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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】箱およびブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/44 20060101AFI20230912BHJP
   B65D 5/22 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65D5/44 E
B65D5/44 H
B65D5/22 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020033369
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2020147371
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2019041948
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭太
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌弘
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-019846(JP,U)
【文献】実開平03-038718(JP,U)
【文献】実開昭51-007338(JP,U)
【文献】特開2018-138469(JP,A)
【文献】特開2014-133580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/44
B65D 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、
前記底板の第1縁辺から起立した第1側板と、
前記底板の前記第1縁辺と交差する第2縁辺から起立した第2側板と、
前記第2側板の先縁から前記底板に向けて折り曲げられ、前記第2側板の内側に配置された内板と、
前記内板の側縁から延び、前記第1側板の内側に重なるように配置された補強片と
を備え
前記第2側板の側縁から延び、前記第1側板を挟んで固定するように配置される外側挟持板および内側挟持板を有する挟持部をさらに備え、
前記挟持部は、前記補強片をさらに挟むように配置されていることを特徴とする箱。
【請求項2】
前記底板には、前記第1縁辺に近接して、係合穴が設けられ、
前記内側挟持板の先縁には、前記係合穴に嵌合することが可能な係合突起が設けられることを特徴とする請求項に記載の箱。
【請求項3】
前記係合穴は、前記第1縁辺および前記第2縁辺に交差する方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする請求項に記載の箱。
【請求項4】
底板と、
前記底板の第1縁辺から起立した第1側板と、
前記底板の前記第1縁辺と交差する第2縁辺から起立した第2側板と、
前記第2側板の先縁から前記底板に向けて折り曲げられ、前記第2側板の内側に配置された内板と、
前記内板の側縁から延び、前記第1側板の内側に重なるように配置された補強片と
を備え、
前記第2側板の側縁から延び、前記第1側板を挟んで固定するように配置される外側挟持板および内側挟持板を有する挟持部をさらに備え、
前記内板の両側縁のうち前記内板の先縁側の部分には、嵌合用切り欠きが設けられ、
前記内側挟持板の先縁には、前記嵌合用切り欠きに嵌合することが可能な嵌合突起が設けられることを特徴とする箱
【請求項5】
前記第1側板は、前記箱の内側に向くように前記底板の前記第1縁辺から斜めに起立していることを特徴とする請求項に記載の箱。
【請求項6】
前記第1縁辺の長さが前記第2縁辺の長さよりも短いことを特徴とする請求項4または請求項に記載の箱。
【請求項7】
請求項1に記載の箱のブランクであって、
相互に平行な第1折り曲げ線および第3折り曲げ線と、前記第1折り曲げ線と直交する相互に平行な第2折り曲げ線および第4折り曲げ線と、を有する矩形の底板と、
前記底板に前記第1折り曲げ線を介して接続される第1側板と、
前記第2折り曲げ線と平行な第5折り曲げ線を有し、前記底板に前記第2折り曲げ線を介して接続される第2側板と、
前記底板に前記第3折り曲げ線を介して接続される第3側板と、
前記第4折り曲げ線と平行な第6折り曲げ線を有し、前記底板に前記第4折り曲げ線を介して接続される第4側板と、
前記第5折り曲げ線と平行な第7折り曲げ線を有し、前記第2側板に前記第5折り曲げ線を介して接続される第1連結縁板と、
前記第6折り曲げ線と平行な第8折り曲げ線を有し、前記第4側板に前記第6折り曲げ線を介して接続される第2連結縁板と、
前記第7折り曲げ線と直交する相互に平行な第9折り曲げ線および第10折り曲げ線を有し、前記第1連結縁板に前記第7折り曲げ線を介して接続される第1内板と、
前記第8折り曲げ線と直交する相互に平行な第11折り曲げ線および第12折り曲げ線を有し、前記第2連結縁板に前記第8折り曲げ線を介して接続される第2内板と、
前記第1内板に前記第9折り曲げ線および前記第10折り曲げ線を介してそれぞれ接続される第1補強片および第2補強片と、
前記第2内板に前記第11折り曲げ線および前記第12折り曲げ線を介してそれぞれ接続される第3補強片および第4補強片と
を備え
前記第2折り曲げ線と直交する第17折り曲げ線および前記第2折り曲げ線と平行な第18折り曲げ線を有し、前記第2側板に前記第17折り曲げ線を介して接続される外側挟持板と、
前記第18折り曲げ線と並列している第19折り曲げ線を有し、前記外側挟持板に前記第18折り曲げ線を介して接続される挟持縁板と、
前記挟持縁板に前記第19折り曲げ線を介して接続される内側挟持板と
をさらに備え、
前記底板には、前記第1折り曲げ線に近接して、係合穴が設けられ、
前記内側挟持板の先縁には、前記係合穴に嵌合することが可能な係合突起が設けられ、
前記第19折り曲げ線は、前記第1内板側から前記箱のブランクの外側縁に向かって、前記第18折り曲げ線と前記第19折り曲げ線との間隔が短くなるように、形成されており、
前記係合穴は、前記第1折り曲げ線および前記第2折り曲げ線に交差する方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする箱のブランク。
【請求項8】
請求項4に記載の箱のブランクであって、
相互に平行な第1折り曲げ線および第3折り曲げ線と、前記第1折り曲げ線と直交する相互に平行な第2折り曲げ線および第4折り曲げ線と、を有する矩形の底板と、
前記底板に前記第1折り曲げ線を介して接続される第1側板と、
前記第2折り曲げ線と平行な第5折り曲げ線を有し、前記底板に前記第2折り曲げ線を介して接続される第2側板と、
前記底板に前記第3折り曲げ線を介して接続される第3側板と、
前記第4折り曲げ線と平行な第6折り曲げ線を有し、前記底板に前記第4折り曲げ線を介して接続される第4側板と、
前記第5折り曲げ線と平行な第7折り曲げ線を有し、前記第2側板に前記第5折り曲げ線を介して接続される第1連結縁板と、
前記第6折り曲げ線と平行な第8折り曲げ線を有し、前記第4側板に前記第6折り曲げ線を介して接続される第2連結縁板と、
前記第7折り曲げ線と直交する相互に平行な第9折り曲げ線および第10折り曲げ線を有し、前記第1連結縁板に前記第7折り曲げ線を介して接続される第1内板と、
前記第8折り曲げ線と直交する相互に平行な第11折り曲げ線および第12折り曲げ線を有し、前記第2連結縁板に前記第8折り曲げ線を介して接続される第2内板と、
前記第1内板に前記第9折り曲げ線および前記第10折り曲げ線を介してそれぞれ接続される第1補強片および第2補強片と、
前記第2内板に前記第11折り曲げ線および前記第12折り曲げ線を介してそれぞれ接続される第3補強片および第4補強片と
を備え、
前記第2折り曲げ線と直交する第17折り曲げ線および前記第2折り曲げ線と平行な第18折り曲げ線を有し、前記第2側板に前記第17折り曲げ線を介して接続される外側挟持板と、
前記第18折り曲げ線と並列している第19折り曲げ線を有し、前記外側挟持板に前記第18折り曲げ線を介して接続される挟持縁板と、
前記挟持縁板に前記第19折り曲げ線を介して接続される内側挟持板と
をさらに備え、
前記内板の両側縁のうち前記内板の先縁側の部分には、嵌合用切り欠きが設けられ、
前記内側挟持板の先縁には、前記嵌合用切り欠きに嵌合することが可能な嵌合突起が設けられることを特徴とする箱のブランク。
【請求項9】
前記箱が組み立てられた状態において、前記第1側板および前記第3側板はそれぞれ、前記箱の内側に向くように前記底板の前記第1折り曲げ線および前記第3折り曲げ線から斜めに起立していることを特徴とする請求項に記載の箱のブランク。
