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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】アンケートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20230912BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018233547
(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公開番号】P2020095515
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】318014854
【氏名又は名称】株式会社レスポン
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】森田 真基
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-272692(JP,A)
【文献】特開平08-263510(JP,A)
【文献】特開2001-184273(JP,A)
【文献】特開2012-247899(JP,A)
【文献】特開2001-350887(JP,A)
【文献】原田 実,意味解析により進化するテキストマイニング,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2011年06月30日,Vol. 111, No. 119,p.25-30,ISSN : 0913-5685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末それぞれで入力された、アンケートに対する回答を収集し、分類し、分類結果を表示するアンケートシステムであって、
第1ディスプレイと第1表示制御手段をそれぞれ有する複数の回答者端末と、
前記複数の回答者端末とネットワークを介して接続されたサーバーとを備え、
前記複数の回答者端末は、それぞれ、アンケートに対する回答を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された回答を前記サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記サーバーは、前記複数の回答者端末それぞれから送信された回答を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された回答が蓄積される記憶装置と、前記記憶装置に蓄積された回答を解析して複数のクラスターに分類するクラスタリング実行手段と、前記複数のクラスターそれぞれに属する回答の傾向を表すクラスター名を算出するクラスター名算出手段と、を有し、
前記複数の回答者端末それぞれの第1表示制御手段は、前記複数の回答者端末それぞれの対応する前記第1ディスプレイに、前記クラスター名算出手段によって算出されたクラスター名をそれぞれ含む複数のクラスター象徴画像をそれぞれ表示し、前記複数のクラスター象徴画像のうち自己の回答者端末が送信した回答が属するクラスターのクラスター象徴画像を指し示す自己回答所属クラスター指示表示を表示するアンケートシステム。
【請求項2】
前記複数の回答者端末は、それぞれ、前記複数のクラスター象徴画像のうち特定のクラスター象徴画像を選択する選択手段を有し、
前記複数の回答者端末それぞれの第1表示制御手段は、前記複数の回答者端末それぞれの対応する前記第1ディスプレイに、前記特定のクラスター象徴画像が選択された場合、当該選択された特定のクラスター象徴画像に対応するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答を表示する請求項1に記載のアンケートシステム。
【請求項3】
前記サーバーは、クラスタリング条件を設定するクラスタリング条件設定手段をさらに有し、
前記クラスタリング実行手段は、前記クラスタリング条件設定手段によって設定されたクラスタリング条件に基づいて、前記記憶装置に蓄積された回答を解析して前記複数のクラスターに分類する請求項1に記載のアンケートシステム。
【請求項4】
第2ディスプレイと、第2表示制御手段と、前記第2ディスプレイに表示される画面を変更する操作を受け付ける第2操作部を有し、前記サーバーと前記ネットワークを介して接続された出題者端末をさらに備え、
さらに、前記複数の回答者端末は、それぞれ、前記第1ディスプレイに表示される画面を変更する操作を受け付ける第1操作部を有し、
前記出題者端末の第2ディスプレイ及び前記複数の回答者端末の第1ディスプレイには、それぞれ、前記第1操作部または前記第2操作部の操作に応じて、相互に異なる画面が表示される請求項1に記載のアンケートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケートシステム、特に、限られた時間内に複数の回答者からの全回答の傾向を複数の回答者等が把握することができるアンケートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の回答者に質問が書き込まれた用紙を配布し、回答を書き込んでもらい、当該回答が書き込まれた用紙を収集(回収)し、回答をコンピューターに入力して分類(集計)し、その分類結果を出力(印刷)等することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-99697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、用紙を収集して分類するまで、相当の手間や時間を要するため、限られた時間内(例えば、大学等の授業時間内)に複数の回答者(例えば、大学等の授業時間内の場合、複数の学生)から回答を収集して分類することが難しく、その結果、限られた時間内に複数の回答者からの回答を複数の回答者等(例えば、大学等の授業時間内の場合、講師も含む)が把握することができない、という課題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、限られた時間内に複数の回答者からの全回答の傾向を複数の回答者等が把握することができるアンケートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、複数の端末それぞれで入力された、アンケートに対する回答を収集し、分類し、分類結果を表示するアンケートシステムであって、複数の回答者端末と、サーバーと、ディスプレイと、表示制御手段と、を備え、前記複数の回答者端末は、それぞれ、アンケートに対する回答を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された回答を前記サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記サーバーは、前記複数の回答者端末それぞれから送信された回答を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された回答が蓄積される記憶装置と、前記記憶装置に蓄積された回答を解析してクラスターに分類するクラスタリング実行手段と、前記クラスターに属する回答の傾向を表すクラスター名を算出するクラスター名算出手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記クラスター名算出手段によって算出されたクラスター名を、クラスターごとに前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0007】
この側面によれば、限られた時間内に複数の回答者からの全回答の傾向を複数の回答者等が把握することができるアンケートシステムを提供することができる。
