(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】光ケーブル用キャビネット
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G02B6/46
(21)【出願番号】P 2019198771
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000231936
【氏名又は名称】日本通信電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 喜寛
(72)【発明者】
【氏名】寳田 一志
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/028428(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108983380(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0226945(US,A1)
【文献】特開2015-216198(JP,A)
【文献】特開2012-088482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/46-6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と、前記底面部の外縁の少なくとも一部において前記外縁に沿って立設された第1壁部、第2壁部、及び第3壁部と、前記底面部と対向する方向に開放部と、を有する第1筐体と、
前記第1筐体と係合して前記開放部を塞ぐことが可能な第2筐体と、を備え、
前記第1壁部と前記第2壁部は、互いに対向しており、
前記第3壁部は、前記第1壁部と前記第2壁部とを接続しており、
前記第2筐体は、前記第1筐体の前記開放部を前記第2筐体で塞い
で前記第1筐体と前記第2筐体とを固定した状態において前記第1壁部、前記第2壁部、及び前記第3壁部に対応する位置に設けられた弾性体を有し、
前記開放部を前記第2筐体で塞い
で前記第1筐体と前記第2筐体とを固定した状態において、
前記第1壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第1壁部と前記第2筐体とによって前記底面部に直交する方向である第1方向に圧縮され、
前記第2壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第2壁部と前記第2筐体とによって前記第1方向に圧縮され、
前記第3壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第3壁部と前記第2筐体とによって前記第1壁部と前記第2壁部とが対向する方向と直交する方向であって、前記底面部と平行な方向である第2方向に圧縮さ
れ、
前記第2筐体は、
天面部と、
前記弾性体をガイドするガイド壁と、
前記天面部の外縁の少なくとも一部において前記外縁に沿って立設され、
前記第1筐体の前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において、それぞれ
前記第1壁部と対応する位置にある第4壁部と、
前記第2壁部と対応する位置にある第5壁部と、
前記第3壁部と対応する位置にある第6壁部と、を有しており、
前記ガイド壁は、
前記第4壁部および前記第5壁部にあって、前記第1方向と平行に設けられた第1ガイド壁と、
前記第6壁部にあって、前記第2方向と平行に設けられた第2ガイド壁と、を備え、 前記第2筐体は、
前記第4壁部、前記第5壁部、および前記第6壁部それぞれに沿って、
前記第4壁部、前記第5壁部、および前記第6壁部それぞれと垂直な方向に延びる平面部を有し、
前記弾性体は、前記平面部に載置されており、
前記垂直な方向から見たときに、前記平面部に沿う方向において互いに隣り合う前記第1ガイド壁の端部と前記第2ガイド壁の端部が離れている、
光ケーブル用キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ケーブル用キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中空電柱の内部などの閉空間に設置可能な光ケーブル用キャビネット(以下、単に「キャビネット」とも称する)が知られている。例えば、特許文献1及び2には、中空電柱に設けられた開口部から出し入れをし、中空電柱の上下方向にスライド移動が可能なように構成されたキャビネット(クロージャ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-089061号公報
