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特許7347900場所アウェアモバイル制御デバイスでプロセスプラントを制御するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】場所アウェアモバイル制御デバイスでプロセスプラントを制御するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230912BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
G06F3/01 510
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021013995
(22)【出願日】2021-01-29
(62)【分割の表示】P 2018239741の分割
【原出願日】2014-03-13
(65)【公開番号】P2021073603
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】61/792,109
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/028,897
(32)【優先日】2013-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェー ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】ケン ビューター
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ディーン クリステンセン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-242000(JP,A)
【文献】特開2007-334438(JP,A)
【文献】特開2011-034180(JP,A)
【文献】特開2012-168606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルユーザインターフェースデバイスにおいて、プラント環境内の外部デバイスから伝送された一意の識別子であって、(i)前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記外部デバイスに近接していることを示すと共に(ii)前記外部デバイスが置かれる領域に関連する1又は複数のプロセスエンティティに関連付けられたものとしてデータベースに格納された一意の識別子を受信し、
前記モバイルユーザインターフェースデバイスにおいて、前記一意の識別子の受信に応答して、
(i)前記一意の識別子に関連付けられたプロセス制御デバイスを識別し、(ii)前記一意の識別子に関連付けられたものとして識別された前記プロセス制御デバイスに関連付けられたデータのための要求をサーバに伝送し、(iii)要求された前記データを受信し、(iv)前記モバイルユーザインターフェースデバイスに、ユーザインターフェースを、前記一意の識別子に関連付けられた前記プロセス制御デバイスを制御するために使用されるプロセスコントローラにおいてパラメータを変更するよう前記ユーザインターフェースが相互作用可能であるように、要求された前記データに従って表示させること
を含み、
前記外部デバイスが、前記プロセス制御デバイスと関連付けられたプロセスプラントの特定の領域に関連するコンテキスト識別デバイスであり、
前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記外部デバイスに近接していることは、前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記特定の領域内に存在することであり、
要求された前記データは、前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連付けられたプロセス制御データであり、
要求された前記データに従って前記ユーザインターフェースを表示することは、前記特定の領域に関連付けられた受信した前記プロセス制御データに従って前記ユーザインターフェースを表示することであり、
前記特定の領域に関連付けられた受信した前記プロセス制御データに従って前記ユーザインターフェースを表示することは、受信した前記プロセス制御データを表示することを含み、
前記プロセス制御データは、
(a)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連するアラーム、
(b)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連する保守タスク、
(c)前記プロセスプラントの前記特定の領域の概略図、又は
(d)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連する前記プロセス制御デバイスのステータス
のうちの任意の1つ以上のデータを表す、
方法
【請求項2】
プロセスプラントを制御するためのモバイルユーザインターフェースデバイスであって、
ネットワークに通信可能に結合されるプロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されるメモリと、
前記プロセッサに通信可能に結合されるディスプレイと、
前記モバイルユーザインターフェースデバイスと外部デバイスとの近接性を検出するように動作可能な通信回路と、
前記メモリ上に格納され、前記プロセッサによって実行可能な1つ以上のルーチンであって、前記プロセッサに、
前記ネットワークを介して第1のデータに関する第1の要求を伝送させ、
前記第1の要求に応答して前記ネットワークを介して前記第1のデータを受信させ、
受信した前記第1のデータを、前記ディスプレイにより、前記プロセスプラントを制御するためのユーザインターフェース内に表示させ、
前記通信回路が前記モバイルユーザインターフェースデバイスと外部デバイスとの近接性を検出したことを示す一意の識別子を、前記外部デバイスから受信させ、前記一意の識別子は、(i)前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記外部デバイスへ近接していることを示し、(ii)前記外部デバイスが置かれている領域に関連する1又は複数のプロセスエンティティに関連付けられたものとしてデータベースに格納され、
(i)前記一意の識別子に関連付けられたプロセス制御デバイスを識別し、(ii)前記一意の識別子に関連付けられたものとして識別された前記プロセス制御デバイスに関連付けられたデータに関する要求をサーバに伝送し、(iii)要求された前記データを受信し、(iv)前記ユーザインターフェースが前記一意の識別子に関連付けられた前記プロセス制御デバイスを制御するために使用されるプロセスコントローラにおいてパラメータを変更するよう相互作用可能であるように、前記モバイルユーザインターフェースデバイスに、要求された前記データに従って前記ユーザインターフェースを表示させる、ことによって、前記一意の識別子を受信することに応答させる、
1つ以上のルーチンと、
を備え
前記外部デバイスが、前記プロセス制御デバイスに関連付けられている前記プロセスプラントの特定の領域に関連するコンテキスト識別デバイスであり、
前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記外部デバイスに近接していることは、前記モバイルユーザインターフェースデバイスが前記特定の領域内に存在することであり、
要求された前記データは、前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連付けられたプロセス制御データであり、
要求された前記データに従って前記ユーザインターフェースを表示することは、前記特定の領域に関連付けられた受信した前記プロセス制御データに従って前記ユーザインターフェースを表示することを含み、
前記特定の領域に関連付けられた受信した前記プロセス制御データに従って前記ユーザインターフェースを表示することは、受信した前記プロセス制御データを表示することを含み、
前記プロセス制御データは、
(a)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連するアラーム、
(b)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連する保守タスク、
(c)前記プロセスプラントの前記特定の領域の概略図、又は
(d)前記プロセスプラントの前記特定の領域に関連する前記プロセス制御デバイスのステータス
のうちの任意の1つ以上のデータを表す、
モバイルユーザインターフェースデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、プロセスプラント及びプロセス制御システムに関し、より具体的には、プロセスプラント及びプロセス制御システムにおけるモバイルユーザインターフェースデバイスの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、石油、又は他のプロセスプラントで用いられるような分散型プロセス制御システムは、通常、アナログバス、デジタルバス、又はアナログ/デジタルの複合バスを介して、若しくは無線通信リンク又はネットワークを介して1つ以上のフィールドデバイスに通信可能に結合される1つ以上のプロセスコントローラを含む。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、及び送信器(例えば、温度センサ、圧力センサ、レベルセンサ、及び流量センサ)などのフィールドデバイスは、プロセス環境内に存在し、一般に、プロセスプラント又はシステム内で実行されている1つ以上のプロセスを制御するためにバルブの開閉、プロセスパラメータの計測等の物理的制御機能又はプロセス制御機能を行う。また、周知のFieldbusプロトコルに準拠するフィールドデバイスなどのスマートフィールドデバイスも、コントローラ内で通常実施される制御計算、アラーム機能、及び他の制御機能を行うことがある。通常はプラント環境内に同様に存在するプロセスコントローラは、センサ及び/又はフィールドデバイスによって作成されたプロセス計測値及び/又はフィールドデバイスに関する他の情報を示す信号を受信し、例えば、プロセス制御の決定を下す異なる制御モジュールを実行するコントローラアプリケーションを実行し、受信した情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)、Wireless HART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイスなどのフィールドデバイスにおいて行われる制御モジュール又はブロックと協調する。コントローラにおける制御モジュールは、通信ライン又はリンク経由でフィールドデバイスに制御信号を送信し、これにより、プロセスプラント又はシステムの少なくとも一部の動作を制御する。
【0003】
フィールドデバイス及びコントローラからの情報は、通常、データハイウェイを経由して、制御室、又は過酷なプラント環境から離れた別の場所に通常設置される1つ以上の他のハードウェアデバイス、例えばオペレータワークステーション、パーソナルコンピュータ、又はコンピューティングデバイス、データヒストリアン、レポート生成器、中央データベース、又は他の中央管理コンピューティングデバイスで利用可能となる。これらのハードウェアデバイスのそれぞれは、通常、プロセスプラントにわたって又はプロセスプラントの一部にわたって一元化される。これらのハードウェアデバイスは、例えば、オペレータがプロセスを制御すること及び/又はプロセスプラントを稼働させることに関する機能の実施、例えば、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラ又はフィールドデバイス内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現在の状態の閲覧、フィールドデバイス及びコントローラによって生成されるアラームの閲覧、人員のトレーニング、又はプロセス制御ソフトウェアのテストを目的としたプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの維持及び更新などを行うことができるようにし得るアプリケーションを実行する。ハードウェアデバイス、コントローラ、及びフィールドデバイスによって用いられるデータハイウェイは、有線通信経路、無線通信経路、又は有線通信経路と無線通信経路との組合せを含んでもよい。
【0004】
例として、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の様々な場所に存在する異なるデバイス内に格納され、これによって実行される複数のアプリケーションを含む。これらのアプリケーションのそれぞれは、ユーザ(例えば、構成エンジニア、オペレータ、保守要員など)がプロセスプラントの動作及び構成の態様を閲覧及び/又は修正することを可能にするためにユーザインターフェース(UI)を提供する。本明細書の全体を通して、「ユーザインターフェース」又は「UI」という文言は、プロセスプラントの構成、動作、又はステータスをユーザが閲覧又は修正することを可能にするアプリケーション又は画面を指すのに用いられる。同様に、「ユーザインターフェースデバイス」又は「UIデバイス」という文言は、該デバイスが据置型(例えば、ワークステーション、壁掛け式ディスプレイ、プロセス制御デバイスディスプレイなど)又はモバイル(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど)のいずれであるかにかかわらず、ユーザインターフェースがその上で動作しているデバイスを指すのに用いられる。1つ以上のオペレータワークステーション又はコンピューティングデバイスに常駐する構成アプリケーションは、ユーザがプロセス制御モジュールを作成又は変更し、これらのプロセス制御モジュールを、データハイウェイ経由で専用の分散型コントローラにダウンロードすることを可能にする。通常、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成され、これらは、それへの入力に基づいて制御方式内の機能を行い、且つ制御方式内の他の機能ブロックに出力を提供するオブジェクト指向プログラミングプロトコルでのオブジェクトである。構成アプリケーションはまた、データをオペレータに表示する、及びオペレータがプロセス制御ルーチン内のセットポイントなどの設定を変えることを可能にするために閲覧アプリケーションによって用いられるオペレータインターフェースを構成設計者が作成又は変更することを可能にしてもよい。各専用のコントローラ、及びいくつかの場合には1つ以上のフィールドデバイスは、実際のプロセス制御機能性を実装するために、それに割り当てられ及びダウンロードされる制御モジュールを実行するそれぞれのコントローラアプリケーションを格納し、及びこれを実行する。1つ以上のオペレータワークステーション上で(又はオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信可能に接続する状態で1つ以上のリモートコンピューティングデバイス上で)実行される場合がある閲覧アプリケーションは、コントローラアプリケーションからデータハイウェイ経由でデータを受信し、UIを用いてこのデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、又はユーザに表示し、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビューなどの多数の異なビューのいずれかを提供してもよい。データヒストリアンアプリケーションは、通常、データハイウェイにわたって提供されるいくつかの又はすべてのデータを収集及び格納するデータヒストリアンデバイスに格納され、これによって実行され、一方、構成データベースアプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン構成及びそれに関連するデータを格納するためにデータハイウェイに取り付けられるさらなるコンピュータにおいて実行してもよい。代替的に、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに位置していてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロセス制御プラント及びプロセス制御システムのアーキテクチャは、限られたコントローラ及びデバイスメモリ、通信帯域幅、並びにコントローラ及びデバイスプロセッサの能力に強く影響されてきた。例えば、コントローラにおける動的及び静的不揮発性メモリの使用は、通常最小限にされ、又はとにかく慎重に管理される。結果として、システム構成中に(例えば、演繹的に(priori))、ユーザは、通常、コントローラにおいてどのデータがアーカイブされるか又は保存されるべきか、それが保存される周波数、及び圧縮が用いられるか否かを選ばなければならず、コントローラは、したがってこの限られたデータルールセットと共に構成される。その結果、トラブルシューティング及びプロセス解析に有用であることがあるデータはしばしばアーカイブされず、これが収集される場合、データ圧縮に起因して有用な情報が失われていることがある。
【0006】
現在公知のプロセス制御システムにおけるコントローラメモリ使用を最小にすることに加えて、アーカイブされる又は保存されるべきデータは、例えば、適切なヒストリアン又はデータサイロで記憶するためにワークステーション又はコンピューティングデバイスに報告される。データを報告するのに用いられる現在の技術は、通信リソースを上手く使用せず、過度のコントローラ負荷を生じさせる。加えて、ヒストリアン又はサイロでの通信及びサンプリングにおける時間遅延に起因して、データコレクション及びタイムスタンピングは実際のプロセスとしばしば同期しなくなる。
【0007】
同様に、バッチプロセス制御システムでは、コントローラメモリ使用を最小にするために、コントローラ構成のバッチレシピ及びスナップショットは、通常、中央管理コンピューティングデバイス又は特定の場所(例えば、データサイロ又はヒストリアン)に格納されたままであり、必要なときにだけコントローラに伝送される。こうしたストラテジは、コントローラに及びワークステーション又は中央管理コンピューティングデバイスとコントローラとの間の通信チャネルに多大なバースト負荷を導入する。
【0008】
さらに、ディスクストレージの高いコストと組み合わされたプロセス制御システムのリレーショナルデータベースの能力及び性能の限界は、特定のアプリケーションの目的に合わせるためにアプリケーションデータを独立したエンティティ又はサイロに構造化するのに大きな影響を有する。例えば、DeltaV(商標)システム内で、プロセスモデル、連続するヒストリカルデータ、並びにバッチデータ及びイベントデータは、3つの異なるアプリケーションデータベース又はデータのサイロに保存及び/又はアーカイブされる。各サイロは、そこに格納されたデータにアクセスするのに異なるインターフェースを有する。
【0009】
データをこのように構造化することは、ヒストライズド(historized)データにアクセスし、これを用いることへの障壁をもたらす。例えば、製品品質のばらつきの根本的原因は、これらのデータファイルのうちの1つ以上におけるデータに関連する場合がある。しかしながら、異なるファイル構造のため、解析のためにこのデータに迅速且つ容易にアクセスすることを可能にするツールを提供することはできない。さらに、異なるサイロにわたるデータに一貫性があることを保障するために監査機能又は同期機能が行われなければならない。
【0010】
上述のプロセスプラント及びプロセス制御システムの限界及び他の限界は、例えば、プラント稼働中、トラブルシューティング中、及び/又は予測モデリング中のプロセスプラント又はプロセス制御システムの動作及び最適化においてそれら自身を不所望に明らかにすることがある。例えば、こうした限界は、トラブルシューティングのため及び更新されたモデルを生成するためにデータを得るために行われなければならない面倒な長々としたワークフローを強いる。加えて、得られたデータは、データ圧縮、不十分な帯域幅、又はシフトされたタイムスタンプに起因して不正確である場合がある。
【0011】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の背景を広く一般に表すことを目的としている。この背景技術の項目の中で記載される範囲での、現在名前が記されている発明者の業績、並びに、出願の時点で従来技術として特にみなされないことがある説明の態様は、本開示と対比する従来技術として明らかにも又は暗にも認められない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の実施形態では、プロセスプラントを制御するためのモバイルユーザインターフェースデバイスは、ネットワークに通信可能に結合されるプロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されるメモリと、プロセッサに通信可能に結合されるディスプレイとを含む。モバイルユーザインターフェースデバイスはまた、モバイルユーザインターフェースデバイスと外部デバイスとの近接性を検出するように動作可能な通信回路と、メモリデバイス上に格納され、プロセッサによって実行可能な1つ以上のルーチンとを含む。ルーチンは、プロセッサに、ネットワークを介して第1のデータに関する第1の要求を伝送させ、第1の要求に応答してネットワークを介して第1のデータを受信させる。ルーチンはまた、プロセッサに、受信した第1のデータをディスプレイに表示させ、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させ、受信した指標に従ってネットワークを介して第2のデータに関する第2の要求を伝送させ、第2の要求に応答してネットワークを介して第2のデータを受信させる。
【0013】
別の実施形態では、プロセスプラントのためのモバイルユーザインターフェースデバイスによって行われる方法は、データストレージ領域からネットワークを介して第1のデータに関する第1の要求を伝送することと、第1の要求に応答してストレージ領域から第1のデータを受信することとを含む。方法はまた、受信した第1のデータをモバイルユーザインターフェースデバイスのディスプレイに表示させることと、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することと、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することと、第2の要求に応答して第2のデータを受信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】プロセス制御システム又はプロセスプラントで動作する例示的なプロセス制御ネットワークのブロック図である。
