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特許7346720フェージング予測装置、フェージング予測方法およびフェージング予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】フェージング予測装置、フェージング予測方法およびフェージング予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20230911BHJP
【FI】
H04W16/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022512515
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2020014477
(87)【国際公開番号】W WO2021199120
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】秋元 一郎
(72)【発明者】
【氏名】茂刈 春華
(72)【発明者】
【氏名】金子 直人
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183538(JP,A)
【文献】国際公開第2019/116417(WO,A1)
【文献】特開2009-049593(JP,A)
【文献】特開2007-300366(JP,A)
【文献】特開2016-091271(JP,A)
【文献】特開2014-160979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力手段と、
降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、当該気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測手段とを備えた
ことを特徴とするフェージング予測装置。
【請求項2】
入力手段は、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付け、
予測手段は、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する
請求項1記載のフェージング予測装置。
【請求項3】
入力手段は、最大送信トラフィック量および最大受信トラフィック量の少なくとも一つの変化量を示す第三特徴量の入力を受け付け、
予測手段は、気象情報、および、前記第三特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する
請求項1または請求項2記載のフェージング予測装置。
【請求項4】
入力手段は、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される第四特徴量の入力を受け付け、
予測手段は、気象情報、および、前記第四特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のフェージング予測装置。
【請求項5】
予測されたフェージングの発生有無を示す情報を出力する出力手段を備え、
入力手段は、時系列に気象予報情報の入力を受け付け、
前記出力手段は、予測されたフェージングの発生有無を時系列順に出力する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のフェージング予測装置。
【請求項6】
コンピュータが、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付け、
前記コンピュータが、降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、当該気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する
ことを特徴とするフェージング予測方法。
【請求項7】
コンピュータが、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付け、
前記コンピュータが、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する
請求項6記載のフェージング予測方法。
【請求項8】
コンピュータに、
対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力処理、および、
降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、当該気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測処理
を実行させるためのフェージング予測プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
入力処理で、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付けさせ、
予測処理で、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測させるためのフェージング予測プログラムを記憶する
請求項8記載のフェージング予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェージングの発生を予測するフェージング予測装置、フェージング予測方法およびフェージング予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける障害要因の一つとして、自然現象等に起因して無線回線で発生するフェージングが挙げられる。フェージングには、干渉性フェージング(マルチパスフェージング、周波数選択性フェージング)、減衰性フェージング(フラットフェージング)、およびダクト型フェージングなど、複数の種類が存在する。
【0003】
特許文献1には、フェージングについて適切な推定を行うことができる監視装置が記載されている。特許文献1に記載された監視装置は、障害が発生した時間および受信信号レベルに基づいて、無線通信装置が接続された無線回線において発生したフェージングの種類や外部干渉を推定する。
【0004】
