(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】部材を搬送する方法および搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/00 20060101AFI20230912BHJP
B65G 15/28 20060101ALI20230912BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65H5/00 G
B65G15/28
B65H5/02 Z
(21)【出願番号】P 2020116128
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】助田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】平位 直樹
(72)【発明者】
【氏名】富岡 晃徳
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-179031(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0189703(US,A1)
【文献】特開2002-002957(JP,A)
【文献】特開昭59-173161(JP,A)
【文献】実開昭53-129085(JP,U)
【文献】特開2019-110166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/00
B65G 15/28
B65H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を搬送する方法であって、
(a)前記複数のシート状の部材のうちの一つのシート状の部材を、無端ベルト上に配置する工程と、
(b)ローラに沿って折り返されつつ移動される前記無端ベルトの部位の上から、前記配置された部材を離脱させる工程と、
(c)前記工程(a)および(b)を繰り返す工程と、を備え、
前記無端ベルトは、第1の磁力を発生させることが可能な第1磁力発生部と、前記第1の磁力よりも強い第2の磁力を有する第2磁力発生部と、を備え、
前記工程(a)は、
前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち第1の部位が、前記第1磁力発生部に位置し、
前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向に対して前記第1の部位よりも後方に位置する第2の部位が、前記第2磁力発生部に位置するように、前記部材を配置する工程である、
部材を搬送する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の部材を搬送する方法であって、
前記部材の厚みが、0.1mm以下である、
部材を搬送する方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の部材を搬送する方法であって、
前記第1磁力発生部は、前記無端ベルトの移動方向に沿って配置され、
前記第2磁力発生部は、前記無端ベルトの移動方向に沿って、前記第1磁力発生部の両側に配置されており、
前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向についての先端が、前記第1の部位に含まれ、
前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向についての後端が、前記第2の部位に含まれように、前記部材を配置する、
部材を搬送する方法。
【請求項4】
それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を搬送する搬送装置であって、
前記複数のシート状の部材が配置される無端ベルトと、
前記無端ベルトに沿われ、前記無端ベルトを折り返しつつ移動させることで前記無端ベルトの部位の上から前記複数の部材を繰り返し離脱させるローラと、
を備え、
前記無端ベルトは、第1の磁力を発生させることが可能な第1磁力発生部と、前記第1の磁力よりも強い第2の磁力を有する第2磁力発生部と、を備え、
前記第1磁力発生部は、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち第1の部位が位置すべき部位であり、
前記第2磁力発生部は、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向に対して前記第1の部位よりも後方に位置する第2の部位が、位置すべき部位である、
搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部材を搬送する方法および搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性体で構成された部材の搬送方法として、コンベアのベルトに組み合わされた多数の電磁石に、磁性体を吸着させて、搬送する方法が知られている。この方法の一例では、所定の電磁石に対する電流を制御することにより、所定の電磁石への磁性体の吸着力を制御する。所定の集積部の上部にて、電磁石に対する電流を停止することで、磁性体が電磁石に対する吸着力をなくし、集積部に落下する。特許文献1では、磁性体の長さと、前工程の機器から磁性体が搬入される位置に関するデータに基づいて自動的に運転の設定を行い、電磁石の励磁や非励磁のタイミング等を設定することで、多様なサイズの磁性体を間欠的に搬送することができる磁性体の搬送方法を提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、2つの回転するロールの間を、循環して走行する無端ベルトを備えるベルトコンベアを用い、電磁石によってベルトに吸着された複数の磁性体が、ベルトがロールで折り返される際に、慣性力によってベルトから離れる、磁性体の搬送方法を検討した。ベルトから離れた磁性体は、たとえば、予め磁性体の進行方向の先に用意されていた、磁性体が突き当り可能な部材に突き当り、下方に落下する。この搬送方法において、ロールが高速で回転することにより、高速で走行するベルトから離れた磁性体の前端が、ベルトから先に離れた他の磁性体の後端に接触する可能性がある。磁性体の形状によっては、接触した磁性体同士が絡まるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を搬送する方法が提供される。この部材の搬送する方法は、それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を搬送する方法であって、(a)前記複数のシート状の部材のうちの一つのシート状の部材を、無端ベルト上に配置する工程と、(b)ローラに沿って折り返されつつ移動される前記無端ベルトの部位の上から、前記配置された部材を離脱させる工程と、(c)前記工程(a)および(b)を繰り返す工程と、を備え、前記無端ベルトは、第1の磁力を発生させることが可能な第1磁力発生部と、前記第1の磁力よりも強い第2の磁力を有する第2磁力発生部と、を備え、前記工程(a)は、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち第1の部位が、前記第1磁力発生部に位置し、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向に対して前記第1の部位よりも後方に位置する第2の部位が、前記第2磁力発生部に位置するように、前記部材を配置する工程である。
この形態においては、第2の部位の、無端ベルトへの吸着力が、第1の部位に比べて大きい。そのため、第2の部位の、ローラに沿って折り返されつつ移動される無端ベルトの上から離脱するローラ上の位置が、第1の部位が離脱するローラ上の位置から無端ベルトの移動方向にズレる。これにより、無端ベルトの上から離脱したシート状の部材は、飛翔方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔する。この結果、先にベルトから離れた部材の第2の部位と、次にベルトから離れた、他の部材の第1の部位との間には、飛翔方向に垂直な方向について隙間が生じる。この隙間により、先にベルトから離れた部材と、次にベルトから離れた部材が接触することを抑制することができる。
(2)上記形態の部材を搬送する方法において、前記部材の厚みが、0.1mm以下であってもよい。
この形態においては、0.1mmよりも厚みが大きい態様に比べて、シート状の部材の剛性が低くなる。このため、無端ベルトの上から離脱したシート状の部材の姿勢を、効果的に、飛翔方向に対して平行な姿勢からずらすことができる。
(3)上記形態の部材を搬送する方法において、前記第1磁力発生部は、前記無端ベルトの移動方向に沿って配置され、前記第2磁力発生部は、前記無端ベルトの移動方向に沿って、前記第1磁力発生部の両側に配置されており、前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向についての先端が、前記第1の部位に含まれ、前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向についての後端が、前記第2の部位に含まれように、前記部材を配置してもよい。
この形態においては、後端がベルトから離れる位置が、先端がベルトから離れる位置と比べて、ベルトの進行方向にずれる。これにより、無端ベルトの上から離脱したシート状の部材は、飛翔方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔する。この結果、先にベルトから離れた部材の後端と、次にベルトから離れた部材の先端との間には、飛翔方向に垂直な方向について隙間が生じる。この隙間により、先にベルトから離れた部材と、次にベルトから離れた部材が接触することを抑制することができる。
