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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報提示方法および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230912BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230912BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G06F3/12 331
B41J29/00 E
B41J29/38 103
G06F3/12 303
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020004407
(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公開番号】P2021072082
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2019194526
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八反田 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】村田 良治
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-043081(JP,A)
【文献】特開2007-076067(JP,A)
【文献】特開2018-147184(JP,A)
【文献】特開2005-025684(JP,A)
【文献】特開2014-078966(JP,A)
【文献】特開2008-293284(JP,A)
【文献】特開2019-171690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、前記設定情報を前記情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と
前記設定情報を前記情報処理装置の前記記憶部に書き込む書込処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連すると判断された場合において、前記設定情報を過去に書き込んだか否かを判断する第2の判断処理と、
前記第2の判断処理により前記設定情報を過去に書き込んだと判断された場合、前記メッセージを提示する第2の提示処理と
を含み、
前記メッセージは、前記設定情報を前記記憶部に書き込むべきでないことを示すメッセージを含む
報提示方法。
【請求項2】
前記メッセージは、前記設定情報が前記識別情報に関連しないことを示すメッセージを含む
請求項1に記載の情報提示方法。
【請求項3】
前記メッセージは、前記設定情報を前記記憶部に書き込むべきでないこと示すメッセージを含む
請求項1または請求項2に記載の情報提示方法。
【請求項4】
前記第1の判断処理は、前記設定情報が、取得された前記識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、前記設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断することを含む
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項5】
前記取得処理は、前記情報処理装置から前記識別情報を取得することを含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項6】
前記取得処理は、前記情報処理装置が梱包された梱包材に付された属性情報から前記識別情報を取得することを含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項7】
前記属性情報はバーコードを含む
請求項6に記載の情報提示方法。
【請求項8】
前記属性情報は文字情報を含み、
前記取得処理は、前記文字情報を撮像することにより前記属性情報から前記識別情報を取得することを含む
請求項6に記載の情報提示方法。
【請求項9】
前記第1の提示処理が行われる位置を測定する測定処理をさらに含み、
前記取得処理は、前記測定処理の測定結果に基づいて、前記識別情報を取得することを含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項10】
前記記憶部はNFCタグを含み、
前記書込処理は、前記情報処理装置の電源がオフであるときに行われる
請求項1に記載の情報提示方法。
【請求項11】
前記記憶部はNFCタグを含み、
前記識別情報は、前記NFCタグに予め記憶され、
前記取得処理は、前記情報処理装置の電源がオフであるときに行われる
請求項5に記載の情報提示方法。
【請求項12】
前記設定情報を含む複数の設定情報を予め記憶する記憶処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、取得された前記識別情報に基づいて、前記複数の設定情報のうちの前記設定情報以外の一または複数の設定情報のうちの少なくとも1つが前記識別情報に関連するか否かを判断することにより、前記識別情報に関連する一以上の設定情報を選択する選択処理と、
前記選択処理により選択された前記一以上の設定情報を提示する第3の提示処理と
をさらに含む
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項13】
前記選択処理は、さらに、前記設定情報を過去に書き込んだか否かを判断することにより、前記識別情報に関連し過去に書き込んでいない前記一以上の設定情報を選択することを含む
請求項12に記載の情報提示方法。
【請求項14】
前記第1の判断処理は、前記設定情報が、取得された前記識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、前記設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断することを含み、
情報管理装置が、前記取得処理および前記第1の提示処理を行い、
サーバが、前記所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに前記第1の判断処理を行う
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項15】
前記第1の判断処理は、前記設定情報が、取得された前記識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、前記設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断することを含み、
情報管理装置が、前記所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに、前記取得処理、前記第1の判断処理および前記第1の提示処理を行う
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の情報提示方法。
【請求項16】
情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、前記設定情報を前記情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と、
前記設定情報を含む複数の設定情報を予め記憶する記憶処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、取得された前記識別情報に基づいて、前記複数の設定情報のうちの前記設定情報以外の一または複数の設定情報のうちの少なくとも1つが前記識別情報に関連するか否かを判断することにより、前記識別情報に関連する一以上の設定情報を選択する選択処理と、
前記選択処理により選択された前記一以上の設定情報を提示する第3の提示処理と
を含む情報提示方法。
【請求項17】
情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、前記設定情報を前記情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と
を含み、
前記第1の判断処理は、前記設定情報が、取得された前記識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、前記設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断することを含み、
情報管理装置が、前記取得処理および前記第1の提示処理を行い、
サーバが、前記所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに前記第1の判断処理を行う
情報提示方法。
【請求項18】
情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、
取得された前記識別情報に基づいて、前記情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、
前記第1の判断処理により前記設定情報が前記識別情報に関連しないと判断された場合、前記設定情報を前記情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と
を含み、
前記第1の判断処理は、前記設定情報が、取得された前記識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、前記設定情報が前記識別情報に関連するか否かを判断することを含み、
情報管理装置が、前記所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに、前記取得処理、前記第1の判断処理および前記第1の提示処理を行う
情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を提示する情報提示方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙などの記録媒体に画像を形成する画像形成装置には、様々な設定情報が記憶されている。画像形成装置には、RFID(Radio Frequency Identification)に書き込まれた設定情報に基づいて画像形成装置の設定処理を行うものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-160903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置では、一般にユーザの利便性が高いことが望まれており、さらなるユーザの利便性の向上が期待されている。
【0005】
ユーザの利便性を高めることができる情報提示方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態における第1の情報提示方法は、情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、取得された識別情報に基づいて、情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と、設定情報を情報処理装置の記憶部に書き込む書込処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連すると判断された場合において、設定情報を過去に書き込んだか否かを判断する第2の判断処理と、第2の判断処理により設定情報を過去に書き込んだと判断された場合、メッセージを提示する第2の提示処理とを含む。上記メッセージは、設定情報を記憶部に書き込むべきでないことを示すメッセージを含む。
本発明の一実施の形態における第2の情報提示方法は、情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、取得された識別情報に基づいて、情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理と、設定情報を含む複数の設定情報を予め記憶する記憶処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、取得された識別情報に基づいて、複数の設定情報のうちの設定情報以外の一または複数の設定情報のうちの少なくとも1つが識別情報に関連するか否かを判断することにより、識別情報に関連する一以上の設定情報を選択する選択処理と、選択処理により選択された一以上の設定情報を提示する第3の提示処理とを含む。
本発明の一実施の形態における第3の情報提示方法は、情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、取得された識別情報に基づいて、情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理とを含む。第1の判断処理は、設定情報が、取得された識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、設定情報が識別情報に関連するか否かを判断することを含む。情報管理装置が、取得処理および第1の提示処理を行う。サーバは、所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに第1の判断処理を行う。
