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特許7347130フレネルゾーンの検査方法とそれに用いられる障害物検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】フレネルゾーンの検査方法とそれに用いられる障害物検出システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/30 20150101AFI20230912BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
H04B17/30
B64C39/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019201040
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021077944
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】安田 俊文
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄三
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 知洋
(72)【発明者】
【氏名】才野 浩
(72)【発明者】
【氏名】原田 勉
(72)【発明者】
【氏名】岩田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 宏樹
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-312021(JP,A)
【文献】特開2003-258742(JP,A)
【文献】特開2013-141067(JP,A)
【文献】米国特許第06047238(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/30
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間のフレネルゾーンの検査に用いられる障害物検出システムであって、
前記フレネルゾーンにおいて無線通信の障害物となり得る測定対象物の位置情報を取得して3次元座標値に変換する障害物検出装置と、
前記フレネルゾーンの3次元座標値を取得するフレネルゾーン演算装置と、
前記測定対象物と前記フレネルゾーンの前記3次元座標値同士を比較することにより前記測定対象物が前記障害物に該当するか否かを判定する障害物判定装置と、
前記障害物検出装置、前記フレネルゾーン演算装置及び前記障害物判定装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記障害物検出装置は、無人飛行体と、通信部と、演算部と、からなり、
前記無人飛行体は、
レーザ光を利用して前記測定対象物までの距離を測定するレーザ測距装置と、
前記レーザ光の照射方向を変更可能に前記レーザ測距装置を保持するホルダと、
GNSS衛星から受信したGNSS信号に基づいて現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、
予め定められた飛行経路が格納された飛行体記憶部と、
この飛行体記憶部に格納された前記飛行経路に沿って飛行可能に動力機構と操舵機構を制御する飛行体制御部と、を備え、
前記演算部は前記レーザ測距装置によって測定された前記測定対象物までの距離と前記位置情報取得部によって取得された前記現在の位置情報から前記測定対象物の3次元座標値を算出し、
前記障害物判定装置は、
前記通信部と前記制御装置を経由して前記測定対象物の前記3次元座標値を受け取るとともに、前記測定対象物の前記3次元座標値が前記フレネルゾーンの内部を示す前記3次元座標値の範囲に含まれている場合に前記測定対象物を前記障害物と判定することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項2】
前記無人飛行体は、現在の飛行姿勢情報を取得する姿勢情報取得部を備え、
前記飛行体記憶部には、予め定められた飛行姿勢が格納されており、
前記姿勢情報取得部によって取得された前記現在の飛行姿勢情報と、前記飛行体記憶部に格納されている前記飛行姿勢に基づいて前記無人飛行体の前記動力機構と前記操舵機構が前記飛行体制御部によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の障害物検出システム。
【請求項3】
対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間に形成されるフレネルゾーンの検査方法であって、
前記フレネルゾーンの3次元座標値を演算によって求める工程と、
レーザ光の照射方向を変更可能な状態でレーザ測距装置が搭載された無人飛行体を予め定められた飛行経路に沿って飛行させる工程と、
