(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】ミドルフレーム、バッテリカバー及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230911BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230911BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230911BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
G06F1/16 312G
G06F1/16 312F
G06F1/16 312Z
H05K5/02 J
H05K5/03 A
H04M1/02 C
(21)【出願番号】P 2022502449
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 CN2020102673
(87)【国際公開番号】W WO2021008608
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】201910646543.3
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910754876.8
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウー,グオピーン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,フオン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,スーウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ドーァジー
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0003028(US,A1)
【文献】特表2011-527105(JP,A)
【文献】特開2004-343684(JP,A)
【文献】特開2014-113726(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109719502(CN,A)
【文献】特開2013-093002(JP,A)
【文献】特開2016-208383(JP,A)
【文献】特表2000-512118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0245513(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105141721(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16- 1/18
B29C 45/00-45/24
B29C 45/46-45/63
B29C 45/70-45/72
B29C 45/74-45/84
H04M 1/02- 1/23
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ミドルプレートと、前記金属ミドルプレートの外縁の周囲に配置されたエッジフレームとを含むミドルフレームであって、
前記エッジフレームは、プラスチックフレームと、前記プラスチックフレームの外側表面の周囲に配置されたギャップレスセラミックフレームとを含み、前記ギャップレスセラミックフレームは、前記プラスチックフレームを通じて前記金属ミドルプレートに接続され、前記プラスチックフレームは、射出成形を通じて前記ギャップレスセラミックフレームと前記金属ミドルプレートとの間に形成され、前記ギャップレスセラミックフレームは、前記プラスチックフレームを通じて前記金属ミドルプレートに接続される、ミドルフレーム。
【請求項2】
前記プラスチックフレームに面した前記ギャップレスセラミックフレームの表面は、凸部構造を有し、前記プラスチックフレームは、前記凸部構造に適合する凹部構造を有する、請求項
1に記載のミドルフレーム。
【請求項3】
前記ギャップレスセラミックフレームは、ギャップレス正方形リング構造であり、前記ギャップレスセラミックフレームのコーナーにおける側壁の厚さは、前記ギャップレスセラミックフレームの非コーナー部における側壁の厚さよりも大きい、請求項
1又は
2に記載のミドルフレーム。
【請求項4】
少なくとも1つのアンテナを更に含み、前記アンテナは、アンテナ放射体と、前記アンテナ放射体に電気的に接続された給電点及び接地点とを含み、前記アンテナ放射体は、前記プラスチックフレームと前記ギャップレスセラミックフレームとの間に配置される、請求項
1乃至
3のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項5】
前記アンテナのクリアランスは
前記金属ミドルプレートから10mm未満である、請求項
4に記載のミドルフレーム。
【請求項6】
前記アンテナのインピーダンスは5Ω以下である、請求項
4又は
5に記載のミドルフレーム。
【請求項7】
前記ギャップレスセラミックフレームのセラミック強度は300~1700MPaであり、セラミック破壊靭性は2~16MPa.m1/2である、請求項
1乃至
6のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項8】
前記プラスチックフレームのプラスチック曲げ弾性率は1000MPa以上である、請求項
1乃至
7のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項9】
前記ギャップレスセラミックフレームの材料は、ジルコニアセラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ケイ素セラミック、窒化アルミニウムセラミック又は酸化アルミニウムセラミックを含む、請求項
1乃至
8のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項10】
前記プラスチックフレームの材料は、ポリカーボネート(PC)、プラスチック合金、ポリアミド(PA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、請求項
1乃至
9のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項11】
補強材料が前記プラスチックフレーム
の材料に添加され、前記補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維及びグラフェンのうち1つ以上を含む、請求項
1乃至
10のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項12】
前記プラスチックフレームの反対側にある前記ギャップレスセラミックフレームの表面は、外側に突出したアーク形状表面であるか、或いは、前記プラスチックフレームの反対側にある前記ギャップレスセラミックフレームの前記表面は、垂直表面である、請求項
1乃至
11のうちいずれか1項に記載のミドルフレーム。
【請求項13】
ディスプレイスクリーンと、背面カバーと、請求項
1乃至
12のうちいずれか1項に記載のミドルフレームとを少なくとも含む電子デバイスであって、
前記ディスプレイスクリーン及び前記背面カバーは、前記ミドルフレームの両側にそれぞれ位置する、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
この出願は、端末技術の分野に関し、特に、ミドルフレーム、バッテリカバー及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックの美しい外観、ヒスイのような光沢、滑らかな触感のため、セラミックが適用された電子デバイス、例えば、携帯電話及びタブレットコンピュータは、次第に消費者により求められ、好まれるようになってきている。さらに、セラミックは高い硬度及び耐摩耗性を有する。携帯電話の外側ハウジングとして使用されるとき、セラミックは傷又は磨耗を受けず、携帯電話が耐久性のあることを確保する。セラミックは、環境にやさしいだけでなく、装飾的価値も高い。
【0003】
現在、セラミック材料が携帯電話に適用されるとき、セラミック背面カバー又はセラミックミドルフレームが主にセラミック材料で作られる。しかし、セラミックは比較的重いので、全体の携帯電話の重量が増加する。全体の携帯電話の重量を低減するために、セラミック背面カバーの厚さ又はセラミックミドルフレームの厚さが低減されるとき、セラミック背面カバーの強度又はセラミックミドルフレームの強度が要件を満たすことができない。したがって、セラミック背面カバー又はセラミックミドルフレームが使用されるとき、強度要件が満たされつつ携帯電話の重量をどのように低減するかが、業界において解決される必要がある緊急の課題である。
【発明の概要】
【0004】
この出願の実施形態は、ミドルフレーム、バッテリカバー及び電子デバイスを提供する。これは、ミドルフレーム及びバッテリカバーが強度要件を満たしつつ、セラミックフレームの厚さ及びセラミック外側ハウジングの厚さが低減されることを実現し、電子デバイスの重量を低減する。
【0005】
この出願の実施形態の第1の態様は、金属ミドルプレートと、金属ミドルプレートの外縁の周囲に配置されたエッジフレームとを含むミドルフレームを提供する。エッジフレームは、プラスチックフレームと、プラスチックフレームの外側表面の周囲に配置されたギャップレスセラミックフレームとを含み、ギャップレスセラミックフレームは、プラスチックフレームを通じて金属ミドルプレートに接続される。
【0006】
エッジフレームは、プラスチックフレームと、セラミックフレームとを含む。このように、一方では、セラミックフレームの厚さが低減でき、それにより、電子デバイスの重量が低減されることが実現でき、他方では、エッジフレームの内側がプラスチックフレームであるので、プラスチックフレームは、セラミックフレームのための強度支持を提供できる。このように、エッジフレームは、低減されるセラミックフレームの厚さに基づいて、強度要件を満たす。さらに、エッジフレームの内側はプラスチックフレームであるので、プラスチックフレーム上に複雑な内側構造設計が容易に行われる。これは、比較的高い硬度を有するセラミックフレーム上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。この出願の実施形態では、電子デバイスのエッジフレームの外側はセラミックフレームであるので、これは、電子デバイスのエッジフレームの高品質の感触及び高い硬度の双方を満たす。
【0007】
可能な実現方式では、プラスチックフレームに面したギャップレスセラミックフレームの表面は、凸部構造を有し、プラスチックフレームは、凸部構造に適合する凹部構造を有する。
【0008】
このように、一方では、プラスチックフレームに面したセラミックフレームの側部の表面積が増加し、射出成形の間に、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間の係合面積が増加する。したがって、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間の結合力が増加し、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間の引張力が増加し、それにより、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に亀裂が生じにくい。他方では、凸部構造は、セラミックフレームの内側に配置される。このように、セラミックフレーム及びプラスチックフレームがエッジフレームを形成するために組み合わされるとき、凸部構造がエッジフレームの強度を高めることができる。
【0009】
可能な実現方式では、ギャップレスセラミックフレームは、ギャップレス正方形リング構造であり、ギャップレスセラミックフレームのコーナーにおける側壁の厚さは、ギャップレスセラミックフレームの非コーナー部における側壁の厚さよりも大きい。
【0010】
このように、セラミックフレームのコーナーの強度が比較的高く、電子デバイスが落下したとき、電子デバイスの4つのコーナーが容易に損傷しないことが確保できる。
【0011】
可能な実現方式では、ミドルフレームは、少なくとも1つのアンテナを更に含む。アンテナは、アンテナ放射体と、アンテナ放射体に電気的に接続された給電点及び接地点とを含み、アンテナ放射体は、プラスチックフレームとギャップレスセラミックフレームとの間に配置される。
【0012】
このように、アンテナ放射体は、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に位置し、それにより、アンテナ放射体は、ミドルフレームのエッジフレームの内側に保持され、アンテナ放射体は、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に隠される。このように、アンテナ放射体はミドルフレーム上に見えない。
【0013】
可能な実現方式では、アンテナのクリアランスは10mm未満である。このように、アンテナの周囲の金属によりアンテナに引き起こされる干渉が低減され、アンテナの放射効率が確保される。
【0014】
可能な実現方式では、アンテナのインピーダンスは5Ω以下である。このように、アンテナは、より高い導電率及びより強い放射能力を有する。
【0015】
可能な実現方式では、ギャップレスセラミックフレームのセラミック強度は300~1700MPaであり、セラミック破壊靭性は2~16MPa.m1/2である。このように、セラミックフレームは所要の強度要件を満たし、試験要件を満たす。
【0016】
可能な実現方式では、プラスチックフレームのプラスチック曲げ弾性率は1000MPa以上である。このように、プラスチックフレームはセラミックフレームを支持し、それにより、セラミックフレームの厚さが低減できる。