図1B】より広い範囲にわたる制御ネットワークを示すブロック図である。
図2】本説明に係るモバイル制御室を含む通信アーキテクチャを示すブロック図である。
図3】本説明に係るスーパーバイザエンジンの実施形態を示すブロック図である。
図4図23のスーパーバイザエンジンによって生成され得る例示的な作業項目を示す。
図5】プロセスプラントの人員にタスクを割り当てるための方法を示すフローチャートである。
図6】プロセスプラントにおけるワークフローを管理する方法を示すフローチャートである。
図7】プロセスプラントにおけるタスク完了を容易にする方法を示すフローチャートである。
図8】UIデバイスのブロック図である。
図9A】例示的なモバイル制御室の態様を示す図である。
図9B】例示的なモバイル制御室におけるデバイスを示す図である。
図10】UIデバイス間のUI同期に関連する例示的なデバイスディスプレイを示す図である。
図11】UIデバイスを同期する例示的な方法を示すフローチャートである。
図12A】例示的なモバイル制御室におけるUIデバイスに関連する例示的なデータを示すブロック図である。
図12B】別の例示的なモバイル制御室におけるUIデバイスに関連する例示的なデータを示すブロック図である。
図13】UIデバイスにセッションデータを提供する例示的な方法のフローチャートである。
図14】UIデバイスでGUI構成を生成する例示的な方法のフローチャートである。
図15】2つのUIデバイス間の直接的な状態情報伝達のための例示的な方法を示すフローチャートである。
図16】サーバに結合される2つのUIデバイス間で状態情報を伝達するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図17】2つのUIデバイス間で状態情報を伝達するための付加的な方法を示すフローチャートである。
図18】モバイル制御室に関連するUIデバイスを用いてプロセスプラントを制御するためのさらに別の例示的な方法を示すフローチャートである。
図19】UIデバイスを用いるプロセスプラントのモバイル制御を容易にするためにサーバ上で実行される方法を示すフローチャートである。
図20】第1のUIデバイスの状態を第2のUIデバイスに伝送する方法を示すフローチャートである。
図21】第1のUIデバイス上でUIセッションを開始する方法を示すフローチャートである。
図22】第1のUIデバイス上でUIセッションをインスタンス化する第2の方法を示すフローチャートである。
図23】例示的なモバイル制御室の第2の態様を示す図である。
図24】例示的なコンテキスト-アウェアUIデバイスのブロック図である。
図25】プロセスプラントにおけるモバイル制御室の別の実施形態のブロック図である。
図26】さらに別の例示的なモバイル制御室の図である。
図27】グラフィカルユーザインターフェースを生成する例示的な方法を示すフローチャートである。
図28】UIデバイスによって実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
図29】プロセスプラントのモバイル制御を容易にする方法を示すフローチャートである。
図30】プロセスプラント内のモバイルデバイスの位置を判定する方法を示すフローチャートである。
図31】プロセス制御環境におけるモバイルデバイスのコンテキスト動作のための方法を示すフローチャートである。
図32】プロセスプラントにおける物理的現象を解析する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
プロセスプラントに関連する制御設備及び保守設備の分散化及びモバイル化は、それと共に種々の付随する利点をもたらす。例えば、モバイルユーザインターフェースデバイスは、オペレータ、保守人員、及び他のプラント人員を集中化された場所から自由にするために、据置型ユーザインターフェースデバイスと協働して、プロセスプラントの動作及びステータスに関する情報へのアクセスを犠牲にせずにプロセスプラントの全体にわたって人員が動けるようにする。「ビッグデータ」概念、すなわち、伝統的なデータベース管理ツール及び/又はデータ処理アプリケーションが許容できる時間内に該データセットを管理することができないほど大きい又は複雑なデータの1つ以上のコレクションの収集、格納、編成、及びマイニングの実装を通じて、エキスパートシステム、監視システム、及びコンテキスト-アウェアモバイルユーザインターフェースデバイスと組み合わせた状態で、プロセスプラントを、本開示の全体を通して説明されるように、有利により効率よく(例えば、より少ない保守、より高い歩留まり、より短いダウンタイム、より少ない人員、人員及び機器の安全性へのより低いリスクなどを伴って)管理及び維持することができる。
【0016】
一般に、コンテキスト-アウェアモバイルユーザインターフェースデバイスは、プロセスプラントの動作の改善を容易にするために、エキスパートシステム、監視システム、及びビッグデータシステムと協働する。改善された動作は、とりわけ、協同、移動性、ワークフロー管理、人員管理、自動化、アカウンタビリティ、検証、及び診断の態様を含む、ここで説明される概念のうちの1つ以上を用いて実施されてもよい。例えば、本明細書に記載の装置、システム、及び方法は、ユーザが1つのデバイスから別のデバイスに動かすことに関係なく利用可能な同じ又は類似の情報を有していてもよいように1つのユーザインターフェースデバイスから別のユーザインターフェースデバイスへ(例えば、ワークステーションからタブレットデバイスへ又はタブレットデバイスから移動電話へ)のシームレスな移行を容易にすることがあり、及び/又は、同じ又は異なるデータを閲覧する同じ又は異なる場所にいる複数の人員の協同(collaboration)を容易にすることがあり、及び/又は、ユーザが偶然動作させるデバイスを問わずユーザセッションの開始又は再開を容易にすることがある。ユーザインターフェースデバイスのうちのモバイルのものは、該当する情報(例えば、マップ、手順、図、ユーザマニュアル)を自動的に表示し、アプリケーションを立ち上げるなどするようにデバイスアウェア及び/又は場所アウェアであってもよい。加えて、エキスパートシステム及び監視システムとユーザインターフェースデバイスとの間の協働(cooperation)は、オペレータ及び/又は保守人員のアクティビティに関係した作業項目の自動生成、割り当て、及び管理を容易にすることがある。例えば、より詳細に後述するように、エキスパートシステムは、いくつかのタスクが行われるべきであることを判断するためにビッグデータシステムに格納された情報を解析してもよく、スーパーバイザシステムと協働することによって、作業項目を作成し、作業項目を人に割り当て、作業項目タスクの遂行に必要な項目のチェックリストを作成し、割り当てられた人が関連するタスクの遂行をウォークスルーし、及びタスクの進行を追跡してもよい。これらの及び他の態様は全体を通して説明される。
【0017】
最初に例示的なプロセスプラントのアーキテクチャ全体を参照すると、図1Aは、プロセス制御システム又はプロセスプラント10において動作する例示的なプロセス制御ネットワーク100のブロック図である。プロセス制御ネットワーク100は、種々の他のデバイス間に直接的に又は間接的に接続性を提供するネットワークバックボーン105を含んでもよい。ネットワークバックボーン105に結合されるデバイスは、種々の実施形態において、アクセスポイント72、他のプロセスプラントへの(例えば、イントラネット又は企業広域ネットワークを介する)ゲートウェイ75、外部システムへの(例えば、インターネットへの)ゲートウェイ78、UIデバイス112、サーバ150、ビッグデータ装置102(例えば、ビッグデータヒストリアンを含む)、ビッグデータエキスパートシステム104、スーパーバイザエンジン106、コントローラ11、入力/出力(I/O)カード26及び28、有線フィールドデバイス15~22、無線ゲートウェイ35、及び無線通信ネットワーク70の組み合わせを含む。通信ネットワーク70は、無線デバイス40~58を含んでいてもよく、これらは、無線フィールドデバイス40~46、無線アダプタ52a及び52b、アクセスポイント55a及び55b、並びにルータ58を含む。無線アダプタ52a及び52bは、それぞれ非無線フィールドデバイス48及び50に接続されてもよい。コントローラ11は、プロセッサ30、メモリ32、及び1つ以上の制御ルーチン38を含んでもよい。図1Aは、ネットワークバックボーン105に接続されるデバイスのうちのいくつかの、ただ1つだけを描いているが、デバイスのそれぞれはネットワークバックボーン105上に複数のインスタンスを有することができることがあること、実際には、プロセスプラント10は複数のネットワークバックボーン105を含んでもよいことが理解されるであろう。
【0018】
UIデバイス112は、ネットワークバックボーン105を介してコントローラ11及び無線ゲートウェイ35に通信可能に接続されてもよい。コントローラ11は、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して有線フィールドデバイス15~22に通信可能に接続されてもよく、且つネットワークバックボーン105及び無線ゲートウェイ35を介して無線フィールドデバイス40~46に通信可能に接続されてもよい。コントローラ11は、フィールドデバイス15~22及び40~46のうちの少なくともいくつかを用いてバッチプロセス又は連続プロセスを実施するように動作してもよい。単なる例として、Emerson Process managementによって販売されるDelta V(商標)コントローラであってもよいコントローラ11は、プロセス制御ネットワークバックボーン105に通信可能に接続される。コントローラ11はまた、例えば、標準4~20mAデバイス、I/Oカード26、28に関連する任意の所望のハードウェア及びソフトウェア、及び/又は、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、wireless HART(登録商標)プロトコルなどの任意のスマート通信プロトコルを用いてフィールドデバイス15~22及び40~46に通信可能に接続されてもよい。図1Aで例証される実施形態では、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、及びI/Oカード26、28は有線デバイスであり、フィールドデバイス40~46は無線フィールドデバイスである。
【0019】
UIデバイス112の動作時に、UIデバイス112は、一部の実施形態では、UIデバイス112が入力インターフェースを介して入力を受け取り、ディスプレイで出力を提供することを可能にするユーザインターフェース(「UI」)を実行してもよい。UIデバイス112は、サーバ150からデータ(例えば、プロセスパラメータ、ログデータ、センサデータ、及び/又はビッグデータ装置102に取り込まれ及び格納されてもよい他のどのようなデータなどのプロセス関連のデータ)を受信してもよい。別の実施形態では、UIは、サーバ150ですべて又は一部が実行されてもよく、この場合、サーバ150は、表示データをUIデバイス112に伝送してもよい。UIデバイス112は、プロセス制御ネットワーク100における他のノード、例えばコントローラ11、無線ゲートウェイ35、又はサーバ150からバックボーン105を介してUIデータ(表示データ及びプロセスパラメータデータを含んでもよい)を受信してもよい。UIデバイス112で受信したUIデータに基づいて、UIデバイス112は、プロセス制御ネットワーク100に関連するプロセスの態様を表わす出力(すなわち、視覚表現又はグラフィックス)を提供し、ユーザがプロセスを監視することを可能にする。ユーザはまた、UIデバイス112で入力を提供することによってプロセスの制御に影響を及ぼしてもよい。示すために、UIデバイス112は、例えば、タンク充填プロセスを表わすグラフィックスを提供してもよい。このようなシナリオでは、ユーザは、タンクレベル計測値を読み取り、タンクが充填される必要かあることを決定してもよい。ユーザは、UIデバイス112に表示された入口バルブグラフィックと対話し、入口バルブを開くコマンドを入力してもよい。
【0020】
さらなる動作では、UIデバイス112は、UIに加えて多数のルーチン、モジュール、又はサービスを実行してもよい。一実施形態では、UIデバイス112は、例えば、場所アウェアネス、機器アウェアネス、又はスケジューリングアウェアネスに関係した種々のルーチン又はサブルーチン(図27に示すように)を含む場合があるコンテキストアウェアネスルーチンを実行してもよい。これらのコンテキストルーチンは、UIデバイス112がグラフィカルユーザインターフェース構成(「GUI構成」)をUIデバイス112が動作している特定の環境又はコンテキストに合わせて変えることができるようにしてもよい。UIデバイス112はまた、UIデバイス112がUIデバイス112(例えばUI)で実行されているアプリケーションの状態を含むUIデバイス112の状態を追跡及び保存することを可能にする、状態判定ルーチンを実行してもよい。UIデバイス112上でアプリケーションの状態を追跡することによって、UIデバイス112は、ユーザが、例えば、第1のUIデバイス112上でセッションを開始し、及び第2のUIデバイス112を用いて開始して、最小限の割り込みでユーザの以前のセッションからのワークフローを再開することを可能にしてもよい。
【0021】
UIデバイス112(又はUIデバイス112にアプリケーション又は画面を提供するサーバ)はまた、プラント資産を管理することに関係したルーチンを実行してもよい。例えば、プロセスプラントにおける資産を設置する、交換する、維持する、較正する、診断する、又は試運転するためのいくつかのルーチンが用いられてもよい。特定の資産に関連する作業命令を準備又は完了するために及び/又はプラント人員(例えば、特定のデバイスの近傍の人員)に作業命令を知らせるために他のルーチンが用いられてもよい。UIデバイス112は、プロセスの監視に関係したルーチンを実行してもよい。例えば、機器データをフィールドロギングする、実験用サンプル(lab sample)を報告する、リアルタイム資産パラメータを表示するなどのためのいくつかのルーチンが用いられてもよい。UIデバイス112はさらに、プラント手順及びワークフローとのコンプライアンスに関係したルーチンを実行してもよい。例えば、いくつかのルーチンは、標準作業手順(SOP)、スタートアップ手順、シャットダウン手順、ロックアウト手順、作業指示、又は他の製品/資産ドキュメンテーションに関係した情報を提供してもよい。さらに付加的なルーチンは、UIデバイス112がネットワークに結合されるときに、作業命令の即座の送達及びオフライン手入力データの即座のシステム利用を容易にしてもよい。通信ルーチンは、技術的支援又は他の支援を提供するプラント人員及び/又は外部の関係者間の通信を容易にするために、電子メールルーチン、テキストメッセージングルーチン、インスタントメッセージングルーチンなどを含んでもよい。
【0022】
UIデバイス112(又はUIデバイス112にアプリケーション又は画面を提供するサーバ)は、1つ以上の監査プロセスを支援及び/又は容易にするルーチンをさらに含んでもよい。監査プロセスは、例えば、作業監査及び/又は監督当局による監査を含んでもよい。一部の実施形態では、ルーチンは、ユーザがデータの閲覧及び/又は規制要件を満たす目的で収集され、維持され、及び/又は照合されるデータに関係したレポートを生成することを可能にしてもよい。示す目的で、モバイル制御室が製薬製造プラントに実装される場合、モバイル制御室は、プラントの製品アウトプットの安全性に関係した政府要件を満たす目的で収集されるデータの閲覧又は報告することを容易にすることがある。一部の実施形態では、ルーチンは、作業命令、保守、又は他のプラントプロセスの監査に関係したレポートをユーザが閲覧すること及び/又は生成することを可能にしてもよい。
【0023】
特定の実施形態では、UIデバイス112は、シンクライアント、ウェブクライアント、又はシッククライアントなどの任意のタイプのクライアントを実装してもよい。例えば、UIデバイス112は、UIデバイス112の動作に必要な処理の大部分を他のノード、コンピュータ、又はサーバに依存してもよい。このような例では、UIデバイス112はサーバ150と通信してもよく、この場合、サーバ150は、プロセス制御ネットワーク100上の1つ以上の他のノードと通信してもよく、且つUIデバイス112に送信する表示データ及び/又はプロセスデータを判定してもよい。さらに、UIデバイス112は、サーバ150がユーザ入力に関係したデータを処理し、それに応じて動作し得るように、受信したユーザ入力に関係した任意のデータをサーバ150に渡してもよい。言い換えれば、UIデバイス112は、グラフィックスをレンダリングすることよりも少しだけ多くのことをしてもよく、UIデバイス112の動作に必要なデータを格納し、ルーチンを実行する1つ以上のノード又はサーバへのポータルとして作用する。シンクライアントUIデバイスは、UIデバイス112に関する最小限のハードウェア要件の利点を与える。
【0024】
別の実施形態では、UIデバイス112はウェブクライアントであってもよい。このような実施形態では、UIデバイス112のユーザは、UIデバイス112でのブラウザを介してプロセス制御システムと対話してもよい。ブラウザは、ユーザがバックボーン105を介して別のノード又はサーバ150(例えばサーバ150)でのデータ及びリソースにアクセスすることを可能にする。例えば、ブラウザは、ブラウザがいくつかの又はすべてのプロセスの制御及び/又は監視のためのグラフィックスを表すことを可能にする表示データ又はプロセスパラメータデータなどのUIデータをサーバ150から受信してもよい。ブラウザはまた、ユーザ入力(例えばグラフィック上のマウスクリック)を受信してもよい。ユーザ入力により、ブラウザがサーバ150上に格納された情報リソースを検索するか、又はこれにアクセスしてもよい。例えば、マウスクリックにより、ブラウザがクリックされたグラフィックに関する情報を検索し(サーバ150から)及び表示してもよい。
【0025】
さらに別の実施形態では、UIデバイス112の処理の大部分がUIデバイス112で行われてもよい。例えば、UIデバイス112は、前述のUI、状態判定ルーチン、及びコンテキストアウェアネスルーチンを実行してもよい。UIデバイス112は、データをローカルに格納し、アクセスし、及び解析してもよい。
【0026】
動作時に、ユーザは、フィールドデバイス15~22又はデバイス40~48のいずれかなどのプロセス制御ネットワーク100における1つ以上のデバイスを監視又は制御するためにUIデバイス112と対話してもよい。ユーザは、例えば、コントローラ11に格納された制御ルーチンに関連するパラメータを修正又は変更するためにUIデバイス112と対話してもよい。コントローラ11のプロセッサ30は、制御ループを含んでもよい1つ以上のプロセス制御ルーチン(メモリ32に格納される)を実施又は監督する。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~22及び40~46と、及びバックボーン105に通信可能に接続される他のノードと通信してもよい。本明細書に記載の任意の制御ルーチン又はモジュール(品質予測及び故障検出モジュール又は機能ブロックを含む)は、必要に応じて異なるコントローラ又は他のデバイスによって実施又は実行されるその一部を有していてもよいことに留意されたい。同様に、プロセス制御システム10内に実装されるべき本明細書に記載の制御ルーチン又はモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを含む任意の形態をとることがある。制御ルーチンは、例えばオブジェクト指向プログラミング、ラダーロジック、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図を用いる、又は他のどのようなソフトウェアプログラミング言語又は設計パラダイムを用いる任意の所望のソフトウェア形式で実装されてもよい。特に、制御ルーチンは、UIデバイス112を通じてユーザによって実施されてもよい。制御ルーチンは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)などの任意の所望のタイプのメモリに格納されてもよい。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他のどのようなハードウェア又はファームウェア要素にハードコードされてもよい。したがって、コントローラ11は、制御ストラテジ又は制御ルーチンを任意の所望の様態で実施するように構成されてもよい(特定の実施形態ではUIデバイス112を用いるユーザによって)。
【0027】
UIデバイス112の一部の実施形態では、ユーザは、通称、機能ブロックと呼ばれるものを用いてコントローラ11で制御ストラテジを実施するためにUIデバイス112と対話してもよく、各機能ブロックは、制御ルーチン全体のうちの1つのオブジェクト又は他の部分(例えば、サブルーチン)であり、プロセス制御システム10内でプロセス制御ループを実施するために他の機能ブロックと併せて(リンクと呼ばれる通信を介して)動作する。制御に基づく機能ブロックは、プロセス制御システム内のいくつかの物理的機能を行うために、通常、例えば送信器、センサ又は他のプロセスパラメータ計測デバイスに関連する入力機能、例えばPID制御、ファジー論理制御などを行う制御ルーチンに関連する制御機能、又はバルブなどのいくつかのデバイスの動作を制御する出力機能、のうちの1つを行う。もちろん、ハイブリッド及び他のタイプの機能ブロックが存在する。機能ブロックは、UIデバイス112で提供されるグラフィカル表現を有していてもよく、ユーザが機能ブロックのタイプ、機能ブロック間の接続、及びプロセス制御システムに実装される機能ブロックのそれぞれに関連する入力/出力を容易に修正できるようにする。機能ブロックは、コントローラ11に格納され、これによって実行されてもよく、これはこれらの機能ブロックが標準4~20mAデバイス及びHARTデバイスなどのいくつかのタイプのスマートフィールドデバイスに用いられ又はこれに関連するときに通常当てはまり、又はフィールドデバイス自体に格納され、これによって実施されてもよく、これはFieldbusデバイスに当てはまることがある。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装してもよい1つ以上の制御ルーチン38を含んでもよい。各制御ループは、通常制御モジュールと呼ばれ、機能ブロックのうちの1つ以上を実行することによって行われてもよい。
【0028】
