
「治療済対象情報」とは、他の人の治療済みの対象に関する情報(治療希望者本人の完治済の他の治療済対象の情報であることは制限しない)である。できるだけ多数の情報を保持することが好ましく、治療済対象1件ごとに、治療を受けた治療者の年齢と性別、治療方法、治療期間、治療費、画像(治療前、治療中、治療後(治癒後))が含まれることが望ましい。さらには治療を行った医療機関の情報も含まれることが好ましい。後記するように予測情報として出力する際に、治療を行った時に、過去の類似事例からどの程度まで治療希望対象が回復(程度が良化)するのか、その場合にどのくらいの期間と費用が必要となるのかを把握することができるからである。治療を受けた治療者が年配者であれば直りが遅い場合がありえるため年齢も情報に含まれることが好ましい。治療済対象情報に治療方法が含まれる場合、その治療方法を受けるための条件があるならば、治療を受けるための条件の情報も含めて記載することが好ましい。その治療方法が顔面や敏感な部分の治療には適さない方法であったり、その治療法で使用する薬品が特定の持病を持つ人には使用できない薬品であったりするような場合である。
【0074】
<実施形態1 治療済対象情報保持部(F):治療済対象識別情報保持部>
治療済対象を識別する情報である治療済対象識別情報を、治療済対象情報と関連付けて保持するように構成してもよい。治療済対象情報を保持する際に個々の情報の管理(内容の修正や追加などの編集や、削除)する際に便利である。達成するには、治療済対象を識別する情報である治療済対象識別情報を保持する治療済対象識別情報保持部をさらに有し、治療済対象情報保持部(F)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)である治療済対象情報を、治療済対象識別情報と関連付けて保持するように構成する。治療済対象識別情報や治療済対象情報は治療者個人を特定できないように管理されることが望ましい。顔写真や氏名など個人を特定できる情報は黒塗りしたうえで開示したり、本装置の管理者など限定された者にのみ許諾されたりするべきである。治療済対象が顔である場合には、目元を隠したり、目元が対象であれば、その他を隠したりして、画像として判別しにくいように努めることが好ましい。治療済対象情報は、できるだけ広範な病院、クリニック、その他の医療関連機関、健康管理機関などから収集され中央管理されるようにして保持されていることが好ましい。従って、日本全国の病院、クリニック、その他の医療関連機関、健康管理機関などから収集されるようにする。さらには外国、地域も含めて収集されるように構成するとなおよい。また治療済対象識別情報は、階層構造を有し、複数桁で構成される一部がその治療希望対象を分類する符号などから構成されているとなお好ましい。この分類符号によって、後述する治療済み対象情報の検索を効率化できるからである。
【0075】
<実施形態1 治療済対象情報検索部(G)(0107)>
「治療済対象情報検索部(G)」(0107)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索するように構成される。
【0076】
「類似した」とは、外部から観察可能な体の治療希望対象の外観が治療済対象情報にて示されている治療開始前又は治療開始後、治療終了前の外観に近似していることを言うが、単に外観の近似のみならず体に現れている治療希望対象の位置が近似していること、大きさが近似していること、色彩が近似していること、形状が近似していること、そのように外観が変化した後の経過(外観の経時変化、その後の対症療法の経時変化など)が近似していること、治療者の年齢や、性別その他の属性情報が近似していることなども含まれるように構成してもよい。この場合に「近似」の程度は、各判断要素を計算機で近似判断する際に定められる所定の値を利用することが出来る。すなわち計算機で近似判断をする際の近似であるか近似でないかを判断する閾値は設計事項であり、また利用者が設定可能に構成することもできる。このような機能は、類似判断閾値設定部にて利用者が設定できるように構成することが出来る。
【0077】
類似した症例を検索するために、機械学習させた人工知能(AI)を用いることができる。治療済対象情報検索部(G)は本装置内に有していてもよいし、人工知能による検索を専門に行う業者が管理するサーバ装置などに設け、本装置とインターネット回線や専用通信回線で接続し一体として動作させてもよい。
【0078】
<実施形態1 治療済対象情報検索部(G):検索ルール>
本発明の装置が類似した症例の治療例を検索する際に、検索結果を絞り込むためのルールを本装置が保持するように構成してもよい。その場合には、治療済対象情報検索部(G)に治療済対象情報を検索するためのルールである治療済対象情報検索ルールを保持する治療済対象情報検索ルール保持手段をさらに有し、治療済対象情報検索部(G)は治療済対象情報検索ルール保持手段に保持された治療済対象情報検索ルールに基づいて、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索するように構成するとよい。
【0079】
<実施形態1 治療済対象情報検索部(G):優先順位付与>
前記検索結果絞り込みとは異なり複数の検索結果がある場合には、予測情報として出力する際に、優先順位を付与するように構成することもできる。その場合には以下のように構成する。予測情報出力部(H)は、治療済対象情報検索結果優先順位を付与するためのルールである治療済対象情報検索結果優先順位付与ルールを保持する治療済対象情報検索結果優先順位付与ルール保持手段と、検索された複数の治療済対象情報について優先順位を付与する治療済対象情報検索結果優先順位付与手段と、をさらに有するように構成することができる。前記優先順位付与ルールとしては、治療費、治療期間、治療による改善効果、実施した医療機関と治療希望対象者の居住地(住所)との距離などによって優先順位を付与するルールが考えられる。もし複数の検索結果のうち治療希望者に適用できない又は適用には条件が付く治療方法による検索結果がある場合には、条件なしで適用できる検索結果よりも優先順位を落とすように構成することもできる。より治療効果があるにもかかわらず適用条件付き又は適用できないことにより優先順位が落ちた検索結果には、適用するための条件や、適用できない理由を示すことが好ましい。喫煙や肥満などが理由の場合には治療者の努力で、適用できるようになる可能性があるからである。
【0080】
治療済対象情報に治療者個人を特定できる情報が含まれている場合には、治療済対象情報検索部(G)は検索結果を予測情報として出力を受ける者の権限の種別によって、前記治療者個人を特定できる情報を開示するか秘匿するか判断する治療者個人情報開示判断手段と、開示するとの判断である場合には、個人を特定する情報を秘匿しない治療済対象情報を検索結果として出力する治療者個人情報開示検索結果出力手段と、を有するように構成することもできる。上記構成とする場合には、治療希望者属性情報に、権限を示す情報である権限情報を含めて、治療希望者属性取得部(B)が取得するように構成する。
【0081】
<実施形態1 予測情報出力部(H)(0108)>
「予測情報出力部(H)」(0108)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力するように構成される。
【0082】
ここで「並びに」という文言は、治療効果又は/及び治療過程の予測情報の意味で用いられており、「治療効果」は治療が終了した時点での外部から観察可能な体の治療希望対象だった部位の外観を言うがこれに限定されず、その様子を言語表現したものや、その程度を格付で表したものなどであってもよい。また、治療が終了していない治療中のものである治療済対象情報であってもよい。症例がまれな症状である場合には、十分にその治療済対象情報が蓄積されておらず、治療の終了以前の治療過程の情報であっても十分に治療開始前の治療希望者に対する情報としては価値があるからである。
【0083】
「予測情報」は、検索された治療済対象情報に基づいて出力される、治療希望対象を治療した際の治療効果(現在の状況から、治療後の状態の変化)、および治療途中の状態を予測するための情報である。治療希望対象の症状によっては、検索された治療済対象情報からは、ほとんど変化しない(効果が小さい、またはない)場合や、逆に悪化する(例:あざやシミが濃くなる又は広がる)結果となる予測もありうる。または、治療過程では一旦腫れたり広がったりして悪化したように見えても、治療後に時間経過すると治療前よりも小さくなったり薄くなったり効果が表れるような予測もありうる。治療希望者にとって自身の治療希望対象が治療によって改善する可能性があるのか、どの治療法の効果が大きいのか、治療効果と治療費の関係(コストパフォーマンス)などの情報を、医療機関で受診する前に得ることができる。医療機関の情報も予測情報に含まれていれば、受診しようとする医療機関を選定する助けにもなりうる。
