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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230912BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230912BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/16 A
G08G1/0968 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020006285
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021114110
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】山根 丈亮
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】福永 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】金子 宗太郎
(72)【発明者】
【氏名】皆川 里桜
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/123344(WO,A1)
【文献】特開2012-118868(JP,A)
【文献】特開2017-16200(JP,A)
【文献】特開平11-213299(JP,A)
【文献】特開2017-129980(JP,A)
【文献】特開2005-88717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G01C 21/00 - 21/36
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G09B 29/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される情報処理装置であって、
前記車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かを検出することと、
外部装置に、取得した前記車両の位置情報とともに問い合わせを送信して、前記外部装置から前記車両の走行車線の種類を取得することと、
前記後方車両に関する情報を、車々間通信、車載センサ、または車載カメラを介して取得することと、
前記後方車両に関する情報が、車々間通信、車載センサ、および車載カメラのいずれによって取得されたかに応じて、異なる方法を用いて、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、
前記車両と前記後方車両とが同じ車線上を走行しており、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近している場合において、前記車両が交差点付近に位置しておらず、かつ、前記車両が走行している道路が2車線以上であることを条件として、
車線変更の案内を出力することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記車両が走行している車線に隣接する追い越し車線ではない第1の車線上の車両の走行状況に関する情報を取得することをさらに実行し、
前記第1の車線へ前記車両が車線変更可能である場合に、前記第1の車線への車線変更の案内を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間の少なくともいずれかに基づいて、前記後方車両が前記車両の速度よりも早い速度で接近しているか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記後方車両に関する情報が、前記車々間通信を介して取得された場合に、
前記制御部は、前記情報に含まれる前記後方車両の速度に基づいて、前記後方車両との相対速度を取得する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記後方車両に関する情報が、前記車載センサを介して取得された場合に、
前記制御部は、
前記車載センサの検知値に基づいて、前記後方車両に対する車間距離又は車間時間を取得する、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記車々間通信を通じて、前記後方車両から、前記後方車両の走行している車線に関する情報を取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記車両のサイドミラーに映る画像に、前記第1の車線上に車両が映っていない場合に、前記第1の車線へ車線変更可能であると判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記車々間通信を通じて、所定のタイミングで、前記車両の速度を、前記車両の前方を走行する車両へ送信する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
車両に搭載されるコンピュータが、
前記車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かを検出することと、
外部装置に、取得した前記車両の位置情報とともに問い合わせを送信して、前記外部装置から前記車両の走行車線の種類を取得することと、
