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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/14 20060101AFI20230912BHJP
   B60L 58/40 20190101ALI20230912BHJP
   B60L 58/15 20190101ALI20230912BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20230912BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20230912BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20230912BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20230912BHJP
【FI】
B60L7/14
B60L58/40
B60L58/15
H01M8/00 Z
H01M8/00 A
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/04313
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020090026
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021184681
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高崎 明日香
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-204505(JP,A)
【文献】特開2006-025495(JP,A)
【文献】特開2004-180461(JP,A)
【文献】特開2017-135860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 7/14
B60L 58/40
B60L 58/15
H01M 8/00
H01M 8/04537
H01M 8/04858
H01M 8/04313
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、
前記発電機による発電電力を蓄えるバッテリと、
前記バッテリからの放電電力によって車輪を駆動するとともに、前記バッテリへ回生電力を供給することによって前記車輪を制動する走行用のモータジェネレータと、
少なくとも一つの補機と、
前記バッテリの充電余力が所定のレベルを下回るときに、前記回生電力の少なくとも一部を余剰電力として、前記少なくとも一つの補機によって消費する余剰電力消費制御を実行可能な制御装置と、を備える車両であって、
前記余剰電力消費制御は、
前記車両の速度である車速を検出する処理と、
前記余剰電力と前記車速とに基づいて、前記少なくとも一つの補機が消費すべき電力値を示す消費要求値と、前記発電機が発電すべき電力値を示す発電要求値とを設定する処理と、を含み、
前記車速が第1速度を下回るときに、前記消費要求値は、前記余剰電力よりも大きな値に設定され、前記発電要求値は、前記消費要求値と前記余剰電力との差分に応じて設定され、
前記車速が前記第1速度を上回るときに、前記消費要求値は、前記余剰電力と等しい値に設定され、前記発電要求値は、ゼロに設定される、
車両。
【請求項2】
前記車速が前記第1速度と等しいときに、前記消費要求値は、前記余剰電力よりも大きな値に設定され、前記発電要求値は、前記消費要求値と前記余剰電力との差分に応じて設定される、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記消費要求値に設定される、前記余剰電力よりも大きな値は、予め定められた固定値である、請求項1又は2に記載の車両。
【請求項4】
前記余剰電力消費制御は、前記車速に基づいて、前記バッテリが放電すべき電力値を示す放電要求値を設定する処理をさらに含み、
前記車速が第2速度を下回るときに、前記放電要求値はゼロでない値に設定されるとともに、前記消費要求値及び前記発電要求値を設定する処理では、設定された前記放電要求値が前記余剰電力に加算される、請求項1からのいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記車速が前記第2速度を上回るときに、前記放電要求値はゼロに設定される、請求項に記載の車両。
【請求項6】
前記車速が前記第2速度と等しいときに、前記放電要求値はゼロでない値に設定されるとともに、前記消費要求値及び前記発電要求値を設定する処理において、設定された前記放電要求値が前記余剰電力に加算される、請求項又はに記載の車両。
【請求項7】
前記放電要求値に設定される前記ゼロでない値は、前記余剰電力の値に応じて決定される、請求項からのいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
