(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】自動ドア装置および管理サーバ装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/70 20150101AFI20230911BHJP
E05F 15/77 20150101ALI20230911BHJP
【FI】
E05F15/70
E05F15/77
(21)【出願番号】P 2022533688
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013358
(87)【国際公開番号】W WO2022004078
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2020112006
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 敬明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】岡 大輔
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-238005(JP,A)
【文献】特開2004-278166(JP,A)
【文献】特開2020-012277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
を備え
、
前記受信部は、前記外部装置から前記アプリケーションプログラムの動作時刻を受信し、
前記機器制御部は、前記受信部によって受信した前記動作時刻に前記アプリケーションプログラムを動作させることを特徴とする自動ドア装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記外部装置から複数種類の前記アプリケーションプログラム、および前記アプリケーションプログラム毎の動作時刻を受信し、
前記機器制御部は、前記受信部によって受信した複数種類の前記アプリケーションプログラム毎に対応する前記動作時刻に動作させることを特徴とする請求項
1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
前記自動ドアの開閉を制御するドア制御部と、
を備え、
前記機器制御部は、前記ドア制御部と通信可能に接続されており、前記ドア制御部から受信した前記自動ドアの動作状態を示すドア動作情報に基づいて、前記機器の動作を制御し、
前記取得機器は、前記自動ドアの通行人を撮影するカメラからの画像を取得し、
前記機器制御部は、前記ドア動作情報に応じてカメラ画像を取得することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項4】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
前記自動ドアの開閉を制御するドア制御部と、
を備え、
前記機器制御部は、前記ドア制御部と通信可能に接続されており、前記機器の動作結果に応じて、前記ドア制御部に開閉指示を送信し、
前記取得機器は、前記自動ドアの通行人を撮影するカメラからの画像を取得し、
前記周辺情報は、前記通行人の画像であり、
前記機器制御部は、前記取得機器により取得した通行人の画像から判別した服装に基づいて前記開閉指示を前記ドア制御部に送信することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項5】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
を備え、
前記取得機器は、前記自動ドアの通行人の生体情報を取得し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記取得機器によって取得した前記生体情報を用いて前記通行人の健康状態を診断することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項6】
前記取得機器は、前記自動ドアの通行人の画像を取得し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記取得機器によって取得した前記画像に基づいて前記通行人の属性を判別することを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の自動ドア装置。
【請求項7】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
を備え、
前記取得機器は、前記自動ドアの通行人の画像を取得し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記取得機器によって取得した前記画像に基づいて前記通行人の属性を判別し、
前記機器制御部は、判別した前記属性を外部装置に送信し、送信した前記属性に応じた広告情報を受信し、
前記出力機器は、前記受信部によって受信した広告情報を前記報知装置に対して出力し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記出力機器における広告情報の出力動作を制御することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項8】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
を備え、
前記取得機器は、前記自動ドアが設置された場所の気象情報を取得し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記取得機器によって取得した気象情報を通信接続された端末装置へ送信することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項9】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、
を備え、
前記受信部は、前記外部装置から前記提供情報として広告情報を受信し、
前記出力機器は、前記受信部によって受信した広告情報を前記報知装置に対して出力し、
前記機器制御部は、前記アプリケーションプログラムに基づいて、前記出力機器における広告情報の出力動作を制御することを特徴とす
る自動ドア装置。
【請求項10】
第1の地域と第2の地域とを含む複数の地域をそれぞれ識別可能な識別情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報に基づいて、前記第1の地域に存在する第1の自動ドア装置に第1のアプリケーションプログラムを送信し、前記第2の地域に存在する第2の自動ドア装置に前記第2の自動ドア装置の周辺に存在する通行人に応じた第2のアプリケーションプログラムを送信する送信部と、を備え、
前記第1のアプリケーションプログラムは、前記第1の自動ドア装置が設置された場所において第1の周辺情報を取得する第1の取得機器、および前記第1の自動ドア装置の周辺に存在する通行人へ第1の提供情報を報知する第1の報知装置に対して前記提供情報を出力する第1の出力機器の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムであり、