【0084】
<実施形態1 治療効果ならびに治療過程予測装置(0100)>
「治療効果ならびに治療過程予測装置」(0100)は、治療希望者識別情報取得部(A)(0101)と、治療希望者属性情報取得部(B)(0102)と、治療希望対象属性情報取得部(C)(0103)と、治療希望対象画像情報取得部(D)(0104)と、治療希望対象情報保持部(E)(0105)と、治療済対象情報保持部(F)(0106)と、治療済対象情報検索部(G)(0107)と、予測情報出力部(H)(0108)と有し、治療希望者から治療希望対象の画像情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報を取得し、予測情報を出力するように構成される。
【0085】
<実施形態1:本装置の使用例>
本装置の使用例を、図23から図29を用いて説明する。なお、以降説明する使用例の態様に、本発明の装置は限定されない。図23からの例は、治療希望者が自身のカメラ付きスマートフォンを使用して本発明の装置へインターネット回線を通じて接続している例である。カメラなしのPC等を用いて接続する場合は、画像は別途デジタルカメラなど撮影可能な機器から画像データを移してアップロードすることにより本装置を使用できる。
【0086】
<実施形態1:アプリ:トップページ>
図23はスマートフォン上で動作する治療効果予測システムのアプリのトップページの例である。本アプリに会員登録済みの者がログインするための「ログイン」ボタンと、新規に利用を開始したい者が最初に情報登録する「新規会員登録」ボタンが表示されている。新規会員登録の例を次に説明する。
【0087】
<実施形態1:アプリ:新規会員登録1>
「新規会員登録」ボタンをトップページで押下すると、図24のような新規会員登録画面1へ遷移する。会員個人の情報を入力する画面である。図24の画面に示された姓名、年齢、性別、住所、連絡先等の情報は治療希望者属性情報として、次に説明する新規会員登録2で入力する情報とともに本装置の治療希望者属性情報保持部(B)にて後ほど取得される。新規会員登録1の全項目を入力し、画面下の「進む」を押下すると、図25に示す新規会員登録2の画面へ遷移する。
【0088】
<実施形態1:アプリ:新規会員登録2>
図25に、「新規会員登録」2の画面の例を示す。既往症や持病やアレルギー等の情報を入力する画面の例である。「大きな病気をしたことがあるか」は既往症の確認であり、「現在治療中の疾患又は使用中の薬があるか」は予測情報を出す際に、現在治療中の疾患や使用中の薬品との相性によっては、出力しないまたは注意喚起の上で出力するなどのための情報であり、アレルギー有無は予測情報を出す際に使用可能性ある薬品との相性確認に用いる情報(ここで消毒用アルコールに対するかぶれ等も入力することができる)である。喫煙や飲酒の習慣は、喫煙者はニコチンの作用で末梢血管が収縮し血流が悪くなっている傾向にあったり、飲酒の程度によっては肝臓に問題がある可能性あったりするため、治療法や使用予定の薬品に制限が付く可能性があるため必要な情報である。これらの情報を入力する。すべて入力し、画面下の登録ボタンを押下すると、インターネット回線を通じて、新規会員登録申請が治療希望者(本例では佐藤卓也氏)のスマートフォンから送信される。前記申請を受信した本装置は申請順に会員番号が治療希望者識別情報として治療希望者識別情報取得部(A)に取得される。佐藤卓也氏の場合は、図26に示すようにS123456が会員番号として割り振られている。前記申請時に同時に送信される図24,25の画面で入力した情報は、治療希望者属性情報として治療希望者属性情報部(B)に取得される。「登録」ボタンを押下したことにより、図26に示す会員のマイページへ遷移する。
【0089】
<実施形態1:アプリ:会員マイページ、検索TOP>
図26は、図24,25で新規会員として情報入力し登録した佐藤卓也氏のマイページの例を示す。本アプリは症例をもとに予測情報を検索するアプリのため、マイページは検索TOP画面を兼ねている。佐藤氏の姓が画面上部に表示され、会員番号(本装置の治療希望者識別情報部(A)で取得された治療希望者識別情報)としてS123456が佐藤氏の姓の下に表示されている。本画面は、画面上部に「治療希望対象情報入力」ボタン、「検索絞り込み条件入力」ボタン、入力した条件で検索を行う「検索開始」があり、中央には過去に検索した際に得た予測情報を再度閲覧するための「検索履歴閲覧」ボタンがある。画面下の方に、治療希望対象情報を編集するための「治療希望対象情報編集」ボタンと、先ほど登録した会員情報を編集し更新するための「会員情報編集」ボタンが配置されている。次に治療希望対象情報の入力について説明する。
【0090】
<実施形態1:アプリ:治療希望対象属性情報入力1:症例と位置の入力>
図26のマイページ検索TOP画面で「治療希望対象属性情報入力」ボタンを押下すると、図27の治療希望対象属性情報入力画面へ遷移する。図27図28を用いて治療希望対象属性情報の入力例を説明する。図27には治療希望対象属性情報入力1の画面を示す。治療希望対象がどの様な症例なのかと、治療希望対象がどこにあるかの位置情報を入力する。図27の例では、治療希望対象の症例として、痣、傷、火傷痕、シミ、口唇裂、いぼ、刺青が選択式の丸ボタンとともに記載されている。例の中にない場合は、「他」を選び自由テキスト形式で入力する。症例入力の下には場所を示す単語が列挙され、各単語の左わきに選択式の丸ボタンが配されている。図27の例では右手に治療希望対象の火傷痕がある。画面下半分には人体の前側(腹側)と後側(背中側)模式図が表示されている。単語の左わきのボタンを選択すると、下の模式図中の該当箇所領域が黒く塗りつぶされるように構成してもよいし、下の模式図の該当部分におおよその領域を指またはタッチペンで描画すると、上の該当部分の単語わきのボタンが選択されるように構成してもよいし、連動せず別々に入力する構成としてもよい。図27では人体模式図の右手部に領域を描画したことにより、上部の「右手」わきのボタンが選択されている。単語による区分けをもっと細分化してもよいし、症例と同様に直接テキスト入力できるように自由入力欄を設けてもよい。治療希望対象の場所を入力したら「進む」ボタンを押して治療希望対象属性情報入力2の画面へ進む。
【0091】
<実施形態1:アプリ:治療希望対象属性情報入力2:経緯と画像の入力>
図28は治療希望対象属性情報入力2の画面例である。この画面では、発生時期、発生時にかかった医療機関名を入力し、現在の治療希望対象の画像を入力する。発生時期は一旦治癒後からどのくらいの時間が経過しているか、または一旦治癒したばかりの新しいものなのかを把握するための情報である。医療機関名は必要に応じて情報を問い合わせるために、可能であれば記載してもらう情報である(記入できなくともよい)。あらかじめ撮影しておいた画像ファイルがある場合は「アップロード」ボタンを押したのち、図示しない画像ファイル選択画面で画像を選んでアップロードする。画像ファイルに写真撮影時のExifデータが添付している場合には本アプリがExifデータから撮影日時を取得し、画像のサムネイル表示下に取得した日時を表示させる。Exifデータを削除していた場合は日時表示予定欄に例えば「?」を点滅表示させて直接入力を促すように構成するとよい。図28の例では1番目の画像は撮影済みのファイルをアップロードした。次の画像を入力するためには、2の枠部分をタッチし選択する(枠線が点線から実線へ変わる)。図28の例では2枠にはこれからスマートフォンのカメラで撮影する画像ファイルを取り込んで入力しようとする例である。カメラ使用して撮影する例は図示しない。撮影後、カメラ撮影時のExifデータを取り込み、2枠下に日時表示が行われる。
【0092】
