IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特許7347306車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム
<>
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図1
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図2
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図3
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図4
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図5
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図6
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図7
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図8
  • 特許-車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/32 20060101AFI20230912BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B60H1/32 626B
B60H1/00 103H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020065630
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021160617
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 将弘
(72)【発明者】
【氏名】塚岸 健司
(72)【発明者】
【氏名】兼子 貴久
(72)【発明者】
【氏名】木越 絵理奈
(72)【発明者】
【氏名】宮本 愛子
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-047754(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0015804(US,A1)
【文献】特開2000-071747(JP,A)
【文献】特開2014-024427(JP,A)
【文献】特開2010-195249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/32
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の周囲の他車と通信し、当該他車の駆動源情報を取得する情報取得部と、
前記駆動源情報に基づいて前記自車の空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御部と、
前記自車が走行中でない場合に、前記自車の風上に位置する前記他車を特定する車両特定部と、を備え、
前記空調制御部は、前記風上に位置する他車からの前記駆動源情報に基づいて前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する、車両用の空調制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記駆動源情報は、前記他車で稼働している駆動源を示す稼働駆動源情報を含む、
車両用の空調制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記駆動源情報は、前記他車に搭載されている駆動源を示す搭載駆動源情報を含む、
車両用の空調制御システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記空調制御部は、前記駆動源情報がエンジンを示している場合に、前記空調装置を前記内気循環モードに制御する、
車両用の空調制御システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記情報取得部は、前記自車の周囲の複数の他車それぞれから前記駆動源情報を取得し、
前記空調制御部は、前記複数の他車それぞれからの前記駆動源情報が所定の基準を満たす場合に前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する、
車両用の空調制御システム。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記空調制御部は、デフロスターが動作中かつ前記空調装置が前記外気導入モードである場合、前記駆動源情報がエンジンを示していても、前記外気導入モードを維持する、
車両用の空調制御システム。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記情報取得部は、前記自車と前記他車との車車間通信により前記駆動源情報を取得する、
車両用の空調制御システム。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の車両用の空調制御システムであって、
前記車両用の空調制御システムは、前記自車及び前記他車の外部に配置され、
