(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ドレンキャップ
(51)【国際特許分類】
E04D 13/04 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
E04D13/04 E
(21)【出願番号】P 2019192395
(22)【出願日】2019-10-23
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】592179137
【氏名又は名称】株式会社アルテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 継男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠明
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-144573(JP,A)
【文献】特開平09-165885(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209114(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00-3/40、13/00-15/07
E03C 1/12-1/33
E04B 1/62-1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水を通すための複数の開口を備えて排水口を覆う通水構造のキャップ本体と、該キャップ本体から下方に張り出し且つ前記排水口の内部に窄めて挿入されてから自身の弾発力により広がって前記排水口の内部周囲に圧接する板ばね部材とを備えたドレンキャップであって、十文字に交差するよう重ね合わせた二枚の板ばね部材の交差部分を前記キャップ本体の頂部中央下面に保持部を介して装着し且つ前記各板ばね部材の上側部分を下方に撓ませて前記キャップ本体内に収め、前記各板ばね部材の中途部を前記キャップ本体の下端付近で外側に向け屈曲させて前記各板ばね部材の下側部分が前記キャップ本体より下方で外側に張り出すように配置したことを特徴とするドレンキャップ。
【請求項2】
各板ばね部材の交差部分の装着を担う保持部は、キャップ本体の頂部中央下面に固定されて下方に突き出す固定基部と、該固定基部の下面に前記各板ばね部材の交差部分を挟み込んだ状態で該交差部分を避けた位置を締結される押え板とで構成されていることを特徴する請求項1に記載のドレンキャップ。
【請求項3】
交差部分を成す板ばね部材の夫々を個別に嵌め込む嵌合溝が固定基部の下面と押え板の上面とに形成されていることを特徴する請求項2に記載のドレンキャップ。
【請求項4】
各板ばね部材の中途部が一旦内側に曲げられてからクランク状に外側へ曲げられていることを特徴する請求項1、2又は3に記載のドレンキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を排水する排水口に取り付けられるドレンキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルやマンション等の建築物の屋上や各階のベランダには、雨水を排水する排水口(ドレン)が設けられているのが一般的であり、この種の排水口には、雨水に随伴される落ち葉、小枝、紙、又は、ビニール等といった固形物の侵入防止や、排水口が剥き出しになることによる危険性の回避、美観の保持等といった観点からドレンキャップが取り付けられている。
【0003】
図7に示す如く、従来におけるドレンキャップ1の場合には、建築物の屋上やバルコニー等を構成するコンクリート躯体2に、その表面に溜まる雨水を排出するための排水口3を形成するドレン本体4が埋設され、該ドレン本体4の直下に図示しない排水管が接続されるようになっている。
【0004】
そして、前記排水口3が通水構造のキャップ本体5により覆われており、該キャップ本体5は、図示の如きドーム形を成し且つ雨水を通すための複数の開口6を備え、前記キャップ本体5の頂部中央下面には、該キャップ本体5より下方まで延びる心棒部7が備えられていて、該心棒部7の下端に二枚の板ばね部材8がビス9で固定されている。尚、この板ばね部材8は、長さが排水口3の径よりも十分に長くなっており、二枚の板ばね部材8が十文字に交差するよう重ね合わせた状態で装着されている。
【0005】
また、前記キャップ本体5を排水口3上に設置するにあたっては、作業員が二枚の板ばね部材8を下方向きに撓ませ、排水口3の直径よりも窄めた状態として該排水口3の内部に挿入するようしており、その挿入時に板ばね部材8が作業員の手から放されることで該板ばね部材8が自身の弾発力により広がり、前記排水口3の内部周囲(ドレン本体4の筒部分の内周面)に圧接してキャップ本体5の固定が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、斯かる従来のドレンキャップ1にあっては、現場毎に異なる様々な口径の排水口3に対し各板ばね部材8の撓み量だけで対応させなければならなかったため、比較的狭い範囲の排水口3の口径にしか対応させることができず、しかも、その対応させることが可能な範囲内で口径が大きくなるにつれ撓み量が少なくなって圧接力が弱くなるという課題があった。
【0008】
