(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】搬送装置及び画像記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/00 20060101AFI20230912BHJP
B65H 1/26 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65H3/00 310B
B65H1/26 310H
(21)【出願番号】P 2018225310
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】浅田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】西村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 麻美
(72)【発明者】
【氏名】金澤 学郎
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-128364(JP,A)
【文献】特開2014-031257(JP,A)
【文献】特開2006-027826(JP,A)
【文献】特開平06-293439(JP,A)
【文献】特開2017-007853(JP,A)
【文献】特開2014-014942(JP,A)
【文献】特開2017-128403(JP,A)
【文献】特開2014-105070(JP,A)
【文献】特開平06-316124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口及びシートの搬送路を有する筐体と、
上記筐体に対して上記第1開口を通じて第1向きに挿入可能且つ上記第1向きと逆向きの第2向きに引出可能であり、上記搬送路へ送られるシートを支持するトレイと、を備え、
上記トレイは、
シートを支持する底板と、
上記底板の上記第2向きの端部から上方へ突出した前板と、
上記トレイにおける上記前板の上方に位置する第2開口を閉塞する第1位置と、上記第2開口に開放する第2位置と、に移動するカバーと、を備え
ており、
上記カバーは、上方から視て上記前板と重なる位置であって、上記前板よりも上方の位置に固定された軸周りに回動可能である搬送装置。
【請求項2】
上記カバーは、その下端部に位置する軸周りに回動するものであって、
上記第2位置の上記カバーの先端は、上記第1位置の上記カバーの先端よりも上記第2向き且つ下方に位置している請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記第1位置の上記カバーは、上記前板から上記第1向きに延びており、
上記第2位置の上記カバーは、上記前板から上記第2向きに延びている請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記カバーは、
上記前板に回動可能に支持された第1プレートと、
上記第1プレートと重なる第3位置、及び上記第1プレートの先端から上記第1プレートの回動の径方向に突出した第4位置に移動可能に、上記第1プレートに支持された第2プレートと、を備える請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
上記第1向きと直交し且つ上記底板のシート支持面に沿った幅方向において、上記カバーの面のうち、上記カバーが上記第2位置のときに上方を向く面の両端部は、当該面の中央部よりも上方に位置する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
第1開口及びシートの搬送路を有する筐体と、
上記筐体に対して上記第1開口を通じて第1向きに挿入可能且つ上記第1向きと逆向きの第2向きに引出可能であり、上記搬送路へ送られるシートを支持するトレイと、を備え、
上記トレイは、
シートを支持する底板と、
上記底板の上記第2向きの端部から上方へ突出した前板と、
上記トレイにおける上記前板の上方に位置する第2開口を閉塞する第1位置と、上記第2開口に開放する第2位置と、に移動するカバーと、を備えており、
上記前板は、上記底板の上記第2向きの端部から上記第2向きへ向かうにしたがって上方へ向かって延びており、
上記第2位置の上記カバーの先端は、上記第1位置の上記カバーの先端よりも下方に位置しており、
上記第2位置の上記カバーは、上記前板の上面に倒伏して当該上面によって支持されてい
る搬送装置。
【請求項7】
上記前板における上記第2向きを向く面に、上記前板を把持するための把持部が形成されている請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置と、
上記搬送路を搬送されるシートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送する搬送装置、及び当該搬送装置を備えておりシートに画像を記録可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートを支持するトレイを備え、トレイに支持されたシートを搬送する搬送装置が知られている。搬送装置を備える装置として、例えばシートに画像を記録する画像記録装置が知られている。
【0003】
トレイには、種々のサイズのシートが支持される。近年、搬送装置は、装置の大型化を抑制しつつ、より大きなサイズのシートの搬送が可能に構成されることが求められている。
【0004】