【請求項10】
前記第1折り曲げ線の長さが前記第2折り曲げ線の長さよりも短いことを特徴とする請求項8または請求項に記載の箱のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立てた際の係合が外れることを抑制するための箱およびブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、青果物(例えばトマト)等の物品を収容して運搬するときには、汚れたり傷ついたりしないように、また、そのまま店頭に置いて陳列できるように、段ボール製の箱(例えば、トレー)が広く利用されている。当該トレーの側面には、強度を有する構成が採用されうる。
【0003】
そこで、例えば、2層の側面を有するトレーが特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0004】
また、2層の側面のうち外板に対する内板の移動を抑制するために、移動抑制板を外板と内板との間に配置したトレーが特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭50-019846号公報
【文献】実公平07-014180号公報
【文献】特開2018-138469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、トレーは積み重ねて使用されることが多いところ、特許文献1から特許文献3に記載のトレーでは、上に積み重なったトレーの重さで、下に位置するトレーの組み立てるための係合が外れる可能性について考慮されていなかった。よって、トレーの組み立て状態が解除され、収容された物品が保護されずに汚損するおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、箱を組み立てた際の係合が外れることを抑えることによって、収容された物品が汚損することを抑制することを可能にする箱およびブランクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による箱は、底板と、前記底板の第1縁辺から起立した第1側板と、前記底板の前記第1縁辺と交差する第2縁辺から起立した第2側板と、前記第2側板の先縁から前記底板に向けて折り曲げられ、前記第2側板の内側に配置された内板と、前記内板の側縁から延び、前記第1側板の内側に重なるように配置された補強片とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、当該内板の側縁に設けられた補強片が第1側板の内側に重なるように配置されるので、重ね合わせられた部分の剛性が強化され、箱が変形しにくくなる結果、箱の係合が解除されにくくなり、収容された物品が汚損することを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る箱の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る箱を展開したブランクの平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、4つの内側挟持板の係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る箱の斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る箱を展開したブランクの平面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、2つの内板を2つの側面に対して底板側にそれぞれ折り曲げ、4つの補強片を内側にそれぞれ折り曲げて、2つの内板の4つの係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る箱の斜視図である。
図14】本発明の第3実施形態に係る箱を展開したブランクの平面図である。
図15】本発明の第3実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、2つの内板を2つの側面に対して底板側にそれぞれ折り曲げ、4つの補強片を内側にそれぞれ折り曲げて、2つの内板の4つの係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図である。
図18】本発明の第3実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であり、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図である。
図19図13のXIX-XIX方向断面図である。
図20】箱を積み重ねたときの落ち込みが抑制されることを説明するための図であって、本発明の2つの実施形態に係る箱の角部付近を拡大した平面図であり、(a)は、第1実施形態に係る箱の角部付近を示す図であり、(b)は、第2実施形態に係る箱の角部付近を示す図であり、(c)は、第3実施形態に係る箱の角部付近を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0012】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「矩形」とは、長方形のほか正方形を含むものであり、「略直方体」とは、直方体のほか立方体も含むものである。
【0013】
<第1実施形態>
<構造>
図1に本発明の第1実施形態に係る箱10の斜視図を示し、図2に本実施形態に係る箱10を展開したブランク10Bの平面図を示す。
【0014】
本実施形態に係る箱10は、略直方体形状を呈しており、青果物(例えば、トマト)等の物品を内部に収容することが可能なトレー状のものである。
【0015】
箱10は、図1および図2に示すように、第1縁辺L11、第1縁辺L11と交差する第2縁辺L21、第3縁辺L12、および第3縁辺L12と交差する第4縁辺L22を有する矩形の底板11と、底板11の第1縁辺から第4縁辺L11、L21、L12、L22からそれぞれ起立した第1側板から第4側板211、221、212、222と、第2側板221および第4側板222の先縁から底板11に向けてそれぞれ折り曲げられ、第2側板221および第4側板222の内側にそれぞれ配置された第1内板311および第2内板312とを備えて構成される。また、箱10は、第1内板311の両側縁L411およびL412からそれぞれ延び、第1側板211および第3側板212の内側に重なるようにそれぞれ配置された第1補強片411および第2補強片412と、第2内板312の両側縁L421およびL422からそれぞれ延び、第3側板212および第1側板211の内側に重なるようにそれぞれ配置された第3補強片421および第4補強片422とを備えて構成される。内板311、312の先縁には、廃棄の際に、後述する係合突起p5からp8と係合穴h5からh8との係合を(例えば指で)解除し易くするための切り欠き部を設けてもよい。
【0016】
底板11は、相互に平行な第1縁辺L11および第3縁辺L12と、第1縁辺L11と直交する相互に平行な第2縁辺L21および第4縁辺L22と、を有する。
【0017】
第1側板211は、第1縁辺L11と直交する相互に平行な第13縁辺L611および第16縁辺L622を有し、第1縁辺L11から延びて直角に折れ曲がっている。
【0018】
第2側板221は、第2縁辺L21と平行な第5縁辺L221と、第2縁辺L21と直交する相互に平行な第17縁辺L711および第20縁辺L712とを有し、第2縁辺L21から延びて直角に折れ曲がっている。
【0019】
第3側板212は、第3縁辺L12と直交する相互に平行な第14縁辺L612および第15縁辺L621を有し、第3縁辺L12から延び、直角に折れ曲がって第1側板211と対向している。
【0020】
第4側板222は、第4縁辺L22と平行な第6縁辺L222と、第4縁辺L22と直交する相互に平行な第23縁辺L721および第26縁辺L722とを有し、第4縁辺L22から延び、直角に折れ曲がって第2側板221と背向している。
【0021】
第1内板311は、第1連結縁板51を介して第2側板221に接続されており、第2内板312は、第2連結縁板52を介して第4側板222に接続されている。第1連結縁板51は、第5縁辺L221と平行な第7縁辺L311を有し、第5縁辺L221から延びて直角に折れ曲がっており、第2連結縁板52は、第6縁辺L222と平行な第8縁辺L312を有し、第6縁辺L222から延びて直角に折れ曲がっている。
【0022】
第1内板311は、第7縁辺L311と直交する相互に平行な第9縁辺L411および第10縁辺L412とを有し、第7縁辺L311から延びて直角に折れ曲がっており、第2内板312は、第8縁辺L312と直交する相互に平行な第11縁辺L421および第12縁辺L422とを有し、第8縁辺L312から延びて直角に折れ曲がっている。
