(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】電力変換装置及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230912BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2020097073
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綾井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】品田 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】奥村 俊明
【審査官】町田 舞
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-104286(JP,A)
【文献】特開2017-085824(JP,A)
【文献】特開2015-002657(JP,A)
【文献】特開2019-176635(JP,A)
【文献】特開2019-009952(JP,A)
【文献】特開2018-161024(JP,A)
【文献】特開2009-159302(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0207396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、
前記直流電路と前記交流電路との間に設けられ、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータを含む電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、を備え、
前記電力変換部は、
前記インバータの交流側の電圧線である2線にそれぞれ設けられた第1リアクトル及び第2リアクトルと、
前記インバータの交流側の中性線に設けられ、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいインダクタンスを有する第3リアクトルと、
を備えている電力変換装置。
【請求項2】
前記正負2線の間に接続された一対のコンデンサの直列体と、
前記交流電路の前記単相3線に対してスター結線された3つのコンデンサと、
前記一対のコンデンサの相互接続部と、前記スター結線の中性点とを、互いに短絡するバイパス経路と、
前記バイパス経路によってバイパスされる範囲内の前記電力変換部に設けられるコモンモードチョークコイルと、を備え、
前記制御部は、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルに接続される前記インバータの2レグを、ユニポーラパルス幅変調方式でスイッチングさせる請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルは、コアを共有し、和動接続されている請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1リアクトル、前記第2リアクトル、及び、前記第3リアクトルは、コアを共有する請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置の運転方法であって、
前記電力変換装置は、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータ、並びに、前記インバータの交流側の3線にそれぞれ、第1リアクトル、第2リアクトル、及び、第3リアクトルを有し、前記第3リアクトルのインダクタンスは、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいという条件下で、
商用電力系統との系統連系時は、前記3レグのうち2レグをスイッチング動作させ、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、
自立運転時は、前記3レグの全てをスイッチング動作させ、電圧線に繋がるレグは前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、かつ、中性線に繋がるレグは、前記第3リアクトルを介して前記交流電路と接続する、
電力変換装置の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置は、直流電路と商用電力系統の交流電路との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行い、商用電力系統と系統連系した運転を行うことができる。日本では主として、低圧の商用電力系統に単相3線式が採用されている。ここで、単相3線のうち、電圧線をU線、V線、中性線をO線とする。2レグ(4つのスイッチング素子)のフルブリッジ回路を構成するインバータが搭載されている電力変換装置では、系統連系時に、U線-V線間に例えば202Vを出力し、O線には出力しない。
【0003】