【0017】
可能な実現方式では、ギャップレスセラミックフレームの材料は、ジルコニアセラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ケイ素セラミック、窒化アルミニウムセラミック又は酸化アルミニウムセラミックを含む。
【0018】
可能な実現方式では、プラスチックフレームの材料は、ポリカーボネート(PC)、プラスチック合金、ポリアミド(PA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む。
【0019】
可能な実現方式では、補強材料がプラスチックフレームの材料に添加され、補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維及びグラフェンのうち1つ以上を含む。プラスチックフレームの強度は、補強材料を通じて増加する。
【0020】
可能な実現方式では、プラスチックフレームの反対側にあるギャップレスセラミックフレームの表面は、外側に突出したアーク形状表面であるか、或いは、プラスチックフレームの反対側にあるギャップレスセラミックフレームの表面は、垂直表面である。
【0021】
外側に面したセラミックフレームの表面は、外側に突出したアーク形状表面である。このように、一方では、電子デバイスのセラミックフレームをユーザが保持することが便利になり、他方では、セラミックフレームは、より美しい外観を有し、セラミックフレームは、同じ厚さの純粋なセラミックフレームよりも軽い。
【0022】
可能な実現方式では、プラスチックフレームは、射出成形を通じてギャップレスセラミックフレームと金属ミドルプレートとの間に形成され、ギャップレスセラミックフレームは、プラスチックフレームを通じて金属ミドルプレートに接続される。
【0023】
プラスチック射出成形が使用されるとき、一方では、射出成形プロセスにおいてプラスチックフレームがセラミックフレームの内側表面上に形成され、他方では、射出成形プロセスにおいてセラミックフレームが金属ミドルプレートに接続される。したがって、セラミックフレーム、金属ミドルプレート及びプラスチックフレームは、射出成形プロセスにおいて一体構造を形成する。
【0024】
この出願の実施形態の第2の態様は、ディスプレイスクリーンと、背面カバーと、第1の態様において提供されるいずれかのミドルフレームとを少なくとも含む電子デバイスを提供する。ディスプレイスクリーン及び背面カバーは、ミドルフレームの両側にそれぞれ位置する。
【0025】
上記のミドルフレームが含まれ、それにより、電子デバイスの重量が低減される。
【0026】
この出願の実施形態の第3の態様は、金属ミドルプレートと、金属ミドルプレートの外縁の周囲に配置されたエッジフレームとを含むミドルフレームを提供する。
【0027】
エッジフレームは、プラスチックフレームと、プラスチックフレームの外側表面に配置されたセラミックフレームとを含む。
【0028】
ミドルフレームは、少なくとも1つのアンテナを更に含む。アンテナは、アンテナ放射体と、アンテナ放射体に電気的に接続された給電点及び接地点とを含み、アンテナ放射体は、プラスチックフレームとセラミックフレームとの間に配置される。
【0029】
エッジフレームは、プラスチックフレームと、セラミックフレームとを含む。一方では、セラミックフレームの厚さが低減でき、それにより、ミドルフレームの重量が低減されることが実現できる。他方では、エッジフレームの内側がプラスチックフレームであるので、プラスチックフレームは、セラミックフレームのための強度支持を提供でき、それにより、エッジフレームは、低減されるセラミックフレームの厚さに基づいて、強度要件を満たす。さらに、エッジフレームの内側はプラスチックフレームであるので、プラスチックフレーム上に複雑な内側構造設計が容易に行われる。これは、比較的高い硬度を有するセラミックフレーム上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。ミドルフレームのエッジフレームの外側はセラミックフレームであり、これはまた、電子デバイスのエッジフレームの高品質の感触及び高い硬度を満たす。アンテナ放射体は、プラスチックフレームとセラミックフレームとの間に配置され、それにより、アンテナ放射体は、ミドルフレームのエッジフレームの内側に保持され、アンテナ放射体は、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に隠される。このように、アンテナ放射体はミドルフレーム上に見えない。
【0030】
可能な実現方式では、アンテナのクリアランスは10mm未満である。このように、アンテナの周囲の金属によりアンテナに引き起こされる干渉が低減され、アンテナの放射効率が確保される。
【0031】
可能な実現方式では、アンテナのインピーダンスは5Ω以下である。このように、アンテナは、より高い導電率及びより強い放射能力を有する。
【0032】
可能な実現方式では、複数のアンテナが存在し、複数のアンテナのアンテナ放射体は、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に間隔を置いて配置される。
【0033】
可能な実現方式では、複数のアンテナは、プライマリアンテナ、ダイバーシチアンテナ、Wi-Fiアンテナ、GPSアンテナ、MIMOアンテナ及びブルートゥースアンテナのうち少なくとも1つ以上を含む。
【0034】
可能な実現方式では、セラミックフレームは、ギャップレスセラミックフレームであるか、或いは、セラミックフレームは、複数のセラミックサブフレームを含み、複数のセラミックサブフレームは、リング状にセラミックフレームを形成するように接続される。
【0035】
この出願の実施形態の第4の態様は、ディスプレイスクリーンと、背面カバーと、第3の態様において記載されるいずれかのミドルフレームとを少なくとも含む電子デバイスを提供する。ディスプレイスクリーン及び背面カバーは、ミドルフレームの両側にそれぞれ位置する。
【0036】
この出願の実施形態の第5の態様は、セラミック外側ハウジングと、プラスチック内側ハウジングとを含むバッテリカバーを提供する。プラスチック内側ハウジングは、セラミック外側ハウジングの内面に配置される。
【0037】
バッテリカバーは、セラミック外側ハウジングと、プラスチック内側ハウジングとを含む。このように、一方では、バッテリカバーの重量が低減され、それにより、電子デバイスの重量が低減され、他方では、プラスチック内側ハウジング上に複雑な内側構造設計が容易に行われることを実現する。これは、比較的高い硬度を有するセラミック外側ハウジング上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。
【0038】
可能な実現方式では、バッテリカバーは、底部カバーと、側部カバーとを含み、側部カバーは、底部カバーの外縁の周囲に配置される。
【0039】
バッテリカバーは、底部カバーと、側部カバーとを含み、側部カバーは、電子デバイスの外枠として使用されてもよい。このように、バッテリカバーが電子デバイスにおいて使用されるとき、電子デバイスの外枠と底部カバーの外面との双方がセラミック材料で作られる。このように、バッテリカバーの重量が低減されることに基づいて、電子デバイスの外面上に全セラミック構成が実現される。
【0040】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジングは、外側底部ハウジングと、外側底部ハウジングの外縁の周囲に配置された外側側部ハウジングとを含む。
【0041】
プラスチック内側ハウジングは、内側底部ハウジングと、内側側部ハウジングとを含み、外側底部ハウジング及び内側底部ハウジングは、底部カバーを形成し、外側側部ハウジング及び内側側部ハウジングは、側部カバーを形成する。このように、バッテリカバーの全体の外側側面及び全体の外側底面はセラミック材料で作られ、バッテリカバーの全体の内側側面及び全体の内側底面はプラスチック材料で作られる。
【0042】
可能な実現方式では、バッテリカバーの底部カバーの厚さは0.45~0.9mmである。
【0043】
セラミック外側ハウジングの外側底部ハウジングの厚さは0.2~0.6mmである。このように、セラミック外側ハウジングの外側底部ハウジングの厚さが低減され、純粋なセラミックハウジングに比べてバッテリカバーの重量が低減される。
【0044】
可能な実現方式では、ミドルフレームは、少なくとも1つのアンテナを更に含む。アンテナは、アンテナ放射体と、アンテナ放射体に電気的に接続された給電点及び接地点とを含み、アンテナ放射体は、セラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの間に配置される。
【0045】
アンテナ放射体は、セラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの間に位置し、それにより、アンテナ放射体は、バッテリカバーの内側に保持される。アンテナ放射体は、セラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの間に隠される。このように、アンテナ放射体はバッテリカバー上に見えない。
【0046】
可能な実現方式では、アンテナ放射体は、セラミック外側ハウジングの外側底部ハウジングとプラスチック内側ハウジングの内側底部ハウジングとの間に位置するか、或いは、
アンテナ放射体は、セラミック外側ハウジングの外側側部ハウジングとプラスチック内側ハウジングの内側側部ハウジングとの間に位置する。
【0047】
可能な実現方式では、プラスチック内側ハウジングは、プラスチック射出成形を通じてセラミック外側ハウジングの内面に形成される。このように、射出成形プロセスにおいて、一方では、プラスチック内側ハウジングが形成され、他方では、セラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの組み合わせが実現される。
【0048】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジングのセラミック強度は300~1700MPaであり、セラミック破壊靭性は2~16MPa.m1/2である。
【0049】
可能な実現方式では、プラスチック内側ハウジングのプラスチック曲げ弾性率は1000MPa以上である。
【0050】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジングの材料は、ジルコニアセラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ケイ素セラミック、窒化アルミニウムセラミック又は酸化アルミニウムセラミックを含み、
プラスチック内側ハウジングの材料は、ポリカーボネート(PC)、プラスチック合金、ポリアミド(PA)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む。
【0051】
可能な実現方式では、補強材料がプラスチック内側ハウジングの材料に添加され、補強材料は、ガラス繊維、炭素繊維及びグラフェンのうち1つ以上を含む。
【0052】
この出願の実施形態の第6の態様は、ディスプレイスクリーンと、上記のいずれかのバッテリカバーとを少なくとも含む電子デバイスを提供する。ディスプレイスクリーンは、コンポーネントを収容するために使用される収容スペースを囲むようにバッテリカバーに接続される。
【0053】
バッテリカバーは、セラミック外側ハウジングと、プラスチック内側ハウジングとを含む。このように、一方では、バッテリカバーの重量が低減され、それにより、電子デバイスの重量が低減され、他方では、プラスチック内側ハウジング上に複雑な内側構造設計が容易に行われることを実現する。これは、比較的高い硬度を有するセラミック外側ハウジング上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。
【0054】
この出願の第7の態様は、ミドルフレーム製造方法を提供し、当該方法は、
金属ミドルプレートと、セラミックフレームとを設けるステップと、
ミドルフレームを形成するために、金属ミドルプレート及びセラミックフレームをプラスチック射出成形用のモールドに配置するステップとを含む。ミドルフレームは、金属ミドルプレートと、金属ミドルプレートの外縁の周囲に配置されたエッジフレームとを含む。エッジフレームは、セラミックフレームと、セラミックフレームの内側に射出成形され且つ金属ミドルプレートに接続されたプラスチックフレームとを含む。
【0055】
金属ミドルプレート及びセラミックフレームがプラスチック射出成形用のモールドに配置される。このように、一方では、射出成形プロセスにおいてプラスチックフレームが形成され、他方では、射出成形プロセスにおいてセラミックフレームと金属ミドルプレートとの間の接続が実現される。したがって、セラミックフレーム、プラスチックフレーム及び金属ミドルプレートを含むミドルフレームは一体構造である。
【0056】
可能な実現方式では、金属ミドルプレート及びセラミックフレームをプラスチック射出成形用のモールドに配置する前に、当該方法は、
セラミックフレームの内側表面に凸部構造を形成するステップと、
金属ミドルプレートの外縁の一部に側壁を形成するステップ、金属ミドルプレートの外縁の一部にノッチ構造を形成するステップ、又は金属ミドルプレートの外縁の一部に側壁及びノッチ構造を形成するステップとを更に含む。
【0057】
このように、射出成形プロセスにおいて、プラスチックフレームとセラミックフレームとの間の接触面積が凸部構造を通じて増加する。したがって、プラスチックフレームとセラミックフレームとの間の形成される結合力はより大きい。
【0058】
可能な実現方式では、金属ミドルプレート及びセラミックフレームをプラスチック射出成形用のモールドに配置する前に、当該方法は、