【0008】
これは、複数の回答者端末それぞれで入力された、アンケートに対する回答をサーバー装置が収集し、分類(クラスタリング)すること、そして、その分類結果がクラスターごとにディスプレイに表示されること、によるものである。
【0009】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記表示制御手段は、前記クラスター名算出手段によって算出されたクラスター名を含むクラスター象徴画像を、クラスターごとに前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0010】
この態様によれば、回答の分類結果がクラスター象徴画像とともに表示されるため、例えば、回答の分類結果をリスト形式で表示する場合と比べ、回答の分類結果を容易に把握することができる。
【0011】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記複数の回答者端末は、それぞれ、前記ディスプレイ及び前記表示制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
この態様によれば、各々の回答者は、手元にある自己の回答者端末のディスプレイで、複数の回答者からの全回答の傾向を把握することができる。
【0013】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記表示制御手段は、前記クラスター象徴画像とともに、自回答者端末が送信した回答が属するクラスターを象徴するクラスター象徴画像を指し示す自己回答所属クラスター指示表示を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0014】
この態様によれば、各々の回答者は、クラスター象徴画像とともにディスプレイに表示される自己回答所属クラスター指示表示を見ることで、自己(回答者端末)が送信した回答が属するクラスター(クラスター象徴画像)を瞬時に把握することができる。
【0015】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記複数の回答者端末は、それぞれ、前記クラスター象徴画像のうち特定のクラスター象徴画像を選択する選択手段を有し、前記表示制御手段は、前記特定のクラスター象徴画像が選択された場合、当該選択された特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0016】
この態様によれば、特定のクラスター象徴画像を選択した回答者は、ディスプレイに表示される代表回答を読むことで、特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことなく、当該特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答の傾向を把握することができる。
【0017】
また、上記発明において、好ましい態様は、クラスタリング条件を設定するクラスタリング条件設定手段をさらに有し、前記クラスタリング実行手段は、前記クラスタリング条件設定手段によって設定されたクラスタリング条件に基づいて、前記記憶装置に蓄積された回答を解析してクラスターに分類することを特徴とする。
【0018】
この態様によれば、様々なクラスタリング条件に基づいて、クラスタリングを実行することができる。
【0019】
また、上記発明において、好ましい態様は、出題者端末と、前記ディスプレイに表示される画面を変更する操作を受け付ける操作部と、をさらに備え、前記出題者端末は、前記ディスプレイ、前記表示制御手段及び前記操作部を有し、さらに、前記複数の回答者端末は、それぞれ、前記操作部を有し、前記出題者端末のディスプレイ及び前記複数の回答者端末のディスプレイには、それぞれ、前記操作部の操作に応じて、相互に異なる画面が表示されることを特徴とする。
【0020】
この態様によれば、出題者端末のディスプレイ及び複数の回答者端末のディスプレイそれぞれに、操作部の操作に応じて、相互に異なる画面を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】アンケートシステム10の概略構成図である。
図2】回答者端末20の概略構成図である。
図3】サーバー装置30の概略構成図である。
図4】回答者提出データ管理DB33の一例である。
図5】クラスターテーブル34の一例である。
図6】アンケートシステム10の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図7】回答者端末20のディスプレイ21に表示される回答フォーム21aの一例である。
図8】クラスター画面表示データの一例である。
図9】クラスター画面21bの一例である。
図10】追加回答象徴画像を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図11】追加回答象徴画像表示データの一例である。
図12】追加回答象徴画像が追加表示されたクラスター画面21bの一例である。
図13】代表回答画面を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図14】代表回答表示データの一例である。
図15】代表回答画面21cの一例である。
図16】詳細回答画面を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図17】詳細回答画面21dの一例である。
図18】詳細回答画面21dをスクロールして、詳細回答画面21dの最下部を表示した状態を表す図である。
図19】アンケートシステム10A(変形例)の概略構成図である。
図20】クラスター画面21bの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態であるアンケートシステム10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0023】
[アンケートシステム10の構成]
図1は、アンケートシステム10の概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のアンケートシステム10は、出題者端末40、複数の回答者端末20、サーバー装置30を含み、複数の回答者端末20それぞれで入力された、アンケートに対する回答をサーバー装置30が収集し、分類し、分類結果を表示するアンケートシステムである。
【0025】
回答の分類結果は、典型的には、出題者端末40及び複数の回答者端末20それぞれが有するディスプレイ21、41に表示される。なお、回答の分類結果は、出題者端末40が有するディスプレイ41にのみ表示される場合もあるし、複数の回答者端末20それぞれが有するディスプレイ21にのみ表示される場合もある。
【0026】
本実施形態のアンケートシステム10によれば、複数の回答者端末20それぞれから収集した回答が膨大(例えば、数百以上)な場合であっても、各々の回答者等は、ディスプレイ21に表示される回答の分類結果を読むことで、全回答を読むことなく、限られた時間内に全回答の傾向を把握することができる。
【0027】
図1に示すように、アンケートシステム10は、出題者端末40、複数の回答者端末20、出題者端末40及び複数の回答者端末20がインターネットやLAN等のネットワークNWを介して接続(無線接続又は有線接続)されるサーバー装置30等を備える。
【0028】
[回答者端末20の構成]
図2(a)は、回答者端末20の概略構成図である。
【0029】
各々の回答者端末20は、典型的には、教室A内の各々の回答者(例えば、学生)が所持するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター(例えば、ノート型PC)である。