【0023】
底板11には、図2に示すように、第2縁辺L21に近接して第5係合穴h5および第6係合穴h6が設けられており、第4縁辺L22に近接して第7係合穴h7および第8係合穴h8が設けられている。係合穴は切り抜きによって形成されうる。
【0024】
第1内板311の先縁には、第5係合穴h5に嵌合することが可能な第5係合突起p5と、第6係合穴h6に嵌合することが可能な第6係合突起p6とが設けられており、第2内板312の先縁には、第7係合穴h7に嵌合することが可能な第7係合突起p7と、第8係合穴h8に嵌合することが可能な第8係合突起p8とが設けられている。
【0025】
第1内板311には、上述したように、第1補強片411および第2補強片412が設けられており、第2内板312には、第3補強片421および第4補強片422が設けられる。
【0026】
第1補強片411は、第9縁辺L411から延び、第1側板211の内側に重なるように配置され(その端縁E411が)第1内側挟持板711aに接触可能に、箱10の内側に折れ曲がっており、第2補強片412は、第10縁辺L412から延び、第3側板212の内側に重なるように配置され(その端縁E412が)第2内側挟持板712aに接触可能に、箱10の内側に折れ曲がっている。また、第3補強片421は、第11縁辺L421から延び、第3側板212の内側に重なるように配置され(その端縁E421が)第3内側挟持板721aに接触可能に、箱10の内側に折れ曲がっており、第4補強片422は、第12縁辺L422から延び、第1側板211の内側に重なるように配置され(その端縁E422が)第4内側挟持板722aに接触可能に、箱10の内側に折れ曲がっている。
【0027】
第2側板221には、第1側板211を挟んで固定するように配置される第1外側挟持板711bおよび第1内側挟持板711aを有する第1挟持部711と、第3側板212を挟んで固定するように配置される第2外側挟持板712bおよび第2内側挟持板712aを有する第2挟持部712とが設けられる。また、第4側板222には、第3側板212を挟んで固定するように配置される第3外側挟持板721bおよび第3内側挟持板721aを有する第3挟持部721と、第1側板211を挟んで固定するように配置される第4外側挟持板722bおよび第4内側挟持板722aを有する第4挟持部722とが設けられる。
【0028】
第1外側挟持板711bは、第17縁辺L711と直交する第18縁辺L711bを有し、第17縁辺L711から延びて直角に折れ曲がっており、第3外側挟持板721bは、第23縁辺L721と直交する第24縁辺L721bを有し、第23縁辺L721から延びて直角に折れ曲がっている。
【0029】
第1内側挟持板711aは、第1挟持縁板711cを介して第1外側挟持板711bに接続されており、第3内側挟持板721aは、第3挟持縁板721cを介して第3外側挟持板721bに接続されている。
【0030】
第1挟持縁板711cは、第18縁辺L711bと平行な第19縁辺L711aを有し、第18縁辺L711bから延びて直角に折れ曲がっており、第3挟持縁板721cは、第24縁辺L721bと平行な第25縁辺L721aを有し、第24縁辺L721bから延びて直角に折れ曲がっている。
【0031】
第1内側挟持板711aは、第19縁辺L711aから延びて直角に折れ曲がっており、第3内側挟持板721aは、第25縁辺L721aから延びて直角に折れ曲がっている。
【0032】
第2外側挟持板712bは、第20縁辺L712と直交する第21縁辺L712bを有し、第20縁辺L712から延びて直角に折れ曲がっており、第4外側挟持板722bは、第26縁辺L722と直交する第27縁辺L722bを有し、第26縁辺L722から延びて直角に折れ曲がっている。
【0033】
第2内側挟持板712aは、第2挟持縁板712cを介して第2外側挟持板712bに接続されており、第4内側挟持板722aは、第4挟持縁板722cを介して第4外側挟持板722bに接続されている。
【0034】
第2挟持縁板712cは、第21縁辺L712bと平行な第22縁辺L712aを有し、第21縁辺L712bから延びて直角に折れ曲がっており、第4挟持縁板722cは、第27縁辺L722bと平行な第28縁辺L722aを有し、第27縁辺L722bから延びて直角に折れ曲がっている。
【0035】
第2内側挟持板712aは、第22縁辺L712aから延びて直角に折れ曲がっており、第4内側挟持板722aは、第28縁辺L722aから延びて直角に折れ曲がっている。
【0036】
底板11には、図2に示すように、第1縁辺L11に近接して第1係合穴h1が設けられており、第3縁辺L12に近接して第2係合穴h2が設けられており、第3縁辺L12に近接して第3係合穴h3が設けられており、第1縁辺L11に近接して第4係合穴h4が設けられている。
【0037】
第1内側挟持板711aの先縁には、第1係合穴h1に嵌合することが可能な第1係合突起p1が設けられ、第2内側挟持板712aの先縁には、第2係合穴h2に嵌合することが可能な第2係合突起p2が設けられる。また、第3内側挟持板721aの先縁には、第3係合穴h3に嵌合することが可能な第3係合突起p3が設けられ、第4内側挟持板722aの先縁には、第4係合穴h4に嵌合することが可能な第4係合突起p4が設けられる。
【0038】
第1側板211には、第2側板221と第1内板311とで挟まれるように配置されている第1被挟持片611と、第4側板222と第2内板312とで挟まれるように配置されている第4被挟持片622が設けられている。また、第3側板212には、第2側板221と第1内板311とで挟まれるように配置されている第2被挟持片612と、第4側板222と第2内板312とで挟まれるように配置されている第3被挟持片621が設けられている。
【0039】
第1被挟持片611は、第13縁辺L611から延びて直角に折れ曲がっており、第2被挟持片612は、第14縁辺L612から延びて直角に折れ曲がっており、第3被挟持片621は、第15縁辺L621から延びて直角に折れ曲がっており、第4被挟持片622は、第16縁辺L622から延びて直角に折れ曲がっている。
【0040】
本実施形態では、箱10は、図1に示すように、第5係合突起p5と第5係合穴h5との係合の位置を示し突起形状を呈している第1係合位置表示部S5および第6係合突起p6と第6係合穴h6との係合の位置を示し突起形状を呈している第2係合位置表示部S6を備える。また、箱10は、図1に示すように、第7係合突起p7と第7係合穴h7との係合の位置を示し突起形状を呈している第3係合位置表示部S7および第8係合突起p8と第8係合穴h8との係合の位置を示し突起形状を呈している第4係合位置表示部S8を備える。本発明では、箱10(または後述の箱10’、箱10’’)は、第1係合位置表示部S5から第4係合位置表示部S8を含む構成であってもよいし、含まない構成であってもよい(後述の第3実施形態を参照)。
【0041】
<箱のブランク>
図2に移り、本実施形態における箱10のブランク10Bにおいて、第1側板211は第1縁辺(第1折り曲げ線)L11を介して、第2側板221は第2縁辺(第2折り曲げ線)L21を介して、第3側板212は第3縁辺(第3折り曲げ線)L12を介して、第4側板222は第4縁辺(第4折り曲げ線)L22を介して、底板11とそれぞれ接続している。
【0042】
第1連結縁板51は、第5縁辺(第5折り曲げ線)L221を介して第2側板221と接続しており、第1内板311は、第7縁辺(第7折り曲げ線)L311を介して第1連結縁板51と接続している。また、第2連結縁板52は、第6縁辺(第6折り曲げ線)L222を介して第4側板222と接続しており、第2内板312は、第8縁辺(第8折り曲げ線)L312を介して第2連結縁板52と接続している。
【0043】
第1補強片411は、第9縁辺(第9折り曲げ線)L411を介して第1内板311と接続しており、第2補強片412は、第10縁辺(第10折り曲げ線)L412を介して第1内板311と接続している。また、第3補強片421は、第11縁辺(第11折り曲げ線)L421を介して第2内板312と接続しており、第4補強片422は、第12縁辺(第12折り曲げ線)L422を介して第2内板312と接続している。
【0044】
第1被挟持片611は、第13縁辺(第13折り曲げ線)L611を介して第1側板211と接続しており、第4被挟持片622は、第16縁辺(第16折り曲げ線)L622を介して第1側板211と接続している。また、第2被挟持片612は、第14縁辺(第14折り曲げ線)L612を介して第3側板212と接続しており、第3被挟持片621は、第15縁辺(第15折り曲げ線)L621を介して第3側板212と接続している。
【0045】