前記第1のアプリケーションプログラムは、前記第1の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記周辺情報を取得するように前記第1の取得機器を制御する、または、前記第1の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記提供情報を出力させるためのプログラムであり、
前記第2のアプリケーションプログラムは、前記第2の自動ドア装置が設置された場所において第2の周辺情報を取得する第2の取得機器、および前記第2の自動ドア装置の周辺に存在する通行人へ第2の提供情報を報知する第2の報知装置に対して前記提供情報を出力する第2の出力機器の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムであり、
前記第2のアプリケーションプログラムは、前記第2の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記周辺情報を取得するように前記第2の取得機器を制御する、または、前記第2の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記提供情報を出力させるためのプログラムであることを特徴とする管理サーバ装置。
【請求項11】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得部と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って、前記取得部に前記周辺情報を取得させる取得動作を指令する制御部と、
を備え
、
前記受信部は、前記外部装置から前記アプリケーションプログラムの動作時刻を受信し、
前記制御部は、前記受信部によって受信した前記動作時刻に前記アプリケーションプログラムを動作させることを特徴とする自動ドア装置。
【請求項12】
外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、
自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力部と、
前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記出力部に前記提供情報を前記報知装置に出力させる出力動作を指令する制御部と、
を備え
、
前記受信部は、前記外部装置から前記アプリケーションプログラムの動作時刻を受信し、
前記制御部は、前記受信部によって受信した前記動作時刻に前記アプリケーションプログラムを動作させることを特徴とする自動ドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置および管理サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動ドア装置は、建物の出入り口などの近傍を通行する人または物体を画像センサまたは赤外線センサ等のセンサで検知して自動ドアを開閉する。
【0003】
特許文献1には、従来の自動ドア保守支援システムが開示されている。自動ドア保守支援システムは取得部および特定部を備え、取得部は、自動ドアの扉が第1速度に加速される加速制御状態と、第1速度に維持される高速制御状態と、第1速度より低速の第2速度に減速される減速制御状態と、第2速度に維持される低速制御状態と、の少なくともいずれかひとつの制御状態において扉を駆動するモータの状態情報を取得する。特定部は、取得されたモータの状態情報を予め定められた基準値に照らし自動ドアの保守に関する情報を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の自動ドア保守支援システムは、自動ドアの保守が必要な異常の有無を診断するが、安全性を確保すべく各自動ドアにおいて機能するものとなっている。このように従来の自動ドア装置では、各種の機能が個々の自動ドアで閉じており、外部から例えばプログラムをダウンロードして動作させることは想定されていなかった。本発明者らは、外部から提供されるアプリケーションプログラムを自動ドア装置に適用することによって、自動ドア装置の利用性を高めることができることに気付いた。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部からアプリケーションプログラムを与えて動作させることができる自動ドア装置および管理サーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は自動ドア装置である。自動ドア装置は、外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得機器、および前記自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力機器の少なくとも一方の機器と、前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記機器の動作を制御する機器制御部と、を備える。
【0008】
また本発明の別の態様は管理サーバ装置である。管理サーバ装置は、第1の地域と第2の地域とを含む複数の地域をそれぞれ識別可能な識別情報を記憶する記憶部と、前記識別情報に基づいて、前記第1の地域に存在する第1の自動ドア装置に第1のアプリケーションプログラムを送信し、前記第2の地域に存在する第2の自動ドア装置に前記第2の自動ドア装置の周辺に存在する通行人に応じた第2のアプリケーションプログラムを送信する送信部と、を備え、前記第1のアプリケーションプログラムは、前記第1の自動ドア装置が設置された場所において第1の周辺情報を取得する第1の取得機器、および前記第1の自動ドア装置の周辺に存在する通行人へ第1の提供情報を報知する第1の報知装置に対して前記提供情報を出力する第1の出力機器の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムであり、前記第1のアプリケーションプログラムは、前記第1の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記周辺情報を取得するように前記第1の取得機器を制御する、または、前記第1の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記提供情報を出力させるためのプログラムであり、前記第2のアプリケーションプログラムは、前記第2の自動ドア装置が設置された場所において第2の周辺情報を取得する第2の取得機器、および前記第2の自動ドア装置の周辺に存在する通行人へ第2の提供情報を報知する第2の報知装置に対して前記提供情報を出力する第2の出力機器の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムであり、前記第2のアプリケーションプログラムは、前記第2の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記周辺情報を取得するように前記第2の取得機器を制御する、または、前記第2の自動ドア装置の設置地域に基づいて、前記提供情報を出力させるためのプログラムである。
【0009】
