(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01G 19/62 20060101AFI20230912BHJP
G01G 19/52 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G01G19/62
G01G19/52 F
(21)【出願番号】P 2020117374
(22)【出願日】2020-07-07
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【氏名又は名称】内海 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】中西 弘忠
(72)【発明者】
【氏名】井上 淳
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】久野 玄史
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109845(JP,A)
【文献】特開2019-128801(JP,A)
【文献】特開2017-185954(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129045(WO,A1)
【文献】特開2019-066406(JP,A)
【文献】国際公開第2016/139203(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/023704(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0090121(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2012-0010333(KR,A)
【文献】特開2004-157849(JP,A)
【文献】特開2003-296855(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0100589(KR,A)
【文献】特開2000-055728(JP,A)
【文献】特開2015-230621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-23/48,
G08B 13/00-15/02
G06Q,
G05D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの重量を測定する重量センサから測定結果を取得する情報取得部と、
前記測定結果に基づいてユーザの重量の増加を検出する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ユーザの重量の増加を検出した場合、前記ユーザの重量の増加を検出した位置に向けて前記ユーザの代わりに荷物を運搬する移動体を移動させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記ユーザの発声を検出する音声入力デバイスから前記ユーザの発声を取得し、
前記制御部は、前記ユーザの発声が、前記ユーザが荷物を負担に感じていることを意味する場合に、前記移動体を手配して前記ユーザの位置に移動させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザの重量は、前記ユーザの体重と、前記ユーザの荷物の重量とを含む、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザの荷物の重量が所定値以上増加したことを検出する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記重量センサは、路面上の異なる位置にそれぞれ設置されている第1重量センサと第2重量センサとを含み、
前記制御部は、前記第1重量センサ及び前記第2重量センサそれぞれの測定結果のうち前記ユーザの重量の測定結果を抽出して前記ユーザの重量の増加を検出する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記ユーザを撮影するカメラから前記ユーザの画像を取得し、
前記制御部は、前記ユーザの画像に基づいて、前記重量センサの測定結果から前記ユーザの重量の測定結果を抽出する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記重量センサの測定結果を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記重量センサの測定結果を前記カメラで撮影したユーザと対応づけて前記記憶部に格納し、共通するユーザに対応づけられている前記重量センサの測定結果を、前記ユーザの重量の測定結果として抽出する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ユーザの画像に基づいて前記ユーザの荷物の大きさを算出し、運搬可能な大きさが前記ユーザの荷物の大きさとして算出した大きさ以上である移動体を前記ユーザの位置まで移動させる、請求項6又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記重量センサは、地面の上、道路の上、又は、施設の出入口、内部、商品受け渡し口若しくは会計カウンターの床面の上において前記ユーザの重量を測定できるように構成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の情報処理装置と、移動体とを備える、情報処理システム。
【請求項11】
ユーザの重量を測定する重量センサから測定結果を取得することと、
前記測定結果に基づいてユーザの重量の増加を検出することと、
前記ユーザの重量の増加を検出した場合、前記ユーザの重量の増加を検出した位置に向けて前記ユーザの代わりに荷物を運搬する移動体を移動させることと