3レグ(6つのスイッチング素子)のフルブリッジ回路を構成するインバータが搭載されている電力変換装置では、例えば、O線の電流指令値を常に0とし、U線、V線には、電流指令値を互いに180°の位相差をもつ正弦波の電流指令値とすることで、単相3線式の商用電力系統と3線を接続して、系統連系運転を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。また、このような電力変換装置は、電圧指令値に基づく電圧制御を行うことにより、自立運転を行うこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような3レグのインバータを搭載する電力変換装置では、単相3線式の自立出力を行うときに、例えば、インバータの直流側正極からU線、V線の各リアクトル、O線を経由してインバータの直流側負極に至る電流経路のインダクタンスが、U線、V線に設置された各リアクトルのインダクタンスの合成値となる。各リアクトルのインダクタンスが同一値であるとすると、合成値は、その半分の値になる。このため、電流経路に所望のインダクタンスを確保して電流のリプルと漏洩電流とを低減するには、U線及びV線に設置するリアクトルのインダクタンスを、大きめに設定しなければならない。
【0006】
一方、系統連系を行う場合にはO線に電流が流れない。そのため、電流経路の合成インダクタンスはU線、O線の各インダクタンスの2倍になる。つまり、系統連系時にはそれほど大きなインダクタンスはなくてもよい、ということになる。しかしながら、各リアクトルの固有のインダクタンスは、大きい方の値、すなわち単相3線式の自立出力に必要な値に設定せざるを得ない。その結果、系統連系時には過剰なインダクタンスのリアクトルを用いることになる。
【0007】
リアクトルのインダクタンスを大きくするには、巻き数を増やす必要がある。また、コアの磁気飽和を防ぐためにコアの断面積を大きくしなければならない。この結果、巻線の長さ及びコアの体積が増えるため、リアクトルを小型化することが困難になり、また、リアクトルで発生する電力損失も大きくなる。
【0008】
かかる課題に鑑み、本開示は、単相2線式の系統連系出力、及び、単相3線式の自立出力を、選択可能な電力変換装置において、リアクトルをコンパクト化し、損失を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は特許請求の範囲によって定められるものである。
【0010】
(電力変換装置)
本開示の電力変換装置は、
直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、
前記直流電路と前記交流電路との間に設けられ、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータを含む電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、を備え、
前記電力変換部は、
前記インバータの交流側の電圧線である2線にそれぞれ設けられた第1リアクトル及び第2リアクトルと、
前記インバータの交流側の中性線に設けられ、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいインダクタンスを有する第3リアクトルと、
を備えている。
【0011】
(電力変換装置の運転方法)
本開示の電力変換装置の運転方法は、
直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置の運転方法であって、
前記電力変換装置は、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータ、並びに、前記インバータの交流側の3線にそれぞれ、第1リアクトル、第2リアクトル、及び、第3リアクトルを有し、前記第3リアクトルのインダクタンスは、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいという条件下で、
商用電力系統との系統連系時は、前記3レグのうち2レグをスイッチング動作させ、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、
自立運転時は、前記3レグの全てをスイッチング動作させ、電圧線に繋がるレグは前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、かつ、中性線に繋がるレグは、前記第3リアクトルを介して前記交流電路と接続する、
電力変換装置の運転方法である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、単相2線式出力、及び、単相3線式自立出力を選択可能な電力変換装置において、リアクトルをコンパクト化し、損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、電力変換装置の一例を示す回路図である。
【
図2】
図2は、U線及びV線のリアクトルの形状の一例を簡略化して示す図である。
【
図3】
図3は、U線及びV線のリアクトルの各々のインダクタンスが600μH、中性線のリアクトルなし、U相(U線-V線間)負荷3kW、V相(V線-O線間)負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。
【
図4】
図4は、U線及びV線のリアクトルの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルなし、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。