また本発明の別の態様の自動ドア装置は、外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、自動ドアが設置された場所において周辺情報を取得する取得部と、前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って、前記取得部に前記周辺情報を取得させる取得動作を指令する制御部と、を備える。
【0010】
また本発明の別の態様の自動ドア装置は、外部装置からアプリケーションプログラムを受信する受信部と、自動ドアの周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置に対して前記提供情報を出力する出力部と、前記受信部によって受信した前記アプリケーションプログラムに従って前記出力部に前記提供情報を前記報知装置に出力させる出力動作を指令する制御部と、を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部からアプリケーションプログラムを与えて動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る自動ドア管理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係る自動ドア管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】機器制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】アプリケーションプログラムの動作処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】自動ドア装置における複数種類のアプリケーションプログラムの動作について説明するための模式図である。
【
図6】実施形態2に係る服装確認アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】健康診断アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】属性取得アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】気象情報取得アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】取得した気象情報の利用形態について説明するための模式図である。
【
図11】実施形態3に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】サーバ装置による属性情報の提供画面の一例を示す模式図である。
【
図13】実施形態4に係る自動ドア管理システムの構成を示す模式図である。
【
図14】管理端末装置におけるアプリ選択時の表示画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る自動ドア管理システム110の構成を示す模式図である。自動ドア管理システム110は、自動ドア装置100、サーバ装置70、および管理端末装置80等を備えて構成されている。自動ドア装置100は、自動ドア10、自動ドアセンサ21、ドアモータ22、自動ドア制御装置30、外部検知装置40および報知装置50等を有する。自動ドア装置100は、自動ドアセンサ21によって通行人を検知し、自動ドア制御装置30によってドアモータ22を制御して自動ドア10を開閉する機能を有する。また自動ドア装置100は、サーバ装置70から通信ネットワーク7を介してアプリケーションプログラムを受信し、自動ドア制御装置30においてアプリケーションプログラムを動作させて、外部検知装置40および報知装置50を利用する。
【0016】
サーバ装置70には各種のアプリケーションプログラムをアップロードすることができる。自動ドア装置100の管理者、或いは運用者は、管理端末装置80を用いてアプリケーションプログラムを選択し、選択したアプリケーションプログラムを自動ドア装置100において機能させる。アプリケーションプログラムは、例えば、外部検知装置40によって撮影した映像を収集するプログラム、報知装置50から広告等の情報を報知するプログラムである。またアプリケーションプログラムは、例えば外部検知装置40によって撮影した映像から通行人の服装判別、健康診断および属性判別等の処理を実行するプログラムや、自動ドア装置100周辺の気象情報を収集するプログラムなどである。アプリケーションプログラムは、自動ドア10が設置された場所において、自動ドア10周辺における情報を取得する取得機器(例えばカメラ等)を制御するプログラムである。また、アプリケーションプログラムは、自動ドア10の周辺に存在する通行人等へ提供情報を報知する報知装置(例えばディスプレイ等)へ提供情報を出力する出力機器(例えば出力用のインタフェースカード等)を制御するプログラムである。アプリケーションプログラムは、取得機器および出力機器の少なくとも一方の機器を制御し、自動ドア装置100に周辺情報の取得や提供情報の報知等の機能を発揮させる。
【0017】
また、自動ドア装置100は、アプリケーションプログラムに基づき、通行人の属性を取得し、通行人の属性に応じた広告情報を受信して報知装置50から外部へ報知するように機能する。また、自動ドア管理システム110は、複数の地域ごとに地域ID(識別情報)を自動ドア装置100に付与し、地域IDごとに異なるアプリケーションプログラムが受信されるように構成してもよい。
【0018】
図1に示す自動ドア10は、両引分け戸タイプであり、2枚の自動ドア10が左右に自動的に開閉する。自動ドア10は、左右一対であり、左右に間隔を開けて固定配置されたフィックス15に沿って往復移動可能としてあり、左右のフィックス15間の開口部11を開閉する。自動ドア10は、左右それぞれの戸先框10aが突き合わされるように接触して開口部11が閉ざされた全閉状態となる。自動ドア10は、戸先框10aが離間するように移動し、戸先框10aがフィックス15の方立15a付近まで移動して停止し、開口部11が開いた全開状態となる。尚、自動ドア10は、両引分け戸タイプのほか、片引き戸タイプおよび回転ドアタイプ等のものであってもよい。
【0019】
自動ドアセンサ21は、例えば赤外線センサであり、開口部11の上方の無目16に配置されている。自動ドアセンサ21は、配置位置から斜め下方を光軸方向とし、自動ドア10の前方を撮影し、自動ドア10へ侵入してくる通行人を検知する。自動ドアセンサ21は、通行人を検知した場合に自動ドア10を開状態にするために開扉信号を生成し、自動ドア制御装置30へ出力する。自動ドア制御装置30は、開扉信号に基づいてドアモータ22を駆動し、自動ドア10を開状態とする。
【0020】
図2は、実施形態1に係る自動ドア管理システム110の機能構成を示すブロック図である。自動ドア制御装置30は、ドア制御部31、通信部32、機器制御部33、情報取得機器34および情報出力機器35を備える。自動ドア制御装置30における各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