【文献】特開2000-125452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、例えば、中空電柱の内部等の閉空間に設置するようなキャビネットであっても、防水性能の向上が求められている。
【0005】
本開示は、防水性能を向上させた光ケーブル用キャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光ケーブル用キャビネットは、
底面部と、前記底面部の外縁の少なくとも一部において前記外縁に沿って立設された第1壁部、第2壁部、及び第3壁部と、前記底面部と対向する方向に開放部と、を有する第1筐体と、
前記第1筐体と係合して前記開放部を塞ぐことが可能な第2筐体と、を備え、
前記第1壁部と前記第2壁部は、互いに対向しており、
前記第3壁部は、前記第1壁部と前記第2壁部とを接続しており、
前記第2筐体は、前記第1筐体の前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において前記第1壁部、前記第2壁部、及び前記第3壁部に対応する位置に設けられた弾性体を有し、
前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において、
前記第1壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第1壁部と前記第2筐体とによって前記底面部に直交する方向である第1方向に圧縮され、
前記第2壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第2壁部と前記第2筐体とによって前記第1方向に圧縮され、
前記第3壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第3壁部と前記第2筐体とによって前記第1壁部と前記第2壁部とが対向する方向と直交する方向であって、前記底面部と平行な方向である第2方向に圧縮される。
【発明の効果】
【0007】
上記開示の構成によれば、防水性能を向上させた光ケーブル用キャビネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るキャビネットを示す分離斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すキャビネットの蓋体を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すキャビネットの本体に蓋体をかぶせる様子を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態に係るキャビネットを、左右方向および上下方向を含む面で切断した場合の斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態に係るキャビネットを、前後方向および上下方向を含む面で切断した場合の斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の一実施形態に係るキャビネットの本体の一部を示す平面図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の一実施形態に係るキャビネットの本体に対する弾性体の位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る光ケーブル用キャビネットは、
底面部と、前記底面部の外縁の少なくとも一部において前記外縁に沿って立設された第1壁部、第2壁部、及び第3壁部と、前記底面部と対向する方向に開放部と、を有する第1筐体と、
前記第1筐体と係合して前記開放部を塞ぐことが可能な第2筐体と、を備え、
前記第1壁部と前記第2壁部は、互いに対向しており、
前記第3壁部は、前記第1壁部と前記第2壁部とを接続しており、
前記第2筐体は、前記第1筐体の前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において前記第1壁部、前記第2壁部、及び前記第3壁部に対応する位置に設けられた弾性体を有し、
前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において、
前記第1壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第1壁部と前記第2筐体とによって前記底面部に直交する方向である第1方向に圧縮され、
前記第2壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第2壁部と前記第2筐体とによって前記第1方向に圧縮され、