特許文献1には、トレイの前端部に設けられたカバーを回動させて開くことが可能な記録装置が開示されている。特許文献1に開示された記録装置では、カバーを開くことによって、前後の長さがトレイより長いシートを、トレイに支持させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された記録装置では、トレイを記録装置に対して挿抜するときに、トレイのカバーが把持される。カバーは、トレイの本体に回動可能に支持されているものである。そのため、トレイの挿抜時に、カバーがトレイの本体から外れてしまう等の、カバーの破損が生じるおそれがある。また、トレイの前板全体が回動するカバーとなる従来の構成では、カバーが大型化してしまう。そのため、カバーの回動軸と、当該回動軸を支える軸受けなどの係合構造を頑丈に作る必要がある。また、トレイが落下した時などにトレイに加わる衝撃で、カバーが外れるなどの問題も発生する。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トレイを搬送装置に対して挿抜するときに、トレイより前後に長いシートをトレイに支持するためにトレイを開閉するカバーが破損する可能性を低くすることができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の搬送装置は、第1開口及びシートの搬送路を有する筐体と、上記筐体に対して上記第1開口を通じて第1向きに挿入可能且つ上記第1向きと逆向きの第2向きに引出可能であり、上記搬送路へ送られるシートを支持するトレイと、を備える。上記トレイは、シートを支持する底板と、上記底板の上記第2向きの端部から上方へ突出した前板と、上記トレイにおける上記前板の上方に位置する第2開口を閉塞する第1位置と、上記第2開口に開放する第2位置と、に移動するカバーと、を備える。
【0009】
本構成によれば、底板と一体に構成された前板を把持することによってトレイを筐体に対して挿抜できる。つまり、当該挿抜の過程において、カバーを把持する必要がない。そのため、当該挿抜の過程において、カバーが破損する可能性を低くすることができる。また、カバーを小型化して重量を軽くできるため、トレイの落下などによってトレイに衝撃が加わったときにカバーが外れにくくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トレイを搬送装置に対して挿抜するときに、カバーが破損する可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、
図3のA-A断面を模式的に示す断面図であり、(A)は前板74が起立位置の状態を示し、(B)は前板74が倒伏位置の状態を示す。
【
図5】
図5は、
図4(B)の状態における給送トレイ20の正面図である。
【
図6】
図6は、変形例1における給送トレイ20及び排出トレイ21の
図3のA-A断面に対応する部分を模式的に示す断面図であり、(A)は前板74が後位置の状態を示し、(B)は前板74が前位置の状態を示す。
【
図7】
図7は、
図6(B)の状態における給送トレイ20の正面図である。
【
図8】
図8は、変形例2における給送トレイ20及び排出トレイ21の
図3のA-A断面に対応する部分を模式的に示す断面図であり、(A)はカバー161が前板174によって支持された構成を示し、(B)はカバー171が底板71によって支持された構成を示す。
【
図9】
図9は、
図8(B)において矢印176の向きに給送トレイ20を視た図である。
【
図10】
図10は、
図3のA-A断面に対応する部分を模式的に示す断面図であり、(A)は第2プレート182が収容位置の状態を示し、(B)は第2プレート182が突出位置の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(
図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている面を前面22として前後方向8が定義され、複合機10を前方から視て左右方向9(幅方向の一例)が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は互いに直交している。
【0013】
[複合機10の全体構造]
図1に示されるように、複合機10(画像記録装置の一例)は、概ね薄型の直方体に構成されている。
【0014】
複合機10は、その下部にプリンタ部11を備えている。プリンタ部11は、用紙15(シートの一例、
図2参照)に画像を記録する。プリンタ部11は、搬送装置と記録部24とを備えている。
【0015】
搬送装置は、
図1に示される筐体14、並びに、
図2に示される給送トレイ20(トレイの一例)、排出トレイ21、給送ローラ25、搬送ローラ対63、及び排出ローラ対66を備えている。
【0016】
筐体14は、概ね直方体の箱形状である。筐体14は、内部空間を備えている。
図2に示されるように、筐体14の内部空間には、搬送路23が形成されている。また、筐体14の内部空間には、給送ローラ25、搬送ローラ対63、排出ローラ対66、及び記録部24などが配置されている。
【0017】
搬送路23は、用紙15が通過する経路である。給送ローラ25は、給送トレイ20の底板71の上面76(シート支持面の一例)に支持された用紙15を搬送路23へ給送する。給送ローラ25は、給送モータ(不図示)の駆動力が伝達されることによって駆動される。搬送ローラ対63及び排出ローラ対66は、搬送路23に配置されている。搬送ローラ対63及び排出ローラ対66は、給送ローラ25によって搬送路23に給送された用紙15を搬送する。記録部24は、インクジェット方式にて用紙15に画像を記録する。
【0018】