ドア制御部31は、上述のとおり自動ドア10の開閉を制御する。即ち、ドア制御部31は、自動ドアセンサ21からの開扉信号を受信するとドアモータ22を作動させて自動ドア10が全開状態となるまで駆動する。また、ドア制御部31は、自動ドア10が全開状態になった後、一定時間、全開状態を保持し、ドアモータ22を反転方向へ作動させて自動ドア10が全閉状態となるまで駆動する。
【0022】
通信部32は、サーバ装置70等との間で通信ネットワーク7を介して通信する。通信部32は、サーバ装置70からアプリケーションプログラムを受信し、通信ネットワーク7を介してサーバ装置70等へ情報を送信する。通信部32は、本発明における受信部および送信部に相当する。尚、以下の説明において、アプリケーションプログラムは、適宜、アプリケーション或いはアプリと略して表記する。
【0023】
図3は、機器制御部33の機能構成を示すブロック図である。機器制御部33は、アプリ取得部33a、動作管理部33bおよびアプリ動作処理部33cを備える。アプリ取得部33aは、サーバ装置70にアクセスし、自己の自動ドア装置100に割り振られた識別情報が付与されたアプリケーションプログラムを取得する。尚、サーバ装置70にアップロードされたアプリケーションプログラムには、管理端末装置80からの操作によって、動作させる自動ドア装置100の識別情報が付与され、更に当該アプリの動作時刻、および終了時刻などの情報を付与される。
【0024】
動作管理部33bは、アプリ取得部33aによって取得されたアプリケーションプログラムを、付与された動作時刻に起動し、終了時刻に終了処理する。動作時刻は、例えば特定の時刻であっても良いし、アプリケーションプログラムの取得直後などとしてもよい。また、終了時刻は、特定の時刻であっても良いし、動作開始後8時間後などのように期間であってもよい。
【0025】
アプリ動作処理部33cは、アプリ取得部33aによって取得されたアプリケーションプログラムをCPUなどの演算処理装置に読み込んで実行する。アプリ動作処理部33cにおけるアプリケーションプログラムの実行は、動作管理部33bによって時間的に管理されている。
【0026】
図2に戻り、情報取得機器34は、外部検知装置40による自動ドア10の周辺情報の取得を制御しており、例えば外部検知装置40を動作させる上で必要な駆動回路を搭載したドライバカードや、ソフトウェアドライバなどによって構成される。尚、情報取得機器34は、ソフトウェアドライバのようにハードウェアを伴わない形態である場合を含む。情報出力機器35は、通行人へ報知する提供情報を、報知装置50に対して出力する。情報出力機器35は、報知装置50に対して提供情報を出力する回路を搭載したインタフェースカードや、ソフトウェアによる出力プログラムモジュールなどによって構成される。情報出力機器35は、情報取得機器34と同様に、ソフトウェアによる出力プログラムモジュールのようにハードウェアを伴わない形態である場合を含む。
【0027】
外部検知装置40は、例えばカメラ41、各種のセンサ42などで構成される。センサ42には、例えば通行人の生体情報を取得するセンサとして、温度計測用センサのほか、脈拍、血圧、発汗量などを計測するセンサを用いてもよい。尚、外部検知装置40は、自動ドア装置100が設置された場所の付近に配置される。
【0028】
報知装置50は、通行人へ提供情報を報知するための装置であり、例えばディスプレイ51、スピーカ52などで構成される。また、報知装置50は、通行人が所有する携帯端末装置に情報を送信するためのWiFi(登録商標)通信装置などで構成されていてもよい。尚、報知装置50は、自動ドア装置100が設置された場所の付近に配置される。
【0029】
次に自動ドア装置100の動作について、アプリケーションプログラムの動作処理に基づいて説明する。
図4は、アプリケーションプログラムの動作処理の手順を示すフローチャートである。機器制御部33のアプリ取得部33aは、サーバ装置70からアプリケーションプログラムを取得する(S1)。アプリ取得部33aは、上述のように自己の自動ドア装置100の識別情報に対応するアプリケーションプログラムを取得するが、この際、随時、サーバ装置70へアクセスし、識別情報に対応するアプリケーションプログラムの有無を確認し、アプリケーションプログラムがあればサーバ装置から取得するようにしてもよい。
【0030】
動作管理部33bは、アプリケーションプログラムに付与された動作時刻にアプリケーションプログラムを起動する(S2)。アプリ動作処理部33cは、動作時刻から終了時刻までの間、アプリケーションプログラムによる処理を実行し、情報取得機器34によって周辺情報を取得し、情報出力機器35によって提供情報を報知し(S3)、処理を終了する。
【0031】
自動ドア装置100は、サーバ装置70からアプリケーションプログラムを取得して機器制御部33で動作させることによって、専用プログラムを自動ドア装置100自体に設けなくても情報取得機器34および情報出力機器35を制御することができる。また、サーバ装置70に様々な機能を有するアプリケーションプログラムをアップロードし、複数の自動ドア装置100で利用することができる。
【0032】
また、自動ドア装置100は、サーバ装置70から受信したアプリケーションプログラムを指定した時刻に動作させることができる。
図5は、自動ドア装置100における複数種類のアプリケーションプログラムの動作について説明するための模式図である。アプリケーションプログラムの動作時刻および終了時刻を設定することによって、時間帯T1,T2およびT3において、それぞれアプリケーションプログラムA1,A2およびA3を動作させるような運用をすることができる。
【0033】
例えば、1台の自動ドア装置100に対して、複数の運用者がアプリケーションプログラムを動作させたい場合に、時間帯T1,T2およびT3等において、各運用者が順番に各自が動作させたいアプリケーションプログラムA1,A2およびA3を動作させ、1台の自動ドア装置100をシェアして利用することができる。
【0034】
また、自動ドア装置100は、アプリケーションプログラムに従って情報取得機器34による自動ドア10の周辺情報の取得と、情報出力機器35による通行人への提供情報の報知を実行する。さらに、自動ドア装置100は、取得した周辺情報に基づいて機器制御部33からドア制御部31へ自動ドア10の開閉指示を送出することもできる。ドア制御部31は、通常、自動ドアセンサ21での通行人の検知に基づき自動ドア10を開閉制御するが、アプリケーションプログラムに基づく機器制御部33からの開閉指示を受信して自動ドア10をより複雑に或いは高度に開閉制御することが可能となる。
【0035】
またアプリケーションプログラムに従って、機器制御部33は、自動ドア10の動作状態を示すドア動作情報(開閉指示、図示しない全閉・全開スイッチの情報等を含む)をドア制御部31から受信し、ドア動作情報に基づいて、情報取得機器34および情報出力機器35の動作を制御するようにしてもよい。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10のドア動作状態に応じて情報取得機器34および情報出力機器35の動作を制御することができる。
【0036】
