(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
B65G47/52 B
B65G47/52 E
(21)【出願番号】P 2020068310
(22)【出願日】2020-04-06
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 健二
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-43769(JP,A)
【文献】特開平9-100023(JP,A)
【文献】実開平6-61819(JP,U)
【文献】実開昭51-11631(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52;47/56-47/62;47/66
B65G 1/00-1/133;1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を上流側の供給台上から下流側の受取台上へと自重によって流す下り勾配の上段コンベヤと、該上段コンベヤの下方に設けられ前記受取台上に供給された搬送物を自重によって折り返し状に流す下り勾配の下段コンベヤと、を有する搬送装置であって、
前記供給台を横軸まわりの回転により前記上段コンベヤと接続される第1上段位置と前記下段コンベヤと接続される第1下段位置とに切り替える第1切替機構であって、付勢により前記供給台を前記第1上段位置に保持する第1付勢部と、使用者の操作により前記供給台を前記第1下段位置へと落とし込む第1操作部と、当該落とし込みにより前記供給台を前記第1下段位置にロックする第1ロック部と、を有する前記第1切替機構と、
前記受取台を横軸まわりの回転により前記上段コンベヤと接続される第2上段位置と前記下段コンベヤと接続される第2下段位置とに切り替える第2切替機構であって、付勢により前記受取台を前記第2上段位置に保持する第2付勢部と、使用者の操作により前記受取台を前記第2下段位置へと落とし込む第2操作部と、を有する前記第2切替機構と、
前記受取台の落とし込みにより前記下段コンベヤ上に流された搬送物を前記第1下段位置にある前記供給台上に乗り上がらせる押送機構であって、付勢により前記下段コンベヤの下流側に向けて上り勾配となり前記第2操作部の操作により下り勾配へと切り替わるシーソレールと、該シーソレールに傾き方向に摺動可能なように設けられ前記シーソレールが下り勾配となることで自重により下流側へと流れて前記下段コンベヤ上にある搬送物を前記供給台上へと押し出すスライダと、を有する前記押送機構と、を有し、
前記スライダが下り勾配となった前記シーソレール上を所定の下流位置まで流れることにより前記第1ロック部が前記スライダに押動されて解除され、該解除により搬送物を乗せた前記供給台が付勢により前記第1下段位置から前記第1上段位置へと戻される搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置であって、
前記押送機構が、更に、前記シーソレールを下り勾配に切り替えられた位置にロックし、前記スライダが前記所定の下流位置まで流れることにより前記第1ロック部と共に前記スライダに押動されてロックが解除されるシーソロック部を有する搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置であって、
前記押送機構が、更に、前記スライダを前記シーソレール上における所定の上流位置に堰き止め、前記第1操作部の操作により堰き止めが解除されるスライドストッパを有する搬送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の搬送装置であって、
当該搬送装置が、更に、前記下段コンベヤ上に流された搬送物を、前記スライダの下流側への流れによって、前記第1下段位置にある前記供給台上へと乗り上がらせるようにガイドする上り勾配のガイドコンベヤを有し、
前記ガイドコンベヤが、前記下段コンベヤ上に流された搬送物を勾配の変わり目に当ててストックする構成とされる搬送装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記第1切替機構が、更に、付勢により前記第1操作部の操作をロックする操作ロック部と、前記上段コンベヤ上を流れる搬送物により押し動かされて前記操作ロック部のロックを解除するトリガと、を有する搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の搬送装置であって、
前記第1切替機構が、更に、前記トリガとは別に、使用者の操作により前記操作ロック部のロックを解除する手動式の解除操作部を有する搬送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の搬送装置であって、
前記供給台上から前記上段コンベヤを通って前記受取台上へと流される搬送物が、ワークを載せた実入りのパレットとされ、前記受取台上から前記下段コンベヤを通って前記供給台上へと戻される搬送物が、前記受取台において前記ワークが取り出された空のパレットとされる搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。詳しくは、搬送物を上流側の供給台上から下流側の受取台上へと自重によって流す下り勾配の上段コンベヤと、上段コンベヤの下方に設けられ受取台上に供給された搬送物を自重によって折り返し状に流す下り勾配の下段コンベヤと、を有する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを詰めた部品箱を下り勾配のローラコンベヤに沿って自重で搬送するワーク搬送装置が開示されている。このワーク搬送装置は、空の部品箱を自重によって下流側へと流す下り勾配の搬入コンベヤと、搬入した空の部品箱に部品を詰めた後、再び部品箱を自重によって下流側へと折り返し状に流す下り勾配の搬出コンベヤと、を有する。
【0003】
上記搬入コンベヤと搬出コンベヤとの折り返し地点には、昇降により搬入コンベヤと搬出コンベヤとに接続を切り替えられる昇降台が設けられている。この昇降台は、バネ力により搬入コンベヤとの接続位置に保持され、その上部に搬入された空の部品箱に部品が詰められることで、その重さにより下降し、搬出コンベヤに接続される構成とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ワーク搬送装置では、部品箱の重さによっては昇降台を適切に下降させられないおそれがある。そこで、本発明は、搬送物を動力なしに適切に折り返し搬送することのできる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の搬送装置は次の手段をとる。
【0007】
すなわち、本発明の搬送装置は、搬送物を上流側の供給台上から下流側の受取台上へと自重によって流す下り勾配の上段コンベヤと、上段コンベヤの下方に設けられ受取台上に供給された搬送物を自重によって折り返し状に流す下り勾配の下段コンベヤと、を有する搬送装置である。この搬送装置は、第1切替機構と、第2切替機構と、押送機構と、を有する。
【0008】
第1切替機構は、供給台を横軸まわりの回転により、上段コンベヤと接続される第1上段位置と、下段コンベヤと接続される第1下段位置と、に切り替える。第1切替機構は、付勢により供給台を第1上段位置に保持する第1付勢部と、使用者の操作により供給台を第1下段位置へと落とし込む第1操作部と、この落とし込みにより供給台を第1下段位置にロックする第1ロック部と、を有する。
【0009】