前記情報取得部は、前記自車を含む複数の車両それぞれから位置情報を取得し、取得した前記位置情報に基づいて前記自車の周囲に位置する車両を前記他車として特定し、特定した前記他車の前記駆動源情報を取得する、
車両用の空調制御システム。
【請求項9】
コンピュータに、
自車の周囲の他車と通信し、当該他車の駆動源情報を取得する情報取得ステップと、
前記駆動源情報に基づいて前記自車の空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御ステップと、
前記自車が走行中でない場合に、前記自車の風上に位置する前記他車を特定する車両特定ステップと、を実行させる車両用の空調制御プログラムであって、
前記空調制御ステップは、前記風上に位置する他車からの前記駆動源情報に基づいて前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する、車両用の空調制御プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の空調装置を制御する車両用の空調制御システム及び車両用の空調制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車の前方車両を撮像した撮像画像から、大型、中型、小型といった前方車両の車種、及び、自車と前方車両との車間距離を特定し、特定した車種及び車間距離に基づいて、空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御システムが開示されている。この空調制御システムは、例えば、前方車両の車種が排気量の比較的少ない中型又は小型であっても、自車と前方車両との車間距離が短ければ、空調装置を内気循環モードに制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-195249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の空調制御システムは、前方車両が排気ガスを排出することを前提として、当該前方車両の車種等に基づいて空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する。しかし、近年は、アイドリングストップ機能を有する車両が市販されており、さらに、電気自動車等の非エンジン車も市販されているため、前方車両は必ずしも排気ガスを排出しない。上記特許文献1に記載の空調制御システムは、この点について考慮されたものではないため、前方車両が排気ガスを排出しないにも関わらず当該前方車両を排気ガスを排出する車両として扱って空調装置を制御してしまう場合もある。このように、上記特許文献1に記載の空調制御システムは、空調装置を適切に制御できるとはいえず、改良の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、空調装置を適切に制御できる空調制御システム及び空調制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示に係る車両用の空調制御システムは、自車の周囲の他車と通信し、当該他車の駆動源情報を取得する情報取得部と、前記駆動源情報に基づいて前記自車の空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御部と、前記自車が走行中でない場合に、前記自車の風上に位置する前記他車を特定する車両特定部と、を備え、前記空調制御部は、前記風上に位置する他車からの前記駆動源情報に基づいて前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する
【0007】
上記構成によれば、他車の駆動源情報に基づいて自車の空調装置を内気循環モード又は外気循環モードに制御するので、排気ガスの排出の有無に直接関係する駆動源に応じて空調装置を制御できる。従って、上記構成によれば、空調装置を適切に制御できる。また、上記構成によれば、風上に位置する他車からの駆動源情報に基づいて空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御するので、空調装置を適切に制御できる。
【0008】
(2)前記駆動源情報は、前記他車で稼働している駆動源を示す稼働駆動源情報を含む、ようにしてもよい。
【0009】
上記構成によれば、現在稼働している駆動源に応じて空調装置を制御できるので、現在他車においてエンジンが稼動しているか否か、つまり、他車が排気ガスを排出しているか否かに応じて空調装置を制御できる。従って、上記構成によれば、空調装置を適切に制御できる。
【0010】
(3)前記駆動源情報は、前記他車に搭載されている駆動源を示す搭載駆動源情報を含む、ようにしてもよい。
【0011】
上記構成によれば、他車に搭載されている駆動源に応じて空調装置を制御できるので、他車がエンジンで稼動している可能性の有無、つまり、他車が排気ガスを排出している可能性の有無に応じて空調装置を制御できる。従って、上記構成によれば、空調装置を適切に制御できる。
【0012】
(4)前記空調制御部は、前記駆動源情報がエンジンを示している場合に、前記空調装置を前記内気循環モードに制御する、ようにしてもよい。
【0013】
上記構成によれば、他車が排気ガスを排出しているとき又は排出している可能性があるときに、空調装置を内気循環モードに制御するので、排気ガスが車両内に侵入することを抑制できる。従って、上記構成によれば、空調装置を適切に制御できる。
