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特許7346709使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュおよびその製造方法
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  • 特許-使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュおよびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A47K7/00 J
A47K7/00 F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022506033
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 KR2020008422
(87)【国際公開番号】W WO2021020739
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0092821
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522037447
【氏名又は名称】シム ゴンウ
【氏名又は名称原語表記】SIM, Geon Woo
【住所又は居所原語表記】104-303, 239, Jeongjail-ro, Bundang-gu Seongnam-si Gyeonggi-do 13556 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シム ゴンウ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3129912(JP,U)
【文献】特開2014-168692(JP,A)
【文献】特開2016-067762(JP,A)
【文献】実開平06-086682(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
B65D 83/08
D21H 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュを製造する方法において、
不織布の端の幅方向両端が当接するように円筒状に巻き取る巻取段階;
巻き取られた不織布の端部の幅方向両端を接合する第1の接合段階;
円筒状の不織布の生地を所定の長さに裁断して組織を形成する裁断段階;
ティッシュが上端のみ開口した封筒形状を有するように下端に開放された部位を接合する第2接合段階;
封筒形状を有する複数のティッシュを交互に積み重ねて一側を開けて投入口が形成された包装パック内に投入する包装段階;
前記投入口を介して包装パックの内部に水分組織原液を注入して組織を浸漬する浸漬段階;と
前記投入口を接着封止し、前記包装パックの上面に形成された引き出し口に開閉可能な蓋を取り付ける封止段階;を含み、
前記裁断段階または第2接合段階の後に、前記ティッシュの上端部の一部を所定の長さに切開して指が嵌まるように把持部を形成する切開段階;をさらに含むことを特徴とする使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュを製造する方法。
【請求項2】
不織布生地で形成され、ウェットティッシュ原液に浸漬され、幅方向両端が当接した状態で接合された後、上端のみ開口した封筒形状を有するように下端に開放された部位が接合されて形成されたティッシュ;
上面の中央に引き出し口形成され、内部に投入された上下方向に交互に積層された複数のティッシュを封止する包装パック;と
前記引き出し口を開閉するために包装パックの上面に取り付けられ、ティッシュの水分の蒸発および包装パックの内部の汚染を防止するための蓋を含み、
上記ティッシュは、
上端部に所定の長さに切開されて指が嵌まるように把持部が形成されたことを特徴とする、使い捨て袋として利用可能なウェットティッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュ及びその製造方法に関するものであり、より詳細には密封されたパックから1枚ずつ抜いて埃や異物等汚染物質を拭く用途に使用することができ、使用後は内部に汚染物若しくはごみ等を収めることができる使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュ(wet tissue)は水分に強い生地、レーヨンとポリエステルなどを混ぜて製造された不織布生地に精製水(およびその他の添加物)を湿らせたもので、ウェットティッシュは主に様々な汚染物質を拭くときに使用され、一般的にウェットティッシュは、複数が上下方向に積層された状態で包装容器(あるいは包装パック)の内部に貯蔵され、使用者が包装容器の上面に形成された出口からウェットティッシュを一枚ずつ取り出して容易に使用できるように構成される。
【0003】
最近、手軽さを追求する文化と衛生を重視する雰囲気が広がり、ウェットティッシュの消費層範囲が徐々に拡大し、それによる消費が急増するにつれて、化粧品を消すクレンジングティッシュ、清掃用ウェットティッシュ、患者用ウェットティッシュなどの用途において、多様に活用できるように製作され、市販されている。
【0004】
また、消費者の需要の変化に応じて、単純洗浄機能のみを備えたウェットティッシュを外して香菌及び殺菌機能、保湿機能、皮膚保護機能、消臭機能、害虫忌避機能などを付与した機能性ウェットティッシュが開発されている。
【0005】
韓国登録特許第10-1373409号は抗菌、洗浄、保湿、消臭機能の複合機能抗菌洗浄ウェットティッシュに関する技術を公知しており、韓国登録特許第10-0431487号は害虫忌避機能を付与する使い捨て物ティッシュ製品に関する技術が知られている。
【0006】