第2切替機構は、受取台を横軸まわりの回転により、上段コンベヤと接続される第2上段位置と、下段コンベヤと接続される第2下段位置と、に切り替える。第2切替機構は、付勢により受取台を第2上段位置に保持する第2付勢部と、使用者の操作により受取台を第2下段位置へと落とし込む第2操作部と、を有する。
【0010】
押送機構は、受取台の落とし込みにより、下段コンベヤ上に流された搬送物を、第1下段位置にある供給台上に乗り上がらせる。押送機構は、シーソレールと、スライダと、を有する。シーソレールは、付勢により下段コンベヤの下流側に向けて上り勾配となり、第2操作部の操作により下り勾配へと切り替わる。スライダは、シーソレールに対し傾き方向に摺動可能なように設けられ、シーソレールが下り勾配となることで自重により下流側へと流れて下段コンベヤ上にある搬送物を供給台上へと押し出す。
【0011】
スライダが、下り勾配となったシーソレール上を所定の下流位置まで流れることにより、第1ロック部がスライダに押動されて解除される。この解除により、搬送物を乗せた供給台が付勢により第1下段位置から第1上段位置へと戻される。
【0012】
上記構成によれば、使用者が、次の手順により、搬送物を供給台と受取台との間で適切に折り返し搬送することができる。先ず、使用者が、上流側の供給台上から上段コンベヤに搬送物を流して下流側の受取台へと流す。次に、使用者が、第1操作部を操作して、供給台を下段コンベヤとの接続状態に切り替える。次に、使用者が、第2操作部を操作して、受取台を下段コンベヤとの接続状態に切り替え、受取台上から下段コンベヤに搬送物を流す。
【0013】
上記操作により、スライダが、下り勾配となったシーソレール上を下流側へと流れて、下段コンベヤ上の搬送物を、下段コンベヤと接続状態にある供給台上へと押し出す。そして、スライダが所定の下流位置へと流れることで、第1ロック部のロックが解除されて、搬送物を乗せた供給台が付勢により上段コンベヤとの接続状態に戻される。以上のように、搬送物を供給台と受取台との間で動力なしに適切に折り返し搬送することができる。
【0014】
なお、供給台及び受取台の、上段コンベヤ或いは下段コンベヤとの「接続」とは、直接的な接続或いはガイドコンベヤ等の介設部材を介した間接的な接続を含む意味である。
【0015】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。押送機構が、更に、シーソレールを下り勾配に切り替えられた位置にロックし、スライダが所定の下流位置まで流れることにより第1ロック部と共にスライダに押動されてロックが解除されるシーソロック部を有する。
【0016】
上記構成によれば、使用者が第2操作部を一旦操作することで、シーソレールを下り勾配に切り替えた状態にロックすることができる。したがって、使用者が第2操作部を操作し続けることなく、スライダを下流側へと流すことができる。また、スライダが所定の下流位置へと流れることで、上記のロックを自動的に解除することができる。
【0017】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。押送機構が、更に、スライダをシーソレール上における所定の上流位置に堰き止め、第1操作部の操作により堰き止めが解除されるスライドストッパを有する。
【0018】
上記構成によれば、第1操作部が操作された後でないと、第2操作部が操作されてもスライダがシーソレール上を下流側へと流れないように堰き止めることができる。したがって、下段コンベヤ上の搬送物がスライダによって押し出されても供給台上に乗り上がらない、といった誤作動を防止することができる。
【0019】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。搬送装置が、更に、下段コンベヤ上に流された搬送物を、スライダの下流側への流れによって、第1下段位置にある供給台上へと乗り上がらせるようにガイドする上り勾配のガイドコンベヤを有する。ガイドコンベヤが、下段コンベヤ上に流された搬送物を勾配の変わり目に当ててストックする構成とされる。
【0020】
上記構成によれば、ガイドコンベヤによって、下段コンベヤ上の搬送物を適切に供給台上に乗り上がらせることができる。また、搬送物を下段コンベヤ上に合理的にストックすることができる。
【0021】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。第1切替機構が、更に、付勢により第1操作部の操作をロックする操作ロック部と、上段コンベヤ上を流れる搬送物により押し動かされて操作ロック部のロックを解除するトリガと、を有する。
【0022】
上記構成によれば、搬送物が供給台から受取台へと1つ流された後に、供給台が第1下段位置に落とされて下段コンベヤから搬送物を1つ受け取る流れとなるように、動作順序の崩れを防止することができる。
【0023】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。第1切替機構が、更に、トリガとは別に、使用者の操作により操作ロック部のロックを解除する手動式の解除操作部を有する。
【0024】
上記構成によれば、搬送物を途中から流すなどのイレギュラな使用をする場合でも、解除操作部の操作により、動作順序の崩れを補正することができる。
【0025】
また、本発明の搬送装置は、更に次のように構成されていても良い。供給台上から上段コンベヤを通って受取台上へと流される搬送物が、ワークを載せた実入りのパレットとされ、受取台上から下段コンベヤを通って供給台上へと戻される搬送物が、受取台においてワークが取り出された空のパレットとされる。
【0026】
上記構成によれば、上段コンベヤに実入りのパレットが流され、下段コンベヤに空のパレットが流される構成となるため、装置全体の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1の実施形態に係る搬送装置の概略構成を表した斜視図である。
【
図4】ワークを載せたパレットが供給台上にセットされた状態を表した側面図である。
【
図5】ワークを載せたパレットが受取台上へと流された状態を表した側面図である。
【
図6】第1フットペダルが踏まれた状態を表した側面図である。
【
図7】第2フットペダルが踏まれた状態を表した側面図である。
【
図8】
図7の操作によりスライダ及びパレットが下流側へ流れる状態を表した側面図である。
【
図9】
図8の動作により供給台及びシーソレールが初期位置に戻される状態を表した側面図である。
【
図10】
図8の動作がパレットのストックがある状態で行われた場合の側面図である。
【
図11】
図10の動作により供給台及びシーソレールが初期位置に戻される状態を表した側面図である。
【
図13】第1切替機構の初期状態を表した
図12のXIII矢視図である。
【
図14】第1フットペダルの操作により供給台が第1下段位置に下げられた状態を表した拡大図である。
【
図15】解除ケーブルの操作によりロック爪による第1昇降部のロックが解除された状態を表した拡大図である。
【
図16】
図12のXVI部にある操作ロック部のロック状態を表した拡大図である。
【
図17】操作ロック部がトリガの操作によりロック解除された状態を表した拡大図である。
【
図18】供給台が第1下段位置に落とし込まれた状態を表した拡大図である。
【
図19】供給台が初期位置に戻される動作により操作ロック部がロック状態に戻される状態を表した拡大図である。
【
図20】
図1のXX部にあるスライドストッパの初期状態を表した拡大図である。
【
図21】第1フットペダルの操作によりスライドストッパがロック解除された状態を表した拡大図である。
