(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230911BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20230911BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20230911BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20230911BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20230911BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230911BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230911BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 431
F21S2/00 433
F21S2/00 435
F21S2/00 438
G02F1/13 505
G02F1/1343
G02F1/1347
G02F1/1335
G02F1/13357
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022511591
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2021003745
(87)【国際公開番号】W WO2021199652
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2020067326
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 延幸
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/122155(WO,A1)
【文献】特開2013-004197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13
G02F 1/1343
G02F 1/1347
G02F 1/1335
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板の第1の側面および前記第1の側面に対向する第2の側面に、第1の白色LEDと第2の白色LEDと第3の白色LEDが等間隔に配置し、
前記導光板の主面には、前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列して第1のプリズムアレイが形成され、
前記導光板の裏面には、前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列して第2のプリズムアレイが形成され、
前記導光板の裏面側には反射シートが配置し、
前記導光板の前記主面側には、第1のプリズムシートが配置し、
前記第1のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列した第3のプリズムアレイが形成さ
れ、
前記第1のプリズムシートの上には、第2のプリズムシートが配置し、
前記第2のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列した第4のプリズムアレイが形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1の白色LEDの色温度は5000K程度であり、前記第2の白色LEDの色温度は3500K程度であり、前記第3の白色LEDの色温度は2800K程度であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイのピッチは、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイのピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイの高さ
は、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイの高さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイのピッチは、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイのピッチよりも2桁のオーダーで小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイの高さ
は、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイの高さよりも2桁のオーダーで小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
導光板の第1の側面には第1の白色LEDが等間隔で配置し、前記第1の側面に対向する第2の側面には、前記第1の白色LEDとは色温度が異なる第2の白色LEDが等間隔で配置し、
前記導光板の主面には、前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列して第1のプリズムアレイが形成され、
前記導光板の裏面には、前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列して第2のプリズムアレイが形成され、
前記導光板の裏面側には反射シートが配置し、