前記第3壁部に対応する位置に設けられた前記弾性体は、前記第3壁部と前記第2筐体とによって前記第1壁部と前記第2壁部とが対向する方向と直交する方向であって、前記底面部と平行な方向である第2方向に圧縮される。
この構成によれば、光ケーブル用キャビネットの防水性能を向上させることが可能になる。
【0010】
前記光ケーブル用キャビネットは、
前記第2筐体が、
天面部と、
前記弾性体をガイドするガイド壁と、
前記天面部の外縁の少なくとも一部において前記外縁に沿って立設され、
前記第1筐体の前記開放部を前記第2筐体で塞いだ状態において、それぞれ
前記第1壁部と対応する位置にある第4壁部と、
前記第2壁部と対応する位置にある第5壁部と、
前記第3壁部と対応する位置にある第6壁部と、を有しており、
前記ガイド壁が、
前記第4壁部および前記第5壁部にあって、前記第1方向と平行に設けられた第1ガイド壁と、
前記第6壁部にあって、前記第2方向と平行に設けられた第2ガイド壁と、を備えることが好ましい。
この構成によれば、弾性体を適切な位置に保持することが可能になり、光ケーブル用キャビネットの防水性能をさらに向上させることが可能になる。
【0011】
前記光ケーブル用キャビネットは、
前記第2筐体が、
前記第4壁部、前記第5壁部、および前記第6壁部それぞれに沿って、
前記第4壁部、前記第5壁部、および前記第6壁部それぞれと垂直な方向に延びる平面部を有し、
前記弾性体が、前記平面部に載置されており、
前記垂直な方向から見たときに、前記平面部に沿う方向において互いに隣り合う前記第1ガイド壁の端部と前記第2ガイド壁の端部が離れていることが好ましい。
この構成によれば、弾性体の圧縮方向を第1方向から第2方向に切り替えることが容易になる。
【0012】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示に係る光ケーブル用キャビネットの実施の形態の例を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、異なる図面であっても同一又は相当の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る光ケーブル用キャビネット1(以下、単に「キャビネット1」とも称する)を示す分離斜視図である。
図1に示す光ケーブル用キャビネット1は、本体(第1筐体)10と、蓋体(第2筐体)20と、を備えている。本体10は、底面部11と、第1壁部12aと、第2壁部12bと、第3壁部12cと、接続箇所固定部14と、ケーブル挿入孔15と、を備えている。
【0014】
なお、以下の説明では、「上下方向」、「前後方向」、及び「左右方向」という語句を用いることがあるが、これらの方向は、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。「上下方向」とは、
図1に示す「上」方向および「下」方向を含む方向である。具体的には、「上下方向」は、底面部11に直交する方向である。「前後方向」とは、
図1に示す「前」方向および「後」方向を含む方向である。具体的には、「前後方向」は、第1壁部12aと第2壁部12bとが対向する方向と直交する方向であって、底面部11と平行な方向である。「左右方向」とは、
図1に示す「左」方向および「右」方向を含む方向である。具体的には、「左右方向」とは、上下方向と前後方向とに直交する方向である。
【0015】
底面部11は、本体10の支持基板である。底面部11の形状は、特に制限はされないが、
図1に示す例では、長方形状である。本体10は、底面部11と対向する方向(上方向)が開放されている(開放部)。この開放されている部分は、本体10に蓋体20をかぶせることによって、塞ぐことができる。
【0016】
底面部11の外縁には、外縁に沿うようにして、第1壁部12a、第2壁部12b、及び第3壁部12cが立設されている。第1壁部12a及び第2壁部12bは、底面部11の長辺に沿って設けられており、互いに対向している。
【0017】
第3壁部12cは、本体10の前方向側において第1壁部12aと第2壁部12bとを接続するように形成されている。
図1に示す例では、第3壁部12cは、上方向側から視た場合に、略コ字状に形成されている。また、第3壁部12cは、上方向に延出するように形成された延長壁13を有している。
【0018】
底面部11における第3壁部12cが設けられている短辺と対向する短辺には、2つのケーブル挿入孔15を有する壁部が設けられている。各ケーブル挿入孔15には、例えば、上流側の光ドロップケーブルまたは下流側の光ドロップケーブルが挿入される。なお、図示はしないが、各ケーブル挿入孔15の近傍には、各ケーブル挿入孔15に挿通される光ドロップケーブルの周囲をシールするためのパッキンが設けられており、各ケーブル挿入孔15から本体10の内部へと水や虫等が侵入することを防止している。
【0019】
