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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/12 20160101AFI20230912BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20230912BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20230912BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20230912BHJP
   B60W 20/20 20160101ALI20230912BHJP
【FI】
B60W20/12
B60K6/445 ZHV
B60L50/61
B60L58/12
B60W20/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020179459
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070408
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 友希
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-097697(JP,A)
【文献】特開2013-119349(JP,A)
【文献】特開2011-011611(JP,A)
【文献】特開2020-071700(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0193750(US,A1)
【文献】特開2014-151760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 20/12
B60K 6/445
B60L 50/61
B60L 58/12
B60W 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に駆動力を発生させる電動機と、
前記電動機に電力を供給する蓄電装置と、
前記蓄電装置を充電する発電電力を発生させるエンジンと、
前記エンジンと前記電動機とを複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードに従って制御する制御装置と、
予め定められた情報を報知する報知装置とを備え、
前記複数の制御モードは、CD(Charge Depleting)モードと、CS(Charge Sustaining)モードとを含み、
前記制御装置は、
前記車両の目的地までの走行経路を構成する複数の区間の各々に前記CDモードと前記CSモードとのうちのいずれかを割り当てた走行計画に従って前記制御モードを切り替える切替制御を実行し、
前記切替制御が実行可能であることを示す第1情報と、前記切替制御が非実行となることを示す第2情報とのうちの少なくともいずれかの情報を前記報知装置を用いて報知し、
前記第1情報が前記報知装置により報知された場合には、前記切替制御に関する第3情報を前記報知装置を用いて報知し、
前記第2情報が前記報知装置により報知された場合には、前記第3情報を報知しない、ハイブリッド車両。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第1情報と前記第2情報とが前記報知装置により報知された場合には、前記第3情報を報知しない、請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
前記第3情報は、前記切替制御の実行による効果に関する第4情報と、前記切替制御の実行状況に関する第5情報と、前記切替制御の利用の促進に関する第6情報とを含み、
前記制御装置は、前記第1情報が前記報知装置により報知され、かつ、前記切替制御が実行される場合、前記切替制御の実行中に、前記切替制御を停止する停止条件が成立すると、前記第4情報と前記第5情報と前記第6情報とのうちのいずれかの情報を前記報知装置を用いて報知する、請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
【請求項4】
前記第3情報は、前記切替制御の実行による効果に関する第4情報と、前記切替制御の実行状況に関する第5情報と、前記切替制御の利用の促進に関する第6情報とを含み、
前記制御装置は、前記第1情報が前記報知装置により報知された場合であっても、前記切替制御が実行されない場合には、前記第6情報を前記報知装置を用いて報知する、請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
【請求項5】
前記制御装置は、前記切替制御の実行中に、前記切替制御を停止する停止条件が成立する場合には、前記停止条件が成立する以前の前記切替制御の実行による効果に関する情報を消去する、請求項1~4のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【請求項6】
前記制御装置は、前記停止条件が成立する以前の前記切替制御の実行による効果に関する情報が消去された後に、前記切替制御を再度実行する場合には、前記切替制御の実行による効果に関する情報が生成されるときに、前記生成された情報を前記報知装置を用いて報知し、前記切替制御の実行による効果に関する情報が生成されないときに、前記切替制御の実行状況に関する情報と、前記切替制御の利用の促進に関する情報とのうちのいずれかの情報を前記報知装置を用いて報知する、請求項5に記載のハイブリッド車両。
【請求項7】
前記第1情報は、前記切替制御が実行される制御モードが選択されていることを示す情報と、前記目的地への走行案内中であるという情報と、前記車両が前記走行経路上を走行しているという情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む、請求項1~6のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【請求項8】
前記第2情報は、前記蓄電装置の残容量が第1しきい値よりも低下していることを示す情報と、前記蓄電装置の満充電容量が第2しきい値よりも低下していることを示す情報と、前記蓄電装置が異常状態であることを示す情報と、前記切替制御が実行されない制御モードが選択されていることを示す情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む、請求項1~7のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【請求項9】
前記車両は、外部の端末と通信可能な通信装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記通信装置と前記端末との間の通信に異常があるという条件と、前記切替制御の実行の停止が要求されているという条件と、前記目的地までの走行案内が中止されたという条件と、前記目的地が消去されたという条件とのうちの少なくともいずれかの条件が成立する場合、前記第3情報を報知しない、請求項1~8のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【請求項10】
前記車両は、外部の携帯端末と通信可能な通信装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記報知装置を用いて前記第3情報を報知することに加えて前記通信装置を用いて前記第3情報を前記携帯端末に送信する、請求項1~9のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【請求項11】
前記車両は、外部のサーバを経由して携帯端末と通信可能な通信装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記報知装置を用いて前記第3情報を報知することに加えて前記通信装置を用いて前記第3情報を前記携帯端末に送信する、請求項1~9のいずれかに記載のハイブリッド車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイブリッド車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源となるモータジェネレータと発電源となるエンジンとを搭載するハイブリッド車両においては、複数の制御モードのうちのいずれかを選択して、選択された制御モードにしたがって車両が制御される。複数の制御モードは、たとえば、可能な限りエンジンを停止させた状態で電動走行を継続して、車載電池に蓄電された電力を消費するCD(Charge Depleting)モードと、CDモードよりもエンジンを起動しやすくして、エンジンとモータジェネレータとを用いて車載電池の残量を一定の範囲で維持しつつ車両を走行させるCS(Charge Sustaining)モードとを含む。
【0003】
このようなハイブリッド車両において、ユーザによって設定された目的地まで車両を走行する場合に、走行経路の状況に応じて制御モードを適宜切り替える切替制御が行なわれる。
【0004】
たとえば、特開2014-151760号公報(特許文献1)には、目的地までの走行経路を設定し、設定された走行経路の複数の区間のうちの目的地手前の一以上の区間を除いた区間の各々に対して電動走行を行なうEVモードと、エンジンとモータジェネレータとを用いるHVモードとのうちのいずれかを選択する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-151760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような構成を有するハイブリッド車両において、走行状況に応じた切替制御を実行する場合の車載電池の電力を用いた電動走行による走行距離が当該切替制御を実行しない場合と比較してどのように変化するかについての効果をユーザに報知する場合がある。
【0007】
しかしながら、たとえば、切替制御が実行されることがユーザに明らかに認識できる状況において切替制御の効果が報知されなかったり、切替制御が実行されないことがユーザに明らかに認識できる状況において切替制御の効果が報知されたりすると、ユーザが報知内容に違和感を覚える可能性がある。その結果、走行状況に応じた切替制御の利用頻度が低下する場合がある。
【0008】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、走行状況に応じた切替制御についてユーザが認識し得る実行状況に沿った内容の報知を行なうハイブリッド車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に係るハイブリッド車両は、車両に駆動力を発生させる電動機と、電動機に電力を供給する蓄電装置と、蓄電装置を充電する発電電力を発生させるエンジンと、エンジンと電動機とを複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードに従って制御する制御装置と、予め定められた情報を報知する報知装置とを備える。複数の制御モードは、CD(Charge Depleting)モードと、CS(Charge Sustaining)モードとを含む。制御装置は、車両の目的地までの走行経路を構成する複数の区間の各々にCDモードとCSモードとのうちのいずれかを割り当てた走行計画に従って制御モードを切り替える切替制御を実行する。制御装置は、切替制御が実行可能であることを示す第1情報と、切替制御が非実行となることを示す第2情報とのうちの少なくともいずれかの情報を報知装置を用いて報知する。制御装置は、第1情報が報知装置により報知された場合には、切替制御に関する第3情報を前記報知装置を用いて報知する。制御装置は、第2情報が報知装置により報知された場合には、第3情報を報知しない。