【
図5】
図5は、U線及びV線のリアクトルの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。
【
図6】
図6は、U線及びV線のリアクトルの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。
【
図7】
図7は、U線及びV線のリアクトルを共有のコア、中性線のリアクトルは独立として、U線及びV線のリアクトルの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、相互インダクタンスが50μH、中性線のリアクトルのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。
【
図8】
図8は、U線及びV線のリアクトルを共有のコア、中性線のリアクトルは独立として、U線及びV線のリアクトルの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、相互インダクタンスが50μH、中性線のリアクトルのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。
【
図9】
図9は、3線のリアクトルをすべて共有のコアとして、U線及びV線のリアクトルの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、中性線のリアクトルの巻線の自己インダクタンスが200μH、UV巻線間の相互インダクタンスが50μH、UO及びVOの巻線間の相互インダクタンスが100μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。
【
図10】
図10は、3線のリアクトルをすべて共有のコアとして、U線及びV線のリアクトルの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、中性線のリアクトルの巻線の自己インダクタンスが200μH、UV巻線間の相互インダクタンスが50μH、UO及びVOの巻線間の相互インダクタンスが100μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。
【
図11】
図11は、
図9、
図10の前提条件である、3線のリアクトルがすべて共有のコアである一例を示す図である。
【
図12】
図12は、直流電源が複数ある場合の、
図1の電力変換装置の一部を含むハイブリッドの電力変換装置の構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
【0015】
(1)これは、直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、前記直流電路と前記交流電路との間に設けられ、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータを含む電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部と、を備えている。前記電力変換部は、前記インバータの交流側の電圧線である2線にそれぞれ設けられた第1リアクトル及び第2リアクトルと、前記インバータの交流側の中性線に設けられ、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいインダクタンスを有する第3リアクトルと、を備えている。
【0016】
上記(1)の電力変換装置では、単相3線の電圧線をU線,V線、中性線をO線とすると、それぞれの線にリアクトルがある。O線にリアクトルがあるため単相3線式で自立出力を行うときに、U線-O線、V線-O線のそれぞれにおいて、2つのリアクトルでのインダクタンスが得られる。従って、U線、V線、単独でのリアクトルのインダクタンスを増大させなくても、各リアクトルを流れる電流のリプルを小さくすることができ、また同様に、単相3線の自立出力が可能となる。
【0017】
そして、U線、V線の各リアクトルのインダクタンスよりも、O線のリアクトルのインダクタンスを大きくすることで、U線、V線の各リアクトルのインダクタンスを、単相2線式の系統連系出力、及び、単相3線の自立出力の両方に最適な値に設定することができる。そのため、3つのリアクトルを全体として、小型で低損失なものとすることができる。
こうして、単相2線式の系統連系出力、及び、単相3線式の自立出力を、選択可能な電力変換装置において、リアクトルをコンパクト化し、損失を低減することができる。
【0018】
(2)前記(1)の電力変換装置は、前記正負2線の間に接続された一対のコンデンサの直列体と、前記交流電路の前記単相3線に対してスター結線された3つのコンデンサと、前記一対のコンデンサの相互接続部と、前記スター結線の中性点とを、互いに短絡するバイパス経路と、前記バイパス経路によってバイパスされる範囲内の前記電力変換部に設けられるコモンモードチョークコイルと、を備えることが好ましい。そして、前記制御部は、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルに接続される前記インバータの2レグを、ユニポーラパルス幅変調方式でスイッチングさせる。
【0019】