例えば、情報取得機器34は自動ドア10の通行人を撮影するカメラ41からの画像を取得するものとし、機器制御部33は、ドア動作情報に応じてカメラ画像を取得するようにする。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10のドア動作状態に応じて、自動ドア10の通行人を撮影した画像を取得することができる。また、機器制御部33は、情報取得機器34および情報出力機器35の動作結果に応じて、ドア制御部31に開閉指示を送信するようにしてもよく、この場合、自動ドア装置100は、情報取得機器34および情報出力機器35の動作を受けて、自動ドア10の開閉動作を制御することができる。
【0037】
(実施形態2)
実施形態2においては、上述の自動ドア装置100において動作させるアプリケーションプログラムの例について説明する。
図6は、実施形態2に係る服装確認アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。服装確認アプリケーションプログラムは、自動ドア10に侵入してくる通行人の服装を確認し、規定の服装であれば自動ドア10の開動作を許可し、規定の服装以外であれば自動ドア10の開動作を禁止する。このアプリケーションプログラムは、例えば、クリーンルームエリアの入り口に設けた自動ドア10に対して、防塵服を着用した通行人に対しては自動ドア10を開動作し、防塵服を着用していない通行人に対しては自動ドア10を開動作しないような機能を自動ドア装置100に付加する。
【0038】
機器制御部33の動作管理部33bは、動作時刻に服装確認アプリケーションプログラムを起動する(S11)。アプリ動作処理部33cは、服装確認アプリケーションプログラムにより、情報取得機器34でカメラ41から通行人の画像を取得する(S12)。アプリ動作処理部33cは、通行人の画像に対して画像認識を行い、通行人の服装を認識し、所定の服装をしているか否かを判定する(S13)。尚、ステップS13における画像認識については、様々な技術分野において開発されてきた公知の画像認識技術を利用できる。
【0039】
アプリ動作処理部33cは、服装確認アプリケーションプログラムに従って、ステップS13において通行人が所定の服装をしていると判定した場合(S13:YES)、自動ドア10の開動作を許可する(S14)。また、アプリ動作処理部33cは、服装確認アプリケーションプログラムに従って、ステップS13において通行人が所定の服装をしていないと判定した場合(S13:NO)、自動ドア10の開動作を禁止する(S15)。アプリ動作処理部33cは、例えばドア制御部31に対して自動ドア10の開動作の許可または禁止を指令する。ステップS14およびS15の後、処理を終了する。
【0040】
自動ドア装置100は、外部のサーバ装置70から服装確認アプリケーションプログラムを取得することができ、自動ドア10に侵入してくる通行人の服装を認識し、自動ドア10の通過を制限することができる。また、アプリ動作処理部33cは、通行人が所定の服装をしていないと判定した場合に、通行人の服装のどの箇所が所定の服装でないかを、報知装置50から音声や映像によって通行人に報知するようにしてもよい。
【0041】
図7は、健康診断アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。健康診断アプリケーションプログラムは、自動ドア10に侵入してくる通行人の生体情報を取得し、取得した生体情報に基づく健康診断を行う。生体情報は、例えば体温、脈拍、血圧、発汗量等である。健康診断アプリケーションプログラムは、例えば、会社の入門ゲートなどの周辺に設置された自動ドア装置100において動作させ、社員の健康診断を行うことができる。
【0042】
機器制御部33の動作管理部33bは、動作時刻に健康診断アプリケーションプログラムを起動する(S21)。アプリ動作処理部33cは、健康診断アプリケーションプログラムにより、情報取得機器34で通行人の生体情報を取得する(S22)。例えば、外部検知装置40に非接触式の体温計(図示略)を自動ドア装置100の周辺に配置し、通行人の体温を測定する。体温の測定に数秒を要する場合には、通行人に対して一旦停止するように報知装置50からガイダンスするようにしてもよい。
【0043】
また、脈拍、血圧、発汗量等の計測には、それぞれの専用の計測器(図示略)を外部検知装置40に設ける。脈拍、血圧、発汗量等の計測に用いる各計測器は、自動ドア装置100の周辺に設置し、通行人が各計測器を使用するように報知装置50からガイダンスするようにしてもよい。
【0044】
アプリ動作処理部33cは、取得した通行人の生体情報に基づいて通行人の健康状態を診断する(S23)。アプリ動作処理部33cは、健康診断アプリケーションプログラムに従って、例えば、通行人の体温がいわゆる平熱であるか、平熱よりも高い値となっているかを診断する。またアプリ動作処理部33cは、健康診断アプリケーションプログラムに従って、脈拍、血圧、発汗量等について標準値と比較することで通行人の健康状態を診断する。
【0045】
このように、自動ドア装置100に対して、通行人の健康診断アプリケーションプログラムを外部のサーバ装置70から提供することができる。自動ドア装置100において、健康診断アプリケーションプログラムに基づき取得した通行人の健康診断結果はその場で報知装置50から通行人に対して報知してもよいし、診断結果のデータを収集して外部装置、例えばサーバ装置70や管理端末装置80等に送信するようにしてもよい。
【0046】
図8は、属性取得アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。属性取得アプリケーションプログラムは、自動ドア10に侵入してくる通行人の画像に基づいて通行人の属性を判別して取得する。通行人の属性は、例えば性別や年代などである。
【0047】
機器制御部33の動作管理部33bは、動作時刻に属性取得アプリケーションプログラムを起動する(S31)。アプリ動作処理部33cは、属性取得アプリケーションプログラムにより、情報取得機器34でカメラ41から通行人の画像を取得する(S32)。
【0048】
アプリ動作処理部33cは、通行人の画像に対して画像認識を行い、通行人の顔画像や身長などの種々の特徴を抽出し、抽出した特徴に基づいて通行人の属性を判別する(S33)。通行人の画像に対する画像認識や、画像から得られる特徴に基づく属性判別については、様々な技術分野において開発されてきた公知の画像認識技術や属性判別技術を利用することができる。
【0049】
自動ドア装置100に対して、通行人の属性所得アプリケーションプログラムを外部のサーバ装置70から提供することができる。自動ドア装置100において属性取得アプリケーションプログラムに基づき取得した通行人の属性は外部装置、例えばサーバ装置70や管理端末装置80等に送信し、自動ドア装置100が設置された場所周辺の通行人の属性の分布などを分析することができる。
【0050】
図9は気象情報取得アプリケーションプログラムによる処理の手順を示すフローチャートであり、
図10は取得した気象情報の利用形態について説明するための模式図である。気象情報取得アプリケーションプログラムは、自動ドア10に侵入してくる通行人の画像や屋外の画像に基づいて自動ドア装置100周辺の天気を判別して気象情報を取得する。例えば通行人が傘を所持しており、傘が開いて雨滴が付いていれば屋外で雨が降っていると判別する。また、屋外を映した画像から降雨状態であるかどうかを判別することができる。
【0051】