【0016】
)前記情報取得部は、前記自車の周囲の複数の他車それぞれから前記駆動源情報を取得し、前記空調制御部は、前記複数の他車それぞれからの前記駆動源情報が所定の基準を満たす場合に前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する、ようにしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、自車の周囲の複数の他車の駆動源に応じて空調装置を制御するので、空調装置を適切に制御できる。
【0018】
)前記空調制御部は、デフロスターが動作中かつ前記空調装置が前記外気導入モードである場合、前記駆動源情報がエンジンを示していても、前記外気導入モードを維持する、ようにしてもよい。
【0019】
上記構成によれば、内気循環モードへの変更によりデフロスターの曇り取り効果が低下してしまうことを抑制できる。
【0020】
)前記情報取得部は、前記自車と前記他車との車車間通信により前記駆動源情報を取得する、ようにしてもよい。
【0021】
上記構成によれば、情報取得部は、サーバ等を介さずに駆動源情報を取得できるので、当該駆動源情報を迅速に取得できる。
【0022】
)前記空調制御システムは、前記自車及び前記他車の外部に配置され、前記情報取得部は、前記自車を含む複数の車両それぞれから位置情報を取得し、取得した前記位置情報に基づいて前記自車の周囲に位置する車両を前記他車として特定し、特定した前記他車の前記駆動源情報を取得する、ようにしてもよい。
【0023】
上記構成によれば、駆動源情報に基づく空調装置の制御を車両外部から行うことができ、車両内での空調装置の制御のための処理負担を軽減できる。
【0024】
)本開示に係る車両用の空調制御プログラムは、コンピュータに、自車の周囲の他車と通信し、当該他車の駆動源情報を取得する情報取得ステップと、前記駆動源情報に基づいて前記自車の空調装置を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御ステップと、前記自車が走行中でない場合に、前記自車の風上に位置する前記他車を特定する車両特定ステップと、を実行させる車両用の空調制御プログラムであって、前記空調制御ステップは、前記風上に位置する他車からの前記駆動源情報に基づいて前記空調装置を前記内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する、車両用の空調制御プログラムである。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録される。このような記録媒体は、例えば、不揮発性メモリである。
【0025】
上記構成によれば、他車の駆動源情報に基づいて自車の空調装置を内気循環モード又は外気循環モードに制御するので、排気ガスの排出の有無に直接関係する駆動源に応じて空調装置を制御できる。従って、上記構成によれば、空調装置を適切に制御できる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、空調装置を適切に制御できる空調制御システム及び空調制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の実施の形態に係る空調制御システムを備える自車としての車両及び他車としての車両を上空から見た図である。
図2図1の自車としての車両及び他車としての車両の構成を示すブロック図である。
図3】稼働駆動源情報の内容を示す図である。
図4】空調制御システム等の構成を示すブロック図である。
図5】空調制御システムが実行する空調制御処理のフローチャートである。
図6】空調制御システムの情報取得部により取得され、RAMに記憶された車両情報の内容を示す図である。
図7】搭載駆動源情報の内容を示す図である。
図8】本開示の実施の形態の変形に係る空調制御システム等を示す図である。
図9図8の空調制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施の形態に係る車両用の空調制御システムを、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態に係る空調制御システム11は、自車10に搭載される。空調制御システム11は、自車10の周囲の他車20に搭載されている空調制御システム21と車車間通信を行う。図1では、他車20として、6台の他車20A~20Fが空調制御システム11の通信相手となっている。空調制御システム11は、車車間通信で得られる他車20の後述の駆動源情報に基づいて、自車10の車室の空調を行う空調装置12(図2)を制御する。
【0030】
図2に示すように、自車10には、空調制御システム11及び空調装置12の他、空調装置12を操作するための空調パネル13と、ナビゲーション機能を有するカーナビゲーションシステム14と、が搭載されている。さらに、自車10には、自車10を走行させる駆動力を提供する駆動源15と、駆動源15を電子制御する駆動源用ECU(Electronic Control Unit)16と、上記の車車間通信で使用される通信装置17と、が搭載されている。
【0031】
空調制御システム11は、空調装置12の動作を制御する空調用ECU等のコンピュータから構成される。空調制御システム11は、プロセッサ11Aと、プロセッサ11Aのメインメモリとして機能するRAM(Random access memory)11Bと、プロセッサ11Aにより実行又は使用される空調制御プログラム及びデータを記憶している不揮発性メモリ11Cと、を備える。
