(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
H05K3/00 Q
(21)【出願番号】P 2021082647
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】202010412967.6
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513322718
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称原語表記】TSINGHUA UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】1 Qinghuayuan, Haidian District, Beijing 100084, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】羅 貴明
(72)【発明者】
【氏名】何 悦
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110455822(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109959661(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109916906(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
G06T 7/00
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法であって、
2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成されるデータペア画像ライブラリと、単一の2次元PCB欠陥パッチのみを有するデータ画像ライブラリである2次元PCB欠陥単一データ画像ライブラリとを含む2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリを構築するステップS1と、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥カテゴリ特徴を抽出するステップS2と、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥レベルに対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥レベル特徴を抽出するステップS3と、
2次元標準PCB画像及び2次元検出対象PCB画像を含む2次元PCB画像を抽出するステップS4と、
前記2次元PCB画像のノイズ除去処理を実行するステップS5と、
前記2次元検出対象PCB画像を前記2次元標準PCB画像に
画像マッチングを行うステップS6と、
前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のグレー値を比較および分析して、2次元PCB残差画像を取得するステップS7と、
前記2次元標準PCB画像、前記2次元検出対象PCB画像及び前記2次元PCB残差画像をセグメント化して位置決めして、複数の画像の画像パッチ及び対応する座標を取得するステップS8と、
前記2次元PCB残差画像の画像パッチをフィルタリングし、
画像マッチングによって引き起こされる比較エラーを排除するステップS9と、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、複数の画像パッチで欠陥パッチを検索し、欠陥パッチマッチングを実行するステップS10と、
畳み込みニューラルネットワークを使用して、前記2次元検出対象PCB画像の欠陥を識別するステップS11と、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥カテゴリ特徴ペアを使用して、前記2次元検出対象PCB画像内のマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥パッチ画像ライブラリに追加するステップS12と、
前記2次元検出対象PCB画像内の各種類の欠陥を疑似欠陥としてマークするステップS13と、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴と分類情報を通じて、疑似欠陥パッチの真偽性を判断し、欠陥が偽の欠陥である場合、対応する欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークするステップS14と、を含み、前記
データペア画像ライブラリおよび前記2次元PCB欠陥
単一データ画像ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥パッチ画像が
それぞれ含まれ、前記PCB欠陥パッチ画像にはマルチスケール画像が含まれ、
ここで、疑似欠陥パッチとは、パッチ化されたPCB画像のうち、疑似欠陥部分に対応する画像パッチである
ことを特徴とする深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項2】
前記ステップS4において、抽出された2次元PCB画像には、2種類があり、1つは、2次元標準PCB画像と2次元検出対象PCB画像を抽出する方法で、もう1つは、2次元検出対象PCB画像のみを抽出する方法であり、
前記ステップS4は、
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、2次元検出対象PCB画像及び対応する2次元標準PCB画像を抽出し、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、2次元検出対象PCB画像のみを抽出することをさらに含む
請求項1に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項3】
前記2次元PCB画像に対してノイズ除去処理を実行する前記ステップS5において、
アルゴリズムを使用して、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のノイズを除去し、標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、前記2次元標準PCB画像及び前記2次元検出対象PCB画像のノイズを除去し、画像のノイズを除去し、底板の色が画像に与える影響を修正し、標準PCB画像、検出対象PCB画像、および欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させることと、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、前記2次元検出対象PCB画像のみをノイズ除去し、画像のノイズを除去し、底板の色が画像に与える影響を修正し、検出対象PCB画像、欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させることと、を含む
請求項2に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項4】