前記後方車両に関する情報を、車々間通信、車載センサ、または車載カメラを介して取得することと、
前記後方車両に関する情報が、車々間通信、車載センサ、および車載カメラのいずれによって取得されたかに応じて、異なる方法を用いて、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、
前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、
前記車両と前記後方車両とが同じ車線上を走行しており、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近している場合において、前記車両が交差点付近に位置しておらず、かつ、前記車両が走行している道路が2車線以上であることを条件として、車線変更の案内を出力することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
前記車両が走行している車線に隣接する追い越し車線ではない第1の車線上の車両の走行状況に関する情報を取得することをさらに実行し、
前記第1の車線へ前記車両が車線変更可能である場合に、前記第1の車線への車線変更の案内を出力する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間の少なくともいずれかに基づいて、前記後方車両が前記車両の速度よりも早い速度で接近しているか否かを判定する、
請求項又は10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記後方車両に関する情報が、前記車々間通信を介して取得された場合に、
前記情報に含まれる前記後方車両の速度に基づいて、前記後方車両との相対速度を取得する、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記後方車両に関する情報が、前記車載センサを介して取得された場合に、
前記コンピュータは、
前記車載センサの検知値に基づいて、前記後方車両に対する車間距離又は車間時間を取得する、
請求項11又は12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記車々間通信を通じて、前記後方車両から、前記後方車両の走行している車線に関する情報を取得する、
請求項から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記車両のサイドミラーに映る画像に、前記第1の車線上に車両が映っていない場合に、前記第1の車線へ車線変更可能であると判定する、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記車々間通信を通じて、所定のタイミングで、前記車両の速度を、前記車両の前方を走行する車両へ送信する、
請求項から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の進行方向の交差点の状況に応じて、適切な車線を案内する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-146461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、高速道路等で、周囲の車両よりも比較的遅い速度で走行することによって、交通の流れを遅くしてしまうおそれがある。
【0005】
開示の態様の一つは、道路上の車両の流れの悪化を抑制することができる装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様の一つは、
車両に搭載される情報処理装置であって、
前記車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かを検出することと、
前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、前記車両と前記後方車両とが同じ車線上を走行しており、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しており、且つ、案内対象除外条件が満たされていない場合に、車線変更の案内を出力することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置である。
【0007】
本開示の態様の他の一つは、
車両に搭載されるコンピュータが、
前記車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かを検出することと、
前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、前記車両と前記後方車両とが同じ車線上を走行しており、前記後方車両が前記車両の速度よりも速い速度で接近しており、且つ、案内対象除外条件が満たされていない場合に、車線変更の案内を出力することと、
を実行する情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、道路上の車両の流れの悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る車両の処理を説明するための図である。
図2図2は、第1実施形態に係る車両のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、車両の車線変更案内処理のフローチャートの一例である。
