(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
(21)【出願番号】P 2021054166
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神宮 善行
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-008111(JP,A)
【文献】特開平10-312213(JP,A)
【文献】特開2016-012240(JP,A)
【文献】特開2020-047016(JP,A)
【文献】特開2021-018753(JP,A)
【文献】特開2014-203432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する取得部と、
前記複数種類の測定データが入力されることに応じて、前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記取得部が取得した測定データを供給する供給部と、
前記複数種類の測定データのうち、前記状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部と、
前記モデルから出力される前記状態指標値、および、前記表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部と、
前記状態指標値の推移に基づいて、前記対象の状態が不良となる予兆を検出する検出部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記検出部により予兆が検出されたことをさらに表示させ、
前記検出部は、前記状態指標値または前記状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値との比較結果、および、直近の期間における前記状態指標値の分散と、基準分散との比較結果の論理積または論理和をとって前記予兆を検出する、装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記対象の状態が良好な場合での各表示対象データの測定値の代表値を、前記表示対象データの測定値と共に表示させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示対象データごとに、その代表値と、直近の測定値とをグラフとして表示させる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記代表値からの基準乖離度を示す目盛りを前記グラフ内に表示させる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記複数種類の測定データのうち、前記状態指標値に与える影響の度合いが
大きい順に基準個数の測定データを前記表示対象データとして設定する、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記複数種類の測定データのうち、前記状態指標値に与える影響の度合いが、予め設定された基準度合いよりも大きい測定データを前記表示対象データとして設定する、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記複数種類の測定データのうち、前記対象の状態が良好な場合での測定値の代表値と、直近の測定値とのずれ量が
大きい順に基準個数の測定データを前記表示対象データとして設定する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
オペレータによる指定の時点で測定された各測定データに対し、前記対象の状態の良否を示すラベルを付加するラベル付加部を備える、請求項1から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記モデルは、前記対象の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない前記状態指標値を出力する、請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記対象は、設備である、請求項1から
9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
対象の状態を示す複数種類の測定データが入力されることに応じてモデルから出力される、前記対象の状態の良否を示す状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定段階と、
前記複数種類の測定データを取得する取得段階と、
前記モデルに対し、前記取得段階で取得した測定データを供給する供給段階と、
前記モデルから出力される前記状態指標値、および、前記表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御段階と、
前記状態指標値の推移に基づいて、前記対象の状態が不良となる予兆を検出する検出段階と、
を備え
、
前記表示制御段階では、前記検出段階により予兆が検出されたことをさらに表示させ、
前記検出段階では、前記状態指標値または前記状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値との比較結果、および、直近の期間における前記状態指標値の分散と、基準分散との比較結果の論理積または論理和をとって前記予兆を検出する方法。
