(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】連続式圧延機の蛇行制御装置
(51)【国際特許分類】
B21B 37/68 20060101AFI20230912BHJP
B21B 37/58 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B21B37/68 Z
B21B37/58 B
(21)【出願番号】P 2022555719
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2021012061
(87)【国際公開番号】W WO2022201327
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 聡
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-074207(JP,A)
【文献】特開2021-030282(JP,A)
【文献】特開2020-044554(JP,A)
【文献】特開平08-318304(JP,A)
【文献】特開平06-297017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圧延スタンドから第N圧延スタンドまでのN基の圧延スタンド(N≧2)を備える連続式圧延機の蛇行制御装置であって、
前記N基の圧延スタンドのうち少なくとも1つの前記圧延スタンドの出側に設けられ、前記N基の圧延スタンドすべてが被圧延材を圧延している定常圧延状態における前記被圧延材の蛇行量を検出する蛇行量検出装置と、
前記蛇行量から、前記連続式圧延機内の前記被圧延材全体の蛇行傾向を示す1つの共通蛇行情報を推定する共通蛇行情報推定部と、
前記蛇行量が小さくなるように、前記共通蛇行情報に基づいて前記第1圧延スタンドの第1圧下レベリング修正量から前記第N圧延スタンドの第N圧下レベリング修正量までの、相関を有する各圧下レベリング修正量を算出する圧下レベリング修正量演算部と、
前記定常圧延状態において、
前記圧下レベリング修正量演算部が算出した第i-1圧下レベリング修正量が適用された
第i-1圧延スタンドに圧延された前記被圧延材上の圧延箇所が、第i圧延スタンド(2≦i≦N)に到達するときに、
第i圧延スタンドに
前記圧下レベリング修正量演算部が算出した第i圧下レベリング修正量を適用する圧下レベリング制御部と、
を備えることを特徴とする連続式圧延機の蛇行制御装置。
【請求項2】
前記共通蛇行情報は、前記第N圧延スタンドに
前記圧下レベリング修正量演算部が算出した前記第N圧下レベリング修正量が適用された圧延制御が完了するまでは再計算されず、前記圧延制御が完了した後に再計算されること、
を特徴とする請求項1に記載の連続式圧延機の蛇行制御装置。
【請求項3】
前記共通蛇行情報は、前記連続式圧延機内における前記被圧延材の平均蛇行量であり、
前記圧下レベリング修正量演算部は、
前記平均蛇行量が小さくなるように前記第1圧下レベリング修正量を算出し、
前記第1圧延スタンドの出側および前記第i圧延スタンドの出側の板厚ウェッジ率変化量が同じになるように、
第2圧延スタンドの第2圧下レベリング修正量から前記第N圧下レベリング修正量までの各圧下レベリング修正量を算出し、
前記板厚ウェッジ率変化量は、
第j圧延スタンド(1≦j≦N)に前記圧下レベリング修正量演算部が算出した第j圧下レベリング修正量を適用しないで
前記第j圧延スタンドが前記被圧延材を圧延した場合の出側板厚ウェッジ率と、前記
第j圧延スタンドに前記圧下レベリング修正量演算部が算出した前記第j圧下レベリング修正量を適用して
前記第j圧延スタンドが前記被圧延材を圧延した場合の出側板厚ウェッジ率との差であること、
を特徴とする請求項1または2に記載の連続式圧延機の蛇行制御装置。
【請求項4】
前記共通蛇行情報は、前記連続式圧延機の中心線に対する前記被圧延材の中心線の傾きである蛇行角度であり、
前記圧下レベリング修正量演算部は、前記被圧延材の中心線が前記連続式圧延機の中心線と平行に近づくように、前記蛇行角度に基づいて前記第1圧下レベリング修正量から前記第N圧下レベリング修正量までの、相関を有する各圧下レベリング修正量を算出すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の連続式圧延機の蛇行制御装置。
【請求項5】
前記共通蛇行情報は、前記平均蛇行量、および前記連続式圧延機の中心線に対する前記被圧延材の中心線の傾きである蛇行角度を含み、
前記圧下レベリング修正量演算部は、
前記被圧延材の中心線が前記連続式圧延機の中心線と平行に近づくように、前記蛇行角度に基づいて前記N基の圧延スタンドすべてについて、相関を有する前記第j圧延スタンド(1≦j≦N)の圧下レベリング修正量である第j蛇行角度修正量を算出し、