図5図5は、車両の情報送信処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つは、車両に搭載される情報処理装置である。情報処理装置は、例えば、車載器、データ通信装置、又は、ECU(Electronic Control Unit)等である。当
該情報処理装置は、当該車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かを検出することと、後方車両が当該車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かを判定することと、当該車両と後方車両とが同じ車線上を走行しており、後方車両が当該車両の速度よりも速い速度で接近しており、且つ、案内対象除外条件が満たされていない場合に、車線変更の案内を出力することと、を実行する制御部、を備える。
【0011】
当該車両と後方車両とが同じ車線上を走行しているか否かは、例えば、当該車両が走行している車線と、後方車両が走行している車線と、を特定することによって判定される。当該車両が走行している車線は、例えば、車両の前方の所定範囲を撮像範囲とするカメラの撮像画像、又は、当該車両の位置情報等に基づいて取得されてもよい。ただし、これに限定されない。後方車両が走行している車線は、例えば、車車間通信を通じて後方車両から取得されてもよいし、車両の後方の所定範囲を撮像範囲とするカメラの撮像画像から取得されてもよい。ただし、これに限定されない。
【0012】
後方車両が当該車両の速度よりも速い速度で接近しているか否かは、例えば、後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間の少なくともいずれかに基づいて、判定されてもよい。後方車両との相対速度は、例えば、車車間通信によって後方車両から受信される後方車両の速度に基づいて取得されてもよいし、センサによって取得されてもよい。後方車両との車間距離及び車間時間は、例えば、車両の後方の所定範囲を撮像範囲とするカメラの撮像画像に基づいて取得されてもよいし、センサによって取得されてもよい。後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間を取得可能なセンサは、例えば、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection And Ranging)等である。カメラも、後方車両との相
対速度、車間距離、及び、車間時間を取得可能なセンサの一つである。なお、後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間の取得方法はこれらに限定されない。
【0013】
案内対象除外条件は、車両が車線変更不可能な状況下にある場合に車線変更の案内の対象から除外するための条件である。案内対象除外条件は、例えば、車両が交差点付近に位置していること、車両が走行している道路が1車線であること、車両が減速状態であること、等の1つ又は複数である。案内対象条件が複数設定されている場合には、例えば、複数の条件のうちの少なくとも一つに合致する場合には、案内対象除外条件が満たされたということになり、車線変更の案内は出力されない。なお、案内対象除外条件は、上記のものに限定されない。
【0014】
車線変更の案内は、例えば、画像又は文字データとして車両内に設置されたディスプレイに出力されてもよいし、音声データとしてスピーカから出力されてもよい。又は、車線変更の案内は、画像又は文字データと音声データとの組み合わせで行われてもよい。
【0015】
本開示の態様の一つによれば、車両の速度よりも速い速度で接近してくる後方車両が検出されると、車線変更の案内がされるので、当該案内に従って運転者が車線変更を行えば、当該後方車両にスムーズに道を譲ることができる。これによって、道路の車両の流れを悪化させることを抑制することができる。
【0016】
本開示の態様の一つにおいて、制御部は、当該車両が走行している車線に隣接する追い越し車線ではない第1の車線上の車両の走行状況に関する情報を取得することをさらに実
行してもよい。この場合には、制御部は、当該第1の車線へ当該車両が車線変更可能である場合に、当該第1の車線への車線変更の案内を出力するようにしてもよい。当該第1の車線へ車線変更であるか否かは、例えば、当該第1の車線上の当該車両の後方に他の車両が走行しているか否かに基づいて判定されてもよい。これによって、車両の車線変更を安全に誘導することができる。
【0017】
本開示の態様の一つにおいて、制御部は、当該車両と当該後方車両とが同じ車線として追い越し車線上を走行しているか否かを判定してもよい。この場合には、当該車両と当該後方車両とが同じ追い越し車線上を走行しており、且つ、後方車両が当該車両の速度よりも速い速度で接近している場合に、車線変更の案内が出力されるようにしてもい。例えば、日本では、片側2車線以上の場合には、白い破線の車線境界線で車線が区切られ、道路の両端には路側帯を示す白い直線の車道外側線が施されている。また、日本では、高速道路において、一番右側の車線が追い越し車線である。したがって、車両が追い越し車線を走行していることは、当該車両の周辺の所定範囲を撮像範囲とするカメラの撮像画像において、車両の進行方向の右側に白い直線があり、且つ、車両の進行方向の左側に白い破線があることによって検出される。なお、車線境界線で用いられる白い破線の間隔は、法律によって定義されている。