【0010】
このようにすると、第1情報が報知装置により報知されることによって切替制御が実行可能であることがユーザに認識され得る。また、第2情報が報知装置により報知されることによって切替制御が非実行となることがユーザに認識され得る。そのため、第1情報が報知される場合に、切替制御に関する第3情報が報知装置を用いて報知され、第2情報が報知される場合に、第3情報が報知されないことによって、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0011】
ある実施の形態において、制御装置は、第1情報と第2情報とが報知装置により報知された場合には、第3情報を報知しない。
【0012】
このようにすると、ユーザは第2情報が報知装置により報知されることによって、切替制御が非実行となることが認識され得る。そのため、第3情報が報知されないことによって、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0013】
さらにある実施の形態において、第3情報は、切替制御の実行による効果に関する第4情報と、切替制御の実行状況に関する第5情報と、切替制御の利用の促進に関する第6情報とを含む。制御装置は、第1情報が報知装置により報知され、かつ、切替制御が実行される場合、切替制御の実行中に、切替制御を停止する停止条件が成立すると、第4情報と第5情報と第6情報とのうちのいずれかの情報を報知装置を用いて報知する。
【0014】
このようにすると、第1情報が報知装置により報知され、かつ、切替制御の実行中に、切替制御の停止を停止する停止条件が成立すると、第4情報と、第5情報と、第6情報とのうちのいずれかの情報が第3情報として報知装置を用いて報知され、第2情報が報知される場合には第3情報が報知されないので、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0015】
さらにある実施の形態において、第3情報は、切替制御の実行による効果に関する第4情報と、切替制御の実行状況に関する第5情報と、切替制御の利用の促進に関する第6情報とを含む。制御装置は、第1情報が報知装置により報知された場合であっても、切替制御が実行されない場合には、第6情報を報知装置を用いて報知する。
【0016】
このようにすると、第1情報が報知される場合には、切替制御が実行されない場合であっても、切替制御の利用の促進に関する第6情報が第3情報として報知されるので、ユーザが違和感を覚える内容の報知を抑制しつつ、ユーザに切替制御の実行を促進することができる。
【0017】
さらにある実施の形態において、制御装置は、切替制御の実行中に、切替制御を停止する停止条件が成立する場合には、停止条件が成立する以前の切替制御の実行による効果に関する情報を消去する。
【0018】
このようにすると、切替制御を停止する停止条件が成立して切替制御が停止すると、その後の車両の運転状況によっては切替制御の実行による効果に関する情報が正確でなくなる場合があるため、当該情報を消去することで正確でない情報がユーザに報知されることを抑制することができる。
【0019】
さらにある実施の形態において、制御装置は、停止条件が成立する以前の切替制御の実行による効果に関する情報が消去された後に、切替制御を再度実行する場合には、切替制御の実行による効果に関する情報が生成されるときに、生成された情報を報知装置を用いて報知し、切替制御の実行による効果に関する情報が生成されないときに、切替制御の実行状況に関する情報と、切替制御の利用の促進に関する情報とのうちのいずれかの情報を報知装置を用いて報知する。
【0020】
このようにすると、切替制御が再度実行された後に、切替制御の実行による効果に関する情報が生成されるときには、生成された情報が報知されることにより、ユーザに切替制御の実行による効果を報知することができる。一方、切替制御の実行による効果に関する情報が生成されないときには、切替制御の実行状況に関する情報と、切替制御の利用の促進に関する情報とのうちのいずれかが報知されることにより、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0021】
さらにある実施の形態において、第1情報は、切替制御が実行される制御モードが選択されていることを示す情報と、目的地への走行案内中であるという情報と、車両が走行経路上を走行しているという情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む。
【0022】
このようにすると、切替制御が実行される制御モードが選択されていることを示す情報と、目的地への走行案内中であるという情報と、車両が走行経路上を走行しているという情報とのうちの少なくともいずれかの情報が報知されることによって、運転者は、切替制御が実行可能であることを認識することができる。
【0023】
さらにある実施の形態において、第2情報は、蓄電装置の残容量が第1しきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置の満充電容量が第2しきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置が異常状態であることを示す情報と、切替制御が実行されない制御モードが選択されていることを示す情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む。
【0024】
このようにすると、蓄電装置の残容量が第1しきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置の満充電容量が第2しきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置が異常状態であることを示す情報と、切替制御が実行されない制御モードが選択されていることを示す情報とのうちの少なくともいずれかの情報が報知されることによって、運転者は切替制御が非実行となることを認識することができる。
【0025】
さらにある実施の形態において、車両は、外部の端末と通信可能な通信装置をさらに備える。制御装置は、通信装置と端末との間の通信に異常があるという条件と、切替制御の実行の停止が要求されているという条件と、目的地までの走行案内が中止されたという条件と、目的地が消去されたという条件とのうちの少なくともいずれかの条件が成立する場合、第3情報を報知しない。
【0026】
このようにすると、外部の端末との通信に異常がある場合、切替制御の実行の停止が要求されている場合、車両の目的地までの走行案内が停止される場合、あるいは、目的地が消去された場合には、第3情報が報知されないことによって、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0027】
さらにある実施の形態において、車両は、外部の携帯端末と通信可能な通信装置をさらに備える。制御装置は、報知装置を用いて第3情報を報知することに加えて通信装置を用いて第3情報を携帯端末に送信する。
【0028】
このようにすると、第1情報が報知される場合には、第3情報が報知装置に加えて携帯端末に送信され、第2情報が報知される場合には、第3情報が報知されない。そのため、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0029】
さらにある実施の形態において、車両は、外部のサーバを経由して携帯端末と通信可能な通信装置をさらに備える。制御装置は、報知装置を用いて第3情報を報知することに加えて通信装置を用いて第3情報を携帯端末に送信する。
【0030】
このようにすると、第1情報が報知される場合には、第3情報が報知装置に加えてサーバを経由して携帯端末に送信され、第2情報が報知される場合には、第3情報が報知されない。そのため、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0031】
本開示によると、走行状況に応じた切替制御についてユーザが認識し得る実行状況に沿った内容の報知を行なうハイブリッド車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ハイブリッド車両の構成の一例を示す図である。
図2】走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える制御を実行したことよる効果をユーザに報知する場合の表示例を示す図である。
図3】HV-ECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4】HV-ECUとナビECUの動作の一例を説明するための図である。
図5】ユーザが視認できる支援条件が成立する場合の走行パターンの一例を示す。
図6】ユーザが視認できる支援条件が成立しない場合の走行パターンの一例を示す。
図7】全支援条件が成立する場合の走行パターンの一例を示す。
図8】変形例におけるハイブリッド車両の構成の一例を示す図である。
図9】変形例においてHV-ECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図10】走行計画に従った切替制御の実行中に一時的にCDモード以外の制御モードが選択される場合の走行パターンの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0034】
以下では、本開示の実施の形態に係るハイブリッド車両の構成の一例について説明する。図1は、ハイブリッド車両1(以下、車両1と記載する)の構成の一例を示す図である。車両1は、たとえば、シリーズパラレル方式のハイブリッド車両であるものとして説明する。
【0035】
図1に示すように、車両1は、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)10と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)12と、エンジン14と、動力分割装置16と、駆動輪28と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50と、充電リレー60と、充電装置70と、インレット80と、蓄電装置100と、監視ユニット200と、HV-ECU(Electronic Control Unit)300と、IGスイッチ310と、センサ群320と、HMI(Human Machine Interface)装置330と、ナビECU350と、位置検出装置360と、交通情報受信装置370と、モード選択スイッチ380とを含む。
【0036】
第1MG10および第2MG12の各々は、三相交流回転電機であって、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。第1MG10および第2MG12は、いずれも電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能とを有する。第1MG10および第2MG12は、PCU40を介して蓄電装置100と接続される。
