IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ワイヤーデバイスの特許一覧

特許7347889電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法
<>
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図1
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図2
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図3
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図4
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図5
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図6
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図7
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図8
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図9
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図10
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図11
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置及び電気抵抗式溶融炉の操業方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/284 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G01F23/284
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023115847
(22)【出願日】2023-07-14
【審査請求日】2023-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593207271
【氏名又は名称】株式会社WADECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】萱野 早衛
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特許第7173649(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0067201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127653(US,A1)
【文献】特開2012-137255(JP,A)
【文献】特開2011-43343(JP,A)
【文献】実開昭49-61566(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/14-23/2965
G01B15/00-15/08
G01S 5/00- 7/42
G01S13/00-13/95
G01S19/00-19/55
C21B 3/00- 5/06
C21B11/00-15/04
F27B 1/00- 3/28
F27D 7/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の電極長の測定装置であって、
複数の金属製のガイドパイプ片を繋いで構成され、前記炭素電極の下端に達するように挿通されるガイドパイプと、
前記ガイドパイプの上端に装着され、マイクロ波又はミリ波の送受信手段と、導波管とを備える距離計と、
を備えるとともに、
前記ガイドパイプの内径は、前記距離計の前記導波管の内径よりも大径であり、かつ、
前記ガイドパイプと前記距離計とが、前記導波管から前記ガイドパイプに向かってテーパー状に広がる空洞を有するテーパー構造体を介して連結されており、
前記ガイドパイプの下端から前記被溶融物の溶融液面に向けて前記マイクロ波又は前記ミリ波を送信し、前記溶融液面で反射された前記マイクロ波又は前記ミリ波を受信して前記距離計と前記溶融液面との距離を測定する、電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項2】
前記ガイドパイプ片同士を、ネジ付きソケットで接続する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項3】
