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特許7346938運転支援システム、運転支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】運転支援システム、運転支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20230912BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20230912BHJP
   G09B 29/00 20060101ALN20230912BHJP
   G09B 29/10 20060101ALN20230912BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019121589
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021009029
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】梨本 裕明
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-271906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/0969
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の位置を検出して前記自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する運転支援システムであって、
前記自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する周辺車両情報取得部と、
前記自車両の周囲の交通情報を取得する交通情報取得部と、前記自車両の周辺に存在する施設の情報である施設情報を取得する施設情報取得部と、の少なくともいずれか一方と、
前記周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する注目車両検出部と、
前記自車両と前記注目車両とが前記自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として前記目的地までの回避経路を設定する回避経路設定部と、を備え
前記回避経路設定部は、前記注目車両が前記自車両の後方に存在する場合は、前記交通情報および前記施設情報のいずれかまたは両方に基づいて前記回避経路を設定する、
運転支援システム。
【請求項2】
前記回避経路設定部は、前記注目車両が前記自車両により設定された前記案内経路に沿って前記目的地の方向に進む場合の所定時刻における前記注目車両の位置を推定し、前記推定した前記注目車両の位置に基づいて前記回避経路を設定する
請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記自車両の周囲の前記交通情報を取得する交通情報取得部をさらに備え、
前記回避経路設定部は、前記交通情報に基づいて、他車両が予め設定された範囲の速度で通行している領域に侵入する経路を設定する
請求項1または2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
前記自車両の周辺に存在する施設の情報である前記施設情報を取得する施設情報取得部を備え、
前記回避経路設定部は、前記施設情報に基づいて、一時的に待避するための経由地を含む前記回避経路を設定する
請求項1~3のいずれか一項に記載の運転支援システム。
【請求項5】
前記回避経路設定部は、前記注目車両が前記自車両の前方に存在する場合は、前記案内経路から外れる経路を含む前記回避経路を設定する
請求項1または2に記載の運転支援システム。
【請求項6】
自車両の位置を検出して前記自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する運転支援方法であって、
前記自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する周辺車両情報取得ステップと、
前記自車両の周囲の交通情報を取得する交通情報取得ステップと、前記自車両の周辺に存在する施設の情報である施設情報を取得する施設情報取得ステップと、の少なくともいずれか一方と、
前記周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する注目車両検出ステップと、
前記自車両と前記注目車両とが前記自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として前記目的地までの回避経路を設定する回避経路設定ステップと、を備え、
前記回避経路設定ステップは、前記注目車両が前記自車両の後方に存在する場合は、前記交通情報および前記施設情報のいずれかまたは両方に基づいて前記回避経路を設定する、
運転支援方法。
【請求項7】
自車両の位置を検出して前記自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する運転支援方法をコンピュータに実行させる運転支援プログラムであって、
前記運転支援方法は、
前記自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する周辺車両情報取得ステップと、