本発明の一実施の形態における第4の情報提示方法は、情報処理装置を識別する情報である識別情報を取得する取得処理と、取得された識別情報に基づいて、情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が識別情報に関連するか否かを判断する第1の判断処理と、第1の判断処理により設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示する第1の提示処理とを含む。第1の判断処理は、設定情報が、取得された識別情報と関連付けられた所定の検証条件を満たすかどうかを判断することより、設定情報が識別情報に関連するか否かを判断することを含む。情報管理装置は、所定の検証条件を含む検証情報を記憶するとともに、取得処理、第1の判断処理および第1の提示処理を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施の形態における情報提示方法によれば、識別情報を取得し、情報処理装置の記憶部に書き込むべき設定情報が取得された識別情報に関連するか否かを判断し、設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を情報処理装置に適用しないことを示すメッセージを提示するようにしたので、ユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
図2図1に示した設定情報テーブルの一例を表す説明図である。
図3図1に示した検証情報テーブルの一例を表す説明図である。
図4図1に示した携帯端末の一動作例を表すフローチャートである。
図5図1に示したサーバの一動作例を表すフローチャートである。
図6図1に示した情報処理システムの一動作例を表すシーケンス図である。
図7図4に示した処理における表示画面の一例を表す画像図である。
図8図4に示した処理における表示画面の一例を表す他の画像図である。
図9】変形例に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
図10図9に示した携帯端末の一動作例を表すフローチャートである。
図11図9に示した情報処理システムの一動作例を表すシーケンス図である。
図12】他の変形例に係る情報処理システムの一動作例を表すフローチャートである。
図13】他の変形例に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
図14図13に示した携帯端末の一動作例を表すフローチャートである。
図15図13に示したサーバの一動作例を表すフローチャートである。
図16】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
図17図16に示したフラグ管理テーブルの一例を表す説明図である。
図18A図16に示した携帯端末の一動作例を表すフローチャートである。
図18B図16に示した携帯端末の一動作例を表す他のフローチャートである。
図19図18Bに示した処理における表示画面の一例を表す画像図である。
図20】変形例に係る情報処理システムの処理における表示画面の一例を表す画像図である。
図21】第3の実施の形態に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
図22図21に示した携帯端末の一動作例を表すフローチャートである。
図23図21に示した情報処理システムの一動作例を表すシーケンス図である。
図24図22に示した処理における表示画面の一例を表す画像図である。
図25】変形例に係る情報処理システムの検証情報テーブルの一例を表す説明図である。
図26】他の変形例に係る情報処理システムの一構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
【0011】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報提示方法が用いられる情報処理システム1の一構成例を表すものである。情報処理システム1は、携帯端末100と、画像形成装置200と、サーバ300とを備えている。携帯端末100は、例えばタブレット端末であり、様々なアプリケーションソフトウェアを実行するように構成される。画像形成装置200は、例えばプリンタであり、トナーなどの現像剤を用いて画像形成動作を行うことにより、紙などの記録媒体にモノクロ画像やカラー画像を形成するように構成される。サーバ300は、各種プログラムを動作させることにより様々な処理を行うように構成される。携帯端末100は、近距離無線通信により画像形成装置200と通信する。この例では、近距離無線通信はNFC(Near Field Communication)である。携帯端末100は、有線LAN(Local Area Network)や無線LANなどのネットワーク(図示せず)を介してサーバ300と通信するようになっている。
【0012】
画像形成装置200は、画像形成装置200を識別する情報である識別情報IDを、情報を記憶するNFCタグ202に予め記憶している。識別情報IDは、例えば、画像形成装置200の機種名である。この例では、画像形成装置200は段ボール箱などの梱包材に梱包されており、画像形成装置200の電源が投入されていない。携帯端末100には、複数の設定情報SIが記憶されている。複数の設定情報SIのそれぞれは、画像形成装置が使用可能な様々な設定値を含む。携帯端末100は、例えば、システムインテグレータであるユーザの操作に基づいて、複数の設定情報SIのうちの1つを、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1として選択する。携帯端末100は、近距離無線通信により、画像形成装置200のNFCタグ202から識別情報IDを読み出し、識別情報IDおよび設定情報SI1を含む書込情報WIをNFCタグ202に書き込む。携帯端末100は、読み出された識別情報IDおよび選択された設定情報SI1をサーバ300に送信する。サーバ300は、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。具体的には、サーバ300は、画像形成装置200がこの設定情報SI1に含まれる設定値を、識別情報IDが示す機種に適用するかどうかを検証する。サーバ300によりこの設定情報SI1が識別情報IDに関連すると判断された場合、携帯端末100は、この設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する。一方、サーバ300によりこの設定情報SI1が識別情報IDに関連しないと判断された場合、携帯端末100は、この設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する。これにより、ユーザは、例えば、画像形成装置200に適用される別の設定情報SIをNFCタグ202に書き込むように、携帯端末100を操作することができる。これにより、情報処理システム1では、ユーザの利便性を高めることができるようになっている。
【0013】
(携帯端末100)
携帯端末100は、NFC通信部101と、通信部102と、操作部103と、表示部104と、記憶部105と、制御部106とを有している。
【0014】
NFC通信部101は、ユーザが携帯端末100を画像形成装置200にかざすことにより、近距離無線通信を用いて画像形成装置200と通信するように構成される。
【0015】
通信部102は、例えば、ネットワーク(図示せず)を介してサーバ300と通信するように構成される。具体的には、例えば、通信部102は、制御部106からの指示に基づいて、識別情報IDおよび設定情報SI1をサーバ300に送信する。また、通信部102は、サーバ300から送信された検証結果VR(後述)を受信するようになっている。
【0016】
操作部103は、ユーザの操作を受け付けるように構成される。操作部103は、例えば、各種ボタンやタッチパネルなどを用いて構成される。
【0017】
表示部104は、携帯端末100の動作状態などを表示するように構成される。表示部104は、例えば、液晶ディスプレイを用いて構成される。
【0018】
記憶部105は、携帯端末100において用いられる各種プログラム、各種設定などの様々なデータを記憶するように構成される。記憶部105は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリなどを含んで構成される。この例では、記憶部105は、複数の設定情報SIを含む設定情報テーブルSTを、例えばcsv(Comma Separated Values)ファイルとして予め記憶している。
【0019】
図2は、設定情報テーブルSTの一例を表すものである。図2における1行分の情報が1つの設定情報SIである。設定情報SIは、例えば、“設定名”、“IPアドレス”、“サブネットマスク”、“デフォルトゲートウェイ”、“トレイ用紙サイズ”についての情報を含む。“設定名”は、設定情報SIを識別するための任意の文字情報である。“IPアドレス”は、ネットワークに接続された装置を識別するための情報である。“サブネットマスク”は、“IPアドレス”において設定可能な範囲を制限するための情報であり、この例では“255.255.255.0”に設定される。“デフォルトゲートウェイ”は、ネットワークに含まれる複数のネットワークを仲介する中継器を識別するための情報であり、この例では“192.168.100.1”に設定される。“トレイ用紙サイズ”は、画像形成装置200における収納トレイ(図示せず)に収納される記録媒体のサイズを指定するための情報である。この例では、設定名が“DeviceA”である設定情報SIにおいて、“IPアドレス”は“192.168.100.100”であり、トレイ用紙サイズは“A3”である。設定名が“DeviceB”である設定情報SIにおいて、“IPアドレス”は“192.168.100.101”であり、トレイ用紙サイズは“”(指定なし)である。設定名が“DeviceC”である設定情報SIにおいて、“IPアドレス”は“192.168.100.102”であり、トレイ用紙サイズは“B5”である。設定名が“DeviceD”である設定情報SIにおいて、“IPアドレス”は“192.168.100.100”であり、トレイ用紙サイズは“”(指定なし)である。設定名が“DeviceE”である設定情報SIにおいて、“IPアドレス”は“192.168.100.101”であり、トレイ用紙サイズは“A5”である。図示していないが、設定名が“DeviceA”、“DeviceB”、または“DeviceC”である設定情報SIは、機種名が“ModelA”である画像形成装置に対して使用すべき設定情報である。また、設定名が“DeviceD”または“DeviceE”である設定情報SIは、機種名が“ModelB”である画像形成装置に対して使用すべき設定情報である。すなわち、設定情報テーブルSTにおける設定情報SIは、例えば、システムインテグレータであるユーザが複数の画像形成装置を含むシステムを構築する場合に、複数の画像形成装置のうちのいずれかにおいて使用すべき設定情報である。ユーザは、システムを構築する際に、このような設定情報テーブルSTを作成し、この設定情報テーブルSTを記憶部105に予め記憶させるようになっている。
【0020】
制御部106は、携帯端末100内の各ブロックの動作を制御することにより携帯端末100の全体動作を制御するように構成される。制御部106は、例えば、プログラムを実行可能なプロセッサやRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。この例では、携帯端末100には、NFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する専用のアプリケーションソフトウェアAPがインストールされており、制御部106は、このアプリケーションソフトウェアAPを実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAPは、NFC通信制御部107と、表示制御部108とを有している。
【0021】
NFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することによりNFCタグ202と通信するように構成される。具体的には、例えば、NFC通信制御部107は、NFCタグ202との通信を確立するようにNFC通信部101を制御する。NFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す。NFC通信制御部107は、画像形成装置200のNFCタグ202に書き込むべき、識別情報IDおよび設定情報SI1を含む書込情報WIを生成する。そして、NFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、書込情報WIをNFCタグ202に書き込むようになっている。
【0022】
表示制御部108は、ユーザの操作および検証結果VRに基づいて、携帯端末100の動作状態などを表示するように表示部104を制御するように構成される。具体的には、例えば、表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、設定情報テーブルSTにおける複数の設定情報SIから画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1を選択するための画面(後述する選択画面SC1)を表示するように表示部104を制御する。また、表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、選択された設定情報SI1を近距離無線通信により画像形成装置200に書き込むようにユーザに促すための画面(後述する指示画面SC2)を表示するように表示部104を制御する。そして、表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、複数の設定情報SIのうちの1つを設定情報SI1として選択する。また、表示制御部108は、サーバ300から送信された検証結果VR(後述)に基づいて、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する。表示制御部108は、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示するように表示部104を制御する。また、表示制御部108は、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するように表示部104を制御するようになっている。