前記ガイドパイプ片同士を、最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状のテーパーユニオンで接続する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項4】
前記テーパー構造体と前記ガイドパイプとの連結部を、前記マイクロ波又は前記ミリ波が透過する材料からなる部材で閉鎖する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項5】
前記ガイドパイプに不活性ガスを供給して内圧を高めるとともに、内圧が急上昇した時に前記ガイドパイプが閉塞した状態であると判断し、前記不活性ガスの供給量を増やして
閉塞部を除去する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項6】
前記ガイドパイプへの不活性ガスの供給口に、マイクロ波又はミリ波が侵入しない開口径の孔が形成された金属板、又はマイクロ波又はミリ波が侵入しない目開きの金網が装着されている、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項7】
前記マイクロ波又は前記ミリ波を円偏波にして前記溶融液面に向けて送信する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項8】
前記炭素電極の電極長を複数回測定し、その平均値を求める測定モードを備える、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項9】
前記炭素電極の電極長を複数回測定し、得られた受信ビート波形と前記受信ビート波形をFFT処理することにより得られる距離スペクトル波形のいずれか一方又は両方を加算平均する測定モードを備える、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項10】
前記ガイドパイプがSUS製である、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項11】
前記ガイドパイプの等距離毎に現れる反射信号を観察する、請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【請求項12】
炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉の操業方法であって、
請求項1~11のいずれか1項に記載の炭素電極の電極長の測定装置により、前記距離計から前記溶融液面までの距離(L1)を求めるとともに、
前記距離計の上方に第2の距離計を配置し、前記距離計と前記第2の距離計との離間距離(L2)を計測し、前記離間距離(L2)と、求めた前記距離(L1)とを合算して前記第2の距離計から前記溶融液面までの距離(L3)を求め、
距離(L3)に基づき炭素電極の垂下位置を制御することを特徴とする電気抵抗式溶融炉の操業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鉱石等の被溶融物を炉内に投入して溶融処理するために使用される電気抵抗式溶融炉における、炭素電極の電極長を測定するための装置に関する。また、本発明は、電気抵抗式溶融炉の操業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鉱石等の被溶融物を炉内に投入し、堆積した被溶融物に炭素電極を差し入れて通電して、被溶融物を溶融し、溶融物を回収する電気抵抗式溶融炉が使用されている。図12は、電気抵抗式溶融炉の一例を示す模式図であり、鉄鉱石を溶融する場合を示している。図示されるように、電気抵抗式溶融炉100では、炉内に堆積している鉄鉱石102に炭素電極101を差し入れ、炭素電極101に電流を流して、電極間に存在する鉄鉱石102を抵抗として、ジュール熱により鉄鉱石102を溶融する。炭素電極101への給電は、電源110から炭素電極101に装着した電極ホルダー180を介して行う。そして、溶融が進むと、炉底には、上から順に未溶融の鉄鉱石102、溶融スラグ層103、溶融鉄層104の3層が形成され、スラグ排出口105から溶融スラグを回収し、出鋼口106から溶融鉄を回収する。
【0003】
その際、電極昇降装置120を用いて、炭素電極101を図中上下方向に昇降させながら炭素電極101への通電を行うため、溶融鉄層104の溶融液面を検出して炭素電極101の電極長を求め、炭素電極101の昇降位置を制御する必要がある。
【0004】