少なくとも1つのアンテナ放射体をセラミックフレームの内側表面に配置するステップを更に含む。このように、射出成形プロセスにおいて、アンテナ放射体は、セラミックフレームとプラスチックフレームとの間に射出成形される。したがって、アンテナ放射体は、エッジフレームの内側に配置される。
【0059】
可能な実現方式では、ミドルフレームを形成するために、金属ミドルプレート及びセラミックフレームをプラスチック射出成形用のモールドに配置した後に、当該方法は、
ミドルフレームに対して内側キャビティ仕上げ加工を実行するステップと、
内側キャビティ仕上げ加工が実行されるミドルフレームのセラミックフレームに対して外形加工を実行するステップと、
外形加工が実行されるセラミックフレームに対して、粗研磨、サイドホール加工、微細研磨及び表面処理を実行するステップとを更に含む。
【0060】
このように、一方では、ミドルフレームは、より美しい構造を有し、他方では、表面処理がセラミックフレームに対して実行され、例えば、コーティング層がセラミックフレームの表面上にめっきされ、コーティング層は、指紋防止(AF)フィルムでもよい。コーティング層は、セラミック表面に指紋を残すことを困難にし、セラミック表面を良好な耐摩耗性を有するようにする。
【0061】
この出願の第8の態様は、バッテリカバー製造方法を提供し、当該方法は、
セラミック外側ハウジングを設けるステップと、
バッテリカバーを形成するために、セラミック外側ハウジングをプラスチック射出成形用のモールドに配置するステップとを含む。バッテリカバーは、セラミック外側ハウジングと、セラミック外側ハウジングの内面に射出成形されたプラスチック内側ハウジングとを含む。
【0062】
セラミック外側ハウジングは、プラスチック射出成形用のモールドに配置される。このように、射出成形プロセスにおいて、一方では、プラスチックフレームがセラミック外側ハウジングの内面に形成され、他方では、射出成形プロセスにおいて、セラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの接続が実現される。
【0063】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジングをプラスチック射出成形用のモールドに配置する前に、当該方法は、
セラミック外側ハウジングの内面に凸部構造を形成するステップを更に含む。
【0064】
凸部構造は、セラミック外側ハウジングの内面に形成される。このように、射出成形プロセスにおいて、プラスチックフレームとセラミックフレームとの接触面積が増加する。したがって、プラスチック内側ハウジングとセラミック外側ハウジングとの間の形成される結合力はより大きい。
【0065】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジングをプラスチック射出成形用のモールドに配置する前に、当該方法は、
セラミック外側ハウジングの内面に少なくとも1つのアンテナ放射体を形成するステップを更に含む。このように、射出成形プロセスにおいて、アンテナ放射体がセラミック外側ハウジングとプラスチック内側ハウジングとの間に射出成形され、それにより、アンテナ放射体がバッテリカバー上に見えないことが実現される。
【0066】
可能な実現方式では、バッテリカバーを形成するために、セラミック外側ハウジングをプラスチック射出成形用のモールドに配置した後に、当該方法は、
バッテリカバーに対して内側キャビティ仕上げ加工を実行するステップと、
内側キャビティ仕上げ加工が実行されるバッテリカバーのセラミック外側ハウジングに対して外形加工を実行するステップと、
外形加工が実行されるセラミック外側ハウジングに対して、粗研磨、サイドホール加工、微細研磨及び表面処理を実行するステップとを更に含む。
【0067】
このように、一方では、バッテリカバーの美しい外観が実現され、他方では、表面処理プロセスにおいて、指紋防止(AF)フィルムが形成されてもよい。コーティング層は、セラミック表面に指紋を残すことを困難にし、セラミック表面を良好な耐摩耗性を有するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】この出願の実施形態による電子デバイスの三次元構造の概略図である。
【
図2】この出願の実施形態による電子デバイスの概略分解構造図である。
【
図3】この出願の実施形態による電子デバイスのミドルフレームの概略分解構造図である。
【
図4】この出願の実施形態による電子デバイスのミドルフレームの部分断面構造の概略図である。
【
図5】この出願の実施形態による電子デバイスにおけるセラミックフレーム、プラスチックフレーム及びアンテナ放射体の分解断面構造の概略図である。
【
図6】この出願の実施形態による電子デバイスにおけるセラミックフレーム、プラスチックフレーム及びアンテナの回路の構造の概略図である。
【
図7】この出願の実施形態による電子デバイスにおけるセラミックフレームの構造の概略図である。
【
図8】この出願の実施形態による電子デバイスにおけるセラミックフレーム、プラスチックフレーム及びアンテナ放射体の構造の概略図である
【
図9】この出願の実施形態による電子デバイスの他の三次元構造の概略図である。
【
図10】この出願の実施形態による電子デバイスの概略分解構造図である。
【
図11】この出願の実施形態による電子デバイスのバッテリカバーの概略分解構造図である。
【
図12】この出願の実施形態による電子デバイスのバッテリカバーの断面構造の概略図である。
【
図13】この出願の実施形態による電子デバイスのバッテリカバー及びアンテナ放射体の部分断面構造の概略図である。
【
図14】この出願の実施形態による電子デバイスのバッテリカバー及びアンテナ放射体の部分断面構造の他の概略図である。
【0069】
[参照符号の説明]
100及び200:携帯電話; 10及び210:ディスプレイスクリーン; 20:ミドルフレーム; 21:金属ミドルプレート; 211:金属側壁; 2:エッジフレーム;
221:セラミックフレーム; 2211:第1のセラミックサブフレーム; 2212:第2のセラミックサブフレーム; 2213:第3のセラミックサブフレーム;
2214:第4のセラミックサブフレーム; 2215:第5のセラミックサブフレーム; 2216:第6のセラミックサブフレーム;
2217:第7のセラミックサブフレーム; 2218:第8のセラミックサブフレーム; 221a:凸部構造; 222:プラスチックフレーム;
30及び230:回路基板; 40及び240:バッテリ; 50:背面カバー; 61:第1のアンテナ放射体; 62:第2のアンテナ放射体;
63:第3のアンテナ放射体; 64:第4のアンテナ放射体; 65:第5のアンテナ放射体; 66:第6のアンテナ放射体;
601:第1のアンテナ; 602:第2のアンテナ; 603:第3のアンテナ; 604:第4のアンテナ; 605:第5のアンテナ;
606:第6のアンテナ; A1,A2,A3,A4,A5,A6,b1,b2,b3,b4,b5,b6:コーナー;
a1:第1の給電点; a2:第2の給電点; a3:第3の給電点; a4:第4の給電点; a5:第5の給電点;
a6:第6の給電点; B1:第のフィード; B2:第2のフィード; B3:第3のフィード; B4第:4のフィード;
B5:第5のフィード; B6:第6のフィード; c1:第1の接地点; c2:第2の接地点; c3:第3の接地点;
c4:第4の接地点; c5:第5の接地点; c6:第6の接地点; 220:ミドルプレート; 250:バッテリカバー;
251:セラミック外側ハウジング;2511: 外側側部ハウジング; 2512:外側底部ハウジング; 252:プラスチック内側ハウジング; 2521:内側側部ハウジング;
2522:内側底部ハウジング; 260:アンテナ放射体
【発明を実施するための形態】
【0070】
この出願の実施形態において使用されるいくつかの用語は、この出願を限定する意図なしに、この出願の実施形態を単に説明するために使用される。以下に、添付の図面を参照して、この出願の実施形態における実現方式について詳細に説明する。
【0071】
この出願の実施形態は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer, UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ウォーキートーキー、ネットブック、POSマシン、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant, PDA)、イベントデータレコーダ、ウェアラブルデバイス、仮想現実デバイス、ワイヤレスUSBフラッシュドライブ、ブルートゥーススピーカ/ヘッドセット又は車載フロントマウント型デバイスのようなエッジフレーム又はハウジングを有する移動端末又は固定端末を含むが、これらに限定されない電子デバイスを提供する。
【0072】
この出願のこの実施形態では、携帯電話100が電子デバイスである例が説明のために使用する。携帯電話100のミドルフレームのエッジフレームがセラミックフレーム及びプラスチックフレームを使用するシナリオが、シナリオ1に設定される。携帯電話100のセラミックフレームとプラスチックフレームとの間にアンテナ放射体が配置されるシナリオが、シナリオ2に設定される。携帯電話100のバッテリカバーがセラミック外側ハウジング及びプラスチック内側ハウジングを使用するシナリオが、シナリオ3に設定される。
【0073】
以下に、シナリオ1、シナリオ2及びシナリオ3における携帯電話100の構造について別々に説明する。
【0074】
シナリオ1
この出願の実施形態では、
図1及び
図2を参照すると、携帯電話100は、ディスプレイスクリーン10と、背面カバー50とを含んでもよい。ミドルフレーム20、回路基板30及びバッテリ40は、ディスプレイスクリーン10と背面カバー50との間に配置されてもよい。回路基板30及びバッテリ40は、ミドルフレーム20に配置されてもよい。例えば、回路基板30及びバッテリ40は、背面カバー50に面したミドルフレーム20の表面に配置される。代替として、回路基板30及びバッテリ40は、ディスプレイスクリーン10に面したミドルフレーム20の表面に配置されてもよい。回路基板30がミドルフレーム20に配置されるとき、ミドルフレーム20は、ミドルフレーム20の開口部において、回路基板30上にエレメントを配置するための開口部を備えてもよい。
【0075】
バッテリ40がミドルフレーム20に配置されるとき、例えば、バッテリコンパートメントは、背面カバー50に面したミドルフレーム20の表面に配置されてもよく、バッテリ40は、バッテリコンパートメントに配置される(
図2において破線ボックスで示す)。この出願のこの実施形態では、バッテリ40は、電力管理モジュール及び充電管理モジュールを通じて回路基板30に接続されてもよい。電力管理モジュールは、バッテリ40の入力及び/又は充電管理モジュールの入力を受け取り、電力をプロセッサ、内部メモリ、外部メモリ、ディスプレイスクリーン10、カメラ、通信モジュール等に供給する。電力管理モジュールは、バッテリ40の容量、バッテリ40のサイクル数及びバッテリ40の健康状態(漏電又はインピーダンス)のようなパラメータを監視するように更に構成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、代替として、電力管理モジュールは、回路基板30のプロセッサに配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、代替として、電力管理モジュール及び充電管理モジュールは、同じデバイスに配置されてもよい。
【0076】
ディスプレイスクリーン10は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode, OLED)ディスプレイスクリーンでもよく、或いは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)スクリーンでもよい。ディスプレイスクリーン10は、ディスプレイと、タッチコンポーネントとを含んでもよいことが理解されるべきである。ディスプレイは、表示内容をユーザに出力するように構成され、タッチコンポーネントは、ディスプレイスクリーン10上でユーザにより入力されたタッチイベントを受け取るように構成される。
【0077】
背面カバー50は、金属背面カバー、ガラス背面カバー、プラスチック背面カバー又はセラミック背面カバーでもよい。背面カバー50の材料は、この出願の実施形態では限定されない。
【0078】
この出願のこの実施形態における図示の構造は、携帯電話100に対する具体的な限定を構成しないことが理解され得る。この出願のいくつかの他の実施形態では、携帯電話100は、図面に示すものよりも多くのコンポーネント又は少ないコンポーネントを含んでもよく、いくつかのコンポーネントを組み合わせてもよく、いくつかのコンポーネントを分割してもよく、或いは、異なるコンポーネントの配置を有してもよい。例えば、携帯電話100は、カメラ(例えば、正面カメラ及び背面カメラ)及びフラッシュのようなコンポーネントを更に含んでもよい。
【0079】
この出願のこの実施形態では、
図2に示すように、ミドルフレーム20は、金属ミドルプレート21と、エッジフレーム22とを含んでもよく、エッジフレーム22は、金属ミドルプレート21の周囲に沿って1つの円状に配置される。例えば、エッジフレーム22は、互いに対向して配置された上端及び底端と、上端と底端との間に位置し且つ互いに対向して配置された左端及び右端とを含んでもよい。エッジフレーム22と金属ミドルプレート21との間の接続方式は、溶接、クランピング及び一体型射出成形を含むが、これらに限定されない。金属ミドルプレート21の材料は、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料でもよく、或いは、金属ミドルフレーム20の材料はステンレス鋼材料でもよい。金属ミドルフレーム20の材料は、上記の材料を含むが、これに限定されない点に留意すべきである。
【0080】