【0023】
(画像形成装置200)
画像形成装置200は、NFC通信部201と、通信部203と、操作部204と、表示部205と、記憶部206と、画像形成部207と、制御部208とを有している。
【0024】
NFC通信部201は、ユーザが携帯端末100を画像形成装置200にかざすことにより、近距離無線通信を用いて携帯端末100と通信するように構成される。NFC通信部201はNFCタグ202を有している。NFCタグ202は、予め識別情報IDを記憶している。また、図示していないが、NFCタグ202には、携帯端末100により、設定情報SI1が書き込まれるようになっている。
【0025】
通信部203は、例えば、有線LAN、無線LAN、USB(Universal Serial Bus)を用いて様々な機器と通信するように構成される。通信部203は、通信部203が例えばパーソナルコンピュータ(図示せず)と接続されている場合にはこのパーソナルコンピュータから送信された印刷データを受信するようになっている。
【0026】
操作部204は、ユーザの操作を受け付けるように構成される。操作部204は、例えば、各種ボタンやタッチパネルなどを用いて構成される。
【0027】
表示部205は、画像形成装置200の動作状態などを表示するように構成される。表示部205は、例えば、液晶ディスプレイや各種インジケータを用いて構成される。
【0028】
記憶部206は、画像形成装置200において用いられる各種設定などの様々なデータを記憶するように構成される。記憶部206は、例えば、不揮発性の半導体メモリを含んで構成される。記憶部206に記憶されたデータは、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報を含む。
【0029】
画像形成部207は、制御部208からの指示に基づいて、トナーなどの現像剤を用いて、記録媒体にモノクロ画像やカラー画像を形成するように構成される。
【0030】
制御部208は、画像形成装置200内の各ブロックの動作を制御することにより画像形成装置200の全体動作を制御するように構成される。具体的には、例えば、制御部208は、印刷データに基づいて、画像形成部207における画像形成動作を制御するようになっている。制御部208の機能は、例えば、ハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。制御部208は、情報書込部209と、設定変更部210とを有している。
【0031】
情報書込部209は、様々な情報をNFCタグ202に書き込むように構成される。例えば、情報書込部209は、識別情報IDを、NFCタグ202に予め書き込むようになっている。
【0032】
設定変更部210は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI1に基づいて、記憶部206に記憶された設定情報についてのデータを変更するように構成される。具体的には、例えば、画像形成装置200の電源が投入された際に、設定変更部210は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI1に基づいて、記憶部206に記憶された、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報を変更する。これにより、画像形成装置200は、これ以降、記憶部206に記憶された、変更されたデータに基づいて処理を行うようになっている。
【0033】
(サーバ300)
サーバ300は、通信部301と、記憶部302と、制御部303とを有している。
【0034】
通信部301は、ネットワークを介して携帯端末100と通信するように構成される。具体的には、例えば、通信部301は、携帯端末100から送信された識別情報IDおよび設定情報SI1を受信する。また、通信部301は、制御部303からの指示に基づいて、検証結果VR(後述)を携帯端末100に送信するようになっている。
【0035】
記憶部302は、サーバ300において用いられる各種プログラム、各種設定などの様々なデータを記憶するように構成される。記憶部302は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を含んで構成される。記憶部302は、この例では複数の検証情報VIを含む検証情報テーブルVTを記憶している。
【0036】
図3は、検証情報テーブルVTの一例を表すものである。図3における1行分の情報が1つの検証情報VIである。検証情報VIは、“機種名”および検証条件VCを含む。すなわち、機種名である識別情報IDと、検証条件VCとは、互いに関連づけられている。“機種名”は、画像形成装置の機種名を示す情報である。検証条件VCは、設定情報SIの設定項目に対する条件であり、例えば、“IPアドレス”の検証条件、“サブネットマスク”の検証条件、“デフォルトゲートウェイ”の検証条件、および“トレイ用紙サイズ”の検証条件についての情報を含む。“IPアドレス”の検証条件は、IPアドレスの設定値が所定の範囲に含まれることであり、この例では、IPアドレスの設定値が“0.0.0.0”から“255.255.255.255”までの範囲に含まれることである。“サブネットマスク”の検証条件は、サブネットマスクの設定値が所定の範囲に含まれることであり、この例では、設定値が“0.0.0.0”から“255.255.255.255”までの範囲に含まれることである。“デフォルトゲートウェイ”の検証条件は、デフォルトゲートウェイの設定値が所定の範囲に含まれることであり、この例では、設定値が“0.0.0.0”から“255.255.255.255”までの範囲に含まれることである。“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが所定のサイズに該当することである。この例では、“機種名”である“ModelA”に関連づけられた検証条件VCにおいて、“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが“A3,A4,A5,A6,B4,B5,はがき”のいずれかに該当することである。“機種名”である“ModelB”に関連づけられた検証条件VCにおいて、“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが“A4,A5,A6,B4,はがき”のいずれかに該当することである。
【0037】
制御部303は、サーバ300内の各ブロックの動作を制御することによりサーバ300の全体動作を制御するように構成される。制御部303は、例えば、プログラムを実行可能なプロセッサやRAMなどを含んで構成される。制御部303は、検証部304を有している。
【0038】
検証部304は、検証情報テーブルVTを参照することにより、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するように構成される。具体的には、例えば、検証部304は、設定情報SI1が、識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。そして、検証部304は、検証結果VRを生成するようになっている。この検証結果VRは、設定情報SI1が識別情報IDに関連すること、または設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す。
【0039】
ここで、携帯端末100は、本発明における「情報管理装置」の一具体例に対応する。画像形成装置200は、本発明における「情報処理装置」の一具体例に対応する。サーバ300は、本発明における「サーバ」の一具体例に対応する。NFCタグ202は、本発明における「記憶部」の一具体例に対応する。識別情報IDは、本発明における「識別情報」の一具体例に対応する。設定情報SI1は、本発明における「設定情報」の一具体例に対応する。表示部104は、本発明における「提示部」の一具体例に対応する。
【0040】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の情報処理システム1の動作および作用について説明する。
【0041】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、情報処理システム1の全体動作概要を説明する。携帯端末100は、ユーザの操作に基づいて、複数の設定情報SIのうちの1つを、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1として選択する。携帯端末100は、近距離無線通信により、梱包されている画像形成装置200のNFCタグ202から識別情報IDを読み出し、識別情報IDおよび設定情報SI1を含む書込情報WIをNFCタグ202に書き込む。携帯端末100は、読み出された識別情報IDおよび選択された設定情報SI1をサーバ300に送信する。サーバ300は、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。サーバ300によりこの設定情報SI1が識別情報IDに関連すると判断された場合、携帯端末100は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する。一方、サーバ300によりこの設定情報SI1が識別情報IDに関連しないと判断された場合、携帯端末100は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する。これにより、ユーザは、例えば、画像形成装置200に適用される別の設定情報SIをNFCタグ202に書き込むように、携帯端末100を操作することができる。その後、画像形成装置200の電源が投入された際に、画像形成装置200は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI1に基づいて、記憶部206に記憶された設定情報についてのデータを変更する。画像形成装置200は、これ以降、記憶部206に記憶された、変更されたデータに基づいて処理を行う。
【0042】
(詳細動作)
以下に、情報処理システム1の処理について、詳細に説明する。
【0043】
図4は、情報処理システム1における携帯端末100の処理の一例を表すものである。図5は、情報処理システム1におけるサーバ300の処理の一例を表すものである。図6は、情報処理システム1の処理の一例を表すものである。携帯端末100は、アプリケーションソフトウェアAPを実行することにより、画像形成装置200のNFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0044】
まず、図4,6に示したように、携帯端末100の表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1を選択する(ステップS101,S201)。具体的には、例えば、表示制御部108は、設定情報テーブルSTから、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1を選択するための選択画面SC1を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、この選択画面SC1を表示する。
【0045】
図7は、選択画面SC1の一例を表すものである。選択画面SC1は、情報フィールドFL1と、選択フィールドFL2と、スクロールボタンB1とを有している。情報フィールドFL1は、設定情報SI1を選択することをユーザに促すためのフィールドである。選択フィールドFL2は、設定情報テーブルSTに含まれる複数の設定情報SIの設定名を表示するためのフィールドである。この例では、選択フィールドFL2には、設定情報SIの設定名である“DeviceA”~“DeviceE”が表示される。スクロールボタンB1は、選択フィールドFL2の表示をスクロールするためのボタンである。
【0046】
操作部103は、選択画面SC1における選択フィールドFL2に対するユーザの操作を受け付ける。この例では、ユーザは、“DeviceA”を選択する操作を行う。これにより、表示制御部108は、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI1を選択する。そして、表示制御部108は、選択された設定情報SI1を近距離無線通信により画像形成装置200に書き込むようにユーザに促すための指示画面SC2を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、この指示画面SC2を表示する。
【0047】
図8は、指示画面SC2の一例を表すものである。指示画面SC2は、情報フィールドFL3を有している。情報フィールドFL3は、選択された設定情報SI1を画像形成装置200に書き込むために、携帯端末100をNFCタグ202にかざすことをユーザに促すためのフィールドである。この図8は、図7に示した選択フィールドFL2においてユーザが“DeviceA”を選択した場合における画面例を示しており、情報フィールドFL3のメッセージは、設定名が“DeviceA”である設定情報SI1を画像形成装置200に書き込むために、携帯端末100をNFCタグ202にかざすことをユーザに促している。
【0048】