【0032】
プロセッサ11Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ11Aは、RAM11Bを内蔵した1チップの装置として構成されてもよい。不揮発性メモリ11Cは、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、及び、ROM(Read Only Memory)のうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
プロセッサ11Aは、不揮発性メモリ11Cが記憶する空調制御プログラムを実行し、かつ、不揮発性メモリ11Cが記憶しているデータを使用することで、空調制御システム11による空調装置12の動作の制御を実際に行う。プロセッサ11Aが行う処理、つまり、空調制御システム11の動作については後述する。
【0034】
空調制御システム11は、図示しない入出力ポートを介して、空調装置12、空調パネル13、カーナビゲーションシステム14、駆動源用ECU16、及び、通信装置17と通信可能である。
【0035】
空調装置12は、冷房機能及び暖房機能を有する。空調装置12は、さらに、自車10の車室内に外気を導入する外気導入モード、又は、自車10の車室内に外気を導入せずに車室内の空気を循環させる内規循環モードで動作可能である。空調装置12は、フロントガラスの曇りを除去するデフロスター12Aも備える。
【0036】
空調パネル13は、自車10の乗員からの、空調装置12を制御するための操作を受け付けるタッチパネル又は各種操作スイッチ等を含んで構成されている。空調パネル13は、受け付けた操作の内容を示す操作情報を、空調制御システム11に供給する。空調制御システム11は、供給された操作情報に基づいて、空調装置12を動作させる。具体的に、空調制御システム11は、操作情報に基づいて、空調装置12を冷房及び暖房のいずれかで動作させる。さらに、空調制御システム11は、操作情報に基づいて、空調装置12を、外気導入モード及び内気循環モードのいずれかで動作させる。さらに、空調制御システム11は、操作情報に基づいて、デフロスター12Aを動作させる。
【0037】
カーナビゲーションシステム14は、一般的なナビゲーションシステムの機能を有する。カーナビゲーションシステム14は、自車10の位置を緯度及び経度により示す位置情報、自車10の進行方向を方角により示す進行方向情報を、GPS(Global Positioning System)等により取得する。さらに、カーナビゲーションシステム14は、DCM(Data Communication Module)等のテレマティクスサービス用の通信機を備え、当該通信機により、自車10の外部のサーバコンピュータSCから自車10が位置する場所の風向きを方角により示す風向き情報を取得する。さらに、カーナビゲーションシステム14は、自車10の車速を示す車速情報も取得する。
【0038】
駆動源15は、自車10を走行させるための駆動力を提供する。自車10がエンジン車である場合、駆動源15は、エンジンである。自車10がハイブリッド車である場合、駆動源15は、エンジン及び電動モータである。自車10が電気自動車又は燃料電池車である場合、駆動源15は、電動モータである。
【0039】
駆動源用ECU16は、空調制御システム11と同様にコンピュータ等により構成され、駆動源15の動作を電子制御する。
【0040】
通信装置17は、例えば、車車間通信の規格に準拠した通信モジュールであり、アンテナ、変調回路、及び、復調回路等を備える。通信装置17は、自車10の空調制御システム11と、他車20の空調制御システム21との車車間通信でやり取りされる情報を変調又は復調する。
【0041】
他車20は自車10と同様の構成を有する。具体的に、他車20は、空調制御システム21、空調装置22、空調パネル23、カーナビゲーションシステム24、駆動源25、駆動源用ECU26、通信装置27を備える。これら各装置の説明は、自車10に搭載された上記各装置11~17についての説明と基本的に同様である。特に、カーナビゲーションシステム24は、他車20の位置情報、進行情報等を取得する。
【0042】
駆動源用ECU26は、他車20の駆動源を示す駆動源情報を記憶する。駆動源情報は、ここでは、他車20で稼動中の駆動源を示す稼働駆動源報である。図3に示すように、稼動駆動源情報は、「00」~「02」のいずれかの数値により稼動中の駆動源を示す。「00」は、稼働中の駆動源としてエンジンを示す。「01」は、稼働中の駆動源として電動モータを示す。「02」は、エンジンがアイドリングストップしていること、つまり、稼働中の駆動源が無いことを示す。駆動源情報は、駆動源用ECU26により記憶され管理される。例えば、駆動源用ECU26のRAM等には駆動源情報を格納する格納領域が設けられ、駆動源用ECU26は、駆動源25の制御内容を変更するたびに前記の格納領域に格納された駆動源情報の数値を更新する。
【0043】