通常では、エッジフレーム22は、金属フレーム、ガラスフレーム、プラスチックフレーム又はセラミックフレームでもよい。しかし、金属フレームが使用されるとき、金属フレームは、アンテナ放射体を形成するようにスリットを通過する必要があり、それにより、スリットが金属フレーム上に存在する。一方では、金属フレームの外観が影響を受け、他方では、金属フレームの強度がスリットにより影響を受け、金属ミドルフレームの完全性が損なわれる。ガラスフレームが使用されるとき、携帯電話100は、落下の後に亀裂が生じやすい。プラスチックフレームが使用されるとき、プラスチック表面が加工された後の触感及びプラスチック表面の平坦度が携帯電話100の外観に対するユーザの要件を満たすことができない。セラミックフレームが使用されるとき、セラミックフレームは、セラミックフレームと同じ厚さのガラスフレームよりも15g~18g重い。しかし、セラミックフレームの厚さが低減されるとき、セラミックフレームの強度が要件を満たすことができない。さらに、セラミックは比較的高い硬度を有するので、セラミックフレームが使用されるとき、セラミックフレーム上に複雑な内側構造設計を実現することは困難である。
【0081】
上記の説明に基づいて、この出願のこの実施形態では、
図3に示すように、エッジフレーム22は、プラスチックフレーム222と、セラミックフレーム221とを含んでもよい。セラミックフレーム221は、セラミック材料及びプラスチック材料の2つの材料を含むエッジフレーム22を形成するように、プラスチックフレーム222の外側表面の周囲に配置されてもよい。セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222が配置されるとき、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222は一緒に入れ子にされてもよい。セラミックフレーム221は、外側に位置し、プラスチックフレーム222は、内側に位置する。セラミックフレーム221、プラスチックフレーム222及び金属ミドルプレート21は、電子デバイスのミドルフレーム20を形成する。エッジフレーム22はプラスチックフレーム222及びセラミックフレーム221の2つの材料を含むので、プラスチックフレーム222は、強度支持を提供してもよい。このように、セラミックフレーム221の厚さが低減されてもよい。したがって、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222を含むエッジフレーム22の重量がかなり低減でき、エッジフレーム22の強度要件が満たされることができる。
【0082】
この出願のこの実施形態では、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222がエッジフレーム22を形成するとき、プラスチックフレーム222は、セラミックフレーム221の内側側壁に沿って1つの円状に配置されてもよく、それにより、プラスチックフレーム222がセラミックフレーム221の全体の内側側壁をカバーできる点に留意すべきである。
【0083】
金属ミドルプレート21、プラスチックフレーム222及びセラミックフレーム221を含むミドルフレーム20の重量は、純粋なセラミックフレーム及び金属ミドルプレートを含む、ミドルフレーム20と同じサイズのミドルフレームの重量と比較して、5g~20gだけ低減されることが分かる。金属ミドルプレート21、プラスチックフレーム222及びセラミックフレーム221を含むミドルフレーム20の重量は、ミドルフレーム20と同じサイズの金属ミドルフレームの重量に近い。落下試験及びローラー試験が実行された後に、この出願のこの実施形態において提供される電子デバイスがセラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222を含むエッジフレーム22を使用するとき、電子デバイスの各部分は、電子デバイスが1.2mの高さで落下したときに亀裂が生じず、ローラー試験中に電子デバイスが75サイクルの後に落下したときに亀裂が生じない。プラスチックフレーム222とセラミックフレーム221との間の結合力の最大値は994.3Nであり、最小値は821.3Nである。
【0084】
したがって、この出願において提供される電子デバイスでは、エッジフレーム22は、セラミックフレーム221と、プラスチックフレーム222とを含む。このように、一方では、セラミックフレーム221の厚さが低減でき、それにより、電子デバイスの重量が低減されることを実現する。他方では、エッジフレーム22の内側がプラスチックフレーム222であるので、プラスチックフレーム222は、セラミックフレーム221のための強度支持を提供してもよく、それにより、エッジフレーム22は、低減されるセラミックフレームの厚さに基づいて、強度要件を満たす。さらに、エッジフレーム22の内側はプラスチックフレーム222であり、プラスチックフレーム222上に複雑な内側構造設計(例えば、
図3におけるプラスチックフレーム222の内側に形成された様々な構造設計)が容易に行われる。これは、比較的高い硬度を有するセラミックフレーム221上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。この出願の実施形態では、電子デバイスのエッジフレーム22の外側はセラミックフレーム221であるので、これは、電子デバイスのエッジフレーム22の高品質の感触及び高い硬度の双方を満たす。
【0085】
可能な実現方式では、
図3に示すように、セラミックフレーム221はギャップレスリング構造でもよい。例えば、セラミックフレーム221は正方形リング構造であり、正方形リング構造は、複数のエッジフレームを接合することにより形成されたリング構造の代わりに、連続リング構造でもよい。プラスチックフレーム222は、セラミックフレーム221の内側側壁に沿って配置されたリング構造でもよい。
【0086】
可能な実現方式では、
図3に示すように、セラミックフレーム221は、コーナーA1、コーナーA2、コーナーA3及びコーナーA4の4つのコーナーを有する。携帯電話が落下したときに4つのコーナーが容易に損傷しないことを確保するために、セラミックフレーム221の4つのコーナーにおける側壁の厚さは、セラミックフレーム221の非コーナー部における側壁の厚さよりも大きくてもよい。このように、セラミックフレーム221のコーナーの強度が比較的高く、電子デバイスが落下したとき、電子デバイスの4つのコーナーが容易に損傷しないことが確保できる。
【0087】
可能な実現方式では、セラミックフレーム221がセラミック材料で作られているとき、セラミック材料の強度は300~1700MPaでもよい。例えば、セラミックフレーム221のセラミック強度は1100MPaでもよく、或いは、セラミックフレーム221のセラミック強度は1200MPaでもよい。セラミックフレーム221のセラミック破壊靭性は2~16MPa.m1/2でもよい。例えば、セラミックフレーム221のセラミック破壊靭性は8MPa.m1/2でもよく、或いは、セラミックフレーム221のセラミック破壊靭性は10MPa.m1/2でもよい。
【0088】
可能な実現方式では、プラスチックフレーム222がプラスチック材料で作られるとき、プラスチック材料の曲げ弾性率は1000MPa以上でもよい。例えば、プラスチックフレーム222のプラスチック曲げ弾性率は2500MPaでもよく、或いは、プラスチックフレーム222のプラスチック曲げ弾性率は2800MPaでもよい。
【0089】
可能な実現方式では、セラミックフレーム221の材料は、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムのようなセラミック材料を含むが、これらに限定されない。例えば、セラミックフレーム221の材料は、ジルコニアセラミック片でもよく、或いは、セラミックフレーム221の材料は、アルミナセラミック片でもよい。セラミックフレーム221の材料は、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムであることは、セラミックフレーム221がセラミック材料で作られているとき、セラミック材料の主要原材料が、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムであることを主に意味することが理解されるべきである。
【0090】
可能な実現方式では、プラスチックフレーム222の材料はポリカーボネート(Polycarbonate, PC)でもよく或いはプラスチック合金でもよい。プラスチック合金は、PC及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene, ABS)で作られたプラスチックでもよい。代替として、プラスチックフレーム222の材料はポリアミド(polyamide, PA)でもよい。代替として、プラスチックフレーム222の材料はポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate, PBT)でもよい。プラスチックフレーム222の材料は、PC、PC+ABS、PA及びPBTを含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。
【0091】
この出願のこの実施形態では、プラスチックフレーム222の強度を更に高め、セラミックフレーム221の厚さを更に低減するために、ガラス繊維がプラスチックフレーム222のプラスチック材料に添加されてもよい。このように、プラスチックフレーム222の強度が増加できる。プラスチックフレーム222のプラスチック材料に添加される材料は、ガラス繊維を含むが、これに限定されず、プラスチック材料の強度を高めることができる他の補強材料、例えば、炭素繊維又はグラフェンでもよい点に留意すべきである。
【0092】
可能な実現方式では、セラミックフレーム221、プラスチックフレーム222及び金属ミドルプレート21は、射出成形プロセスを通じて一体的に形成されてもよい。例えば、セラミックフレーム221及び金属ミドルプレート21は、プラスチック射出成形を通じて接続される。射出成形が完了すると、セラミックフレーム221と金属ミドルプレート21との間にプラスチックフレーム222が形成され、プラスチックフレーム222は、一体的なミドルフレーム20を形成するように、セラミックフレーム221及び金属ミドルプレート21を接続する。
【0093】
可能な実現方式では、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間の結合力をより大きくし、プラスチックフレーム222と金属ミドルプレート21との間の結合力をより大きくするために、
図4を参照すると、金属ミドルプレート21に面したセラミックフレーム221の側部に凸部構造221aが形成されてもよい。プラスチックフレームは、凸部構造221aに適合する凹部構造(例えば、
図4における凸部構造221aと協働する構造)を有する。このように、一方では、プラスチックフレーム222に面したセラミックフレーム221の側部の表面積が増加し、射出成形の間に、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間の係合面積が増加する。したがって、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間の結合力が増加し、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間の引張力が増加し、それにより、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に亀裂が生じにくい。他方では、凸部構造221aは、セラミックフレーム221の内側に配置される。このように、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222がエッジフレーム22を形成するために組み合わされるとき、凸部構造221aがエッジフレーム22の強度を高めることができる。
【0094】
凸部構造221aがプラスチックフレーム222に面したセラミックフレーム221の側部に配置されるとき、凸部構造221aは、セラミックフレーム221の内側側面に沿って1つの円状に配置されてもよく、或いは、凸部構造221aは、セラミックフレーム221の2つの対向する内側表面に沿って配置されてもよい。
【0095】
可能な実現方式では、プラスチックフレーム222と金属ミドルプレート21との間の結合力を増加させるために、金属ミドルプレート21の周囲は、ノッチ構造又は係合構造(例えば、
図3における金属ミドルプレートの周囲に形成されたノッチ)を備えてもよい。このように、プラスチックフレーム222と金属ミドルプレート21との間の結合力は、射出成形プロセスにおいて増加する。代替として、
図4に示すように、金属ミドルプレート21の周囲の一部(例えば、バッテリ40に近い金属ミドルプレート21の周囲の一部)に金属側壁211が形成される。プラスチックフレーム222は、金属側壁211とセラミックフレーム221との間に位置してもよい。このように、射出成形の間に、プラスチックフレーム222は、金属ミドルプレート21の金属側壁211と組み合わされ、それにより、プラスチックフレーム222と金属ミドルプレート21との間の接着面積が増加し、接着力がより大きくなる。
【0096】
射出成形の間に、金属側壁211とプラスチックフレーム222との間に或る空間が確保されてもよく、それにより、電子デバイス内の導線が空間を通過できる点に留意すべきである。この出願のこの実施形態では、金属ミドルプレート21の金属側壁211及び金属ミドルプレート21の一部は、バッテリコンパートメントを更に囲ってもよく、バッテリ40は、バッテリコンパートメントに配置されてもよい。
【0097】
可能な実現方式では、外側に面した電子デバイスのセラミックフレーム221の表面は、垂直表面でもよい。例えば、外側に面したセラミックフレーム221の表面は、ディスプレイスクリーン10に垂直でもよい。代替として、
