(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
E04H 6/14 20060101AFI20230912BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
E04H6/14 601A
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2020067914
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中林 良太
(72)【発明者】
【氏名】山田 直輝
(72)【発明者】
【氏名】藤井 大悟
(72)【発明者】
【氏名】池谷 淳
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-149233(JP,A)
【文献】特開2004-278215(JP,A)
【文献】特開2008-283433(JP,A)
【文献】特開2015-220709(JP,A)
【文献】特開2015-108227(JP,A)
【文献】国際公開第2017/159506(WO,A1)
【文献】特開2009-017564(JP,A)
【文献】特開2017-038455(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0156608(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00-6/44
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
G08G 1/00-99/00
H03J 9/00-9/06
H04Q 9/00-9/16
H04M 3/00
H04M 3/16-3/20
H04M 3/38-3/58
H04M 7/00-7/16
H04M 11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に設けられた家電機器であって、
家庭内ネットワークにアクセス可能に構成され該
家庭内ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、
前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両
であって、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車である車両の入出庫を推定することと、
前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、
前記駐車場から前記車両が出庫することが推定された場合であって、且つ、前記バッテリの充電状態に相関する値であるSOC値が所定の下限閾値以下である場合、前記管理装置に該バッテリを急速充電するための充電指令を出すことと、
を実行する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記ネットワーク家電は、インターネットにアクセス可能に構成され、
前記制御部は、前記インターネットを介して前記ネットワーク家電の動作情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ネットワーク家電は、複数の該ネットワーク家電が接続された
前記家庭内ネットワークにアクセス可能に構成され、該家庭内ネットワークは、インターネットにアクセス可能に構成され、
前記制御部は、前記インターネットを介して前記家庭内ネットワークにアクセスすることで、該家庭内ネットワークに接続された複数の前記ネットワーク家電の動作情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザによる前記ネットワーク家電の操作状況に基づいて、該ネットワーク家電の動作情報を取得する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザによる前記ネットワーク家電の操作を可能とする所定のコントローラに設けられた第1センサによる検出情報に基づいて、前記操作状況を取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ネットワーク家電の消費電力を監視する第2センサによる検出情報に基づいて、前記操作状況を取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、過去の情報に基づいて学習された傾向であって、前記ネットワーク家電の動作情報と前記車両の入出庫に関する情報との関連性を表す傾向と、該ネットワーク家電の現在の動作情報と、に基づいて、該車両の入出庫を推定する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、前記ユーザの携帯端末に、該車両の入出庫に関する入出庫情報を送信する、
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記入出庫情報が送信された前記携帯端末から、前記車両の入出庫が許可されるか否かに関する許可情報を取得し、該許可情報として前記ユーザによる該車両の入出庫の許可が得られた場合、前記管理装置に前記入出庫指令を出す、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記管理装置は、前記駐車場である機械式駐車場に設けられた車両搬送機構を備えた装置であって、
前記制御部は、前記車両搬送機構を起動させるための指令を含んだ前記入出庫指令を出す、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記管理装置は、前記駐車場からの前記車両の出庫を、該車両を自走させることによって実行する装置であって、
前記制御部は、前記駐車場から前記車両が出庫することが推定された場合、前記ユーザの該車両への乗車予定位置まで該車両を自走させるための指令を含んだ前記入出庫指令を出す、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記駐車場に前記車両が駐車されている場合であって、且つ、前記動作情報として、前記ネットワーク家電のうちの所定の第1家電が停止されたことを取得した場合に、該駐車場から該車両が出庫すると推定する、
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記充電指令とともに、前記ネットワーク家電のうちの所定の第2家電を制御するための制御指令を出す、
請求項
1から請求項12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記駐車場に前記車両が駐車されていない場合であって、且つ、前記ネットワーク家電のうちの所定の第3家電が起動されたことを取得した場合に、該駐車場に該車両が入庫すると推定する、
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
住宅に設けられた家電機器であって、家庭内ネットワークにアクセス可能に構成され該
家庭内ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、
前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に該住宅のユーザが利用する車両が駐車されていない場合であって、且つ、前記ネットワーク家電のうちの所定の第3家電が起動されたことを取得した場合に、該駐車場に該車両が入庫すると推定することと、