前記フレネルゾーンにおいて無線通信の障害物となり得る測定対象物と前記無人飛行体の距離を前記レーザ測距装置によって測定する工程と、
前記無人飛行体の現在の位置情報を取得して、この位置情報と前記レーザ測距装置の測定結果から前記測定対象物の3次元座標値を演算によって求める工程と、
前記測定対象物と前記フレネルゾーンについて前記3次元座標値同士を比較して、前記測定対象物の前記3次元座標値が前記フレネルゾーンの内部を示す前記3次元座標値の範囲に含まれている場合に前記測定対象物を前記障害物と判定する工程と、を備え、
前記無人飛行体は、
前記フレネルゾーンが中心軸を通る平面で切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、前記中心軸を通る第1の鉛直平面と直交し、かつ、前記中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線を前記飛行経路とするとともに、
現在位置における前記曲線の接線方向に向けて前記レーザ光を照射した後、
前記測定対象物に前記レーザ光が照射された点を通る第1の鉛直線と前記フレネルゾーンの境界面との交点に向けて前記レーザ光を再度照射することを特徴とするフレネルゾーンの検査方法。
【請求項4】
前記無人飛行体は、
前記現在位置において前記フレネルゾーンが前記第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面で切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、前記第1の鉛直平面と直交し、かつ、前記中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線の前記現在位置における接線方向に向けて前記レーザ光を照射した後、
前記測定対象物に前記レーザ光が照射された点を通る第2の鉛直線と前記フレネルゾーンの境界面との交点に向けて前記レーザ光を再度照射することを特徴とする請求項3に記載のフレネルゾーンの検査方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間に形成されるフレネルゾーンの検査方法に係り、特に、無線通信に対する障害物がフレネルゾーンに存在するか否かを効率よく検査することが可能なフレネルゾーンの検査方法とそれに用いられる障害物検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波帯の無線通信において電力損失を少なくして通信回線品質を確保するには、フレネルゾーンと呼ばれる送信アンテナと受信アンテナの間の一定の範囲に障害物が入らないようにすることが必要である。フレネルゾーンに障害物が存在しないような場所を選んでアンテナを設置することは当然であるが、アンテナを設置した後に成長した樹木や高層建築物、あるいは工事用クレーンがフレネルゾーンに侵入してくる場合がある。
【0003】
図7はフレネルゾーンを模式的に表した図である。
図7に示すように、フレネルゾーン51は、基地局52と固定局53のアンテナ52a,53aの間に形成される領域である。なお、アンテナ52a,53aの位置をそれぞれP及びPとすると、線分P上の点Pにおけるフレネルゾーン51の半径Hは以下の式(1)によって表される。ただし、λは無線通信に使用される電波の波長である。また、nは無次元数であり、nが大きいほど、フレネルゾーン51の半径Hは大きくなる。そして、dとdはそれぞれ線分PPと線分PPの長さである。
【0004】
【数1】
【0005】
フレネルゾーン51の内部に、樹木などの障害物54が存在している可能性がある場合、その確認は、従来、目視で行われていた。しかし、アンテナ52aとアンテナ53aのうちの一方の側から方位磁石を用いて他方のアンテナの位置を推測し、実際には目に見えない状態のフレネルゾーン51の範囲を想像しなければならないことから、この方法では、フレネルゾーン51における障害物の存在を正確に判断することが困難であった。
【0006】
2つの無線用通信アンテナの間のフレネルゾーンにおいて障害物の有無を検出する技術については、例えば、特許文献1に「通信エリア検査装置」という名称の発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、基地局と固定局のように無線通信を行う対向した2局の位置情報や使用する電波の周波数などの検査条件を入力する検査条件入力部と、入力された検査条件をもとに2局間のフレネルゾーンを算出するフレネルゾーン算出部と、算出されたフレネルゾーンの直下の敷地を、地図データベースを参照して検索する敷地情報検索部と、検索された敷地内にある建物の建物情報を、建築申請書などが提出されている建物情報を格納する建築申請データベースを参照して検索する建物情報検索部と、検索された建物情報をもとに、フレネルゾーン内に入るような建物の有無を判定する障害物判定部を備えた構成となっている。