そこで本出願人は、特許文献1において、少なくとも1本の炭素電極の内部に、炭素電極の下端に達する金属製のガイドパイプを挿通し、ガイドパイプの上端にマイクロ波やミリ波の送受信器を装着するとともに、送受信器からのマイクロ波やミリ波をガイドパイプの内部を伝搬させ、ガイドパイプの下端で反射されたマイクロ波やミリ波を受信して溶融鉄層の溶融液面を検出し、送受信器から溶融液面までの距離から炭素電極の電極長を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5671744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ガイドパイプは金属製のため、被溶融物が鉄鉱石などの融点が高い金属である場合、その溶融液面からの高熱を受けて下端が溶け落ちていく。そして、ガイドパイプが溶け落ちた部分では炭素電極の内壁が露出し、この露出した炭素によりマイクロ波やミリ波が吸収されて送信電力及び受信電力が大きく減衰する。そのため、溶融液面が正確に検出されておらず、炭素電極の電極長が正確に測定されないことが懸念される。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、電気抵抗式溶融炉において、金属製のガイドパイプが溶け落ちても溶融液面をより正確に検出し、炭素電極の電極長をより正確に測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、下記(1)~(11)の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置を提供する。
【0009】
(1) 炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の電極長の測定装置であって、
複数の金属製のガイドパイプ片を繋いで構成され、前記炭素電極の下端に達するように挿通されるガイドパイプと、
前記ガイドパイプの上端に装着され、マイクロ波又はミリ波の送受信手段と、導波管とを備える距離計と、
を備えるとともに、
前記ガイドパイプの内径は、前記距離計の前記導波管の内径よりも大径であり、かつ、
前記ガイドパイプと前記距離計とが、前記導波管から前記ガイドパイプに向かってテーパー状に広がる空洞を有するテーパー構造体を介して連結されており、
前記ガイドパイプの下端から前記被溶融物の溶融液面に向けて前記マイクロ波又は前記ミリ波を送信し、前記溶融液面で反射された前記マイクロ波又は前記ミリ波を受信して前記距離計と前記溶融液面との距離を測定する、電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(2) 前記ガイドパイプ片同士を、ネジ付きソケットで接続する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(3) 前記ガイドパイプ片同士を、最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状のテーパーユニオンで接続する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(4) 前記テーパー構造体と前記ガイドパイプとの連結部を、前記マイクロ波又は前記ミリ波が透過する材料からなる部材で閉鎖する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(5) 前記ガイドパイプに不活性ガスを供給して内圧を高めるとともに、内圧が急上昇した時に前記ガイドパイプが閉塞した状態であると判断し、前記不活性ガスの供給量を増やして閉塞部を除去する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(6) 前記ガイドパイプへの不活性ガスの供給口に、マイクロ波又はミリ波が侵入しない開口径の孔が形成された金属板、又はマイクロ波又はミリ波が侵入しない目開きの金網が装着されている、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(7) 前記マイクロ波又は前記ミリ波を円偏波にして前記溶融液面に向けて送信する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(8) 前記炭素電極の電極長を複数回測定し、その平均値を求める測定モードを備える、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(9) 前記炭素電極の電極長を複数回測定し、得られた受信ビート波形と前記受信ビート波形をFFT処理することにより得られる距離スペクトル波形のいずれか一方又は両方を加算平均する測定モードを備える、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(10) 前記ガイドパイプがSUS製である、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