次に、ユーザが携帯端末100を画像形成装置200にかざすことにより、NFC通信部101は、表示制御部108からの指示に基づいて、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS102,S202)。具体的には、例えば、携帯端末100のNFC通信制御部107は、NFC通信部101を介して、画像形成装置200のNFC通信部201に接続要求を発信し、画像形成装置200のNFC通信部201は、携帯端末100のNFC通信部101を介して、NFC通信制御部107に、その接続要求に対する応答を行う。このように、NFC通信制御部107は、NFCタグ202との通信を確立するようにNFC通信部101を制御する。そして、NFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する。
【0049】
次に、携帯端末100のNFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、画像形成装置200のNFCタグ202から識別情報IDを読み出す(ステップS103,S203)。
【0050】
次に、携帯端末100のNFC通信制御部107は、書込情報WIを生成し書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS104,S204,S205)。具体的には、例えば、NFC通信制御部107は、識別情報IDおよび設定情報SI1を含む書込情報WIを生成する。そして、NFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、NFC通信部101を介して書込情報WIをNFCタグ202の識別情報IDが記憶されている記憶領域に書き込む。なお、この例では、NFC通信制御部107は、書込情報WIをNFCタグ202の識別情報IDが記憶されている記憶領域に書き込むようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、書込情報WIを、NFCタグ202の識別情報IDが記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に書き込んでもよいし、設定情報SI1のみをNFCタグ202の識別情報IDが記憶されている記憶領域とは異なる記憶領域に書き込んでもよい。
【0051】
次に、携帯端末100の通信部102は、制御部106からの指示に基づいて、識別情報IDおよび設定情報SI1をサーバ300に送信する(ステップS105,S206)。
【0052】
次に、図5,6に示したように、サーバ300の通信部301は、携帯端末100から送信された識別情報IDおよび設定情報SI1を受信する(ステップS121,S206)。
【0053】
次に、サーバ300の検証部304は、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する(ステップS122,S207)。具体的には、例えば、検証部304は、設定情報SI1が、識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。例えば、識別情報IDが、“ModelA”であり、かつ、設定情報SI1の設定名が“DeviceA”である場合、検証部304は、この設定情報SI1に含まれる複数の設定値がそれぞれ、“ModelA”に関連付けられた検証条件VCを満たすかどうかを判断する。すなわち、検証部304は、IPアドレスの設定値“192.168.100.100”、サブネットマスクの設定値“255.255.255.0”、およびデフォルトゲートウェイの設定値“192.168.100.1”のそれぞれが“0.0.0.0”から“255.255.255.255”までの範囲に含まれるかどうかを判断する。また、トレイ用紙サイズの設定値“A3”が、“A3,A4,A5,A6,B4,B5,はがき”のうちのいずれかに該当するかどうかを判断する。なお、検証部304は、設定値が例えば“”(指定なし)である場合には、この設定値が検証条件VCを満たすと判断する。このようにして、検証部304は、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証することにより検証結果VRを生成する。
【0054】
次に、サーバ300の通信部301は、制御部303からの指示に基づいて、検証結果VRを携帯端末100に送信する(ステップS123,S208)。以上で、図5のフローは終了する。
【0055】
次に、図4,6に示したように、携帯端末100の通信部102は、サーバ300から送信された検証結果VRを受信する(ステップS106,S208)。
【0056】
次に、携帯端末100の表示制御部108は、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS107)。
【0057】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS107において“Y”)、携帯端末100の表示制御部108は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、このメッセージMS1を表示する(ステップS108,S209)。メッセージMS1は、例えば、“このプリンタの機種はModelAであるためDeviceAの設定に適合します。”であり、設定情報SI1が識別情報IDに関連すること示す。そして、この処理は終了する。
【0058】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS107において“N”)、携帯端末100の表示制御部108は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、このメッセージMS2を表示する(ステップS109,S209)。メッセージMS2は、例えば、“このプリンタの機種はModelBであるためDeviceAの設定に適合しません。この設定をこのプリンタに書き込むべきではありません。”であり、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないこと、および設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むべきでないこと示す。この場合、ユーザは、例えば、画像形成装置200に適用される別の設定情報SIをNFCタグ202に書き込むように、携帯端末100を操作することができる。これにより、情報処理システム1は、図4~6に示した処理を再度行う。その結果、例えば、情報処理システム1は、画像形成装置200のNFCタグ202に、その画像形成装置200に適用される設定情報SIを書き込むことができる。
【0059】
以上で、図4のフローおよび図6のシーケンスは終了する。
【0060】
その後、画像形成装置200の電源が投入された際に、画像形成装置200は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI1に基づいて、記憶部206に記憶された、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報を変更する。すなわち、画像形成装置200は、設定情報SI1を記憶部206に記憶された、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報に適用する。画像形成装置200は、これ以降、記憶部206に記憶された、変更されたデータに基づいて処理を行う。
【0061】
このように、情報処理システム1では、画像形成装置200から識別情報IDを読み出し、読み出された識別情報IDに基づいて、画像形成装置200のNFCタグ202に書き込むべき設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを判断するようにした。そして、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないと判断された場合、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないこと示すメッセージMS2を提示するようにした。これにより、情報処理システム1では、携帯端末100が画像形成装置200のNFCタグ202に設定情報SI1を書き込むタイミングで、例えば、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことをエラーとして検出できる。このため、例えば、ユーザは再度、設定情報SI1以外の画像形成装置200に適用される設定情報SIをNFCタグ202に書き込むことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0062】
また、情報処理システム1では、例えば、画像形成装置200の電源がオフであるときに、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを判断するようにした。これにより、情報処理システム1では、画像形成装置200の利用者の利便性を高めることができる。すなわち、例えば、画像形成装置200の電源がオフであるときに、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを判断しない場合には、例えば、画像形成装置200に電源が投入された後に、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しない旨のエラーが表示され得る。この場合には、設定が正常に行われないので、画像形成装置200の利用者は、すぐに画像形成装置200を利用できないおそれがある。一方、情報処理システム1では、画像形成装置200の電源がオフであるときに、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを判断するようにした。これにより、携帯端末100が画像形成装置200のNFCタグ202に設定情報SI1を書き込むタイミングで、システムインテグレータなどのユーザが、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを把握することができるので、例えば、画像形成装置200に適用される別の設定情報SIをNFCタグ202に再度書き込むことができる。その結果、画像形成装置200に電源が投入された後に、設定が正常に行われるので、画像形成装置200の利用者は、すぐに画像形成装置200を利用することができるため、利用者の利便性を高めることができる。
【0063】
[効果]
以上のように本実施の形態では、画像形成装置200から識別情報を読み出し、読み出された識別情報に基づいて、NFCタグに書き込むべき設定情報が識別情報に関連するか否かを判断するようにした。そして、設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、設定情報を画像形成装置に適用しないこと示すメッセージを提示するようにした。これにより、携帯端末がNFCタグに設定情報を書き込むタイミングで、例えば、設定情報を画像形成装置に適用しないことをエラーとして検出できるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0064】
本実施の形態では、例えば、画像形成装置の電源がオフであるときに、設定情報が識別情報に関連するか否かを判断するようにした。これにより、携帯端末がNFCタグに設定情報を書き込むタイミングで、ユーザが、設定情報を画像形成装置に適用しないことを把握することができるので、例えば、画像形成装置に適用される別の設定情報をNFCタグに再度書き込むことができる。その結果、画像形成装置に電源が投入された後に、画像形成装置の利用者は、すぐに画像形成装置を利用することができるため、利用者の利便性を高めることができる。
【0065】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、サーバ300は、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、携帯端末が検証するようにしてもよい。以下に、本変形例に係る情報処理システム1Aについて詳細に説明する。
【0066】
図9は、情報処理システム1Aの一構成例を表すものである。情報処理システム1Aは、携帯端末100Aと、画像形成装置200とを備えている。携帯端末100Aは、記憶部105Aと、制御部106Aとを有している。記憶部105Aは、検証情報テーブルVTAを記憶している。この検証情報テーブルVTAは、上記実施の形態に係る検証情報テーブルVT(図3)と同様である。制御部106Aは、アプリケーションソフトウェアAP2を実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAP2は、検証部304Aを有している。ここで、携帯端末100Aは、本発明における「情報管理装置」の一具体例に対応する。
【0067】
検証部304Aは、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するように構成される。具体的には、例えば、検証部304Aは、検証情報テーブルVTAを用いて、設定情報SI1が、識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するようになっている。
【0068】
図10は、情報処理システム1Aにおける携帯端末100Aの処理の一例を表すものである。図11は、情報処理システム1Aの処理の一例を表すものである。図10におけるステップS101~S104,S107~S109の処理は、上記実施の形態(図4)と同様である。図11においてステップS201~S205,S209の処理は、上記実施の形態(図6)と同様である。
【0069】