前記自車両の周囲の交通情報を取得する交通情報取得ステップと、前記自車両の周辺に存在する施設の情報である施設情報を取得する施設情報取得ステップと、の少なくともいずれか一方と、
前記周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する注目車両検出ステップと、
前記自車両と前記注目車両とが前記自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として前記目的地までの回避経路を設定する回避経路設定ステップと、を備え、
前記回避経路設定ステップは、前記注目車両が前記自車両の後方に存在する場合は、前記交通情報および前記施設情報のいずれかまたは両方に基づいて前記回避経路を設定する、
運転支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転支援システム、運転支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の交通事故等のイベントが発生する可能性を低減するための技術が提案されている。例えば特許文献1に記載の運転支援装置は、周辺の車両が正常通行から逸脱したことを予測し、正常通行からの逸脱によって発生する事故を事故内容特定部によって特定する。そして、回避策決定部は、回避策を決定するとともに、警告と回避策の提示、エンジン制御部、ブレーキ制御部、ミッション制御部を制御して回避策の実行を補助する。
【0003】
特許文献2に記載の運転支援プログラムは、出発地点から到着地点までの運行経路の候補を複数抽出した場合、出発地点から到着地点に到着するまでの所要時間が最も短いルートの所要時間よりも所要時間の増加が所定以内のルートを抽出する。上記運転支援プログラムは、抽出したルートのうち、危険運転の発生頻度が所定の発生頻度を越える位置が最も少なく、休憩施設が多いルートを安全なルートと提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-115484号公報
【文献】特開2017-151566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の技術を利用した場合であっても、危険運転を行う周辺車両が自車両を捕捉ないし追尾する煽り運転を行う場合において、自車両が案内経路に沿って通行しながら周辺車両を回避することは難しい。また統計的に危険運転の発生頻度が高い場所ではない場所であっても、煽り運転を行う周辺車両等には突発的に遭遇するため、このような周辺車両と遭遇することを事前に回避することはできない。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、危険を回避する経路を動的且つ柔軟に提示する運転支援システム等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる運転支援システムは、自車両の位置を検出して自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する。上記運転支援システムは、周辺車両情報取得部と、注目車両検出部と、回避経路設定部と、を有している。周辺車両情報取得部は、自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する。注目車両検出部は、周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する。回避経路設定部は、自車両と注目車両とが自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として目的地までの回避経路を設定する。
【0008】
本発明にかかる運転支援方法は、自車両の位置を検出して自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する。上記運転支援方法は、周辺車両情報取得ステップと、注目車両検出ステップと、回避経路設定ステップと、を有している。周辺車両情報取得ステップは、自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する。注目車両検出ステップは、周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する。回避経路設定ステップは、自車両と注目車両とが自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として目的地までの回避経路を設定する。
【0009】
本発明にかかるプログラムは、自車両の位置を検出して自車両の位置から目的地までの案内経路を提示する運転支援方法をコンピュータに実行させる運転支援プログラムである。上記運転支援方法は、周辺車両情報取得ステップと、注目車両検出ステップと、回避経路設定ステップと、を有している。周辺車両情報取得ステップは、自車両の周辺車両に関する周辺車両情報を取得する。注目車両検出ステップは、周辺車両情報に基づいて注目車両を検出する。回避経路設定ステップは、自車両と注目車両とが自車両の通行経路上において予め設定された間隔より離れることを条件として目的地までの回避経路を設定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、危険を回避する経路を動的且つ柔軟に提示する運転支援システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】運転支援システムを搭載した車両の上面図である。
