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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】浄化制御装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20230912BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20230912BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20230912BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
F01N3/08 A ZAB
F02D45/00 368F
F02D45/00 360A
F01N3/20 R
B01D53/94 222
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020108042
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022003246
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長岡 大治
(72)【発明者】
【氏名】坂本 隆行
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-175173(JP,A)
【文献】特開2019-44706(JP,A)
【文献】特開2020-51399(JP,A)
【文献】特開2017-36700(JP,A)
【文献】再公表特許第2011/042956(JP,A1)
【文献】特開2002-180865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/08
F02D 45/00
F01N 3/20
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の排気管に配置されたNO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を調節して、前記NO吸蔵還元型触媒におけるNOの吸蔵および還元を制御する浄化制御装置であって、
前記排気ガスがリッチ空燃比に制御されたリッチ期間において、前記NO吸蔵還元型触媒の還元量が低下する低下タイミングを取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記低下タイミング以前より上昇するように制御する空燃比制御部とを備え
前記空燃比制御部は、前記取得部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比をリーン空燃比に上昇するように制御する浄化制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記排気管において前記NO吸蔵還元型触媒の下流側に配置され、前記排気ガスの空燃比を検出して前記低下タイミングを取得する出口ラムダセンサを有し、
前記空燃比制御部は、前記出口ラムダセンサで取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記低下タイミング以前より上昇させる請求項1に記載の浄化制御装置。
【請求項3】
車両の排気管に配置されたNO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を調節して、前記NO 吸蔵還元型触媒におけるNO の吸蔵および還元を制御する浄化制御装置であって、
前記排気ガスがリッチ空燃比に制御されたリッチ期間において、前記NO 吸蔵還元型触媒の還元量が低下する低下タイミングを取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記低下タイミング以前より上昇するように制御する空燃比制御部とを備え、
前記取得部は、
前記排気管において前記NO吸蔵還元型触媒の上流側に配置され、前記NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する入口ラムダセンサと、
前記NO吸蔵還元型触媒を流通する排気ガスの温度を検出する温度センサと、
前記NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比および前記NO吸蔵還元型触媒を流通する排気ガスの温度に対するNO吸蔵還元型触媒の還元量を示す還元量マップを予め記憶し、前記還元量マップに基づいて前記入口ラムダセンサで検出された空燃比と前記温度センサで検出された温度とから前記NO吸蔵還元型触媒の還元量を算出して前記低下タイミングを取得する算出部と
を有し、
前記空燃比制御部は、前記算出部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御する浄化制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記排気管において前記NO 吸蔵還元型触媒の下流側に配置され、前記排気ガスの空燃比を検出して前記低下タイミングを取得する出口ラムダセンサを有し、
前記空燃比制御部は、前記出口ラムダセンサで取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記低下タイミング以前より上昇させる請求項3に記載の浄化制御装置。
【請求項5】
