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  • 特許-接続回路及び二次電池システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】接続回路及び二次電池システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230912BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
H02J7/00 K
H01M10/44 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019166600
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021044986
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 慎司
(72)【発明者】
【氏名】深津 利成
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108370173(CN,A)
【文献】特開2018-011372(JP,A)
【文献】特開2008-148387(JP,A)
【文献】特開2018-078672(JP,A)
【文献】特開2001-186668(JP,A)
【文献】特表2014-514899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を互いに直列接続または並列接続させる二次電池システムであって、
前記複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、
前記複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、
隣り合う前記二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、
前記複数の第1出力部スイッチの他方端子に接続される正極側放電出力部と、
前記複数の第2出力部スイッチの他方端子に接続される負極側放電出力部と、
一方端に設けられている前記二次電池の正極端子と前記第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、
他方端に設けられている前記二次電池の負極端子と前記第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、
前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチを導通させるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを遮断させ、前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを導通させるとともに前記複数の直列接続用スイッチを遮断させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、前記第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記第2及び第3の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第3及び第4の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第1及び第2の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第4及び第5の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチを導通させるとともに、前記第1、第4、及び第5の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第1、第2、及び第5の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第2及び第3の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第3及び第4の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチを遮断させる
ことを特徴とする二次電池システム。
【請求項2】
複数の二次電池を互いに直列接続または並列接続させる二次電池システムであって、
前記複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、
前記複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、
隣り合う前記二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、
前記複数の第1出力部スイッチの他方端子に接続される正極側放電出力部と、
前記複数の第2出力部スイッチの他方端子に接続される負極側放電出力部と、
一方端に設けられている前記二次電池の正極端子と前記第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、
他方端に設けられている前記二次電池の負極端子と前記第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、
前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチを導通させるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを遮断させ、前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを導通させるとともに前記複数の直列接続用スイッチを遮断させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、前記第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記第4及び第5の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第1及び第2の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第2及び第3の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第3及び第4の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチを導通させるとともに、前記第1乃至第3の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第3乃至第5の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第1及び第2の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第4及び第5の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチを遮断させる
