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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
H04N1/04 106Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019158810
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021040189
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】白木 聖二
(72)【発明者】
【氏名】宇根 清
(72)【発明者】
【氏名】三須 長政
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕士郎
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-174151(JP,A)
【文献】特開2019-134281(JP,A)
【文献】実開昭52-085334(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と主走査線毎に画像を読み取る読み取りセンサーを有する第1読み取り手段と、光源と主走査線毎に画像を読み取る読み取りセンサーを有する第2読み取り手段を対面の位置に配置し、該第1読み取り手段と該第2読み取り手段の間に用紙を通過させることによって、該用紙の両面を読み取り可能に構成した画像処理装置であって、
前記画像処理装置はプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
前記第1読み取り手段の光源と前記第2読み取り手段の光源を点灯し、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第1の制御処理を行い、
前記第1読み取り手段の光源を点灯し、前記第2読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第2の制御処理を行い、
前記第1の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように、第3の制御処理を行い、
前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、該用紙のパンチ穴を検出する、検出処理を行い、
前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、修正処理を行う、
画像処理装置。
【請求項2】
前記第の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を補正する、補正処理を行う、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正処理は、第2の制御処理によって前記用紙が読み取られている間の主走査の画像として、予め定められた値の画像を、前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた画像に挿入する、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補正処理は、前記予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正する、
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像内の予め定められた値以上に明るい画素が分布する領域をパンチ穴として検出する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を、副走査方向に、前記予め定められた間隔にしたがって拡大して、前記用紙のパンチ穴を検出する、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2読み取り手段の光源を点灯し、前記第1読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第4の制御処理を行い、
前記第3の制御処理は、前記第1の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2の制御処理と前記第4の制御処理の制御を交互に行って、前記用紙を読み取るように制御し、
前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像及び前記第4の制御処理によって制御された前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、前記用紙のパンチ穴を検出し、
前記修正処理は、前記第1の制御処理によって制御された前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
用紙の片面の読み取りを行う指示があった場合、前記修正処理は、前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
光源と主走査線毎に画像を読み取る読み取りセンサーを有する第1読み取り手段と、光源と主走査線毎に画像を読み取る読み取りセンサーを有する第2読み取り手段を対面の位置に配置し、該第1読み取り手段と該第2読み取り手段の間に用紙を通過させることによって、該用紙の両面を読み取り可能に構成した画像処理装置を制御するコンピュータを、
前記第1読み取り手段の光源と前記第2読み取り手段の光源を点灯し、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように制御する第1制御手段と、
前記第1読み取り手段の光源を点灯し、前記第2読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように制御する第2制御手段と、
前記第1制御手段の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2制御手段の制御によって前記用紙を読み取るように制御する第3制御手段と、
前記第2制御手段によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、前記用紙のパンチ穴を検出する検出手段と、
前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1制御手段によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出手段によって検出されたパンチ穴の領域を修正する修正手段
として機能させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿の画像データにおいて、原稿を読み取った画素と、原稿を読み取っていない画素と、を正確に判別することを課題とし、画像読取装置は、一方側で原稿が搬送されるコンタクトガラス、一方側に向けて光を照射する第1ランプ、第1ランプが照射した原稿の反射光が入射されるイメージセンサー、第1ランプが照射しコンタクトガラスを通過した光が入射される光吸収部材、イメージセンサーに光を照射する第2ランプ、原稿を読み取るとき、第1期間では第1ランプを点灯し第2ランプを消灯し、第2期間では第2ランプを点灯し第1ランプを消灯する制御部、第1期間の読み取りで得られた第1画像データと第2期間の読み取りで得られた第2画像データに基づき、第1画像データの各画素が、原稿を読み取った画素か、原稿を読み取っていない画素かを判定する判定部を含むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-085696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つの光源を利用して用紙の両面を読み取り、パンチ穴の領域を修正する場合に、用紙に対して片方の光源のみを点灯する構成では、1つの主走査の読み取り期間を2つの期間に分けて読み取りを行うことになる。
そのため、パンチ穴の領域を修正する場合には、通常の読み取りに対して2倍の時間がかかってしまうことになる。