まず、携帯端末100Aの表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、設定情報SI1を選択する(ステップS101,S201)。次に、ユーザが携帯端末100Aを画像形成装置200にかざすことにより、携帯端末100AのNFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS102,S202)。次に、携帯端末100AのNFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す(ステップS103,S203)。次に、携帯端末100AのNFC通信制御部107は、書込情報WIを生成し、この書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS104,S204,S205)。
【0070】
次に、携帯端末100Aの検証部304Aは、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する(ステップS122A,ステップS207A)。具体的には、例えば、検証部304Aは、検証情報テーブルVTAを用いて、設定情報SI1が、識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。これにより、検証部304Aは、検証結果VRを生成する。
【0071】
次に、携帯端末100Aの表示制御部108は、検証結果VRに基づいて、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS107)。検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS107において“Y”)、携帯端末100Aの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する(ステップS108,S209)。そして、この処理は終了する。検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS107において“N”)、携帯端末100Aの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する(ステップS109,S209)。以上で、図10のフローおよび図11のシーケンスは終了する。
【0072】
このように、情報処理システム1Aでは、携帯端末100Aの記憶部105Aが検証情報テーブルVTAを記憶するとともに、携帯端末100Aの検証部304Aが、この検証情報テーブルVTAを用いて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するようにした。そして、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないと判断された場合、携帯端末100Aは、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するようにした。これにより、ネットワークの通信環境が不安定である場合にも支障なく検証することができるとともに、ネットワークにおける通信時間を省くことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0073】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、NFCタグ202に設定情報SI1を書き込んだ後に、その設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証した後に、その設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むようにしてもよい。以下に、変形例1-1に係る情報処理システム1Aに、本変形例を適用した場合を例に挙げて、詳細に説明する。本変形例に係る情報処理システム1Bは、情報処理システム1A(図9)と同様に、携帯端末100Bと、画像形成装置200とを備えている。携帯端末100Bは、制御部106Bを有している。制御部106Bは、NFC通信制御部107Bを有している。その他の構成は、情報処理システム1Aの構成(図9)と同様である。
【0074】
NFC通信制御部107Bは、NFC通信部101を制御することによりNFCタグ202と通信するように構成される。具体的には、例えば、NFC通信制御部107Bは、NFCタグ202との通信を確立するようにNFC通信部101を制御する。NFC通信制御部107Bは、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す。また、NFC通信制御部107Bは、検証部304Aの検証結果VRに基づいて、画像形成装置200のNFCタグ202に書き込むべき、識別情報IDおよび設定情報SI1を含む書込情報WIを生成する。そして、NFC通信制御部107Bは、NFC通信部101を制御することにより、書込情報WIをNFCタグ202に書き込むようになっている。
【0075】
図12は、情報処理システム1Bにおける携帯端末100Bの処理の一例を表すものである。図12においてステップS101~S103,S122A,S107~S109の処理は、上記変形例1-1に係る情報処理システム1A(図10)と同様である。
【0076】
まず、携帯端末100Bの表示制御部108は、ユーザの操作に基づいて、設定情報SI1を選択する(ステップS101)。次に、ユーザが携帯端末100Bを画像形成装置200にかざすことにより、携帯端末100BのNFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS102)。次に、携帯端末100BのNFC通信制御部107Bは、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す(ステップS103)。
【0077】
次に、携帯端末100Bの検証部304Aは、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する(ステップS122A)。
【0078】
次に、携帯端末100Bの表示制御部108は、検証部304Aの検証結果VRに基づいて、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS107)。検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS107において“N”)、携帯端末100Bの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する(ステップS109)。そして、この処理は終了する。
【0079】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS107において“Y”)、携帯端末100BのNFC通信制御部107Bは、書込情報WIを生成し、この書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS104B)。そして、携帯端末100Bの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する(ステップS108)。
【0080】
以上で、このフローは終了する。
【0081】
このように、情報処理システム1Bでは、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証し、設定情報SI1が識別情報IDに関連する場合に書込情報WIをNFCタグ202に書き込むようにした。これにより、情報処理システム1Bでは、識別情報IDに関連しない設定情報SI1が選択された場合に、その設定情報SI1を含む書込情報WIをNFCタグ202に書き込むことを未然に防止することができる。すなわち、例えば、書込情報WIをNFCタグ202に書き込んだ後に、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないと判断される場合には、ユーザは書込情報WIを書き込む作業を行っているため作業時間をロスする恐れがある。一方、情報処理システム1Bでは、設定情報SI1が識別情報IDに関連する場合に、書込情報WIをNFCタグ202に書き込むようにした。このため、例えば、ユーザは作業時間を短縮することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0082】
この例では、変形例1-1に係る情報処理システム1Aに本変形例を適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、上記実施の形態に係る情報処理システム1に本変形例を適用してもよい。
【0083】
[変形例1-3]
上記実施の形態では、設定情報SI1が識別情報IDに関連すると判断された場合、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、さらに、設定情報SI1が過去に画像形成装置200以外の画像形成装置に書き込まれたと判断された場合、設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むべきでないことを示すメッセージを表示するようにしてもよい。以下に、本変形例に係る情報処理システム1Cについて詳細に説明する。
【0084】
図13は、情報処理システム1Cの一構成例を表すものである。情報処理システム1Cは、サーバ300Cと、携帯端末100Cとを備えている。
【0085】
サーバ300Cは、記憶部302Cと、制御部303Cとを有している。記憶部302Cは、書込情報テーブルWTを記憶している。書込情報テーブルWTは、過去に画像形成装置のNFCタグ202に書き込まれた複数の設定情報SIを含む。制御部303Cは、書込確認部305Cを有している。
【0086】
書込確認部305Cは、書込情報テーブルWTを参照することにより、設定情報SI1が過去に書き込まれたか否かを確認するように構成される。具体的には、例えば、書込確認部305Cは、設定情報SI1が、書込情報テーブルWTに含まれる複数の設定情報SIのいずれかと一致するかどうかを判断することにより、この設定情報SI1が過去に書き込まれたか否かを確認する。そして、書込確認部305Cは、確認結果CRを生成するようになっている。この確認結果CRは、設定情報SI1が過去に書き込まれたこと、または設定情報SI1が過去に書き込まれていないことを示す。
【0087】
携帯端末100Cは、制御部106Cを有している。制御部106Cは、アプリケーションソフトウェアAP3を実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAP3は、表示制御部108Cを有している。
【0088】
表示制御部108Cは、携帯端末100Cの動作状態などを表示するように表示部104を制御するように構成される。具体的には、例えば、表示制御部108Cは、検証結果VRに基づいて、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定するとともに、確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれたことを示すか否かを判定する。例えば、表示制御部108Cは、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示し、かつ、確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれていないことを示す場合、表示制御部108Cは、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示するように表示部104を制御する。また、表示制御部108Cは、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示し、かつ、確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれたことを示す場合、設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むべきでないことを示すメッセージMS3を表示するように表示部104を制御する。また、表示制御部108Cは、サーバ300Cの検証結果VRが、選択された設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するように表示部104を制御するようになっている。
【0089】
図14は、情報処理システム1Cにおける携帯端末100Cの処理の一例を表すものである。図15は、情報処理システム1Cにおけるサーバ300Cの処理の一例を表すものである。ステップS101~S105,S107~S109の処理は、上記実施の形態(図4)と同様である。ステップS121,S122の処理は、上記実施の形態(図5)と同様である。
【0090】
まず、図14に示したように、携帯端末100Cの表示制御部108Cは、ユーザの操作に基づいて、設定情報SI1を選択する(ステップS101)。次に、ユーザが携帯端末100Cを画像形成装置200にかざすことにより、携帯端末100CのNFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS102)。次に、携帯端末100CのNFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す(ステップS103)。次に、携帯端末100CのNFC通信制御部107は、書込情報WIを生成し、書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS104)。次に、携帯端末100Cの通信部102は、制御部106Cからの指示に基づいて、識別情報IDおよび設定情報SI1をサーバ300Cに送信する(ステップS105)。
【0091】