【0037】
第1MG10は、たとえば、エンジン14の始動時においては、PCU40に含まれるインバータによって駆動され、エンジン14の出力軸を回転させる。また、第1MG10は、発電時においては、エンジン14の動力を受けて発電する。第1MG10によって発電された電力は、PCU40を介して蓄電装置100に蓄えられる。
【0038】
第2MG12は、たとえば、車両1の走行時においては、PCU40に含まれるインバータによって駆動される。第2MG12の動力は、ディファレンシャルギヤや減速ギヤ等の動力伝達ギヤ(図示せず)を介して駆動輪28に伝達される。また、第2MG12は、たとえば、車両1の制動時においては、駆動輪28により第2MG12が駆動され、第2MG12が発電機として動作して、回生制動を行なう。第2MG12によって発電された電力は、PCU40を介して蓄電装置100に蓄えられる。
【0039】
エンジン14は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料(ガソリンや軽油)を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態をHV-ECU300によって電気的に制御できるように構成されている。HV-ECU300は、車両1の状態に基づいて設定される目標回転数および目標トルクでエンジン14が動作するように、エンジン14の燃料噴射量、点火時期および吸入空気量等を制御する。
【0040】
動力分割装置16は、エンジン14の動力を駆動輪28に伝達される経路と第1MG10へ伝達される経路とに分割する。動力分割装置16は、たとえば、サンギヤと、リングギヤと、ピニオンギヤと、キャリアとを有する遊星歯車機構によって構成される。
【0041】
PCU40は、HV-ECU300からの制御信号に従って、蓄電装置100と第1MG10との間で電力変換を行なったり、蓄電装置100と第2MG12との間で電力変換を行なったりする電力変換装置である。PCU40は、蓄電装置100から直流電力を交流電力に変換して第1MG10または第2MG12を駆動するインバータと、蓄電装置100からインバータに供給される直流電力の電圧レベルを調整するコンバータ(いずれも図示せず)等とを含んで構成される。
【0042】
SMR50は、蓄電装置100とPCU40との間に電気的に接続されている。SMR50の閉成/開放は、HV-ECU300からの制御信号に従って制御される。
【0043】
蓄電装置100は、再充電が可能に構成された直流電源であって、たとえば、ニッケル水素電池や固体または液体の電解質を含むリチウムイオン電池等の二次電池である。蓄電装置100として電気二重層キャパシタ等のキャパシタも採用可能である。蓄電装置100は、車両1の走行駆動力を生成するための電力をPCU40へ供給する。また、蓄電装置100は、第1MG10とエンジン14とを用いた発電動作によって発電された電力により充電されたり、第2MG12の回生制動により発電された電力により充電されたり、第1MG10または第2MG12の駆動動作により放電されたりする。
【0044】
監視ユニット200は、蓄電装置100の状態を監視する。監視ユニット200は、たとえば、電圧検出部210と、電流検出部220と、温度検出部230とを含む。電圧検出部210は、蓄電装置100の端子間の電圧VBを検出する。電流検出部220は、蓄電装置100に入出力される電流IBを検出する。温度検出部230は、蓄電装置100の温度TBを検出する。各検出部は、その検出結果をHV-ECU300に出力する。
【0045】
充電リレー60は、SMR50と充電装置70との間に電気的に接続されている。充電リレー60の閉成/開放は、HV-ECU300からの制御信号に従って制御される。
【0046】
充電装置70は、充電リレー60とインレット80との間に電気的に接続されている。充電装置70は、たとえば、AC/DCコンバータ(インバータ)である。充電装置70は、外部電源92から後述するコネクタ90およびインレット80を介して供給された交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を充電リレー60に出力する。充電装置70は、HV-ECU300からの制御信号によって制御される。
【0047】
なお、充電装置70は、AC/DC変換動作を行なうことに特に限定されるものではなく、インレット80から充電装置70に直流電力が供給される場合には、充電装置70は、DC/DCコンバータとして動作するように構成されてもよい。
【0048】
インレット80は、嵌合等の機械的な連結を伴ってコネクタ90を挿入することが可能に構成されている。インレット80へのコネクタ90の挿入に伴い、車両1と外部電源92との間の電気的な接続が確保される。このとき、充電リレー60が閉成状態になると、外部電源92の電力が充電装置70および充電リレー60を経由して蓄電装置100に供給可能になる。以下の説明においては、外部電源92の電力を用いた蓄電装置100の充電をプラグイン充電と記載する。
【0049】
HV-ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む)302とを含む。HV-ECU300は、監視ユニット200やIGスイッチ310やセンサ群320やモード選択スイッチ380から受ける信号、メモリ302に記憶されたマップおよびプログラム等の情報に基づいて、車両1が所望の状態となるように車両1内の各機器(エンジン14、PCU40、SMR50、充電リレー60、充電装置70およびHMI装置330など)を制御する。HV-ECU300により実行される各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0050】
HV-ECU300は、たとえば、車両1の運転中に、監視ユニット200による検出結果を用いて蓄電装置100の残容量を示すSOC(State Of Charge)を算出する。SOCは、蓄電装置100の満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合を百分率で表したものである。なお、SOCの算出方法としては、たとえば、電流値積算(クーロンカウント)による手法、または、開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の推定による手法など、種々の公知の手法を採用できる。
【0051】
HV-ECU300は、通信バス340を介してセンサ群320と、HMI装置330と、ナビECU350と接続される。ナビECU350には、位置検出装置360と、交通情報受信装置370とが接続される。
【0052】
センサ群320は、たとえば、アクセルペダルセンサ、車速センサ、およびブレーキペダルセンサを含む。アクセルペダルセンサは、ユーザによるアクセルペダル操作量を検出する。車速センサは、車両1の車速を検出する。ブレーキペダルセンサは、ユーザによるブレーキペダル操作量を検出する。各センサは、検出結果をHV-ECU300へ出力する。
【0053】
HMI装置330は、車両1の運転を支援するための情報をユーザに提供する装置である。HMI装置330は、たとえば、車両1の室内に設けられたタッチパネルディスプレイであり、スピーカ等も含む。HMI装置330は、視覚情報(図形情報、文字情報)や聴覚情報(音声情報、音情報)等を出力することによって様々な情報をユーザに提供(報知)する。
【0054】
HMI装置330は、ディスプレイとして機能し、車両1の現在位置、並びにその周辺の地図情報および渋滞情報等をナビECU350から通信バス340を通じて受信し、車両1の現在位置をその周辺の地図情報および渋滞情報とともに表示する。
【0055】
また、HMI装置330は、ユーザが操作可能なタッチパネルとしても機能し、ユーザはタッチパネルを触れることによって、表示されている地図の縮尺を変更したり、車両1の目的地を入力したりすることができる。HMI装置330において目的地が入力されると、その目的地の情報が通信バス340を通じてナビECU350へ送信される。
【0056】
通信バス340に接続される各機器は、CAN(Controller Area Network)通信により通信バス340を通じて互いに通信可能に構成されてもよいし、あるいは、通信バス340に代えてまたは加えて無線通信により互いに通信可能に構成されてもよい。
【0057】
ナビECU350は、図示しないCPUと、メモリとを含む。メモリには、地図情報データベース(DB)が構成される。ナビECU350は、地図情報DBに記憶される各種情報、位置検出装置360によって検出される各種情報および交通情報受信装置370から受信する各種情報に基づいて、車両1の現在位置、並びにその周辺の地図情報および渋滞情報等をHMI装置330およびHV-ECU300へ出力する。
【0058】
さらに、ナビECU350は、所定のタイミング毎に(たとえば、数十秒間隔毎に)、車両1の現在位置から目的地までの走行経路における地図情報および道路交通情報(以下、総称して「先読み情報」と記載する)をHV-ECU300へ出力する。
【0059】
地図情報DBには、地図情報が記憶されている。地図情報は、交差点や行き止まり等を示す「ノード」、ノード同士を接続して構成される「リンク」、およびリンク沿いにある「施設」(建物や駐車場等)に関するデータを含む。また、地図情報は、各ノードの位置情報、各リンクの距離情報、各リンクに含まれる道路種別情報(市街地、高速道路、一般道などの情報)、各リンクの勾配情報等を含む。なお、地図情報は、地図情報DBから読み出すことで取得される情報に限定されるものではなく、地図情報DBから取得される情報に加えてまたは代えて、外部データベースとの通信により、逐次、取得されるものであってもよい。
【0060】
位置検出装置360は、たとえば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(電波)に基づいて車両1の現在位置を取得し、車両1の現在位置を示す信号をナビECU350へ出力する。なお、車両1の現在位置を取得する方法としては、GPS衛星以外で位置検出が可能な衛星等を利用して現在位置を取得する方法であってもよいし、あるいは、携帯基地局や無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとの所定情報の授受により現在位置を取得する方法であってもよい。
【0061】
交通情報受信装置370は、所定の道路交通情報を受信する。所定の道路交通情報は、たとえば、FM多重放送等によって提供されている道路交通情報、および、プローブ車両あるいはプローブセンターから収集した道路交通情報を含む。この道路交通情報は、少なくとも渋滞情報を含み、その他道路規制情報や駐車情報等も含み得る。この道路交通情報は、たとえば、数分おきに更新される。
【0062】
モード選択スイッチ380は、複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードの選択が可能に構成される。複数の制御モードについては、後述する。モード選択スイッチ380は、ユーザに操作を受け付けると、操作されたことを示す信号をHV-ECU300に送信する。
【0063】