図1に示されるように、筐体14の前面22に、開口13(第1開口の一例)が形成されている。給送トレイ20は、筐体14に対して開口13を通じて後方へ挿入された筐体14に装着可能である。給送トレイ20は、筐体14に対して開口13を通じて前方へ引出可能である。後向きは第1向きの一例であり、前向きは第2向きの一例である。
【0019】
本実施形態において、給送トレイ20は、筐体14に対して脱抜可能に構成されている。なお、給送トレイ20は、筐体14に対して脱抜不可能(具体的には、所定位置まで引出可能であるが、それ以上は引き出すことができない。)に構成されていてもよい。
【0020】
図2に示されるように、給送トレイ20には、所望のサイズの用紙15が支持される。なお、
図1及び
図2には、給送トレイ20が筐体14に装着された状態が示されている。給送トレイ20の構成の詳細は後述される。
【0021】
排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に位置している。排出トレイ21には、画像を記録されて筐体14から排出された用紙15が支持される。排出トレイ21は、筐体14によって支持されている。なお、排出トレイ21は、給送トレイ20によって支持されて給送トレイ20と一体に移動可能であってもよい。
【0022】
[搬送路23]
図2に示されるように、搬送路23は、筐体14に装着された状態の給送トレイ20の後端部を基点として、下方から上方に延びつつUターンしてから、前方へ延びて記録部24の下方を通って排出トレイ21に至る通路である。搬送路23は、所定間隔を隔てて互いに対向する第1ガイド部材31及び第2ガイド部材32、搬送ローラ対63、所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24及びプラテン67、並びに排出ローラ対66によって構成される空間である。給送ローラ25によって給送された用紙15は、搬送路23を、
図2に破線の矢印で示される向きである搬送向きに搬送される。
【0023】
[搬送ローラ対63及び排出ローラ対66]
図2に示されるように、搬送路23に、搬送ローラ対63が配置されている。搬送ローラ対63は、搬送ローラ61及びピンチローラ62よりなる。ピンチローラ62は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって搬送ローラ61に圧接されている。これにより、搬送ローラ対63は、用紙15を挟持可能である。
【0024】
搬送路23における搬送ローラ対63よりも搬送向きの下流に、排出ローラ対66が配置されている。排出ローラ対66は、排出ローラ64及び拍車65よりなる。拍車65は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって排出ローラ64に圧接されている。これにより、排出ローラ対66は、用紙15を挟持可能である。
【0025】
搬送ローラ61及び排出ローラ64は、搬送モータ(不図示)の駆動力が伝達されることによって駆動される。駆動力が伝達された搬送ローラ61は、ピンチローラ62との間に用紙15を挟持しつつ搬送向きへ搬送する。駆動力が伝達された排出ローラ64は、拍車65との間に用紙15を挟持しつつ搬送向きへ搬送する。
【0026】
[記録部24]
図2に示されるように、搬送路23における搬送ローラ対63及び排出ローラ対66の間に、記録部24が配置されている。記録部24は、記録ヘッド37と、キャリッジ38とを備えている。記録ヘッド37は、インクジェット方式でインク滴を吐出する。キャリッジ38は、記録ヘッド37を搭載している。キャリッジ38は、用紙15の搬送向きと直交する左右方向9に沿って移動可能に、ガイドレール45、46によって支持されている。ガイドレール45、46は、筐体14に支持されている。キャリッジ38は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)の駆動力が伝達されることによって移動する。
【0027】
記録ヘッド37は、キャリッジ38の下部に配置されている。記録ヘッド37の下面には、複数のノズル(不図示)が形成されている。ノズルは、キャリッジ38の下面に露出されている。ノズルから下方のプラテン67へ向けてインク滴が吐出される。プラテン67は、記録ヘッド37の下方に記録ヘッド37と対向して配置されている。プラテン67は、概ね平板形状であり、その上面に用紙15を支持可能である。
【0028】
筐体14には、各色(例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクタンク(不図示)が配置されている。なお、インクタンクは、キャリッジ38に搭載されていてもよい。各色のインクがインクタンクから記録ヘッド37へ供給される。キャリッジ38が左右方向9に沿って移動している間に、各ノズルから各色のインクが微小なインク滴として選択的に吐出される。これにより、プラテン67上に位置する用紙15に画像が記録される。
【0029】
[給送トレイ20]
図3に示されるように、給送トレイ20は、概ね直方体の箱形状である。給送トレイ20は、上方が開放されている。給送トレイ20の上下方向7の長さは、給送トレイ20の左右方向9及び前後方向8の長さよりも短い。給送トレイ20は、底板71と、側板(右板72、左板73、及び前板74)と、ストッパ75と、カバー51とを備えている。
【0030】
底板71は、用紙15が支持される上面76を有する。上面76は、前後方向8及び左右方向9に沿って拡がる面である。
【0031】