前記導光板の前記主面側には、第1のプリズムシートが配置し、
前記第1のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列した第3のプリズムアレイが形成さ
れ、
前記第1のプリズムシートの上には、第2のプリズムシートが配置し、
前記第2のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列した第4のプリズムアレイが形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記第1の白色LEDは、色温度が5000K程度の白色LED、色温度が3500K程度の白色LED、または、色温度が2800K程度の白色LEDのいずれかであり、
前記第2の白色LEDは、色温度が5000K程度の白色LED、色温度が3500K程度の白色LED、または、色温度が2800K程度の白色LEDのいずれかであることを特徴とする請求項
7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイのピッチは、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイのピッチよりも小さいことを特徴とする請求項
7に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイの高さ
は、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイの高さよりも小さいことを特徴とする請求項
7に記載の照明装置。
【請求項11】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイのピッチは、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイのピッチよりも2桁のオーダーで小さいことを特徴とする請求項
7に記載の照明装置。
【請求項12】
前記第1のプリズムアレイ及び前記第2のプリズムアレイの高さ
は、前記第3のプリズムアレイ及び前記第4のプリズムアレイの高さよりも2桁のオーダーで小さいことを特徴とする請求項
7に記載の照明装置。
【請求項13】
前記第1のプリズムシートの上方には、第1の方向に延在し、第2の方向に配列した複数の第1の液晶レンズが配置していることを特徴とする請求項1または
7に記載の照明装置。
【請求項14】
前記第2のプリズムシートの上方には、第1の方向に延在し、第2の方向に配列した複数の第1の液晶レンズが配置していることを特徴とする請求項
1または
7に記載の照明装置。
【請求項15】
前記第1の液晶レンズの上方には、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列した第2の液晶レンズが配置していることを特徴とする請求項
13に記載の照明装置。
【請求項16】
前記第1の液晶レンズの上方には、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列した第2の液晶レンズが配置していることを特徴とする請求項
14に記載の照明装置。
【請求項17】
前記第1の液晶レンズの前記第2の方向のピッチおよび前記第2の液晶レンズの前記第1の方向のピッチは、前記導光板に形成された第1のプリズムアレイのピッチよりも大きいことを特徴とする請求項
15乃至
16のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配光角度が小さく、かつ、白色色温度を容易に変えることが出来る照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置として発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)が用いられるようになってきている。LEDは発光効率が良く、消費電力低減に有利である。しかし、LEDは、点光源なので、照明装置として用いるには面光源に変換する必要がある。
【0003】
特許文献1には、出射面が平面であり、背面を出射面に対して所定の角度を持つ反射面とし、サイドから入射したLEDからの光を前記反射面において反射させ、前記出射面から出射させることによって面光源を得る照明装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、特許文献1に記載のような構成を有する照明装置において、サイドに昼白色のLED、電球光を発光するLED等を並列して配置し、各LEDを同時に点灯させることによって所望の色温度の面光源を得る構成が記載されている。また、特許文献2には、一部のLEDのみを点灯させることによって、色温度の異なる白色を得る構成が記載されている。
【0005】
特許文献3には、液晶レンズを用いて光ビーム形状を制御する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2013/080903
【文献】WO2013/094481
【文献】US2019/0025657 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
室内照明では、一般には白色が使用される。白色といっても種々の色温度の白色が存在する。例えば昼白色(色温度5000K程度)、温白色(色温度3500K程度)、電球色(色温度2800K程度)等である。白色温度を切り替える場合は、光源そのものを変える必要があった。
【0008】