本実施の形態において、車両1は、複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードに従ってHV-ECU300により制御される。複数の制御モードは、CD(Charge Depleting)モードとCS(Charge Sustaining)モードとを含む。CDモードは、可能な限りエンジン14を停止させた状態で蓄電装置100の放電電力を用いて車両1の電動走行を継続して、蓄電装置100に蓄電された電力を消費する制御モードである。CSモードは、CDモードよりもエンジン14を起動しやすくして、エンジン14と第1MG10と第2MG12とを用いて蓄電装置100を充放電することにより蓄電装置100の残量(SOC)を一定の範囲で維持しつつ車両1を走行させる制御モードである。
【0064】
HV-ECU300は、たとえば、制御モードとしてCDモードおよびCSモードのうちのいずれかが設定される場合には、設定された制御モードに応じてエンジン14、第1MG10および第2MG12を制御する。
【0065】
HV-ECU300は、たとえば、走行経路が設定されていない場合(すなわち、目的地が設定されていない場合)には、蓄電装置100のSOCが所定値を下回るまではCDモードにしたがってエンジン14、第1MG10および第2MG12を制御する。すなわち、HV-ECU300は、エンジン14を停止した状態で第2MG12を用いて電動走行を行なう。なお、HV-ECU300は、CDモードの選択中でも、たとえば、アクセルペダルの踏込量が増加するなどして車両1に要求される駆動力が増加する場合には、第1MG10を用いてエンジン14を始動させて、エンジン14と第2MG12とを用いて車両1を走行させる。
【0066】
HV-ECU300は、蓄電装置100のSOCが所定値を下回ると、CDモードからCSモードに切り替えて、CSモードにしたがってエンジン14、第1MG10および第2MG12を制御する。すなわち、HV-ECU300は、制御モードの切替時の蓄電装置100のSOCを基準として蓄電装置100のSOCが所定の範囲内に収まるようにエンジン14の動力を用いて第1MG10により発電しつつ、第2MG12を用いて車両1を走行させる。なお、HV-ECU300は、CSモードの選択中でも、たとえば、蓄電装置100のSOCが所定の範囲を超える場合には、エンジン14を停止状態にして第2MG12を用いて電動走行を行なう場合がある。
【0067】
また、HV-ECU300は、たとえば、モード選択スイッチ380に対してCSモードを要求する操作が行なわれたときには、制御モードとしてCSモードを設定する。さらに、HV-ECU300は、たとえば、モード選択スイッチ380に対してCDモードを要求する操作が行なわれる場合には、蓄電装置100のSOCが所定値以上であることを条件として、制御モードとしてCDモードを設定する。また、HV-ECU300は、モード選択スイッチ380の操作によってCDモードが選択されているときでも、蓄電装置100のSOCが所定値を下回る場合にCDモードからCSモードに切り替える。以下の説明において、CDモードからCSモードに切替えるSOCの所定値を切替しきい値と記載する場合がある。
【0068】
本実施の形態において、制御モードとしては、CDモードと、CSモードとに加えて、他の制御モードが含まれる。他の制御モードとしては、たとえば、エンジン14の作動が禁止されるモード等が含まれる。モード選択スイッチ380の操作によって、複数の制御モードのうちのいずれかの制御モードが選択され得る。
【0069】
さらに、HV-ECU300は、走行経路が設定されている場合(目的地が設定されている場合)には、走行計画に従ってCDモードとCSモードとを切り替える走行支援制御を実行する。以下の説明において、走行支援制御を切替制御と記載する場合がある。
【0070】
具体的には、HV-ECU300は、目的地が設定されると、車両1の現在位置から目的地までの走行経路を設定する。HV-ECU300は、たとえば、走行距離や高速道路の利用の有無や渋滞の有無等の条件に対応した走行経路を設定する。HV-ECU300は、走行経路が設定されると、車両1の現在位置から目的地までの走行経路を複数の走行区間に分け、複数の走行区間の各々に対してCDモードとCSモードとのうちのいずれかを割り当てることによって走行計画を設定する。本実施の形態において、HV-ECU300は、たとえば、走行経路上の上述のノードを走行区間の区切りとし、上述のリンクを走行区間として走行経路を複数の走行区間に区分するものとする。
【0071】
HV-ECU300は、ナビECU350において更新された先読み情報を取得し、取得された先読み情報に基づいて走行経路を構成する複数の走行区間の各々の消費エネルギーEnを算出する。HV-ECU300は、先読み情報に含まれる勾配情報、道路種別情報、制限速度等の車速に関する情報、渋滞の有無についての情報あるいは走行距離等を用いて複数の走行区間の各々の消費エネルギーEnを算出する。HV-ECU300は、先読み情報に加えて車両1の乗員数に基づく車両重量等を用いて消費エネルギーEnを算出してもよい。消費エネルギーEnは、たとえば、車両1が制限速度相当の車速あるいは渋滞時の速度相当の車速で対象となる走行区間を走破するのに必要となるエネルギーを示す。
【0072】
HV-ECU300は、たとえば、車両1が目的地に到達する時点で蓄電装置100のSOCが所定の範囲内に収まるように複数の走行区間の各々に対してCDモードおよびCSモードのうちのいずれかを割り当てる。所定の範囲は、たとえば、蓄電装置100の電力を使い切ったと判定できるSOCの範囲であって、たとえば、CDモードからCSモードに切り替えるためのSOCのしきい値を上限値としてもよいし、あるいは、当該しきい値よりも高い予め定められた値を上限値としてもよいし、当該しきい値よりも低い予め定められた値を上限値としてもよい。所定の範囲の下限値は、たとえば、蓄電装置100の劣化が促進しない程度に設定される予め定められた値である。
【0073】
HV-ECU300は、たとえば、各走行区間の消費エネルギーEnの総和(以下、総消費エネルギーと記載する)Esumが蓄電装置100の現在のSOCから所定の範囲内になるまでの電力量に相当するエネルギー(以下、残存エネルギーErと記載する)よりも小さい場合には、複数の走行区間の各々に対してCDモードを割り当てる。しきい値は、車両1が目的地に到着したときに予測されるSOCの所定の範囲内の値を示す。
【0074】
一方、HV-ECU300は、総消費エネルギーEsumが残存エネルギーErよりも大きい場合には、複数の走行区間の少なくともいずれかの走行区間に対して優先的にCDモードを割り当て、CDモードが割り当てられなかった走行区間に対してCSモードを割り当てる。
【0075】
HV-ECU300は、たとえば、複数の走行区間のうちのCDモードが優先的に割り当てられる走行区間をCDモード優先区間として特定し、特定された走行区間にCDモードを割り当てる。CDモード優先区間は、たとえば、市街地、住宅地あるいは細街路等の走行音を比較的低く抑制することが求められる走行区間を含む。走行区間が市街地であるか、住宅地であるか、あるいは、細街路であるかについての情報は、地図情報DBに予め記憶される。
【0076】
HV-ECU300は、CDモード優先区間に対してCDモードを割り当てた後のその他の走行区間に対して、消費エネルギーEnが低い順にCDモードを割り当てるとともに割り当てた走行区間における消費エネルギーを積算していく。HV-ECU300は、CDモード優先区間に対応する走行区間の消費エネルギーの総和と積算した消費エネルギーとを加算した値(CDモードでの消費エネルギーの総和)が残存エネルギーErを上回るまで走行区間に対してCDモードを割り当てる。HV-ECU300は、CDモードでの消費エネルギーの総和が残存エネルギーErよりも上回った時点においてCDモードの割り当てを停止し、CDモードが割り当てられなかった走行区間に対してCSモードを割り当てる。
【0077】
このようにして複数の走行区間の各々に制御モードを割り当てることによって車両1が目的地に到達する時点で蓄電装置100のSOCが所定の範囲内に収まるようにすることができる。HV-ECU300は、走行計画が設定された後においては、設定された走行計画にしたがって制御モードを切り替える切替制御を実行する。そのため、HV-ECU300は、車両1の運転が開始されると、走行経路上のノードを通過するときにノード通過後の走行区間に設定された制御モードに切り替える。
【0078】
上述のような構成を有する車両1において、走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える切替制御を実行する場合の車載電池である蓄電装置100の電力を用いた電動走行による走行距離が、走行計画に応じた切替制御を実行しない場合と比較してどのように変化するかについてユーザに報知する場合がある。
【0079】
図2は、走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える制御を実行したことよる効果をユーザに報知する場合の表示例を示す図である。
【0080】
ナビECU350は、たとえば、車両1が走行しているときや目的地に到着したときに走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える制御の実行による効果として、蓄電装置100の電力を用いた電動走行の走行距離がどの程度向上したかを示す情報をHV-ECU300からの要求に応じてHMI装置330のディスプレイに表示させる。図2には、たとえば、制御モードをルート案内と連動したことにより(すなわち、走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える制御の実行により)、ΔDkmだけ蓄電装置100の電力を用いた電動走行の走行距離が向上したことを示す文字情報がナビ画面に表示される例が示されている。このような文字情報がHMI装置330に表示されることにより、ユーザは、走行計画に応じて制御モードを適宜切り替える切替制御の実行による効果を認識することができる。
【0081】
しかしながら、たとえば、切替制御が実行されることがユーザに明らかに認識できる状況において切替制御の実行による効果が報知されなかったり、切替制御が実行されないことがユーザに明らかに認識できる状況において切替制御の効果が報知されたりすると、ユーザが報知内容に違和感を覚える可能性がある。その結果、走行状況に応じた切替制御の利用頻度が低下する場合がある。
【0082】
そこで、本実施の形態においては、HV-ECU300が、以下のように動作するものとする。すなわち、HV-ECU300は、ユーザに視認可能なであって、かつ、切替制御が実行可能であることを示す情報(以下、第1情報と記載する)と、ユーザに視認可能であって、かつ、切替制御が非実行となることを示す情報(以下、第2情報と記載する)とのうちの少なくともいずれかの情報をHMI装置330を用いて報知する。そして、HV-ECU300は、第1情報がHMI装置330により報知された場合には、切替制御に関する情報(以下、第3情報と記載する)をHMI装置330を用いて報知するものとし、第2情報がHMI装置330により報知された場合には、第3情報を報知しないものとする。
【0083】
なお、第1情報は、たとえば、切替制御が実行される制御モードが選択されていることを示す情報と、車両1の目的地への走行案内中であるという情報と、車両1が走行経路上を走行しているという情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含むものとする。