【0018】
高速道路において、追い越し車線上を周辺の車両よりも遅い速度で走行していると、当該追い越し車線だけでなく他の走行車線の車両の流れも悪化させてしまう可能性が高い。そのため、本開示の態様の一つでは、車両が追い越し車線を走行していることを特定することで、道路上の車線全体の車両の流れが悪化しやすい状況下において車両変更の案内を行うことができる。また、その一方で、車線変更の案内の出力が頻発されることを抑制することもできる。
【0019】
また、本開示の態様の一つにおいて、制御部は、車車間通信を通じて、所定のタイミングで、当該車両の速度を、当該車両の前方を走行する車両へ送信するようにしてもよい。所定のタイミングは、例えば、所定の周期、及び、所定のイベントの発生時である。所定のイベントは、例えば、ブレーキペダルが踏まれた場合等である。ただし、これらに限定されない。これによれば、前方を走行する車両に自車両の速度を通知することができる。例えば、前方を走行する車両が自車両と同じ上記処理を行う車両である場合には、自車両が接近していることを検知するための情報を前方を走行する車両に与えることができ、前方の車両は車線変更を行う。これによって、自車両はスムーズに走行でき、道路の車両音流れを悪化させることを抑制できる。
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る車両100の処理を説明するための図である。第1実施形態では、車両100は、後方から接近してくる車両500を検知し、運転者へ車線変更を案内し、車両500に道を譲るように促す。より具体的には、車両100は、後方車両500が車両100と同じ追い越し車線を走行しているか否かを判定する。次に、後方車両500が車両100と同じ追い越し車線を走行している場合に、車両100は、後方車両500が車両100よりも速い速度で接近していることを検出する。車両100は、左側の車線へ車線変更可能か否かを判定し、左側の車線へ車線変更可能である場合には、左側の車線への車線変更の案内を出力する。追い越し車線の左側の車線は、「第1の車線」の一例である。
【0022】
なお、第1実施形態では、日本における交通道路法に従った道路環境を想定する。第1
実施形態では、図1に示されるように、両端は路側帯を示す白い直線の車道外側線が引かれており、各車線は白い破線の車線境界線で区切られている道路を想定する。車線境界線で用いられる破線の間隔は、例えば、1.5mに定められている。片側2車線以上の道路において、一番右側の車線が追い越し車線であることを想定する。
【0023】
追い越し車線走行時に周辺の車両よりも遅れて走行していることが、当該追い越し車線、ひいては道路上の全車線上での車両の流れの悪化を引き起こす可能性がある。第1実施形態に係る車両100によれば、後方からの接近車両500が検出されると車線変更が案内されるので、後方車両500が車両100に追いつくより前に車両100は車線変更することができ、スムーズに道を譲ることができる。これによって、道路の車両の流れを悪化させることを回避することができる。
【0024】
図2は、第1実施形態に係る車両100のハードウェア構成の一例を示す図である。車両100は、例えば、運転手による運転によって走行する自動車である。なお、図2では、車両100のハードウェア構成のうち、第1実施形態において説明される処理に係るハードウェア構成が抽出されて示されている。車両100は、ハードウェア構成として、制御装置1、GPS受信部111、前方カメラ112、後方カメラ113、サイドミラーカメラ114、速度計115、ブレーキペダルストローク量検出装置116、車間距離センサ117、スピーカ118、及び、ディスプレイ119を備える。
【0025】
GPS受信部111は、地球の周囲を周回する複数の人工衛星(Global Positioning Satellite)から時刻信号の電波を受信し、例えば、制御装置1のレジスタに格納する。GPS受信部111による検出信号に基づいて、例えば、位置情報として、地球上の位置である緯度及び経度が取得される。
【0026】
前方カメラ112は、例えば、車両100の前方に外向きに設置された、車両100の前方にある所定範囲を撮像範囲とするカメラである。後方カメラ113は、例えば、車両100の後方に外向きに設置された、車両100の後方にある所定範囲を撮像範囲とするカメラである。前方カメラ112及び後方カメラ113は、例えば、ドライブレコーダーで使用されているものを併用してもよいし、第1実施形態に係る処理の専用に設けられてもよい。
【0027】
サイドミラーカメラ114は、車両100の両サイドに設置されたサイドミラーを撮像範囲に含むカメラである。サイドミラーカメラ114は、例えば、両サイドの2つのサイドミラーそれぞれに対して設けられてもよいし、いずれか一方に設けられてもよい。例えば、日本では、一番右側の車線が追い越し車線であり、道を譲る場合には左側の車線へと変更することが多いので、サイドミラーカメラ114は、左側のサイドミラーについてのみ設けられてもよい。また、サイドミラーカメラ114は、サイドミラーの役割を果たすためにサイドミラーの代わりにサイドミラーの位置に設けられたカメラであってもよい。
【0028】