を含む情報処理方法。
【請求項12】
前記ユーザの発声を検出する音声入力デバイスから前記ユーザの発声を取得することと、
前記ユーザの発声が、前記ユーザが荷物を負担に感じていることを意味する場合に、前記移動体を手配して前記ユーザの位置に移動させることと
を更に含む、請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザの荷物の重量が所定値以上増加したことを検出することを更に含む、請求項11又は12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記重量センサに含まれる第1重量センサ及び第2重量センサそれぞれの測定結果を取得することと、
前記第1重量センサ及び前記第2重量センサそれぞれの測定結果から前記ユーザの重量の測定結果を抽出して前記ユーザの重量の増加を検出することと
を更に含む、請求項11から13までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記ユーザを撮影するカメラから前記ユーザの画像を取得することと、
前記ユーザの画像に基づいて、前記重量センサの測定結果から前記ユーザの重量の測定結果を抽出することと
を更に含む、請求項11から14までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記重量センサの測定結果を記憶する記憶部に、前記重量センサの測定結果を前記カメラで撮影したユーザと対応づけて格納することと、
共通するユーザに対応づけられている前記重量センサの測定結果を、前記ユーザの重量の測定結果として抽出することと
を更に含む、請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記ユーザの画像に基づいて前記ユーザの荷物の大きさを算出することと、
運搬可能な大きさが前記ユーザの荷物の大きさとして算出した大きさ以上である移動体を前記ユーザの位置まで移動させることと
を更に含む、請求項15又は16に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上り坂におけるユーザの歩行速度に基づいてユーザが携行するキャスター付き荷物の重量を判定する荷物重量判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
種々の場所において種々の荷物を携行するユーザの利便性の向上が求められる。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、荷物を携行するユーザの利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、ユーザの重量を測定する重量センサから測定結果を取得する情報取得部と、前記測定結果に基づいてユーザの重量の増加を検出する制御部とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、前記情報処理装置と、移動体とを備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、ユーザの重量を測定する重量センサから測定結果を取得することと、前記測定結果に基づいてユーザの重量の増加を検出することとを含む。
【0009】
本開示の一実施形態に係る移動体は、ユーザの重量を測定する重量センサによって前記ユーザの重量の増加が検出された場合、前記ユーザの重量の増加が検出された位置に向けて移動する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び移動体によれば、荷物を携行するユーザの利便性が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】サーバが実行する手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ユーザ50(
図1参照)は、荷物52(
図1参照)を携行している場合、荷物52の運搬を補助する手段を求めることがある。荷物52を携行するユーザ50に対して荷物52の運搬を補助する手段を提供するために、ユーザ50が携行する荷物52の増加を把握することが求められる。また、ユーザ50が歩行する種々の場所においてユーザ50が携行する荷物52の増加を把握することが求められる。また、種々の形態の荷物52について、ユーザ50が携行する荷物52の増加を把握することが求められる。
【0013】
仮に、上り坂におけるユーザ50の歩行速度に基づいて荷物52の重量が推定される場合、推定可能な状況は、ユーザ50が上り坂を上っている状況に限定される。また、ユーザ50の荷物52が実際に増えていない可能性もある。ユーザ50が携行する荷物52の増加の検出精度の向上が求められる。
【0014】
(情報処理システム1の概要)
図1及び
図2に示されるように、一実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ10と、移動体20と、重量センサ40とを備える。情報処理システム1は、必須ではないが、カメラ60を更に備える。情報処理システム1は、必須ではないが、端末装置80を更に備える。サーバ10と、移動体20と、重量センサ40と、カメラ60と、端末装置80とは、ネットワーク30に接続されており、互いに通信可能である。サーバ10、移動体20、重量センサ40、カメラ60及び端末装置80それぞれの数は、1つに限られず、2つ以上であってよい。
【0015】