前記空燃比制御部は、前記出口ラムダセンサで検出される空燃比が前記低下タイミング以前の値を維持するように前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を上昇させる請求項4に記載の浄化制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浄化制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば商用車などの車両において、排気ガスに含まれるNO(窒素酸化物)を浄化するNO吸蔵還元型触媒(LNT触媒、LNT:Lean NO Trap)および選択還元型触媒(SCR触媒、SCR:Selective Catalytic Reduction)などの浄化装置が排気管に配置されており、この浄化装置を制御する浄化制御装置が実用化されている。浄化制御装置は、例えば、排気ガスの空燃比を調節してLNT触媒におけるNOの吸蔵および還元を制御する。
【0003】
ここで、浄化装置からアンモニア(NH)がスリップし、そのアンモニアが排気管を腐食させるなど車両に様々な影響を及ぼすおそれがある。例えば、LNT触媒は、NOの還元反応においてアンモニアを生成し、そのアンモニアがLNT触媒からスリップして排気管を腐食させるおそれがある。
【0004】
そこで、浄化装置からのアンモニアのスリップを抑制する技術として、例えば、特許文献1には、NOの浄化率を向上しつつ、アンモニアのスリップを抑制する排気浄化装置が開示されている。この排気浄化装置は、LNT触媒におけるアンモニアの生成量が増加した場合には、SCR触媒におけるアンモニアのストレージ量を増加させることで、アンモニアのスリップを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-151929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の装置は、LNT触媒からのアンモニアのスリップ自体を抑制するものではないため、LNT触媒からスリップしたアンモニアがSCR触媒の浄化率の低下および排気管の腐食などを招くおそれがある。
【0007】
本開示は、NO吸蔵還元型触媒からのアンモニアのスリップを抑制する浄化制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る浄化制御装置は、車両の排気管に配置されたNO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を調節して、NO吸蔵還元型触媒におけるNOの吸蔵および還元を制御する浄化制御装置であって、排気ガスがリッチ空燃比に制御されたリッチ期間において、NO吸蔵還元型触媒の還元量が低下する低下タイミングを取得する取得部と、取得部で取得された低下タイミングに基づいて、NO吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を低下タイミング以前より上昇するように制御する空燃比制御部とを備え、空燃比制御部は、取得部で取得された低下タイミングに基づいて、NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比をリーン空燃比に上昇するように制御するものである。
本開示に係る浄化制御装置は、車両の排気管に配置されたNO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を調節して、前記NO 吸蔵還元型触媒におけるNO の吸蔵および還元を制御する浄化制御装置であって、排気ガスがリッチ空燃比に制御されたリッチ期間において、前記NO 吸蔵還元型触媒の還元量が低下する低下タイミングを取得する取得部と、取得部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を前記低下タイミング以前より上昇するように制御する空燃比制御部とを備え、取得部は、排気管において前記NO 吸蔵還元型触媒の上流側に配置され、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する入口ラムダセンサと、NO 吸蔵還元型触媒を流通する排気ガスの温度を検出する温度センサと、NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比および前記NO 吸蔵還元型触媒を流通する排気ガスの温度に対するNO 吸蔵還元型触媒の還元量を示す還元量マップを予め記憶し、前記還元量マップに基づいて前記入口ラムダセンサで検出された空燃比と前記温度センサで検出された温度とから前記NO 吸蔵還元型触媒の還元量を算出して前記低下タイミングを取得する算出部とを有し、空燃比制御部は、前記算出部で取得された前記低下タイミングに基づいて、前記NO 吸蔵還元型触媒に流入する排気ガスの空燃比を制御するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、NO吸蔵還元型触媒からのアンモニアのスリップを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る浄化制御装置を備えた車両の構成を示す図である。
図2】実施の形態1の動作を示すフローチャートである。
図3】空燃比およびアンモニアのスリップ量の変化を示すグラフである。
図4】実施の形態2に係る浄化制御装置の要部の構成を示す図である。
図5】実施の形態2の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1に、本開示の実施の形態1に係る浄化制御装置を備えた車両の構成を示す。車両は、内燃機関1と、吸気管2と、排気管3と、内燃機関制御部4と、浄化装置5とを有する。なお、車両としては、例えば、トラックなどの商用車が挙げられる。
【0013】
内燃機関1は、車両を駆動するためのもので、例えば、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程の4つの行程を繰り返す、いわゆる4ストローク機関から構成されている。内燃機関1としては、例えば、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。
【0014】
吸気管2は、先端部が内燃機関1の吸気口に接続され、外部から吸入された空気を内燃機関1に供給する流路である。