【
図23】第2切替機構の初期状態を表した
図22のXXIII矢視図である。
【
図24】第2フットペダルの操作により受取台が第2下段位置へと落とされる状態を表した拡大図である。
【
図25】シーソレールの先端部の初期状態を表した拡大図である。
【
図26】第2フットペダルの操作によりシーソレールが下り勾配に切り替えられてロックされた状態を表した拡大図である。
【
図27】スライダの摺動により押送体が下段コンベヤ上にストックされたパレットを押送し始めた状態を表した拡大図である。
【
図28】更なるスライダの摺動によりパレットが供給台上へと押送される状態を表した拡大図である。
【
図29】スライダの終端位置への摺動によりシーソロック部のロック及び第1ロック部のロックが解除された状態を表した拡大図である。
【
図30】シーソレールがロック解除により初期位置に戻される状態を表した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0029】
《第1の実施形態》
(搬送装置1の概略構成について)
始めに、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置1の構成について、
図1~
図30を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、以下の説明では、搬送装置1に設けられた主要なケーブルやバネ、滑車については、符号を付して説明するが、それ以外のケーブルやバネ、滑車については、詳細な図示及び符号を省略して説明することとする。また、以下の説明において、参照図にない符号は、
図1~
図30の各図を適宜参照するものとする。
【0030】
図1~
図3に示すように、本実施形態に係る搬送装置1は、ワークWを載せたパレットPAを供給台3と受取台4との間で自重によって搬送することが可能なからくりを備えた構成とされる。上記搬送装置1は、立体的な枠形状に組まれた装置本体2に対し、供給台3や受取台4等の各機構部品が組み付けられた構成とされる。
【0031】
ここで、本実施形態で用いられるワークWは、搬送装置1の横幅よりも長尺な横幅を有する自動車のバンパとされる。上記ワークW(バンパ)は、その左右両側部がU字状に湾曲した形状とされている。上記ワークWは、パレットPA上に寝かされた状態で置かれ、その左右両側部が、搬送装置1を左右に張り出した各位置で、垂れ下がり状に設けられるようになっている。
【0032】
一方、パレットPAは、供給台3の横幅に収まる平板状の部材から成り、その左右両縁部に、ワークWを浮かした状態で載置することのできる不図示のクッション材が設けられた構成とされる。なお、以下の説明では、便宜上、パレットPA及びワークWの形状を簡略化した形で表すこととする。ここで、上記パレットPAが、本発明の「搬送物」に相当する。
【0033】
上記搬送装置1は、具体的には、供給台3と、受取台4と、上段コンベヤ5と、下段コンベヤ6と、ガイドコンベヤ7と、を備える。更に、搬送装置1は、第1切替機構10と、第2切替機構20と、押送機構30と、を有する。
【0034】
供給台3は、
図4に示すように、作業者により供給用のワークW(及びパレットPA)をセットするための台である。受取台4は、
図5に示すように、供給台3から流されたワークW(及びパレットPA)を受け取るための台である。これら供給台3及び受取台4は、それらの上面に、左右方向の軸まわりに回転する複数のローラコンベヤが前後方向に面一状に並んで設けられた構成とされる。
【0035】
上段コンベヤ5は、上記供給台3と受取台4とを繋ぐ下り勾配のコンベヤである。下段コンベヤ6は、
図7に示すように、上段コンベヤ5の下方に設けられて、受取台4から折り返し状に返されたパレットPAを前方へと流す下り勾配のコンベヤである。ガイドコンベヤ7は、
図10に示すように、下段コンベヤ6と繋がれてパレットPAの流れを上り勾配へと切り換えるコンベヤである。これら上段コンベヤ5、下段コンベヤ6及びガイドコンベヤ7も、それらの上面に、左右方向の軸まわりに回転する複数のローラコンベヤが前後方向に面一状に並んで設けられた構成とされる。
【0036】
第1切替機構10は、供給台3の向きを上段コンベヤ5と繋がる向き(
図4参照:第1上段位置P1)とガイドコンベヤ7と繋がる向き(
図6参照:第1下段位置P2)とに切り替える機構である。第2切替機構20は、受取台4の向きを上段コンベヤ5と繋がる向き(
図5参照:第2上段位置Q1)と下段コンベヤ6と繋がる向き(
図7参照:第2下段位置Q2)とに切り替える機構である。押送機構30は、
図8~
図11に示すように、下段コンベヤ6へと流されたパレットPAをガイドコンベヤ7上へと乗り上がらせるための機構である。
【0037】
次に、上記搬送装置1を用いたワークW及びパレットPAの搬送作業の流れについて説明する。上記の搬送作業は、搬送装置1のワークW及びパレットPAの供給側となる前側と、受取側となる後側と、にそれぞれ作業者が1人ずつ割り当てられて行われる。具体的には、先ず、
図4に示すように、供給側(前側)に立つ作業者が、供給台3上にパレットPAを載置し、その上にワークWをセットする。
【0038】
次に、上記供給側に立つ作業者が、供給台3上のパレットPAを手で押して下流側へと流す。それにより、
図5に示すように、ワークWを載せたパレットPAが、自重により上段コンベヤ5上を下流側(後側)へと流されて、受取台4上へと搬送される。次に、
図6に示すように、供給側に立つ作業者が、その下部位置にある第1切替機構10の第1フットペダル13を足で踏み込む。それにより、供給台3が、下方に傾けられて、ガイドコンベヤ7と繋がる状態に切り替えられてロックされる。
【0039】
なお、上記の段階で、受取側に立つ作業者が、受取台4上に搬送されたパレットPA上からワークWを取り出しても良い。次に、
図7に示すように、受取側に立つ作業者が、その下部位置にある第2切替機構20の第2フットペダル23を足で踏み込む。それにより、受取台4が、下方に傾けられて、下段コンベヤ6と繋がる状態に切り替えられてロックされる。それにより、
図8に示すように、受取台4上のパレットPAが、自重により下段コンベヤ6上を下流側(前側)へと流されて、上り勾配のガイドコンベヤ7に突き当てられる勾配の変わり目となる位置まで搬送されてストックされる。
【0040】
併せて、上記第2フットペダル23の操作により、押送機構30のシーソレール31が、前側に向かって下り勾配となる向きに切り替えられてロックされる。それにより、押送機構30のスライダ32が、シーソレール31上を下流側(前側)へとスライドする。そして、上記スライドにより、スライダ32がシーソレール31の下流側(前側)の先端部に突き当てられると、押送機構30によるシーソレール31の下り勾配姿勢のロックと、第1切替機構10による供給台3の落ち込み姿勢のロックと、がそれぞれ外される。
【0041】
それにより、
図9に示すように、供給台3が、バネ付勢力により上方に持ち上げられて、上段コンベヤ5と繋がる初期位置の状態に戻される。また、シーソレール31が、自重により後側に向かって下り勾配となる向きに切り替えられる。それにより、スライダ32が、シーソレール31上を下流側(後側)へとスライドして、スライドする前の初期位置の状態に戻される。
【0042】
上記第2フットペダル23の操作によるスライダ32の下流側(前側)へのスライドは、
図10に示すように、次回の作業時、すなわち、パレットPAが下段コンベヤ6上にストックされている状態時に、同パレットPAを供給台3上へと乗り上がらせるものとして機能する。具体的には、スライダ32が下流側(前側)へとスライドすることにより、スライダ32の摺動体32A及び押送体32Bが、ストックされたパレットPAに後側から当たり、パレットPAを前方へと押し出す。