そこで本発明は、表面の光源と裏面の光源を利用して用紙の両面を読み取り、パンチ穴の領域を修正する場合に、用紙に対して片方の光源のみを点灯し、1つの主走査の読み取り期間を2つの期間に分けて読み取りを行う場合に比べ、短い読み取り時間でパンチ穴の領域を修正することができる画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、光源と読み取りセンサーを有する第1読み取り手段と、光源と読み取りセンサーを有する第2読み取り手段を対面の位置に配置し、該第1読み取り手段と該第2読み取り手段の間に用紙を通過させることによって、該用紙の両面を読み取り可能に構成した画像処理装置であって、前記画像処理装置はプロセッサを有し、前記プロセッサは、前記第1読み取り手段の光源と前記第2読み取り手段の光源を点灯し、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第1の制御処理を行い、前記第1読み取り手段の光源を点灯し、前記第2読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第2の制御処理を行い、前記第1の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように、第3の制御処理を行い、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、該用紙のパンチ穴を検出する、検出処理を行い、前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、修正処理を行う、画像処理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記第1の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を補正する、補正処理を行う、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記補正処理は、第2の制御処理によって前記用紙が読み取られている間の主走査の画像として、予め定められた値の画像を、前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた画像に挿入する、請求項2に記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記補正処理は、前記予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正する、請求項3に記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像内の予め定められた値以上に明るい画素が分布する領域をパンチ穴として検出する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を、副走査方向に、前記予め定められた間隔にしたがって拡大して、前記用紙のパンチ穴を検出する、請求項5に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記第2読み取り手段の光源を点灯し、前記第1読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように、第4の制御処理を行い、前記第3の制御処理は、前記第1の制御処理の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2の制御処理と前記第4の制御処理の制御を交互に行って、前記用紙を読み取るように制御し、前記検出処理は、前記第2の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像及び前記第4の制御処理によって制御された前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、前記用紙のパンチ穴を検出し、前記修正処理は、前記第1の制御処理によって制御された前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1の制御処理によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項8の発明は、用紙の片面の読み取りを行う指示があった場合、前記修正処理は、前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出処理によって検出されたパンチ穴の領域を修正する、請求項1に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項9の発明は、光源と読み取りセンサーを有する第1読み取り手段と、光源と読み取りセンサーを有する第2読み取り手段を対面の位置に配置し、該第1読み取り手段と該第2読み取り手段の間に用紙を通過させることによって、該用紙の両面を読み取り可能に構成した画像処理装置を制御するコンピュータを、前記第1読み取り手段の光源と前記第2読み取り手段の光源を点灯し、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように制御する第1制御手段と、前記第1読み取り手段の光源を点灯し、前記第2読み取り手段の光源を消灯して、該第1読み取り手段の読み取りセンサーと該第2読み取り手段の読み取りセンサーによって前記用紙を読み取るように制御する第2制御手段と、前記第1制御手段の制御によって前記用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、前記第2制御手段の制御によって前記用紙を読み取るように制御する第3制御手段と、前記第2制御手段によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を用いて、前記用紙のパンチ穴を検出する検出手段と、前記第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像と、前記第1制御手段によって制御された前記第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、前記検出手段によって検出されたパンチ穴の領域を修正する修正手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の画像処理装置によれば、表面の光源と裏面の光源を利用して用紙の両面を読み取り、パンチ穴の領域を修正する場合に、用紙に対して片方の光源のみを点灯し、1つの主走査の読み取り期間を2つの期間に分けて読み取りを行う場合に比べ、短い読み取り時間でパンチ穴の領域を修正することができる。
【0015】
請求項2の画像処理装置によれば、第1の制御処理によって制御された第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を補正することができる。
【0016】
請求項3の画像処理装置によれば、第2の制御処理によって用紙が読み取られている間の主走査の画像として、予め定められた値の画像を、第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた画像に挿入することができる。
【0017】
請求項4の画像処理装置によれば、予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正することができる。
【0018】
請求項5の画像処理装置によれば、第2の制御処理によって制御された第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像内の予め定められた値以上に明るい画素が分布する領域をパンチ穴として検出することができる。
【0019】
請求項6の画像処理装置によれば、第2の制御処理によって制御された第2読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像を、副走査方向に、予め定められた間隔にしたがって拡大して、用紙のパンチ穴を検出することができる。
【0020】
請求項7の画像処理装置によれば、用紙の一方の面と他方の面の両方を用いてパンチ穴を検出することができる。
【0021】
請求項8の画像処理装置によれば、用紙の片面の読み取りを行う指示があった場合、第1読み取り手段の読み取りセンサーによって読み取られた用紙の画像に対して、パンチ穴の領域を修正することができる。
【0022】
請求項9の画像処理プログラムによれば、表面の光源と裏面の光源を利用して用紙の両面を読み取り、パンチ穴の領域を修正する場合に、用紙に対して片方の光源のみを点灯し、1つの主走査の読み取り期間を2つの期間に分けて読み取りを行う場合に比べ、短い読み取り時間でパンチ穴の領域を修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態における読み取り(A)モジュールと読み取り(B)モジュールの関係例を示す説明図である。
図4】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図5】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図6】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図7】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図8】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図9】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図10】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図11】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図15】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図16】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図17】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図18】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0025】
