(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】画像表示装置、プログラム及び画像表示方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20230912BHJP
G08G 1/0962 20060101ALI20230912BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G08G1/14
G08G1/0962
G01C21/36
(21)【出願番号】P 2020199182
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】相良 俊介
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-118851(JP,A)
【文献】特開2020-135103(JP,A)
【文献】特開2005-75013(JP,A)
【文献】特開2019-128644(JP,A)
【文献】特開2005-326956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置であって、制御部とセンサと表示部とを含み、前記制御部は、
前記センサからセンサ情報を取得し、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識し、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影
し、
前記制御部は、投影開始条件が満たされたか否かを判定し、前記投影開始条件が満たされたと判定すると、前記駐車可能なスポットを前記実空間に投影し、
前記画像表示装置は車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって操作され、
前記投影開始条件は、交差点ではない場所で前記車両の方向指示器が起動されたことを含む、
画像表示装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の画像表示装置において、
前記制御部は、前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、
前記画像表示装置から前記複数の駐車可能なスポットまでの距離が基準値を超えている場合、前記複数の駐車可能なスポットを1つのスポットにまとめて前記実空間に投影し、
前記距離が前記基準値を超えていない場合、前記複数の駐車可能なスポットのそれぞれを個別に前記実空間に投影する、
画像表示装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の画像表示装置において、
前記制御部は、抽出された前記駐車可能なスポットのうち、所定の条件を満たす駐車料金に関連付けられたスポットのみを前記実空間に投影する、
画像表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記制御部は、前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、前記複数の駐車可能なスポットを、駐車料金に応じて形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって互いに識別可能に投影する、
画像表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記画像表示装置は車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって操作され、
前記制御部は、前記駐車可能なスポットとともに、前記車両が前記駐車可能なスポットへの駐車を完了した場合の占有エリアを投影する、
画像表示装置。
【請求項6】
センサと表示部とを含む画像表示装置としてのコンピュータに、
前記センサからセンサ情報を取得し、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識し、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影する
ことを含む動作を実行さ
せ、
前記動作は、投影開始条件が満たされたか否かを判定し、前記投影開始条件が満たされたと判定すると、前記駐車可能なスポットを前記実空間に投影することを含み、
前記画像表示装置は車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって操作され、
前記投影開始条件は、交差点ではない場所で前記車両の方向指示器が起動されたことを含む、
プログラム。
【請求項7】
請求項
6に記載のプログラムにおいて、
前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、
前記画像表示装置から前記複数の駐車可能なスポットまでの距離が基準値を超えている場合、前記複数の駐車可能なスポットを1つのスポットにまとめて前記実空間に投影し、
前記距離が前記基準値を超えていない場合、前記複数の駐車可能なスポットのそれぞれを個別に前記実空間に投影する、
ことを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項8】
請求項
6又は7に記載のプログラムにおいて、
抽出された前記駐車可能なスポットのうち、所定の条件を満たす駐車料金に関連付けられたスポットのみを前記実空間に投影することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項
6乃至8のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、前記複数の駐車可能なスポットを、駐車料金に応じて形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって互いに識別可能に投影する、
ことを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項
6乃至9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記画像表示装置は車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって操作され、
前記駐車可能なスポットとともに、前記車両が前記駐車可能なスポットへの駐車を完了した場合の占有エリアを投影する、
ことを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項11】
制御部とセンサと表示部とを含む画像表示装置による画像表示方法であって、