前記第j圧下レベリング修正量に前記第j蛇行角度修正量を加算した新たな第j圧下レベリング修正量を算出し、
前記圧下レベリング制御部は、前記定常圧延状態において、前記
圧下レベリング修正量演算部が算出した新たな
第i-1圧下レベリング修正量が適用された前記
第i-1圧延スタンドに圧延された前記被圧延材上の圧延箇所が、
前記第i圧延スタンド(2≦i≦N)に到達するときに、前記第i圧延スタンドに前記
圧下レベリング修正量演算部が算出した新たな第i圧下レベリング修正量を適用すること、
を特徴とする請求項3に記載の連続式圧延機の蛇行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続式圧延機の蛇行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間仕上圧延機など、複数の圧延スタンドから構成される連続式圧延機が知られている。連続式圧延機で被圧延材を圧延する場合に、被圧延材の幅方向中心位置が圧延ロールの幅方向中心位置からずれ、作業側と駆動側の何れかの方向に移動する現象を“蛇行”という。以下の説明では、多くの場合、作業側(ワ-クサイド:WS)、駆動側(ドライブサイド:DS)のことを“左,右”という表現で簡易表現する。また、本明細書において、被圧延材の幅方向中心点を結ぶ被圧延材の長手方向の線を「被圧延材の中心線」と称する。連続式圧延機の各圧延スタンドの圧延ロールの幅方向中心点を結ぶ線を「連続式圧延機の中心線」と称する。
【0003】
蛇行は、被圧延材の尾端部でも定常部でも発生しうる。
被圧延材の尾端部で発生する蛇行は、被圧延材の尾端が上流側の圧延スタンドを抜け、後方張力による拘束が無くなると、圧延で生じた左右の伸びの差が下流側の圧延スタンド入側での被圧延材の曲がりとなって現れる。この湾曲した被圧延材が下流側の圧延スタンドに進入してくると、圧延ロール直下の被圧延材位置は圧延ロール端部方向に移動する。この移動により、被圧延材が移動した側の荷重が増大することで、圧延機の左右のミル伸び差が大きくなる。その結果、被圧延材の左右の伸び差が更に拡大する。被圧延材の尾端部では、この現象が短時間の内に繰り返されるため、急激に蛇行が進行することが知られている。
【0004】
このように蛇行が進行した尾端部が、圧延スタンド入側に備えられたサイドガイドに衝突し、部分的に折れ曲がった状態の被圧延材が圧延スタンドに進入することがある。これを“絞り込み”と呼ぶ。絞り込みが発生すると、圧延ロールに傷が生じ、圧延ロールの交換作業などが行われるため生産性が低下する。
【0005】
被圧延材の定常部を圧延している間は、被圧延材は前後の圧延スタンドにより拘束されているため、被圧延材が急激に蛇行することはない。しかし、圧延機入側の被圧延材に、板厚ウェッジや左右温度差がある場合、あるいは全体が幅方向に湾曲する形状(以下、キャンバー形状という)になっている場合、圧延機内の被圧延材の中心線が連続式圧延機の中心線から徐々に外れることがある。板厚ウェッジとは、被圧延材の幅方向両端の板厚差である。
【0006】
圧延機内で生じる蛇行を抑制するためには、一般的に圧下レベリング装置で上下圧延ロール間の左右開度を調整する措置がとられる。被圧延材の中心位置が圧延ロールの幅方向中心位置から外れ、圧延ロールの端部方向に移動すると、被圧延材が移動した方向の圧延ロール端部に掛かる荷重が大きくなる。これは圧延差荷重(作業側と駆動側の圧延荷重の差)として検出される。
【0007】
圧延機内の被圧延材位置の変化に追従して圧延差荷重が変化するため、特に連続式圧延機では、圧延差荷重に基づいて、圧下レベリングを調整する蛇行制御方法が提案されている。しかしながら、圧延差荷重の検出値には、被圧延材の左右の温度差に起因する変形抵抗差や、左右の圧下量差による圧延差荷重の変化分も含まれるため、これらの影響が大きい場合は、上記圧延差荷重に基づく蛇行制御方式では、十分な蛇行抑制能力を発揮できない。
【0008】
近年、連続式圧延機においても、被圧延材の位置を直接的に測定するため、圧延スタンド間に蛇行検出用カメラを設置し、検出した蛇行量に基づいて圧下レベリングを自動調整することで、蛇行を防止する制御技術が実用化されている。
【0009】
特許文献1は、一つの圧延スタンド間に設置された蛇行量検出装置で検出した蛇行量から下流側の所定位置の蛇行量を推定し、推定した蛇行量に基づいて、蛇行量検出装置よりも下流側の圧延スタンドの内、最上流の圧延スタンドの圧下レベリングを操作する方法を開示している。さらに、特許文献1は、圧下レベリングを操作した圧延スタンドより下流側の圧延スタンドについては、圧延スタンドの入側と出側のウェッジ率が変化しないように、圧下レベリングを操作する方法を提案している。