速度計115は、車両100の速度を計測する。ブレーキペダルストローク量検出装置116は、運転者によるブレーキペダルの踏み込み量を検出する。車間距離センサ117は、例えば、車両100の後方に設けられ、後続の車両との車間距離を計測するセンサである。車間距離センサ117は、例えば、ミリ波レーダ、光学式カメラ、ステレオカメラ、及び、LIDAR等である。車間距離センサ117は、例えば、さらに車両100の前方及び左右のそれぞれ等に設けられてもよい。また、車間距離センサ117は、車両100の周辺の障害物との距離を取得する障害物センサとして用いられてもよい。
【0029】
制御装置1は、例えば、ECUである。ただし、制御装置1はこれに限定されない。制御装置1は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)101、メ
モリ102、外部記憶装置103、通信部104、車車間通信部105、及びインタフェース106を有する。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。制御装置1は、「情報処理装置」の一例である。
【0030】
外部記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、及び/又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS)、車線変更案内制御プログラム、及び、その他様々なアプリケーションプログラムがある。車線変更案内制御プログラムは、後方からの接近車両を検知して、運転者に車線変更を案内するためのプログラムである。
【0031】
メモリ102は、CPU 101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域及び作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。
【0032】
CPU 101は、外部記憶装置103に保持されたOS及び様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は、「情報処理装置」の「制御部」の一例である。
【0033】
通信部104は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部104は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advanced、及び
、5G(5th Generation)等の移動体通信方式、又は、WiFiの通信を行い、インターネット等の公衆回線網に接続する。車車間通信部105は、他の車両と車車間通信を行う。車車間通信では、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communications)が用いられる。
【0034】
インタフェース106は、車両100内の制御装置1以外のハードウェア構成要素と制御装置1とを接続する。インタフェース106には、GPS受信部111、前方カメラ112、後方カメラ113、サイドミラーカメラ114、速度計115、ブレーキペダルストローク量検出装置116、車間距離センサ117、スピーカ118、及び、ディスプレイ119等が接続される。なお、図2に示される車両100のハードウェア構成は一例であって、これに限定されない。
【0035】
図3は、制御装置1の機能構成の一例を示す図である。制御装置1は、機能構成要素として、制御部11、走行車線判定部12、及び、後方車両情報取得部13を備える。これらの機能構成要素は、CPU 101が所定のプログラムを実行することによって達成される。
【0036】
走行車線判定部12は、例えば、所定周期で、繰り返し、車両100が走行している車線が追い越し車線であるか否かを判定する。車両100の走行車線が追い越し車線であるか否かの判定方法には、例えば、以下の方法があり、いずれの方法で判定されてもよい。
【0037】
車両100の走行車線が追い越し車線であることの判定方法の一つ目は、前方カメラ112の撮像画像の画像認識処理によって判定する方法である。この方法では、走行車線判定部12は、例えば、前方カメラ112の撮像画像内において、車両100の進行方向の右側に白い直線の車道外側線があり、且つ、進行方向の左側に白い破線の車線境界線がある場合に、車両100が追い越し車線を走行していることを判定する。なお、前方カメラ
の撮像画像に限定されず、例えば、後方カメラ113の撮像画像から、車両100の走行車線が追い越し車線であることが判定されてもよい。
【0038】
車両100の走行車線が追い越し車線であることの判定方法の二つ目は、車両100の位置情報を用いて判定する方法である。この方法では、走行車線判定部12は、例えば、車両100の位置情報を取得し、所定のサーバに車両100の位置情報とともに問い合わせを送信して、当該所定のサーバから走行車線の種類を取得する。車両100の位置情報は、例えば、GPS受信部111によって取得されたものが用いられる。
【0039】
走行車線判定部12は、車両100の走行車線が追い越し車線であることを判定した場合に、その判定結果を制御部11に出力する。
【0040】
後方車両情報取得部13は、車両100の後方を走行する車両に関する情報を取得する。以降、車両100の後方を走行する車両を後方車両と称する。後方車両情報取得部13が取得する後方車両に関する情報には、例えば、後方車両の接近に関する情報と、後方車両の走行車線とがある。後方車両の接近に関する情報には、例えば、後方車両の速度、後方車両との車間距離、及び、後方車両との車間時間があり、後方車両情報取得部13は、このうちの少なくとも一つを取得する。