ことを特徴とする二次電池システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二次電池システムであって、
前記第1出力部スイッチ、及び前記第2出力部スイッチは、第1のダイオードが並列接続される第1の半導体スイッチと、前記第1のダイオードと順方向電流が流れる向きが反対である第2のダイオードが並列接続される第2の半導体スイッチとが互いに直列接続されて構成される
ことを特徴とする二次電池システム。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載の二次電池システムであって、
前記制御部は、前記複数の二次電池を充電させる場合、前記複数の二次電池を互いに直列接続させ、前記複数の二次電池を放電させる場合、前記複数の二次電池を互いに並列接続させる
ことを特徴とする二次電池システム。
【請求項5】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、
前記複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、
隣り合う前記二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、
前記複数の第1出力部スイッチの他方端子に接続される正極側放電出力部と、
前記複数の第2出力部スイッチの他方端子に接続される負極側放電出力部と、
一方端に設けられている前記二次電池の正極端子と前記第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、
他方端に設けられている前記二次電池の負極端子と前記第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、を備え、
前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチが導通されるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが遮断され、前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが導通されるとともに前記複数の直列接続用スイッチが遮断され
第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、前記第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記第2及び第3の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第3及び第4の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第1及び第2の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第4及び第5の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチが導通されるとともに、前記第1、第4、及び第5の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第1、第2、及び第5の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第2及び第3の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第3及び第4の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチが遮断される
ことを特徴とする二次電池システムの接続回路。
【請求項6】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、
前記複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、
隣り合う前記二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、
前記複数の第1出力部スイッチの他方端子に接続される正極側放電出力部と、
前記複数の第2出力部スイッチの他方端子に接続される負極側放電出力部と、
一方端に設けられている前記二次電池の正極端子と前記第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、
他方端に設けられている前記二次電池の負極端子と前記第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、を備え、
前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチが導通されるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが遮断され、前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが導通されるとともに前記複数の直列接続用スイッチが遮断され、
第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、前記第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記第4及び第5の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第1及び第2の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第2及び第3の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第3及び第4の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチが導通されるとともに、前記第1乃至第3の二次電池の正極端子に接続される前記第1出力部スイッチ、前記第3乃至第5の二次電池の負極端子に接続される前記第2出力部スイッチ、並びに前記第1及び第2の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチ及び前記第4及び第5の二次電池の間に接続される前記直列接続用スイッチが遮断される