第1外側挟持板711bは、第17縁辺(第17折り曲げ線)L711を介して第2側板221と接続しており、第1挟持縁板711cは、第18縁辺(第18折り曲げ線)L711bを介して第1外側挟持板711bと接続しており、第1内側挟持板711aは、第19縁辺(第19折り曲げ線)L711aを介して第1挟持縁板711cと接続している。
【0046】
第2外側挟持板712bは、第20縁辺(第20折り曲げ線)L712を介して第2側板221と接続しており、第2挟持縁板712cは、第21縁辺(第21折り曲げ線)L712bを介して第2外側挟持板712bと接続しており、第2内側挟持板712aは、第22縁辺(第22折り曲げ線)L712aを介して第2挟持縁板712cと接続している。
【0047】
第3外側挟持板721bは、第23縁辺(第23折り曲げ線)L721を介して第4側板222と接続しており、第3挟持縁板721cは、第24縁辺(第24折り曲げ線)L721bを介して第3外側挟持板721bと接続しており、第3内側挟持板721aは、第25縁辺(第25折り曲げ線)L721aを介して第3挟持縁板721cと接続している。
【0048】
第4外側挟持板722bは、第26縁辺(第26折り曲げ線)L722を介して第4側板222と接続しており、第4挟持縁板722cは、第27縁辺(第27折り曲げ線)L722bを介して第4外側挟持板722bと接続しており、第4内側挟持板722aは、第28縁辺(第28折り曲げ線)L722aを介して第4挟持縁板722cと接続している。
【0049】
本実施形態では、図2に示すように、略矩形状のブランク10Bに、略S字状の第1切り込み線C11および第5切り込み線C411、略逆S字状の第2切り込み線C12および第6切り込み線C412、略S字状の第3切り込み線C21および第7切り込み線C421、並びに第4切り込み線C22および第8切り込み線C422を設けることで、略矩形状のブランク10Bの四隅付近に、第1被挟持片611および第1挟持部711、第2被挟持片612および第2挟持部712、第3被挟持片621および第3挟持部721、並びに第4被挟持片622および第4挟持部722がそれぞれ形成されることになる。
【0050】
図2および後述する図4に示すように、第1被挟持片から第4被挟持片611、612、621、622の天面側の先縁には、内側に折り曲げることで、第1連結縁板51および第2連結縁板52を内側から支える機能を有する第1縁片から第4縁片f11a、f12a、f21a、f22aがそれぞれ設けられている。
【0051】
本実施形態では、第1係合位置表示部S5および第2係合位置表示部S6は、図2に示すように、第2側板221と第1連結縁板51と第1内板311の3つの面に亘って形成され、第1係合位置表示部S5は、第30折り曲げ線L51、第31折り曲げ線L52、第32折り曲げ線L53、第9切り込み線C51、および第10切り込み線C52を設けることで形成される、2つの片521、531で構成され、第2係合位置表示部S6は、第33折り曲げ線L61、第34折り曲げ線L62、第35折り曲げ線L63、第11切り込み線C61、および第12切り込み線C62を設けることで形成される、2つの片621、631で構成される。
【0052】
また、第3係合位置表示部S7および第4係合位置表示部S8は、図2に示すように、第4側板222と第2連結縁板52と第2内板312の3つの面に亘って形成され、第3係合位置表示部S7は、第36折り曲げ線L71、第37折り曲げ線L72、第38折り曲げ線L73、第13切り込み線C71、および第14切り込み線C72を設けることで形成される、2つの片721、731で構成され、第4係合位置表示部S8は、第39折り曲げ線L81、第40折り曲げ線L82、第41折り曲げ線L83、第15切り込み線C81、および第16切り込み線C82を設けることで形成される、2つの片821、831で構成される。
【0053】
第5折り曲げ線L221と第17折り曲げ線L711と第18折り曲げ線L711bとが交差する部分には、三角形状の第1切り抜き部t11が設けられ、第5折り曲げ線L221と第20折り曲げ線L712と第21折り曲げ線L712bとが交差する部分には、三角形状の第2切り抜き部t11が設けられる。また、第7折り曲げ線L222と第23折り曲げ線L721と第24折り曲げ線L721bとが交差する部分には、三角形状の第3切り抜き部t21が設けられ、第7折り曲げ線L222と第26折り曲げ線L722と第27折り曲げ線L722bとが交差する部分には、三角形状の第4切り抜き部t22が設けられる。
【0054】
本実施形態におけるブランク10Bでは、第2折り曲げ線L21、第4折り曲げ線L22、第5折り曲げ線L221、第6折り曲げ線L222、第7折り曲げ線L311、第8折り曲げ線L312、第13折り曲げ線L611、第14折り曲げ線L612、第15折り曲げ線L621、第16折り曲げ線L622、第18折り曲げ線L711b、第19折り曲げ線L711a、第21折り曲げ線L712b、第22折り曲げ線L712a、第24折り曲げ線L721b、第25折り曲げ線L721a、第27折り曲げ線L722b、および第28折り曲げ線L722aが段ボールの横罫線(いわゆる、スコア)となる。
【0055】
また、本実施形態におけるブランク10Bでは、第1折り曲げ線L11、第3折り曲げ線L12、第9折り曲げ線L411、第10折り曲げ線L412、第11折り曲げ線L421、第12折り曲げ線L422、第17折り曲げ線L711、第20折り曲げ線L712、第23折り曲げ線L721、および第26折り曲げ線L722が、段ボールの縦罫線(いわゆる、クリーズ)となるように設定されている。尚、罫線の形成方向は、これに限られず、箱が開いて収容物品が箱から脱落することを抑制するという本発明の目的を達成しうるものであれば、いずれの方向に形成されても良い。なお、折り曲げ線は、例えばリード罫や切り込み線を含むもので形成してもよい。
【0056】
<組み立て手順>
図3から図6は、本実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であって、図3は、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図であり、図4は、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図であり、図5は、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図であり、図6は、4つの内側挟持板の係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図である。
【0057】
図3に示すように、底板11に対して起立させるように第1側板211を折り返し、第1側板211の第1被挟持片611および第4被挟持片622を内側にそれぞれ折り返し、底板11に対して起立させるように第3側板212を折り返し、第3側板212の第2被挟持片612および第3被挟持片621を内側にそれぞれ折り返す。そして、底板11に対して起立させるように第2側板221および第4側板222を折り返すと、図3に示す状態になる。
【0058】
次に、第2側板221から第1外側挟持板711bおよび第4外側挟持板722bを内側にそれぞれ折り返し、第4側板222から第2外側挟持板712bおよび第3外側挟持板721bを内側にそれぞれ折り返すと、図4に示す状態になる。
【0059】
続いて、第1外側挟持板711bから第1挟持縁板711cを底板11側に折り返し、第1挟持縁板711cから第1内側挟持板711aを底板11側に折り返し、第2外側挟持板712bから第2挟持縁板712cを底板11側に折り返し、第2挟持縁板712cから第2内側挟持板712aを底板11側に折り返し、第3外側挟持板721bから第3挟持縁板721cを底板11側に折り返し、第3挟持縁板721cから第3内側挟持板721aを底板11側に折り返し、第4外側挟持板722bから第4挟持縁板722cを底板11側に折り返し、第4挟持縁板722cから第4内側挟持板722aを底板11側に折り返すと、図5に示す状態になる。
【0060】
そして、第1内側挟持板711aの第1係合突起p1を底板11の第1係合穴h1に嵌め込み、第2内側挟持板712aの第2係合突起p2を底板11の第2係合穴h2に嵌め込み、第3内側挟持板721aの第3係合突起p3を底板11の第3係合穴h3に嵌め込み、第4内側挟持板722aの第4係合突起p4を底板11の第4係合穴h4に嵌め込むと、図6に示す状態になる。
【0061】
その後、第2側板221から第1連結縁板51を底板11側に折り返し、第1連結縁板51から第1内板311を底板11側に折り返し、第1内板311の第5係合突起p5および第6係合突起p6を底板11の第5係合穴h5および第6係合穴h6にそれぞれ嵌め込み、第4側板222から第2連結縁板52を底板11側に折り返し、第2連結縁板52から第2内板312を底板11側に折り返し、第2内板312の第7係合突起p7および第8係合突起p8を底板11の第7係合穴h7および第8係合穴h8にそれぞれ嵌め込むと、図1に示す箱10になる。