図4に示すように、外側に面した電子デバイスのセラミックフレーム221の表面は、外側に突出したアーク形状表面でもよい。このように、一方では、ユーザが電子デバイスのセラミックフレーム221を保持することが便利であり、他方では、セラミックフレーム221は、より美しい外観を有し、セラミックフレーム211は、同じ厚さの純粋なセラミックフレームよりも軽い。
【0098】
この出願のこの実施形態では、電子デバイスのミドルフレーム20は、以下のステップにより用意されてもよい。
【0099】
ステップ(A):金属ミドルプレート21と、セラミックフレーム221とを設ける。
【0100】
金属ミドルプレート21はアルミニウム又はアルミニウム合金板でもよく、或いは、金属ミドルプレート21はステンレス鋼板でもよい。セラミックフレーム221はギャップレスセラミックフレームでもよい。例えば、セラミックフレーム221は、連続リング構造であり、複数のセラミックセグメントを接合することにより形成されない。このように、一方では、セラミックフレーム221にギャップが存在せず、セラミックフレーム221の完全性が確保され、エッジフレーム22は、より美しい外観及び構造を有する。他方では、連続リング構造のセラミックフレーム221が使用されるとき、且つ、セラミックフレーム221及び金属ミドルフレーム20が射出成形を通じて一体構造を形成するとき、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222が独立して接続されるという問題が回避される。
【0101】
金属ミドルプレート21が設けられるとき、金属ミドルプレート21は、コンピュータ数値制御機(Computer number control, CNC)により実行される加工を通じて或いはパンチを通じて形成されてもよい。バッテリ40が配置されるバッテリコンパートメント及び開口部が金属ミドルプレート21に形成され、金属ミドルプレート21の外縁にノッチ構造又は係合構造が設けられる。
【0102】
セラミックフレーム221が設けられるとき、セラミックフレーム221は、粗加工及び表面処理がセラミックブランクに対して実行された後に取得されてもよい。粗加工がセラミックブランクに対して実行されるとき、例えば、CNC又はレーザ加工方式がセラミックブランク内にあるキャビティ縁部及びキャビティ底部から残留物を除去し、フレーム本体をトリミングするために使用されてもよい。表面処理は粗加工の後に実行される。例えば、所要の厚さを取得するために、フレーム本体の2つの表面は、研磨デバイスにより別々に研磨されてもよい。
【0103】
ステップ(B):ミドルフレーム20を形成するために、金属ミドルプレート21及びセラミックフレーム221を射出成形用のモールドに配置し、ミドルフレーム20は、金属ミドルプレート21と、エッジフレーム22とを含んでもよく、フレーム22は、セラミックフレーム221と、セラミックフレーム221の内側に沿って形成されたプラスチックフレーム222とを含んでもよい。
【0104】
金属ミドルプレート21及びセラミックフレーム221がモールドに射出成形されるとき、インモールドラベリング(Insert Molding Label, IML)プロセスが射出成形を実行するために使用されてもよく、金属ミドルプレート21及びセラミックフレーム221はインサートとして使用される。射出成形プロセスにおいて、プラスチックフレーム222が形成されてもよい。プラスチックフレーム222は、一体構造を形成するようにセラミックフレーム221及び金属ミドルプレート21を接続し、プラスチックフレーム222及びセラミックフレーム221は、セラミック材料及びプラスチック材料の2つの材料を含む複合エッジフレーム22を形成する。複合エッジフレーム22はプラスチックフレーム222を含むので、プラスチックフレーム222は強度支持を提供してもよい。このように、セラミックフレーム221の厚さが低減されてもよく、それにより、プラスチックフレーム222とセラミックフレーム221とを含む複合エッジフレーム22の重量が、複合エッジフレーム22と同じ厚さの純粋なセラミックエッジフレーム22の重量に比べてかなり低減される。したがって、形成されたミドルフレーム20の重量が低減され、ミドルフレーム20が電子デバイスに適用されるとき、電子デバイスの重量が低減される。
【0105】
この出願のこの実施形態では、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間の結合力を増加させるために、セラミックフレーム221が射出成形される前に、方法は、セラミックフレーム221の内側側壁に凸部加工を実行することを更に含む。例えば、セラミックフレーム221は、位置決めピンにより固定具に位置決めされてもよい。シリンダがクランピングされた後に、プログラムを通じてセラミックフレーム221の内側側壁に対する加工を自動的に実行し、凸部構造221aを形成するために、プローブツールが使用される。
【0106】
可能な実現方式では、セラミックフレーム211が射出成形される前に、当該方法は、セラミックフレーム221の内側側面に少なくとも1つのアンテナ放射体を配置することを更に含む。このように、射出成形プロセスにおいて、アンテナ放射体は、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に射出成形される。
【0107】
この出願のこの実施形態では、ステップ(B)が実行された後に、当該方法は、ミドルフレーム20に対して内側キャビティCNC仕上げ加工を実行することを更に含む。例えば、ミドルフレーム20は、鉄の内側キャビティジグに配置され、ミドルフレーム20は、UV接着剤により接着されて固定されてもよい。ミドルフレーム20は、マグネットジグにより機械に固定されて位置決めされ、正確な位置決め及び加工のためにプローブが使用される。
【0108】
内側キャビティCNC仕上げ加工が実行された後に、当該方法は、セラミックフレーム221に対して外形CNC加工を実行することを更に含む。例えば、内側キャビティCNC仕上げ加工が実行されたミドルフレーム20が位置決めされて固定され、所要の外形を取得するために、セラミックフレーム221の外形が加工される。
【0109】
外形CNC加工がセラミックフレーム221に対して実行された後に、当該方法は、セラミックフレーム221に対して、粗研磨、サイドホール加工、微細研磨及び表面処理を実行することを更に含む。例えば、まず、粗研磨がセラミックフレーム221に対して実行される。粗研磨が実行された後に、セラミックフレーム221及びプラスチックフレーム222の側面に穴が開けられ、穴がCNCにより加工される。穴が開けられた後に、セラミックフレーム221に対して微細研磨が実行される。微細研磨が実行された後に、セラミックフレーム221に対して表面処理が実行される。例えば、コーティング層が、蒸着方式でセラミックフレーム221の表面にめっきされてもよい。コーティング層は、指紋防止(Anti Finger, AF)フィルムでもよく、コーティング層は、セラミック表面に指紋を残すことを困難にし、セラミック表面を良好な耐摩耗性を有するようにする。代替として、フィルム層が、物理蒸着(Physical vapor deposition, PVD)を通じてセラミックフレーム221の表面に堆積してもよく、それにより、セラミック表面に指紋を残すことが困難になり、セラミック表面は良好な耐摩耗性を有する。
【0110】
可能な実現方式では、電子デバイスの背面カバー50はまた、プラスチックカバー(図示せず)と、セラミックカバー(図示せず)とを含んでもよい。例えば、プラスチックカバー及びセラミックカバーは、セラミック材料及びプラスチック材料の2つの材料を含む背面カバー50を形成するように射出成形される。背面カバー50の外面はセラミック材料で作られてもよく、背面カバー50の内面はプラスチック材料で作られてもよい。プラスチックカバーは強度支持を提供してもよく、セラミックカバーは薄くされてもよい。このように、純粋なセラミック背面カバーと比較して、電子デバイスの重量が低減されることを確保するために、この出願のこの実施形態において提供される背面カバー50の重量が低減されてもよい。電子デバイスの背面カバー50がプラスチックカバーとセラミックカバーとを含むとき、組み立てプロセスにおいて、背面カバー50は、携帯電話の外側ハウジングを形成するために、接着又はクランピングを通じてセラミックフレーム221とプラスチックフレーム222とを含むエッジフレーム22に接続されてもよい。外側ハウジングの外面は全セラミック材料で作られ、それにより、電子デバイスの重量が低減されるという前提で全セラミック外側ハウジングが実現される。
【0111】
シナリオ2
この出願の実施形態では、信号送信及び信号受信を実現するために、少なくとも1つのアンテナが電子デバイスに配置される。アンテナは、アンテナ放射体と、アンテナ放射体に電気的に接続された給電点及び接地点とを含む。この出願のこの実施形態では、
図5に示すように、アンテナ放射体は、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に配置されてもよい。例えば、複数のアンテナ放射体が、プラスチックフレーム222に面したセラミックフレーム221の側壁に間隔を置いて配置されてもよい。複数のアンテナ放射体は、第1のアンテナ放射体61と、第2のアンテナ放射体62と、第3のアンテナ放射体63と、第4のアンテナ放射体64と、第5のアンテナ放射体65と、第6のアンテナ放射体66とを含んでもよい。代替として、この出願のこの実施形態では、アンテナ放射体は、セラミックフレーム221に面したプラスチックフレーム222の側壁に配置されてもよい。代替として、アンテナ放射体は、セラミックフレーム221の反対側にあるプラスチックフレーム222の側壁に配置されてもよい。
【0112】
アンテナ放射体は、セラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に複数の方式で配置されてもよい。可能な実現方式では、アンテナ放射体は、電気めっき又はレーザ彫刻方式でセラミックフレーム221の内側側壁に形成されてもよい。他の可能な実現方式では、銀ペーストをセラミックフレーム221の内側側壁に転写してアンテナ放射体を形成するために、転写印刷方式が使用されてもよい。セラミックフレーム221及び金属ミドルプレート21が射出成形されるとき、アンテナ放射体が配置されたセラミックフレーム221が射出成形方式で金属ミドルプレート21と一体化され、アンテナ放射体がセラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に射出成形される。この出願のこの実施形態では、各アンテナ放射体の材料は、銀、金、ニッケル、ステンレス鋼又はグラファイトを含むが、これらに限定されない。
【0113】
例えば、
図6に示すように、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の6つのアンテナが電子デバイスに配置される。第1のアンテナ601は、第1のアンテナ放射体61と、第1の給電点a1と、第1の接地点c1と、第1のフィードB1とを含んでもよい。第2のアンテナ602は、第2のアンテナ放射体62と、第2の給電点a2と、第2の接地点c2と、第2のフィードB2とを含んでもよい。第3のアンテナ603は、第3のアンテナ放射体63と、第3の給電点a3と、第3の接地点c3と、第3のフィードB3とを含んでもよい。第4のアンテナ604は、第4のアンテナ放射体64と、第4の給電点a4と、第4の接地点c4と、第4のフィードB4とを含んでもよい。第5のアンテナ605は、第5のアンテナ放射体65と、第5の給電点a5と、第5の接地点c5と、第5のフィードB5とを含んでもよい。第6のアンテナ606は、第6のアンテナ放射体66と、第6の給電点a6と、第6の接地点c6と、第6のフィードB6とを含んでもよい。各フィードは、各給電点を通じて高周波数電流を各アンテナ放射体に供給してもよく、高周波数電流は、電磁波方式でアンテナ放射体から放射される。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の配置位置は、
図6に示す配置位置を含むが、これに限定されない点に留意すべきである。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の配置位置は、実際の要件に基づいて調整されてもよい。
【0114】
各給電点及び各フィードは回路基板30に位置し、各フィードは回路基板30上の高周波数チップ又はマスターチップに電気的に接続される。各給電点は、アンテナ放射体の近くに配置され、各給電点は、フィーダを通じて各フィードに電気的に接続されてもよい。金属ミドルプレート21は回路基板30の接地点に電気的に接続されるので、この出願のこの実施形態では、各接地点の一端はアンテナ放射体に電気的に接続され、他端は接地を実現するために金属ミドルプレート21に接続されてもよく、或いは、接地を実現するために回路基板30の接地点に接続されてもよい。
【0115】
この出願のこの実施形態では、各給電点は、接触方式で各アンテナ放射体に電気的に接続されてもよく、例えば、給電点構造はアンテナ放射体に接続される。例えば、給電点構造は、ホットメルティング又は溶接のような接続方式でアンテナ放射体に接続されてもよく、給電点構造の他端は、回路基板30上の給電点に電気的に接続される。給電点構造の材料は、銅シート、鉄シート、ニッケルシート、ネジ、印刷回路基板(Printed Circuit Board, PCB)等を含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。代替として、給電点は非接触方式でアンテナ放射体に電気的に接続され、給電点及びアンテナ放射体は、結合方式で、高周波数電流がアンテナ放射体に供給されることを実現する。
【0116】
この出願のこの実施形態では、各給電点と各アンテナ放射体との間の接続は、