【0030】
図2(a)に示すように、回答者端末20は、ディスプレイ21、通信部22、制御部23、操作部24等を備えている。ディスプレイ21、通信部22、操作部24は、バス等を介して制御部23に接続されている。
【0031】
ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0032】
操作部24は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスである。タッチパネルは、例えば、ディスプレイ21表面に設けられる。キーボードは、物理キーボードであってもよいし、ディスプレイ21に表示されるソフトキーボードであってもよい。
【0033】
通信部22は、サーバー装置30との間でネットワークNWを介して通信(例えば、無線LANによる無線通信)を行う。
【0034】
制御部23は、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備える。RAMは、CPUが各種演算処理を行う際の作業領域として用いられる。ROMは、例えば、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリーで、OS(オペレーティングシステム。以下同様)や当該OS上で実行される回答用アプリケーションプログラムやブラウザ等が記憶される。
【0035】
制御部23は、CPUがROMからRAMに読み込まれた所定プログラム(回答用アプリケーションプログラム)を実行することで、図2(a)に示すように、表示制御手段23aとして機能する。
【0036】
表示制御手段23aは、通信部22によって受信されたデータ等に基づいて、各種画面をディスプレイ21に表示する。ディスプレイ21に表示される各種画面としては、アンケートに対する回答の入力画面(例えば、図7に示す回答フォーム)、回答の分類結果を含む画面(例えば、図9に示すクラスター画面、図15に示す代表回答画面、図17図18に示す詳細回答画面)がある。これら画面については後述する。
【0037】
[出題者端末40の構成]
図4(b)は、出題者端末40の概略構成図である。
【0038】
出題者端末40は、典型的には、教室A内の出題者(例えば、講師)が所持するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター(例えば、ノート型PC)である。
【0039】
図2(b)に示すように、出題者端末40は、ディスプレイ41、通信部42、制御部43、操作部44等を備えている。ディスプレイ41、通信部42は、バス等を介して制御部43に接続されている。
【0040】
ディスプレイ41は、例えば、液晶ディスプレイ、プロジェクターである。
【0041】
操作部44は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスである。タッチパネルは、例えば、ディスプレイ41表面に設けられる。キーボードは、物理キーボードであってもよいし、ディスプレイ41に表示されるソフトキーボードであってもよい。
【0042】
通信部42は、サーバー装置30との間でネットワークNWを介して通信(例えば、無線LANによる無線通信)を行う。
【0043】
制御部43は、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備える。RAMは、CPUが各種演算処理を行う際の作業領域として用いられる。ROMは、例えば、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリーで、OS(オペレーティングシステム。以下同様)や当該OS上で実行される回答用アプリケーションプログラムやブラウザ等が記憶される。
【0044】
制御部43は、CPUがROMからRAMに読み込まれた所定プログラム(回答用アプリケーションプログラム)を実行することで、図2(b)に示すように、表示制御手段43aとして機能する。
【0045】
表示制御手段43aは、通信部42によって受信されたデータ等に基づいて、各種画面をディスプレイ41に表示する。ディスプレイ41に表示される各種画面としては、回答の分類結果を含む画面(例えば、図9に示すクラスター画面、図15に示す代表回答画面、図17図18に示す詳細回答画面)がある。これら画面については後述する。
【0046】
[サーバー装置30の構成]
図3は、サーバー装置30の概略構成図である。
【0047】
サーバー装置30は、サーバーコンピューター等のコンピューター装置で、典型的には、クラウド上のサーバーに設置される。
【0048】
図3に示すように、サーバー装置30は、回答者識別DB31(データベース。以下同様)、アンケート管理DB32、回答者提出データ管理DB33、クラスターテーブル34、入力手段35、通信部36、HDD37、制御部38等を備える。回答者識別DB31、アンケート管理DB32、回答者提出データ管理DB33、クラスターテーブル34、入力手段35、通信部36、HDD37は、バス等を介して制御部38に接続されている。なお、クラスターテーブル34は省略される場合がある。
【0049】
回答者識別DB31には、回答者それぞれの識別情報(IDやパスワード等)が登録(記憶)される。回答者識別DB31は、主に、サーバー装置30にアクセス(ログイン)しようとする各々の回答者端末20が正規のユーザーかどうかを判定するために用いられる。なお、回答者の識別の必要性は個別に異なるため、回答者識別DB31は省略される場合がある。
【0050】
アンケート管理DB32には、予め作成されたアンケートの回答フォームと当該回答フォームの識別情報である受付識別子とが対応づけて登録(記憶)される。
【0051】
回答者提出データ管理DB33には、各々の回答者端末20から受信した回答(回答データ)が蓄積(記憶)される。
【0052】
図4は、回答者提出データ管理DB33の一例である。
【0053】
図4に示すように、回答者提出データ管理DB33は、「回答番号」、「回答」、「ID」等の項目を含む。
【0054】
「回答番号」には、回答番号が記憶される。「回答」には、回答者端末20から受信した回答(回答データ)が記憶される。「ID」には、回答者端末20から回答とともに受信した回答者のIDが記憶される。なお、回答者識別DB31を使用しない場合、IDは記憶しない。
【0055】
クラスターテーブル34には、回答の分類結果が記憶される。クラスター、回答の分類については、後述する。クラスターテーブル34は、HDD37や制御部38のRAM等の記憶部に格納される。
【0056】
図5は、クラスターテーブル34の一例である。
【0057】
図5に示すように、クラスターテーブル34は、クラスター識別情報34a、回答の数34b、クラスター名34c、回答34d等の項目を含む。
【0058】
クラスター識別情報34aには、クラスターを識別するクラスター識別情報が記憶される。
【0059】
回答の数34bには、クラスター識別情報34aによって識別されるクラスターに分類された回答の数が記憶される。以下、クラスター識別情報34aによって識別されるクラスターに分類された回答のことを、クラスターに属する回答ということがある。
【0060】
クラスター名34cには、クラスター識別情報34aによって識別されるクラスターのクラスター名が記憶される。
【0061】
回答34dには、クラスター識別情報34aによって識別されるクラスターに属する回答が記憶される。
【0062】
入力手段35は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。
【0063】
通信部36は、複数の回答者端末20それぞれとの間でネットワークNWを介して通信を行う。
【0064】
HDD37は、ハードディスク装置で、OSや当該OS上で実行されるサーバープログラム等が記憶される。