インバータを、ユニポーラパルス幅変調方式でスイッチングすることにより、バイポーラパルス幅変調方式と比べて、リアクトルの巻線両端に加わるパルス電圧の振幅が1/2になり、動作の周波数はスイッチング周波数の2倍になる。従って、U線、V線の各リアクトルのインダクタンスを1/4にすることができる。しかも、ユニポーラパルス幅変調方式は、U線,V線の2線出力である系統連系時、及び、単相3線の自立出力時のどちらにも、用いることができる。
【0020】
ユニポーラパルス幅変調方式、または、単相3線自立出力でインバータを運転すると、直流電路の対地電位がインバータのスイッチング動作で変動し、直流電路の対地浮遊容量及び交流側の接地を経由して漏洩電流が流れやすくなる。しかし、直流電路と交流電路とを、バイパス経路により、コンデンサを介して短絡することで、漏洩電流を抑制することができる。
コモンモードチョークコイルは、コモンモード電流及び漏洩電流を抑制する。
【0021】
(3)前記(1)又は(2)の電力変換装置において、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルは、コアを共有し、和動接続されている、という構成であってもよい。
この場合、第1リアクトル及び第2リアクトルが一体化され、全体としてコンパクトに構成することができる。
【0022】
(4)前記(1)又は(2)の電力変換装置において、前記第1リアクトル、前記第2リアクトル、及び、前記第3リアクトルは、コアを共有している構成であってもよい。
この場合、第1リアクトル、第2リアクトル、及び、第3リアクトルが一体化され、全体としてコンパクトに構成することができる。
【0023】
(5)方法の観点からは、直流電源と接続された正負2線の直流電路と、単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換装置の運転方法である。前記電力変換装置は、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータ、並びに、前記インバータの交流側の3線にそれぞれ、第1リアクトル、第2リアクトル、及び、第3リアクトルを有し、前記第3リアクトルのインダクタンスは、前記第1リアクトルのインダクタンス及び前記第2リアクトルのインダクタンスの何れよりも大きいという条件下で、商用電力系統との系統連系時は、前記3レグのうち2レグをスイッチング動作させ、前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、自立運転時は、前記3レグの全てをスイッチング動作させ、電圧線に繋がるレグは前記第1リアクトル及び前記第2リアクトルを介して前記交流電路と接続し、かつ、中性線に繋がるレグは、前記第3リアクトルを介して前記交流電路と接続する。
【0024】
こうして、単相2線式の系統連系出力、及び、単相3線式の自立出力を、選択可能な電力変換装置を実現し、かつ、リアクトルをコンパクト化し、損失を低減することができる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
《電力変換装置の構成例》
以下、本開示の電力変換装置の具体例について、図面を参照して説明する。
図1は、電力変換装置の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置100は、直流電源1に接続された正負2線の直流電路2と、負荷3が接続された交流電路4との間に設けられている。負荷3は、電力を消費するのみの狭義の負荷R
UO,R
VOであってもよいし、広義の負荷すなわち商用交流電源であってもよい。交流電路4は、単相3線式であり、電圧線をU線、V線、中性線をO線とする。O線は接地されている。
【0026】
直流電源1は、例えば、蓄電池又は太陽光発電装置等である。直流電源1は、等価回路として、対地浮遊容量5,6を並列に有している。一対の対地浮遊容量の直列体の中間点が接地されているという等価的な関係にある。
【0027】
電力変換装置100は、直流電路2の正負2線間に互いに直列に接続された一対のコンデンサ7,8を有している。コンデンサ7,8の各々のキャパシタンスは同一である。直流電路2からコモンモードチョークコイル9を通ったDCバス10の正負2線間には、平滑用のコンデンサ11が接続されている。電圧センサ12はDCバス10の線間電圧を検出し、出力信号を制御部13に送る。DCバス10の2線間にはインバータ14が接続されている。
【0028】
インバータ14は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6により3レグのフルブリッジ回路を構成する。スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であるが、MOSFETの代わりにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることもできる。
【0029】
スイッチング素子Q1,Q2のレグの交流側は、U線に繋がるU1線である。スイッチング素子Q3,Q4のレグの交流側は、V線に繋がるV1線である。スイッチング素子Q5,Q6のレグの交流側は、O線に繋がるO1線である。U1線及びV1線は、リアクトルLU,LV及び電流センサ15,16を介してU2線、V2線に至る。O1線は、リアクトルLoを介してO2線に至る。U2線-O2線の線間には、コンデンサ17及び電圧センサ19が接続されている。V2線-O2線の線間には、コンデンサ18及び電圧センサ20が接続されている。