また、十文字に交差させた二枚の板ばね部材8を排水口3の径よりも小さく窄ませて排水口3に挿入するようにしていたため、
図8に示す如く、前記排水口3の開口面積のうちの多くの領域が、前記各板ばね部材8の十文字の交差部分により塞がれてしまい、雨水に随伴される落ち葉等が引っ掛かることで排水口3の詰まりが起こり易くなるという課題もあった。
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑みてなしたもので、従来よりも広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能で且つ排水口の詰まりを効果的に防止することが可能なドレンキャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、雨水を通すための複数の開口を備えて排水口を覆う通水構造のキャップ本体と、該キャップ本体から下方に張り出し且つ前記排水口の内部に窄めて挿入されてから自身の弾発力により広がって前記排水口の内部周囲に圧接する板ばね部材とを備えたドレンキャップであって、十文字に交差するよう重ね合わせた二枚の板ばね部材の交差部分を前記キャップ本体の頂部中央下面に保持部を介して装着し且つ前記各板ばね部材の上側部分を下方に撓ませて前記キャップ本体内に収め、前記各板ばね部材の中途部を前記キャップ本体の下端付近で外側に向け屈曲させて前記各板ばね部材の下側部分が前記キャップ本体より下方で外側に張り出すように配置したことを特徴とするものである。
【0011】
このように構成した場合に、各板ばね部材の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませて排水口の内部に挿入すると、前記各板ばね部材が自身の弾発力により広がって前記排水口の内部周囲に圧接し、これによりキャップ本体が排水口上に設置された状態で固定されることになるが、この際、前記各板ばね部材の上側部分が前記キャップ本体の内周面から離間して内側に撓むことで弾発力が生じる一方、前記各板ばね部材の下側部分が外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることでも弾発力が生じる。
【0012】
そして、排水口の口径変化に対しては、主として各板ばね部材の上側部分の撓み量の増減で対応させることが可能となるが、各板ばね部材の下側部分が外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることで生じる弾発力は、前記各板ばね部材の上側部分の撓み量の増減により大きく変わることなく保たれる。
【0013】
例えば、設置対象となる排水口の口径が大きなものとなり、前記各板ばね部材の上側部分の撓み量が減少しても、その上側部分に対する下側部分の外側への曲げ角度は広がる傾向となり、この曲げ角度を広げるように弾性変形されることで生じる弾発力は寧ろ増えるため、前記排水口の口径変化が前記各板ばね部材による排水口の内部周囲への圧接力に大きな変化を及ぼさなくなり、従来よりも広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能となる。
【0014】
また、十文字に交差するよう重ね合わせた二枚の板ばね部材の交差部分をキャップ本体の頂部中央下面に保持部を介して装着するようにしているので、前記各板ばね部材の交差部分が排水口より上側に配置されて該排水口の開口面積が前記各板ばね部材により狭められなくて済むので、雨水に随伴される落ち葉等が引っ掛かる虞れが殆どなくなって排水口の詰まりが起こり難くなる。
【0015】
更に、本発明をより具体的に実施するにあたり、各板ばね部材の交差部分の装着を担う保持部は、キャップ本体の頂部中央下面に固定されて下方に突き出す固定基部と、該固定基部の下面に前記各板ばね部材の交差部分を挟み込んだ状態で該交差部分を避けた位置を締結される押え板とで構成されていることが好ましい。
【0016】
このようにした場合に、各板ばね部材の交差部分を固定基部と押え板とで挟み込むようにすると、前記交差部分が面で固定されることにより点で固定される場合よりも曲げ抵抗が強くなり、この結果、前記各板ばね部材の上側部分の撓みによる弾発力が増強され、しかも、前記交差部分にビス穴等を開けなくて済むことで該交差部分の耐久性も大幅に向上される。
【0017】
また、本発明においては、交差部分を成す板ばね部材の夫々を個別に嵌め込む嵌合溝が固定基部の下面と押え板の上面とに形成されていることが好ましく、このようにすれば、各板ばね部材の交差部分のずれを防止して十文字の重なり状態を良好に保持することが可能となる。
【0018】
更に、本発明においては、各板ばね部材の中途部が一旦内側に曲げられてからクランク状に外側へ曲げられていることが好ましく、このようにすれば、前記各板ばね部材の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませた際に、外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることに加え、内側への曲げ角度を狭めるように弾性変形されることでも弾発力が生じ、前記各板ばね部材による排水口の内部周囲への圧接力が増強される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のドレンキャップによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0020】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、排水口の口径変化が各板ばね部材による排水口の内部周囲への圧接力に大きな変化を及ぼさないようにして従来よりも広い範囲の排水口の口径に対応させることを実現でき、しかも、前記排水口の開口面積が前記各板ばね部材により狭められないようにして前記排水口の詰まりを効果的に防止することができる。