右板72は、底板71の右端部に立設されている。右板72は、前後方向8に延びている。左板73は、底板71の左端部に立設されている。左板73は、前後方向8に延びている。右板72及び左板73は、左右方向9に対向している。
【0032】
前板74は、底板71の前端部に立設されている。前板74は、左右方向9に延びている。前板74の上端は、右板72の上端及び左板73の上端よりも下方に位置する。
【0033】
ストッパ75は、底板71の後端部から斜め後方へ立設されている。ストッパ75は、左右方向9において相互に間隔を空けて少なくとも1つ(本実施形態では2つ)配置されている。ストッパ75の少なくとも1つは、複合機10において上面76に支持可能に設定されているサイズの用紙15の後端と当接可能である。これにより、給送トレイ20が開口13から脱抜された状態において、ストッパ75は、上面76に支持された用紙15の後方への移動を制止する。その結果、当該用紙15の給送トレイ20の後端からの落下を防止することができる。
【0034】
カバー51は、前板74の上方に位置している。カバー51は、左右方向9に延びている。カバー51は、右板72の前端部及び左板73の前端部によって、回動可能に支持されている。カバー51の構成については、後に詳細に説明される。
【0035】
底板71の上面76に、一対のサイドガイド80が左右方向9に移動可能に支持されている。一対のサイドガイド80は、上面76から上方へ突出している。一対のサイドガイド80は、上面76に形成された溝68に沿って移動可能である。一対のサイドガイド80は、左右方向9に対向して配置されている。各サイドガイド80の側面の各々に、上面76に支持された用紙15の左右両端が当接する。一対のサイドガイド80のうちの一方が右方または左方の一方へ移動すると、他方が連動して右方または左方の他方へ移動する。これにより、用紙15は、上面76の左右方向9の中央を基準として位置決めされる。
【0036】
なお、一対のサイドガイド80が移動可能に底板71に支持される構成は、公知の構成が採用可能である。また、サイドガイド80は、一対ではなく一つのみ設けられていてもよい。この場合、サイドガイド80は、上面76に支持された用紙15の右端または左端と当接して、用紙15を左端または右端を基準として位置決めする。
【0037】
底板71の上面76に、リヤガイド90が前後方向8に移動可能に支持されている。リヤガイド90は、上面76から上方へ突出している。リヤガイド90は、前板74よりも後方に位置している。本実施形態において、リヤガイド90は、上面76における左右方向9の中央部に位置しているが、当該中央部以外に位置していてもよい。リヤガイド90は、上面76に形成された溝69に沿って移動可能である。リヤガイド90には、上面76に支持された用紙15の前端が当接する。これにより、用紙15の前端が位置決めされる。なお、リヤガイド90が移動可能に底板71に支持される構成は、公知の構成が採用可能である。
【0038】
前板74は、その前面74Aに把持部77を備えている。把持部77は、給送トレイ20が筐体14に対して挿抜されるときに把持されるものである。本実施形態において、把持部77は、前面74Aから突出した突起である。また、本実施形態において、把持部77は、前面74Aの左右方向9の中央部に位置しているが、当該中央部以外に位置していてもよい。なお、突起の代わりに、例えば、前面74Aに形成されており前面74Aから後方へ凹んだ凹みが設けられていてもよいし、前板74に形成されており前板74を前後に貫通する貫通孔が設けられていてもよい。凹部が設けられている場合、凹部を構成する各面が把持部に相当する。貫通孔が設けられている場合、貫通孔を構成する各面が把持部に相当する。
【0039】
図4に示されるように、カバー51は、その右面及び左面の下端部から左右方向9に突出した突起51Dを備えている。突起51Dは、右板72及び左板73に形成された穴(不図示)に挿入されている。これにより、上述したように、カバー51は、右板72の前端部及び左板73の前端部によって、回動可能に支持されている。
【0040】
カバー51は、
図1、
図3、及び
図4(A)に示される起立位置(第2位置の一例)と、
図4(B)に示される倒伏位置(第1位置の一例)との間で、軸54周りに回動可能である。軸54は、
図3に一点鎖線で示されるように、突起51Dの中心を通って左右方向9に延びる線である。軸54は、カバー51の下端部に位置している。
【0041】
図4(A)に示されるように、カバー51は、起立位置に位置する状態において、前板74の上端部から上方へ延びている。カバー51が起立位置に位置する状態において、カバー51の上面51Aは、前後方向8及び左右方向9に拡がっており、上方を向く面である。
【0042】
起立位置のカバー51の上面51Aと、排出トレイ21の下面21Aとの間には、僅かな隙間のみが形成されている。当該隙間はゼロであってもよい。つまり、カバー51は、起立位置に位置する状態において、前板74の上方に位置する開口53(第2開口の一例)を閉塞している。開口53は、その下端を前板74の上面74Bによって構成されており、その上端を排出トレイ21の下面21Aによって構成されており、その右端を右板72の左面72A(
図3参照)によって構成されており、その左端を左板73の右面73Aによって構成されている。
【0043】
図4(B)に示されるように、カバー51は、倒伏位置に位置する状態において、前板74の上端部から前方へ延びている。倒伏位置のカバー51の先端51E(
図4(B)参照)は、起立位置のカバー51の先端51E(