次に、空調制御システム11の動作について説明する。空調制御システム11では、プロセッサ11Aが空調制御プログラムを実行して、図4に示す情報取得部11E、車両特定部11F、及び、空調制御部11Gとして動作し、空調装置12を制御する。情報取得部11Eは、他車20から駆動源情報を取得し、カーナビゲーションシステム14から自車10の位置情報を取得する。車両特定部11Fは、情報取得部11Eが取得した他車20の位置情報に基づいて、他車20のうち、自車10の前方又は風上に存在する他車20を特定する。空調制御部11Gは、車両特定部11Fが特定した他車20の駆動源情報に基づいて、空調装置12の外気導入モード及び内気循環モードを制御する。
【0044】
情報取得部11E、車両特定部11F、及び、空調制御部11Gは、協働して、図5の空調制御処理を実行することで、前記のように動作する。図5の空調制御処理では、まず、情報取得部11Eが、自車10の周囲に他車20が位置している場合に、当該他車20から駆動源情報、位置情報、及び、進行方向情報(以下、これらの情報を駆動源情報等という)を取得する取得処理を実行する(ステップS11)。
【0045】
情報取得部11Eは、ステップS11において、例えば、駆動源情報等の送信要求を、通信装置17を介して出力する。自車10の周囲に他車20が存在する場合、当該送信要求は、他車20の通信装置27を介して、空調制御システム21に供給される。空調制御システム21は、前記送信要求を受信すると、カーナビゲーションシステム24から、他車20の現在位置及び現在の進行方向をそれぞれ示す位置情報及び進行方向情報を取得する。さらに、空調制御システム21は、駆動源用ECU26から、他車20の現在の駆動源を示す駆動源情報を取得する。
【0046】
空調制御システム21は、上記で取得した駆動源情報等を、他車20の車両IDとともに、通信装置27及び通信装置17を介して、空調制御システム11の情報取得部11Eに返信する。車両IDは、他車20を識別できる情報として空調制御システム21が予め記憶している。情報取得部11Eは、空調制御システム21からの前記の返信を受信することで、他車20の駆動源情報等を取得する。情報取得部11Eは、取得した駆動源情報等を車両IDに対応付けてRAM11Bに記録する。なお、車両IDと駆動源情報等との組を、以下では、他車20の車両情報ともいう。
【0047】
情報取得部11Eは、自車10の周囲に複数の他車20が存在する場合、各他車20から車両情報を取得し、RAM11Bに記録する。このため、情報取得部11Eは、1以上の車両情報を取得し、RAM11Bに記録する。図6に、RAM11Bに記録した車両情報の例を示す。各車両情報の位置情報におけるX1~X3は経度、Y1~Y3は緯度を示している。
【0048】
その後、情報取得部11Eは、ステップS11で駆動源情報等を取得できたかを判別する(ステップS12)。駆動源情報等が取得されていない場合(ステップS12;No)、自車10の周囲に他車20が存在せず、情報取得部11Eは、再度ステップS11の処理を行う。
【0049】
自車10の周囲に他車20が存在し、情報取得部11Eが駆動源情報等を取得できた場合(ステップS12;Yes)、情報取得部11Eは、自車10の現在の位置情報、進行方向情報、車速情報、及び、風向き情報を、カーナビゲーションシステム14から取得する(ステップS13)。
【0050】
ステップS13のあとは、車両特定部11Fが処理を開始する。具体的に、車両特定部11Fは、現在、自車10が走行中であるかを判別する(ステップS14)。車両特定部11Fは、車速情報が示す車速が0よりも大きければ、自車10が走行中であると判別する(ステップS14;Yes)。
【0051】
車両特定部11Fは、自車10が走行中である場合(ステップS14;Yes)に、自車10の周囲の他車20の中から、自車10の前方の自車10から一定距離内を走行している前方の他車20を特定する(ステップS15)。この前方の他車20は、図1では、他車20Eである。車両特定部11Fは、ステップS15において、RAM11Bに記録した1以上の他車20の車両情報のうちから、自車10の進行方向情報と同じ進行方向を示す他車20の進行方向情報と、自車10の位置情報が示す位置から当該他車20の進行方向の先に向かう自車10から一定範囲の領域内の位置を示す他車20の位置情報と、を備える車両情報を特定する。この車両情報の特定により、当該車両情報に対応する他車20が自車10の前方の他車20として特定される。なお、ここでは、1以上の前方の他車20が特定される。
【0052】
その後、車両特定部11Fは、前方の他車20が存在しているかを判別する(ステップS16)。前記条件に合致する車両情報が無く、前方の他車20が特定されなかった場合、自車10の前方の他車20が存在していないことになる(ステップS16;No)。この場合、情報取得部11EによるステップS11の処理が再度実行される。
【0053】
自車10が走行中でない場合(ステップS14;No)、車両特定部11Fは、ステップS13で取得された風向き情報に基づいて、自車10の周囲の他車20の中から、自車の風上の一定範囲内に位置する他車20を特定する(ステップS17)。風向き情報が示す風向きが北東の場合、前記の他車20は、図1では、他車20Bである。車両特定部11Fは、ステップS15において、RAM11Bに記録した1以上の他車20の車両情報のうちから、自車10の位置情報が示す位置から風向き情報が示す風向きの風上方向に向かう一定範囲の領域内の位置を示す他車20の位置情報を備える車両情報を特定する。この車両情報の特定により、当該車両情報に対応する他車20が自車10の風上に位置する他車20として特定される。なお、ここでは、1以上の風上に位置する他車20が特定される。なお、風向き情報は、風速又は無風であることを示すことがあってもよい。風速が所定基準以下の弱い風のとき、又は、無風のとき、車両特定部11Fは、自車10の周囲の他車20の中から、自車を中心とする一定範囲の円領域内に位置する他車20を前記の風上に位置する他車20として特定する。