画像ファイルを4つよりも多く入力したい場合、例えば治療希望対象が発生した時の画像や、治療中の画像などを現在の状態の画像に加えて参考にアップロードする場合など、画面下の画像追加を押して画像を追加する(画像追加画面は図示しない)。画像を入力し情報をすべて入力し終えたら、画面下の「登録する」ボタンを押下する。入力した治療希望対象属性情報(位置:右手、発生時期)と、治療希望対象画像情報(アップロードしたり撮影したりして入力した画像ファイル)が、治療希望者である佐藤氏のスマートフォンから本発明の装置へ送信される。本装置が受信し、それぞれ治療希望対象属性情報取得部(C)、治療希望対象画像情報取得部(D)によって取得される。取得後、新規会員登録時に取得された治療希望者属性情報と、今回取得した治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報は、新規会員登録時に取得された治療希望者識別情報と関連付けた治療希望対象情報として、治療希望対象情報保持部(E)に保持される。「登録する」ボタンが押下されたので図26のマイページ検索TOP画面へ戻る。
【0093】
入力した治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報は削除されない限り、アプリを終了した後でも、そのまま保持されていることが望ましい。最初に入力した後、例えば一月後など、時間経過した後に、治療済みの症例が増えていないか再検索するときに便利である。一の治療希望者が複数の治療希望対象を持つ場合には、この使用例の説明には記載(図示もせず)していないが、治療希望者の使用する例えばスマートフォンから送信された治療希望対象属性情報や治療希望対象画像情報を、本発明の装置が受信したときに治療希望対象識別情報取得部が治療希望対象識別情報を治療希望者識別情報に関連付けて取得するように構成することが好ましい。複数の治療希望対象を識別することができる。
【0094】
<実施形態1:アプリ:治療希望対象情報入力:検索:予測情報>
治療希望対象情報を入力し図26のマイページ検索TOP画面へ戻った後、類似症例を検索し予測情報として得たい場合には、図26の画面例の中央の「検索開始」ボタンを押下する。検索結果の例を図29に示す。本発明の装置の治療済対象情報保持部(F)に保持された治療済対象情報のうち、図27に入力された画像ファイルのような治療希望対象画像情報や、手の火傷痕のような治療希望対象属性情報を含む治療希望対象情報に類似した症例の治療例を治療済対象情報検索部(G)が検索する。検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を予測情報出力部(H)が出力する。
【0095】
そのようにして出力された検索結果の一つが図29に示す例である。4つの症例が検索の結果得られ、そのうちの一番目が図29に表示されている。図29の例では、34歳男性の左手の火傷痕に対し、田中美容外科においてレーザー治療が保険診療外の治療として行われた結果を示している。画面下の方に、治療前、治療中に一時的に腫れた画像、治療が終わって一時的な腫れなどが引き治療前よりも薄く小さくなった治癒後の画像の3種の画像が表示されている。各画像右下の丸十字は、拡大表示用のボタンである。必要に応じて押下し、拡大表示させて画像確認することができる。予測情報として治療期間と治療費用が記載されている。画面下の「2/4へ」や「4/4へ」ボタンは、4つの検索結果を順に閲覧するためのボタンであり、前者は2件目の検索結果へ移動し、後者は4件目の検索結果へ移動する。
【0096】
医療機関と、治療方法の部分に下線と右向き三角があるのは、医療機関の一般的な情報を得られるようにスマートフォン上の標準ブラウザでインターネット検索を行うためのボタンであり、レーザー治療も同様にインターネット検索するためのボタンである。なお本発明の装置内に治療済対象を治療した医療機関の情報である治療済対象治療医療機関情報保持部を設けて医療機関の情報を保持しておくように構成してもよい。その場合図29の例の田中美容外科の名称右の上記の右三角ボタンを押すと、本発明の装置の治療済対象治療医療機関情報保持部に保持された治療済対象治療医療機関情報を出力する。治療方法も同様に、治療済対象治療方法情報保持部を設けて治療済対象治療方法情報を保持しておくように構成することで、前記レーザー治療の名称右の右向三角ボタンを押すと保持された治療済対象治療方法情報が出力されるように構成できる。
【0097】
図29の例では4件の検索結果であったが、数十や数百などの検索結果があった場合には、すべて見るためには多くの時間を要する。そのため、検索結果である予測情報を絞り込むことができるように構成することが好ましい。前記のように治療済対象情報検索部(G)に治療済対象情報検索ルール保持手段を設け、治療済対象情報検索部(G)が治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から、保持された治療済対象情報検索ルールに基づいて検索するように構成することで達成できる。前記ルールとしては、治癒後の画像情報上で治療済対象が視認できない、またはほぼ視認できないような状態となった治療済対象情報を検索するルールや、所定の治療期間以下を検索するルールや、所定の治療金額以下を検索するルールや、治療希望者の居住する場所(住所)から所定時間以下の移動距離内にある医療機関で治療された治療済対象情報を検索するルールなどが考えられる。
【0098】
または前述したように、予測情報出力部(H)に治療済対象情報検索結果優先順位付与ルール保持手段と治療済対象情報検索結果優先順位付与手段とを設けて優先順位をつけて予測情報を出力する様にしてもよい。例えば図29の例では4件ではあるが、優先順位の高い順に表示されるように構成できる。一覧表として優先順位の高い順に表示し、任意選択して表示きるようにも構成できる。優先順位を付与し並び替えて出力すると、最も参考となりそうな予測情報をわかりやすく得ることができる。
【0099】
図29のような検索結果である予測情報の数が数十や数百といった件数であり、検索結果(予測情報)を所定の条件で絞り込みたい場合は、図29の画面下中央の「検索TOP」ボタンを押して、図26のマイページ検索TOP画面へ戻る。検索絞り込み条件入力画面は図示しないが、保持されている検索条件(ルール)から選んだり、治療希望者自身で検索条件(ルール)を追加したりして条件設定した後に、また図26の検索TOP画面へ戻る。検索絞り込み条件が設定された状態となっており。「検索開始」を押して検索結果を絞り込む。
【0100】
<実施形態1 アプリ:検索結果履歴保持>
治療希望対象情報と類似した検索結果を、検索した時間を示す時間情報と関連付けて保持する治療済対象情報検索履歴保持部を設けてもよい。治療済対象情報検索ルール保持部を設けている場合には、前記治療済対象情報検索履歴保持部は、治療希望対象情報と類似した検索結果を、検索時に基づいた治療済対象情報検索ルールと、検索した時間を示す時間情報と関連付けて保持するように構成してもよい。または治療済対象情報検索結果優先順位付与手段を設けている場合には、予測情報を出力した時に使用した治療済対象情報検索結果優先順位付与ルール又は/及び付与された優先順位を、対応する予測情報と予測情報を出力した時間と関連付けて、検索結果として保持するように構成してもよい。
【0101】
さらに一の治療希望者が複数の治療希望対象を持つ場合には、前記治療済対象情報検索履歴保持部は、治療希望対象情報と類似した検索結果を、治療希望対象識別情報と、検索した時間を示す時間情報と関連付けて保持するように構成してもよい。さらに治療済対象情報検索ルールを保持している場合には、治療済対象情報検索履歴保持部は、治療希望対象情報と類似した検索結果を、検索時に基づいた治療済対象情報検索ルールと、治療希望対象識別情報と、検索した時間を示す時間情報と関連付けて保持するように構成してもよい。または治療済対象情報検索結果優先順位付与手段を設けている場合には、予測情報を出力した時に使用した治療済対象情報検索結果優先順位付与ルール又は/及び付与された優先順位を、対応する予測情報と予測情報を出力した時間と、治療希望対象識別情報と、を関連付けて、検索結果として保持するように構成してもよい。以上が本発明の装置を使用し、予測情報を出力させる場合の一例の説明である。
【0102】
<実施形態1 処理の流れ>
図2は、実施形態1の治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態1の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0201)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0202)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0203)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0204)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0205)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S0206)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S0207)と、予測情報出力ステップ(h)(S0208)とを、を有する。