【0043】
それにより、パレットPAが、上り勾配のガイドコンベヤ7上に押し上げられて、供給台3上に乗り上がる。そして、その後に、スライダ32がシーソレール31の下流側(前側)の先端部に設けられたシーソロック部33に突き当てられると、シーソレール31の下り勾配姿勢のロックが解除される。それにより、供給台3が、
図11に示すようにバネ付勢力により上方に持ち上げられて、パレットPAが、初期状態に戻された供給台3上に載置された状態へと戻される。以上の手順の繰り返しにより、作業者がパレットPAを搬送装置1から取り出したり持ち上げてセットし直したりすることなく、重力作用や手動力により供給台3と受取台4との間で繰り返し循環させることができる。
【0044】
(第1切替機構10の構成について)
以下、搬送装置1の各部の具体的な構成について詳しく説明する。先ず、第1切替機構10の構成について、詳しく説明する。
図12~
図13に示すように、第1切替機構10は、第1回転軸11と、第1付勢部12と、第1フットペダル13と、第1昇降部14と、第1ロック部15と、操作ロック部16と、トリガ17と、解除操作部19と、を備える。ここで、第1回転軸11が、本発明の「横軸」に相当し、第1フットペダル13が、本発明の「第1操作部」に相当する。
【0045】
第1回転軸11は、供給台3を装置本体2に対して左右方向に延びる横軸まわりに回転可能なように連結する軸である。供給台3は、上記第1回転軸11を介した装置本体2への連結により、上段コンベヤ5と互いの搬送路が繋がる第1上段位置P1と、ガイドコンベヤ7と互いの搬送路が繋がる第1下段位置P2と、の間で高さ方向に揺動可能とされる。
【0046】
第1付勢部12は、供給台3と装置本体2との間に架け渡されている。上記第1付勢部12は、バネ付勢力によりワイヤを巻き取る巻取り装置から成り、供給台3に対して常時、上回転方向のバネ付勢力を作用させる構成とされる。上記バネ付勢力により、供給台3は、第1フットペダル13が踏み込まれる前の常時は、上段コンベヤ5と繋がる第1上段位置P1に保持された状態とされる。
【0047】
第1フットペダル13は、装置本体2の供給側(前側)の図示右下部に、前後方向に延びる第1ペダル軸13Aにより踏み込みによる回転操作が行えるように連結されている。第1昇降部14は、装置本体2の供給側(前側)の図示右下部に、上下方向の昇降のみが可能となるように連結されている。上記第1昇降部14は、その下部が第1フットペダル13と連結され、上部が供給台3と連結されている。
【0048】
それにより、第1昇降部14は、第1フットペダル13が踏み込まれる前の常時は、供給台3が第1上段位置P1に保持される力によって、装置本体2の下部位置に保持された状態とされる。上記第1昇降部14は、
図14に示すように、第1フットペダル13が作業者により踏み込まれることにより、装置本体2に沿って上方へと押し上げられる。それにより、第1昇降部14は、供給台3の第1回転軸11よりも前側の部位を上方へと押動して、供給台3を第1下段位置P2へと押し下げる。
【0049】
そして、第1昇降部14は、上記押し上げられた位置にて、装置本体2に設けられた第1ロック部15によりロックされる。それにより、供給台3が、第1下段位置P2に押し下げられた状態に保持される。第1ロック部15は、装置本体2に取り付けられたハウジング15Aと、ハウジング15Aに取り付けられたロック爪15Bと、から構成される。上記第1ロック部15は、ロック爪15Bが、第1昇降部14の昇降軌跡上に横から張り出す構成とされる。
【0050】
上記第1ロック部15は、第1昇降部14が下方から押し上げられた際には、ロック爪15Bが第1昇降部14との当たりを前後方向を軸とする上向きの回転によりかわす。そして、第1ロック部15は、第1昇降部14がロック爪15Bを上方に越えることにより、ロック爪15Bが第1昇降部14との当たりから外れて初期位置に復帰し、第1昇降部14を下方から支持する状態となる。それにより、第1ロック部15は、第1昇降部14の下降を規制したロック状態となる。
【0051】
上記第1ロック部15は、
図15に示すように、ハウジング15Aに繋がれた解除ケーブル15Cが操作されることにより、ハウジング15Aを支える不図示のリンクが屈曲し、ハウジング15Aが図示右方へと退けられる。それにより、ハウジング15Aに取り付けられたロック爪15Bが、第1昇降部14との当たりから外されて、第1昇降部14のロック状態を解除する。上記解除ケーブル15Cは、詳しくは
図29で後述するが、スライダ32がシーソレール31の終端位置へと摺動することにより、スライダ32により押し込まれて牽引操作される部材とされる。
【0052】
図12に示すように、上記第1フットペダル13は、常時は、装置本体2の供給側(前側)の図示左部に設けられた操作ロック部16により、踏み込み操作がロックされた状態とされる。上記第1フットペダル13のロック状態は、
図5に示すように、ワークWを載せたパレットPAが上段コンベヤ5上を流れる動作によって、上段コンベヤ5上に設けられたトリガ17が押動されることにより解除される。
【0053】
具体的には、
図16に示すように、操作ロック部16は、ロックパイプ16Aと、解除保持プレート16Bと、引張バネ16Cと、から構成される。ロックパイプ16Aは、前後方向に延びる円管状の部材から成り、装置本体2に対して前後方向の摺動のみが可能となるように連結されている。解除保持プレート16Bは、左右方向に延びる平板状の部材から成り、装置本体2に対して前後方向に延びる軸まわりに回転可能なように連結されている。
【0054】
上記解除保持プレート16Bは、常時は、重力作用により、その平板部がロックパイプ16A上に落とされて当てられた状態として保持される。引張バネ16Cは、ロックパイプ16Aと装置本体2との間に架け渡され、ロックパイプ16Aに対して常時、後側に引き込む方向のバネ付勢力を作用させる構成とされる。
【0055】
上記バネ付勢力により、ロックパイプ16Aは、常時は、装置本体2に対して後方に引き込まれた位置に保持された状態とされる。上記ロックパイプ16Aは、上記後方に引き込まれた状態では、供給台3の一部に下方から当てられるように張り出す状態とされる。したがって、上記の状態では、供給台3が第1フットペダル13の踏み込み操作によって押し下げられようとしても、ロックパイプ16Aとの当たりにより規制される。それにより、第1フットペダル13の踏み込み操作が規制される。
【0056】
上記操作ロック部16は、
図17に示すように、ロックパイプ16Aに繋がれた不図示のケーブルが操作されることにより、ロックパイプ16Aが引張バネ16Cのバネ付勢力に抗して前方へと引き込まれる。それにより、解除保持プレート16Bが、ロックパイプ16Aの前後方向の中間部に形成された凹状の段差部16A1内に重力作用により落とし込まれる。その結果、ロックパイプ16Aが、前方に引き込まれた位置でロックされた状態となる。
【0057】
上記のようにロックパイプ16Aが前方に引き込まれた状態では、ロックパイプ16Aは、第1フットペダル13の踏み込み操作による供給台3の移動を阻害しない状態となる。すなわち、第1フットペダル13のロック状態が解除された状態となる。したがって、
図18に示すように、第1フットペダル13の踏み込み操作によって、供給台3を第1下段位置P2へと押し下げることができる。
【0058】
上記解除保持プレート16Bによるロックパイプ16Aの位置保持状態は、