UIデバイス112は、一部の実施形態では、ビッグデータ装置102及び/又はエキスパートシステム104及び/又はスーパーバイザエンジン106と対話する。ビッグデータ装置102は、センサデータ、制御パラメータ、手入力のデータ(例えば、人員がプロセスプラント10を動き回る際に人員によって収集されたデータ)、人員の場所及びコマンド入力、データのすべてに関連するタイムスタンプ、及びプロセスプラント10で利用可能な他のどのようなタイプのデータを含むすべてのタイプのプロセス制御データをプロセスプラント10から収集及び格納してもよい。ビッグデータ装置102に通信可能に結合されるエキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102に格納されたプロセスプラントデータを解析するために独立して又は特定のユーザ入力に従って動作してもよい。エキスパートシステム104は、モデルを生成及び/又は使用し、データ傾向及び/又は相関を認識し、プロセスプラント10に影響を及ぼすことがある又はもうすぐ影響を及ぼすであろう実際の又は予測される問題及び/又は異常な状況及び/又は最適状態に及ばない条件をプラント人員にアラートするなどしてもよい。一部の実施形態では、エキスパートシステム104は、特定のデータセット又は傾向を特定の問題又は条件と関連付けることに特化してプログラムされていなくともこれらの機能を行い、代わりに、以前の条件(積極的な/望ましい条件又は消極的な/望ましくない条件であり得る)の前、そのとき、又はそのころに現在の傾向又はデータの一致(concurrence)が起こったことを認識する。傾向又はデータ一致の以前の発生の認識から、エキスパートシステム104は、条件を予測(「予知」)してもよい。エキスパートシステム104はまた、ビッグデータ装置102に格納されたデータから、プロセスプラント10における異常な状況を検出する、予測する、防止する、及び/又は補正するのにどのプロセス変数、センサ読取値など(すなわち、どのデータ)が最も重要であるかを判定してもよい。例えば、エキスパートシステム104は、炭化水素がスタックから排出されていることを判定してもよく、炭化水素の排出の原因を自動的に判定し、及び/又は炭化水素の排出を引き起こす問題を正すために(例えば、スーパーバイザエンジン106によって)作業項目を生成させ、及び/又は機器を検査するか、又はネットワークを介して利用可能ではないパラメータを観察する/記録するために作業項目を生成させてもよい。別の例として、エキスパートシステム104は、一連の以前のデータポイントによって示される傾向が、予測された異常な状況、予測された保守の懸念、予測された故障などを示すことを判定してもよい。
【0029】
以下に詳しく説明されるように、スーパーバイザエンジン106は、種々の監視アクティビティを自動的に行う及び/又は容易にするために、ビッグデータ装置102及び/又はエキスパートシステム104と対話してもよい。例えば、スーパーバイザエンジン106は、エキスパートシステム104によって識別される傾向を監視し、プラント人員の作業項目を作成してもよい。別の例として、スーパーバイザエンジン106は、プロセスプラントリソースの較正ステータスを監視してもよく、プラント人員の作業項目を作成してもよい。これらの機能に関連して、スーパーバイザエンジン106はまた、人員の認証(certifications)、スケジュールされた作業項目遂行中の機器へのアクセス許可、及び作業項目遂行のタイミングを管理してもよい。スーパーバイザエンジン106は、作業項目を割り当てる及びその遂行を追跡する、並びに結果的に作業項目の作成につながるステータス又は指標(例えば、識別された傾向、異常な状況など)が解決されることを確認するのに作業項目の完了後にフォローアップするために、UIデバイス112と対話してもよい。例えば、スーパーバイザエンジン106は、エキスパートエンジン104からバルブに不具合があることを判定し、作業項目を作成してもよい。スーパーバイザエンジン106は、UIデバイス112を携行する保守作業者が不具合のあるバルブの近傍にいることを後で判定し、UIデバイス112を介して作業項目を受け取り得る保守作業者に作業項目を割り当てることを要求してもよい。スーパーバイザエンジン106は、保守作業者が作業項目を行うのに適切な技能を有することを確認してもよく、保守作業者が作業項目を行うのに必要な許可を提供してもよい。加えて、スーパーバイザエンジン106は、作業項目が完了され得るようにプロセス制御アクティビティを再スケジュールしてもよい。スーパーバイザエンジン106は、作業項目の遂行前及び/又は遂行中に人員に標準作業手順、マニュアル、及び他のドキュメンテーションを提供してもよい。これらは以下でさらに説明されるスーパーバイザエンジン106のほんの数例である。
【0030】
図1Aを引き続き参照すると、無線フィールドデバイス40~46は、wireless HARTプロトコルなどの無線プロトコルを用いて無線ネットワーク70において通信する。特定の実施形態では、UIデバイス112は、無線ネットワーク70を用いて無線フィールドデバイス40~46と通信することができる場合がある。こうした無線フィールドデバイス40~46は、同じく無線で(例えば無線プロトコルを用いて)通信するように構成されるプロセス制御ネットワーク100の1つ以上の他のノードと直接通信してもよい。無線で通信するように構成されていない1つ以上の他のノードと通信するために、無線フィールドデバイス40~46は、バックボーン105に接続される無線ゲートウェイ35を用いてもよい。もちろん、フィールドデバイス15~22及び40~46は、将来開発される任意の規格又はプロトコルを含む任意の有線又は無線プロトコルなど、他の任意の所望の規格又はプロトコルに準拠することができることがある。
【0031】
無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の種々の無線デバイス40~58にアクセスを提供し得るプロバイダデバイス110の一例である。特に、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御ネットワーク100の無線デバイス40~58及び他のノード(図1Aのコントローラ11を含む)間の通信可能な結合を提供する。無線ゲートウェイ35は、いくつかの場合には、有線及び無線プロトコルスタックの1つ以上の共有される層をトンネリングしながら有線及び無線プロトコルスタックのより下位層にサービス(例えば、アドレス変換、ルーティング、パケットセグメント化、優先順位付けなど)をルーティングすること、バッファすること、及びタイミングを調節すること(timing)によって通信可能な結合を提供する。他の場合には、無線ゲートウェイ35は、いかなるプロトコル層も共有しない有線プロトコルと無線プロトコルとの間でコマンドを翻訳してもよい。プロトコル及びコマンド変換に加えて、無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク30で実装される無線プロトコルに関連するスケジューリング方式のタイムスロット及びスーパーフレーム(等しい時間間隔の通信タイムスロットの組)によって用いられる同期したクロッキングを提供してもよい。さらに、無線ゲートウェイ35は、リソース管理、パフォーマンス調整、ネットワーク障害の緩和、トラフィックの監視、セキュリティなどの無線ネットワーク70のネットワーク管理機能及び運用管理機能を提供してもよい。
【0032】
有線フィールドデバイス15~22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46は、プロセスプラント10内の物理的制御機能を行ってもよい、例えば、バルブの開閉又はプロセスパラメータの計測を行ってもよい。無線フィールドデバイス40~46は、しかしながら、ネットワーク70の無線プロトコルを用いて通信するように構成される。したがって、無線フィールドデバイス40~46、無線ゲートウェイ、及び無線ネットワーク70の他の無線ノード52~58は、無線通信パケットの生産者及び消費者である。
【0033】
いくつかのシナリオでは、無線ネットワーク70は、非無線デバイスを含んでもよい。例えば、図1Aのフィールドデバイス48は、旧来の4~20mAデバイスであってもよく、フィールドデバイス50は、伝統的な有線HARTデバイスであってもよい。ネットワーク30内で通信するために、フィールドデバイス48及び50は、無線アダプタ(WA)52a又は52bを介して無線通信ネットワーク70に接続されてもよい。加えて、無線アダプタ52a、52bは、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNetなどの他の通信プロトコルを支援してもよい。さらに、無線ネットワーク30は、1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含んでいてもよく、これは、無線ゲートウェイ35と配線により通信する別個の物理的デバイスであってもよく、又は無線ゲートウェイ35と共に一体のデバイスとして提供されてもよい。無線ネットワーク70はまた、無線通信ネットワーク30内の1つの無線デバイスから別の無線デバイスにパケットを転送するために1つ以上のルータ58を含んでもよい。無線デバイス32~46及び52~58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60経由で互いに及び無線ゲートウェイ35と通信してもよい。
【0034】
したがって、図1Aは、プロセス制御システムの種々のネットワークにネットワークルーティング機能性及び運用管理(administration)を提供するのに主に役立つプロバイダデバイスのいくつかの例を含む。例えば、無線ゲートウェイ35、アクセスポイント55a、55b、及びルータ58は、無線通信ネットワーク70において無線パケットをルーティングする機能性を含む。無線ゲートウェイ35は、無線ネットワーク70のトラフィック管理及び運用管理機能を行い、並びに無線ネットワーク70と通信可能に接続している有線ネットワークとの間でトラフィックをルーティングする。無線ネットワーク70は、wireless HARTなどのプロセス制御メッセージ及び機能を専用に支援する無線プロセス制御プロトコルを用いてもよい。
【0035】
特定の実施形態では、プロセス制御ネットワーク100は、他の無線プロトコルを用いて通信するネットワークバックボーン105に接続される他のノードを含んでもよい。例えば、プロセス制御ネットワーク100は、WiFi又は他のIEEE802.11に準拠した無線ローカルエリアネットワークプロトコルなどの他の無線プロトコル、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は他のITU-R(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector)対応プロトコルなどのモバイル通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)及びBluetoothなどの短波長無線通信、又は他の無線通信プロトコルを用いる1つ以上の無線アクセスポイント72を含んでもよい。通常、こうした無線アクセスポイント72は、ハンドヘルド又は他のポータブルコンピューティングデバイスが、無線ネットワーク70とは異なり且つ無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルを支援するそれぞれの無線ネットワーク経由で通信することを可能にする。一部の実施形態では、UIデバイス112は、無線アクセスポイント72を用いてプロセス制御ネットワーク100経由で通信する。いくつかのシナリオでは、ポータブルコンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、又は無線デバイス35、40~58)はまた、アクセスポイント72によって支援される無線ネットワークを用いて通信してもよい。
【0036】
加えて又は代替的に、プロバイダデバイスは、当該プロセス制御システム10の外部のシステムへの1つ以上のゲートウェイ75、78を含んでもよい。こうした実施形態では、前述の外部システムを制御する、監視する、又はこれらと他の方法で通信するためにUIデバイス112が用いられてもよい。通常、こうしたシステムは、プロセス制御システム10によって生成される又は動作される情報の顧客又は供給業者である。例えば、プラントゲートウェイノード75は、当該プロセスプラント10(それ独自のそれぞれのプロセス制御データネットワークバックボーン105を有する)をそれ独自のそれぞれのネットワークバックボーンを有する別のプロセスプラントと通信可能に接続してもよい。一実施形態では、単一のネットワークバックボーン105は、複数のプロセスプラント又はプロセス制御環境にサービスを提供してもよい。
【0037】
別の例では、プラントゲートウェイノード75は、当該プロセスプラントを、プロセス制御ネットワーク100又はバックボーン105を含まない旧来の又は従来技術のプロセスプラントに通信可能に接続してもよい。この例では、プラントゲートウェイノード75は、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン105によって用いられるプロトコルと旧来のシステム(例えば、イーサネット、Profibus、Fieldbus、DeviceNetなど)によって用いられる異なるプロトコルとの間でメッセージを変換又は翻訳してもよい。このような例では、UIデバイス112は、前述の旧来の又は従来技術のプロセスプラントにおけるシステム又はネットワークを制御する、監視する、又はこれらと他の方法で通信するのに用いられてもよい。
【0038】
プロバイダデバイスは、プロセス制御ネットワーク100を実験室システム(例えば、実験室情報管理システム、すなわちLIMS)、人員巡回(personnel rounds)データベース、マテリアルハンドリングシステム、保守管理システム、製品インベントリ制御システム、生産スケジューリングシステム、気象データシステム、発送及びハンドリングシステム、パッケージングシステム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、又は他の外部システムなどの外部パブリックシステム又はプライベートシステムのネットワークと通信可能に接続するために、1つ以上の外部システムゲートウェイノード78を含んでもよい。外部システムゲートウェイノード78は、例えば、プロセス制御システムとプロセスプラントの外部の人員(例えば、家にいる人員)との間の通信を容易にしてもよい。1つのこうした事例では、オペレータ又は保守要員は、自宅からホームネットワーク(図示せず)、インターネット、及びゲートウェイ78を介してネットワークバックボーン105に接続するUIデバイス112を用いてもよい。別の場合には、オペレータ又は保守要員は、モバイル電話通信ネットワーク(図示せず)、インターネット、及びゲートウェイ78を介してネットワークバックボーン105に接続する任意の場所からUIデバイス112を用いてもよい。ゲートウェイノード78はまた、プロセスプラントにおけるプラント人員とプロセスプラントの外部のエンティティ又は人々との間の通信を容易にすることがある。例えば、プロセスプラントにおけるプロセス制御デバイス上でサービスを行う技術者は、自分のUIデバイス112からプロセス制御デバイスの製造業者からの支援代表と通信してもよい。さらに別の例では、スーパーバイザエンジン106は、作業項目をスケジューリングする、生産スケジュールを管理するなどの際にスーパーバイザエンジン106を支援するために、気象を監視し、入ってくる供給出荷物を追跡し、金融データ(例えば、商品先物)を追跡するなどしてもよい。もちろん、ゲートウェイ78(又はゲートウェイ75、或いは実際には任意の2つのデバイス間)を介して形成されるすべての接続は、セキュリティ保護された接続(例えば、暗号化された接続、ファイアウォールによる接続など)であってもよい。
【0039】
図1Aは、有限数のフィールドデバイス15~22及び40~46と共に単一のコントローラ11を例証しているが、これは単なる例証であって、実施形態を限定するものではない。プロセス制御ネットワーク100のプロバイダデバイスに任意の数のコントローラ11が含まれていてもよく、コントローラ11のうちのいずれかは、プラント10におけるプロセスを制御するために任意の数の有線又は無線フィールドデバイス15~22、40~46と通信してもよい。さらに、プロセスプラント10はまた、任意の数の無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、無線プロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント72、及び/又はゲートウェイ75、78を含んでもよい。
【0040】
図1Bは、種々の異なるシステム又はシステム機能を含んでもよい、より広い範囲にわたる制御システム120を示すブロック図である。制御システム120は、限定ではない例として原油精製所であり得るプロセスプラント10を含む。システム120はまた、例えば掘削又は探鉱システムなどの海底システム122に結合されてもよい。種々の安全システム124が、火災及びガスシステム126、監視システム128、及び輸送システム130(例えば、精製所に原油を輸送するための)の場合と同様にシステム120に含まれてもよい。図1Bは、要素10及び122~130のそれぞれを別個の態様として描いているが、態様のうちの種々の1つを組み合わせることができることがあることに注目される。例えば、プロセスプラント10は、一部の実施形態では、安全システム124及び/又は火災及びガスシステム126を含んでもよい。図1Bは、本説明が図1Aに関して説明されたプロセスプラントに範囲において限定されず、他の制御システム、監視システム、及び安全システムなどに適用可能であり得ることを示すことを意図している。本説明は、プロセス制御プラント10に関しての実施形態を説明しているが、この慣例(convention)は、単なる便宜のためであり、限定となることを意図されない。
【0041】
以下の例は、プロセスプラント10などのプロセスプラントに実装するいくつかのシナリオ、本明細書で説明される概念を例証し、こうした実装の利点を強調するものである。
【0042】
例1
プラントの特定の領域に割り当てられた第1のユーザが、制御室における据置型ワークステーションを介して割り当てられたプラント領域を監視してもよい。第1のユーザは、ワークステーション上で実行するブラウザ又は他のアプリケーションを介してプロセスを監視及び制御し、ブラウザ又はアプリケーションが、サーバで実行するルーチンと通信する。第1のユーザは、例えばプラントを検査するためにプロセスプラントのフロアに行くことを決定してもよい。ユーザが制御室を離れる際に、ユーザは、タッチセンシティブタブレットデバイス(すなわち、第2のモバイルユーザインターフェースデバイス)を手に取り、制御室を出てプラントの方に歩いてもよい。ワークステーションなどのタブレットは、第1のユーザがタブレットデバイス上で実行するブラウザ又はアプリケーションを介してサーバでのルーチンにアクセスできるようにする。第1のユーザは、タブレット上で既に認証されていても、又はタブレットは第1のユーザに関連していてもよい。タブレットは、第1のユーザに固有のセッションを確立するためにサーバと通信する。サーバは、ワークステーションでの第1のユーザに関連する状態情報を格納し、第1のユーザに、タブレット上で動作するブラウザ又はアプリケーションを介して、格納した状態情報に従ってタブレット上にユーザインターフェースを提供してもよい。したがって、第1のユーザは、ワークステーションで開始されるワークフローを再開することができる。
【0043】
いくつかの状況では、モバイルデバイス上で動作するルーチンは、第1のユーザに関するルートを生成してもよい。おそらくエキスパートシステム及び/又はスーパーバイザシステムと協働するルーチンは、監視される又はサービスされる必要があるプラント資産を識別してもよい。いくつかの場合には、資産を監視又はサービスする緊急性を示す、監視又はサービスする必要がある各資産に関連する優先順位が存在してもよい。ルーチンは、ユーザが監視又はサービスする必要がある資産のうちの少なくともいくつかを効率よく訪問できるようにする第1のユーザに関するルートを判定してもよい。
【0044】
第1のユーザがプラント中を移動する際に、タブレットで実行するコンテキストアウェアネスルーチンは、タブレットデバイス(例えば、NFC又はRFIDトランシーバ)における種々のセンサ及びレシーバからデータを受信する。センサ及びレシーバは、タブレットに近接するデバイス、機器、及び/又はタグを検出する。別の実施形態では、タブレットは、場所データを受信するためのGPSレシーバを有していてもよく、ルーチンをユーザの場所のアウェアネスと共に実行してもよいように場所データをサーバにアップロードしてもよい。いずれにしても、ルーチンは、タブレットの場所又は特定のデバイスとの近接性を識別し、第1のユーザ及びタブレットの全体的な場所にズームインされるプロセスプラント全体像マップ/グラフィックをタブレットに第1のユーザのために表示させてもよい。第1のユーザがプラントを通って移動する際に、プラントマップ表示は、タブレットの場所に対応するマップの領域にフォーカスするために動的に変化してもよい。
【0045】
場合によっては、プラントマップは、ナビゲーション機能性を含んでもよい。例えば、第1のユーザは、目的地として特定のプラント領域/デバイス/資産を選択してもよい。ルーチンは、次いで、特定のプラント領域/デバイス/資産への方向を提供するために場所データ(例えば、GPSレシーバから受信した)を用いてもよい。
【0046】
タブレットはまた、第1のユーザがプラント10を通過する際に種々のプロセスデータ又はアラームを表示してもよい。例えば、第1のユーザは、特にポンプに注目する必要がある場合に、ポンプを通過して、ポンプに関係するオペレーショナルデータ、グラフィックス、及びアラームをタブレットに表示させてもよい。タブレットは、例えば、ポンプ上の又はポンプ付近のNFC又はRFIDタグから一意の識別子を受信してもよい。タブレットは、サーバを介してルーチンに一意の識別子を伝送してもよい。ルーチンは、一意の識別子を受信し、一意の識別子をプロセスプラントにおけるエンティティと相互に関連付けるデータベースにアクセスしてもよい。例えば、一意の識別子は、ポンプに関係する表示データ、パラメータデータ、及びアラームデータなどのポンプデータと相互に関連付けてもよい。ポンプデータを識別した後で、ルーチンは、ポンプデータをタブレットに伝送してもよく、結果的にタブレットはグラフィックスをレンダリングし、ポンプに関係するグラフィックス、パラメータ、及び/又はアラームを提供する。
【0047】
さらなる例では、第1のユーザは、ポンプが動作不良を起こしていることに気が付いてもよい。第1のユーザは、タブレットディスプレイに示されるポンプグラフィック又はメニューと対話してもよく、グラフィックがシャットオフコマンドを表すグラフィックの場所でタブレットディスプレイにタッチしてもよい。タブレットは、第1のユーザ入力(例えば、容量性(capacitive)タッチ入力)を検出し、対応する入力データを生成してもよい。タブレットは、次いで、入力データをサーバに伝送してもよく、サーバは、入力データを受信し、ポンプを制御するコントローラにシャットダウン信号を伝送する。コントローラは、信号を受信し、ポンプをオフにする。第1のユーザは、ポンプに関連するタスク又は作業項目を作成してもよい。例えば、作業項目は、ポンプを検査及び/又は修理することを保守人員に要求してもよい。