前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像に対して、
画像マッチング、グレー値の比較、画像セグメンテーションを実行することは、さらに、
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、前記ステップS6、前記ステップS7及び前記ステップS8は、
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法の比較では、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像に対して
画像マッチングを行い、ノイズ除去処理後の2次元標準PCB画像に従って前記2次元検出対象PCB画像を修正し、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のグレー値を比較し、画像残差を計算して2次元PCB残差画像を取得することと、
前記2次元標準PCB画像、前記2次元検出対象PCB画像、および前記2次元PCB残差画像をセグメント化して、複数の画像パッチ及び対応する座標を取得することと、
前記2次元標準PCB画像に対して
画像マッチングを行い、前記2次元標準PCB画像に回転、変形、不均一な光、光の反射があるか否かを検出し、ある場合、アルゴリズムを使用して修正することと、
前記2次元検出対象PCB画像を処理済みの2次元標準PCB画像と比較し、位置、光、色が一致しているか否かを判断し、一致していない場合は、アルゴリズムを使用して、前記2次元検出対象PCB画像を修正することと、を含む
請求項3に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項5】
非比較参照検出方法では、前記ステップS8は、前記2次元検出対象PCB画像をセグメント化して、複数の画像パッチ及び対応する座標を取得することを含む
請求項3に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項6】
前記ステップS9において、前記2次元PCB残差画像の画像パッチをフィルタリングして比較エラーを排除し、前記2次元PCB残差画像に残差のない画像パッチを削除し、
前記ステップS10及び前記ステップS12は、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、前記2次元PCB欠陥単一データ画像ライブラリを採用することと、
標準ボード比較なしPCB検出方法とPCBハイブリッド検出方法では、前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリと前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークでトレーニングし、PCB欠陥特徴とPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出することと、
前記ステップS10は、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、複数の画像パッチでPCB欠陥の検索と識別を実行し、単一の2次元PCB欠陥画像ライブラリ畳み込みニューラルネットワークを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴をトレーニングし、前記ステップS12は、前記2次元検出対象PCB画像にマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加することと、を含む
請求項5に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項7】
標準PCBとの比較の検出方法とPCBハイブリッド検出方法では、それぞれ前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ及び前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングして、PCB欠陥特徴及びPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出し、前記ステップS11及び前記ステップS12は、
2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成される2次元PCB欠陥データペア画像ライブラリを採用し、前記ステップS11は、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴ペア、前記ステップS9は、残差画像に対して欠陥識別を実行し、2次元PCB欠陥画像ライブラリ畳み込みニューラルネットワークを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴ペアをトレーニングし、前記ステップS12は、前記2次元検出対象PCB画像にマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加することをさらに含む
請求項5または6に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項8】
PCBハイブリッド検出方法では、前記ステップS12の後には、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされた前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリのPCB欠陥特徴を使用して、マークされた疑似欠陥パッチを検索してマッチングさせ、そのうちの偽の欠陥を削除し、識別精度を向上させることと、
前記ステップS13の後、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、欠陥画像で疑似欠陥を検索してマッチングさせることと、をさらに含む
請求項7に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項9】
PCB欠陥検証では、前記ステップS3で畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴情報を通じてPCB欠陥の真偽性を判断し、欠陥が偽の欠陥である場合、この偽の欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークする
請求項1または8に記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【請求項10】
欠陥の検索と判断の過程で、欠陥を複数の識別の反復によって連続的に排除する
請求項1ないし9のいずれかに記載の深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥検出の技術分野、特に深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2次元(2D)プリント回路基板(PCB)は、さまざまなマイクロ回路基板およびマザーボードの製造の基礎であり、その正確性は、他の後続プロセスの正確性を保証するものである。現代の技術と優れたプロセスの継続的な開発により、PCBの製造はますます複雑で精密になっている。従来の外観検出は、複雑なPCB検出にはもはや適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、関連技術における技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的としている。