ことを特徴とする二次電池システムの接続回路。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の二次電池システムであって、
前記制御部は、前記複数の二次電池の充電時に前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチを導通させるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを遮断させ、前記複数の二次電池の放電時に前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチを導通させるとともに前記複数の直列接続用スイッチを遮断させる
ことを特徴とする二次電池システム。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の二次電池システムの接続回路であって、
前記複数の二次電池の充電時に前記複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、前記複数の直列接続用スイッチが導通されるとともに前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが遮断され、前記複数の二次電池の放電時に前記複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、前記複数の第1出力部スイッチ及び前記複数の第2出力部スイッチが導通されるとともに前記複数の直列接続用スイッチが遮断される
ことを特徴とする二次電池システムの接続回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の二次電池を直列接続または並列接続させる接続回路及びその接続回路を含む二次電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、既存の接続回路を示す図である。
図2に示す接続回路は、正極側入出力部Tpと、負極側入出力部Tnと、第1出力部スイッチSW11~SW15と、第2出力部スイッチSW21~SW25と、直列接続用スイッチSWs1~SWs5とを備える。なお、第1出力部スイッチSW11~SW15、第2出力部スイッチSW21~SW25、及び直列接続用スイッチSWs1~SWs5は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体スイッチにより構成される。
【0003】
第1出力部スイッチSW11~SW15は、二次電池B1~B5のそれぞれの正極端子と正極側入出力部Tpとの間に接続される。
【0004】
第2出力部スイッチSW21~SW25は、二次電池B1~B5のそれぞれの負極端子と負極側入出力部Tnとの間に接続される。
【0005】
直列接続用スイッチSWs1は二次電池B1の負極端子と二次電池B2の正極端子との間に接続され、直列接続用スイッチSWs2は二次電池B2の負極端子と二次電池B3の正極端子との間に接続され、直列接続用スイッチSWs3は二次電池B3の負極端子と二次電池B4の正極端子との間に接続され、直列接続用スイッチSWs4は二次電池B4の負極端子と二次電池B5の正極端子との間に接続され、直列接続用スイッチSWs5は二次電池B5の負極端子と二次電池B1の正極端子との間に接続される。
【0006】
二次電池B1~B5を互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチSW11、第2出力部スイッチSW25、及び直列接続用スイッチSWs1~SWs4を導通させるとともに、第1出力部スイッチSW12~SW15、第2出力部スイッチSW21~SW24、及び直列接続用スイッチSWs5を遮断させる。
【0007】
また、二次電池B1~B5を互いに並列接続させる場合、第1出力部スイッチSW11~SW15及び第2出力部スイッチSW21~SW25を導通させるとともに、直列接続用スイッチSWs1~SWs5を遮断させる。
【0008】
また、二次電池B1、B3、B5と、二次電池B2、B4とが交互に並んでいる場合で、かつ、二次電池B1、B5のみを互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチSW15、第2出力部スイッチSW21、及び直列接続用スイッチSWs5を導通させるとともに、第1出力部スイッチSW11~SW14、第2出力部スイッチSW22~SW25、及び直列接続用スイッチSWs1~SWs4を遮断させる。
【0009】
関連する技術として、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2019-54677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、二次電池の充電時において、各々の二次電池の状態に応じて直列接続と並列接続とを変更したい場合がある。しかしながら、図2に示す接続回路では、充電を行う二次電池B1、B3、B5と、充電を行わない二次電池B2、B4とが交互に並んでいる場合、隣接する二次電池B1、B5を直列接続用スイッチSWs5を用いて互いに直列接続させることができるが、二次電池B1や二次電池B5と離れている二次電池B3を直列接続用スイッチSWs1~SWs4を用いて二次電池B1や二次電池B5に直列接続させることができない。この場合、二次電池B1、B3、B5のうちの二次電池B3のみを充電することができないという懸念がある。なお、二次電池B1、B3、B5のうちの二次電池B1、B5のみを充電した後、二次電池B1、B3、B5が互いに並列接続されると、二次電池B1、B3、B5のそれぞれの容量(電圧)の違いにより二次電池B1、B3、B5の間に比較的大きな還流電流が流れるおそれがある。
【0012】
本発明の一側面に係る目的は、複数の二次電池を直列接続または並列接続させる接続回路及びその接続回路を含む二次電池システムにおいて、すべての二次電池を直列接続させるとともに、直列接続と並列接続とを切り替え可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る一つの形態である二次電池システムは、複数の二次電池を互いに直列接続または並列接続させる接続回路であって、複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、隣り合う二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、複数の第1出力部スイッチの他方端子に接続される正極側放電出力部と、複数の第2出力部スイッチの他方端子に接続される負極側放電出力部と、一方端に設けられている二次電池の正極端子と第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、他方端に設けられている二次電池の負極端子と第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、複数の直列接続用スイッチを導通させるとともに複数の第1出力部スイッチ及び複数の第2出力部スイッチを遮断させ、複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、複数の第1出力部スイッチ及び複数の第2出力部スイッチを導通させるとともに複数の直列接続用スイッチを遮断させる制御部とを備える。