(4)本開示の他の形態によれば、それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を搬送する搬送装置が提供される。この搬送装置は、それぞれ磁性体を含んで構成された複数のシート状の部材を送する搬送装置であって、前記複数のシート状の部材が配置される無端ベルトと、前記無端ベルトに沿われ、前記無端ベルトを折り返しつつ移動させることで前記無端ベルトの部位の上から前記複数の部材を繰り返し離脱させるローラと、を備え、前記無端ベルトは、第1の磁力を発生させることが可能な第1磁力発生部と、前記第1の磁力よりも強い第2の磁力を有する第2磁力発生部と、を備え、前記第1磁力発生部は、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち第1の部位が位置すべき部位であり、前記第2磁力発生部は、前記部材の前記磁性体を含んで構成された部分のうち、前記部材の搬送方向に対して前記第1の部位よりも後方に位置する第2の部位が、位置すべき部位である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】無端ベルトによるワークの搬送を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A1.搬送装置10の構成:
図1は、本実施形態の搬送装置10の概略構成図である。搬送装置10は、無端ベルト100と、第1ローラ200と、第2ローラ210と、ローラ駆動源220と、収容部300と、制御部400を備える。
図1のX軸は、無端ベルト100の移動方向及び、後述するワーク500の搬送方向を表し、Z軸は鉛直方向を表している。Z軸の負方向が、重力下方向である。理解の便を図るために、
図1ではワーク500の厚みを誇張している。
【0009】
無端ベルト100は、複数のワーク500が配置される。無端ベルト100は、第1ローラ200及び第2ローラ210に沿って矢印A方向に移動されることで、ワーク500を収容部300に搬送する。無端ベルト100は、複数のマグネット150を備える。無端ベルト100は、マグネット150が配置されることにより、磁力を有し、ワーク500を表面に吸着させることができる。無端ベルト100が有する磁力については、後述する。
【0010】
図2は、マグネット150の配置を説明する図である。
図2は、搬送装置10を
図1の白抜き矢印Bの方向に向かって見た様子の一部を示している。各マグネット150は、無端ベルト100に配置されることにより、ワーク500を、無端ベルト100に吸着させる。各マグネット150は、図示しない電流供給部によって電流を供給されることにより、個別に励磁と非励磁とされる。対応する電流供給線の図示は省略している。マグネット150が励磁されることにより発生する磁力によって、ワーク500が無端ベルト100に吸着される。
【0011】
図2に示すように、マグネット150は、無端ベルト100の、ワーク500が配置される面とは逆側の面に配置されている。本実施形態において、マグネット150は、無端ベルト100の、ワーク500が配置される面とは逆側の面で、無端ベルト100に接するように、配置される。マグネット150は、複数の第1種のマグネット151と、第2種のマグネット152と、を含む。
【0012】
第1種のマグネット151は、無端ベルト100の移動方向に沿って、配置されている。
図2において、第1種のマグネット151は、図示しないチェーンによって、X軸方向について、それぞれ隙間なく繋げられており、無端ベルト100の移動方向に、移動可能である。第2種のマグネット152は、無端ベルト100の移動方向に沿って、第1種のマグネット151の両側に、それぞれ配置されている。第2種のマグネット152は、チェーンに取り付けられることで、X軸方向に隙間なく繋げられており、無端ベルト100の移動方向に、移動可能である。第1種のマグネット151と、第2種のマグネット152に取り付けられている各チェーンは、第1ローラ200と第2ローラ210に架けられている。
【0013】
マグネット150が配置されていることにより、無端ベルト100は、ワーク500を無端ベルト100の表面に吸着するための磁力を発生させることができる。第1種のマグネット151が配置されている無端ベルト100の部位は、電流が供給された第1種のマグネット151によって第1の磁力を発生させることが可能である。第1の磁力を発生させることが可能な無端ベルト100の部位を、第1磁力部101aとよぶ。第1種のマグネット151と、第1磁力部101aをあわせて、第1磁力発生部101Aとも呼ぶ。第2種のマグネット152が配置されている無端ベルト100の部位は、第2の磁力を有する。第2の磁力を有する無端ベルト100の部位を、第2磁力部102aとよぶ。第2種のマグネット152と第2磁力部102aをあわせて、第2磁力発生部102Aとも呼ぶ(
図2のハッチング部分参照)。第2種のマグネット152の磁力は、第1種のマグネット151の磁力よりも大きく、第2の磁力は、第1の磁力よりも強い。第2磁力発生部102Aが有する磁力は、第1磁力発生部101Aが発生することが可能な磁力よりも強い。第1磁力発生部101Aは、無端ベルト100の移動方向に沿って配置され、第2磁力発生部102Aは、無端ベルト100の移動方向に沿って、第1磁力発生部101Aの両側に配置される。
【0014】
第1ローラ200は、ローラ駆動源220に接続されることにより回転することが可能である(
図1参照)。本実施形態においては、第1ローラ200は時計回りに回転し、第1ローラ200に沿った無端ベルト100を折り返しつつ、進行方向に移動させることで、無端ベルト100の部位の上から複数のワーク500を繰り返し離脱させる。第2ローラ210は、ローラ駆動源220に接続されず、第1ローラ200の回転に伴って回転する。第1ローラ200及び第2ローラ210が回転することにより、マグネット150をつないでいるチェーンと、無端ベルト100とが、連動して移動される。