機器制御部33の動作管理部33bは、動作時刻に気象情報取得アプリケーションプログラムを起動する(S41)。アプリ動作処理部33cは、属性取得アプリケーションプログラムにより、情報取得機器34でカメラ41から通行人または屋外の画像を取得する(S42)。
【0052】
アプリ動作処理部33cは、通行人または屋外の画像に対して画像認識を行い、通行人が携行している物や屋外画像中の雨滴などを画像認識し、屋外の天気を判別して気象情報を取得する(S43)。通行人の画像や屋外の画像に対する画像認識については、様々な技術分野において開発されてきた公知の画像認識技術を利用することができる。
【0053】
アプリ動作処理部33cは、ステップS43によって取得した気象情報を通信接続された端末装置61へ送信する(S44)。
図10に示すように、自動ドア装置100が入り口に設置された建物内に存在する店舗A,BおよびCには、自動ドア装置100と通信接続可能な端末装置61が配置されている。店舗A,BおよびCに設置された端末装置61によって自動ドア装置100から局所的な気象情報を受信することで、各店舗の従業員や来店者に対してリアルタイムで屋外の天気を知得させることができる。
【0054】
(実施形態3)
実施形態3では、広告情報を自動ドア装置100へ配信する自動ドア管理システム1110について説明する。
図11は実施形態3に係るサーバ装置71の機能構成を示すブロック図である。サーバ装置71は、アプリケーションプログラムを提供するサーバ装置70自体であってもよいし、広告情報を提供するためにサーバ装置70とは別に設けられる装置であってもよい。
【0055】
サーバ装置71は、属性情報蓄積部71a、属性情報提供部71bおよび広告情報取得部71cを有する。属性情報蓄積部71aは、自動ドア装置100において属性取得アプリケーションプログラムによって取得した通行人の属性を取得し蓄積する。属性情報蓄積部71aは、複数の自動ドア装置100それぞれについて属性情報を蓄積する。
【0056】
属性情報提供部71bは、属性情報蓄積部71aに蓄積された属性情報に基づき、各自動ドア装置100における通行人の属性の分布を分析し、通信ネットワーク7を通じて広告代理店や広告主に提供する。
図12は、サーバ装置71による属性情報の提供画面の一例を示す模式図である。広告代理店や広告主は、PC(パーソナルコンピュータ)や携帯端末などの装置を用いて、通信ネットワーク7を介してサーバ装置71に通信接続し、各自動ドア装置100における通行人の属性情報を知得することができる。
【0057】
広告代理店や広告主は、PC等におけるディスプレイに、サーバ装置71の属性情報提供部71bが提供する画面を表示し、例えば自動ドア装置A1(店舗A1玄関に設置)における男女の比率、年齢層の分布などを知ることができる。広告代理店や広告主は、各自動ドア装置100における属性情報に基づいて、どの自動ドア装置100に広告情報を提供するかを決定し広告情報の内容を選定して、PC等を用いて通信ネットワーク7を介して自動ドア装置100を指定した広告情報を送信する。
【0058】
サーバ装置71の広告情報取得部71cは、広告代理店や広告主のPC等から送信された自動ドア装置100を指定した広告情報を受信して取得する。サーバ装置71は、広告情報取得部71cによって取得した広告情報は指定された自動ドア装置100へ送信する。自動ドア装置100の機器制御部33では、通行人に対して提供情報を報知するアプリケーションプログラムが動作しているものとし、サーバ装置71から受信した広告情報を外部へ向けて報知する。広告情報は例えば音声や、画像、動画など各種の形式で提供されており、情報出力機器35は、広告情報の各形式に合わせて報知装置50を構成するディスプレイ51、スピーカ52などを適宜選択して広告情報を出力する。
【0059】
自動ドア装置100は、通行人の属性を取得して属性情報をサーバ装置71へ送信し、属性情報に応じた広告情報をサーバ装置71から受信して通行人に対して報知することができ、広告情報の提供者にとって広告の有効性を高めることができる。
【0060】
(実施形態4)
実施形態4では、地域ごとに異なるアプリケーションプログラムを自動ドア装置100で動作させる自動ドア管理システム110について説明する。
図13は実施形態4に係る自動ドア管理システム110の構成を示す模式図である。地域管理サーバ装置72は、複数の自動ドア装置100を所在する地域ごとに識別情報を付して管理しており、地域の識別情報に対応して動作させるアプリケーションプログラムを選択可能としている。
図13に示すように、第1の地域Aに位置する自動ドア装置100(1以上の第1の自動ドア装置100)、および第2の地域Bに位置する自動ドア装置100(1以上の第2の自動ドア装置100)が、それぞれグループ化されて地域管理サーバ装置72によって管理されている。地域管理サーバ装置72は、アプリケーションプログラムを提供するサーバ装置70自体であってもよいし、地域ごとに動作させるアプリケーションプログラムを選択するためにサーバ装置70とは別に設けられる装置であってもよい。
【0061】
地域管理サーバ装置72は、記憶部72a、通信部72bおよび制御部72cを有する。記憶部72aは、RAMやハードディスク、SDカード等の記憶媒体で構成されており、第1の地域Aおよび第2の地域B等の地域ごとに付与され地域を識別可能な識別情報を記憶している。また、記憶部72aは、アップロードされる各アプリケーションプログラムおよびその情報を記憶する。通信部72bは、通信ネットワーク7を介して自動ドア装置100および管理端末装置80との間で通信する。通信部72bは、本発明における送信部に相当する。制御部72cは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現される。制御部72cは、管理端末装置80におけるアプリ選択に関する処理環境を提供し、自動ドア装置100からのアプリケーションプログラムに関する問い合わせに対する応答などの処理を実行する。
【0062】
図14は、管理端末装置80におけるアプリ選択時の表示画面の一例を示す模式図である。管理端末装置80は、ディスプレイ等に、アプリケーションプログラムを動作させて利用する利用地域を選択し、利用するアプリを選択する画面を表示し、オペレータによる地域とアプリ選択を可能とする。管理端末装置80は、選択された地域およびアプリケーションプログラムの情報(例えばプログラム名などの情報)を地域管理サーバ装置72へ送信する。地域管理サーバ装置72は、選択された地域の識別情報、およびアプリケーションプログラムの情報を記憶部72aに記憶する。
【0063】
自動ドア装置100は、アプリ取得部33aにおいて、所在する地域の識別情報を認識しており、適時、動作させるアプリケーションプログラムの有無について地域の識別情報を含む問い合わせを地域管理サーバ装置72へ送信する。地域管理サーバ装置72は、自動ドア装置100からの問い合わせを通信部72bによって受信すると、制御部72cによって、地域の識別情報に対応するアプリケーションプログラムの情報を記憶部72aから抽出する。地域管理サーバ装置72は、抽出したアプリケーションプログラムの情報、および該当するアプリケーションプログラムを通信部72bにより自動ドア装置100へ送信する。
【0064】