【0065】
制御部38は、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備える。制御部38は、CPUがHDD37からRAMに読み込まれた所定プログラム(サーバープログラム)を実行することで、図3に示すように、クラスタリング実行手段38a、回答数カウント手段38b、クラスター名算出手段38c、代表回答算出手段38d、クラスタリング条件設定手段38eとして機能する。なお、回答数カウント手段38b、クラスター名算出手段38cは、クラスタリング実行手段38aの一部と捉えることができる。
【0066】
また、制御部38は、図示しないが、CPUがHDD37からRAMに読み込まれた所定プログラム(サーバープログラム)を実行することで、サーバー装置30にアクセス(ログイン)しようとする各々の回答者端末20が正規のユーザーかどうかを判定する機能(認証サーバーとしての機能)、回答フォームの識別情報(受付識別子)を送信して回答フォームをリクエストした回答者端末20に対して、当該回答フォームの識別情報が対応づけられた回答フォームをアンケート管理DB32から読み出して送信する機能、各々の回答者端末20が送信する回答及び回答フォームの識別情報(受付識別子)を受信する機能、当該受信した回答を回答者提出データ管理DB33に蓄積する機能等を備える。
【0067】
クラスタリング実行手段38aは、回答者提出データ管理DB33に蓄積された回答(群)を解析して複数のクラスターに分類する処理(クラスタリング)を実行する。具体的には、クラスタリング実行手段38aは、回答者提出データ管理DB33に蓄積された回答それぞれのベクトル化(回答のベクトル化)を実行し、回答ベクトル間の距離を計算し、距離が近い(つまり、意味が近い)回答同士をクラスターとしてまとめる。
【0068】
回答や単語のベクトル化とは、意味空間への単語のプロットを意味する。回答や単語のベクトル化を行うことで、回答文同士、あるいはベクトル化した単語と回答文との間で、意味のベクトル演算(四則演算、距離計算)が可能となる。
【0069】
以上のように回答のベクトル化を行うことで回答間の類似度を距離として数値化することができる。その結果、一般的なクラスタリングの手法(例えば、K-means)を用いて距離が近い(つまり、意味が近い)回答同士をクラスターとしてまとめることができる。
【0070】
クラスタリング実行手段38aによってまとめられるクラスターの数(例えば、上限数)は、例えば、クラスタリング条件設定手段38eによって設定することができる。例えば、クラスタリング実行手段38aによってまとめられるクラスターの数として9を設定した場合、図5に示すように、最大9個のクラスター(クラスターテーブル34)が生成される。
【0071】
回答数カウント手段38bは、クラスターに属する回答の数をカウントする。具体的には、回答数カウント手段38bは、クラスター(クラスター識別情報)ごとに、クラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答の数をカウントする。
【0072】
クラスター名算出手段38cは、クラスターのクラスター名を算出する。具体的には、例えば、クラスター名算出手段38cは、クラスター(クラスター識別情報)ごとに、クラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答それぞれに含まれる単語(群)の中から、クラスターの重心に距離が近い(つまり、意味が近い)N1個(例えば、N1=3)の単語を算出する。なお、クラスターの重心とは、クラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答の回答ベクトルの平均値のことである。クラスターの重心は、クラスター(クラスターテーブル34)ごとに算出される。
【0073】
以上のようにして算出されたクラスター名(N1個の単語)は、クラスターに属する回答(群)の傾向、つまり、クラスターに属する全回答(群)の傾向、例えば、クラスターに属する全回答(群)はどのような内容が多いか、クラスターに属する全回答(群)は何について話題にしているか、を表す。これと同時に、クラスター名は、回答(群)を示す名称となる。つまり、回答者等は、クラスター名を読むことで、当該クラスター名のクラスターに属する全回答(群)がどのような内容が多いか等を把握することができる。
【0074】
このように、クラスター名はクラスターの内容(回答(群))を短い語句で表した名称であるため、当該クラスター名の閲覧者(回答者等)がクラスターの内容(回答(群))を把握するための有効な手段となる。
【0075】
クラスター名算出手段38cによって算出される単語の数N1(例えば、上限数)は、例えば、クラスタリング条件設定手段38eによって設定することができる。
【0076】
代表回答算出手段38dは、代表回答を算出する。具体的には、代表回答算出手段38dは、クラスター(クラスター識別情報)ごとに、クラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答の中から、クラスターの重心に距離が近い(つまり、意味が近い)N2個(例えば、N2=3)の回答を算出する。その際、各々の回答の文字数を考慮して代表回答を算出してもよい。例えば、文字数が第1の閾値より多い回答、文字数が第2の閾値(第2の閾値<第1の閾値)より少ない回答、文字数が第1の閾値と第2の閾値との間の回答を代表回答として算出してもよい。
【0077】
以上のようにして算出された代表回答(N2個の回答。中心回答ともいう)は、クラスターに属する回答(群)の傾向を表す。なお、代表回答とは、あるクラスターに所属する回答群から選ばれ、その「回答の傾向」を最も「よく表す」と期待される回答(群)を意味する。以上のように算出された代表回答はクラスターの内容(回答(群))の傾向を表すものと考えられるため、当該代表回答の閲覧者(回答者等)は、少数の回答(つまり、代表回答)を読むことで、クラスター名とあわせて、クラスターの内容をより深く把握することが可能となる。
【0078】
代表回答算出手段38dによって算出される回答の数N2は、例えば、クラスタリング条件設定手段38eによって設定することができる。
【0079】
クラスタリング条件設定手段38eは、例えば、入力手段35から入力されたクラスタリング条件を設定する。設定されたクラスタリング条件は、HDD37や制御部38のRAM等の記憶部に格納される。クラスタリング条件は、主に、クラスタリング実行手段38aによるクラスタリングの際に用いられる条件である。
【0080】
クラスタリング条件としては、例えば、クラスタリング実行手段38aによってまとめられるクラスターの数(例えば、上限数)、クラスター名算出手段38cによって算出される単語の数N1(例えば、上限数)、代表回答算出手段38dによって算出される回答の数N2、クラスタリング実行手段38aがクラスタリングを実行する所定タイミング等がある。
【0081】
[アンケートシステム10の動作例]
次に、本実施形態のアンケートシステム10の動作の一例について図6を参照しながら説明する。
【0082】
図6は、アンケートシステム10の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0083】
[クラスター画面を表示する動作例]
まず、各々の回答者端末20のディスプレイ21及び出題者端末40のディスプレイ41に、クラスター画面を表示する動作の一例について説明する。
【0084】
まず、出題者(例えば、講師)が、教室Aにおいて、教室A内の回答者(複数)に、予めサーバー装置30(アンケート管理DB32)に登録されたアンケートの回答フォームを取得するための情報(サーバー装置30のURL、及び受付識別子)を伝える。
【0085】
