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7347461自動駐車システム及び自動駐車システムの制御方法
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】自動駐車システム及び自動駐車システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20230912BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230912BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230912BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20230912BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G16Y10/40
G16Y40/30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021035545
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135615
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】丸岩 修嗣
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-228152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 23/00-29/14
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内の自動運転車両に指示を行うことにより前記自動運転車両を前記駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる駐車場管制サーバを有する自動駐車システムであって、
前記駐車場管制サーバは、
前記駐車場の入場車両からの通信情報に基づいて、前記入場車両が前記自動運転車両であるか前記駐車場内で運転者が手動で運転する一般車両であるかを判定し、前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報と前記一般車両の位置情報とを取得する車両情報取得部と、
前記一般車両が前記駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両であるか否かを判定する通信可否判定部と、
前記自動運転車両の位置情報及び前記サーバ通信可能車両の位置情報に基づいて、前記サーバ通信可能車両に対する通知対象となる前記自動運転車両である第一通知対象車両を検出する通知対象車両検出部と、
前記通知対象車両検出部により前記第一通知対象車両が検出された場合に、前記サーバ通信可能車両に対して前記第一通知対象車両の存在を通知する通知部と、
を備え
前記通知対象車両検出部は、前記通信可否判定部により前記サーバ通信可能車両ではないと判定された前記一般車両であるサーバ通信不能車両の位置情報と前記自動運転車両の位置情報とに基づいて、当該サーバ通信不能車両に対する通知対象となる前記自動運転車両である第二通知対象車両を検出し、
前記サーバ通信不能車両と前記第二通知対象車両との車々間通信が可能である場合に、前記第二通知対象車両と前記サーバ通信不能車両との車々間通信を接続させる、自動駐車システム。
【請求項2】
前記通知部は、前記サーバ通信不能車両と車々間通信を接続している前記第二通知対象車両に対して、前記サーバ通信不能車両と前記第二通知対象車両との車間距離が距離閾値未満になったとき、又は前記サーバ通信不能車両と前記第二通知対象車両との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、車々間通信により前記サーバ通信不能車両に対して前記第二通知対象車両の接近を通知させるための接近通知予約を指示する、請求項1に記載の自動駐車システム。
【請求項3】
前記駐車場管制サーバは、前記一般車両が前記自動運転車両の後方から接近している場合、又は、前記一般車両が前記自動運転車両の前方を横切るように走行している場合、前記一般車両が通り過ぎるまで前記自動運転車両を停車させる停車指示部を備える、請求項1又は請求項2に記載の自動駐車システム。
【請求項4】
駐車場内の自動運転車両に指示を行うことにより前記自動運転車両を前記駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる駐車場管制サーバを有する自動駐車システムの制御方法であって、
前記駐車場管制サーバにより、前記駐車場の入場車両からの通信情報に基づいて、前記入場車両が前記自動運転車両であるか前記駐車場内で運転者が手動で運転する一般車両であるかを判定し、前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報と前記一般車両の位置情報とを取得する車両情報取得ステップと、
前記駐車場管制サーバにより、前記一般車両が前記駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両であるか否かを判定する通信可否判定ステップと、
前記駐車場管制サーバにより、前記自動運転車両の位置情報及び前記サーバ通信可能車両の位置情報に基づいて、前記サーバ通信可能車両に対する通知対象となる前記自動運転車両である第一通知対象車両を検出する第一通知対象車両検出ステップと、
前記駐車場管制サーバにより、前記第一通知対象車両検出ステップにおいて前記第一通知対象車両が検出された場合に、前記サーバ通信可能車両に対して前記第一通知対象車両の存在を通知する通知ステップと、
を含み、
前記駐車場管制サーバにより、前記サーバ通信可能車両ではないと判定された前記一般車両であるサーバ通信不能車両の位置情報と前記自動運転車両の位置情報とに基づいて、当該サーバ通信不能車両に対する通知対象となる前記自動運転車両である第二通知対象車両を検出し、前記サーバ通信不能車両と前記第二通知対象車両との車々間通信が可能である場合に、前記第二通知対象車両と前記サーバ通信不能車両との車々間通信を接続させる、自動駐車システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動駐車システム及び自動駐車システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動駐車システムに関する技術文献として、特開2020-77213号公報が知られている。この公報には、人が運転する手動運転車両と自動運転可能な自動運転車両の車両が同一の駐車場に混在して駐車する駐車場運用システムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-77213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駐車場のサーバ等により指示される自動運転車両と手動運転車両である一般車両とが混在している駐車場において、一般車両からではどの車両が自動運転車両であるかを判別できない場合があるため改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、駐車場内の自動運転車両に指示を行うことにより自動運転車両を駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる駐車場管制サーバを有する自動駐車システムであって、駐車場管制サーバは、駐車場の入場車両からの通信情報に基づいて、入場車両が自動運転車両であるか駐車場内で運転者が手動で運転する一般車両であるかを判定し、駐車場内の自動運転車両の位置情報と一般車両の位置情報とを取得する車両情報取得部と、一般車両が駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両であるか否かを判定する通信可否判定部と、自動運転車両の位置情報及びサーバ通信可能車両の位置情報に基づいて、サーバ通信可能車両に対する通知対象となる自動運転車両である第一通知対象車両を検出する通知対象車両検出部と、通知対象車両検出部により第一通知対象車両が検出された場合に、サーバ通信可能車両に対して第一通知対象車両の存在を通知する通知部と、を備え、通知対象車両検出部は、通信可否判定部によりサーバ通信可能車両ではないと判定された一般車両であるサーバ通信不能車両の位置情報と自動運転車両の位置情報とに基づいて、当該サーバ通信不能車両に対する通知対象となる自動運転車両である第二通知対象車両を検出し、サーバ通信不能車両と第二通知対象車両との車々間通信が可能である場合に、第二通知対象車両とサーバ通信不能車両との車々間通信を接続させる
【0006】
本発明の一態様に係る自動駐車システムによれば、一般車両のうち駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両に対して通知対象となる自動運転車両である第一通知対象車両の存在を通知することができるので、サーバ通信可能車両が自動運転車両を手動運転の一般車両と誤認することを抑制することができる。
【0008】
上記自動駐車システムにおいて、通知部は、サーバ通信不能車両と車々間通信を接続している第二通知対象車両に対して、サーバ通信不能車両と第二通知対象車両との車間距離が距離閾値未満になったとき、又はサーバ通信不能車両と第二通知対象車両との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、車々間通信によりサーバ通信不能車両に対して第二通知対象車両の接近を通知させるための接近通知予約を指示してもよい。
この自動駐車システムによれば、サーバ通信不能車両と車々間通信を接続した第二通知対象車両に対して、サーバ通信不能車両に接近したときに通知させる接近通知予約を指示するので、サーバ通信不能車両に対して自動運転車両である第二通知対象車両の接近を通知することができる。
【0009】
上記自動駐車システムにおいて、駐車場管制サーバは、一般車両が自動運転車両の後方から接近している場合、又は、一般車両が自動運転車両の前方を横切るように走行している場合、一般車両が通り過ぎるまで自動運転車両を停車させる停車指示部を備えてもよい。
この自動駐車システムによれば、一般車両が自動運転車両の後方から接近している場合、又は、一般車両が自動運転車両の前方を横切るように走行している場合に、一般車両が通り過ぎるまで自動運転車両を停車させるので、一般車両と自動運転車両との過剰な接近を抑制することができる。
【0010】
本発明の他の態様は、駐車場内の自動運転車両に指示を行うことにより自動運転車両を駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる駐車場管制サーバを有する自動駐車システムの制御方法であって、駐車場管制サーバにより、駐車場の入場車両からの通信情報に基づいて、入場車両が自動運転車両であるか駐車場内で運転者が手動で運転する一般車両であるかを判定し、駐車場内の自動運転車両の位置情報と一般車両の位置情報とを取得する車両情報取得ステップと、駐車場管制サーバにより、一般車両が駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両であるか否かを判定する通信可否判定ステップと、駐車場管制サーバにより、自動運転車両の位置情報及びサーバ通信可能車両の位置情報に基づいて、サーバ通信可能車両に対する通知対象となる自動運転車両である第一通知対象車両を検出する通知対象車両検出ステップと、駐車場管制サーバにより、第一通知対象車両検出ステップにおいて第一通知対象車両が検出された場合に、サーバ通信可能車両に対して第一通知対象車両の存在を通知する通知ステップと、を含み、駐車場管制サーバにより、通信可否判定部によりサーバ通信可能車両ではないと判定された一般車両であるサーバ通信不能車両の位置情報と自動運転車両の位置情報とに基づいて、当該サーバ通信不能車両に対する通知対象となる自動運転車両である第二通知対象車両を検出し、サーバ通信不能車両と第二通知対象車両との車々間通信が可能である場合に、第二通知対象車両とサーバ通信不能車両との車々間通信を接続させる
【0011】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムの制御方法によれば、一般車両のうち駐車場管制サーバと通信可能なサーバ通信可能車両に対して通知対象となる自動運転車両である第一通知対象車両の存在を通知することができるので、サーバ通信可能車両が自動運転車両を手動運転の一般車両と誤認することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の各態様によれば、駐車場内でサーバ通信可能車両が自動運転車両を一般車両と誤認することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る自動駐車システムを説明するための図である。
図2】自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。
図3】駐車場管制サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】駐車場管制サーバの機能的構成の一例を示す図である。
図5】(a)距離による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。(b)同一レーン走行による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。
図6】自動運転車両の目標ルートとの距離による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。
図7】(a)自動運転車両の後ろから一般車両が接近している状況の一例を示す図である。(b)自動運転車両の停車の一例を示す図である。(c)自動運転車両の停車の他の例を示す図である。
図8】(a)自動運転車両の前方に一般車両が合流する状況の一例を示す図である。(b)自動運転車両の停車の一例を示す図である。
図9】自動運転車両の一例を示すブロック図である。
図10】車両判別処理の一例を示すフローチャートである。
図11】(a)第一通知対象車両通知処理の一例を示すフローチャートである。(b)車々間通信接続処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は一実施形態に係る自動駐車システムを説明するための図である。図1に示す自動駐車システム[AVPS:Automated Valet Parking System]1は、駐車場[Parkingplace]における複数台の自動運転車両2の自動バレーパーキング[Automated ValetParking]を行うためのシステムである。自動駐車システム1は、自動バレーパーキングを行うための駐車場管制サーバ10を有している。
【0016】
自動バレーパーキングとは、駐車場における降車場でユーザ(乗員)が降りた無人の自動運転車両2を駐車場側からの指示によって目標ルートを走行させ、駐車場内の目標駐車スペースに自動で駐車させるサービスである。目標駐車スペースとは、自動運転車両2の駐車位置として予め設定された駐車スペース[Parking space]である。目標ルートとは、自動運転車両2が目標駐車スペースに到達するために走行する駐車場内のルートである。なお、出庫時における目標ルートは、後述する乗車用スペースに到達するために走行するルートとなる。
【0017】
以下、自動バレーパーキングにおける自動運転を行う車両を自動運転車両2、運転者が手動で運転する車両を一般車両3とする。一般車両3には、自動運転機能を有しているが、運転者の手動運転による駐車を選んだ車両も含まれる。一般車両3は、駐車場管制サーバ10に対する通信が可能なサーバ通信可能車両30と駐車場管制サーバ10に対する通信が不能なサーバ通信不能車両31とに分けられる。
【0018】
なお、駐車場管制サーバ10が一般車両3の車載機器と通信不能な場合であっても、一般車両3の運転者の携帯端末と駐車場管制サーバ10とが通信可能な場合(例えば携帯端末に駐車場管制サーバ10と連携するアプリがインストールされている場合)には、当該一般車両3をサーバ通信可能車両30としてもよい。
【0019】
本実施形態における駐車場は、自動バレーパーキングを行う自動運転車両と一般車両とが共通で用いる駐車場である。なお、自動運転車両の駐車するエリアと一般車両の駐車するエリアは分けられていてもよい。
【0020】
ここで、図2は、自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。図2に、駐車場50、駐車エリア[Parking area]51、降車場[Drop-off area]52、及び乗車場[Pick up area]53を示す。駐車場50は、駐車エリア51、降車場52、及び乗車場53を含んでいる。なお、降車場52及び乗車場53は別々に設けられている必要はなく、一体の乗降場として設けられていてもよい。
【0021】
駐車エリア51は、自動バレーパーキングにより自動運転車両2が駐車する駐車スペース(駐車枠)61が形成された場所である。駐車スペース61は、例えば図2に示すように一方向(例えば駐車車両における車幅方向)に並んで複数形成されている。
【0022】
降車場52は、駐車場50の入口側に設けられ、入庫前の自動運転車両2から乗員が降車するための場所である。降車場52には、乗員の降車時に自動運転車両2が停車するための降車用スペース62が形成されている。降車場52は、駐車エリア入口ゲート54を介して駐車エリア51に通じている。
【0023】
乗車場53は、駐車場50の出口側に設けられ、出庫してきた自動運転車両2に乗員が乗車するための場所である。乗車場53には、乗員の乗車のために自動運転車両2が待機するための乗車用スペース63が形成されている。乗車場53は、駐車エリア出口ゲート55を介して駐車エリア51に通じている。また、乗車場53と駐車エリア51との間には、乗車場53から駐車エリア51に自動運転車両2を戻すためのリターンゲート56が設けられている。なお、リターンゲート56は必須ではない。
【0024】
また、図2において、降車場52の降車用スペース62で停車中の自動運転車両2A、駐車場50内を走行中の自動運転車両2Ba,2Bb、駐車エリア51の駐車スペース61に駐車中の自動運転車両2C、及び乗車場53の乗車用スペース63で停車中の自動運転車両2D、駐車エリア51を走行中のサーバ通信可能車両30A及びサーバ通信不能車両31Aを示す。
【0025】
自動駐車システム1では、例えば、駐車場50に入場[Entering]した自動運転車両2が降車用スペース62で乗員を降ろした後(自動運転車両2Aに対応)、自動運転車両2の指示権限を得て自動バレーパーキングを開始する。自動駐車システム1は、目標ルートC1に沿って自動運転車両2Baを走行させ、自動運転車両2Baを目標駐車スペースE1に自動駐車させる。自動駐車システム1は、出庫要求[Pick up request]に応じて、駐車していた自動運転車両2Bbを乗車場53に向かう目標ルートC2に沿って走行させ、乗車用スペース63(目標駐車スペースE2)で乗員の到着まで待機させる。
【0026】
また、自動駐車システム1は、サーバ通信可能車両30Aの案内要求に応じて、サーバ通信可能車両30Aのための目標ルートC3及び目標駐車スペースE3を案内する。サーバ通信可能車両30Aの運転者は、案内された目標ルートC3に沿って車両を走行させ、目標駐車スペースE3に手動で駐車させる。なお、自動駐車システム1は必ずしもサーバ通信可能車両30Aの案内を行う必要はない。
【0027】
一方、サーバ通信不能車両31Aは、運転者の判断で任意の駐車スペースに車両を駐車させる。なお、駐車場50に設けられたディスプレイ等を用いることによりサーバ通信不能車両31の運転者に目標ルートや目標駐車スペースを案内してもよい。
【0028】
[自動駐車システムの構成]
以下、自動駐車システム1の構成について図面を参照して説明する。図1に示すように、自動駐車システム1は駐車場管制サーバ10を備えている。駐車場管制サーバ10は駐車場を管理するためのサーバである。
【0029】
駐車場管制サーバ10は、自動運転車両2と通信可能に構成されている。自動運転車両2について詳しくは後述する。駐車場管制サーバ10は、駐車場に設けられていてもよく、駐車場から離れた施設に設けられていてもよい。駐車場管制サーバ10は、異なる場所に設けられた複数のコンピュータから構成されていてもよい。駐車場管制サーバ10は、駐車場センサ4及び駐車場地図データベース5と接続されている。
【0030】
駐車場センサ4は、駐車場内の状況を認識するためのセンサである。駐車場センサ4には、例えば駐車場内の車両の位置を検出するための監視カメラが含まれている。監視カメラは、駐車場の天井や壁に設けられ、駐車場内の自動運転車両2を撮像する。監視カメラは、撮像画像を駐車場管制サーバ10に送信する。
【0031】
駐車場センサ4には、駐車枠内に駐車車両が存在するか否か(駐車枠が満車であるか空車であるか)を検出するための空車センサが含まれてもよい。空車センサは、駐車枠ごとに設けられてもよく、天井などに設けられて複数の駐車枠を一台で監視可能に構成されていてもよい。空車センサの構成は特に限定されず、周知の構成を採用することができる。空車センサは、圧力センサであってもよく、電波を用いるレーダセンサ又はソナーセンサであってもよく、カメラであってもよい。空車センサは、駐車枠における空車情報を駐車場管制サーバ10に送信する。駐車場センサ4には、駐車場の入場ゲートの通過車両(入場車両)を検出するゲートセンサが含まれていてもよい。入場ゲートは例えば降車場52の手前に設けることができる。
【0032】
駐車場地図データベース5は、駐車場地図情報を記憶するデータベースである。駐車場地図情報には、駐車場における駐車枠の位置情報及び駐車場における走行路の情報が含まれている。また、駐車場地図情報には、自動運転車両2が位置認識に用いられるランドマークの位置情報が含まれていてもよい。ランドマークには、白線、ポール、セーフティコーン、駐車場の柱などのうち少なくとも一つが含まれる。
【0033】
駐車場管制サーバ10のハードウェア構成について説明する。図3は、駐車場管制サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、駐車場管制サーバ10は、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
【0034】
プロセッサ10aは、各種オペレーティングシステムを動作させて駐車場管制サーバ10を制御する。プロセッサ10aは、制御装置、演算装置、レジスタなどを含むCPU[Central Processing Unit]などの演算器である。プロセッサ10aは、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを統括する。記憶部10bは、例えばROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、HDD[Hard Disk Drive]、SSD[Solid State Drive]のうち少なくとも一つを含む記録媒体である。
【0035】
通信部10cは、ネットワークを介した無線通信を行うための通信デバイスである。通信部10cには、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードなどを用いることができる。駐車場管制サーバ10は、通信部10cを用いて自動運転車両2と通信を行う。ユーザインターフェイス10dは、駐車場管制サーバ10の管理者などが用いる駐車場管制サーバ10の入出力部である。ユーザインターフェイス10dは、ディスプレイ、スピーカなどの出力器、及び、タッチパネルなどの入力器を含む。
【0036】
次に、駐車場管制サーバ10の機能的構成について説明する。図4は、駐車場管制サーバ10の機能的構成の一例を示す図である。車両情報取得部11、駐車計画生成部12、通信可否判定部13、通知対象車両検出部14、通知部15、及び停車指示部16を有する。
【0037】
車両情報取得部11は、駐車場センサ4の検出結果(例えば入場ゲートのゲートセンサの検出結果や駐車場内の監視カメラの画像認識結果)に基づいて、駐車場に対する入場車両を検出する。車両情報取得部11は、駐車場管制サーバ10と通信可能な自動運転車両2又はサーバ通信可能車両30との通信により、駐車場の入場車両を検出してもよい。なお、車両情報取得部11は、必ずしも入場車両の検出を行う必要はない。
【0038】
車両情報取得部11は、入場車両が自動バレーパーキングの対象となる自動運転車両2であるか否かを判定する。車両情報取得部11は、例えば入場車両からの駐車場管制サーバ10に対する通信情報に基づいて、自動運転車両2であるか否かを判定する。自動運転車両2と判定されず、運転者が手動で運転する車両が一般車両3(サーバ通信可能車両30又はサーバ通信不能車両31)となる。
【0039】
車両情報取得部11は、駐車場センサ4の検出結果又は駐車場内の車両(自動運転車両2、サーバ通信可能車両30)との通信により、駐車場内の車両情報を取得する。車両情報には、駐車場における車両の位置情報が含まれる。車両情報取得部11は、駐車場センサ4の検出結果(例えば駐車場内の監視カメラの設置位置及び画像認識結果)から、サーバ通信不能車両31を含む車両の位置情報を取得してもよい。駐車場内における車両の位置情報の取得方法は、特に限定されず、周知の様々な手法を採用することができる。車両情報取得部11は、運転者の携帯端末との通信により車両の位置情報を取得してもよい。
【0040】
車両情報には、車両の識別情報が含まれていてもよい。識別情報は、車両を特定できる情報であればよく、通信によって取得されるID番号[Identification Number]であってもよく、車両番号であってもよく、自動バレーパーキングの予約番号などであってもよい。サーバ通信不能車両31の場合には、駐車場センサ4のカメラの撮像画像から認識されたナンバープレートの番号を識別情報として用いてもよい。
【0041】
自動運転車両2の車両情報には、自動運転車両2の走行状態及び外部環境の認識結果が含まれていてもよい。走行状態及び外部環境の認識については後述する。自動運転車両2の車両情報には、自動運転車両2の残りの走行可能距離又は残燃料の情報が含まれていてもよい。
【0042】
車両情報取得部11は、自動バレーパーキングを実行している間、自動運転車両2から車両情報を継続的に取得する。車両情報取得部11は、自動運転車両2が駐車中となった場合、車両情報の取得を中断してもよく、定期的に車両情報を取得してもよい。
【0043】
車両情報取得部11は、取得した車両情報に基づいて、自動バレーパーキング中の自動運転車両2の状況を認識する。自動運転車両2の状況には、駐車場内における自動運転車両2の位置が含まれる。自動運転車両2の状況には、自動運転車両2の車速が含まれてもよく、自動運転車両2のヨーレートが含まれてもよく、自動運転車両2と周囲の他車両との距離が含まれてもよい。
【0044】
駐車計画生成部12は、車両情報取得部11の取得した車両情報に基づいて、自動運転車両2の駐車に関する走行計画である駐車計画を生成する。駐車計画には、自動運転車両2が駐車する目標駐車スペースと目標駐車スペースまでの目標ルートとが含まれる。駐車計画生成部12は、例えば駐車場に入場した自動運転車両2から入庫要求(自動バレーパーキングの開始要求)を受領した場合に、駐車計画の生成を開始する。入庫要求は自動運転車両2ではなく、乗員のユーザ端末から行われてもよい。
【0045】
駐車計画生成部12は、駐車場センサ4の検出結果から認識した駐車場内の駐車枠の空車状況に基づいて、目標駐車スペースを設定する。駐車計画生成部12は、駐車場内に予め設定された駐車スペース(駐車枠)に対して目標駐車スペースを設定する。駐車計画生成部12は、自動運転車両2の車体情報も踏まえて、自動運転車両2の大きさに応じた適切な目標駐車スペースを設定してもよい。
【0046】
駐車計画生成部12は、車両情報取得部11の取得した自動運転車両2の位置情報、目標駐車スペースの位置情報、及び駐車場地図データベース5の駐車場地図情報に基づいて、自動運転車両2の現在の位置から目標駐車スペースに向かう目標ルートを設定する。
【0047】
駐車計画生成部12は、駐車場内の走行路上に目標ルートを設定する。目標ルートは必ずしも最短距離である必要はなく、他の自動運転車両2の目標ルートと干渉しない又は干渉の少ないルートが優先的に選択されてもよい。目標ルートの設定方法は特に限定されず、周知の様々な手法を採用することができる。
【0048】
駐車計画生成部12は、運転者が手動で運転するサーバ通信可能車両30に対して目標ルート及び目標駐車スペースを設定し、目標ルート及び目標駐車スペースの案内(情報提供)を行ってもよい。駐車計画生成部12は、駐車場内の駐車枠の空車状況から目標駐車スペースを設定し、サーバ通信可能車両30が目標駐車スペースに至るための目標ルートの情報を提供してもよい。
【0049】
通信可否判定部13は、一般車両3が駐車場管制サーバ10と通信可能であるか否かを判定する。言い換えれば、通信可否判定部13は、一般車両3がサーバ通信可能車両30であるかサーバ通信不能車両31であるかを判定する。
【0050】
通信可否判定部13は、例えば入場時における駐車場管制サーバ10との通信の可否に基づいて、サーバ通信可能車両30であるかサーバ通信不能車両31であるかを判定する。通信可否判定部13は、入場時における運転者の申告(入口ゲートに設けられた機器に対する運転者のボタン操作等)から、サーバ通信可能車両30であるかサーバ通信不能車両31であるかを判定してもよい。通信可否判定部13は、必ずしも入場時に通信可否の判定を行う必要はない。通信可否判定部13は、一般車両3が駐車場内を走行する任意のタイミングで通信可否の判定を行ってもよく、駐車場内の任意の位置に通信可否のための停車スペースを設けてもよい。
【0051】
通知対象車両検出部14は、自動運転車両2の位置情報及びサーバ通信可能車両30の位置情報に基づいて、第一通知対象車両を検出する。第一通知対象車両は、サーバ通信可能車両30に対する通知対象となる自動運転車両2である。
【0052】
通知対象車両検出部14は、駐車場に予め設定された1又は複数の設定エリアについて、サーバ通信可能車両30と同じ設定エリア内に自動運転車両2が存在する場合、当該自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。設定エリアは、任意のエリアとして設定することができる。設定エリアは駐車場地図情報を参照して取得できる。
【0053】
ここで、図2の駐車エリア51に対して設定された第一駐車エリア51A(設定エリア)を用いて説明すると、図2に示す状況において、通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30Aが位置する第一駐車エリア51A(駐車エリア51のうち出口側の設定エリア)内の自動運転車両2Bbを第一通知対象車両として検出する。
【0054】
また、通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30の一定距離内に位置する自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。ここで、図5(a)は、距離による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。図5に、サーバ通信可能車両30B、自動運転車両2E、サーバ通信可能車両30Bから一定距離の範囲Hを示す。
【0055】
図5(a)に示す状況において、通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30Bの一定距離内(範囲H内)に進入した自動運転車両2Eを第一通知対象車両として検出する。
【0056】
通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30と同一のレーン(走行路)を走行する自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。レーンについては駐車場地図情報を参照して取得できる。
【0057】
図5(b)は、同一レーン走行による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。図5(b)に、サーバ通信可能車両30C、自動運転車両2F、サーバ通信可能車両30Cの走行するレーン70、レーン70に交差するレーン71を示す。自動運転車両2Fはレーン71からレーン70に進入するため右折を行っている。図5(b)に示す状況において、通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30Cの走行するレーン70に進入した自動運転車両2Fを第一通知対象車両として検出する。
【0058】
通知対象車両検出部14は、自動運転車両2の目標ルート(自動運転車両2が走行する予定のルート)とサーバ通信可能車両30との距離に基づいて、第一通知対象車両を検出してもよい。通知対象車両検出部14は、例えば自動運転車両2の目標ルートとサーバ通信可能車両30との距離がルート距離閾値未満である場合、当該自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。ルート距離閾値は予め設定された値の閾値である。
【0059】
図6は、自動運転車両2の目標ルートとの距離による第一通知対象車両判定の一例を示す図である。図6に、駐車場80、駐車枠81、自動運転車両2G、自動運転車両2Gの目標ルートC4、自動運転車両2Gの目標スペースE4、及びサーバ通信可能車両30Dを示す。また、サーバ通信可能車両30Dと目標ルートC4との距離Lを示す。距離Lは、上述したルート距離閾値未満の距離である。
【0060】
図6に示す状況において、通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30Dと目標ルートC4との距離Lがルート距離閾値未満であることから、自動運転車両2Gを第一通知対象車両として検出する。
【0061】
通知対象車両検出部14は、第一通知対象車両の検出において、上述した複数の条件を組み合わせて用いてもよい。通知対象車両検出部14は、同じ設定エリア内でサーバ通信可能車両30の一定距離内に自動運転車両2が位置するときに、第一通知対象車両として検出してもよい。すなわち、サーバ通信可能車両30の一定距離内に自動運転車両2が位置していても、互いに異なる設定エリアに含まれるときには、第一通知対象車両として検出しなくてもよい。
【0062】
通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30の一定距離内に位置し、且つ、同じレーン上を走行する自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30の一定距離内に位置する自動運転車両2であって、その目標ルートとサーバ通信可能車両30との距離がルート距離閾値未満となる自動運転車両2を第一通知対象車両として検出してもよい。距離の代わりに衝突余裕時間を用いてもよい。通知対象車両検出部14は、サーバ通信可能車両30から離れる方向に走行する自動運転車両2については第一通知対象車両として検出しなくてもよい。
【0063】
通知対象車両検出部14は、自動運転車両2の位置情報及びサーバ通信不能車両31の位置情報に基づいて、第二通知対象車両を検出する。第二通知対象車両は、サーバ通信不能車両31に対する通知対象となる自動運転車両2である。
【0064】
通知対象車両検出部14は、第一通知対象車両と同様の手法で、サーバ通信不能車両31に対する第二通知対象車両を検出することができる。第一通知対象車両の検出条件と第二通知対象車両の検出条件は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0065】
通知対象車両検出部14は、例えば図2に示す状況において、サーバ通信不能車両31Aが位置する第二駐車エリア51B(駐車エリア51のうち入口側の設定エリア)内の自動運転車両2Baを第二通知対象車両として検出してもよい。
【0066】
通知対象車両検出部14は、例えばサーバ通信不能車両31の一定距離内に位置する自動運転車両2を第二通知対象車両として検出してもよい(図5(a)参照)。この場合の一定距離は、第一通知対象車両の検出条件と同一であってもよく、第一通知対象車両と比べて長い距離としてもよい。通知対象車両検出部14は、サーバ通信不能車両31と同一のレーン(走行路)を走行する自動運転車両2を第二通知対象車両として検出してもよい(図5(b)参照)。
【0067】
通知対象車両検出部14は、自動運転車両2の目標ルートとサーバ通信不能車両31との距離が第二ルート距離閾値未満である場合、当該自動運転車両2を第二通知対象車両として検出してもよい(図6参照)。第二ルート距離閾値は、第一通知対象車両の場合のルート距離閾値と同一であってもよく、ルート距離閾値より大きい値の閾値であってもよい。
【0068】
通知対象車両検出部14は、第二通知対象車両を検出した場合、サーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との車々間通信が可能であるか否かを判定する。通知対象車両検出部14は、例えば第二通知対象車両からサーバ通信不能車両31に対して車々間通信接続を行わせることで、車々間通信が可能であるか否かを判定する。通知対象車両検出部14は、車々間通信が可能であると判定した場合、第二通知対象車両とサーバ通信不能車両31との車々間通信を接続させる。
【0069】
通知部15は、通知対象車両検出部14により第一通知対象車両が検出された場合、サーバ通信可能車両30に対して第一通知対象車両の存在を通知する。通知部15は、駐車場管制サーバ10と通信可能なサーバ通信可能車両30に対して通信によって第一通知対象車両の存在を通知する。サーバ通信可能車両30では、例えば音声又はディスプレイ表示により運転者に第一通知対象車両の存在が通知される。サーバ通信可能車両30における運転者への通知方法は特に限定されない。
【0070】
また、通知部15は、通知対象車両検出部14により第二通知対象車両が検出され、サーバ通信不能車両31が第二通知対象車両と車々間通信接続されているとき、第二通知対象車両に対して、サーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との車間距離が距離閾値未満になったとき、又はサーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、車々間通信によりサーバ通信不能車両に対して第二通知対象車両の接近を通知させるための接近通知予約を指示する。距離閾値及びTTC閾値は予め設定された値の閾値である。
【0071】
第二通知対象車両は、接近通知予約を指示された場合、サーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との車間距離が距離閾値未満になったとき、又はサーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、車々間通信によりサーバ通信不能車両31に対して自車の接近を通知する。サーバ通信不能車両31内では、例えば音声又はディスプレイ表示により運転者に第二通知対象車両の接近が通知される。サーバ通信不能車両31内における運転者への通知方法は特に限定されない。
【0072】
なお、通知部15は、必ずしも接近通知予約を行う必要はない。通知部15は、通知対象車両検出部14により第二通知対象車両が検出され、サーバ通信不能車両31が第二通知対象車両と車々間通信接続されているときに、第二通知対象車両との車々間通信を介してサーバ通信不能車両31に第二通知対象車両の存在を通知してもよい。或いは、第二通知対象車両の存在の通知は、車々間通信の接続により達成されていると判断してもよい。
【0073】
また、通知部15は、第二通知対象車両に判断させる接近通知予約ではなく、自らの判断でサーバ通信不能車両31に第二通知対象車両の接近を通知してもよい。通知部15は、車両情報取得部11の取得したサーバ通信不能車両31の位置情報と第二通知対象車両の位置情報とに基づいて、サーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との車間距離が距離閾値未満になったとき、又はサーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、車々間通信を介してサーバ通信不能車両31に第二通知対象車両の接近を通知してもよい。
【0074】
停車指示部16は、一般車両3が自動運転車両2の後方から接近している場合、又は、一般車両3が自動運転車両2の前方を横切るように走行している場合、一般車両3が通り過ぎるまで自動運転車両2を停車させる。停車指示部16は、自動運転車両2の位置情報、一般車両3の位置情報、及び駐車場地図情報に基づいて自動運転車両2の停車を判断する。
【0075】
停車指示部16は、例えば同じレーンを走行する自動運転車両2と後方の一般車両3との距離が停車距離閾値未満となったとき、又は、同じレーンを走行する自動運転車両2に対する後方の一般車両3の衝突余裕時間が停車TTC閾値未満となったとき、一般車両3が自動運転車両2の後方から接近していると判定して、一般車両3が通り過ぎるまで自動運転車両2を停車させる。
【0076】
停車指示部16は、レーンが車両すれ違い可能な幅を有する場合には、自動運転車両2をレーン端に寄せて停車することで一般車両3を先に進ませる。停車指示部16は、レーンが車両すれ違い可能な幅を有しない場合には、自動運転車両2を空いている駐車スペースに停車させることで一般車両3を先に進ませてもよい。
【0077】
図7(a)は、自動運転車両2の後ろから一般車両が接近している状況の一例を示す図である。図7(b)は、自動運転車両2の停車の一例を示す図である。図7(a)に、レーン90、自動バレーパーキング中の三台の自動運転車両2Ha~2Hc、サーバ通信可能車両30Eを示す。サーバ通信可能車両30Eは、同じレーン90上で三台の自動運転車両2Ha~2Hcの後方を走行している。
【0078】
図7(a)に示す状況において、停車指示部16は、サーバ通信可能車両30Eが自動運転車両2の後方から接近していると判定する。停車指示部16は、図7(b)に示すように、自動運転車両2Ha~2Hcをレーン90の端に寄せて停車させることで、サーバ通信可能車両30Eを通過させる。
【0079】
図7(c)は、自動運転車両2の停車の他の例を示す図である。図7(c)に、レーン100及び駐車スペース101を示す。図7(c)に示すように、停車指示部16は、自動運転車両2Ha~2Hcを停車させる幅が存在しないレーン100を走行している場合には、一時的に駐車スペース101に自動運転車両2Ha~2Hcを停車させることで、サーバ通信可能車両30Eを先に進ませる。停車指示部16は、サーバ通信可能車両30Eが通り過ぎた後、自動運転車両2Ha~2Hcの自動バレーパーキングを再開させる。
【0080】
図8(a)は、自動運転車両2の前方に一般車両3が合流する状況の一例を示す図である。図8(b)は、自動運転車両2の停車の一例を示す図である。図8(a)に、レーン110、レーン110に交差するレーン111、レーン110を走行する自動運転車両2Ja、2Jb、レーン111を走行するサーバ通信可能車両30Fを示す。レーン111を走行するサーバ通信可能車両30Fは、自動運転車両2Ja、2Jbの前方でレーン110に合流する(自動運転車両2Ja、2Jbの前方を横切る)。
【0081】
図8(a)に示す状況において、停車指示部16は、サーバ通信可能車両30Fが自動運転車両2Ja、2Jbの前方を横切るように走行していると判定する。停車指示部16は、図8(b)に示すように、自動運転車両2Ja、2Jbをレーン111との交差位置の手前で停車させることで、サーバ通信可能車両30Fを先に通過させる。サーバ通信可能車両30Fは必ずしもレーン110に合流する必要はなく、十字路の場合にレーン1110を横切る態様であってもよい。なお、図7(a)~図7(c)、図8(a)、図8(b)においてサーバ通信可能車両30ではなく、サーバ通信不能車両31を用いてもよい。
【0082】
[自動運転車両の構成]
続いて、本実施形態に係る自動運転車両2(自動駐車システム1による自動バレーパーキングの対象となる自動運転車両)の構成の一例について説明する。図9は、自動運転車両2の一例を示すブロック図である。
【0083】
図9に示すように、自動運転車両2は、一例として、自動運転ECU20を有している。自動運転ECU20は、CPU、ROM、RAMなどを有する電子制御ユニットである。自動運転ECU20では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。自動運転ECU20は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0084】
自動運転ECU20は、GPS受信部21、外部センサ22、内部センサ23、通信部24、及び、アクチュエータ25と接続されている。
【0085】
GPS受信部21は、複数のGPS衛星から信号を受信することにより、自動運転車両2の位置(例えば自動運転車両2の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した自動運転車両2の位置情報を自動運転ECU20へ送信する。GPS受信部21に代えてGNSS[Global Navigation Satellite System]受信部を用いてもよい。なお、駐車場が屋内の場合には後述するようにランドマークを用いた自車位置認識も活用される。
【0086】
外部センサ22は、自動運転車両2の外部環境を検出する車載センサである。外部センサ22は、カメラを少なくとも含む。カメラは、自動運転車両2の外部環境を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば自動運転車両2のフロントガラスの裏側に設けられ、車両前方を撮像する。カメラは、自動運転車両2の外部環境に関する撮像情報を自動運転ECU20へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。カメラは、複数台設けられていてもよく、自動運転車両2の前方の他、左右の側方及び後方を撮像してもよい。
【0087】
外部センサ22は、レーダセンサを含んでもよい。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自動運転車両2の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を自動運転車両2の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。レーダセンサは、検出した物体情報を自動運転ECU20へ送信する。また、外部センサ22は、自動運転車両2の外部の音を検出するソナーセンサを含んでもよい。
【0088】
内部センサ23は、自動運転車両2の走行状態を検出する車載センサである。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、自動運転車両2の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、自動運転車両2の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフトなどに対して設けられ、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサを用いることができる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)を自動運転ECU20に送信する。
【0089】
加速度センサは、自動運転車両2の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを含んでいる.加速度センサは、自動運転車両2の横加速度を検出する横加速度センサを含んでいてもよい。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の加速度情報を自動運転ECU20に送信する。ヨーレートセンサは、自動運転車両2の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した自動運転車両2のヨーレート情報を自動運転ECU20へ送信する。
【0090】
通信部24は、自動運転車両2の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。通信部24は、駐車場管制サーバ10との通信により各種情報の送信及び受信を行う。通信部24は、例えば、駐車場管制サーバ10に車両情報を送信すると共に、駐車場管制サーバ10から自動バレーパーキングのために必要な情報(例えば目標ルート沿いのランドマークの情報)を取得する。
【0091】
アクチュエータ25は、自動運転車両2の制御に用いられる機器である。アクチュエータ25は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自動運転車両2の駆動力を制御する。なお、自動運転車両2がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自動運転車両2が電気自動車である場合には、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ25を構成する。
【0092】
ブレーキアクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自動運転車両2の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を自動運転ECU20からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは自動運転車両2の操舵トルクを制御する。
【0093】
次に、自動運転ECU20の機能的構成の一例について説明する。自動運転ECU20は、外部環境認識部41、走行状態認識部42、自車位置認識部43、車両情報提供部44、自動運転制御部45、車々間通信部46、及び通知条件判定部47を有している。
【0094】
外部環境認識部41は、外部センサ22(カメラの撮像画像又はレーダセンサの検出した物体情報)の検出結果に基づいて、自動運転車両2の外部環境を認識する。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対位置が含まれる。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対速度及び移動方向が含まれていてもよい。外部環境認識部41は、パターンマッチングなどにより、他車両及び駐車場の柱などの物体を認識する。外部環境認識部41は、駐車場のゲート、駐車場の壁、ポール、セーフティコーンなどを認識してもよい。また、外部環境認識部41は、白線認識により駐車場における走行境界[driving boundaries]を認識してもよい。
【0095】
走行状態認識部42は、内部センサ23の検出結果に基づいて、自動運転車両2の走行状態を認識する。走行状態には、自動運転車両2の車速、自動運転車両2の加速度、自動運転車両2のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部42は、車速センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の車速を認識する。走行状態認識部42は、加速度センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の加速度を認識する。走行状態認識部42は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、自動運転車両2の向きを認識する。
【0096】
自車位置認識部43は、通信部24を通じて駐車場管制サーバ10から取得した駐車場地図情報と外部環境認識部41の認識した外部環境とに基づいて、駐車場内における自動運転車両2の位置を認識する。
【0097】
自車位置認識部43は、駐車場地図情報に含まれる駐車場内のランドマークの位置情報と外部環境認識部41の認識した自動運転車両2に対するランドマークの相対位置とに基づいて、駐車場内における自動運転車両2の位置を認識する。ランドマークとしては、駐車場に固定して設けられた物体を用いることができる。
【0098】
その他、自車位置認識部43は、内部センサ23の検出結果に基づいて、デッドレコニングにより自動運転車両2の位置を認識してもよい。また、自車位置認識部43は、駐車場に設けられたビーコンとの通信により自動運転車両2の位置を認識してもよい。
【0099】
車両情報提供部44は、通信部24を通じて駐車場管制サーバ10に車両情報を提供する。車両情報提供部44は、例えば一定時間ごとに自車位置認識部43の認識した駐車場内における自動運転車両2の位置の情報を含む車両情報を駐車場管制サーバ10に提供する。車両情報には、自動運転車両2認識した外部状況及び/又は走行状態が含まれていてもよい。
【0100】
自動運転制御部45は、自動運転車両2の自動運転を実行する。自動運転制御部45は、例えば、目標ルート、自動運転車両2の位置、自動運転車両2の外部環境、及び自動運転車両2の走行状態に基づいて、自動運転車両2の進路[trajectory]を生成する。進路は自動運転の走行計画に相当する。進路には、自動運転で車両が走行する経路[path]と自動運転における車速計画とが含まれる。
【0101】
経路は、自動駐車システムに指示された目標ルート上において自動運転中の車両が走行する予定の軌跡である。経路は、例えば目標ルート上の位置に応じた自動運転車両2の操舵角変化のデータ(操舵角計画)とすることができる。目標ルート上の位置とは、例えば目標ルートの進行方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置である。操舵角計画とは、設定縦位置毎に目標操舵角が関連付けられたデータとなる。自動運転制御部45は、例えば目標ルートに沿って駐車場の走行路の中央を通るように進路を生成する。
【0102】
自動運転制御部45は、自動バレーパーキングにおいて駐車場管制サーバ10の駐車計画生成部12から駐車計画(目標駐車スペース及び目標ルート)を指示された場合は駐車計画に従って自動駐車を行う。自動運転制御部45は、駐車計画に位置に応じた操舵角計画や車速計画が含まれていない場合は、自動運転車両2側で操舵角計画及び車速計画を生成して自動駐車を実現する。また、自動運転制御部45は、駐車場管制サーバ10の停車指示部16から停車の指示を受けた場合、指示された位置に自動運転車両2を停車させる。
【0103】
車々間通信部46は、駐車場管制サーバ10の通知対象車両検出部14からサーバ通信不能車両31との車々間通信を指示された場合に、サーバ通信不能車両31との車々間通信を接続する。車々間通信部46は、駐車場管制サーバ10の指示に応じてサーバ通信不能車両31に各種の通知を送信する。
【0104】
通知条件判定部47は、駐車場管制サーバ10の通知部15から接近通知予約の指示を受けた場合(自動運転車両2が第二通知対象車両となった場合)に、車々間通信が接続されたサーバ通信不能車両31に接近通知を行うための通知条件が満たされたか否かを判定する。
【0105】
通知条件判定部47は、サーバ通信不能車両31と自動運転車両2(第二通知対象車両)との車間距離が距離閾値未満になったとき、又はサーバ通信不能車両31と自動運転車両2(第二通知対象車両)との衝突余裕時間がTTC閾値未満になったときに、通知条件が満たされたと判定する。自動運転車両2は、通知条件が満たされた場合、車々間通信部46からサーバ通信不能車両31に対する自動運転車両2の接近通知を行う。
【0106】
[自動駐車システムの制御方法]
次に、本実施形態の自動駐車システム1の制御方法(処理)について図面を参照して説明する。図10は、車両判別処理の一例を示すフローチャートである。
【0107】
図10に示すように、自動駐車システム1の駐車場管制サーバ10は、車両情報取得部11により駐車場に対する入場車両を検出する(入場車両検出ステップ)。駐車場管制サーバ10は、入場車両を検出した場合(S10:YES)、S11に移行する。駐車場管制サーバ10は、入場車両を検出しない場合(S10:NO)、今回の処理を終了する。その後、駐車場管制サーバ10は一定時間後に再びS10の処理を繰り返す。
【0108】
S11において、駐車場管制サーバ10は、車両情報取得部11により入場車両が自動運転車両2であるか否かを判定する(自動運転車両判定ステップ)。車両情報取得部11は、例えば入場車両からの駐車場管制サーバ10に対する通信情報に基づいて、自動運転車両2であるか否かを判定する。駐車場管制サーバ10は、入場車両が自動運転車両2であると判定されなかった場合(S11:NO)、S13に移行する。駐車場管制サーバ10は、入場車両が自動運転車両2であると判定された場合(S11:YES)、S12に移行する。S12において、駐車場管制サーバ10は、入場車両を自動運転車両2として認識する(自動運転車両認識ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は今回の車両判別処理を終了する。
【0109】
S13において、駐車場管制サーバ10は、通信可否判定部13により入場車両が駐車場管制サーバ10と通信可能であるか否かを判定する(通信可否判定ステップ)。駐車場管制サーバ10は、入場車両が駐車場管制サーバ10と通信可能であると判定された場合(S13:YES)、S14に移行する。駐車場管制サーバ10は、入場車両が駐車場管制サーバ10と通信可能であると判定されなかった場合(S13:NO)、S15に移行する。
【0110】
S14において、駐車場管制サーバ10は、通信可否判定部13により入場車両をサーバ通信可能車両30として認識する(サーバ通信可能車両認識ステップ)。S15において、駐車場管制サーバ10は、通信可否判定部13により入場車両をサーバ通信不能車両31として認識する(サーバ通信不能車両認識ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は今回の車両判別処理を終了する。
【0111】
図11(a)は、第一通知対象車両通知処理の一例を示すフローチャートである。第一通知対象車両通知処理は、例えば自動バレーパーキングを行っている駐車場内(又は駐車場の設定エリア内)にサーバ通信可能車両30が存在する場合に実行される。
【0112】
図11(a)に示すように、駐車場管制サーバ10は、S20として、車両情報取得部11により車両情報を取得する(車両情報取得ステップ)。車両情報には、サーバ通信可能車両30の位置情報及び自動運転車両2の位置情報が含まれる。
【0113】
S21において、駐車場管制サーバ10は、通知対象車両検出部14によりサーバ通信可能車両30に対する通知対象となる自動運転車両2である第一通知対象車両を検出する(第一通知対象車両検出ステップ)。通知対象車両検出部14は、例えば駐車場に予め設定された設定エリア内において、サーバ通信可能車両30と同じ設定エリア内に自動運転車両2が存在する場合、当該自動運転車両2を第一通知対象車両として検出する。
【0114】
駐車場管制サーバ10は、第一通知対象車両を検出した場合(S21:YES)、S22に移行する。駐車場管制サーバ10は、第一通知対象車両を検出しなかった場合(S21:NO)、今回の第一通知対象車両通知処理を終了する。
【0115】
S22において、駐車場管制サーバ10は、通知部15によりサーバ通信可能車両30に対して第一通知対象車両の存在を通知する(通知ステップ)。通知部15は、駐車場管制サーバ10と通信可能なサーバ通信可能車両30に対して無線通信により、第一通知対象車両の存在を通知する。その後、駐車場管制サーバ10は今回の第一通知対象車両通知処理を終了する。
【0116】
図11(b)は、車々間通信接続処理の一例を示すフローチャートである。車々間通信接続処理は、例えば自動バレーパーキングを行っている駐車場内(又は駐車場の設定エリア内)にサーバ通信不能車両31が存在する場合に実行される。
【0117】
図11(b)に示すように、駐車場管制サーバ10は、S31として、車両情報取得部11により車両情報を取得する(車両情報取得ステップ)。車両情報には、サーバ通信不能車両31の位置情報及び自動運転車両2の位置情報が含まれる。
【0118】
S32において、駐車場管制サーバ10は、通知対象車両検出部14によりサーバ通信不能車両31に対する通知対象となる自動運転車両2である第二通知対象車両を検出する(第二通知対象車両検出ステップ)。通知対象車両検出部14は、例えばサーバ通信不能車両31の一定距離内に位置する自動運転車両2を第二通知対象車両として検出する。
【0119】
駐車場管制サーバ10は、第二通知対象車両を検出した場合(S31:YES)、S32に移行する。駐車場管制サーバ10は、第二通知対象車両を検出しなかった場合(S31:NO)、今回の車々間通信接続処理を終了する。
【0120】
S32において、駐車場管制サーバ10は、通知対象車両検出部14によりサーバ通信不能車両31と第二通知対象車両との車々間通信が可能であるか否かを判定する。駐車場管制サーバ10は、車々間通信が可能であると判定した場合(S32:YES)、S33に移行する。駐車場管制サーバ10は、車々間通信が可能であると判定しなかった場合(S32:NO)、今回の車々間通信接続処理を終了する。
【0121】
S33において、駐車場管制サーバ10は、通知対象車両検出部14により第二通知対象車両とサーバ通信不能車両31との車々間通信を接続させる。S34において、駐車場管制サーバ10は、通知部15により第二通知対象車両に対して接近通知予約を指示する。その後、駐車場管制サーバ10は、今回の車々間通信接続処理を終了する。
【0122】
以上説明した本実施形態に係る自動駐車システム1(及び自動駐車システム1の制御方法)によれば、一般車両3のうち駐車場管制サーバ10と通信可能なサーバ通信可能車両30に対して通知対象となる自動運転車両2である第一通知対象車両の存在を通知することができるので、サーバ通信可能車両30が自動運転車両2を手動運転の一般車両3と誤認することを抑制することができる。サーバ通信可能車両30の運転者は、自動運転車両2の存在を把握した場合には、自動運転車両2を一般車両3と誤認している場合と比べて過剰な接近を避けるなど適切な走行を行うことができる。
【0123】
また、自動駐車システム1によれば、通知対象となる自動運転車両2である第二通知対象車両をサーバ通信不能車両31に対して車々間通信接続させることで、サーバ通信不能車両31が自動運転車両を手動運転の一般車両3と誤認することを抑制することができる。サーバ通信不能車両31の運転者は、自動運転車両2の存在を把握した場合には、自動運転車両2を一般車両3と誤認している場合と比べて過剰な接近を避けるなど適切な走行を行うことができる。
【0124】
更に、自動駐車システム1によれば、サーバ通信不能車両31と車々間通信を接続した第二通知対象車両に対して、サーバ通信不能車両31に接近したときに通知させる接近通知予約を指示するので、サーバ通信不能車両31に対して自動運転車両2である第二通知対象車両の接近を通知することができる。
【0125】
また、自動駐車システム1によれば、一般車両3が自動運転車両2の後方から接近している場合、又は、一般車両3が自動運転車両2の前方を横切るように走行している場合に、一般車両3が通り過ぎるまで自動運転車両2を停車させるので、一般車両3と自動運転車両2との過剰な接近を抑制することができる。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0127】
通知対象車両検出部14は、必ずしもサーバ通信不能車両31に対する第二通知対象車両を検出する必要はない。
【0128】
通知部15は、必ずしも接近通知予約を行う必要はない。この場合、自動運転車両2は通知条件判定部47を有する必要もない。
【0129】
駐車場管制サーバ10は、必ずしも停車指示部16を有する必要はない。自動バレーパーキング実行中の自動運転車両2は、一般車両3を先に通過させることは必須ではない。
【符号の説明】
【0130】
1…自動駐車システム、2…自動運転車両、3…一般車両、10…駐車場管制サーバ、11…車両情報取得部、13…通信可否判定部、14…通知対象車両検出部、15…通知部、16…停車指示部、30…サーバ通信可能車両、31…サーバ通信不能車両。
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