【0041】
後方車両が車車間通信可能である場合には、後方車両情報取得部13は、当該後方車両の速度と当該後方車両の走行車線の種類との少なくともいずれか一方を、車車間通信部105を通じて後方車両から受信することで取得してもよい。後方車両の走行車線の種類は、例えば、後方車両自身が所定の方法で取得したものである。
【0042】
例えば、これらの情報は、後方車両情報取得部13が後方車両に向けて後方車両に関する情報の取得要求を送信し、当該取得要求の応答として後方車両に関する情報を後方車両から受信することで取得されてもよい。または、これらの情報は、後方車両が所定の周期または所定のイベントを契機に前方車両に向けて送信したものを受信することで取得されてもよい。所定のイベントは、例えば、ブレーキペダルの踏み込み量が所定値以上であること、等である。なお、後方車両との相対速度は、車間距離センサ117の検知値に基づいて取得されてもよい。
【0043】
後方車両情報取得部13は、後方車両との車間距離を、例えば、車間距離センサ117の検知値に基づいて、又は、後方カメラ113の撮像画像の解析結果に基づいて、取得する。後方車両との車間時間は、車両100がA地点を通過したのち後方車両が同じA地点を通過するまでの時間である。後方車両情報取得部13は、後方車両との車間時間を、例えば、後方カメラ113の撮像画像を所定時間解析することで取得する。
【0044】
後方車両情報取得部13は、後方車両の走行車線の種類を、例えば、後方カメラ113の撮像画像の解析から取得してもよい。後方車両情報取得部13は、例えば、後方カメラ113の撮像画像内において、後方車両の右側に白い直線の車道外側線があり、且つ、左側に白い破線の車線境界線がある場合に、当該車両が追い越し車線を走行していることを判定する。
【0045】
後方車両情報取得部13は、例えば、まず、車車間通信によって、後方車両の速度及び/又は後方車両の走行車線の種類を取得することを試みてもよい。車車間通信によってこれらの情報が取得されない場合に、後方車両情報取得部13は、後方カメラ113の撮像画像及び/又は車間距離センサ117の検知値から、後方車両との相対速度、車間距離、又は、車間時間の少なくともいずれか、及び、後方車両の走行車線の種類を取得するようにしてもよい。この場合、後方車両との相対速度、車間距離、又は、車間時間のいずれが
取得されるかは、後述の制御部11が、後方車両の接近の判定にいずれを用いるかによって決定されてもよい。なお、常に、後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間が取得されるのであってもよい。
【0046】
制御部11は、車両100が追い越し車線を走行中に、当該追い越し車線の後方から接近する車両の有無を判定する。制御部11は、車両100が追い越し車線を走行していることを、走行車線判定部12からの入力によって取得する。後方車両が追い越し車線を走行しているか否かは、例えば、後方車両情報取得部13への問い合わせによって取得されする。
【0047】
制御部11は、後方から接近する車両の有無を、例えば、接近条件が満たされるか否かで判定する。後方から接近する車両は、車両100よりも速い速度で走行している車両である。接近条件は、(1)車両100と後方車両との相対速度が所定の閾値以上である、(2)車両100と後方車両との車間距離が所定の閾値未満である、または、(3)車両100と後方車両との車間時間が所定の閾値未満である、ことである。車両100と後方車両との相対速度の閾値は、例えば、後方車両の速度の方が車両100よりも速いことを示し、且つ、10~30Km/hである。車両100と後方車両との車間距離の閾値は、例えば、車両100の速度が80km/hである場合には80m、速度が100km/hである場合には100mというように、車両100の速度に応じて変更されてもよい。車両100と後方車両との車間時間の閾値は、例えば、3~10秒である。ただし、これらの閾値は一例であり、上記例示の値に限定されない。後方車両との相対速度、車間距離、及び、車間時間の閾値は、例えば、車両100が十分安全に車線変更できるような後方車両との車間距離を確保できる値に設定される。
【0048】
接近条件(1)~(3)のいずれか1つ、いずれか2つ、又は全部が満たされた場合に、制御部11は、後方から接近する車両が存在することを検出する。後方から接近する車両を検出した場合には、制御部11は、例えば、隣接する左側の車線へ車線変更可能か否かを判定する。隣接する左側車線へ車線変更可能であることは、例えば、当該車線上の車両100の後方の所定範囲に車両が存在しないことによって判定される。制御部11は、隣接する左側の車線上の車両100の後方の所定範囲に車両が存在しないことを、例えば、後方カメラ113の撮像画像、左側のサイドミラーのサイドミラーカメラ114の撮像画像、車間距離センサ117のセンシング結果のいずれかから取得する。
【0049】
制御部11は、隣接する左側の車線へ車線変更可能であることを判定した場合には、現在走行中の追い越し車線からの車線変更の案内を出力する。車線変更の案内は、例えば、文字または画像データとして車両100に備えられるディスプレイ119に出力されてもよいし、音声データとしてスピーカ118に出力されてもよい。また、両方であってもよい。
【0050】
