IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特許-スピーカ 図1
  • 特許-スピーカ 図2
  • 特許-スピーカ 図3
  • 特許-スピーカ 図4
  • 特許-スピーカ 図5
  • 特許-スピーカ 図6
  • 特許-スピーカ 図7
  • 特許-スピーカ 図8
  • 特許-スピーカ 図9
  • 特許-スピーカ 図10
  • 特許-スピーカ 図11
  • 特許-スピーカ 図12
  • 特許-スピーカ 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】スピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20230912BHJP
   H04R 7/14 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
H04R9/06 Z
H04R7/14 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019156683
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021034998
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】窪田 峰浩
(72)【発明者】
【氏名】高畠 康成
(72)【発明者】
【氏名】根岸 祐二
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和幸
【審査官】上田 雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-262091(JP,A)
【文献】特開平11-205895(JP,A)
【文献】実開昭56-085488(JP,U)
【文献】特開平11-355878(JP,A)
【文献】特開2009-206808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の孔が形成された第1の振動板と、
前記第1の振動板における音を放出する方向側に配置された第2の振動板と、
前記第1及び第2の振動板を振動させる、磁気回路とボイスコイルとによって構成される駆動部と、
を備え、
前記第2の振動板は、前記1または複数の孔のうちの少なくとも1つの孔に対向する位置に、前記第2の振動板に形成されている凹部または凸部よりなる前記第2の振動板の剛性が強化された剛性強化部を有するスピーカ。
【請求項2】
前記剛性強化部は、前記第2の振動板における前記第1の振動板と対向する面に形成されている請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記剛性強化部は、前記第2の振動板に形成されている折り曲げ形状である請求項2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記剛性強化部は、前記第2の振動板の径方向及び周方向の双方に凹形状または凸形状を有する請求項2または3記載のスピーカ。
【請求項5】
前記第1の振動板には、径方向の所定の位置に、周方向に所定の間隔で配置された複数の孔が形成されており、
前記剛性強化部は、前記複数の孔が形成されている径方向の位置に対応して、周方向の全周に渡って連続的に形成されている
請求項1~4のいずれか1項に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記第1の振動板には、径方向の所定の位置に、nを3以上として、周方向に等間隔にn個の孔が形成されており、
前記第2の振動板には、前記n個の孔が形成されている径方向の位置に対応して、前記剛性強化部として、n角形の折り曲げ形状が形成されており、
前記n角形の折り曲げ形状の角部は、前記n個の孔それぞれと対向している
請求項1に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記角部は、前記第2の振動板の径方向及び周方向の双方に凹形状または凸形状を有する請求項6に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記第1の振動板に形成された各孔の周囲に壁部が形成されている請求項1~7のいずれか1項に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記第2の振動板は、前記第1の振動板を覆って前記第1の振動板を保護するキャップである請求項1~8のいずれか1項に記載のスピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブウーハ等のスピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカの一例であるサブウーハは、振動板の振動量(ストローク)が大きい(特許文献1参照)。振動板をスムーズに動かすために、振動板に空気を逃がす孔が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-21693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動板の中央部にはボイスコイルボビンを通すための開口が形成されている。振動板(第1の振動板)の表面には、開口を覆うようにキャップ(第2の振動板)が取り付けられている。振動板に空気を逃がす孔が設けられているスピーカにおいては、振動板が振動したときに孔を通ってキャップに当たる空気が歪を発生させ、音質を悪化させることがある。