【0014】
これにより、制御部は、第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、第2及び第3の二次電池の正極端子に接続される第1出力部スイッチ、第3及び第4の二次電池の負極端子に接続される第2出力部スイッチ、並びに第1及び第2の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチ及び第4及び第5の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチを導通させるとともに、第1、第4、及び第5の二次電池の正極端子に接続される第1出力部スイッチ、第1、第2、及び第5の二次電池の負極端子に接続される第2出力部スイッチ、並びに第2及び第3の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチ及び第3及び第4の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチを遮断させるように構成することができる。
【0015】
または、制御部は、第1、第3、及び第5の二次電池と第2及び第4の二次電池とが交互に設けられている場合で、かつ、第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させる場合、第4及び第5の二次電池の正極端子に接続される第1出力部スイッチ、第1及び第2の二次電池の負極端子に接続される第2出力部スイッチ、並びに第2及び第3の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチ及び第3及び第4の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチを導通させるとともに、第1乃至第3の二次電池の正極端子に接続される第1出力部スイッチ、第3乃至第5の二次電池の負極端子に接続される第2出力部スイッチ、並びに第1及び第2の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチ及び第4及び第5の二次電池の間に接続される直列接続用スイッチを遮断させるように構成することができる。
【0016】
このように構成する場合、すべての第1、第3、及び第5の二次電池を互いに直列接続させることができるとともに、直列接続と並列接続とを切り替え可能とする。
【0017】
また、第1出力部スイッチ、及び第2出力部スイッチは、第1のダイオードが並列接続される第1の半導体スイッチと、第1のダイオードと順方向電流が流れる向きが反対である第2のダイオードが並列接続される第2の半導体スイッチとが互いに直列接続されて構成されてもよい。
【0018】
これにより、第1出力部スイッチ、及び第2出力部スイッチが遮断しているときに、第1出力部スイッチ、第2出力部スイッチ、及び直列接続用スイッチに電流が流れることを防止することができる。
【0019】
また、制御部は、複数の二次電池を充電させる場合、複数の二次電池を互いに直列接続させ、複数の二次電池を放電させる場合、複数の二次電池を互いに並列接続させるように構成してもよい。
【0020】
これにより、複数の二次電池を充電させる場合、複数の二次電池に流れる電流を低減することができるため、充電器と二次電池をつなぐ充電ケーブルを小型化することができ、ユーザによる充電操作性を向上させることができる。また、複数の二次電池を放電させる場合、二次電池全体の容量を増加させることができる。
【0021】
また、本発明に係る一つの形態である二次電池システムの接続回路は、複数の二次電池と、複数の二次電池を互いに直列接続または並列接続させる接続回路であって、複数の二次電池の正極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第1出力部スイッチと、複数の二次電池の負極端子にそれぞれの一方端子が接続される複数の第2出力部スイッチと、隣り合う二次電池のうちの一方の二次電池の負極端子と他方の二次電池の正極端子との間にそれぞれ接続される複数の直列接続用スイッチと、複数の第1出力部スイッチのそれぞれの他方端子に接続される正極側放電出力部と、複数の第2出力部スイッチのそれぞれの他方端子に接続される負極側放電出力部と、一方端に設けられている二次電池の正極端子と第1出力部スイッチの一方端子との間に接続される正極側充電入力部と、他方端に設けられている二次電池の負極端子と第2出力部スイッチとの間に接続される負極側充電入力部と、を備え、複数の二次電池を互いに直列接続させる場合、複数の直列接続用スイッチが導通されるとともに複数の第1出力部スイッチ及び複数の第2出力部スイッチが遮断され、複数の二次電池を互いに並列接続させる場合、複数の第1出力部スイッチ及び複数の第2出力部スイッチが導通されるとともに複数の直列接続用スイッチが遮断される。
【0022】
これにより、すべての二次電池を互いに直列接続させることができるとともに、直列接続と並列接続とを切り替え可能とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の二次電池を直列接続または並列接続させる接続回路及びその接続回路を含む二次電池システムにおいて、すべての二次電池を互いに直列接続させるとともに、直列接続と並列接続とを切り替え可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態の二次電池システムの一例を示す図である。
図2】既存の接続回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の二次電池システムの一例を示す図である。
【0026】