【請求項12】
コンピュータを、
対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する取得部と、
前記複数種類の測定データが入力されることに応じて、前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、前記取得部が取得した測定データを供給する供給部と、
前記複数種類の測定データのうち、前記状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部と、
前記モデルから出力される前記状態指標値、および、前記表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部
と、
前記状態指標値の推移に基づいて、前記対象の状態が不良となる予兆を検出する検出部
として機能させ
、
前記表示制御部は、前記検出部により予兆が検出されたことをさらに表示させ、
前記検出部は、前記状態指標値または前記状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値との比較結果、および、直近の期間における前記状態指標値の分散と、基準分散との比較結果の論理積または論理和をとって前記予兆を検出するプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
対象の状態を示す複数種類の測定データが入力されることに応じて、前記対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルの前記状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部と、
前記モデルから出力される前記状態指標値、および、前記表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部
と、
前記状態指標値の推移に基づいて、前記対象の状態が不良となる予兆を検出する検出部
として機能させ
、
前記表示制御部は、前記検出部により予兆が検出されたことをさらに表示させ、
前記検出部は、前記状態指標値または前記状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値との比較結果、および、直近の期間における前記状態指標値の分散と、基準分散との比較結果の論理積または論理和をとって前記予兆を検出するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「出力部12cは、収集部12aによって収集されたセンサデータを入力として、各モデルを用いて各検知対象機器20の異常度合いをそれぞれ出力する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第6453504号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する取得部を備えてよい。装置は、複数種類の測定データが入力されることに応じて、対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、取得部が取得した測定データを供給する供給部を備えてよい。装置は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部を備えてよい。装置は、モデルから出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部を備えてよい。
【0004】
表示制御部は、対象の状態が良好な場合での各表示対象データの測定値の代表値を、表示対象データの測定値と共に表示させてよい。
【0005】
表示制御部は、表示対象データごとに、その代表値と、直近の測定値とをグラフとして表示させてよい。
【0006】
表示制御部は、代表値からの基準乖離度を示す目盛りをグラフ内に表示させてよい。
【0007】
設定部は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数の測定データを表示対象データとして設定してよい。
【0008】
設定部は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響の度合いが、予め設定された基準度合いよりも大きい測定データを表示対象データとして設定してよい。
【0009】
設定部は、複数種類の測定データのうち、対象の状態が良好な場合での測定値の代表値と、直近の測定値とのずれ量が最も大きい基準数の測定データを表示対象データとして設定してよい。
【0010】
オペレータにより指定される時点で測定された各測定データに対し、対象の状態の良否を示すラベルを付加するラベル付加部を備えてよい。
【0011】
モデルは、対象の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない状態指標値を出力してよい。
【0012】
装置は、状態指標値の推移に基づいて、対象の状態が不良となる予兆を検出する検出部を備えてよい。表示制御部は、検出部により予兆が検出されたことをさらに表示させてよい。
【0013】
検出部は、状態指標値と、予め設定された閾値とを比較して予兆を検出してよい。
【0014】
検出部は、状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値とを比較して予兆を検出してよい。