前記駐車場に前記車両が入庫すると推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令として、該車両を該駐車場へ入庫させるための入庫指令を出すことと、
を実行する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項16】
前記第3家電は、前記ユーザの携帯端末から送信される起動指令に基づいて起動される、
請求項
14又は15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記第3家電は、前記車両の車載装置から送信される起動指令に基づいて起動される、
請求項
14又は15に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記車両は、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車であって、
前記制御部は、前記駐車場に前記車両が入庫することが推定された場合であって、且つ、前記バッテリの充電状態に相関する値であるSOC値が所定の下限閾値以下である場合、前記入出庫指令として、該車両を該駐車場内の所定の充電場所へ入庫させるための指令を出す、
請求項
14から請求項17の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータが、
住宅に設けられた家電機器であって、
家庭内ネットワークにアクセス可能に構成され該
家庭内ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、
前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両
であって、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車である車両の入出庫を推定することと、
前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、
前記駐車場から前記車両が出庫することが推定された場合であって、且つ、前記バッテリの充電状態に相関する値であるSOC値が所定の下限閾値以下である場合、前記管理装置に該バッテリを急速充電するための充電指令を出すことと、
を実行する情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
住宅に設けられた家電機器であって、
家庭内ネットワークにアクセス可能に構成され該
家庭内ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、
前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両
であって、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車である車両の入出庫を推定することと、
前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、
前記駐車場から前記車両が出庫することが推定された場合であって、且つ、前記バッテリの充電状態に相関する値であるSOC値が所定の下限閾値以下である場合、前記管理装
置に該バッテリを急速充電するための充電指令を出すことと、
を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駐車場に設けられた無線装置と、該駐車場の契約車両に設けられた無線装置又は該車両の利用者保持の無線装置と、の通信に基づいて、該駐車場の車両搬送機構を駆動する立体駐車場の入庫・出庫準備システムに関する技術が開示されている。この技術によれば、駐車場の無線装置が車両の無線装置からの送信信号を受信すると、該車両が該駐車場に接近中であるものと予測する。また、駐車場の無線装置が車両の利用者保持の無線装置からの送信信号を受信すると、該利用者が該駐車場に接近中であるものと予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、駐車場に対する車両の入出庫について、ユーザの利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願開示の情報処理装置は、住宅に設けられた家電機器であって、所定のネットワークにアクセス可能に構成され該ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両の入出庫を推定することと、前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、を実行する制御部を備える。
【0006】
また、本願開示は、コンピュータによる情報処理方法の側面から捉えることができる。すなわち、本願開示の情報処理方法は、コンピュータが、住宅に設けられた家電機器であって、所定のネットワークにアクセス可能に構成され該ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両の入出庫を推定することと、前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、を実行する。
【0007】
また、本願開示は、情報処理プログラムの側面から捉えることができる。すなわち、本願開示の情報処理プログラムは、コンピュータに、住宅に設けられた家電機器であって、所定のネットワークにアクセス可能に構成され該ネットワークを介して制御可能なネットワーク家電の動作情報を取得することと、前記住宅における前記ネットワーク家電の動作情報に基づいて、該住宅に関連する駐車場に対する、該住宅のユーザが利用する車両の入出庫を推定することと、前記駐車場に対して前記車両が入出庫することが推定された場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出すことと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本願開示によれば、駐車場に対する車両の入出庫について、ユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態における情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における情報処理システムの構成要素をより詳細に示した図である。
【
図3】ユーザによるネットワーク家電の操作状況に関する情報が、サーバに送信される例を説明するための図である。
【
図4】第1の実施形態において、取得部によって取得され記憶部に記憶されたネットワーク家電の動作情報を例示する第1の図である。
【
図5】第1の実施形態において、取得部によって取得され記憶部に記憶されたネットワーク家電の動作情報を例示する第2の図である。
【
図6】第1の実施形態において、サーバからの出庫指令を受けた管理装置が、車両を出庫させるために行う処理について説明するための第1の図である。
【
図7】第1の実施形態において、サーバからの出庫指令を受けた管理装置が、車両を出庫させるために行う処理について説明するための第2の図である。
【
図8】第1の実施形態において、サーバが車両を出庫させるために行う処理についてのフローチャートである。
【
図9】第1の実施形態の変形例1における情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図10】第1の実施形態の変形例1における情報処理システムの構成要素をより詳細に示した図である。
【
図11】第1の実施形態の変形例1において、サーバが車両を出庫させるために行う処理についてのフローチャートである。
【
図12】車両の出庫許可に関する処理画面を例示する図である。
【
図13】第1の実施形態の変形例1において、サーバからの出庫指令を受けた管理装置が、車両を出庫させるために行う処理について説明するための図である。
【
図14】第1の実施形態の変形例2において、サーバが車両を出庫させるために行う処理についてのフローチャートである。
【
図15】第2の実施形態において、サーバが車両を入庫させるために行う処理についてのフローチャートである。
【
図16】第2の実施形態において、取得部によって取得され記憶部に記憶されたネットワーク家電の動作情報を例示する図である。
【
図17】第2の実施形態の変形例において、サーバが車両を入庫させるために行う処理についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願開示において、制御部は、ネットワーク家電の動作情報を取得する。ここで、ネットワーク家電とは、住宅に設けられた家電機器であって、所定のネットワークにアクセス可能に構成されている。そして、このようなネットワーク家電は、上記所定のネットワークを介して制御され得る。ここで、所定のネットワークは、インターネットでもよいし、インターネットに接続された家庭内ネットワークでもよい。そして、制御部は、取得したネットワーク家電の動作情報に基づいて、上記住宅のユーザが利用する車両の入出庫を推定する。ここで、車両の入出庫とは、上記住宅に関連する駐車場からの車両の出庫と、該駐車場への車両の入庫のことを言う。
【0011】
そして、制御部は、上記住宅に関連する駐車場に対して車両が入出庫することが推定さ
れた場合、該車両の入出庫を管理する管理装置に、該車両を入出庫させるための入出庫指令を出す。ここで、例えば、上記の住宅に関連する駐車場が、住宅が集合した集合住宅に設けられた機械式駐車場である場合、管理装置には、該駐車場内で車両を搬送するための車両搬送機構が備えられ、上記の入出庫指令には、この車両搬送機構を起動させるための指令が含まれることになる。
【0012】
このように本願開示の情報処理装置によれば、ネットワーク家電の動作情報に基づいて、車両を入出庫させるための入出庫指令が出されるため、駐車場に対して車両が入出庫される際の、ユーザの待ち時間が可及的に短くされる。これにより、駐車場に対する車両の入出庫について、ユーザの利便性を高めることができる。
【0013】
以下、図面に基づいて、本願開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本願開示は実施形態の構成に限定されない。
【0014】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る情報処理システムの概要について、
図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、駐車場50に駐車された車両500の入出庫を管理する管理装置100と、住宅20に設けられたネットワーク家電200と、サーバ300と、を含んで構成される。ここで、駐車場50は、住宅20に関連する駐車場である。詳しくは、駐車場50は、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式駐車場であって、該住宅20のユーザ10が利用する車両500の駐車に供される駐車場である。
【0015】
管理装置100は、駐車場端末装置110と、車両搬送機構120と、を含んで構成される。上述したように、本実施形態の駐車場50は地下式の機械式駐車場であるため、例えば、駐車場50に駐車された車両500が該駐車場から出庫する場合、該車両500が車両搬送機構120により地上の乗降場所まで搬送されることで車両の出庫が可能となる。なお、車両搬送機構120は、車両500を載せたパレットや、車両500の格納棚や、該パレットを移送する移送機構等を有して構成されるが、車両500を地下の格納場所から地上の乗降場所まで搬送できるものであれば、その種類は問わない。そして、このような車両搬送機構120は、駐車場端末装置110によって制御される。
【0016】
ネットワーク家電200は、住宅20に設けられた家電機器であって、ホームゲートウェイ210によって構成される家庭内ネットワークにアクセス可能に接続されている。そして、ホームゲートウェイ210は、インターネットにアクセス可能に構成されている。ここで、ネットワーク家電200とホームゲートウェイ210とは、Ethernet(登録商標)等により有線で接続されてもよいし、WiFi(登録商標)等により無線で接続されてもよい。このように、ネットワーク家電200が、ホームゲートウェイ210を介してインターネットにアクセス可能に構成されることで、インターネットを経由したネットワーク家電200の制御が可能となる。また、ホームゲートウェイ210によって構成される家庭内ネットワークには、HEMS220が接続されている。HEMSは、Home Energy Management Systemの略語であり、住宅20におけるエネルギー(例えば電力)の使用を管理することができる。そうすると、HEMS220は、家庭内ネットワークに接続されたネットワーク家電200の消費電力を監視することができる。
【0017】
サーバ300は、インターネットを介してホームゲートウェイ210と通信可能に構成されており、ホームゲートウェイ210によって構成される家庭内ネットワークに接続されたネットワーク家電200やHEMS220から送信されるデータを取得することができる。ここで、上記データとは、例えば、住宅20のユーザ10によるネットワーク家電
200の操作状況に関する情報や、HEMS220によって監視されるネットワーク家電200の消費電力に関する情報である。また、サーバ300は、管理装置100と通信可能に構成されており、管理装置100に対して所定の指令を送信することができる。
【0018】
このように、ホームゲートウェイ210と通信可能に構成されたサーバ300は、ネットワーク家電200の動作情報を取得する。ここで、ネットワーク家電200の動作情報とは、ネットワーク家電200の動作状態を表す情報であって、例えば、ユーザ10による該ネットワーク家電200の操作状況に関する情報に基づいて取得される。そして、サーバ300は、取得した上記動作情報に基づいて、駐車場50に対する車両500の入出庫を推定する。ここで、本実施形態では、サーバ300は、駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定する。このとき、サーバ300は、ユーザが外出前に行うネットワーク家電200の操作であって、予め定められた操作のパターンに基づいて、駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定してもよい。また、サーバ300は、ユーザが外出前に行うネットワーク家電200の操作であって、ユーザ10固有の操作として学習された操作のパターンに基づいて、駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定してもよい。
【0019】
そして、駐車場50から車両500が出庫することが推定された場合、サーバ300は、管理装置100に該車両500を出庫させるための出庫指令を出す。本実施形態では、サーバ300から出庫指令が送信された管理装置100が、駐車場端末装置110を介して車両搬送機構120を制御することで、車両500が出庫スタンバイ状態にされる。なお、出庫スタンバイ状態とは、後述するように、該状態にされた車両500が、地下の駐車場50から地上の乗降場所まで直ぐに搬送され得る状態を言う。
【0020】
次に、
図2に基づいて、主にサーバ300の構成要素の詳細な説明を行う。
図2は、第1の実施形態における、情報処理システムに含まれるサーバ300の構成要素をより詳細に示すとともに、サーバ300と通信を行う管理装置100の構成要素を示した図である。
【0021】
サーバ300は、汎用のコンピュータにより構成してもよい。すなわち、サーバ300は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体であってもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納されている。サーバ300は、機能部として通信部301、記憶部302、制御部303、入出力部304を有しており、補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各機能部等が制御されることによって、各機能部における所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0022】
ここで、通信部301は、サーバ300をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信部301は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。サーバ300は、通信部301を介して、管理装置100やホームゲートウェイ210(これによって構成される家庭内ネットワークを含む。)やその他の外部装置と通信可能に接続される。
【0023】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部303によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部303において実行されるプログラムや、
当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。
【0024】
更に、記憶部302は、ホームゲートウェイ210を介して、ネットワーク家電200やHEMS220等から送信されたデータを記憶する。なお、サーバ300は、通信部301を介してこれらデータを取得する。また、記憶部302には、上記データに基づいて取得されるネットワーク家電200の動作情報や、ユーザ10が外出前に行うネットワーク家電200の操作パターン等が記憶される。
【0025】
制御部303は、サーバ300が行う制御を司る機能部である。制御部303は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。制御部303は、更に、取得部3031と、推定部3032と、指令部3033の3つの機能部を有して構成される。各機能部は、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0026】
取得部3031は、ホームゲートウェイ210を介して、ネットワーク家電200や該ネットワーク家電の操作に供される所定のコントローラ、HEMS220等から送信された情報に基づいて、ネットワーク家電200の動作状態を表す動作情報を取得する。これについて、
図3に基づいて説明する。
【0027】
図3は、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報が、サーバ300に送信される例を説明するための図である。
図3によると、ユーザ10が、スマートコントローラ230を用いてネットワーク家電200を操作する。そうすると、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報が、スマートコントローラ230からホームゲートウェイ210を介してサーバ300に送信される。ここで、スマートコントローラ230は、ネットワーク家電200の操作を可能とするコントローラであって、
図3に示すように、機能部として通信部231、入出力部232、記憶部233、検出部234を有しているが、これら以外の機能部を有していても構わない。通信部231は、スマートコントローラ230をネットワークに接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部232は、ネットワーク家電200に対するユーザ10からの操作指令を、通信部231を介して送信する際に、当該操作指令に関する情報を入力するための機能部であり、例えば、ディスプレイ装置やタッチパネルを有して構成される。記憶部233は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成され、記憶部233には、スマートコントローラ230によって操作されるネットワーク家電200が登録される。なお、このようなネットワーク家電200の登録は、所定のアプリによって事前に行われる。また、検出部234は、ユーザ10が入出力部232を介してネットワーク家電200に出した操作指令を、検出するための機能部である。そして、この場合、スマートコントローラ230の検出部234が本発明に係る第1センサに相当する。
【0028】
そして、この場合、ユーザ10が、ネットワーク家電200に対する操作指令に関する情報を入出力部232に入力すると、該操作指令が、通信部231から家庭内ネットワークを介してネットワーク家電200に送信される。これにより、家庭内ネットワークを経由したネットワーク家電200の制御が可能となる。また、このとき、検出部234によって検出された上記操作指令に関する情報が、通信部231からホームゲートウェイ210を介してサーバ300に送信される。つまり、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報が、スマートコントローラ230からホームゲートウェイ210を介してサーバ300に送信される。そして、取得部3031は、スマートコントローラ230から送信された上記操作状況に関する情報を取得する。なお、この情報には、ユーザ10がネットワーク家電200の起動操作を行った情報や、ユーザ10がネットワーク家電200の停止操作を行った情報等が含まれる。そうすると、取得部3031は、こ
のようなユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報に基づいて、該ネットワーク家電200の動作情報を取得することができる。例えば、取得部3031は、ユーザ10がネットワーク家電200の停止操作を行ったという情報に基づいて、該ネットワーク家電200は停止中であって、且つ、その操作がユーザ10によって行われたという動作情報を取得することができる。
【0029】
また、取得部3031は、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報を、HEMS220から送信された情報に基づいて取得してもよい。上述したように、HEMS220は、ネットワーク家電200の消費電力を監視することができる。そして、HEMS220によって検出されたネットワーク家電200の消費電力に関する情報は、ホームゲートウェイ210を介してサーバ300に送信される。そうすると、取得部3031は、送信されたネットワーク家電200の消費電力に関する情報に基づいて、該ネットワーク家電200が起動されているか、または停止されているかを検知することができる。つまり、取得部3031は、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報を取得することができる。なお、この場合、HEMS220が本発明に係る第2センサに相当する。
【0030】
そして、
図2に戻って、サーバ300の制御部303が有する推定部3032は、取得部3031によって取得され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の動作情報と、ユーザ10が外出前に行う操作として予め定められ記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の操作パターンと、に基づいて、駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定する。これについて、
図4に基づいて説明する。
【0031】
図4は、取得部3031によって取得され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の動作情報を例示する第1の図である。
図4の例では、住宅20におけるリビング、書斎、および洗面所に設けられた複数のネットワーク家電200と、各ネットワーク家電200の動作情報と、該動作情報が取得されたタイミングである取得タイミングと、が関連付けられて、記憶部302に記憶されている。ここで、上記取得タイミングについて、サーバ300は、ホームゲートウェイ210によって構成される家庭内ネットワークと周期的に通信しており、該家庭内ネットワークから送信されたネットワーク家電200の操作状況に関する情報に基づいて動作情報が取得されると、該動作情報が取得されたネットワーク家電200に対する取得タイミングが「今回」とされ、その他のネットワーク家電200に対する取得タイミングが「前回」とされる。
図4の例では、ユーザ10により、ネットワーク家電200に含まれるリビングのエアコンおよび照明をOFFにする操作が今回行われている。
【0032】
また、記憶部302には、ユーザ10が外出前に行うネットワーク家電200の操作パターンが予め記憶されている。この場合、推定部3032は、例えば上記の
図4に示した動作情報と、記憶部302に記憶された上記操作パターンと、を照合することで、駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定することができる。ここで、ユーザ10が外出前に行うネットワーク家電200の操作パターンとして、例えば、書斎および洗面所のネットワーク家電200がOFFにされた状態で、リビングのエアコンおよび照明がOFFにされるパターンが記憶されているものとする。そうすると、推定部3032は、上記の
図4に示した動作情報がこの操作パターンに合致するとして、駐車場50から車両500が出庫すると推定する。なお、この場合、リビングのエアコンおよび照明が本発明に係る第1家電に相当する。
【0033】
また、推定部3032は、取得部3031によって取得され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の動作情報と、ユーザ10が外出前に行う固有の操作として学習され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の操作パターンと、に基づいて、
駐車場50から車両500が出庫するか否かを推定してもよい。これについて、
図5に基づいて説明する。
【0034】
図5は、取得部3031によって取得され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の動作情報を例示する第2の図である。
図5の例では、ユーザ10により、ネットワーク家電200に含まれる洗面所のドライヤーをONにする操作が今回行われている。ここで、取得部3031は、HEMS220から送信された情報に基づいて、ユーザ10によるドライヤーの操作状況に関する情報を取得することができる。例えば、洗面所に電力を供給する回路おいて大きな消費電力が検出された場合、ユーザ10によりドライヤーをONにする操作が行われたと判定してもよい。そして、記憶部302には、ユーザ10が外出前に行う固有の操作として学習されたネットワーク家電200の操作パターンが記憶されている。この場合、ネットワーク家電200の動作情報と、車両500の出庫に関する情報と、の関連性を表す傾向として、例えば、ユーザ10がドライヤーの操作を行うと、その後に該ユーザ10が外出する傾向があると学習されているものとする。そうすると、推定部3032は、上記の
図5に示した動作情報が、過去の情報に基づいて学習された操作パターンに合致するとして、駐車場50から車両500が出庫すると推定する。
【0035】
そして、
図2に戻って、サーバ300の制御部303が有する指令部3033は、推定部3032によって、駐車場50から車両500が出庫することが推定された場合、管理装置100に該車両500を出庫させるための出庫指令を出す。そうすると、管理装置100が、駐車場端末装置110を介して車両搬送機構120を制御することで、車両500が出庫スタンバイ状態にされる。これについて、
図6および
図7に基づいて説明する。
【0036】
ここで、管理装置100は、駐車場端末装置110と車両搬送機構120とを有する。そして、駐車場端末装置110は、
図2に示すように、機能部として通信部111、入出力部112、記憶部113、制御部114を有しているが、これら以外の機能部を有していても構わない。通信部111は、管理装置100をネットワークに接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部112は、通信部111を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、ユーザ10が、駐車場50から車両500を出庫させるための操作指令に関する情報を入力したりするための機能部であり、例えば、ディスプレイ装置やタッチパネルを有して構成される。記憶部113は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成され、記憶部113には、駐車場50を利用するユーザ10のユーザ情報が、該駐車場50において該ユーザ10の車両500が格納される格納棚の情報と関連付けられて登録される。なお、このような情報の登録は、所定のアプリによって事前に行われる。また、制御部114は、車両搬送機構120を制御するための機能部である。
【0037】
そして、
図6は、第1の実施形態において、サーバ300からの出庫指令を受けた管理装置100が、車両500を出庫させるために行う処理について説明するための第1の図である。管理装置100は、サーバ300の制御部303が有する指令部3033からの出庫指令を受けると、
図6に示すように、ユーザ10が利用する車両500aに割り当てられた格納棚を、地上の乗降場所の直ぐ下の待機スペースまで、車両搬送機構120を用いて搬送する。つまり、車両500aが出庫スタンバイ状態にされる。そして、このように車両500aが出庫スタンバイ状態にされると、
図7に示すように、ユーザ10が、車両500aを出庫させるための操作指令に関する情報を駐車場端末装置110の入出力部112に入力すると、該車両500aが、地下の駐車場50から地上の乗降場所まで直ぐに搬送されることになる。なお、
図7は、第1の実施形態において、サーバ300からの出庫指令を受けた管理装置100が、車両500を出庫させるために行う処理について説明するための第2の図である。これによると、駐車場50から車両500aが出庫される
際の、ユーザ10の待ち時間が可及的に短くされ、以て、駐車場からの車両の出庫について、ユーザの利便性が高められる。
【0038】
なお、制御部303が、取得部3031、推定部3032、および指令部3033の処理を実行することで、本発明に係る制御部として機能する。そして、サーバ300が、本発明に係る情報処理装置として機能する。
【0039】
次に、入出力部304は、情報の入出力を行うためのインタフェースである。入出力部304は、例えば、ディスプレイ装置やタッチパネルを有して構成される。入出力部304は、キーボード、近距離通信手段、タッチスクリーンなどを含んでいてもよい。
【0040】
ここで、第1の実施形態におけるサーバ300が、車両500を出庫させるために行う処理について、
図8に示すフローチャートに基づいて説明する。当該処理は、サーバ300の制御部303によって実行される。先ず、S101では、ネットワーク家電200の動作情報が取得される。制御部303は、ホームゲートウェイ210を介して送信された情報であって、ユーザ10によるネットワーク家電200の操作状況に関する情報に基づいて、ネットワーク家電200の動作情報を取得する。そして、動作情報を取得した制御部303は、該動作情報をサーバ300の記憶部302に記憶させる。そして、S101の処理が終了するとS102へ進む。
【0041】
S102では、S101の処理で取得した動作情報と、記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の操作パターンと、に基づいて、駐車場50からの車両500の出庫を推定し、次のS103において、S102の処理で駐車場50から車両500が出庫すると推定されたか否かが判別される。ここで、上記の操作パターンとは、上述したように、ユーザ10が外出前に行うネットワーク家電200の操作のパターンである。制御部303は、S101の処理で取得した動作情報がこの操作パターンに合致する場合、駐車場50から車両500が出庫すると推定する。なお、このとき、制御部303は、駐車場50の管理装置100から、該駐車場50における車両500の駐車状況を取得し、ユーザ10の車両500が駐車場50に駐車されていることを判定してから、駐車場50からの車両500の出庫を推定してもよい。S103で肯定判定されると処理はS104へ進み、S103で否定判定されると本フローの実行が終了される。
【0042】
S103で肯定判定された場合、次に、S104では、管理装置100に対して車両500を出庫させるための出庫指令が出される。そうすると、上述したように、管理装置100が、駐車場端末装置110を介して車両搬送機構120を制御することで、車両500が出庫スタンバイ状態にされる。
【0043】
以上に述べた処理によれば、駐車場50から車両500が出庫される際の、ユーザ10の待ち時間が可及的に短くされ、以て、駐車場からの車両の出庫について、ユーザの利便性が高められる。
【0044】
<第1の実施形態の変形例1>
上記第1の実施形態の第1の変形例について、
図9~
図13に基づいて説明する。
図9は、本変形例における情報処理システムの概略構成を示す図である。本変形例に係る情報処理システムは、上記第1の実施形態に示した構成に加えて、車両500のユーザ10の携帯端末40を含む。
【0045】
上述した第1の実施形態では、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式の駐車場50から車両500が出庫される例について説明した。これに対して、本変形例では、地上に設けられた駐車場50から車両500が自動走行により出庫される例につい
て説明する。
【0046】
図10は、本変形例における、情報処理システムに含まれる管理装置100、およびサーバ300の構成要素をより詳細に示すとともに、これら装置と通信を行う携帯端末40、および車両500の車載装置510の構成要素を示した図である。
図10に示すように、携帯端末40は、機能部として通信部41、入出力部42、記憶部43、位置検出部44を有している。通信部41は、携帯端末40をネットワークに接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。入出力部42は、通信部41を介して外部から送信されてきた情報等を表示させたり、通信部41を介して外部に情報を送信する際に当該情報を入力したりするための機能部であり、例えば、ディスプレイ装置やタッチパネルを有して構成される。記憶部43は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成され、記憶部43には、携帯端末40を有するユーザ10のユーザ情報が記憶される。なお、このユーザ情報は、所定のアプリによって事前に登録される。位置検出部44は、携帯端末40の位置を検出するための機能部であり、例えばGPS装置を有して形成される。
【0047】
また、車載装置510は、機能部として通信部511と、位置検出部512と、記憶部513と、を有しているが、これら以外の機能部を有していても構わない。通信部511は、車両500をネットワークに接続するための通信インタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。位置検出部512は、車両500の位置を検出するための機能部であり、例えばGPS装置を有して形成される。記憶部513は、サーバ300の記憶部302と同様に主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成され、記憶部513には、車両500を識別するための車両情報が記憶される。なお、この車両情報は、所定のアプリによって事前に登録される。そして、車載装置510は、車両500の走行を制御する機能も有しており、車両500は、車載装置510による走行制御によって自動走行可能に構成されている。なお、この自動走行機能については、既存の技術により実現可能である。
【0048】
図11は、本変形例におけるサーバ300が、車両500を出庫させるために行う処理についてのフローチャートである。当該処理は、サーバ300の制御部303によって実行される。なお、
図11に示す各処理において、上記の
図8に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
本変形例では、S103の処理で肯定判定された場合、次に、S201において、車両500のユーザ10の携帯端末40に、該車両の出庫に関する出庫情報が送信されるとともに、それに対するユーザ10からの許可情報が取得される。これについて、
図12に基づいて説明する。
【0050】
図12は、車両500の出庫許可に関する処理画面を例示する図である。
図12に例示する処理画面SC1は、ユーザ10によって車両500の出庫が許可されるか否かに関する許可情報を取得するための画面であって、ユーザ10が有する携帯端末40の入出力部42に表示される。処理画面SC1には、ユーザ情報SC11(ID、氏名)、車両番号SC12、車両500の出庫に関する出庫情報SC13、「はい」のラベルが付された許可ボタンSC14、および「いいえ」のラベルが付されたキャンセルボタンSC15が示される。そして、ユーザ10によって許可ボタンSC14が押下されると、ユーザ10による車両500の出庫の許可が得られたとして、その許可情報が、携帯端末40の通信部41からサーバ300に送信される。そして、サーバ300の制御部303は、このようにしてユーザ10からの許可情報を取得する。
【0051】
次に、S202では、S201の処理で車両500の出庫許可が得られたか否かが判別される。S202で肯定判定されると処理はS104へ進み、S202で否定判定されると本フローの実行が終了される。そして、S202で肯定判定された場合、次に、S104では、管理装置100に対して車両500を出庫させるための出庫指令が出される。そうすると、駐車場50から車両500が自動走行により出庫され、ユーザ10の乗車予定位置に該車両が停車される。これについて、
図13に基づいて説明する。
【0052】
図13は、本変形例において、サーバ300からの出庫指令を受けた管理装置100が、車両500を出庫させるために行う処理について説明するための図である。管理装置100は、サーバ300の制御部303が有する指令部3033からの出庫指令を受けると、駐車場端末装置110の通信部111を介して車両500aの車載装置510にアクセスし、該車両500aをユーザ10の乗車予定位置まで自動走行させるための指令を出す。ここで、本変形例における管理装置100は、駐車場端末装置110と、入退場ゲート130と、を含んで構成され、駐車場50から車両500aが出庫される際、駐車場端末装置110によって入退場ゲート130が制御されることによって、車両500aの出庫が可能となる。
図13に示すように、入退場ゲート130を通過して駐車場50から出庫された車両500aは、ユーザ10の乗車予定位置まで自動で走行される。そして、このようにサーバ300が、車両500aをユーザ10の乗車予定位置まで自走させるための出庫指令を出すことで、ユーザ10は、駐車場50まで向かわずとも車両500aに乗車することができる。なお、上記の乗車予定位置は、例えば、住宅20が集合した集合住宅の出入口付近に設けられる。
【0053】
以上に述べた処理によれば、駐車場50から車両500を出庫させるためにユーザ10が費やす時間が可及的に短くされ、以て、駐車場からの車両の出庫について、ユーザの利便性が高められる。
【0054】
<第1の実施形態の変形例2>
上記第1の実施形態の第2の変形例について、
図14に基づいて説明する。ここで、本変形例における車両500は、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車である。そして、車両500には、バッテリの充電状態に相関する値であるSOC(State of Charge)値を検出するSOCセン
サが設けられている。
【0055】
図14は、本変形例におけるサーバ300が、車両500を出庫させるために行う処理についてのフローチャートである。当該処理は、サーバ300の制御部303によって実行される。なお、
図14に示す各処理において、上記の
図8に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
本変形例では、S103の処理で肯定判定された場合、次に、S301において、車両500のバッテリのSOC値が取得される。制御部303は、SOCセンサによって検出され、車載装置510の通信部511から送信されたSOC値に関するデータを取得することで、車両500のバッテリのSOC値を取得する。そして、S302では、S301の処理で取得したSOC値が所定の下限閾値以下であるか否かが判別される。ここで、所定の下限閾値とは、例えば、バッテリからの電力で走行可能な距離や、バッテリ保護の観点等を考慮して予め定められる閾値である。制御部303は、このようにして予め定められた閾値と、S301の処理で取得したSOC値と、を比較することで、上記を判定する。そして、S302で肯定判定されると処理はS303へ進み、S302で否定判定されると処理はS104へ進む。
【0057】
S302で肯定判定された場合、次に、S303では、管理装置100に対して車両5
00のバッテリを急速充電するための充電指令が出される。ここで、車両500は、駐車場50における車両の充電場所に駐車されていて、S303の処理の実行前には、通常の充電処理が行われているものとする。そして、この充電処理は、管理装置100によって制御されているものとする。そうすると、サーバ300からの上記充電指令を受けた管理装置100は、車両500のバッテリに対する充電処理を、通常の充電から急速充電に切り替える。なお、このような充電処理の切り替えは、既存の技術により実現可能である。
【0058】
また、車両500が充電場所に駐車されていない場合には、サーバ300からの上記充電指令を受けた管理装置100は、車両500を充電場所まで移動させた後に、急速充電のための充電処理を実行してもよい。このとき、例えば、駐車場50が、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式の駐車場である場合、管理装置100は、車両搬送機構120を制御することで車両500を充電場所まで移動させてもよい。また、例えば、地上に設けられた駐車場50において、車両500が自動走行可能に構成されている場合、管理装置100は、車両500の車載装置510に移動指令を出すことで車両500を充電場所まで移動させてもよい。そして、S303の処理が終了するとS304へ進む。
【0059】
S304では、S303の処理で急速充電を開始してから所定時間が経過したか否かが判別される。ここで、所定時間は、急速充電前のバッテリのSOC値に応じて予め定められる時間である。S304で肯定判定されると処理はS104へ進み急速充電が終了され、S304で否定判定されると処理はS303へ戻って急速充電が継続される。
【0060】
以上に述べた処理によれば、車両500のバッテリのSOC値が所定の下限閾値以下であると、駐車場50から車両500が出庫される前に該バッテリが急速充電される。そのため、バッテリのSOC値が低いためにユーザ10が車両500に乗車して移動できなくなる事態が可及的に抑制され、以て、駐車場からの車両の出庫について、ユーザの利便性が高められる。
【0061】
なお、上記のS303の処理において、制御部303は、管理装置100に対して車両500のバッテリを急速充電するための充電指令を出すとともに、住宅20に設けられたネットワーク家電200のうちの所定の家電を制御するための制御指令を出してもよい。この場合、制御部303は、例えば、ネットワーク家電200に含まれるリビングのテレビをONにし、ユーザ10の嗜好に合う番組をリコメンド情報として画面に表示させるための制御指令を、ホームゲートウェイ210を介してテレビに送ってもよい。そうすると、この制御によって仮にユーザ10がテレビを視聴することになれば、ユーザ10の外出を遅らせることができる。その結果、車両500のバッテリを充電するための時間が確保され易くなる。なお、この場合、リビングのテレビが本発明に係る第2家電に相当する。
【0062】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、
図15に基づいて説明する。上述した第1の実施形態では、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式の駐車場50から車両500が出庫される例について説明した。これに対して、本変形例では、上記の駐車場50に車両500が入庫される例について説明する。
【0063】
図15は、第2の実施形態におけるサーバ300が、車両500を入庫させるために行う処理についてのフローチャートである。当該処理は、サーバ300の制御部303によって実行される。
【0064】
先ず、S401では、ネットワーク家電200の動作情報が取得される。ここで、サーバ300の制御部303が有する取得部3031は、ホームゲートウェイ210を介して
、ネットワーク家電200やHEMS220から送信された情報に基づいて、ネットワーク家電200の動作情報を取得してもよいし、インターネットを介して、ネットワーク家電200の操作に供される所定のコントローラから送信された情報に基づいて、ネットワーク家電200の動作情報を取得してもよい。この場合、上記のコントローラは、例えば、ユーザ10が有する携帯端末40によって構成される。携帯端末40の記憶部43には、該携帯端末40によって操作されるネットワーク家電200が登録されていて、ユーザ10は、入出力部42によって、ネットワーク家電200に対する操作指令に関する情報を入力することができる。また、上記のコントローラは、車両500の車載装置510によって構成されてもよい。この場合も同様に、車載装置510の記憶部513にネットワーク家電200が登録され、ユーザ10は、車載装置510が有する所定の入力装置(これには、例えば、ナビゲーションシステムのタッチパネルやマイク等が含まれる。)を用いて、ネットワーク家電200に対する操作指令に関する情報を入力することができる。そうすると、携帯端末40や車載装置510を用いたネットワーク家電200の操作が可能となり、ユーザ10は、車両500に乗車して住宅20に帰宅する途中に予めネットワーク家電200を起動させることができる。そして、動作情報を取得した制御部303は、該動作情報をサーバ300の記憶部302に記憶させる。そして、S401の処理が終了するとS402へ進む。
【0065】
S402では、駐車場50に対象車両が駐車されていないか否かが判別される。この場合の対象車両とは、S401の処理の対象のネットワーク家電200の操作を行ったユーザ10の車両500である。制御部303は、駐車場50の管理装置100から、該駐車場50における車両500の駐車状況を取得することで、上記を判定することができる。S402で肯定判定されると処理はS403へ進み、S402で否定判定されると本フローの実行が終了される。
【0066】
S402で肯定判定された場合、次に、S403では、S401の処理で取得した動作情報と、記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の操作パターンと、に基づいて、駐車場50への車両500の入庫を推定し、次のS404において、S403の処理で駐車場50に車両500が入庫すると推定されたか否かが判別される。ここで、上記の操作パターンとは、ユーザ10が帰宅前に行うネットワーク家電200の操作のパターンである。サーバ300の制御部303が有する推定部3032は、S401の処理で取得した動作情報と、記憶部302に記憶された上記操作パターンと、を照合することで、駐車場50に車両500が入庫するか否かを推定することができる。これについて、
図16に基づいて説明する。
【0067】
図16は、取得部3031によって取得され記憶部302に記憶されたネットワーク家電200の動作情報を例示する図である。
図16の例では、ユーザ10により、ネットワーク家電200に含まれるリビングのエアコンをONにする操作が今回行われている。なお、このようなネットワーク家電200の起動は、ユーザ10の携帯端末40から送信される起動指令に基づいて実行されてもよいし、車両500の車載装置510から送信される起動指令に基づいて実行されてもよい。ここで、ユーザ10が帰宅前に行うネットワーク家電200の操作パターンとして、例えば、リビングのエアコンがONにされるパターンが記憶されているものとする。そうすると、推定部3032は、上記の
図16に示した動作情報がこの操作パターンに合致するとして、駐車場50に車両500が入庫すると推定する。なお、この場合、リビングのエアコンが本発明に係る第3家電に相当する。そして、S404で肯定判定されると処理はS405へ進み、S404で否定判定されると本フローの実行が終了される。
【0068】
S404で肯定判定された場合、次に、S405では、管理装置100に対して車両500を入庫させるための入庫指令が出される。そうすると、管理装置100が、駐車場端
末装置110を介して車両搬送機構120を制御することで、駐車場50において車両500の入庫スタンバイ状態が形成される。ここで、駐車場50における車両500の入庫スタンバイ状態とは、例えば、駐車場50において車両500に割り当てられた格納棚が、地上の乗降場所の直ぐ下の待機スペースまで、車両搬送機構120を用いて搬送された状態を言う。つまり、駐車場50において車両500に対する入庫スタンバイ状態が形成されると、該車両500は、地上の乗降場所から地下の駐車場50まで直ぐに搬送され得る。
【0069】
以上に述べた処理によれば、駐車場50に車両500が入庫される際の、ユーザ10の待ち時間が可及的に短くされ、以て、駐車場への車両の入庫について、ユーザの利便性が高められる。
【0070】
<第2の実施形態の変形例>
上記第2の実施形態の変形例について、
図17に基づいて説明する。ここで、本変形例における車両500は、バッテリと電動機とを備え、該バッテリから電力が供給された該電動機による駆動力で走行する電気自動車である。そして、車両500には、SOCセンサが設けられている。
【0071】
図17は、本変形例におけるサーバ300が、車両500を入庫させるために行う処理についてのフローチャートである。当該処理は、サーバ300の制御部303によって実行される。なお、
図17に示す各処理において、上記の
図15に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
本変形例では、S404の処理で肯定判定された場合、次に、S501において、車両500のバッテリのSOC値が取得される。なお、S501の処理は、上記の
図14に示したS301の処理と実質的に同一である。そして、S502では、S501の処理で取得したSOC値が所定の下限閾値以下であるか否かが判別される。ここで、所定の下限閾値とは、例えば、バッテリからの電力で走行可能な距離や、バッテリ保護の観点等を考慮して予め定められる閾値であって、制御部303は、この閾値と、S501の処理で取得したSOC値と、を比較することで、上記を判定する。そして、S502で肯定判定されると処理はS503へ進み、S502で否定判定されると処理はS504へ進む。
【0073】
S502で肯定判定された場合、次に、S503では、管理装置100に対して、車両500を駐車場50内の所定の充電場所へ入庫させるための指令が出される。そうすると、管理装置100は、例えば、駐車場50が、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式の駐車場である場合、車両搬送機構120を制御することで車両500を機械式駐車場内の充電場所まで移動させることができる。
【0074】
また、S502で否定判定された場合、次に、S504では、管理装置100に対して、車両500を駐車場50内の通常の駐車場所へ入庫させるための入庫指令が出される。ここで、通常の駐車場所とは、例えば、駐車場50が、住宅20が集合した集合住宅の地下に設けられた機械式の駐車場である場合、該駐車場50において車両500に割り当てられた格納棚のことを言う。
【0075】
以上に述べた処理によれば、車両500のバッテリのSOC値が所定の下限閾値以下であると、駐車場50に入庫した車両500が充電されることになる。そうすると、次に駐車場50から車両500が出庫される際に、バッテリのSOC値が低いためにユーザ10が該車両500に乗車して移動できなくなる事態が可及的に抑制される。その結果、ユーザの利便性が高められる。
【0076】
<その他の変形例>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0077】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、取得部3031および推定部3032をサーバ300とは別の演算処理装置に形成してもよい。このとき当該別の演算処理装置はサーバ300と好適に協働可能に構成される。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0078】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0079】
10・・・ユーザ
20・・・住宅
40・・・携帯端末
50・・・駐車場
100・・・管理装置
200・・・ネットワーク家電
300・・・サーバ
301・・・通信部
302・・・記憶部
303・・・制御部
304・・・入出力部
500・・・車両