本実施形態において、重量センサ40は、第1重量センサ41と第2重量センサ42とを含むとする。第1重量センサ41と第2重量センサ42とは、歩行面70の平面視において異なる位置に設置されているとする。重量センサ40は、歩行面70の上に位置するユーザ50の重量を測定できるように、歩行面70の上若しくは下、又は、歩行面70と面一に設置されている。歩行面70は、建物の床面を含んでもよいし、屋外の地面又は路面を含んでもよい。重量センサ40は、地面の上、道路の上、又は、施設の出入口、内部、商品受け渡し口若しくは会計カウンターの床面の上においてユーザ50の重量を測定できるように構成されてよい。
【0016】
ユーザ50は、荷物52を携行していることがある。ユーザ50の重量は、ユーザ50の体重と、荷物52の重量とを合わせた重量であるとする。ユーザ50の体重は、衣服等の着用物の重さを含むとする。ユーザ50は、荷物52を手で持ったり背中に背負ったりしていることがある。ユーザ50は、キャスター付きの荷物52を引いていることもある。
【0017】
端末装置80は、ユーザ50によって所持されているとする。
【0018】
(情報処理システム1の動作例)
情報処理システム1は、ユーザ50が携行する荷物52の増加を検出し、荷物52を運搬するための移動体20を手配する運搬サービスを提供する。情報処理システム1は、運搬サービスを提供する主体によって運用されてよいし、他の異なる主体によって運用されてもよい。
【0019】
情報処理システム1において、サーバ10は、重量センサ40の測定結果を取得する。サーバ10は、重量センサ40の測定結果に基づいてユーザ50の重量を算出する。サーバ10は、ユーザ50の重量を監視し、ユーザ50の重量が増加したか検出する。サーバ10は、ユーザ50の重量が増加した場合、ユーザ50の荷物52が増加したと判定し、移動体20がユーザ50の荷物52を回収してユーザ50の目的地まで運搬できるように移動体20を制御する。つまり、情報処理システム1が提供する運搬サービスは、移動体20がユーザ50の代わりに荷物52を運搬するサービスである。
【0020】
以下、情報処理システム1が運搬サービスを提供するための、具体的な構成及び動作が説明される。
【0021】
<サーバ10>
サーバ10は、サーバ制御部12と、サーバ通信部14とを備える。サーバ10は、重量センサ40によってユーザ50の重量の増加を検出する。具体的には、サーバ10は、サーバ通信部14によって重量センサ40の測定結果を取得する。サーバ10は、サーバ通信部14の代わりに、情報を取得するインタフェースを備え、インタフェースを介して重量センサ40の測定結果を取得してもよい。サーバ10は、サーバ通信部14とインタフェースとを両方とも備えてもよい。サーバ通信部14と、情報を取得するインタフェースとは、まとめて情報取得部とも称される。つまり、サーバ10は、情報取得部を備えてもよい。サーバ制御部12は、重量センサ40の測定結果に基づいてユーザ50の重量を算出する。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量の算出結果の変化に基づいてユーザ50の重量の増加を検出する。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が増加した場合、ユーザ50が携行する荷物52が増加したと判定し、荷物52を回収する移動体20を手配する。サーバ10は、情報処理装置とも称される。サーバ10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んでよい。
【0022】
サーバ10は、重量センサ40の測定結果に基づいて、ユーザ50の重量を監視する。また、サーバ10は、移動体20との間で運搬サービスの提供に関する種々の情報を送受信する。サーバ10は、これらの処理だけでなく、運搬サービスの提供に関する種々の処理を実行可能に構成されてよい。
【0023】
サーバ10は、移動体20を制御する。サーバ10は、移動体20と通信することによって、例えば、移動体20の位置又は速度等の移動体20に関する種々の情報を取得してよい。サーバ10は、これらの処理だけでなく、移動体20を制御するための種々の処理を実行可能に構成されてよい。
【0024】
サーバ制御部12は、1つ以上のプロセッサを含んでよい。サーバ制御部12は、単に制御部とも称される。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であるが、これらに限られない。サーバ制御部12は、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。サーバ制御部12は、プロセッサの代わりに専用回路を含んでもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んでもよい。
【0025】
サーバ通信部14は、通信モジュールを含み、移動体20と通信してよい。サーバ通信部14は、単に通信部とも称される。
【0026】
サーバ10は、必須ではないがサーバ記憶部16を更に備える。サーバ記憶部16は、単に記憶部とも称される。サーバ記憶部16は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。サーバ記憶部16は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。サーバ記憶部16は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。サーバ記憶部16は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでよい。サーバ記憶部16は、サーバ10の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、サーバ記憶部16は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。
【0027】
<重量センサ40>