接続箇所固定部14は、底面部11に支持されるように形成されている。接続箇所固定部14は、各ケーブル挿入孔15から挿入された光ドロップケーブル同士の接続箇所を固定するための部位である。
【0020】
図2は、
図1に示すキャビネット1の蓋体20を示す斜視図である。具体的には、
図2に示す蓋体20は、前後方向を軸にして、
図1に示す蓋体20を180度回転させた状態を示す斜視図である。蓋体20は、天面部21と、第4壁部22aと、第5壁部22bと、第6壁部22cと、庇部23と、弾性体24と、第1ガイド壁25aと、第2ガイド壁25bと、を備えている。
【0021】
天面部21は、蓋体20の支持基板である。天面部21の形状は、特に制限はされないが、
図2に示す例では、長方形状である。蓋体20は、天面部21と対向する方向(下方向)が開放されている。この開放されている部分は、蓋体20を本体10にかぶせることによって、塞ぐことができる。
【0022】
天面部21の外縁には、外縁に沿うようにして、第4壁部22a、第5壁部22b、及び第6壁部22cが立設されている。第4壁部22a及び第5壁部22bは、天面部21の長辺に沿って設けられており、互いに対向している。
【0023】
第6壁部22cは、蓋体20の前方向側において第4壁部22aと第5壁部22bとを接続するように形成されている。
図1~2に示す例では、第6壁部22cは、下方向側から視た場合に、略コ字状に形成されている。また、第6壁部22cは、後方向に延出するように形成された庇部23を有している。庇部23は、本体10に蓋体20をかぶせる際に、本体10に当接させるために設けられている。
【0024】
また、第4壁部22a、第5壁部22b、及び第6壁部22cは、上方向側から下方向側に向かう途中の位置に、天面部21と平行な面を有するステップ(平面部)26を有している。すなわち、ステップ26は、第4壁部22a、第5壁部22b、及び第6壁部22cそれぞれに沿って、第4壁部22a、第5壁部22b、及び第6壁部22cそれぞれと垂直な方向に延びるように形成されている。ステップ26には、弾性体24が載置されている。弾性体(パッキン)24は、本体10に蓋体20を被せた際に、本体10と蓋体20の間の隙間をシールするための部材である。弾性体24の構成材料は、弾性変形が可能なものであれば制限はされないが、例えば、ゴムであることが好ましい。 全体形状はリング状となっているものが好ましく、その断面形状は、円形状や正方形状のような断面内の直交する2方向において90度回転対称形のもの、或いは、楕円形状、矩形状のものが好ましい。
【0025】
第1ガイド壁25a及び第2ガイド壁25bは、キャビネット1の使用中に弾性体24の位置がずれたりしないようガイドするために設けられている。第1ガイド壁25aは、第5壁部22bの一部(区間27を除く部分)において、前後方向と平行に設けられている。具体的には、第5壁部22bに形成されたステップ26の左方向側の端部に沿って、第5壁部22bと平行になるように設けられている(
図4も参照)。第1ガイド壁25aは、第4壁部22aの一部においても、第5壁部22bの場合と同様に設けられている。
【0026】
第2ガイド壁25bは、第6壁部22cに沿って、天面部21と平行に設けられている。具体的には、第6壁部22cに形成されたステップ26の下方向側において、前記ステップ26と対向するように設けられている(
図5も参照)。第1ガイド壁25aが存在する面と、第2ガイド壁25bが存在する面とは、互いに直交している。
【0027】
上述したように、ステップ26は、第5壁部22b、第6壁部22c、第4壁部22aに沿って設けられている。一方、第5壁部22bの一部の区間27の部分においては、第1ガイド壁25aは設けられていない。同様に第2ガイド壁25bも設けられていない。このように、それぞれの壁部と垂直な方向からみたときに、ステップ26に沿う方向において互いに隣り合う位置にある第1ガイド壁25aと第2ガイド壁25bそれぞれの端部が離れている。このように、ステップ26に沿う方向において、第1ガイド壁25a、第2ガイド壁25bの間に、どちらのガイド壁も存在しない部分を備えることで、弾性体24に沿って、その圧縮方向を第1方向(上下方向)から第2方向(前後方向)に切り替えることができる。
【0028】
図3は、
図1に示すキャビネット1の本体10に蓋体20をかぶせる様子を示す模式図である。本体10に蓋体20をかぶせる場合、まず、本体10に対して蓋体20をA方向(前方向側から後方向側へと向かう方向)へと移動させて、庇部23が本体10の対応部位に当接した状態とする。次に、蓋体20の後方向側をB方向(上方向側から下方向側へと向かう方向)へと移動させる。その後、例えば、ネジ等の固定具を用いて、本体10と蓋体20を固定すれば、所定の設置場所に設置可能な状態となる。
【0029】