図2】実施の形態にかかる運転支援システムのブロック図である。
図3】運転支援システムが行う処理を示す第1のフローチャートである。
図4】運転支援システムが行う処理を示す第2のフローチャートである。
図5】運転支援システムが表示する案内経路の第1の例を示す図である。
図6】運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第1の図である。
図7】運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第2の図である。
図8】運転支援システムが表示する案内経路の第2の例を示す図である。
図9】運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第3の図である。
図10】運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第4の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0013】
<実施の形態>
以下、図を参照して実施の形態の構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる運転支援システムを搭載した車両の上面図である。ナビゲーションシステム100は、運転支援システムの一実施態様である。ナビゲーションシステム100は、自車両である車両900の位置を検出して車両900の位置から目的地までの案内経路をユーザである運転者に提示できる。移動体である車両900には実施の形態にかかるナビゲーションシステム100が搭載されている。ナビゲーションシステム100は、測位情報受信部110、交通情報受信部120、前方カメラ130、後方カメラ140、制御部150、表示部160などを有している。
【0014】
測位情報受信部110および交通情報受信部120は、車両900のダッシュボード中央部にそれぞれ設置されている。測位情報受信部110は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムであるGNSS(Global Navigation Satellite System)から自車両の位置を測位するための測位情報を受信するためのアンテナを含む。交通情報受信部120は、例えば日本におけるVICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)と呼ばれるシステムからの交通情報を受信するためのアンテナを含む。交通情報には、渋滞情報、所定区間の通行所要時間、交通規制等の情報が含まれる。測位情報受信部110および交通情報受信部120は、それぞれ所望の情報が取得できるように設置されていれば、車両900の任意の位置に設置されていてもよい。
【0015】
前方カメラ130は、車両900の前方を視野角180度で撮影する。前方カメラ130は、車両900のキャビンにおいて、ウィンドシールド中央上部に設置されており、車両900の前方を通行する他の車両を撮影できる。後方カメラ140は、車両900の後方を視野角180度で撮影する。後方カメラ140は、車両900のキャビンにおいて、後部窓の中央上部に設置されており、車両900の後方を通行する他の車両を撮影できる。前方カメラ130および後方カメラ140は、撮影範囲を撮影するための対物レンズ、イメージセンサ、画像処理回路等をそれぞれ含む。なお、前方カメラ130および後方カメラ140は、上述した構成に限られない。運転支援システムは、前方カメラ130および後方カメラ140に代えて車両900の周囲を撮影する全方位カメラを有していてもよい。
【0016】
制御部150は、車両900の任意の位置に格納された制御回路であり、ナビゲーションシステム100の各構成を適宜制御する。制御部150の詳細については後述する。表示部160は、ダッシュボードにおいて運転者に情報を提示できるように設置された表示装置であって、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネル等を含む。
【0017】
図2を参照してナビゲーションシステム100の構成についてさらに説明する。図2は、実施の形態にかかるナビゲーションシステム100のブロック図である。ナビゲーションシステム100は、主な構成として、上述した測位情報受信部110、交通情報受信部120、前方カメラ130、後方カメラ140、制御部150および表示部160に加えて、操作部170、スピーカ180および地図情報記憶部190を有している。
【0018】
測位情報受信部110は、測位情報を含む信号を受信すると、受信した信号から車両900の位置を示す情報である位置情報を生成する。生成された位置情報は、測位情報受信部110から制御部150に供給される。交通情報受信部120は、交通情報を受信すると、受信した交通情報を制御部150に供給する。
【0019】
前方カメラ130および後方カメラ140は、撮影範囲を撮影することにより撮影データをそれぞれ生成し、生成した撮影データを、制御部150に供給する。撮影データには、車両900の周辺に存在する周辺車両の姿が含まれる。すなわち、撮影データは、周辺車両に関する周辺車両情報である。周辺車両情報には、撮影範囲に含まれる被写体の形状や大きさが少なくとも含まれる。周辺車両情報には、さらに、カメラと被写体との距離に関する情報が含まれていてもよい。前方カメラ130および後方カメラ140は、例えば1秒間に30フレームの撮影データを生成し、30分の1秒ごとに撮影データを制御部150に供給する。