なお、制御部11は、車両100について案内対象除外条件が満たされているか否かを判定し、案内対象除外条件が満たされている場合には、車線変更の案内を行わないようにしてもよい。例えば、車両100が交差点へ進入する場合などは減速状態にあるため、後方からより早い速度で車両が来たとしても車線変更することは難しい。また、車両100が走行している道路が1車線である場合にも、車線変更して後方車両に道を譲ることは難しい。案内対象除外条件は、上述のような車線変更して後方車両に道を譲ることが難しい状況を、車線変更の案内の対象から除外するための条件である。
【0051】
案内対象除外条件は、例えば、車両100が交差点付近に位置していること、車両100が走行している道路が1車線であること、車両100が減速状態であること、等の1つ又は複数である。なお、案内対象除外条件は、上記のものに限定されない。車両100が
交差点付近に位置していること及び車両100が走行している道路が1車線であることは、例えば、車両100の位置情報と道路情報とから検出可能である。また、車両100が走行している道路が1車線であることは、例えば、前方カメラ112の撮像画像の画像認識結果から取得されてもよい。車両100が減速状態であることは、例えば、車両100の速度計115の検知値に基づいて取得される。
【0052】
また、制御部11は、前方を走行する車両への情報提供として、例えば、速度と走行車線の種類とを車車間通信で、所定の周期または所定のイベントの発生を契機に発信してもよい。速度は速度計115から取得される。走行車線の種類は、走行車線判定部12による判定結果から取得される。速度と走行車線の種類とは、例えば、ブロードキャスト又はマルチキャストで送信されてもよい。
【0053】
<処理の流れ>
図4は、車両100の車線変更案内処理のフローチャートの一例である。図4に示される処理は、例えば、車両100の走行中、または、車両100が高速道路を走行中に繰り返し実行される。車両100が高速道路を走行していることは、例えば、位置情報と地図データとから判定されてもよいし、車両100に搭載されているカーナビゲーションシステム等の他のシステムから取得されてもよい。図4に示される処理の実行主体は、制御装置1のCPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。
【0054】
OP100では、制御部11は、案内対象除外条件が満たされているか否かを判定する。案内対象除外条件が満たされている場合には(OP100:YES)、図4に示される処理が終了する。案内除外条件が満たされていない場合には(OP100:NO)、処理がOP101に進む。
【0055】
OP101では、制御部11は、車両100の走行車線が追い越し車線であるか否かを判定する。車両100の走行車線は、走行車線判定部12による判定の結果として制御部11に入力される。車両100の走行車線が追い越し車線である場合には(OP101:YES)、処理がOP102に進む。車両100の走行車線が追い越し車線でない場合には(OP101:NO)、図4に示される処理が終了する。
【0056】
OP102では、制御部11は、後方車両情報取得部13から、後方車両の走行車線に関する情報を取得する。OP103では、制御部11は、後方車両の走行車線が追い越し車線であるか否かを判定する。後方車両の走行車線が追い越し車線である場合には(OP103:YES)、処理がOP104に進む。車両100の走行車線が追い越し車線でない場合には(OP103:NO)、図4に示される処理が終了する。
【0057】
OP104では、制御部11は、後方車両情報取得部13から、後方車両の接近に関する情報を取得する。OP105では、制御部11は、後方車両の接近に関する情報に基づいて、接近条件が満たされているか否かを判定する。OP105で使用される接近条件が上記接近条件(1)である場合には、OP104において、後方車両の接近に関する情報として後方車両との相対速度が取得される。OP105で使用される接近条件が上記接近条件(2)である場合には、OP104において、後方車両の接近に関する情報として後方車両との車間距離が取得される。OP105で使用される接近条件が上記接近条件(3)である場合には、OP104において、後方車両の接近に関する情報として後方車両との車間時間が取得される。このように、OP105で使用される接近条件に応じてOP104で取得される後方車両の接近に関する情報は変化する。
【0058】
なお、OP104における後方車両の接近に関する情報として取得される情報に応じて、OP105において用いられる接近条件が選択されてもよい。例えば、OP104にお
いて、制御部11が、後方車両の接近に関する情報として、車車間通信で後方車両の速度を取得した場合には、OP105において接近条件(1)が用いられてもよい。例えば、OP104において、制御部11が、車車間通信からは情報を受信できずに、車間距離センサ117から後方車両との車間距離を取得した場合には、OP105において接近条件(2)が用いられてもよい。また、接近条件(1)~(3)間で優先度が設定されていてもよい。
【0059】
接近条件が満たされる場合には(OP105:YES)、処理がOP106へ進む。接近条件が満たされない場合には(OP105:NO)、図4に示される処理が終了する。OP106では、制御部11は、左側車線に関する情報を取得する。左側車線に関する情報は、例えば、左側のサイドミラーを撮像画像に含むサイドミラーカメラ114の撮像画像、又は、後方の所定の範囲を撮像範囲とする後方カメラ113の撮像画像である。
【0060】