【0004】
この目的のために、本発明は、高速、高精度、強力な一般化能力、および明確な構造の利点を有する、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例は、
PCB欠陥パッチ画像を収集してマークすることにより、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリには、2次元PCB欠陥データペア画像ライブラリと2次元PCB欠陥単一データ画像ライブラリが含まれる、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリを構築するステップS1と、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥カテゴリ特徴を抽出するステップS2と、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥のレベルに対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥レベル特徴を抽出するステップS3と、
PCB生産ラインを通じて、2次元標準PCB画像及び2次元検出対象PCB画像を含む、2次元PCB画像を抽出するステップS4と、
フィルタリングノイズ除去モジュールを介して、前記2次元PCB画像に対してノイズ除去処理を実行するステップS5と、
画像マッチングモジュールを介して前記2次元検出対象PCB画像と前記2次元標準PCB画像に画像マッチングを行うステップS6と、
画像グレー値比較モジュールを介して、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のグレー値を比較および分析して、2次元PCB残差画像を取得するステップS7と、
画像セグメンテーション位置決めモジュールを介して、前記2次元標準PCB画像、前記2次元検出対象PCB画像及び前記2次元PCB残差画像をセグメント化して位置決めして、複数の画像の画像パッチ及び対応する座標を取得するステップS8と、
残差フィルタリングモジュールを介して、前記2次元PCB残差画像の画像パッチをフィルタリングし、画像マッチング及びその他の要因によって引き起こされる比較エラーを排除するステップS9と、
欠陥検索マッチングモジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、複数の画像パッチで欠陥パッチを検索し、欠陥パッチのマッチングを実行するステップS10と、
CNN欠陥識別モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークを使用して、前記2次元検出対象PCB画像の欠陥を識別するステップS11と、
PCB欠陥分類モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥カテゴリ特徴ペアを使用して、前記2次元検出対象PCB画像内のマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥パッチ画像ライブラリに追加するステップS12と、
PCB欠陥疑似モジュールを介して、前記2次元検出対象PCB画像内の各種類の欠陥を疑似欠陥としてマークするステップS13と、
PCB欠陥検証モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴と分類情報を通じて、疑似欠陥パッチの真偽性を判断し、欠陥が偽の欠陥である場合、対応する欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークするステップS14と、を含む深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法を提供する。
【0006】
また、本発明の上記の実施例による深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法はまた、以下の追加の技術的特徴を有することができる。
【0007】
さらに、本発明の1つの実施例において、前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリは2種類に分類され、1つは2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成されるデータペア画像ライブラリで、もう1つは単一の2次元PCB欠陥パッチのみを有するデータ画像ライブラリである。
【0008】
さらに、本発明の一つの実施例において、前記ステップS1は、
2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリを構築することをさらに含む。2種類の2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥パッチ画像が含まれ、前記PCB欠陥パッチ画像にはマルチスケール画像が含まれる。
【0009】
さらに、本発明の一つの実施例において、前記ステップS2及びステップS3は、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥カテゴリ特徴を抽出することと、
前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥のレベルに対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥レベル特徴を抽出することと、をさらに含む。
【0010】
さらに、本発明の一つの実施例において、S4において、PCB画像抽出モジュールを介して抽出された2次元PCB画像には、2種類があり、1つは、2次元標準PCB画像と2次元検出対象PCB画像を抽出する方法で、もう1つは、2次元検出対象PCB画像のみを抽出する方法である。
【0011】
さらに、本発明の一つの実施例において、前記S4は、
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、2次元検出対象PCB画像及び対応する2次元標準PCB画像を抽出することと、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、2次元検出対象PCB画像のみを抽出することと、をさらに含む。
【0012】
さらに、本発明の一つの実施例において、フィルタリングノイズ除去モジュールは、前記2次元PCB画像に対してノイズ除去処理を行う前記S5において、