【0015】
検出部は、直近の期間における状態指標値の分散と、基準分散とを比較して予兆を検出してよい。
【0016】
装置は、各測定データの種類に対し、当該測定データの測定値を改善するための操作を対応付けて記憶する記憶部を備えてよい。装置は、状態指標値により対象の状態が基準よりも不良であることが示される場合に、不良の要因となった測定データの種類を特定すると共に、記憶部において当該測定データの種類に対応付けられた操作を特定する特定部を備えてよい。表示制御部は、特定部により特定された操作をさらに表示させてよい。
【0017】
対象は、設備であってよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、方法が提供される。方法は、対象の状態を示す複数種類の測定データが入力されることに応じてモデルから出力される、対象の状態の良否を示す状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定段階を備えてよい。方法は、複数種類の測定データを取得する取得段階を備えてよい。方法は、モデルに対し、取得段階で取得した測定データを供給する供給段階を備えてよい。方法は、モデルから出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御段階を備えてよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、対象の状態を示す複数種類の測定データを取得する取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、複数種類の測定データが入力されることに応じて、対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルに対し、取得部が取得した測定データを供給する供給部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、モデルから出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部として機能させてよい。
【0020】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、対象の状態を示す複数種類の測定データが入力されることに応じて、対象の状態の良否を示す状態指標値を出力するモデルの状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する設定部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、モデルから出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を併せて表示させる表示制御部として機能させてよい。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図7】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
[1.システム1の構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、対象の状態監視を支援するものであり、対象の一例としての設備2と、装置4とを備える。
【0025】
[1.1.設備2]
設備2には、1または複数のセンサ20が設けられる。例えば設備2は、複数の機器21が設けられたプラントでもよいし、複数の機器21を複合させた複合装置でもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0026】
[1.1-1.機器21]
各機器21は、器具、機械または装置であり、例えば、設備2のプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を制御するバルブ、ポンプ、ヒータ、ファン、モータ、スイッチ等のアクチュエータであってよい。各機器21は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上の機器21が同種でもよい。本実施形態では一例として、機器21は外部から有線または無線で制御されるが、手動で制御されてもよい。
【0027】
[1.1-2.センサ20]
各センサ20は、設備2の状態の測定を行う。センサ20は、圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を測定してよい。また、センサ20は、設備2の収量や、混入する不純物の割合、各機器21の運転状況などの測定を行ってもよい。各センサ20は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のセンサ20が同種でもよい。一例として、複数のセンサ20は、設備2内の炉における別々の位置に設けられた温度センサであってよい。各センサ20は、測定データを装置4に供給してよい。
【0028】
なお、センサ20と、装置4との間の通信は、例えばISA(International Society of Automation:国際計測制御学会)の無線通信プロトコルで行われてよく、一例としてISA100、HART(Highway Addressable Remote Transducer)(登録商標)、BRAIN(登録商標)、FOUNDATION Fieldbus、PROFIBUS等で行われてよい。