図1に示す二次電池システムは、二次電池B1~B5と、正極側充電入力部Tipと、負極側充電入力部Tinと、正極側放電出力部Topと、負極側放電出力部Tonと、第1出力部スイッチS11~S15と、第2出力部スイッチS21~S25と、直列接続用スイッチSs1~Ss4と、制御部1とを備える。なお、図1に示す二次電池システムは、フォークリフトや電気自動車などの車両に搭載されるものとする。また、二次電池B1~B5を特に区別しない場合、単に、二次電池Bとする。また、第1出力部スイッチS11~S15を特に区別しない場合、単に、第1出力部スイッチS1とする。また、第2出力部スイッチS21~S25を特に区別しない場合、単に、第2出力部スイッチS2とする。また、直列接続用スイッチSs1~Ss4を特に区別しない場合、単に、直列接続用スイッチSsとする。また、二次電池B、第1出力部スイッチS1、及び第2出力部スイッチS2のそれぞれの数は5つに限定されない。また、直列接続用スイッチSsの数は4つに限定されない。
【0027】
二次電池B1~B5は、それぞれ、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの1つ以上の充放電可能な電池により構成される。
【0028】
第1出力部スイッチS11~S15は、それぞれ、第1のダイオードが並列接続される第1の半導体スイッチ(MOSFETなど)と、第1のダイオードと順方向電流が流れる向きが反対である第2のダイオードが並列接続される第2の半導体スイッチ(MOSFETなど)とが互いに直列接続されて構成される。例えば、第1の半導体スイッチのドレイン端子が第1のダイオードのカソード端子に接続され、第1の半導体スイッチのソース端子が第1のダイオードのアノード端子、第2の半導体スイッチのソース端子、及び第2のダイオードのアノード端子に接続され、第2の半導体スイッチのドレイン端子が第2のダイオードのカソード端子に接続される。また、第1出力部スイッチS11~S15のそれぞれの一方端子(第1の半導体スイッチのドレイン端子)は、二次電池B1~B5の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS11~S15のそれぞれの他方端子(第2の半導体スイッチのドレイン端子)は、正極側放電出力部Topに接続される。すなわち、第1出力部スイッチS11の一方端子は二次電池B1の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS11の他方端子は正極側放電出力部Topに接続される。また、第1出力部スイッチS12の一方端子は二次電池B2の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS12の他方端子は正極側放電出力部Topに接続される。また、第1出力部スイッチS13の一方端子は二次電池B3の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS13の他方端子は正極側放電出力部Topに接続される。また、第1出力部スイッチS14の一方端子は二次電池B4の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS14の他方端子は正極側放電出力部Topに接続される。また、第1出力部スイッチS15の一方端子は二次電池B5の正極端子に接続され、第1出力部スイッチS15の他方端子は正極側放電出力部Topに接続される。なお、第2出力部スイッチS21~S25は、例えば制御部1からの信号により電気的に導通と遮断を切り替え可能なメカニカルリレーであってもよい。
【0029】
第2出力部スイッチS21~S25は、それぞれ、第1出力部スイッチS11~S15と同様に、第1のダイオードが並列接続される第1の半導体スイッチ(MOSFETなど)と、第1のダイオードと順方向電流が流れる向きが反対である第2のダイオードが並列接続される第2の半導体スイッチ(MOSFETなど)とが互いに直列接続されて構成される。また、第2出力部スイッチS21~S25のそれぞれの一方端子(第1の半導体スイッチのドレイン端子)は、二次電池B1~B5の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS11~S15のそれぞれの他方端子(第2の半導体スイッチのドレイン端子)は、負極側放電出力部Tonに接続される。すなわち、第2出力部スイッチS21の一方端子は二次電池B1の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS21の他方端子は負極側放電出力部Tonに接続される。また、第2出力部スイッチS22の一方端子は二次電池B2の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS22の他方端子は負極側放電出力部Tonに接続される。また、第2出力部スイッチS23の一方端子は二次電池B3の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS23の他方端子は負極側放電出力部Tonに接続される。また、第2出力部スイッチS24の一方端子は二次電池B4の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS24の他方端子は負極側放電出力部Tonに接続される。また、第2出力部スイッチS25の一方端子は二次電池B5の負極端子に接続され、第2出力部スイッチS25の他方端子は負極側放電出力部Tonに接続される。なお、第1出力部スイッチS11~S15は、例えば制御部1からの信号により電気的に導通と遮断を切り替え可能なメカニカルリレーであってもよい。
【0030】
直列接続用スイッチSs1~Ss5は、それぞれ、半導体スイッチ(MOSFETなど)により構成される。直列接続用スイッチSs1~Ss5は、隣り合う二次電池Bのうちの一方の二次電池Bの負極端子と他方の二次電池Bの正極端子との間に接続される。すなわち、直列接続用スイッチSs1は隣り合う二次電池B1、B2のうちの二次電池B1の負極端子と二次電池B2の正極端子との間に接続される。また、直列接続用スイッチSs2は隣り合う二次電池B2、B3のうちの二次電池B2の負極端子と二次電池B3の正極端子との間に接続される。また、直列接続用スイッチSs3は隣り合う二次電池B3、B4のうちの二次電池B3の負極端子と二次電池B4の正極端子との間に接続される。また、直列接続用スイッチSs4は隣り合う二次電池B4、B5のうちの二次電池B4の負極端子と二次電池B5の正極端子との間に接続される。なお、直列接続用スイッチSs1~Ss5は隣り合う二次電池Bのうちの一方の二次電池Bの負極端子から他方の二次電池Bの正極端子方向への電流を許容するダイオードや、例えば制御部1からの信号により導通と遮断を切り替え可能なメカニカルリレーであってもよい。すなわち、二次電池Bの直列接続時において隣り合う二次電池Bのうちの一方の二次電池Bの負極端子から他方の二次電池Bの正極端子方向への電流を流せる一方で、並列接続時において隣り合う二次電池Bのうちの他方の二次電池Bの正極端子から一方の二次電池Bの負極端子方向への電流が流れない構成であればよい。
【0031】