次に、図15に示したように、サーバ300Cの通信部301は、携帯端末100Cから送信された識別情報IDおよび設定情報SI1を受信する(ステップS121)。次に、サーバ300Cの検証部304は、識別情報IDおよび設定情報SI1に基づいて、設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する(ステップS122)。
【0092】
次に、サーバ300Cの書込確認部305Cは、設定情報SI1が過去に書き込まれたか否かを確認する(ステップS130C)。具体的には、例えば、書込確認部305Cは、設定情報SI1が書込情報テーブルWTにおける複数の設定情報SIのうちいずれかと一致するかどうかを判断することにより、設定情報SI1が過去に画像形成装置200以外の画像形成装置に書き込まれたか否かを確認する。そして、書込確認部305Cは、確認結果CRを生成する。なお、この例では、書込確認部305Cは、設定情報SI1が書込情報テーブルWTにおける複数の設定情報SIのうちいずれかと一致するかどうかを判断するようにしたが、これに限るものではない。これに代えて、例えば、設定情報SI1の複数の設定値のうちの一部の設定値が書込情報テーブルWTにおける複数の設定情報SIのうちいずれかの複数の設定値のうちの一部の設定値と一致するかどうかを判断するようにしてもよい。
【0093】
次に、サーバ300Cの通信部301は、制御部303Cからの指示に基づいて、検証結果VRおよび確認結果CRを携帯端末100Cに送信する(ステップS123C)。以上で、図15のフローは終了する。
【0094】
次に、図14に示したように、携帯端末100Cの通信部102は、サーバ300Cから送信された検証結果VRおよび確認結果CRを受信する(ステップS106C)。
【0095】
次に、携帯端末100Cの表示制御部108Cは、検証結果VRに基づいて、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS107)。検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS107において“N”)、携帯端末100Cの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する(ステップS109)。そして、この処理は終了する。
【0096】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS107において“Y”)、携帯端末100Cの表示制御部108Cは、確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれたことを示すか否かを判定する(ステップS110C)。確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれていないことを示す場合(ステップS110Cにおいて“N”)、携帯端末100Cの表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する(ステップS108)。そして、この処理は終了する。
【0097】
確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれたことを示す場合(ステップS110Cにおいて“Y”)、携帯端末100Cの表示制御部108Cは、設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むべきでないことを示すメッセージMS3を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、このメッセージMS3を表示する(ステップS111C)。
【0098】
以上で、このフローは終了する。
【0099】
このように、情報処理システム1Cでは、書込確認部305Cは、設定情報SI1が過去に書き込まれたか否かを確認し、この確認結果CRが、設定情報SI1が過去に書き込まれたことを示す場合、表示制御部108Cは、設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むべきでないことを示すメッセージMS3を表示するようにした。これにより、設定情報SI1が識別情報IDに関連する場合でも、例えば、1つの設定情報SI1を複数の画像形成装置に書き込むべきではない場合に、過去に書き込まれた設定情報SI1を画像形成装置200のNFCタグ202に書き込むべきでないことを把握することができる。このため、例えばユーザは再度、設定情報SI1以外の設定情報SIをNFCタグ202に書き込むように携帯端末100Cを操作することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0100】
[変形例1-4]
上記実施の形態では、画像形成装置の機種名を識別情報IDとして用いたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、画像形成装置のシリアル番号を識別情報として用いてもよい。また、例えば、画像形成装置の機能に基づいて識別情報を定義してもよい。具体的には、“モノクロプリンタ”、“カラープリンタ”、“ロール紙用プリンタ”などを識別情報IDとして用いてもよい。複数の機種が複数のグループに区分される場合に、複数のグループのそれぞれに識別情報IDを定義してもよい。
【0101】
[変形例1-5]
上記実施の形態では、図4,6に示したように、NFCタグ202から識別情報IDを読み出した後に設定情報SIをNFCタグ202に書き込むようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、設定情報SIをNFCタグ202に書き込んだ後に、NFCタグ202から識別情報IDを読み出すようにしてもよい。
【0102】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る情報処理システム2について説明する。本実施の形態では、選択された設定情報SIが識別情報IDに関連しないと判断された場合、識別情報IDに関連する設定情報SIを提示するようにしている。なお、上記第1の実施の形態に係る情報処理システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0103】
図16は、情報処理システム2の一構成例を表すものである。情報処理システム2は、携帯端末400と、画像形成装置200と、サーバ300とを備えている。
【0104】
携帯端末400は、NFC通信部101と、通信部102と、操作部103と、表示部104と、記憶部405と、制御部406とを有している。記憶部405は、携帯端末400において用いられる各種プログラム、各種設定などの様々なデータを記憶するように構成される。この例では、記憶部405は、設定情報テーブルSTと、フラグ管理テーブルFTとを記憶している。
【0105】
図17は、フラグ管理テーブルFTの一例を表すものである。フラグ管理テーブルFTは、設定情報SIが過去に書き込まれたか否かを示す情報である書込フラグFGを管理するテーブルである。書込フラグFGが“True”である場合は、関連付けられた設定情報SIが過去に書き込まれたことを示す。書込フラグFGが“False”である場合は、関連付けられた設定情報SIが過去に書き込まれていないことを示す。この例では、設定名が“DeviceA”である設定情報SIは書込フラグFGが“True”であるため、過去に書き込まれたことを示す。設定名が“DeviceB”、“DeviceC”、“DeviceD”、“DeviceE”のいずれかである設定情報SIは、書込フラグFGが“False”であるため、過去に書き込まれていないことを示す。
【0106】
制御部406は、携帯端末400内の各ブロックの動作を制御することにより携帯端末400の全体動作を制御するように構成される。この例では、携帯端末400には、NFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する専用のアプリケーションソフトウェアAP4がインストールされており、制御部406は、このアプリケーションソフトウェアAP4を実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAP4は、NFC通信制御部107と、表示制御部408と、設定選択部409とを有している。
【0107】
表示制御部408は、携帯端末400の動作状態などを表示するように表示部104を制御するように構成される。
【0108】
設定選択部409は、書込フラグFGを更新するとともに、書込フラグFGがFalseでありかつ未検証の設定情報SIを順次選択するように構成される。
【0109】
以下に、情報処理システム2における処理について、詳細に説明する。
【0110】
図18A,18Bは、携帯端末400における処理の一例を表すものである。携帯端末400は、アプリケーションソフトウェアAP4を実行することにより、画像形成装置200のNFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する。以下に、この動作について詳細に説明する。図18A,18BにおいてステップS101~S106,S108,S109の処理は、上記実施の形態(図4)と同様である。
【0111】
まず、携帯端末400の表示制御部408は、ユーザの操作に基づいて、画像形成装置200に書き込むべき設定情報SI2を選択する(ステップS101)。次に、ユーザが携帯端末400を画像形成装置200にかざすことにより、携帯端末400のNFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS102)。次に、携帯端末400のNFC通信制御部107は、NFC通信部101を制御することにより、NFCタグ202から識別情報IDを読み出す(ステップS103)。次に、携帯端末400のNFC通信制御部107は、書込情報WIを生成し、この書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS104)。
【0112】
次に、携帯端末400の設定選択部409は、フラグ管理テーブルFTにおいて、書き込まれた設定情報SI2に関連付けられた書込フラグFGをTrueに更新する(ステップS311)。
【0113】
次に、携帯端末400の通信部102は、制御部406からの指示に基づいて、識別情報IDとステップS101またはステップS315(後述)において選択された設定情報SI2をサーバ300に送信する(ステップS105)。サーバ300における処理は、上記第1の実施の形態(図5)におけるステップS121~S123の処理と同様である。次に、携帯端末400の通信部102は、サーバ300から送信された検証結果VRを受信する(ステップS106)。次に、携帯端末400の表示制御部408は、検証結果VRに基づいて、検証結果VRが、設定情報SI2が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS312)。
【0114】
検証結果VRが、設定情報SI2が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS312において“N”)、携帯端末400の設定選択部409は、フラグ管理テーブルFTにおいて、設定情報SI2に関連付けられた書込フラグFGをFalseに更新する(ステップS313)。
【0115】
次に、携帯端末400の設定選択部409は、書込フラグFGがFalseであり未検証の設定情報SIがないかどうかを判定する(ステップS314)。書込フラグFGがFalseであり未検証の設定情報SIがない場合(ステップS314において“Y”)、携帯端末400の表示部104は、ステップS104において書き込まれた設定情報SI2を画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示する(ステップS109)。そして、この処理は終了する。
【0116】
書込フラグFGがFalseであり未検証の設定情報SIがある場合(ステップS314において“N”)、携帯端末400の設定選択部409は、画像形成装置200に書き込むべき新たな設定情報SI2を選択する(ステップS315)。具体的には、例えば、設定選択部409は、フラグ管理テーブルFTにおいて書込フラグFGがFalseであり、設定情報テーブルSTにおいてサーバ300において検証されていない設定情報SIがある場合、設定選択部409は、書込フラグFGがFalseであり未検証の設定情報SIのうちの1つを、画像形成装置200に書き込むべき新たな設定情報SI2として選択する。例えば、設定選択部409は、設定情報テーブルSTにおいて上から順番に、設定情報SIがこれらの条件を満たすかどうかを判定し、条件を満たす設定情報SIを設定情報SI2として選択する。すなわち、この例では、図17に示したように、“DeviceA”の書込フラグFGが“True”であり、“DeviceB”の書込フラグFGが“False”であるため、設定名が“DeviceB”である設定情報SIが未検証である場合、設定選択部409は、この設定情報SIを設定情報SI2として選択する。そして、ステップS105の処理に戻る。
【0117】
検証結果VRが、設定情報SI2が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS312において“Y”)、携帯端末400の表示制御部408は、設定情報SI2がステップS101で選択されたかどうかを判定する(ステップS316)。設定情報SI2がステップS101で選択された場合(ステップS316において“Y”)、ステップS108の処理に進む。
【0118】