【0015】
ローラ駆動源220は、第1ローラ200に回転するための電力を供給する。ローラ駆動源220は、制御部400の指示を受けて、第1ローラ200に供給する電力を供給する。なお、第2ローラ210にもローラ駆動源220と同じ駆動源が接続され、駆動源によって第2ローラ210が回転されてもよい。
【0016】
収容部300は、後述するワーク500の搬送方法によって無端ベルト100から離れて飛翔したワーク500を受け止め、収容する。ワーク500は、収容部300に積層される。収容部300は受け止め部310と、積層部320とを有している。受け止め部310は、無端ベルト100から離れたワーク500が接触する部位である。積層部320は、受け止め部310に接触したワーク500が落下する部位である。
【0017】
制御部400は、後述するワーク500の搬送処理を制御する。制御部400は、ローラ駆動源220が第1ローラ200に供給する電力を制御することによって、第1ローラ200の回転の速度を制御する。本実施形態において、第1ローラ200の回転による無端ベルト100の移動速度は、200m/minである。制御部400は、電流供給部を制御することで、各マグネット150に供給する電流を制御する。制御部400は、電流供給部に対し、第2種のマグネット152に供給する電流を、第1種のマグネット151に供給する電流よりも大きくするように、指示を出す。本実施形態では、ワーク500の搬送処理が行われている間は、全てのマグネット150に対し、電流が供給される。
【0018】
A2.ワーク500の搬送方法:
図3は、ワーク500の搬送方法の一例を示す工程図である。ステップS100では、ワーク500を、第1ローラ200と第2ローラ210によって移動される無端ベルト100の上に、順次配置する。本実施形態において、ワーク500は、鉄を含む合金で形成された磁性体であり、厚みが0.1mmのシート状の部材である。
【0019】
図4は無端ベルト100によるワーク500の搬送を説明する図である。なお、
図4の下段では、ワーク500が無端ベルト100から浮いているように図示されているが、実際は、無端ベルト100が有する磁力により、ワーク500は、無端ベルト100に吸着されている。
図4の上段のP部分は、搬送装置10をZ軸の負方向に見た図である。
図4の下段のQ部分は、搬送装置10をY軸の負方向に見た図である。
図4において、マグネットの図示を省略している。
【0020】
図4に示すように、ワーク500は、無端ベルト100に配置された状態で、Z軸の方向から見た際に、中心部分が中空の、略半円の形状を有している。本実施形態では、図示しない別の装置によって切り取られたワーク500が、
図1の白抜き矢印Cが示すように、無端ベルト100の上に配置される。
【0021】
ワーク500の、無端ベルト100への配置について、詳細に説明する。ワーク500の、搬送方向についての先端を含む部分を、第1の部位501とする。ワークの先端を、ワーク先端510とよぶ。ワーク500は、無端ベルト100の上に配置される際に、第1の部位501が、第2磁力発生部102Aに位置せず、第1磁力発生部101Aに位置するように、配置される(
図4参照)。
図4において、1つのワーク500の第1の部位501に、ハッチングを施している。それ以外のワーク500のハッチングは、省略している。
【0022】
ワーク500の搬送方向についての後端を含む部分を、第2の部位502とする。ワークの後端を、ワーク後端520とよぶ。ワーク500の搬送方向について、第2の部位502が、第1磁力発生部101Aに位置せず、第2磁力発生部102Aに位置するように、ワーク500が配置される。
図4において、ハッチングが施されたワーク500の、ハッチング以外の部分が、第2の部位502である。第1の部位501と第2の部位502の、ワーク500の搬送方向についての最先端を比べると、第1の部位501の最先端であるワーク先端510が、第2の部位502の最先端502aよりも搬送方向の前方に位置している。また、第1の部位501と第2の部位502の、ワーク500の搬送方向についての最後端を比べると、第2の部位502の最後端であるワーク後端520が、第1の部位501の最後端501bよりも、搬送方向の後方に位置している。
【0023】
各ワーク500は、ワーク500のワーク後端520と、次に搬送されるワーク500の、ワーク先端510との距離T1が、0より大きく、かつ、ワーク500の搬送方向における寸法L1以下であるように、それぞれ配置される。
【0024】
ステップS200では、無端ベルト100を矢印A方向に走行させることにより、無端ベルト100の部位の上から、ワーク500を順次、離脱させる(
図4の下段右部参照)。無端ベルト100の移動方向に搬送されたワーク500は、無端ベルト100が第1ローラ200に沿って時計周りに折り返される際に、無端ベルト100から離脱する。
【0025】