【0010】
特許文献2は、スタンド間で検出した蛇行量と、圧延差荷重と、ルーパに作用する荷重分布とを併用して、鋼板の圧延ロールへの入側角度を推定し、各圧延スタンドの圧下レベリング量を操作する方法を開示している。
【0011】
特許文献3は、最上流の圧延スタンド入側と、中間圧延スタンド間と、最下流圧延スタンド出側とに、それぞれ蛇行量検出装置を備え、隣り合う蛇行量検出装置間の蛇行偏差量から蛇行を生じた区間を特定し、特定した区間の上流側圧延スタンドから、順番に、圧下レベリングを操作する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】日本特許第4016761号公報
【文献】日本特許第6323384号公報
【文献】日本特開平8-318304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図10を参照して、被圧延材2の尾端部と定常部とにおける、第i圧延スタンドF
iの圧下レベリングを修正したときの挙動の違いについて説明する。
図10の(A)は、被圧延材2の尾端部が第i圧延スタンドF
iで圧延される状態を示す図である。被圧延材2は第i-1圧延スタンドF
i-1で拘束されていない。
図10の(B)は、被圧延材2の定常部が第i圧延スタンドF
iで圧延される状態を示す図である。被圧延材2は第i-1圧延スタンドF
i-1で拘束されている。
【0014】
図10の(A)のように、被圧延材2の尾端部を対象とした蛇行制御の場合、被圧延材2が第i-1圧延スタンドF
i-1を抜けた後に、第i圧延スタンドF
iの圧下レベリング装置を適切に修正すると、拘束を受けない入側の被圧延材2に回転が生じ、第i圧延スタンドF
iを通過する際の被圧延材2の蛇行を抑制することができる。
【0015】
一方、
図10の(B)のように、被圧延材2の定常部の圧延中(定常圧延時)は、第i圧延スタンドF
iの圧下レベリングを変更しても、第i圧延スタンドF
iの入側および出側の被圧延材2は隣り合う二つの圧延スタンドで拘束されているため、被圧延材2に回転が生ぜず、被圧延材2の幅方向位置は変化しない。
【0016】
図10の(B)のように、被圧延材2が第i-1圧延スタンドF
i-1で拘束された状態で、被圧延材2の幅方向位置を変更させるためには、被圧延材2とロール間の摩擦力以上の幅方向の力を被圧延材2に作用させる左右張力差を生じさせる、大きな圧下レベリングの修正が必要となる。
【0017】
しかしながら、定常圧延時のように、被圧延材が複数の圧延スタンドで拘束されている状態で、特定の圧延スタンドの圧下レベリングを大きく操作すると、圧延スタンド間の被圧延材の形状や平坦度が悪化する恐れがある。
【0018】
特許文献1記載の方法では、圧延スタンド間に設置された蛇行量検出装置の下流側圧延スタンドのみ圧下レベリングを操作するため、上述の理由より、定常圧延時の蛇行を抑制するのは困難である。
【0019】
特許文献2では、全圧延スタンドの圧下レベリングを操作する方法を提案しているが、被圧延材の進入角度および圧下レベリング修正量を圧延スタンドごとに個別に算出している。そのため、圧下レベリングの操作の方向や大きさがまちまちで、各圧延スタンド間で統一性のない操作となる。その結果、定常圧延時における蛇行の抑制効果が少なく、また、圧延スタンド間の被圧延材の形状や平坦度を悪化させる可能性もある。
【0020】
特許文献3記載の方法では、上流側圧延スタンドから順次圧下レベリングを修正するため、定常圧延時においても被圧延材の蛇行量を変化させることは可能である。しかしながら、上流側圧延スタンドから下流側で同程度のオフセンター量で蛇行している場合、蛇行量偏差が零となり、圧下レベリングが修正されず、蛇行を抑制できない。
【0021】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、連続式圧延機による被圧延材の定常圧延状態において、被圧延材の形状や平坦度の悪化を助長することなく、被圧延材の中心線を連続式圧延機の中心線に維持できる連続式圧延機の蛇行制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的の達成のため、本発明に係る連続式圧延機の蛇行制御装置は以下のように構成される。
連続式圧延機は、第1圧延スタンドから第N圧延スタンドまでのN基の圧延スタンド(N≧2)を備える。
蛇行制御装置は、蛇行量検出装置、共通蛇行情報推定部、圧下レベリング修正量演算部、圧下レベリング制御部を備える。
蛇行量検出装置は、前記N基の圧延スタンドのうち少なくとも1つの前記圧延スタンドの出側に設けられ、前記N基の圧延スタンドすべてが被圧延材を圧延している定常圧延状態における前記被圧延材の蛇行量を検出する。