【0029】
[1.2.装置4]
装置4は、学習済みのモデル431を用いて設備2の監視を支援する。装置4は、取得部401と、供給部402と、記憶部403と、入力部404と、ラベル付加部405と、設定部406と、予兆検出部407と、特定部408と、表示制御部409と、表示部410とを有する。
【0030】
[1.2-1.取得部401]
取得部401は、設備2の状態を示す複数種類の測定データを取得する。取得部401は、各センサ20から各種類の測定データを逐次取得してよい。なお、測定データの種類は、本実施形態では一例としてセンサ20毎に異なってよいが、対象とする物理量によって異なってもよい。取得部401は、取得した測定データを供給部41に供給してよい。
【0031】
[1.2-2.供給部402]
供給部402は、モデル431に対し、取得部401が取得した測定データを供給する。本実施形態では一例として、モデル431は後述の記憶部403に記憶されており、供給部402は記憶部403内のモデル431に対して測定データを供給してよい。
【0032】
また、供給部402は、記憶部403に測定データを記憶させてよい。供給部402は、測定データに測定時間と、測定したセンサ20の識別情報とを付加して記憶部43に記録してよい。測定データの測定時間は、当該測定データが測定された時間であってよく、設備2において実行される処理の開始時間からの経過時間を示してよい。測定データの測定時間は、取得部401による測定データの取得時間であってもよい。なお、測定時間およびセンサ20の識別情報は、センサ20から供給される測定データに予め付加されていてもよい。
【0033】
[1.2-3.記憶部403]
記憶部403は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部43は、測定データファイル430と、学習済みのモデル431と、対応テーブル432とを記憶してよい。
【0034】
[1.2-3-2.測定データファイル430]
測定データファイル430は、供給部402から供給される測定データを格納する。
【0035】
[1.2-3-1.モデル431]
モデル431は、複数種類の測定データが入力されることに応じて、設備2の状態の良否を示す状態指標値を出力する。モデル431は、対象の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない状態指標値(ヘルスインデックスとも称する)を出力してよい。例えば、モデル431は、設備2の状態が良であることを示す値、および設備2の状態が不良であることを示す値の2値を用いて学習したものであってよく、閾値との比較による2値化前の状態指標値を出力してよい。本実施形態では一例として、設備2の状態が良好である場合(または良好に近い場合)には状態指標値は正の値であってよく、設備2の状態が不良である場合(または不良に近い場合)には状態指標値は負の値であってよい。モデル431は、例えばサポートベクトルマシンであってよいが、ロジスティック回帰や決定木、ニューラルネットワークなどの他のアルゴリズムによる学習済みのモデルであってもよい。
【0036】
[1.2-3-3.対応テーブル432]
対応テーブル432は、センサ20によって測定される各測定データの種類に対し、当該測定データの測定値を改善するための操作(改善操作とも称する)を対応付けて記憶する。改善操作は、設備2における何れかの機器21の操作であってよく、改善対象の測定値に直接的に関係する機器21の操作であってもよいし、直接的には関係しない機器21の操作であってもよい。一例として、温度の測定データの測定値が高すぎる場合に、当該測定値を改善するための改善操作は、測定位置付近のヒータの出力を下げる操作であってもよいし、測定位置の近傍を流れる流体の流量を調整するバルブの開度を変更する操作であってもよいし、当該流量を測定する流量計のセットポイントを変更する操作であってもよい。対応テーブル432の内容は試行錯誤を通じて予め設定されてよい。
【0037】
[1.2-4.入力部404]
入力部404は、オペレータからの操作入力を受ける。本実施形態では一例として入力部404は、測定データが表示されている場合に、測定データに対して設備2の状態の良否を示すラベルを付加する旨の操作を受けてよい。入力部404は、操作が行われた旨の信号をラベル付加部405に供給してよい。
【0038】
[1.2-5.ラベル付加部405]
ラベル付加部405は、オペレータの操作に応じて、各測定データに対し、設備2の状態の良否を示すラベルを付加する。ラベル付加部405は、記憶部403内の該当の測定データに対し、良好な状態または不良な状態であったことを示すラベルを付加してよい。
【0039】
[1.2-6.設定部406]
設定部406は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響が基準よりも大きい少なくとも1つの測定データを表示対象データとして設定する。表示対象データは、設備2の監視において重要なデータとなり得る。
【0040】
設定部406は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数(本実施形態では一例として上位5つ)の測定データを表示対象データとして設定してよい。この場合には、設定部406は、各測定データの影響度合いのうち、基準数+1の順に大きい影響度合いを基準度合いとしてよい。状態指標値に対する各種類の測定データの影響度合いは、例えばPermutation ImportanceやLIMEなど、従来より公知の手法によって算出されてよい。設定部406は、記憶部403内の各種類の設定データのうち、表示対象データの測定データに対し、表示対象データであることを示すタグを付加してよい。