(11) 前記ガイドパイプの等距離毎に現れる反射信号を観察する、(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置。
【0010】
また、上記課題を解決するために本発明は、下記(12)の操業方法を提供する。
【0011】
(12) 炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉の操業方法であって、
(1)~(11)のいずれか1つに記載の炭素電極の電極長の測定装置により、前記距離計から前記溶融液面までの距離(L1)を求めるとともに、
前記距離計の上方に第2の距離計を配置し、前記距離計と前記第2の距離計との離間距離(L2)を計測し、前記離間距離(L2)と、求めた前記距離(L1)とを合算して前記第2の距離計から前記溶融液面までの距離(L3)を求め、
距離(L3)に基づき炭素電極の垂下位置を制御することを特徴とする電気抵抗式溶融炉の操業方法。
【0012】
なお、以降の説明において、「電気抵抗式溶融炉における炭素電極の電極長の測定装置」を、単に「測定装置」ともいう。
【発明の効果】
【0013】
本発明の測定装置によれば、金属製のガイドパイプが溶け落ちても、溶融液面を検出し、炭素電極の電極長をより正確に測定することができる。
【0014】
また、本発明の操業方法によれば、金属製のガイドパイプが溶け落ちても、炭素電極の電極長をより正確に測定できるため、炭素電極の昇降をより正確に制御でき、効率的で安定した操業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の測定装置に係る実施形態の装置構成を、炭素電極の軸線に沿って模式的に示す断面図である。
図2図2は、ネジ付きソケットを示す拡大図である。
図3図3は、テーパー構造体及び詮部材を示す拡大図である。
図4図4(A)は、図1のA部分の部分拡大図、図4(B)は、図1のB部分の部分拡大図、図4(C)は、図1のC部分の部分拡大図である。
図5図5(A)は、テーパーユニオンを示す断面図であり、図5(B)は、図5(A)のA-A方向から見た平面図である。
図6図6(A)は、セットスクリューを示す側面図であり、図6(B)は、図6(A)のB-B方向から見た平面図である。
図7図7は、円偏波したマイクロ波又はミリ波を用いた場合における、送受信で電界の旋回方向を示す模式図である。
図8図8は、検証結果1の結果を示すチャートである。
図9図9は、検証結果2の結果を示すチャートである。
図10図10は、検証結果3の結果を示すチャートである。
図11図11は、本発明の電気抵抗式溶融炉の操業方法を説明するための図である。
図12図12は、電気抵抗式溶融炉の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図12に示すように、電気抵抗式溶融炉では、複数本の炭素電極を鉄鉱石等の被溶融物に差し込み、炭素電極に通電して被溶融物を溶融する。本発明では、少なくとも1本の炭素電極を「炭素電極の電極長の測定装置」として機能させる。
【0018】
[測定装置]
図1は、本発明の測定装置の装置構成を、炭素電極の軸線に沿って模式的に示す断面図である。図示されるように、測定装置1は、通常の炭素電極10に、炭素電極10の下端に達する金属製のガイドパイプ20を挿通し、ガイドパイプ20の上端に距離計30を装着している。
【0019】
炭素電極10は、金属製の円筒体からなる電極ケース(金属カバー)15の内部に、電極本体18を収容したものである。炭素電極10の電極本体18は、被溶融物の溶融液面200に近い側から順に、電極焼成部18a、コールタール溶融部18b、電極材料部18cと、に区分されており、被溶融物の溶融時に、電極焼成部18aの溶融液面200と接触もしくは対向する側(以下、「下端」という。)が消耗する。この消耗分を補償するために、電極ケース15の上端の開口から電極材料であるカーボン塊とコールタールピッチとの混合物が投入される。また、電極ケース15は、複数の電極ケース片(金属カバー片)16を繋いで1本にしたものあり、溶融時に下端が消耗するため、下方の電極ケース片(金属カバー片)16aの上に、新たな別の電極ケース片(金属カバー片)16bを継ぎ足すように構成されている。なお、符号17は、電極ケース片16の繋ぎ目である。
【0020】
ガイドパイプ20は、複数のガイドパイプ片21を、継手22を用いて1本に繋いだものであり、炭素電極10と同様、溶融時に下端が消耗するため、下方のガイドパイプ片21aの上に、新たな別のガイドパイプ片21bを、継手22を用いて継ぎ足すように構成されている。ガイドパイプ片21を継ぎ足す際に、後述するテーパー構造体40とガイドパイプ20とを分離し、再度連結するために、ガイドパイプクランプ25が使用される。