【0062】
従来、青果物(例えばトマト)等の物品を収容して運搬するときには、汚れたり傷ついたりしないように、また、そのまま店頭に置いて陳列できるように、段ボール製の箱(例えば、トレー)が広く利用されている。当該トレーの側面には強度が求められることに鑑み、例えば、特許文献1および特許文献2には、2層の側面を有するトレーが記載され、また、特許文献3には、2層の側面のうち外板に対する内板の移動を抑制するために、移動抑制板を外板と内板との間に配置したトレーが記載されている。
【0063】
ところで、トレーは積み重ねて使用されることが多いところ、特許文献1から特許文献3に記載のトレーでは、上に積み重なったトレーの重さで、下に位置するトレーの組み立てるための係合が外れる可能性について考慮されていなかった。よって、トレーの組み立て状態が解除され、収容された物品が保護されずに汚損するおそれがあった。
【0064】
本実施形態によれば、第1内板311の第1補強片411および第4補強片422が、第1内側挟持板711aおよび第4内側挟持板722aに重ねるように配置され、第2内板312の第2補強片412および第3補強片421が、第2内側挟持板712aおよび第3内側挟持板721aに重ねるように配置されるので、重ね合わせられた部分の剛性が強化され、たとえ上に箱を積み重ねても、箱10が変形しにくくなる結果、箱10の係合が解除されにくくなり、収容された物品が汚損することを抑制することが可能となる。
【0065】
また、たとえ箱を積み重ねた際に下側の箱10に対する上側の箱の位置がずれても、第1補強片411、第2補強片412、第3補強片421、および第4補強片422の存在により、上側に位置する箱の四隅の角部の底側が、下側に位置する箱10の内側に入り込むこと(いわゆる落ち込み)を抑制することが可能となる(後述する図13(a)の符号Raを参照)。本実施形態では、補強片が箱10に4つ設けられているが、本発明ではこれに限られず、1つでも本発明の効果を奏するものである。
【0066】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、図2に示すように、底板11の有する4つの縁辺L11、L21、L12、L22において、第1縁辺L11の長さ(または第3縁辺L12の長さ)は、第2縁辺L21の長さ(または第4縁辺L22の長さ)よりも長く、箱10のブランク10B全体として縦長の略矩形状を呈している構成であるが、本発明ではこれに限られない。
【0067】
例えば、第1実施形態の変形例では、底板11の有する4つの縁辺L11、L21、L12、L22において、第1縁辺L11の長さ(または第3縁辺L12の長さ)が、第2縁辺L21の長さ(または第4縁辺L22の長さ)よりも短く、箱10のブランク10B全体として横長の略矩形状を呈している構成であってもよい。この構成により、2層の側面(第2側板221および第1内板311、第4側板222および第2内板312)の長さが1層の側面(第2側板221、第4側板222)の長さより長くなるので、箱10の側面の強度を向上させることが可能となる。
【0068】
<第2実施形態>
<構成>
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と異なり、係合穴を底板11の縁辺に交差する方向に沿って延びるように配置することで、箱の係合の強化を可能にしている。また、本実施形態では、第1実施形態と異なり、箱の組み立てる際に、挟持部で補強板を覆うように固定することで、補強板をさらに補強し、箱の剛性をさらに強化している。本実施形態に係る箱10’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】
図7に本発明の第2実施形態に係る箱10’の斜視図を示し、図8に本実施形態に係る箱10’を展開したブランク10B’の平面図を示す。
【0070】
本実施形態に係る箱10’は、第1実施形態と同様に、略直方体形状を呈しており、図7および図8に示すように、第1縁辺L11、第1縁辺L11と交差する第2縁辺L21、第3縁辺L12、および第3縁辺L12と交差する第4縁辺L22を有する矩形の底板11と、底板11の第1縁辺から第4縁辺L11、L21、L12、L22からそれぞれ起立した第1側板から第4側板211’、221、212’、222と、第2側板221および第4側板222の先縁から底板11に向けてそれぞれ折り曲げられ、第2側板221および第4側板222の内側にそれぞれ配置された第1内板311および第2内板312とを備えて構成される。また、箱10’は、第1内板311の両側縁L411およびL412からそれぞれ延び、第1側板211’の内側に重ねるように配置された第1補強片411および第2補強片412と、第2内板312の両側縁L421およびL422からそれぞれ延び、第2側板221の内側に重ねるように配置された第3補強片421および第4補強片422とを備えて構成される。
【0071】
第1補強片411は、第9縁辺L411から延び、(その端縁E411が)第1側板211’の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’の内側に折れ曲がっており、第2補強片412は、第10縁辺L412から延び、(その端縁E412が)第3側板212’の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’の内側に折れ曲がっている。また、第3補強片421は、第11縁辺L421から延び、(その端縁E421が)第3側板212’の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’の内側に折れ曲がっており、第4補強片422は、第12縁辺L422から延び、(その端縁E422が)第1側板211’の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’の内側に折れ曲がっている。
【0072】
本発明では、第19縁辺L711aと第18縁辺L711bとは並列しており、第22縁辺L712aおよび第21縁辺L712b、第25縁辺L721aおよび第24縁辺L721b、第28縁辺L722aおよび第27縁辺L722bも同様に並列している。第1実施形態では、これらの縁辺は相互に平行であるが、本実施形態では、第19縁辺L711a’は、第18縁辺L711bに対して、第2側板221に向かうごとに間隔が広くなるように傾斜して形成されており、第22縁辺L712a’も同様に、第21縁辺L712bに対して、第2側板221に向かうごとに間隔が広くなるように傾斜して形成されている。また、第25縁辺L721a’は、第24縁辺L721bに対して、第4側板222に向かうごとに間隔が広くなるように傾斜して形成されており、第28縁辺L722a’も同様に、第27縁辺L722bに対して、第4側板222に向かうごとに間隔が広くなるように傾斜して形成されている。
【0073】
本実施形態では、箱10’の第1側板211’および第3側板212’には、箱10’を積み重ねたときに、通気させることや、収容した物品を確認する等の目的で、円形の切り抜き穴が各2箇所に設けられている。当該切り抜き穴は、上述した第1実施形態にも採用されうる。また、当該切り抜き穴は、第1実施形態および第2実施形態に係る箱10(10’)の第2側板221、第1内板311、第4側板222、および第2内板312にも採用され得(後述の第3実施形態を参照)、第3実施形態に係る箱10’’の第1側板211および第3側板212にも採用され得る。
【0074】
<箱のブランク>
図8に移り、本実施形態における箱10’のブランク10B’において、底板11には、第1折り曲げ線L11に近接してL字状の第1係合穴h1’が設けられており、第3折り曲げ線L12に近接して逆L字状の第2係合穴h2’が設けられており、第3折り曲げ線L12に近接してL字状の第3係合穴h3’が設けられており、第1折り曲げ線L11に近接して逆L字状の第4係合穴h4’が設けられている。
【0075】
第1係合穴h1’および第4係合穴h4’は、第1折り曲げ線L11および第2折り曲げ線L21に交差する方向に沿って延びるように配置され、且つ、第1折り曲げ線L11を跨ぐように延在しており、第2係合穴h2’および第3係合穴h3’は、第3折り曲げ線L12および第2折り曲げ線L21に交差する方向に沿って延びるように配置され、且つ、第3折り曲げ線L12を跨ぐように延在している。
【0076】