設定情報SI2がステップS101で選択されていない場合(ステップS316において“N”)、携帯端末400の表示制御部408は、設定情報SI2をNFCタグ202に書き込むようにユーザに促す指示画面SC3を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、この指示画面SC3を表示する(ステップS317)。すなわち、設定情報SI2はステップS101において選択されたものではないので、この設定情報SI2はステップS315において選択されたものである。よって、この設定情報SI2は、まだNFCタグ202には書き込まれていないので、表示部104は、この指示画面SC3を表示する。
【0119】
図19は、指示画面SC3の一例を表すものである。指示画面SC3は、情報フィールドFL4と情報フィールドFL5とを有している。情報フィールドFL4は、設定情報SI2をNFCタグ202に書き込むために携帯端末400をNFCタグ202にかざすことをユーザに促すためのフィールドである。情報フィールドFL5は、設定情報SI2に含まれる設定値を表示するためのフィールドである。この例では、情報フィールドFL5には、設定名が“DeviceB”である設定情報SI2に含まれる設定値が表示される。そして、情報フィールドFL4のメッセージは、情報フィールドFL5に示した設定値をNFCタグ202に書き込むために、携帯端末400をNFCタグ202にかざすことをユーザに促している。
【0120】
次に、ステップS102と同様に、携帯端末400の通信部102は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS318)。次に、ステップS104と同様に、携帯端末400のNFC通信制御部107は、書込情報WIを生成し、この書込情報WIをNFCタグ202に書き込む(ステップS319)。次に、ステップS311と同様に、携帯端末400の設定選択部409は、ステップS319において書き込まれた設定情報SI2に関連付けられた書込フラグFGをTrueに更新する(ステップS320)。次に、携帯端末400の表示部104は、設定情報SI2を画像形成装置200に適用することを示すメッセージMS1を表示する(ステップS108)。
【0121】
以上で、このフローは終了する。
【0122】
その後、画像形成装置200の電源が投入された際に、画像形成装置200は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI2に基づいて、記憶部206に記憶された、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報を変更する。画像形成装置200は、これ以降、記憶部206に記憶された、変更されたデータに基づいて処理を行う。
【0123】
ここで、携帯端末400は、本発明における「情報管理装置」の一具体例に対応する。設定情報SI2は、本発明における「設定情報」の一具体例に対応する。
【0124】
このように、情報処理システム2では、選択された設定情報SI2が識別情報IDに関連しないと判断された場合、識別情報IDに基づいて、複数の設定情報SIのうちの選択された設定情報SI2以外の設定情報SIを新たな設定情報SI2として選択し、この設定情報SI2が識別情報IDに関連するか否かを判断することにより、識別情報IDに関連する設定情報SI2を選択するようにした。そして、識別情報IDに関連する設定情報SI2を提示するようにした。これにより、ユーザが画像形成装置200に適用される設定情報SIを把握していない場合でも、画像形成装置200に適用される設定情報SIを追加操作なく知ることができる。このため、情報処理システム2では、例えば、画像形成装置200に適用される設定情報SIをNFCタグ202に書き込むことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0125】
また、情報処理システム2では、設定情報SIを過去に書き込んだか否かを判断することにより、識別情報IDに関連し過去に書き込んでいない設定情報SIを選択するようにした。これにより、ユーザは、例えば、他の画像形成装置と同一の設定情報SIを誤って書き込んだことを把握することができる。このため、ユーザは、再度、設定情報SIを書き込むかどうかを検討することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0126】
以上のように本実施の形態では、選択された設定情報が識別情報に関連しないと判断された場合、識別情報に基づいて、複数の設定情報のうちの選択された設定情報以外の設定情報を新たな設定情報として選択し、この設定情報が識別情報に関連するか否かを判断することにより、識別情報に関連する設定情報を選択するようにし、識別情報に関連する設定情報を提示するようにした。これにより、ユーザが画像形成装置に適用される設定情報を把握していない場合でも、画像形成装置に適用される設定情報を追加操作なく知ることができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0127】
本実施の形態では、設定情報を過去に書き込んだか否かを判断することにより、識別情報に関連し過去に書き込んでいない設定情報を選択するようにした。これにより、ユーザは、例えば、他の画像形成装置と同一の設定情報を誤って書き込んだことを把握することができ、再度、設定情報を書き込むかどうかを検討することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0128】
[変形例2-1]
上記実施の形態では、図19に示したように、1つの設定情報SI2を指示画面SC3に表示するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、複数の設定情報SIが、識別情報IDに関連付けられた検証条件VCを満たす場合には、これらの複数の設定情報SIを表示するようにしてもよい。
【0129】
図20は、本変形例に係る選択画面SC4を表すものである。選択画面SC4は、情報フィールドFL6と、選択フィールドFL7とを有している。情報フィールドFL6は、再度、設定情報SIを選択することをユーザに促すためのフィールドである。選択フィールドFL7は、設定情報テーブルSTに含まれる、識別情報IDに関連する設定情報SIの設定名を表示するためのフィールドである。この例では、機種名が“ModelA”である識別情報IDに関連付けられた検証条件VCを満たす2つの設定情報SIが表示されている。すなわち、選択フィールドFL7には、“DeviceB”および“DeviceC”が表示されており、書込フラグFGがTrueである“DeviceA”は表示されていない。これにより、ユーザは、識別情報IDに関連し、かつ、過去に書き込まれていない設定情報SIを選択することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0130】
[変形例2-2]
上記実施の形態に係る情報処理システム2に、上記第1の実施の形態の変形例1-1~1-5を適用してもよい。
【0131】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る情報処理システム3について説明する。上記第1の実施の形態等では、画像形成装置200のNFCタグ202から識別情報IDを取得したが、本実施の形態では、画像形成装置以外から識別情報IDを取得するようにしている。なお、上記第1の実施の形態に係る情報処理システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0132】
図21は、情報処理システム3の一構成例を表すものである。情報処理システム3は、画像形成装置600が梱包された段ボールなどの梱包材700に付されたバーコード701から識別情報IDを取得するように構成される。バーコード701は、例えば画像形成装置600のシリアル番号や商品コードについての情報を含む。バーコード701は、梱包材700に印刷されていてもよいし、ラベルに印刷され、そのラベルが梱包材700に張り付けられていてもよい。情報処理システム3は、携帯端末500と、画像形成装置600と、サーバ300とを備えている。
【0133】
携帯端末500は、NFC通信部101と、通信部102と、操作部103と、表示部104と、記憶部105と、読取部511と、制御部506とを有している。
【0134】
読取部511は、制御部506からの指示に基づいて、梱包材700に付されたバーコード701を読み取るように構成される。読取部511は、例えば、光学レンズ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子などを用いて構成される。例えば、読取部511は、梱包材700に付されたバーコード701を撮像することによりバーコード701を読み取るようになっている。この例では、バーコード701の読取結果は、シリアル番号や商品コードなど、機種名に関連付けられた数値情報を示す。
【0135】
制御部506は、携帯端末500内の各ブロックの動作を制御することにより携帯端末500の全体動作を制御するように構成される。この例では、携帯端末500には、NFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する専用のアプリケーションソフトウェアAP5がインストールされており、制御部506は、このアプリケーションソフトウェアAP5を実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAP5は、NFC通信制御部507と、表示制御部508と、変換部510とを有している。
【0136】
NFC通信制御部507は、NFC通信部101を制御することによりNFCタグ202と通信するように構成される。具体的には、例えば、NFC通信制御部507は、NFCタグ202との通信を確立するようにNFC通信部101を制御する。NFC通信制御部507は、NFC通信部101を制御することにより、設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むようになっている。
【0137】
表示制御部508は、携帯端末500の動作状態などを表示するように表示部104を制御するように構成される。
【0138】
変換部510は、読取部511により読み取られたバーコード701の読取結果を識別情報IDに変換するように構成される。具体的には、例えば、変換部510は、機種名に関連付けられた数値情報を機種名である識別情報IDに変換するようになっている。
【0139】
画像形成装置600は、NFC通信部201と、通信部203と、操作部204と、表示部205と、記憶部206と、画像形成部207と、制御部608とを有している。制御部608は、設定変更部210を有している。
【0140】
ここで、携帯端末500は、本発明における「情報管理装置」の一具体例に対応する。画像形成装置600は、本発明における「情報処理装置」の一具体例に対応する。梱包材700は、本発明における「梱包材」の一具体例に対応する。
【0141】
以下に、情報処理システム3における処理について、詳細に説明する。
【0142】
図22は、情報処理システム3における携帯端末500の処理の一例を表すものである。図23は、情報処理システム3の処理の一例を表すものである。携帯端末500は、アプリケーションソフトウェアAP5を実行することにより、画像形成装置600のNFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する。以下に、この動作について詳細に説明する。図22においてステップS101,S105~S109の処理は、第1の実施の形態(図4)と同様である。図23においてステップS201,S206~S208の処理は、第1の実施の形態(図6)と同様である。
【0143】
まず、携帯端末500の表示制御部508は、ユーザの操作に基づいて、画像形成装置600に書き込むべき設定情報SI1を選択する(ステップS101,S201)。具体的には、例えば、表示制御部508は、選択画面SC1を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、この選択画面SC1を表示する。
【0144】
操作部103は、選択画面SC1における選択フィールドFL2に対するユーザの操作を受け付ける。この例では、ユーザは、“DeviceA”を選択する操作を行う。これにより、表示制御部508は、画像形成装置600に書き込むべき設定情報SI1を選択する。そして、表示制御部508は、梱包材700のバーコード701を撮像することによりバーコード701を読み取るようにユーザに促すための指示画面SC5を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、この指示画面SC5を表示する。
【0145】
図24は、指示画面SC5の一例を表すものである。指示画面SC5は、情報フィールドFL8を有している。情報フィールドFL8は、バーコード701を読み取るために、梱包材700のバーコード701を撮像することをユーザに促すためのフィールドである。
【0146】
次に、携帯端末500の読取部511は、制御部506からの指示に基づいて、梱包材700に付されたバーコード701を撮像することによりバーコード701を読み取る(ステップS401,S501)。そして、携帯端末500の変換部510は、読取部511により読み取られたバーコード701の読取結果を識別情報IDに変換する(ステップS402,S502)。このようにして、携帯端末500は、梱包材700に付されたバーコード701から識別情報IDを取得する。
【0147】