次に、教室A内の各々の回答者が、各々が所持する回答者端末20にインストールされた回答用アプリケーションプログラムを起動し、出題者から伝えられたサーバー装置30のURL、及び受付識別子を入力してサーバー装置30にアクセスし、認証設定がある場合には認証操作を行ってログインし、当該サーバー装置30から前記入力した受付識別子が対応づけられた回答フォームを取得し、当該取得した回答フォームを回答者端末20のディスプレイ21に表示する(ステップS10)。図7は、回答者端末20のディスプレイ21に表示される回答フォーム21aの一例である。なお、サーバー装置30のURLの入力は省略される場合がある。
【0086】
次に、ディスプレイ21に回答フォーム21aが表示された回答者端末20を所持する回答者が、当該ディスプレイ21に表示された回答フォーム21aに対する回答を入力する(ステップS12)。典型的には、ディスプレイ21に回答フォーム21aが表示された回答者端末20を所持する回答者は、ディスプレイ21にソフトウエアキーボード(図示せず)を表示し、当該ソフトウエアキーボードを、操作部24を介して操作することで、回答を入力する(フリック入力)。入力された回答は、ディスプレイ21(回答フォーム21a)に表示される回答入力欄21a1に表示される。なお、入力される回答は、典型的には、テキスト(文字、数字、記号等)である。
【0087】
次に、回答者が操作部24を介して所定操作を行うことで、ステップS12で入力された回答(回答データ)がサーバー装置30に送信される(ステップS14)。つまり、回答が投稿される。その際、回答とともに認証情報などが送られる場合がある。
【0088】
次に、サーバー装置30(通信部36)が、各々の回答者端末20から送信される回答(並びに、受付識別子、認証情報)を受信する(ステップS16)。受信した回答は、図4に示すように、回答番号が対応づけられて回答者提出データ管理DB33に蓄積(記憶)される(ステップS18)。なお、回答番号は、1つの回答が蓄積されるごとにインクリメントされる。
【0089】
次に、サーバー装置30(クラスタリング実行手段38a)が、所定タイミングで、回答者提出データ管理DB33に蓄積された回答(群)を解析して複数のクラスターに分類する(複数のクラスターにまとめる)処理(クラスタリング)を実行する(ステップS20)。所定タイミングは、例えば、回答者提出データ管理DB33に所定数(例えば、300)の回答が蓄積されたタイミング、又は、所定時間(例えば、10秒)経過したタイミングである。所定タイミング(例えば、所定数又は所定時間)は、例えば、クラスタリング条件設定手段38eによって設定することができる。
【0090】
回答の分類結果(クラスタリングの結果)は、例えば、図5に示すように、クラスターテーブル34(クラスター識別情報34a、回答34d)に記憶される。
【0091】
次に、サーバー装置30(回答数カウント手段38b)が、クラスター(クラスター識別情報)ごとに、クラスターに属する回答の数をカウントする(ステップS22)。カウントされた回答数は、例えば、図5に示すように、クラスターテーブル34(回答の数34b)に記憶される。
【0092】
次に、サーバー装置30(クラスター名算出手段38c)が、クラスター(クラスター識別情報)ごとに、クラスターのクラスター名を算出する(ステップS24)。算出されたクラスター名は、例えば、図5に示すように、クラスターテーブル34(クラスター名34c)に記憶される。
【0093】
次に、サーバー装置30が、クラスター画面表示データを、出題者端末40及び複数の回答者端末20それぞれに送信する(ステップS26)。
【0094】
図8は、クラスター画面表示データの一例である。
【0095】
図8に示すように、クラスター画面表示データは、クラスター識別情報、回答の数、クラスター名等の項目を含む。クラスター画面表示データ中のクラスター識別情報、回答の数、クラスター名は、例えば、クラスターテーブル34(クラスター識別情報34a、回答の数34b、クラスター名34c)から読み出されたものである。
【0096】
また、サーバー装置30は、自己回答所属クラスター特定情報を、複数の回答者端末20それぞれに送信する。自己回答所属クラスター特定情報は、自己(回答者端末20)がステップS14で送信した回答が属するクラスターを特定するための情報で、例えば、クラスター識別情報である。以下、自己回答所属クラスター特定情報がクラスター識別情報(クラスター3)である場合を例にして説明する。
【0097】
次に、各々の回答者端末20が、サーバー装置30から送信されるクラスター画面表示データ、自己回答所属クラスター特定情報を受信する(ステップS28)。同様に、出題者端末40も、サーバー装置30から送信されるクラスター画面表示データを受信する。
【0098】
次に、各々の回答者端末20(表示制御手段23a)が、ステップS28で受信したクラスター画面表示データに基づいて、クラスター画面21bをディスプレイ21に表示する(ステップS30)。出題者端末40も同様である。
【0099】
図9は、クラスター画面21bの一例である。
【0100】
クラスター画面21bは、回答の分類結果を含む。具体的には、図9に示すように、回答者端末20のディスプレイ21に表示されるクラスター画面21bは、クラスター象徴画像(クラスタバルーンともいう)C0~C8、全回答数21b1、自己回答所属クラスター指示表示21b2を含む。一方、図示しないが、出題者端末40のディスプレイ41に表示されるクラスター画面21bは、クラスター象徴画像(クラスタバルーンともいう)C0~C8、全回答数21b1を含む。つまり、出題者端末40のディスプレイ41に表示されるクラスター画面21bは、自己回答所属クラスター指示表示21b2を含まない。
【0101】
なお、図9中、ディスプレイ21の外形を表す矩形外に描かれているクラスター象徴画像C5~C8は、スクロールすることでディスプレイ21に表示される。
【0102】
クラスター象徴画像C0は、サーバー装置30から受信したクラスター画面表示データ中のクラスター識別情報(クラスター0)によって識別されるクラスターを象徴する画像で、クラスター画面表示データ中のクラスター識別情報(クラスター0)に対応づけられた回答の数(8件)及びクラスター名(おいしい×塩)を含む。
【0103】
同様に、クラスター象徴画像C1は、サーバー装置30から受信したクラスター画面表示データ中のクラスター識別情報(クラスター1)によって識別されるクラスターを象徴する画像で、クラスター画面表示データ中のクラスター識別情報(クラスター1)に対応づけられた回答の数(61件)及びクラスター名(カレー×ごはん×暑い)を含む。
【0104】
クラスター象徴画像C2~C8も同様である。
【0105】
クラスター象徴画像のサイズは、当該クラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する回答の数に応じて変化する。例えば、回答の数が多いクラスターを象徴するクラスター象徴画像ほど、サイズが大きく表示される。
【0106】
各々の回答者は、ディスプレイ21に表示される回答の分類結果、例えば、クラスター象徴画像それぞれに表示されているクラスター名を読むことで、全回答を読むことなく、全回答の傾向を把握することができる。
【0107】
全回答数21b1は、サーバー装置30から受信したクラスター画面表示データ中の回答の数を合計した数である。
【0108】
自己回答所属クラスター指示表示21b2は、自己(回答者端末20)がステップS14で送信した回答が属するクラスター(クラスター象徴画像)を指し示す表示で、例えば、図9に示すように、「YOU」と矢印とを組み合わせた画像である。
【0109】