【0054】
その後、車両特定部11Fは、風上に位置する他車20が存在しているかを判別する(ステップS18)。前記条件に合致する車両情報が無く、前記の風上の他車20が特定されなかった場合、風上に位置する車両が存在していないことになる(ステップS18;No)。この場合、情報取得部11EによるステップS11の処理が再度実行される。
【0055】
ステップS15又はS17での特定が成功し、前記の前方の他車20又は風上に位置する他車20が存在している場合(ステップS16;Yes又はステップS18;Yes)、空調制御部11Gが、車両特定部11Fにより特定された1以上の他車20それぞれの車両情報に含まれる駆動源情報のうちの少なくとも1つが、エンジンを示すかを判別する(ステップS19)。ここでは、空調制御部11Gにより、駆動源情報の数値が、「00」であるかが判別される。
【0056】
前記駆動源情報のうちの少なくとも1つがエンジンを示す場合(ステップS19;Yes)、空調制御部11Gは、空調装置12を現在外気導入モードで動作させているかを判別する(ステップS20)。現在空調装置12が外気導入モードである場合(ステップS20;Yes)、空調制御部11Gは、現在空調装置12のデフロスター12Aを現在動作させているかを判別する(ステップS21)。デフロスター12Aが動作している場合(ステップS21;Yes)、空調制御部11Gは、空調装置12を内気循環モードに制御する(ステップS22)。この内気循環モードにより、他車20からの排気ガスが自車10の車室内に入り込むことが抑制される。ステップS22のあとは、例えば、一定時間経過後に、情報取得部11EによるステップS11の処理が実行される。
【0057】
前記駆動源情報がいずれもエンジンを示さない場合(ステップS19;No)、空調装置12が外気導入モードでない場合(ステップS20;No)、デフロスター12Aが動作中である場合(ステップS21;Yes)、情報取得部11EによるステップS11の処理が再度実行される。
【0058】
なお、自車10の周囲の状況、つまり、他車20の配置等は、瞬時に変動するわけではないので、ステップS12、S16、S18、S19~S21の判別結果により、情報取得部11EがステップS11の処理を再度実行する場合、ステップS11の処理の前に所定の長さの待機時間が設けられてもよい。
【0059】
上記空調制御処理によれば、自車10の走行中に、自車10の前方の他車20がエンジンで稼動していることが当該他車20からの駆動源情報により示されれば、空調装置12が内気循環モードに制御される。ここで、自車10が走行中の場合、自車10に対しては相対的な向かい風が吹いていることになるので、自車10の側方及び後方の他車20の排気ガスよりも自車10の前方の排気ガスが問題となる。上記空調制御処理によれば、自車10の走行中、前方の他車20のエンジンが稼動しているときに、空調装置12が内気循環モードに制御されるので、排気ガスが自車10の車室内に入り込むことが効果的に抑制される。
【0060】
さらに、上記空調制御処理によれば、自車10が走行中でなく停止しているときに、自車10の風上に位置する他車20でエンジンが稼動していることが当該他車20からの駆動源情報により示されれば、空調装置12が内気循環モードに制御される。ここで、自車10が停止中の場合、自車10の周囲の他車20からの排気ガスは、風向き等により、自車10に向かうか否かが決まる。上記空調制御処理によれば、自車10の停止時、自車10の風上に位置する他車20のエンジンが稼動しているときに、空調装置12が内気循環モードに制御されるので、排気ガスが自車10の車室内に入り込むことが効果的に抑制される。
【0061】
さらに、上記空調制御処理によれば、自車10が走行中であっても、前方の他車20でエンジンが稼動していなければ、内気循環モードへの制御は行われない。さらに、自車10が停止中であっても、風上の他車20でエンジンが稼動していなければ、内気循環モードへの制御は行われない。さらに、自車10が走行中の場合、前方以外の他車20の駆動源25がエンジンであっても、このことを契機として内気循環モードへの制御は行われない。さらに、自車10が停止中の場合、風上に位置する他車20以外の他車20の駆動源25がエンジンであっても、このことを契機として内気循環モードへの制御は行われない。従って、上記空調制御処理によれば、内気循環モードに制御する必要がない状況において、内気循環モードに制御されることが抑制される。
【0062】
さらに、デフロスター12Aが動作しており、かつ、空調装置12が外気導入モードであるときには、前記前方の他車20又は風上に位置する他車20でエンジンが稼動していても、外気導入モードが維持される。これにより、内気循環モードに制御されて、デフロスター12Aの曇り取りの効果が低下してしまうことが抑制される。
【0063】