【0084】
さらに、第2情報は、たとえば、蓄電装置100のSOCが枯渇状態を判定するためのしきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置100の満充電容量が劣化状態を判定するためのしきい値よりも低下していることを示す情報と、蓄電装置100が異常状態であることを示す情報と、切替制御が実行されない制御モードが選択されていることを示す情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含むものとする。
【0085】
さらに、第3情報は、たとえば、切替制御の実行による効果に関する情報と、切替制御の実行状況に関する情報と、切替制御の利用の促進に関する情報とのうちの少なくともいずれかを含むものとする。
【0086】
第1情報がHMI装置330により報知されることによって切替制御が実行可能であることがユーザに認識され得る。また、第2情報がHMI装置330により報知されることによって切替制御が非実行となることがユーザに認識され得る。そのため、第1情報が報知される場合に、第3情報がHMI装置330を用いて報知され、第2情報が報知される場合に、第3情報が報知されないことによって、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。
【0087】
以下、図3を参照して、HV-ECU300で実行される制御処理の一例について説明する。図3は、HV-ECU300で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、HV-ECU300により、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
【0088】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、HV-ECU300は、IGオン中であるか否かを判定する。HV-ECU300は、たとえば、ユーザによって車両1のシステムの起動操作が行なわれてIGスイッチ310がオン状態になるとIGフラグをオン状態にする。HV-ECU300は、IGフラグがオン状態である場合にIGオン中であると判定する。あるいは、HV-ECU300は、たとえば、SMR50が閉成状態である場合に、IGオン中であると判定してもよい。IGオン中であると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。なお、IGオン中でないと判定される場合(S100にてNO)、この処理は終了される。
【0089】
S102にて、HV-ECU300は、ユーザが視認できる支援条件が成立するか否かを判定する。
【0090】
ユーザが視認できる支援条件とは、上述の切替制御を実行する支援条件のうちのHMI装置330において成否がユーザに視認できる条件を意味する。HV-ECU300は、たとえば、切替制御が実行可能であることを示す第1情報がHMI装置330に表示され、かつ、切替制御が非実行となることを示す第2情報がHMI装置330に表示されていない場合に、ユーザが視認できる支援条件が成立すると判定する。
【0091】
すなわち、ユーザが視認できる支援条件は、たとえば、制御モードとして切替制御の実行が可能なCDモードが選択されている(すなわち、切替制御が非実行となる制御モードが選択されていない)という条件と、車両1の目的地への走行案内中であるという条件と、車両1が走行経路上を走行しているという条件と、車両1に各種異常(蓄電装置100の過放電、劣化異常、高温異常あるいはその他の異常)を示す警告表示が行なわれていないという条件とを含む。
【0092】
ユーザが視認できる支援条件が成立すると判定される場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。なお、ユーザが視認できる支援条件が成立していないと判定される場合(S102にてNO)、処理はS102に戻される。
【0093】
S104にて、HV-ECU300は、結果表示許可フラグをオン状態に設定する。結果表示許可フラグがオン状態になると、上述の第3情報がHMI装置330に表示されることが許可される。
【0094】
S106にて、HV-ECU300は、支援条件の全て(以下、全支援条件と記載する)が成立するか否かを判定する。全支援条件は、上述のユーザが視認できる支援条件に加えて、ユーザが視認できない支援条件を含む。ユーザが視認できない支援条件は、たとえば、エンジン14が作動していないという条件と、蓄電装置100のSOCが切替制御の実行が可能なしきい値(たとえば、CDモードからCSモードへの制御モードの切替しきい値)以上であるという条件と、蓄電装置100の温度が低温状態でないことを示すしきい値以上であるという条件とを含む。なお、支援条件としては、これらに限定されるものではない。全支援条件が成立していると判定される場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。なお、全支援条件が成立していないと判定される場合(S106にてNO)、処理はS118に移される。
【0095】
S108にて、HV-ECU300は、ナビECU350から受信した先読み情報に更新があるか否かを判定する。HV-ECU300は、たとえば、所定の道路交通情報等の先読み情報に関する各種情報を受信した場合に、先読み情報に更新があると判定する。先読み情報に更新があると判定される場合(S108にてYES)、処理はS110に移される。なお、先読み情報に更新がないと判定される場合(S108にてNO)、処理はS106に戻される。
【0096】
S110にて、HV-ECU300は、先読み情報に含まれる各走行区間の勾配情報、道路種別情報、および、道路交通情報等に基づいて、各走行区間の消費エネルギーEnを算出する。算出方法については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。また、HV-ECU300は、各走行区間の消費エネルギーEnの合計(総和)を総消費エネルギーEsumとして算出する。
【0097】
S112にて、HV-ECU300は、総消費エネルギーEsumが蓄電装置100の残存エネルギーErよりも大きいか否かを判定する。残存エネルギーErについては、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。総消費エネルギーEsumが残存エネルギーErよりも大きいと判定される場合(S112にてYES)、処理はS114に移される。なお、総消費エネルギーEsumが残存エネルギーEr以下であると判定される場合には(S112にてNO)、処理はS118に移される。
【0098】
S114にて、HV-ECU300は、走行計画を生成する。より具体的には、HV-ECU300は、CDモード優先区間に指定されている走行区間にCDモードを割り当てる。CDモード優先区間は、たとえば、先読み情報に含まれる道路種別情報(市街地、高速道路、一般道などの情報)の種別によって予め設定される。たとえば、市街地や細街路を含む走行区間がCDモード優先区間として予めHV-ECU300やナビECU350に記憶されたり、あるいは、道路交通情報としてCDモード優先区間に対応する走行区間を受信したりする。
【0099】
さらに、HV-ECU300は、CDモード優先区間外の走行区間に対してCDモードを割り当てる。HV-ECU300は、CDモード優先区間に指定されていない走行区間を消費エネルギーEnが小さい順に並び替え、並び替えた走行区間に対して消費エネルギーEnが小さい順にCDモードを割り当てる。HV-ECU300は、CDモードを割り当てた走行区間の消費エネルギーの総和が残存エネルギーを超えるまでCDモードを割り当てる。HV-ECU300は、CDモードを割り当てた走行区間の消費エネルギーの総和が残存エネルギーを超えた時点でCDモードの割り当てを停止する。
【0100】
さらに、HV-ECU300は、CDモードの非割り当て区間に対してCSモードを割り当てる。HV-ECU300は、CDモードが割り当てられなかった走行区間に対してCSモードを割り当てる。複数の走行区間にCDモードとCSモードとのうちのいずれかを割り当てることによって、走行計画が生成される。この走行計画に従って制御モードが切り替えられることによって、車両1が目的地に到着したときに蓄電装置100のSOCを所定の範囲内に収めることができ、蓄電装置100の蓄電量を過不足なく使い切ることができる。
【0101】
S116にて、HV-ECU300は、生成された走行計画に従った制御モードの切替制御を実行する。HV-ECU300は、切替制御が開始されると、走行計画に従って制御モードを切替えるとともに、切替制御の実行による電動走行距離(以下、支援有EV走行距離と記載する)と、切替制御を非実行とした場合の電動走行距離の推定値(以下、支援無EV走行距離と記載する)とを算出する。
【0102】
HV-ECU300は、たとえば、切替制御が開始されてから予め定められた期間毎に電動走行距離を算出し、現時点までのエンジン14を停止させた状態での電動走行距離を積算することによって切替制御が開始されてからの電動走行距離を支援有EV走行距離として算出する。
【0103】
さらに、HV-ECU300は、たとえば、切替制御を開始した時点から現時点までCDモードを継続することを想定した場合のエンジン14を停止させた状態での電動走行距離を支援無電動走行距離として算出する。なお、HV-ECU300は、切替制御を開始した時点から現時点までの間に、蓄電装置100のSOCがCDモードからCSモードへの切替しきい値に到達する場合には、切替制御を開始した時点から到達するまでの時点までのエンジン14を停止させた状態での電動走行距離を支援無電動走行距離として算出する。HV-ECU300は、走行計画に従った切替制御を実行すると、処理をS118に移す。
【0104】
S118にて、HV-ECU300は、車両1が目的地に到着したか否かを判定する。HV-ECU300は、たとえば、ナビECU350から車両1の現在位置が目的地を含む所定範囲内であることによって車両1が目的地に到着したとの判定結果を示す情報を受信した場合に、車両1が目的地に到着したと判定する。車両1が目的地に到着したと判定される場合(S118にてYES)、処理はS120に移される。なお、車両1が目的地に到着していないと判定される場合(S118にてNO)、処理はS124に移される。
【0105】
S120にて、HV-ECU300は、結果表示許可フラグがオン状態であるか否かを判定する。結果表示許可フラグがオン状態であると判定される場合(S120にてYES)、処理はS122に移される。なお、結果表示許可フラグがオフ状態であると判定される場合(S120にてNO)、処理はS124に移される。
【0106】
S122にて、HV-ECU300は、結果表示を出力する。より具体的には、HV-ECU300は、第3情報に対応する結果表示の出力要求を示す信号をナビECU350に出力する。
【0107】
HV-ECU300は、たとえば、全支援条件が成立して切替制御が実行された場合には、支援無EV走行距離が、支援無EV走行距離と比較して、エンジン14を停止した状態での電動走行距離がどの程度伸びているかを示す情報を結果表示として出力するように出力要求をナビECU350に出力する。
【0108】
ナビECU350は、HV-ECU300から当該出力要求を受ける場合には、図2で示したように、HMI装置330におけるナビ画面内において切替制御の実行による効果に関する情報を表示する。