共通蛇行情報推定部は、前記蛇行量から、前記連続式圧延機内の前記被圧延材全体の蛇行傾向を示す1つの共通蛇行情報を推定する。
圧下レベリング修正量演算部は、前記蛇行量が小さくなるように、前記共通蛇行情報に基づいて前記第1圧延スタンドの第1圧下レベリング修正量から前記第N圧延スタンドの第N圧下レベリング修正量までの、相関を有する各圧下レベリング修正量を算出する。
圧下レベリング制御部は、前記定常圧延状態において、前記圧下レベリング修正量演算部が算出した第i-1圧下レベリング修正量が適用された第i-1圧延スタンドに圧延された前記被圧延材上の圧延箇所が、第i圧延スタンド(2≦i≦N)に到達するときに、第i圧延スタンドに前記圧下レベリング修正量演算部が算出した第i圧下レベリング修正量を適用する。
好ましくは、前記共通蛇行情報は、前記第N圧延スタンドに前記圧下レベリング修正量演算部が算出した前記第N圧下レベリング修正量が適用された圧延制御が完了するまでは再計算されず、前記圧延制御が完了した後に再計算される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る連続式圧延機の蛇行制御装置によれば、全圧延スタンドに共通する1つの共通蛇行情報から、相関を有する全圧延スタンドの圧下レベリング修正量を決定し、全圧延スタンドに適切なタイミングで圧下レベリング修正量を反映できる。そのため、この蛇行制御装置は、連続式圧延機による被圧延材の定常圧延状態において、被圧延材の形状や平坦度の悪化を助長することなく、被圧延材の中心線を連続式圧延機の中心線に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る蛇行制御装置を適用する連続式圧延機の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る蛇行制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る蛇行推定部について説明するための図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る蛇行制御装置の効果について説明するための図である。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る蛇行制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態2に係る蛇行推定部について説明するための図である。
【
図7】本発明の実施の形態2に係る蛇行制御装置の効果について説明するための図である。
【
図8】本発明の実施の形態3に係る蛇行制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】蛇行制御装置が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。
【
図10】圧下レベリングを修正したときの入側の被圧延材の回転を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び数式を参照して本発明に係る連続式圧延機の蛇行制御装置の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
実施の形態1.
1.連続式圧延機
図1は、本発明に係る蛇行制御装置を適用する連続式圧延機の構成例を示す図である。連続式圧延機1は、近接して配列された第1圧延スタンドF
1から第N圧延スタンドF
NまでのN基の圧延スタンド(Nは2以上の自然数)を備える。連続式圧延機1は、1本の被圧延材2を連続して圧延するタンデム形式の圧延機である。被圧延材2は、連続式圧延機1に
図1の左側から右側へ搬送されながら、所定の板厚まで圧延される。各圧延スタンドF
i(1≦i≦N)は、上下2本のワークロールと、上下2本のバックアップロールを備え、バックアップロールの作業側と駆動側に備わるそれぞれの圧下装置で上下ワークロール間のロールギャップを調整できる。
【0027】
各圧下レベリング装置Vi(1≦i≦N)は、圧下装置で上下ワークロールの作業側と駆動側の両方、あるいは一方の平行度を調整し、上下ワークロール間のロールギャップの作業側と駆動側の差異を変更する。なお、圧下レベリング装置Viのゼロ基準は、上下ワークロールを接触させ、作業側と駆動側の圧下装置を一定量締め込んだ時に、作業側と駆動側のロードセルで検出した荷重がほぼ等しくなる位置である。
【0028】
各蛇行量検出装置Di(1≦i≦N)は、第i圧延スタンドFiの下流側に距離LDI離れて設置される。各蛇行量検出装置Diは、N基の圧延スタンドのうち少なくとも1つの圧延スタンドの出側に設けられる。蛇行量検出装置Diは、光学式または接触式のいずれの方式の検出装置であってもよい。蛇行量検出装置Diは、被圧延材の左右端部位置を検出し、被圧延材2の左右端部位置から決まる被圧延材2の中心位置の連続式圧延機1の中心位置からの偏差を蛇行量として出力する。