【0041】
設定部406は、各種類の測定データについて、状態指標値に対する影響度合いを算出して、表示対象データを設定してよい。これに代えて、設定部406は、入力部404を介してオペレータから指定された測定データを表示対象データとして設定してもよい。
【0042】
[1.2-7.予兆検出部407]
予兆検出部407は、検出部の一例であり、状態指標値の推移に基づいて、設備2の状態が不良となる予兆を検出する。例えば、予兆検出部407は、直近の期間における状態指標値の分散と基準分散とを比較して予兆を検出してよい。本実施形態では一例として、予兆検出部407は、直近の基準期間内における分散が基準分散より大きくなったことに応じて、予兆がある旨の検出を行ってよい。基準期間および基準分散は任意に設定されてよい。予兆検出部407は、予兆の検出結果を特定部408および表示制御部409に供給してよい。
【0043】
[1.2-8.特定部408]
特定部408は、状態指標値により設備2の状態が基準よりも不良であることが示される場合に、状態不良の要因となった測定データ(要因データとも称する)の種類を特定する。本実施形態では一例として、特定部408は、予兆検出部407により状態不良の予兆が検出されるか否かを、要因データを特定するための基準として用いてよく、予兆が検出される場合に要因データを特定してよい。
【0044】
特定部408は、設備2の状態が良好な場合での各測定データの代表値(一例として平均値や中央値、最頻値)からのずれ量がもっとも大きい測定データを要因データとして特定してよい。なお、本実施形態では一例として、代表値は特定部408によって算出されるが、固定値として予め記憶部403に記憶されてもよい。
【0045】
また、特定部408は、要因データの測定値を改善する改善操作をさらに特定してよい。特定部408は、対応テーブル432において要因データの種類に対応付けられた改善操作を特定してよい。特定部は、各表示対象データの代表値と、改善操作の内容とを表示制御部409に供給してよい。
【0046】
[1.2-9.表示制御部409]
表示制御部409は、表示部410を制御する。表示制御部409は、モデル431から出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を併せて表示させてよい。状態指標値および測定値を併せて表示させるとは、一緒に表示させることであってよい。一例として、表示制御部409は、状態指標値および測定値を表示部410の同一画面に表示させてもよいし、別々の画面に表示させてもよい。
【0047】
表示制御部409は、一時点の状態指標値(一例として最新の状態指標値)を表示させてもよいし、複数の時点の状態指標値を表示させてもよい。表示制御部409は、複数の時点の状態指標値を表示させる場合には、直近の複数の時点でモデル431から出力された状態指標値の推移を表示させてよい。
【0048】
また、表示制御部409は、各種類の表示対象データについて測定値を1つのみ表示させてもよいし、複数表示させてもよい。表示制御部409は、一の種類の表示対象データについて測定値を1つのみ表示させる場合には、一時点で測定された測定値(一例として最新の測定値)を表示させてもよいし、複数の時点で測定された測定値の移動平均値(一例として直近の期間の移動平均値)を表示させてもよい。表示制御部409は、一の種類の表示対象データについて測定値を複数表示させる場合には、直近の複数の時点で測定された測定値の推移を表示させてよい。
【0049】
表示制御部409は、設備2の状態が良好な場合での各表示対象データの測定値の代表値を、表示対象データの測定値と共に表示させてよい。表示制御部409は、表示対処データの種類ごとに、測定値と代表値とを対応付けて表示させてよい。
【0050】
表示制御部409は、設備2の状態が不良となる予兆が予兆検出部407により検出されたことをさらに表示させてよい。例えば、表示制御部409は、予兆が検出されたことを示すメッセージを表示させてよい。
【0051】
表示制御部409は、状態不良の要因となった要因データを改善するための改善操作をさらに表示させてよい。本実施形態では一例として、表示制御部409は、特定部408により特定された改善操作の内容を表示させてよい。
【0052】
[1.2-10.表示部410]
表示部410は、表示制御部409からの制御によって表示を行う。なお、本実施形態においては一例として、表示部410は装置4に具備されているが、装置4に外部接続されてもよい。
【0053】
以上のシステム1における装置4によれば、測定データが入力されることに応じて設備2の状態指標値がモデル431から出力されて、当該状態指標値と、状態指標値に与える影響が大きい表示対象データの測定値とが併せて表示される。従って、設備2の状態と、状態に対する重要な測定値とをまとめて確認することができる。
【0054】
また、設備2の状態が良好な場合での各表示対象データの測定値の代表値が表示対象データの測定値と共に表示されるので、表示対象データの測定値が代表値からどの程度ずれているかを即座に把握することができる。
【0055】