正極側充電入力部Tipは、二次電池B1(第1の二次電池)、二次電池B2(第2の二次電池)、二次電池B3(第3の二次電池)、二次電池B4(第4の二次電池)、二次電池B5(第5の二次電池)の順に設けられている二次電池B1~B5のうちの一方端に設けられている二次電池B1の正極端子とその二次電池B1に対応する第1出力部スイッチS11の一方端子との間に接続される。
【0032】
負極側充電入力部Tinは、二次電池B1~B5のうちの他方端に設けられている二次電池B5の負極端子とその二次電池B5に対応する第2出力部スイッチ25との間に接続される。
【0033】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)またはプログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device))などにより構成され、二次電池B1~B5の充電または放電に応じて、第1出力部スイッチS11~S15、第2出力部スイッチS21~S25、及び直列接続用スイッチSs1~Ss4の動作を制御する。
【0034】
すなわち、制御部1は、二次電池B1~B5を充電させる際、二次電池B1~B5を直列接続させる。制御部1は、二次電池B1~B5を直列接続させる場合、直列接続用スイッチSs1~Ss4を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11~S15及び第2出力部スイッチS21~S25を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、直列接続用スイッチSs1、二次電池B2、直列接続用スイッチSs2、二次電池B3、直列接続用スイッチSs3、二次電池B4、直列接続用スイッチSs4、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、外部充電器から正極側充電入力部Tip及び負極側充電入力部Tinを介して二次電池B1~B5に電流を流すことができるため、二次電池B1~B5を充電させることができる。このように、二次電池B1~B5を充電させる際、二次電池B1~B5を直列接続することにより、二次電池B1~B5全体にかかる電圧を比較的高くすることができるため、二次電池B1~B5に流れる電流を低減することができる。そのため、外部充電器と正極側充電入力部Tip及び負極側充電入力部Tinとを互いにつなぐ充電ケーブルを小型化することができるため、充電作業性を向上させることができる。
【0035】
また、制御部1は、二次電池B1~B5を放電させる際、二次電池B1~B5を並列接続させる。制御部1は、二次電池B1~B5を並列接続させる場合、第1出力部スイッチS11~S15及び第2出力部スイッチS21~S25を導通させるとともに、直列接続用スイッチSs1~Ss4を遮断させる。すると、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS21、二次電池B1、及び第1出力部スイッチS11を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS22、二次電池B2、及び第1出力部スイッチS12を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS23、二次電池B3、及び第1出力部スイッチS13を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS24、二次電池B4、及び第1出力部スイッチS14を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS25、二次電池B5、及び第1出力部スイッチS15を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。これにより、二次電池B1~B5から正極側放電出力部Top及び負極側放電出力部Tonを介して負荷に電流を流すことができるため、二次電池B1~B5を放電させることができる。このように、二次電池B1~B5を放電させる際、二次電池B1~B5を並列接続することにより、二次電池B全体の容量を増加させることができる。
【0036】
また、制御部1は、二次電池Bが故障しているか否かを判断する。例えば、制御部1は、二次電池Bの電圧が過電圧閾値以上である場合、または、二次電池Bの温度が過温度閾値以上である場合、または、二次電池Bの充電率(二次電池Bの満充電容量に対する現在の充電容量の割合など)が過充電閾値以上である場合、または、二次電池Bの劣化度(二次電池Bの満充電容量や内部抵抗など)が劣化閾値以上である場合、その二次電池Bが故障していると判断する。
【0037】
また、制御部1は、二次電池B2が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B3~B5のみを互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチS12、S13及び直列接続用スイッチSs1、Ss3、Ss4を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11、S14、S15、第2出力部スイッチS21~S25、及び直列接続用スイッチSs2を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、直列接続用スイッチSs1、第1出力部スイッチS12、第1出力部スイッチS13、二次電池B3、直列接続用スイッチSs3、二次電池B4、直列接続用スイッチSs4、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B3~B5を充電させることができる。
【0038】
また、制御部1は、二次電池B2が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B3~B5のみを互いに並列接続させる場合、第1出力部スイッチS11、S13~S15及び第2出力部スイッチS21、S23~S25を導通させるとともに、第1出力部スイッチS12、第2出力部スイッチS22、及び直列接続用スイッチSs1~Ss4を遮断させる。すると、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS21、二次電池B1、及び第1出力部スイッチS11を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS23、二次電池B3、及び第1出力部スイッチS13を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS24、二次電池B4、及び第1出力部スイッチS14を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。また、負極側放電出力部Tonから第2出力部スイッチS25、二次電池B5、及び第1出力部スイッチS15を介して正極側放電出力部Topに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B3~B5を放電させることができる。