本実施の形態である画像処理装置100は、パンチ穴の修正機能を有しており、図1の例に示すように、読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120、制御モジュール130、検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160、出力モジュール170を有している。
具体的には、画像処理装置100は、パンチ穴がある用紙をスキャンした場合に、パンチ穴を検知して、パンチ穴を除去した電子データを生成する。いわゆるパンチ穴除去機能を有している。
用紙に対して両面から光源によって光をあてて、両方からその光を読み取るセンサーがある装置において、光源の点灯するタイミングとセンサーの光を読み取るタイミングを制御することによって、パンチ穴の除去用の画像と用紙の画像の読み取りを一回のスキャン処理で行う。
【0026】
光源112と読み取りセンサー114を有する読み取り(A)モジュール110と、光源122と読み取りセンサー124を有する読み取り(B)モジュール120を対面の位置に配置し、読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120の間で、用紙を通過させることによって、その用紙の両面を読み取り可能に構成している。
用紙の第1面の画像は、制御(A)モジュール132及び制御(B)モジュール134によって制御された場合の読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた画像で構成する。
用紙の第2面の画像は、制御(A)モジュール132によって制御された場合の読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた画像で構成する。なお、制御(B)モジュール134によって制御された場合の画像として、予め定められた値の画素を挿入する。そして、その予め定められた値の画素を、周囲の画素に基づいて補間することによって、用紙の裏面の画像全体を生成する。なお、用紙の第2面は、その用紙における前述の第1面の裏側の面である。
【0027】
読み取り(A)モジュール110は、光源112、読み取りセンサー114を有しており、制御モジュール130と接続されている。読み取り(A)モジュール110は、制御モジュール130によって制御され、用紙の第1面を読み取るための光源112、読み取りセンサー114を有している。
光源112は、用紙の第1面を照らして、その反射光を読み取りセンサー114に読み取らせる。なお、パンチ穴がある部分では、光源112が点灯した場合の光は、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られることになる。
読み取りセンサー114は、修正モジュール150と接続されている。読み取りセンサー114は、主走査線(一般的にラインと言われる)毎に画像を読み取る。具体的には、読み取りセンサー114は、光源112又は光源122が点灯した場合の光を読み取る。つまり、読み取りセンサー114は、光源112の点灯によって、用紙の第1面の反射光によって、その第1面を読み取る。また、パンチ穴がある部分では、読み取り(B)モジュール120の光源122からの光を読み取ることになる。
【0028】
読み取り(B)モジュール120は、光源122、読み取りセンサー124を有しており、制御モジュール130と接続されている。読み取り(B)モジュール120は、制御モジュール130によって制御され、用紙の第2面を読み取るための光源122、読み取りセンサー124を有している。
光源122は、用紙の第2面を照らして、その反射光を読み取りセンサー124に読み取らせる。なお、パンチ穴がある部分では、光源122が点灯した場合の光は、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られることになる。光源112、光源122として、例えば、LED(Light Emitting Diodeの略)、キセノンランプ等がある。
読み取りセンサー124は、検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160と接続されている。読み取りセンサー124は、主走査線毎に画像を読み取る。具体的には、読み取りセンサー124は、光源122の点灯によって、用紙の第2面の反射光によって、その第2面を読み取る。また、パンチ穴がある部分では、読み取り(A)モジュール110の光源112からの光を読み取ることになる。読み取りセンサー114、読み取りセンサー124として、例えば、CCDセンサー、CIS(Contact Image Sensorの略)等がある。
もちろんのことながら、用紙を読み取るために、ポリゴンミラー、反射鏡等のミラー、セルフォック(登録商標)レンズ等のレンズ等があってもよい。
【0029】
制御モジュール130は、制御(A)モジュール132、制御(B)モジュール134、制御(C)モジュール136、制御(D)モジュール138を有しており、読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120と接続されている。制御モジュール130は、読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120を制御して、用紙の両面又は片面(第1面のみ、第2面のみ)を読み取らせ、そして、パンチ穴検出用の画像を読み取らせる。
【0030】
制御(A)モジュール132は、読み取り(A)モジュール110の光源112と読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯し、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって用紙を読み取るように制御する。
具体的には、制御(A)モジュール132は、次のような制御を行う。
読み取り(A)モジュール110の光源112を点灯し、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって用紙の第1面の画像を読み取るように制御する。そして、同時に、読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯し、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって用紙の第2面の画像を読み取るように制御する。
一般の読み取り制御であって、読み取り(A)モジュール110は、用紙の第1面を読み取り、読み取り(B)モジュール120は、その用紙の第2面を読み取ることになる。つまり、読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120によって、その用紙の両面を同時に読み取ることになる。
【0031】
制御(B)モジュール134は、読み取り(A)モジュール110の光源112を点灯し、読み取り(B)モジュール120の光源122を消灯して、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって用紙を読み取るように制御する。
具体的には、制御(B)モジュール134は、次のような制御を行う。
読み取り(A)モジュール110の光源112を点灯し、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって用紙の第1面の画像を読み取るように制御する。そして、同時に、読み取り(B)モジュール120の光源122を消灯して、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって用紙を読み取るように制御する。ただし、読み取り(B)モジュール120の光源122を消灯しているので、用紙の第2面の画像を読み取るわけではなく、用紙がある場合(つまり、パンチ穴のない領域)は、暗い画像の読み取りになる。そして、パンチ穴のある部分は、読み取り(A)モジュール110の光源112が点灯されているので、読み取り(A)モジュール110の光源112の光が直接読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124に入るので、明るい画像として読み取ることになる。なお、用紙がある場合は、暗い画像になるが、用紙の厚さによっては(特に用紙が薄い場合は)、その用紙を通して読み取り(A)モジュール110の光源112の光が入ることになるので、いわゆる裏写りの状態となる。
【0032】
制御(C)モジュール136は、制御(A)モジュール132の制御によって用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、制御(B)モジュール134の制御によって用紙を読み取るように制御する。
具体的には、制御(C)モジュール136は、次のような制御を行う。