【0103】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0201)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0202)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0203)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0204)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0205)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S0206)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S0207)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S0208)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0104】
<実施形態1 ハードウェアの説明>
図3は、実施形態1の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0105】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0106】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、を有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0107】
本実施形態により、本発明の治療効果ならびに治療過程予測装置が予測情報を出力することができる。治療希望者が医療機関を受診する前に、自身の治療希望対象に対して治療効果や費用などの予測を得ることができる
【0108】
<実施形態2 概要>主に請求項2、9、16
実施形態2の治療効果ならびに治療過程予測装置は実施形態1を基礎として、治療済対象情報保持部(F)に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含むように構成される。
【0109】
<実施形態2 機能的構成>
図4に実施形態2の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態2の治療効果ならびに治療過程予測装置(0400)の構成は、実施形態1の構成にと同様であるが、治療済対象情報保持部(F)(0406)の機能が実施形態1と若干異なる。
【0110】
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 治療済対象情報保持部(F)(0406)>
「治療済対象情報保持部(F)」(0406)は、保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含むように構成される。
【0111】
保持する治療済対象情報は、少なくとも治療前、治療中、治療済み(治療後)のいずれか以上の画像情報を含むが、治療前と治療済みの画像情報を含むことが好ましく、治療前、治療中、治療済みの画像情報を含むことが最も望ましい。治療前と治療済みの画像情報から治療による改善効果を知ることができるためである。治療中の画像情報からは、治療中に継続して改善していくのか、治療中に一時的に症状が悪化するような(治療箇所が腫れるなど)ことが起こりうるのかを把握することができる。
【0112】
<実施形態2 処理の流れ>
図5は、実施形態1を基礎とした実施形態2の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作処理のフローチャートである。この図で示すように実施形態2の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0501)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0502)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0503)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0504)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0505)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S0506)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S0507)と、予測情報出力ステップ(h)(S0508)とを、を有する。
【0113】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0501)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0502)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0503)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0504)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0505)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S0506)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報であって、少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報を含む治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S0507)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S0508)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0114】
<実施形態2 ハードウェアの説明>
図6は、実施形態1を基礎とした実施形態2の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0115】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0116】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、さらに画像検索サブプログラム(j)を有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、さらに画像情報が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0117】
本実施形態により、治療済対象情報として少なくとも治療前、治療中、治療済みのいずれか一以上の画像情報保持することができる。
【0118】
<実施形態3 概要>主に請求項3、10、17
実施形態3の治療効果ならびに治療過程予測装置は実施形態2を基礎として、治療済対象情報検索部(G)に画像検索手段(J)を有するように構成される。
【0119】
<実施形態3 機能的構成>
図7に実施形態3の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態3の治療効果ならびに治療過程予測装置(0700)は、実施形態2の構成に加えて治療済対象情報検索部(G)(0707)に画像検索手段(J)(0709)を有する。
【0120】
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 画像検索手段(J)(0709)>