一方、照明装置でも、例えば、スポットライトとして使用したい場合等では、高い指向性を持った光、すなわち、配光角度の小さい光源が要求される。このような光源には、従来は、放物面鏡を用いて平行光を形成する構成が用いられてきた。しかし、このような光源は、奥行きが必要であり光源自体を小型化、あるいは、薄型化することが難しい。
【0009】
本発明の課題は、薄型で、色温度を容易に切り替えることが出来、かつ、配光角度の小さい照明を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
【0011】
(1)導光板の第1の側面および前記第1の側面に対向する第2の側面に、第1の白色LEDと第2の白色LEDと第3の白色LEDが等間隔に配置し、前記導光板の主面には、前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列して第1のプリズムアレイが形成され、前記導光板の裏面には、前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列して第2のプリズムアレイが形成され、前記導光板の裏面側には反射シートが配置し、前記導光板の前記主面側には、第1のプリズムシートが配置し、前記第1のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列した第3のプリズムアレイが形成されていることを特徴とする照明装置。
【0012】
(2)導光板の第1の側面には第1の白色LEDが等間隔で配置し、前記第1の側面に対向する第2の側面には、前記第1の白色LEDとは色温度が異なる第2の白色LEDが等間隔で配置し、前記導光板の主面には、前記第1の側面と直角方向に延在し、平行方向に配列して第1のプリズムアレイが形成され、前記導光板の裏面には、前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列して第2のプリズムアレイが形成され、前記導光板の裏面側には反射シートが配置し、前記導光板の前記主面側には、第1のプリズムシートが配置し、前記第1のプリズムシートの前記導光板側の面には、前記導光板の前記第1の側面と平行方向に延在し、直角方向に配列した第3のプリズムアレイが形成されていることを特徴とする照明装置。
【0013】
(3)前記第1のプリズムシートの上方には、第1の方向に延在し、第2の方向に配列した複数の第1の液晶レンズが配置していることを特徴とする(1)または(2)に記載の液晶表示装置。
【0014】
(4)前記第1の液晶レンズの上方には、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に配列した第2の液晶レンズが配置していることを特徴とする(3)に記載の液晶表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】放物面鏡を用いてコリメート光を照射する照明装置を示す平面図である。
【
図9】下プリズムシートの平面図および断面図である。
【
図10】上プリズムシートの平面図および断面図である。
【
図11】実施例1の実施形態1を示す平面図である。
【
図12】実施例1の実施形態2を示す平面図である。
【
図13】実施例1の実施形態3を示す平面図である。
【
図14】実施例1の実施形態4を示す平面図である。
【
図16】実施例2の実施形態1を示す平面図である。
【
図17】実施例2の実施形態2を示す平面図である。
【
図18】実施例2の実施形態3を示す平面図である。
【
図19】実施例3の実施形態1を示す平面図である。
【
図20】実施例3の実施形態2を示す平面図である。
【
図21】実施例4の実施形態1を示す平面図である。
【
図22】実施例4の実施形態2を示す平面図である。
【
図23A】液晶レンズを用いた場合の照度分布の例である。
【
図23B】出射面を分割した領域に液晶レンズを配置した場合の各領域に対応する照度分布の例である。
【
図23C】本発明の液晶レンズの作用を示すために、出射面を領域に分割した概念を示す断面図である。
【
図26】第1液晶レンズ及び第2液晶レンズの断面図である。
【
図29A】第1液晶レンズの第2電極の形状を示す平面図である。
【
図29B】第1液晶レンズの第1電極の形状を示す平面図である。
【
図30】第2液晶レンズの第3電極の形状を示す平面図ある。
【
図31】第1液晶レンズの作用を示す模式図である。
【
図32】第2液晶レンズの作用を示す模式図である。
【
図33】液晶レンズの形状の例を示す断面図である。
【
図34】液晶レンズの他の形態を示す断面図である。
【
図35】
図34の液晶レンズに対応する第1電極の平面図である。
【
図36】液晶レンズの作用を示す断面模式図である。
【
図37】
図36の効果を生じさせる第1電極への印加電圧の例を示す平面図である。
【
図38A】TN液晶を用いて液晶レンズを構成する場合の動作を示す断面図である。
【
図38B】TN液晶を用いて液晶レンズを構成する場合の動作を示す断面図である。
【
図39A】櫛歯電極間に電圧を印加して液晶レンズを構成する動作を示す断面図である。
【
図39B】櫛歯電極間に電圧を印加して液晶レンズを構成する動作を示す断面図である。
【
図39C】櫛歯電極間に電圧を印加して液晶レンズを構成する動作を示す断面図である。
【
図40】櫛歯電極間に電圧を印加して液晶レンズを構成する場合の第1電極の形状を示す平面図である。
【
図41】液晶レンズによる照度分布への作用を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1はスポットライトに使用される照明装置10の例である。この照明装置10からの光は、コリメートされており、出射面110から、被表示面120にスポット状の光130が照射される。スポット状の光130を得るために、出射光の配光角度は例えば12度程度となっている。