前記センサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識することと、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出することと、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影することと、
を含
み、
投影開始条件が満たされたか否かを判定し、前記投影開始条件が満たされたと判定すると、前記駐車可能なスポットを前記実空間に投影することを更に含み、
前記画像表示装置は車両に搭載され、又は、前記車両の運転者によって操作され、
前記投影開始条件は、交差点ではない場所で前記車両の方向指示器が起動されたことを含む、画像表示方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の画像表示方法において、
前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、
前記画像表示装置から前記複数の駐車可能なスポットまでの距離が基準値を超えている場合、前記複数の駐車可能なスポットを1つのスポットにまとめて前記実空間に投影し、
前記距離が前記基準値を超えていない場合、前記複数の駐車可能なスポットのそれぞれを個別に前記実空間に投影する、
ことを更に含む画像表示方法。
【請求項13】
請求項
11又は12に記載の画像表示方法において、
抽出された前記駐車可能なスポットのうち、所定の条件を満たす駐車料金に関連付けられたスポットのみを前記実空間に投影することを更に含む、画像表示方法。
【請求項14】
請求項
11乃至13のいずれか一項に記載の画像表示方法において、
前記実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、前記複数の駐車可能なスポットを、駐車料金に応じて形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって互いに識別可能に投影する、
ことを更に含む、画像表示方法。
【請求項15】
請求項5に記載の画像表示装置において、
前記占有エリアは3次元で投影される、画像表示装置。
【請求項16】
請求項1に記載の画像表示装置において、
前記制御部は、前記車両の目的地が店舗であることを検出すると、前記店舗での買い物での割引を提供する駐車スポットを抽出し、抽出された前記駐車スポットを、形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって他の駐車スポットから識別可能に投影する、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像表示装置、プログラム及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の現在位置の周辺の駐車場を地図上に表示する際に、駐車場の利用状況又は料金に応じて駐車場アイコンの背景色又は文字色を白色、緑色及びオレンジ色のいずれかの色に決定する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、駐車場の場所は分かるものの、車両が駐車可能な位置までは分からない。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両が駐車可能な位置を運転者が視覚的に判別することを可能にする画像表示装置、プログラム及び画像表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る画像表示装置は、
画像表示装置であって、制御部とセンサと表示部とを含み、前記制御部は、
前記センサからセンサ情報を取得し、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識し、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
センサと表示部とを含む画像表示装置としてのコンピュータに、
前記センサからセンサ情報を取得し、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識し、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影する
ことを含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る画像表示方法は、
制御部とセンサと表示部とを含む画像表示装置による画像表示方法であって、
前記センサからセンサ情報を取得することと、
前記センサ情報から周囲の実空間を認識することと、
前記実空間内で駐車可能なスポットを抽出することと、
前記表示部を用いて、前記スポットを示す虚像を前記実空間に投影することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による画像表示装置、プログラム及び画像表示方法によれば、車両が駐車可能な位置を運転者が視覚的に判別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の画像表示装置及び車両の概略図である。
【
図2】画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】駐車スポットDB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図4】投影された駐車可能なスポットを示す図である。
【
図5】画像表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の画像表示装置1と車両2との概略図である。本実施形態の画像表示装置1は車両2に搭載されたHUD(Head-Up Display:ヘッドアップディスプレイ)である。代替例として画像表示装置1は、車両2の運転者によって装着及び操作されるAR(Augmented Reality)グラスであってよい。画像表示装置1は画像を投影することができる任意の携帯端末であってよい。
【0012】
図1の画像表示装置1は1つだけ示される。代替例として、画像表示装置1の後述される各機能部は分散配置されてよい。例えば画像表示装置1を制御する制御部11は画像表示装置1の外部に設けられてよい。
【0013】
本実施形態の画像表示装置1が実行する処理の概要が説明される。画像表示装置1は、センサ14からセンサ情報を取得し、センサ情報から周囲の実空間を認識し、実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、表示部15を用いて、スポットを示す虚像を実空間に投影する。この構成により画像表示装置1は、駐車可能なスポットを実空間に投影するので、個々の車両が駐車可能な位置を運転者が視覚的に判別することを可能にする。更に画像表示装置1は、駐車スポットの提供者が白線を引く手間及び駐車場の看板を設置する手間等を低減することができるので、駐車スポットの提供者による初期の設備投資負担を低減する。もって画像表示装置1は、一般の人が容易に駐車場ビジネスを開始することを支援することができる。