地域管理サーバ装置72は、サーバ装置70と同一であってもよい。また地域管理サーバ装置72は、サーバ装置70とは別の装置であり、アプリケーションプログラム自体を保存していない場合には、自動ドア装置100へアプリケーションプログラムの情報を送信する。自動ドア装置100は、受信したアプリケーションプログラムの情報に基づきサーバ装置70から該当するアプリケーションプログラムを受信するとよい。
【0065】
自動ドア管理システム110は、各地域に所在する自動ドア装置100に対して、地域ごとにアプリケーションプログラムを変えることができ、自動ドア装置100において動作させるアプリケーションプログラムについて地域性を持たせることができる。また、実施形態1において説明したように、地域ごとに、複数のアプリケーションプログラムがそれぞれ動作する時間帯を分けて起動させることもできる。自動ドア管理システム110は、地域ごとに更には時間帯に分けてアプリケーションプログラムを運用することによって、アプリケーションプログラムをきめ細かく提供することができる。
【0066】
また、地域管理サーバ装置72は、第1の地域Aに存在する自動ドア装置100に対して、当該自動ドア装置100の周辺に存在する通行人に応じたアプリケーションプログラムを送信し、第2の地域Bに存在する自動ドア装置100に対して、当該自動ドア装置100の周辺に存在する通行人に応じたアプリケーションプログラムを送信してもよい。
【0067】
第1の地域Aにおいて提供される第1のアプリケーションプログラムは、第1の地域Aに存在する第1の自動ドア装置100が設置された場所において、第1の自動ドア装置100に付随する情報取得機器34および情報出力機器35の少なくとも一方の機器を制御する。第1のアプリケーションプログラムは、第1の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、周辺情報を取得するように情報取得機器34を制御する、または、第1の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、提供情報を出力させるためのプログラムとする。
【0068】
同様に、第2の地域Bにおいて提供される第2のアプリケーションプログラムは、第2の地域Bに存在する第2の自動ドア装置100が設置された場所において、第2の自動ドア装置100に付随する情報取得機器34および情報出力機器35の少なくとも一方の機器を制御する。第2のアプリケーションプログラムは、第2の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、周辺情報を取得するように情報取得機器34を制御する、または、第2の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、提供情報を出力させるためのプログラムとする。
【0069】
例えば、第1の自動ドア装置100が北海道(寒冷地域)に、第2の自動ドア装置100が沖縄(温暖地域)に配置されているとする。第1のアプリケーションプログラムは、暖かい地域の服装(マフラー・マスク無しと予想)に基づいてカメラから顔画像を取得するプログラムとする。また、第2のアプリケーションプログラムは、寒い地域の服装(マフラー、マスクあり)に基づいてカメラから画像を取得するプログラムとする。地域管理サーバ装置72は、地域性に合わせてアプリケーションプログラムを提供することで、設置地域に応じて情報取得機器34により周辺情報を取得させることが可能となる。
【0070】
例えば、第1の自動ドア装置100が関西に、第2の自動ドア装置100が関東に配置されているとする。第1のアプリケーションプログラムは、関西に合わせた広告を表示するプログラムとし、第2のアプリケーションプログラムは、関東に合わせた広告を表示するプログラムとする。地域管理サーバ装置72は、地域性に合わせてアプリケーションプログラムを提供することで、設置地域に応じて情報出力機器35により提供情報を出力させることができる。
【0071】
次に、各実施形態に係る自動ドア装置100および自動ドア管理システム110の特徴を説明する。
自動ドア装置100は、受信部としての通信部32、情報取得機器34および情報出力機器35の少なくとも一方の機器、並びに機器制御部33を備える。通信部32は、外部装置であるサーバ装置70からアプリケーションプログラムを受信する。情報取得機器34は、自動ドア10が設置された場所において周辺情報を取得する。情報出力機器35は、自動ドア10の周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置50に対して提供情報を出力する。機器制御部33は、通信部32によって受信したアプリケーションプログラムに従って情報取得機器34および情報出力機器35の少なくとも一方の機器の動作を制御する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア付属の機器に関するアプリケーションプログラムを外部装置から与えることができ、専用プログラムを自動ドア装置に設けなくても情報取得機器34や情報出力機器35を制御することができる。
【0072】
また通信部32は、外部装置としてのサーバ装置70からアプリケーションプログラムの動作時刻を受信する。機器制御部33は、通信部32によって受信した動作時刻にアプリケーションプログラムを動作させる。これにより、自動ドア装置100は、外部装置から受信したアプリケーションプログラムを指定した時刻に動作させることができる。
【0073】
また通信部32は、サーバ装置70から複数種類のアプリケーションプログラム、およびアプリケーションプログラム毎の動作時刻を受信する。機器制御部33は、通信部32によって受信した複数種類のアプリケーションプログラム毎に対応する動作時刻に動作させる。これにより、1台の自動ドア装置100であっても時間帯ごとに複数のアプリケーションを動作させることができるため、例えば、複数人で1台の自動ドア装置100をシェアして利用することができる。
【0074】
自動ドア装置100は、自動ドア10の開閉を制御するドア制御部31を更に備える。機器制御部33は、ドア制御部31と通信可能に接続されており、ドア制御部31から受信した自動ドア10の動作状態を示すドア動作情報に基づいて、情報取得機器34および情報出力機器35の動作を制御する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10のドア動作状態に応じて情報取得機器34および情報出力機器35の動作を制御することができる。
【0075】
情報取得機器34は、自動ドア19の通行人を撮影するカメラ41からの画像を取得する。機器制御部33は、ドア動作情報に応じてカメラ画像を取得する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10のドア動作状態に応じて、自動ドア10の通行人を撮影した画像を取得することができる。
【0076】
自動ドア装置100は、自動ドア10の開閉を制御するドア制御部31を更に備える。機器制御部33は、ドア制御部31と通信可能に接続されており、情報取得機器34および情報出力機器35の動作結果に応じて、ドア制御部31に開閉指示を送信する。これにより、自動ドア装置100は、情報取得機器34および情報出力機器35の動作を受けて、自動ドア10の開閉動作を制御することができる。