ステップS300では、ワーク500の搬送処理の終了が指示されたか否かが、制御部400によって判定される。ワーク500の搬送処理の終了が指示された場合には、処理は終了する。ワーク500の搬送処理の終了が指示されていない場合には、処理はステップS100に戻る。すなわち、ワーク500の搬送処理の終了が指示されるまで、ステップS100、S200がくり返される。なお、無端ベルト100上には、複数のワーク500が配置される。このため、搬送装置10においては、それぞれのワーク500を対象とするステップS100、S200が、一部重複しつつ、平行して実行される。
【0026】
図5は、ワーク500の離脱を詳細に説明する図である。ワーク先端510が無端ベルト100から離脱する様子を、複数のワーク500の1つであるワーク500aを用いて説明する。ワーク後端520が無端ベルト100から離脱する様子を、複数のワーク500の1つであるワーク500bを用いて説明する。ワーク500bは、ワーク500aの位置から、第1ローラ200によって角度θ1だけ搬送された状態に相当する。なお、ワーク500aにおいて、
図4と同様に、理解の便を図るために、ワーク500aを無端ベルト100から浮かせた状態で記載している。
【0027】
R地点において、ワーク先端510が無端ベルト100から離脱する瞬間は、ワーク先端510が、第1ローラ200の接戦方向に移動している。ワーク先端510は、ワーク先端510を第1ローラ200に拘束する力が0になることにより、第1ローラ200の接戦方向である矢印D方向に飛び出す。上述したように、第2磁力発生部102Aが有する磁力は、第1磁力発生部101Aが発生させることが可能な磁力よりも強い。そのため、R地点において、ワーク後端520は、無端ベルト100に吸着されたまま、無端ベルト100の移動方向に、搬送される。
【0028】
ワーク先端510とワーク後端520に着目して説明したが、第1の部位501のワーク先端510以外の部位と、第2の部位502のワーク後端520以外の部位についても、ワーク先端510とワーク後端520と同じことが言える。R地点では第1磁力発生部101Aに位置する第1の部位501が離脱し、第2の部位502は離脱しない。そのため、R地点から、第2の部位502が離脱する無端ベルト100の部位までは、第1の部位501が無端ベルト100から離れた状態、かつ、第2の部位502が無端ベルト100に吸着した状態で、搬送される。
【0029】
その後、S地点において、ワーク後端520を含む第2の部位502が、矢印Eの方向に向かって離脱する。第2の部位502の、第1ローラ200に沿って折り返されつつ移動される無端ベルト100の上から離脱する第1ローラ200上の位置が、第1の部位501が離脱する第1ローラ200上の位置から無端ベルト100の移動方向に、θ1の分、ズレる。その結果、ワーク500bが示すように、ワーク500は、無端ベルト100から完全に離脱する際に、ワーク500全体が同じ箇所で離脱すると仮定した場合の飛翔方向である矢印D方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔することとなる。
【0030】
図6は、比較例のワーク500Gの搬送方法を説明する図である。
図6は
図4に対応する。
図6において、マグネット150Gを省略している。比較例では、各マグネット150Gに発生する磁力が、全て同じである点で、本実施形態と異なる。具体的には、マグネット150Gに発生する磁力は、全て、第1種のマグネット151の磁力と同じである。他の構成については、本実施形態と同じである。比較例において、無端ベルト100Gは、どの部位においても、第1の磁力を有する。
【0031】
比較例では、無端ベルト100Gが有する磁力が、どの部位でも同じであるため、ワーク500Gの全ての部位が、T地点で離脱するとみなし得る。その結果、
図6に示すように、ワーク500Gは飛翔方向である矢印F方向に対して、ほぼ平行な姿勢で飛翔する。飛翔したワーク500Gは、空気抵抗により、飛翔する速度が、搬送される速度よりも遅くなる。そのため、先に無端ベルト100から離脱したワーク500Gのワーク先端510Gと、次に無端ベルト100から離脱したワーク500Gのワーク後端520Gとの間には、飛翔方向に垂直な方向について、ほぼ隙間が生じない(
図6の550G参照)。そのため、ワーク500G同士が空中で接触し、絡まり合って積層されるおそれがある(
図6の上段右部分参照)。
【0032】
一方、本実施形態では、上述したように、ワーク500が、飛翔方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔する(
図5参照)。この結果、先に無端ベルト100から離れたワーク500cのワーク後端520と、次に無端ベルト100から離れた、他のワーク500bのワーク先端510との間には、飛翔方向に垂直な方向について隙間550が生じる。この隙間550により、先に無端ベルト100から離れたワーク500cと、次に無端ベルト100から離れたワーク500bが接触することを抑制することができる。
【0033】
また、上述したように、本実施形態のワーク500は厚みが0.1mmである。ワーク500の厚みが0.1mmである場合、0.1mmよりも厚みが大きい態様に比べて、ワーク500の剛性が低くなる。このため、無端ベルト100の上から離脱したワーク500の姿勢を、効果的に、飛翔方向に対して平行な姿勢からずらすことができる。
【0034】