自己回答所属クラスター指示表示21b2は、サーバー装置30から受信した自己回答所属クラスター特定情報(ここでは、クラスター識別情報(クラスター3))によって特定されるクラスター(ここでは、クラスター象徴画像C3)を指し示すように、当該クラスター(ここでは、クラスター象徴画像C3)近傍に表示される(図9参照)。
【0110】
各々の回答者は、クラスター象徴画像とともにディスプレイ21に表示される自己回答所属クラスター指示表示21b2を見ることで、自己(回答者端末20)がステップS14で送信した回答が属するクラスター(クラスター象徴画像)を瞬時に把握することができる。
【0111】
[追加回答象徴画像を表示する動作例]
次に、各々の回答者端末20のディスプレイ21(クラスター画面)及び出題者端末40のディスプレイ41(クラスター画面)に、追加回答象徴画像を表示する動作の一例について説明する。
【0112】
図10は、追加回答象徴画像を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。図10中、図6と同じ処理については同じ符号を付して説明を適宜省略する。図10に示す処理は、例えば、図6に示す処理の後に実行される。
【0113】
まず、回答フォームを回答者端末20のディスプレイ21に表示する(ステップS10)。
【0114】
次に、ディスプレイ21に回答フォーム21aが表示された回答者端末20を所持する回答者が、当該ディスプレイ21に表示された回答フォーム21aに対する回答を入力する(ステップS12)。
【0115】
次に、回答者がディスプレイ21(回答フォーム21a)に表示される確認ボタンB(又はこれに相当するボタン)を、操作部24を介して操作することで、ステップS12で入力された回答(回答データ)がサーバー装置30に送信される(ステップS14)。つまり、回答が投稿される。
【0116】
次に、サーバー装置30(通信部36)が、各々の回答者端末20から送信される回答(並びに、受付識別子、認証情報)を受信する(ステップS16)。以下、この受信した回答を、新たな回答ということがある。受信した回答は、図4に示すように、回答番号が対応づけられて回答者提出データ管理DB33に蓄積(記憶)される(ステップS18)。
【0117】
次に、サーバー装置30(クラスタリング実行手段38a)が、所定タイミングで、回答者提出データ管理DB33に蓄積された新たな回答を解析してクラスターに分類する処理(クラスタリング)を実行する(ステップS20)。
【0118】
回答の分類結果(クラスタリングの結果)は、クラスターテーブル34(回答34d)に記憶される。
【0119】
次に、サーバー装置30が、追加回答象徴画像表示データを、複数の回答者端末20及び出題者端末40それぞれに送信する(ステップS32)。
【0120】
図11は、追加回答象徴画像表示データの一例である。
【0121】
図11に示すように、追加回答象徴画像表示データは、新たな回答が属するクラスターを識別するクラスター識別情報、新たな回答の回答番号等の項目を含む。
【0122】
次に、各々の回答者端末20が、サーバー装置30から送信される追加回答象徴画像表示データを受信する(ステップS34)。同様に、出題者端末40も、サーバー装置30から送信される追加回答象徴画像表示データを受信する。
【0123】
次に、各々の回答者端末20(表示制御手段23a)が、ステップS34で受信した追加回答象徴画像表示データに基づいて、追加回答象徴画像をディスプレイ21(クラスター画面21b)に追加表示する(ステップS36)。出題者端末40も同様である。
【0124】
図12は、追加回答象徴画像が追加表示されたクラスター画面21bの一例である。図12には、3つの追加回答象徴画像21b3~21b5が示されている。
【0125】
図10中のステップS18~S36の処理は、例えば、クラスター画面21bが表示されている最中に、サーバー装置30が、新たな回答を受信するごとに実行される。
【0126】
なお、各々の回答者端末20(表示制御手段23a)及び出題者端末40(表示制御手段43a)は、追加回答象徴画像を、所定タイミングで消去してもよい。所定タイミングは、例えば、同一のクラスター(クラスター象徴画像)に対する追加回答象徴画像が所定数(例えば、10)表示されたタイミング、又は、所定時間(例えば、3秒)経過したタイミングである。
【0127】
なお、消去した追加回答象徴画像の個数(つまり、新たな回答の数)は、クラスター象徴画像に含まれる回答の数に加算される。これとともに、当該回答の数が加算されたクラスター象徴画像は、サイズが大きく表示される。
【0128】
[代表回答画面を表示する動作例]
次に、各々の回答者端末20のディスプレイ21及び出題者端末40のディスプレイ41に、代表回答画面を表示する動作の一例について説明する。
【0129】
図13は、代表回答画面を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0130】
まず、回答者が操作部24を介してクラスター画面21b中の特定のクラスター象徴画像を選択すると(ステップS40)、回答者端末20が、当該選択されたクラスター象徴画像が象徴するクラスターのクラスター識別情報をサーバー装置30に送信する(ステップS42)。講師が操作部44を介してクラスター画面21b中の特定のクラスター象徴画像を選択した場合も同様である。
【0131】
次に、サーバー装置30が、回答者端末20(又は出題者端末40)から送信されるクラスター識別情報を受信する(ステップS44)。
【0132】
次に、サーバー装置30(代表回答算出手段38d)が、ステップS44で受信したクラスター識別情報が対応づけられているクラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答の中から、クラスターの重心に距離が近い(つまり、回答の傾向が近い)N2個(例えば、N2=3)の回答を代表回答として算出する(ステップS46)。
【0133】
次に、サーバー装置30が、ステップS46で算出された代表回答(以下、代表回答表示データという)を、ステップS42でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20(又は出題者端末40)に送信する(ステップS48)。
【0134】
図14は、代表回答表示データの一例である。
【0135】
図14に示すように、代表回答表示データは、回答番号、回答等の項目を含む。
【0136】
次に、ステップS42でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20(又は出題者端末40)が、サーバー装置30から送信される代表回答表示データを受信する(ステップS50)。
【0137】
次に、ステップS42でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20が、ステップS50で受信した代表回答表示データに基づいて、代表回答画面21cをディスプレイ21に表示する(ステップS52)。出題者端末40が、サーバー装置30から送信される代表回答表示データを受信した場合も同様である。
【0138】
図15は、代表回答画面21cの一例である。
【0139】
ステップS42でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20を所持する回答者、つまり、ステップS40で特定のクラスター象徴画像を選択した回答者は、ディスプレイ21(代表回答画面21c)に表示される代表回答を読むことで、特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことなく、当該特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答の傾向を把握することができる。同様に、特定のクラスター象徴画像を選択した講師は、ディスプレイ41(代表回答画面21c)に表示される代表回答を読むことで、特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことなく、当該特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答の傾向を把握することができる。