図6に示す接続方式を含むが、これに限定されない点に留意すべきである。他の例では、高周波数電流は、第2の給電点a2を通じて、第1のアンテナ放射体61、第2のアンテナ放射体62及び第3のアンテナ放射体63に供給されてもよい。第1のアンテナ放射体61及び第3のアンテナ放射体63は、第2のアンテナ602の放射スタブとして使用されてもよい。第2のアンテナ602は、第1のアンテナ601及び第3のアンテナ603に結合され、第2のアンテナ602は、第1のアンテナ601及び第3のアンテナ603を誘導する。第1のアンテナ601及び第3のアンテナ603は、第2のアンテナ602の寄生アンテナとして使用される。他の例では、各アンテナに含まれる給電点の数は、1つを含むが、これに限定されない。例えば、第5のアンテナ605は、2つの給電点を含んでもよく、2つの給電点は、第2のアンテナ放射体62に電気的に接続されてもよい。
【0117】
この出願のこの実施形態では、
図6に示すように、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603は、プライマリアンテナでもよい。例えば、第2のアンテナ602は、プライマリアンテナの低周波数アンテナ(700~960MHz)でもよく、第1のアンテナ601及び第3のアンテナ603は、プライマリアンテナの中高周波数アンテナ(1.805~2.69GHz)でもよい。例えば、第1のアンテナ601は、高周波数アンテナ(2.3~2.69GHz)でもよく、第3のアンテナ603は、中高周波数アンテナでもよい。代替として、第1のアンテナ601は、中周波数アンテナ(1.71~2.2GHz)でもよく、第3のアンテナ603は、高周波数アンテナ(2.3~2.69GHz)でもよい。
【0118】
プライマリアンテナは、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603を含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。例えば、プライマリアンテナはまた、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603のうち1つ又は2つでもよく、或いは、プライマリアンテナは、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606を含んでもよい。プライマリアンテナは、実際の要件に基づいて対応するアンテナを選択する。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603は、プライマリアンテナを含んでもよいが、これに限定されない。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603の周波数帯域は、低周波数帯域(700~960MHz)、中周波数帯域(1.71~2.2GHz)及び高周波数帯域(2.3~2.69GHz)を含むが、これらに限定されない。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603は、シングルバンドアンテナでもよく或いはマルチバンドアンテナでもよい。
【0119】
プライマリアンテナの低周波数帯域は、B5周波数帯域(824~894MHz)、B8周波数帯域(880~960MHz)及びB28周波数帯域(703~803MHz)を含んでもよいが、これらに限定されない。プライマリアンテナの中周波数帯域は、B3周波数帯域(1710~1880MHz)及びB1周波数帯域(1920~2170MHz)を含んでもよいが、これらに限定されない。プライマリアンテナの高周波数帯域は、B7周波数帯域(2500~2690MHz)を含んでもよいが、これに限定されない。
【0120】
代替として、5G技術の開発に伴い、プライマリアンテナの動作周波数帯域は5G周波数帯域を更にカバーしてもよい。例えば、プライマリアンテナの動作周波数帯域は、5Gシステムの周波数帯域、例えば、周波数帯域(3300~3600MHz)及び周波数帯域(4800~5000MHz)を更に含んでもよい。プライマリアンテナの5G周波数帯域は、6GHzの下の周波数帯域又は6GHzの上の周波数帯域を含んでもよいが、これらに限定されない点に留意すべきである。
【0121】
第4のアンテナ604はWi-Fiアンテナでもよい。Wi-Fiアンテナの動作周波数帯域は、周波数帯域(2400~2500MHz)又は周波数帯域(4900~5900MHz)でもよく、或いは、Wi-Fiアンテナの動作周波数帯域は、周波数帯域(2400~2500MHz)及び周波数帯域(4900~5900MHz)を含んでもよい。代替として、第4のアンテナ604は全地球測位システム(Global Positioning System, GPS)アンテナでもよい。GPSアンテナの動作周波数帯域は、周波数帯域(1575±100MHz)でもよい。代替として、第4のアンテナ604はブルートゥースアンテナでもよい。ブルートゥースアンテナの動作周波数帯域は、周波数帯域(2400~2500MHz)でもよい。第4のアンテナ604は、Wi-Fiアンテナ又はGPSアンテナを含むが、これらに限定されず、第4のアンテナ604は他のアンテナでもよい点に留意すべきである。第4のアンテナ604の動作周波数帯域は、周波数帯域(2400~2500MHz)、周波数帯域(4900~5900MHz)又は周波数帯域(1575±100MHz)を含むが、これらに限定されない。
【0122】
第5のアンテナ605は、ダイバーシチアンテナでもよい。ダイバーシチアンテナの動作周波数帯域は、B5周波数帯域(824~894MHz)、B8周波数帯域(880~960MHz)、B28周波数帯域(703~803MHz)、B3周波数帯域(1710~1880MHz)、B7周波数帯域(2500~2690MHz)及びB1周波数帯域(1920~2170MHz)を含むが、これらに限定されない。5G技術の発展に伴い、ダイバーシチアンテナの動作周波数帯域は5G周波数帯域を更にカバーしてもよい点に留意すべきである。例えば、ダイバーシチアンテナの動作周波数帯域は、5Gシステムの周波数帯域、例えば、周波数帯域(3300~3600MHz)及び周波数帯域(4800~5000MHz)を更に含んでもよい。ダイバーシチアンテナの5G周波数帯域は、6GHzの下の周波数帯域又は6GHzの上の周波数帯域を含んでもよいが、これらに限定されない点に留意すべきである。第5のアンテナ605は、ダイバーシチアンテナを含むが、これに限定されず、或いは、他のアンテナ、例えば、Wi-Fiアンテナ又はプライマリアンテナでもよい。第5のアンテナ605の動作周波数帯域は、低周波数帯域、中周波数帯域及び高周波数帯域を含むが、これらに限定されない。
【0123】
第6のアンテナ606は、ダイバーシチ・マルチプルインプット・マルチプルアウトプット(Multiple-Input Multiple-Output, MIMO)アンテナでもよい。ダイバーシチMIMOアンテナは、低周波数帯域、中周波数帯域及び高周波数帯域をカバーしてもよい(例えば、低周波数帯域は700~960MHzであり、中周波数帯域は1.71~2.2GHzであり、高周波数帯域は2.3~2.7GHzである)。5G技術の発展に伴い、ダイバーシチMIMOアンテナの動作周波数帯域は5G周波数帯域をカバーしてもよい点に留意すべきである。例えば、ダイバーシチMIMOアンテナの動作周波数帯域は、5Gシステムの周波数帯域、例えば、周波数帯域(3300~3600MHz)及び周波数帯域(4800~5000MHz)を更に含んでもよい。ダイバーシチMIMOアンテナの5G周波数帯域は、6GHzの下の周波数帯域又は6GHzの上の周波数帯域を含んでもよいが、これらに限定されない点に留意すべきである。この出願のこの実施形態では、第6のアンテナ606は代替としてWi-Fiアンテナでもよい。
【0124】
第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のタイプは、上記の様々なアンテナを含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。実際の用途では、Wi-Fiアンテナ、ダイバーシチアンテナ及びMIMOアンテナの位置は、実際の要件に基づいて調整されてもよい。
【0125】
可能な実現方式では、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の材料インピーダンスは、5Ωよりも大きくない。この出願のこの実施形態では、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の材料インピーダンスは、具体的には、第1のアンテナ放射体61、第2のアンテナ放射体62、第3のアンテナ放射体63、第4のアンテナ放射体64、第5のアンテナ放射体65及び第6のアンテナ放射体66の材料インピーダンスであることが理解されるべきである。この出願のこの実施形態では、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のインピーダンスは1Ωでもよい。代替として、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のインピーダンスは3Ωでもよい。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のインピーダンスは、同じでもよく或いは異なってもよい。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606の材料インピーダンスは5Ω以内に設定され、それにより、第1のアンテナ放射体61、第2のアンテナ放射体62、第3のアンテナ放射体63、第4のアンテナ放射体64、第5のアンテナ放射体65及び第6のアンテナ放射体66の伝電率は比較的高い。放射の間、アンテナの放射効率は高く、それにより、アンテナの性能が改善される。
【0126】
可能な実現方式では、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のクリアランスは10mm未満でもよい。第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のクリアランスは、金属材料(例えば、金属ミドルプレート21又は回路基板30)と、第1のアンテナ放射体61、第2のアンテナ放射体62、第3のアンテナ放射体63、第4のアンテナ放射体64、第5のアンテナ放射体65及び第6のアンテナ放射体66との間の距離であることが理解されるべきである。例えば、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のクリアランスは1mmでもよく、或いは、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602、第3のアンテナ603、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のクリアランスは5mmでもよい。
【0127】
第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603がプライマリアンテナとして使用されるとき、第1のアンテナ601、第2のアンテナ602及び第3のアンテナ603のクリアランスは、第4のアンテナ604、第5のアンテナ605及び第6のアンテナ606のクリアランスよりも大きくてもよい点に留意すべきである。
【0128】
可能な実現方式では、アンテナ放射体がセラミックフレーム221とプラスチックフレーム222との間に配置されるとき、セラミックフレーム221は、
図5に示すように、プラスチックフレーム222の外側表面の周囲に配置されるギャップレスリングセラミックフレームでもよい。代替として、セラミックフレームは、プラスチックフレーム222の外側表面に配置された複数のセラミックセグメントでもよい。例えば、
図7に示すように、セラミックフレーム221は、複数のセラミックサブフレームを含んでもよく、複数のセラミックサブフレームは、接続方式でリング構造のセラミックフレームを形成してもよい。セラミックフレーム221は不連続なリング構造である。
【0129】
例えば、
図7に示すように、セラミックフレーム221は、第1のセラミックサブフレーム2211、第2のセラミックサブフレーム2212、第3のセラミックサブフレーム2213、第4のセラミックサブフレーム2214、第5のセラミックサブフレーム2215、第6のセラミックサブフレーム2216、第7のセラミックサブフレーム2217及び第8のセラミックサブフレーム2218の8つのセラミックサブフレームを含んでもよい。8つのセラミックサブフレーム22は、リングセラミックフレーム221を形成するように順に接続される。セラミックフレーム221内のセラミックサブフレーム22は、8つのセラミックサブフレームを含むが、これらに限定されず、セラミックサブフレーム22の数は実際の要件に基づいて設定されてもよい。
【0130】
例えば、
図8に示すように、8つのセラミックサブフレーム22は順に接続され、プラスチックフレーム222の外面に配置される。第1のアンテナ放射体61、第2のアンテナ放射体62、第3のアンテナ放射体63、第4のアンテナ放射体64、第5のアンテナ放射体65及び第6のアンテナ放射体66は、プラスチックフレーム222と8つのセラミックサブフレームとの間に位置してもよい。製造中に、各アンテナ放射体は、セラミックサブフレームに配置されてもよく、次いで、各セラミックサブフレーム及び金属ミドルプレート21は、プラスチック射出成形を通じて各セラミックサブフレーム22の内側側面にプラスチックフレーム222を形成する。プラスチックフレーム222は、一体構造を形成するように各セラミックサブフレーム及び金属ミドルプレート21を接続し、各アンテナ放射体は、プラスチックフレーム222と各セラミックサブフレームとの間に射出成形される。
【0131】
シナリオ3
この出願の実施形態では、
図9及び