以上説明したように、空調制御システム11は、自車10の周囲の他車20と通信し、当該他車20の駆動源情報を取得する情報取得部11Eと、駆動源情報に基づいて空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに制御する空調制御部11Gと、を備える。なお、空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに制御するとは、例えば、図5のステップS19において否定と判定された結果、外気導入モードが維持されることといった、空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに維持することを含む。上記構成によれば、他車の駆動源情報に基づいて自車の空調装置が内気循環モード又は外気循環モードに制御されるので、排気ガスの排出の有無に直接関係する他車20の駆動源25に応じて空調装置12を制御できる。従って、空調制御システム11は、空調装置12を適切に制御できる。
【0064】
さらに、駆動源情報は、他車20で稼働している駆動源25を示す稼働駆動源情報を含むので、現在稼働している駆動源25に応じて空調装置12が制御される。従って、現在他車20においてエンジンが稼動しているか否か、つまり、他車20が排気ガスを排出しているか否かに応じて空調装置12を制御できる。従って、空調制御システム11は、空調装置12を適切に制御できる。
【0065】
なお、駆動源情報は、上記稼働駆動源情報の代わりに又は加えて、他車20に搭載されている駆動源25を示す搭載駆動源情報を含むようにしてもよい。搭載駆動源情報は、例えば、図7に示すように、エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車、及び、燃料電池車といった車種を示すことにより、他車20に搭載された駆動源25を示す。エンジン車は、他車20に搭載されている駆動源25がエンジンであることを示す。ハイブリッド車は、他車20に搭載されている駆動源25がエンジン又は電動モータであることを示す。電気自動車及び燃料電池車は、他車20に搭載されている駆動源25が電動モータであることを示す。搭載駆動源情報は、空調制御システム21、駆動源用ECU26等の任意の装置に記憶され、他車20から自車10の空調制御システム11に供給される。空調制御部11Gは、ステップS19において、搭載駆動源情報がエンジン車及びハイブリッド車を示すことで駆動源25としてエンジンを示す場合に、ステップS19の判別結果を肯定としてステップS20に進んでもよい。駆動源情報が、搭載駆動源情報及び稼動駆動源情報の両者を含む場合、空調制御部11Gは、稼動駆動源情報に基づいてステップS19の判別を行ってもよい。空調制御部11Gは、ステップS19において、搭載駆動源情報及び稼動駆動源情報の両者がエンジンを示す場合にステップS20に進んでもよい。搭載駆動源情報により、他車20に搭載されている駆動源25に応じて自車10の空調装置12を制御できるので、他車20がエンジンで稼動している可能性の有無、つまり、他車が排気ガスを排出している可能性の有無に応じて空調装置12を制御できる。従って、空調装置12が適切に制御される。
【0066】
また、空調制御部11Gは、他車20の駆動源情報がエンジンを示している場合に、空調装置を前記内気循環モードに制御するので、他車20が排気ガスを排出しているとき又は排出している可能性があるときに、空調装置12を内気循環モードに制御でき、排気ガスが自車10内に侵入することを抑制できる。従って、空調装置12が適切に制御される。
【0067】
また、空調制御部11Gは、駆動源情報がエンジンを示していない場合、空調装置12を内気循環モードに制御しないので、他車20が排気ガスを排出しないときにまで空調装置12が内気循環モードに制御されることを防止できる。従って、空調装置12が適切に制御される。なお、空調制御部11Gは、空調装置12が外気導入モードで、駆動源情報がエンジンを示していないときに、空調装置12を外気導入モードに維持する他、空調装置12が内気循環モードで、駆動源情報がエンジンを示していないときに、空調装置12を外気導入モードに制御してもよい。これによって、積極的に自車10内に外気が導入される。
【0068】
また、車両特定部11Fは、自車10の風上に位置する他車20を特定し、空調制御部11Gは、風上に位置する他車20からの駆動源情報に基づいて空調装置12を内気循環モード又は前記外気導入モードに制御する。ここで、自車10が他車20からの排気ガスの影響を受けるのは、他車20が自車10の風上にいるときである。上記構成によれば、風上に位置する他車20からの駆動源情報に基づいて空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに制御するので、空調装置12を適切に制御できる。
【0069】
また、情報取得部11Eは、自車10の周囲の複数の他車20それぞれから駆動源情報を取得し、空調制御部11Gは、複数の他車20それぞれからの駆動源情報が所定の基準を満たす場合に空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに制御するので、自車10の周囲の複数の他車20の駆動源25に応じて空調装置12を制御でき、空調装置12を適切に制御できる。前記所定の条件は、この実施の形態では、複数の他車20それぞれからの駆動源情報のうち少なくとも1つの駆動源情報がエンジンを示すこと、つまり、前記複数の他車20の中に、エンジンを駆動源とする他車20が1つ以上存在していることであるが、前記所定の条件は、他の条件であってもよい。例えば、前記の所定の条件は、複数の他車20それぞれからの駆動源情報のうち、2以上の予め定められた閾値以上の駆動源情報それぞれがエンジンを示すことであってもよい。所定の条件は、予め定められた条件であればよく、例えば、空調装置12が外気導入モードであるときに当該条件が成立すると、自車10の周囲の他車20からの排気ガスが自車10の車室内に侵入してしまう条件とするとよい。