第1内側挟持板711a’の先縁には、第1係合穴h1’に嵌合することが可能な第1係合突起p1’が設けられ、第2内側挟持板712a’の先縁には、第2係合穴h2’に嵌合することが可能な第2係合突起p2’が設けられる。また、第3内側挟持板721a’の先縁には、第3係合穴h3’に嵌合することが可能な第3係合突起p3’が設けられ、第4内側挟持板722a’の先縁には、第4係合穴h4’に嵌合することが可能な第4係合突起p4’が設けられる。
【0077】
これら構成により、係合穴と係合突起を介して係合している内側挟持板が、一重壁である側板211’、212’と交差しているため、側板211’、212’が運搬などで受ける力が当該係合部分に直接的にかからず、係合突起が係合穴から外れにくくなり、当該係合を維持することが可能となっている。
【0078】
第1側板211’および第3側板212’の天面側の両先縁には、内側に折り曲げることで、第1挟持縁板から第4挟持縁板711c’、712c’、721c’、722c’を内側からそれぞれ支える機能を有する第5縁片から第8縁片f11b、f12b、f21b、f22bがそれぞれ設けられている。
【0079】
<組み立て手順>
図9から図12は、本実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であって、図9は、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図であり、図10は、2つの内板を2つの側面に対して底板側にそれぞれ折り曲げ、4つの補強片を内側にそれぞれ折り曲げて、2つの内板の4つの係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図であり、図11は、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図であり、図12は、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図である。
【0080】
図9に示すように、底板11に対して起立させるように第1側板211’を折り返し、第1側板211’の第1被挟持片611および第4被挟持片622を内側にそれぞれ折り返し、底板11に対して起立させるように第3側板212’を折り返し、第3側板212’の第2被挟持片612および第3被挟持片621を内側にそれぞれ折り返す。そして、底板11に対して起立させるように第2側板221および第4側板222を折り返すと、図9に示す状態になる。
【0081】
次に、第2側板221から第1連結縁板51を底板11側に折り返し、第1連結縁板51から第1内板311を底板11側に折り返し、第1内板311の第5係合突起p5および第6係合突起p6を底板11の第5係合穴h5および第6係合穴h6にそれぞれ嵌め込み、第4側板222から第2連結縁板52を底板11側に折り返し、第2連結縁板52から第2内板312を底板11側に折り返し、第2内板312の第7係合突起p7および第8係合突起p8を底板11の第7係合穴h7および第8係合穴h8にそれぞれ嵌め込むと、図10に示す状態になる。
【0082】
続いて、第2側板221から第1外側挟持板711bおよび第4外側挟持板722bを内側にそれぞれ折り返し、第4側板222から第2外側挟持板712bおよび第3外側挟持板721bを内側にそれぞれ折り返すと、図11に示す状態になる。
【0083】
そして、第1外側挟持板711b’から第1挟持縁板711c’を底板11側に折り返し、第1挟持縁板711c’から第1内側挟持板711a’を底板11側に折り返し、第2外側挟持板712bから第2挟持縁板712c’を底板11側に折り返し、第2挟持縁板712c’から第2内側挟持板712a’を底板11側に折り返し、第3外側挟持板721bから第3挟持縁板721c’を底板11側に折り返し、第3挟持縁板721c’から第3内側挟持板721a’を底板11側に折り返し、第4外側挟持板722bから第4挟持縁板722c’を底板11側に折り返し、第4挟持縁板722c’から第4内側挟持板722a’を底板11側に折り返すと、図12に示す状態になる。
【0084】
その後、第1内側挟持板711a’の第1係合突起p1’を底板11の第1係合穴h1’に嵌め込み、第2内側挟持板712a’の第2係合突起p2’を底板11の第2係合穴h2’に嵌め込み、第3内側挟持板721a’の第3係合突起p3’を底板11の第3係合穴h3’に嵌め込み、第4内側挟持板722a’の第4係合突起p4’を底板11の第4係合穴h4’に嵌め込むと、図7に示す箱10’になる。
【0085】
本実施形態によれば、第1内板311の第1補強片411および第4補強片422が、第1側板211’および第3側板212’の内側に重なるように配置され、第2内板312の第2補強片412および第3補強片421が、第1側板211’および第3側板212’の内側に重なるように配置されるので、重ね合わせられた部分の剛性が強化され、たとえ上に箱を積み重ねても、箱10’が変形しにくくなる結果、箱10’の係合が解除されにくくなり、収容された物品が汚損することを抑制することが可能となる。
【0086】
さらに、第1挟持部から第4挟持部711’、712’、721’、722’が第1補強片から第4補強片411、412、421、422をそれぞれ覆うように配置されるので、その覆われた部分の剛性を強化することが可能となり、ひいては、箱10’の係合が解除されにくくすることが可能となる。
【0087】
また、挟持縁板の面積が、第1実施形態よりも広くなっていることから、上に積み重ねる箱の底が接触する面積が増えるので、箱10’の係合部分に伝わる力が分散され、箱10’の係合を維持することが可能となる。
【0088】
加えて、たとえ箱を積み重ねた際に下側の箱10に対する上側の箱の位置がずれても、第1挟持縁板711c’、第2挟持縁板712c’、第3挟持縁板721c’、および第4挟持縁板722c’の存在により、上述した落ち込みを抑制することが可能となる。本実施形態では、補強片を覆う挟持部が箱10’に4つ設けられているが、本発明ではこれに限られず、1つでも本発明の効果を奏するものである。
【0089】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、第1実施形態の変形例と同様に、図8に示すように、底板11の有する4つの縁辺L11、L21、L12、L22において、第1縁辺L11の長さ(または第3縁辺L12の長さ)は、第2縁辺L21の長さ(または第4縁辺L22の長さ)よりも長く、箱10’のブランク10B’全体として縦長の略矩形状を呈している構成であるが、本発明ではこれに限られない。
【0090】
例えば、第2実施形態の変形例では、第1実施形態の変形例と同様に、底板11の有する4つの縁辺L11、L21、L12、L22において、第1縁辺L11の長さ(または第3縁辺L12の長さ)が、第2縁辺L21の長さ(または第4縁辺L22の長さ)よりも短く、箱10’のブランク10B’全体として横長の略矩形状を呈している構成であってもよい。この構成により、2層の側面(第2側板221および第1内板311、第4側板222および第2内板312)の長さが1層の側面(第2側板221’、第4側板222’)の長さより長くなるので、箱10’の側面の強度を向上させることが可能となる。
【0091】
<第3実施形態>
<構成>
本発明の第3実施形態では、箱の組み立てる際に、挟持部で補強板を覆うように固定することで、補強板をさらに補強する構成については第2実施形態と同様であるが、内板311、312の両側縁に嵌合用切り欠きを設け、内側挟持板711a’’、 712a’’ 、 721a’’ 、 722a’’の先縁に当該嵌合用切り欠きに嵌合することが可能な嵌合突起を設けることで、箱の四隅においてロック機構を付与することを可能にしていることが、第2実施形態と異なる。また、本実施形態では、第2実施形態の変形例と同様に、全体として横長の略矩形状を呈している構成となっている。なお、第3実施形態の変形例では、第2実施形態と同様に、底板11の有する4つの縁辺L11、L21、L12、L22において、第1縁辺L11の長さ(または第3縁辺L12の長さ)が、第2縁辺L21の長さ(または第4縁辺L22の長さ)よりも短く、箱10’’のブランク10B’’全体として縦長の略矩形状を呈している構成であってもよい。
【0092】
本実施形態に係る箱10’’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0093】
図13に本発明の第3実施形態に係る箱10’’の斜視図を示し、図14に本実施形態に係る箱10’’を展開したブランク10B’’の平面図を示す。
【0094】