制御(C)モジュール136は、制御(A)モジュール132による読み取りと制御(B)モジュール134による読み取りのタイミングを制御する。予め定められた間隔で、制御(A)モジュール132の制御による読み取りから制御(B)モジュール134の制御による読み取りに切り替える。逆に、制御(B)モジュール134の制御による読み取りが終了したら、制御(A)モジュール132の制御による読み取りに切り替える。もちろんのことながら、制御(A)モジュール132による読み取りの期間は、制御(B)モジュール134による読み取りの期間よりも長い。一般的には、1周期における制御(A)モジュール132の制御による読み取りは複数回であるが、制御(B)モジュール134の制御による読み取りは1回である。これによって、制御(B)モジュール134による読み取りが行われている場合は、用紙の第2面の画像は読み取られていないことになるので、第1面の画像よりも第2面の画像の画質は劣化することになる。そこで、制御(B)モジュール134による読み取りが行われている場合は、その間に予め定められた値の画素を第2面の画素として挿入する。そして、その挿入した画素を周囲の画素を用いて補間することを行う。
【0033】
制御(D)モジュール138は、読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯し、読み取り(A)モジュール110の光源112を消灯して、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって用紙を読み取るように制御する。
制御(D)モジュール138を用いる場合は、制御(C)モジュール136、検出モジュール140、修正モジュール150は、以下のような処理を行う。
制御(C)モジュール136は、制御(A)モジュール132の制御によって用紙を読み取るように制御し、予め定められた間隔毎に、制御(B)モジュール134と制御(D)モジュール138の制御を交互に行って、用紙を読み取るように制御する。
検出モジュール140は、制御(B)モジュール134によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像及び制御(D)モジュール138によって制御された読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた用紙の画像を用いて、用紙のパンチ穴を検出する。
そして、修正モジュール150は、制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた用紙の画像と、制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像に対して、検出モジュール140によって検出されたパンチ穴の領域を修正する。
【0034】
さらに、用紙の片面の読み取りを行う指示があった場合、修正モジュール150は、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた用紙の画像に対して、検出モジュール140によって検出されたパンチ穴の領域を修正するようにしてもよい。
用紙の片面の読み取りを行う指示があった場合、「制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像」は対象としない。ここで「対象としない」とは、パンチ穴の領域の修正を行わないことはもちろんのことながら、複写処理にあっては複写対象としないこと、スキャン処理にあってはスキャン対象としないことをいう。より具体的には、「制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像」は記憶対象とせずに、破棄するようにしてもよい。
【0035】
検出モジュール140は、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124、修正モジュール150と接続されている。検出モジュール140は、制御(B)モジュール134によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像を用いて、用紙のパンチ穴を検出する。
また、検出モジュール140は、制御(B)モジュール134によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像内の予め定められた値以上に明るい画素が分布する領域をパンチ穴として検出するようにしてもよい。
さらに、検出モジュール140は、制御(B)モジュール134によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像を、副走査方向に、予め定められた間隔にしたがって拡大して、用紙のパンチ穴を検出するようにしてもよい。
例えば、「予め定められた間隔」として、制御(C)モジュール136が4回に1回の割合で、制御(B)モジュール134による読み取りを行わせた場合、制御(B)モジュール134によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた画像は副走査方向に1/4の画像になるので、副走査方向に、4倍に拡大した画像を用いて、パンチ穴の画像を検出する。
【0036】
修正モジュール150は、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124、検出モジュール140、補正モジュール160、出力モジュール170と接続されている。修正モジュール150は、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた用紙の画像と、制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像に対して、検出モジュール140によって検出されたパンチ穴の領域を修正する。
修正モジュール150における「読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114によって読み取られた用紙の画像」は、制御(A)モジュール132の制御によって読み取られた画像、制御(B)モジュール134の制御によって読み取られた画像の両方によって構成された画像である。
【0037】
補正モジュール160は、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124、修正モジュール150と接続されている。補正モジュール160は、制御()モジュール13によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた用紙の画像を補正する。
また、補正モジュール160は、制御(B)モジュール134によって用紙が読み取られている間の主走査の画像として、予め定められた値の画像を、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた画像に挿入するようにしてもよい。
例えば、「予め定められた間隔」として、制御(C)モジュール136が4回に1回の割合で、制御(B)モジュール134による読み取りを行わせた場合、制御(A)モジュール132によって制御された読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた画像は副走査方向に3/4の大きさになるので、主走査の画像を挿入することになる。
「予め定められた値の画像を挿入すること」によって、挿入した画像を特定することができるようになる。
さらに、補正モジュール160は、予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正するようにしてもよい。

【0038】
出力モジュール170は、修正モジュール150と接続されている。出力モジュール170は、修正モジュール150によってパンチ穴の領域が修正された画像を受け取り、その画像を出力する。画像を出力するとは、例えば、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、FAX等の画像送信装置で画像を送信すること、画像データベース等の画像記憶装置へ画像を書き込むこと、メモリーカード等の記憶媒体に画像を記憶すること、他の情報処理装置へ画像を渡すこと等が含まれる。なお、画像を電子文書として出力する場合は、PDF(Portable Document Formatの略)、JPEG(Joint Photographic Experts Groupの略)等を用いればよい。
【0039】
画像処理装置100では、パンチ穴を検出するための画像を読み取るために読み取り期間を追加するのではなく、通常の読み取りのタイミングで読み取った画像の一部を、パンチ穴を検出するための画像とすることで、1ページの読み取り時間を増加させない。なお、パンチ穴を検出するためには、低解像度の画像で十分なため、複数ラインに一度の割合で、パンチ穴を検出するため画像の読み取りを行う。
例えば、JIS6041で定められているパンチ穴は、直径6mmの穴になる。6mm幅の原稿欠落を検出するためには、少なくとも6mm間隔で画像を読み取ればよい。しかし、このままではパンチ穴の細かい形状までは分からないため、通常は100dpi(dots per inchの略)程度の間隔(ほぼ0.254mm間隔)の画像でパンチ穴を検出すればよい。通常の複写は300dpi~600dpi、スキャンは300dpi程度で画像を読み取るため、パンチ穴を検出するための画像は、通常の読み取り画像よりも低い解像度でよいことになる。