【0140】
[詳細回答画面を表示する動作例]
次に、各々の回答者端末20のディスプレイ21及び出題者端末40のディスプレイ41に、詳細回答画面を表示する動作の一例について説明する。
【0141】
図16は、詳細回答画面を表示する動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0142】
まず、回答者が操作部24を介して代表回答画面21c中の「ぜんぶ見る」ボタンC(又はこれに相当するボタン)を操作すると(ステップS60)、回答者端末20が、ステップS40で選択されたクラスター象徴画像が象徴するクラスターの識別情報をサーバー装置30に送信する(ステップS62)。講師が操作部44を介して代表回答画面21c中の「ぜんぶ見る」ボタンC(又はこれに相当するボタン)を操作した場合も同様である。
【0143】
次に、サーバー装置30が、回答者端末20(又は出題者端末40)から送信されるクラスター識別情報を受信する(ステップS64)。
【0144】
次に、サーバー装置30(代表回答算出手段38d)が、ステップS64で受信したクラスター識別情報が対応づけられているクラスターテーブル34中の回答34dに記憶されている回答の中から、一定数(例えば、100)の回答を読み出し(ステップS66)、ステップS62でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20(又は出題者端末40)に送信する(ステップS68)。
【0145】
また、サーバー装置30は、自己回答特定情報を、ステップS62でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20に送信する。自己回答特定情報は、自己(回答者端末20)がステップS14で送信した回答を特定するための情報で、例えば、回答番号である。以下、自己回答特定情報が回答番号(71)である場合を例にして説明する。
【0146】
次に、ステップS62でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20が、サーバー装置30から送信される一定数(例えば、100)の回答、自己回答特定情報を受信する(ステップS70)。同様に、出題者端末40も、サーバー装置30から送信される一定数(例えば、100)の回答を受信する。
【0147】
次に、ステップS62でクラスター識別情報を送信した送信元の回答者端末20が、ステップS70で受信した一定数の回答に基づいて、詳細回答画面21dをディスプレイ21に表示する(ステップS72)。出題者端末40も同様である。
【0148】
図17は、詳細回答画面21dの一例である。
【0149】
図17に示すように、回答者端末20のディスプレイ21に表示される詳細回答画面21dは、一定数の回答21d1、自己回答指示表示21d2を含む。一方、図示しないが、出題者端末40のディスプレイ41に表示される詳細回答画面21dは、一定数の回答21d1を含む。つまり、出題者端末40のディスプレイ41に表示される詳細回答画面21dは、自己回答指示表示21d2を含まない。
【0150】
自己回答指示表示21d2は、自己(回答者端末20)がステップS14で送信した回答を指し示す表示で、例えば、図17に示すように、「YOU」と矢印とを組み合わせた画像である。
【0151】
自己回答指示表示21d2は、サーバー装置30から受信した自己回答特定情報(ここでは、回答番号(71))によって特定される回答を指し示すように、当該回答近傍に表示される(図17参照)。
【0152】
なお、図17中、ディスプレイ21に表示されていない一定数の回答21d1は、スクロールすることでディスプレイ21に表示される。
【0153】
図18は、詳細回答画面21dをスクロールして、詳細回答画面21dの最下部を表示した状態を表す図である。
【0154】
回答者が操作部24を介して詳細回答画面21d中の「もっと見る」ボタンD(又はこれに相当するボタン)を操作すると、上記ステップS60~S72と同様の処理が実行されて、ディスプレイ21(詳細回答画面21d)に残りの回答の一部(例えば、次の一定数の回答)又は全部が表示される。講師が操作部44を介して詳細回答画面21d中の「もっと見る」ボタンD(又はこれに相当するボタン)を操作した場合も同様である。
【0155】
以上のようにディスプレイ21(詳細回答画面21d)に一定数の回答を表示することで、各々の回答者は、ステップS40で選択されたクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことができる。同様に、講師は、選択されたクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことができる。
【0156】
出題者端末40のディスプレイ41及び回答者端末20のディスプレイ21には、それぞれ、相互に異なる画面が表示される。
【0157】
例えば、図示しないが、出題者端末40のディスプレイ41には、自己回答所属クラスター指示表示21b2が省略されたクラスター画面21bが表示される。一方、回答者端末20のディスプレイ21には、自己回答所属クラスター指示表示21b2を含むクラスター画面21bが表示される(図9(a)参照)。
【0158】
また例えば、図示しないが、出題者端末40のディスプレイ41には、操作部44によって図9(a)中のクラスター象徴画像C1を選択することで、当該クラスター象徴画像C1が象徴するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答が表示され、回答者端末20のディスプレイ21には、操作部24によって図9(a)中のクラスター象徴画像C2を選択することで、当該クラスター象徴画像C2が象徴するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答が表示される。
【0159】
また、複数の回答者端末20のディスプレイ21にも、それぞれ、相互に異なる画面が表示される。
【0160】
例えば、回答者Aが所持する回答者端末20のディスプレイ21には、図9(a)に示すクラスター画面21bが表示され、回答者Bが所持する回答者端末20のディスプレイ21には、図9(b)に示すクラスター画面21bが表示される。
【0161】
また例えば、図示しないが、回答者Aが所持する回答者端末20のディスプレイ21には、操作部24によって図9(a)中のクラスター象徴画像C3を選択することで、当該クラスター象徴画像C3が象徴するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答が表示され、回答者Bが所持する回答者端末20のディスプレイ21には、操作部24によって図9(b)中のクラスター象徴画像C6を選択することで、当該クラスター象徴画像C6が象徴するクラスターに属する回答の傾向を表す代表回答が表示される。
【0162】
以上説明したように、本実施形態によれば、限られた時間内に複数の回答者からの全回答の傾向を複数の回答者等が把握することができるアンケートシステム10を提供することができる。
【0163】
これは、複数の回答者端末20それぞれで入力された、アンケートに対する回答をサーバー装置30が収集し、分類(クラスタリング)すること、そして、その分類結果がクラスターごとにディスプレイ21、41(例えば、クラスター画面21b、代表回答画面21c)に表示されること、によるものである。
【0164】