次に、携帯端末500の通信部102は、制御部506からの指示に基づいて、識別情報IDおよび設定情報SI1をサーバ300に送信する(ステップS105,S206)。サーバ300における処理は、上記第1の実施の形態(図5)におけるステップS121~S123の処理および上記第1の実施の形態(図6)におけるステップS206~S208の処理と同様である。次に、携帯端末500の通信部102は、サーバ300から送信された検証結果VRを受信する(ステップS106,S208)。次に、携帯端末500の表示制御部508は、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示すか否かを判定する(ステップS107)。
【0148】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合(ステップS107において“Y”)、ユーザが携帯端末500を画像形成装置600にかざすことにより、携帯端末500のNFC通信部101は、NFCタグ202との通信を確立する(ステップS403,S503)。次に、携帯端末500のNFC通信制御部507は、ステップS101,S201において選択された設定情報SI1をNFCタグ202に書き込む(ステップS404,S504)。次に、携帯端末500の表示部104は、設定情報SI1を画像形成装置600に適用することを示すメッセージMS1を表示する(ステップS108,S505)。
【0149】
検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連しないことを示す場合(ステップS107において“N”)、携帯端末500の表示制御部108は、設定情報SI1を画像形成装置600に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するように表示部104を制御し、表示部104は、このメッセージMS2を表示する(ステップS109)。
【0150】
以上で、このフローは終了する。
【0151】
その後、画像形成装置600の電源が投入された際に、画像形成装置600は、NFCタグ202に記憶された設定情報SI1に基づいて、記憶部206に記憶された、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、トレイ用紙サイズについての設定情報を変更する。画像形成装置600は、これ以降、記憶部206に記憶された、変更されたデータに基づいて処理を行う。
【0152】
このように、情報処理システム3では、梱包材700に付されたバーコード701から識別情報IDを取得するようにした。これにより、例えば、すでにバーコード701を用いて画像形成装置600の商品管理が行われている場合に、このバーコード701を用いることにより画像形成装置600に書き込むべき設定情報SIを書き込むことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0153】
以上のように本実施の形態では、梱包材に付されたバーコードから識別情報を取得するようにした。これにより、例えば、すでにバーコードを用いて画像形成装置の商品管理が行われている場合に、このバーコードを用いることにより画像形成装置に書き込むべき設定情報を書き込むことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0154】
[変形例3-1]
上記実施の形態では、バーコード701からどの機種名の画像形成装置であるかを識別する識別情報IDを取得するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、バーコードから、どこに出荷される画像形成装置であるかを識別する識別情報IDを取得するようにしてもよい。すなわち、例えば、梱包材に付されたバーコードが仕向けについての情報を含む場合、読取部511によるバーコードの読取結果は、仕向けに関連付けられた数値情報を示し、変換部は、この数値情報を、どこに出荷される画像形成装置であるかを識別する識別情報IDに変換する。以下に本変形例に係る情報処理システム3Dについて詳細に説明する。
【0155】
図25は、本変形例に係る検証情報テーブルVTDの一例を表すものである。検証情報VIは、“仕向け”についての情報および検証条件VCを含む。すなわち、どこに出荷される画像形成装置であるかを識別する識別情報IDと、検証条件VCとは、互いに関連づけられている。例えば、“仕向け”についての情報は、国名、地域名、企業名などを示す。この例では、“欧州”に関連付けられた検証条件VCにおいて、“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが“A4,A5,A6,B4,B5”のいずれかに該当することである。すなわち、“欧州”に出荷される画像形成装置を識別する識別情報IDには、トレイ用紙サイズがこのようなサイズのいずれかに該当すべきことを示す検証条件が関連付けられている。“米国”に関連付けられた検証条件VCにおいて、“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが“レター,リーガル”のいずれかに該当することである。すなわち、“米国”に出荷される画像形成装置を識別する識別情報IDには、トレイ用紙サイズがこのようなサイズのいずれかに該当すべきことを示す検証条件が関連付けられている。“日本”に関連付けられた検証条件VCにおいて、“トレイ用紙サイズ”の検証条件は、トレイ用紙サイズが“A3,A4,A5,A6,B4,B5,はがき”のいずれかに該当することである。すなわち、“日本”に出荷される画像形成装置を識別する識別情報IDには、トレイ用紙サイズがこのようなサイズのいずれかに該当すべきことを示す検証条件が関連づけられている。情報処理システム3Dでは、検証情報テーブルVTDを用いて、設定情報SI1が、この識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。そして、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合、NFC通信制御部507は、NFCタグ202に書き込むべき設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むことができる。
【0156】
[変形例3-2]
上記実施の形態では、梱包材700に付されたバーコード701から識別情報IDを取得するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、携帯端末の位置を測定し、この測定結果に基づいて、識別情報IDを取得するようにしてもよい。以下に本変形例に係る情報処理システム3Eについて詳細に説明する。
【0157】
図26は、情報処理システム3Eの一構成例を表すものである。情報処理システム3Eは、携帯端末500Eと、サーバ300Eとを備えている。携帯端末500Eは、GPS(Global Positioning System)受信部512と、制御部506Eとを有している。GPS受信部512は、携帯端末500Eの位置を測定するように構成される。制御部506Eは、携帯端末500E内の各ブロックの動作を制御することにより携帯端末500Eの全体動作を制御するように構成される。この例では、携帯端末500Eには、NFCタグ202への設定情報SIの書き込みを管理する専用のアプリケーションソフトウェアAP6がインストールされており、制御部506Eは、このアプリケーションソフトウェアAP6を実行することができる。このアプリケーションソフトウェアAP6は、変換部510Eを有している。変換部510Eは、GPS受信部512の測定結果に基づいて、携帯端末500Eの位置を地域情報に変換するように構成される。この例では、地域情報は、国名や地域名である。地域情報が示す国や地域において携帯端末500Eおよび画像形成装置600が使用される場合、地域情報は、識別情報IDとして使用される。すなわち、変換部510Eは、携帯端末500Eの位置を識別情報IDに変換するようになっている。サーバ300Eは、記憶部302Eを有している。記憶部302Eは、検証情報テーブルVTDを記憶している。この例では、この検証情報テーブルVTDは、上記変形例3-1に係る検証情報テーブルVTDと同様である。
【0158】
これにより、GPS受信部512が携帯端末500Eの位置を測定し、変換部510Eが、GPS受信部512の測定結果に基づいて、携帯端末500Eの位置を識別情報IDに変換する。情報処理システム3Eでは、検証情報テーブルVTDを用いて、設定情報SI1が、この識別情報IDに関連づけられた検証条件VCを満たすかどうかを判断することにより、この設定情報SI1が識別情報IDに関連するか否かを検証する。そして、検証結果VRが、設定情報SI1が識別情報IDに関連することを示す場合、NFC通信制御部507は、NFCタグ202に書き込むべき設定情報SI1をNFCタグ202に書き込むことができる。
【0159】
[変形例3-3]
上記実施の形態では、読取部511は、梱包材700に付されたバーコード701を読み取るようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、読取部は、梱包材700に付された様々な情報を読み取るようにしてもよい。例えば、読取部は、梱包材700に付された文字情報を撮像することによりこの文字情報を認識し、この文字情報が機種名である場合には、この文字情報を機種名である識別情報IDとして使用することができる。
【0160】
[変形例3-4]
上記実施の形態では、携帯端末500の制御部506が変換部510を有し、変換部510がバーコード701の読取結果を識別情報IDに変換するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、サーバ300の制御部303が変換部を有し、この変換部がバーコード701の読取結果を識別情報IDに変換するようにしてもよい。
【0161】
[変形例3-5]
上記実施の形態では、梱包材700に付されたバーコード701を読み取るようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、梱包材に付されたQR(Quick Response)コード(登録商標)などの2次元コードを読み取るようにしてもよい。
【0162】
[変形例3-6]
上記実施の形態に係る情報処理システム3に、上記第1の実施の形態の変形例1-1~1-5を適用してもよい。
【0163】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0164】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0165】
例えば、上記第1~3の実施の形態に係る情報処理システムのうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0166】
例えば、上記の各実施の形態では、携帯端末は設定情報SIを画像形成装置200に適用しないことを示すメッセージMS2を表示するようにしたが、これに代えて、例えば、携帯端末は設定情報SIを画像形成装置200に適用しないことを示す音声や警告音を出力するようにしてもよい。
【0167】
例えば、上記の各実施の形態では、本技術をタブレット端末に適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、スマートフォンやノート型パーソナルコンピュータに適用してもよい。また、例えば、NFCリーダライタが接続されたデスクトップ型パーソナルコンピュータに適用してもよい。
【0168】
例えば、上記の各実施の形態では、システムインテグレータであるユーザが設定情報SIをNFCタグ202に書き込むようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、工場の作業者、販売店の販売員、物流の作業員など様々なユーザが設定情報SIをNFCタグ202に書き込むようにしてもよい。
【0169】
例えば、上記の各実施の形態等では、本技術を単機能のプリンタに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、コピー機能、ファックス機能、スキャン機能、プリント機能などを有する、いわゆる多機能周辺装置(MFP;Multi Function Peripheral)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0170】
1,1A,1B,1C,2,3,3D,3E…情報処理システム、100,100A,100B,100C,400,500,500E…携帯端末、101…NFC通信部、102,203,301…通信部、103,204…操作部、104,205…表示部、105,105A,206,302,302C,302E,405…記憶部、106,106A,106B,106C,208,303,303C,406,506,506E,608…制御部、107,107B,407,507…NFC通信制御部、108,108C,408,508…表示制御部、200,600…画像形成装置、201…NFC通信部、202…NFCタグ、207…画像形成部、209…情報書込部、210…設定変更部、300,300C,300E…サーバ、304,304A…検証部、305C…書込確認部、409…設定選択部、510E…変換部、511…読取部、512…GPS受信部、700…梱包材、701…バーコード、AP,AP2,AP3,AP4,AP5,AP6…アプリケーションソフトウェア、FT…フラグ管理テーブル、MS1,MS2,MS3…メッセージ、ST…設定情報テーブル、VT,VTA,VTD…検証情報テーブル、WT…書込情報テーブル。
図1
図2
図3
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図5
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図10
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