【0029】
セットアップ装置10は、蛇行制御装置20に必要な各種セットアップ値、具体的には、各圧延スタンドにおける、被圧延材2の板厚、影響係数、基準圧下レベリング量などを計算し、被圧延材2の圧延開始前に蛇行制御装置20へ出力する。
【0030】
蛇行制御装置20は、セットアップ装置10から取得したセットアップ値と、蛇行量検出装置Diから取得した蛇行量に基づいて、各圧延スタンドの圧下レベリング修正量を計算する。蛇行制御装置20は、基準圧下レベリング量を圧下レベリング修正量で補正した最終圧下レベリング量を用いて、圧下レベリング装置Viを操作する。
【0031】
2.蛇行が発生する原因
次に、N基の圧延スタンドすべてが被圧延材2を圧延している定常圧延状態において被圧延材2が蛇行する2つの原因について説明する。
【0032】
定常圧延状態において、被圧延材2が蛇行する第一の原因は、被圧延材2の先端が各圧延スタンドを通過する際、圧下レベリング装置の設定不良により、圧延スタンドの入側と出側の板厚ウェッジ率が変化することである。板厚ウェッジ率は、被圧延材2の幅方向両端の板厚差(板厚ウェッジ)を幅方向中心の板厚で割った値である。第i圧延スタンドFiの入側と出側の板厚ウェッジ率が変化すると、第i圧延スタンドFi出側における被圧延材2の左右の伸び量に差が生じる。その結果、第i圧延スタンドFi出側の被圧延材2は、伸びが小さい方に湾曲する形で、下流側の第i+1圧延スタンドFi+1に進入する。そして、第i+1圧延スタンドFi+1の圧延ロール直下では、幅方向中心位置からずれた位置で被圧延材2が圧延される。この蛇行状態は、第i圧延スタンドFiの圧下レベリング量や上流側の第i-1圧延スタンドFi-1における被圧延材2の幅方向位置が変化するなど、以降の圧延において状況が変わらない限り維持される。
【0033】
定常圧延状態において被圧延材2が蛇行する第二の原因は、圧延母材が長手方向で変化する左右温度差や板厚ウェッジ、あるいは幅方向の湾曲形状(以降、キャンバーと呼ぶ)を有することである。最上流の第1圧延スタンドF1に進入してくる被圧延材2の左右温度差や板厚ウェッジが変化すると、第1圧延スタンドF1入側の被圧延材2に、圧延ロール直下の被圧延材2の幅方向中心点を基準とした回転が生じ、各圧延スタンドを通過する被圧延材2の位置は次第に圧延ロール端部方向に移動する。また、圧延母材がキャンバーを有する場合も、各圧延スタンドを通過する被圧延材2の位置は、圧延母材が湾曲する方向に徐々に蛇行する。
【0034】
以上、2つの原因により、定常圧延時の被圧延材2に蛇行が生じる。
【0035】
3.蛇行制御の方法
図2は、実施の形態1に係る蛇行制御装置20の構成を示すブロック図である。蛇行制御装置20の制御期間は、被圧延材2の先端が第N圧延スタンドF
Nあるいは第N圧延スタンドF
N出側の蛇行量検出装置D
Nを通過してから、被圧延材2の尾端が第1圧延スタンドF
1を通過するまでである。
【0036】
実施の形態1に係る蛇行制御装置20は、共通蛇行情報推定部30a、圧下レベリング修正量演算部40a、圧下レベリング制御部50を備える。
【0037】
図3に示すように、共通蛇行情報推定部30aは、定常圧延状態において、少なくとも1つの蛇行量検出装置D
iで同時刻に検出された被圧延材2の蛇行量を取得する。共通蛇行情報推定部30aは、検出された蛇行量から、連続式圧延機1内の被圧延材2全体の蛇行傾向を示す1つの共通蛇行情報を推定する。実施の形態1において、共通蛇行情報は、連続式圧延機1内における被圧延材2の平均蛇行量である。
【0038】
圧下レベリング修正量演算部40aは、蛇行量が小さくなるように、共通蛇行情報(平均蛇行量)に基づいて、第1圧延スタンドF1の第1圧下レベリング修正量から第N圧延スタンドFNの第N圧下レベリング修正量までの、相関を有する各圧下レベリング修正量を算出する。好ましくは、第i圧延スタンドの第i圧下レベリング修正量を第i-1圧延スタンドの第i-1圧下レベリング修正量に基づいて算出する。
【0039】
圧下レベリング修正量演算部40aは、平均蛇行量が小さくなるように、最上流の第1圧延スタンドF1の第1圧下レベリング修正量を算出する。第1圧延スタンドF1の圧下レベリング修正量は、例えば、式(1)に示すPID制御器などで算出することができる。
【0040】
【0041】