【0020】
制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、バッファメモリ、および複数のインタフェース等が実装された制御回路であって、格納されているプログラムを実行して種々の処理を実行する。制御部150は、主な構成として、位置検出部151、交通情報取得部152、周辺車両情報取得部153、演算部154、表示制御部155、操作制御部156、音声制御部157および地図情報取得部158を有している。また制御部150が有しているこれらの構成は、バス150Bにより通信可能に接続されている。
【0021】
位置検出部151は、測位情報受信部110から供給された位置情報を検出し、検出した位置情報を演算部154と地図情報取得部158に供給する。位置情報は、例えば、車両900の緯度、経路および測位時刻に関する情報が含まれる。交通情報取得部152は、交通情報受信部120から供給された交通情報を取得し、取得した交通情報を演算部154に供給する。交通情報は、例えば、車両900の周辺の道路に関する渋滞情報、交通規制情報が含まれる。周辺車両情報取得部153は、前方カメラ130および後方カメラ140から撮影データを取得し、取得した撮影データを演算部154に供給する。
【0022】
演算部154は、各構成から受け取る情報から種々の解析や演算を行い、解析結果や演算結果に応じた処理を実行する。演算部154は、解析部154a、注目車両検出部154bおよび経路設定部154cを含んでいる。
【0023】
解析部154aは、周辺車両情報取得部153から受け取った撮影データに対して予め設定された方法による解析を実行する。例えば、解析部154aは、撮影データに含まれる画素値から輝度の変化を検出することにより、撮影データに含まれる他の車両を検出する。また、解析部154aは、フレームごとの物体の変化を検出することにより、撮影された他の車両の動きを検出する。
【0024】
注目車両検出部154bは、解析部154aの解析結果から注目車両を検出する。注目車両は、周辺車両情報から検出できるように設定された車両である。例えば、注目車両は、車両900の前方または後方を通行する車両のうち、車両900と接触する可能性が高いなど、車両900の運転に支障を及ぼす可能性が実質的に高いものとすることができる。この場合、注目車両は、危険車両と称されてもよい。危険車両は、車両900の前方で左右にふらつきながら通行する車両や、車両900の後方で車両900に異常に接近しながら通行する煽り運転をする車両などが含まれる。注目車両検出部154bは、注目車両を検出すると、検出した注目車両に関する情報を、経路設定部154cに供給する。
【0025】
経路設定部154cは、設定された条件にしたがって、車両900から目的地までの通行経路を設定する。例えば経路設定部154cは、車両900の位置情報と、運転者が設定した目的地に関する情報を受け取り、車両900の位置から目的地までの案内経路を生成する。また経路設定部154cは、案内経路に沿って通行していた車両900が案内経路から外れた場合に、適宜、案内経路を更新する。経路設定部154cは、生成した案内経路または回避経路を、表示制御部155に供給する。
【0026】
経路設定部154cは、注目車両検出部154bから注目車両に関する情報を受け取った場合には、注目車両を回避するという条件を加えて、目的地までの回避経路を生成する回避経路設定部の役割も担う。経路設定部154cは、回避経路に沿って通行していた車両900が案内した回避経路から外れた場合に、回避経路を再設定する。
【0027】
経路設定部154cは、回避経路を生成する場合に、注目車両の位置を推定する注目車両位置推定部の役割も含む。すなわち、注目車両が検出された後に、経路設定部154cは、注目車両が案内経路を通行し続けると仮定して注目車両の位置を推定し、所定の時刻における注目車両の推定位置を算出する。経路設定部154cは、車両900と注目車両とが、回避経路において予め設定された距離または時間の間隔より近付かないように、算出した推定位置を利用して、回避経路を設定する。これにより、ナビゲーションシステム100は、一端回避した注目車両に再び遭遇することを抑制できる。
【0028】
経路設定部154cは、回避経路を生成する場合に、車両900の周辺の交通情報から混雑路を回避経路に含めることもできる。混雑路とは、多くの車両が低速で走行している道路の領域をいう。ここでの低速とは、例えば時速10~30キロメートル程度である。車両900が混雑路に侵入することにより、注目車両が付近で走行したとしても、大きな事故が発生するような危険な状態になりにくい。また、一時停止するほどの渋滞の場合には、注目車両の搭乗者が注目車両から降りて車両900に近付いてくる虞があるが、低速で走行している場合にはそのような事態も抑制できる。
【0029】
経路設定部154cは、回避経路を生成する場合に、車両900の周辺の施設情報から待避施設を抽出し、抽出した待避施設を回避経路に含めることもできる。待避施設とは、車両900が注目車両を回避する目的で一時的に待避するための施設である。経路設定部154cは、地図情報記憶部190が格納する施設情報から予め待避施設を設定できる。待避施設の具体例は、警察署、ショッピングモール、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどである。車両900は、待避施設において一時的に停車するなどして、注目車両との間隔を広げることができる。また、待避施設として警察署が設定された場合、ナビゲーションシステム100は、運転者が注目車両から回避する場合に、運転者に安心感を提供できるという効果が期待できる。
【0030】
表示制御部155は、表示部160に対し、様々な情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部155は、地図情報および車両900の位置情報から、車両900が位置する場所の周辺地図に車両900を重畳させた画像データを生成し、生成した画像データを表示部160に表示させる。また表示制御部155は、車両900が目的地まで通行する経路を周辺地図に重畳させる。他にも、表示制御部155は、表示部160に、時刻情報、交通情報、周辺地図に含まれる施設情報等を表示させる。
【0031】
操作制御部156は、操作部170が受け付けた操作情報を取得し、取得した操作情報に応じて、各構成要素に指示をする。操作部170が受け付ける操作は、例えば、地図のスクロール、拡大表示、縮小表示または目的地の設定等である。
【0032】
音声制御部157は、スピーカ180に予め設定された音声を出力させる。予め設定された音声は、例えば、車両900の進行方向に沿った右折や左折の案内や、注目車両が検出されたことの通知などである。
【0033】
地図情報取得部158は、地図情報記憶部190に格納している地図情報を取得する。地図情報取得部158は、例えば、車両900の位置情報に応じて、車両900が存在する場所の周辺の地図情報を地図情報記憶部190から取得し、取得した地図情報を表示制御部155に供給する。後述するように、地図情報には道路情報と施設情報とが含まれる。よって、地図情報取得部158は、道路情報取得部ということもできるし、施設情報取得部ということもできる。
【0034】
表示部160は、表示制御部155の制御により各種情報を表示する。表示部160は、表示制御部155に接続し、表示制御部155から供給される信号を表示する。操作部170は、ナビゲーションシステム100に対して運転者が行う操作を受け付けるインタフェースである。操作部170は、表示部160に重畳して設置されたタッチセンサや、操作ボタン等である。操作部170は、音声入力により操作を受け付けるマイクを含むものであってもよい。また操作部170は、赤外線や無線通信の受信部であって、リモコン等から送信される信号を受け付けるものであってもよい。操作部170は、受け付けた操作に関する情報である操作情報を、操作制御部156に供給する。スピーカ180は、音声制御部157から供給される音声信号を音声に変換して出力する。
【0035】
地図情報記憶部190は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性のメモリを含む記憶装置であって、地図情報を格納している。地図情報は、車両900が通行する道路に関する情報である道路情報や、車両900が通行する道路の周辺に存在する施設に関する情報である施設情報が含まれる。道路情報は、道路の種別、交差点の名称、信号機の位置、高速道路の出入口等の情報が含まれる。施設情報は、例えば、警察署、ガソリンスタンド、駐車場、ショッピングモール、コンビニエンスストア等の施設が含まれる。
【0036】
次に、図3を参照して、ナビゲーションシステム100が行う処理について説明する。図3は、運転支援システムが行う処理を示す第1のフローチャートである。図3に示すフローチャートは、制御部150の処理が示されている。図3に示すフローチャートは、運転者が目的地を設定し、制御部150が目的地までの案内経路を設定した後に、車両900が案内経路に沿って通行を開始することにより開始される。
【0037】
まず、制御部150は、車両900が経路通りに通行しているか否かを判断する(ステップS10)。車両900が案内経路通りに通行しているか否かは、位置検出部151が検出する位置情報と、経路設定部154cが設定した案内経路とを照合することにより判断される。車両900が経路通りに通行していると判断されない場合(ステップS10:No)、制御部150は、案内経路を再設定し(ステップS11)、再びステップS10に戻る。車両900が経路通りに通行していると判断した場合(ステップS10:Yes)、制御部150は、ステップS12へ進む。
【0038】
次に、制御部150の周辺車両情報取得部153は、前方カメラ130および後方カメラ140から撮影データを取得する(ステップS12)。そして、解析部154aは、周辺車両情報取得部153から撮影データを受け取り、周辺車両の位置や動きを解析する(ステップS13)。
【0039】
次に、注目車両検出部154bは、解析部154aの解析結果から、注目車両が検出されたか否かを判断する(ステップS14)。注目車両が検出されたと判断されない場合(ステップS14:No)、制御部150は、車両900の位置情報と目的地の位置情報とを照合して、車両900が目的地に到着したか否かを判断する(ステップS19)。車両900が目的地に到着したと判断しない場合(ステップS19:No)、制御部150は、ステップS10に戻る。一方、車両900が目的地に到着したと判断した場合(ステップS19:Yes)、制御部150は、一連の処理を終了させる。
【0040】
一方、ステップS14において、注目車両が検出されたと判断された場合(ステップS14:Yes)、制御部150の経路設定部154cは、回避経路を設定する(ステップS15)。なお、回避経路を生成する処理の詳細については後述する。
【0041】
経路設定部154cが回避経路を設定した後、制御部150は、車両900が経路通りに通行しているか否かを判断する(ステップS16)。車両900が回避経路通りに通行していると判断されない場合(ステップS16:No)、制御部150は、ステップS15に戻り、回避経路を再設定する(ステップS15)。一方、車両900が回避経路通りに通行していると判断された場合(ステップS16:Yes)、制御部150は、ステップS17に進む。
【0042】
ステップS17において、制御部150の経路設定部154cは、任意の時刻における車両900と注目車両の推定位置との間隔D1が閾値Dthより大きいか否かを判断する(ステップS17)。閾値Dthは、例えば、車両900と注目車両とが互いに目視で確認でき、直ぐに接近できる程度距離である。具体的には、閾値Dthは、例えば100m以下の距離である。間隔D1が閾値Dthより大きくない場合(ステップS17:No)、回避経路を通行する車両900は、回避経路と案内経路とが合流した後に、通行経路上で注目車両と再び遭遇する可能性が高い。そこでこの場合、制御部150は、ステップS15に戻り、再び回避経路を設定する。一方、間隔D1が閾値Dthより大きい場合(ステップS17:Yes)、回避経路を通行する車両900は、回避経路と案内経路とが合流した後に、通行経路上で注目車両と再び遭遇する可能性が低い。そこでこの場合、制御部150は、ステップS18に進む。
【0043】
ステップS18において、制御部150は、車両900の位置情報と目的地の位置情報とを照合して、車両900が目的地に到着したか否かを判断する(ステップS18)。車両900が目的地に到着したと判断しない場合、制御部150は、ステップS16に戻る。一方、車両900が目的地に到着したと判断した場合、制御部150は、一連の処理を終了させる。
【0044】
次に、図4を参照して回避経路設定処理について説明する。図4は、運転支援システムが行う処理を示す第2のフローチャートである。図4に示すフローチャートは、図3で示したステップS15の詳細な処理を含む具体例である。すなわち図4に示す処理は、車両900が注目車両を検出した後に開始される。
【0045】
まずステップS150において、制御部150は、注目車両が車両900の前方に存在しているか否かを判断する(ステップS150)。注目車両が車両900の前方に存在していると判断した場合(ステップS150:Yes)、制御部150は、ステップS151に進む。一方、注目車両が車両900の前方に存在していない、即ち後方に存在していると判断した場合(ステップS150:No)、制御部150は、ステップS155に進む。
【0046】
ステップS151において、制御部150の経路設定部154cは、地図情報等から回避経路を検索する(ステップS151)。ここで、経路設定部154cは、注目車両が案内経路を通行し続けると想定し、注目車両の後方に位置する車両900を一旦案内経路とは異なる経路に導くための経路を検索する。このような経路を検索することにより、ナビゲーションシステム100は、車両900を積極的に注目車両と異なる道路へ誘導する。
【0047】
次に、経路設定部154cは、車両900の前方に存在する注目車両の位置を推定する(ステップS152)。そして経路設定部154cは、車両900が検索した経路を通行した場合に、車両900と注目車両とが、検索した経路において予め設定された距離または時間の間隔より近付かないか否かを算出する。
【0048】
次に制御部150の経路設定部154cは、検索した回避経路により注目車両が回避可能か否かを判断する(ステップS153)。注目車両が回避可能か否かは、検索した経路を通行した場合における注目車両の推定位置との間隔が予め設定された値より大きいか否かにより判断する。注目車両が回避可能と判断した場合(ステップS153:Yes)、経路設定部154cは、検索した経路を回避経路として設定し、(ステップS154)回避経路設定処理を終了させる。一方、注目車両が回避可能と判断しない場合(ステップS153:No)、経路設定部154cは、検索した経路を回避経路として設定せず、ステップS155に進む。
【0049】
ステップS155において、制御部150は、交通情報を取得する(ステップS155)。さらに、制御部150は、取得した交通情報から車両900が通行している位置の周辺に混雑路があるか否かを判断する(ステップS156)。
【0050】
車両900が通行している位置の周辺に混雑路がある場合(ステップS156:Yes)、制御部150の経路設定部154cは、混雑路を経由する回避経路を設定し(ステップS157)、回避経路設定処理を終了させる。注目車両が車両900の後方を走行し、車両900に対して煽り運転を行っている場合において、注目車両が混雑路に侵入して低速走行することは、注目車両の運転者の精神を平穏にさせる効果が期待できる。
【0051】
一方、ステップS156において、車両900が通行している位置の周辺に混雑路がない場合(ステップS156:No)、制御部150は、施設情報を取得し(ステップS158)、待機施設を検索する。そして経路設定部154cは、待避施設を経由する回避経路を設定し(ステップS159)、回避経路設定処理を終了させる。
【0052】
以上、回避経路設定処理について説明したが、回避経路設定処理は、上述の処理に限られない。ステップS151およびステップS152は、処理の順序を問わない。またステップS153において回避可能と判断しない場合、ステップS151に戻ってもよい。ステップS155~ステップS157の処理またはステップS158およびステップS159の処理は少なくともいずれか一方が適宜省略されてもよい。