OP107では、制御部11は、左側の車線へ車線変更可能か否かを判定する。制御部11は、例えば、左側のサイドミラーを撮像画像に含むサイドミラーカメラ114の撮像画像を解析し、サイドミラーにおいて、当該左側の車線上に車両が映っていない場合に、左側の車線へ車線変更可能であることを判定する。左側の車線へ車線変更可能であることが判定される場合には(OP107:YES)、処理がOP108に進む。左側の車線へ車線変更可能でないことが判定される場合には(OP107:NO)、図4に示される処理が終了する。
【0061】
OP108では、制御部11は、追い越し車線から左側の車線への車線変更の案内を出力する。その後、図4に示される処理が終了する。
【0062】
図5は、車両100の情報送信処理のフローチャートの一例である。図5に示される処理は、例えば、所定の周期で繰り返し実行されてもよいし、所定のイベントの発生を契機に開始されてもよい。所定のイベントには、例えば、ブレーキペダル又は/及びアクセルペダルが所定値以上踏む込まれること、すなわち、急ブレーキ及び/又は急加速の発生がある。図5に示される処理も機能構成要素を主体として説明する。
【0063】
OP201では、制御部11は、例えば、走行車線判定部12から、車両100の走行車線の種類を取得する。車両100の走行車線の種類は、例えば、追い越し車線と追い越し車線以外である。なお、車両100の走行車線の種類はこれに限定されない。
【0064】
OP202では、制御部11は、速度計115から速度を取得する。OP203では、制御部11は、車両100の走行車線の種類と速度とを、車車間通信部105を通じて、前方を走行する車両へ向けて送信する。車両100の走行車線の種類と速度とは、例えば、ブロードキャスト又はマルチキャストで送信する。また、車車間通信部105によって指向性を制御可能な場合には、車両100の走行車線の種類と速度とは、車両100の前方の車両に向けて送信される。その後、図5に示される処理が終了する。なお、車両100が車車間通信で他の車両へ提供する情報は、車両100の走行車線の種類と速度とに限定されない。
【0065】
図4及び図5に示される処理は一例であって、車線変更案内処理及び情報送信処理は、図4及び図5に示される処理に限定されない。例えば、処理の実行順は実施形態に応じて適宜変更可能である。
【0066】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、車両100は、後方から接近する車両を検出すると、左側の車線への車線変更の案内を出力する。運転者が案内に従い左側の車線へ車線変更することで、後
方から接近する車両にスムーズに道を譲ることができ、道路の車両の流れを悪化させることを抑制できる。
【0067】
また、第1実施形態では、車両100は、左側の車線の状況を確認し、当該左側の車線へ車線変更可能である場合に、車線変更の案内を出力する。また、車線変更に十分な車間距離が確保された状態で、後方から接近する車両が検出される。これらによって、車両100は、後方から接近する車両が検出された場合に、安全に車線変更することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、後方から接近する車両が車車間通信可能な車両である場合には、車車間通信を通じて、当該車両の速度等を取得することができる。後方車両との相対速度は、車両100に備えられるセンサによっても取得可能であるが、後方車両自身から速度情報を取得することによってより正確に相対速度を取得することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、車両100と後方車両とがともに同じ追い越し車線を走行している場合に、車線変更案内処理が実行される。これによって、車線変更の案内が頻発することを抑制することができる。
【0070】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0071】
第1実施形態では、日本の道路環境を想定して説明されたが、第1実施形態において説明された技術は、他国の道路環境下でも適用可能である。他国において実施される場合は、実施国の道路環境によって、車両100及び後方車両の走行車線の種類の特定が行われるようにしてもよい。
【0072】
第1実施形態では、車両100と後方車両との双方が追い越し車線を走行時に、後方からの後方車両の接近に伴って車線変更の案内が行われる場合について説明されたが、後方からの後方車両の接近に伴う車線変更の案内は、車線の種類に限定されず実行されてもよい。
【0073】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0074】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0075】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0076】
1 :制御装置
11 :制御部
12 :走行車線判定部
13 :後方車両情報取得部
100 :車両
102 :メモリ
103 :外部記憶装置
104 :通信部
105 :車車間通信部
112 :前方カメラ
113 :後方カメラ
114 :サイドミラーカメラ
115 :速度計
117 :車間距離センサ
118 :スピーカ
119 :ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5