「画像検索手段(J)」(0709)は、治療希望対象画像情報取得部(D)(0704)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索するように治療済対象情報検索部(G)(0707)内に構成される。
【0121】
治療希望対象と類似した画像を検索するにあたって、機械学習させた人工知能(AI)を使用してもよい。画像検索手段(J)を本装置の筐体とは別の筐体に設け、回線を介して一体に接続する態様でもよい。画像検索手段(J)は、インターネット等の回線を経由して本装置の治療希望対象画像情報取得部(D)によって取得され、治療希望対象情報保持部(E)に治療希望対象識別情報と関連付けて保持された治療希望対象画像情報と類似した画像情報を、治療済対象情報保持部(F)に保持された治療済対象情報から検索する。
【0122】
腕や脚の画像の場合、撮影の角度がバラバラとなる場合があるため、画像の角度が異なっても、検索を行えるように人工知能(AI)を学習させることが望ましい。
【0123】
<実施形態3 処理の流れ>
図8は、実施形態2を基礎とした実施形態3の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作処理のフローチャートである。この図で示すように実施形態3の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0801)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0802)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0803)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0804)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0805)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S0806)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S0807)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S0807)内の画像検索サブステップ(j)(S0808)と、予測情報出力ステップ(h)(S0809)とを、を有する。
【0124】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S0801)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S0802)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S0803)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0804)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S0805)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S0806)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S0807)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S0807)内の画像検索サブステップ(j)(S0808)は、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S0804)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する処理を行い
予測情報出力ステップ(h)(S0809)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0125】
<実施形態3 ハードウェアの説明>
図9は、実施形態2を基礎とした実施形態3の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0126】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0127】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、さらに画像検索サブプログラム(j)を有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0128】
本実施形態により、治療希望対象画像情報を用いて治療済対象情報を検索することができる。
【0129】
<実施形態4 概要>主に請求項4、11、18
実施形態4の治療効果ならびに治療過程予測装置は実施形態3を基礎として、予測情報出力部(H)に治療済画像情報出力手段(K)をさらに有するように構成される。
【0130】
<実施形態4 機能的構成>
図10に実施形態3を基礎とする実施形態4の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態4の治療効果ならびに治療過程予測装置(0900)は、実施形態3の構成に加え、予測情報出力部(H)(1008)内に治療済画像情報出力手段(K)(1010)を有する。
【0131】
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 治療済画像情報出力手段(K)(1010)>
「治療済画像情報出力手段(K)」(1010)は、予測情報として治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報を出力するように、予測情報出力部(H)(1008)内に構成される。
【0132】
治療済画像情報出力手段(K)は、治療済対象情報検索部(G)が検索した治療済対象情報に治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報が含まれない場合は、治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報を含むことを検索条件に加えて検索を行うように、治療済対象情報検索部(G)へ検索条件追加を出力するように構成することもできる。
【0133】
<実施形態4 処理の流れ>
図11は、実施形態3を基礎とする実施形態4の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作処理のフローチャートである。この図で示すように実施形態4の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1101)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1102)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1103)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1104)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1105)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S1106)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S1107)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S1107)内の画像検索サブステップ(j)(S1108)と、予測情報出力ステップ(h)(S1109)と、予測情報出力ステップ(h)(S1109)内の治療済画像情報出力サブステップ(k)(S1110)と、を、を有する。