ワーク500同士の距離が十分離れている場合、ワーク500が離脱する際、前に離脱したワーク500が既に収容部300に積層されていることも考えられる。しかし、大量のワーク500同士の距離を、空中で接触しない距離にまで広げることは、ワーク500の搬送に長時間を有することとなる。そのため、ワーク500同士の距離は、小さいことが好ましい。本実施形態においては、上記のような構成を採用するため、ワーク後端520と、次に搬送されるワーク500のワーク先端510との距離T1を、ワーク500の搬送方向における寸法L1以下に設定しうる。
【0035】
B.他の実施形態
(B1)他の実施形態1
図7は、他の実施形態1を説明する図である。
図7は
図4に対応する。後述する
図8ないし
図11においても同様である。上記実施形態では、第1磁力発生部101Aは、無端ベルト100の移動方向に沿って配置され、第2磁力発生部102Aは、無端ベルト100の移動方向に沿って、第1磁力発生部101Aの両側に配置されている。他の実施形態1では、第1磁力発生部101Bと、第2磁力発生部102Bが、無端ベルト100Bの移動方向に垂直な方向に沿って、交互に配置されている点と、ワーク500の第1の部位501Bと第2の部位502Bの範囲と、収容部300Bが、上記実施形態と異なる。
【0036】
無端ベルト100Bの、ハッチングが施されている部分が、第2磁力発生部102Bである。それ以外の無端ベルト100Bの部位に該当する部分が、第1磁力発生部101Bである。第1磁力発生部101Bと第2磁力発生部102Bの、それぞれの磁力の強さは、上記実施形態の第1磁力発生部101Aと第2磁力発生部102Aが有する磁力の強さと同じである。
【0037】
第1磁力発生部101Bに、第1の部位501Bが配置されるように、ワーク500Bが無端ベルト100Bの上に配置される。第2磁力発生部102Bに、第2の部位502Bが配置されるように、ワーク500Bが無端ベルト100Bの上に配置される。
図7において、1つのワーク500Bの、ハッチングが施されている部位が、第1の部位501Bである。ハッチングが施されているワーク500Bの、ハッチング以外の部位が、第2の部位502Bである。なお、
図7において、ハッチングを一部省略している。後述する
図8ないし
図11においても同様である。
【0038】
他の実施形態1において、上記実施形態と同様に、第2の部位502Bの、第1ローラ200に沿って折り返されつつ移動される無端ベルト100Bの上から離脱する第1ローラ200上の位置が、第1の部位501Bが離脱する第1ローラ200上の位置から無端ベルト100Bの移動方向にズレる。これにより、無端ベルト100Bの上から離脱したワーク500Bは、ワーク500B全体が同じ箇所で離脱すると仮定した場合の飛翔方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔する。先に無端ベルト100から離れたワーク500Bの第2の部位502Bと、次に無端ベルト100Bから離れた、他のワーク500Bの第1の部位501Bとの間には、飛翔方向に垂直な方向について隙間550Bが生じる。この隙間により、先に無端ベルト100Bから離れたワーク500Bと、次に無端ベルト100Bから離れワーク500Bが接触することを抑制することができる。
【0039】
他の実施形態1の受け止め部310Bは、ワーク先端510Bの周辺部位を受け止める、位置決め部311Bを有している。位置決め部311Bは、X軸の正方向に向かって凹んだ形状を有している。位置決め部311Bは、ワーク先端510Bを含む、ワーク500Bの円孤の一部がはまりこむことができる。無端ベルト100Bから離れたワーク500Bは、位置決め部311Bに接触した後、Y軸方向にずれることなく、積層部320Bに落下する。これにより、位置決め部311Bがない収容部と比べて、より効率的に、ワークを収容することができる。収容部は、無端ベルトから離れたワークを効率よく収容するため、内部や表面に電磁石が取り付けられていてもよい。
【0040】
なお、
図4と
図7と後述する
図8ないし
図11において、ワークが全て同じ方向に同じ姿勢で離脱しているが、これは正確な離脱の向きや姿勢を表したものではなく、磁力やワークの大きさや形状によって、離脱の方向や離脱後の姿勢が異なる。
【0041】
(B2)他の実施形態2
図8は、他の実施形態2を説明する図である。上記実施形態では、ワーク500は、中心部分が中空の、略半円の形状を有している。他の実施形態2では、ワーク500Cは、Z軸の負方向に見た際に、長方形の形状を有している点で、上記実施形態と異なる。この場合において、ワーク500Cの第1の部位501Cが第1磁力発生部101Cに位置し、第2の部位502Cが、第2磁力発生部102Cに位置するように、無端ベルト100の上に配置される。
【0042】
このような態様においても、上記実施形態と同様に、第2の部位502Cの、第1ローラ200に沿って折り返されつつ移動される無端ベルト100Cの上から離脱する第1ローラ200上の位置が、第1の部位501Cが離脱する第1ローラ200上の位置から無端ベルト100Cの移動方向にズレる。これにより、無端ベルト100Cの上から離脱したワーク500Cは、飛翔方向に対して平行な姿勢からずれた姿勢で、飛翔する。先に無端ベルト100Cから離れたワーク500Cの第2の部位502Cと、次に無端ベルト100Cから離れた、他のワーク500Cの第1の部位501Cとの間には、飛翔方向に垂直な方向について隙間550Cが生じる。この隙間により、先に無端ベルト100Cから離れたワーク500Cと、次に無端ベルト100Cから離れワーク500Cが接触することを抑制することができる。