図4(A)参照)よりも前方且つ下方に位置している。つまり、カバー51は、起立位置から倒伏位置へ前方且つ下方へ回動する。カバー51が倒伏位置に位置する状態において、上面51Aは、上下方向7及び左右方向9に拡がっており、前方を向く面である。
【0044】
倒伏位置のカバー51において上方を向く面(カバー51の後面51F)と、排出トレイ21の下面21Aとの間の隙間は、カバー51が起立位置のときよりも大きい。つまり、カバー51は、倒伏位置に位置する状態において、開口53を開放している。
【0045】
なお、
図4に示されるように、給送トレイ20は、ストッパ81、82を備えている。ストッパ81は、起立位置のカバー51に当接して、起立位置のカバー51が
図4(A)において時計回りに回動すること(換言すると、起立位置のカバー51が倒伏位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。ストッパ82は、倒伏位置のカバー51に当接して、倒伏位置のカバー51が
図4(B)において反時計回りに回動すること(換言すると、倒伏位置のカバー51が起立位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。
【0046】
また、カバー51が回動可能に支持される構成は、上述の構成に限らず、公知の構成が採用可能である。例えば、カバー51を回動可能に支持するのは、給送トレイ20を構成するものであればよく、右板72及び左板73に限らず、前板74であってもよい。
【0047】
図5(A)に示されるように、カバー51は、その後面51Fの左右方向9の中央部51Bに、凹部52を備えている。これにより、後面51Fの左右方向9の中央部51Bは、後面51Fの左右方向9の両端部51Cよりも下方に位置している。なお、後面51Fの左右方向9の中央部51Bを、後面51Fの左右方向9の両端部51Cよりも下方に位置させる構成は、凹部52に限らない。例えば、
図5(B)に示されるように、カバー51は、凹部52を備える代わりに、後面51Fの左右方向9の両端部51Cから上方へ突出し且つ前後方向8に延びたリブなどの凸部58を備えていてもよい。
【0048】
図2に示されるように、給送トレイ20が開口13を通じて筐体14に挿入されて筐体14に装着された状態においては、給送トレイ20に支持された用紙15が搬送路23へ給送可能である。
【0049】
給送トレイ20が開口13を通じて筐体14から一部または全部が引き出された状態(例えば、
図3に示されるように、給送トレイ20の全部が引き出された状態)においては、給送トレイ20への用紙15の補充が可能である。また、給送トレイ20を筐体14から引き出されていない場合であっても、
図4(B)に示されるように、カバー51が倒伏位置に回動されることによって、給送トレイ20への用紙15の補充が可能である。
【0050】
図4(A)に示されるように、上面76よりも前後方向8に短い用紙15が上面76に支持される場合、用紙15はリヤガイド90によって位置決めされる。このとき、前板74は起立位置に位置される。これにより、外部から給送トレイ20の内部への異物の進入が低減される。
【0051】
図4(B)に示されるように、上面76よりも前後方向8に長い用紙15が上面76に支持される場合、カバー51は倒伏位置に位置される。このとき、用紙15は、その後部が上面76に支持され、その前部がカバー51の後面51F及びリヤガイド90に支持される。このとき、用紙15の前部は、カバー51の後面51Fの凹部52に沿って支持されることにより、左右方向9において下に凸の状態となる。これにより、用紙15のカバー51よりも前に位置する部分が下方へ垂れ下がることが低減される。
【0052】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、底板71と一体に構成された前板74を把持することによって給送トレイ20を筐体14に対して挿抜できる。つまり、当該挿抜の過程において、カバー51を把持する必要がない。そのため、当該挿抜の過程において、カバー51が破損する可能性を低くすることができる。また、カバー51を小型化して重量を軽くできるため、給送トレイ20の落下などによって給送トレイ20に衝撃が加わったときにカバー51が外れにくくなる。
【0053】
また、本実施形態によれば、倒伏位置のカバー51が用紙15を支持することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、カバー51の後面51Fの左右方向9の中央部51Bは、カバー51の後面51Fの左右方向9の両端部51Cよりも下方に位置している。そのため、底板71よりも前後に長い用紙15の一部が倒伏位置のカバー51に支持された状態において、用紙15は下に凸となるように湾曲した状態となる。これにより、カバー51より前方に位置する用紙15を下方へ垂れにくくすることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、前板74に把持部77が設けられているため、前板74の把持が容易である。
【0056】
[変形例1]
上記実施形態では、カバー51は、
図4(A)に示される起立位置と、
図4(B)に示される倒伏位置との間で回動した。しかし、カバー51の回動位置は、
図4に示された位置に限らない。
【0057】
例えば、
図6に示されるように、給送トレイ20は、カバー51の代わりに、
図6(A)に示される後位置(第1位置の一例)と、
図6(B)に示される前位置(第2位置の一例)との間で、左右方向9に延びた軸151D周りに回動可能なカバー151を備えていてもよい。
【0058】