重量センサ40は、配置されている位置を特定する位置情報を有する。位置情報は、例えば緯度及び経度によって表される。位置情報は、所定の基準点に対する相対的な位置として表されてもよい。サーバ10は、重量センサ40の位置情報をあらかじめ取得しておき、重量センサ40の測定結果を位置情報に対応づけてよい。重量センサ40は、測定結果と自身の位置情報とを対応づけて出力してもよい。
【0028】
重量センサ40は、ユーザ50がどこにいてもユーザ50の重量を測定できるように、床面又は地面等の歩行面70に切れ目なく配置されてもよい。重量センサ40は、所定の間隔を空けて歩行面70に配置されてもよい。重量センサ40は、等間隔に配置されていてもよいし、不等間隔で配置されていてもよい。重量センサ40は、例えば格子状の繰り返しパターンで配置されてもよい。
【0029】
<<カメラ60を利用した重量の特定>>
カメラ60は、重量センサ40の上に位置する人物又は物体を撮影し、撮影した画像をサーバ10に出力する。サーバ10のサーバ制御部12は、取得した画像を解析し、重量センサ40の上に位置する人物がユーザ50であるか特定してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が位置している重量センサ40だけから測定結果を取得してもよい。このようにすることで、通信又は演算等の負荷が低減され得る。
【0030】
サーバ制御部12は、重量センサ40の上に位置するユーザ50が荷物52を携行しているか特定してよい。サーバ制御部12は、重量センサ40の測定結果が荷物52の重量を含んでいるか特定してよい。サーバ制御部12は、重量センサ40の上に複数の人物又は複数の物体が位置しているか特定してもよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が子どもを連れているか特定してもよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が荷物52をどのような形態で携行しているか特定してもよい。サーバ制御部12は、例えばユーザ50がキャスター付きの荷物52を引いているか特定してもよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が荷物52を手に持っているか背負っているかを特定してもよい。
【0031】
以上述べたように、サーバ制御部12は、カメラ60から取得した画像を解析して種々の情報を特定できる。カメラ60は、カメラ60自身において画像を解析して種々の情報を特定し、特定した情報をサーバ10に出力してもよい。この場合、サーバ制御部12は、カメラ60の解析結果を取得することによって、画像に基づいて特定できる種々の情報を取得してもよい。
【0032】
サーバ制御部12は、カメラ60で撮影した画像を解析することで得られる情報と、重量センサ40の測定結果とに基づいて、ユーザ50の重量を算出できる。例えば、サーバ制御部12は、重量センサ40の上にユーザ50だけが位置していることを特定することによって、重量センサ40の測定結果をユーザ50の重量とみなしてよい。例えば、サーバ制御部12は、ユーザ50が2つの重量センサ40にまたがって位置する場合、2つの重量センサ40それぞれの測定結果の合計をユーザ50の重量とみなしてよい。
【0033】
重量センサ40が第1重量センサ41及び第2重量センサ42を含む場合、サーバ制御部12は、カメラ60で撮影したユーザ50の画像に基づいて、第1重量センサ41及び第2重量センサ42それぞれの測定結果からユーザ50の重量を表す測定結果を抽出してよい。
【0034】
サーバ制御部12は、サーバ記憶部16に、各重量センサ40の測定結果を格納してよい。つまり、サーバ記憶部16は、各重量センサ40の測定結果を記憶してよい。サーバ制御部12は、各重量センサ40の測定結果を、各重量センサ40の上に位置するユーザ50をカメラ60で撮影した画像と対応づけてサーバ記憶部16に格納してよい。サーバ制御部12は、各重量センサ40の測定結果に対応づけられている画像に共通して含まれるユーザ50を検出してよい。サーバ制御部12は、各重量センサ40の測定結果のうち、共通するユーザ50を撮影した画像に対応づけられている測定結果を、ユーザ50の重量を表す測定結果として抽出してよい。
【0035】
<<端末装置80を利用した重量の特定>>
端末装置80は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信する。端末装置80は、例えばスマートフォン等の携帯端末を含んでよい。
【0036】
端末装置80は、例えば、移動体20が備える位置情報取得装置25と同一又は類似の構成を備えることによって、端末装置80自身の位置情報を取得してよい。端末装置80は、端末装置80自身の位置情報をサーバ10に出力してもよい。サーバ制御部12は、端末装置80の位置情報と、重量センサ40の位置情報とに基づいて、重量センサ40で重量を測定している人物を特定してもよい。例えば、サーバ制御部12は、端末装置80が重量センサ40の上に位置していると判定した場合、重量センサ40の測定結果を、端末装置80を所持しているユーザ50の重量とみなしてよい。
【0037】
重量センサ40が第1重量センサ41及び第2重量センサ42を含む場合、サーバ制御部12は、ユーザ50が所持する端末装置80の位置情報に基づいて、第1重量センサ41及び第2重量センサ42それぞれの測定結果からユーザ50の重量を表す測定結果を抽出してよい。
【0038】
<<荷物52の増加の検出>>
サーバ制御部12は、ユーザ50の重量の測定結果に基づいて、ユーザ50の荷物52が増加したか判定する。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が所定値以上増加した場合、ユーザ50の荷物52が増えたと判定してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量を所定の間隔で取得することによって、ユーザ50の重量の増加を検出してよい。