前記余剰電力消費制御は、前記車速が前記第2速度を下回るときに、前記バッテリに対して設定されている放電電力の上限値を、一時的に緩和する処理をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の車両。
【請求項9】
前記第1速度は、前記第2速度よりも大きい、請求項からのいずれか一項に記載の車両。
【請求項10】
前記発電機は、燃料電池である、請求項1からのいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、走行用のモータジェネレータを有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
引用文献1に、車両が開示されている。この車両は、燃料電池車であって、発電機である燃料電池と、燃料電池による発電電力を蓄えるバッテリと、バッテリからの放電電力によって車輪を駆動する走行用のモータジェネレータとを備える。モータジェネレータはさらに、バッテリへ回生電力を供給することによって、車輪を制動するように構成されている。以下、走行用のモータジェネレータを、単に走行用モータと称することがある。
【0003】
バッテリが満充電の状態になると、走行用モータによる回生電力を、バッテリに蓄電することができなくなる。即ち、車両を回生制動することができなくなる。このような状況を避けるために、従来の車両では、バッテリの充電余力が所定のレベルを下回るときに、回生電力の少なくとも一部を余剰電力として、複数の補機によって消費することが行われている。以下、このような補機を利用して余剰電力を消費する制御処理を、余剰電力消費制御と称する。
【0004】
余剰電力消費制御では、先ず、走行用モータや補機による電力需給に基づいて、余剰電力が決定される。次いで、決定された余剰電力に基づいて、補機に対する消費電力の要求値が設定される。そして、設定された要求値に基づいて、一又は複数の補機を特別に動作させる(即ち、本来の機能を発揮する目的ではなく、余剰電力消費制御のために動作させる)ことにより、余剰電力を消費することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-161688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、車両が上り坂で坂道発進するときに、車両が一時的に後退してから前進することがある。この場合、車両が後退している間は、走行用モータが回生電力を発生するので、必要に応じて余剰電力消費制御が実行される。その後、車両が前進し始めると、走行用モータが電力消費を開始するので、必要に応じて発電機による発電が開始される。この間、車両は極めて低速で走行するので、走行用モータへの供給電力に変動が生じると、その変動が車両の挙動(特に速度)にも強く現れやすい。このような状態において、発電機の動作が開始されると、発電機による発電電力が安定するまでの間、車両の挙動が不安定となるおそれがある。このような問題は、車両の坂道発進に限られず、例えば車両が後退から前進へ切り替わるときにも起こり得る。
【0007】
上記の問題を鑑みて、本明細書は、余剰電力消費制御を実行する車両において、進行方向の切り替わり時に生じ得る不安定な挙動を抑制するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示する技術は、車両に具現化される。この車両は、発電機と、発電機による発電電力を蓄えるバッテリと、バッテリからの放電電力によって車輪を駆動するとともに、バッテリへ回生電力を供給することによって車輪を制動する走行用のモータジェネレータとを備える。この車両はさらに、少なくとも一つの補機と、バッテリの充電余力が所定のレベルを下回るときに、回生電力の少なくとも一部を余剰電力として、少なくとも一つの補機によって消費する余剰電力消費制御を実行可能な制御装置とを備える。
【0009】
余剰電力消費制御は、車両の速度である車速を検出する処理と、余剰電力と車速とに基づいて、少なくとも一つの補機が消費すべき電力値を示す消費要求値と、発電機が発電すべき電力値を示す発電要求値とを設定する処理とを含む。そして、車速が第1速度を下回るときに、消費要求値は、余剰電力よりも大きな値に設定され、発電要求値は、消費要求値と余剰電力との差分に応じて設定される。
【0010】
上記した構成によると、車両の速度が第1速度を下回るときは、余剰電力が生じている場合でも、それ以上の電力が補機によって消費されることで、発電機による発電が実施される。従って、例えば車両が坂道発進するときは、車両が後退している段階から、発電機による発電が開始される。このように、車両の進行方向が切り替わるのに先立って、発電機による発電が予め開始されていれば、その後に車両の進行方向が切り替わるタイミング迄に、発電機の動作を安定させることができる。これにより、走行用モータへの供給電力が変動することを回避して、車両の挙動を安定させることができる。
【0011】