【0134】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1101)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1102)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1103)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1104)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1105)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S1106)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S1107)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S1107)内の画像検索サブステップ(j)(S1108)は、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1104)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する処理を行い
予測情報出力ステップ(h)(S1109)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S1109)内の治療済画像情報出力サブステップ(k)(S1110)は、予測情報として治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0135】
<実施形態4 ハードウェアの説明>
図12は、実施形態3を基礎とした実施形態4の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0136】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0137】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、画像検索サブプログラム(j)と、さらに治療済画像情報出力サブプログラム(k)とを有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、画像情報が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0138】
本実施形態により療効果ならびに治療過程予測装置は、予測情報として治療過程又は/及び治療済の状態を示す画像情報を出力することができる。
【0139】
<実施形態5 概要>主に請求項5、12、19
実施形態5の治療効果ならびに治療過程予測装置は実施形態3を基礎として、予測情報出力部(H)内に模擬画像情報出力手段(L)を有するように構成される。
【0140】
<実施形態5 機能的構成>
図13に実施形態3を基礎とする実施形態5の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態5の治療効果ならびに治療過程予測装置(1300)は、実施形態3の構成に加え、予測情報出力部(H)(1308)内に、模擬画像情報出力手段(L)(1311)を有する。
【0141】
<実施形態5 構成の説明>
<実施形態5 模擬画像情報出力手段(L)(1311)>
「模擬画像情報出力手段(L)」(1311)は、治療済対象情報に含まれる治療中又は治療済の画像情報に基づいてこれを模擬する画像の情報である模擬画像情報を出力するように、予測情報出力部(H)(1308)内に構成される。
【0142】
例えば、治療済対象が顔であり、そのまま予測情報として、治療効果の予想または治療中や治療済みの画像情報として出力した場合には、治療済対象の治療を受けた治療者の個人を特定することができる顔の画像の情報である顔画像情報が開示されてしまう。個人を特定できないように人工知能などに作らせた顔や、人の顔を模擬した模式図などの上に効果や治療済みの画像情報を模擬して表示することにより、元となった治療者の個人を特定できる情報は開示されることを防止できる。人の顔を自動生成できるように機械学習した人工知能に顔を毎回作らせてもよいし、簡略化した顔の模式図上に治療中、治療後の状態を模擬して予測情報を人工知能(AI)に描画させるように構成してもよい。
【0143】
<実施形態5 処理の流れ>
図14は、実施形態3を基礎とする実施形態5の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作処理のフローチャートである。この図で示すように実施形態5の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1401)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1402)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1403)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1404)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1405)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S1406)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S1407)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S1407)内の画像検索サブステップ(j)(S1408)と、予測情報出力ステップ(h)(S1409)と、予測情報出力ステップ(h)(S1409)内の模擬画像情報出力サブステップ(l)(S1410)と、を有する。
【0144】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1401)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1402)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1403)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1404)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1405)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S1406)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報である治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S1407)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S1407)内の画像検索サブステップ(j)(S1408)は、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1404)にて取得された画像を用いて治療済対象情報を検索する処理を行い
予測情報出力ステップ(h)(S1409)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S1409)内の模擬画像情報出力サブステップ(l)(S1410)は、予測情報として治療済対象情報に含まれる治療中又は治療済の画像情報に基づいてこれを模擬する画像の情報である模擬画像情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0145】
<実施形態5 ハードウェアの説明>
図15は、実施形態3を基礎とした実施形態5の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0146】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0147】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、画像検索サブプログラム(j)と、さらに模擬画像情報出力サブプログラム(l)とを有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、模擬画像情報が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0148】
本実施形態により、予測情報として実際の治療中又は治療済の画像情報そのものを出力せずに模擬した模擬画像情報を出力することができる。模擬画像情報を出力することにより、治療済みの人物の個人情報(治療中または治療済の画像情報)を他人へ提供することを防止できる。