【0077】
また情報取得機器34は、自動ドア10の通行人を撮影するカメラ41からの画像を取得する。周辺情報は通行人の画像である。機器制御部33は、情報取得機器34により取得した通行人の画像から判別した服装に基づいて開閉指示をドア制御部31に送信する。これにより、自動ドア装置100は、アプリケーションプログラムに基づき自動ドア10の開閉制御が可能となり、通行人の服装に基づいて自動ドアの通過を制限することができる。
【0078】
また情報取得機器34は、自動ドア10の通行人の生体情報を取得する。機器制御部33は、アプリケーションプログラムに基づいて、情報取得機器34によって取得した生体情報を用いて通行人の健康状態を診断する。これにより、自動ドア装置100は、通行人に対する健康診断プログラムを外部装置から提供可能となる。
【0079】
また情報取得機器34は、自動ドア10の通行人の画像を取得する。機器制御部33は、アプリケーションプログラムに基づいて、情報取得機器34によって取得した画像に基づいて通行人の属性を判別する。これにより、自動ドア装置100は、通行人の属性を判別するプログラムを外部装置から提供可能となる。
【0080】
また機器制御部33は、判別した属性をサーバ装置71に送信し、送信した属性に応じた広告情報を受信する。情報出力機器35は、通信部32によって受信した広告情報を報知装置50に対して出力する。機器制御部33は、アプリケーションプログラムに基づいて、情報出力機器35における広告情報の出力動作を制御する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドアの通行人の属性に応じた広告情報の提供を広告情報の提供者が可能となるようにすることができる。
【0081】
また情報取得機器34は、自動ドア10が設置された場所の気象情報を取得する。機器制御部33は、アプリケーションプログラムに基づいて、情報取得機器34によって取得した気象情報を通信接続された端末装置61へ送信する。これにより、自動ドア装置100は、自身によって局所的に気象情報を取得し提供することができる。
【0082】
また通信部32は、サーバ装置71から提供情報として広告情報を受信する。情報出力機器35は、通信部32によって受信した広告情報を報知装置50に対して出力する。機器制御部33は、アプリケーションプログラムに基づいて、情報出力機器35における広告情報の出力動作を制御する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10の通行人への多種多様な広告情報を外部装置から取り込んで提供することができる。
【0083】
管理サーバ装置としての地域管理サーバ装置72は、記憶部72a、および送信部としての通信部72bとを備える。記憶部72aは第1の地域と第2の地域とを含む複数の地域をそれぞれ識別可能な識別情報を記憶する。通信部72bは、識別情報に基づいて、第1の地域に存在する第1の自動ドア装置100に第1のアプリケーションプログラムを送信し、第2の地域に存在する第2の自動ドア装置100に前記第2の自動ドア装置の周辺に存在する通行人に応じた第2のアプリケーションプログラムを送信する。第1のアプリケーションプログラムは、第1の自動ドア装置100が設置された場所において第1の周辺情報を取得する第1の情報取得機器34、および第1の自動ドア装置100の周辺に存在する通行人へ第1の提供情報を報知する第1の報知装置50に対して提供情報を出力する第1の情報出力機器35の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムである。第1のアプリケーションプログラムは、第1の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、周辺情報を取得するように第1の情報取得機器34を制御する、または、第1の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、提供情報を出力させるためのプログラムである。第2のアプリケーションプログラムは、第2の自動ドア装置100が設置された場所において第2の周辺情報を取得する第2の情報取得機器34、および第2の自動ドア装置の周100辺に存在する通行人へ第2の提供情報を報知する第2の報知装置50に対して提供情報を出力する第2の情報出力機器35の少なくとも一方の機器を制御するためのアプリケーションプログラムである。第2のアプリケーションプログラムは、第2の自動ドア装置100の設置地域に基づいて、周辺情報を取得するように第2の情報取得機器34を制御する、または、第2の自動ドア装置の設置地域に基づいて、提供情報を出力させるためのプログラムである。これにより、管理サーバ装置としての地域管理サーバ装置72は、地域管理サーバ装置72は、地域性に合わせてアプリケーションプログラムを提供することで、設置地域に応じて、情報取得機器34により周辺情報を取得させ、または、情報出力機器35により提供情報を出力させることができる。
【0084】
自動ドア装置100は、受信部としての通信部32、取得部としての情報取得機器34、および制御部としての機器制御部33を備える。通信部32は、外部装置であるサーバ装置70からアプリケーションプログラムを受信する。情報取得機器34は、自動ドア10が設置された場所において周辺情報を取得する。機器制御部33は、通信部32によって受信したアプリケーションプログラムに従って、情報取得機器34に周辺情報を取得させる取得動作を指令する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア10の周辺情報の取得に関するアプリケーションプログラムを外部装置から与えることができ、専用プログラムを自動ドア装置100に設けなくても情報取得機器34を制御することができる。
【0085】
自動ドア装置100は、受信部としての通信部32、出力部としての情報出力機器35、および制御部としての機器制御部33を備える。通信部32は、外部装置であるサーバ装置70からアプリケーションプログラムを受信する。情報出力機器35は、自動ドア10の周辺に存在する通行人へ提供情報を報知する報知装置50に対して提供情報を出力する。機器制御部33は、通信部32によって受信したアプリケーションプログラムに従って情報出力機器35に提供情報を報知装置50に出力させる出力動作を指令する。これにより、自動ドア装置100は、自動ドア付属の報知装置用のアプリケーションプログラムを外部装置から与えることができ、専用プログラムを自動ドア装置100に設けなくても情報出力機器35を制御することができる。
【0086】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、自動ドア装置および管理サーバ装置に関する。
【符号の説明】
【0088】
10 自動ドア、 31 ドア制御部、 32 通信部(受信部)、
33 機器制御部(制御部)、 34 情報取得機器(取得機器、取得部)、
35 情報出力機器(出力機器、出力部)、 41 カメラ、
50 報知装置、 61 端末装置、 70,71 サーバ装置(外部装置)、
72 地域管理サーバ装置(管理サーバ装置)、 72a 記憶部、
72b 通信部(送信部)、 100 自動ドア装置。