このような構成によれば、アンテナの設置前に限らず、アンテナの設置後においても、新たに建築が予定されている建物群の情報に基づいて、上述のフレネルゾーンに入る可能性のある建物の有無を判定することができる。
【0007】
また、特許文献2には、「対象物表面の3D座標を決定するための測定システム」という名称で、工業製品を3次元測定するための測定システムと、その測定システムにおいて使用される無人制御可能なオートモービル・エアークラフトと、当該測定システムにおいて3次元測定を行う際に用いられる3D座標を決定する方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示されたオートモービル・エアークラフトは、事前に決められたルートを飛行可能に構成されるとともに、無人制御可能な走査装置を備えた構造となっている。そして、明細書には、走査装置のスキャナから放射されたスキャンビームによって対象物表面が走査され、表面のそれぞれの位置の局所的な測定座標が決定されるとともに、対象物における測定点がレーザトラッカによって対象物座標系に参照付けられて、対象物の3D座標が形成されることが記載されている。
このような構造のオートモービル・エアークラフトを用いると、簡単には近づくことができないような場所に対象物が設置されている場合であっても、その3D座標を容易に取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-192145号公報
【文献】特表2014-513792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の従来技術である特許文献1に開示された発明は、必要な情報を得ることができる建築物などの人工的に造り出された障害物については、適用できるものの、樹木などのように実際に現場に行って調査をしないと必要な情報が得られない障害物の検出には適用できないという課題があった。
【0010】
特許文献2に開示された発明は、オートモービル・エアークラフトと呼ばれる無人制御可能な飛行体を用いることで、人間が近づけないような場所にある対象物についても容易に3D座標を得ることができるものの、フレネルゾーンのように飛行体の飛行経路について制約を受ける場合については適用が困難であるという課題があった。
【0011】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、無線通信に対する障害物がフレネルゾーンに存在するか否かを効率よく検査することが可能なフレネルゾーンの検査方法とそれに用いられる障害物検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、第1の発明は、対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間のフレネルゾーンの検査に用いられる障害物検出システムであって、フレネルゾーンにおいて無線通信の障害物となり得る測定対象物の位置情報を取得して3次元座標値に変換する障害物検出装置と、フレネルゾーンの3次元座標値を取得するフレネルゾーン演算装置と、測定対象物とフレネルゾーンの3次元座標値同士を比較することにより測定対象物が障害物に該当するか否かを判定する障害物判定装置と、障害物検出装置、フレネルゾーン演算装置及び障害物判定装置の動作を制御する制御装置と、を備え、障害物検出装置は、無人飛行体と、通信部と、演算部と、からなり、無人飛行体は、レーザ光を利用して測定対象物までの距離を測定するレーザ測距装置と、レーザ光の照射方向を変更可能にレーザ測距装置を保持するホルダと、GNSS衛星から受信したGNSS信号に基づいて現在の位置情報を取得する位置情報取得部と、予め定められた飛行経路が格納された飛行体記憶部と、この飛行体記憶部に格納された飛行経路に沿って飛行可能に動力機構と操舵機構を制御する飛行体制御部と、を備え、演算部はレーザ測距装置によって測定された測定対象物までの距離と位置情報取得部によって取得された現在の位置情報から測定対象物の3次元座標値を算出し、障害物判定装置は、通信部と制御装置を経由して測定対象物の3次元座標値を受け取るとともに、測定対象物の3次元座標値がフレネルゾーンの内部を示す3次元座標値の範囲に含まれている場合に測定対象物を障害物と判定することを特徴とするものである。
【0013】
このような構造の障害物検出システムにおいては、フレネルゾーンが中心軸を通る平面で切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、当該中心軸を通る第1の鉛直平面と直交し、かつ、当該中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線を飛行経路に設定して無人飛行体を飛行させながら、ホルダによってレーザ測距装置から照射されるレーザ光の向きを調整することによりフレネルゾーンの境界面の接線方向へレーザ光を照射させると、障害物検出装置によってフレネルゾーンの下側境界面の近傍に存在する測定対象物の3次元座標値が得られるという作用を有する。