次に、圧下レベリング修正量演算部40aは、第1圧延スタンドF1の出側および第i圧延スタンドFi(2≦i≦N)の出側の板厚ウェッジ率変化量が同じになるように、第2圧下レベリング修正量から第N圧下レベリング修正量までの各圧下レベリング修正量を算出する。なお、板厚ウェッジ率変化量は、第j圧延スタンドFj(1≦j≦N)が第j圧下レベリング修正量を適用しないで被圧延材2を圧延した場合の出側板厚ウェッジ率と、第j圧延スタンドFjが第j圧下レベリング修正量を適用して被圧延材2を圧延した場合の出側板厚ウェッジ率との差である。出側板厚ウェッジ率は、被圧延材2の幅方向両端の板厚差(板厚ウェッジ)を幅方向中心の板厚で割った値である。
【0042】
ここで、圧下レベリング修正量と板厚ウェッジの変化量との関係は、式(2)に示すように表すことができる。
【0043】
【0044】
第i圧延スタンドFiの入側と出側とにおける板厚ウェッジ率が変化しないためには、式(3)を満たすように、圧延スタンドの圧下レベリング修正量を決定すればよい。ここで、第i圧延スタンドFiの入側は、第i-1圧延スタンドの出側をいう。
【0045】
【0046】
従って、第2圧延スタンドF2以降の各圧延スタンドの圧下レベリング修正量は、式(4)に示すように、1つ上流側の圧延スタンドの圧下レベリング修正量を用いて算出することができる。
【0047】
【0048】
式(4)に用いられる影響係数や板厚は、セットアップ装置10から与えられる。
【0049】
圧下レベリング制御部50は、定常圧延状態において、第1圧下レベリング修正量が適用された第1圧延スタンドF1に圧延された被圧延材上の圧延箇所が、第i圧延スタンドFi(2≦i≦N)に到達するときに、第i圧延スタンドFiに前記第i圧下レベリング修正量を適用する。第i圧延スタンドFiは第i基準圧下レベリング量に第i圧下レベリング修正量を加算した圧下レベリング量で制御される。圧下レベリング修正量演算部40aの演算が終了すると、まず、第1圧延スタンドF1の第1圧下レベリング装置V1が即時操作される。最上流の第1圧下レベリング装置V1から最下流の第N圧下レベリング装置VNまでの各圧下レベリング装置は順に操作される。
【0050】
圧下レベリング制御部50は、トラッキング手段を有し、各圧延スタンドの圧延ロール回転速度を用いて、演算周期毎に圧延スタンド出側の被圧延材2の搬送距離を算出する。トラッキング手段で算出される被圧延材2の搬送距離にしたがい、第1圧延スタンドF1の第1圧下レベリング装置V1に操作された被圧延材2の位置が、第2圧延スタンドF2に到達したときに、第2圧下レベリング装置V2が操作される。以降の圧延スタンドについても同様に、圧下レベリング装置を操作した被圧延材2の位置が次圧延スタンドに到達したときに、次圧延スタンドの圧下レベリング装置が圧下レベリング修正量に従って操作される。
【0051】
第N圧延スタンドFNの第N圧下レベリング装置VNの操作が完了した場合に、共通蛇行情報推定部30aの処理に戻り、次の制御時間における処理を実行する。すなわち、共通蛇行情報は、第N圧延スタンドFNに第N圧延レベリング修正量が適用された圧延制御が完了するまでは再計算されず、圧延制御が完了した後に再計算される。
【0052】
なお、最下流の第N圧延スタンドFN出側に蛇行量検出装置DNがある場合は、共通蛇行情報は、第N圧延レベリング修正量が適用された第N圧延スタンドFNに圧延された被圧延材2の位置が蛇行量検出装置DNに到達したあとに、再計算される。
【0053】
以上説明したように、実施の形態1に係る蛇行制御装置20によれば、
図4に示すように定常圧延時における平均蛇行量が小さくなるように被圧延材2の位置を制御することができる。制御開始前に被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線(圧延ラインの中心線)に対し平行にずれて蛇行しているとき(
図4の(A))、第1圧延スタンドF
1の入側の被圧延材2の蛇行量が低減する方向に回転するように圧下レベリングが修正され(
図4の(B))、下流スタンドにかけて徐々に蛇行量が低減していく(
図4の(C))。
【0054】
実施の形態1に係る蛇行制御装置20によれば、全圧延スタンドに共通する1つの共通蛇行情報から、全圧延スタンドの圧下レベリング修正量を決定し、全圧延スタンドに適切なタイミングで圧下レベリング修正量を反映できる。そのため、蛇行制御装置20は、連続式圧延機1による被圧延材2の定常圧延状態において、被圧延材2の中心線を連続式圧延機1の中心線に維持できる。定常圧延時から被圧延材2の中心線を連続式圧延機1の中心線に近づけておくことで、被圧延材2の尾端部で急激な蛇行が生じたときも、絞り等の圧延事故に発展する可能性を極力低減することができる。さらに、蛇行制御装置20は、各圧延スタンドの圧下レベリング修正量を上流圧延スタンドの圧下レベリング修正量をもとに決定しているため、各圧下レベリング修正量が極端に変わることがなく、また、被圧延材2上の同じ位置で各圧下レベリング修正量が適用されるため、被圧延材2の形状や平坦度の悪化を回避することができる。
【0055】
実施の形態2.