図2を参照して画像表示装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0014】
画像表示装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とセンサ14と表示部15とを含む。画像表示装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0015】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。
【0016】
通信部12は、ネットワークに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0017】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、画像表示装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は、後述する駐車スポットDBを含む。
【0018】
センサ14は、画像センサ、加速度センサ、及び位置情報センサの少なくとも1つであってよい。センサ14は、画像表示装置1の位置を検出する。センサ14は更に、画像表示装置1の姿勢、向き等を検出してよい。センサ14は、検出した情報を、センサ情報として制御部11に出力する。
【0019】
センサ14としての位置情報センサは、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。センサ14は、画像表示装置1の位置を測定する。センサ14による測定の結果は、制御部11によって画像表示装置1の位置情報として取得される。「位置情報」とは、画像表示装置1の位置を特定可能な情報であり、例えば座標を含む。
【0020】
表示部15は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。画像表示装置1がHUDである場合、出力用インタフェースは、例えばコンバイナである。画像表示装置1がARグラスである場合、出力用インタフェースは例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部15は、画像表示装置1の動作によって得られる情報を出力する。表示部15は、画像表示装置1に備えられる代わりに、外部の出力機器として画像表示装置1に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0021】
車両2は、例えば、マイクロモビリティ、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車を含む。車両2の各構成要素は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続される。「HV」は、Hybrid Vehicleの略語である。「PHV」は、Plug-in Hybrid Vehicleの略語である。「EV」は、Electric Vehicleの略語である。「FCV」は、Fuel Cell Vehicleの略語である。車両2はユーザによって運転される。代替例として、車両2は、任意のレベルでその運転が自動化されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0022】
以下、本実施形態の画像表示装置1で実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、画像表示装置1が搭載された車両2を運転しているユーザが、駐車可能なスポットを探す場面が説明される。
【0023】
画像表示装置1の制御部11は、投影開始条件が満たされたか否かを判定する。投影開始条件は例えば次のうち少なくとも1つを含む。
・車両2が目的地に着いたこと
・車両2の駐車が指示されたこと(例:駐車ボタンが押下されたこと)
・交差点ではない場所で車両2の方向指示器(例:ウィンカ又はハザードランプ)が起動(例:点滅)されたこと
【0024】
制御部11は、投影開始条件が満たされたと判定すると、センサ14から、センサ情報を取得する。
【0025】
制御部11は、取得したセンサ情報から、周囲の実空間を認識する。例えば制御部11は、画像表示装置1が存在する位置を認識する。更に制御部11は、画像表示装置1の姿勢、向き等を認識することができる。
【0026】
制御部11は、記憶部13の駐車スポットDBを参照して、画像表示装置1の周辺(例えば所定距離内)に存在する駐車可能な駐車スポットを検索する。
【0027】
図3に示されるように、駐車スポットDBには、駐車スポットIDに対応付けて、駐車スポットの位置と、駐車料金と、駐車スポットが他車両によって利用されているか否かを示す情報(
図3の「利用中?」に対応)とが記憶される。
【0028】
駐車料金は駐車スポットの提供者が自由に設定可能である。例えば駐車料金は次のように設定されてよい。
・単位時間(例:分、時、日、月、年)あたりの料金
・最大料金
【0029】
図3の例では、駐車スポットP01と駐車スポットP02とは他車両によって利用されていない。制御部11は、駐車スポットP01と駐車スポットP02とを駐車可能なスポットとして抽出する。
【0030】
制御部11は、表示部15を用いて、駐車スポットP01と駐車スポットP02とを示す虚像を実空間に投影する。各スポットの大きさは車両1台分の大きさであってよい。
図4に示されるように、駐車スポットP01と駐車スポットP02とが道路Rに投影される。代替例として駐車スポットP01と駐車スポットP02とは空中に投影されてよい。駐車スポットP01と駐車スポットP02とは枠線で示される。枠線の形状は、駐車スポットの提供者(例えば駐車スポットの所有者)が任意に設定可能である。枠線は実線でもよいし、破線又は点線等の別の種類の線であってもよい。
【0031】
制御部11は更に、表示部15を用いて、駐車スポットP01と駐車スポットP02とのそれぞれに関連付けられた注釈を示す虚像を投影することができる。例えば制御部11は、駐車スポットDBにおいて駐車スポットP01に関連付けられた駐車料金(「1時間500円」)を注釈として識別する。
図4に示されるように制御部11は、注釈A01を投影する。制御部11は注釈A01と同じ方法で、注釈A02を投影する。
【0032】
制御部11は、複数の駐車可能なスポットを抽出した場合、複数の駐車可能なスポットを、形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって互いに識別可能に投影してよい。例えば制御部11は、駐車料金の高さに応じてスポットの枠線の形状を変化させてよい。制御部11は