【0043】
なお、例えばワークは、Z軸方向から見た際に、三角形の形状を有していてもよく、正方形であってもよい。また、上記実施形態では、ワークは、鉄を含む合金で形成された磁性体であるが、各ワークは、それぞれ磁性体を含んで構成されていればよく、磁性体を含んで構成された部分のうちの第1の部位が、第1磁力発生部に配置され、磁性体を含んで構成された部分のうち、ワークの搬送方向について第1の部位よりも後方に位置する第2の部位が、第2磁力発生部に配置されていればよい。
【0044】
(B3)他の実施形態3
図9は、他の実施形態3を説明する図である。他の実施形態3では、第1磁力発生部101Dと、第2磁力発生部102Dと、第1の部位501Dと第2の部位502Dが、上記実施形態と異なる。破線枠内で示した部分が、第1磁力発生部101Dであり、実線枠内で示した部分が、第2磁力発生部102Dである。第2磁力発生部102Dの一部に、ハッチングを施している。上記実施形態では、第1磁力発生部101Aは無端ベルト100の移動方向に沿って配置され、第2磁力発生部102Aは、無端ベルト100の移動方向に沿って、第1磁力発生部101Aの両側に配置されていた。他の実施形態3では、第1磁力発生部101Dが無端ベルト100Dの移動方向の中央部において、無端ベルト100Dの移動方向に沿って、等間隔に配置されている。また、第2磁力発生部102Dが、無端ベルト100Dの移動方向の両端部に、移動方向に沿って等間隔に配置されている。第1磁力発生部101Dが配置される周期と、第2磁力発生部102Dが配置される周期は同じである。搬送方向について、第1磁力発生部101Dの範囲と、第2磁力発生部102Dの範囲が、重ならないように、配置されている。マグネットは、第1磁力発生部101Dに対応する第1磁力部と第2磁力発生部102Dに対応する第2磁力部に、配置される。
図9において、第1磁力発生部101Dと第2磁力発生部102Dを一部省略している。
【0045】
1つのワーク500Dの第1の部位501Dに、ハッチングを施している。
図9の実線枠内で囲まれたワーク500Dの部位が、第2の部位502Dである。ワーク500Dの第1の部位501Dが第1磁力発生部101Dに位置し、第2の部位502Dが、第2磁力発生部102Dに位置するように、無端ベルト100Dの上に配置される。この形態においては、ワーク500Dのうち、第1の部位501Dと、第2の部位502Dに該当する部分が、磁性体を含んで構成されており、それ以外のワーク500Dの部位は、磁性体を含んでいない。
図9において、第1の部位501Dと第2の部位502Dを一部省略している。
【0046】
他の実施形態3において、上記実施形態と同様の効果を生じる。さらに、他の実施形態3では、マグネットの数を、上記実施形態よりも減らすことができる。この結果、搬送装置を製造するためのコストを小さくすることができる。
【0047】
(B4)他の実施形態4
図10は、他の実施形態4を説明する図である。上記実施形態では、ワーク先端510が、第1の部位501に含まれており、ワーク後端520が、第2の部位502に含まれていた。他の実施形態4では、ワーク先端510Eが第1の部位501Eに含まれていない点と、第1磁力発生部101Eの範囲が上記実施形態よりも小さい点で、異なる。ワーク500Eの、ハッチングが施されている部位が、第1の部位501Eである。ワーク500Eの、ハッチングが施されている部位よりもX軸の負方向側の部位が、第2の部位502Eである。
【0048】
第1の部位501Eは、無端ベルト100Eの、第1磁力発生部101Eに配置される。第2の部位502Eは、無端ベルト100Eの、第2磁力発生部102Eに配置される。上記実施形態では、ワーク500は磁性体であったが、他の実施形態4では、ワーク500Eは、第1の部位501Eと第2の部位502Eに該当する部位が磁性体を含んでおり、それ以外は磁性体を含んでいない。
【0049】
この態様においても、第2の部位502Eの、第1ローラ200に沿って折り返されつつ移動される無端ベルト100Eの上から離脱する第1ローラ200上の位置が、第1の部位501Eが離脱する第1ローラ200上の位置から無端ベルト100Eの移動方向にズレる。そのため、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
(B5)他の実施形態5
図11は、他の実施形態5を説明する図である。他の実施形態5では、上記実施形態と、第1の部位501Fが異なる。第2磁力発生部102Fの配置と、第1磁力発生部101Fと第2磁力発生部102Fの磁力の強さと、第2の部位502Fは、他の実施形態1と同じである。