【0109】
一方、HV-ECU300は、たとえば、全支援条件が成立せずに切替制御が実行されない場合には、切替制御の利用の促進に関する情報や切替制御の実行状況に関する情報を結果表示として出力するように出力要求をナビECU350に出力する。
【0110】
ナビECU350は、HV-ECU300から当該出力要求を受ける場合には、たとえば、「目的地の設定をお願いします」等の目的地の設定を促すような切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転(低燃費運転)を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報をHMI装置330に表示する。
【0111】
S124にて、HV-ECU300は、制御終了条件が成立するか否かを判定する。制御終了条件は、たとえば、プラグイン充電が実行されるという条件(たとえば、充電リレー60が閉成状態となり、外部電源92の電力が充電装置70を経由して蓄電装置100に供給されているという条件)と、制御モードとしてCDモード以外の他の制御モードが選択されているという条件と、車両1に異常が発生している条件(所定の自己診断処理が実行されることによって予め定められた異常状態(各種センサ異常や車両1に搭載される電気機器の動作異常)が検出されているという条件)とのうちの少なくともいずれかの条件を含む。制御終了条件が成立すると判定される場合(S124にてYES)、処理はS126に移される。なお、制御終了条件が成立しないと判定される場合(S124にてNO)、処理はS102に戻される。
【0112】
S126にて、HV-ECU300は、結果表示許可フラグをオフ状態に設定する。HV-ECU400は、結果表示許可フラグをオフ状態に設定すると、処理を終了する。
【0113】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における車両1に搭載されるHV-ECU300の動作およびナビECU350の動作について説明する。
【0114】
たとえば、ユーザの起動操作により車両1を起動させた場合には、IGフラグがオン状態となるため(S100にてYES)、ユーザが視認できる支援条件が成立するか否かが判定される(S102)。制御モードとしてCDモードが選択されていることを示す情報と、走行案内中であることを示す情報と、設定された走行経路上を車両1が走行していることを示す情報とを含む第1情報がHMI装置330において表示され、第2情報がHMI装置330に表示されていない場合にはユーザが視認できる支援条件が成立しているため(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。
【0115】
そして、全支援条件が成立していると判定されると(S106にてYES)、先読み情報が更新されるか否かが判定される(S108)。ナビECU350において道路交通情報の受信によって設定された走行経路に対応した先読み情報が生成され、HV-ECU300がナビECU350から生成された先読み情報を受信すると、先読み情報が更新されたと判定される(S108にてYES)。そのため、先読み情報に基づいて走行経路を構成する複数の走行区間における消費エネルギーEnが算出されるとともに、それらの総和が総消費エネルギーEsumとして算出される(S110)。
【0116】
総消費エネルギーEsumが残存エネルギーErよりも大きい場合には(S112にてYES)、走行計画が生成される(S114)。すなわち、まずCDモード優先区間に対してCDモードが割り当てられ、そして、CDモードに割り当てられた走行区間の総消費エネルギーが蓄電装置100の残存エネルギーを超えるまでCDモード優先区間以外の走行区間のうち消費エネルギーが低い順にCDモードが割り当てられ、最終的にCDモードが割り当てられなかった走行区間に対してCSモードが割り当てられる。
【0117】
全ての走行区間に制御モードが割り当てられて走行経路に対応した走行計画が生成されると、走行計画に従って制御モードの切替制御が実行される(S116)。
【0118】
切替制御に関する一連の処理は、目的地に到着するまで繰り返され、目的地に到着したときに(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態である場合には(S120にてYES)、結果表示の出力要求がナビECU350に出力される。このとき、ナビECU350には、図2に示した表示内容をHMI装置330の表示画面に表示させるための情報が送信される。そして、走行案内が終了するなどして制御終了条件が成立すると(S124にてYES)、結果表示許可フラグがオフ状態になる(S126)。
【0119】
一方、CDモード以外の切替制御が実行されない制御モードが選択中であることが表示されるなどして、ユーザが視認できる支援条件が成立しない場合には(S102にてNO)、HV-ECU300からナビECU350に対して結果表示の出力要求が送信されない。そのため、目的地に到着した場合でも、第3情報に対応する情報は、HMI装置330に表示されない。
【0120】
さらに、ユーザが視認できる支援条件が成立し(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる場合でも(S104)、蓄電装置100が低温状態である等により全支援条件が成立しない場合には(S106にてNO)、目的地に到着したとき(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため、結果表示の出力要求がナビECU350に送信される。このとき、図2に示す表示内容をHMI装置330に表示させるための情報が生成されないため、当該情報がナビECU350に送信されない。そのため、ナビECU350は、たとえば、切替制御の利用の促進に関する情報をHMI装置330に表示させる。
【0121】
ナビECU350がHMI装置330に表示させる情報は、HV-ECU300とナビECU350との間で授受される情報に応じて設定される。
【0122】
以下に、HV-ECU300とナビECU350との間で授受される情報と、HV-ECU300およびナビECU350の各々において実行される各種処理の一例について図4を用いて説明する。図4は、HV-ECU300とナビECU350の動作の一例を説明するための図である。
【0123】
ナビECU350からHV-ECU300に対しては、所定期間が経過する毎に先読み情報および経路状態に関する情報(走行経路上の走行位置等の情報)についてHV-ECU300に送信される。これに対して、HV-ECU300からナビECU350に対しては、結果表示の出力要求と、詳細結果の表示を行なうための情報(切替制御の実行による効果に関する情報)とが走行状態に応じて出力される。
【0124】
たとえば、HV-ECU300における図4の(A)に示すユーザ視認可能支援条件の判定処理において、ユーザが視認できる支援条件が成立しないと判定される場合には、図4の破線の矢印に示すように、結果表示の出力要求も詳細結果表示を行なうための情報もHV-ECU300からナビECU350に送信されない(すなわち、いずれもオフ状態となる)。
【0125】
この場合に、図4(B)の結果表示許可処理が実行されず、HV-ECU300から結果表示の出力要求が送信されてこないため、ナビECU350における図4の(E)の結果表示許可判定処理において、結果表示が許可されていないと判定する。そのため、ナビECU350における図4の(F)に示す目的地到着判定処理において車両1の現在位置が目的地を含む所定範囲内である(すなわち、目的地に到着した)と判定される場合、ナビECU350における図4の(G)に示す結果表示出力処理において、HMI装置330には、何ら結果表示が行なわれない。
【0126】
一方、HV-ECU300における図4の(A)に示すユーザ視認可能支援条件の判定処理において、ユーザが視認できる支援条件が成立すると判定される場合には、HV-ECU300における図4の(B)に示す結果表示の許可処理が実行されて、結果表示許可フラグがオン状態にされる。しかしながら、HV-ECU300における図4の(C)に示す全支援条件の判定処理において全支援条件が成立しないと判定される場合には、切替制御が実行されない。そのため、図4の一点鎖線の矢印に示すように、結果表示の出力要求がHV-ECU300からナビECU350に対して送信されるものの、詳細結果表示を行なうための情報がHV-ECU300からナビECU350に送信されない(すなわち、結果表示の出力要求がオンとなり、詳細結果表示がオフとなる)。
【0127】
この場合、ナビECU350における図4の(E)に示す結果表示許可判定処理において、結果表示が許可されるが、ナビECU350は、詳細結果表示を行なうための情報を受信しない。そのため、ナビECU350における図4の(F)に示す目的地到着判定処理において目的地に到着したと判定される場合、ナビECU350における図4の(G)に示す結果表示出力処理において、「目的地の設定をお願いします」等の目的地の設定を促すような切替制御の利用の促進に関する情報、および、「エコ運転(低燃費運転)を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報のうちの少なくともいずれかの情報が結果表示としてHMI装置330に表示される。
【0128】
さらに、HV-ECU300における図4(A)に示すユーザ視認可能支援条件の判定処理において、ユーザが視認できる支援条件が成立すると判定される場合には、HV-ECU300における図4の(B)に示す結果表示の許可処理が実行されて、結果表示許可フラグがオン状態にされる。そして、HV-ECU300における図4(C)に示す全支援条件の判定処理において全支援条件が成立すると判定される場合には、切替制御が実行される。そのため、図4の二点鎖線の矢印に示すように、結果表示の出力要求と、詳細結果表示を行なうための情報とがHV-ECU300からナビECU350に送信される。
【0129】
この場合、ナビECU350における図4の(E)に示す結果表示許可判定処理において、結果表示が許可されるとともに、ナビECU350は、HV-ECU300から詳細結果表示を行なうための情報を受信する。そのため、ナビECU350における図4の(F)に示す目的地到着判定処理において目的地に到着したと判定される場合、ナビECU350における図4の(G)に示す結果表示出力処理において、図2に示す表示内容がHMI装置330に表示される。
【0130】
以下に、各種走行パターンと走行パターンに応じてHMI装置330に表示される各種表示例について図5図7を参照しつつ説明する。
【0131】
図5は、ユーザが視認できる支援条件が成立する場合の走行パターンの一例を示す。図5のLN1およびLN2は、走行中に蓄電装置100のSOCがCDモードからCSモードへと切替える切替しきい値以下になる場合の制御モードの状態を示す。図5のLN3は、蓄電装置100のSOCが、車両1が目的地に到着するまでCDモードからCSモードへと切替える切替しきい値を下回らない程度に十分に高い状態である場合の制御モードの状態を示す。
【0132】