【0017】
図2は、配光角度の定義を示す図である。
図2は、例えば天井に配置された出射面110から床面に向けて光スポットを照射した場合の図である。出射面110の法線方向の光強度が最も大きく、極角が大きくなるにしたがって、光の強度は小さくなる。法線方向の光の強度を100%とし、光強度が50%となるときの極角をθとした場合、配向角は2θである。一般的なコリメート光において要求される配光角度は12度以下である。
【0018】
このようなコリメート光を得るためには、従来はいわゆる放物線ミラー200が使用されていた。
図3は、放物線ミラー200を用いた照明装置の平面図であり、
図4は、該照明装置の断面図である。
図3において、放物線ミラー200の中央にLED20が配置している。LED20は、例えば、LED用PCB基板30に配置している。LED20は、高輝度LEDを使用しているので、高温になるために、ヒートシンク300の上に配置している。
図3において、放物線ミラー200の背面にヒートシンク300の一部が見えている。
【0019】
図4は
図3のA-A断面図である。
図4において、放物線ミラー200の底面にLED20が配置している。LED20から出射した光は、直上に向かう光の他は、放物線ミラー200において反射し、光軸に平行な光となる。しかし、放物線ミラー200を十分に機能させるためには、放物線ミラー200の高さh1が必要となる。配光角度12度程度を得るためには、放物線ミラーの高さh1は、60mm程度は必要である。実際には、これに、ヒートシンクの高さh2、例えば20mm程度が加わるので、照明装置全体の厚さは80mm以上必要になる。
【0020】
一般には、照明には白色照明が使用されるが、白色照明にも種々の色温度が存在する。例えば昼白色(色温度5000K程度)、温白色(色温度3500K程度)、電球色(色温度2800K)等である。白色色温度を好みによって変えたい場合が生ずる。
図3及び
図4に示すような、放物線ミラーを有する照明装置によってこのような要求を満たすためには、照明装置自体を替える必要がある。
【0021】
本発明の課題は、コリメート光を出射する照明装置において、色温度を容易に変更することが出来、かつ、薄型の照明装置を実現することである。以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図5は、実施例1による照明装置10の平面図であり、
図6は、
図5のB-B断面図であり、
図7は、
図5のC-C断面図である。
図5において、光源としてのLED21、22、23が導光板13の側面に配置している。導光板13の上には、出射光の配光角度を小さくするために、プリズムシート15が配置している。
図6において、LED21、22、23は全て白色LEDであるが、色温度が異なる。LED21は昼白色(色温度5000K程度)を、LED22は温白色(色温度3500K程度)を、LED23は電球色(色温度2800K程度)を発光する。
【0023】
図5の特徴は、これらの色温度の異なるLED21、22、23を均等のピッチで導光板13の側面に配置していることである。
図5の構成では、3種類のLEDの1種類を使用することによって、所望の色温度に切り替えることが出来る。表示装置のバックライトにおいて、赤、緑、青の3色のLEDを同時に点灯して白色光を得る場合があるが、このためには、赤、緑、青の3色のLEDを出来る限り近接して配置する必要がある。すなわち、表示装置のバックライトでは、3色セットの間隔は、3色セット内の各LEDの間隔よりもはるかに大きい。この点で、本発明は従来のバックライトとは大きく異なっている。
【0024】
図6は、
図5のB-B断面図である。
図6において、照明装置のフレームを構成する基板11の上に反射シート12が配置している。反射シート12の上に導光板13が配置し、導光板13の上に光の配光角度を小さくするために、下プリズムシート14と上プリズムシート15が配置している。なお、照明装置によっては、プリズムシートを1枚のみ使用する場合もある。
【0025】
図7は、
図5のC-C断面図である。
図7において、導光板13の側面にLED21、22、23が配置している。
図5で説明したように、色温度の異なる白色LED21、22、23が導光板13の側面に等間隔で配置している。その他の
図7の構成は
図6で説明したとおりである。
【0026】
図8は、
図5に示す照明装置の斜視図である。ただし、図を複雑にしないために、
図8では、上プリズムシートは省略している。
図8において、導光板13の2つの側面にLED21、22、23が等間隔で配置している。導光板13の下面に反射シート12が配置している。反射シート12は、導光板13から下方に向かう光を反射して出射面側である上側に向ける。反射シート12は、例えば、3M製のESR(Enhanced Specular Reflector)を用いることが出来る。厚さは例えば70μm程度である。
【0027】
図8において、反射シート12の上に導光板13が配置している。導光板13の厚さは2mm程度である。導光板13は、側面から入射したLED21、22、23からの光を出射面である上方向に向ける役割を有する。導光板13の下面方向に向かう光は、反射シート12によって、出射面である、上方向に反射される。
【0028】