【0048】
タブレット上のルーチンはまた、ロックアウト/タグアウト手順を容易にすることがある。例えば、ルーチンは、特定のポンプに関する適正なロックアウト/タグアウト手順を表示してもよい。場合によっては、安全性の理由でポンプをロックアウトすることを望む第1のユーザは、例えばロックアウト手順における特定のタスクが完了していることを示すためにタブレットによって表示されるタスクリストと対話してもよい。他の状況では、第1のユーザは、ポンプに関するフェイルセーフ条件をテストするためにルーチンと対話してもよい。例えば、シミュレートされた信号は、第1のユーザがポンプの応答を観察することを可能にするフェイルセーフ条件をシミュレートするために生成されてもよい。
【0049】
例2
第1のユーザは、依然としてタブレットを携えている状態で、プロセスプラントからプロセスプラントの制御室の方に歩き始めてもよい。第1のユーザは、ボイラに向かって歩いてもよい。第1のユーザがボイラに近づくと、タブレットは、ボイラのコンテキストIDデバイスとのRFID通信を確立する。タブレットは、コンテキストIDデバイスから一意の識別子を受信し、一意の識別子をサーバに伝送してもよい。サーバは、一意の識別子に基づいてボイラを識別してもよい。サーバは、ボイラが関連する作業項目を有することを判定し、及び作業項目に関連するスキル閾値を第1のユーザのプロフィールに関連するスキルレベルと比較するために、コンテキストデータにアクセスしてもよい。第1のユーザにボイラに関連する作業項目に取り組む資格がないことを判定すると、サーバは、作業項目に関する情報と共に表示を更新する代わりにタブレットの表示を先んじて変更してもよい。
【0050】
ユーザは、依然としてタブレットを携えている状態でプラントを通って歩き続けてもよく、バルブに向かって歩いてもよい。上述のように、タブレットは、バルブのコンテキストIDデバイスとの通信を確立してもよい。タブレットは、次いで、デバイスから一意の識別子を受信し、一意の識別子をサーバに伝送してもよい。サーバは、一意の識別子に基づいてバルブを識別してもよい。サーバは、次いで、バルブが保守のために使用休止となるように現在スケジュールされたことを示す関連するスケジュールをバルブが有することを判定するためにコンテキストデータにアクセスしてもよい。サーバは、データをタブレットに伝送し、タブレットに情報を第1のユーザに提供させ、この場合、情報は、バルブが保守に関して現在スケジュールされていることを第1のユーザに示す。
【0051】
例3
第1のユーザは、依然としてタブレットを手に持っている状態でプラントを通って歩き続ける。制御室にいる、以前は第1のユーザが従事していたワークステーション(又は異なるワークステーション)に現在ログインした、第2のユーザは、炉スタック(furnace stack)に関連する限界O2ガス計測値が低下していることに気づくことがある。第2のユーザは、炉スタックの援助を要求する作業項目を作成する。第1のユーザが制御室に戻る途中に炉スタックを通りがかる際に、タブレットは、炉スタックのコンテキストIDデバイスとの通信を自動的に確立してもよく、結果的にタブレットは炉スタックに関連する一意の識別子を受信する。タブレットは、一意の識別子をサーバに伝送してもよく、サーバは、炉スタックに注意が必要であるという通知グラフィックを含む一意の識別子に関連する情報(例えば、炉スタックに関する情報)を戻してもよい。第1のユーザは、通知グラフィックを閲覧及び選択してもよく、結果的に作成された作業項目に関係する情報の表示をもたらす。第1のユーザは、作業項目の受取りを示すためにグラフィックを選択してもよい。
【0052】
作業項目は、第1のユーザが炉の炎の1つ以上の写真をとることを要求してもよい(例えば、炎の色が不適切な空気流を示すことがあるため)。炎の写真は、サーバに伝送されてもよい。サーバ上で、ビッグデータ装置上で、又はエキスパートシステムの一部として動作する解析ルーチンは、イメージの態様を解析してもよく、又は、炎のイメージを、他の時点で及び/又は他の条件下で取り込まれ、ビッグデータシステム又は装置上に格納される他のイメージと比較してもよい。解析ルーチンは、イメージを解析してもよい(例えばイメージを以前の炎のイメージのコレクション及び対応するオペレーショナルデータと比較することによって)。ビッグデータ解析ルーチンは、炉の空気流が低いことを示すことがある。解析に基づいて、エキスパートシステムは、第1のユーザに炉への空気流を増加させるように指示してもよい。一部の実施形態では、第1のユーザは、炉への空気を増加させるための操作手順を検索及び表示するためにタブレットを用いてもよく、実際には、タブレットは、一部の実施形態においてエキスパートシステムがユーザに空気流を増加させるように指示するときに、手順を自動的に表示してもよい。所望の場合、第1のユーザは、調整後の炎の付加的なイメージを取り込み、炉スタックが適正に動作していることを確認するためにイメージを解析ルーチンに伝送してもよい。
【0053】
第1のユーザはまた、炉に関連する音声を取り込み、音声をサーバ、ビッグデータ装置、又はエキスパートシステムに伝送するのにタブレットを用いてもよい。例えば、エキスパートシステム上で動作する解析ルーチンは、炉が正常に動作しているかどうかを判定するために音声を炉に関連するサウンドシグネチャと比較してもよい。解析ルーチンはまた、取り込まれた音声を既知の問題に関連する音声と比較してもよい。例えば、ベルト又はモータの問題は、特定の音と関連付けられる場合があり、解析ルーチンは、取り込まれた音声を前述の音と比較することによってこうした問題を検出してもよい。同様に、第1のユーザは、炉に関連する振動を検出するためにタブレットを炉上又は炉の付近においてもよい。タブレットは、モーションセンサを介して振動データを受信し、振動データをサーバ又はビッグデータ装置に伝送してもよい。解析ルーチンは、炉が正常に動作しているかどうかを判定するために、検出された振動を炉に関連するシグネチャ振動レベルと(又は既知の問題に関連する振動レベルと)比較してもよい。いずれにしても、音声/振動の解析は、炉に関連する他の問題がないことを明らかにする、及び/又は炉が増加した空気流を必要とすることを確認することがある。
【0054】
第1のユーザが炉の空気流を増加させている状態で、第2のユーザは、以前のユーザも過去の幾度かのシフトにわたって空気流を増加させているかどうかを確認するために炉に対するクエリを実行してもよい。クエリは、人員がしていたことを確認する。第2のユーザは、そのすべてがビッグデータ装置に格納されている、空気流が増加した各時点、誰が変えたかなどのイベント情報と共に、炉を通る空気流を示すグラフをプルアップしてもよい。第2のユーザは、例えば、共有されるユーザインターフェース(UI)セッションを要求することによって、この情報を第1のユーザと共有してもよい。第1のユーザは、サーバを介して、UIセッションに関する要求を受信してもよい。第1のユーザが要求を受け取る場合、サーバは、第2のユーザに表示されるUIに関連する状態情報を取り込んでもよく、第2のユーザからの状態情報に従って第1のユーザが使用しているタブレットのディスプレイにデータを表示させてもよい。第1のユーザと第2のユーザは、共に、炉に関するデータをレビューしてもよく、炉が類似の問題を頻繁に経験することを判定してもよい。第2のユーザは、次いで、炉での低O2ガス計測イベントについてビッグデータシステムに問い合わせてもよい。ビッグデータシステムは、炉での低O2ガス計測イベントと相互に関連する多数のイベント、デバイス、ユーザ、時刻、及び他の因子を提供してもよい。例えば、ビッグデータ解析は、低O2ガスの計測が関係するプロセスユニットでのイベントと強く相互に関連付けられることを明らかにすることがあり、この場合、相関関係のあるイベントが低O2ガスの計測に頻繁に先行する。別の例では、解析は、特定のユーザが低O2ガス計測イベントと強く相互に関連付けられることを明らかにすることがある。言い換えれば、解析は、特定のユーザが低O2ガス計測を引き起こす様態で炉を制御していることを明らかにすることがある。この例は、解析を要求する、及び解析の結果を表示するためにUIデバイスを用いるユーザを示すが、ビッグデータシステムはまた、UIデバイスに関係していても関係していなくてもよい他の解析に用いるためにUIデバイス(このシナリオではタブレット)からの及びこれによって収集されるデータを用いてもよいことに留意されたい。いずれにしても、第2のユーザは、近い将来の特定の時点で炉を誰かにチェックさせるために、保守チケットをさらにレビュー及び作成するための作業項目にフラグを立ててもよい。
【0055】
例4
その後、保守人員が、炉を検査し、燃料投入部が炉に結合されるポイントに起因して炉が不適切に動作していたことを見出すことがあり、問題を正すために作業項目を作成してもよい。作業項目は、燃料投入パイプが炉の燃料投入部に溶接されるべきであることを示す、対象機器(すなわち、炉)を指定し、タスクを行うのに必要なスキル(すなわち、溶接スキル)を示す関連するタスクを有していてもよい。作業項目は、随意的に、作業項目の遂行に関するデッドラインを指定してもよい。
【0056】
スーパーバイザモジュールは、作業項目の遂行をスケジュールしてもよい。例えば、スーパーバイザモジュールは、プラント(又は炉が存在するプラントの領域)が保守のためにオフラインとなるようにスケジュールされたときの1日間の作業項目の遂行をスケジュールしてもよい。代替的に又は加えて、スーパーバイザモジュールは、必要なスキルを有する人員の利用可能性に従ってこれをスケジュールしてもよい。溶接作業者が適切なスキルを有すると識別すると、スーパーバイザモジュールは、溶接作業者に作業項目を割り当て、溶接作業者が割り当てられた作業項目を受け取るのを待ってもよい。溶接作業者が作業項目を受け取るときに、スーパーバイザモジュールは、作業項目が遂行されるべき時点での必要なプラント機能及び機器への溶接作業者のアクセスを認める許可トークンを作成する。
【0057】
指定された時間に、溶接作業者は、自分に割り当てられたモバイルユーザインターフェースデバイスと共に機器室に到着することがあり、該モバイルユーザインターフェースデバイスは、溶接作業者が作業項目を行うように(すなわち、炉の接続部を溶接するように)スケジュールされていることを溶接作業者に思い出させてもよい。リマインダの受取を確認すると、UIデバイスは、作業項目に関係する、スーパーバイザモジュールによって生成されるチェックリストを表示してもよい。チェックリストは、溶接作業者が安全用具(例えば、溶接用マスク及びグローブ)、溶接用具(例えば、溶接用電源、電極、フィラー材料など)、及びタスクを行うのに必要な他のもの(例えば、交換部品)を携行する必要があることを溶接作業者に思い出させてもよい。チェックリストはまた、対象機器に移動する前に行われるべき特定のタスクを指定してもよい。溶接作業者が(例えば、ユーザインターフェースデバイスを介して)スーパーバイザモジュールに対して、チェックリスト上の用具のすべてを有していること、及びチェックリスト上の指定されているタスクを行ったことを確認すれば、溶接作業者は機器室を去ってもよい。
【0058】
溶接作業者が機器室を出たことを感知すると、UIデバイスは、マップ又はガイダンスモードに切り替え、プロセスプラント内の溶接作業者の場所に関する情報、並びに溶接作業者を対象機器(この場合は炉)にガイドする情報を表示する。溶接作業者が炉に到着したことをUIデバイスが感知するときに、UIデバイスは、(例えばスーパーバイザモジュールによって提供されてもよい)作業項目タスクに該当する手順を自動的に表示する。例えば、UIデバイスは、作業項目タスクを確実に安全に行えるようにするのに必要な安全手順及び情報を溶接作業者に最初に表示してもよく、例えば、炉に溶接される燃料パイプが通常どのような材料を運ぶのか、どのような材料がパイプを流れる最後の材料であったか、パイプがドレイン(drained)されているのかどうか、パイプが現在使われているのかどうか、及び残留物がパイプの中に検出されるかどうかに関する情報を表示してもよい。UIデバイスはまた、(例えば、爆発を引き起こさずに)溶接手順を確実に安全に行えるようにするために、ステップバイステップで及び/又はグラフィックスで、パイプから残留物を清掃するための手順を表示してもよい。UIデバイスはまた、手順、溶接作業者、又はプロセスプラントに不必要なリスクを課すことがあるガスが、パイプ、炉の点火器、及び他の任意の機器に流れることを許すことがある、例えば上流のバルブなどのシステムの一部をシャットダウン及び/又はロックアウトする命令を提供し、これを容易にしてもよい。溶接作業者は、次いで、UIデバイスによって提供される場合には命令又は他のガイダンスの後に、ロックアウトを解除し、手順が完了することをUIデバイスを介してスーパーバイザモジュールに示す前に、溶接手順を行ってもよく、その後、スーパーバイザモジュールは、プラント(又はプラントの一部)を稼働状態に戻す前に、第2の人に溶接をチェックさせる作業項目を自動的に作成してもよい。
【0059】
これらの例は、本明細書の残りの全体を通して説明されるシステム、装置、及び方法の利点のうちのいくつかの例証である。
【0060】
ここで説明される概念は、プロセス制御プラントに既に実装されているシステムと統合されることが考慮される。すなわち、一部の実施形態では、これらの概念の実装は、全く新しいプロセス制御システムを必要とせず、代わりに、プラントにおける既存のソフトウェア及びハードウェア要素とシームレスに統合されてもよい。
【0061】
ビッグデータネットワーク
特定の実施形態では、開示されたUIデバイス、サーバ、及びルーチンは、ビッグデータインフラストラクチャ(すなわち、ビッグデータネットワーク)を支援するプロセス制御ネットワークに実装されてもよい。ビッグデータネットワークは、プロセスデータの大規模データマイニング及びデータ解析を支援してもよい。ビッグデータネットワーク又はシステムはまた、プロセス制御システム又はプラント10に含まれ及びこれに関連するデバイスによって生成され、受信され、及び/又は観察されるすべての(又はほぼすべての)データを収集及び格納するために複数のビッグデータネットワークノードを含んでもよい。ビッグデータネットワークは、ビッグデータ装置(例えば、ビッグデータ装置102)を含んでいてもよく、これは、時には共通の形式を用いて、プロセス制御システムに、プロセスプラント10に、及びプロセスプラント10によって制御されている1つ以上のプロセスによって生成されるか又はこれらに関係する複数のタイプのデータを格納するように構成された、ユニット式の論理データストレージ領域を含んでもよい。例えば、ユニット式の論理データストレージ領域は、タイムスタンプ付き構成データ、連続データ、イベントデータ、プラントデータ、ユーザ行為を示すデータ、ネットワーク管理データ、及びプロセス制御システム又はプラントの外部のシステムによって又はこれらに提供されるデータを格納してもよい。これらのデータはまた、人員に関係したデータ、原材料及び/又は加工済み材料に関係したデータ、人員の制約、資格、及び認証に関係したデータ、較正及び保守スケジュールに関係したデータなどを含んでもよい。ビッグデータネットワークによって収集されるデータは、例えば、人員及びこれらの人員から受信した入力を追跡するデータログであってもよい。こうしたデータは、プラント動作及び効率を改善するのに役立つことができることがある。例えば、ログデータは、種々の状況でのオペレータ入力への価値ある洞察を提供するためにエキスパートシステムによってマイニング及び解析されてもよい。結果は、オペレータのトレーニングを改善する、及び/又は種々の状況での自動又は手動のいずれかの応答を改善するのに用いられてもよい。いずれにしても、こうしたデータは、規制の目的で多くの事例において必要とされる。
【0062】
ビッグデータ装置102の論理データストレージ領域にあてはめられるときの本明細書で用いられる場合の「ユニット式の」という言葉は、単一のストレージデバイスを意味することを意図されない。一般に公知のように、第1のサイズ(又は種々の第1のサイズ)の複数の(実に多くの)ストレージデバイスは、第2のより大きいサイズのストレージ領域を形成するために通信可能に結合されてもよい。これらは、それにもかかわらず、この説明の目的上「ユニット式の」論理データストレージと考えられてもよい。一般に、ビッグデータ装置102は、ビッグデータネットワークのビッグデータネットワークノードから(例えば、ストリーミングを介して及び/又はいくつかの他のプロトコルを介して)データを受信し、受信したデータを格納するように構成される。したがって、プロセス制御ビッグデータ装置102は、すべての目的のために引用によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/784,041号で説明されるように、ビッグデータノードから受信したデータをヒストライズする(historizing)又は格納するためのユニット式の論理データストレージ領域、データを受信するための複数の装置データレシーバ、及び複数の装置要求サービサーを含んでもよい。
【0063】
プロセス制御ビッグデータシステムは、データが生成され、受信され、又は得られるレートでノードで生成され、受信され、又は得られるすべてのデータを自動的に収集してもよく、収集したデータが、高い忠実度で(例えば、オリジナル情報の損失を引き起こすことがある損失の大きいデータ圧縮又は他の任意の技術を用いることなく)、格納される(随意的に、ネットワークの他のノードに配信される)べきプロセス制御システムのビッグデータ装置102に配信されるようにしてもよい。プロセス制御システムのビッグデータシステムはまた、格納されるデータの任意の部分に対する洗練されたデータ解析及び傾向解析を提供することができることがある。例えば、プロセス制御ビッグデータシステムは、いかなる事前構成も必要とせずに且ついかなる翻訳又は変換も必要とせずに、プロセスデータ(従来技術のプロセス制御システムでは異なるデータベースサイロに含まれる)にわたる自動データ解析を提供することができることがある。解析に基づいて、プロセス制御システムのビッグデータシステムは、詳細な知識発見を自動的に提供することができることがあり、プロセス制御システムの変化又は付加的なエンティティを提案することがある。加えて又は代替的に、プロセス制御システムのビッグデータシステムは、知識発見に基づいて行為(例えば、処方的(prescriptive)、予測的、又はこの両方)を行ってもよい。プロセス制御システムのビッグデータシステムはまた、手動の知識発見を行う、並びにプロセスプラント及びそれに関連するリソースを計画する、構成する、動作させる、維持する、及び最適化することを可能にし、その際にユーザを支援することがある。
【0064】
エキスパートシステム
エキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102によって収集及び格納されるデータにアクセスし、これを解析するように構成されたルーチン及び/又はモジュールのコレクションである。ビッグデータ装置102とは別個のモジュールとして本明細書の全体を通して例証及び説明されるが、一部の実施形態では、エキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102内に組み込まれてもよい。加えて、エキスパートシステム104は、異なるプロセス領域で及び/又は異なるプロセス機器で動作する複数のモジュール又はルーチンを含んでもよい。例えば、エキスパートシステムの機能性は、1つ以上のコントローラ11、1つ以上のプロセス制御デバイス15~22などに常駐していてもよい。いずれにしても、エキスパートシステム104は、傾向を識別する、診断を行う、オペレータ入力を監視する、プロセスプラント及び/又はプロセスプラントの一部のモデリングを改善する、材料供給を監視する、出力品質及び量を監視する、プラントの動作の種々の態様をモデル化する、及び無数の他のアクティビティのために、ビッグデータ装置102によって収集及び格納されたデータを使用する。エキスパートシステム104は、収集したデータの解析を行うのに予め定義されたモデルを用いてもよく、及び/又はデータの解析に従ってモデルをアクティブに(あるいは自動的に)生成してもよい。エキスパートシステム104は、多くの異なるタイプの解析を行ってもよいが、いくつかの例が以下で提供される。例は、エキスパートシステム104の機能性の範囲を制限するのではなく、可能な機能性の一部を示すことを意図されている。
【0065】
一例では、エキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102によって収集及び格納されたデータを(リアルタイムで又は収集及び格納後に)監視し、特定のアラーム又はアラームタイプに関係したデータの解析を行う。エキスパートシステム104は、特定のアラームに関連する任意の共通の特徴(傾向、値など)を判定するために、プロセスパラメータ、プロセス入力、センサデータ、及びビッグデータ装置102に格納された他のどのようなデータを解析するようにプログラムされてもよい。関連は、一時的な関連であってもよいが、アラームと同時である必要はない。例えば、エキスパートシステム104は、特定のオペレータ入力がアラームとの類似の一時的関係性をもって生じるかどうかを判定するためにデータを解析してもよい。より詳細には、エキスパートシステム104は、例えば、特定のタンク内の温度が上昇しており、オペレータが指定量の特定の触媒をタンクの中に放出するときに、タンク内の圧力が指定のレートで上昇し、アラーム条件が生じることを決定づける、アラーム条件に先行するか、又は他の状態ではその予測である複数の因子の合流を判定してもよい。
【0066】
別の例では、エキスパートシステム104は、イベントとプロセスパラメータとの間の相関の強さを判定するために、ビッグデータ装置102によって収集及び格納されるデータの統計解析を行うようにプログラムされてもよい。例えば、ベテランのオペレータは、種々のプロセッサ間の関係性についての「勘」の感覚をもっていることがあるが、オペレータの直観は、データの厳密な解析よりもあまり信頼できないことがあり、これにより、オペレータが状況を悪化させることがある又は少なくとも他の又は付加的な調整と同じだけ早く又は同程度に状況を是正しないことがあるプロセスの調整を行うことによってプロセス制御状況(例えば、上昇するタンク温度、低下する圧力など)に対応することがある。したがって、エキスパートシステム104は、オペレータ及び他の人員に人員が他の方法では知り得ない又は理解し得ない情報を提供することによって、プロセスの全体的な制御、安全性、品質、及び出力を改善することがある。
【0067】
さらに別の例では、エキスパートシステム104は、解析(例えば、上記段落で説明した解析)に従って、プロセスプラント10上で動作するプロセスへの調整を行うようにプログラムされる。エキスパートシステム104は、最適状態に及ばない又は異常な条件を識別してもよく、1つ以上のプロセス入力及び/又はセットポイントを変えることによって条件を正すように作用してもよい。加えて、エキスパートシステム104は、結果的に機器及び/又は人員に安全上の問題を生じることがあるプロセス条件を引き止める及び/又は正すために、プロセスプラント10における他の安全システムと一体化されてもよい。