排気管3は、内燃機関1の排気口から外部に延びるように配置され、内燃機関1から排出される排気ガスを外部に排出する流路である。
【0015】
内燃機関制御部4は、内燃機関1を制御するもので、内燃機関1および浄化装置5の浄化制御部12にそれぞれ接続されている。内燃機関制御部4は、例えば、吸気の流量、排気ガスの流量、燃料の供給およびエンジン回転数などを制御する。なお、燃料としては、例えば軽油が挙げられる。
【0016】
浄化装置5は、NO吸蔵還元型触媒(LNT触媒)6と、選択還元型触媒(SCR触媒)7と、浄化制御装置8とを有する。
【0017】
LNT触媒6は、排気管3内に配置され、排気ガスに含まれるNOを吸蔵および還元して浄化する。例えば、LNT触媒6は、白金などの貴金属触媒と、バリウムなどのアルカリ土類金属などで形成されるNO吸蔵材とを担体に担持させた成型体から構成することができる。これにより、LNT触媒6は、排気ガスがリーン空燃比、すなわちストイキ空燃比(空気過剰率=1)より燃料比率が低い空燃比のときに、排気ガスに含まれるNOをNO吸蔵材に吸蔵する。そして、LNT触媒6は、排気ガスがリッチ空燃比、すなわちストイキ空燃比より燃料比率が高い空燃比にされると、酸素濃度が減少すると共に一酸化炭素および炭化水素などの還元剤量が増加するため、貴金属触媒の三元機能により、NO吸蔵材に吸蔵されたNOを還元剤と反応させて窒素などに還元して浄化する。
なお、本開示において、空燃比は、空気過剰率で表すものとする。
【0018】
SCR触媒7は、排気管3内においてLNT触媒6の下流側に配置され、還元剤の供給により排気ガスに含まれるNOを還元して浄化する。例えば、SCR触媒7は、鉄イオン交換アルミノシリケートおよび銅イオン交換アルミノシリケートなどのゼオライト触媒などから構成することができる。これにより、例えば、尿素水が還元剤として排気管3内に供給されると、その尿素水が排気ガスの高温な熱で熱分解および加水分解されてアンモニアが生成され、生成されたアンモニアがSCR触媒7にストレージされる。そして、SCR触媒7は、ストレージされたアンモニアで排気ガスに含まれるNOを窒素などに還元して浄化する。
【0019】
浄化制御装置8は、入口ラムダセンサ9aと、出口ラムダセンサ9bと、温度センサ10aおよび10bと、供給部11と、浄化制御部12とを有する。また、浄化制御部12は、空燃比制御部13と、供給制御部14とを有する。空燃比制御部13が、入口ラムダセンサ9a、出口ラムダセンサ9bおよび温度センサ10aにそれぞれ接続されている。また、供給制御部14が、温度センサ10bおよび供給部11にそれぞれ接続されている。また、空燃比制御部13および供給制御部14は、それぞれ、内燃機関制御部4に接続されている。
【0020】
入口ラムダセンサ9aは、排気管3においてLNT触媒6の上流側に配置され、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を検出する。すなわち、入口ラムダセンサ9aは、LNT触媒6がNOと反応する前の空燃比を検出する。
【0021】
出口ラムダセンサ9bは、排気管3においてLNT触媒6の下流側に配置され、LNT触媒6から流出する排気ガスの空燃比を検出する。すなわち、出口ラムダセンサ9bは、LNT触媒6がNOと反応した後の空燃比を検出する。
【0022】
ここで、LNT触媒6に流入する排気ガスがリッチ空燃比に制御されるリッチ期間において、LNT触媒6に吸蔵されたNOの減少に応じてLNT触媒6の還元量が低下すると、その還元量の低下に応じて、生成される酸素も減少する。これにより、排気ガスの空燃比が低下し、この空燃比の低下が出口ラムダセンサ9bで検出される。すなわち、リッチ期間において、LNT触媒6の還元量がNOの減少に応じて低下する低下タイミングを出口ラムダセンサ9bで排気ガスの空燃比を検出して取得することができる。
なお、出口ラムダセンサ9bは、本開示における取得部を構成する。
【0023】
温度センサ10aは、排気管3においてLNT触媒6の上流側に配置され、LNT触媒6を流通する排気ガスの温度を検出する。
温度センサ10bは、排気管3においてSCR触媒7の上流側に配置され、SCR触媒7を流通する排気ガスの温度を検出する。
【0024】
供給部11は、排気管3においてSCR触媒7の上流側に配置され、SCR触媒7に対して還元剤を供給する。還元剤としては、アンモニアなどのNOを直接還元するものだけでなく、その前駆体、例えばアンモニアの前駆体である尿素水なども含むものである。
【0025】
空燃比制御部13は、入口ラムダセンサ9a、出口ラムダセンサ9bおよび温度センサ10aで検出される検出値に基づいて、内燃機関制御部4を介してLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を調節し、LNT触媒6におけるNOの吸蔵および還元を制御する。
【0026】
例えば、空燃比制御部13は、リッチ期間において、入口ラムダセンサ9aがリッチ空燃比を維持するように制御する。このとき、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで低下タイミングが検出されると、その低下タイミングに基づいて、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を低下タイミング以前より上昇するように制御する。例えば、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比が低下タイミング以前の値を維持するように、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を上昇させる。
【0027】
供給制御部14は、温度センサ10bで検出される温度に基づいて、SCR触媒7におけるアンモニアのストレージ容量に応じた量の還元剤を噴射するように供給部11を制御する。
【0028】