【0149】
<実施形態6 概要>主に請求項6、13、20
実施形態1を基礎とする実施形態6の治療効果ならびに治療過程予測装置の治療済対象情報保持部に保持する治療済対象情報は、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含むように構成される。
【0150】
<実施形態6 機能的構成>
図16に実施形態1を基礎とする実施形態6の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態7の治療効果ならびに治療過程予測装置(1600)は、実施形態1の構成と同様である。
【0151】
<実施形態6 構成の説明>
<実施形態6 治療済対象情報保持部(F)(1606)>
「治療済対象情報保持部(F)」(1606)は、保持する治療済対象情報が、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含むように構成される。
【0152】
「治療を担う者」とは、医師、検査技師、接骨医、歯科衛生士、歯科技工士、看護師など医療に携わる者をいう。治療を担う者が本装置を使用する場合には、治療を担う者を識別するための情報である治療担当者識別情報を保持する治療担当者識別情報保持部を有するように構成することが好ましい。治療担当者識別情報保持部は、本装置を使用する権限の範囲を示す情報である権限情報を治療担当者識別情報に関連付けて保持することがより好ましい。権限情報の一例は、治療済対象情報保持部(F)に保持された治療済対象情報に含まれる個人情報や治療方法の開示範囲を制限する態様であり、治療担当者のうち医師はすべて開示されるが、一般の治療希望者へは個人情報は開示されないなどの区分に用いることができる。
【0153】
「治療支援情報」とは、例えば治療を担う者が治療を実施する際に役立つ(参考となる)手術方法や医療装置の使用方法や、医療用医薬品の種類と処方量などである。手術後の手当の仕方、治療中に配慮する注意点等など治療希望対象の直接の治療だけではなく治療に付随するケアについても開示されていることが好ましい。治療を希望する者が医療機関を訪れ、その医療機関では治療経験がない、または現状の治療方法に代わる治療方法や、より効果が高い治療方法を探しているといった時に役立つ情報として提供されうる。なおこれらの情報は非医療従事者が主と考えられる治療希望者が入手したとしても自身では実現しえない。ただし治療済対象情報に治療を行った医療機関の情報が含まれていれば、治療希望者が受けたい治療法を施術できる医療機関で受診することができる。
【0154】
また、治療支援情報を、治療を担う者である医療従事者などが、追加登録することができるように構成するとよい。治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像、治療支援情報のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)である治療済対象情報を取得する治療済対象情報取得部を有するように構成することができる。さらに、本装置を利用する治療を担う者を識別する情報である治療担当者識別情報を保持する治療担当者識別情報保持部を設けている場合には、前記治療済対象情報取得部にて治療済対象情報を取得する際に治療担当者識別情報と関連付けて取得するように構成してもよい。この場合、治療担当者識別情報に、治療済対象情報を追加登録できる権限情報が関連付けられて治療担当者識別情報保持部に保持されていることが好ましい。
【0155】
<実施形態6 処理の流れ>
図17は、実施形態1を基礎とする実施形態6の治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法のフローチャートである。この図で示すように実施形態6の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1701)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1702)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1703)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1704)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1705)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S1706)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S1707)と、予測情報出力ステップ(h)(S1708)とを、を有する。
【0156】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S1701)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S1702)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S1703)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S1704)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S1705)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S1706)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報であって、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S1707)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S1708)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0157】
<実施形態6 ハードウェアの説明>
図18は、実施形態1を基礎とした実施形態6の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0158】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0159】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、を有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、さらに治療支援情報が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0160】
本実施形態により、治療済対象情報として、治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を保持することができる。
【0161】
<実施形態7 概要>主に請求項7
実施形態8の治療効果ならびに治療過程予測装置は、実施形態6を基礎として、治療支援情報出力部(M)を有するように構成される。
【0162】
<実施形態7 機能的構成>
図19に実施形態6を基礎とする実施形態7の治療効果ならびに治療過程予測装置の機能ブロック図を示す。実施形態8の治療効果ならびに治療過程予測装置(1900)は、実施形態6の構成に加え、治療支援情報出力部(M)(1912)を有する。
【0163】
<実施形態7 構成の説明>
<実施形態7 治療支援情報出力部(M)(1912)>
「治療支援情報出力部(M)」(1912)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力するように構成される
【0164】
治療支援情報は非医療従事者が入手しても、直接的には役立たない情報であると考えられる。そのため、治療済対象情報を検索した結果を予測情報として出力を受ける者が医療従事者か非医療従事者かどちらであるかによって治療支援情報を出力するか否かを選択するように構成することもできる。また医療従事者であっても、専門分野ではない分野の治療支援情報であったり、医師でないものが詳細な治療方法を提示されたりしても役立たない可能性もあり、医療従事者であってもどのような医療従事者なのかによって治療支援情報を出力するか否かを選択するように構成することもできる。