ところで、余剰電力消費制御では、補機に対して設定された消費要求値と、補機による実際の電力消費値との間に、誤差が生じることがある。そして、このような誤差の発生は、走行用モータの回生電力や供給電力に影響を与えることから、前述した坂道発進のときのように、車両の進行方向が切り替わる状況において、車両の挙動を不安定にするおそれがある。
【0012】
上記の問題を鑑み、本明細書が開示する技術は、次の車両にも具現化される。この車両は、発電機と、発電機による発電電力を蓄えるバッテリと、バッテリからの放電電力によって車輪を駆動するとともに、バッテリへ回生電力を供給することによって車輪を制動する走行用のモータジェネレータとを備える。この車両はさらに、少なくとも一つの補機と、バッテリの充電余力が所定のレベルを下回るときに、回生電力の少なくとも一部を余剰電力として、少なくとも一つの補機によって消費する余剰電力消費制御を実行可能な制御装置とを備える。
【0013】
余剰電力消費制御は、車両の速度である車速を検出する処理と、余剰電力と車速とに基づいて、バッテリが放電すべき電力値を示す放電要求値と、少なくとも一つの補機が消費すべき電力値を示す消費要求値とを設定する処理とを含む。そして、車速が第2速度を下回るときに、放電要求値は、ゼロでない値に設定されるとともに、消費要求値については、設定された放電要求値を前記した余剰電力に加算した値に設定される。
【0014】
上記した構成によると、車両の速度が第2速度を下回るときは、余剰電力が生じている場合でも、それを超える電力が補機によって消費されることで、バッテリによる放電が実施される。従って、例えば車両が坂道発進するときは、車両が後退している段階から、バッテリによる放電が開始される。その結果、補機に対して設定された消費要求値と、補機による実際の電力消費値との間に誤差が生じた場合でも、それに応じてバッテリの放電電力が受動的に変動することで、走行用モータに与える影響を回避又は抑制することができる。このように、車両の進行方向が切り替わるのに先立って、バッテリによる放電を開始しておくことによって、補機による消費電力の誤差を許容することができる。その結果、車両が極めて低速で走行する状況においても、車両の挙動を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例の車両10の構成を模式的に示すブロック図。
図2】制御装置30が実行し得る余剰電力消費制御を示すフローチャート。
図3】余剰電力消費制御において、車速Vと発電要求値FC_RQとの関係を示すグラフ。
図4】制御装置30が実行し得る余剰電力消費制御の他の一例を示すフローチャート。
図5】制御装置30が実行し得る余剰電力消費制御のさらに別の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本技術の一実施形態において、車速が第1速度を上回るときに、消費要求値は余剰電力と等しい値に設定され、発電要求値はゼロに設定されてもよい。即ち、車速が特に低速でない場合は、余剰電力が発生している状況下で、発電機による発電を無用に行う必要はない。
【0017】
本技術の一実施形態において、車速が第1速度と等しいときに、消費要求値は、余剰電力よりも大きな値に設定され、発電要求値は、消費要求値と前記余剰電力との差分に応じて設定されてもよい。即ち、車速が第1速度と等しいときは、車速が第1速度を下回るときと同様に、消費要求値及び発電要求値が設定されてもよい。但し、他の実施形態として、車速が第1速度と等しいときは、前述した車速が第1速度を上回るときと同様に、消費要求値が余剰電力と等しい値に設定され、発電要求値はゼロに設定されてもよい。
【0018】
本技術の一実施形態において、消費要求値に設定される値であって、前記した余剰電力よりも大きな値は、予め定められた固定値であってもよい。このような構成によると、消費設定値を設定する処理や、それに応じて他の要求値を設定する処理等が、複雑になることを避けることができる。
【0019】
本技術の一実施形態において、前記した余剰電力消費制御は、車速に基づいて、バッテリが放電すべき電力値を示す放電要求値を設定する処理をさらに含んでもよい。この場合、車速が第2速度を下回るときに、放電要求値はゼロでない値に設定されるとともに、前述した消費要求値及び発電要求値を設定する処理において、設定された放電要求値が余剰電力に加算されるとよい。このような構成によると、車両の速度が第2速度を下回るときは、余剰電力が生じている場合でも、それを超える電力が補機によって消費されることで、バッテリによる放電が実施される。従って、前述した説明から理解されるように、補機に対して設定された消費要求値と、補機による実際の電力消費値との間に誤差が生じた場合でも、それに応じてバッテリの放電電力が受動的に変動することで、走行用モータに与える影響を回避又は抑制することができる。従って、車両が極めて低速で走行する状況においても、車両の挙動を安定させることができる。
【0020】