なお、非特許文献1には、受信信号強度と気候条件との相関について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-195945号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】Jari Luomala and Ismo Hakala, “Effects of Temperature and Humidity on Radio Signal Strength in Outdoor Wireless Sensor Networks,” Proceedings of the Federated Conference on Computer Science and Information Systems pp. 1247-1255, 2015.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された監視装置を用いることで、フェージングの種類等を推定することは可能であるため、フェージングに応じた対処を講じることが可能である。例えば、干渉性フェージングの場合には、アンテナの傾きを変えたり、アンテナの数を増やしたりする対応をとることができる。また、減衰性フェージングの場合には、アンテナの高さを変えたり、ダクト型フェージングの場合には、アンテナの高さや傾きを変えたりする対応をとることができる。
【0008】
ただし、上述する対応を実行するためには、数日から数週間単位の時間を要することが一般的である。これは、作業場所が、例えば、沼地のような場所であったり、許可が必要な場所(ビルの屋上など)であったり、天候に左右される場所(冬季に吹雪の影響を受ける鉄塔など)であったりすることが想定されるからである。
【0009】
一般的には、障害が起こってからアンテナの傾きや高さなどを調整するため、通信が確立するまでに時間を要していた。そのため、現地にアサインするメンバの決定や移動時間等を考慮すると、フェージングの種類を推定するだけでなく、どのフェージングがいつ発生するか予測できることが好ましい。
【0010】
そこで、本発明は、将来発生するフェージングを予測できるフェージング予測装置、フェージング予測方法およびフェージング予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるフェージング予測装置は、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力手段と、降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、その気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によるフェージング予測方法は、コンピュータが、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付け、コンピュータが、降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、その気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測することを特徴とする。
【0013】
本発明によるフェージング予測プログラムは、コンピュータに、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力処理、および、降水後の気温変化を示す気象情報を説明変数とし、その気象情報に対するフェージングの発生有無を目的変数とする実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、将来発生するフェージングを予測できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるフェージング予測装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図2】異種混合学習により生成された予測モデルを可視化した例を示す説明図である。
図3】異種混合学習により学習された予測モデルを可視化した他の例を示す説明図である。
図4】通信ログの例を示す説明図である。
図5】通信ログの例を示す説明図である。
図6】フェージング予測装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】第一の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。
図8】第二の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。
図9】第三の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。
図10】本発明によるフェージング予測装置の概要を示すブロック図である。
図11】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明によるフェージング予測装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。本実施形態のフェージング予測装置100は、入力部10と、予測部20と、出力部30とを備えている。フェージング予測装置100は、記憶部40に接続され、処理に必要な各種情報を取得する。なお、フェージング予測装置100が、記憶部40を備える構成であってもよい。また、記憶部40は、予測モデルを学習する学習器50に接続され、学習器50が学習した予測モデルを記憶する。
【0018】
また、学習器50は、後述する予測部20が予測を行う際に用いる予測モデルについての機械学習を行う。具体的には、学習器50は、フェージングの種類ごとに、フェージングの発生有無を予測する予測モデルを学習する。
【0019】
ここで、本発明者は、実験の結果、各フェージングと、気温および降水量との間で、以下の関係があることを見出した。
・干渉性フェージングについて、降水量が多いほどフェージング量が少ない
・減衰性フェージングについて、降水後、気温が高いほどフェージング量が多い
・ダクト型フェージングについて、降水後、気温が高いほどフェージング量が多い
【0020】
発明者は、例えば、減衰性フェージングおよびダクト型フェージングでは、雨が降った後気温が高くなると、飽和水分量(すなわち、大気の単位体積あたりに含むことができる水分の量)が増えるため、大気の屈折率が上がり、エラーが発生し易いことを見出した。
【0021】
このように、フェージングの発生有無には気象情報が影響していると推定されることから、本実施形態では、学習器50が、フェージングの発生有無を目的変数とし、少なくとも気象情報を説明変数として含む予測モデルを学習する。この気象情報には、気温および降水量が含まれる。
【0022】
なお、学習器50が予測モデルを学習する方法は任意であり、広く知られた機械学習により予測モデルを学習してもよい。学習器50は、例えば、異種混合学習により、予測モデルを学習してもよい。異種混合学習により生成される予測モデルは、入力データの予測に用いられる予測式が入力データの内容に応じて選択され、選択された予測式を用いて予測が行われるモデルであり、各予測式が説明変数の線形和で表される。異種混合学習で予測モデルを生成することで、解釈性の高い予測結果を得ることができるため、例えば、想定した特徴量が予測に使用されているか否か検証することも可能になる。