導光板13は、サイドから入射した光を効率よく、主面から出射させて面光源とするために、上面及び下面にプリズムアレイが形成されている。導光板13の上面及び下面に形成されたプリズムアレイは、後で説明する下プリズムシート14、上プリズムシート15に形成されたプリズムアレイ、あるいは、表示装置等に使用されている導光板に形成されることがあるプリズムアレイとは非常に異なっている。すなわち、本実施例における導光板13に形成されたプリズムアレイの突起(あるいは溝)とピッチとは、プリズムシート14等に形成された突起やピッチよりも極端に小さい。なお、
図8は模式図なので、プリズムアレイのこのような寸法差は反映されていない。
【0029】
図8において、導光板13の下面のプリズムアレイはy方向に延在し、x方向に配列している。プリズムアレイの突起の高さhbは例えば、0.002μm、ピッチpxは例えば0.1μmである。プリズムの頂角θbは、例えば90度である。導光板13の上面のプリズムアレイの突起はx方向に延在し、y方向に配列している。突起の高さhtは例えば、0.1μm、ピッチpyは例えば0.2μmである。プリズムの頂角θtは、例えば90度である。このように、導光板13の上面に形成されたプリズムアレイの高さ、ピッチとも、導光板13の下面に形成されたプリズムアレイの高さ、ピッチよりも大きい。なお、導光板13の上面及び下面に形成されるプリズムアレイは、突起ではなく、導光板13の表面にV溝を形成することによって形成しても同様な効果を得ることが出来る。
【0030】
導光板13の上には下プリズムシート14が配置している。下プリズムシート14はプリズム面が下側にある、いわゆる逆プリズムシートである。
図8において、断面が3角形のプリズムアレイがy方向に延在し、x方向にピッチpxで配列している。すなわち、下プリズムシート14のプリズムアレイの延在方向は、導光板13の上面に形成されたプリズムアレイの延在方向と直角方向であり、導光板13の下面に形成されたプリズムアレイと同方向である。
【0031】
図9は、プリズムシート14にプリズムアレイをV溝によって形成した場合の下プリズムシートの図である。
図9において、プリズムアレイはy方向に延在し、x方向に配列している。
図9において、下プリズムシート14の厚さtpは例えば125ミクロン、V溝の深さVdは例えば75ミクロン、頂角θpは例えば66度、ピッチppは、例えば100ミクロンである。
図9の下プリズムシート14は、x方向に広がろうとする光を出射面方向、すなわち、z方向に集める作用をする。
【0032】
図10は、下プリズムシート14の上に配置する上プリズムシート15の図である。なお、上プリズムシート15は
図8では省略されている。上プリズムシート15のプリズムアレイは、x方向に延在してy方向に配列している。上プリズムシート15も下プリズムシート14と同様に、逆プリズムとなっており、上プリズムシート15の厚さtpは例えば125ミクロン、V溝の深さVdは例えば75ミクロン、頂角θpは例えば66度、ピッチppは、例えば100ミクロンである。上プリズムシートはy方向に広がろうとする光を出射面方向、すなわち、z方向に集める作用をする。
【0033】
このように、導光板13の上面と下面に形成されたプリズムアレイの高さ(あるいはV溝の深さ)及びピッチは、下プリズムシート14、上プリズムシート15に形成されたプリズムアレイの高さ(あるいはV溝の深さ)及びピッチよりも、2桁以上、場合によっては、3桁以上小さい。このような、導光板13と下プリズムシート14、上プリズムシート15を組み合わせることによって、光の利用効率の高い、かつ、配光角の小さい照明を得ることが出来る。
【0034】
図11は、
図5に示す実施例1の第1実施形態を示す平面図である。
図11において、導光板13の側面に配置された3種類の白色LED21、22、23のうち、昼白色LED21のみ点灯しており、出射面、この場合は、上プリズムシート15からは昼白色光が出射される。
【0035】
図12は、
図5に示す実施例1の第2実施形態を示す平面図である。
図12において、導光板13の側面に配置された3種類の白色LED21、22、23のうち、温白色LED22のみ点灯しており、出射面、この場合は、上プリズムシート15からは温白色光が出射される。
【0036】
図13は、
図5に示す実施例1の第3実施形態を示す平面図である。
図13において、導光板13の側面に配置された3種類の白色LED21、22、23のうち、電球色LED23のみ点灯しており、出射面、この場合は、上プリズムシート15からは電球色光が出射される。
【0037】
図14は、
図5に示す実施例1の第4実施形態を示す平面図である。
図14において、導光板13の側面に配置された3種類の白色LED21、22、23の全部が点灯しており、昼白色、温白色、電球色の混合白色光が出射される。
【0038】
なお、混合白色は、
図14の場合に限らず、3種類の白色のうちの2種類の組み合わせも可能である。このように、実施例1を用いれば、例えば、リモートスイッチ一つで色温度の異なる白色照明を得ることが出来る。
【実施例2】
【0039】
図15は、実施例2の照明装置10の平面図である。
図15の断面構成は、
図6と同様である。
図15が実施例1の
図5と異なる点は、導光板13の1辺に配置したLEDが同じ色の白色光だということである。例えば、
図15では、1辺には昼白色LED21のみが配置し、対向する辺には、温白色LED22のみが配置している。LEDは、実施例1同様、すべて同じピッチp1で配置している。
【0040】
図16は、実施例2の第1実施形態を示す平面図である。
図16において、導光板13の一方の側面に配置された昼白色LED21のみ点灯しており、出射面、この場合は上プリズムシート15、からは昼白色光が出射される。
図16の場合、実施例1の実施形態1の場合よりも、点灯している昼白色LED21の数が多いので、より明るい光源とすることが出来る。
【0041】