上記に加えて、車速が第2速度を上回るときに、放電要求値はゼロに設定されてもよい。即ち、車速が特に低速でない場合は、余剰電力が発生している状況下で、バッテリによる放電を無用に行う必要はない。
【0021】
本技術の一実施形態において、車速が第2速度と等しいときに、放電要求値はゼロでない値に設定されるとともに、消費要求値及び発電要求値を設定する処理では、設定された放電要求値が余剰電力に加算されてもよい。即ち、車速が第2速度と等しいときは、車速が第2速度を下回るときと同様に、放電要求値、消費要求値及び発電要求値が設定されてもよい。但し、他の実施形態として、車速が第2速度と等しいときは、車速が第2速度を上回るときと同様に、放電要求値がゼロに設定されてもよい。
【0022】
本技術の一実施形態において、放電要求値に設定される値であって、前記したゼロでない値は、余剰電力の値に応じて決定されてもよい。但し、放電要求値に設定される値は、例えば固定値であってもよく、他の指標に応じて決定されてもよい。
【0023】
本技術の一実施形態において、余剰電力消費制御は、車速が第2速度を下回るときに、バッテリに対して設定されている放電電力の上限値を、一時的に緩和する処理をさらに含んでもよい。通常、バッテリには、その保護を目的として、放電電力の上限値が設定されている。放電電力の上限値は、例えばバッテリの温度に応じて変更され、比較的に小さな値に設定されることもある。この場合、バッテリに対して前述の放電要求値を設定しても、バッテリによる実際の放電電力が、当該上限値によって制限されるおそれがある。従って、車速が第2速度を下回るときは、必要に応じて、放電電力の上限値を緩和する処理を行うとよい。なお、車速が第2速度を下回る状況は一時的であるので、放電電力の上限値を緩和したとしても、バッテリに与えられる影響は比較的に小さい。
【0024】
本技術の一実施形態において、第1速度は、第2速度よりも大きくてもよい。但し、第1速度と第2速度との大小関係は特に限定されず、他の実施形態として、第1速度は第2速度と等しくてもよく、あるいは、第1速度は第2速度よりも小さくてもよい。
【0025】
本技術の一実施形態において、発電機は、燃料電池であってもよい。燃料電池は、動作を開始してから発電電力が安定するまでに、一定の時間を要するという特徴を有する。そのことから、車両の発電機が燃料電池である場合、本技術を好適に採用してその効果を顕著に得ることができる。
【実施例
【0026】
図面を参照して、実施例の車両10について説明する。図1に示すように、本実施例の車両10は、発電機として燃料電池12を備える燃料電池車である。車両10はさらに、燃料電池12による発電電力を蓄えるバッテリ14と、バッテリ14からの放電電力によって車輪2を駆動する走行用の走行用モータ18(以下、走行用モータ18と称する)を備える。走行用モータ18は、バッテリ14へ回生電力を供給することによって、車輪2を制動することもできる。特に限定されないが、本実施例における走行用モータ18は、三相同期型のモータジェネレータである。従って、走行用モータ18は、インバータ16を介して、燃料電池12及びバッテリ14へ接続されている。
【0027】
ここで、燃料電池12とバッテリ14との間には、必要に応じて、DC-DCコンバータが設けられてもよい。これにより、燃料電池12とバッテリ14との間で、それらが互いに異なる定格電圧を有することができる。同様に、燃料電池12とインバータ16との間、あるいは、バッテリ14とインバータ16との間にも、必要に応じて、DC-DCコンバータが設けられてもよい。これにより、燃料電池12とインバータ16(即ち、走行用モータ18)との間で、あるいは、バッテリ14とインバータ16(即ち、走行用モータ18)との間で、互いに異なる定格電圧を有することができる。
【0028】
車両10はさらに、複数の補機22と、制御装置30とを備える。各々の補機22や制御装置30は、例えば12ボルト以下(又は24ボルト以下)といった低電圧で動作する低電圧部品である。一方、前述した燃料電池12、バッテリ14及び走行用モータ18等は、例えば100ボルト以上の高電圧で動作する高電圧部品である。従って、複数の補機22は、DC/DCコンバータ20を介して、燃料電池12、バッテリ14、走行用モータ18等を含む高電圧回路に接続されている。特に限定されないが、複数の補機22には、例えば暖房用のヒータ(HEAT)、熱回路用のウォータポンプ(W/P)、ラジエータファン(R/F)、送風機(ACP)等や、補機バッテリが含まれている。但し、本技術を実施する上で、各々の補機22の具体的な種類は特に限定されない。
【0029】
制御装置30は、燃料電池12、バッテリ14、インバータ16及び複数の補機22を含む、車両10に設けられた各種の電気機器の動作を制御することができる。例えば、制御装置30は、インバータ16を制御することによって、走行用モータ18に供給される駆動電力や、走行用モータ18で生成される回生電力を調節することができる。また、制御装置30は、複数の補機22のそれぞれを、選択的に動作させたり、その動作を停止させたりすることができる。ここで、本実施例における制御装置30は、特に限定されないが、複数の電子制御ユニット(ECU)の集合を意味しており、その複数の電子制御ユニットには、例えば燃料電池12と一体に設けられた燃料電池ECUや、バッテリ14と一体に設けられたバッテリECU、さらに、それらのECUを統括的に制御するシステムECU等が含まれる。