【0023】
上述する予測モデルを活用することで、例えば、事前にアンテナの傾きや角度、アンテナ数、アンテナの高さを調整することが可能になる。また、地域の気候条件(例えば、年間の気温や降水量)を考慮し、アンテナの傾きや角度、アンテナ数、アンテナの高さを無線システムの設計段階で調整することも可能になる。
【0024】
図2は、異種混合学習により生成された予測モデルを可視化した例を示す説明図である。図2に例示する予測モデルは、干渉性フェージングの発生有無を予測する木構造で可視化されたモデルであり、降水量に関する特徴量を説明変数として含むモデルである。具体的には、図2に例示する予測モデルは、所定期間に1bit以上のエラーが発生したブロック数で予測式を場合分けする。なお、以下の説明では、1ビットでもエラーが発生したブロック数をBBE(Background Block Error)と記すこともある。
【0025】
図3は、異種混合学習により学習された予測モデルを可視化した他の例を示す説明図である。図3に例示するグラフは、図2に例示する予測モデルにおいて選択される予測式に含まれる説明変数の係数の値を積み上げて可視化したものである。例えば、図3に例示する説明変数2は、降水量に関する特徴量(例えば、予測月の3週目の平均降水量)を示しており、この説明変数は、予測式3の予測結果に大きな影響を与えていることを示す。
【0026】
例えば、この説明変数2に着目すると、係数が-6程度である。そのため、降水量が多い場合、発生リスクが大きく減少する(言い換えると、降水量が少ない場合には、発生リスクはそれほど減少しない)ことが予測される。このことから、「降水量が少ない場合、干渉性フェージングの発生が多くなる」という仮説も導くことができる。
【0027】
降水量や気温などの気象情報を取得する方法は任意であり、例えば、天候データを提供する外部サイトから気象情報を取得可能である。また、フェージングの発生有無の取得方法も任意である。学習器50は、例えば、フェージングの発生有無を示す情報を直接取得してもよく、特許文献1に記載された方法を用いてフェージングの発生有無を推定してもよい。推定に用いられるデータは、例えば、パソリンク(登録商標)など、Point to Pointの超小型マイクロ波通信システムのログから取得可能である。
【0028】
学習器50は、このようなシステムや外部サイトから各種情報を取得して、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを生成してもよい。
【0029】
さらに、学習器50は、気象情報以外の特徴量を含む実績データを用いて予測モデルを学習してもよい。具体的には、学習器50は、上述する通信システムなどから取得できるログに基づいて特徴量を生成し、生成した特徴量をさらに含む実績データを用いて予測モデルを学習してもよい。
【0030】
図4および図5は、通信ログの例を示す説明図である。図4に例示するログ101は、トラフィック量やパケットロスなどに関する情報を含むログである。また、図5に例示するログ102は、無線情報や障害情報などを含むログである。なお、図5において、ES(Errored Second)は、1秒間に1ブロックでもエラーが発生した秒数を示す。また、SES(Severely Errored Second )は、1秒間に30%以上のブロックでエラーが発生した秒数を示し、SESがカウントされる場合は、ESもカウントされる。なお、SESは、一般的なネットワーク品質の評価指標として使用されている値である。また、SEP(Severely Errored Period )は、SESが2秒以上10秒未満継続して発生した合計秒数であり、SEPがカウントされる場合は、SESもカウントされる。また、UAS(Unavailable Second)は、SESが10秒以上継続して発生した合計秒数である。学習器50は、これらのログを用いてフェージングの発生有無を推定してもよい。
【0031】
以下、好ましい特徴量を用いた予測モデルの学習方法について具体的に説明する。
【0032】
第一の学習方法として、受信周波数、受信電力量、および、送信周波数の少なくとも1つを示す特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す特徴量の両方を含む実績データを用いて予測モデルを学習する方法が挙げられる。例えば、特徴量として受信周波数が用いられる場合、学習器50は、図4に例示するログ101のモデム情報における受信周波数と、図5に例示するログ102の無線情報におけるRF-BBE値とを、それぞれ取得する。そして、学習器50は、受信周波数を示す特徴量、及び、エラーが発生したブロック数を示す特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて、予測モデルを学習する。受信電力量および送信周波数を特徴量として使用する場合も同様である。すなわち、学習器50は、通信ログ等から受信電力量(単位dBm)および送信周波数の少なくとも一方を取得して実績データの特徴量に含めればよい。なお、受信周波数、受信電力量、および、送信周波数について、いずれか1つが特徴量として用いられてもよく、2つ以上が特徴量として用いられてもよい。
【0033】
第二の学習方法として、最大送信トラフィック量(データ量)および最大受信トラフィック量の少なくとも一つの変化量を示す特徴量を含む実績データを用いて予測モデルを学習する方法が挙げられる。例えば、特徴量として最大送信トラフィック量が用いられる場合、学習器50は、図4に例示するログ101のトラフィック情報における送信データ量を取得して、期間ごとの最大量を特定する。そして、学習器50は、最大送信トラフィック量を示す特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて、予測モデルを学習する。最大受信トラフィック量を特徴量として使用する場合も同様である。すなわち、学習器50は、図4に例示するログ101のトラフィック情報における受信データ量を取得し、期間ごとの最大量を特徴量として特定して実績データに含めればよい。なお、最大送信トラフィック量および最大受信トラフィック量について、いずれか1つが特徴量として用いられてもよく、両方が特徴量として用いられてもよい。
【0034】
第三の学習方法として、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される特徴量を含む実績データを用いて予測モデルを学習する方法が挙げられる。具体的には、学習器50は、図5に例示するログ102の無線情報におけるRF-BBE値を取得するとともに、フェージングの発生回数の集計値を取得する。そして、学習器50は、集計された他のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて、予測モデルを学習してもよい。