図17は、実施例2の第2実施形態を示す平面図である。
図17において、導光板13の他方の側面に配置された温白色LED22のみ点灯しており、出射面、この場合は上プリズムシート15、からは温白色光が出射される。
図17の場合、実施例1の実施形態2の場合よりも、点灯している昼白色LED22の数が多いので、より明るい光源とすることが出来る。
【0042】
図18は、実施例2の第3実施形態を示す平面図である。
図18において、導光板13の一方の側面に配置された昼白色LED21と、他方の側面に配置された温白色LED22のいずれも点灯しているので、昼白色と温白色の混合白色が出射される。
図15乃至
図18は、昼白色LED21と温白色LED22を組み合わせた例であるが、いずれかのLEDを他の白色LED、例えば、電球色LED23と置き換えてもよい。
【実施例3】
【0043】
実施例3は、導光板13の3辺に異なる白色LED21、22、23を配置した場合の例である。
図19は、実施例3の第1形態を示す平面図である。
図19において、導光板13の各側面には、昼白色LED21、温白色LED22、電球色LED23が同じピッチで配置している。いずれかのLEDを点灯することによって、必要な色温度を有する白色光を得ることが出来る。
【0044】
図20は、実施例3の第2形態を示す平面図である。
図20において、導光板13の3辺のうちの各辺には、昼白色LED21、温白色LED22、電球色LED23のいずれかのLEDのみが配置している。いずれかの辺のLEDを点灯することによって、必要な色温度を有する白色光を得ることが出来る。
【0045】
必要に応じて、複数種類のLEDを点灯することによって、必要な色温度の白色を得ることが出来る。実施例3は、実施例1および実施例2の場合よりも明るい照明を得ることが出来る。
【実施例4】
【0046】
実施例4は、導光板13の4辺に異なる白色LED21、22、23を配置した場合の例である。
図21は、実施例4の第1形態を示す平面図である。
図21において、導光板13の各側面には、昼白色LED21、温白色LED22、電球色LED23が同じピッチで配置している。いずれかのLEDを点灯することによって、必要な色温度を有する白色光を得ることが出来る。実施例4は、実施例1乃至3の構成よりもより明るい照明を得ることが出来る。
【0047】
図22は、実施例4の第2形態を示す平面図である。
図22において、導光板の4辺の各辺には、昼白色LED21、温白色LED22、電球色LED23、および、他の色温度のLEDのいずれかのLEDのみが配置している。いずれかの辺のLEDを点灯することによって、必要な色温度を有する白色光を得ることが出来る。必要に応じて、複数種類のLEDを点灯することによって、必要な色温度の白色を得ることが出来ることは、実施例2、実施例3の場合と同じである。
【実施例5】
【0048】
実施例5はプリズムシートの前面に液晶レンズを配置した照明装置10の出射光を制御する構成に関する。
図23A乃至
図23Cは、液晶レンズを作用させるための、概念を示す図である。
図23Cは照明装置10の断面図である。
図23Cにおいて、出射面110を各領域A、B、C等に分割する。各領域からは、所定の配光角をもって光が出射する。
【0049】
図23Bは、
図23Cにおける出射面からdz離れた場所における照度の例を示す。
図23Bの縦軸は各領域A、B、C等からの光の照度である。Ad、Bd、Cdは照度分布であり、例えば、正規分布に近い形をしている。
図23Aは、
図23Bに示す各領域からの光量を合計した場合の照度である。
図23の縦軸は、出射面110の各領域からの照度の合計である。
図23Aでは、照明装置の出射面110からdz離れた位置、すなわち被照射面120における全体としての照度分布は、台形であることを示している。
【0050】
実施例5は、出射面110に液晶レンズを配置することによって、所定の距離dzにおける各領域A、B、C等からの照射される光の照度分布、すなわち、
図23Bにおける照度分布Ad、Bd、Cd等を変化させることによって、被照射面120全面における照度分布を制御するものである。
【0051】
図24は実施例5の照明装置の平面図である。
図24は、照明装置10の最表面に、液晶レンズのための上偏光板70が存在している他は、実施例1の
図5と同じである。
図25は、
図24のD-D断面図である。
図25において、基板11から上プリズムシート15までの構成は
図6と同じである。
図25において、上プリズムシート15の上に、液晶レンズのための下偏光板60が配置し、その上に下液晶レンズ40が配置し、その上に上液晶レンズ50が配置し、その上に上偏光板70が配置している。
【0052】
図26は下液晶レンズ40と上液晶レンズ50の断面図である。下液晶レンズ40において、第1基板41と第2基板42が周辺でシール材45によって接着し、内部に液晶43が封止されている。上液晶レンズ50において、第3基板51と第4基板52が周辺でシール材55によって接着し、内部に液晶53が封止されている。
【0053】
図27A乃至
図27Cは液晶レンズの動作を説明する断面図である。
図27A乃至
図27Cは第1液晶レンズ40を例にとって説明している。
図27Aにおいて、第1基板41には、櫛歯状の電極411が形成され、第2基板42には、平面状の電極421が形成されている。これらの電極間に電圧が印加されなければ液晶分子431は、基板と平行に配向している。
【0054】
図27Bは、第1基板41の櫛歯電極411と第2基板42の平面電極421との間に電圧を印加した場合の電気力線LFの例である。