【0068】
スーパーバイザエンジン
UIデバイス112によるモバイル制御室の実装は、プロセスプラントの(又は他の類似の環境の)制御、保守、及び他の態様の分散を容易にする。すなわち、オペレータは、プロセスプラントの最適な制御を維持するのにもはやワークステーションに拘束されず、したがって、以前は通常制御室ではなくプラントで時を過ごしていたオペレータと保守人員との間の線引きが曖昧になる又はなくなる。より多くの人員がプラント環境中を移動するのに対応可能である。同時に、ビッグデータ装置102は、プラント環境のすべての態様についてのより完全なデータを格納し、エキスパートシステム104は、プロセスプラントの動作及び条件のより完全な解析を提供する。エキスパートシステム104とビッグデータ装置102は、プラントにおいて動作するプロセスの状態、プラントにおける機器の状態、プラントにおける人員の場所及び関連するタスク、並びにプラント管理、材料管理、人員管理、最適化などに関係した無数の他の態様についての情報を提供するように協働する。
【0069】
スーパーバイザエンジン106は、プロセスプラント内の人員を管理するためにエキスパートシステム104によって提供されるデータ及び解析を用いる。具体的には、スーパーバイザエンジン106は、エキスパートシステム104によって識別される傾向を監視してもよく、プラント人員の作業項目を作成してもよい。ビッグデータ装置102及びエキスパートシステム104とは別個のモジュールとして本明細書の全体を通して例証及び説明されるが、一部の実施形態では、スーパーバイザエンジン106は、ビッグデータ装置102内に及び/又はエキスパートシステム104内に組み込まれてもよい。図2は、モバイル制御室UIデバイス112、スーパーバイザエンジン106、及びエキスパートシステム104、並びにビッグデータ装置102間の通信アーキテクチャを示すブロック図である。上述のように、エキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102に格納されたデータを取得及び解析してもよく、一部の実施形態では、データをビッグデータ装置102に格納してもよい。例えば、エキスパートシステム104は、プロセス制御システムの態様に関係したデータを取得し、得られたデータに対して1つ以上の解析を行ってもよい。エキスパートシステム104によって行われる解析は、予めプログラムされたモデルに従って行われてもよく、又は一部の実施形態では、モデルなしに行われてもよい(すなわち、エキスパートシステム104は、未知の相関又は関係性に関してデータをサーチしてもよい)。いずれにしても、エキスパートシステム104は、ビッグデータ装置102内に解析データ(例えば、回帰データ、相互に関連付けられるデータなど)を格納してもよい。
【0070】
スーパーバイザエンジン106は、エキスパートシステム104から受信した/検索したデータ、及び/又はビッグデータ装置102から受信したデータを用いてもよい。例えば、スーパーバイザエンジン106は、特定のパラメータが特定の異常な条件と又は特定の最適な条件と最も密に相互に関連付けられることを示すデータをエキスパートシステム104から受信してもよい。別の例として、スーパーバイザエンジン106は、特定のパラメータがチェックされるべきであること、又は異常な条件を回避するためにプロセス制御デバイス/ルーチンへの特定の調整が行われる必要があることを示すデータをエキスパートシステム104から受信してもよい。さらに別の例として、スーパーバイザエンジン106は、保守が必要とされる又は予測された時刻に必要となることを示す傾向をエキスパートシステム104が識別したことを示すデータをエキスパートシステム104から受信してもよい。代替的に又は加えて、スーパーバイザエンジン106は、ビッグデータ装置102からデータを受信又は検索してもよい。例えば、スーパーバイザエンジン106によって実行されるルーチンは、定期的なスケジュールされた保守(すなわち、ルーチン、スケジュールされたインターバル、又はプラントのパラメータによって決まるインターバルで起こる保守)と関係してもよい。すなわち、スーパーバイザエンジン106は、例えば、直近の保守からどれだけ多くの時間にわたってデバイスが使われているか、又は直近の保守からどれだけ多くの時間にわたってデバイス(例えば、バルブ)が動作しているかを判定するために、プロセスプラントの又はプロセスプラント内のデバイスのパラメータを監視してもよい。このタイプのデータは、ビッグデータ装置102に格納され、スーパーバイザエンジン106によって検索されてもよい。
【0071】
作業項目の作成
スーパーバイザエンジン106は、プラント人員の作業項目を作成する、及び/又は他の方法でプロセスプラントにおいて特定の行為をとらせるために、受信したデータを用いてもよい。図3は、スーパーバイザエンジン106の実施形態を示すブロック図である。スーパーバイザエンジン106は、作業項目マネージャ300を含んでもよい。作業項目マネージャ300は、コンピュータ可読媒体上に格納され、プロセッサによって実行され、作業項目を作成するために使用可能なルーチン及び/又は命令の組であってもよい。各作業項目は、1つ以上のプロセスプラント人員によって完了されるべきタスク又は手順であってもよい。例えば、作業項目は、デバイスを交換すること又は修理すること、パラメータの読み取りを行うこと、デバイス又はパラメータへの調整を行うこと、機器又は製品を検査すること、較正手順を行うこと、デバイスをプログラミングすること、又は人員が完了する必要がある他のどのような行為を含んでもよい。作業項目マネージャ300が作業項目を生成する際に、作業項目は、スーパーバイザエンジン106に関連するメモリに存在する作業項目リスト302に格納されてもよい。図4を参照すると、例示的な作業項目400は、作業タイプ又は機能402(例えば、配線のチェックアウト、機器の交換、機器の較正、保守(例えば、注油など)など)、作業項目を実行するのに必要な機器のリスト404、作業項目に関係がある機器を識別する対象機器フィールド406、目標開始時刻/日408、目標完了時間/日410、優先順位フィールド412(例えば、「即座」、「12時間以内」、「24時間以内」、「現在のバッチの後」、「次のシャットダウン中」、「高」、「中」、「低」など)、必要な技能フィールド414及び/又は必要な資格証明書フィールド(図示せず)、及び対象機器タイプフィールド416を含む種々の情報を含んでもよい。もちろん、より少ない又は付加的なフィールドが作業項目400に含まれていてもよい。
【0072】
再び図3を参照すると、スーパーバイザエンジン106はまた、人員プロフィール306の組304を含んでもよい。人員プロフィール306のそれぞれは、特定のオペレータ、保守要員、又は他のプラント人員に関係した情報を含む。人員プロフィール306における情報は、技能、認証及び/又は資格証明書、任務(例えば、オペレータ、保守、セキュリティ、安全性)、作業時間/スケジュール、巡回スケジュール(すなわち、パラメータデータを記録するか、又はプロセスプラントの態様を視覚的に検査するために人員がプラントを回るルーチン及び/又はスケジュールされたルート)、及び/又はプロセスプラント内の種々の職務の遂行に関連する場合がある他のどのような情報を含んでもよい。
【0073】
ワークフロー管理
作業項目スケジューラ308は、命令セットとして機械可読媒体上に格納されてもよい。命令は、作業項目リスト302に格納される作業項目のスケジューリングを行うためにプロセッサによって実行可能であってもよい。作業項目スケジューラ308は、種々の因子のいずれかに従って作業項目をスケジュールしてもよい。例えば、作業項目スケジューラ308は、各作業項目の優先順位に従って、作業項目に関係した1台の機器(「対象機器」)に隣接する場所(「目標の場所」)にいるようにスケジュールされた人員に従って、対象機器に隣接する目標の場所に現在いる人員に従って、人員の現在の利用可能性(例えば、所望の作業項目スタート/完了時刻にシフトに入っている又は入ることになっている人員、及び/又は所望の作業項目の開始/完了時刻に他に割り当てられていない人員)に従って、人員の必要な/要求される/所望の技能、任務、認証、及び/又は資格証明書に従って、スケジュールされたプラント保守及び/又はシャットダウンスケジュールなどに従って作業項目をスケジュールしてもよい。単なる例として、限定ではなく、作業項目スケジューラ308は、各作業項目に関連する目標の場所及び/又は対象機器に注目する、作業項目リスト302における作業項目を追跡してもよい。作業項目スケジューラ308は、人員によって携行されるUIデバイス112を介して人員の場所を追跡する人員追跡ルーチン310から情報を受信してもよい。人員追跡ルーチン310が、(例えば、その場所が既知であるUIデバイス112にログインした又は割り当てられた人員を判定することによって)モバイルオペレータが目標の場所又は対象機器に隣接した位置にいることを報告するときに、作業項目スケジューラ308は、モバイルオペレータが作業項目に関連するタスク(「目標機能」)を行うのに必要な技能及び/又は資格証明書をもっているかどうかを判定するために、モバイルオペレータに関連する人員プロフィール306を調べてもよい。モバイルオペレータが適切な技能及び/又は資格証明書をもっている場合、作業項目スケジューラ308は、作業項目をモバイルオペレータに割り当ててもよく、オペレータが作業項目を受け取る場合、作業項目スケジューラ308は、オペレータが対象機器上で目標機能を行うのに必要な任意の許可を作成してもよい。もちろん、特定のタスクは完了するのに1人よりも多い人を必要とするため、1人以上の人が単一の作業項目に割り当てられてもよいことが理解されるであろう。
【0074】
一部の実施形態では、許可は、スーパーバイザエンジン106に関連するメモリに格納されるデータベース312におけるトークン又はエントリとして作成される。各許可トークンは、目標機能(例えば、配線のチェックアウト)、対象機器、作業項目に割り当てられた作業者のID、及び随意的に、トークンの有効期限日時を定義する。許可トークンは、すべての作業項目、いくつかの作業項目、特定の機器又は機器タイプ、特定の目標機能(すなわち、作業項目タスク)に関連する作業項目などに必要とされる場合がある。許可トークンは、作業項目に割り当てられたモバイル人員に特定のアクセス権を与え、システムによって任意の時点で取り消されることが可能である。一部の実施形態では、許可はまた、外部要因に依存する場合がある。例えば、許可トークンは、モバイル作業者が特定の時間期間中、特定のプラントイベント中(例えば、プラントの領域のシャットダウン中)などに目標機能を行うための許可を有することを指定(specify)してもよい。
【0075】
加えて、スーパーバイザエンジン106、具体的には作業項目スケジューラ308は、特に(しかし排他的にではなく)、作業項目が結果的に生産スケジュールの変化又は多大なダウンタイムを生じる外部要因に従って作業項目をスケジュールしてもよい。例えば、スーパーバイザエンジン106は、気象、原材料又は他の供給物の送達、作業項目の実行に必要な部品、ツール、又は機器の送達、製品発送スケジュールなどに関係したデータを得るために、ネットワークバックボーン105及びゲートウェイ78を介して当該プロセスプラントの外部のシステムと通信してもよい。限定ではない例として、作業項目スケジューラ308は、作業項目が生産の妨げとなる場合及び腐敗しやすい原材料の出荷が作業項目の完了よりも前に受け取られるようにスケジュールされた場合には、作業項目のスケジューリングを遅延させてもよい。別の例として、屋外の場所における特定の作業項目は、目標機能(例えば、配線のチェックアウト)の完了のために乾燥条件(すなわち、雨降りではないこと)を必要とすることがあり、作業項目スケジューラ308は、天気予報に従って作業項目をスケジュールしてもよい。
【0076】
プロセスプラントの人員にタスクを割り当てるための方法500が、図5にフローチャートで描かれている。方法500は、エキスパートシステムからデータを受信すること(ブロック505)、及びエキスパートシステムから受信したデータに従ってタスクを指定する作業項目を作成すること(ブロック510)を含んでもよい。方法はまた、作業項目に指定されているタスクを実行する人を選択すること(ブロック515)、選択された人に関連するデバイスに作業項目を送信すること(ブロック520)を含んでいてもよく、且つ、選択された人が作業項目を受け取ったという指標を受信すること(ブロック525)を含んでもよい。エキスパートシステムからデータを受信することは、プロセスプラントにおける予測される問題を示すデータを受信すること、プロセスパラメータに関連する傾向を示すデータを受信すること、エキスパートシステムにパラメータ値を提供することに関する要求を受信すること、プロセス制御デバイスに関する特定の行為を行う命令を受信することなどを含んでもよい。データを受信することがパラメータ値を提供することに関する要求を受信することを含む場合、作業項目を作成することは、指定されているタスクがパラメータを感知するか、又は他の方法で受信するデバイスから自動的に伝送されないパラメータ値を観察すること及び記録することである作業項目を作成することを含んでもよい。作業項目を作成することは、一部の実施形態では、指定されているタスクが保守タスク、較正タスク、交換タスク、検査タスク、又は修理タスクを行うことである作業項目を作成することを含んでもよい。作業項目を作成することはまた、指定されているタスクに関係した対象機器(例えば、それに対して指定されているタスクが行われる1台の機器)を指定することを含んでもよい。タスクを実行する人を選択することは、選択された人に関連するデバイス(例えば、モバイルユーザインターフェースデバイス、GPSデバイス、近接型カードデバイスなど)から受信した場所データに従って人を選択することを含んでもよい。方法500はまた、指定されているタスクに関連するか、指定されているタスクに関連するプロセス制御デバイスに関連するか、又はこの両方に関連する許可トークンを作成及び格納することを含んでもよい。許可トークンは、選択された人が指定されているタスクに関連するプロセス制御デバイス上で指定されているタスクを行うのに必要とされる場合がある。許可トークンは、人が1台の機器上で又はこれに関係した行為を行うための許可を作成する、及び/又は与える目的で実装されるデータベース、個別のファイル、又は任意のコンピュータ構造への入力である場合がある。タスクを実行する人を選択することはまた、作業項目に指定されているタスク、指定されているタスクに関連するプロセス制御デバイス、又はこの両方、及びスーパーバイザモジュールがアクセス可能な複数の人員プロフィールに従って人を選択することを含んでもよい。一部の実施形態では、複数の人員プロフィールに従って人を選択することは、技能、任務、認証、及び/又は資格証明書に従って人を選択することを含む。人を選択することはまた、又は代替的に、人員が実行する作業項目を選択するデータベースに作業項目を格納すること、及び/又は人に関連するデバイスから作業項目を実行することに関する要求を受信すること、及び人が作業項目を実行するのに適任であるかどうかを判定するために人に関連するプロフィールを作業項目に格納された情報と比較することを含んでもよい。
【0077】
エキスパートシステムからデータを受信することは、パラメータを観察及び記録すること、プロセス制御デバイスを検査すること、プロセス制御デバイスを較正すること、音声サンプルを記録すること、イメージ又はビデオを取り込むこと、プロセス制御デバイスに保守を行うこと、プロセス制御デバイスを修理すること、プロセス制御デバイスを交換すること、及び/又はプロセス制御パラメータを調整することなどの行為を行う命令を受信することを含んでもよい。作業項目を作成することは、指定されているタスクを行うのに不可欠なツール又は機器、作業項目の優先順位レベル、指定されているタスクを行うのに不可欠な必要な技能、必要な開始時刻及び/又は開始日、及び/又は、必要な完了時刻及び/又は完了日を指定することを含んでもよい。方法500はまた、選択された人に関連するプロセスプラントを通るスケジュールされたルート、プロセスプラントによって実行されるプロセスに関する投入材料のスケジュールされた送達、プロセスプラントによって生産された製品のスケジュールされた送達、予測される気象条件、プロセスプラントによって生産された製品のスケジュールされた発送時刻、プロセスプラントのプロセスの予測される又はスケジュールされた完了時刻、及び/又は指定されているタスクを完了するのに必須のツール、機器、又は部品の予測される又はスケジュールされた到着に従って作業項目の実行をスケジューリングすることを含んでもよい。
【0078】
再び図3を参照すると、スーパーバイザエンジン106はまた、機器マニュアル、保守マニュアル、及び標準作業手順(SOP)316などのドキュメンテーションを格納(又は他の方法でアクセス)してもよい。ドキュメンテーションは、モバイルオペレータがプロセスプラントにおけるタスク又は特定の作業項目に関連するタスクを行う際に、UIデバイス112を介してモバイルオペレータに自動的に提供されてもよい。一部の実施形態では、ドキュメントは、作業項目に関連する目標機能の遂行中の適切な(すなわち、有用な)時点でモバイルオペレータに提供される。例えば、作業項目に関連する配線のチェックアウト機能を行う人員には、配線のチェックアウトを行うためのSOPが提示されてもよい。別の例として、バルブのルーチン保守(例えば、注油、クリーニングなど)を行う人員に、各手順のSOP及び/又は目標バルブのマニュアルが提示されてもよい。一部の実施形態では、目標機能を行うプロセスの各ステップで人員にドキュメンテーションの該当する部分が提供される。すなわち、保守要員には、バルブをロックアウトし、バルブを使用休止にするためのSOPが(モバイルUIデバイス112を介して)最初に提示されてもよい。次いで、保守要員には、バルブのクリーニング及び/又は注油を行うことに関係するバルブの操作マニュアルからの頁が提示されてもよい。後で、保守要員には、バルブを動作状態に戻し、デバイスのロックアウトを解除するためのSOPが提示されてもよい。もちろん、職務の遂行中に人員にSOP及びマニュアルを提示できることがある多くの状況が存在するので、これらの例は限定しないことが意図される。
【0079】
モバイルオペレータ又は技術者が作業項目に関連する目標タスクを行う際に、スーパーバイザエンジン106、具体的には作業項目追跡モジュール318は、作業項目に関連するタスクの進行を追跡してもよい。一部の実施形態では、スーパーバイザエンジン106は、作業項目を行うのに必要な1つ以上のプロセスの各ステップを通してモバイルオペレータをガイドするためにモバイルUIデバイス112と協働する。ガイダンスは、ロックアウト手順、シャットダウン手順、デバイスの分解、デバイスの修理、較正、注油などの保守ステップ、チェックアウト及び検証手順、デバイスの再組立、スタートアップ手順、ロック解除手順、及びプロセスの他のどのようなステップを含んでもよい。作業項目追跡モジュール318は、モバイルUIデバイス112と通信し、例えば、モバイルオペレータがその後の各命令、ステップ、又はガイドを要する際に指標を受信してもよい。作業項目追跡モジュール318が、その後の各命令、ステップ、又はガイドが要求されるという指標を受信する際に、作業項目追跡モジュール318は、以前のステップが完了されるとみなし、これにより作業項目の実行の進行を追跡してもよい。一部の実施形態では、作業項目追跡モジュール318は、ステップのうちの1つ以上が完了することを確認するために、対象機器(すなわち、作業項目の対象となる機器)、又は対象機器に隣接するか、又はこれに通信可能に結合される機器と通信するように動作可能であってもよい。さらに別の実施形態では、2人のモバイルオペレータが、協同セッションに関与してもよく、1人のモバイルオペレータがモバイルUIデバイス112を介して技術者に提示された作業項目の各ステップを完了する際に、第2の技術者が別のUIデバイス112上で各ステップの完了をマークし、作業項目追跡モジュール318に各ステップが完了するという指標を送ってもよい。すなわち、それぞれのUIデバイス112を用いて共同する2人のユーザは、情報の同じ指標を見る必要はなく、同じ情報を見る必要は全くない。別の例として、第1のユーザが、第1のUIデバイス112上で作業項目を行うための標準作業手順を見ている一方、別のユーザが、第2のUIデバイス112上で作業項目に関連する1台の機器に関係したライブデータを見ている場合がある。作業項目が完了すると、スーパーバイザモジュール106、一部の実施形態では作業項目追跡モジュール318は、項目の完了をマークし、これをアクティブな作業項目のリストから削除し、作業項目に関連する任意の許可を削除するか又は失効させ、別の作業項目を割り当て、作業項目が完了することを人員に通知し、従属する作業項目(すなわち、これを開始できる前に完了する前の作業項目に従属する作業項目)を開始できることを人員に通知するなどしてもよい。
【0080】
図6を参照すると、フローチャートは、プロセスプラントにおけるワークフローを管理するための方法600を描いている。方法600は、プロセスプラントで行われるべきタスクを指定する作業項目を作成すること(ブロック605)、指定されているタスクから作業項目を実行するための手順の組を判定すること(ブロック610)、手順の組における各手順に関する関連する表示を生成すること(ブロック615)、及び関連する表示の組を手順の組が行われるべき順にモバイルユーザインターフェースデバイス上に順次に表示すること(ブロック620)を含む。作業項目を作成することは、エキスパートシステムからデータを受信すること及び/又はエキスパートシステムから受信したデータに従ってタスクを指定することを含んでもよい。エキスパートシステムからデータを受信することは、プロセス制御デバイスに関する特定の行為を行う命令を受信することを含んでもよい。作業項目を作成することはまた、又は代替的に、保守タスク、較正タスク、交換タスク、検査タスク、及び/又は修理タスクを指定することを含んでもよい。作業項目を作成することはまた、安全ロックアウト手順、シャットダウン手順、及び/又はスタートアップ手順などを必要とするタスクを指定することを含んでもよい。関連する表示を生成することは、手順を行うためのステップの組を提示する表示を生成すること、手順の遂行を描画する1つ以上のイメージを含む表示を生成すること、機器の目標部品の位置を突き止める際に人を支援するためにその周囲との関連で機器の目標部品のイメージを含む表示を生成すること、機器の目標部品に関連するパラメータを記録するためのパラメータ入力フィールドを含む表示を生成すること、及び/又は標準作業手順の組を含む表示を生成することを含んでもよい。方法はまた、モバイルユーザインターフェースデバイスのディスプレイ上にプロセスプラントとの関連で機器の目標部品の場所を描画することを含んでいてもよく、これは、表示を機器の目標部品上にズームインさせるユーザインターフェース制御を提供すること、及び/又はモバイルユーザインターフェースデバイスのユーザが関連する表示の組の間でナビゲートすることを可能にするためにユーザインターフェース制御の組を提供することを含んでもよい。一部の実施形態では、指定されているタスクに関連する手順の組のうちのどの手順が現在実行されているかを示す手順コンテキストページ(pane)が表示されてもよい。方法はまた、指定されているタスクに関連する機器の目標部品に関係したドキュメンテーションへのアクセスを提供することを含んでもよい。さらに、方法は、手順の組を行うのに必要なツール及び機器の組を判定することと、ツール及び機器の判定された組のリストを含むチェックリストの表示を生成することと、チェックリストを表示することとを含んでもよい。作業項目を作成することは、手動データ収集タスクを指定することを含んでもよい。手順の組を判定することは、手動データを収集するルートを判定することを含んでもよい。