【0035】
以上、予測モデルを学習する方法を3つ例示して説明したが、実績データに含まれる特徴量は、上記の内容に限定されない。また、各学習方法で用いられる特徴量が、他の学習方法の実績データに含まれていてもよい。
【0036】
学習器50は、このような実績データを用いて学習することで、図2に例示するような予測モデルを生成する。学習器50は、生成した予測モデルを記憶部40に登録する。
【0037】
入力部10は、フェージングの発生有無の予測に用いる各種情報の入力を受け付ける。ここで、各フェージングの発生と気温および降水量との間に関係性があると推定されることから、入力部10は、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける。
【0038】
気象予報情報は、対象地域において想定される予測対象時の気温および降水量を含む情報である。なお、気象予報情報は、広範囲の情報を含みうるが、フェージングの発生有無を予測する本願発明の性質上、より狭い範囲を対象とする気象予報情報を用いることが好ましい。入力部10は、例えば、気象予報を行う外部サイトから、予測対象時の気温および降水量を取得して受け付けてもよいし、ユーザからの気象予報情報の入力を直接受け付けてもよい。
【0039】
また、入力部10は、予測対象時の気象予報情報だけでなく、図4図5に例示するような通信ログに基づいて生成される各種特徴量を受け付けてもよい。なお、入力部10が特徴量の生成に必要な通信ログの入力を受け付けて、後述する予測部20が予測に用いられる特徴量を生成してもよい。以下の説明では、入力部10が、通信ログに基づいて生成された特徴量の入力を受け付けるものとする。
【0040】
具体的には、上述する第一の学習方法で示す特徴量を用いて予測モデルが学習されている場合、入力部10は、受信周波数を示す特徴量、及び、エラーが発生したブロック数を示す特徴量の両方の入力を受け付けてもよい。また、上述する第二の学習方法で示す特徴量を用いて予測モデルが学習されている場合、入力部10は、最大送信トラフィック量の変化量を示す特徴量の入力を受け付けてもよい。さらに、上述する第三の学習方法で示す特徴量を用いて予測モデルが学習されている場合、入力部10は、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される特徴量の入力を受け付けてもよい。
【0041】
予測部20は、記憶部40から予測モデルを取得する。そして、予測部20は、入力された各種情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する。具体的には、予測部20は、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、入力された気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する。
【0042】
また、予測部20は、気象情報、並びに、受信周波数を示す特徴量及びエラーが発生したブロック数を示す特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。この予測モデルは、例えば、上述する第一の学習方法で学習されたモデルに対応する。
【0043】
さらに、予測部20は、気象情報、および、最大送信トラフィック量の変化量を示す特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。この予測モデルは、例えば、上述する第二の学習方法で学習されたモデルに対応する。
【0044】
また、予測部20は、気象情報、および、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。この予測モデルは、例えば、上述する第三の学習方法で学習されたモデルに対応する。
【0045】
出力部30は、予測結果を出力する。具体的には、出力部30は、予測対象時におけるフェージングの発生有無を示す予測結果を出力する。例えば、予測モデルが異種混合学習により生成されている場合、出力部30は、予測に用いた予測式に関する情報を合わせて出力してもよい。
【0046】
また、出力部30は、入力部10が受け付けた時系列順の気象予報情報に対し、予測部20が予測した予測結果を時系列順に出力してもよい。出力部30は、例えば、時系列順にフェージングの発生有無(発生リスク)をグラフ形式で出力してもよい。これにより、将来のフェージング発生予測の推移を把握することが可能になる。
【0047】
入力部10と、予測部20と、出力部30とは、プログラム(フェージング予測プログラム)に従って動作するコンピュータのプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit))によって実現される。
【0048】
例えば、プログラムは、フェージング予測装置100が備える記憶部(図示せず)に記憶され、プロセッサは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、入力部10、予測部20、および、出力部30として動作してもよい。また、フェージング予測装置100の機能がSaaS(Software as a Service )形式で提供されてもよい。
【0049】
また、入力部10と、予測部20と、出力部30とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry )、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。
【0050】
また、フェージング予測装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0051】
さらに、学習器50も、プログラム(学習プログラム)に従って動作するコンピュータによって実現される。
【0052】
次に、本実施形態のフェージング予測装置の動作を説明する。図6は、本実施形態のフェージング予測装置の動作例を示すフローチャートである。入力部10は、対象とする地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける(ステップS11)。予測部20は、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する(ステップS12)。
【0053】