【0021】
継手22(図1参照)は、図2に示すように、ネジ付きソケット70が好ましい。ネジ付きソケット70は、その内周面にネジ溝71が形成されており、それに伴ってガイドパイプ片21の両端の外周面には、ネジ付きソケット70のネジ溝71と係合するようにネジ溝23が形成されている。ネジ付きソケット70を用いることにより、ガイドパイプ片21を確実に接続するとともに、ガイドパイプ片21を複数本接続したときに直線性を出すことができる。
【0022】
なお、炭素電極10の電極ケース片16、ガイドパイプ20のガイドパイプ片21及び継手22は、より高融点の金属製であることが好ましい。このような金属としては、安価で、加工性及び耐環境性に優れ、錆が発生しないことなどから、例えばSUS304等を好適に用いることができる。SUS304は材質の品質劣化による伝搬損失の低下を抑え、安定した計測が可能になる。
【0023】
なお、後述する導波管35やテーパー構造体40も、SUS304製にすることが好ましい。
【0024】
距離計30は、マイクロ波やミリ波の送受信手段(図示せず)を備えており、テーパー構造体40を介してガイドパイプ20の上端に接続している。図1及び図3に示すように、ガイドパイプ20の内径は、距離計30の導波管35の内径よりも大きくなっており、テーパー構造体40は、距離計30の導波管35の先端からガイドパイプ20の上端に向かって広がるテーパー状の空洞41を有する部材である。また、テーパー構造体40は、例えばネジ付きソケット70により、ガイドパイプ20と接続される。
【0025】
なお、上記したガイドパイプ20、導波管35及びテーパー構造体40も、断面が円形の他、正方形とすることができる。
【0026】
マイクロ波やミリ波が、ガイドパイプ20、更にはガイドパイプ20が溶け落ちた部分(後述する露出面12)を良好に伝搬して、炭素電極10の電極長をより正確に測定することができる。ただし、ガイドパイプ20の内径は、導波管35の内径よりも大きいほど好ましいが、ガイドパイプ20が太くなりすぎてコスト増を招くおそれがある。具体的には、79GHzのミリ波を用い、導波管35の内径がφ2.8mmの場合、ガイドパイプ20の内径は十数倍のφ35.0~38.0mmが好ましい。
なお、自焼式(self-baking)でない炭素電極の場合は、炭素電極の下端まで直接あけた円孔状の穴を本ガイドパイプ20の代替として電極長を測定する。
【0027】
また、図3に示すように、テーパー構造体40とガイドパイプ20との連結部を、検出波を透過する材料、例えばフッ素樹脂からなる詮部材50で閉鎖することが好ましい。ガイドパイプ20を通じて溶融液面200からの高熱を受けたり、炉内の粉塵などが侵入するため、詮部材50により送受信手段等の距離計30の内部部材を保護する。
【0028】
検出波は、マイクロ波やミリ波であるが、周波数が高い方が好ましく、ミリ波がより好適である。
【0029】
このように構成される測定装置1においては、炭素電極10の下端が消耗するとともに、ガイドパイプ20の下端部分では、溶融液面200からの高熱を受けてガイドパイプ20の一部並びに継手22が溶け落ちて、炭素電極10との境界面が露出する。
例えば、図4(A)に図1のA部分の拡大図、図4(B)に図1のB部分の拡大図、図4(C)に図1のC部分の拡大図をそれぞれ示すが、図4(A)は、ガイドパイプ20が溶け落ち始め、炭素電極10との境界が現れ始めている部分であり、図4(B)は、継手22が溶け落ちた部分であり、図4(C)は、ガイドパイプ20が溶け落ちた部分である。
【0030】
図4(A)に示すように、ガイドパイプ20の溶け落ち始めの部分では、断面形状が変わるが、ガイドパイプ20の肉厚よりもガイドパイプ20の内径が十分に大きいため、計測に影響されることは実質的に無いといえる。
なお、図4(A)において、ガイドパイプ20が溶け落ちて、断面形状が変わる部分が段状になっているが、内径の全周にわたって段差が同じ水平位置に無くてもよく、図中の上下方向に異なっていてもよい。図示されるように、A部分の下半分よりも溶融液面200に近い部分では、ガイドパイプ20及び継手22が溶け落ちて、符号12で示すように、炭素電極10との境界面が露出している。
【0031】
なお、以降の説明では、ガイドパイプ20や継手22が溶け落ちて炭素電極10が露出している部分を「露出面12」と呼ぶ。
【0032】
通常は、マイクロ波やミリ波が炭素の管の中を伝搬すると、壁面の導電率が低いため伝搬損失が大きくなり、送受信信号が吸収されてしまう。露出面12は炭素であるため、露出面12を伝搬する間にマイクロ波やミリ波が著しく減衰する。しかし、上述のようにガイドパイプ20の内径を導波管35の内径よりも大きくし、かつ、円偏波を構成する円形TE11モード以外の不要高次モードの励振を極力抑え、主に円形TE11モードの伝搬を保持することにより、伝搬損失や距離の測定精度の劣化を低減する。