【0030】
前述したように、走行用モータ18は、バッテリ14へ回生電力を供給することによって、車輪2を制動することができる。しかしながら、例えばバッテリ14が満充電の状態になると、走行用モータ18による回生電力を、バッテリ14に蓄電することができなくなる。この場合、車両10を回生制動することができない。このような状況を避けるために、制御装置30は、バッテリ14の充電余力が所定のレベルを下回るときに、余剰電力消費制御を実行するように構成されている。余剰電力消費制御では、回生電力の少なくとも一部を余剰電力として、それを複数の補機22によって消費する。これにより、バッテリ14が満充電又はそれに近い状態となり、走行用モータ18による回生電力をバッテリ14に蓄電できない場合でも、車両10の回生制動が不能となることを防止することができる。
【0031】
余剰電力消費制御に関して、例えば車両10が上り坂で坂道発進する際に、車両10が一時的に後退してから前進することがある。この場合、車両10が後退している間は、走行用モータ18が回生電力を発生するので、必要に応じて余剰電力消費制御が実行される。その後、車両10が前進し始めると、走行用モータ18が電力消費を開始するので、必要に応じて燃料電池12による発電が開始される。この間、車両10は極めて低速で走行するので、走行用モータ18への供給電力に変動が生じると、その変動が車両10の挙動(特に速度)にも強く現れやすい。このような状態において、燃料電池12の動作が開始されると、燃料電池12による発電電力が安定するまでの間、車両10の挙動が不安定となるおそれがある。
【0032】
上記の問題に関して、本実施例における余剰電力消費制御では、先ず、車両10の速度である車速を検出する処理が実行され、次いで、余剰電力と車速とに基づいて、一又は複数の補機22が消費すべき電力値(以下、消費要求値という)と、燃料電池12が発電すべき電力値(以下、発電要求値)とを設定する処理とが実行される。特に、車速が所定の閾値(後述する第1速度D)を下回り、極めて低速であると判断されるときは、一又は複数の補機22に対する消費要求値が、余剰電力よりも大きな値に設定される。そして、燃料電池12に対する発電要求値が、消費要求値と余剰電力との差分に応じて設定される。即ち、車速が極めて低速であるときは、余剰電力が生じている場合でも、それ以上の電力が補機22によって消費されることで、燃料電池12による発電が実施される。
【0033】
従って、例えば車両10が坂道発進するときは、車両10が後退している段階から、燃料電池12による発電が開始される。このように、車両10の進行方向が切り替わるのに先立って、燃料電池12による発電が予め開始されていれば、その後に車両10の進行方向が切り替わるタイミング迄に、燃料電池12の動作を安定させることができる。これにより、走行用モータ18への供給電力が変動することを回避して、車両10の挙動を安定させることができる。
【0034】
図2図3を参照して、上述した余剰電力消費制御の一例を説明する。図2は、制御装置30が実行する余剰電力消費制御の流れを示すフローチャートである。図3は、その余剰電力消費制御によって設定される発電要求値FC_RQを、車速(V)との関係で示すグラフである。先ず、ステップS12において、制御装置30は、バッテリ14の許容充電電力Winが、所定の閾値Aよりも大きいのか否かを判定する。なお、許容充電電力Winは、バッテリ14が許容し得る充電電力の上限値を示す指標であり、主にバッテリ14の保護を目的として、例えばバッテリ14の温度等に応じて適宜調整される。特に限定されないが、本実施例における許容充電電力Winは、常に負となる指標であり、許容充電電力Winの値が小さいときほど、許容し得る充電電力が大きく、バッテリ14の充電余力が大きいことを意味する。許容充電電力Winが所定の閾値Aよりも大きい場合(ステップS12でYES)、制御装置30は、バッテリ14の充電余力が比較的に小さいと判断して、ステップS14の処理へ進む。一方、そうでなければ(ステップS12でNO)、制御装置30は、バッテリ14の充電余力が十分にあると判断して、ステップS18の処理へ進む。
【0035】
ステップS14へ進むと、制御装置30は、バッテリ14の充電量SOCが、所定の閾値Bよりも大きいのか否かを判定する。充電量SOCが所定の閾値Bよりも大きい場合(ステップS14でYES)、制御装置30は、バッテリ14の充電余力が比較的に小さいと判断して、ステップS16の処理へ進む。一方、そうでなければ(ステップS14でNO)、制御装置30は、バッテリ14の充電余力が十分にあると判断して、ステップS18の処理へ進む。以上のステップS12、S14により、制御装置30は、許容充電電力Win及び充電量SOCの両観点から、バッテリ14の充電余力が所定のレベルを下回るのか否かを判断する。
【0036】
ステップS16へ進むと、制御装置30は、車両パワーVPが、負の値であるのか否かを判断する。ここで、車両パワーVPとは、モータ駆動電力と車両維持電力との合計から、充放電要求値BAT_RQを差し引いた電力値を示す指標である。モータ駆動電力とは、走行用モータ18に供給される駆動電力であり、モータ駆動電力が負の値となるときは、走行用モータ18が回生電力を発生することを意味する。車両維持電力とは、車両10の通常の動作を維持するために、複数の補機22等が必要とする電力である。そして、充放電要求値BAT_RQは、バッテリ14が充電又は放電すべき電力値を示す指標であり、充放電要求値BAT_RQが負の値であれば、バッテリ14が充電すべきことを示し、充放電要求値BAT_RQが正の値であれば、バッテリ14が放電すべきことを示す。従って、車両パワーVPが負の値となるときは、走行用モータ18が回生電力を発生しているとともに、その少なくとも一部が余剰電力となっていることを意味する。車両パワーVPが負の値である場合(ステップS16でYES)、制御装置30は、余剰電力消費制御を実行する必要があると判断して、ステップS30の処理へ進む。一方、そうでなければ(ステップS16でNO)、制御装置30は、余剰電力消費制御は不要であると判断して、ステップS18の処理へ進む。
【0037】
ステップS30へ進むと、制御装置30は、充放電要求値BAT_RQをゼロに設定する。即ち、バッテリ14による充放電を禁止する。なお、後述する他の実施例から理解されるように、充放電要求値BAT_RQは、必ずしもゼロに設定される必要はなく、必要に応じてバッテリ14による放電が許容されてもよい。
【0038】
次のステップS32において、制御装置30は、車両10の速度である車速Vを検出して、検出された車速Vが所定の第1速度Dを上回るのか否か判定する。車速Vが第1速度Dを上回る場合(ステップS32でYSE)、制御装置30は、車速Vが極めて低速ではないと判断して、ステップS34の処理に進む。ステップS34において、制御装置30は、公知の余剰電力消費制御と同様に、消費要求値AUX_RQに余剰電力と等しい値を設定する。即ち、AUX_RQ=VP×(-1)の関係が成立する。次いで、ステップS36において、制御装置30は、発電要求値FC_RQをゼロに設定する。ここで、消費要求値AUX_RQとは、一又は複数の補機22が消費すべき電力値を示す指標であり、発電要求値FC_RQは、燃料電池12が発電すべき電力値を示す指標である。
【0039】
一方、車速Vが第1速度Dを下回る、又は、第1速度Dと等しい場合(ステップS32でNO)、制御装置30は、車速Vが極めて低速であると判断して、ステップS38の処理に進む。ステップS38において、制御装置30は、消費要求値AUX_RQに所定の固定値FIXを設定する。この固定値FIXには、想定される余剰電力よりも大きな値が設定されている。なお、ここで設定される消費要求値AUX_RQは、必ずしも固定値FIXでなくてもよく、想定される余剰電力よりも大きな値である限り、一又は複数の指標に応じて変化する値であってもよい。次いで、ステップS40において、制御装置30は、発電要求値FC_RQに、消費要求値AUX_RQと余剰電力(-VP)との差分に等しい値を設定する。即ち、FC_RQ=VP+AUX_RQの関係が成り立つ。
【0040】
以上の処理により、余剰電力消費制御のための充放電要求値BAT_RQ、消費要求値AUX_RQ、及び、発電要求値FC_RQがそれぞれ設定される。制御装置30は、それらの設定した要求値に基づいて、燃料電池12、バッテリ14及びインバータ16等を制御する。これにより、余剰電力消費制御が実際に実行される。
【0041】
一方、ステップS12、S14、S16の処理において、余剰電力消費制御が不要と判断された場合、制御装置30はステップS18へ進む。ステップS18において、制御装置30は、充放電要求値BAT_RQを、例えば車両パワーVPの関数として設定する。即ち、BAT_RQ=f(VP)の関係が成立する。次のステップS20において、制御装置30は、消費要求値AUX_RQをゼロに設定する。次いで、制御装置30はステップS22へ進み、発電要求値FC_RQを決定する。このときの発電要求値FC_RQには、特に限定されないが、車両パワーVPと等しい値を設定することができる。なお、車両パワーVPが負の値であるときは、発電要求値FC_RQにゼロを設定するとよい。
【0042】
以上、制御装置30が実行する余剰電力消費制御の一例として、図3に示す一連の処理について説明した。この一連の処理によると、前述したように、車速Vが第1速度Dを下回るときは、余剰電力が生じている場合(即ち、VP<0)であっても、それ以上の電力が補機22によって消費されることで、燃料電池12による発電が実施される。従って、図3に示すように、例えば車両10が坂道発進するときは、車両10が後退している段階から、発電要求値FC_RQがゼロでない値に設定されて、燃料電池12による発電が開始される。その結果、車速Vが極めて低速な状態(図3中の範囲X)において、燃料電池12の動作が開始されることがなく、その後に車両10の進行方向が切り替わるタイミング迄に、燃料電池12の動作を安定させることができる。これにより、走行用モータ18への供給電力が変動することを回避して、車両10の挙動を安定させることができる。