したがって、ユーザーの指示が、出力モジュール170による出力を印刷とした場合と、画像データの出力とした場合に応じて、制御(C)モジュール136が制御(A)モジュール132から制御(B)モジュール134に切り替える周期(前述の「予め定められた間隔」に相当)を異ならせるようにしてもよい。例えば、ユーザーの指示が印刷である場合は、ユーザーの指示が画像データの出力である場合に比べて、その周期を長くするようにしてもよい。
【0040】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。画像処理装置100を画像形成装置200内に構築した例を示している。画像形成装置200は、例えば、複写機、複合機(複合機とは、スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)である。
読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120によって、用紙の両面を読み取り可能である。
出力モジュール170は、画像形成モジュール172、通信モジュール174を有している。
画像形成モジュール172は、パンチ穴の領域が修正された画像データを印刷する。
通信モジュール174は、パンチ穴の領域が修正された画像データを、他の装置であるユーザー端末250等に送信する。
画像形成装置200の通信モジュール174、ユーザー端末250A、ユーザー端末250Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。
【0041】
図3は、本実施の形態における読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120の関係例を示す説明図である。
読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120は、原稿300を挟んで対面して配置されている。つまり、読み取り(A)モジュール110は原稿300のA面を読み取り、読み取り(B)モジュール120は原稿300のB面を読み取る。そして、読み取り位置は、A面とB面の同じ位置である。
具体的には、読み取り(A)モジュール110の光源112を点灯させて、光350によって原稿300のA面を照らしてその反射光352を読み取りセンサー114が読み取る。同様に、読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯させて、光360によって原稿300のB面を照らしてその反射光362を読み取りセンサー124が読み取る。
【0042】
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。一方の読み取りモジュールの光源だけを点灯した場合の処理を示している。この例では、読み取り(A)モジュール110の光源112を点灯させ、読み取り(B)モジュール120の光源122は点灯させていない例を示したものである。もちろんのことながら、読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯させ、読み取り(A)モジュール110の光源112は点灯させていない例も、読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120を入れ替えれば同様に説明される。
【0043】
図4(a)は、原稿300のパンチ穴がない領域を読み取っている場合の例を示している。
この場合、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114は光源112の反射光352を読み取ることによって、原稿300のA面を読み取ることになる。そして、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124は、光源122が点灯されていないので、読み取りセンサー124は黒を読み取ることになる。なお、原稿300を透かして、光源112の光350を読み取ることもあるが、この場合も薄暗い光となるので、黒又は灰色を読み取ることになる。
【0044】
図4(b)は、原稿300のパンチ穴310の領域を読み取っている場合の例を示している。
この場合、光源112からの光350は、原稿300のパンチ穴310を通して光360となる。つまり、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124は、光源112の点灯を読み取ることになる。したがって、白を読み取ることになる。
したがって、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124によって読み取られた画像は、図4(a)の状態では黒、図4(b)の状態では白となり、両者のコントラストははっきりとしており、パンチ穴の形状を明確に読み取ることができる。
【0045】
図5は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図5(a)の例に示す原稿300は、パンチ穴310A、パンチ穴310Bを有している。この原稿300を、図4の例で示した読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で読み取った画像が、図5(b)の例に示す画像500である。画像500内には、パンチ穴画像510A、パンチ穴画像510Bがある。この画像500からパンチ穴画像510A、パンチ穴画像510Bを検出することは、原稿300の画像からパンチ穴を検出することよりも容易である。
ただし、単純に、読み取り(B)モジュール120の光源122を点灯していない場合は、原稿300の裏面を読み取ることができない。そこで、本実施の形態は、図6の例に示すような制御を行う。
【0046】
<1>片面だけからパンチ穴を検出するための画像を読み取る場合
図6は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
光源112の点灯タイミングは、t1で点灯し、t3で消灯し、t4で点灯し、t6で消灯し、t7で点灯し、t9で消灯し、t10で点灯し、t12で消灯している。
読み取りセンサー114の読み取りタイミングは、t2で読み取り、t5で読み取り、t8で読み取り、t11で読み取っている。つまり、読み取りセンサー114は、光源112の点灯タイミングに合わせて読み取りを行っている。
光源122の点灯タイミングは、t1で点灯し、t3で消灯し、t4で点灯し、t6で消灯し、t7で点灯し、t9で消灯している。
読み取りセンサー124の読み取りタイミングは、t2で読み取り、t5で読み取り、t8で読み取り、t11で読み取っている。つまり、読み取りセンサー124は、t2、t5、t8では、光源122の点灯タイミングに合わせて読み取りを行い、t11では、光源112の点灯タイミングに合わせて読み取りを行っている。
なお、読み取りセンサー124の読み取りタイミングについては、次のようにも言える。読み取りセンサー124は、光源122の点灯タイミングではなく、光源112の点灯タイミングに合わせて読み取りを行っている。ただし、t2、t5、t8での読み取りでは、光源122の点灯による画像を読み取り(つまり、原稿300のB面を読み取り)、t11での読み取りは光源112の点灯による画像を読み取りを行っている。t11での読み取りは、形式上は原稿300のB面の読み取りであるが、光源122が消灯しているので、パンチ穴以外の領域では黒となり、パンチ穴では光源112の光を直接読み取ることになる。
【0047】
したがって、光源112の点灯タイミングは、全ての点灯タイミングで点灯させるようにしている。ここで「全ての点灯タイミング」とは、用紙の全体を普通に(隙間無く)読み取るにあたっての点灯タイミングのことである。
光源122の点灯タイミングは、光源112の4回の点灯タイミングのうち、3回の点灯を行い、1回は消灯させたままにしている。
読み取りセンサー114の読み取りタイミングは、光源112の点灯タイミングに合わせて、読み取るようにしている。
読み取りセンサー124の読み取りタイミングは、読み取りセンサー114の読み取りタイミングと同じである。
【0048】
なお、t1からt9までの処理は、制御(A)モジュール132による制御によって行われている。そして、t10からt12までの処理は、制御(B)モジュール134による制御によって行われている。また、制御(A)モジュール132による制御と制御(B)モジュール134による制御の切り替えは、制御(C)モジュール136が行っている。この例では、光源112の4回の点灯のうち、3回を制御(A)モジュール132によって制御させ、残りの1回を制御(B)モジュール134によって制御させている。
【0049】
図7は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
つまり、図6の例に示した周期を繰り返した場合、各周期のt11で読み取りセンサー124が読み取った非点灯時B面画像700の例を示すものである。
図7の上部に示す例は、図6の例に示した周期を繰り返したものである。非点灯タイミング702、非点灯タイミング704、非点灯タイミング706、非点灯タイミング708等で、読み取りセンサー124が読み取った画像は、図7の下部に示す非点灯時B面画像700である。この非点灯時B面画像700は、4回に1回の割合で読み取られた画像であるので、副走査方向に1/4の画像である。
【0050】
図8は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図8(a1)の例に示すA面画像800は、読み取りセンサー114によって読み取られた画像であるので、原稿300のA面の画像そのままである。