【0021】
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、各板ばね部材の交差部分を固定基部と押え板とで挟み込み、前記交差部分を面で固定して曲げ抵抗を強くすることで前記各板ばね部材の上側部分の撓みによる弾発力を増強することができ、しかも、前記交差部分にビス穴等を開けなくて済むことで該交差部分の耐久性を大幅に向上することもできる。
【0022】
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、交差部分を成す板ばね部材の夫々を固定基部の下面と押え板の上面にある嵌合溝に夫々嵌め込むことにより、前記各板ばね部材の交差部分のずれを防止して十文字の重なり状態を良好に保持することができる。
【0023】
(IV)本発明の請求項4に記載の発明によれば、各板ばね部材の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませた際における弾発力を増やし、前記各板ばね部材による排水口の内部周囲への圧接力を増強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明のドレンキャップを部分的に切り欠いて示す斜視図である。
【
図2】
図1のドレンキャップを排水口に装着した状態を示す断面図である。
【
図3】
図2のドレンキャップを排水口から抜き出した状態を示す断面図である。
【
図4】
図1のドレンキャップにおける保持部の詳細を示す斜視図である。
【
図6】本発明における板ばね部材の変形例を示す側面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII矢視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0026】
図1~
図5は本発明のドレンキャップの一実施例を示すもので、図と7及び
図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0027】
図1及び
図2に示す如く、本実施例においても、建築物の屋上やバルコニー等を構成するコンクリート躯体2に、その表面に溜まる雨水を排出するための排水口3を形成するドレン本体4が埋設され、該ドレン本体4の直下に図示しない排水管が接続されるようになっている現場を適用対象とし、前記排水口3を覆う通水構造のキャップ本体10と、該キャップ本体10から下方に張り出し且つ前記排水口3の内部に窄めて挿入されてから自身の弾発力により広がって前記排水口3の内部周囲(ドレン本体4の筒部分の内周面)に圧接する板ばね部材11とを備えたドレンキャップ12となっているが、十文字に交差するよう重ね合わせた二枚の板ばね部材11の交差部分を前記キャップ本体10の頂部中央下面に保持部13を介して装着し且つ前記各板ばね部材11の上側部分を下方に撓ませて前記キャップ本体10内に収め、前記各板ばね部材11の中途部を前記キャップ本体10の下端付近で屈曲部11aを基点として外側に向け屈曲させ、これにより前記各板ばね部材11の下側部分が前記キャップ本体10より下方で外側に張り出すように配置したところが特徴となっている。
【0028】
ここで、
図1及び
図2は各板ばね部材11を窄めて排水口3の内部に挿入した状態を示しているため、前記各板ばね部材11の上側部分が前記キャップ本体10の内周面から離間して内側に撓んだ状態となり且つ前記各板ばね部材11の下側部分が下方に垂下した状態で図示されているが、
図3に示す如く、前記各板ばね部材11を排水口3から抜き出した状態にあっては、前記各板ばね部材11の上側部分が前記キャップ本体10の内周面に圧接した状態で該キャップ本体10内に収まり且つ前記各板ばね部材11の下側部分が前記キャップ本体10より下方で外側に張り出すことになる。
【0029】
また、前記キャップ本体10は、雨水を通すための複数の開口14を備えたドーム形を成しており、その頂部中央下面で前記各板ばね部材11の交差部分の装着を担う保持部13は、前記キャップ本体10の頂部中央下面に固定されて下方に突き出す固定基部13aと、該固定基部13aの下面に前記各板ばね部材11の交差部分を挟み込んだ状態で該交差部分を避けた位置をビス15により締結される押え板13bとで構成されており、
図4に詳細を示す通り、交差部分を成す板ばね部材11の夫々を個別に嵌め込む嵌合溝13c,13dが固定基部13aの下面と押え板13bの上面とに夫々形成されている。
【0030】
このように構成した場合に、