図6に示されるように、排出トレイ21の前端は、給送トレイ20の前板74よりも後方に位置する。これにより、排出トレイ21と前板74との間に開口55(第2開口の一例)が形成されている。
【0059】
カバー151は、前板74の上端部によって回動可能に支持されている。なお、カバー151は、前板74以外によって支持されていてもよい。
【0060】
図6(A)に示されるように、カバー151は、後位置に位置する状態において、前板74の上端部から後方へ延びている。カバー151が後位置に位置する状態において、面151Aは上方を向いており、面151Aは排出トレイ21と協働して複合機10から排出されてきた用紙15を支持可能である。面151Aの裏面である面151Bは、下方を向いている。
【0061】
後位置のカバー151と排出トレイ21との間には、前後方向8に僅かな隙間のみが形成されている。当該隙間はゼロであってもよい。つまり、カバー151は、後位置に位置する状態において、開口55を閉塞している。
【0062】
図6(B)に示されるように、カバー151は、前位置に位置する状態において、前板74の上端部から前方へ延びている。カバー151が前位置に位置する状態において、面151Bは上方を向いており、面151Aは下方を向いている。
【0063】
前位置のカバー151と排出トレイ21との間の隙間は、カバー151が後位置のときよりも大きい。つまり、カバー151は、前位置に位置する状態において、開口55を開放している。
【0064】
図6に示されるように、給送トレイ20は、ストッパ83、84を備えている。ストッパ83は、後位置のカバー151に当接して、後位置のカバー151が
図6(A)において時計回りに回動すること(換言すると、後位置のカバー151が前位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。ストッパ84は、前位置のカバー151に当接して、前位置のカバー51が
図6(B)において反時計回りに回動すること(換言すると、前位置のカバー151が後位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。
【0065】
図7(A)に示されるように、カバー151は、上記実施形態と同様に、面151Bの左右方向9の中央部に凹部152を備えている。これにより、面151Bの左右方向9の中央部151Cは、面151Bの左右方向9の両端部151Dよりも下方に位置している。なお、面151Bの左右方向9の中央部151Cを、面151Bの左右方向9の両端部151Dよりも下方に位置させる構成は、凹部152に限らない。例えば、
図7(B)に示されるように、カバー151は、凹部152を備える代わりに、面151Bの左右方向9の両端部151Dから上方へ突出し且つ前後方向8に延びたリブなどの凸部153を備えていてもよい。
【0066】
図6(A)に示されるように、上面76よりも前後方向8に短い用紙15が上面76に支持される場合、用紙15はリヤガイド90によって位置決めされる。このとき、前板74は後位置に位置される。これにより、外部から給送トレイ20の内部への異物の進入が低減される。
【0067】
図6(B)に示されるように、上面76よりも前後方向8に長い用紙15が上面76に支持される場合、カバー151は前位置に位置される。このとき、用紙15は、その後部が上面76に支持され、その前部がカバー151の面151B及びリヤガイド90に支持される。このとき、用紙15の前部は、カバー51の面151Bの凹部に沿って支持されることにより、左右方向9において下に凸の状態となる。これにより、用紙15のカバー151よりも前に位置する部分が下方へ垂れ下がることが低減される。
【0068】
変形例1によれば、後位置のカバー51は、底板71の前端部を上方から覆うことができる。
【0069】
[変形例2]
上記実施形態では、カバー51は、前板74と同程度の厚みを有しており、外部からの異物の進入を防止する機能と共に、用紙15を支持する機能も有していた。しかし、給送トレイ20は、外部からの異物の進入を防止する機能を有する一方で、単独では用紙15を支持しないカバー161を備えていてもよい。
【0070】
例えば、
図8(A)及び
図8(B)に示されるように、カバー161は、
図4に示されるカバー51、及び
図6に示されるカバー151よりも薄い形状であってもよい。
【0071】
図8(A)に示される構成では、前板174は、底板71から前方斜め上方へ延びている。カバー161は、前板174の前部(基端よりも先端に近い側)によって、左右方向9に延びる軸161B周りに回動可能に支持されている。カバー161は、
図8(A)に実線で示される起立位置(第1位置の一例)と、
図8(A)に破線で示される倒伏位置(第2位置の一例)とに回動可能である。
【0072】
図8(A)に実線で示されるように、カバー161は、起立位置に位置する状態において、前板174の前部から後方斜め上方へ延びている。カバー161が起立位置に位置する状態において、カバー161と排出トレイ21との間には、僅かな隙間のみが形成されている。当該隙間はゼロであってもよい。つまり、カバー161は、起立位置に位置する状態において、給送トレイ20及び排出トレイ21の間の開口56を閉塞している。
【0073】
なお、給送トレイ20は、カバー161を起立位置に保持、及び当該保持の解除が可能なロック機構を備えている。
【0074】
ロック機構は、ストッパ85、86を備えている。ストッパ85、86は、前板174のカバー161を支持する部分(面177)の近傍から左右方向9に沿って突出している。
【0075】
ストッパ85は、起立位置のカバー161が