また、上記測定対象物がフレネルゾーンの内部に侵入している場合、その測定対象物に上記レーザ光が照射された点を通る鉛直線とフレネルゾーンの境界面との交点に向けてレーザ光を照射させることで、上記測定対象物のフレネルゾーンの内部に侵入している箇所の3次元座標値が障害物検出装置によって得られるという作用を有する。そして、上記測定対象物が障害物判定装置によって障害物であると判定されるという作用を有する。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、無人飛行体は、現在の飛行姿勢情報を取得する姿勢情報取得部を備え、飛行体記憶部には、予め定められた飛行姿勢が格納されており、姿勢情報取得部によって取得された現在の飛行姿勢情報と、飛行体記憶部に格納されている飛行姿勢に基づいて無人飛行体の動力機構と操舵機構が飛行体制御部によって制御されることを特徴とするものである。
このような構造の障害物検出システムにおいては、ホルダによってレーザ測距装置を傾ける代わりに、飛行体制御部により無人飛行体を所定の角度で傾けた状態で飛行させることで、第1の発明と同様の作用が発揮される。
【0015】
第3の発明は、対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間に形成されるフレネルゾーンの検査方法であって、フレネルゾーンの3次元座標値を演算によって求める工程と、レーザ光の照射方向を変更可能な状態でレーザ測距装置が搭載された無人飛行体を予め定められた飛行経路に沿って飛行させる工程と、フレネルゾーンにおいて無線通信の障害物となり得る測定対象物と無人飛行体の距離をレーザ測距装置によって測定する工程と、無人飛行体の現在の位置情報を取得して、この位置情報とレーザ測距装置の測定結果から測定対象物の3次元座標値を演算によって求める工程と、測定対象物とフレネルゾーンについて3次元座標値同士を比較して、測定対象物の3次元座標値がフレネルゾーンの内部を示す3次元座標値の範囲に含まれている場合に測定対象物を障害物と判定する工程と、を備え、無人飛行体は、フレネルゾーンが中心軸を通る平面で切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、中心軸を通る第1の鉛直平面と直交し、かつ、中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線を飛行経路とするとともに、現在位置における曲線の接線方向に向けてレーザ光を照射した後、測定対象物にレーザ光が照射された点を通る第1の鉛直線とフレネルゾーンの境界面との交点に向けてレーザ光を再度照射することを特徴とするものである。
【0016】
このようなフレネルゾーンの検査方法においては、上記曲線に沿って無人飛行体を飛行させながら、ホルダによってレーザ測距装置から照射されるレーザ光の向きを調整することにより、上記曲線の無人飛行体の現在位置における接線方向に対して平行となるように前方へレーザ光を照射させると、障害物検出装置によってフレネルゾーンの下側境界面の近傍であって、かつ、無人飛行体の進行方向の前方に存在する測定対象物の3次元座標値が得られるという作用を有する。
また、上記測定対象物がフレネルゾーンの内部に侵入している場合、その測定対象物に上記レーザ光が照射された点を通る鉛直線とフレネルゾーンの境界面との交点に向けてレーザ光を照射させることで、上記測定対象物のフレネルゾーンの内部に侵入している箇所の3次元座標値が障害物検出装置によって得られるという作用を有する。そして、上記測定対象物が障害物判定装置によって障害物であると判定されるという作用を有する。
【0017】
第4の発明は、第3の発明において、無人飛行体は、現在位置においてフレネルゾーンが第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面で切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、第1の鉛直平面と直交し、かつ、中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線の現在位置における接線方向に向けてレーザ光を照射した後、測定対象物にレーザ光が照射された点を通る第2の鉛直線とフレネルゾーンの境界面との交点に向けてレーザ光を再度照射することを特徴とするものである。
【0018】
このようなフレネルゾーンの検査方法においては、第3の発明の場合と同じ飛行経路に沿って無人飛行体を飛行させながら、中心軸を通る第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面でフレネルゾーンが切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、第1の鉛直平面と直交し、かつ、中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線について無人飛行体の現在位置における接線方向を求め、この方向の両側へレーザ光を照射させると、障害物検出装置によってフレネルゾーンの下側境界面の近傍であって、かつ、無人飛行体の左右方向(進行方向に直交する方向)に存在する測定対象物の3次元座標値が得られるという作用を有する。