図5のLN1に示すように、CDモードが選択され、ユーザが視認できる支援条件が成立していると(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。このとき、全支援条件が成立しない状態が継続すると(S106にてNO)、切替制御が実行されることなく、車両1の運転が継続される。このとき、蓄電装置100のSOCは、車両1のCDモードでの走行距離が長くなるほど低下していく。そして、蓄電装置100のSOCが切替しきい値以下になると、図5のLN2に示すように、電池枯渇を起因として制御モードがCDモードからCSモードに切替えられる。
【0133】
その後に目的地に到着すると(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求がナビECU350に送信される。ナビECU350において、切替制御が実行されていないため、たとえば、「目的地の設定をお願いします。」という切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転(低燃費運転)を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報が出力される。
【0134】
一方、図5のLN3に示すように、CDモードが選択され、ユーザが視認できる支援条件が成立していると(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。このとき、全支援条件が成立して(S106にてYES)、先読み情報が更新され(S108にてYES)、総消費エネルギーEsumが算出されたときに(S110)、算出された総消費エネルギーEsumが残存エネルギーEr以下である場合には(S112にてNO)、切替制御が実行されないまま、CDモードが維持されることとなる。
【0135】
その後に目的地に到着すると(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求がナビECU350に送信される。ナビECU350において、切替制御が実行されていないため、たとえば、「目的地の設定をお願いします。」という切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転(低燃費運転)を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報が出力される。
【0136】
図6は、ユーザが視認できる支援条件が成立しない場合の走行パターンの一例を示す。図6のLN4は、蓄電装置100のSOCが切替しきい値以下である場合の制御モードの状態を示す。
【0137】
図6のLN4に示すように、蓄電装置100のSOCが切替しきい値以下である場合には、制御モードとしてCSモードが選択され、CSモードの選択状態が維持される。ユーザが視認できる支援条件が成立しない場合(S102にてNO)、結果表示の許可フラグがオンされない。そのため、目的地に到着しても、ナビECU350は、HV-ECU300から結果表示の出力要求を受信しないため、切替制御に関する情報についてHMI装置330に表示されない。
【0138】
図7は、全支援条件が成立する場合の走行パターンの一例を示す。図7のLN5、LN6、LN7およびLN8は、全支援条件が成立し、切替制御が実行される場合の制御モードの状態を示す。
【0139】
図7のLN5に示すように、CDモードが選択され、ユーザが視認できる支援条件が成立していると(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。このとき、全支援条件が成立していると(S106にてYES)、先読み情報が更新されたタイミングで(S108にてYES)、一連の切替制御の走行計画を生成する処理(S110~S114)が実行され、生成された走行計画に従って切替制御が実行される(S116)。
【0140】
そのため、図7のLN5およびLN6に示すように、車両1の位置が走行計画に従った所定の切替位置に到達すると制御モードがCDモードからCSモードに切替えられる。さらに、図7のLN6およびLN7に示すように、車両1の位置が走行計画に従った所定の切替位置に到達すると制御モードがCSモードからCDモードに切替えられる。さらに、図7のLN7およびLN8に示すように、蓄電装置100のSOCが切替しきい値以下になると、CDモードからCSモードに切替えられる。車両1が目的地に到着するまでの間、支援有EV走行距離と支援無EV走行距離とが算出される。
【0141】
その後に目的地に到着すると(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求と、図2の表示内容の表示を行なうための情報(すなわち、支援有EV走行距離と支援無EV走行距離とに関する情報)とがナビECU350に送信される(S122)。ナビECU350は、図2に示す表示内容をHMI装置330に表示させる。
【0142】
以上のようにして、本実施の形態に係るハイブリッド車両によると、CDモードが選択されているという情報と、経路案内中であるという情報と、走行経路上を車両1が走行しているという情報とのうちの少なくともいずれかの情報を含む第1情報がHMI装置330に表示されることによって、切替制御が実行可能であることがユーザに認識され得る。また、CDモード以外の切替制御が実行されない他の制御モードが選択されているという情報と、蓄電装置100のSOCがしきい値よりも低い枯渇した状態であるという情報と、蓄電装置100に高温異常あるいは劣化異常が発生しているという情報とのうちの少なくともいずれかを含む第2情報がHMI装置330に表示されることによって、切替制御が非実行となることがユーザに認識され得る。そのため、第1情報が報知される場合に、切替制御の実行による効果に関する情報等の切替制御に関する情報が報知装置を用いて報知され、第2情報が報知される場合に、切替制御に関する情報が報知されないことによって、ユーザが違和感を覚える内容の報知が行なわれることを抑制することができる。したがって、走行状況に応じた切替制御についてユーザが認識し得る実行状況に沿った内容の報知を行なうハイブリッド車両を提供することができる。
【0143】
さらに、第1情報がHMI装置330により表示される場合であっても、切替制御が実行されないときに、「目的地の設定をお願いします」等の切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報がHMI装置330に表示されると、ユーザが認識し得る実行状況に沿った内容の報知を行なうことができる。
【0144】
以下、変形例について記載する。
【0145】
上述の実施の形態では、車両1は、たとえば、シリーズパラレル方式のハイブリッド車両であるものとして説明したが、少なくとも上述のCDモードとCSモードとが設定可能なハイブリッド車両であればよく、シリーズ方式などのその他の方式のハイブリッド車両であってもよい。
【0146】
さらに上述の実施の形態では、残存エネルギーErは、蓄電装置100の現在のSOCから所定範囲内になるまでの電力量に相当するエネルギーであるものとして説明したが、当該エネルギーに一定のマージンを加算した値を残存エネルギーとしてもよい。
【0147】
さらに上述の実施の形態では、第1情報がHMI装置330に表示される場合は、切替制御に関する情報を報知するものとし、第2情報がHMI装置330に表示される場合は、切替制御に関する情報を報知しないものとして説明したが、第1情報と第2情報とがHMI装置330に表示される場合には、切替制御に関する情報を報知しないようにしてもよい。このようにすると、ユーザが報知内容に違和感を覚えることを抑制することができる。
【0148】
さらに上述の実施の形態では、HV-ECU300とナビECU350との各々が所定の処理を実行することにより、各種情報を授受して連携して動作するものとして説明したがたとえば、HV-ECU300の機能とナビECU350の機能とを有する単一のECUによって所定の処理を実行してもよい。
【0149】
さらに上述の実施の形態では、切替制御に関する情報をHMI装置330に表示するものとして説明したが、HMI装置330に代えてまたは加えてユーザが所有する携帯端末の表示装置に表示させてもよい。
【0150】
図8は、変形例におけるハイブリッド車両の構成の一例を示す図である。図8に示す車両1は、図1に示す車両1と比較して、ユーザが所有する携帯端末400,404と、車両1の外部に設けられるサーバ500とのうちの少なくともいずれかと通信可能な通信装置390を含む点で異なる。図8に示される通信装置390以外の車両1の構成については、図1に示される車両1の構成と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0151】
図8に示すように、車両1は、通信装置390をさらに備える。通信装置390は、車両1のユーザが所有する携帯端末400と、車両1の外部に設けられるサーバ500を経由した携帯端末404とのうちの少なくともいずれかと通信可能に構成される。
【0152】
通信装置390と携帯端末400とは、たとえば、事前にペアリング処理が実行されるなどして、所定の近距離無線通信で通信可能に接続されてもよいし、図示しない基地局を経由して無線LAN(Local Area Network)等の無線通信で通信可能に接続されてもよいし、あるいは、有線で直接的に通信可能に接続されてもよい。
【0153】
携帯端末400には、表示部402が設けられる。表示部402は、通信装置390から受信する情報を所定の形式で表示可能に構成される。HV-ECU300は、通信装置390を経由して切替制御に関する情報を携帯端末400に送信し、携帯端末400は、通信装置390から受信した当該情報を表示部402に表示するようにしてもよい。このようにしても、切替制御の実行による効果等の切替制御に関する情報をユーザに認識させることができる。
【0154】
また、通信装置390とサーバ500とは、たとえば、図示しない基地局を経由して無線LAN等の無線通信で通信可能に接続されてもよい。サーバ500と携帯端末404とについても、たとえば、図示しない基地局を経由して無線LAN等の無線通信で通信可能に接続されてもよい。
【0155】
携帯端末404には、表示部406が設けられる。表示部406は、通信装置390からサーバ500を経由して受信する情報を所定の形式で表示可能に構成される。HV-ECU300は、通信装置390およびサーバ500を経由して切替制御に関する情報を携帯端末404に送信し、携帯端末404は、通信装置390から受信した当該情報を表示部406に表示するようにしてもよい。このようにしても、切替制御の実行による効果等の切替制御に関する情報をユーザに認識させることができる。
【0156】
さらに上述の実施の形態では、第1情報が報知されており、切替制御が実行される場合には、車両1が目的地に到着したときに切替制御の実行による効果に関する情報を報知するものとして説明したが、たとえば、第1情報が報知されており、切替制御が実行される場合でも、車両1が目的地に到着するまでに切替制御を停止する停止条件が成立するときには、停止条件の成立以前の切替制御の実行による効果に関する情報を消去するようにしてもよい。
【0157】
図9は、変形例においてHV-ECU300で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0158】
なお、図9のフローチャートに示す処理は、図3のフローチャートに示す処理と比較して、S200の処理とS202の処理とをさらに含む点で異なる。図9のS200およびS202以外の処理については、以下に説明する場合を除き、図3のフローチャートに示す処理と同じであり、同じステップ番号が付与されている。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0159】