アルゴリズムを使用して、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のノイズを除去し、標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、前記2次元標準PCB画像及び前記2次元検出対象PCB画像に対してノイズ除去を実行し、画像のノイズを除去し、底板の色が画像に与える影響を修正し、標準PCB画像、検出対象PCB画像、および欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させることと、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、前記2次元検出対象PCB画像のみに対してノイズを除去し、画像のノイズを除去し、底板の色が画像に与える影響を修正し、検出対象PCB画像、欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させることと、を含む。
【0013】
さらに、本発明の一つの実施例において、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像に対して、画像マッチング、グレー値の比較、および画像セグメンテーションを実行することは、さらに
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、前記S6、S7及びS8は、
標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像に対して画像マッチングを行い、ノイズ除去処理後の2次元標準PCB画像に従って前記2次元検出対象PCB画像を修正し、前記2次元標準PCB画像と前記2次元検出対象PCB画像のグレー値を比較し、画像残差を計算して2次元PCB残差画像を取得することと、前記2次元標準PCB画像、前記2次元検出対象PCB画像、および前記2次元PCB残差画像をセグメント化して、複数の画像パッチ及び対応する座標を取得することと、
前記2次元標準PCB画像に対して画像マッチングを行い、前記2次元標準PCB画像に回転、変形、不均一な光、および光の反射があるか否かを検出し、ある場合、アルゴリズムを使用して修正することと、
前記2次元検出対象PCB画像を処理済みの2次元標準PCB画像と比較し、位置、光、色が一致しているか否かを判断し、一致していない場合は、アルゴリズムを使用して、前記2次元検出対象PCB画像を修正することと、を含む。
【0014】
さらに、本発明の一つの実施例において、非比較参照検出方法では、S8は、前記2次元検出対象PCB画像をセグメント化して、複数の画像パッチ及び対応する座標を取得することをさらに含む。
【0015】
さらに、本発明の一つの実施例において、前記S9において、前記2次元PCB残差画像の画像パッチをフィルタリングし、画像マッチング及びその他の要因による比較エラーを排除し、前記2次元PCB残差画像に残差のない画像パッチを削除し、
前記S10及びS12は、
標準ボード比較なしPCB検出方法では、前記2次元PCB欠陥単一データ画像ライブラリを採用することと、
標準ボード比較なしPCB検出方法とPCBハイブリッド検出方法では、前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリと前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークでトレーニングし、PCB欠陥特徴とPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出することと、
ステップS10は、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、前記ステップS8は、複数の画像パッチでPCB欠陥の検索および識別を実行し、単一の2次元PCB欠陥画像ライブラリ畳み込みニューラルネットワークを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴をトレーニングし、ステップS12は、前記2次元検出対象PCB画像にマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加することと、をさらに含む。
【0016】
さらに、本発明の一つの実施例において、標準PCBの検出方法とPCBハイブリッド検出方法との比較では、それぞれ前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ及び前記2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングして、PCB欠陥特徴及びPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出する。
ステップS11及びステップS12は、
2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成される2次元PCB欠陥データペア画像ライブラリを採用し、ステップS11は、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴ペア、ステップS9は、残差画像に対して欠陥識別を実行し、2次元PCB欠陥画像ライブラリ畳み込みニューラルネットワークを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴ペアをトレーニングし、ステップS12は、前記2次元検出対象PCB画像にマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、前記新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加することをさらに含む。
【0017】
さらに、本発明の一つの実施例において、PCBハイブリッド検出方法では、ステップS12の後には、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされた前記2次元PCB欠陥画像ライブラリのPCB欠陥特徴を使用して、マークされた疑似欠陥パッチを検索してマッチングさせ、そのうちの偽の欠陥を削除し、識別精度を向上させることと、
ステップS13の後、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、前記欠陥画像で疑似欠陥を検索してマッチングさせることと、をさらに含む。
【0018】
さらに、本発明の一つの実施例において、PCB欠陥検証では、ステップS3で畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴情報を通じてPCB欠陥の真偽性を判断し、欠陥が偽の欠陥である場合、該偽の欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークする。
【0019】
さらに、本発明の一つの実施例において、欠陥の検索と判断の過程で、欠陥を複数の識別の反復によって連続的に排除する。
【0020】
本発明の追加の態様および利点は、以下の説明で部分的に与えられ、いくつかは、以下の説明から明らかになるか、または本発明の実施を通じて理解される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例における深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法は、PCB画像、標準PCB画像、および畳み込みニューラルネットワークを使用してPCB欠陥を検出し、PCB欠陥検出のツールを使用すると、組み立てプロセスの初期段階でエラーを見つけて排除でき、欠陥のあるPCBボードを次の組み立て段階に送ることを回避でき、同時に、修理コストを削減し、修理不可能な回路基板の廃棄を回避する。畳み込みニューラルネットワークの使用には、高速、高精度、強力な一般化能力、および明確な構造という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一つの実施例による、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法のフローチャート