また、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数の測定データが表示対象データとして設定されるので、オペレータによって把握可能な測定データの数を予め基準数として設定しておくことにより、状態が不良の場合に、その原因の測定データを確実に特定することができる。
【0056】
また、モデル431は、設備2の状態が良好であることを示す値と、不良であることを示す値とで2値化されていない状態指標値を出力するので、状態がどの程度、良好または不良であるのかを把握することができる。
【0057】
また、各測定データ(一例として表示対象データ)の種類に対し、当該測定データの測定値を改善するための操作が対応付けて記憶され、設備2の状態が不良であることを示す状態指標値が表示される場合には、状態不良の要因となった測定データの種類に対応付けられた操作が表示される。従って、状態を改善する操作を即座に把握して実行することができる。
【0058】
また、状態指標値の推移に基づいて、設備2の状態が不良となる予兆が検出されて表示されるので、状態が不良となることを予め把握することができる。
【0059】
また、直近の期間における状態指標値の分散が基準分散より大きくなったことに応じて予兆が検出されるので、状態指標値が変動してばらつくことに応じて予兆を検出することができる。
【0060】
[2.動作]
図2は、装置4の動作を示す。装置4は、ステップS11~S33の処理により設備2の監視を支援する。なお、この動作は設備2が起動されることに応じて開始してよい。また、動作の開始時点においては記憶部403にモデル431が記憶されていてよい。また、設備2で測定される複数種類の測定データのうち、状態指標値に対する影響が基準よりも大きい少なくとも1つ(本実施形態では一例として5つ)の測定データが表示対象データとして予め設定されてよい。
【0061】
ステップS11において取得部401は、設備2の状態を示す複数種類の測定データを取得する。
【0062】
ステップS13において供給部402は、取得された測定データをモデル431に供給する。また、供給部402は、測定データを記憶部403に記憶させる。
【0063】
ステップS15において、特定部408は、設備2の状態が良好な場合での各測定データの代表値(一例として平均値や中央値、最頻値)を算出する。特定部408は、記憶部403に記憶された測定データのうち、設備2の状態が良好であったことを示すラベルが付加された測定データから、代表値を算出してよい。
【0064】
ステップS17において、モデル431は、供給された複数種類の測定データに応じた状態指標値を表示制御部409および予兆検出部407に出力する。本実施形態では一例としてモデル431は、2値化されていない状態指標値を出力してよい。また、モデル431は、一の時点で測定された複数種類の測定データに応じた状態指標値を出力してよいが、複数の時点で測定された複数種類の時系列の測定データに応じた状態指標値を出力してもよい。
【0065】
ステップS19において装置4の予兆検出部407は、状態指標値の推移に基づいて、設備2の状態が不良となる予兆の検出を試み、予兆が検出されたか否かを判定する。予兆が検出されたと判定された場合(ステップS19;Yes)にはステップS31に処理が移行してよい。予兆が検出されないと判定された場合(ステップS19;No)にはステップS23に処理が移行してよい。
【0066】
ステップS23において表示制御部409は、モデル431から出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を表示部410に併せて表示させる。表示制御部409は、記憶部403に記憶されている各種の測定データのうち、設定部406により予め表示対象に設定された表示対象データを読み出して表示させてよい。
【0067】
また、表示制御部409は、設備2の状態が良好な場合での各表示対象データの測定値の代表値を表示対象データの測定値と共に表示させる。また、表示制御部409は、表示対象データごとに、その代表値と、直近の測定値とをグラフとして表示させてよい。グラフは、棒グラフであってもよいし、レーダーチャートであってもよい。表示制御部409は、代表値からの基準乖離度を示す目盛りをグラフ内に表示させてよい。基準乖離度は、測定データの測定値の分布を正規分布とみなした場合の1σや2σ、3σであってよい。σは測定値の標準偏差であってよい。
【0068】
ステップS25において、ラベル付加部405は、オペレータによる指定の時点で測定された各測定データに対しラベルを付加する。指定時点は、現時点であってもよいし、表示されている表示対象データや状態指標値に対応する測定データの測定時点であってもよい。また、指定時点は、一時点であってもよいし、連続または非連続の複数の時点であってもよい。
【0069】
例えば、表示中の何れかの表示対象データや状態指標値が入力部404を介してオペレータにより指定された場合には、ラベル付加部405は、指定対象の表示対象データの測定時間、または、指定対象の状態指標値に対応する表示対象データの測定時間を指定時点として特定してよい。ラベル付加部405は、特定した測定時間で測定された記憶部403内の各測定データ(一例として、表示対象データとして設定された測定データ、および、表示対象データとしては設定されていない測定データ)に対してラベルを付加してよい。
【0070】