以上のように、本実施形態では、入力部10が、対象とする地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付け、予測部20が、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無を予測する。よって、将来発生するフェージングを予測できる。
【0054】
次に、上述する第一の学習方法から第三の学習方法に基づいて、異種混合学習により予測モデルを生成する具体例を説明する。
【0055】
図7は、上述する第一の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。図7に例示する予測モデルは、各週のBBEの平均値について所定期間分(例えば、4週間分)合計してlog1pを算出した値と、受信周波数とによって予測式が選択されるモデルを示す。なお、log1pは、ゼロに近い値の精度を保つ算出方法の一例である。
【0056】
この例において、例えば、予測式5に分類されるモデルが選択される状況(すなわち、受信周波数がX1GHz以上で、各週のBBEの平均値について所定期間分(4週間分)合計してlog1pを算出した値がN2以上)において干渉性フェージングのリスクが高いことが分かったとする。この場合、特徴量として用いられる受信周波数X1GHz以上を示す機器が使われる環境においてBBEが高いものは、干渉性フェージングのリスクが高い、という傾向を想定できる。
【0057】
図8は、上述する第二の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。図8に例示する予測モデルも、各週のBBEの平均値について所定期間分(4週間分)合計してlog1pを算出した値と、受信周波数とによって予測式が選択されるモデルを示す。
【0058】
この例の場合、予測式0に分類されるモデルが選択される状況(すなわち、受信周波数がX3GHz未満で、各週のBBEの平均値について所定期間分(4週間分)合計してlog1pを算出した値がN4以上)において、干渉性フェージングのリスクが高いことが分かったとする。この場合、例えば、特徴量として用いられる最大送信トラフィック量の変化量が増加しているほど干渉性フェージングのリスクが高い、という傾向を想定できる。
【0059】
なお、本具体例では、最大送信トラフィック量の変化量を表わす特徴量を、以下に例示する式1のように、3週間にわたる各週の送信トラフィック量の増加率の積(具体的には、幾何平均)で算出した。式1において、n_tx_wk[N]_maxは、期間内の第N週目の最大送信トラフィック量を表わす。
【0060】
((n_tx_wk2_max / n_tx_wk1_max) * (n_tx_wk3_max / n_tx_wk2_max) *
(n_tx_wk4_max / n_tx_wk3_max))1/3 (式1)
【0061】
この特徴量の値が高いということは、送信トラフィック量が増加傾向にあり、周辺にて何らかの環境の変化があったことが伺える。
【0062】
図9は、上述する第三の学習方法に基づいて異種混合学習により生成された予測モデルの例を示す説明図である。図9に例示する予測モデルは、図7に例示するモデルと同様である。
【0063】
この例の場合、予測式0に分類されるモデルが選択される状況(すなわち、受信周波数がX1GHz未満で、各週のBBEの平均値について所定期間分(4週間分)合計してlog1pを算出した値がN1未満)において、干渉性フェージングのリスクが高いことが分かったとする。この場合、例えば、BBEの平均値に対し、特徴量として用いられる減衰性フェージングの発生回数の割合が小さいほど干渉性フェージングのリスクが高い、という傾向を想定できる。
【0064】
なお、本具体例では、BBEの平均値に対する減衰性フェージングの発生回数の割合を表わす特徴量を、以下に例示する式2を用いて算出した。
【0065】
(各週の減衰性フェージングの発生回数を4週間分合計してlog1pを算出した値)/
各週のBBEの平均値について4週間分合計してlog1pを算出した値))
(式2)
【0066】
上記想定によれば、減衰性フェージングが発生しているモデムについては、BBE発生回数を確認することで、干渉性フェージングの発生をある程度判別できるとも言える。
【0067】
次に、本発明の概要を説明する。図10は、本発明によるフェージング予測装置の概要を示すブロック図である。本発明によるフェージング予測装置80(例えば、フェージング予測装置100)は、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力手段81(例えば、入力部10)と、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、気象予報情報(例えば、気温および降水量)に基づき、予測対象時のフェージングの発生有無(例えば、発生リスク)を予測する予測手段82(例えば、予測部20)とを備えている。
【0068】
そのような構成により、将来発生するフェージングを予測できる。
【0069】
また、入力手段81は、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付け、予測手段82は、気象情報、並びに、第一特徴量および第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。
【0070】
また、入力手段81は、最大送信トラフィック量および最大受信トラフィック量の少なくとも一つの変化量を示す第三特徴量の入力を受け付け、予測手段82は、気象情報、および、第三特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。
【0071】
また、入力手段81は、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される第四特徴量の入力を受け付け、予測手段82は、気象情報、および、第四特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測してもよい。
【0072】
また、フェージング予測装置80は、予測されたフェージングの発生有無を示す情報を出力する出力手段(例えば、出力部30)を備えていてもよい。そして、入力手段は、時系列に気象予報情報の入力を受け付け、出力手段は、予測されたフェージングの発生有無を時系列順に出力してもよい。
【0073】
図11は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ1000は、プロセッサ1001、主記憶装置1002、補助記憶装置1003、インタフェース1004を備える。
【0074】