制御終了条件が成立すると判定される場合(S124にてYES)、処理はS200に移される。S200にて、HV-ECU300は、効果情報を消去する。すなわち、HV-ECU300は、直近に生成された切替制御の実行による効果に関する情報を消去する。
【0160】
S202にて、HV-ECU300は、結果表示しない終了条件が成立するか否かを判定する。結果表示しない終了条件は、たとえば、車両1に各種異常が発生している条件と、経路案内の中止操作や目的地の消去等により経路案内が停止されるという条件と、CDモード以外の制御モードが選択されるという条件とのうちの少なくともいずれかが成立するという条件を含む。結果表示しない終了条件が成立すると判定される場合(S202にてYES)、処理はS126に移される。
【0161】
以上のような構造およびフローチャートに基づくこの変形例におけるHV-ECU300の動作について説明する。
【0162】
たとえば、ユーザの起動操作により車両1を起動させた場合には、IGフラグがオン状態となるため(S100にてYES)、ユーザが視認できる支援条件が成立するか否かが判定される(S102)。制御モードとしてCDモードが選択されていることを示す情報と、走行案内中であることを示す情報と、設定された走行経路上を車両1が走行していることを示す情報とを含む第1情報がHMI装置330において表示され、第2情報がHMI装置330に表示されていない場合にはユーザが視認できる支援条件が成立しているため(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。
【0163】
そして、全支援条件が成立していると判定されると(S106にてYES)、先読み情報が更新されるタイミングで(S108にてYES)、走行経路を構成する複数の走行区間における消費エネルギーEnが算出されるとともに、それらの総和が総消費エネルギーEsumとして算出される(S110)。
【0164】
総消費エネルギーEsumが残存エネルギーErよりも大きい場合には(S112にてYES)、走行計画が生成され(S114)、生成された走行計画に従って制御モードの切替制御が実施される(S116)。
【0165】
切替制御の実行中において、目的地に到着する前に(S118にてNO)、CDモード以外の制御モードが選択されるなどして制御終了条件が成立する場合(S124にてYES)、制御終了条件が成立する以前の効果情報が消去される(S200)。このとき、走行案内が中止するなどして結果表示しない終了条件が成立する場合には(S202にてYES)、結果表示許可フラグがオフ状態にされる(S126)。そのため、その後に車両1が目的地に到着した場合にも切替制御に関する情報はHMI装置330に表示されない。
【0166】
一方、効果情報が消去された後に(S200)、結果表示しない終了条件が成立しないまま(S202にてNO)、制御モードが再びCDモードが選択されるなどして、ユーザが視認できる支援条件が成立する場合(S102にてYES)、再度結果表示許可フラグがオン状態になり(S104)、その後に全支援条件が成立して(S106にてYES)、切替制御が実行される場合には、図2の表示内容の表示を行なう情報が生成され、目的地に到着したときに(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求とともに(S122)、図2の表示内容の表示を行なうための情報がナビECU350に送信され、HMI装置330に当該情報が表示される。
【0167】
一方、再度結果表示許可フラグがオン状態になり(S104)、その後に全支援条件が成立しないことにより(S106にてNO)、切替制御が実行されない場合には、目的地に到着したときに(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求がナビECU350に送信され(S122)、図2の表示内容の表示を行なうための情報はナビECU350に送信されないため、「目的地の設定をお願いします」等の目的地の設定を促すような切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報がHMI装置330に表示される。
【0168】
以下に、走行パターンに応じてHMI装置330に表示される表示例について図10を参照しつつ説明する。
【0169】
図10は、走行計画に従った切替制御の実行中に一時的にCDモード以外の制御モードが選択される場合の走行パターンの一例を示す。図10のLN9,LN10,LN11,LN12,LN13およびLN14は、車両1が目的地に到着するまでの制御モードの状態を示す。
【0170】
図10のLN9に示すように、CDモードが選択され、ユーザが視認できる支援条件が成立していると(S102にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態になる(S104)。このとき、全支援条件が成立すると(S106にてYES)、先読み情報が更新されたタイミングで(S108にてYES)、一連の切替制御の走行計画を生成する処理(S110~S114)が実行され、生成された走行計画に従って切替制御が実行される(S116)。切替制御の実行中において、図2に示す表示内容の表示を行なうための情報が生成される。
【0171】
そして、図10のLN9およびLN10に示すように、車両1の位置が走行計画に従った所定の切替位置に到達すると制御モードがCDモードからCSモードに切替えられる。
【0172】
このとき、ユーザがモード選択スイッチ380を操作して、図10のLN10およびLN11に示すように、制御モードが切替制御が実行されない他の制御モードに切替えられると、制御終了条件が成立し(S124にてYES)、効果情報が消去される(S200)。
【0173】
そして、結果表示しない終了条件が成立しないまま(S202にてNO)、ユーザが再度モード選択スイッチ380を操作して、他の制御モードの選択が解除され、CDモードが選択されると、ユーザが視認できる支援条件が成立し(S102にてYES)、結果表示許可フラグが再度オン状態になる(S104)。
【0174】
そのため、全支援条件が成立し(S106にてYES)、先読み情報が更新されると(S108にてYES)、一連の切替制御の走行計画を生成する処理(S110~S114)が実行され、生成された走行計画に従って切替制御が実行される(S116)。その結果、図10のLN12に示すように、制御モードがCSモードに切替えられる。
【0175】
そして、図10のLN12およびLN13に示すように、車両1の位置が走行計画に従った所定の切替位置に到達すると、制御モードがCSモードからCDモードに切替えられる。このとき、図2に示す表示内容の表示を行なうための情報が再度生成される。
【0176】
CDモードでの走行が継続すると、蓄電装置100のSOCが低下していき、蓄電装置100のSOCが切替しきい値以下になると、図10のLN13およびLN14に示すように、CDモードからCSモードに切替えられる。
【0177】
そして、目的地に到着すると(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求が送信される(S122)。このとき、図2に示す表示内容の表示を行なうための情報がナビECU350に送信される。ナビECU350は、図10のLN12、LN13およびLN14に示す切替制御が再開された時点以降の期間に対応する図2に示す表示内容の表示を行なうための情報をHMI装置330に表示させる。
【0178】
一方、再度モード選択スイッチ380を操作することにより、ユーザが視認できる支援条件が成立し(S102にてYES)、結果表示許可フラグが再度オン状態になる場合でも(S104)、全支援条件が成立しない場合には(S106にてNO)、切替制御が実行されないため、図2に示す表示内容の表示を行なうための情報は生成されない。この場合に、目的地に到着すると(S118にてYES)、結果表示許可フラグがオン状態であるため(S120にてYES)、結果表示の出力要求が送信されるものの(S122)、図2に示す表示内容の表示を行なうための情報がナビECU350に送信されないため、ナビECU350は、「目的地の設定をお願いします」等の目的地の設定を促すような切替制御の利用の促進に関する情報や、「エコ運転を実行しました」等の切替制御の実行状況に関する情報をHMI装置330に表示させる。
【0179】
このようにすると、切替制御の実行中に、切替制御を停止する停止条件(制御終了条件)が成立する場合でも、切替制御の実行による効果に関する情報と、切替制御の実行状況に関する情報と、切替制御の利用の促進に関する情報とのうちのいずれかの情報がHMI装置330に表示されるので、ユーザが報知内容に違和感を覚えることを抑制することができる。
【0180】
さらに、切替制御の実行中に、制御終了条件が成立して切替制御が停止すると、その後の走行状況によっては切替制御の実行による効果に関する情報が正確でなくなる場合があるため、当該情報を消去することで正確でない情報がユーザに報知されることを抑制することができる。
【0181】
さらに、切替制御が停止する場合に制御終了条件が成立する以前の切替制御の実行による効果に関する情報が消去された後に、支援条件が再度成立する場合であって、かつ、その後の切替制御の実行による効果に関する情報が生成される場合には、生成された情報をHMI装置330に表示されるので、ユーザが報知内容に違和感を覚えることを抑制することができる。また、支援条件が再度成立する場合であって、かつ、切替制御の実行による効果に関する情報が生成されない場合には、切替制御の実行状況に関する情報と、切替制御の利用の促進に関する情報とのうちのいずれかの情報がHMI装置330に表示される。そのため、ユーザが報知内容に違和感を覚えることを抑制することができる。
【0182】
なお、上述の変形例においては、切替制御の実行中に、モード選択スイッチ380の操作により制御モードの切替要求があることによって制御終了条件が成立した場合を一例として説明したが、たとえば、切替制御の実行中に、プラグイン充電が開始されることによって制御終了条件が成立する場合も同様に、制御終了条件が成立した場合に、直近に生成された切替制御の実行による効果に関する情報が消去されるようにしてもよい。
【0183】
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0184】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0185】
1 ハイブリッド車両、10 第1MG、12 第2MG、14 エンジン、16 動力分割装置、28 駆動輪、40 PCU、50 SMR、60 充電リレー、70 充電装置、80 インレット、90 コネクタ、92 外部電源、100 蓄電装置、200 監視ユニット、210 電圧検出部、220 電流検出部、230 温度検出部、300 HV-ECU、301 CPU、302 メモリ、310 IGスイッチ、320 センサ群、330 HMI装置、340 通信バス、350 ナビECU、360 位置検出装置、370 交通情報受信装置、380 モード選択スイッチ、390 通信装置、400,404 携帯端末、402,406 表示部、500 サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10