図19に示すように、供給台3が押し下げ位置から引き上げられる動作によって解除される。具体的には、供給台3が押し下げ位置から引き上げられることにより、供給台3に設けられた上下方向に延びる解除操作棒18が解除保持プレート16Bに下方から突き当てられて、解除保持プレート16Bをロックパイプ16Aの段差部16A1から上方へと引き離す。それにより、ロックパイプ16Aが引張バネ16Cのバネ付勢力により再び後方へと引き込まれて、供給台3の下方移動を規制した状態に戻される。
【0059】
上記解除操作棒18は、その下端部が、供給台3に対して、前後方向に延びる支軸18Aにより回転可能なように連結されている。そして、解除操作棒18は、供給台3との間に架け渡された不図示のバネの付勢力により、常時は、供給台3に対して起立した姿勢に位置保持された状態とされる。
【0060】
上記解除操作棒18は、
図18に示すように、供給台3が押し下げられる動作時には、解除保持プレート16Bに前方から当てられる配置とされる。しかし、解除操作棒18は、上記解除保持プレート16Bとの当たりを支軸18Aまわりの前回転により逃がしながら、解除保持プレート16Bの直下位置に潜り込むようになっている。それにより、解除操作棒18は、
図19に示すように、供給台3が押し下げ位置から引き上げられる動作によって、解除保持プレート16Bに下側から突き当てられて、解除保持プレート16Bを上方に押し出すようになっている。
【0061】
ところで、前述したロックパイプ16Aを前方に引き込む不図示のケーブルは、その他端が、
図12に示すトリガ17と繋がれている。それにより、上記不図示のケーブルは、
図5に示すように、ワークWを載せたパレットPAが上段コンベヤ5上を流れてトリガ17が押動されることにより、トリガ17により牽引操作されるようになっている。上記トリガ17は、装置本体2に対して、左右方向に延びるトリガ軸17Aにより回転可能なように連結されている。
【0062】
上記トリガ17は、装置本体2との間に架け渡された不図示のバネの付勢力により、常時は、上段コンベヤ5より上方に起立した姿勢に位置保持された状態とされる。上記トリガ17は、ワークWを載せたパレットPAが上段コンベヤ5上を流れることにより、同パレットPAにより押動されて、後方側に倒される。それにより、トリガ17は、不図示のケーブルを牽引操作する。
【0063】
また、
図12に示すように、装置本体2の供給側(前側)の図示左部には、上下方向に延びる丸棒状の解除操作部19が設けられている。上記解除操作部19は、供給側に立つ作業者が所望時にトリガ17を遠隔で操作することのできる非常用の操作部材とされる。具体的には、解除操作部19は、前述したトリガ17とロックパイプ16Aとを繋ぐ不図示のケーブルと繋がれている。上記解除操作部19は、作業者が前方に引張るように操作することで、
図19で前述したようにトリガ17が押動された時と同じようにロックパイプ16Aを前方に引き込むようになっている。
【0064】
上記解除操作部19は、
図12に示すように、その下端部が、装置本体2に対して、左右方向に延びる解除操作軸19Aにより、回転可能なように連結されている。上記解除操作部19は、装置本体2との間に架け渡された不図示のバネの付勢力により、常時は、上方に起立した姿勢に位置保持された状態とされる。上記解除操作部19は、作業者がこれを前方に引き込むように操作することで、不図示のケーブルを牽引操作し、
図19で前述したロックパイプ16Aを前方に引き込む。
【0065】
上記解除操作部19が設けられていることにより、
図5に示すようにパレットPAを供給台3から流した際にトリガ17が何らかの理由で正常に動作しなかったり、パレットPAを供給台3以外の箇所から流し始めたかったりするなどのイレギュラな場合に、作業者が解除操作部19を操作するのみで簡便に第1フットペダル13のロックを解除することができる。
【0066】
図1を参照して、前述した第1昇降部14には、不図示のケーブルを介して
図20に示す押送機構30のスライドストッパ34が連結されている。上記スライドストッパ34は、上下方向に延びる丸棒状の部材から成る。上記スライドストッパ34は、その上端部が、装置本体2に対して、前後方向に延びるストッパ軸34Aにより回転可能なように連結されている。上記スライドストッパ34は、常時は、重力作用により垂下した状態に保持される構成とされる。
【0067】
上記スライドストッパ34は、
図14で前述したように第1フットペダル13の操作によって第1昇降部14が上昇することにより、
図21に示すように、不図示のケーブルを介して図示右側へ引かれるように操作される。それにより、スライドストッパ34は、後述するスライダ32のロック状態を解除する。
【0068】
(第2切替機構20の構成について)
続いて、第2切替機構20の構成について、詳しく説明する。
図22~
図23に示すように、第2切替機構20は、第2回転軸21と、第2付勢部22と、第2フットペダル23と、左右一対の第2昇降部24と、支承部25と、堰止めストッパ26と、を備える。ここで、第2回転軸21が、本発明の「横軸」に相当し、第2フットペダル23が、本発明の「第2操作部」に相当する。
【0069】
第2回転軸21は、受取台4を装置本体2に対して左右方向に延びる横軸まわりに回転可能なように連結する軸である。受取台4は、上記第2回転軸21を介した装置本体2への連結により、上段コンベヤ5と互いの搬送路が繋がる第2上段位置Q1と、下段コンベヤ6と互いの搬送路が繋がる第2下段位置Q2と、の間で高さ方向に揺動可能とされる。
【0070】
第2付勢部22は、受取台4と装置本体2との間に架け渡されている。上記第2付勢部22は、受取台4と装置本体2との間に不図示のケーブルを介して吊り下げられたウェイトや不図示のバネから成り、受取台4に対して常時、上回転方向の付勢力を作用させる構成とされる。上記付勢力により、受取台4は、第2フットペダル23が踏み込まれる前の常時は、上段コンベヤ5と繋がる第2上段位置Q1に保持された状態とされる。
【0071】
第2フットペダル23は、装置本体2の受取側(後側)の図示中央下部に、左右方向に延びる第2ペダル軸23Aにより踏み込みによる回転操作が行える状態に連結されている。そして、受取台4は、上記第2フットペダル23に対して、不図示の連結機構を介して踏み込みによる回転動作に連動することができるように連結されている。上記構成により、受取台4は、
図24に示すように、第2フットペダル23が作業者により踏み込まれることにより、不図示のケーブルを介して第2回転軸21のまわりに下方に引き込まれ、下段コンベヤ6と繋がる第2下段位置Q2に切り替えられる。
【0072】
図22~
図23に示すように、左右一対の第2昇降部24は、それぞれ、側面視枠状に組まれた構成とされている。各第2昇降部24は、装置本体2の受取側(後側)の左右両側部に、それぞれ、上下方向の昇降のみが可能となるように連結されている。各第2昇降部24は、それぞれが、不図示のケーブルを介して第2フットペダル23と連結されている。
【0073】
それにより、各第2昇降部24は、第2フットペダル23が踏み込まれる前の常時は、各々の重力作用により、装置本体2の左右両側部の下部位置に保持された状態とされる。その状態では、各第2昇降部24は、それらの上縁部に設けられた前後方向に立板状に延びるワーク持ち上げ部24Aが、受取台4の上面(ローラコンベヤの上面)より低い位置にある状態とされる。
【0074】
上記各第2昇降部24は、