また、上記測定対象物がフレネルゾーンの内部に侵入している場合、その測定対象物に上記レーザ光が照射された点を通る第2の鉛直線とフレネルゾーンの境界面との交点に向けてレーザ光を照射させることで、上記測定対象物のフレネルゾーンの内部に侵入している箇所の3次元座標値が障害物検出装置によって得られるという作用を有する。そして、上記測定対象物が障害物判定装置によって障害物であると判定されるという作用を有する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、第1の発明では、レーザ光を2段階に分けて2つの異なる方向へ照射することができる。したがって、第1の発明を用いることによれば、以下に述べる第3の発明又は第4の発明に係るフレネルゾーンの検査方法を容易に実施することが可能である。
【0020】
第2の発明によれば、ホルダによってレーザ測距装置を傾ける代わりに、飛行体制御部により無人飛行体を所定の角度で傾けた状態で飛行させることで、第1の発明と同様の効果が発揮される。
【0021】
第3の発明によれば、レーザ光を2段階に分けて所定の方向へ照射することにより、フレネルゾーンの下側境界面の下方であって、かつ、無人飛行体の進行方向の前方に存在する樹木等について、そのまま上方に伸びて、フレネルゾーンの内部に侵入しているのか、あるいは、フレネルゾーンには達してないのかを明確に区別して検出することが可能である。
【0022】
第4の発明によれば、フレネルゾーンの下側境界面の下方であって、かつ、無人飛行体の側方に存在する樹木等に関して、第3の発明と同様の効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態に係る障害物検出システムの構成を示したブロック図である。
図2】(a)は無人飛行体の外観を示した斜視図であり、(b)は無人飛行体の構成を示したブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係るフレネルゾーンの検査方法の手順の一例を示したフローチャートである。
図4】(a)及び(b)は、図7において固定局側から基地局側に向けて無人飛行体が飛行している状態を模式的に示した図である。
図5図7に示したフレネルゾーンが図4に示した無人飛行体の現在位置において、中心軸(線分Pを含む直線)を通る第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面で切断された状態を模式的に示した図である。
図6図7に示したフレネルゾーンが図4に示した無人飛行体の現在位置において、中心軸(線分Pを含む直線)を通る第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面で切断された状態を模式的に示した図である。
図7】フレネルゾーンを模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の障害物検出システムは、ドローンなどの小型の無人飛行体を用いて、無線通信区間内に存在する測定対象物の3次元座標値(X座標、Y座標、Z座標)を取得して、その3次元座標値がフレネルゾーンを示す3次元座標値と一致している場合に当該測定対象物を無線通信に対する障害物と判定するものである。その構成と作用及び効果については、図1乃至図6を参照しながら具体的に説明する。
【実施例
【0025】
図1は本発明の実施の形態に係る障害物検出システムの構成を示したブロック図である。図2(a)は無人飛行体の外観を示した斜視図であり、図2(b)は無人飛行体の構成を示したブロック図である。
なお、図7を用いて既に説明した構成要素については、同一の符号を付するとともに、その説明を適宜省略する。
【0026】
図1に示すように、本発明の障害物検出システム1は、無線通信区間において障害物となり得る測定対象物の位置情報を取得して3次元座標値に変換する障害物検出装置2と、無線通信区間内のフレネルゾーン51の3次元座標値を取得するフレネルゾーン演算装置3と、測定対象物とフレネルゾーンの3次元座標値を比較することにより上記測定対象物が無線通信に対する障害物であるか否かを判定する障害物判定装置4と、障害物検出装置2乃至障害物判定装置4の動作を制御する制御装置5を備えている。
【0027】
障害物検出装置2は、無人飛行体6と、通信部7と、演算部8からなり、フレネルゾーン演算装置3は、基地局52と固定局53の位置やアンテナ52a,53aの大きさなどの情報と使用される電波の周波数などのデータを入力するための入力部9と、入力部9から入力されたアンテナに関するデータが格納される記憶部10と、この記憶部10に格納されたデータを前述の式(1)に用いてフレネルゾーン51の3次元座標値を算出するフレネルゾーン演算部11からなる。そして、障害物判定装置4は、測定対象物とフレネルゾーンの3次元座標値を比較する比較演算部12と出力部13からなる。