【0030】
U2線、O2線、V2線は、交流側のコモンモードチョークコイル21を介して、それぞれ、U線、O線、V線に接続されている。コンデンサ22,23,24は、電力変換装置100内で、U線、O線、V線に対してスター結線となるように接続されている。スター結線の中性点NACは、直流側の一対のコンデンサ7,8の相互接続点NDCと、バイパス経路25により接続されている。
【0031】
制御部13は、例えばコンピュータを含み、コンピュータがソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部の記憶装置(図示せず。)に格納される。制御部13は、電圧センサ12,19,20、及び、電流センサ15,16から出力信号を取得するとともに、6つのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5及びQ6のスイッチングを制御する。電力変換装置100は、この制御部13と、それ以外の電力変換部100aとを含む。
【0032】
《電力変換装置の動作》
上記のように構成された電力変換装置100は、直流電路2からDCバス10に供給される直流電力をインバータ14により交流電力に変換して交流電路4に供給する。直流電源1が蓄電池である場合には、インバータ14は交流から直流への逆変換を行い、蓄電池を充電することもできる。
【0033】
電力変換装置100の系統連系/自立運転に関する運転方法としての観点からは、以下のように表現することができる。
電力変換装置100は、3レグのフルブリッジ回路を構成するインバータ14、並びに、インバータ14の交流側の3線にそれぞれ、リアクトルLU,LV,LOを有し、リアクトルLOのインダクタンスは、リアクトルLU,LVの各々のインダクタンスよりも大きいという条件下で運転される。そして、(i)商用電力系統との系統連系時は、3レグのうち2レグをスイッチング動作させ、リアクトルLU,LVを介して交流電路4と接続し、(ii)自立運転時は、3レグの全てをスイッチング動作させ、電圧線に繋がるレグはリアクトルLU,LVを介して交流電路4と接続し、かつ、中性線に繋がるレグは、リアクトルLOを介して交流電路4と接続する、という運転方法である。リアクトルLU及びLVに接続する2レグのスイッチング制御は、ユニポーラパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式で行われる。
【0034】
《自立運転時の制御の具体例》
インバータ14が、直流から交流への電力変換を行う場合の制御部13の制御動作の一例について説明する。リアクトルLU及びLVに接続する2レグのスイッチング制御は、ユニポーラパルス幅変調方式で行われる。
まず、制御部13は、U相(U線-O線間)の電圧目標値と電圧センサ19により検出されるU相電圧との差と、電流センサ15により検出されるU相電流とに基づいて、U相の電圧参照値Vinvu*を求める。
【0035】
同様に、制御部13は、V相(V線-O線間)の電圧目標値と電圧センサ20により検出されるV相電圧との差と、電流センサ16により検出されるV相電流とに基づいて、V相の電圧参照値Vinvv*を求める。
【0036】
続いて制御部13は、U相の電圧参照値Vinvu*とV相の電圧参照値Vinvv*との差に基づいて、インバータ14の2レグ(スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4)に対する電圧参照値Vinv_refを求める。
また、制御部13は、U相の電圧参照値Vinvu*とV相の電圧参照値Vinvv*との和に基づいて、インバータ14の中性レグ(スイッチング素子Q5,Q6)に対する電圧参照値Vinvo_refを求める。
【0037】
そして、制御部13は、電圧参照値Vinv_refと、電圧センサ12により検出されるインバータ14への入力電圧とに基づいて、2レグの4つのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4に対する、それぞれのゲート制御信号を求める。また、制御部13は、電圧参照値Vinvo_refと、インバータ14への入力電圧とに基づいて、中性レグの2つのスイッチング素子Q5、Q6に対する、それぞれのゲート制御信号を求める。
【0038】
このような制御により、U線-O線の線間電圧、V線-O線の線間電圧をそれぞれの目標値と比較して得た参照値Vinv_ref及びVinvo_refを用いて、2つの参照値の差をU線およびV線の出力に接続されたレグを制御するPWM参照値とし、2つの参照値の和を、O線の出力に接続されたレグを制御するPWM参照値とする。こうして、単相3線式に要する電圧をPWM制御により提供することができる。制御部13は、V線のPWM参照値を、U線のPWM参照値の符合を反転したものとし、かつ、UV線間電圧を3レベル出力する(ユニポーラPWM)。
【0039】
《リアクトルの形状例》
図2は、リアクトルL
U,L
Vの形状の一例を簡略化して示す図である。U線、V線のリアクトルL
U,L
Vは、リング状のコア26を共有にして巻線を和動接続にする。なお、巻き数は簡略化しており、実際の巻き数ではない。交流であるので、電流の向きは変わるが、仮に図示のように流れると、リアクトルL
U,L