図8(a2)の例に示すB面画像810は、読み取りセンサー124によって読み取られた画像であり、原稿300のB面の画像であるが、4ラインに一回欠落している。図8(a2)の例では、黒色の横線(以下、黒ラインともいう)として示している。この欠落している部分を周囲画素から補間して、図8(b2)の例に示す補間後B面画像812を生成する。この補間処理については、図9の例を用いて後述する。
【0051】
図8(c1)の例に示す非点灯時B面画像700は、図7の例に示した非点灯時B面画像700であり、パンチ穴の画像が明確に撮影されている。非点灯時B面画像700を補間して、図8(c2)の例に示す補間後非点灯時B面画像830を生成する。つまり、縦横幅を元の画像の解像度と同じとし、パンチ穴を判定するための画像(補間後非点灯時B面画像830)とする。非点灯時B面画像700の補間は、図9の例を用いて後述する補間処理を用いてもよい。
パンチ穴検出&パンチ穴修正850によって、補間後非点灯時B面画像830からパンチ穴の位置、形状を検出する。この検出方法は、従来の検出方法を用いればよい。例えば、予め定められたパンチ穴のパターン画像を用意しておき、パターンマッチング方法によってパンチ穴を検出してもよい。また、エッジ検出を行い、ハフ変換を施して、パンチ穴の円形を検出するようにしてもよい。
そして、検出したパンチ穴を用いて、A面画像800、補間後B面画像812のパンチ穴の領域を修正する。具体的には、図8(a1)の例に示すA面画像800のパンチ穴を修正して、図8(d1)の例に示すパンチ穴修正後A面画像860を生成する。図8(b2)の例に示す補間後B面画像812のパンチ穴を修正して、図8(d2)の例に示すパンチ穴修正後B面画像870を生成する。
つまり、原稿300の両面を読み取り、さらに、その両面の画像に対してパンチ穴を修正するようにしている。
【0052】
図8に示す例について、画像処理装置100による処理のより具体的な一例の説明を行う。
通常は読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120ともに光源112、光源122を点灯し、読み取りセンサー114、読み取りセンサー124でライン毎に画像を読み取る。この画像が、A面画像800、B面画像810になる。
制御(C)モジュール136の制御によって、数ラインに一回、読み取り(A)モジュール110の光源112のみを点灯して、読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯とし、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で画像を読み取る。
読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯として、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で読み取った画像のみ別画像(図8の例では非点灯時B面画像700)として保存する。
非点灯時B面画像700は、用紙がある部分(パンチ穴ではない部分)は、読み取り(A)モジュール110の光源112の光が遮られ暗くなり、用紙が無い部分(パンチ穴がある部分)は、読み取り(A)モジュール110の光源112の光が透過して明るくなる。
B面の画像の内、読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯として読み取ったラインは黒画素のラインに置き換える。したがって、図8(a2)の例に示すB面画像810では黒筋が発生している。
1枚の用紙を読み取った後、B面画像810の黒ライン部分を周囲の画素から補間して新たなラインを生成し、置換することによって補間後B面画像812を生成する。
非点灯時B面画像700の予め定められた閾値以上に明るい画素をパンチ穴の部分として判定し、A面画像800、補間後B面画像812のパンチ穴に相当する部分を周囲の色で補間して、パンチ穴修正後A面画像860、パンチ穴修正後B面画像870を生成する。
【0053】
図9は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。補間後B面画像812の黒ライン900の補正例を示すものである。つまり、「予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正する」処理の一例を示すものである。
図9(a)の例に示す補間後B面画像812の黒ライン900の周辺にある対象画素910を図9(b)の例に示す。黒ライン900の部分の画素値を、黒ライン900の上下にある画素値の平均としている。つまり、黒ライン900の上下にある画素の画素値の半分を加算して、黒ライン900の画素値としている。補間後の黒ライン900の画素値を、図9(c)の例に示す。もちろんのことながら、補間方法として、他の方法を用いてもよい。例えば、上下2画素でなく、より多くの画素(具体的には、4画素等)を用いて、これらの平均値としてもよいし、距離に応じて重み付けをしてもよい。重み付けとして、例えば、黒ライン900の画素の距離に反比例した重み付けをしてもよい。つまり、黒ライン900に近い距離にある画素に対しては、重みを大きくし、遠い距離にある画素に対しては、重みを軽くするようにしてもよい。
【0054】
図10は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。補正モジュール160による処理例を示すものであり、図8(a2)の例に示すB面画像810から図8(b2)の例に示す補間後B面画像812を生成する処理例、また、図9の例に示す処理例を示すものである。
ステップS1002では、B面画像810を補間して補間後B面画像812を生成する。
【0055】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160、出力モジュール170による処理例を示すものであり、図8(c1)の例に示す非点灯時B面画像700から図8(c2)の例に示す補間後非点灯時B面画像830を生成し、パンチ穴検出&パンチ穴修正850の処理例を示すものである。
ステップS1102では、非点灯時B面画像700を補間して補間後非点灯時B面画像830を生成する。
ステップS1104では、補間後非点灯時B面画像830からパンチ穴を検出する。
ステップS1106では、A面画像800のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後A面画像860を生成する。
ステップS1108では、補間後B面画像812のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後B面画像870を生成する。
ステップS1110では、パンチ穴修正後A面画像860とパンチ穴修正後B面画像870を出力する。
【0056】
<2>両面からパンチ穴を検出するための画像を読み取る場合
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。前述の図7の例では、光源122だけを非点灯にさせるようにしていたが、光源112と光源122を交互に非点灯にさせるようにしてもよい。
図12の例では、非点灯タイミング1202と非点灯タイミング1206では光源122を非点灯とし、非点灯タイミング1204と非点灯タイミング1208では光源112を非点灯としている。したがって、光源122を非点灯としている時の読み取りセンサー124によって読み取られた画像は、図12(c1)の例に示す非点灯時B面画像1200であり、光源112を非点灯としている時の読み取りセンサー114によって読み取られた画像は、図12(c2)の例に示す非点灯時A面画像1210である。8回に1回の割で読み取られた画像であるので、副走査方向に1/8の画像である。
【0057】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13(a1)の例に示すA面画像1300は、読み取りセンサー114によって読み取られた画像であり、原稿300のA面の画像であるが、8ラインに一回欠落している。図13(a1)の例では、黒色の横線として示している。この欠落している部分を周囲画素から補間して、図13(b1)の例に示す補間後A面画像1302を生成する。この補間処理については、図9の例で説明した処理を用いればよい。
図13(a2)の例に示すB面画像1310は、読み取りセンサー124によって読み取られた画像であり、原稿300のB面の画像であるが、8ラインに一回欠落している。図13(a2)の例では、黒色の横線として示している。この欠落している部分を周囲画素から補間して、図13(b2)の例に示す補間後B面画像1312を生成する。この補間処理については、図9の例で説明した処理を用いればよい。
【0058】