なお、記憶部10は、RAM( Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)と不揮発性メモリ等からなる。ただし、RAMと不揮発性メモリは少なくともいずれか一方を備えていれば良い。また、ROMには、入力部9から入力されたデータやフレネルゾーン演算部11で使用されるプログラムやデータが格納され、RAMや不揮発性メモリには、フレネルゾーン演算部11による演算結果が格納される。
【0028】
図2(a)に示すように、無人飛行体6は、各先端にモータ15がそれぞれ設置されるとともに同一平面を形成するように放射状に配置された複数本のアーム16と、モータ15の回転軸に取り付けられたプロペラ17と、アーム16の基端が連結された本体フレーム18と、レーザ光を利用して測定対象物までの距離を測定するレーザ測距装置19と、本体フレーム18の下面に設置されるとともにレーザ光を所定の方向への照射可能にレーザ測距装置19を保持するホルダ20と、レーザ測距装置19とホルダ20を囲むように本体フレーム18に設置された脚部21を備えている。
【0029】
レーザ測距離装置19は、複数のアーム16が形成する平面と平行な平面内で360度回動自在、かつ、上記平面に垂直な平面内で少なくとも300度回動自在に、ホルダ20によって保持されている。
すなわち、レーザ測距装置19は、複数のアーム16が形成する平面が水平である場合には、水平方向の全方位に向けてレーザ光を照射可能であるとともに、水平面から60度斜め上方から鉛直方向下向きを含む回動角度300度の範囲でレーザ光を照射可能となっている。
【0030】
図2(b)に示すように、本体フレーム18には、飛行体制御部22と、飛行体記憶部23と、GNSS( Global Navigation Satellite System: 全地球測位システム)信号を受信するための飛行体通信部24と、位置情報取得部25と、姿勢情報取得部26と、予め定められた飛行経路や飛行姿勢などの情報を入力するための飛行体入力部14が設置されている。
【0031】
飛行体記憶部23の構成はフレネルゾーン演算装置3の記憶部10と同じである。ただし、飛行体記憶部23には、飛行体通信部24によってGNSS衛星から受信したGNSS信号に基づいて位置情報取得部25における処理によって得られた無人飛行体6の現在の位置情報と姿勢情報取得部26によって得られた現在の飛行姿勢情報が格納される。
飛行体制御部22は、位置情報取得部25と姿勢情報取得部26によって取得された無人飛行体6の現在の位置情報及び飛行姿勢情報と、飛行体記憶部23に予め格納されている飛行経路及び飛行姿勢に基づいて無人飛行体6の動力機構と操舵機構を制御する。これにより、無人飛行体6は予め定められた飛行経路を所定の飛行姿勢を保ちながら飛行する。
【0032】
障害物検出装置2の演算部8は無人飛行体6のレーザ測距装置19によって測定された測定対象物までの距離と位置情報取得部25によって取得された無人飛行体6の現在の位置情報に基づいて測定対象物の3次元座標値を算出し、その結果を通信部7から制御装置5に送る。
障害物判定装置4の比較演算部12は、制御装置5を経由して受け取った測定対象物の3次元座標値をフレネルゾーン51の3次元座標値と比較して、測定対象物の3次元座標値がフレネルゾーンの内部を示す3次元座標値の範囲に含まれている場合に測定対象物を無線通信の障害物と判定する。
【0033】
比較演算部12の判定結果は、出力部13において、モニターに表示され、あるいは紙媒体や電子ファイルの形式で出力される。なお、モニターには、フレネルゾーン演算装置3によって算出されたフレネルゾーン51を仮想空間上に立体表示され、そこに、障害物検出装置2によって位置が特定された樹木等の測定対象物が重ね合わせるようにして表示される。
ただし、当該測定対象物においてフレネルゾーン51の内部に侵入している箇所については、無線通信の障害物であることが明確になるように赤色で表示されるとともに、フレネルゾーン51から一定の距離の範囲内にある箇所については、黄色で表示されるものとする。
【0034】
姿勢情報取得部26は、無人飛行体6に関し、3軸方向( X軸、Y軸、Z軸)についての角度や角速度を検出するための3軸ジャイロスコープと、3軸方向についての加速度を検出するための3軸加速度センサと、軸方向の検出値に基づいて方位角を検出するための3軸磁気センサと、飛行高度を検出するための高度測定センサと、水平方向の飛行速度を検出するための水平速度センサを備えている。
【0035】
このような構造の障害物検出システム1においては、ホルダ20によってレーザ測距装置19から照射されるレーザ光の向きを調整することにより、所望の方向へレーザ光が照射されるという作用を有する。そのため、障害物検出システム1を用いることによれば、レーザ光を2段階に分けて2つの異なる方向へ照射することを特徴とする本発明に係るフレネルゾーンの検査方法を容易に実施することができる。