【0043】
次に、図4を参照して、上述した車両10の制御装置30に採用し得る、余剰電力消費制御の他の一例について説明する。なお、図4に示す一連の処理において、図2の処理と共通するものについては、同一の符号を付すことによって重複する説明を避けることとする。先ず、図4に示すステップS12-S22までの処理は、図2に示すステップS12-S22までの処理と共通しているので、それらの説明は省略する。
【0044】
ステップS16において、車両パワーVPが負の値である場合(ステップS16でYES)、制御装置30は、余剰電力消費制御を実行する必要があると判断して、ステップS102の処理へ進む。ステップS102において、制御装置30は、車両10の速度である車速Vを検出して、検出された車速Vが所定の第2速度Cを上回るのか否か判定する。車速Vが第2速度Cを上回る場合(ステップS102でYSE)、制御装置30は、車速Vが極めて低速ではないと判断して、ステップS30、S34、S36の処理を順に実行する。これらのステップS30、S34、S36の処理は、図2に示すステップS30、S34、S36の処理と同じであるので、ここでは重複する説明を省略する。即ち、車速Vが第2速度Cを上回る場合は、通常の余剰電力消費制御が実行される。ここで、第2速度Cは、前述した第1速度Dと同じであってもよいし、第1速度Dと異なる値であってもよい。
【0045】
一方、ステップS102において、車速Vが第2速度Cを下回る、又は、第2速度Cと等しい場合(ステップS102でNO)、制御装置30は、車速Vが極めて低速であると判断して、ステップS104の処理に進む。
【0046】
ステップS104において、制御装置30は、充放電要求値BAT_RQにゼロでない正の値を設定する。この場合、特に限定されないが、充放電要求値BAT_RQは、車速Vに応じて変化する値であってよい。即ち、BAT_RQ=f(V)の関係が成立してもよい。本明細書では、充放電要求値BAT_RQが正の値である場合、その充放電要求値BAT_RQを単に放電要求値BAT_RQと称することがある。例えば、放電要求値BAT_RQにゼロでない値を設定するとは、バッテリ14に放電させることを前提として、充放電要求値BAT_RQにゼロでない正の値を設定することを意味する。
【0047】
次のステップS106において、制御装置30は、バッテリ14の許容放電電力Woutが、所定の閾値Eよりも小さいのか否かを判定する。なお、許容放電電力Woutは、バッテリ14が許容し得る放電電力の上限値を示す指標であり、主にバッテリ14の保護を目的として、例えばバッテリ14の温度等に応じて適宜調整される。許容放電電力Woutが所定の閾値Eよりも小さい場合(ステップS106でYES)、制御装置30は、許容放電電力Woutが比較的に小さいと判断して、ステップS108の処理へ進む。一方、そうでなければ(ステップS106でNO)、制御装置30は、ステップS34の処理へ進む。
【0048】
ステップS108において、制御装置30は、許容放電電力Woutを一時的に上昇させる。許容放電電力Woutは、例えばバッテリ14の温度等に応じて、比較的に小さな値に設定されることもある。この場合、バッテリ14に対して前述の放電要求値BAT_RQを設定しても、バッテリ14による実際の放電電力が、許容放電電力Woutによって意図せず制限されるおそれがある。そのような状況を避けるために、このステップS108の処理では、放電電力の上限値である許容放電電力Woutを一時的に緩和する。なお、車速Vが第2速度Cを下回る状況は一時的であるので、許容放電電力Woutを緩和したとしても、バッテリ14に与えられる影響は比較的に小さい。その後、制御装置30はステップS34の処理に進む。
【0049】
ステップS34の処理では、前述したステップS34の処理と同じく、消費要求値AUX_RQに符号を反転させた車両パワーが設定される。即ち、AUX_RQ=VP×(-1)の関係が成立する。但し、先に説明したステップS34の処理では、放電要求値BAT_RQがゼロに設定されていたので、消費要求値AUX_RQには、余剰電力と等しい値が設定されていた。それに対して、ここで説明するステップS34の処理では、放電要求値BAT_RQにゼロでない値が設定されているので、消費要求値AUX_RQには、余剰電力に加えて、設定された放電要求値BAT_RQが加算される。最後に、ステップS36において、制御装置30は、発電要求値FC_RQをゼロに設定する。
【0050】
以上の処理により、余剰電力消費制御のための充放電要求値BAT_RQ、消費要求値AUX_RQ、及び、発電要求値FC_RQがそれぞれ設定される。制御装置30は、それらの設定した要求値に基づいて、燃料電池12、バッテリ14及びインバータ16等を制御する。これにより、余剰電力消費制御が実際に実行される。