図13(c1)(c2)の例に示す非点灯時B面画像1200、非点灯時A面画像1210は、図12の例に示した非点灯時B面画像1200、非点灯時A面画像1210であり、パンチ穴の画像が明確に撮影されている。非点灯時B面画像1200と非点灯時A面画像1210を合成して、その合成後の画像を補間して、図12(c3)の例に示す補間後非点灯時画像1330を生成する。つまり、縦横幅を元の画像の解像度と同じとし、パンチ穴を判定するための画像(補間後非点灯時画像1330)とする。なお、非点灯時B面画像1200と非点灯時A面画像1210の合成処理は、非点灯時B面画像1200の1ライン目の次に非点灯時A面画像1210の対応する1ライン目を挿入し、2ライン目以降をこれを繰り返せばよい。この合成によって、副走査方向に1/4の画像ができあがるので、さらに補間して補間後非点灯時画像1330を生成する。合成後の画像の補間は、図9の例を用いて説明した補間処理を用いてもよい。
パンチ穴検出&パンチ穴修正1350によって、補間後非点灯時画像1330からパンチ穴の位置、形状を検出する。この検出方法は、前述したように従来の検出方法を用いればよい。
そして、検出したパンチ穴を用いて、補間後A面画像1302、補間後B面画像1312のパンチ穴の領域を修正する。具体的には、図13(b1)の例に示す補間後A面画像1302のパンチ穴を修正して、図13(d1)の例に示すパンチ穴修正後A面画像1360を生成する。図13(b2)の例に示す補間後B面画像1312のパンチ穴を修正して、図13(d2)の例に示すパンチ穴修正後B面画像1370を生成する。
つまり、原稿300の両面を読み取り、さらに、その両面の画像に対してパンチ穴を修正するようにしている。
【0059】
図13に示す例について、画像処理装置100による処理のより具体的な一例の説明を行う。
図8に示した例では、B面の画像にのみ黒画素のラインが発生する。この黒画素のラインは、読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯として読み取った場合に生成されたものである。そして、この黒画素のラインに対して、周囲の画素から補間して新たにライン画像を生成しているが、光源122を非点灯としない場合に読み取った画像に対しては、画質が劣化してしまう。
パンチ穴の検出用の画像の読み取りを、読み取り(A)モジュール110と読み取り(B)モジュール120の交互で行うことにより、片側の画像だけが劣化するのを防ぐようにしている。
【0060】
通常は読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120ともに光源112、光源122を点灯し、読み取りセンサー114、読み取りセンサー124でライン毎に画像を読み取る。この画像が、A面画像1300、B面画像1310になる。
制御(C)モジュール136の制御によって、数ラインに一回、読み取り(A)モジュール110の光源112のみを点灯して、読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯とし、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で画像を読み取る。
そして、制御(C)モジュール136の制御によって、数ラインに一回、読み取り(B)モジュール120の光源122のみを点灯して、読み取り(A)モジュール110の光源112を非点灯とし、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114と読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で画像を読み取る。
読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯として、読み取り(B)モジュール120の読み取りセンサー124で読み取った画像のみ別画像(図13の例では非点灯時B面画像1200)として保存する。
読み取り(A)モジュール110の光源112を非点灯として、読み取り(A)モジュール110の読み取りセンサー114で読み取った画像のみ別画像(図13の例では非点灯時A面画像1210)として保存する。
非点灯時B面画像1200、非点灯時A面画像1210は、用紙がある部分(パンチ穴ではない部分)は、透過光が遮られ暗くなり、用紙が無い部分(パンチ穴がある部分)は、透過光により明るくなる。
A面の画像の内、読み取り(A)モジュール110の光源112を非点灯として読み取ったラインは黒画素のラインに置き換える。したがって、図13(a1)の例に示すA面画像1300では黒筋が発生している。
B面の画像の内、読み取り(B)モジュール120の光源122を非点灯として読み取ったラインは黒画素のラインに置き換える。したがって、図13(a2)の例に示すB面画像1310では黒筋が発生している。
1枚の用紙を読み取った後、A面画像1300、B面画像1310の黒ライン部分を周囲の画素から補間して新たなラインを生成、置換することによって補間後A面画像1302、補間後B面画像1312を生成する。
非点灯時B面画像1200、非点灯時A面画像1210を合成し、予め定められた閾値以上に明るい画素をパンチ穴の部分として判定し、補間後A面画像1302、補間後B面画像1312のパンチ穴に相当する部分を周囲の色で補間して、パンチ穴修正後A面画像1360、パンチ穴修正後B面画像1370を生成する。
A面とB面で交互にパンチ穴検出用の画像(非点灯時B面画像1200、非点灯時A面画像1210)を読み取るため、B面画像1310は、周囲画素から補間するライン数が、図8に示す例(B面画像810)の半分となり、画像の劣化を抑えることができる。
【0061】
図14は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。A面画像1300とB面画像1310の黒ラインの補正例を示すものである。つまり、「予め定められた値の画像を、周辺の画像を用いて補正する」処理の一例を示すものである。
ステップS1402では、A面画像1300を補間して補間後A面画像1302を生成する。
ステップS1404では、B面画像1310を補間して補間後B面画像1312を生成する。
【0062】
図15は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160、出力モジュール170による処理例を示すものであり、図13(c1)の例に示す非点灯時B面画像1200と図13(c2)の例に示す非点灯時A面画像1210から図13(c3)の例に示す補間後非点灯時画像1330を生成し、パンチ穴検出&パンチ穴修正1350の処理例を示すものである。
ステップS1502では、非点灯時B面画像1200と非点灯時A面画像1210を合成する。
ステップS1504では、合成後の画像を補間して補間後非点灯時画像1330を生成する。
ステップS1506では、補間後非点灯時画像1330からパンチ穴を検出する。
ステップS1508では、補間後A面画像1302のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後A面画像1360を生成する。
ステップS1510では、補間後B面画像1312のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後B面画像1370を生成する。
ステップS1512では、パンチ穴修正後A面画像1360とパンチ穴修正後B面画像1370を出力する。
【0063】
<3>片面だけを読み取る場合は以下のようにしてもよい。
前述の<1>、<2>に示す処理例は、用紙の両面を読み取るようにしている。ユーザーの操作によって、片面の複写、スキャンが指定された場合は、次のようにすればよい。
用紙の読み取り対象の面が読み取り(A)モジュール110側になるように、用紙の置き方をユーザーに表示する。
<1>に示す処理例によって、読み取りを行う。
ただし、図11の例に示したフローチャートのステップS1108を行わないようにする。そして、ステップS1110において「パンチ穴修正後A面画像860を出力する。」に変更すればよい。
なお、片面の読み取りの場合は<1>に示す処理例が望ましいが、<2>に示す処理例によって、読み取りを行うようにしてもよい。
ただし、図14の例に示したフローチャートのステップS1404を行わないようにする。次に、図15の例に示したフローチャートのステップS1510を行わないようにすればよい。そして、ステップS1512において、「パンチ穴修正後A面画像1360を出力する。」に変更すればよい。
なお、読み取り(B)モジュール120によって読み取られた画像は、パンチ穴の検出用の画像(非点灯時B面画像700、非点灯時B面画像1200)だけを用いて、B面画像810、B面画像1310は破棄すればよい。
【0064】
<4>パンチ穴を検出するための画像をさらに低解像度にして読み取る場合は、以下のようにしてもよい。
図16は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
前述の例では、4回に1回の割合、又は、8回に1回の割合で、光源122又は光源112を非点灯としたが、さらに周期を延ばしてもよい。つまり、非点灯とする間隔を、前述の例に示した間隔よりも長くする。
その結果、用紙を読み取った画像において補間する箇所が減少するので、画像自体は高画質になる。ただし、パンチ穴の画像が円形ではなくなる可能性がある。図16の例を用いて、詳細に説明する。
【0065】
図16(a)の例に示すB面画像1610は、いままでの非点灯の周期よりも長くしたものである。B面画像1610にはパンチ穴画像1615がある。そして、B面画像1610には、非点灯ライン1612a等があり、そのうちパンチ穴画像1615を横切っているのは、非点灯ライン1612b、非点灯ライン1612c、非点灯ライン1612d、非点灯ライン1612eである。この場合、非点灯ライン1612a等から生成される画像は、図16(b)の例に示す非点灯後画像1620となる。具体的には、パンチ穴の形状が十字型になっている。