このようにウェットティッシュは使いやすく、すべての日常生活の中で利用されていますが、通常使い捨てで使いやすく、使用後は再使用が不可能で使用後はすぐに廃棄されるのが一般的であり、捨てられたウェットティッシュは悪性ごみとして、排出されるごみ譲渡ウェットティッシュの活用が増加し、一緒に増えている実情だ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、埃や異物などの汚染物質を拭く用途に使用した後、内部に汚染物やゴミなどを入れることができる使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュおよびその製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、上記の目的に限定されず、言及されていない他の目的は、以下の記載から本発明の技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために不織布の端部の幅方向両端が当接するように円筒状に巻き付ける巻き取り段階;巻き取られた不織布の端部の幅方向両端を接合する第1接合段階;円筒状の不織布の生地を所定の長さに裁断して組織を形成する裁断段階;ティッシュが上端のみ開口した封筒形状を有するように下端に開放された部位を接合する第2接合段階;封筒形状を有する複数のティッシュを交互に積み重ねて一側を開けて投入口が形成された包装パック内に投入する包装段階;入口を介して包装パックの内部に水分組織原液を注入して組織を浸漬する浸漬段階;投入口を密封し、包装パックの上面に形成された引出口に開閉可能な蓋を取り付ける封止段階を含む。
【0010】
このとき、前記裁断段階または第2接合段階後に、前記ティッシュの上端部の一部を所定の長さに切開して指が嵌まるように把持部を形成する切開段階;をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュは不織布生地で形成され、ウェットティッシュ原液に浸漬され、幅方向両端が当接した状態で接合された後、上端のみ開口した封筒形状を有するように下端に開放された部位が接合されて形成されたティッシュであり;
上面の中央に引き出し口に形成され、内部に投入された上下方向に交互に積層された複数のティッシュを封止する包装パック;ティッシュの水分の蒸発および包装パックの内部の汚染を防止するために蓋を開封するための包装パックの上面に取り付けられたカバー;を含むことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、本発明の使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュは、上端部に所定の長さに切開されて指を挟むように把持部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、埃や異物など汚染物質を拭く用途に使用した後、内部に汚染物やゴミなどを入れることができる使い捨て袋でリサイクルが可能なため、ビニール袋などの使用を減らすことができ、経済的で環境保護に寄与することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の好ましい実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュの製造方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の好ましい実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュの製造方法で製造されたティッシュの斜視図である。
図3】本発明の他の実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュ製造方法で製造されたティッシュの斜視図である。
図4図3に示すティッシュを使い捨て袋で使用した状態を示す動作状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施形態を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、様々な形態で具現されるものであり、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する。本発明は、請求項の範疇によって定義されたものであり、本発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施のための具体的な内容を詳細に説明する。図面に関係なく、同じ部材番号は同じ構成要素を指し、「および/または」は、言及された項目のそれぞれおよび1つまたは複数のすべての組み合わせを含む。
【0017】
第1、第2などが様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されないことは言うまでもない。これらの用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるだけです。したがって、以下で言及される第1の構成要素は、本発明の技術的思想内で第2の構成要素であり得ることは言うまでもない。
【0018】
本明細書で使用される用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書において、単数形は、文脈において特に明記しない限り、複数形も含む。本明細書で使用される「含む」および/または「含む」は、言及された構成要素に加えて、1つまたは複数の他の構成要素の存在または追加を除外しない。
【0019】
他の定義がない場合、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に共通に理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書で定義されている用語は、特に明確に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュの製造方法を示すフローチャートであり、図2は本発明の好ましい実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュの製造方法で製造されたティッシュの斜視図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュの製造方法は、大きく巻取段階(S10)、第1接合段階(S20)、裁断段階(S30)、第2接合段階(S40)、包装段階(S50)、浸漬段階(S60)および封止段階(S70)を含む。