なお、内燃機関制御部4、浄化制御部12、空燃比制御部13および供給制御部14の機能は、コンピュータプログラムにより実現させることもできる。例えば、コンピュータの読取装置が、内燃機関制御部4、浄化制御部12、空燃比制御部13および供給制御部14の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。そして、CPUが、記憶装置に記憶されたプログラムをRAMにコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、内燃機関制御部4、浄化制御部12、空燃比制御部13および供給制御部14の機能を実現することができる。
【0029】
次に、本実施の形態の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、図1に示すように、内燃機関制御部4が内燃機関1を制御して車両が走行されると、内燃機関1で生じた排気ガスが排気管3を流通して外部に排出される。例えば、内燃機関1では、リーン空燃比の排気ガスが生成され、この排気ガスが排気管3に配置されたLNT触媒6を流通することにより、排気ガスに含まれるNOがLNT触媒6で順次吸蔵される。
【0031】
このLNT触媒6におけるNOの吸蔵量は、空燃比制御部13で算出される。空燃比制御部13は、例えば、内燃機関制御部4から順次入力される内燃機関1の吸気の流量などに基づいて、排気ガスにおけるNOの含有量を算出し、このNOの含有量に基づいてLNT触媒6におけるNOの吸蔵量を算出することができる。また、空燃比制御部13は、図示しないNOセンサでLNT触媒6に流入する排気ガスのNO量を検出し、そのNO量に基づいてLNT触媒6におけるNOの吸蔵量を算出することもできる。
【0032】
空燃比制御部13は、算出されるNOの吸蔵量が所定の値を超えた場合には、ステップS1で、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比をリッチ空燃比に低下させる。例えば、図3に示すように、空燃比制御部13は、入口ラムダセンサ9aで検出される空燃比R1の空気過剰率が時間T1で約0.95になるようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を低下させる。
なお、NOの吸蔵量における所定の値は、例えば、LNT触媒6に吸蔵可能なNOの容量に基づいて設定することができる。また、LNT触媒6に流入する排気ガスがリッチ空燃比に制御される時間T1から時間T3の期間をリッチ期間とする。
【0033】
このとき、空燃比制御部13は、内燃機関制御部4を介して内燃機関1の吸気系および燃料系のうち少なくとも一方を制御することにより、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を低下させることができる。例えば、空燃比制御部13は、内燃機関1の吸気系および燃料系を制御して、内燃機関1への吸気の流量を減らすと共に燃料の噴射量を増やすことにより、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を低下させる。
【0034】
ここで、内燃機関1の吸気系は、吸気の流量を調節するもので、例えば、吸気スロットル、排気スロットル、EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブおよびターボチャージャなどが挙げられる。また、内燃機関1の燃料系は、燃料を噴射するもので、例えば、シリンダー内におけるアフター噴射および排気管3内への燃料噴射などが挙げられる。
【0035】
続いて、空燃比制御部13は、入口ラムダセンサ9aで検出される空燃比R1の空気過剰率が約0.95で維持されるようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比を制御する。このため、LNT触媒6に流入する排気ガスは、リーン空燃比と比べて、酸素濃度が減少すると共に一酸化炭素および炭化水素などの還元剤が増加することになる。
これにより、LNT触媒6で吸蔵されたNOを放出および還元して窒素、水および二酸化炭素などの物質に浄化することができる。
【0036】
このとき、LNT触媒6によるNOの放出および還元に応じて酸素が生成される。このため、LNT触媒6の下流側に配置された出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2は、入口ラムダセンサ9aで検出される空燃比R1より高い値、例えば空気過剰率が約1.0のストイキ空燃比で維持されることになる。そして、NOの浄化が進んでリッチ期間の後半になると、LNT触媒6に吸蔵されたNOが減少して、LNT触媒6の還元量も低下タイミングT2で低下する。
【0037】
従来、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1aは、低下タイミングT2を過ぎても低下タイミング以前の値、すなわち空気過剰率約0.95を維持するように制御されていた。低下タイミングT2を過ぎると、LNT触媒6の還元量の低下に応じて還元反応で生成される酸素も減少するため、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2aは、徐々に低下することになる。このようにして、LNT触媒6の周囲から酸素が減少すると、LNT触媒6から放出されるNO、例えばNOがHなどと反応してアンモニアを生成し、LNT触媒6から大量のアンモニアN1がスリップするおそれがある。
【0038】
LNT触媒6の下流側に配置されたSCR触媒7は、アンモニアをストレージし、そのストレージされたアンモニアで排気ガスに含まれるNOを還元して浄化する。このため、LNT触媒6からアンモニアN1がスリップすると、SCR触媒7にストレージするアンモニア量の計算などに影響し、SCR触媒7においてアンモニアのスリップ量の増加およびNOの浄化率の低下などを招くおそれがある。