【0081】
スーパーバイザエンジン106はまた、作業項目の実行に関連するデータを格納してもよい。特に、スーパーバイザエンジン106は、作業項目の実行に関連するモバイルUIデバイス112によって取り込まれるデータを格納してもよく、プロセスプラントの動作に対する作業項目の実行の影響(例えば、作業項目の実行によって生じる又はこれと相互に関連付けられるプロセスプラントの性能の変動)などに関係があるデータを格納してもよい。一部の実施形態では、モバイルUIデバイス112は、診断手順若しくは修理又は保守手順の一部として、ビデオ、音声、又は振動データを取り込んでもよく、モバイルUIデバイス112は、取り込んだデータをスーパーバイザエンジン106に戻るように伝送してもよく、スーパーバイザエンジン106は、特定の作業項目に関連する場合のデータを格納してもよく、代替的に又は加えて、データをビッグデータ装置102に格納してもよい。
【0082】
チェックリスト
再び図3を参照すると、スーパーバイザエンジン106は、モバイル人員を監督することに関係した他のタスクを行ってもよい。単なる一例として、スーパーバイザエンジン106は、チェックリスト生成ルーチン314を含んでもよい。チェックリスト生成ルーチン314は、モバイル人員に割り当てられた作業項目に対応するモバイル人員に関するチェックリストを生成してもよい。ルーチン314によって生成されるチェックリストは、例えば、領域又は手順に必要な安全用具(例えば、防毒マスク(respirators)、ハーネス、カラビナ、放射線検出装置/線量計など)、手順を行うのに不可欠なツール、手順を行うのに必要な部品(例えば、シール、潤滑油などの交換部品又は保守部品)などを含んでもよい。チェックリスト生成ルーチン314は、チェックリストを生成し、一部の実施形態では作業項目に関連する場合のチェックリストを格納してもよい。代替的に、チェックリスト生成ルーチン314は、チェックリストをリアルタイムで生成及び表示してもよい。いずれにしても、作業項目が実行されるすぐ前にモバイル人員にチェックリストが提示されることが考慮される。例えば、チェックリストは、モバイルオペレータが作業項目を実行する準備をしていることを示すときにモバイルオペレータに自動的に提示されてもよい。別の実施形態では、チェックリストは、オペレータが作業項目を実行する準備をしている際にモバイルオペレータによって手動で要求されてもよい。一部の実施形態では、スーパーバイザエンジン106は、オペレータが作業項目を実行する準備をしていることを判定し、モバイルオペレータに自動的にチェックリストを提示する。例えば、スーパーバイザエンジン106は、作業項目が行われるようにスケジュールされた時刻にモバイルオペレータがワークステーションUIデバイス112の状態をモバイルUIデバイス112に伝送したという指標を受信する場合がある。状態の伝達を検出すると、スーパーバイザエンジン106は、モバイルオペレータに、モバイルオペレータが作業項目を行うのに適切な機器及びリソースをもっていることを認めるように促すチェックリストを提示してもよい。代替的に、モバイルUIデバイス112は、モバイルオペレータが作業項目を開くときに、好ましくはプロセスプラント環境に入る前に、チェックリストを(例えば、スーパーバイザエンジン106から)自動的に検索してもよい。さらに別の実施形態では、モバイルUIデバイス112は、これが備品室又は準備室に入ったことを検出してもよく、モバイルオペレータが必要なツール、機器、及び供給物を収集し得るようにモバイルオペレータにチェックリストを自動的に提示してもよい。
【0083】
ここで図7を参照すると、フローチャートは、プロセスプラントにおけるタスク完了を容易にするための方法700を描いている。方法は、作業項目のデータベースに格納された複数の作業項目から作業項目の選択を受信すること(ブロック705)、及び選択された作業項目から作業項目の実行に必要とされる1つ以上の項目を判定すること(ブロック710)を含む。作業項目を実行する人に表示するための1つ以上の項目のチェックリストが生成され(ブロック715)、チェックリストは作業項目を実行する人に表示される(ブロック720)。一実施形態では、選択された作業項目から1つ以上の作業項目を判定することは、作業項目の1つ以上のフィールドを読み出すことを含み、これは、必要な機器フィールドを読み出すこと、必要な安全用具フィールドを読み出すこと、必要なツールフィールドを読み出すこと、及び/又はプロセスプラント内の機器の目標部品の場所を示すフィールドを読み出すことを含んでもよい。1つ以上のフィールドを読み出すことは、完了されるべき目標タスクを指定するフィールドを読み出すことを含んでもよい。フィールドを読み出すことは、完了されるべき目標タスク及び対象機器又は対象機器タイプを指定するフィールドを読み出すことを含んでもよい。さらに、作業項目の実行に必要な1つ以上の項目を判定することは、完了されるべきタスク、それに対して完了されるべきタスクが行われる機器、又はこの両方を判定することを含んでもよい。作業項目を実行する人に表示するための1つ以上の項目のチェックリストを生成することは、一台の安全用具、ツール、プロセス制御デバイス、プロセス制御デバイスの部品、保守材料などのいずれか1つ又は組み合わせを含むチェックリストを生成することを含んでもよい。チェックリストを生成することは、作業項目に関連するプロセス制御デバイスに関連する機器マニュアル、作業項目の実行が必要とされるツールに関連する機器マニュアル、安全ドキュメント、標準作業手順、及び/又は作業項目に関連するプロセス制御デバイスの場所に関連するドキュメントのうちの1つ以上から情報を検索することを含んでもよい。チェックリストを生成することはまた、一部の実施形態では、作業項目に関連するか、又は割り当てられた人員がそこを通って作業項目に関連する場所に着くように移動しなければならないであろう場所を判定することと、特別な安全用具及び/又は場所にアクセスするか、又はそこを通過するのに必要なツールを検索することを含んでもよい。作業項目を実行する人にチェックリストを表示することは、作業項目を実行するように割り当てられたユーザがモバイルユーザインターフェースデバイスをアクティブにしたという指標を受信することと、アクティブにされたモバイルユーザインターフェースデバイス上でユーザにチェックリストを表示することとを含んでもよい。作業項目の選択を受信することは、第1のユーザインターフェースデバイス上の選択を受信することを含んでいてもよく、作業項目を実行する人にチェックリストを表示することは、第1のユーザインターフェースデバイスの状態が第2のユーザインターフェースデバイスに伝送されているという指標を受信することと、第2のユーザインターフェースデバイス上にチェックリストを表示することとを含んでもよい。方法700はまた、チェックリスト上の1つ以上の項目のそれぞれに関して、表示されたチェックリストを見る人が項目をもっているという指標を受信することを含んでもよい。
【0084】
UIデバイス
図8は、モバイル制御室800との関連でのUIデバイス803のブロック図である。モバイル制御室800は、UIデバイス803が動作の状態を別のシステム又はデバイスに伝送する、及び/又は動作のUI状態を別のシステム又はデバイスから受信することを可能にしてもよい。モバイル制御室800はまた、UIデバイス803a、サーバ150、及びUIデバイス803bを含む。UIデバイス803、803a、803bのそれぞれは、図9Bを参照して以下で説明される種々のUIデバイスタイプのうちのいずれか1つであってもよい。サーバ150は、サーバ150でメモリに格納され、サーバ150でのプロセッサによって実行され得るウェブサービス又はウェブルーチン152を含んでもよい。UIデバイス803a及び803bのそれぞれ(並びに他のどのようなUIデバイス803)は、プロセッサ810、メモリ815、ディスプレイ820、ネットワークインターフェース825、入力インターフェース830、システムバス835、及び1つ以上のトランシーバ850を含む。UIデバイス803a、803bはまた、例えば、全地球測位システム(GPS)(又は他のどのような衛星ナビゲーションシステム)レシーバ832、慣性測位システムチップ834、個別の測位コンポーネント、例えばコンパス836、ジャイロスコープ838、加速度計840などを含む1つ以上の測位デバイスを含んでもよい。メモリ815は、オペレーティングシステム880、ユーザインターフェース(「UI」)ルーチン882、コンテキストアウェアネスルーチン884、状態判定ルーチン886、ブラウザルーチン888、イメージ取り込みルーチン890、及び音取り込みルーチン892、ローカルプロセス制御データストレージ894、UI状態情報896、及び他のデータを含んでもよい。一部の実施形態では、オペレーティングシステム880、UIルーチン882、コンテキストアウェアネスルーチン884、及び/又は状態判定ルーチン886のうちの1つ以上は、UIデバイス803の外部のメモリに常駐していてもよく、(例えば、サーバ150などのデバイス又はシステムで)UIデバイス803の外部のプロセッサによって実行されてもよい。ここで説明されるモバイル制御室800は単なる一例であることを理解されたい。他の構成が考慮される。例えば、モバイル制御室800は、複数のUIデバイスを含む必要はなく、実際には、いかなる特定の数のUIデバイスを含む必要はない。
【0085】
UIデバイス803のメモリ815の特定の実施形態では、メモリ815は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでいてもよく、リムーバブル又は非リムーバブルメモリであってもよい。例えば、メモリ815は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するのに用いることができる他のどのような媒体の形態のコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。プロセッサ810は、メモリ815に格納された命令をフェッチ及び実行するように構成される。メモリ815は、オペレーティングシステムデータ又はプログラムデータなどのデータを格納してもよい。
【0086】
ネットワークインターフェース825は、無線通信用の1つ以上のアンテナ、有線接続用の1つ以上のポート、又はこの両方を含んでいてもよく、又はこれらに結合されてもよい。一部の実施形態では、ネットワークインターフェースは、ネットワークインターフェース825が場所又は座標データを受信することを可能にするGPSレシーバ832に結合されてもよい。ネットワークインターフェース825はまた、又は代替的に、ネットワークインターフェース825が外部デバイス又はシステムとのパーソナルエリアネットワークを確立することを可能にするBluetoothトランシーバを含んでもよい。加えて又は代替的に、ネットワークインターフェースは、近距離無線通信(「NFC」)トランシーバ、無線周波数識別(「RFID」)トランシーバ、及び/又はローカルエリアネットワークトランシーバ(ネットワークインターフェース825が例えばIEEE802.11プロトコルを用いて通信することを可能にする)を含んでもよい。
【0087】
ネットワークインターフェース825は、図1Aに示されるプロセス制御ネットワーク100などのネットワークを介してサーバ150及び/又はUIデバイス803のうちの1つと通信してもよい。ユーザは、入力インターフェース830を介してUIデバイス803と対話してもよい。入力インターフェース830は、機械的動作(例えば、キーボード又はマウス)を介して入力を受け取ってもよい。入力インターフェース830は、代替的に又は加えて、電磁界、信号、又は特性(例えば、抵抗性又は容量性タッチスクリーン)の検出を介して入力を受け取ってもよい。さらに、入力インターフェース830は、音、光、又は動き(例えば、マイクロフォン842、イメージセンサ又はカメラ844などを介する音声入力)の検出を介して入力を受け取ってもよい。さらにまた、入力インターフェース830は、ネットワークインターフェース825に結合されるBluetoothデバイスから入力を受け取ってもよい。ディスプレイ820は、イメージ又はビデオの形態の出力を提供してもよく、任意のタイプのモニタ、プロジェクタ、又はCRT、LCD、プラズマ、LED、及びOLED技術を含むディスプレイ技術を用いてもよい。
【0088】
一部の実施形態では、マイクロフォン842、イメージセンサ又はカメラ844、又は他のセンサ(例えば、酸素センサ、有毒ガスセンサ、モーションセンサ、振動センサ、RFIDセンサ)などの1つ以上の入力源が、UIデバイス803の外部に位置し、有線通信チャネル(例えば、ヘッドホンポート又はUSBポートを介して)又は無線通信チャネル(例えば、無線USB、Bluetooth、Wi-Fi、又は独自開発(proprietary)プロトコル)を介してUIデバイス803に結合されてもよい。例えば、UIデバイス803を携行するユーザは、UIデバイス803が携行される場合のユーティリティベルト上の入力源のうちの1つ以上なども携行してもよい。
【0089】
ルーチン880~896のそれぞれは、1つ以上の命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、及び/又はアプリケーションであってもよく、コンピュータ可読媒体上、例えばメモリ815上に格納されてもよい。オペレーティングシステム880は、基本機能を支援し、UIデバイス803のリソースを管理してもよい。特に、オペレーティングシステム880は、UIデバイス803のハードウェア及びソフトウェアを管理してもよい。UIルーチン882は、プロセッサによって実行されるときに、ディスプレイ820に情報をユーザに表示させてもよく、入力インターフェース830にユーザからの又は他の外部刺激からの入力を受信させてもよい。コンテキストアウェアネスルーチン884は、ネットワークインターフェース825で、入力インターフェース830で、又は1つ以上のセンサで受信されたコンテキスト情報に応答してディスプレイ820に情報を表示させてもよい。コンテキストアウェアネスルーチン884は、加えて又は代替的に、UIデバイス803に、コンテキスト(例えば、場所、時間、又はスケジュール)を識別させ、及び/又はUIデバイス803の外部のシステム又はデバイスからコンテキストを受信させてもよい。
【0090】
状態判定ルーチン886は、UIデバイス803の動作についての情報を収集してもよい。例えば、状態判定ルーチン886は、プロセッサ810によって実行されるプロセス及びプロセスに関連するデータを監視することによってUI状態情報896を収集してもよい。状態判定ルーチン886は、ディスプレイ820に描かれる情報を識別してもよく、描かれた情報に関連するプロセスエンティティを識別してもよい。一部の実施形態では、状態判定ルーチン886は、収集したUI状態ルーチンをサーバ150又はUIデバイス803bなどの外部ノードに伝送してもよい。UIデバイス803がシンクライアント又はウェブクライアントを実装する一部の実施形態では、状態判定ルーチン886は、サーバ150上のメモリに格納されてもよく、サーバ150でのプロセッサによって実行されてもよい。
【0091】
ブラウザルーチン888は、1つ以上の情報リソースにアクセスする、これを提示する、及びナビゲートするためのアプリケーションであってもよい。情報リソースは、ウェブページ、イメージ、ビデオ、ドキュメント、又は他のどのようなコンテンツであってもよい。ブラウザルーチン888は、UIデバイス803上に存在する情報リソースと又はUIデバイス803の外部の情報リソースと対話してもよい。例えば、UIデバイス803は、ワールドワイドウェブを介して又はプロセス制御ネットワーク100などのネットワークを介して他のシステム又はデバイス(例えばサーバ150又はUIデバイス803b)での情報リソースにアクセスしてもよい。一部の実施形態では、ブラウザルーチン888は、サーバ150で実行されるUIルーチンに関連するか、及び/又はこれによって生成される情報にアクセスしてもよい。特に、ブラウザルーチン888は、サーバ150でのウェブサービス152にアクセスしてもよく、この場合、ウェブサービス152は、サーバ150で実行されるUIルーチンに対応してもよい。例えば、ブラウザルーチン888は、一意リソース識別子又はユニフォームリソースロケータなどのアドレス又は識別子を受信してもよい(例えば入力インターフェース830を介してユーザから)。アドレス又は識別子は、ブラウザルーチン888をウェブサービス152に誘導してもよい。ブラウザルーチン888は、ウェブサービス152を介してUIルーチン882から表示データ又はプロセスパラメータデータなどのUIデータを受信してもよく、ブラウザルーチン888がいくつかの又はすべてのプロセスを制御及び/又は監視するためのグラフィックスを描画することを可能にする。ブラウザルーチン888はまた、ユーザ入力(例えばグラフィック上のマウスクリック)を受信し、ユーザ入力を表すデータをウェブサービス152を介してUIルーチン882に伝送してもよい。代替的実施形態では、ブラウザルーチン888は、プラグイン又はウェブクライアントアプリケーションであってもよい。
【0092】
種々のルーチン880~896がメモリ815に格納されるように説明されるが、UIデバイス803はまた、必要に応じて付加的なルーチン(例えば、アプリケーション、アプレット、更新、パッチなど)を、ネットワークインターフェース825を介して、要求する、検索する、受信する、及び/又はダウンロードするように動作可能であってもよい。しかし多くの考えられる例のうちの1つとして、UIデバイス112は、UIデバイス112とプロセスプラントにおけるプロセス制御デバイスとの間の直接(又は間接)通信を容易にするために情報を要求及び受信してもよい。いずれにしても、UIデバイス112は、メモリ815に常駐する本明細書に記載のこれらのアプリケーション、ルーチン、及びモジュールに限定されないことを理解されたい。
【0093】
イメージ取り込みルーチン890は、イメージセンサ又はカメラ844を介してイメージを取り込むように動作してもよい。一部の実施形態では、イメージは、ネットワークインターフェース825を介してネットワーク100上のノードに伝送されてもよく、この場合、ノードは、プロセスデータを識別するためにイメージを解析してもよい。例えば、一実施形態では、イメージ取り込みルーチン890は、イメージセンサ844に炎のイメージを取り込ませてもよい。イメージ取り込みルーチン890は、ネットワーク100を介してノード(例えば、サーバ150、エキスパートシステム104など)に炎のイメージを伝送してもよく、この場合、ノードは、炎の色及び対応する温度を識別するためにイメージを解析してもよい。同様に、音取り込みルーチン892は、マイクロフォン842を介して音を取り込むための命令又はルーチンであってもよい。取り込まれた音データは、解析のためにネットワーク100上のノードに伝送されてもよい。
【0094】
音を取り込むことに関して、マイクロフォン842は、プラント資産に関連する音声を取り込んでもよい。取り込まれた音声は、プラント資産を識別するか、又はプラント資産を診断するのに用いられてもよい。例えば、ポンプは、期待されるサウンドシグネチャを有していることがある。このような例では、UIデバイス803は、資産タイプを例えばポンプとして識別するために、プラント資産の動作中に生じる音声を取り込んでもよく、音声を、ネットワーク100を介してノード(例えば、サーバ150、エキスパートシステム104など)に伝送してもよい。いくつかの状況では、ノードは、UIデバイス803に問題の特定のポンプを識別させてもよい。UIデバイス803はまた、振動を検出するのに用いられるモーションセンサ(例えば、加速度計840)を含んでもよい。例えば、プラント資産は、動作中に振動の期待されるレベルを有することがある。ユーザは、UIデバイス803をプラント資産上に又はその付近に配置してもよい。UIデバイス803は、モーションセンサによって検出されたデータを資産に関連する現在の振動レベルを識別するのに用いてもよい。現在の振動レベルが振動の期待されるレベルを超過する場合、ユーザは、プラント資産をさらに診断するか、又は資産に関する作業命令を要求するのにUIデバイス803を用いてもよい。場合によっては、診断ルーチンは、資産に関連する振動を検出するためにUIデバイス803が資産上に又はその付近に置かれるときに自動的に立ち上がってもよい。
【0095】
一部の実施形態では、UIデバイス803は、他のデバイスとの接続を確立するための周辺インターフェース(図示せず)を含んでもよい。周辺インターフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなどのシリアルインターフェースであってもよい。別の実施形態では、周辺インターフェースは、ネットワークインターフェースの実施形態のうちのいくつかに類似している別のデバイスとの無線接続を確立するための無線インターフェースであってもよい。例えば、一部の実施形態では、周辺インターフェースは、Bluetooth(2400~2480MHzの周波数帯で動作する)又は近距離無線通信(13.56MHzの周波数帯で動作する)などの規格に準拠した短距離無線インターフェースであってもよい。周辺インターフェースは、後述の外部デバイスとの間で状態情報を伝達するか、又は状態情報を受信するために用いられてもよい。周辺インターフェースはまた、特定の実施形態では、UIデバイス803にコンテキストアウェアネスを提供し得る外部デバイスと対話するために用いられてもよい。例えば、コンテキストIDデバイスは、同じく後述するように周辺インターフェースを介して検出されてもよい。一部の実施形態では、ユーザは、UIデバイス803で利用可能な状態情報又はプロセス情報を、周辺インターフェースを介して外部デバイスに保存してもよい。
【0096】