図8(A)において反時計回りに回動すること(換言すると、起立位置のカバー161が倒伏位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。
【0076】
ストッパ86は、面177に形成された穴89から突出した突出位置と、穴89に収容された収容位置とに移動可能に構成されている。ストッパ86は、穴89に配置されたコイルバネなどの付勢部材によって突出位置へ付勢されている。ストッパ86は、カバー161が起立位置のとき、付勢部材に付勢されて突出位置に位置しており、起立位置のカバー161を下方から支持している。これにより、起立位置のカバー161が
図8(A)において時計回りに回動すること(換言すると、起立位置のカバー161が倒伏位置へ向けて回動すること)が規制されている。カバー161がユーザによって起立位置から倒伏位置へ回動されるとき、ストッパ86は、カバー161に押されることによって、付勢部材の付勢力に抗して突出位置から収容位置へ移動する。これにより、カバー161の倒伏位置への回動が可能となる。
【0077】
図8(A)に破線で示されるように、カバー161は、倒伏位置に位置する状態において、前板74の前部から後方斜め下方へ延びている。倒伏位置のカバー161の先端161Aは、起立位置のカバー161の先端161Aよりも下方に位置している。倒伏位置のカバー161は、前板174の上面174Aに倒伏している。倒伏位置のカバー161の下面161Cは、前板174の上面174Aに上方から当接している。
【0078】
倒伏位置のカバー161と排出トレイ21との間の隙間は、カバー161が起立位置のときよりも大きい。つまり、カバー161は、倒伏位置に位置する状態において、開口56を開放している。
【0079】
図8(B)に示される構成では、
図8(A)に示される構成と同様に、前板174は、底板71から前方斜め上方へ延びている。カバー171は、底板71の前端部によって、左右方向9に延びる軸171B周りに回動可能に支持されている。なお、カバー171は、底板71以外、例えば前板174の後部(先端よりも基端に近い側)によって回動可能に支持されていてもよい。カバー171は、
図8(B)に実線で示される起立位置(第1位置の一例)と、
図8(B)に破線で示される倒伏位置(第2位置の一例)とに回動可能である。
【0080】
図8(B)に実線で示されるように、カバー171は、起立位置に位置する状態において、底板71の前端部から上方へ延びている。カバー171が起立位置に位置する状態において、カバー171と排出トレイ21との間には、僅かな隙間のみが形成されている。当該隙間はゼロであってもよい。つまり、カバー171は、起立位置に位置する状態において、給送トレイ20及び排出トレイ21の間の開口57を閉塞している。
【0081】
なお、給送トレイ20は、カバー171を起立位置に保持、及び当該保持の解除が可能なロック機構(不図示)を備えている。
【0082】
ロック機構は、ストッパ87、88を備えている。ストッパ87、88は、前板174のカバー171を支持する部分(面178)の近傍から左右方向9に沿って突出している。
【0083】
ストッパ87は、起立位置のカバー171が
図8(B)において時計回りに回動すること(換言すると、起立位置のカバー171が倒伏位置から遠ざかる向きに回動すること)を規制する。
【0084】
ストッパ88は、面177に形成された穴91から突出した突出位置と、穴91に収容された収容位置とに移動可能に構成されている。ストッパ88は、穴91に配置されたコイルバネなどの付勢部材によって突出位置へ付勢されている。ストッパ88は、カバー171が起立位置のとき、付勢部材に付勢されて突出位置に位置しており、起立位置のカバー171を下方から支持している。これにより、起立位置のカバー171が
図8(B)において反時計回りに回動すること(換言すると、起立位置のカバー171が倒伏位置へ向けて回動すること)が規制されている。カバー171がユーザによって起立位置から倒伏位置へ回動されるとき、ストッパ88は、カバー171に押されることによって、付勢部材の付勢力に抗して突出位置から収容位置へ移動する。これにより、カバー171の倒伏位置への回動が可能となる。
【0085】
図8(B)に破線で示されるように、カバー171は、倒伏位置に位置する状態において、底板71の前端部から前方斜め上方へ延びている。倒伏位置のカバー171の先端171Aは、起立位置のカバー171の先端171Aよりも前方且つ下方に位置している。倒伏位置のカバー171は、前板174の上面174Aに倒伏している。倒伏位置のカバー171の下面171Cは、前板174の上面174Aに上方から当接している。
【0086】
倒伏位置のカバー171と排出トレイ21との間の隙間は、カバー171が起立位置のときよりも大きい。つまり、カバー171は、倒伏位置に位置する状態において、開口57を開放している。
【0087】
図8(A)及び
図8(B)に示される構成において、前板174は、上面174Aの左右方向9の両端部が、上面174Aの左右方向9の中央部よりも上方に位置するように構成されていてもよい。例えば、
図9に示されるように、前板174は、上面174Aの左右方向9の両端部174Bから上方へ突出したリブなどの凸部175を備えていてもよい。この場合、凸部175の上端は、上面174Aの左右方向9の中央部174Cに倒伏された倒伏位置のカバー171より上方に位置する。なお、凸部175の代わりに、前板174が上面174Aの左右方向9の中央部174Cに凹部を備えていてもよい。この場合、カバー161は、倒伏位置において当該凹部に沿うように下へ凸に湾曲していてもよい。