図27Cにおいて、液晶分子431が電気力線LFに沿って配向し、液晶層内において、屈折率に分布が生じ、液晶レンズが形成される。このようなレンズは、屈折率分布型GRIN(Gradient Index)レンズとよばれている。
【0055】
図28は屈折率分布型レンズの例を示す図である。
図28の縦軸は屈折率である。屈折率は、第1電極411である櫛歯電極上で最も小さく、櫛歯電極411と櫛歯電極411の中間地点で最も大きい。
図28はきれいな2次曲線となっているが、屈折率の分布は、第1電極411と第2電極412間の印加電圧、第1電極411である櫛歯電極の間隔、液晶43の層厚等によって大きく変化させることが出来る。以上の動作は、第2液晶レンズ50の場合も同様である。
【0056】
図29Aは、第1液晶レンズ40の第2基板42に形成された平面電極である第2電極421の平面図である。
図29Bは、第1液晶レンズ40の第1基板41に形成された櫛歯電極である第1電極411の例である。第1電極411も第2電極421もITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜で形成されている。
図29Bでは、櫛歯電極411はy方向に延在し、x方向に配列している。
図30は上液晶レンズ50である、第2液晶レンズにおける第3基板51に形成された第3電極511を示す平面図である。第4基板52における第4電極は、
図29Aと同じ形状である。第3電極511における、櫛歯電極は、第1電極411とは直角方向、すなわち、x方向に延在し、y方向に配列している。
【0057】
図31は、このようにして形成された下液晶レンズ40を示す模式図である。
図31において、y方向に延在するシリンダ状の液晶レンズがx方向に配列している。
図31では、液晶レンズのx方向のピッチはp1であり、この場合、照明装置の出射面は9個の領域に分割されている。液晶レンズ40のピッチp1は、液晶レンズ40を作りやすい寸法に設定することが出来る。また、
図31は、各液晶レンズは、凸レンズとなっているが、液晶レンズの電極配置、電圧印加方向によってさまざまなレンズ形状とすることが出来る。なお、液晶レンズのピッチp1は、上プリズムシート15あるいは下プリズムシート14に形成されたプリズムアレイのピッチよりも大きいことが多い。
【0058】
図32は、上液晶レンズ50の構成を示す模式図である。上液晶レンズ50では、x方向に延在するシリンダ状の液晶レンズがy方向に配列している。液晶レンズのy方向のピッチはp2である。
図32の液晶レンズ50の作用は、レンズによる集光方向が
図31の場合とは、直角方向である点を除いては、
図31で説明したのと同様である。なお、液晶レンズのピッチp2は、上プリズムシート15あるいは下プリズムシート14に形成されたプリズムアレイのピッチよりも大きいことが多い。
図31、
図32に示すシリンダ状の液晶レンズアレイは、1枚の液晶レンズ中に形成されている。
【0059】
液晶レンズのピッチp1あるいはp2は、出射面の分割数によって決められることが多い。一方、液晶レンズにおける液晶の層厚gは制限がある場合が多い。
図33は、櫛歯電極411の間隔sが液晶の層厚gに比べてかなり大きい場合における液晶分子431の配向方向と屈折率分布を示す図である。
図33において、縦軸は液晶レンズ内の各位置における平均屈折率であり、Δneffは液晶レンズにおける屈折率の差である。
図33のレンズでは、櫛歯電極411の付近において、曲率半径の小さなレンズが形成され、櫛歯電極411と櫛歯電極411の間では、比較的大きな曲率半径を有するレンズが形成される。
【0060】
図33に示すような、曲率を有するレンズを使用する場合もあるが、レンズの曲率が、2次曲線のような分布をした液晶レンズが必要な場合もある。
図34は、レンズのピッチ、あるいは、液晶の層厚を変えずに、レンズ形状を2次曲線、あるいは滑らかな曲線にする構成の例を示す断面図である。
図34では、1つのレンズを7個の電極411によって形成し、各電極411に異なった電圧を印加することによって、屈折率が2次曲線に近い形になるように液晶分子413の配向を制御した例である。
図34においては、V1>V2>V3>V4のような電圧印加をしている。
図35は、
図34に対応する櫛歯電極411の平面図である。
図35における領域Bは、例えば
図23Cにおける領域Bに対応している。
【0061】
照明装置10からの出射光の向きを出射面110に垂直な方向ではなく、ある方向に向けて出射したい場合がある。
図36は、各領域A、B、Cから、出射面110に対して垂直方向ではなく、角度φの方向に光を出射させる場合の例である。このような作用は、各領域に配置した液晶レンズの形状を非対称とすることによって可能である。
【0062】
図37は、レンズを非対称とするために、印加電圧を非対称にした場合を示す櫛歯電極411の平面図である。
図37に示すように、印加電圧は、V1>V2>V3>V4であり、かつ、V1>V5≠V3およびV1>V6≠V2である。これによって、
図34に示す液晶レンズの断面図において、非対称な液晶レンズを形成するように、液晶分子431を配向させることが出来る。
【0063】
液晶レンズは、
図27Aあるいは
図34等で示したような、ホモジニアス配向の場合の液晶だけではなく、種々の方式の液晶装置で実現することが出来る。
図38Aおよび
図38Bは、TN(Twisted Nematic)方式の液晶によって、液晶レンズを構成した例である。TN方式は、第1基板41と第2基板42の間において、液晶分子431の配向方向が90度回転する。
【0064】
図38Aは、第1電極411と第2電極421の間に電圧が印加されていない場合である。この場合、液晶分子431は、第1基板41あるいは第2基板42と平行方向に配向しているが、第1基板41付近と第2基板42付近では、方向が90度回転している。