上述のフェージング予測装置80は、コンピュータ1000に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラム(フェージング予測プログラム)の形式で補助記憶装置1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムを補助記憶装置1003から読み出して主記憶装置1002に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0075】
なお、少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置1003は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース1004を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read-only memory )、DVD-ROM(Read-only memory)、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1000に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1000が当該プログラムを主記憶装置1002に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0076】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置1003に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0077】
なお、上述の学習器50が、コンピュータ1000に実装されてもよい。そして、上述した各処理部の動作が、プログラム(学習プログラム)の形式で補助記憶装置1003に記憶され、プロセッサ1001が、プログラムを補助記憶装置1003から読み出して主記憶装置1002に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行してもよい。
【0078】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0079】
(付記1)対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力手段と、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測手段とを備えたことを特徴とするフェージング予測装置。
【0080】
(付記2)入力手段は、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付け、予測手段は、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する付記1記載のフェージング予測装置。
【0081】
(付記3)入力手段は、最大送信トラフィック量および最大受信トラフィック量の少なくとも一つの変化量を示す第三特徴量の入力を受け付け、予測手段は、気象情報、および、前記第三特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する付記1または付記2記載のフェージング予測装置。
【0082】
(付記4)入力手段は、他の種類のフェージングの発生回数とエラーが発生したブロック数とにより算出される第四特徴量の入力を受け付け、予測手段は、気象情報、および、前記第四特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する付記1から付記3のうちのいずれか1つに記載のフェージング予測装置。
【0083】
(付記5)予測されたフェージングの発生有無を示す情報を出力する出力手段を備え、入力手段は、時系列に気象予報情報の入力を受け付け、前記出力手段は、予測されたフェージングの発生有無を時系列順に出力する付記1から付記4のうちのいずれか1つに記載のフェージング予測装置。
【0084】
(付記6)コンピュータが、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付け、前記コンピュータが、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測することを特徴とするフェージング予測方法。
【0085】
(付記7)コンピュータが、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付け、前記コンピュータが、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測する付記6記載のフェージング予測方法。
【0086】
(付記8)コンピュータに、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力処理、および、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測処理を実行させるためのフェージング予測プログラムを記憶するプログラム記憶媒体。
【0087】
(付記9)コンピュータに、入力処理で、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付けさせ、予測処理で、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測させるためのフェージング予測プログラムを記憶する付記8記載のプログラム記憶媒体。
【0088】
(付記10)コンピュータに、対象地域における予測対象時の気象予報情報の入力を受け付ける入力処理、および、気象情報に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、前記気象予報情報に基づき、前記予測対象時のフェージングの発生有無を予測する予測処理を実行させるためのフェージング予測プログラム。
【0089】
(付記11)コンピュータに、入力処理で、受信周波数、受信電力量および送信周波数の少なくとも1つを示す第一特徴量、並びに、エラーが発生したブロック数を示す第二特徴量の入力を受け付けさせ、予測処理で、気象情報、並びに、前記第一特徴量および前記第二特徴量に対するフェージングの発生有無を含む実績データを用いて学習された予測モデルを用いて、フェージングの発生有無を予測させる付記10記載のフェージング予測プログラム。
【0090】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0091】
10 入力部
20 予測部
30 出力部
40 記憶部
50 学習器
100 フェージング予測装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11