次に、
図5~
図7を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
図5は、実施の形態2に係る蛇行制御装置20の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る蛇行制御装置20は、上述した
図2の共通蛇行情報推定部30aが共通蛇行情報推定部30bに、圧下レベリング修正量演算部40aが圧下レベリング修正量演算部40bに置き換えられている点を除き、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と同じ処理内容についてはその説明を省略または簡略する。
【0056】
上述した実施の形態1に係る蛇行制御装置20によれば、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線に対して平行に蛇行している場合に、共通蛇行情報として平均蛇行量を用いて、被圧延材2の中心線を連続式圧延機1の中心線に一致させることができる。ところで、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線に対して傾斜して蛇行している場合もある。実施の形態2に係る蛇行制御装置20では、この場合に共通蛇行情報として蛇行角度を用いて、被圧延材2の中心線を連続式圧延機1の中心線に一致させることとした。
【0057】
図6に示すように、共通蛇行情報推定部30bは、定常圧延状態において、少なくとも2つの蛇行量検出装置D
iで同時刻に検出された被圧延材2の蛇行量を取得する。共通蛇行情報推定部30bは、検出された蛇行量から、共通蛇行情報として、連続式圧延機1の中心線に対する被圧延材2の中心線の傾きである蛇行角度を推定する。
【0058】
具体的には、共通蛇行情報推定部30bは、各蛇行量検出装置の位置をX軸、検出蛇行量をY軸とした、線形近似式(y=a・x+b)を求める。ここで、第1圧延スタンドFiの位置をX軸の原点、被圧延材2の進行方向をX軸座標の正方向と定義する。蛇行量の線形近似式の各係数は、最小二乗法により下式のように表される。
【0059】
【0060】
上記線形近似式の係数aより、連続式圧延機1の中心線に対する被圧延材2の傾きθ(蛇行角度)を式(6)で推定できる。
【0061】
【0062】
圧下レベリング修正量演算部40bは、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線と平行に近づくように(蛇行角度が小さくなるように)、蛇行角度に基づいて第1圧下レベリング修正量から第N圧下レベリング修正量までの、相関を有する各圧下レベリング修正量を算出する。
【0063】
圧延スタンド入側あるいは出側の被圧延材2の回転角速度は、圧下レベリングに比例することが一般的に知られている。圧下レベリング修正量による被圧延材2の回転角速度への影響係数は、セットアップ装置10で算出される。従って、圧下レベリング修正量演算部40bは、共通蛇行情報推定部30bで推定した蛇行角度に基づいて、式(7)で各圧延スタンドの圧下レベリング修正量を算出する。例えば、圧延スタンド間搬送速度は、下流側の圧延スタンドほど速まるため、各圧下レベリング修正量は、下流側の圧延スタンドほど小さい値とする。
【0064】
【0065】
圧下レベリング制御部50は、圧下レベリング修正量に従って、実施の形態1と同様に、各圧延スタンドの圧下レベリング装置Viを操作する。
【0066】
以上説明したように、実施の形態2に係る蛇行制御装置20よれば、
図7に示すように、定常圧延時における蛇行角度が小さくなるように被圧延材2の位置を制御することができる。制御開始前の被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線(圧延ラインの中心線)に対して傾斜して蛇行しているとき(
図7の(A))、第1圧延スタンドの入側の被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線に平行に近づくように、圧下レベリングが修正され、下流スタンドにかけ、徐々に蛇行量が低減していく。
【0067】
実施の形態3.