【0039】
また、制御部1は、二次電池B2、B3が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B4、B5のみを互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチS12、S14及び直列接続用スイッチSs1、Ss4を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11、S13、S15、第2出力部スイッチS21~S25、及び直列接続用スイッチSs2、Ss3を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、直列接続用スイッチSs1、第1出力部スイッチS12、第1出力部スイッチS14、二次電池B4、直列接続用スイッチSs4、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B4、B5を充電させることができる。
【0040】
または、制御部1は、二次電池B2、B3が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B4、B5のみを互いに直列接続させる場合、第2出力部スイッチS21、S23及び直列接続用スイッチSs3、Ss4を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11~S15、第2出力部スイッチS22、S24、S25、及び直列接続用スイッチSs1、Ss2を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、第2出力部スイッチS21、第2出力部スイッチS23、直列接続用スイッチSs3、二次電池B4、直列接続用スイッチSs4、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B4、B5を充電させることができる。
【0041】
また、制御部1は、二次電池B2、B4が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B3、B5のみを互いに直列接続させる場合、すなわち、故障していない二次電池B1、B3、B5と、故障している二次電池B2、B4とが交互に設けられている場合で、かつ、二次電池B1、B3、B5のみを互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチS12、S13、第2出力部スイッチS23、S24、及び直列接続用スイッチSs1、Ss4を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11、S14、S15、第2出力部スイッチS21、S22、S25、及び直列接続用スイッチSs2、Ss3を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、直列接続用スイッチSs1、第1出力部スイッチS12、第1出力部スイッチS13、二次電池B3、第2出力部スイッチS23、第2出力部スイッチS24、直列接続用スイッチSs4、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B3、B5を充電させることができる。
【0042】
または、制御部1は、二次電池B2、B4が故障している場合で、かつ、故障していない二次電池B1、B3、B5のみを互いに直列接続させる場合、第1出力部スイッチS14、S15、第2出力部スイッチS21、S22、及び直列接続用スイッチSs2、Ss3を導通させるとともに、第1出力部スイッチS11~S13、第2出力部スイッチS23~S25、及び直列接続用スイッチSs1、Ss4を遮断させる。すると、正極側充電入力部Tipから二次電池B1、第2出力部スイッチS21、第2出力部スイッチS22、直列接続用スイッチSs2、二次電池B3、直列接続用スイッチSs3、第1出力部スイッチS14、第1出力部スイッチS15、及び二次電池B5を介して負極側充電入力部Tinに電流が流れる。これにより、故障していないすべての二次電池B1、B3、B5を充電させることができる。
【0043】
なお、実施形態の接続回路は、例えば、正極側充電入力部Tipと、負極側充電入力部Tinと、正極側放電出力部Topと、負極側放電出力部Tonと、複数の第1出力部スイッチS1と、複数の第2出力部スイッチS2と、複数の直列接続用スイッチSsとを備えて構成されるものとする。
【0044】
実施形態の接続回路において、図2に示す既存の接続回路と異なる点は、正極側入出力部Tpを正極側充電入力部Tip及び正極側放電出力部Topに分け、正極側充電入力部Tipを第1出力部スイッチS11~S15のそれぞれの他方端子ではなく二次電池B1の正極端子と第1出力部スイッチS11の一方端子との間に接続している点と、負極側入出力部Tnを負極側充電入力部Tin及び負極側放電出力部Tonに分け、負極側充電入力部Tinを第2出力部スイッチS21~S25のそれぞれの他方端子ではなく二次電池B5の負極端子と第2出力部スイッチS25の一方端子との間に接続している点である。
【0045】
これにより、故障していない二次電池B1、B3、B5と、故障している二次電池B2、B4とが交互に設けられている場合であっても、第1出力部スイッチS1及び第2出力部スイッチS2を用いて二次電池B2、B4を迂回するように二次電池B2、B4の正極端子側及び負極端子側にそれぞれ直列接続用の電流経路をつくることができるため、二次電池B2、B4の間に設けられている二次電池B3を二次電池B1、B5に直列接続させることができる。そのため、故障していないすべての二次電池B1、B3、B5を直列接続させることができるとともに、直列接続と並列接続とを切り替え可能とする。従って、二次電池B1、B3、B5を充電した後、二次電池B1、B3、B5を放電させるために二次電池B1、B3、B5を互いに並列接続させても、二次電池B1、B3、B5の間に比較的大きな還流電流が流れることを抑えることができる。
【0046】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 制御部
Tip 正極側充電入力部
Tin 負極側充電入力部
Top 正極側放電出力部
Ton 負極側放電出力部
Tp 正極側入出力部
Tn 負極側入出力部
S11~S15、SW11~SW15 第1出力部スイッチ
S21~S25、SW21~SW25 第2出力部スイッチ
Ss1~Ss4、SWs1~SWs5 直列接続用スイッチ
図1
図2