【0051】
図4に示す余剰電力消費制御では、車速Vが第2速度Cを下回る場合、余剰電力が生じている場合でも、それを超える電力が補機22によって消費されることで、バッテリ14による放電が実施される。従って、例えば車両10が坂道発進するときは、車両10が後退している段階から、バッテリ14による放電が開始される。その結果、補機22に対して設定された消費要求値AUX_RQと、補機22による実際の電力消費値との間に誤差が生じた場合でも、それに応じてバッテリ14の放電電力が受動的に変動することで、走行用モータ18に与える影響を回避又は抑制することができる。このように、車両10の進行方向が切り替わるのに先立って、バッテリ14による放電を予め開始しておくことによって、補機22による消費電力の誤差を許容することができる。その結果、車両10が極めて低速で走行する状況においても、車両10の挙動を安定させることができる。
【0052】
次に、図5を参照して、車両10の制御装置30に採用し得る、余剰電力消費制御のさらに別の一例について説明する。図5に示す余剰電力消費制御は、図2に示す余剰電力消費制御と、図4に示す余剰電力消費制御とを組み合わせたものである。図5に示す一連の処理において、図2図3の処理と共通するものについては、同一の符号が付されている。先ず、図5に示すステップS12-S22までの処理は、図2図3に示すステップS12-S22までの処理と共通しているので、それらの説明は省略する。
【0053】
ステップS16において、車両パワーVPが負の値である場合(ステップS16でYES)、制御装置30は、余剰電力消費制御を実行する必要があると判断して、ステップS102の処理へ進む。ステップS102からステップS32へ至るまでの処理は、図4に示す余剰電力消費制御と総じて共通する。ステップS102において、制御装置30は、車両10の速度である車速Vを検出して、検出された車速Vが所定の第2速度Cを上回るのか否か判定する。車速Vが第2速度Cを上回る場合(ステップS102でYSE)、制御装置30は、車速Vが極めて低速ではないと判断して、ステップS32の処理へ進む。
【0054】
一方、ステップS102において、車速Vが第2速度Cを下回る、又は、第2速度Cと等しい場合(ステップS102でNO)、制御装置30は、車速Vが極めて低速であると判断して、ステップS104、S106、S108の処理が順に実行される。これらのステップS104、S106、S108の処理は、図4に示すステップS104、S106、S108の処理と同じである。即ち、ステップS104において、放電要求値BAT_RQがゼロでない値を設定されるとともに、ステップS106、S108において、許容放電電力Woutが必要に応じて一時的に緩和される。その後、制御装置30は、ステップS32の処理へ進む。
【0055】
ステップS32において、制御装置30は、車速Vが所定の第1速度Dを上回るのか否か判定する。車速Vが第1速度Dを上回る場合(ステップS32でYSE)、制御装置30は、車速Vが極めて低速ではないと判断して、ステップS34、S36の処理を順に実行する。これらのステップS34、S36の処理は、図2、4に示すステップS34、S36の処理と同じである。即ち、ステップS34では、消費要求値AUX_RQが車両パワーVPに応じて設定され、ステップS36では、発電要求値FC_RQがゼロに設定される。なお、先のステップS104おいて、放電要求値BAT_RQがゼロでない値に設定されている場合、ステップS34で設定される消費要求値AUX_RQは、放電要求値BAT_RQの分だけ、余剰電力よりも大きな値に設定される。
【0056】
一方、車速Vが第1速度Dを下回る、又は、第1速度Dと等しい場合(ステップS32でNO)、制御装置30は、車速Vが極めて低速であると判断して、ステップS38、S40の処理を順に実行する。これらのステップS38、S40の処理は、図2に示すステップS38、S40の処理と同じである。即ち、ステップS38では、消費要求値AUX_RQが所定の固定値FIXに設定され、ステップS40では、発電要求値FC_RQに、消費要求値AUX_RQと余剰電力(-VP)との差分に等しい値が設定される。また、先のステップS104おいて、放電要求値BAT_RQがゼロでない値に設定されている場合、ここでいう余剰電力(-VP)には、設定された放電要求値BAT_RQが加算される。
【0057】
以上のように、図5に示す余剰電力消費制御は、図2図4に示す二つの余剰電力消費制御の特徴を包含するものであり、それら二つの余剰電力消費制御のそれぞれの効果を併せ持つ。従って、図5に示す余剰電力消費制御によると、例えば坂道発進のときのように、車両10の進行方向が切り替わる状況であって、車両10が極めて低速で走行する場合においても、車両10の挙動を安定させることができる。
【符号の説明】
【0058】
2:車輪
10:車両
12:燃料電池
14:バッテリ
16:インバータ
18:モータジェネレータ
20:DC/DCコンバータ
22:補機
30:制御装置
図1
図2
図3
図4
図5