【0070】
また、空調制御部11Gは、デフロスター12Aが動作中かつ空調装置12が外気導入モードである場合、駆動源情報がエンジンを示していても、外気導入モードを維持するので、内気循環モードへの変更によりデフロスターの霜取り効果が低下してしまうことを防止できる。
【0071】
また、情報取得部11Eは、自車10と他車20との車車間通信により駆動源情報を取得するので、情報取得部11Eは、サーバ等の自車10及び他車20以外の装置を介さずに駆動源情報を無線通信により直接取得できる。従って、情報取得部11Eは、駆動源情報を迅速に取得できる。
【0072】
なお、空調制御システム11は、図8に示すように、自車10及び他車20の外部かつ自車10及び他車20と通信可能なサーバコンピュータからなる空調制御システム111として構成されてもよい。空調制御システム111は、自車10及び他車20を含む複数の車両とインターネット等のネットワークを介して通信する。空調制御システム111は、空調制御システム11と同様に、プロセッサ111A、RAM111B、不揮発性メモリ111Cを備える。プロセッサ111Aは、不揮発性メモリ111Cが記憶する空調制御プログラムを実行して、図9に示す情報取得部111E、車両特定部111F、及び、空調制御部111Gとして動作し、自車10の空調装置12を制御する。この場合、情報取得部111Eは、図8に示すように、自車10及び複数の他車20それぞれを含む複数の車両と通信して、位置情報を取得する。そして、情報取得部111Eは、各車両の位置情報に基づいて、任意の車両、ここでは、自車10及び自車10の周囲の他車20を特定する。その後、情報取得部111Eは、他車20から、他車20の駆動源情報、位置情報、進行方向情報を取得し、自車10から、自車10の位置情報、進行方向情報、車速情報、風向き情報を取得する。その後、車両特定部111F、及び、空調制御部111Gが、図5のステップS14~S22の処理を実行する。
【0073】
なお、空調制御部111Gは、ステップS22の処理において、自車10と通信し、自車10の空調装置12を内気循環モードに制御する指示を自車10に送信する。自車10は、当該指示を受けて、空調装置12のECU等により、空調装置12を内気循環モードに制御する。このようにして、空調制御部111Gは、ステップS22の処理において、自車10の空調装置12を内気循環モードに制御する。
【0074】
なお、情報取得部111Eは、自車10及び他車20を含む複数の車両全てから、位置情報、進行方向情報、車速情報、風向き情報、駆動源情報を取得し、位置情報に基づいて、自車10及び他車20を特定してもよい。この場合、情報取得部111Eは、すでに取得している全車両それぞれの駆動源情報から、前記で特定した他車20の駆動源情報を抽出することで、当該他車20駆動源情報を取得してもよい。
【0075】
空調制御システム111によれば、駆動源情報に基づく空調装置12の制御を自車10外部から行うことができ、自車10内での空調装置12の制御のための処理負担を軽減できる。
【0076】
上記実施の形態等について、種々の変形を施してもよい。例えば、空調制御システム11は、自車10の走行の有無及び風向きを考慮せずに、自車10の周囲一定範囲内の他車20からの駆動源情報に基づいて、空調装置12の外気導入モード及び内気循環モードを制御してもよい。駆動源情報に基づく空調装置12の制御内容は、任意である。自車10と他車20との距離は、クリアランスソナー等で測定し、当該距離が近いときかつ駆動源情報がエンジンを示す場合に、空調装置12を内気循環モードに制御してもよい。
【0077】
駆動源情報は、他車20の駆動源25がエンジンであるか非エンジンであるかを示すことで、駆動源25を示す情報であってもよい。駆動源情報は、他車20の任意の装置により記憶又は管理されていればよい。空調制御システム11は、1つの装置であっても、ネットワーク等を介して通信する複数の装置から構成されてもよい。
【0078】
例えば、空調装置12の上記制御の一例として、空調制御システム11は空調装置12の動作を変更する前に、カーナビゲーションシステム14等を介して、空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに変更してよいかの確認画面を表示してもよい。この場合、空調制御システム11は、車両の乗員が、カーナビゲーションシステム24等を操作して、前記変更を承認したときに、空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに変更し、承認されなかったときに、空調装置12を内気循環モード又は外気導入モードに変更しないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 自車、20,20A~20F 他車、11,21,111 空調制御システム、11A,111A プロセッサ、11B,111B RAM、11C,111C 不揮発性メモリ、11E,111E 情報取得部、11F,111F 車両特定部、11G,111G 空調制御部、12,22 空調装置、12A デフロスター、13,23 空調パネル、14,24 カーナビゲーションシステム、15,25 駆動源、16,26 駆動源用ECU、17,27 通信装置、SC サーバコンピュータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9