【0165】
上記のように治療支援情報の出力を選択するには、
治療担当者識別情報保持部は、治療担当者識別情報に関連付けて、治療担当者の属性情報として、医師、看護師、薬剤師、整体師などの区別と、その専門(整形外科、皮膚科、外科、歯科、口腔外科、眼科、肛門科など)を保持する治療担当者属性情報保持手段を有し、
治療支援情報出力部(M)は、検索された治療済対象情報に基づいた治療支援情報を、治療担当者属性情報に基づいて出力するか判断する治療支援情報出力判断手段を有することで達成できる。
【0166】
<実施形態7 処理の流れ>
図20は、実施形態6を基礎とする実施形態7の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作処理のフローチャートである。この図で示すように実施形態7の治療効果ならびに治療過程予測装置では、治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S2001)と、治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S2002)と、治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S2003)と、治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S2004)と、治療希望対象情報保持ステップ(e)(S2005)と、治療済対象情報保持ステップ(f)(S2006)と、治療済対象情報検索ステップ(g)(S2007)と、予測情報出力ステップ(h)(S2008)と、治療支援情報出力ステップ(m)(S2009)と、を有する。
【0167】
ここで計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置の動作方法は、
治療希望者識別情報取得ステップ(a)(S2001)は、外部から観察可能な体の治療希望対象(痣、シミ、火傷痕、傷、口唇裂等を言うがこれに限定されない。以下同じ。)の治療を希望する者である治療希望者を識別する情報である治療希望者識別情報を取得する処理を行い、
治療希望者属性情報取得ステップ(b)(S2002)は、治療を希望する者である治療希望者の属性(年齢、性別)を示す情報である治療希望者属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象属性情報取得ステップ(c)(S2003)は、治療希望対象に関する属性(位置、大きさ、形状、色彩、経過のいずれか一以上を含むがこれに限定されない。以下同じ。)を示す情報である治療希望対象属性情報を取得する処理を行い、
治療希望対象画像情報取得ステップ(d)(S2004)は、前記治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を取得する処理を行い、
治療希望対象情報保持ステップ(e)(S2005)は、治療希望者属性情報と治療希望対象属性情報と治療希望対象画像情報とを、治療希望者識別情報と関連付けた情報である治療希望対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報保持ステップ(f)(S2006)は、他の治療済対象の治療に関する情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)であって治療前の情報とその後の治療効果又は/及び治療過程の情報を取得可能な情報であって、少なくとも治療済対象情報として治療を担う者がその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を含む治療済対象情報を保持する処理を行い、
治療済対象情報検索ステップ(g)(S2007)は、前記治療希望対象情報と類似した症例の治療例を、保持された前記治療済対象情報から検索する処理を行い、
予測情報出力ステップ(h)(S2008)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療希望者の治療希望対象を治療した際の治療効果並びに治療過程の予測情報として、前記検索された類似した治療済対象情報に基づいた予測情報を出力する処理を行い、
治療支援情報出力ステップ(m)(S2009)は、検索された治療済対象情報に基づいて、治療支援情報を出力する処理を行う。
このような一連の処理を計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置に実行させる動作方法である。
【0168】
<実施形態7 ハードウェアの説明>
図21は、実施形態6を基礎とした実施形態7の計算機である治療効果ならびに治療過程予測装置のメインボードやその周辺機器によって構成されるハードウェアを説明するための図である。「CPU」、ノースブリッジとサウスブリッジからなる「チップセット」、「不揮発性メモリ」、「メインメモリ」、「I/Oコントローラ」、「USB、IEEE1394、LAN端子、etc」、「BIOS」、「PCIスロット」、「リアルタイムクロック」などから構成される。
【0169】
不揮発性メモリに蓄積されている各種プログラム、データ(情報)は、本システムの起動によって、メインメモリに展開され、実行命令を受け付けることでCPUによって順次プログラムがデータを利用した演算をするように構成されている。
【0170】
すなわち、不揮発性メモリにはOS(オペレーティングシステム)とデバイスドライバのほかに、治療希望者識別情報取得プログラム(a)と、治療希望者属性情報取得プログラム(b)と、治療希望対象属性情報取得プログラム(c)と、治療希望対象画像情報取得プログラム(d)と、治療希望対象情報保持プログラム(e)と、治療済対象情報保持プログラム(f)と、治療済対象情報検索プログラム(g)と、予測情報出力プログラム(h)と、治療支援情報出力プログラム(m)と、を有し、データとして、治療希望者識別情報、治療希望者属性情報、治療希望対象属性情報、治療希望対象画像情報、治療希望対象情報、治療済対象情報、予測情報、さらに治療支援情報が保持されている。これらは、本システムがコンピュータ上で起動されることにより、メインメモリに展開されて、起動命令を受け付けることによって、CPUが順次プログラムとデータを利用した演算を行って行く。
【0171】
本実施形態により、治療を担う者に対し、検索されたその治療を実施するために役立つ治療方法に関する情報である治療支援情報を出力することができる。
【0172】
<5.効果>
以上の構成を有する治療効果ならびに治療過程予測装置に対して、治療希望者が地震の属性情報である治療者属性情報や、治療希望対象の属性情報である治療希望対象属性情報や、治療希望対象の画像の情報である治療希望対象画像情報を入力することにより、自身の治療希望対象と同様の治療希望対象を過去に治療した実績情報を検索し、治療の過程や治療後の状態の画像または模擬画像を入手し、治療を受けた場合の効果の予測情報を得ることができる。同時にそのような治療を受けた場合の費用や期間の情報を参考にすることもできる。治療に関する情報を、治療を担う者へも提供することができる。
【符号の説明】
【0173】
治療希望者識別情報取得部(A)・・・0101
治療希望者属性情報取得部(B)・・・0102
治療希望対象属性情報取得部(C)・・・0103
治療希望対象画像情報取得部(D)・・・0104
治療希望対象情報保持部(E)・・・0105
治療済対象情報保持部(F)・・・0106
治療済対象情報検索部(G)・・・0107
予測情報出力部(H)・・・0108
【要約】      (修正有)
【課題】担当医等の経験値や表現力に依存しないで、治療効果ならびに治療過程の状態を客観的に予測することが可能となる治療効果ならびに治療過程予測装置、その動作方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】治療効果ならびに治療過程予測装置0100は、すでに治療済の事例を治療済対象情報(画像、位置、大きさ、経過、治療者年齢と性別、治療方法、治療費、治療期間、治癒後画像のいずれか一以上であるがこれに限定されない。)として保持する治療済対象情報保持部0106と、治療希望対象情報保持部0105に保持された治療希望対象情報を基に検索し、予測情報として効果や費用などを出力する予測情報出力部0108と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29