ラベル付加部405は、状態が良好である旨の操作が入力部404に対して行われることに応じて、その旨のラベルを測定データに付加してよい。同様に、ラベル付加部405は、状態が不良である旨の操作が入力部404に対して行われることに応じて、その旨のラベルを測定データに付加してよい。ステップS25の処理が終了したら、ステップS11に処理が移行してよい。
【0071】
ステップS31において、特定部408は、状態不良の要因となった要因データを特定し、要因データの測定値を改善する改善操作をさらに特定する。特定部408は、記憶部403内で測定データに付加された表示対象データのタグに基づいて、複数の表示対象データの中で要因データを特定してよい。
【0072】
ステップS33において表示制御部409は、ステップS23の処理と同様にして、モデル431から出力される状態指標値、および、表示対象データの測定値を表示部410に併せて表示させる。
【0073】
但し、ステップS33の処理においては、表示制御部409は、状態不良の予兆が検出されたことを示すメッセージをさらに表示させてよい。また、表示制御部409は、複数の表示対象データを状態指標値と共に表示させる代わりに、複数の表示対象データのうち、状態不良の要因となった要因データのみを状態指標値と共に表示させてもよい。また、表示制御部409は、要因データを改善するための改善操作をさらに表示させてよい。ステップS33の処理が終了したら、ステップS25に処理が移行してよい。
【0074】
以上の動作によれば、表示対象データごとに、その代表値と、直近の測定値とがグラフとして表示されるので、表示対象データの直近の測定値が代表値からどの程度ずれているかを容易に把握することができる。
【0075】
また、代表値からの基準乖離度を示す目盛りがグラフ内に表示されるので、表示対象データの直近の測定値が代表値からどの程度ずれているかをいっそう容易に把握することができる。
【0076】
また、対象の状態の良否を示すラベルが測定データに付加されるので、ラベルの付加された測定データを用いてモデル431の学習を実行することができる。また、オペレータによる指定の時点で測定された各測定データにラベルが付加されるので、ラベルの付加を容易に行うことができる。
【0077】
[3.動作例]
図3は、状態指標値の推移を示す。図中、横軸は時間を示し、縦軸は状態指標値を示す。この図に示すように、状態指標値の分散が大きくなることに応じて状態不良の予兆があると検出されることにより、状態が不良となることを予め把握することができる。
【0078】
図4は、表示画面の例を示す。表示部410の表示画面には、状態指標値の推移と、複数の表示対象データとが表示されてよい。本図では一例として、表示画面の左側に状態指標値、つまりヘルスインデックスの推移が表示され、表示画面の右側に「A」~「E」の表示対象データのそれぞれの直近の測定値と、代表値とが棒グラフとして上下に並べて表示される。
【0079】
また、表示画面には、状態指標値の表示対象期間を選択するためのプルダウンメニューPが表示されてよい。プルダウンメニューPの選択によって任意の期間が選択されると、その期間での状態指標値と、その期間の終了時点での表示対象データとが表示されてよい。なお、本図では一例として、プルダウンメニューPにおいて直近の期間を意味する「Last」が選択されており、直近の期間の状態指標値と、直近の時点での表示対象データとが表示されている。
【0080】
また、表示画面には、測定データに付加されるラベルの種類を選択するための良否ボタンBが表示されてよい。良否ボタンBは「OK」のボタンと「NG」のボタンとを有してよく、「OK」,「NG」のボタンが操作されると、最新の各測定データに対し、設備2の状態が良好,不良であったことを示すラベルが付加されてよい。
【0081】
また、表示画面には、オペレータの操作に応じて、表示対象期間内の任意の期間を指定するための枠線Wが表示されてよい。枠線Wは、複数の時点での状態指標値や表示対象データの推移のうちの少なくとも一部を範囲指定してよい。枠線Wで指定された期間内に測定された各測定データには、良否ボタンBの操作に応じてラベル付加部405によりラベルが付加されてよい。
【0082】
図5は、表示対象データの他の表示例を示す。表示対象データのグラフには、代表値からの基準乖離度を示す目盛りが表示されてよい。本図では一例として平均値からσ、2σだけ離れた区間を示す目盛りが表示されている。
【0083】
図6は、表示対象データの他の表示例を示す。表示対象データの代表値と直近の測定値とは、レーダーチャートのグラフとして表示されてもよい。
【0084】
[4.変形例]
なお、上記の実施形態では、装置4は、記憶部403と、入力部404と、ラベル付加部405と、予兆検出部407と、特定部408と、表示部410とを有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、装置4は、記憶部403を有しない場合には、記憶部403と同様の内容を記憶する記憶装置と外部接続されてもよい。
【0085】
また、状態不良の予兆が検出される場合に特定部408が改善操作を特定することとして説明したが、状態指標値が閾値よりも低い場合に改善操作を特定してもよい。
【0086】