【0033】
したがって、距離計30の送受信手段からのマイクロ波やミリ波は、図1に符号Mで示すように、導波管35、テーパー構造体40の空洞41、ガイドパイプ20を伝搬し、更に露出面12も大きく減衰することなく良好に伝搬して、ガイドパイプ20の下端から溶融液面200に送信される。そして、溶融液面200で反射されて、逆の経路を辿って距離計30の送受信手段で受信され、溶融液面200が検出される。そして、送受信の時間差から、距離計30から溶融液面200までの距離、すなわち炭素電極10の電極長が求められる。従来は、マイクロ波やミリ波が露出面12で大きく減衰していたが、本発明の測定装置1では、露出面12での減衰が抑えられるため、より正確に溶融液面200を検出し、炭素電極10の電極長を求めることができる。
【0034】
上記のように、露出面12を検出波が低い減衰で、良好に伝搬するが、伝搬をより良好にするために、継手22として図5に示すテーパーユニオン80を用いることも好ましい。なお、図5(A)は、テーパーユニオン80の断面図であり、図5(B)は、図5(A)のA-A方向から見た平面図である。図5(A)に示すように、テーパーユニオン80は、中央部分81が最大外径で、所定の幅にて筒状に形成されているとともに、中央部分81から両端に連続して延びる2つのテーパー面82が形成されており、その全体がほぼ樽状の外形形状を呈する。
【0035】
また、テーパーユニオン80の長手方向の中心部の内周面には、ガイドパイプ片21の肉厚と同じ幅の段状のストッパー83が円環状に突出しており、ガイドパイプ片21は、その端部がストッパー83に当接するように挿通される。ここで、ストッパー83はガイドパイプ片21の肉厚と同じであるから、マイクロ波やミリ波の伝搬に支障をきたすことがない。
【0036】
また、テーパーユニオン80の中央部分81及びテーパー面82におけるそれぞれの長手方向の寸法H1及びH2は、それぞれマイクロ波やミリ波の波長以上とすることが好ましい。なお、2つのテーパー面82の長さH2は、同一でも、それぞれ異なっていてもよい。
【0037】
テーパーユニオン80の最大外径Dは、マイクロ波やミリ波の高次モードを発生させない寸法とすることが好ましい。
【0038】
さらに、図5(B)に示すように、テーパーユニオン80の中央部分81には、周方向に沿って等間隔で複数個所に、図6に示すセットスクリュー90を装着するためのネジ孔85が、内周面まで貫通して形成されている。なお、図6(A)は、セットスクリュー90を示す側面図であり、図6(B)は、図6(A)のB-B方向から見た平面図である。
【0039】
セットスクリュー90は、長手方向の長さLが、テーパーユニオン80の中央部分81の肉厚よりも長く、外周面にテーパーユニオン80のネジ孔85のネジ山と係合するネジ91が形成されている。また、一方の端面には、六角穴95が形成されている。なお、セットスクリュー90の材質は、テーパーユニオン80及びガイドパイプ片21と同材質である。
【0040】
このようなテーパーユニオン80とセットスクリュー90により、ガイドパイプ片21を連結するには、ガイドパイプ片21をテーパーユニオン80のストッパー83に当接するまで挿入した後、テーパーユニオン80のネジ孔85にセットスクリュー90を装着し、セットスクリュー90の端面がガイドパイプ片21の外周面に達するまでネジ入れて、ガイドパイプ片21を固定する。その後、セットスクリュー90のテーパーユニオン80のネジ孔85から突出している部分を、サンダー等で切り落とし、テーパーユニオン80の外周面に凹凸ができないように加工する。
【0041】
継手22としてテーパーユニオン80を用いることにより、図4(B)に示す露出面12において段差部分12aが無くなり、マイクロ波やミリ波の段差部分12aによる反射が無くなる。
【0042】
測定装置1は上記のように構成されるが、種々の変更が可能であり、例えば、図1に示すように、ガイドパイプ20のテーパー構造体40と距離計30との間に、窒素ガス(N)や不活性ガスを供給してガイドパイプ20の内圧を高めることが好ましい。ガイドパイプ20の下端は開口しているため、溶融金属が流入することがあり、ガイドパイプ20の内圧を高めることにより、溶融金属の流入を防止する。また、ガイドパイプ20の下端が溶けてガイドパイプ20を閉塞し、ガイドパイプ20の内圧が急上昇することがある。内圧が急上昇したことを検出した際に、窒素ガスや不活性ガスの供給量を増して、ガイドパイプ20に詰まった物(閉塞物)を除去することもできる。なお、内圧の調整は圧力調整器60で行う。なお、符号61は圧力計である。
【0043】