Vを一体化し、かつ、小型化できる。
【0040】
《波形例》
図3は、リアクトルL
U,L
Vの各々のインダクタンスが600μH、中性線のリアクトルなし、U相(U線-V線間)負荷3kW、V相(V線-O線間)負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流出力電圧(U線-V線間)、
(b):U線のリアクトルL
Uの両端電圧、
(c):V線のリアクトルL
Vの両端電圧、
(d):O線のリアクトルL
O(なし)の両端電圧(=0)、
(e):U線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(f):V線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)、
(g):O線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル19A)
(h):漏洩電流6.5mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.86A(振幅のある方)
【0041】
図4は、リアクトルL
U,L
Vの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルなし、U相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流出力電圧(U線-V線間)、
(b):U線のリアクトルL
Uの両端電圧、
(c):V線のリアクトルL
Vの両端電圧、
(d):O線のリアクトルL
O(なし)の両端電圧(=0)、
(e):U線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル50A)
(f):V線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル50A)、
(g):O線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル100A)
(h):漏洩電流9.4mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.87A(振幅のある方)
【0042】
図3によれば、O線にリアクトルがないので、U線、V線のインダクタンスを大きくしないと単相3線での自立出力の電流リプルを小さくできないことがわかる。
図4によれば、U線、V線のリアクトルのインダクタンスを小さく(100μH)すると、リプルが大きくなり、損失が大きくなりすぎて実用に耐えないことがわかる。
【0043】
図5は、リアクトルL
U,L
Vの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルL
Oのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流出力電圧(U線-V線間)、
(b):U線のリアクトルL
Uの両端電圧、
(c):V線のリアクトルL
Vの両端電圧、
(d):O線のリアクトルL
Oの両端電圧、
(e):U線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(f):V線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)、
(g):O線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル14A)
(h):漏洩電流4.4mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.60A(振幅のある方)
【0044】
図5によれば、O線にリアクトルL
Oがあるので、U線、V線のインダクタンスを小さくしても単相3線の自立出力における電流リプルを小さくできる。バイパス経路とコモンモードチョークコイルがあるので、2レグのユニポーラPWM及び単相3線自立出力でも、漏洩電流、コモンモード電流が小さいことがわかる。
【0045】
図6は、リアクトルL
U,L
Vの各々のインダクタンスが100μH、中性線のリアクトルL
Oのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流電流(U線-V線間)、電流総合歪率2%
(b):リアクトル(L
U,L
V)電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(c):漏洩電流4.0mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.58A(振幅のある方)
【0046】
図6によれば、系統連系でもリアクトル電流のリプルは単相3線と同程度であり、歪のない正弦波を出力できることがわかる。
【0047】
図7は、リアクトルL
U,L
Vを共有のコア(
図2)、リアクトルL
Oは独立として、リアクトルL
U,L
Vの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、相互インダクタンスが50μH、リアクトルL
Oのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流出力電圧(U線-V線間)、
(b):U線のリアクトルL
Uの両端電圧、
(c):V線のリアクトルL