【
図2】本発明の一つの具体的な実施例による、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法のフローチャート
【
図3】本発明のもう一つの具体的な実施例による、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法のフローチャート
【
図4】本発明のさらに一つの具体的な実施例による、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記及び/又は追加の態様および利点は、添付の図面を参照しながら実施例の以下の説明から明らかになり、理解しやすくなる。
以下は、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例の例は、添付の図面に示され、同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の要素または同じまたは類似の機能を有する要素を示す。添付の図面を参照して以下に説明する実施例は例示的なものであり、本発明を説明することを意図しているが、本発明を限定するものではない。
【0024】
以下は、添付の図面を参照して、本発明の実施例によって提供された深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法を説明する。
【0025】
技術の進歩に伴い、PCBの製造はますます複雑で精密になっている。既存の欠陥検出方法は効率的ではなく、精度は非常に低くなっている。本発明の実施例は、比較のために標準PCBボードに依存するCNN検出方法(方法1)、標準PCBボード比較なしのCNN検出方法(方法2)、前の2つの方法ハイブリッドCNN検出方法(方法3)が含まれるPCB実施例でPCB欠陥検出を行う、深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法を提供する。
【0026】
図1に示すように、本発明の実施例による深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法は、
PCB欠陥パッチ画像ライブラリを介して、2次元PCB欠陥データペア画像ライブラリと2次元PCB欠陥単一データ画像ライブラリがそれぞれある、2次元PCB欠陥パッチ(patch)画像ライブラリを構築するS1と、
CNN欠陥特徴トレーニングモジュールを介して、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用してトレーニングして、PCB欠陥特徴及びPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出するS2と、
CNN欠陥レベル特徴トレーニングモジュールを介して、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥レベルに対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングして、PCB欠陥カテゴリ特徴を抽出するS3と、
PCB画像抽出モジュールを介して、それぞれ2次元標準PCB画像と2次元検出対象PCB画像がある、2次元PCB画像を抽出するS4と、
フィルタリングノイズ除去モジュールを介して、2次元PCB画像のノイズ除去処理を実行するS5と、
画像マッチングモジュールを介して、2次元標準PCB画像を2次元検出対象PCB画像に
画像マッチングを行
うS6と、
画像グレー値比較モジュールを介して、2次元標準PCB画像と2次元検出対象PCB画像のグレー値を比較および分析して、2次元PCB残差画像を取得するS7と、
画像セグメンテーション位置決めモジュールを介して2次元標準PCB画像、2次元検出対象PCB画像及び2次元PCB残差画像をセグメント化して位置決めして、複数の画像のパッチ(patch)及び対応する座標を取得するS8と、
残差フィルタリングモジュールを介して、2次元PCB残差画像のpatchをフィルタリングし、
画像マッチング及びその他の要因によって引き起こされる比較エラーを排除するS9と、
欠陥検索マッチングモジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、複数の画像パッチで欠陥パッチを検索し、欠陥パッチのマッチングを実行するS10と、
CNN欠陥識別モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークを使用して、検出対象PCB画像欠陥を識別するS11と、
PCB欠陥分類モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングPCB欠陥カテゴリ特徴ペアを使用して、検出対象PCB画像内のマークされた欠陥を分類し、カテゴリにない欠陥を判断し、それらが偽の欠陥であるか、新しいカテゴリの欠陥であるかを判断し、新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加するS12と、
PCB欠陥疑似モジュールを介して、2次元検出対象PCB画像内の各種類の欠陥を疑似欠陥としてマークするS13と、
PCB欠陥検証モジュールを介して、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴と分類情報を通じて、疑似欠陥パッチの真偽性を判断し、判断疑似缺陷塊的真假性,欠陥が偽の欠陥である場合、対応する欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークするS14と、を含む。
【0027】
本発明の実施例において、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリは2種類に分類され、1つは2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成されるデータペア画像ライブラリで、もう1つは単一の2次元PCB欠陥パッチのみを有するデータ画像ライブラリである。
【0028】
本発明の実施例において、上記実施例に基づき、S1は、
2種類の2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥パッチ画像が含まれ、PCB欠陥パッチ画像にはマルチスケール画像が含まれることをさらに含む。
【0029】
本発明の実施例において、S2及びS3は、
2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用してトレーニングを行い、PCB欠陥カテゴリ特徴を抽出することと、