図10を参照すると、携帯電話200は、ディスプレイスクリーン210と、バッテリカバー250とを含んでもよい。ミドルプレート220、回路基板230及びバッテリ240は、ディスプレイスクリーン210とバッテリカバー250との間に配置されてもよい。回路基板230及びバッテリ240は、バッテリカバー250及びミドルプレート220により囲まれた空間に配置されてもよい。この出願のこの実施形態では、ミドルプレート220の周囲は、バッテリカバー250に接続されてもよい。代替として、他の例では、携帯電話200は、正面ハウジング(図示せず)を更に含んでもよい。正面ハウジングは、ディスプレイスクリーン210とミドルプレート220との間に位置してもよく、ミドルプレート220は、一体構造を形成するように正面ハウジングに接続されてもよい。組み立て中に、ミドルプレート220と正面ハウジングとを含む構造がバッテリカバー250と共に組み立てられる。ミドルプレート220は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板のような金属板でもよい。
【0132】
この出願のこの実施形態では、バッテリ240は、電力管理モジュール及び充電管理モジュールを通じて回路基板230に接続されてもよい。電力管理モジュールは、バッテリ240の入力及び/又は充電管理モジュールの入力を受け取り、電力をプロセッサ、内部メモリ、外部メモリ、ディスプレイスクリーン210、カメラ、通信モジュール等に供給する。電力管理モジュールは、バッテリ240の容量、バッテリ240のサイクル数及びバッテリ240の健康状態(漏電又はインピーダンス)のようなパラメータを監視するように更に構成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、代替として、電力管理モジュールは、回路基板230のプロセッサに配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、代替として、電力管理モジュール及び充電管理モジュールは、同じデバイスにパッケージングされてもよい。
【0133】
ディスプレイスクリーン210は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode, OLED)ディスプレイスクリーン210でもよく、或いは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, LCD)スクリーン210でもよい。ディスプレイスクリーン210は、ディスプレイと、タッチコンポーネントとを含んでもよいことが理解されるべきである。ディスプレイは、表示内容をユーザに出力するように構成され、タッチコンポーネントは、ディスプレイスクリーン210上でユーザにより入力されたタッチイベントを受け取るように構成される。
【0134】
この出願のこの実施形態における図示の構造は、携帯電話200に対する具体的な限定を構成しないことが理解され得る。この出願のいくつかの他の実施形態では、携帯電話200は、図面に示すものよりも多くのコンポーネント又は少ないコンポーネントを含んでもよく、いくつかのコンポーネントを組み合わせてもよく、いくつかのコンポーネントを分割してもよく、或いは、異なるコンポーネントの配置を有してもよい。例えば、携帯電話200は、カメラ(例えば、正面カメラ及び背面カメラ)及びフラッシュのようなコンポーネントを更に含んでもよい。
【0135】
通常では、バッテリカバー250は、金属バッテリカバー、ガラスバッテリカバー、プラスチックバッテリカバー又は純粋なセラミックバッテリカバーでもよい。しかし、バッテリカバー250が金属バッテリカバーであるとき、電子デバイス内のアンテナは遮蔽される。したがって、金属バッテリカバーは、通常では、スリットを有するか、或いは、3セグメント構造設計(例えば、バッテリカバー250の中央が金属材料で作られ、バッテリカバー250の上部及び底部がプラスチック材料で作られる)を採用する必要があり、それにより、金属バッテリカバーは一体構造ではない。ガラスバッテリカバーが使用されるとき、ガラスバッテリカバーは、電子デバイスが落下したときに亀裂が生じやすく、メンテナンスコストが比較的高い。プラスチックバッテリカバーが使用されるとき、電子デバイスの外側ハウジングの触感は、ユーザの要件を満たすことができない。セラミックバッテリカバーが使用されるとき、セラミックバッテリカバーは、セラミックバッテリカバーと同じ厚さのガラスバッテリカバーよりも重く、それにより、電子デバイスは比較的重い。しかし、セラミックバッテリカバーの厚さが低減されたとき、セラミックバッテリカバーの強度は要件を満たすことができない。さらに、セラミックは比較的高い硬度を有するので、セラミックバッテリカバーが使用されるとき、セラミックバッテリカバー上に複雑な内側構造設計を実現することは困難である。
【0136】
したがって、この出願のこの実施形態では、
図11に示すように、バッテリカバー250は、セラミック外側ハウジング251と、プラスチック内側ハウジング252とを含んでもよい。プラスチック内側ハウジング252は、セラミック外側ハウジング251の内側表面(すなわち、バッテリ240に面したセラミック外側ハウジング251の表面)をカバーする。セラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252は、セラミック材料及びプラスチック材料の2つの材料で作られるバッテリカバー250を形成するように互いに嵌合する。この出願のこの実施形態では、セラミック外側ハウジング251は、携帯電話200の外側表面に位置してもよく、プラスチック内側ハウジング252は、セラミック外側ハウジング251の内側表面に位置してもよい。プラスチック内側ハウジング252は強度支持を提供できるので、セラミック外側ハウジング251の厚さが低減できる。バッテリカバー250と同じ厚さの純粋なセラミック外側ハウジング251と比較して、この出願のこの実施形態では、セラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252を含むバッテリカバー250の重量は、強度要件が満たされるという前提でかなり低減される。
【0137】
さらに、バッテリカバー22の内側表面はプラスチック内側ハウジング252であるので、プラスチック内側ハウジング252上に複雑な内側構造設計が容易に配置できる。これは、比較的高い硬度を有するセラミック外側ハウジング252上に複雑な内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。
【0138】
したがって、この出願のこの実施形態において提供される電子デバイスでは、バッテリカバー250は、セラミック外側ハウジング251と、プラスチック内側ハウジングと252を含む。このように、一方では、バッテリカバー250の重量が低減され、それにより、電子デバイスの重量が低減され、他方では、プラスチック内側ハウジング252上に複雑な内側構造設計が容易に行われることが実現される。これは、比較的高い硬度を有するセラミック外側ハウジング251上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。
【0139】
可能な実現方式では、
図11に示すように、セラミック外側ハウジング251は、コーナーb1、コーナーb2、コーナーb3及びコーナーb4の4つのコーナーを有する。携帯電話が落下したときに4つのコーナーが容易に損傷しないことを確保するために、セラミック外側ハウジング251の4つのコーナーにおける側壁の厚さは、セラミック外側ハウジング251の非コーナー部における側壁の厚さよりも大きくてもよい。このように、電子デバイスのコーナーの強度が比較的高く、電子デバイスが落下したとき、電子デバイスの4つのコーナーが容易に損傷しないことが確保できる。この出願のこの実施形態では、プラスチック内側ハウジング252の4つのコーナーにおける側壁の厚さはまた、プラスチック内側ハウジング252の他の部分における側壁の厚さよりも大きくてもよい点に留意すべきである。このように、セラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252を含むバッテリカバー250の4つのコーナーにおける側壁の厚さは、バッテリカバー250の非コーナー部における側壁の厚さよりも大きい。電子デバイスが落下したとき、バッテリカバー250の4つのコーナーは、亀裂が生じにくい。
【0140】
可能な実現方式では、プラスチック内側ハウジング252及びセラミック外側ハウジング251は、接着、クランピング又はプラスチック射出成形を通じて一体的に形成されてもよい。例えば、この出願のこの実施形態では、セラミック外側ハウジング251は、プラスチック射出成形用のモールドに配置されてもよく、セラミック外側ハウジング251の内側表面は、プラスチック内側ハウジング252を形成するように射出成形される。射出成形プロセスにおいて、セラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252は、2層構造を有するバッテリカバー250を形成するように組み合わされる。このように、一方では、セラミック外側ハウジング251とプラスチック内側ハウジング252との間の接続が実現され、他方では、2層構造を有するバッテリカバー250は、バッテリカバー250の強度要件を満たし、それにより、セラミック外側ハウジング251の厚さが低減できる。
【0141】
可能な実現方式では、
図12に示すように、セラミック外側ハウジング251は、外側底部ハウジング2512と、外側側部ハウジング2511とを含んでもよい。外側側部ハウジング2511は、外側底部ハウジング2512の周囲に配置され、外側側部ハウジング2511及び外側底部ハウジング2512は、U字形断面を有する溝を囲む。外側側部ハウジング2511及び外側底部ハウジング2512は、一体的に形成されてもよい。
【0142】
プラスチック内側ハウジング252は、内側底部ハウジング2522と、内側側部ハウジング2521とを含んでもよい。内側側部ハウジング2521は、内側底部ハウジング2522の周囲に配置され、内側側部ハウジング2521及び内側底部ハウジング2522は、U字形断面を有する溝を囲む。組み立て中に、外側側部ハウジング2511は、バッテリカバー250の側部カバーを形成するように内側側部ハウジング2521に嵌合され、外側底部ハウジング2512は、バッテリカバー250の底部カバーを形成するように内側底部ハウジング2522に嵌合される。バッテリカバー250の断面は、U字形構造であり、回路基板230、バッテリ240又は他のコンポーネントは、バッテリカバー250のU字形構造に配置されてもよい。
【0143】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512及び外側側部ハウジング2511は、溶接、クランピング又は留め具を通じて接続されてもよく、或いは、外側底部ハウジング2512及び外側側部ハウジング2511は、一体的に形成される。プラスチック内側ハウジング252の内側底部ハウジング2522及び内側側部ハウジング2521は、溶接、クランピング又は留め具を通じて接続されてもよく、或いは、内側底部ハウジング2522及び内側側部ハウジング2521は、一体的に形成される。
【0144】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512及びプラスチック内側ハウジング252の内側底部ハウジング2522の厚さの和H2は0.45~0.9mmでもよい。例えば、外側底部ハウジング2512及び内側底部ハウジング2522の厚さの和H2は0.7mmでもよく、或いは、外側底部ハウジング2512及び内側底部ハウジング2522の厚さの和H2は0.8mmでもよい。セラミック外側ハウジング251の外側側部ハウジング2511及びプラスチック内側ハウジング252の内側側部ハウジング2521の厚さの和H1は0.45~1.6mmでもよい。例えば、外側側部ハウジング2511及び内側側部ハウジング2521の厚さの和H1は1.3mmでもよく、或いは、外側側部ハウジング2511及び内側側部ハウジング2521の厚さの和H1は1.5mmでもよい。
【0145】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512の壁厚は0.2~0.6mmでもよい。例えば、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512の壁厚は0.25mmでもよく、外側底部ハウジング2512及び内側底部ハウジング2522の厚さの和H2が0.75mmでもよい場合、プラスチック内側ハウジング252の内側底部ハウジング2522の壁厚は0.5mmでもよい。セラミック外側ハウジング251の外側側部ハウジング2511の壁厚は0.25~0.8mmでもよい。例えば、セラミック外側ハウジング251の外側側部ハウジング2511の壁厚は0.8mmでもよく、外側側部ハウジング2511及び内側側部ハウジング2521の厚さの和H1は1.5mmでもよく、プラスチック内側ハウジング252の内側側部ハウジング2521の壁厚は0.7mmでもよい。プラスチック内側ハウジング252及びセラミック外側ハウジング251における位置の厚さが均一でないので、上記の厚さH2は、バッテリカバー250の底部カバー及び側部カバーの最大厚さであることが理解されるべきである。
【0146】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジング251がセラミック材料で作られているとき、セラミック材料の強度は300~1700MPaでもよい。例えば、セラミック外側ハウジング251のセラミック強度は1000MPaでもよく、或いは、セラミック外側ハウジング251のセラミック強度は1500MPaでもよい。セラミック外側ハウジング251は、外側底部ハウジング2512及び外側側部ハウジング2511を含むので、セラミック外側ハウジング251のセラミック強度が300~1700MPaであることは、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512及び外側側部ハウジング2511のセラミック強度が300~1700MPaであることを意味することが理解されるべきである点に留意すべきである。セラミック外側ハウジング251のセラミック破壊靭性は2~16MPa.m1/2でもよい。例えば、セラミック外側ハウジング251のセラミック破壊靭性は8MPa.m1/2でもよく、或いは、セラミック外側ハウジング251のセラミック破壊靭性は10MPa.m1/2でもよい。