また、アンモニアN1は、腐食性を有するため、排気管3を腐食させるおそれがある。特に、LNT触媒6の下流側にLP-EGR(Low Pressure-EGR)を設けた場合に、LNT触媒6からスリップしたアンモニアN1がLP-EGRを介して吸気管2に還流されて、様々な配管およびNOの生成などに大きな影響を及ぼすおそれがある。
【0039】
そこで、本開示では、空燃比制御部13が、出口ラムダセンサ9bで空燃比R2を検出して低下タイミングT2が取得された場合に、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2以前より上昇させる。
【0040】
具体的には、空燃比制御部13は、ステップS2で、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2の低下量が所定の閾値より大きいか否かを判定する。空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2の低下量が所定の閾値より大きいと判定した場合に、その時刻を低下タイミングT2と判定、すなわちLNT触媒6に吸蔵されたNOの減少に応じて還元量が低下したと判定する。ここで、所定の閾値は、空燃比R1を一定にしたときの空燃比R2の変動量に基づいて設定することができ、例えば空気過剰率の値で約0.01に設定することができる。
【0041】
そして、空燃比制御部13は、低下タイミングT2と判定すると、ステップS3に進んで、内燃機関制御部4を介して内燃機関1の吸気系および燃料系のうち少なくとも一方を制御して、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2が低下タイミングT2以前の値を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させる。すなわち、空燃比制御部13は、空燃比R2の空気過剰率が約1.0を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1の空気過剰率を約0.98に上昇させる。
【0042】
このように、LNT触媒6の周囲から酸素が減少しても、その減少を補うように空燃比R1の酸素量が増やされるため、LNT触媒6の周囲に存在する酸素量を維持することができる。これにより、アンモニアN2の生成を抑制することができ、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップ量を大きく低減することができる。このとき、空燃比制御部13は、新たな装置を追加することなく、制御を追加するだけでLNT触媒6からのアンモニアN2のスリップを抑制することができる。
【0043】
また、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2が低下タイミングT2以前の値を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させる。これにより、空燃比R1は、空気過剰率が約1.0より小さな値で維持されるため、低下タイミングT2以降もLNT触媒6によるNOの還元を維持することができる。
【0044】
ここで、実際に、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を空気過剰率約0.95から上昇させたところ、空気過剰率が0.96以上0.98以下となるように空燃比R1を上昇させることで、低下タイミングT2以降も空燃比R2の空気過剰率を約1.0に高精度に維持することができ、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップ量を確実に低減できることがわかった。
このことから、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2の空気過剰率が低下タイミングT2以前に約1.0で維持された場合には、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を空気過剰率0.96以上0.98以下となるように上昇させることが好ましい。
【0045】
また、空燃比制御部13は、内燃機関1の吸気系および燃料系のうち燃料系を制御、具体的にはアフター噴射を行うことにより、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させることが好ましい。アフター噴射は、空燃比R1に対する応答性が速く、空燃比R1を速やかに上昇させることができるため、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップをより確実に抑制することができる。
【0046】
また、空燃比制御部13は、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を目標の空気過剰率0.98に対して段階的に変化させることにより、空燃比R1を緩やかに上昇させることができる。例えば、空燃比制御部13は、空燃比R1を空気過剰率約0.95から約0.98まで上昇させるときに、0.01刻みで3段階にわけて上昇させることができる。これにより、空燃比制御部13は、空燃比R1を目標値に調節する際に、目標値に対して上下に変動するのを抑制することができ、空燃比R1を目標値に高精度に調節することができる。
【0047】
このようにして、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2が、低下タイミングT2以降も空気過剰率約1.0で維持され、アンモニアN2のスリップ量を抑制しつつLNT触媒6によるNOの還元が維持される。そして、LNT触媒6に吸蔵されたNOが低下タイミングT3でさらに減少すると、LNT触媒6の還元量が低下して、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2の空気過剰率が、空燃比R1と同じ0.98に向かって徐々に低下する。
【0048】