2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリ内の各種類のPCB欠陥のレベルに対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングを行い、PCB欠陥レベル特徴を抽出することと、をさらに含む。
【0030】
本発明の実施例において、S4は、2次元標準PCB画像及び2次元検出対象PCB画像を抽出する、検出対象PCB画像のみを抽出する2つの状況を含む、2次元PCB画像を抽出することを含むことを特徴とする。
【0031】
ステップS4は、
比較技術が必要な検出方法1と方法3の場合、2次元検出対象PCB画像及び対応する標準PCB画像を抽出する必要があり、教師なし学習検出(つまり、非比較参照学習検出方法)方法2の場合、2次元検出対象PCB画像のみを抽出する必要があることをさらに含む。
【0032】
本発明の実施例において、S5フィルタリングノイズ除去モジュールは、2次元PCB画像に対してノイズ除去処理を行う。
【0033】
アルゴリズムを使用して標準PCB画像及び検出対象PCB画像のノイズを除去する。方法1と方法3では、2次元標準PCB画像と検出対象PCB画像のノイズを除去する必要があり、画像のノイズを除去し、ボードの色が画像に与える影響を修正し、標準PCB画像、検出対象PCB画像、および欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させ、方法2では、検出対象PCB画像のみに対してノイズを除去する必要があり、画像のノイズを除去し、底板の色が画像に与える影響を修正し、検出対象PCB画像、欠陥ライブラリの画像の底板の色を一致させる。
【0034】
標準PCB画像と検出対象PCB画像に対して画像マッチング、グレー値の比較、画像セグメンテーションを行う。
【0035】
S6、S7、およびS8については、方法1および方法3に使用される。標準PCB画像と検出対象PCB画像に対して画像マッチングを行い、処理された標準PCB画像に従って検出対象PCB画像を修正する。標準PCB画像と検出対象PCB画像に対してグレー値を比較し、画像の残差を計算して残差画像を取得し、次に、標準PCB画像、検出対象PCB画像、および残差画像をセグメント化して、複数の画像パッチと座標を取得する。
【0036】
標準PCB画像に対して画像マッチングを行い、標準PCB画像に回転、変形、不均一な光、および光の反射があるか否かを検出し、ある場合、アルゴリズムを使用して修正する。
【0037】
検出対象PCB画像を処理済みの標準PCB画像と比較し、位置、光、色が一致しているか否かを判断し、一致していない場合は、アルゴリズムを使用して、検出対象PCB画像を修正する。
【0038】
画像のセグメント化と位置決めS8は、方法2で使用され、検出対象PCB画像をセグメント化して、複数の画像パッチと座標を取得する。
【0039】
本発明の実施例において、S9では、2次元PCB残差画像のpatchをフィルタリングし、画像マッチング及びその他の要因による比較エラーを排除し、残差画像に残差のない画像パッチを削除し、
2次元PCB欠陥画像ライブラリ及び2次元PCB欠陥画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングして、PCB欠陥特徴及びPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出する。S10及びS12では、
方法2は、単一の2次元PCB欠陥パッチのみを有するデータ画像ライブラリを使用することをさらに含む。S10は、CNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、S8は、PCB欠陥の検索識別を行う。次に、単一の2次元PCB欠陥画像ライブラリCNNを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴をトレーニングし、S12は、検出対象PCB画像にマークされている欠陥を分類し、そのカテゴリにない欠陥を判断し、偽の欠陥か新しいカテゴリの欠陥かを判断し、新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加する。
【0040】
本発明の実施例において、それぞれ2次元PCB欠陥画像ライブラリ及び2次元PCB欠陥画像ライブラリの各種類のPCB欠陥に対して、畳み込みニューラルネットワークを使用してトレーニングして、PCB欠陥特徴及びPCB欠陥カテゴリ特徴を抽出することを特徴とする。S11及びS12では、
方法1及び方法3では、2次元PCB欠陥パッチ及び対応する非欠陥標準PCBパッチ画像で構成されるデータペア画像ライブラリを採用し、S11は、CNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、S9は、残差画像に対して欠陥識別を実行する。次に、2次元PCB欠陥画像ライブラリCNNを使用して、PCB欠陥カテゴリ特徴ペアをトレーニングし、S12は、検出対象PCB画像にマークされている欠陥を分類し、そのカテゴリにない欠陥を判断し、偽の欠陥か新しいカテゴリの欠陥かを判断し、新しいカテゴリの欠陥を欠陥画像ライブラリに追加することを含む。
【0041】
S12の後に方法3は、
畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされた2次元PCB欠陥画像ライブラリのPCB欠陥特徴を使用して、マークされた疑似欠陥パッチを検索してマッチングさせ、そのうちの偽の欠陥を削除し、識別精度を向上させることをさらに含む。
【0042】
S13の後、畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を介して、欠陥画像で疑似欠陥を検索してマッチングさせる。
【0043】
本発明の実施例において、PCB欠陥検証では、S3で畳み込みニューラルネットワークによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴情報を通じてPCB欠陥の真偽性を判断し、欠陥が偽の欠陥である場合、この欠陥を削除して偽の欠陥の原因を分析し、欠陥が真の欠陥である場合、欠陥レコードにマークする。
【0044】
本発明の実施例において、欠陥の検索と判断の過程で、欠陥を複数の識別の反復によって連続的に排除することを特徴とする。
【0045】
要約すると、本発明の実施例は、3つの欠陥検出方法を提供する。3つの検出方法を、添付の図面とともに以下に詳細に説明する。
【0046】
方法1:
図2に示すように、深層学習に基づく検出は、
欠陥ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥画像が含まれ、欠陥画像はマルチスケール画像であってもよい、2次元PCB欠陥パッチ画像ライブラリの構築S1ステップ(1-1)と、
各種類のPCB欠陥データペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥特徴と欠陥カテゴリ特徴を抽出する、CNN欠陥トレーニングS2と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(1-2)と、
各レベルのPCB欠陥データペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥レベル特徴を抽出する、CNN欠陥レベルトレーニングS3と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(1-3)と、