また、本実施形態によれば、回答の分類結果がクラスター象徴画像とともに表示されるため、例えば、回答の分類結果をリスト形式で表示する場合(例えば、図20参照)と比べ、回答の分類結果を容易に把握することができる。
【0165】
また、本実施形態によれば、各々の回答者は、クラスター象徴画像とともにディスプレイ21(クラスター画面21b)に表示される自己回答所属クラスター指示表示21b2を見ることで、自己(回答者端末20)が送信した回答が属するクラスター(クラスター象徴画像)を瞬時に把握することができる。
【0166】
また、本実施形態によれば、特定のクラスター象徴画像を選択した回答者又は講師は、ディスプレイ21、41(代表回答画面21c)に表示される代表回答を読むことで、特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答を読むことなく、当該特定のクラスター象徴画像が象徴するクラスターに属する全回答の傾向を把握することができる。
【0167】
また、本実施形態によれば、様々なクラスタリング条件に基づいて、クラスタリングを実行することができる。
【0168】
また、本実施形態によれば、出題者端末40のディスプレイ41及び複数の回答者端末20のディスプレイ21それぞれに、操作部24、44の操作に応じて、相互に異なる画面21b等を表示することができる。
【0169】
次に、変形例について説明する。
【0170】
図19は、アンケートシステム10A(変形例)の概略構成図である。
【0171】
上記実施形態では、一つのサーバー装置30を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、図19に示すように、アンケートサーバー30A、回答解析サーバー30Bを用いてもよい。この場合、回答解析サーバー30Bに、クラスタリング実行手段38a、回答数カウント手段38b、クラスター名算出手段38c、代表回答算出手段38d、クラスタリング条件設定手段38eの機能を担当させ、アンケートサーバー30Aにそれ以外の機能を担当させることが考えられる。
【0172】
なお、アンケートサーバー30A、回答解析サーバー30Bは、一つのサーバー装置にインストールしてもよいし、別々のサーバー装置にインストールしてもよい。
【0173】
また、アンケートサーバー30Aを複数用いる場合、複数のアンケートサーバー30Aそれぞれに対応して複数の回答解析サーバー30Bを用いてもよいし、複数のアンケートサーバー30Aに対して1つの回答解析サーバー30Bを用いてもよい。
【0174】
また、上記実施形態では、クラスター画面として、クラスター象徴画像を含むクラスター画面を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0175】
例えば、クラスター画面として、図20に示すように、リスト形式のクラスター画面を用いてもよい。
【0176】
また、上記実施形態では、アンケートの出題者が講師で、アンケートの回答者が学生である例について説明したが、これに限らない。出題者は講師以外の者(例えば、イベント主催者)であってもよく、回答者は学生以外の者(例えば、イベント参加者)であってもよい。
【0177】
また、上記実施形態では、各々の回答者端末20が同一場所(教室A内)に存在する例について説明したが、これに限らない。例えば、各々の回答者端末20は、同一場所ではなく、相互に離間した個別の場所に存在してもよい。
【0178】
また、上記実施形態では、回答者端末20として、スマートフォンを用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、回答者端末20として、タブレットPCやノートPC等の携帯可能な小型コンピューターやその他コンピューターを用いてもよい。
【0179】
また、クラスタリング条件設定手段38eによって設定されるクラスタリング条件として、講師等が入力手段35から入力した特定の単語(例えば、おもいやり)を用いてもよい。例えば、単語のベクトル化の際、講師等が入力手段35から入力した特定の単語(例えば、おもいやり)の単語ベクトルに対して重み付けをしてもよい。
【0180】
また、上記実施形態では、クラスター名として、クラスターに属する回答(群)の傾向を表すN1個の単語を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0181】
すなわち、クラスター名は、クラスターに属する回答(群)の傾向を表す表示であれば何でもよく、例えば、代表回答算出手段38dによって算出される代表回答であってもよい。つまり、クラスター名は、単語に限らず文であってもよい。 また、上記実施形態では、各々の回答者端末20において入力される回答が、回答入力欄21a1に入力された文字(文章)である例について説明したが、これに限らない。各々の回答者端末20において入力される回答は、選択肢(例えば、職業5択)の中から選択された項目を識別する識別情報と、回答入力欄21a1に入力された文字(文章)と、を組み合わせたものであってもよい。つまり、回答は、文字(文章)を含む回答であればよい。
【0182】
この場合、まず、選択肢に基づき回答を絞り込み、その後、選択肢ごとに、クラスタリングを実行することでより高精度の分析が可能となる。
【0183】
また、投稿時間を考慮してクラスタリングを実行してもよい。例えば、15:10~15:50の間に投稿された回答(群)に対してのみクラスタリングを実行してもよい。これは、例えば、クラスタリング条件設定手段38eによってクラスタリング条件として、クラスタリングを実行する時間(例えば、15:10~15:50)を設定することで実現することができる。
【0184】
また、上記実施形態では、クラスター象徴画像として、回答の数及びクラスター名を含むクラスター象徴画像を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、クラスター象徴画像として、クラスター名のみを含むクラスター象徴画像を用いてもよい。つまり、回答の数は省略してもよい。
【0185】
本変形例によっても上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0186】
上記実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0187】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0188】
10、10A アンケートシステム
20 回答者端末
21 ディスプレイ
21a 回答フォーム
21a1 回答入力欄
21b クラスター画面
21b1 全回答数
21b2 自己回答所属クラスター指示表示
21b3~21b5 追加回答象徴画像
21c 代表回答画面
21d 詳細回答画面
21d1 回答
21d2 自己回答指示表示
22 通信部
23 制御部
23a 表示制御手段
24 操作部
30 サーバー装置
30A アンケートサーバー
30B 回答解析サーバー
31 回答者識別DB
32 アンケート管理DB
33 回答者提出データ管理DB
34 クラスターテーブル
34a クラスター識別情報
34c クラスター名
34d 回答
35 入力手段
36 通信部
37 HDD
38 制御部
38a クラスタリング実行手段
38b 回答数カウント手段
38c クラスター名算出手段
38d 代表回答算出手段
38e クラスタリング条件設定手段
40 出題者端末
41 ディスプレイ
42 通信部
43 制御部
43a 表示制御手段
44 操作部
C0~C8 クラスター象徴画像
NW ネットワーク
図1
図2
図3
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図5
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図20