このとき、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで低下タイミングT3が検出された場合に、上記と同様に、空燃比R2の空気過剰率が低下タイミングT3以前の約1.0を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1をさらに上昇させてもよい。すなわち、空燃比制御部13は、低下タイミングT2およびT3が検出される毎に、空燃比R2が低下タイミングT2およびT3以前の値を維持するように空燃比R1を繰り返し上昇させることができる。
【0049】
続いて、空燃比制御部13が、ステップS4で、空燃比R2の値が空燃比R1と一致したか否かを判定する。空燃比制御部13は、時間T4で空燃比R2の値が空燃比R1と一致したと判定、すなわちLNT触媒6に吸蔵されたNOが完全に還元されたと判定すると、ステップS5に進んで、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1をリーン空燃比に上昇するように制御する。これにより、リッチ期間が終了し、LNT触媒6に吸蔵されたNOの還元が停止される。そして、排気ガスに含まれるNOが、再度、LNT触媒6に吸蔵される。
【0050】
一方、供給制御部14は、例えば、温度センサ10bで検出される温度がSCR触媒7の還元反応に適した範囲内となった場合に、SCR触媒7に尿素水を供給する。このとき、供給制御部14は、SCR触媒7におけるアンモニアのストレージ容量に基づいて、SCR触媒7に対する尿素水の供給量を算出する。
供給部11から噴射された尿素水は、排気ガスの熱で熱分解および加水分解されてアンモニアが生成され、そのアンモニアがSCR触媒7にストレージされる。そして、排気ガスに含まれるNOが、SCR触媒7にストレージされたアンモニアで窒素などに還元されて浄化される。
【0051】
このとき、供給制御部14は、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップ量が低減されているため、供給部11からの尿素水の供給量をSCR触媒7のストレージ容量に応じて正確に算出することができる。これにより、SCR触媒7に適量のアンモニアを供給することができ、SCR触媒7においてアンモニアのスリップ量の増加およびNOの浄化率の低下などを抑制することができる。
【0052】
本実施の形態によれば、空燃比制御部13が、出口ラムダセンサ9bで排気ガスの空燃比R2を検出して低下タイミングT2が取得された場合に、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比が低下タイミングT2以前の値を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させる。このため、LNT触媒6によるNOの還元を維持しつつLNT触媒6からのアンモニアのスリップを抑制することができる。
【0053】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2について説明する。ここでは、上記の実施の形態1との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0054】
上記の実施の形態1では、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで排気ガスの空燃比R2を検出して取得された低下タイミングT2に基づいて空燃比R1を制御したが、低下タイミングT2に基づいて空燃比R1を制御できればよく、これに限られるものではない。
【0055】
例えば、図4に示すように、実施の形態1の入口ラムダセンサ9aおよび温度センサ10aと空燃比制御部13との間に算出部21を新たに配置することができる。
【0056】
算出部21は、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1およびLNT触媒6を流通する排気ガスの温度に対するLNT触媒6の還元量を示す還元量マップを予め記憶する。続いて、算出部21は、還元量マップに基づいて、入口ラムダセンサ9aで検出された空燃比R1と温度センサ10aで検出された温度とからLNT触媒6の還元量を算出して低下タイミングT2を取得する。なお、還元量マップは、例えば、実験およびシミュレーションなどにより作成することができる。
【0057】
ここで、入口ラムダセンサ9a、温度センサ10aおよび算出部21は、本開示における取得部を構成する。
【0058】
空燃比制御部13は、算出部21で取得された低下タイミングT2に基づいて、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2以前より上昇するように制御する。
【0059】
次に、本実施の形態の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
まず、空燃比制御部13が、LNT触媒6におけるNOの吸蔵量が所定の値を超えると、実施の形態1と同様に、ステップS1で、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1をリーン空燃比からリッチ空燃比に低下させる。そして、空燃比制御部13は、入口ラムダセンサ9aで検出される空燃比R1の空気過剰率を約0.95で維持することにより、LNT触媒6に吸蔵されたNOを還元して浄化させる。
【0061】
このとき、算出部21は、還元量マップに基づいて、入口ラムダセンサ9aで検出された空燃比R1と温度センサ10aで検出された温度とからLNT触媒6によるNOの還元量を順次算出する。
【0062】
続いて、空燃比制御部13が、ステップS21で、算出部21で算出されたLNT触媒6によるNOの還元量が所定の閾値より小さいか否かを判定する。空燃比制御部13は、算出部21で算出されるLNT触媒6によるNOの還元量が所定の閾値より小さいと判定した場合には、その時刻を低下タイミングT2と判定する。ここで、所定の閾値は、例えば、LNT触媒6の還元量の低下に対するLNT触媒6からのアンモニアのスリップ量の変化に基づいて予め設定することができる。