次に、
図8を参照して本発明の実施の形態3について説明する。
図8は、実施の形態3に係る蛇行制御装置20の構成を示すブロック図である。実施の形態3に係る蛇行制御装置20は、上述した
図2の共通蛇行情報推定部30aおよび
図5の共通蛇行情報推定部30bが共通蛇行情報推定部30cに、圧下レベリング修正量演算部40aおよび圧下レベリング修正量演算部40bが圧下レベリング修正量演算部40cに置き換えられている点を除き、実施の形態1および2と同様である。以下、実施の形態1および2と同じ処理内容についてはその説明を省略または簡略する。
【0068】
上述した実施の形態1では、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線に対して平行に蛇行している場合における蛇行制御について説明した。実施の形態2では、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線に対して傾斜して蛇行している場合における蛇行制御について説明した。実施の形態3では、これらを組み合わせた蛇行制御について説明する。
【0069】
共通蛇行情報推定部30cは、定常圧延状態において、少なくとも2つの蛇行量検出装置Diで同時刻に検出された被圧延材2の蛇行量を取得する。共通蛇行情報推定部30cは、検出された蛇行量から、共通蛇行情報として、平均蛇行量、および連続式圧延機1の中心線に対する被圧延材2の中心線の傾きである蛇行角度を推定する。
【0070】
圧下レベリング修正量演算部40cは、圧下レベリング修正量演算部40aと同様に、平均蛇行量が小さくなるように、最上流の第1圧延スタンドF1の第1圧下レベリング修正量を算出する。さらに、圧下レベリング修正量演算部40cは、第1圧延スタンドF1の出側および第i圧延スタンドFi(2≦i≦N)の出側の板厚ウェッジ率変化量が同じになるように、第2圧下レベリング修正量から第N圧下レベリング修正量までの各圧下レベリング修正量を算出する(式(4))。
【0071】
次に、圧下レベリング修正量演算部40cは、圧下レベリング修正量演算部40bと同様に、被圧延材2の中心線が連続式圧延機1の中心線と平行に近づくように、蛇行角度に基づいてN基の圧延スタンドすべてについて、相関を有する第j圧延スタンド(1≦j≦N)の圧下レベリング修正量である第j蛇行角度修正量を算出する(式(7))。
【0072】
次に、圧下レベリング修正量演算部40cは、第j圧下レベリング修正量に第j蛇行角度修正量を加算した新たな第j圧下レベリング修正量を算出する。
【0073】
圧下レベリング制御部50は、定常圧延状態において、新たな第1圧下レベリング修正量が適用された第1圧延スタンドFiに圧延された被圧延材2上の圧延箇所が、第i圧延スタンドFi(2≦i≦N)に到達するときに、第i圧延スタンドFiに新たな第i圧下レベリング修正量を適用する。圧下レベリング制御部50は、新たな圧下レベリング修正量に従って、実施の形態1と同様に、各圧延スタンドの圧下レベリング装置を操作する。
【0074】
以上説明したように、実施の形態3に係る蛇行制御装置20よれば、上述した実施の形態1および2の効果を得ることができる。繰り返し再計算される共通蛇行情報に基づいて蛇行制御が繰り返し実施されることで、徐々に平均蛇行量および蛇行角度が低減される。
【0075】
(ハードウェア構成例)
図9は、上述した蛇行制御装置20が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。
図2、
図5、および
図8の蛇行制御装置20内の各部は機能の一部を示し、各機能は処理回路により実現される。一態様として、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ91と少なくとも1つのメモリ92とを備える。他の態様として、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア93を備える。
【0076】
処理回路がプロセッサ91とメモリ92とを備える場合、各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
【0077】
処理回路が専用のハードウェア93を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、又はこれらを組み合わせたものである。各機能は処理回路で実現される。
【0078】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 連続式圧延機
2 被圧延材
10 セットアップ装置
20 蛇行制御装置
30a、30b、30c 共通蛇行情報推定部
40a、40b、40c 圧下レベリング修正量演算部
50 圧下レベリング制御部
91 プロセッサ
92 メモリ
93 ハードウェア
Di 第i蛇行量検出装置
Fi 第i圧延スタンド
Vi 第i圧下レベリング装置