【0005】
本発明は、第1の振動板に設けられている孔を通る空気が第2の振動板に当たっても歪が発生しにくく、音質を向上させることができるスピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1または複数の孔が形成された第1の振動板と、前記第1の振動板における音を放出する方向側に配置された第2の振動板と、前記第1及び第2の振動板を振動させる、磁気回路とボイスコイルとによって構成される駆動部とを備え、前記第2の振動板は、前記1または複数の孔のうちの少なくとも1つの孔に対向する位置に、前記第2の振動板に形成されている凹部または凸部よりなる前記第2の振動板の剛性が強化された剛性強化部を有するスピーカを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスピーカによれば、第1の振動板に設けられている孔を通る空気が第2の振動板に当たっても歪が発生しにくく、音質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のスピーカを示す断面図である。
図2】外周端部にエッジが固着された振動板を示す斜視図である。
図3】キャップを表面側から見た斜視図である。
図4】キャップを表面側から見た平面図である。
図5】キャップの側面図である。
図6図4のA-A断面図である。
図7】キャップの境界部における辺と角部との高さ方向の位置関係を概念的に示す図である。
図8】エッジが固着された振動板にキャップを固着した状態を表面側から見た斜視図である。
図9】キャップが固着された振動板を表面側から見た平面図である。
図10】キャップが固着された振動板の側面図である。
図11図9のA-A断面図である。
図12】振動板の孔を通った空気がキャップに形成された境界部の角部に当たって流れる様子を示す部分断面図である。
図13】振動板の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態のスピーカについて、添付図面を参照して説明する。図1において、一実施形態のスピーカ100は、フレーム1、振動板2、キャップ3、ボイスコイルボビン4、ボイスコイル5、ダンパ6、ヨーク7、永久磁石8、トッププレート9、エッジ10を備える。フレーム1は金属板によって構成されている。振動板2は、合成樹脂等の任意の材料によってコーン形状に形成されている。振動板2の外周端部はエッジ10に固着され、内周部は円筒状のボイスコイルボビン4に固着されている。ボイスコイルボビン4の外周面には、ボイスコイル5が巻かれている。振動板2には、複数の孔2bが形成されている。
【0010】
エッジ10は環状の弾性変形部材であり、フレーム1の外周端部に固着されている。キャップ3は振動板2における音を放出する方向(放音方向)側に配置されており、振動板2の全体を覆っている。エッジ10に固着された振動板2の外周端部に、キャップ3の外周端部が固着されている。即ち、キャップ3の外周端部は間接的にエッジ10に固着されている。キャップ3は、合成樹脂等の任意の材料によって形成されている。振動板2とキャップ3とは、エッジ10に固着されている部分を除き、振動板2の振動方向(放音方向またはその反対方向)に離隔している。キャップ3は振動板2を保護し、ボイスコイルボビン4の内部にごみ等が侵入することを防止する。
【0011】
キャップ3の外周端部は、振動板2の外周端部に固着される構造に限定されず、キャップ3の外周端部は、振動板2の径方向に任意の位置に固着されてもよい。換言すると、キャップ3は振動板2の全体を覆わず、一部を覆う形状であってもよい。
【0012】
ダンパ6は蛇腹状の弾性変形部材からなり、フレーム1とボイスコイルボビン4とを連結している。ヨーク7、永久磁石8、及びトッププレート9は、振動板2及びキャップ3を振動させる磁気回路を構成している。永久磁石8及びトッププレート9は円環状であり、ヨーク7に挿通されている、トッププレート9は、フレーム1に固定されている。ボイスコイル5は、ヨーク7と、トッププレート9との間のギャップ部に配置されている。
【0013】
ボイスコイル5に外部から音声信号に応じた電流が供給されると、磁気回路によって形成された静磁場内で電流が流れるため、ボイスコイル5にフレミングの左手の法則に従った力が発生する。この力により、振動板2及びキャップ3は、ボイスコイルボビン4及びボイスコイル5と共に、図1に示す両矢印Dr1方向に振動する。換言すると、磁気回路及びボイスコイル5によって駆動部が構成される。キャップ3も実質的に振動板として機能する。振動板2を第1の振動板とすると、キャップ3は第2の振動板である。
【0014】
図2は、外周端部にエッジ10が固着された振動板2を示す。振動板2には、中央に位置する円形の開口2aと、複数の孔2bが形成されている。開口2aにはボイスコイルボビン4が固着される。一例として、振動板2には、径方向の所定の位置に、周方向に等間隔に8つの孔2bが形成されている。8つの孔2bは同一円周上に位置する。
【0015】
振動板2の振動によって振動板2が放音方向、即ち、ヨーク7から離れる方向に変位すると、振動板2、キャップ3、及びボイスコイルボビン4によって作られる空間が広がる。すると、振動板2の裏面側の空気は孔2bを通ってキャップ3が配置されている表面側である、振動板2、キャップ3、及びボイスコイルボビン4によって作られる空間へと流入する。振動板2が放音方向とは反対方向、即ち、ヨーク7側に変位すると、上記の空間が縮み、この空間に存在していた振動板2の表面側の空気が裏面側へと流れる。
【0016】
振動板2に形成された孔2bは通気孔の役割を果たし、振動板2にかかる空気抵抗が緩和される。よって、振動板2はスムーズに振動する。スピーカ100は、振動板2を大きなストロークでスムーズに動かすことができる。
【0017】
図3はキャップ3を表面側から見た斜視図、図4はキャップ3を表面側から見た平面図、図5はキャップ3の側面図、図6図4のA-A断面図である。図3図6に示すように、キャップ3は外周部3Aと内周部3Bとを有する。図3及び図4に示すように、外周部3Aと内周部3Bとの間には、八角形状の境界部3Cが形成されている。境界部3Cは、8つの辺31と8つの角部32とを有する、剛性の強化部である。
【0018】
境界部3Cは正八角形でなくてもよいが、振動板2に周方向に等間隔に形成された8つの孔2bに応じて正八角形とするのがよい。境界部3Cを正八角形とすると、空気の流れが周方向で一定となり、振動板2及びキャップ3がバランスよく振動することが可能となる。境界部3Cは、振動板2に形成された孔2bを通って流れる空気がキャップ3に当たる位置、即ち、孔2bに対向する位置に形成されているのがよい。
【0019】
振動板2に8つの孔2bが形成されているため、境界部3Cは八角形状であるのがよい。振動板2に同一円周上に等間隔に配置された6つの孔2bが形成されていれば、境界部3Cは六角形状であるのがよく、振動板2に同一円周上に等間隔に配置された10個の孔2bが形成されていれば、境界部3Cは十角形状であるのがよい。孔2bの数nを3以上として境界部3Cをn角形とするのがよい。孔2bの数nは1または2であってもよい。
【0020】
図5及び図6に示すように、境界部3Cは、外周部3Aと内周部3Bと間に存在する折り曲げ形状である。キャップ3は合成樹脂による一体成型によって形成されており、境界部3Cの折り曲げ形状とは折り曲げられたような形状を有するということである。境界部3Cは、振動板2と対向するキャップ3の裏面において、キャップ3の中心部から外周端部までの径方向の途中に存在する凹部となっている。換言すると、境界部3Cは、キャップ3の表面側に突出する凸部となっている。
【0021】
図7は、境界部3Cにおける辺31と角部32との高さ方向の位置関係を概念的に示している。図7の上方向が放音方向である。図7に示すように、八角形状の境界部3Cは、辺31の中央部から角部32に近付くに従って順に高くなり、角部32が最も高い位置にある。即ち、キャップ3の裏面において角部32は境界部3Cの周方向に存在する凹部となっており、キャップ3の表面側に突出する凸部となっている。
【0022】
以上より分かるように、八角形状の境界部3Cの各角部32は、キャップ3の裏面において、キャップ3の径方向及び周方向の双方に凹形状を有している。角部32はキャップ3の径方向及び周方向の双方に凹形状を有することが好ましいが、径方向のみ凹形状を有してもよい。
【0023】
境界部3Cは折り曲げ形状を有することによって境界部3C以外の外周部3A及び内周部3Bと比較して、剛性が強化されている。即ち、境界部3C(辺31及び角部32)は、キャップ3の剛性が強化された剛性強化部である。境界部3Cよりなる剛性強化部は周方向の全周に渡って連続的に形成されているので、周方向に離散的に剛性強化部が形成されている形状よりも剛性が強化される。
【0024】
ここで、1つの孔2bと、その孔2bに対向する剛性強化部に着目して空気の流れの様子を説明する。上記のように、剛性強化部である境界部3Cは、振動板2に形成された孔2bを通って流れる空気がキャップ3に当たる位置に形成されている。この構造により、空気が吹き付けられることによるキャップ3の余計な振動を抑制して、音質の悪化を防ぐことができる。吹き付けられた空気は、キャップ3の径方向に向かって流れ、また、キャップ3裏面側の境界部3Cの溝に沿って周方向に向かって流れる。即ち、境界部3Cは、孔2bを通って流れる空気を径方向及び周方向に整流することができる。
【0025】
また、角部32は境界部3C上に等角度間隔に配置されているので、振動板2とキャップ3によって作られる空間の内部全体において、各角部を中心とする偏りのないバランスの取れた空気の流れが生成される。よって、振動板2が振動する際の空気の流れの乱れによる空気抵抗を低減させることができる。
【0026】
キャップ3に設ける剛性強化部は、キャップ3の裏面において凹形状に限定されず、凸形状であってもよい。凸形状は折り曲げ形状であってもよいし、リブにより形成されてもよい。キャップ3の厚みを変化させて、キャップ3の表面において凸形状または裏面において凸形状としてもよい。