図11の、破線枠で囲まれているワーク500Fの部位が、第1の部位501Fに相当する。第1磁力発生部101Fに位置する、ワーク500Fの第1の部位501F以外の部位は、磁性体を含んでいない。第2磁力発生部102Fに位置するワーク500Fの部位が、第2の部位502Fである。この形態においても、第2の部位502Fの、第1ローラ200に沿って折り返されつつ移動される無端ベルト100Fの上から離脱する第1ローラ200上の位置が、第1の部位501Fが離脱する第1ローラ200上の位置から無端ベルト100Fの移動方向にズレる。これにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。他の実施形態3ないし他の実施形態5のように、ワークは磁性体を含んでいない部分を有していてもよい。
図11において、第1の部位501Fを一部省略している。
【0051】
(B6)変形例
上記実施形態では、無端ベルト100が搬送される速度は200m/minである。もとより、無端ベルトが移動される速度は、ワークの種類や形状等に応じて適切な値とすればよく、実施形態の200m/minに限らない。実施形態で用いたワークの場合、100~500m/minが、無端ベルトから離脱したワークが積層される上で好ましい範囲であった。
【0052】
(B7)上記実施形態では、各ワーク500は、ワーク500のワーク後端と、次に搬送されるワーク500の、ワーク先端との距離T1が、0より大きく、かつ、ワーク500の搬送方向における寸法L1以下であるように、それぞれ配置される。もとより、各ワーク同士は、ワークの搬送方向における寸法よりも大きい距離をあけて、それぞれ配置されてもよい。
【0053】
(B8)上記実施形態では、ワーク500は、鉄を含む合金で形成された磁性体であり、厚みが0.1mmである。ワークは、厚みが0.1mm以下であることが好ましいが、0.1mmより大きくてもよい。ワークは、ニッケルやコバルト等の、鉄以外の金属を含んでいてもよい。
【0054】
(B9)上記実施形態では、マグネット150は、無端ベルト100の、ワーク500が配置される面とは逆側の面に配置され、図示しないチェーンに取り付けられている。もとより、マグネットは、無端ベルトの、ワークが配置される面とは逆側の面に接着され、無端ベルトと一体となって搬送されてもよい。また、無端ベルトが、マグネットによって構成されてもよい。無端ベルトが、第1の磁力を発生させることが可能な第1磁力発生部と、第1の磁力よりも強い第2の磁力を有する第2磁力発生部と、を備えていればよい。
【0055】
(B10)無端ベルトの、第1磁力発生部と第2磁力発生部に該当する箇所に、それぞれ目印を施してもよい。例えば、無端ベルトの第1磁力発生部に該当する箇所を赤色のマーキングを施し、第2磁力発生部に該当する箇所を青色のマーキングを施してもよい。目印を施すことにより、ワークを無端ベルトの上に配置する際の位置決めがしやすくなる。同様に、ワークの第1の部分と第2の部分に該当する箇所に、それぞれ目印を施してもよい。
【0056】
(B11)上記実施形態では、第1磁力発生部101Aは、第1の磁力を発生させることが可能である。例えば、第1磁力発生部101Aが磁力を発生させず、第1の磁力は0であり、第2磁力発生部は、0よりも大きい第2の磁力を有していてもよい。
【0057】
(B12)上記実施形態において、マグネット150は、無端ベルト100の、ワーク500が配置される面とは逆側の面に、無端ベルトに接するように、配置される。しかし、例えばマグネットは、無端ベルトとの間に、隙間を空けて配置されてもよい。無端ベルトの第1磁力発生部は、第1の磁力を発生させることが可能であり、第2磁力発生部は、第2の磁力を有するように、各マグネッが無端ベルト配置されていればよい。第1の磁力を0とする場合は、無端ベルトの、第1磁力発生部に該当する部位には、マグネットを配置しなくてもよい。
【0058】
(B13)上記実施形態において、ワーク500の搬送処理が行われている間は、全てのマグネット150に対し、電流が供給される。しかし、例えば
図5のS地点以降から、再びワークが配置される位置までは、マグネットに供給される電流が停止されてもよい。これにより、電流の消費を抑えることができる。
【0059】
(B14)上記実施形態において、無端ベルト100は、第1磁力発生部101Aと第2磁力発生部102Aを有していた。しかし、例えば無端ベルトは、第1磁力発生部と第2磁力発生部以外に、第3種のマグネットにより第3の磁力を有する第3磁力発生部を備えており、第1の磁力、第2の磁力、第3の磁力の順に磁力が大きくなり、部材の搬送方向について第2の部位よりも後方に位置する第3の部位が、第3の磁力発生部に配置されていてもよい。
【0060】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
10…搬送装置、100~100G…無端ベルト、101a…第1磁力部、102a…第2磁力部、101A~101F…第1磁力発生部、102A~102F…第2磁力発生部、111…中央部、112…端部、150、150G…マグネット、151…第1種のマグネット、152…第2種のマグネット、200…第1ローラ、210…第2ローラ、220…ローラ駆動源、300、300B…収容部、310、310B…受け止め部、311B…位置決め部、320、320B…積層部、400…制御部、500~500G、500a~500c…ワーク、501~501F…第1の部位、502~502F…第2の部位、510~510G…ワーク先端、520、520G…ワーク後端、550~550C…隙間