図2に示す如く、各板ばね部材11の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませて排水口3の内部に挿入すると、前記各板ばね部材11が自身の弾発力により広がって前記排水口3の内部周囲(ドレン本体4の筒部分の内周面)に圧接し、これによりキャップ本体10が排水口3上に設置された状態で固定されることになるが、この際、前記各板ばね部材11の上側部分が前記キャップ本体10の内周面から離間して内側に撓むことで弾発力が生じる一方、前記各板ばね部材11の下側部分が外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることでも弾発力が生じる。
【0031】
そして、図示例以外の現場における排水口3の口径変化に対しては、主として各板ばね部材11の上側部分の撓み量の増減で対応させることが可能となるが、各板ばね部材11の下側部分が外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることで生じる弾発力は、前記各板ばね部材11の上側部分の撓み量の増減により大きく変わることなく保たれる。
【0032】
例えば、設置対象となる排水口3の口径が大きなものとなり、前記各板ばね部材11の上側部分の撓み量が減少しても、その上側部分に対する下側部分の外側への曲げ角度は広がる傾向となり、この曲げ角度を広げるように弾性変形されることで生じる弾発力は寧ろ増えるため、前記排水口3の口径変化が前記各板ばね部材11による排水口3の内部周囲への圧接力に大きな変化を及ぼさなくなり、従来よりも広い範囲の排水口3の口径に対応させることが可能となる。
【0033】
また、十文字に交差するよう重ね合わせた二枚の板ばね部材11の交差部分をキャップ本体10の頂部中央下面に保持部13を介して装着するようにしているので、前記各板ばね部材11の交差部分が排水口3より上側に配置され、
図5に
図2のV-V矢視の断面図で示す通り、前記排水口3の開口面積が前記各板ばね部材11により狭められなくて済むので、雨水に随伴される落ち葉等が引っ掛かる虞れが殆どなくなって前記排水口3の詰まりが起こり難くなる。
【0034】
更に、特に本実施例においては、各板ばね部材11の交差部分の装着を担う保持部13は、キャップ本体10の頂部中央下面に固定されて下方に突き出す固定基部13aと、該固定基部13aの下面に前記各板ばね部材11の交差部分を挟み込んだ状態で該交差部分を避けた位置を締結される押え板13bとで構成されているので、各板ばね部材11の交差部分を固定基部13aと押え板13bとで挟み込むようにすると、前記交差部分が面で固定されることにより点で固定される場合よりも曲げ抵抗が強くなり、この結果、前記各板ばね部材11の上側部分の撓みによる弾発力が増強され、しかも、前記交差部分にビス穴等を開けなくて済むことで該交差部分の耐久性も大幅に向上される。
【0035】
また、交差部分を成す板ばね部材11の夫々を個別に嵌め込む嵌合溝13c,13dが固定基部13aの下面と押え板13bの上面とに形成されているので、各板ばね部材11の交差部分のずれを防止して十文字の重なり状態を良好に保持することが可能となる。
【0036】
従って、上記実施例によれば、排水口3の口径変化が各板ばね部材11による排水口3の内部周囲への圧接力に大きな変化を及ぼさないようにして従来よりも広い範囲の排水口3の口径に対応させることを実現でき、しかも、前記排水口3の開口面積が前記各板ばね部材11により狭められないようにして前記排水口3の詰まりを効果的に防止することができる。
【0037】
また、各板ばね部材11の交差部分を固定基部13aと押え板13bとで挟み込み、前記交差部分を面で固定して曲げ抵抗を強くすることで前記各板ばね部材11の上側部分の撓みによる弾発力を増強することができ、しかも、前記交差部分にビス穴等を開けなくて済むことで該交差部分の耐久性を大幅に向上することもできる。
【0038】
更に、交差部分を成す板ばね部材11の夫々を固定基部13aの下面と押え板13bの上面にある嵌合溝13c,13dに夫々嵌め込むことにより、前記各板ばね部材11の交差部分のずれを防止して十文字の重なり状態を良好に保持することができる。
【0039】
また、
図6は板ばね部材11の変形例を示すもので、一枚の板ばね部材11について押え板15と共に図示した側面図であるが、ここに図示してある通り、各板ばね部材11の中途部を屈曲部11bを介し一旦内側に曲げてから屈曲部11aを基点としてクランク状に外側へ曲げるようにすることも可能である。
【0040】
このようにすれば、各板ばね部材11の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませた際に、屈曲部11aにて外側への曲げ角度を広げるように弾性変形されることに加え、屈曲部11bにて内側への曲げ角度を狭めるように弾性変形されることでも弾発力が生じ、前記各板ばね部材11による排水口3の内部周囲への圧接力を増強させる効果が得られる。
【0041】
この際、屈曲部11a,11bの相互の間隔は、加工に支障のない範囲で極力小さく設定しておくことが好ましく、そのようにした場合に、各板ばね部材11の下側部分を互いに近接する方向へ窄ませた際における弾発力が強くなることが検証実験により確認されている。
【0042】
尚、本発明のドレンキャップは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1 ドレンキャップ
3 排水口
10 キャップ本体
11 板ばね部材
12 ドレンキャップ
13 保持部
13a 固定基部
13b 押え板
13c 嵌合溝
13d 嵌合溝