【0063】
このとき、空燃比制御部13が、実施の形態1のように、出口ラムダセンサ9bで検出された空燃比R2に基づいて低下タイミングT2を判定すると、LNT触媒6の還元量の低下が空燃比R2に反映されるまでの間に検出遅れが生じるおそれがある。このため、本実施の形態のように、算出部21で算出されたLNT触媒6の還元量に基づいて、低下タイミングT2を判定することにより、低下タイミングT2を実際の還元反応に合わせて速やかに判定することができる。
【0064】
続いて、空燃比制御部13は、実施の形態1と同様に、ステップS3で、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2が低下タイミングT2以前の値を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させる。
【0065】
本実施の形態によれば、算出部21が、還元量マップに基づいて、入口ラムダセンサ9aで検出された空燃比R1と、温度センサ10aで検出された温度とからLNT触媒6の還元量を算出する。これにより、空燃比制御部13が、低下タイミングT2を速やかに判定することができ、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2で確実に上昇させることができる。
【0066】
なお、空燃比制御部13は、実施の形態1のように出口ラムダセンサ9bで検出された空燃比R1に基づいて低下タイミングT2を判定する方法と、実施の形態2のように算出部21で算出されたLNT触媒6によるNOの還元量に基づいて低下タイミングT2を判定する方法とを選択的に用いることができる。
実施の形態1のように、出口ラムダセンサ9bで検出された空燃比R2に基づいて低下タイミングT2を判定する方法は、実施の形態2の方法と比較して、実際の還元反応を反映した値を用いるため、低下タイミングT2を確実に判定することができる。このため、実施の形態1および2の方法を選択的に用いることで、両者の利点を生かして低下タイミングT2を高精度に判定することができる。
【0067】
(実施の形態3)
以下、本開示の実施の形態3について説明する。ここでは、上記の実施の形態1および2との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1および2との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0068】
上記の実施の形態1および2では、空燃比制御部13は、出口ラムダセンサ9bで検出される空燃比R2が低下タイミングT2以前の値を維持するようにLNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を上昇させたが、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2以前より上昇させればよく、これに限られるものではない。
【0069】
例えば、空燃比制御部13は、低下タイミングT2に基づいて、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1をリーン空燃比に上昇するように制御することができる。すなわち、空燃比制御部13は、低下タイミングT2以降に空燃比R2の空気過剰率を約1.0に維持することなく、低下タイミングT2で空燃比R1をリーン空燃比に上昇させてリッチ期間を終了させる。
【0070】
このように、空燃比制御部13は、低下タイミングT2で空燃比R1をリーン空燃比に上昇させるため、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップ量を確実に抑制することができる。
【0071】
本実施の形態によれば、空燃比制御部13が、低下タイミングT2に基づいて、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1をリーン空燃比に上昇するように制御するため、LNT触媒6からのアンモニアN2のスリップ量を確実に抑制することができる。
【0072】
なお、上記の実施の形態1~3では、空燃比制御部13は、低下タイミングT2を検出すると速やかに、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2以前より上昇するように制御したが、低下タイミングT2に基づいて制御すればよく、これに限られるものではない。例えば、空燃比制御部13は、低下タイミングT2から所定の時間が経過後に、LNT触媒6に流入する排気ガスの空燃比R1を低下タイミングT2以前より上昇するように制御することができる。
【0073】
その他、上記の実施の形態は、何れも本発明の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施の形態で説明した各部の形状や個数などについての開示はあくまで例示であり、適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示に係る浄化制御装置は、LNT触媒に流入する排気ガスの空燃比を調節してLNT触媒におけるNOの吸蔵および還元を制御する装置に利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 内燃機関
2 吸気管
3 排気管
4 内燃機関制御部
5 浄化装置
6 NO吸蔵還元型触媒
7 選択還元型触媒
8 浄化制御装置
9a 入口ラムダセンサ
9b 出口ラムダセンサ
10a,10b 温度センサ
11 供給部
12 浄化制御部
13 空燃比制御部
14 供給制御部
21 算出部
N1,N2 アンモニア
R1,R1a,R2,R2a 空燃比
T1,T4 時間
T2,T3 低下タイミング
図1
図2
図3
図4
図5