【0039】
<移動体20>
移動体20は、例えばマイクロパレット等の車両を含んでよい。移動体20は、例えばドローン等の飛行体を含んでよい。移動体20の数は、1台に限られず、2台以上であってもよい。
【0040】
移動体20は、自動運転によって移動可能に構成されてもよい。移動体20が車両である場合、自動運転は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1からレベル5までのいずれかのレベルで実施されてよい。自動運転は、例示した定義に限られず、他の定義に基づいて実施されてもよい。
【0041】
<<移動体20の具体的な構成>>
移動体20は、制御装置22と、通信装置24と、駆動装置26とを搭載している。制御装置22と、通信装置24と、駆動装置26とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0042】
制御装置22は、移動体20が備える各構成部を制御する。制御装置22は、1つ以上のプロセッサを含んでよい。制御装置22は、プロセッサの代わりに1つ以上の専用回路を含んでもよいし、プロセッサとともに1つ以上の専用回路を含んでもよい。制御装置22は、記憶部をさらに含んでよい。
【0043】
通信装置24は、ネットワーク30を介して、サーバ10と通信する。通信装置24は、ネットワーク30を介して端末装置80と通信してもよいし、ネットワーク30を介さずに端末装置80と通信してもよい。通信装置24は、例えば車載通信機であってよい。通信装置24は、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでよいが、これらに限られない。
【0044】
駆動装置26は、移動体20を移動させるための動力として機能する。移動体20がマイクロパレット等の車両である場合、駆動装置26は、エンジン又はモータ等で駆動される車輪を含んで構成されてよい。移動体20がドローンである場合、駆動装置26は、エンジン又はモータ等で駆動されるプロペラを含んで構成されてよい。移動体20は、複数の駆動装置26を備え、各駆動装置26の出力を制御することによって進行方向を変えてよい。移動体20は、進行方向を制御する操舵装置を更に備えてもよい。
【0045】
移動体20は、必須ではないが、位置情報取得装置25を更に備える。位置情報取得装置25は、移動体20に搭載されている他の構成部とCAN等の車載ネットワーク又は専用線を介して互いに通信可能に接続されている。位置情報取得装置25は、移動体20の位置情報を取得する。位置情報取得装置25は、衛星測位システムに対応する受信機を含んでよい。衛星測位システムに対応する受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。本実施形態において、移動体20は、位置情報取得装置25を用いて、移動体20自身の位置情報を取得できるとする。移動体20は、移動体20自身の位置情報をサーバ10に出力してよい。
【0046】
制御装置22は、通信装置24を介してサーバ10から移動体20の制御情報を取得する。制御装置22は、制御情報に基づいて駆動装置26を制御し、移動体20を制御する。制御装置22は、移動体20の位置情報に更に基づいて移動体20を移動させてもよい。
【0047】
<<移動体20の選択>>
サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が増加した場合、又は、ユーザ50の荷物52が増加したと判定した場合、ユーザ50の荷物52を受け取って運搬する移動体20を手配する。サーバ制御部12は、手配した移動体20を、ユーザ50の位置に向けて移動させる。
【0048】
情報処理システム1が複数の移動体20を備える場合、サーバ制御部12は、例えば、ユーザ50の位置に最短時間で到着して荷物52を回収できる移動体20を選択してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50の最も近くに位置する移動体20を選択してもよい。
【0049】
サーバ制御部12は、移動体20が荷物52を運搬可能であるかを表す情報を移動体20から取得してよい。サーバ制御部12は、荷物52を運搬可能な移動体20の中からユーザ50の位置まで移動させる移動体20を選択してよい。
【0050】
サーバ制御部12は、移動体20が運搬可能な荷物52の重量に関する情報を移動体20から取得してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が携行している荷物52の重量を算出し、運搬可能な重量が算出した重量以上である移動体20の中からユーザ50の位置まで移動させる移動体20を選択してよい。
【0051】
サーバ制御部12は、移動体20が運搬可能な荷物52の大きさに関する情報を移動体20から取得してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が携行している荷物52の大きさをカメラ60が撮影した画像に基づいて算出してよい。サーバ制御部12は、運搬可能な大きさが算出した大きさ以上である移動体20の中からユーザ50の位置まで移動させる移動体20を選択してよい。
【0052】
<<選択した移動体20の制御>>
サーバ制御部12は、手配した移動体20に対して、ユーザ50の位置に向けて移動させる制御情報を出力する。具体的には、サーバ制御部12は、ユーザ50の位置を含む制御情報を移動体20に出力してよい。移動体20は、制御情報に基づいて移動することによってユーザ50の位置に向けて移動する。
【0053】
サーバ制御部12は、ユーザ50の位置に到着した移動体20に、ユーザ50の荷物52を回収させる。サーバ制御部12は、移動体20がユーザ50から荷物52を回収した後に、移動体20を荷物52の運搬先に移動させる。移動体20は、荷物52の運搬先を、サーバ制御部12から取得してもよいし、ユーザ50からの入力として取得してもよい。移動体20は、ユーザ50からの入力を受け付けるための入力デバイスを更に備えてもよい。入力デバイスは、タッチパネル等を含んでよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が荷物52の運搬先に到着するタイミングに合わせて移動体20が運搬先に到着するように移動体20を移動させてよい。サーバ制御部12は、移動体20がユーザ50に伴走するように移動体20を移動させてもよい。
【0054】
<小括>
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザ50の荷物52が増えた場合、又は、ユーザ50が荷物52を負担に感じた場合等の種々の場合に、移動体20を手配して、ユーザ50の代わりに荷物52を運搬できる。このようにすることで、ユーザ50の負担が軽減される。また、ユーザ50の荷物52の増加を検出して移動体20が手配されることによって、ユーザ50の利便性が向上する。
【0055】
<情報処理方法のフローチャートの例>
情報処理システム1に含まれるサーバ10のサーバ制御部12は、
図3に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してもよい。情報処理方法は、サーバ制御部12等のプロセッサに実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0056】
サーバ制御部12は、重量センサ40から測定結果を取得する(ステップS1)。
【0057】
サーバ制御部12は、ユーザ50の重量を算出する(ステップS2)。
【0058】
サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が増加したか判定する(ステップS3)。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が増加していない場合(ステップS3:NO)、ステップS1の手順に戻る。
【0059】
サーバ制御部12は、ユーザ50の重量が増加している場合(ステップS3:YES)、移動体20を手配する(ステップS4)。サーバ制御部12は、ステップS4の手順の終了後、
図3のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0060】
本実施形態に係る情報処理方法によれば、ユーザ50の荷物52が増えた場合、又は、ユーザ50が荷物52を負担に感じた場合等の種々の場合に、ユーザ50の代わりに荷物52を運搬する移動体20が手配される。このようにすることで、ユーザ50の負担が軽減される。また、ユーザ50の荷物52の増加を検出して移動体20が手配されることによって、ユーザ50の利便性が向上する。
【0061】
(他の実施形態)
<ユーザ50の発声に基づく移動体20の手配>
情報処理システム1は、マイク等の音声入力デバイスを更に備えてもよい。音声入力デバイスは、ユーザ50の発声を検出し、サーバ10に出力する。サーバ制御部12は、ユーザ50の発声に基づいてユーザ50の荷物52を回収する移動体20を手配してもよい。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量の増加を検出した位置でユーザ50の発声を更に検出した場合、移動体20を手配してもよい。例えば、サーバ制御部12は、ユーザ50の重量の増加を検出し、かつ、ユーザ50が荷物52を負担に感じていることを意味する発声を取得した場合、ユーザ50の荷物52を回収する移動体20を手配してよい。サーバ制御部12は、ユーザ50の重量の変化にかかわらず、ユーザ50が荷物52を負担に感じていることを意味する発声を取得した場合に移動体20を手配してもよい。
【0062】
<端末装置80の利用>
ユーザ50が所持する端末装置80は、カメラ60として機能してもよい。ユーザ50は、端末装置80で荷物52を撮影してもよい。サーバ制御部12は、ユーザ50が端末装置80で撮影した荷物52の画像を取得し、取得した画像に基づいてユーザ50の荷物52の大きさを算出してもよい。サーバ制御部12は、運搬可能な大きさが算出した大きさ以上である移動体20の中からユーザ50の位置まで移動させる移動体20を選択してよい。
【0063】
端末装置80は、音声入力デバイスとして機能してもよい。ユーザ50は、端末装置80に対して発声してよい。端末装置80は、ユーザ50が発声した内容を検出し、サーバ10に出力してよい。サーバ制御部12は、端末装置80に入力されたユーザ50の発声内容に基づいて移動体20を手配してもよい。
【0064】
サーバ制御部12は、ユーザ50の荷物52を回収するために移動体20を手配したことをユーザ50に通知してよい。サーバ制御部12は、移動体20に関する情報を端末装置80に出力してよい。端末装置80は、手配された移動体20に関する情報をユーザ50に通知してよい。端末装置80は、運搬サービスに関する情報をユーザ50に通知するアプリケーションを実行し、手配された移動体20に関する情報をユーザ50に通知してよい。端末装置80は、移動体20がユーザ50の位置に到着した際に、その移動体20がサーバ10によって荷物52を回収するために手配された移動体20であるか認証する情報を送受信してよい。
【0065】
本開示に係る実施形態が諸図面及び実施例に基づき説明されてきた。本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理システム
10 サーバ(12:サーバ制御部、14:サーバ通信部、16:サーバ記憶部)
20 移動体(22:制御装置、24:通信装置、25:位置情報取得装置、26:駆動装置)
30 ネットワーク
40 重量センサ(41:第1重量センサ、42:第2重量センサ)
50 ユーザ(52:荷物)
60 カメラ
70 歩行面
80 端末装置