【0053】
次に、図5を参照して、上述のステップS150において、注目車両が車両900の前方に存在していると判断した場合の状況について具体的に説明する。図5は、運転支援システムが表示する案内経路の第1の例を示す図である。図5に示す画面200は、ナビゲーションシステム100の表示部160に表示されることにより運転者に提示される地図画面の例である。
【0054】
画面200は、車両900が通行している場所の道路情報が太い実線により表示されている。画面200に示す地図は、図面の上方が北方であり、図面の下方が南方である。画面200の中央下部には通行中の車両900がアイコンとして表示されている。図に示された車両900は、画面中央下部から上方(すなわち北方)に向いて通行している状況を示している。また画面200の左上部には、運転者が設定した目的地201に、チェッカーフラッグを模したアイコンが重畳された状態で表示されている。
【0055】
画面200の右下部にグレーの矢印により示した第1渋滞情報220および画面200の左下部等に黒い矢印により示した第2渋滞情報221は、それぞれ矢印の方向に向かう車線が渋滞していることを示している。第1渋滞情報220は走行速度が時速10~30キロメートル程度の領域である。第2渋滞情報221は、走行速度が時速10キロメートル以下の領域である。ナビゲーションシステム100は、このような渋滞情報も加味したうえで案内経路を生成する。
【0056】
車両900から目的地201までを結ぶ白い帯状の折れ線は、車両900を目的地201まで導くための案内経路210である。案内経路210は、道路に重なるように表示されている。したがって、車両900は、案内経路210にしたがった場合、図5に示された画面200の中央下部から北上して交差点P10を直進した後に、T字路で左折し、少し進んだ後に交差点P11で右折する。運転者は、画面200に表示された地図画面および地図画面に重畳された車両900および案内経路210を視認しながら目的地201へ向かっている。
【0057】
このような状況にあって、図5は、さらに、ナビゲーションシステム100が車両900の前方に注目車両を検出したことを示している。車両900の前方に存在する黒い矩形のアイコンは注目車両800を示している。制御部150は、上述の状況において、ステップS151に進む。
【0058】
図6は、運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第1の図である。図6に示す画面200は、制御部150が回避経路を設定した状態、すなわち図4に示したステップS151からステップS154までが終了した状態を示している。図に示す帯状の折れ線は、経路設定部154cが生成した回避経路211である。また図5に示していた案内経路の部分に示された点線は、注目車両800の単位時間当たりの推定位置を示している。
【0059】
回避経路211は、図に示した交差点P10において注目車両800の進行経路と異なる経路が選択されている。したがって、回避経路211にしたがって通行した場合、車両900は、前方の交差点P10で左折して、注目車両800と異なる道路を通行する。また回避経路211は、図に示したT字路P12において注目車両800と再び遭遇する可能性がある。そこで、経路設定部154cは、車両900がT字路P12を通過する時刻と、注目車両800がT字路P12を通過する時刻とをそれぞれ算出する。そして、経路設定部154cは、それぞれの時刻の差が予め設定された間隔よりも離れていることを条件として回避経路211を設定している。このような処理を行うことにより、ナビゲーションシステム100は、注目車両800と再び遭遇する可能性を抑制できる。
【0060】
次に、図7を参照して、回避経路を再設定する場合について説明する。図7は、運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第2の図である。図7の画面200は、図6に示した状況の後、回避経路211を通行した車両900がT字路P12を通過する前の状況を示している。図3を参照して説明したように、ナビゲーションシステム100は、車両900が回避経路を通行している間、目的地に到着するまでの間、ステップS16およびステップS17を実行する。図6に示した回避経路211を車両900が通行している間に、交通量の変化等によりT字路P12を通過する時刻が変わる場合がある。図7に示した例は、上述のステップS17を実行した制御部150が経路R11を選択してT字路P12へ向かうと、間隔D1が閾値Dth以下になると判断した場合の例を示している。
【0061】
制御部150がこのような判断をした場合、制御部150は、図3のステップS17からステップS15に移動する。そして、制御部150は、図7に示した例の場合、経路R11に代えて、経路R12を通行することにより、注目車両800の推定値との間隔D1が閾値Dthより大きくなることを算出する。そこで、制御部150は、回避経路212を生成し、生成した回避経路212を表示部160に表示させる。このような処理を実現することにより、ナビゲーションシステム100は、動的に注目車両800と遭遇する可能性を抑制できる。
【0062】
次に、図8を参照して、車両900の後方に注目車両が存在する場合の回避経路の例について説明する。図8は、運転支援システムが表示する案内経路の第2の例を示す図である。図8は、注目車両800が車両900の後方に存在する点が、図5に示した状況と異なる。制御部150は、車両900の後方に注目車両800を検出する。制御部150は、図4に示したステップS150から、ステップS155に進む。