UIデバイス803の一般的な動作において、プロセッサ810は、UIルーチン882を実行するためにメモリ815にアクセスしてもよい。プロセッサ810がUIルーチン882を実行するときに、プロセッサ810は出力がディスプレイ820で提供されるようにし、出力は、プロセスプラント10におけるエンティティ(例えば、デバイス、機器、ネットワークノード、プロセスデータ、制御データなど)に関する情報を表わす。出力は、メモリ815に格納されるデータ(例えば、グラフィックスデータ、ヒストリアンデータ、又は任意の以前に受信された及び格納されたデータ)又はネットワークインターフェース825を介して受信されたデータ(例えば、コントローラ11又はデータベース151から受信されたデータ)に基づいていてもよい。さらに、入力が入力インターフェース830で受信されるときに、入力インターフェース830は入力データを生成してもよい。入力データは、システムバス835経由でプロセッサ810に伝送されてもよく、この場合、プロセッサ810は、受信した入力に従って1つ以上の命令又はルーチンを実行してもよい。多くの事例では、入力データは、ディスプレイ820で提供されるグラフィカル出力とのユーザ対話を表わしてもよい。例えば、入力データは、マウスの移動を表わしてもよく、この場合、プロセッサ810は、マウスの移動に従ってディスプレイ820上に表示されるカーソルを動かすように動作する。入力データはまた、ウィンドウ(例えば、ブラウザウィンドウ)、デバイスグラフィック(例えば、タンク、ポンプ、バルブ、メータなど)、又はオペレーティングシステム要素などの、ディスプレイ820上に表示されるUI要素の選択を表わしてもよい。さらに、入力データは、制御入力を表わしてもよい。例えば、ユーザは、プロセスデバイスに関してのセットポイント値を入力するのにキーボード、マウス、又はタッチスクリーンを用いてもよい。入力データが制御入力を表わすとき、プロセッサ810は、入力データを、システムバス835経由でネットワークインターフェース825に伝送してもよく、この場合、ネットワークインターフェース825は、入力データをプロセス制御ネットワーク100に伝送し、これは別のノード(例えば図1Aに示されるコントローラ11又はサーバ150)で受信されてもよい。プロセッサ810はまた、他のどのようなタイプの入力データがプロセス制御ネットワーク100に伝送されるようにしてもよい。
【0097】
状態アウェアネス、伝達、及び協同
プロセス制御動作、構成、及び保守がモバイルデバイスによって容易にされるので、人員は、デバイスからデバイスに移動することが期待されてもよく、いずれにしても、人員が見ていた表示及び/又は人員が第1のデバイス上で従事していたプロセスを第2のデバイス上に作成し直す(及び/又は再びナビゲートする)必要なくデバイスからデバイスに切り換えることができることを望んでもよい。上記の例で例証されるように、オペレータは、オペレータが現場に到着するときにどのようなことが発生していてもオペレータの準備が整っているように、オペレータが仕事に向かう際にプロセスプラントのステータスを移動電話からリモートでチェックすることを望んでもよい。オペレータが現場に到着する際に、オペレータはオフィスに行き、ワークステーション上の同じ場所でピックアップすることを望んでもよい。その後、オペレータは、タブレットコンピュータを手に取り、プラントの領域を調査する又は種々のタスクに注目するためにプラントフロアに移動してもよい。一般に、プロセスプラントの稼働及び保守にかかわる人員は、移動性及び/又は協同を容易にするために、人員が使用するデバイスが特定のレベルの状態アウェアネスを含み、状態をデバイス間で伝達できることを望んでもよい。
【0098】
本開示の一実施形態では、状態情報は、第1のUIデバイスから第2のUIデバイスにシームレスに伝達され、ワークフローにおけるいかなる割り込みもなしに第1のUIデバイスからのセッションをユーザが第2のUIデバイス上で再開するか、又はこれに伝達することが可能となる。状態伝達はまた、2人のユーザがタスク又は作業項目を協働的様態で作業し得るように、第1のUIデバイスの第1のユーザが第2のUIデバイスの第2のユーザと協同できるようにすることがある。別の実施形態では、UIデバイスは、UIデバイスの動作のコンテキストに従って出力を提供してもよい。例えば、UIデバイスは、UIデバイスディスプレイでどのような情報を提供するべきか又はどのように情報を提供するかを判定するときに、UIデバイスの場所及び機器の場所、UIデバイスのタイプ、又は他の考慮事項を考慮に入れてもよい。本明細書で開示されるUIデバイス及びモバイル制御室は、物理的制御室からUIデバイスのオペレータ及びユーザを「解放する(untethering)」利点を与える。こうしたUIデバイスのユーザは、ワークフローにおける割り込みなしに及びプロセスの監視及び制御に関しての機能性又は能力の損失なしにプラント中を自由に動き回ってもよい。
【0099】
図9Aは、例示的なモバイル制御室の態様900aを示す。モバイル制御室900aは、UIデバイス912a、UIデバイス912b、及びUIデバイス912cを含み、これらはそれぞれ、ユーザ901及び/又はユーザ902が用いることができる。
【0100】
モバイル制御室900aは、UIデバイス912aの状態をUIデバイス912bに伝送することによって、ユーザ901がUIデバイス912a及び912bを同期できるようにすることがある。UI状態伝達は、UIデバイス912aで表示される情報に類似の情報をUIデバイス912bに表示させることがある。状態伝達はまた、UIデバイス912aで実行するのと類似のルーチン又はアプリケーションをUIデバイス912bに実行させることがある。さらに、UIデバイス912b上の類似のルーチン又はアプリケーションは、UIデバイス92aで実行するルーチン又はアプリケーションと同じ状態で実行することがある。UIデバイス912aからUIデバイス912bに動作のUI状態を伝達することによって、ユーザ901は、ワークフローにおけるいかなる損失もなしに、UIデバイス912aの使用をやめて、UIデバイス912bの使用を開始してもよい。
【0101】
同様に、制御室900aは、少なくとも2つのUIデバイス間で安全な協同セッションが確立されることを可能にしてもよい。一実施形態では、2つのデバイス912が互いの近傍に移動し、互いに相互認識したときに、安全な協同セッションが自動的に確立されてもよい。セッションが確立されると、協同作業セッション中にUIデバイス間のデータの同期が行われてもよい。より具体的には、ユーザ901は、ユーザ902と協同してもよく、この場合、UIデバイス912bは、状態情報をUIデバイス912cに伝達してもよい。UIデバイス912bからUIデバイス912cに状態情報を伝達することによって、UIデバイス912cは、UIデバイス912bの動作の状態を識別してもよい。例えば、UIデバイス912cは、UIデバイス912bで表示されているのと同じ又は類似の情報を描いてもよい。UIデバイス912b及び912cはまた、ユーザ901及び902がUIデバイス912b及び912cを介して情報(例えば、テキスト、ビデオ、及びボイスオーバーIP)を交換することを可能にする通信ルーチンを立ち上げてもよい。例えば、UIデバイス912b及び912cは、作業項目又はタスクに関する情報を交換して、ユーザ901及び902がそれぞれのUIデバイス912b及び912c上で同じ表示を見ていない場合であってもユーザ901及び902が項目又はタスクを協調した様態で作業することを可能にしてもよい。一例では、ユーザは、デバイスが対処されていることが他のユーザに分かるように、UIデバイスを介してデバイスをチェックアウトすることができることがある。
【0102】
一部の実施形態では、UIデバイス912a~912cは、状態情報を互いの間で直接伝達してもよい。UIデバイス912a~912cは、近接性を検出するのに近距離無線通信(ISO/IEC14443及び1809規格)などの短距離無線技術を用いてもよく、次いで、状態情報を伝達するのにWiFi(IEEE802.11規格)又はBluetooth(IEEE802.15.1規格)を用いてもよい。別の実施形態では、UIデバイス912a~912cは、ネットワークバックボーン105を介して図1Aに示されるサーバ150などのノードを介して状態情報を伝達してもよい。特定の実施形態では、UIデバイス912a~912cは、シンクライアントであってもよく、この場合、UIデバイス912a~912cは、グラフィックスをレンダリングしてもよいが、UIデバイス912a~912cの処理の大部分は、プロセス制御ネットワーク100上のノード(例えば図1Aに示されるサーバ150)で行われる。こうした実施形態では、UIデバイス912a~912c間で状態を伝達することは、ノードで実行するUI間で状態情報を伝達することを含んでもよい。
【0103】
図9Bは、例示的なモバイル制御室900cにおけるUIデバイス112を示す。モバイル制御室900cは、UIデバイス112a~112kのいずれかとの間で動作の状態の伝達を可能にして、UIデバイスの同期及びユーザの協同を可能にしてもよい。モバイル制御室900cは、サーバ150、プロセス制御ネットワーク100、ユーザ901、及びUIデバイス112a~112kを含む。サーバ150は、データベース151を含んでいてもよく、これは、表示データ、パラメータデータ、ヒストリアンデータ、コンテキストデータ、UI状態情報データ、又は他のどのようなプロセスプラントデータを含んでもよい。データベース151は、サーバ150上のメモリに、サーバ150とは別々に、又はプロセスプラントにおけるいくつかのデバイス間で格納されてもよい。UIデバイス112a~112kのそれぞれは、プロセス又はプロセスに関連する要素についての情報を提供する、及びプロセス又はプロセスに関連する要素に関してのユーザ入力を受け取る、いかなるタイプのプロセス制御UIデバイス112であってもよい。UIデバイス112a~112kのそれぞれは、対応するUIを実行してもよい。代替的実施形態では、UIは、すべて又は部分的にサーバ150で実行し、例えばウェブページを介してUIデバイス112a~112kに提供されてもよい。UIデバイス112a~112kのそれぞれは、プロセス制御ネットワーク100のバックボーン105を介してサーバ150と通信してもよい。図9Bに示される実施形態では、ユーザ901は、ディスプレイ920及び入力インターフェース930を通じてUIデバイス112aと対話してもよい(しかしユーザ901は、UIデバイス112a~112kのいずれかと対話してもよい)。この実施形態では、UIデバイス112aは据置型ワークステーションであり、入力インターフェース930はキーボードであり、ディスプレイ920はモニタであり、UIデバイス112bはモバイルデバイス(例えば電話又はPDA)であり、UIデバイス112cはユーザの手又はスタイラスからのタッチ入力を受けることができるタブレットであり、UIデバイス112dは装着可能デバイス(この事例ではタッチスクリーンを備える腕時計)であり、UIデバイス112eはラップトップコンピュータであり、UIデバイス112fは装着可能デバイス(この事例ではヘッドアップディスプレイを備えるヘッドセット)であり、UIデバイス112gは、キーボード、マウス、タッチスクリーン(例えば、容量性(capacitive)タッチスクリーン)、モーションセンサ、又はユーザ入力を受け取ることができる他のどのようなタイプのデバイスなどの関連する入力インターフェース(図示せず)を有することがあるテレビであり、UIデバイス112hはプロセスプラント環境に存在する(例えば、壁面に取り付けられる、プロセスエンティティ上に又はその付近に取り付けられるなど)表示及びユーザ入力デバイス(例えば、タッチスクリーン)であり、UIデバイス112jは、UIを表面112k(例えば、プロセスプラント内の壁)上に投影するように動作可能な組み込みプロジェクタを備えるモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)である。表面112k上に投影されるUIは、ユーザ入力方法(例えば、UIデバイス112j又は外部デバイス(図示せず)を介するユーザの動きの追跡)を含んでもよい。もちろん、UIデバイス112a~112kの任意の組み合わせが種々の実施形態で採用されてもよい。さらに、モバイル制御室900cは、UIデバイス112a~112kのいずれかに類似の付加的なUIデバイスを含んでもよい。特定のタイプの入力がデバイス112a~112kのそれぞれに関連するものとして説明されているが、少なくともUIデバイス112に関する使用タイプに従って、種々の実施形態ではデバイス112のいずれも種々の入力源から入力を受け取ってもよいことに注目される。単なる一例として、UIデバイス112は、ユーザからの、すなわち例えば防護手袋を装着しているユーザからの入力を容易にするために、スタイラスからデバイスを受け取ってもよく、又は、本質的に容量性ではない(例えば、抵抗性、表面弾性波、又は他のどのようなタイプのタッチスクリーン技術)タッチセンシティブデバイスであってもよいことが考慮される。音声入力はまた、UIデバイス112のいずれかで、特に外部ノイズが一因子ではない環境で用いられてもよい。
【0104】
モバイル制御室900cにおいて、UIデバイス112a~112kのそれぞれは、ユーザ901がプロセス制御ネットワーク100を介してプロセスに関連するプロセス又は要素を監視及び/又は制御することを可能にしてもよい。一実施形態では、UIデバイス112a~112kのそれぞれは、ウェブクライアント又はシンクライアントを実装してもよい。このような実施形態では、サーバ150は、UIデバイス112a~112kのうちの1つ以上の動作のために用いられるUI及び他のどのようなルーチンを実行してもよい。UIデバイス112a~112kは、ユーザ入力データをサーバ150に渡してもよく、この場合、サーバ150は、ユーザ入力に応答してもよい。サーバ150は、表示データをUIデバイス112a~112kに伝送してもよい。サーバ150はこの実施形態ではUIデバイス112a~112kの動作の処理の大部分に対処し得るので、サーバ150は、サーバ150でのルーチンの実行を監視すること及びUIデバイス112a~112kのそれぞれとの間で送受信されているデータを監視することによって各UIデバイス112a~112kの動作の状態を追跡してもよい。
【0105】
別の実施形態では、UIデバイス112a~112kは、単にデータクライアントとして動作する。例えば、一部の実施形態では、各UIデバイス112は、UIデバイス112上に情報を表示するための動的HTML(又は他のコード)を自動的に生成するウェブブラウザ及びルーチンを含む。ルーチン及び/又はルーチンによって生成される動的ウェブページは、サーバ150からデータを検索し、検索したデータ(及びユーザ入力データなどの他のデータ)をディスプレイ上に表示する。ルーチン及び/又は動的ウェブページはまた、ユーザ入力を受け取り、データをサーバ150に戻るように送信してもよい。こうした実施形態では、データだけがネットワークを介してサーバ150との間で伝送される状態で、処理の多くがUIデバイス112上で行われる。
【0106】
別の実施形態では、UIデバイス112上に常駐する命令(例えば、JavaScript命令)が、適切な閲覧アプリケーション(例えば、HTML5ビューア又はウェブブラウザ)でレンダリングされるコード(例えば、HTML5コード)を動的に生成する。例えば、JavaScriptコードは、UIデバイス112及びサーバ150上で実行するJavaScript間でメッセージを送信するために、WebSocketアプリケーションメッセージングプロトコルによって用いられるWebSocket接続を開いてもよい。
【0107】
サーバ150は、UI状態情報を(例えば、データベース151に)周期的に又はトリガイベントに応答して保存してもよい。UI状態情報は、取り込み時のUIデバイスの状態を表わしてもよい。UI状態情報は、UIデバイスと対話するユーザ又はオペレータ、UIデバイスに対して実行するアプリケーション、プログラム、ルーチン、又はモジュール、UIデバイスに提示されているグラフィックス又は音、表示されるデータがそれに関係するプラントの部分に関係する情報、又はUIデバイスの動作に関係する他のどのような情報を含んでもよい。サーバ150が状態伝達要求を受信するときに、サーバ150は、データベース151でローカルに保存されたUI状態情報にアクセスしてもよく、UI状態情報をサーバ150で実行する適切なUIに伝送してもよい。UIは、対応する表示データを適切なUIデバイスに伝送してもよい。例えば、UIデバイス112bは、UIデバイス112aから状態情報を要求してもよい(この場合、ユーザ901は、例えばワークフローを中断することなくUIデバイスを112aから112bに切り換えることを望んでもよい)。一部の実施形態では、UIデバイス112a及び112bは、それぞれ、サーバ150で実行するUIを有していてもよい。サーバ150は、データベース151にローカルに格納されたUI状態情報にアクセスしてもよく、UI状態情報をUIデバイス112bのUIに渡してもよい。UIデバイス112bのUIは、保存されるUI状態情報に基づいてUIデバイス112bで何が表示されるべきかを判定し、表示データをUIデバイス112bに伝達してもよい。
【0108】
一部の実施形態では、UIデバイス112a~112kのそれぞれは、ユーザがそれぞれのUIデバイスと対話するときに、UI状態情報をデータベース151に取り込み、格納してもよい。UIデバイスは、UI状態情報をネットワーク100経由でサーバ150に伝送してもよい。例えば、UIデバイス112a~112kのうちの特定の1つから要求を受信すると、特定のUIデバイスが受信したUI状態情報と一致する様態で動作し得るように、サーバ150は、UI状態情報をUIデバイス112a~112kのいずれかに伝送してもよい。
【0109】
例として、ユーザ901は、UIデバイス112aの使用を開始してもよい(しかし、以下の例は、UIデバイス112b~112kのいずれかと共に同様に行われてもよい)。ユーザ901がUIデバイス112aと対話する際に、UIデバイス112aは、UI状態情報を周期的に取り込み、保存してもよい。例えばユーザID又はユーザの役職/任務を表わすUI状態情報をユーザ901に関係づけてもよい。UI状態情報はまた、UIデバイス112a上で実行しているプログラム又はルーチンに関する情報、取り込み時間、セッション長さ、UIデバイス112aのディスプレイ920に表示されるグラフィックスの構成、UIデバイス112aで監視又は制御されているエンティティ(すなわち、プロセス領域、デバイス、機器、又はデータ)、及び/又は使用されているUIデバイスのタイプ(この場合は据置型ワークステーション)を含むユーザのセッションに関係していてもよい。UI状態情報を取り込み及び保存した後で、UIデバイス112aは、サーバ150がデータベース151にUI状態情報を格納し得るように、UI状態情報をプロセス制御ネットワーク100経由でサーバ150に伝送してもよい。
【0110】
ユーザ901は、UIデバイス112b~112f又は112i~112kのいずれかなどのモバイルUIデバイスを用いることを決定してもよい。一実施形態では、ユーザ901は、UIデバイス112bを用いてもよく、この場合、UIデバイス112bはユーザ901を認識してもよい。UIデバイス112bは、ユーザ901に関連する直近のUI状態情報(すなわち、この場合UIデバイス112aに取り込まれた最新のUI状態情報)を検索するためにサーバ150と通信してもよい。一部の実施形態では、通信は、UIデバイス112aにおいてUIデバイス112aに関係した状態情報の付加的な取り込みをトリガしてもよい。直近の状態情報の取り込み時にUIデバイス112bの表示が少なくとも部分的にUIデバイス112aの表示に対応するように、UIデバイス112bは、受信したUI状態情報に基づいてGUI構成を生成してもよい。別の言い方をすれば、モバイル制御室900cは、UIデバイス112aとUIデバイス112bとの間で状態を伝達させる又は状態を同期させるように動作する(UI同期又は状態伝達において表示がどのように見えることがあるかの一例として、図10を参照されたい)。状態伝達の結果として、ユーザ901は、ワークフローにおける最小限の割り込みを経験する。
【0111】
一部の実施形態では、UI状態情報の取り込みは自動的に生じることがある。例えば、UIデバイス112aは、所定の周期で状態情報を取り込んでもよい(例えば、5、10、又は30分毎に状態情報を取り込む)。UIデバイス112aはまた、トリガイベント又はアクティビティに反応して状態情報を取り込んでもよい。トリガイベントは、ユーザ入力(例えば、ユーザ入力が受信される任意の時点で又はユーザ入力の受信に相互に関連したスケジュールで状態情報を取り込む)、又はUIデバイス112aで提供される情報(例えば、アラームが出る任意の時点、又は特定の計測値又は値が指定された閾値に達する任意の時点で状態情報を取り込む)に関係していてもよい。代替的に又は加えて、UIデバイス112aは、UI状態情報を取り込む又は伝達するコマンドを表わすユーザ入力に応答してUI状態情報を手動で取り込んでもよい。例えば、ディスプレイ920は、ユーザ901が対話し得る、取り込みを生じさせるグラフィックを提供してもよい。入力インターフェース930はまた、ユーザ901が取り込みを開始できるようにする機構(例えばボタン、キー、又はトラックパッド)を有していてもよい。特定の場合には、別のUIデバイス(例えばUIデバイス112b~kのうちの1つ)による要求はまた、UIデバイス112aでの取り込みをトリガしてもよい。別の例として、UIデバイス112a~112kは、2つのUIデバイスがタッチされる(又は互いの近傍、例えば5cm、2cm、1cm以内などにもっていくときに(例えば近距離無線通信を介して)状態情報を取り込み及び伝達してもよい。
【0112】
さらなる実施形態では、UIデバイス112bはユーザ901を自動的に認識してもよい。例えば、ユーザ901は、ユーザ901を識別する固有のタグを(例えばRFIDチップ付きのバッジ又はカードに)有していてもよい。別の実施形態では、タグは、NFCデバイス、バーコード、Bluetoothデバイス、又は他のどのような無線アクセスポイントなどの識別情報を提供することができる任意のタグ又はデバイスであってもよい。UIデバイス112bは、固有のタグを検出するタグスキャナ又はリーダ(例えばRFIDスキャナ)を有していてもよい。UIデバイス112bは、UIデバイス112bがユーザ901を認識することを可能にする固有のタグに関連するユーザを識別するために、データベースにアクセスしてもよい。データベースはUIデバイス112bにあってもよいが、別の実施形態では、サーバ150でのデータベース151がタグをユーザと相互に関連付け、UIデバイス112がユーザ901を識別するためにサーバ150と通信してもよい。別の実施形態では、各UIデバイスは、1人のユーザだけがUIデバイスと対話するように、特定のユーザに割り当てられてもよい。このような実施形態では、UIデバイス112bがUIデバイス112bと対話する任意のユーザがユーザ901であると想定し得るように、UIデバイス112bはユーザ901に割り当てられてもよい。代替的に、UIデバイス112bは、UIデバイス112bにログオンするためにユーザID及びパスワードをユーザ201に入力させて、UIデバイス112bがユーザ901を認識できるようしてもよい。
【0113】