【0027】
振動板2に形成されている孔2bが1つである場合、孔2bを円周上に等間隔に配置できないため、振動板2とキャップ3の間の空気の流れが周方向で乱れやすくなる。また、孔2bの数が1つまたは2つのように少ない場合、多くの孔2bが形成されている場合と比較して、各孔2bで通気される空気の量が多くなり、流速が速くなる。これらの理由により、孔2bの数が少ない場合には、境界部3Cの剛性をより強化するのがよい。具体的には、境界部3Cにおける、孔2bと対向する角部32の高さを高くしたり、太いリブによって境界部3Cを形成したりするのがよい。
【0028】
図8は、図2に示すエッジ10が固着された振動板2にキャップ3を固着した状態を表面側から見た斜視図、図9はキャップ3が固着された振動板2を表面側から見た平面図、図10はキャップ3が固着された振動板2の側面図、図11図9のA-A断面図である。図9に示すように、振動板2とキャップ3とは、振動板2に形成された8つの孔2bと、キャップ3における境界部3Cの8つの角部32とが対向するように両者が接合されている。
【0029】
図9に示すように、全ての孔2bに角部32等の剛性強化部を対向させるのがよいが、複数の孔2bのうちの一部の孔2bに角部32等の剛性強化部を対向させてもよい。
【0030】
振動板2の振動によって振動板2がヨーク7から離れる側に変位すると、振動板2の裏面側の空気は孔2bを通ってキャップ3が配置されている表面側であり、振動板2とキャップ3との間の空間へと流れる。図12において、孔2bを通って振動板2の表面側へと流れる矢印で示す空気は角部32に吹き付けられる。角部32は折り曲げ形状を有することによって剛性が強化されているため、空気が吹き付けられてもキャップ3の歪が発生しにくく、音質を悪化させにくい。よって、スピーカ100によれば音質を向上させることができる。
【0031】
さらに、角部32は径方向及び周方向の双方に凹形状を有するので、角部32に吹き付けられた空気は、径方向の下方及び上方に分散して流れやすくなり、かつ、周方向にも分散して流れやすくなる。よって、孔2bを通った空気がキャップ3に当たっても歪を発生させにくいので、音質を悪化させにくく、音質を向上させることができる。
【0032】
角部32を径方向及び周方向の双方の突形状とすれば、角部32に吹き付けられた空気をさらに径方向の下方と上方、及び周方向に分散して流れやすくすることができる。
【0033】
図13は振動板2の変形例を示す。図13図12と同様の断面図である。振動板2の各孔2bの周囲には、角部32の方向に向かって突出する壁部2cが形成されている。壁部2cがない場合、孔2bの縁で孔2bを通過する空気の剥離現象が発生して空気の流れが乱れる。空気流の乱れは振動板2の振動に対する抵抗となり、振動板2の振動に乱れを引き起こす。また、不規則な空気の動きは異音の原因となる。
【0034】
図13に示すように孔2bの周囲に形成した壁部2cは、振動板2に孔2bを形成することによる局所的な剛性低下を抑制し、さらに、孔2bを通過する空気流を整流する。よって、振動板2が振動する際の乱れた空気流による異音の発生を抑制でき、孔2bから流入する空気をスムーズに境界部3Cへと導くことができる。
【0035】
ここで、孔2bの縁近傍の空気の流れの様子を考える。図12では孔2bを通った空気が角部32に直進するように図示しているが、空気は振動板2の面と直交する方向に流出入することもある。壁部2cを設けることにより、孔2bの縁において渦を巻くよう乱れる空気の流れを角部32の方向に向けて流入させることができ、空気の流出入の抵抗を少なくすることができる。
【0036】
壁部2cは、振動板2が放音方向に移動する際に特に効果を発揮する。振動板2が放音方向に移動すると空気は振動板2とキャップ3との間の空間へと吸い込まれ、壁部2cは振動板2の表面側での空気の乱れを抑制する。空気は、振動板2の裏面側から孔2bへと流入する際には乱れず、振動板2の表面側へと流れて振動板2とキャップ3との間の空間へと流入する際に渦を巻くように乱れる。壁部2cを設けることにより、空気の流れを抑制することができる。壁部2cを振動板2の裏面側へと突出させてもよい。壁部2cを振動板2の裏面側へと突出させると、振動板2が放音方向とは反対方向に移動して、振動板2とキャップ3との間の空間から振動板2の裏面側へと流出する空気の流れの乱れを抑制することができる。
【0037】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。スピーカ100はサブウーハに限定されるものではない。複数の孔2bに対応させて、キャップ3に局所的な円錐状の凹部または凸部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 フレーム
2 振動板(第1の振動板)
2b 孔
2c 壁部
3 キャップ(第2の振動板)
3A 外周部
3B 内周部
3C 境界部(剛性強化部)
4 ボイスコイルボビン
5 ボイスコイル
6 ダンパ
7 ヨーク(磁気回路)
8 永久磁石(磁気回路)
9 トッププレート(磁気回路)
31 辺(剛性強化部)
32 角部(剛性強化部)
100 スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13