それぞれ標準PCB画像及び検出対象PCB画像を読み取る、標準PCB画像の読み取りS4ステップ(1-4)と、
画像には必然的にさまざまなノイズおよび底板の色があるため、欠陥識別に大きな影響を与える。ノイズをフィルタリングするには、複数のアルゴリズムと技術を使用する必要がある、それぞれ標準PCB画像と検出対象PCB画像をノイズ除去する画像ノイズ除去S5とS4の接続ステップ(1-5)と、
それぞれ標準PCBと検出対象PCB画像に対して
画像マッチングを行う、
画像マッチングS6とS5の接続ステップ(1-6)と、
PCB画像には、回転や変形などに変化があるかを検出し、変化した場合は、修正する必要があり、標準PCB画像の光に異常がないか、不均一な光や反射などがないかを検出し、異常光がある場合は、アルゴリズムの修正が必要である標準PCB画像の端正かの検出ステップ(1-6-1)と、
検出対象PCB画像が端正であるか否か、標準PCBの位置と一致するか否かを検出し、標準PCB画像の位置、光、色と一致するか否かを確認し、不一致である場合、アルゴリズムを使用して修正する画像ノイズ除去S5との接続に加えて、検出対象PCB画像もレジストされた標準PCB画像と接続する必要があるステップ(1-6-2)と、
検出対象PCB画像と標準PCB画像に対して画像グレー値を比較し、画像の残差を計算する画像グレー値の比較S7と
画像マッチングS6の接続ステップ(1-7)と、
PCB標準画像、検出対象画像、および残差画像に対して、同じパッチに適切にセグメント化し、欠陥パッチの位置決めとマーキングの準備をする画像セグメンテーションS8とS7の接続ステップ(1-8)と、
画像マッチングエラー及び干渉による比較残差をフィルタリングし、残差画像に残差のないpatchを削除し、残差のあるpatchを検出および分析する残差フィルタリングS9と画像セグメンテーションS8の接続ステップ(1-9)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を使用して、残差patchを識別し、検出対象PCB欠陥であるpatchを識別し、疑似欠陥patchをマークする、複数回識別して反復し、疑似欠陥patchを徐々に排除できるPCB欠陥識別S11と残差フィルタリングS9及びPCB欠陥特徴トレーニングS2の接続ステップ(1-10)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥カテゴリ特徴を使用して、欠陥識別S11でマークされた欠陥patchを分類し、マークされた欠陥が属する欠陥の種類を識別するPCB欠陥分類S12と欠陥識別S11および欠陥トレーニングS2の接続ステップ(1-11)と、
S3でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴を使用して、S12で得られた疑似PCB欠陥が真の欠陥であるか否かを確認し、偽の欠陥を削除して、検出精度を向上させる。それが真の欠陥である場合は、それをマークする。同時に、カテゴリに含まれない欠陥をスクリーニングし、検出された真の欠陥が新しいタイプの欠陥である場合、この新しい欠陥をマークし、欠陥ライブラリに追加する。偽の欠陥である場合は、偽の欠陥の原因を分析し、その後の検出のための参照を提供するPCB欠陥検証S14と欠陥分類S12および欠陥レベル特徴S3の接続ステップ(1-12)と、を含む。
【0047】
方法2:第1の検出方法と比較して、第2の欠陥検出方法は非参照学習検出であり、標準PCBと比較して参照する必要はない。
図3に示すように、具体的なステップは、
欠陥ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥画像が含まれ、欠陥画像はマルチスケール画像であってもよい。この欠陥ライブラリは、第1の検出方法の画像ライブラリとは異なり、画像データペアではなく、単一の欠陥画像だけであるPCB欠陥画像ライブラリを構築するS1ステップ(2-1)と、
各種類のPCB欠陥ペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥特徴と欠陥カテゴリ特徴を抽出する、CNN欠陥トレーニングS2と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(2-2)と、
各レベルのPCB欠陥ペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥レベル特徴を抽出する、CNN欠陥レベルトレーニングS3と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(2-3)と、
検出対象PCB画像を読み取る、標準PCB画像の読み取りS4ステップ(2-4)と、
画像には必然的にさまざまなノイズ、底板の色があるため、欠陥識別に大きな影響を与える。ノイズをフィルタリングするには、複数のアルゴリズムと技術を使用する必要がある、検出対象PCB画像をノイズ除去する画像ノイズ除去S5とS4の接続ステップ(2-5)と、
PCB検出対象画像をセグメント化し、パッチ(patch)にセグメント化して、欠陥パッチの位置決めとマーキングの準備をする画像セグメンテーションS8と画像ノイズ除去S5の接続ステップ(2-6)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を使用して、欠陥patchを検索し、検出対象PCB欠陥であるpatchを識別し、疑似欠陥patchをマークする、複数回識別して反復し、疑似欠陥patchを徐々に排除できる欠陥マッチング検索S10と画像セグメンテーションS8および欠陥特徴トレーニングS2の接続ステップ(2-7)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥カテゴリ特徴を使用して、欠陥検索S10でマークされた欠陥patchを分類し、マークされた欠陥が属する欠陥の種類を判断すると同時に、カテゴリに含まれない欠陥は、偽の欠陥であるか新しいタイプの欠陥であるかを判断するためにスクリーニングし、新しいタイプの欠陥である場合は、欠陥を欠陥ライブラリに拡張するPCB欠陥分類S12と欠陥マッチング検索S10および欠陥トレーニングS2の接続ステップ(2-8)と、
S3でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴を使用して、S12で得られた疑似PCB欠陥が真の欠陥であるか否かを確認し、偽の欠陥を削除して、検出精度を向上させる。それが真の欠陥である場合は、それをマークする。検出された真の欠陥が新しいタイプの欠陥である場合、この新しい欠陥をマークし、欠陥ライブラリに追加する。偽の欠陥である場合は、偽の欠陥の原因を分析し、その後の検出のための参照を提供するPCB欠陥検証S14と欠陥分類S12および欠陥レベル特徴S3の接続ステップ(2-9)と、を含む。
【0048】
方法3:
第3の検出方法は、ハイブリッド検出方法と呼ばれる上記の2つの検出方法を組み合わせたもので、PCBの欠陥をより正確に識別でき、
図4に示すように、具体的なステップは、
欠陥ライブラリには、マーク、分類、および等級付けされたさまざまなPCB欠陥画像が含まれ、欠陥画像はマルチスケール画像であってもよい。