本実施形態に係る箱10’’は、第2実施形態と同様に、略直方体形状を呈しており、図13および図14に示すように、第1縁辺L11、第1縁辺L11と交差する第2縁辺L21、第3縁辺L12、および第3縁辺L12と交差する第4縁辺L22を有する矩形の底板11と、底板11の第1縁辺から第4縁辺L11、L21、L12、L22からそれぞれ起立した第1側板から第4側板211、221、212、222と、第2側板221および第4側板222の先縁から底板11に向けてそれぞれ折り曲げられ、第2側板221および第4側板222の内側にそれぞれ配置された第1内板311および第2内板312とを備えて構成される。また、箱10’’は、第1内板311の両側縁L411およびL412からそれぞれ延び、第1側板211の内側に重ねるように配置された第1補強片411および第2補強片412と、第2内板312の両側縁L421およびL422からそれぞれ延び、第2側板221の内側に重ねるように配置された第3補強片421および第4補強片422とを備えて構成される。
【0095】
本実施形態に係る箱10’’は、図13図14、および後述の図18に示すように、第1および第2内板311、312の両側縁のうち第1および第2内板311、312の先縁側の部分には、第1から第4嵌合用切り欠き911n、912n、921n、922nが設けられ、第1から第4内側挟持板711a’’、712a’’ 、 721a’’ 、 722a’’の先縁には、第1から第4嵌合用切り欠き911n、912n、921n、922nに嵌合することが可能な第1から第4嵌合突起911p、912p、921p、922pが設けられる。図14に示すように、第1から第4嵌合用切り欠き911n、912n、921n、922nと、第1から第4嵌合突起911p、912p、921p、922pとの組み合わせによって、第1から第4ロック機構911、912、921、922をそれぞれ構成している。この構成により、箱10’’の4つの角部の強度を高め、4つの角部における係合を外れにくくすることが可能となっている。なお、本発明では、上記ロック機構は少なくとも1つ設けられた構成も許容されるものであり、この構成であっても箱10’’の角部における係合を外れにくくするという効果を得ることができる。
【0096】
また、本実施形態に係る箱10’’は、図13図14、および後述の図18に示すように、第1側板211は、箱10’’の内側に向くように底板11の第1縁辺L11から斜めに起立している。具体的には、図14に示すように、第2側板221の両縁辺L711’’およびL712’’が第2縁辺L21に対して傾き、第4側板222の両縁辺L721’’およびL722’’が第4縁辺L22に対して傾いている。この構成により、第1側板211および第3側板212が底板11に対して同程度に斜め(箱10’’に対して内方)に起立する構成になっている。この構成により、箱10’’の積み重ねを安定させることが可能となる。この構成は、第1実施形態や第2実施形態にも適用可能である。
【0097】
第1補強片411は、第9縁辺L411から延び、(その端縁E411が)第1側板211の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’’の内側に折れ曲がっており、第2補強片412は、第10縁辺L412から延び、(その端縁E412が)第3側板212の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’’の内側に折れ曲がっている。また、第3補強片421は、第11縁辺L421から延び、(その端縁E421が)第3側板212の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’’の内側に折れ曲がっており、第4補強片422は、第12縁辺L422から延び、(その端縁E422が)第1側板211の内側に重なるように(または接触可能に)、箱10’’の内側に折れ曲がっている。
【0098】
本発明では、第19縁辺L711aと第18縁辺L711bとは相互に平行に並列しており、第22縁辺L712aおよび第21縁辺L712b、第25縁辺L721aおよび第24縁辺L721b、第28縁辺L722aおよび第27縁辺L722bも同様に相互に平行に並列している。
【0099】
本実施形態では、図14に示すように、箱10’’の第2側板221および第1内板311並びに第4側板222および第2内板312のそれぞれには、箱10’’を積み重ねたときに、通気させることや、収容した物品を確認する等の目的で、円形の切り抜き穴p25、p26、p35、p36、p27、p28、p37、p38が設けられている。
【0100】
<箱のブランク>
図14に移り、本実施形態における箱10’’のブランク10B’’において、底板11には、第2縁辺L21に近接して第5係合穴h5および第6係合穴h6が設けられており、第4縁辺L22に近接して第7係合穴h7および第8係合穴h8が設けられている。係合穴は切り抜きによって形成されうる。
【0101】
本実施形態では、略矩形状のブランク10B’’に、第1切り込み線C11および第5切り込み線C411、第2切り込み線C12および第6切り込み線C412、第3切り込み線C21および第7切り込み線C421、並びに第4切り込み線C22および第8切り込み線C422を設けることで、略矩形状のブランク10B’’の四隅付近に、第1被挟持片611および第1挟持部711’’、第2被挟持片612および第2挟持部712’’、第3被挟持片621および第3挟持部721’’、並びに第4被挟持片622および第4挟持部722’’がそれぞれ形成され、加えて、第1から第4挟持部711’’、712’’、721’’、722’’の第1から第4内側挟持板711a’’、712a’’、721a’’、722a’’に、第1から第4嵌合用切り欠き911n、912n、921n、922nがそれぞれ形成され、第1内板311の先縁側の両側縁および第2内板312の先縁側の両側縁に、第1から第4嵌合突起911p、912p、921p、922pがそれぞれ形成されることになる。
【0102】
本実施形態におけるブランク10B’’では、第5折り曲げ線L221の長さが第2折り曲げ線L21の長さよりも短く、第6折り曲げ線L222の長さが第4折り曲げ線L22の長さよりも短くなっており、この構成により、第2側板221の両縁辺L711’’およびL712’’が第2縁辺L21に対して傾き、第4側板222の両縁辺L721’’およびL722’’が第4縁辺L22に対して傾いている。これにより、箱10’’が組み立てられた状態において、第1側板211および第3側板212がそれぞれ、箱10’’の内側に向くように底板11の第1折り曲げ線L11および第3折り曲げ線L12から同程度に斜めに起立することになる。
【0103】
第1内板311の先縁には、第5係合穴h5に嵌合することが可能な第5係合突起p5と、第6係合穴h6に嵌合することが可能な第6係合突起p6とが設けられており、第2内板312の先縁には、第7係合穴h7に嵌合することが可能な第7係合突起p7と、第8係合穴h8に嵌合することが可能な第8係合突起p8とが設けられている。
【0104】
<組み立て手順>
図15から図18は、本実施形態に係る箱の組み立てる様子について説明するための図であって、図15は、底板に対して4つの側面をそれぞれ起立させたときの箱の斜視図であり、図16は、2つの内板を2つの側面に対して底板側にそれぞれ折り曲げ、4つの補強片を内側にそれぞれ折り曲げて、2つの内板の4つの係合突起を底板の4つの係合穴にそれぞれ嵌め込んだときの箱の斜視図であり、図17は、2つの側面に対して4つの挟持部をそれぞれ折り曲げたときの箱の斜視図であり、図18は、4つの挟持部のうち外側挟持板に対して内側挟持板を底板側に折り曲げたときの箱の斜視図である。
【0105】
図15に示すように、底板11に対して起立させるように第1側板211を折り返し、第1側板211の第1被挟持片611および第4被挟持片622を内側にそれぞれ折り返し、底板11に対して起立させるように第3側板212を折り返し、第3側板212の第2被挟持片612および第3被挟持片621を内側にそれぞれ折り返す。そして、底板11に対して起立させるように第2側板221および第4側板222を折り返すと、図15に示す状態になる。
【0106】
次に、第2側板221から第1連結縁板51を底板11側に折り返し、第1連結縁板51から第1内板311を底板11側に折り返し、第1内板311の第5係合突起p5および第6係合突起p6を底板11の第5係合穴h5および第6係合穴h6にそれぞれ嵌め込み、第4側板222から第2連結縁板52を底板11側に折り返し、第2連結縁板52から第2内板312を底板11側に折り返し、第2内板312の第7係合突起p7および第8係合突起p8を底板11の第7係合穴h7および第8係合穴h8にそれぞれ嵌め込むと、図16に示す状態になる。
【0107】
続いて、第2側板221から第1外側挟持板711bおよび第4外側挟持板722bを内側にそれぞれ折り返し、第4側板222から第2外側挟持板712bおよび第3外側挟持板721bを内側にそれぞれ折り返すと、図17に示す状態になる。
【0108】