図38Bは第1電極411と第2電極421の間に電圧を印加した場合である。この場合、第1電極411である櫛歯電極の直上では、液晶分子431が基板41に対して垂直方向に配向するので、光は遮断される。しかし、櫛歯電極411と櫛歯電極411との中間地点では、液晶分子431は、電界の影響を受けず、基板41と平行方向において、90度の回転を維持しているので、透過率は変化を受けない。
【0065】
図38Bの構成をレンズとして評価すると、櫛歯電極411の直上は屈折率が最も小さく、櫛歯電極411と櫛歯電極411の中間は、屈折率が最も大きい。したがって、屈折率分布型GRIN(Gradient Index)レンズが形成される。液晶レンズをTN型液晶で構成する場合も、
図34あるいは、
図37のような電極配置とすることによって種々のレンズ形状を構成することが出来る。
【0066】
図39A乃至
図39Cは、櫛歯状の第1電極411間に電圧を印加することによって液晶レンズを構成する場合の例を示す断面図である。
図39Aにおいて、第1基板41には、櫛歯状電極411が形成されている。一方、第2基板42には、電極は存在していない。すなわち、液晶分子を第1電極411である、櫛歯電極間に電圧を印加することによって液晶レンズを構成するので、第2電極421は必ずしも必要ではない。第2電極421はITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜で形成するが、透明導電膜といっても、ある程度光を反射、吸収するので、第2電極421が存在しないということは、レンズの透過率という面からは有利である。ただし、レンズ形状を変化させたいというような場合は、第2基板42に第2電極421を形成してもよい。
【0067】
図39Bは、櫛歯電極411間に電圧を印加した場合に発生する電気力線LFを示す。すなわち、電気力線LFは、櫛歯電極411の直上では基板41に対して垂直方向に向かい、櫛歯電極411と櫛歯電極411の間では、基板41と平行方向に向かう。液晶分子431は、この電気力線LFに沿って配向することになる。
【0068】
図39Cは、
図39Bのような電界に沿って液晶分子431が配向した状態を示す断面図である。
図39Cにおいて、櫛歯電極411の直上の屈折率が最も小さく、櫛歯電極411と櫛歯電極411の中間が最も屈折率が大きい。したがって、この場合も、屈折率分布型GRIN(Gradient Index)レンズが形成される。
【0069】
図40は、第1基板41に形成される第1電極411の平面図である。
図40において、第1の櫛歯電極411と第2の櫛歯電極411が入れ子になって配置している。第1の櫛歯電極411と第2の櫛歯電極411の間に電圧を印加することによって
図39に示すような液晶レンズが形成される。この場合も、液晶層の厚さg、櫛歯電極間の距離s、櫛歯電極間の電圧Vを変化させることによって種々の形状の液晶レンズを形成することが出来る。
【0070】
このように、液晶レンズは、レンズを構成する電極間距離、液晶層の層厚、印加電圧のみでなく、液晶レンズの方式によっても、種々の作用を持つレンズを形成することが出来る。
図41に液晶レンズを用いて照度分布を変化させる場合の例を示す。
図41は、
図23B、
図23Cと同じ構成であるが、領域Aからの出射光のみ記載している。
図41は、領域Aからの出射光の分布を、領域Aに配置された液晶レンズによって、いろいろな形状に変えることが出来ることを示している。
【0071】
Ad1は照度分布が正規分布に近い形状であり、Ad2は正規分布に近いが、より集光された形となっている。Ad3は、液晶レンズを発散レンズのようにすることによって、台形に近い照度分布とした場合であり、Ad3は、液晶レンズを非対称にして照度分布の中心をずらせた場合である。
【0072】
図23A乃至
図23Cで説明したように、スクリーンにおける光の照度分布は、照明装置の出射面の各領域からの光を集積したものになる。つまり、被照射体120に投射される光の照度分布は、出射面の領域A、B、C等からの照度分布を変えることによって、任意に変えることが出来る。
【0073】
図31、
図32に模式的に示されるシリンドリカル液晶レンズの延在方向は、モアレの発生を防止するために、導光板13の主面、裏面、あるいは、下プリズムシート14、上プリズムシート15に形成されているプリズムアレイの延在方向とは、若干角度を持たせた方がよい場合もある。この場合の角度は、例えば5度乃至15度程度である。また、導光板13の主面、裏面、あるいは、下プリズムシート14、上プリズムシート15に形成されているプリズムアレイどうしの間でも、モアレの発生を防止するために、プリズムアレイの延在方向を例えば5度乃至15度程度ずらせたほうが良い場合がある。
【符号の説明】
【0074】
10…照明装置、 11…基板、 12…反射シート、 13…導光板、 14…下プリズムシート、 15…上プリズムシート、 16…TFT、 17…蓄積容量、 20…LED、 21…昼白色LED、 22…温白色LED、 23…電球色LED、 24…第4の白色LED、 30…LED用基板、 40…下液晶レンズ、 41…第1基板、 42…第2基板、 43…液晶、 45…シール材、 50…上液晶レンズ、 51…第3基板、 52…第4基板、 53…液晶、 55…シール材、 60…下偏光板、 70…上偏光板、 110…出射面、 120…被照射面、 130…照射スポット、 200…放物線鏡、 300…ヒートシンク、 411…第1電極、 412…第2電極、 413…液晶分子、 511…第3電極、 521…第4電極