【0022】
具体的には、前記巻取段階(S10)は、ロール状に巻かれている不織布生地を緩めると同時に、前記不織布生地の幅方向両端が当接するように円筒状に巻取段階であって、前記巻取段階(S10)を通じて後述する。封筒状のティッシュ10内部に収容空間即ち、前記ティッシュ10を埃や異物等汚染物質を拭く用途に使用した後、内部に汚染物若しくはごみ等を収めることができる空間を有するように不織布生地の形状を加工することができる。
【0023】
前記巻取段階(S10)で巻き取られた前記不織布遠端は円筒状を維持できるように幅方向両端を接合して側端接合部12を形成する(S20)。
【0024】
ここで、接合とは、熱接合、高周波融着、超音波接合などを介して不織布生地に熱と圧力を加えて互いに付着させる方法をいうもので、縫製方式の結合と区別され、好ましくは生産性と単価競争力、不織布素材など合成樹脂材料の接合特性を考慮して超音波接合方式を選択することができるが、これに限定されない。
【0025】
第1接合段階(S20)を経て円筒状を維持し、その後、不織布生地を所定の長さに裁断することによってティッシュ10を形成する(S30)。
【0026】
このとき、前記ティッシュ10は、上下端が全て開放された状態であるため、前記第2接合段階S40を経て前記ティッシュ10が図2に示すように、上端のみ開口した封筒形状を有するようになる。
【0027】
具体的には、前記第2接合段階(S40)は、熱接着、高周波融着あるいは超音波接合の中から選択された一つの方法を用いて前記ティッシュ10の下端に開放された部位を接合することにより下端接合部14を形成し、これにより、前記ティッシュ10の封筒形状を有するようにすることができる。
【0028】
前記第2接合段階S40により封筒状に形成された前記ティッシュ10は、複数個が上下方向に交互積層され、一側が開放され、投入口が形成された包装パック(図示せず)内に投入されることにより通常のウェットティッシュの形態で梱包される(S50)。
【0029】
このとき、前記包装パック(図示せず)は内面にPE(Poly Ethylene)、PET(Poly Ethylene)又はLLDPE(Linear Low Density Poly Ethylene)等の合成樹脂材がコーティングされた紙材又はビニール材で形成され、後述するウェットティッシュ原液この外部に漏れたり蒸発したりしないように防水効果を持つようになる。
【0030】
その後、開放された前記包装パック(図示せず)の投入口を介して前記包装パック(図示せず)の内部にウェットティッシュ原液を注入して前記ティッシュを浸漬させる(S60)。
【0031】
一般的にウェットティッシュは使用者が直接把持して汚染された対象表面を拭き取る場合が大半であるため、基本的に高い水分含有量と優れた洗浄力を備えなければならないことはもちろんであり、皮膚に対する安全性及び香菌性も、優れなければならない。したがって、ウェットティッシュ原液は、精製水、界面活性剤、殺菌消毒剤、皮膚保湿剤、真菌防止剤、香菌剤、保存剤および他の添加物を含み得る。
【0032】
浸漬段階(S60)において、ウェットティッシュ原液がティッシュ10に充分湿らせられると、包装パック(図示せず)の投入口を接着封止し、包装パック(図示せず)上面中央に形成された引き出し口に開閉が行われる。可能なカバー(図示せず)を取り付ける(S70)。
【0033】
前記蓋(図示せず)は前記引き出し口を覆って封止することにより、前記ティッシュ10に含まれる水分が蒸発してウェットティッシュとしての機能を喪失することを防止することができ、埃等が前記引き出し口を介して前記包装パック(図示せず)市)内部に流入して前記ティッシュ、前記ウェットティッシュ原液等が汚染されることを防止することができる。
【0034】
具体的には、前記蓋(図示せず)は合成樹脂材で形成され、前記引出口周辺上面に付着してヒンジ開閉が可能であり、使用者がウェットティッシュを使用しようとする場合、前記蓋(図示せず)を一方向にヒンジ回動させて開放し、引き出し口から前記ティッシュ10を必要なだけ1枚ずつ抜いて使用することができる。また、前記引き出し口には脱着が可能なステッカー(図示せず)をさらに貼り付けて前記包装パック(図示せず)の密閉力を高めることができる。
【0035】
図3は本発明の他の実施形態による使い捨て袋で利用可能なウェットティッシュ製造方法で製造されたティッシュの斜視図であり、図4図3に示すティッシュを使い捨て袋で使用した状態を示す動作状態図である
【0036】
図3図4に示すように、裁断段階(S30)または第2接合段階(S40)の後に、切開段階(図示せず)をさらに含み、ティッシュ10の上端部分を所定の長さに切断して把持部18を形成することができる。
【0037】
具体的には、前記ティッシュ10の上端部中央を所定の長さに切開して指が挟まれる前記把持部18を形成することにより、前記ティッシュ10の内部に汚染物やゴミ等を入れた後、前記把持部18に指を挟んで把持して廃棄可能な場所すなわち、ゴミ箱が配置された位置まで移動が容易にすることである。
【0038】
このとき、前記把持部18は、前記ティッシュ10を、汚染物質を拭く用途に使用する際、対象物の表面の凹凸等にかかって破れを防止するために最小限の長さを有する直線の形態に切開されることが好ましい。これに限定されず、円形または楕円形など様々な形態に加工することができる。
【0039】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施することができる。あることが理解できるだろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0040】
10 ティッシュ
12 側端接合部
14 下端接合部
16 上部開口
18 把持部
図1
図2
図3
図4