そして、第1外側挟持板711bから第1挟持縁板711cを底板11側に折り返し、第1挟持縁板711cから第1内側挟持板711a’’を底板11側に折り返し、第2外側挟持板712bから第2挟持縁板712cを底板11側に折り返し、第2挟持縁板712cから第2内側挟持板712a’’を底板11側に折り返し、第3外側挟持板721bから第3挟持縁板721cを底板11側に折り返し、第3挟持縁板721cから第3内側挟持板721a’’を底板11側に折り返し、第4外側挟持板722bから第4挟持縁板722cを底板11側に折り返し、第4挟持縁板722cから第4内側挟持板722a’’を底板11側に折り返すと、図18に示す状態になる。
【0109】
その後、第1内側挟持板711a’’の第1嵌合突起911pを第1内板311の第1嵌合用切り欠き911nに嵌め込み、第2内側挟持板712a’’の第2嵌合突起912pを第1内板311の第2嵌合用切り欠き912nに嵌め込み、第3内側挟持板721a’’の第3嵌合突起921pを第2内板312の第3嵌合用切り欠き921nに嵌め込み、第4内側挟持板722a’’の第4嵌合突起922pを第2内板312の第4嵌合用切り欠き922nに嵌め込むと、図13に示す箱10’’になる。図13に示す箱10’’では、上述したように、第1内板311の両縁辺L711およびL712が第2縁辺L21に対して傾き、第2内板312の両縁辺L721およびL722が第4縁辺L22に対して傾いているので、第1側板211および第3側板212が底板11に対して斜め(箱10’’に対して内方)に起立する構成になっている。この構成により、箱10’’の積み重ねを安定させることが可能となっている。
【0110】
図19は、図13のXIX-XIX方向断面図であり、箱10’’の第2挟持縁板712c付近を破断した断面図である。図19に示すように、第2内側挟持板712a’’の先縁から延出する第2嵌合突起912pが、第1内板311の下部(または第2補強片412の下部)に形成された第2嵌合用切り欠き912nに嵌め込まれている。
【0111】
本実施形態によれば、第2実施形態と同様に、第1内板311の第1補強片411および第4補強片422が、第1側板211および第3側板212の内側に重なるように配置され、第2内板312の第2補強片412および第3補強片421が、第1側板211および第3側板212の内側に重なるように配置されるので、重ね合わせられた部分の剛性が強化され、たとえ上に箱を積み重ねても、箱10’’が変形しにくくなる結果、箱10’’の係合が解除されにくくなり、収容された物品が汚損することを抑制することが可能となる。
【0112】
さらに、第2実施形態と同様に、第1挟持部から第4挟持部711’’、712’’、721’’、722’’が第1補強片から第4補強片411、412、421、422をそれぞれ覆うように配置されるので、その覆われた部分の剛性を強化することが可能となり、ひいては、箱10’’の係合が解除されにくくすることが可能となる。
【0113】
また、第2実施形態と同様に、挟持縁板の面積が、第1実施形態よりも広くなっていることから、上に積み重ねる箱の底が接触する面積が増えるので、箱10’’の係合部分に伝わる力が分散され、箱10’’の係合を維持することが可能となる。
【0114】
加えて、第2実施形態と同様に、たとえ箱を積み重ねた際に下側の箱10’’に対する上側の箱の位置がずれても、第1挟持縁板711c、第2挟持縁板712c、第3挟持縁板721c、および第4挟持縁板722cの存在により、上述した落ち込みを抑制することが可能となる。本実施形態では、補強片を覆う挟持部が箱10’’に4つ設けられているが、本発明ではこれに限られず、1つでも本発明の効果を奏するものである。
【0115】
また、本実施形態によれば、箱10’’の4つの角部に第1から第4ロック機構911、912、921、922が設けられるので、箱10’’の4つの角部の強度を高め、当該4つの角部における係合を外れにくくすることが可能となる。
【0116】
<箱を積み重ねたときの落ち込み抑制>
図20は、箱を積み重ねたときの落ち込みが抑制されることを説明するための図であって、本発明の3つの実施形態に係る箱の角部付近を拡大した平面図であり、図20(a)は、第1実施形態に係る箱10につき第1補強片411が設けられた角部付近を示す図であり、図20(b)は、第2実施形態に係る箱10’につき第1補強片411を覆う第1挟持部711’が設けられた角部付近を示す図であり、図20(c)は、第3実施形態に係る箱10’’につき第1補強片411を覆う第1挟持部711’’が設けられた角部付近を示す図である。
【0117】
第1実施形態では、図20(a)に示すように、第1補強片411が設けられていることから、第1補強片411が設けられていない箱と比較して、符号Raで表される面積分、上に積み重ねる箱の底側と接触する面積が広がる結果、上に積み重ねる箱の角部の底側が下側の箱10の角部から内側に落ち込むことを低減することが可能となっている。
【0118】
また、第2実施形態では、図20(b)に示すように、第1補強片411を覆う第1挟持部711’が設けられていることから、第1補強片411および第1補強片411を覆う第1挟持部711’が設けられていない箱と比較して、符号Rbで表される面積分、上に積み重ねる箱の底側と接触する面積が広がる結果、上に積み重ねる箱の落ち込みを低減することが可能となっている。
【0119】
さらに、第3実施形態では、図20(c)に示すように、第1補強片411を覆う第1挟持部711’’が設けられていることから、第2実施形態と同様に、第1補強片411および第1補強片411を覆う第1挟持部711’’が設けられていない箱と比較して、符号Rcで表される面積分、上に積み重ねる箱の底側と接触する面積が広がる結果、上に積み重ねる箱の落ち込みを低減することが可能となっている。
【0120】
第2実施形態および第3実施形態では、第1実施形態よりも、第1補強片411を覆っている分、第1挟持部の第1挟持縁板の表面積が広くなっており、符号Rbで表される面積から上記の符号Raで表される面積を引いた分(第3実施形態では、符号Rcで表される面積から上記の符号Raで表される面積を引いた分)、上に積み重ねる箱の底側と接触する面積が広がる結果、上に積み重ねる箱の落ち込みをさらに低減することが可能となっている。
【符号の説明】
【0121】
10 箱
10B 箱のブランク
11 底板
211 第1側板
221 第2側板
212 第3側板
222 第4側板
311 第1内板
312 第2内板
411 第1補強片
412 第2補強片
421 第3補強片
422 第4補強片
51 第1連結縁板
52 第2連結縁板
611 第1被挟持片
612 第2被挟持片
621 第3被挟持片
622 第4被挟持片
711 第1挟持部
712 第2挟持部
721 第3挟持部
722 第4挟持部
711a 第1内側挟持板
712a 第2内側挟持板
721a 第3内側挟持板
722a 第4内側挟持板
711b 第1外側挟持板
712b 第2外側挟持板
721b 第3外側挟持板
722b 第4外側挟持板
711c 第1挟持縁板
712c 第2挟持縁板
721c 第3挟持縁板
722c 第4挟持縁板
L11 第1縁辺(第1折り曲げ線)
L21 第2縁辺(第2折り曲げ線)
L12 第3縁辺(第3折り曲げ線)
L22 第4縁辺(第4折り曲げ線)
L221 第5縁辺(第5折り曲げ線)
L222 第6縁辺(第6折り曲げ線)
L311 第7縁辺(第7折り曲げ線)
L312 第8縁辺(第8折り曲げ線)
L411 第9縁辺(第9折り曲げ線)
L412 第10縁辺(第10折り曲げ線)
L421 第11縁辺(第11折り曲げ線)
L422 第12縁辺(第12折り曲げ線)
L611 第13縁辺(第13折り曲げ線)
L612 第14縁辺(第14折り曲げ線)
L621 第15縁辺(第15折り曲げ線)
L622 第16縁辺(第16折り曲げ線)
L711 第17縁辺(第17折り曲げ線)
L711b 第18縁辺(第18折り曲げ線)
L711a 第19縁辺(第19折り曲げ線)
L712 第20縁辺(第20折り曲げ線)
L712b 第21縁辺(第21折り曲げ線)
L712a 第22縁辺(第22折り曲げ線)
L721 第23縁辺(第23折り曲げ線)
L721b 第24縁辺(第24折り曲げ線)
L721a 第25縁辺(第25折り曲げ線)
L722 第26縁辺(第26折り曲げ線)
L722b 第27縁辺(第27折り曲げ線)
L722a 第28縁辺(第28折り曲げ線)
h1 第1係合穴
h2 第2係合穴
h3 第3係合穴
h4 第4係合穴
h5 第5係合穴
h6 第6係合穴
h7 第7係合穴
h8 第8係合穴
p1 第1係合突起
p2 第2係合突起
p3 第3係合突起
p4 第4係合突起
p5 第5係合突起
p6 第6係合突起
p7 第7係合突起
p8 第8係合突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図20