また、図3に示すように、ガイドパイプ20への窒素ガスや不活性ガスの取り入れ口62に、細孔63が多数形成された金属製の不活性ガス取り入れ部材65を装着してもよい。また、図示は省略するが、不活性ガス取り入れ部材65は、金網であってもよい。細孔63の開口径は、マイクロ波やミリ波が侵入せず、かつ不活性ガスの流通が容易になる口径、例えば、79GHzのミリ波の場合は、φ1.5mm程度とする。また、金網の目開きも、同様の寸法とする。不活性ガス取り入れ部材65により、取り入れ口62からマイクロ波やミリ波が漏洩するのを防止することができる。
【0044】
また、円偏波のマイクロ波やミリ波M′を用いることが好ましい。図7に示すように、距離計30は受信回路31と、送信回路32と、円偏波発生器33とを備えている。受信回路31は、送信回路32から送信される直線偏波とは異なる電界の向きとなる直線偏波を受信する。この特性を利用して、受信回路31と送信回路32とを分離し、導波管35との間に、円偏波発生器33を介在させることにより、信号処理の精度を高めることができる。
【0045】
図7の右側に、測定装置1の各部における検出波M′の電界の向きを矢印で示す。受信回路31及び送信回路32はともに、電界の向きがある一方向を向く直線偏波を、受信又は送信する。電界の向きが逆旋回となる円偏波の受信信号は、円偏波発生器33を通過するときに、円偏波発生器33の効果により、送信波とは異なる電界の向きとなる直線偏波となる。
【0046】
そして、円偏波発生器33により、送信回路32からは、電界の向きがある一方向に旋回(図では右旋回)したマイクロ波やミリ波M′が導波管35を通じてテーパー構造体40に送られ、右旋回の電界のままガイドパイプ20、更には炭素電極10の露出面12を伝搬して溶融液面200に向けて送信される。
【0047】
伝搬方向に対して電界の向きが右旋回する円偏波(右旋円偏波又は正円偏波)のマイクロ波やミリ波M′は、溶融液面200で反射されると、電界の回転方向はマイクロ波やミリ波の伝搬方向に対して左旋回の電界となる左旋円偏波(負円偏波)のマイクロ波やミリ波M′となる。そして、左旋回の電界のまま炭素電極10の露出面12、ガイドパイプ20、テーパー構造体40、導波管35を経て距離計30に送られ、円偏波発生器33を逆進する。その際、円偏波発生器33により、送信された直線偏波とは異なる電界の向きの直線偏波となるため受信回路31で受信される。
【0048】
このように、円偏波したマイクロ波やミリ波M′を用いることにより、受信回路31では送信回路32からのマイクロ波やミリ波M′とは異なる電界のマイクロ波やミリ波M′のみを受信するので、送信波と受信波とをほぼ完全に分離できるため、測定精度を大幅に高めることができる。
【0049】
また、ノイズレベルを下げてSN比を高めるために、複数回(N回)繰り返して測定を行い、その平均値を求めることにより、フロアノイズ電力を1/Nだけ下げることもできる。
【0050】
あるいは、複数回の測定を行い、得られた受信ビート波形と、受信ビート波形をFFT処理することにより得られる距離スペクトル波形のいずれか一方又は両方を加算平均することにより、フロアノイズ電力を1/Nだけ下げることもできる。
【0051】
(検証結果1)
図1の測定装置1を模して、ガイドパイプ片として全長2mのSUS304製パイプ6本を連結して、全長12mのSUS304製ガイドパイプを作製した。そして、溶融鉄層の溶融液面に見立てた鉄板をSUS304製ガイドパイプの一方の端部の開口を覆い、他端に装着した距離計の導波管からミリ波を送信して距離ごとの信号強度を測定した。結果を図8に示す。
【0052】
図示されるチャートにおいて、信号強度のピークは、SUS304製パイプの継ぎ目での微小な反射によるものである。そして、このピークが2m毎に規則的に現れており、距離12mの位置にも同等のピークが現れており、ミリ波がSUS304製ガイドパイプ中を全長にわたって伝搬していることがわかる。
【0053】
また、ガイドパイプ片の継ぎ目に相当する2m毎のピークを検出できることから、等距離毎に現れるピークや、その遠方に出現する固定反射を観察することにより、ガイドパイプ内での詰まり箇所や、ガイドパイプ片が外れている箇所を推定することができる。
【0054】
(検証結果2)
検証結果1と同等のSUS304製ガイドパイプの一方の端部に、同径で、全長2mの炭素製パイプを接続し、炭素製パイプの開口を鉄板で遮った。炭素製パイプは、図1の測定装置1における炭素電極10の露出面12に相当する。そして、SUS製ガイドパイプの他端に装着した距離計の導波管からミリ波を送信して距離ごとの信号強度を測定した。結果を図9に示す。
【0055】
図示されるチャートにおいて、検証結果1と同様に、SUS304製ガイドパイプに相当して2mごとにピークが現れている。また、SUS304製ガイドパイプと炭素製パイプとの接続部である距離12mにも継ぎ目によるピークが現れている。更には、炭素製パイプを遮った鉄板による距離14mの位置にもピークが現れており、ミリ波が炭素製パイプも伝搬していることがわかる。