なお、障害物検出システム1では、レーザ測距装置19をホルダ20によって傾けた状態で無人飛行体6を飛行させる代わりに、飛行体制御部22を用いて無人飛行体6そのものを傾けた状態で飛行させることができる。この場合も、ホルダ20によってレーザ測距装置19を傾けた状態で無人飛行体6を飛行させる場合と同様の作用及び効果が発揮される。
【0036】
障害物検出システム1を用いて、無線通信区間に形成されるフレネルゾーンを検査する方法について図3乃至図6を用いて説明する。
図3は本発明に係るフレネルゾーンの検査方法の手順の一例を示したフローチャートであり、図4(a)及び図4(b)は、図7において固定局側から基地局側に向けて無人飛行体が飛行している状態を模式的に示した図である。
また、図5及び図6は、図7に示したフレネルゾーンが図4に示した無人飛行体の現在位置において、中心軸(線分Pを含む直線)を通る第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面で切断された状態を模式的に示した図である。
なお、図4乃至図6では、フレネルゾーンの輪郭線を破線で示している。また、図1及び図2を用いて既に説明した構成要素については、同一の符号を付するとともに、その説明を適宜省略する。
【0037】
まず、障害物検出システム1のフレネルゾーン演算装置3は、入力部9から入力されて記憶部10に予め格納されている基地局52と固定局53の位置やアンテナ52a,53aの大きさなどの情報と使用される電波の周波数などのデータを前述の式(1)に用いてフレネルゾーン51の3次元座標値を算出し、記憶部10に格納する(図3のステップS1)。
【0038】
制御装置5はフレネルゾーン演算装置3の記憶部10に格納されているフレネルゾーン51の3次元座標値を読み出して、無人飛行体6の飛行経路を設定する(図3のステップS2)。具体的には、図7に示したフレネルゾーン51において、中心軸(線分Pを含む直線)を通る平面で切断した場合に輪郭線を形成する楕円のうち、上記中心軸を通る第1の鉛直平面と直交し、かつ、上記中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線Pを無人飛行体6の飛行経路とする。制御装置5は、この飛行経路を障害物検出装置2の通信部7に送信し、通信部7は制御装置5から受信した飛行経路を無人飛行体6の飛行体記憶部23に格納する。
【0039】
無人飛行体6を基地局52のアンテナ52a又は固定局53のアンテナ53aの近傍に設置した状態で、制御装置5が障害物検出装置2の通信部7に飛行開始信号を送信すると、通信部7は飛行開始信号を無人飛行体6の飛行体制御部22に送信する。飛行体制御部22を介して飛行開始信号を受信したモータ15はプロペラ17の回転駆動を開始する。このとき、飛行体制御部22は、飛行体記憶部23に予め格納されている飛行経路及び飛行姿勢に基づいて無人飛行体6の動力機構と操舵機構を制御する。これにより、無人飛行体6は所定の飛行姿勢を保った状態で予め定められた飛行経路に沿って飛行を開始する(図3のステップS3)。
【0040】
図4(a)に矢印で示すように、無人飛行体6は、レーザ測距装置19によりレーザ光を進行方向の前方へ照射する(図3のステップS4)。具体的には、ホルダ20によってレーザ測距装置19から照射されるレーザ光の向きを調整することにより、飛行経路に設定されたフレネルゾーン51の輪郭線をなす曲線29aの現在位置における接線方向に沿って前方へレーザ光を照射する。
無人飛行体6の前方に樹木などの測定対象物27aが存在している場合、レーザ測距装置19は無人飛行体6から測定対象物27aまでの距離を測定し、この測定結果と位置情報取得部25が取得した無人飛行体6の現在の位置情報に基づいて障害物検出装置2の演算部8が測定対象物27aの3次元座標値を算出する。
【0041】
フレネルゾーン演算装置3は制御装置5の指示に従って、フレネルゾーン51の境界面上で測定対象物27aのX座標及びY座標を有する点(図4(a)又は図4(b)に示した点Q)を求め、その3次元座標値を制御装置5に送る。その後、図4(b)に矢印で示すようにレーザ測距装置19は点Qに向けてレーザ光を照射する。なお、点Qは、1度目のレーザ光が測定対象物27aに照射された点Qを通る鉛直線28aとフレネルゾーン51の境界面との交点に相当する。
【0042】
この再度のレーザ光の照射によって測定対象物27aが検出された場合、レーザ測距装置19は無人飛行体6から測定対象物27aまでの距離を測定し、上述のとおり、障害物検出装置2の演算部8は測定対象物27aの3次元座標値を算出し、その3次元座標値を通信部7と制御装置5を経由して障害物判定装置4の比較演算部12に送る。
【0043】