パンチ穴の画像部分を膨張させる処理を行って、図16(c)の例に示す膨張処理後画像1630を生成する。つまり、元のパンチ穴画像1615よりも大きくなるように、パンチ穴の形状を設定している。
そして、パンチ穴画像1615を修正して、図16(d)の例に示すパンチ穴修正後画像1640を生成する。
【0066】
なお、この処理を行うのは、パンチ穴画像1615の周囲が均一な場合としてもよい。例えば、パンチ穴画像1615の周囲が均一であることが予めわかっている場合は、この処理を行うようにしてもよい。
また、パンチ穴の修正処理を行う場合であって、画像全体の画質を落とさないようにする指示ができるようにユーザーインタフェースを設計して、その指示がユーザーによって行われた場合は、<4>の本処理を行うようにしてもよい。また、パンチ穴の修正処理を行う場合であって、パンチ穴及びその周囲の画質を落とさないようにする指示ができるようにユーザーインタフェースを設計して、その指示がユーザーによって行われた場合は、<1>、<2>、又は、<3>の処理を行うようにしてもよい。
【0067】
図17は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160、出力モジュール170による処理例を示すものであり、図16の例に示した処理例を示すものである。
ステップS1702では、非点灯時B面画像700を補間して補間後非点灯時B面画像830を生成する。
ステップS1704では、補間後非点灯時B面画像830を膨張処理する。
ステップS1706では、膨張後の画像からパンチ穴を検出する。
ステップS1708では、A面画像800のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後A面画像860を生成する。
ステップS1710では、補間後B面画像812のパンチ穴を修正してパンチ穴修正後B面画像870を生成する。
ステップS1712では、パンチ穴修正後A面画像860とパンチ穴修正後B面画像870を出力する。
【0068】
図18を参照して、本実施の形態の画像処理装置100、画像形成装置200のハードウェア構成例について説明する。図18に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ等によって構成されるものであり、読み取り(A)モジュール110、読み取り(B)モジュール120に該当するデータ読み取り部1817と、画像形成モジュール172等に該当するデータ出力部1818を備えたハードウェア構成例を示している。
【0069】
CPU(Central Processing Unitの略)1801は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、制御モジュール130、制御(A)モジュール132、制御(B)モジュール134、制御(C)モジュール136、制御(D)モジュール138、検出モジュール140、修正モジュール150、補正モジュール160等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0070】
ROM(Read Only Memoryの略)1802は、CPU1801が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memoryの略)1803は、CPU1801の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1804により相互に接続されている。
【0071】
ホストバス1804は、ブリッジ1805を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interfaceの略)バス等の外部バス1806に接続されている。
【0072】
キーボード1808、マウス等のポインティングデバイス1809は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1810は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tubeの略)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1809とディスプレイ1810の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1808のように物理的に接続しなくても、画面(例えば、タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0073】
HDD(Hard Disk Driveの略)1811は、ハードディスク(ハードディスク以外に、フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1801によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。HDD1811は、読み取った画像データ、パンチ穴の位置、形状等に関する情報、パンチ穴の修正処理の結果データ等を記憶する。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0074】
ドライブ1812は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1813に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1807、外部バス1806、ブリッジ1805、及びホストバス1804を介して接続されているRAM1803に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1813も、データ記録領域として利用可能である。
【0075】
接続ポート1814は、外部接続機器1815を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1814は、インタフェース1807、及び外部バス1806、ブリッジ1805、ホストバス1804等を介してCPU1801等に接続されている。通信部1816は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1817は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1818は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0076】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図18に示す画像処理装置100等のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図18に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、プロセッサとして、GPU(Graphics Processing Unitの略、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unitsの略)を含む)を用いてもよいし、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(Field-Programmable Gate Arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図18に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機等に組み込まれていてもよい。
【0077】
なお、前述の実施の形態の説明内での比較処理において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、例示であって、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0078】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって行われてもよいし、また、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0079】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0080】
100…画像処理装置
110…読み取り(A)モジュール
112…光源
114…読み取りセンサー
120…読み取り(B)モジュール
122…光源
124…読み取りセンサー
130…制御モジュール
132…制御(A)モジュール
134…制御(B)モジュール
136…制御(C)モジュール
138…制御(D)モジュール
140…検出モジュール
150…修正モジュール
160…補正モジュール
170…出力モジュール
172…画像形成モジュール
174…通信モジュール
200…画像形成装置
250…ユーザー端末
290…通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18