PCB欠陥ライブラリは、2種類の欠陥画像ライブラリに分けられる。1つは、欠陥画像の標準画像(ポジティブ例)と欠陥画像(ネガティブ例)で構成される画像データペアであり、もう1つのタイプは、欠陥画像のみで構成される画像ライブラリである2次元PCB欠陥画像ライブラリを構築するS1ステップ(3-1)と、
第1タイプの各種類のPCB欠陥データペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥特徴と欠陥カテゴリ特徴を抽出し、第2タイプの各種類のPCB欠陥に対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥特徴と欠陥カテゴリ特徴を抽出するCNN欠陥トレーニングS2と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(3-2)と、
第1タイプの欠陥ライブラリの各レベルのPCB欠陥データペアに対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥レベル特徴を抽出し、第2タイプの欠陥ライブラリの各レベルのPCB欠陥に対して、CNNを使用してトレーニングし、PCB欠陥レベル特徴を抽出するCNN欠陥レベルトレーニングS3と欠陥ライブラリS1の接続ステップ(3-3)と、
それぞれ標準PCB画像と検出対象PCB画像を読み取る標準PCB画像の読み取りS4ステップ(3-4)と、
画像には必然的にさまざまなノイズ、底板の色があるため、欠陥識別に大きな影響を与える。ノイズをフィルタリングするには、複数のアルゴリズムと技術を使用する必要がある、それぞれ標準PCB画像と検出対象PCB画像をノイズ除去する画像ノイズ除去S5とS4の接続ステップ(3-5)と、
それぞれ標準PCBと検出対象PCB画像に対して
画像マッチングを行う、
画像マッチングS6とS5の接続ステップ(3-6)と、
PCB画像には、回転や変形などに変化があるかを検出し、 変化した場合は、修正する必要があり、標準PCB画像の光に異常がないか、不均一な光や反射などがないかを検出し、異常光がある場合は、アルゴリズムの修正が必要である標準PCB画像の端正かの検出ステップ(3-6-1)と、
検出対象PCB画像が端正であるか否か、標準PCBの位置と一致するか否かを検出し、標準PCB画像の位置、光、色と一致するか否かを確認し、不一致である場合、アルゴリズムを使用して修正する画像ノイズ除去S5との接続に加えて、検出対象PCB画像もレジストされた標準PCB画像と接続する必要があるステップ(3-6-2)と、
検出対象PCB画像と標準PCB画像に対して画像グレー値を比較し、画像の残差を計算する画像グレー値の比較S7と
画像マッチングS6の接続ステップ(3-7)と、
PCB標準画像、検出対象画像、および残差画像に対して、同じパッチ(patch)に適切にセグメント化し、欠陥パッチの位置決めとマーキングの準備をする画像セグメンテーションS8とS7の接続ステップ(3-8)と、
画像マッチングエラー及び干渉による比較残差をフィルタリングし、残差画像に残差のないpatchを削除し、残差のあるpatchを検出および分析する残差フィルタリングS9と画像セグメンテーションS8の接続ステップ(3-9)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴を使用して、残差patchを識別し、検出対象PCB欠陥であるpatchを識別し、疑似欠陥patchをマークする、複数回識別して反復し、疑似欠陥patchを徐々に排除できるPCB欠陥識別S11と残差フィルタリングS9及びPCB欠陥特徴トレーニングS2の接続ステップ(3-10)と、
S2でCNNによってトレーニングされたPCB欠陥カテゴリ特徴を使用して、欠陥識別S11でマークされた欠陥patchを分類するPCB欠陥分類S12と欠陥識別S11および欠陥トレーニングS2の接続ステップ(3-11)と、
検出対象PCB疑似欠陥をマークし、マークされた疑似欠陥がどの種類の欠陥に属するかを判断する疑似欠陥S13とS12の接続ステップ(3-12)と、
疑似欠陥S13については、S2の第2タイプの欠陥ライブラリCNNによってトレーニングされたPCB欠陥特徴とカテゴリ特徴を使用して、検索とマッチングを行う。疑似欠陥の偽の欠陥をフィルタリングする欠陥検索マッチングS10と疑似欠陥S13およびCNN欠陥トレーニングS2の接続ステップ(3-13)と、
S10でスクリーニングされた欠陥をさらにフィルタリングする。S3の第2タイプの欠陥ライブラリCNNによってトレーニングされたPCB欠陥レベル特徴を使用して、S10によって取得された疑似PCB欠陥が真の欠陥であるかないかを確認し、偽の欠陥を削除し、検出精度を向上させる。真の欠陥である場合は、それをマークする。同時に、カテゴリに含まれない欠陥をスクリーニングし、検出された真の欠陥が新しいタイプの欠陥である場合、この新しい欠陥をマークし、欠陥ライブラリに追加する。偽の欠陥である場合は、偽の欠陥の原因を分析し、その後の検出のための参照を提供するPCB欠陥検証S14と欠陥検索マッチングS10および欠陥レベル特徴S3の接続ステップ(3-14)と、を含む。
【0049】
本発明の実施例によって提供された深層学習に基づく2次元PCB外観欠陥のリアルタイム自動検出方法は、PCB画像、標準PCB画像、および畳み込みニューラルネットワークを使用してPCB欠陥を検出し、PCB欠陥検出のツールを使用すると、組み立てプロセスの初期段階でエラーを見つけて排除でき、不良ボードを次の組み立て段階に送ることを回避すると同時に、修理コストを削減し、修理不可能な回路基板を廃棄することを回避する。畳み込みニューラルネットワークの使用には、高速、高精度、強力な一般化能力、および明確な構造という利点がある。
【0050】
また、「第1」および「第2」という用語は目的の説明でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。したがって、「第1」および「第2」で定義された特徴には、明示的または暗黙的に特徴の少なくとも1つが含まれる場合がある。本発明の説明において、「複数」は、特に明記しない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0051】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「特定の例」、または「いくつかの例」などの用語に関する説明は、この実施例または例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の模式的説明は、必ずしも同じ実施例または例を指すとは限らない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料または特性は、任意の1つまたは複数の実施例または例において適切な方法で組み合わせることができる。また、矛盾がない場合、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例または例および異なる実施例または例の特徴を結合して組み合わせることができる。
【0052】
本発明の実施例は上に示され、説明されてきたが、上記の実施例は例示であり、本発明を限定しない。当業者は、本発明の範囲内で、上記の実施例に変更、修正、置換、および変形を行うことができる。