図4に示されるように、駐車料金が1時間500円である駐車スポットP01の枠線を通常の太さで投影する。一方制御部11は、駐車料金が1時間400円である駐車スポットP02の枠線を、駐車スポットP01の枠線よりも太く投影する。
【0033】
代替例として制御部11は、ヒートマップを用いて、駐車料金の高さに応じて各駐車スポットの模様又は色彩を変化させてよい。例えば制御部11は、1時間あたりの料金が500円から1000円までの駐車スポットと、1時間あたりの料金が1000円を超える駐車スポットとを、異なる模様又は色彩で投影してよい。
【0034】
追加的に又は大体的に、駐車料金は、近隣の店舗での買い物等を行うことを条件として、駐車スポットの提供者によって安く設定されてよい。この場合、制御部11は次のうち少なくとも1つの情報を注釈に含めてよい。
・いずれの店舗で買い物等を行えば駐車料金が割引されるか
・割引される場合の割引幅、又は、割引後の金額
【0035】
代替例として又は追加例として、制御部11は、記憶部13を参照して、車両2の運転者の目的地が店舗であるか否かを判定してよい。制御部11は、目的地が店舗であることを検出すると、その店舗での買い物での割引を提供する駐車スポットを駐車スポットDBから抽出する。制御部11は、抽出された駐車スポットを、形状、模様及びは色彩の少なくとも1つによって他の駐車スポットから識別可能に投影してよい。代替例として制御部11は、抽出された駐車スポットを他の駐車スポットよりも優先的に投影してよい。
【0036】
図4に示されるように、駐車スポットP01と駐車スポットP02とは別々のスポットとして個別に投影される。代替例として画像表示装置1から駐車スポットP01及び駐車スポットP02までの距離が基準値を超えている場合、制御部11は、2つのスポットを比較的な大きな1つにまとめて実空間に投影してよい。制御部11は、車両2が2つのスポットに接近することによって画像表示装置1から2つのスポットまでの距離が基準値を超えないと判定すると、2つのスポットのそれぞれを個別に投影してよい。
【0037】
図4に示されるように制御部11は、表示部15を用いて、駐車スポットP01と駐車スポットP02とのそれぞれにつき、車両2が駐車を完了した場合の占有エリアS01と占有エリアS02とを投影する。占有エリアS01と占有エリアS02とは2次元で投影される。代替例として占有エリアS01と占有エリアS02とは、3次元で投影されてよい。
【0038】
制御部11は、占有エリアS01と占有エリアS02との大きさに応じて、駐車スポットP01と駐車スポットP02とのそれぞれの駐車料金を変動させてよい。
【0039】
代替例として制御部11は、所定の条件を満たす駐車料金に関連付けられたスポットのみを投影してよい。例えば制御部11は、1時間あたりの料金が450円を超えないスポットのみを投影してよい。
図3の例では、制御部11は、駐車料金が1時間400円である駐車スポットP02のみを投影してよい。代替例として所定の条件は、周辺の駐車スポットの駐車料金の平均値、最低値、又は最大値であってよい。所定の料金は、運転者が過去に駐車した駐車スポットの駐車料金の平均値であってよい。所定の料金は、運転者が任意に設定可能である。
【0040】
図5を参照して、本実施形態の画像表示装置1による画像表示方法が説明される。
【0041】
ステップS1にて画像表示装置1は、センサ14からセンサ情報を取得する。
【0042】
ステップS2にて画像表示装置1は、センサ情報から、周囲の実空間を認識する。
【0043】
ステップS3にて画像表示装置1は、実空間内で駐車可能なスポットを抽出する。
【0044】
ステップS4にて画像表示装置1は、抽出されたスポットを示す虚像を実空間に投影する。
【0045】
以上述べたように本実施形態によれば、画像表示装置1は、センサ14からセンサ情報を取得し、センサ情報から周囲の実空間を認識し、実空間内で駐車可能なスポットを抽出し、表示部15を用いて、スポットを示す虚像を実空間に投影する。この構成により画像表示装置1は、駐車可能なスポットを実空間に投影するので、個々の車両が駐車可能な位置を運転者が視覚的に判別することを可能にする。
【0046】
また本実施形態によれば、制御部11は、投影開始条件が満たされたか否かを判定し、投影開始条件が満たされたと判定すると、駐車可能なスポットを実空間に投影する。投影開始条件は、車両2が設定された目的地に到着したこと、車両2の駐車が指示されたこと、及び、交差点ではない場所で車両2の方向指示器が起動されたことの少なくとも1つを含む。この構成により制御部11は、投影が必要なときにのみ投影を行うので、不要な投影によって運転者の運転を妨害することを低減することができる。
【0047】
また本実施形態によれば、制御部11は、実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、画像表示装置1から複数の駐車可能なスポットまでの距離が基準値を超えている場合、複数の駐車可能なスポットを1つのスポットにまとめて実空間に投影する。制御部11は、距離が基準値を超えていない場合、複数の駐車可能なスポットのそれぞれを個別に実空間に投影する。この構成により制御部11は、画像表示装置1が複数のスポットに近い場合、すなわちいずれのスポットに駐車するかを選択する必要がある場合にのみ複数のスポットのそれぞれを個別に投影する。制御部11は、画像表示装置1が複数のスポットから比較的遠い場合には複数のスポットを1つにまとめて投影するので、処理負荷を低減すると共に、煩雑な表示を低減することができる。
【0048】
また本実施形態によれば、制御部11は、抽出された駐車可能なスポットのうち、所定の条件を満たす駐車料金に関連付けられたスポットのみを実空間に投影する。また本実施形態によれば、制御部11は、実空間内で複数の駐車可能なスポットを抽出すると、複数の駐車可能なスポットを、駐車料金に応じて形状、模様及び色彩の少なくとも1つによって互いに識別可能に投影する。この構成により制御部11は、運転者のニーズに沿った投影を行うので、利便性及び満足度を向上させることができる。
【0049】
また本実施形態によれば、制御部11は、駐車可能なスポットとともに、車両2が駐車可能なスポットへの駐車を完了した場合の占有エリアを投影する。この構成により制御部11は、駐車前に、駐車が完了したときのイメージを運転者に提供することができるので、どのスポットに駐車するかの選択を支援することができる。
【0050】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0051】
例えば、上記の実施形態において、画像表示装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0052】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0053】
1 画像表示装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 センサ
15 表示部
2 車両