【0088】
図8に示される構成において、上面76よりも前後方向8に短い用紙15が上面76に支持される場合、用紙15は上面76に支持される。このとき、カバー161、171は起立位置に位置される。これにより、外部から給送トレイ20の内部への異物の進入が低減される。なお、このときの用紙15は、
図8には示されていない。
【0089】
図8に示される構成において、上面76よりも前後方向8に長い用紙15が上面76に支持される場合、カバー161、171は倒伏位置に位置される。このとき、用紙15は、その後部が上面76に支持され、その前部がカバー161、171及び前板174の上面174Aに形成された突起に支持される。このとき、用紙15の前部は、カバー161、171及び当該突起によって支持されることにより、左右方向9において下に凸の状態となる。これにより、用紙15の前板174より前の部分が下方へ垂れ下がることが低減される。
【0090】
なお、
図8に示される給送トレイ20は、リヤガイド90を備えていないが、リヤガイド90を備えていてもよい。
【0091】
変形例2によれば、倒伏位置のカバー161、171が前板174の上面174Aに倒伏して上面174Aによって支持されている。そのため、底板71よりも前後に長い用紙15が給送トレイ20に収容される場合に、当該用紙15の一部は、カバー161、171を挟んで前板174の上面174Aに支持される。つまり、カバー161、171に作用した用紙15の荷重を前板174が受けることができる。これにより、カバー161、171が用紙15の荷重によって破損する可能性を低くすることができる。
【0092】
[変形例3]
図4に示される構成において、カバー51は、第1プレート181及び第2プレート182を備えていてもよい(
図10参照)。
【0093】
図10に示されるように、第1プレート181は、
図4におけるカバー51と同様に、右板72及び左板73によって、突起51Dを中心に回動可能に支持されている。なお、
図10には、カバー51が倒伏位置に位置する状態が示されている。
【0094】
第2プレート182は、第1プレート181によって移動可能に支持されている。
図10に示される構成において、第2プレート182は、
図10(A)に示される収容位置(第3位置の一例)と、
図10(B)に示される突出位置(第4位置の一例)とにスライド可能である。
【0095】
収容位置の第2プレート182は、その大部分がカバー51の平面視において第1プレート181と重なっている。
【0096】
突出位置の第2プレート182は、その一部分のみがカバー51の平面視において第1プレート181と重なっている。つまり、突出位置の第2プレート182の当該平面視における第1プレート181との重複面積は、収容位置の第2プレート182の当該平面視における第1プレート181との重複面積よりも小さい。
【0097】
また、突出位置の第2プレート182は、その大部分が第1プレート181から突出している。第2プレート182は、第1プレート181の先端から、第1プレート181の回動の径方向に沿って、第1プレート181の回動中心から離れる向きへ突出している。
【0098】
突出位置の第2プレート182は、第1プレート181と協働して用紙15を支持する。
【0099】
なお、第2プレート182が第1プレート181によって移動可能に支持される構造は、公知の構造(例えば、第1プレート181に形成されたレール上を、第2プレート182に形成された突起が案内されることによって、第2プレート182が第1プレート181に対してスライド可能に支持される構造)が採用される。
【0100】
上記実施形態と同様に、凹部52や突起によって、カバー51が倒伏位置のときの上方を向く面の左右方向9の中央部が、当該面の左右方向9の両端部よりも下方に位置していてもよい。この場合、第1プレート181及び第2プレート182の一方に凹部52や突起が形成されていてもよいし、第1プレート181及び第2プレート182の双方に凹部52や突起が形成されていてもよい。
【0101】
上述した構成では、第2プレート182は、第1プレート181に対してスライドすることによって収容位置と突出位置とに移動したが、第2プレート182の移動はスライドに限らない。例えば、第2プレート182は、第1プレート181に対して回動することによって収容位置及び突出位置に移動してもよい。
【0102】
変形例3によれば、第2プレート182が突出位置に移動することによって、カバー51が大きな面で用紙15を支持することができる。
【0103】
[その他の変形例]
上述したカバー51、151、161、171及びカバー51の第1プレート181は、いずれも回動することによって各位置に移動するものであったが、回動以外、例えばスライドすることによって各位置に移動するものであってもよい。
【0104】
上記実施形態では、記録部24は、インクジェット方式にて用紙15に画像を記録するものであったが、インクジェット方式以外、例えば電子写真方式にて用紙15に画像を記録するものであってもよい。
【0105】
上記実施形態では、搬送装置は、複合機10に備えられていた。しかし、搬送装置を備える装置は、複合機10に限らない。例えば、搬送装置は、プリンタやファクシミリやスキャナなどに備えられていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
10・・・複合機(画像記録装置)
13・・・開口(第1開口)
14・・・筐体
15・・・用紙(シート)
20・・・給送トレイ(トレイ)
23・・・搬送路
53・・・開口(第2開口)
71・・・底板
74・・・前板