【0147】
可能な実現方式では、プラスチック内側ハウジング252がプラスチック材料で作られるとき、プラスチック材料の曲げ弾性率は1000MPa以上でもよい。例えば、プラスチック内側ハウジング252の曲げ弾性率は2000MPaでもよく、或いは、プラスチック内側ハウジング252の曲げ弾性率は2500MPaでもよい。
【0148】
可能な実現方式では、セラミック外側ハウジング251の材料は、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムのようなセラミック材料を含むが、これらに限定されない。例えば、セラミック外側ハウジング251の材料は、ジルコニアセラミック片でもよく、或いは、セラミック外側ハウジング251の材料は、アルミナセラミック片でもよい。セラミック外側ハウジング251の材料は、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムであることは、セラミック外側ハウジング251がセラミック材料で作られているとき、セラミック材料の主要原材料が、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムであることを主に意味することが理解されるべきである。
【0149】
可能な実現方式では、プラスチック内側ハウジング252の材料はポリカーボネート(Polycarbonate, PC)でもよく或いはプラスチック合金でもよい。プラスチック合金は、PC及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene, ABS)で作られたプラスチックでもよい。代替として、プラスチック内側ハウジング252の材料はポリアミド(polyamide, PA)でもよい。代替として、プラスチックフレーム222の材料はポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate, PBT)でもよい。プラスチックフレーム222の材料は、PC、PC+ABS、PA及びPBTを含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。
【0150】
この出願のこの実施形態では、プラスチック内側ハウジング252の強度を更に高めるために、ガラス繊維がプラスチック内側ハウジング252のプラスチック材料に添加されてもよい。このように、プラスチック内側ハウジング252の強度が増加できる。プラスチック内側ハウジング252のプラスチック材料に添加される材料は、ガラス繊維を含むが、これに限定されず、プラスチック材料の強度を高めることができる他の材料、例えば、炭素繊維又はグラフェンでもよい点に留意すべきである。
【0151】
可能な実現方式では、この出願のこの実施形態において提供されるバッテリカバー250は、以下のステップを通じて用意される。
【0152】
ステップ(a):セラミック外側ハウジング251を設ける。
【0153】
この出願のこの実施形態では、セラミック外側ハウジング251は、粗加工及び表面処理がセラミックブランクに対して実行された後に取得されてもよい。粗加工がセラミックブランクに対して実行されるとき、例えば、CNC又はレーザ加工方式がセラミックブランク内にあるキャビティ縁部及びキャビティ底部から残留物を除去し、セラミック外側ハウジング251をトリミングするために使用されてもよい。表面処理は粗加工の後に実行される。例えば、所要の厚さを取得するために、セラミック外側ハウジング251の表面は、研磨デバイスにより粗研磨されてもよい。
【0154】
ステップ(b):バッテリカバー250を形成するために、セラミック外側ハウジング251を射出成形用のモールドに配置し、バッテリカバー250は、セラミック外側ハウジング251と、セラミック外側ハウジング251の内面に射出成形されたプラスチック内側ハウジング252とを含む。
【0155】
セラミック外側ハウジング251がモールドに射出成形されるとき、IMLプロセスが射出成形を実行するために使用されてもよく、セラミック外側ハウジング251はインサートとして使用される。射出成形プロセスにおいて、プラスチック内側ハウジング252がセラミック外側ハウジング251上に形成されてもよい。セラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252は、セラミック外側表面及びプラスチック内側表面を有する複合バッテリカバー250を形成する。
【0156】
ステップ(b)が実行された後に、方法は、用意されたバッテリカバー250に対して内側キャビティCNC仕上げ加工を実行することを更に含む。例えば、バッテリカバー250は、鉄の内側キャビティジグに配置され、バッテリカバー250は、UV接着剤により接着されて固定されてもよい。バッテリカバー250は、マグネットジグにより機械に固定されて位置決めされ、正確な位置決め及び加工のためにプローブが使用される。
【0157】
この出願のこの実施形態では、セラミック外側ハウジング251とプラスチック内側ハウジング252との間の結合力を増加させるために、セラミック外側ハウジング251が射出成形される前に、当該方法は、セラミック外側ハウジング251の内側側壁に凸部加工を実行することを更に含む。例えば、セラミック外側ハウジング251は、位置決めピンにより固定具に位置決めされてもよい。シリンダがクランピングされた後に、プログラムを通じてセラミック外側ハウジング251の内面に対する加工を自動的に実行し、凸部構造を形成するために、プローブツールが使用される。このように、射出成形の間に、プラスチック内側ハウジング252とセラミック外側ハウジング251との間の接触面積がより大きくなり、結合力がより大きくなる。
【0158】
内側キャビティCNC仕上げ加工が実行された後に、当該方法は、セラミック外側ハウジング251に対して外形CNC加工を実行することを更に含む。例えば、内側キャビティCNC仕上げ加工が実行されたバッテリカバー250が位置決めされて固定され、所要の外形を取得するために、セラミック外側ハウジング251の外形が加工される。
【0159】
外形CNC加工がセラミック外側ハウジング251に対して実行された後に、当該方法は、セラミック外側ハウジング251に対して、粗研磨、サイドホール加工、微細研磨及び表面処理を実行することを更に含む。例えば、まず、粗研磨がセラミック外側ハウジング251に対して実行される。粗研磨が実行された後に、バッテリカバー250の底部カバー及び側部カバーに穴(例えば、電源ボタン穴、カメラアセンブリ穴等)が開けられ、穴がCNCにより加工される。穴が開けられた後に、セラミック外側ハウジング251に対して微細研磨が実行される。微細研磨が実行された後に、セラミックフレーム221に対して表面処理が実行される。例えば、コーティング層が、蒸着方式でセラミック外側ハウジング251の表面にめっきされてもよい。コーティング層は、指紋防止(Anti Finger, AF)フィルムでもよく、コーティング層は、セラミック表面に指紋を残すことを困難にし、セラミック表面を良好な耐摩耗性を有するようにする。代替として、フィルム層が、物理蒸着(Physical vapor deposition, PVD)を通じてセラミック外側ハウジング251の表面に堆積してもよく、それにより、セラミック表面に指紋を残すことが困難になり、セラミック表面は良好な耐摩耗性を有する。
【0160】
検出を通じて、上記のステップで用意されたバッテリカバー250の重量は、バッテリカバー250と同じサイズの純粋なセラミック外側ハウジングの重量よりも10~25g少ないことが分かる。用意されたバッテリカバー250の重量は、バッテリカバー250と同じサイズの金属バッテリカバーの重量に近い。落下試験及びローラー試験が実行された後に、この出願のこの実施形態において提供される電子デバイスがセラミック外側ハウジング251及びプラスチック内側ハウジング252を含むバッテリカバー250を使用するとき、電子デバイスの各部分は、電子デバイスが1.2mの高さで落下したときに亀裂が生じず、ローラー試験中に電子デバイスが75サイクルの後に落下したときに亀裂が生じない。プラスチック内側ハウジング252とセラミック外側ハウジング251との間の結合力の最大値は994.3Nであり、最小値は821.3Nである。
【0161】
したがって、この出願において提供される電子デバイスでは、バッテリカバー250は、セラミック外側ハウジング251と、プラスチック内側ハウジング252とを含む。このように、一方では、セラミック外側ハウジング251の厚さが低減でき、それにより、電子デバイスの重量が低減されることを実現する。他方では、バッテリカバー250の内側がプラスチック内側ハウジング252であるので、プラスチック内側ハウジング252は、セラミック外側ハウジング251のための強度支持を提供してもよく、それにより、エッジフレーム22は、低減されるセラミック外側ハウジング252の厚さに基づいて、強度要件を満たす。さらに、バッテリカバー250の内側はプラスチック内側ハウジング252であり、プラスチック内側ハウジング252上に複雑な内側構造設計が容易に行われる。これは、比較的高い硬度を有するセラミック外側ハウジング251上に内側構造設計を行うことが困難であるという問題を回避する。この出願の実施形態では、バッテリカバー250の外側はセラミック外側ハウジング251であるので、電子デバイスの全セラミック外側ハウジングが電子デバイスの重量を増加させずに実現され、これは、電子デバイスのバッテリカバー250の高品質の感触及び高い硬度の双方を満たす。
【0162】
可能な実現方式では、アンテナが電子デバイスに配置されてもよい。この出願のこの実施形態では、アンテナの放射体は、セラミック外側ハウジング251とプラスチック内側ハウジング252との間に配置されてもよい。例えば、
図13に示すように、少なくとも1つのアンテナ放射体260は、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512とプラスチック内側ハウジング252の内側底部ハウジング2522との間に配置されてもよい。代替として、
図14に示すように、少なくとも1つのアンテナ放射体260は、セラミック外側ハウジング251の外側側部ハウジング2511とプラスチック内側ハウジング252の内側側部ハウジング2521との間に配置されてもよい。代替として、少なくとも1つのアンテナ放射体260は、セラミック外側ハウジング251の外側底部ハウジング2512とプラスチック内側ハウジング252の内側底部ハウジング2522との間、及びセラミック外側ハウジング251の外側側部ハウジング2511とプラスチック内側ハウジング252の内側側部ハウジング2521との間の双方に配置されてもよい。
【0163】
この出願のこの実施形態では、アンテナ放射体260のクリアランスは10mm未満でもよい。例えば、アンテナ放射体260のクリアランスは5mmでもよい。アンテナ放射体260のインピーダンスは5Ω未満でもよい。例えば、アンテナ放射体260のインピーダンスは1Ωでもよい。プラスチック内側ハウジング252とセラミック外側ハウジング251との間に配置されるアンテナ放射体260の数及び位置については、上記のシナリオ2の説明を参照する。この実施形態では、プラスチック内側ハウジング252とセラミック外側ハウジング251との間に配置されるアンテナのタイプ及びアンテナ放射体260の数は限定されない。例えば、プライマリアンテナ、MIMOアンテナ、Wi-Fiアンテナ、ブルートゥースアンテナ、GPSアンテナ及びダイバーシチアンテナが配置されてもよい。各アンテナの動作周波数帯域については、上記のシナリオ2の説明を参照する。この実施形態では、詳細は再び説明しない。
【0164】
この出願のこの実施形態では、アンテナ放射体260が配置されるとき、且つ、バッテリカバー250が製造されるとき、例えば、プラスチック射出成形がセラミック外側ハウジング251の内面に対して実行される前に、当該方法は、アンテナ放射体260をセラミック外側ハウジング251の内面(例えば、外側底部ハウジング2512の内面又は外側側部ハウジング2511の内面)に配置し、アンテナ放射体260が配置されたセラミック外側ハウジング251の内面に対してプラスチック射出成形を実行することを更に含む。射出成形が完了した後に、セラミック外側ハウジング251とプラスチック内側ハウジング252との間でアンテナ放射体260が射出成形される。
【0165】
この出願の実施形態の説明において、特に明記されて限定されない限り、「組み立てる」、「接続する」及び「接続する」という用語は、広い意味で理解されるべきである点に留意すべきである。例えば、固定接続、中間媒体を通じた接続、2つの要素の間の内部接続、又は2つの要素の間の相互作用関係のために、当該用語が使用されてもよい。当業者は、特定の場合に基づいて、この出願の実施形態における当該用語の具体的な意味を理解し得る。
【0166】
この出願の実施形態の明細書、特許請求の範囲及び添付の図面において、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等の用語(存在する場合)は、同様の対象物を区別することを意図しているが、必ずしも具体的な順序又は系列を示すとは限らない。
【0167】
最後に、上記の実施形態は、この出願を限定することとは異なり、この出願の実施形態における技術的解決策を説明することを単に意図している点に留意すべきである。この出願の実施形態は、上記の実施形態を参照して詳細に記載されているが、当業者は、この出願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、依然として上記の実施形態に記載の技術的解決策に変更を行ってもよく、或いは、その一部又は全部の技術的特徴に等価置換を行ってもよいことが理解されるべきである。