図5に矢印で示すように、無人飛行体6は、レーザ測距装置19によりレーザ光を側方(進行方向に直交する方向)へ照射する(図3のステップS5)。具体的には、ホルダ20によってレーザ測距装置19から照射されるレーザ光の向きを調整することにより、中心軸を通る第1の鉛直平面と直交する第2の鉛直平面でフレネルゾーン51が切断された場合に輪郭線を形成する楕円のうち、第1の鉛直平面と直交し、かつ、中心軸を通る平面よりも下方に位置する曲線29bの現在位置における接線方向(両方向)へレーザ光を照射する。
無人飛行体6の側方に樹木などの測定対象物27bが存在している場合、レーザ測距装置19は無人飛行体6から測定対象物27bまでの距離を測定し、この測定結果と位置情報取得部25が取得した無人飛行体6の現在の位置情報に基づいて障害物検出装置2の演算部8が測定対象物27bの3次元座標値を算出する。
【0044】
フレネルゾーン演算装置3は制御装置5の指示に従って、フレネルゾーン51の境界面上で測定対象物27bのX座標及びY座標を有する点(図5又は図6に示した点Q)を求め、その3次元座標値を制御装置5に送る。その後、図6に矢印で示すようにレーザ測距装置19は点Qに向けてレーザ光を照射する。なお、点Qは、1度目のレーザ光が測定対象物27bに照射された点Qを通る鉛直線28bとフレネルゾーン51の境界面との交点に相当する。
【0045】
この再度のレーザ光の照射によって無人飛行体6の側方に測定対象物27bが検出された場合、レーザ測距装置19は無人飛行体6から測定対象物27bまでの距離を測定し、前述したように障害物検出装置2の演算部8は測定対象物27bの3次元座標値を算出し、その3次元座標値を通信部7と制御装置5を経由して障害物判定装置4の比較演算部12に送る。
【0046】
比較演算部12は図3に示したステップS4及びステップS5における再度のレーザ光の照射によって検出された測定対象物27a,27bの3次元座標値をフレネルゾーン51の3次元座標値と比較する。
図4乃至図6に示すように、点Q,Qはフレネルゾーン51の境界面上の点であるため、測定対象物27a,27bが点Q,Qにおいて検出された場合には、測定対象物27a,27bの一部がフレネルゾーン51の内部に存在することは明らかである。この場合、測定対象物27a,27bの3次元座標値がフレネルゾーン51の内部を示す3次元座標値の範囲に含まれることになるため、比較演算部12は、測定対象物27a,27bの一部がフレネルゾーン51の内部に存在する障害物であると判定する(ステップS6)。一方、図3に示したステップS4又はステップS5において、測定対象物27a,27bが点Q,Qにおいて検出されない場合、又は点Qや点Qが存在しない場合、フレネルゾーン演算装置3は、測定対象物27a,27bの3次元座標値がフレネルゾーン51の内部を示す3次元座標値の範囲に含まれる可能性がないという結果を制御装置5に送り、その結果を制御装置5から受け取った障害物判定装置4の比較演算部12は、測定対象物27a,27bの一部がフレネルゾーン51の内部に存在する障害物となり得ない旨の判定を行う。
【0047】
以上説明したように、本発明のフレネルゾーンの検査方法は、無人飛行体6を予め定められた飛行経路(図4(a)又は図4(b)に示した曲線29a)に沿って飛行させながら、レーザ光を2段階に分けて2つの異なる方向へ照射することを特徴とする。そして、1度目のレーザ光の照射によって、フレネルゾーン51の下側境界面の近傍に存在する樹木等が検出され、2度目のレーザ光の照射によって、その樹木等がそのまま上に伸びて、その一部がフレネルゾーン51の内部に侵入しているものであるか否かが検出される。
このように、本発明のフレネルゾーンの検査方法によれば、フレネルゾーン51の下側境界面の近傍に存在する樹木等について、その一部がフレネルゾーン51の内部に侵入して、障害物となっているか否かを明確に区別して検出することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のフレネルゾーンの検査方法とそれに用いられる障害物検出システムは、対向して配置された一対の無線通信用アンテナの間に形成されるフレネルゾーンの内部に、無線通信に対する障害物となり得るものが存在するか否かを検査する場合に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…障害物検出システム 2…障害物検出装置 3…フレネルゾーン演算装置 4…障害物判定装置 5…制御装置 6…無人飛行体 7…通信部 8…演算部 9…入力部 10…記憶部 11…フレネルゾーン演算部 12…比較演算部 13…出力部 14…飛行体入力部 15…モータ 16…アーム 17…プロペラ 18…本体フレーム 19…レーザ測距装置 20…ホルダ 21…脚部 22…飛行体制御部 23…飛行体記憶部 24…飛行体通信部 25…位置情報取得部 26…姿勢情報取得部 27a,27b…測定対象物 28a,28b…鉛直線 29a,29b…曲線 51…フレネルゾーン 52…基地局 53…固定局 52a,53a…アンテナ 54…障害物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7