Vの両端電圧、
(d):O線のリアクトルL
Oの両端電圧、
(e):U線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(f):V線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)、
(g):O線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル16A)
(h):漏洩電流4.3mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.58A(振幅のある方)
【0048】
図8は、リアクトルL
U,L
Vを共有のコア(
図2)、リアクトルL
Oは独立として、リアクトルL
U,L
Vの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、相互インダクタンスが50μH、リアクトルL
Oのインダクタンスが300μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流電流(U線-V線間)、電流総合歪率2%
(b):リアクトル(L
U,L
V)電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(c):漏洩電流4.1mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.60A(振幅のある方)
【0049】
図6によれば、U線、V線のコアを共有化してリアクトルを小型化しても、リアクトル電流のリプルが小さく、漏洩電流、コモンモード電流は小さい。系統連系でもリアクトル電流のリプルは自立出力と同程度であり、歪のない正弦波を出力することがわかる。
【0050】
図9は、リアクトルL
U,L
V,L
Oをすべて共有のコア(後述の
図11)として、リアクトルL
U,L
Vの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、リアクトルL
Oの巻線の自己インダクタンスが200μH、リアクトルL
U,L
V間の相互インダクタンスが50μH、リアクトルL
U,L
O間及びリアクトルL
V,L
O間の相互インダクタンスが100μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、自立出力運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流出力電圧(U線-V線間)、
(b):U線のリアクトルL
Uの両端電圧、
(c):V線のリアクトルL
Vの両端電圧、
(d):O線のリアクトルL
Oの両端電圧、
(e):U線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(f):V線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル8A)、
(g):O線のリアクトル電流(ピークトゥーピークのリプル12A)
(h):漏洩電流4.7mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.65A(振幅のある方)
【0051】
図10は、リアクトルL
U,L
V,L
Oをすべて共有のコア(後述の
図11)として、リアクトルL
U,L
Vの各々の巻線の自己インダクタンスが52μH、リアクトルL
Oの巻線の自己インダクタンスが200μH、リアクトルL
U,L
V間の相互インダクタンスが50μH、リアクトルL
U,L
O間及びリアクトルL
V,L
O間の相互インダクタンスが100μH、U相負荷3kW、V相負荷3kWで、系統連系運転を行った場合の波形図である。上から順に、以下のものを表している。
(a):交流電流(U線-V線間)、電流総合歪率2%
(b):リアクトル(L
U,L
V)電流(ピークトゥーピークのリプル8A)
(c):漏洩電流4.1mA(振幅中心の一定値の横線)、バイパス経路電流:0.60A(振幅のある方)
【0052】
図9及び
図10によれば、U線、V線、O線のコアを共有化してリアクトルを更に小型化しても、リアクトル電流のリプルが小さく、漏洩電流、コモンモード電流は小さい。系統連系でもリアクトル電流のリプルは自立出力と同程度であり、歪のない正弦波を出力することがわかる。
【0053】
《3線共有コア》
図11は、
図9、
図10の前提条件である、リアクトルL
U,L
V,L
Oがすべて共有のコアである一例を示す図である。
図11に示すリアクトルL
U,L
V,L
Oは、磁路となる1つのコア27を共有しつつ、3つのコア脚部27
U,27
O,27
Vにコイルを巻きつけて構成されている。図中の実線の矢印は、自立出力において、U線及びV線を同じ方向に流れる不要な電流成分が、O線に帰還する場合を表している。点線の矢印は、このように電流が流れた場合のコア27内の磁束mf1、mf2を表している。この場合、コア脚部27
Oでは磁束mf1と磁束mf2とが強め合うため、不要な電流成分を抑制することができる。一方、自立出力及び系統連系で、U線とV線との間に流れるノーマルモード電流に対しては、コア脚部27
U及びコア脚部27
Vにおいて磁束が強め合うため、電流リプルを抑制することができる。結果として、リアクトルL
U,L
V,L
Oを一体化した上で、全体として小型化することができる。
【0054】
《開示のまとめ》
本開示の電力変換装置について、以下のように総括することができる。
【0055】
(リアクトルの配置)
図1に示したように、U線、V線、O線にそれぞれリアクトルL
U,L
V,L
Oを設置することにより、O線にもリアクトルL
Oがある。そのため、単相3線式で自立出力を行うときに、U線、V線のリアクトルのインダクタンスを大きくしなくてもU線-O線の電流経路及びV線-O線の電流経路では、2つのリアクトルによりインダクタンスを十分に確保できる。これにより、各リアクトルを流れる電流のリプルを小さくすることができる。また、U線、V線のリアクトルを小型化、かつ、低損失化できる。
【0056】
(制御方式)
U線、V線の電流を制御するインバータ14の2レグをユニポーラPWMで駆動することで、リアクトルの巻線両端に加わるパルス電圧の振幅が半分になり、かつ、動作の周波数がスイッチング周波数の2倍になるので、U線、V線のリアクトルのインダクタンスを1/4にすることができる。系統連系時の2線出力、自立出力時の単相3線出力のどちらも、ユニポーラPWMを用いることができる。O線にリアクトルがあるので、U線、V線のインダクタンスを相対的に小さくしても、単相3線自立出力が可能となる。
【0057】
(バイパス経路)
ユニポーラPWM、または、単相3線自立出力でインバータ14を運転すると、直流電路の対地電位がインバータ14のスイッチング動作で変動し、直流電源1及び直流電路2の対地浮遊容量、並びに、交流側の接地を経由して漏洩電流が流れやすくなる。しかしながら、直流電路2と交流電路4とを、コンデンサ(7,8,22,23,24)を介して短絡するコモンモード電流のバイパス経路25を設けることにより、漏洩電流を抑制することができる。
【0058】
(コモンモードチョークコイル)
バイパス経路25の両端間の主回路の範囲内に、コモンモードチョークコイル9,21を設置することで、コモンモード電流、及び、漏洩電流を抑制することができる。
【0059】
(リアクトルのインダクタンス)
U線、V線のインダクタンスよりも、O線のインダクタンスを大きくすることにより、U線、V線のリアクトルLU,LVのインダクタンスを、系統連系時の2線出力、自立出力時の単相3線出力の両方に最適な値に設定することができる。その結果、3つのリアクトルLU,LV,LOのインダクタンスを最適な値に設定することができ、全体として、小型化及び低損失化を実現できる。
【0060】
《その他》
図12は、直流電源が複数個ある場合の、電力変換装置100の一部を含む、ハイブリッドの電力変換装置200の構成の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置100のコンデンサ11及びDCバス10及びその右側部分は、
図1と同様である。蓄電池である直流電源1Bは、DC/DCコンバータ28を介してDCバス10に接続されている。また、他の直流電源1Pは、太陽光発電パネルである。直流電源1Pは、等価回路として、対地浮遊容量31,32を並列に有している。また、一対の対地浮遊容量31,32の直列体の中間点は接地されている、という等価的な状態にある。
【0061】
対地静電容量31,32の直列体の両端である直流電路30の正負2線間には、互いに直列に接続された一対のコンデンサ33,34が接続されている。コンデンサ33,34の各々のキャパシタンスは同一である。一対のコンデンサ33,34の相互接続点N
DCは、電力変換装置100のバイパス経路25と接続されている。直流電路30の2線には、コモンモードチョークコイル35及びDC/DCコンバータ36が接続されている。DC/DCコンバータ36の出力はDCバス10に接続されている。なお、
図12では、1組の直流電源ユニット37のみを示しているが、複数組の直流電源ユニットを、DCバス10に対して並列に接続することができる。
【0062】
このように、複数の直流電源が共通のDCバス10に接続されるハイブリッドな電力変換装置200では、バイパス経路25は、1又は複数組の直流電源ユニットにおける直流電路30の正負2線間の中間電位となる相互接続点NDCと接続される。
【0063】
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0064】
1 直流電源
1B 直流電源(蓄電池)
1P 直流電源(太陽光発電パネル)
2 直流電路
3 負荷
4 交流電路
5,6 対地浮遊容量
7,8 コンデンサ
9 コモンモードチョークコイル
10 DCバス
11 コンデンサ
12 電圧センサ
13 制御部
14 インバータ
15,16 電流センサ
17.18 コンデンサ
19.20電圧センサ
21 コモンモードチョークコイル
22,23,24 コンデンサ
25 バイパス経路
26 コア(U線V線共有コア)
27 コア(U線V線O線共有コア)
28 DC/DCコンバータ
30 直流電路
31,32 対地浮遊容量
33,34 コンデンサ
35 コモンモードチョークコイル
36 DC/DCコンバータ
37 直流電源ユニット
100 電力変換装置
100a 電力変換部
200 電力変換装置
Lu、Lv,Lo リアクトル
mf1,mf2 磁束
NAC 中性点
NDC 相互接続点
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 スイッチング素子