【0063】
図9を参照して、注目車両が後方に存在する場合に、混雑路を経由する回避経路を通行する場合について説明する。図9は、運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第3の図である。図9に示す画面200は、ステップS155に進んだ制御部150が周辺の混雑路を検索した結果、ステップS157において回避経路を設定した後の状況を示している。この場合、経路設定部154cは、車両900の周辺の交通情報から、第1渋滞情報220と第2渋滞情報221とを検索し、第1渋滞情報220を経由する回避経路213を設定する。
【0064】
車両900は、前方の交差点P10を右折して、混雑路を通過するとともに、交差点P14で左折し、さらに交差点P15で左折する経路を通行する。この場合、注目車両800は、車両900を追尾して交差点P10を右折する可能性がある。しかし、車両900が混雑路を通過することにより、注目車両800の走行速度を制限させることができる。そのため、ナビゲーションシステム100は、車両混雑路を通行する間に、注目車両800の運転者の気持ちが高揚するのを抑える効果を有することが期待できる。
【0065】
次に、図10を参照して、注目車両が後方に存在する場合に、待避施設を経由する回避経路を通行する場合について説明する。図10は、運転支援システムが表示する回避経路の例を示す第4の図である。
【0066】
図10に示す画面200は、ステップS158に進んだ制御部150が周辺の待避施設を検索した結果、ステップS159において回避経路を設定した後の状況を示している。この場合、経路設定部154cは、車両900の周辺の施設情報から、待避施設205を検索し、待避施設205を経由する回避経路214を設定する。
【0067】
車両900は、前方の交差点P10を直進後にT字路P16を右折して、待避施設205へ向かう。ナビゲーションシステム100は、車両900に対して、待避施設205で所定時間停車することを提案してもよい。注目車両800は、車両900を追尾してT字路P16を右折する可能性がある。しかし、待避施設205に車両900が留まることにより、注目車両800が車両900の追尾を諦めることが期待される。
【0068】
以上、実施の形態について説明したが、実施の形態にかかる運転支援システムの構成は、上述のものに限られない。例えば、運転支援システムは、図2に示した制御部150を指すものであり、その他の構成は含まれないものであってもよい。運転支援システムの一実施態様であるナビゲーションシステム100は、図1に示したように自動車に組み込まれる態様ではなく、1個の装置としての形態を成すものであってもよい。
【0069】
運転支援システムは、前方カメラ130または後方カメラ140が撮影する画像を記録する記録装置をさらに有していてもよい。その場合、例えば、運転支援システムは、注目車両を検出した場合に、検出した注目車両を撮影した撮影データを記録してもよい。制御部150は一体となった構成に限られず、複数の装置が通信可能に接続されることにより実現されてもよい。制御部150は、無線通信機能をさらに有し、車両900とは異なる位置に存在するコンピュータなどの演算装置により実現されるものであってもよい。すなわち、運転支援システムは、前方カメラ130や後方カメラ140が生成する撮影データ、測位情報および交通情報を通信装置により取得できる演算装置を有するものであってもよい。つまり、運転支援システムは、ナビゲーション機能を有するスマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどであってもよい。
【0070】
周辺車両情報取得部153が取得する周辺車両情報は、撮影データに代えて、または、撮影データに加えて、レーザや赤外光を利用した測距センサが生成する情報であってもよい。すなわち、前方カメラ130および後方カメラ140は、これらに代えて、または、これらに加えて、測距センサであってもよい。
【0071】
以上に説明したとおり、実施の形態によれば、危険を回避する経路を動的且つ柔軟に提示する運転支援システム等を提供することができる。
【0072】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、および電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線および光ファイバ等の有線通信路、または無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 ナビゲーションシステム
110 測位情報受信部
120 交通情報受信部
130 前方カメラ
140 後方カメラ
150 制御部
150B バス
151 位置検出部
152 交通情報取得部
153 周辺車両情報取得部
154 演算部
154a 解析部
154b 注目車両検出部
154c 経路設定部
155 表示制御部
156 操作制御部
157 音声制御部
158 地図情報取得部
160 表示部
170 操作部
180 スピーカ
190 地図情報記憶部
200 画面
201 目的地
205 待避施設
210 案内経路
211、212、213、214 回避経路
800 注目車両
900 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10