図4は、本体10に蓋体20をかぶせて両者を固定した状態にあるキャビネット1を、左右方向および上下方向を含む面で切断した場合の斜視図である。
図4に示すように、第4壁部22aに設けられた弾性体24は、第1壁部12aと第4壁部22aによって押圧されている。また、第5壁部22bに設けられた弾性体24は、第2壁部12bと第5壁部22bによって押圧されている。
【0030】
より具体的には、第4壁部22aに設けられた弾性体24は、第1壁部12aの上端と、第4壁部22aが有するステップ26とによって挟み込まれるように押圧され、底面部11に直交する方向である第1方向(上下方向)に圧縮されている。その結果、弾性体24が弾性変形して、第1壁部12aと第4壁部22aとの間の隙間を塞いでいる。第5壁部22bに設けられた弾性体24についても、第4壁部22aに設けられた弾性体24と同様にして、第1壁部12aと第4壁部22aとの間の隙間を塞いでいる。なお、弾性体24をより強く圧縮してシール性能を高めるために、第1壁部12aおよび第2壁部12bの上端に、前後方向に沿って突起を設けてもよい。
【0031】
図5は、本体10に蓋体20をかぶせて両者を固定した状態にあるキャビネット1を、前後方向および上下方向を含む面で切断した場合の斜視図である。また、
図5の左側に示す図はキャビネット1の全体図であり、
図5の右側に示す図は
図5の左側の図において一点鎖線で示された部分を拡大した拡大図である。
図5に示すように、第6壁部22cに設けられた弾性体24は、第3壁部12cと第6壁部22cとによって押圧されている。
【0032】
より具体的には、第6壁部22cに設けられた弾性体24は、第3壁部12cが有する延長壁13と、第6壁部22cとによって挟み込まれるように押圧され、第1壁部12aと第2壁部12bとが対向する方向と直交する方向であって、底面部11と平行な方向である第2方向(前後方向)に圧縮されている。その結果、弾性体24が弾性変形して、第3壁部12cと第6壁部22cとの間の隙間を塞いでいる。
【0033】
以下、本体10に蓋体20をかぶせて両者を固定した状態における、弾性体24と本体10との位置関係を説明する。
図6Aは、キャビネット1の本体10の一部を示す平面図である。
図6Aは、本体10に蓋体20をかぶせていない状態を示している。
図6Bは、キャビネット1の本体10に対する弾性体の位置を示す模式図である。
図6Bは、本体10に蓋体20をかぶせて固定した状態を示しているが、理解を容易にするため、弾性体24を除く蓋体20の構造は省略している。
【0034】
図6Bに示すように、本体10に蓋体20をかぶせて固定した状態において、第1壁部12aに対応する位置にある弾性体24は、第1壁部12aの上端に位置する。そして、第3壁部12cに差し掛かるにつれ、弾性体24は、延長壁13の外側に位置するようになる。このような位置関係において、
図4および
図5で説明したようにして、弾性体24が圧縮されることになる。
【0035】
なお、上記の説明では、弾性体24は蓋体20に設けられていたが、弾性体24を本体10に設けてもよい。すなわち、蓋体20を第1筐体とし、本体10を第2筐体としてもよい。弾性体24を設ける位置は、第4壁部22aおよび第5壁部22bに対応する位置に設けられる弾性体24と、第6壁部22cに対応する位置に設けられる弾性体24とで、圧縮される方向が異なるように設ければ、特に制限はされず、例えば、
図6Bに示すような位置であってもよい。
【0036】
また、上記の説明では、ステップ26は、第5壁部22b、第6壁部22c、第4壁部22aに沿って連続して設けられていたが、弾性体24を載置できる程度に、間欠的に設けられていても良い。第1ガイド壁25aと第2ガイド壁25bについても同様に、弾性体24を保持できる程度に、間欠的に設けられていても良い。
【0037】
図4~
図6Bに示したように、本開示に係るキャビネット1では、第4壁部22aおよび第5壁部22bに設けられた弾性体24と、第6壁部22cに設けられた弾性体とで、圧縮される方向が異なるように構成されている。このような構成により、特に、蓋体を2つの方向に動かして本体に蓋体をかぶせるタイプのキャビネットにおいて、防水性能を向上させることができる。
【0038】
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【符号の説明】
【0039】
1:光ケーブル用キャビネット
10:本体(第1筐体)
11:底面部
12a:第1壁部
12b:第2壁部
12c:第3壁部
13:延長壁
14:接続箇所固定部
15:ケーブル挿入孔
20:蓋体(第2筐体)
21:天面部(蓋体の底面部)
22a:第4壁部
22b:第5壁部
22c:第6壁部
23:庇部
24:弾性体(パッキン)
25a:第1ガイド壁
25b:第2ガイド壁
26:ステップ(平面部)