図24に示すように、第2フットペダル23が作業者により踏み込まれることにより、不図示のケーブルを介して装置本体2の左右両側部に沿って上方へと引き上げられる。それにより、各第2昇降部24は、それらの上縁部のワーク持ち上げ部24Aが、受取台4の上面(ローラコンベヤの上面)よりも高い位置へと引き上げられる。上記引き上げにより、各第2昇降部24は、受取台4の上面のパレットPA上にワークWが残された状態で第2フットペダル23が操作されても、ワークWを残してパレットPAだけを下流側へと流せるようになっている。
【0075】
そして、各第2昇降部24は、上記引き上げられた各位置にて、装置本体2の左右両側部に設けられた各支承部25により下方から支えられた状態となる。それにより、各第2昇降部24が、ワークWをパレットPAから適切に持ち上げて保持できるようになっている。各支承部25は、
図14~
図15で前述した第1ロック部15と同様の構成となっている。
【0076】
すなわち、各支承部25は、
図24に示すように、各第2昇降部24が第2フットペダル23の操作によって下方から引き上げられる際には、各第2昇降部24との当たりを回転によりかわす。そして、各支承部25は、各第2昇降部24がこれらを上方に越えることで、各第2昇降部24を下方から支持する状態となる。なお、各支承部25は、第2フットペダル23の操作が戻される動きにより、各第2昇降部24の支持状態を解除し、各第2昇降部24を自重により初期位置へと落とし込むようになっている。
【0077】
堰止めストッパ26は、装置本体2における上段コンベヤ5の下流領域(受取台4よりも上流側の領域)に、左右方向に延びる堰止め軸26Aのまわりに回転可能なように連結されている。上記堰止めストッパ26は、
図23に示すように、第2フットペダル23が踏み込まれる前の常時は、上段コンベヤ5の上面(ローラコンベヤの上面)よりも低い位置にある状態とされる。
【0078】
上記堰止めストッパ26は、
図24に示すように、第2フットペダル23が踏み込まれることにより、不図示のケーブルを介して上段コンベヤ5の上面より高い位置へと引き上げられる。それにより、堰止めストッパ26は、第2フットペダル23が踏み込まれた状態、すなわち受取台4が下段コンベヤ6と繋がる第2下段位置Q2に落とされた状態では、上段コンベヤ5上に次のワークWを載せたパレットPAが流されたとしても、これを受取台4よりも上流側の位置で堰き止められるようになっている。
【0079】
(押送機構30の構成について)
続いて、押送機構30の構成について、詳しく説明する。
図3に示すように、押送機構30は、シーソレール31と、スライダ32と、シーソロック部33と、スライドストッパ34と、を備える。
【0080】
シーソレール31は、
図22~
図23に示すように、装置本体2の下段コンベヤ6よりも低い位置に設けられている。上記シーソレール31は、前後方向に長尺な左右一対のレール構造を備えた構成とされる。上記シーソレール31は、装置本体2に対し、その前後方向の中間部が、左右方向に延びるシーソ軸31Aにより回転可能なように連結されている。また、シーソレール31は、そのシーソ軸31Aよりも後側の部分が、連結部31Bにより、第2フットペダル23の第2ペダル軸23Aよりも前側の部分と連結されている。
【0081】
上記シーソレール31は、第2フットペダル23が踏み込まれる前の常時は、装置本体2との間に架け渡された不図示のバネの付勢力により、シーソ軸31Aのまわりに後下がり状に傾斜した姿勢に位置保持された状態とされる。上記シーソレール31は、
図24に示すように、第2フットペダル23が作業者により踏み込まれることにより、第2フットペダル23により押し上げられる形で、シーソ軸31Aのまわりに前下がり状に傾斜した姿勢に切り替えられる。
【0082】
そして、シーソレール31は、上記前下がり状に傾斜する動作に併せて、その
図25に示す前端部分31Cが、
図26に示すように、装置本体2との間に設けられたシーソロック部33に引掛けられてロックされる。上記シーソロック部33は、具体的には次のように構成されている。
【0083】
すなわち、先ず、シーソレール31は、その前端部分31Cが、本体部分31Dに対して、前後方向の摺動のみが可能となるように連結された構成とされる。そして、上記シーソレール31の前端部分31Cと本体部分31Dとの間には、引張バネ33Bが架け渡されている。上記構成により、シーソレール31は、
図25に示すように、前上がり状に傾斜した姿勢とされる常時は、その前端部分31Cが引張バネ33Bの付勢力により後方に引き込まれた状態に保持されるようになっている。
【0084】
上記シーソレール31は、
図26に示すように、前下がり状に傾けられる動作により、上記前端部分31Cが、装置本体2に設けられた掛止部33C(滑車)に上方から当てられて、その反力により前方に押し出される。そして、シーソレール31は、更なる前下がり状の傾斜によって、その前端部分31Cが掛止部33C(滑車)を下方に越えると、上記前端部分31Cが引張バネ33Bの付勢力によって後方に引き込まれて掛止部33C(滑車)の下方に潜り込んだロック状態となる。
【0085】
それにより、シーソレール31が、上記前下がり状に傾斜した姿勢にロックされた状態となる。上記のロック状態は、
図29に示すように、後述するスライダ32の摺動体32Aがシーソレール31上を前方へとスライドして、その前端部分31Cに設けられた受圧棒33Aが摺動体32Aにより前方へと押し込まれることで、解除される。具体的には、受圧棒33Aが摺動体32Aにより前方へと押し出されることで、前端部分31Cが掛止部33C(滑車)の下方に潜り込んだ状態から前方へと外される。それにより、シーソレール31が、
図30に示すように、再び、前上がり状に傾斜した姿勢へと戻される。
【0086】
図22~
図23に示すように、スライダ32は、上記シーソレール31に対してシーソレール31の長手方向の摺動のみが可能となるように個別に連結された摺動体32Aと押送体32Bとを備える。上記摺動体32Aは、押送体32Bの後方に設けられ、自重によりシーソレール31の傾き方向(前後方向)に摺動するように構成されている。上記摺動体32Aは、第2フットペダル23が踏み込まれる前の常時は、シーソレール31が後下がり状に傾斜した姿勢に位置保持されていることにより、シーソレール31の可動領域の後端部に位置する状態とされる。
【0087】
上記摺動体32Aは、
図24に示すように、第2フットペダル23が作業者により踏み込まれてシーソレール31が前下がり状に傾斜した姿勢に切り替えられることで、自重により前方に摺動するよう付勢された状態に切り替えられる。その際、摺動体32Aは、
図20~
図21で前述したスライドストッパ34が第1フットペダル13の操作によってロック解除されている場合には、自重によりシーソレール31に沿って前下がり方向に摺動する。
【0088】
しかし、摺動体32Aは、
図20で前述したスライドストッパ34がロック解除されていない場合には、スライドストッパ34との当接により前下がり方向への摺動が規制される。したがって、その場合には、シーソレール31が前下がり状に傾斜した姿勢に切り替えられても、摺動体32Aがシーソレール31の後端部に位置する状態に保持される。しかし、摺動体32Aは、その後に第1フットペダル13が操作されることで、自重により前下がり方向に摺動することのできる状態となる。
【0089】
上記摺動体32Aは、
図27に示すように、前下がり状に傾斜したシーソレール31に沿って前下がり方向へ摺動することにより、押送体32Bに後ろから当てられて押送体32Bを前方へと押動する。更に、摺動体32Aは、その左右両側部に立設された押圧棒32A1を、下段コンベヤ6上にストックされたパレットPAに後方から押し当てる。そして、上記摺動体32Aは、更なる前方への摺動により、押圧棒32A1によりパレットPAをガイドコンベヤ7上へと押送する。
【0090】
押送体32Bは、
図27に示すように、上記摺動体32Aにより後側から押動されることにより、摺動体32Aと共に前下がり方向に摺動し、その左右両側部に立設された伸縮棒32B1を、先に摺動体32Aの押圧棒32A1により途中位置まで押送されたパレットPAに後方から押し当てる。そして、上記押送体32Bは、更なる前方への摺動により、
図28に示すように、伸縮棒32B1を上方へと伸長させながら上記パレットPAを伸縮棒32B1によりガイドコンベヤ7上へと押送して、供給台3上へと乗り上がらせる。
【0091】
ここで、上記押送体32Bは、
図24に示すように、その左右両側部の伸縮棒32B1と装置本体2とが不図示のケーブルを介して繋がれた構成とされる。上記伸縮棒32B1は、押送体32Bに対して、上下方向の摺動のみが可能となるように連結されている。そして、上記伸縮棒32B1と装置本体2とを繋ぐケーブルの配索経路には、ケーブルに牽引操作方向の付勢力を作用させる不図示のバネが介設されている。
【0092】
上記不図示のバネにより、伸縮棒32B1は、押送体32Bに対して重力作用と共に下方に引き込まれるように付勢されている。そして、上記不図示のバネは、伸縮棒32B1が下方に引き込まれた後の押送体32Bを装置本体2における初期位置へ向けて後方に引き込む力を作用させるようになっている。それにより、押送体32Bは、シーソレール31の傾きによらず、スライダ32によって後方から押圧される前の常時は、シーソレール31における前後方向の中間部に位置保持された状態とされる。
【0093】
上記押送体32Bは、
図24に示すように、第2フットペダル23が作業者により踏み込まれてシーソレール31が前下がり状に傾斜し、それによりスライダ32が前方へと摺動することで、スライダ32と当接し、前方へと押動される。それにより、
図27に示すように、押送体32Bは、前方への押動と共に、不図示のケーブルの操作により伸縮棒32B1を上方へと伸長させて、伸縮棒32B1を下段コンベヤ6上にストックされたパレットPAに後方から押し当てる。
【0094】
そして、押送体32Bは、更なる前方への摺動により、
図28に示すように、上記パレットPAを下段コンベヤ6上からガイドコンベヤ7上へと押送して、供給台3上に乗り上がらせる。そして、上記押送の後、
図29に示すように、摺動体32Aがシーソレール31の前端部分31Cに設けられた受圧棒33Aに押し込まれることにより、シーソレール31のロックが外される。また、その際、上記摺動体32Aは、装置本体2に設けられた解除ケーブル15Cにも押し込まれて解除ケーブル15Cを牽引操作するようになっている。
【0095】
上記解除ケーブル15Cの牽引操作により、
図15で前述した第1ロック部15による第1昇降部14のロックも外される。したがって、
図30に示すように、シーソレール31が後下がり状に傾斜した姿勢に戻されると共に、供給台3が第1上段位置P1へと戻されて、同供給台3上にパレットPAが戻された状態となる。また、上記シーソレール31が後下がり状に傾斜した姿勢に戻されることで、スライダ32を構成する摺動体32A及び押送体32Bがそれぞれ初期位置に戻される。
【0096】
また、
図24で前述した第2フットペダル23も、
図23に示すように踏み込まれる前の初期状態に戻される。それにより、受取台4が第2上段位置Q1に戻されると共に、各第2昇降部24も下方に落とされた状態に戻される。更に、堰止めストッパ26も下方に落とされた状態に戻される。また、
図12~
図13に示すように、第1フットペダル13も踏み込まれる前の初期状態に戻される。
【0097】
また、上記供給台3が第1上段位置P1に戻される動作によって、
図17で前述した操作ロック部16がロック解除される。したがって、第1フットペダル13が、再び踏み込み操作をロックされた状態に戻される。すなわち、搬送装置1が、
図4で前述した供給台3上にパレットPAがセットされた最初の状態に戻された状態となる。
【0098】
なお、
図10で前述した下段コンベヤ6上にストックされるパレットPAの数や、
図24で前述した堰止めストッパ26により堰き止めるパレットPAの数は、特に限定されない。下段コンベヤ6の長さや上段コンベヤ5の長さに応じて、2枚以上ストックされたり堰き止められたりするようになっていても良い。
【0099】
(まとめ)
以上をまとめると、本実施形態に係る搬送装置1は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0100】
すなわち、搬送装置(1)は、搬送物(PA)を上流側の供給台(3)上から下流側の受取台(4)上へと自重によって流す下り勾配の上段コンベヤ(5)と、上段コンベヤ(5)の下方に設けられ受取台(4)上に供給された搬送物(PA)を自重によって折り返し状に流す下り勾配の下段コンベヤ(6)と、を有する。この搬送装置(1)は、第1切替機構(10)と、第2切替機構(20)と、押送機構(30)と、を有する。
【0101】
第1切替機構(10)は、供給台(3)を横軸(11)まわりの回転により、上段コンベヤ(5)と接続される第1上段位置(P1)と、下段コンベヤ(6)と接続される第1下段位置(P2)と、に切り替える。第1切替機構(10)は、付勢により供給台(3)を第1上段位置(P1)に保持する第1付勢部(12)と、使用者の操作により供給台(3)を第1下段位置(P2)へと落とし込む第1操作部(13)と、この落とし込みにより供給台(3)を第1下段位置(P2)にロックする第1ロック部(15)と、を有する。
【0102】
第2切替機構(20)は、受取台(4)を横軸(21)まわりの回転により、上段コンベヤ(5)と接続される第2上段位置(Q1)と、下段コンベヤ(6)と接続される第2下段位置(Q2)と、に切り替える。第2切替機構(20)は、付勢により受取台(4)を第2上段位置(Q1)に保持する第2付勢部(22)と、使用者の操作により受取台(4)を第2下段位置(Q2)へと落とし込む第2操作部(23)と、を有する。
【0103】
押送機構(30)は、受取台(4)の落とし込みにより、下段コンベヤ(6)上に流された搬送物(PA)を、第1下段位置(P2)にある供給台(3)上に乗り上がらせる。押送機構(30)は、シーソレール(31)と、スライダ(32)と、を有する。シーソレール(31)は、付勢により下段コンベヤ(6)の下流側に向けて上り勾配となり、第2操作部(23)の操作により下り勾配へと切り替わる。スライダ(32)は、シーソレール(31)に対し傾き方向に摺動可能なように設けられ、シーソレール(31)が下り勾配となることで自重により下流側へと流れて下段コンベヤ(6)上にある搬送物(PA)を供給台(3)上へと押し出す。
【0104】
スライダ(32)が、下り勾配となったシーソレール(31)上を所定の下流位置まで流れることにより、第1ロック部(15)がスライダ(32)に押動されて解除される。この解除により、搬送物(PA)を乗せた供給台(3)が付勢により第1下段位置(P2)から第1上段位置(P1)へと戻される。
【0105】
上記構成によれば、使用者が、次の手順により、搬送物(PA)を供給台(3)と受取台(4)との間で適切に折り返し搬送することができる。先ず、使用者が、上流側の供給台(3)上から上段コンベヤ(5)に搬送物(PA)を流して下流側の受取台(4)へと流す。次に、使用者が、第1操作部(13)を操作して、供給台(3)を下段コンベヤ(6)との接続状態に切り替える。次に、使用者が、第2操作部(23)を操作して、受取台(4)を下段コンベヤ(6)との接続状態に切り替え、受取台(4)上から下段コンベヤ(6)に搬送物(PA)を流す。
【0106】
上記操作により、スライダ(32)が、下り勾配となったシーソレール(31)上を下流側へと流れて、下段コンベヤ(6)上の搬送物(PA)を、下段コンベヤ(6)と接続状態にある供給台(3)上へと押し出す。そして、スライダ(32)が所定の下流位置へと流れることで、第1ロック部(15)のロックが解除されて、搬送物(PA)を乗せた供給台(3)が付勢により上段コンベヤ(5)との接続状態に戻される。以上のように、搬送物(PA)を供給台(3)と受取台(4)との間で動力なしに適切に折り返し搬送することができる。
【0107】
また、押送機構(30)が、更に、シーソレール(31)を下り勾配に切り替えられた位置にロックし、スライダ(32)が所定の下流位置まで流れることにより第1ロック部(15)と共にスライダ(32)に押動されてロックが解除されるシーソロック部(33)を有する。上記構成によれば、使用者が第2操作部(23)を一旦操作することで、シーソレール(31)を下り勾配に切り替えた状態にロックすることができる。したがって、使用者が第2操作部(23)を操作し続けることなく、スライダ(32)を下流側へと流すことができる。また、スライダ(32)が所定の下流位置へと流れることで、上記のロックを自動的に解除することができる。
【0108】
また、押送機構(30)が、更に、スライダ(32)をシーソレール(31)上における所定の上流位置に堰き止め、第1操作部(13)の操作により堰き止めが解除されるスライドストッパ(34)を有する。上記構成によれば、第1操作部(13)が操作された後でないと、第2操作部(23)が操作されてもスライダ(32)がシーソレール(31)上を下流側へと流れないように堰き止めることができる。したがって、下段コンベヤ(6)上の搬送物(PA)がスライダ(32)によって押し出されても供給台(3)上に乗り上がらない、といった誤作動を防止することができる。
【0109】
また、搬送装置(1)が、更に、下段コンベヤ(6)上に流された搬送物(PA)を、スライダ(32)の下流側への流れによって、第1下段位置(P2)にある供給台(3)上へと乗り上がらせるようにガイドする上り勾配のガイドコンベヤ(7)を有する。ガイドコンベヤ(7)が、下段コンベヤ(6)上に流された搬送物(PA)を勾配の変わり目に当ててストックする構成とされる。上記構成によれば、ガイドコンベヤ(7)によって、下段コンベヤ(6)上の搬送物(PA)を適切に供給台(3)上に乗り上がらせることができる。また、搬送物(PA)を下段コンベヤ(6)上に合理的にストックすることができる。
【0110】
また、第1切替機構(10)が、更に、付勢により第1操作部(13)の操作をロックする操作ロック部(16)と、上段コンベヤ(5)上を流れる搬送物(PA)により押し動かされて操作ロック部(16)のロックを解除するトリガ(17)と、を有する。上記構成によれば、搬送物(PA)が供給台(3)から受取台(4)へと1つ流された後に、供給台(3)が第1下段位置(P2)に落とされて下段コンベヤ(6)から搬送物(PA)を1つ受け取る流れとなるように、動作順序の崩れを防止することができる。
【0111】
また、第1切替機構(10)が、更に、トリガ(17)とは別に、使用者の操作により操作ロック部(16)のロックを解除する手動式の解除操作部(19)を有する。上記構成によれば、搬送物(PA)を途中から流すなどのイレギュラな使用をする場合でも、解除操作部(19)の操作により、動作順序の崩れを補正することができる。
【0112】
また、供給台(3)上から上段コンベヤ(5)を通って受取台(4)上へと流される搬送物(PA)が、ワーク(W)を載せた実入りのパレット(PA)とされ、受取台(4)上から下段コンベヤ(6)を通って供給台(3)上へと戻される搬送物(PA)が、受取台(4)においてワーク(W)が取り出された空のパレット(PA)とされる。上記構成によれば、上段コンベヤ(5)に実入りのパレット(PA)が流され、下段コンベヤ(6)に空のパレット(PA)が流される構成となるため、装置全体の大型化を抑制することができる。
【0113】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0114】
1.搬送物は、部品箱やワーク等のパレット以外の物であっても良い。また、搬送物は、供給台から上段コンベヤを通って受取台上へと流されるものが空のパレットや部品箱とされ、受取台上から下段コンベヤを通って供給台上へと戻される搬送物が、実入りのパレットや部品箱とされる構成であっても良い。
【0115】
2.押送機構は、シーソロック部を備えない構成であっても良い。但しその場合には、使用者が第2操作部の操作状態を保持しないと、スライダを下流側へと流すことができないことに留意が必要である。また、押送機構は、スライドストッパを備えない構成であっても良い。但しその場合には、第2操作部の操作と共にスライダの下流側へ向けた摺動が始まるため、その前の段階で第1操作部の操作により供給台を第1下段位置に切り替えておく必要があることに留意が必要である。
【0116】
3.シーソレールは、第2操作部の操作前の状態において、バネ付勢ではなく、自重により下流側に向けて上り勾配となる姿勢に保持される構成であっても良い。
【0117】
4.第1切替機構は、操作ロック部を備えない構成であっても良い。但しその場合には、使用者が第1操作部の操作状態を保持しないと、供給台を第1下段位置に切り換えた状態に保持することができないことに留意が必要である。また、第1切替機構は、解除操作部を備えず、トリガの検知動作のみで操作ロック部のロックを解除する構成とされたものであっても良い。
【0118】
5.第1操作部及び第2操作部は、フットペダルの他、回転操作式やスライド操作式のレバーや押しボタン等の他の操作タイプの構成であっても良い。
【0119】
6.供給台及び受取台の、上段コンベヤ或いは下段コンベヤとの「接続」とは、直接的な接続或いはガイドコンベヤ等の介設部材を介した間接的な接続を含む意味である。したがって、供給台は、第1下段位置に切り替えられた際に、ガイドコンベヤを介することなく、下段コンベヤと直接的に接続されるものであっても良い。但し、その場合には、下段コンベヤに流された搬送物を途中位置でストックするためには別の係止部材を設ける必要がある。
【符号の説明】
【0120】
1 搬送装置
2 装置本体
3 供給台
4 受取台
5 上段コンベヤ
6 下段コンベヤ
7 ガイドコンベヤ
10 第1切替機構
11 第1回転軸(横軸)
12 第1付勢部
13 第1フットペダル(第1操作部)
13A 第1ペダル軸
14 第1昇降部
15 第1ロック部
15A ハウジング
15B ロック爪
15C 解除ケーブル
16 操作ロック部
16A ロックパイプ
16A1 段差部
16B 解除保持プレート
16C 引張バネ
17 トリガ
17A トリガ軸
18 解除操作棒
18A 支軸
19 解除操作部
19A 解除操作軸
20 第2切替機構
21 第2回転軸(横軸)
22 第2付勢部
23 第2フットペダル(第2操作部)
23A 第2ペダル軸
24 第2昇降部
24A ワーク持ち上げ部
25 支承部
26 堰止めストッパ
26A 堰止め軸
30 押送機構
31 シーソレール
31A シーソ軸
31B 連結部
31C 前端部分
31D 本体部分
32 スライダ
32A 摺動体
32A1 押圧棒
32B 押送体
32B1 伸縮棒
33 シーソロック部
33A 受圧棒
33B 引張バネ
33C 掛止部
34 スライドストッパ
34A ストッパ軸
P1 第1上段位置
P2 第1下段位置
Q1 第2上段位置
Q2 第2下段位置
PA パレット(搬送物)
W ワーク