また、予兆検出部407は状態指標値の分散と基準分散とを比較して予兆を検出することとして説明したが、これに加えて、または、これに代えて、状態指標値と、予め設定された閾値とを比較して予兆を検出してもよい。状態指標値の分散および基準分散の比較と、状態指標値および閾値の比較とによって予兆を検出する場合には、2つの比較結果の論理和をとって予兆を検出してもよいし、論理積をとって予兆を検出してもよい。状態指標値と閾値とを比較する場合には、予兆検出部407は、状態指標値の移動平均と、予め設定された閾値とを比較して予兆を検出してもよい。状態指標値の移動平均は、基準期間内にモデル431から出力された状態指標値の移動平均であってよく、一例として直近の基準期間内に出力された状態指標値の移動平均であってよい。状態指標値の移動平均と閾値とを比較して予兆が検出される場合には、状態指標値が閾値付近で変動することに応じて予兆の検出が不安定になってしまうのを防止することができる。ここで、閾値は、設備2が良好な状態であることを示す状態指標値と、設備2が不良な状態であることを示す状態指標値との境界値に基づいて設定されてよい。一例として、設備2が良好な状態であることを示す状態指標値が正の値であり、設備2が不良な状態であることを示す状態指標値が負の値であり、境界値がゼロである場合には、閾値はゼロに基準マージンを加えた正の値であってよい。
【0087】
また、設定部406は、状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数(一例として5つ)の測定データを表示対象データとして設定することとして説明したが、オペレータにより選択された任意の測定データを表示対象データとして設定してもよい。また、設定部406は、複数種類の測定データのうち、状態指標値に与える影響の度合いが基準度合いよりも大きい測定データを表示対象データとして設定してもよいし、さらに、設備2の状態が良好な場合での測定値の代表値と、直近の測定値とのずれ量が最も大きい基準数の測定データを表示対象データとして設定してもよい。状態指標値に与える影響の度合いが基準影響度よりも大きい測定データが表示対象データとして設定される場合には、影響度合いの小さい測定データが表示されてしまうのを防止することができるため、状態が不良の場合に、その原因の測定データを確実に特定することができる。ずれ量が最も大きい基準数の測定データが表示対象データとして設定される場合には、表示対象データが基準数に絞り込まれるため、状態が不良の場合に、その原因の測定データを容易に特定することができる。なお、基準度合いは任意の度合いであってよく、オペレータ等により予め設定されてよい。
【0088】
また、測定データの代表値は、ステップS15の処理が行われる毎に特定部408によって算出されることとして説明したが、設備2の状態が良好であったときに測定された過去の測定データを元に予め算出されて記憶部403に記憶されてもよい。
【0089】
また、対象を設備2として説明したが、他の客体であってもよい。例えば、対象は、設備2で製造される製品であってもよいし、対象は備え付けられておらず移動可能な器物や装置であってもよいし、生体などの自然物であってもよいし、天候や地形などの自然環境であってもよいし、化学反応や生化学反応などの自然現象であってもよい。
【0090】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0091】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0092】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0093】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0094】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0095】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0096】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0097】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0098】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0099】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0100】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0101】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0102】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0103】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0104】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0105】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0106】
1 システム
2 設備
4 装置
20 センサ
21 機器
41 供給部
43 記憶部
401 取得部
402 供給部
403 記憶部
404 入力部
405 ラベル付加部
406 設定部
407 予兆検出部
408 特定部
409 表示制御部
410 表示部
430 測定データファイル
431 モデル
432 対応テーブル
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード