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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】運転評価システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020161405
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022054295
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 健揮
(72)【発明者】
【氏名】立花 亮介
(72)【発明者】
【氏名】川端 伸一朗
(72)【発明者】
【氏名】北川 敬
(72)【発明者】
【氏名】大橋 宗史
(72)【発明者】
【氏名】安田 利弘
(72)【発明者】
【氏名】嶽本 哲生
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-81086(JP,A)
【文献】特開2020-95596(JP,A)
【文献】特開2008-234414(JP,A)
【文献】特開2011-77898(JP,A)
【文献】特開2007-141212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から収集した危険運転に係る運転情報を、前記危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させる収集部と、
前記車両から収集した前記運転情報に基づき、前記車両の運転者の評価情報であるスコアを生成する生成部と、
前記運転者の前記危険運転を、前記種別及び前記危険度の少なくとも一方に基づいて前記記憶部から検索する検索部と、
前記生成部により生成された前記スコア、及び前記検索部により検索された前記危険運転に係る動画を含む前記運転情報を、前記運転者の家族、保険会社、自治体、又は前記車両のディーラーであるユーザに提供する提供部と、
を備える運転評価装置と、前記ユーザが所持しており、前記運転者の前記スコア及び前記運転情報を閲覧することができる端末と、を備えた運転評価システムであって、
前記端末は、
表示部に対する前記ユーザの操作を受け付ける受付部と、
前記表示部における表示を制御する制御部と、
を備え、
前記提供部は、前記運転者による新たな前記危険運転が発生した場合に、新たに発生した前記危険運転に係る前記運転情報を前記端末に提供し、
前記制御部は、前記運転評価装置から提供された前記運転情報に基づいて、前記生成部により生成された前記運転者の前記スコアに係る画像、時系列の前記スコアの推移を示す折れ線グラフに係る画像、前記運転者による前記危険運転のリストであって、選択可能なテキストであるリスト画像、及び前記運転者による前記危険運転の検索を行うための検索ボタンを前記表示部に表示し、
前記受付部は、前記ユーザによる前記検索ボタンの操作を受付けた場合に、前記運転評価装置に検索コマンドを送信し、
前記提供部は、前記端末から送信された前記検索コマンドに基づいて前記検索部により検索された前記運転者の前記危険運転に係る前記運転情報を示す検索結果を前記端末に提供し、
前記記憶部に記憶される前記運転情報には、前記危険運転の発生日時が付与されており、
前記運転評価装置から提供された前記検索結果を取得した前記制御部は、自動再生を行うと判定した場合、前記検索結果に示される前記運転者の前記危険運転のうち最新の前記危険運転に係る動画を前記表示部で再生し、自動再生を行わないと判定した場合、前記検索結果を前記リスト画像に表示し、前記ユーザが前記リスト画像を操作することで前記受付部が一の前記危険運転の前記テキストの選択を受け付けた場合、前記テキストの選択を受け付けた前記危険運転に係る動画を前記表示部で再生する、
運転評価システム
【請求項2】
前記記憶部に記憶される前記運転情報には、前記危険運転の発生場所が付与されており、
前記制御部は、
前記危険運転の前記発生場所を地図上の対応地点に示し、かつ前記危険運転に対応する前記運転情報に係る動画を再生するためのアイコンを前記地図と共に前記表示部に表示させる請求項1に記載の運転評価システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記受付部が複数の前記種別から一の前記種別の選択を受け付けた場合、選択された種別の最新の前記運転情報に係る動画を前記表示部で再生する請求項又はに記載の運転評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者における運転の評価を行う転評価システに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、分析結果を容易に確認でき、これによって運転者の安全運転に寄与できる運転支援装置が開示されている。当該運転支援装置によれば、違反データが良く発生しているメッシュエリアの上位50件であって、各メッシュエリアの周辺のメッシュエリアに該当する違反データを、エリア抽出対象データとしてセンタ用記憶部から抽出し、候補エリア内に該当する件数が多い上位20位までの候補エリアを違反頻発エリアと判断し分析画面に表示、展開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-141212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の運転支援装置は、運転者毎に危険運転の内容が評価されてランキングを行う機能、及び危険運転が多発する地点毎に画像等の情報を閲覧する機能を有している。しかし、ある運転者の評価を抽出した際に評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができない。
【0005】
本発明は、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧可能な転評価システを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の運転評価装置は、車両から収集した危険運転に係る運転情報を、前記危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させる収集部と、前記車両から収集した運転情報に基づき、前記車両の運転者の評価情報を生成する生成部と、前記運転者の危険運転を、前記種別及び前記危険度の少なくとも一方に基づいて前記記憶部から検索する検索部と、前記生成部により生成された前記評価情報、及び前記検索部により検索された前記危険運転に係る前記運転情報をユーザに提供する提供部と、を備えている。
【0007】
第1態様の運転評価装置では、収集部が車両から取得した危険運転に係る運転情報を当該危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させ、生成部が車両から取集した運転情報に基づき、車両の運転者の評価情報を生成する。ここで、運転情報には、速度、加速度等の車両の走行データ、及び車両において撮像された画像のデータを含む。また、当該運転評価装置では、提供部が評価情報をユーザに提供する。また、検索部が運転者の危険運転を検索すると、提供部は検索された危険運転に係る運転情報をユーザに提供する。ここで、検索部は、危険運転の種別及び危険度の少なくとも一方に基づいて検索する。当該運転評価装置によれば、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができる。
【0008】
第2態様の運転評価装置は、第1態様の運転評価装置であって、前記提供部は、新たな前記危険運転が発生した場合に、新たに発生した前記危険運転に係る運転情報を提供する。
【0009】
第2態様の運転評価装置では、新たな危険運転が発生した場合に、新たに発生した危険運転に係る運転情報をユーザに提供することで、危険運転が発生する都度、ユーザは運転者の危険運転の情報を閲覧することができる。
【0010】
第3態様の運転評価システムは、第1態様又は第2態様の運転評価装置と、前記ユーザが所持する端末と、を備えた運転評価システムであって、前記端末は、前記検索部により検索された複数の前記危険運転から前記ユーザによる一の前記危険運転の選択を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記ユーザの選択に係る前記危険運転の前記運転情報の画像を前記ユーザが視認可能な表示部に表示させる制御部と、を備えている。
【0011】
第3態様の運転評価システムでは、端末において、受付部がユーザによる一の危険運転の選択を受け付けると、制御部が当該ユーザの選択に係る危険運転の運転情報の画像を表示部に表示させる。当該運転評価システムによれば、ユーザの手元において、ユーザが希望する危険運転の情報を閲覧することができる。
【0012】
請求項1に記載の運転評価システムは、車両から収集した危険運転に係る運転情報を、前記危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させる収集部と、前記車両から収集した前記運転情報に基づき、前記車両の運転者の評価情報であるスコアを生成する生成部と、前記運転者の前記危険運転を、前記種別及び前記危険度の少なくとも一方に基づいて前記記憶部から検索する検索部と、前記生成部により生成された前記スコア、及び前記検索部により検索された前記危険運転に係る動画を含む前記運転情報を、前記運転者の家族、保険会社、自治体、又は前記車両のディーラーであるユーザに提供する提供部と、を備える運転評価装置と、前記ユーザが所持しており、前記運転者の前記スコア及び前記運転情報を閲覧することができる端末と、を備えた運転評価システムであって、前記端末は、表示部に対する前記ユーザの操作を受け付ける受付部と、前記表示部における表示を制御する制御部と、を備え、前記提供部は、前記運転者による新たな前記危険運転が発生した場合に、新たに発生した前記危険運転に係る前記運転情報を前記端末に提供し、前記制御部は、前記運転評価装置から提供された前記運転情報に基づいて、前記生成部により生成された前記運転者の前記スコアに係る画像、時系列の前記スコアの推移を示す折れ線グラフに係る画像、前記運転者による前記危険運転のリストであって、選択可能なテキストであるリスト画像、及び前記運転者による前記危険運転の検索を行うための検索ボタンを前記表示部に表示し、前記受付部は、前記ユーザによる前記検索ボタンの操作を受付けた場合に、前記運転評価装置に検索コマンドを送信し、前記提供部は、前記端末から送信された前記検索コマンドに基づいて前記検索部により検索された前記運転者の前記危険運転に係る前記運転情報を示す検索結果を前記端末に提供し、前記記憶部に記憶される前記運転情報には、前記危険運転の発生日時が付与されており、前記運転評価装置から提供された前記検索結果を取得した前記制御部は、自動再生を行うと判定した場合、前記検索結果に示される前記運転者の前記危険運転のうち最新の前記危険運転に係る動画を前記表示部で再生し、自動再生を行わないと判定した場合、前記検索結果を前記リスト画像に表示し、前記ユーザが前記リスト画像を操作することで前記受付部が一の前記危険運転の前記テキストの選択を受け付けた場合、前記テキストの選択を受け付けた前記危険運転に係る動画を前記表示部で再生する。
また、請求項に記載の運転評価システムは、請求項に記載の運転評価システムにおいて、前記記憶部に記憶される前記運転情報には、前記危険運転の発生場所が付与されており、前記制御部は、前記危険運転の前記発生場所を地図上の対応地点に示し、かつ前記危険運転に対応する前記運転情報に係る動画を再生するためのアイコンを前記地図と共に前記表示部に表示させる。
【0013】
請求項に記載の運転評価システムでは、端末の制御部は、危険運転に対応する運転情報に係る動画を再生するためのアイコンを地図と共に表示部に表示させる。ここで、アイコンは、危険運転の発生場所に対応する地図上の地点に表示される。当該運転評価システムによれば、ユーザは地図上の危険運転の発生場所と照らしながら、当該危険運転の情報を閲覧することができる。
【0014】
請求項に記載の運転評価システムは、請求項又はに記載の運転評価システムにおいて、記制御部は、前記受付部が複数の前記種別から一の前記種別の選択を受け付けた場合、選択された種別の最新の前記運転情報に係る動画を前記表示部で再生する
【0015】
請求項に記載の運転評価システムでは、端末の制御部は、複数の種別から一の種別の選択を受け付けた場合、選択された種別の最新の運転情報に係る動画を表示部で再生する。そのため、当該運転評価システムによれば、ユーザは危険運転の情報別に最新の運転情報を閲覧することができる。
【0016】
第4態様の運転評価方法は、車両から収集した危険運転に係る運転情報を、前記危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させ、前記車両から収集した運転情報に基づき、前記車両の運転者の評価情報を生成し、前記運転者の危険運転を、前記種別及び前記危険度の少なくとも一方に基づいて前記記憶部から検索し、生成された前記評価情報、及び検索された前記危険運転に係る前記運転情報をユーザに提供する、処理をコンピュータが実行する。
【0017】
第4態様の運転評価方法では、コンピュータが車両から取得した危険運転に係る運転情報を当該危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させ、車両から取集した運転情報に基づき、車両の運転者の評価情報を生成する。ここで、運転情報とは上述のとおりである。また、当該運転評価方法では、コンピュータが評価情報をユーザに提供する。また、コンピュータにより運転者の危険運転が検索されると、検索された危険運転に係る運転情報をユーザに提供する。ここで、コンピュータは、危険運転の種別及び危険度の少なくとも一方に基づいて検索を実行する。当該運転評価方法によれば、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができる。
【0018】
第5態様の運転評価プログラムは、車両から収集した危険運転に係る運転情報を、前記危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させ、前記車両から収集した運転情報に基づき、前記車両の運転者の評価情報を生成し、前記運転者の危険運転を、前記種別及び前記危険度の少なくとも一方に基づいて前記記憶部から検索し、生成された前記評価情報、及び検索された前記危険運転に係る前記運転情報をユーザに提供する、処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
第5態様の運転評価プログラムでは、コンピュータが次の処理を実行する。すなわち、コンピュータは、車両から取得した危険運転に係る運転情報を当該危険運転の種別及び危険度と共に記憶部に記憶させ、車両から取集した運転情報に基づき、車両の運転者の評価情報を生成する。ここで、運転情報とは上述のとおりである。また、当該プログラムでは、コンピュータが評価情報をユーザに提供する。また、コンピュータにより運転者の危険運転が検索されると、検索された危険運転に係る運転情報をユーザに提供する。ここで、コンピュータは、危険運転の種別及び危険度の少なくとも一方に基づいて検索を実行する。当該運転評価プログラムによれば、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る運転評価システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態の車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態のセンタサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態のセンタサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5】実施形態のスマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】実施形態のスマートフォンの機能構成を示すブロック図である。
図7】実施形態のスマートフォンにおける表示の例であって、アプリ起動時の画面を示す。
図8】実施形態のスマートフォンにおける表示の例であって、動画の再生時の画面を示す。
図9】実施形態のスマートフォンにおける表示の例であって、検索時の画面を示す。
図10】実施形態のセンタサーバにおいて実行される評価生成処理の流れを示すフローチャートである。
図11】実施形態のセンタサーバにおいて実行される通知開始処理の流れを示すフローチャートである。
図12】実施形態のセンタサーバにおいて実行される情報提供処理の流れを示すフローチャートである。
図13A】実施形態のスマートフォンにおいて実行される情報閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
図13B】実施形態のスマートフォンにおいて実行される情報閲覧処理の流れを示すフローチャート(図13Aの続き)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の運転評価装置を含む運転評価システムについて、図を用いて説明する。
【0023】
図1に示されるように、本発明の実施形態の運転評価システム10は、複数の車両12と、運転評価装置としてのセンタサーバ30と、端末としてのスマートフォン40と、を含んで構成されている。各車両12には、それぞれ車載器20が搭載されている。スマートフォン40はアプリケーション(以下、「アプリ」と称する。)を利用するユーザが所持する通信端末である。なお、スマートフォンに限らず、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等の通信端末を、アプリを実行する端末としてもよい。
【0024】
複数の車載器20、センタサーバ30及びスマートフォン40は、ネットワークNを通じて相互に接続されている。
【0025】
(車両)
図2に示されるように、本実施形態に係る車両12は、車載器20と、CAN(Controller Area Network)ゲートウェイ21と、複数のECU22と、複数の車載装置23と、を含んで構成されている。また、車両12は、マイク24と、車内カメラ25と、外部カメラ26と、モニタ27と、スピーカ28と、GPS装置29と、を含んで構成されている。
【0026】
車載器20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、車内通信I/F(Inter Face)20D、無線通信I/F20E及び入出力I/F20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、車内通信I/F20D、無線通信I/F20E及び入出力I/F20Fは、内部バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0028】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。本実施形態のROM20Bには、車載器20を制御するための制御プログラムが記憶されている。
【0029】
RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0030】
車内通信I/F20Dは、CANゲートウェイ21と接続するためのインタフェースである。当該インタフェースは、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。車内通信I/F20Dは、外部バス20Hに対して接続されている。
【0031】
CANゲートウェイ21は、車載器20と複数のECU22とを接続する中継装置である。ECU22は、車両12の機能毎に複数設けられている。本実施形態のECU22としては、車両制御ECU、エンジンECU、ブレーキECU、ボデーECU、運転支援ECU、カメラECU、マルチメディアECUが例示される。
【0032】
また、各ECU22には、それぞれ、車載装置23が接続されている。車載装置23は、車両12の機能を実現するための装置である。例えば、エンジンECUには、車載装置23としてのスロットルアクチュエータが接続され、ブレーキECUには、車載装置23としてのブレーキアクチュエータが接続されている。また、ボデーECUには、車載装置23としての灯火装置、及びワイパー装置が接続されている。また、運転支援ECUには、車載装置23としての車速センサ、及び加速度センサ等が接続されている。
【0033】
無線通信I/F20Eは、センタサーバ30と通信するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。無線通信I/F20Eは、ネットワークNに対して接続されている。
【0034】
入出力I/F20Fは、車両12に搭載されるマイク24、車内カメラ25、外部カメラ26、モニタ27、スピーカ28及びGPS装置29と通信するためのインタフェースである。
【0035】
音声入力装置としてのマイク24は、車両12のフロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、車両12の運転者を含む乗員が発した音声を集音する装置である。なお、マイク24は、後述する車内カメラ25に設けられていてもよい。
【0036】
撮像装置としての車内カメラ25は、車両12のフロントピラー、ルームミラー、又はステアリングコラム等に設けられ、車両12の乗員を撮像する装置である。なお、車内カメラ25は、ECU22(例えば、カメラECU)を経由して車載器20に接続されていてもよい。
【0037】
外部カメラ26は、車両12のフロントウィンドウの上部、又はルームミラー等に設けられ、車両12の外部を撮像する装置である。外部カメラ26は、ミリ波レーダ及びライダ(Laser Imaging Detection and Ranging)と共に、運転支援システムを構成するセンサ群として設けてもよい。この場合、外部カメラ26は、ECU22(例えば、走行支援ECU)を経由して車載器20に接続されていてもよい。また、外部カメラ26は、ドライブレコーダを構成するカメラとして設けてもよい。この場合、外部カメラ26は、ドライブレコーダを経由して車載器20に接続されている。
【0038】
モニタ27は、インストルメントパネル、又はメータパネル等に設けられ、車両12の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る画像を表示するための液晶モニタである。モニタ27は、入力スイッチを兼ねたタッチパネルとして設けてもよい。
【0039】
スピーカ28は、インストルメントパネル、センタコンソール、フロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、音声を出力するための装置である。なお、スピーカ28は、モニタ27に設けられていてもよい。
【0040】
GPS装置29は車両12の現在位置を測定する装置である。GPS装置29は、GPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを含んでいる。なお、GPS装置29は、ECU22(例えば、マルチメディアECU)に接続されるカーナビゲーションシステムを経由して車載器20に接続されていてもよい。
【0041】
(センタサーバ)
図3に示されるように、センタサーバ30は、CPU30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、及び通信I/F30Eを含んで構成されている。CPU30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D及び通信I/F30Eは、内部バス30Gを介して相互に通信可能に接続されている。CPU30A、ROM30B、RAM30C及び通信I/F30Eの機能は、上述した車載器20のCPU20A、ROM20B、RAM20C及び無線通信I/F20Eと同じである。
【0042】
記憶部としてのストレージ30Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、各種プログラム及び各種データを記憶している。
【0043】
CPU30Aは、ストレージ30Dからプログラムを読み出し、RAM30Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0044】
本実施形態のストレージ30Dには、処理プログラム100、センサ情報DB(データベース)110、危険運転情報DB120及び動画DB130が記憶されている。
【0045】
運転評価プログラムとしての処理プログラム100は、センタサーバ30が有する各機能を実現するためのプログラムである。
【0046】
センサ情報DB110は、車両12のセンサとしての車載装置23から取得した運転情報を集約したデータベースである。例えば、センサ情報DB110には、運転情報として任意の時刻における車両12のCAN情報、及び位置情報が記憶されている。CAN情報は、車両12の外部バス20Hを通じて送受信される通信データであって、車速信号、加速度信号、アクセル開度信号等を含む。CAN情報に基づいて、車両12の速度、及び加速度等を得ることができる。
【0047】
危険運転情報DB120は、センサ情報DB110に記憶された運転情報のうち、危険運転時における運転情報を集約したデータベースである。危険運転情報DB120には、運転情報として、CAN情報、危険運転の発生日時及び発生時の車両12の位置情報が、危険運転の種別及び危険度と共に記憶されている。また、危険運転情報DB120には、後述する動画DB130における危険運転発生時の画像データの参照用のアドレスが記憶されている。
【0048】
動画DB130は、運転情報としての画像データ、具体的には、車両12の外部カメラ26により撮像された動画の画像データを集約したデータベースである。
【0049】
図4に示されるように、本実施形態のセンタサーバ30では、CPU30Aが、処理プログラム100を実行することで、収集部200、判定部210、生成部220、検索部230及び提供部240として機能する。
【0050】
収集部200は、車両12から運転情報を取得する機能を有している。また、収集部200は、取得した運転情報のうち、危険運転に係る運転情報を、後述する判定部210により判定された危険運転の種別及び危険度と共に危険運転情報DB120に記憶する。
【0051】
判定部210は、車両12から取得した運転情報を基に危険運転が発生したか否かを判定する機能を有している。例えば、判定部210は運転情報から、運転者が車両12に対する急な操作を行ったことを検知した場合、歩行者の歩行又は周辺の車両の走行を妨害したことを検知した場合、及び一時停止無視又は信号無視の発生を検知した場合、危険運転が発生したと判定する。
【0052】
なお、急な操作を行ったことの検知方法としては、車両12の速度、加速度等の物理量、又はステアリング、ブレーキ等の操作量が閾値を超えた場合に検知する方法がある。また、歩行者の歩行又は周辺の車両の走行を妨害したこと、及び一時停止無視又は信号無視の発生の検知方法としては、外部カメラ26の画像データを解析して検知する方法がある。
【0053】
また、判定部210は、危険運転の種別及び危険度を判定する機能を有している。ここで、危険運転の種別とは、危険運転の態様を指す。例えば、速度超過、歩行者妨害、信号無視等の種別がある。また、危険度とは、種別毎の危険運転の程度を指す。本実施形態では、「大」、「中」、「小」の3つの程度がある。
【0054】
生成部220は、運転情報に基づく運転者の評価情報であるスコアを生成する機能を有している。例えば、生成部220は、ある運転者の危険運転発生の回数、頻度及び程度等のパラメータの、全運転者のパラメータに対する偏差値に基づいてスコアを生成する。
【0055】
検索部230は、危険運転の発生時刻、種別及び危険度の少なくとも一つに基づいて、危険運転を検索する機能を有している。例えば、検索部230は、スマートフォン40からの検索コマンドに基づいて、種別が信号無視である危険運転を検索したり、危険度が「大」である危険運転を検索したりする機能を有している。
【0056】
提供部240は、生成部220により生成されたスコア及び、危険運転に係る運転情報をユーザが所持するスマートフォン40に対して提供する機能を有している。提供部240は、検索部230により危険運転が検索された場合、当該危険運転に対応する検索結果をスマートフォン40に提供する。また、提供部240は、新たな危険運転が発生した場合に、新たに発生した危険運転に係る運転情報を提供する。
【0057】
(スマートフォン)
スマートフォン40は、アプリを利用するユーザが所持する端末である。本実施形態のアプリは、予め登録した運転者の評価を閲覧することができ、危険運転が生じている場合は当該危険運転に係る動画を再生可能に構成されている。
【0058】
図5に示されるように、本実施形態のスマートフォン40は、CPU40A、ROM40B、RAM40C、通信I/F40E、及びタッチパネル42を含んで構成されている。CPU40A、ROM40B、RAM40C、通信I/F40E及びタッチパネル42は、内部バス40Gを介して相互に通信可能に接続されている。CPU40A、ROM40B、RAM40C及び通信I/F40Eの機能は、上述した車載器20のCPU20A、ROM20B、RAM20C及び無線通信I/F20Eと同じである。
【0059】
表示部としてのタッチパネル42は、ユーザが視認可能な液晶画面とタッチセンサとを含んで構成されている。すなわち、タッチパネル42は、ユーザの操作を受け付ける入力部としても機能する。
【0060】
CPU40Aは、ROM40Bからプログラムを読み出し、RAM40Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0061】
本実施形態のROM40Bには、アプリプログラム300が記憶されている。
【0062】
図6に示されるように、本実施形態のスマートフォン40では、CPU40Aが、アプリプログラム300を実行することで、受付部400及び制御部410として機能する。
【0063】
受付部400は、タッチパネル42に対するユーザの操作を受け付ける機能を有している。この受付部400は、センタサーバ30の検索部230により検索された結果、タッチパネル42に表示された危険運転のリストからユーザによる一の危険運転の選択を受け付ける。
【0064】
制御部410は、タッチパネル42における表示を制御する機能を有している。また、制御部410は、受付部400が一の危険運転の選択を受け付けた場合、受け付けた危険運転に係る動画をタッチパネル42に表示させる。
【0065】
図7に示されるように、制御部410により、タッチパネル42には、アプリ画面80が表示される。このアプリ画面80は、情報画面82と、地図画面84と、を含む。アプリ起動時のアプリ画面80において、情報画面82は、スコア画像SC、レベル画像LV及びタイムチャートTCを含む。スコア画像SCは、センタサーバ30の生成部220において生成された運転者のスコアに係る画像である。レベル画像LVは、カテゴリごとのスコアのレベルを示す画像である。カテゴリとしては、「運転操作」、「運転マナー」及び「注意力」等がある。タイムチャートTCは、時系列のスコアの推移を示す折れ線グラフに係る画像である。
【0066】
また、本実施形態では、地図の画像を有する地図画面84に、危険運転の発生地点を示すアイコンICが表示される。このアイコンICは、危険運転の発生場所を地図画面84上の対応地点に示し、かつ危険運転に対応する動画を表示するためのボタンである。制御部410は、アイコンICを地図と共に地図画面84に表示させ、アイコンICが操作された場合、当該アイコンICの地点において発生した危険運転の動画を動画画面86に表示させる(図8参照)。
【0067】
また、図9に示されるように、アプリ画面80には、危険運転のリストであって、選択可能なテキストであるリスト画像LT、及び危険運転の検索を行うための検索ボタンSBを含む情報画面82が表示される。制御部410は、ユーザがリスト画像LTを操作することで、受付部400が一の危険運転のテキストの選択を受け付けた場合、当該危険運転の動画を動画画面86に表示させる(図8参照)。
【0068】
さらに、制御部410は、ユーザが検索ボタンSBを操作することで、受付部400が複数の種別から一の種別の選択を受け付けた場合、選択された種別の最新の動画をタッチパネル42上の動画画面86に表示させる(図8参照)。ここで、本実施形態の検索ボタンSBは、危険運転の種別を選択するプルダウンメニューPM1、危険運転の発生年月を選択するプルダウンメニューPM2、危険度を選択するプルダウンメニューPM3、及び検索開始ボタンRB、を含む。プルダウンメニューPM1を操作して危険運転の種別を選択し、検索開始ボタンRBを操作することで、受付部400は複数の種別から一の種別の選択を受け付ける。
【0069】
(制御の流れ)
本実施形態の運転評価システム10において実行される処理の流れについて、図10図11図12図13A及び図13Bのフローチャートを用いて説明する。
【0070】
まず、センタサーバ30では、複数の車両12の車載器20から運転情報を取得し、危険運転の評価を行う評価生成処理が実行される。この処理は、CPU30Aが、収集部200、判定部210、及び生成部220として機能することで実現される。
【0071】
図10のステップS100において、センタサーバ30のCPU30Aは各車載器20から運転情報を受信し取得する。この運転情報は、少なくとも上述のCAN情報、位置情報及び動画の画像データを含む。
【0072】
ステップS101において、CPU30Aは危険運転、並びに危険運転の種別及び危険度を判定する。これにより、ある運転者のある運転が危険運転に該当するか否かが判定される。また、危険運転に該当する場合、危険運転の種別が速度超過、歩行者妨害、信号無視及びその他の何れか、危険度が、「大」、「中」、「小」の何れかが判定される。
【0073】
ステップS102において、CPU30Aは危険運転情報DB120を更新する。すなわち、CAN情報、危険運転の発生日時及び発生時の車両12の位置情報が、危険運転の種別及び危険度と共に危険運転情報DB120に記憶される。
【0074】
ステップS103において、CPU30Aは運転者別のスコアを生成する。そして、評価生成処理は終了する。
【0075】
以上、評価生成処理では、運転情報を収集しつつ、危険運転の判定及び記憶を行い、運転者のスコアを生成する。評価生成処理は、常時実行することで車両12の車載器20から運転情報を随時収取してもよいが、車載器20とセンタサーバ30との通信量を低減すべく、定期的、例えば10分に1回程度実行すれば足りる。
【0076】
次に、センタサーバ30では、通知開始処理及び情報提供処理が実行される。これらの処理は、CPU30Aが、検索部230及び提供部240として機能することで実現される。
【0077】
まず、図11に示されるように、通知開始処理が実行される。
図11のステップS150において、CPU30Aは新たに危険運転が発生しているか否かの判定を行う。CPU30Aは新たに危険運転が発生していると判定した場合(ステップS150でYESの場合)、ステップS151に進む。一方、CPU30Aは危険運転が新たに発生していないと判定した場合(ステップS150でNOの場合)、ステップS152に進む。
【0078】
ステップS151において、CPU30Aは危険運転の運転者が登録されているスマートフォン40へプッシュ通知を行う。ここで、スマートフォン40のアプリでは、通知の対象となる運転者が登録されており、登録された運転者が新たに危険運転を行った場合(ステップS150でYESの場合)に、当該運転者が登録されているスマートフォン40に向けてプッシュ通知を行う。
【0079】
ステップS152において、CPU30Aはスマートフォン40からアプリの起動コマンドを受信したか否かの判定を行う。CPU30Aは起動コマンドを受信したと判定した場合(ステップS152でYESの場合)、ステップS153に進む。一方、CPU30Aは起動コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS152でNOの場合)、ステップS150に戻る。
【0080】
ステップS153において、CPU30Aは通知フラグをONにする。そしてステップS150に戻る。通知フラグとは、後述する情報提供処理を実行させるためのフラグである。
【0081】
以上、通知開始処理では、危険運転が新たに発生した場合、又はスマートフォン40からアプリの起動が通知された場合に、通知フラグを用いて運転情報の提供を決定する。
次に、図12に示されるように、情報提供処理が実行される。
【0082】
図12のステップS200において、センタサーバ30のCPU30Aは通知フラグがONであるか否かを判定する。CPU30Aは通知フラグがONであると判定した場合(ステップS200でYESの場合)、ステップS201に進む。一方、CPU30Aは通知フラグがONではない、すなわちOFFであると判定した場合(ステップS200でNOの場合)、情報提供処理を終了させる。
【0083】
ステップS201において、CPU30Aはスコアを提供する。具体的にCPU30Aは、スマートフォン40に向けて、当該スマートフォン40に登録された運転者のスコアを送信する。
【0084】
ステップS202において、CPU30Aは検索コマンドを受信したか否かを判定する。CPU30Aは検索コマンドを受信したと判定した場合(ステップS202でYESの場合)、ステップS203に進む。一方、CPU30Aは検索コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS202でNOの場合)、ステップS204に進む。
【0085】
ステップS203において、CPU30Aは検索コマンドを送信したスマートフォン40に向けて検索結果を提供する。すなわち、CPU30Aは、検索処理により特定された危険運転の運転情報を送信する。
【0086】
ステップS204において、CPU30Aは再生コマンドを受信したか否かを判定する。CPU30Aは再生コマンドを受信したと判定した場合(ステップS204でYESの場合)、ステップS205に進む。一方、CPU30Aは再生コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS204でNOの場合)、ステップS206に進む。
【0087】
ステップS205において、CPU30Aは、再生コマンドを送信したスマートフォン40に向けて画像データを提供する。すなわち、CPU30Aは、スマートフォン40に向けて再生を行う動画の画像データを送信する。
【0088】
ステップS206において、CPU30Aは終了コマンドを受信したか否かを判定する。CPU30Aは終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS206でYESの場合)、ステップS207に進む。一方、CPU30Aは終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS206でNOの場合)、ステップS200に戻る。
【0089】
ステップS207において、CPU30Aは、通知フラグをOFFにする。そして、情報提供処理は終了する。
【0090】
一方、センタサーバ30から情報提供を受けるスマートフォン40では、図13A及び図13Bの情報閲覧処理が実行される。この処理は、CPU40Aが、受付部400及び制御部410として機能することで実現される。
【0091】
図13AのステップS300において、スマートフォン40のCPU40Aはアプリが起動したか否かを判定する。CPU40Aはアプリが起動したと判定した場合(ステップS300でYESの場合)、ステップS301に進む。一方、CPU40Aはアプリが起動していないと判定した場合(ステップS300でNOの場合)、ステップS302に進む。
【0092】
ステップS301において、CPU40Aはセンタサーバ30に向けて起動コマンドを送信する。
【0093】
ステップS302において、CPU40Aはプッシュ通知を受信したか否かを判定する。CPU40Aはプッシュ通知を受信したと判定した場合(ステップS302でYESの場合)、ステップS303に進む。一方、CPU40Aはプッシュ通知を受信していないと判定した場合(ステップS302でNOの場合)、ステップS300に戻る。
【0094】
ステップS303において、CPU40Aは表示処理を実行する。すなわち、CPU40Aは、タッチパネル42に対し、センタサーバ30から受信した運転情報を表示させる。アプリ起動時においてタッチパネル42には、スコア画像SCを含むアプリ画面80が表示される(図7参照)。
【0095】
ステップS304において、CPU40Aはアプリを終了させるか否かを判定する。CPU40Aはアプリを終了させると判定した場合(ステップS304でYESの場合)、ステップS311に進む。一方、CPU40Aはアプリを終了させないと判定した場合(ステップS304でNOの場合)、ステップS305に進む。
【0096】
図13BのステップS305において、CPU40Aは検索を実行するか否かを判定する。補足すると、ユーザがタッチパネル42上の検索ボタンSB(図9参照)を操作した場合に、CPU40Aは検索を実行すると判定する。CPU40Aは検索を実行すると判定した場合(ステップS305でYESの場合)、ステップS306に進む。一方、CPU40Aは検索を実行しないと判定した場合(ステップS305でNOの場合)、ステップS308に進む。
【0097】
ステップS306において、CPU40Aはセンタサーバ30に検索コマンドを送信し、センタサーバ30から検索結果を取得する。
【0098】
ステップS307において、CPU40Aは自動再生を行うか否かを判定する。CPU40Aは自動再生を行うと判定した場合(ステップS307でYESの場合)、ステップS309に進む。この場合、ステップS309において、検索された危険運転のうち最新の危険運転の動画が再生される。一方、CPU40Aは自動再生を行わないと判定した場合(ステップS307でNOの場合)、図13AのステップS303に戻る。この場合、検索結果がタッチパネル42のリスト画像LTに表示される。
【0099】
ステップS308において、CPU40Aは動画を再生するか否かを判定する。補足すると、ユーザが地図画面84上のアイコンIC、又は、リスト画像LT上のテキストを操作した場合に、CPU40Aは動画を再生すると判定する。CPU40Aは動画を再生すると判定した場合(ステップS308でYESの場合)、ステップS309に進む。一方、CPU40Aは動画を再生しないと判定した場合(ステップS308でNOの場合)、図13AのステップS303に戻る。
【0100】
ステップS309において、CPU40Aはセンタサーバ30に再生コマンドを送信し、センタサーバ30から画像データを取得する。
【0101】
ステップS310において、CPU40Aは画像データに係る動画を再生する。これにより、タッチパネル42のアプリ画面80に動画画面86が現れ、当該動画画面86上で危険運転に係る動画が再生される(図8参照)。そして、動画の再生が終了すると、図13AのステップS303に戻る。
【0102】
図13AのステップS311において、CPU40Aは終了コマンドを送信する。そして、情報閲覧処理は終了する。
【0103】
(実施形態のまとめ)
本実施形態のセンタサーバ30では、収集部200が車両12の車載器20から取得した危険運転に係る運転情報を当該危険運転の種別及び危険度と共にストレージ30Dに記憶させる。ここで、本実施形態の運転情報は、速度、加速度等の車両12の走行データ、位置情報及び車両12において撮像された動画のデータを含む。また、生成部220が車載器20から取集した運転情報に基づき、車両12の運転者のスコアを生成する。
【0104】
また、ユーザがスマートフォン40のアプリを起動し、危険運転に係る検索を実行すると、センタサーバ30では、検索部230が運転者の危険運転を検索し、提供部240が運転者のスコア、及び危険運転に係る動画を含む運転情報をユーザに提供する。ここで、検索部230は、危険運転の種別、発生年月及び危険度に基づいて検索を行うことができる。本実施形態によれば、ある運転者の評価の基礎に含まれる危険運転の情報を、当該危険運転の種別や危険度毎に閲覧することができる。
【0105】
また、本実施形態のセンタサーバ30では、新たな危険運転が発生した場合に、スマートフォン40に向けてのプッシュ通知により、新たに発生した危険運転に係る運転情報をユーザに提供することができる。すなわち、本実施形態によれば、危険運転が発生する都度、ユーザは運転者の危険運転の情報を閲覧することができる。
【0106】
また、本実施形態の運転評価システム10では、スマートフォン40において、受付部400がユーザによる一の危険運転の選択を受け付けると、制御部410が当該ユーザの選択に係る危険運転の動画をタッチパネル42に表示させる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの手元において、ユーザが希望する危険運転の情報を閲覧することができる。
【0107】
また、本実施形態の運転評価システム10では、スマートフォン40の制御部410は、アイコンICを地図と共に地図画面84に表示させる。このアイコンICは、危険運転の発生場所を地図画面84上の地図の対応地点に示し、かつ当該危険運転の動画を表示させるための画像である。そのため、本実施形態によれば、ユーザは地図画面84上の危険運転の発生場所と照らしながら、当該危険運転の情報を閲覧することができる。
【0108】
さらに、本実施形態の運転評価システム10では、スマートフォン40の制御部410は、複数の種別から一の種別の選択を受け付けた場合、選択された種別の最新の動画をタッチパネル42に表示させる。そのため、本実施形態によれば、ユーザは危険運転の情報別に最新の動画を閲覧することができる。
【0109】
[備考]
なお、上記実施形態では、運転情報に含まれる画像データを動画のデータとしたが、運転情報に含む画像データは、動画に限らず、静止画であってもよい。また、テキストデータ、及び音声データを運転情報に含めてもよい。
【0110】
上記実施形態では、センタサーバ30の判定部210は、車載器20から取得したCAN情報及び外部カメラ26の画像データを基に危険運転が発生したか否かの判定を行っていたが、判定方法はこの限りではない。例えば、マイク24から取得した音声データを基に危険運転の発生を判定してもよい。この場合、判定部210は、スキール音及び衝突音により危険運転の発生を判定する。また、車内カメラ25が撮像した撮像画像の画像データを基に危険運転の発生を判定してもよい。この場合、判定部210は、車内カメラ25が撮像した運転者の表情から覚醒度を算出して、危険運転の発生を判定する。
【0111】
また、上記実施形態では、スマートフォン40においてアプリを実行したが、これに限らず、車載器20においてアプリを実行してもよい。これにより、運転者がモニタ27を操作しながら自らのスコア、及び危険運転の動画を確認することができる。
【0112】
上記実施形態におけるアプリは、高齢運転者の運転をアプリのユーザである家族が見守る場合、運転者自身がユーザとなって、自身の運転を振り返る用途として使用可能である。一方、スコア及び運転情報等を、保険会社に提供すれば保険料の最適化を図ることができ、自治体に提供すれば免許返納のタイミングを把握することができ、車両12のディーラーに提供すれば安全運転支援システム等の販促に活用することができる。
【0113】
なお、上記実施形態でCPU20A、30A、40Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した受付処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0114】
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、車載器20における制御プログラムはROM20Bに、センタサーバ30における処理プログラム100はストレージ30Dに、スマートフォン40におけるアプリプログラム300はROM40Bに、予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0115】
上記実施形態における処理は、1つのプロセッサによって実行されるのみならず、複数のプロセッサが協働して実行されるものであってもよい。上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 運転評価システム
12 車両
30 センタサーバ(運転評価装置)
30D ストレージ(記憶部)
40 スマートフォン(端末)
42 タッチパネル(表示部)
100 処理プログラム(運転評価プログラム)
200 収集部
220 生成部
230 検索部
240 提供部
400 受付部
410 制御部
IC アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B