【0056】
(検証結果3)
検証結果2と同様に、SUS304製ガイドパイプに炭素製パイプを接続し、更に炭素製パイプの開口から1m離して鉄板を配置した。そして、SUS304製ガイドパイプの他端に装着した距離計の導波管からミリ波を送信して距離ごとの信号強度を測定した。結果を図10に示す。
【0057】
図示されるチャートにおいて、検証結果2と同様に、SUS304製ガイドパイプ及び炭素製パイプに相当して2mごとにピークが現れている。また、炭素製パイプから1m離れた距離15mの位置にもピークが現れており、ミリ波が炭素製パイプ、更には空中を伝搬していることがわかる。これは、ガイドパイプ20が溶け落ちた下端からも、露出面12を伝搬して安定して測定できることを示している。
【0058】
上記の検証結果において、SUS304製ガイドパイプ片の継ぎ目によるピークが観測されるため、測定装置1においても、ピークの数を数えればガイドパイプ片21の本数と、ガイドパイプ20の全体の長さが分かる。また、2mおきに反射波のピークが現れていることから、継ぎ目の位置を補正無しで測定できている。これは、円形ТE11モードの信号速度(群速度)が光速(平面波の速度)にほぼ等しい。すなわち、ガイドパイプ20の内径が導波管35の内径に対して十分大きいということを示している。
【0059】
[操業方法]
本発明はまた、上記の測定装置1を用いて電気抵抗式溶融炉を操業する方法に関する。まず、図11に示すように、測定装置1を用いて距離計30からガイドパイプ20、すなわち炭素電極10の電極長である距離(L1)を求める。
【0060】
また、距離計30に、例えば板状の位置測定用部材38を装着するともに、距離計30の上方に第2の距離計210を設置し、第2の距離計210と距離計30との離間距離(L2)を測定する。第2の距離計210としては、一般的なマイクロ波やミリ波の距離計を用いることができ、アンテナ220からマイクロ波やミリ波を位置測定用部材38に向けてマイクロ波を送信し、位置測定用部材38で反射されたマイクロ波やミリ波を受信し、その時間差から離間距離(L2)を求める。
【0061】
そして、距離(L1)と離間距離(L2)とを合算して距離(L3)を求め、距離(L3)の距離信号に基づいて炭素電極10の垂下位置を制御する。
【0062】
炭素電極10は溶融により消耗して徐々に短くなるため、それに合わせて炭素電極10を徐々に降下させる必要がある。そこで、上記したように、炉設備の天井のように高さが変わらない場所に第2の距離計210を固定して基準位置とし、この基準位置からの炭素電極10の下端までの距離(L3)を知ることにより、炭素電極10の垂下位置を制御することができる。
【0063】
これにより、より安定した操業が可能になる。
【符号の説明】
【0064】
1 測定装置
10 炭素電極
12 露出面
12a 段差部分
15 電極ケース(金属カバー)
16,16a,16b 電極ケース片(金属カバー片)
18 電極本体
18a 電極焼成部
18b コールタール溶融部
18c 電極材料部
20 ガイドパイプ
21,21a,21b ガイドパイプ片
22 継手(継ぎ手)
23,71 ネジ溝
25 ガイドパイプクランプ
30 距離計
31 受信回路
32 送信回路
33 円偏波発生器
35 導波管
38 位置測定用部材
40 テーパー構造体
41 空洞
50 詮部材
60 圧力調整器
62 取り入れ口
63 細孔
65 不活性ガス取り入れ部材
70 ネジ付きソケット
80 テーパーユニオン
81 中央部分
82 テーパー面
83 ストッパー
85 ネジ孔
90 セットスクリュー
91 ネジ
95 六角穴
120 電極昇降装置
200 溶融液面
210 第2の距離計
220 アンテナ
【要約】
【課題】電気抵抗式溶融炉において、金属製のガイドパイプが溶け落ちても溶融液面を検出し、炭素電極の電極長をより正確に測定する。
【解決手段】複数の金属製のガイドパイプ片を繋いで構成され、炭素電極の下端に達するように挿通されるガイドパイプと、ガイドパイプの上端に装着され、マイクロ波又はミリ波の送受信手段と、導波管とを備える距離計と、を備えるとともに、ガイドパイプの内径は、距離計の導波管の内径よりも大径であり、かつ、ガイドパイプと距離計とが導波管からガイドパイプに向かってテーパー状に広がる空洞を有するテーパー構造体を介して連結されており、ガイドパイプの下端から被溶融物の溶融液面に向けてマイクロ波又はミリ波を送信し、溶融液面で反射されたマイクロ波又はミリ波を受信して距離計と溶融液面との距離を測定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12