代替的実施形態では、ユーザ901は、UIデバイス112aからUIデバイス112c~112kのうちの1つへの状態伝達又は状態同期を生じさせる、UIデバイス112bではなくUIデバイス112c~112kのいずれかなどの別のUIデバイスを用いてもよい。例えば、ユーザ901は、UIデバイス112cなどのタブレットをUIデバイス112aでの最新の取り込まれた状態情報と同期させてもよい。他の事例では、ユーザ901は、UIデバイス112dなどの腕時計、UIデバイス112eなどのラップトップ、UIデバイス112fなどのヘッドセット、又はUIデバイス112gなどのテレビをUIデバイス112aでの最新の取り込まれた状態情報と同期させてもよい。
【0114】
さらに、UIデバイス112aの状態情報をUIデバイス112aに伝送して、ユーザ901がUIデバイス112a上にセッションを保存し、特定の後の時点で同じUIデバイス112a上でセッションを再開することを可能にしてもよい。UIデバイス112aは、UIデバイス112a又はサーバ150に保存された状態情報にアクセスすることによって以前のUI状態に戻ってもよい。これは、後の時点でのセッションの再開は同じデバイス上であっても複数のユーザが同じコンソールと対話するため難しい場合があるいくつかの従来技術のシステムとは対照的である。
【0115】
さらなる代替的な実施形態では、ユーザ901は、UIデバイス112aの代わりにUIデバイス112b~112kのいずれかを用いてもよい。ユーザ901によって用いられているそれぞれのUIデバイスは、それぞれのUIデバイスについての状態情報を取り込んでもよい。取り込まれた状態情報は、サーバ150に渡されてもよく、この場合、状態情報は、データベース151に格納され、同じUIデバイス又は別のUIデバイスによってアクセスされてもよい。
【0116】
場合によっては、サーバ150は、UIデバイス112a~112kのいずれかに類似のUIデバイスであってもよい(すなわち、サーバ150は、表示及び入力インターフェースを含んでいてもよく、UIデバイスとして用いられてもよい)。このようなシナリオでは、サーバ150で保存される状態情報は、ユーザがサーバ150をUIデバイスとして使用し得るようにサーバ150でのUI情報を提供するためにアクセスされてもよい。同様に、一部の実施形態では、UIデバイス112a~112kのいずれかは、サーバ150に類似のサーバ150として動作してもよい。
【0117】
別の実施形態では、UIデバイス112a~112kは、ネットワーク100を通じて、もしくはパーソナルエリアネットワーク(例えば、Bluetoothネットワーク)又は近距離無線通信などのいくつかの他のネットワーク又は通信を通じて、状態情報を互いに伝達してもよい。一部の実施形態では受信側のUIデバイスがUI状態情報の伝達を開始してもよく、一方、別の実施形態では伝送側のUIデバイスが前述の伝達を開始してもよい。さらに別の実施形態では、状態伝達は、UI状態情報をメモリ(例えばUSB thumb drive上のメモリ)に保存すること及び第2のUIデバイスでUI状態情報を検索するためにメモリにアクセスすることによって行われてもよい。
【0118】
特定の実施形態では、状態伝達は、UIデバイス112a~112kのいずれかのユーザに対して自動的及びトランスペアレントであってもよい。例えば、状態伝達は、UIデバイスが別のUIデバイスの近傍に運ばれるときに自動的に開始してもよい。UIデバイスは、UIデバイスが互いを検出することを可能にするNFC回路などの回路を含んでもよい。近接性はまた、例えばUIデバイスのうちの1つ以上に含まれていてもよいGPSレシーバで受信される場所データによって検出されてもよい。UIデバイスは、場所データをサーバ150に伝送してもよく、この場合、サーバ150は、近接性を判定する、及び状態伝達を開始するのに場所データを用いてもよい。一部の実施形態では、UIデバイスのうちの1つ以上は、それぞれのUIデバイスが状態情報を受信している又は伝送していることを示すインジケータグラフィックを表示してもよい。インジケータグラフィックはまた、UIデバイスが別のUIデバイスと協同していることを示してもよい。
【0119】
図10は、例えば状態伝達中又は伝達後に起こり得るようなUIデバイス803a及び803b間のUI同期に関連する例示的なデバイスディスプレイを示す。図10では、UIデバイス803aは据置型ワークステーションであってもよく、UIデバイス803bはモバイルデバイス(例えばタブレット)であってもよい。UIデバイス803aは、ディスプレイ820a及び入力インターフェース830aを含む。ディスプレイ820aは、タンクグラフィック1015a、レベルインジケータグラフィック1016a、ポンプグラフィック1020a、バルブグラフィック1025a、バルブグラフィック1030a、グラフ1035a、グラフ1040a、及びグラフ1045aを含むGUI構成1010aを提供してもよい。UIデバイス803bは、ディスプレイ820b及び入力インターフェース830bを含む。ディスプレイ820bは、タンクグラフィック1015b、レベルインジケータグラフィック1016b、ポンプグラフィック1020b、バルブグラフィック1030b、及びグラフ1040bを含むGUI構成1010bを提供する。
【0120】
UIデバイス803aは、UI状態情報896を取り込み、UI状態情報896をサーバ150又はUIデバイス803bなどの別のUIデバイスに伝送してもよい。UI状態情報896を取り込むときに、UIデバイス803aは、どのエンティティがディスプレイ820aで提供される出力に関係しているかを判定してもよい。例えば、UIデバイス803aは、グラフィックス1016a~1045aに関連するエンティティ(グラフ1035a~1045aに関連するタンク、ポンプ、2つのバルブ、及びデバイス)を識別し、エンティティを状態情報896として保存してもよい。前述のエンティティを識別することに加えて、UIデバイス803aはまた、ディスプレイ820aで提供されるグラフィックスに関連する座標場所を識別してもよい。結果として、UI状態情報896は、例えばタンクグラフィックが画面の中央に存在することを反映してもよい。UIデバイス803aはまた、任意の実行するアプリケーションに関連する種々のウィンドウ又はボックスの場所を識別してもよい。さらに、UIデバイス803aは、UIデバイス803aで実行するプログラム又はルーチンを識別してもよく、各プログラム状態を示す情報を保存してもよい。例えば、ブラウザは、実行中であってもよく、UIデバイス803aは、ブラウザによってアクセスされている又は用いられているリソース(例えば、ウェブページ、イメージ、ビデオ、又はいくつかの他のコンテンツ)を識別してもよい。
【0121】
UIデバイス803bは、UIデバイス803aから(又は別の実施形態ではサーバ150から)UI状態情報896を受信してもよい。UIデバイス803bは、受信したUI状態情報896に基づいて出力を提供する。特に、UIデバイス803bは、受信したUI状態情報896に基づいてUIディスプレイ830bで視覚表現又はグラフィックスを表示してもよい。UIデバイス803bは、UIデバイス112aとは異なるサイズのディスプレイを備える異なるタイプのデバイスであってもよいので、UIデバイス112bは、UIデバイス112aで提供されたものとは異なるGUI構成を提供してもよい。特に、UIデバイス112bは、UI状態情報96から最高の優先順位のエンティティ及びプログラムを識別してもよく、それに応じてGUI構成1010bを生成してもよい。特に、UIデバイス803bは、グラフィックス1015b、1016b、1020b、1030b、及び1040bに関連するエンティティを高い優先順位として識別してもよい。限られた画面スペースに起因して、UIデバイス803bは、UIデバイス803aのディスプレイ820aで描かれるグラフィックス1025a、1035a、又は1045aに相互に関連するグラフィックスを生成しないことがある。UIデバイス803bはまた、GUI構成1010aの対応するグラフィックスの相対的な場所と相互に関連するGUI構成1010bの場所にグラフィックスを生成してもよい。
【0122】
加えて、異なるタイプの入力インターフェース(すなわち、キーボードに基づくのではなく画面のタッチに基づく)を有することに起因して、UIデバイス803bは、UIデバイス803aで生成されるグラフィックスとは異なるサイズ及び形状のグラフィックスを生成することがある。例えば、UIデバイス803bは、タッチによって対話するのにより容易なより大きいグラフィックスを生成してもよい。
【0123】
一部の実施形態では、特にUIデバイス803aとUIデバイス803bが同じタイプのデバイスである一部の実施形態では、UIデバイス803bのGUI構成1010bはUIデバイス803aのGUI構成1010aと同一であることがある。さらに別の実施形態では、GUI構成1010bは、GUI構成1010aとの非常に小さい相関を有していることがある。場合によっては、例えば、UIデバイス803bのディスプレイ830bで提供される出力は、部分的に又は完全にテキストベースであることがある。こうした実施形態であっても、UIデバイス803bは、それに関する情報をUIデバイス803bが提供するべきプロセスエンティティを判定するのにUI状態情報896を依然として用いてもよい。例えば、UIデバイス803bがUIデバイス803aのタンクグラフィック1015aに対応するグラフィックを表示しない場合であっても、UIデバイス803bは、タンクが高い優先順位のエンティティであることを依然として判定することがあり、テキスト(例えばタンクレベルインジケータ1016aに対応するテキストのタンクレベル値)についての情報を提供してもよい。
【0124】
図11は、UIデバイス112を同期する1つの例示的な方法1100を示すフローチャートである。他の例示的な方法が以下で説明されることになり、方法1100は、限定となることを意図されない。上述のように、同期するUIデバイス112は、ユーザが以前のセッションを同じ又は別のデバイスから再開できるようにすることがあり、2人以上のユーザが情報を交換することによって協同することができるようにすることがある。方法1100は、すべて又は部分的に、図1~10に示されるような1つ以上のデバイス及びシステムによって実装されてもよい。方法1100は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてUIデバイス112のメモリ815上で実装されてもよく、図8のプロセッサ810によって実行されてもよい。
【0125】
方法1100において、UIデバイス112は、UI状態情報896に関する要求を受信する(ブロック1101)。UIデバイス112は、第1のUIデバイス112のUI状態を識別する(ブロック1105)。UI状態を識別することは、第1のUIデバイス112のディスプレイ上に提供される出力を識別することを含んでもよい。ディスプレイ上に提供される出力を識別することは、第1のUIデバイス112のディスプレイで提供されている視覚表現及びグラフィックスを識別することと、前述の視覚表現及びグラフィックスに関連するエンティティを識別することを含んでもよい。ディスプレイ上に提供される出力を識別することはまた、ディスプレイで提供されているプロセスパラメータを識別することと、ディスプレイでのGUI構成を識別することと、UIデバイス112のUIタイプ又はデバイスタイプを識別することとを含んでもよい。
【0126】
第1のUIデバイス112は、ディスプレイで提供される出力に関連するプロセスエンティティを識別してもよい。プロセスエンティティは、プロセスパラメータデータ、プロセスプラント領域、フィールドデバイス、実行するアプリケーション、又はアプリケーション状態を含んでもよい。例えば、第1のUIデバイス112は、ディスプレイで提供されるタンクグラフィックを識別してもよい。識別に基づいて、第1のUIデバイス112は、タンクレベル計測値、タンクに関するプロセスプラント領域(例えば、ボイラ領域)、タンクに関連するフィールドデバイス(例えば、タンクへの入口バルブ、タンクの排出ポンプ、タンク材料の温度センサなど)、第1のUIデバイス112上で実行するアプリケーション(例えば、ブラウザ、ヒストリアン、アラーム管理スイートなど)、及び/又は実行するアプリケーションの状態(例えば、ブラウザによってアクセスされている又は用いられているリソース、ヒストリアンによって用いられている又は表示されているパラメータ、又はアラーム管理スイートによって表示されているアラーム)を識別してもよい。
【0127】
第1のUIデバイス112のUI状態を識別した後で、第1のUIデバイス112は、識別したUI状態を表すデータを第2のUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック1110)。より具体的には、第1のUIデバイス112は、識別したエンティティを表すデータを第2のUIデバイス112に伝送してもよい。代替的実施形態では、第1のUIデバイス112は、エンティティデータをサーバ150に伝送してもよく、この場合、サーバ150は、その後、エンティティデータを第2のUIデバイス112に伝送してもよい。
【0128】
第2のUIデバイス112でUI状態情報896を受信した後に、第2のUIデバイス112は、受信したUI状態、より具体的には受信したエンティティデータに対応する出力を提供してもよい。例えば、第2のUIデバイス112は、識別したプロセスパラメータデータ(すなわち、第1のUIデバイス112で提供されたプロセスパラメータデータ)をディスプレイで提供してもよい。第2のUIデバイス112はまた、識別した1つ以上のプラント領域(すなわち、第1のUIデバイス112で識別される出力に関連する領域)のグラフィカルな全体像をディスプレイで生成してもよい。加えて又は代替的に、第2のUIデバイス112は、1つ以上の識別したフィールドデバイス(すなわち、第1のUIデバイス112で提供される出力に関連するデバイス)のグラフィカル表現をディスプレイで生成してもよい。第2のUIデバイス112はまた、識別したアプリケーション(すなわち、第1のUIデバイス112で実行しているアプリケーション)に対応するアプリケーションを立ち上げてもよい。最後に、第2のUIデバイス112は、1つ以上のアプリケーションが識別された状態(すなわち、第1のUIデバイス112で識別される1つ以上のアプリケーション状態)に入るようにしてもよい。
【0129】
さらなる例として、引き続き図11を参照すると、UIデバイス803は、UI状態情報896を取り込み、状態情報をプロセス制御ネットワーク100に伝送してもよい。UI状態情報896は、取り込み時のUIデバイス112の状態を表わしてもよい。プロセッサ810は、メモリ815にUI状態を表すデータを格納させることによってUI状態情報896を取り込むように動作してもよい。プロセッサ810は、メモリ815からUI状態情報896を検索し、UI状態情報896をネットワークインターフェース825を介してプロセス制御ネットワーク100に伝送してもよい。UI状態情報896は、最終的に、サーバ150などのプロセス制御ネットワーク100上のノードによって受信されてもよい。代替的実施形態では、UI状態情報896は、周辺インターフェース(例えば、USBインターフェース、WiFiインターフェース、Bluetoothインターフェース、又はNFCインターフェース)を介して伝送されてもよく、この場合、周辺インターフェースは、UI状態情報896を別のUIデバイス803に伝送する。
【0130】
図1Aに関して及び後の図12A図12Bに関して説明されるように、UI状態情報896は、UIデバイス803と対話するユーザ又はオペレータに関係するプロフィールデータなどの情報又はデータを含んでもよい。プロフィールデータのすべて又はいくつかは、入力インターフェース830又はネットワークインターフェース825で受信されてもよい。プロセッサ810は、入力インターフェース830又はネットワークインターフェース825にプロフィールデータをシステムバス825経由でメモリ815に伝送させてもよい。特定の実施形態では、プロセッサ810は、入力インターフェース830又はネットワークインターフェース825から受信したデータに応答してプロフィールデータを生成してもよく、該データは、UIデバイス803のユーザ又は類似のUIデバイス803に関係する。別の実施形態では、プロフィールデータは、メモリ815上に既に存在していてもよく、この場合、プロセッサ810は、プロフィールデータにアクセスし、又はプロフィールデータを異なるデータ構造の下で保存してもよい(例えば、プロセッサ810は、UIデバイス803上のオペレーティングシステム880又は別のアプリケーションの動作中に収集されるプロフィールデータにアクセスしてもよく、プロフィールデータがUI状態伝達動作に用いられる特定のデータベースに保存されるようにしてもよい)。
【0131】
プロフィールデータに加えて、UI状態情報896はまた、UIデバイス803で提供される出力(すなわち、グラフィックス又は音)に関係する、及びUIデバイス803で実行するアプリケーション及びそれぞれのアプリケーションの状態に関係するセッションデータを含んでもよい。別の言い方をすると、図示した実施形態では、プロセッサ810は、ディスプレイ825で提供される出力に基づいて及びプロセッサ810によって実行される他のアプリケーションの動作中に生成されるか又は用いられるデータに基づいてセッションデータを生成してもよい。ユーザプロフィールデータ及びセッションデータに加えて、UI状態情報896は、UIデバイス803の動作又は状態に関係する他のどのようなデータを含んでもよい。
【0132】
UIデバイス803の別の実施形態では、UIデバイス803は、プロセス制御ネットワーク100からUI状態情報896を受信してもよく、UIデバイス803をUI状態情報896に対応する状態におくように動作してもよい。このような実施形態では、UI状態情報896は、別のUIデバイス(「以前のUIデバイス」)(例えば、UIデバイス803b)又はUIデバイス803の動作の以前に取り込まれた状態を表わしてもよい。UIデバイス803のこうした実施形態の動作時に、UI状態情報896は、プロセス制御ネットワーク100を介してネットワークインターフェース825で受信されてもよい。ネットワークインターフェース825は、UI状態情報896をメモリ815に格納されるように伝送してもよい。プロセッサ810は、UIデバイス803をUI状態情報896のいくつか又はすべてと一致する状態におくために、メモリ815に格納されたUI状態情報896のいくつか又はすべてにアクセスしてもよい。UI状態情報896は、以前のUIデバイスがプロセス又はプロセス制御ネットワーク100における特定のエンティティに関係する情報を提供した動作のUI状態を示してもよい。プロセッサ810は、ディスプレイ820に同じ特定のエンティティに対応する情報を表示させてもよい。ディスプレイ820は、以前のUIデバイス803bによって用いられる同じ又は類似のGUI構成の情報を描いてもよいが、特定の状況では異なるGUI構成を用いてもよい(例えば、この場合、UIデバイス803は、以前のUIデバイス803bとは異なるタイプのデバイスである)。一部の実施形態では、プロセッサ810は、UI状態情報896に基づいて関心地点(例えば、関心あるエンティティ)を識別してもよく、ディスプレイ820に識別した関心地点上の情報を提供させてもよい。
【0133】
プロセスエンティティを示すことに加えて又は代替的に、UI状態情報896は、以前のUIデバイス803b上で実行していたアプリケーションのうちの1つ以上の状態を示してもよい。プロセッサ810は、1つ以上のアプリケーションを立ち上げ、示された状態で動作させてもよい。例えば、UI状態情報896は、ブラウザウィンドウが開かれ、特定のウェブページを表示していることを示してもよい。このような例では、プロセッサ810は、ブラウザアプリケーションを立ち上げ、同じ特定のウェブページを開かせてもよい。別の例では、UI状態情報896は、プロセス履歴閲覧ツールが実行していたこと及び閲覧ツールによって特定のプロセス値がアクセスされていた又は表示されていたことを示してもよい。このような例では、プロセッサ810は、閲覧ツールアプリケーションを立ち上げ、同じ特定のプロセス値にアクセスさせ又は表示させてもよい。
【0134】
図12Aを参照すると、ブロック図は、モバイル制御室1200aにおけるUIデバイス112に関連する例示的なデータを描いている。モバイル制御室1200aは、1つ以上のUIデバイス112への状態伝達を可能にして、それぞれのUIデバイス112のユーザが以前に保存した状態からワークフローを再開できるようにする、又はUIデバイス112のユーザが他のUIデバイス112のユーザと協同できるようにすることがある。モバイル制御室1200aは、サーバ150、プロセス制御ネットワーク100、及びUIデバイス112を含む。一部の実施形態では、サーバ150はまたUIデバイス112として機能してもよく、この場合、サーバ150は、は、GUI構成を表示するためのディスプレイ820を含み、オペレータ又はユーザにプロセス情報を提供する。このような実施形態では、サーバ150はまた、ユーザ入力を受信するための入力インターフェース830を含んでもよい。
【0135】
サーバ150は、プロセッサ1201、ネットワークインターフェース1202、及びメモリ1203を含む。メモリ1203は、プロフィールデータ1245及び/又はセッションデータ1265を含むことがあるUI状態情報1240を格納する。UI状態情報1240は、図9Bに描かれるデータベース151に格納されてもよい。サーバ150は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルを用いてプロセス制御ネットワーク100上で通信してもよい。同様に、UIデバイス112のそれぞれは、有線通信チャネル又は無線通信チャネルを用いてプロセス制御ネットワーク100上で通信してもよく、及びUIデバイス112のそれぞれは、サーバ150と通信してもよい。
【0136】
サーバ150のメモリ1203は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでいてもよく、リムーバブル又は非リムーバブルメモリであってもよい。例えば、メモリ1203は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するのに用いることができる他のどのような媒体の形態のコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。プロセッサ1201は、メモリ1203に格納された命令をフェッチ及び実行するように構成される。メモリ1203は、オペレーティングシステムデータ又はプログラムデータなどのデータを格納してもよい。ネットワークインターフェース1202は、無線通信用の1つ以上のアンテナ、有線接続用の1つ以上のポート、又はこの両方を含んでもよい。一部の実施形態では、ネットワークインターフェース1202は、1つ以上のGPSレシーバ、Bluetoothトランシーバ、NFCトランシーバ、RFIDトランシーバ、及び/又はローカルネットワークトランシーバを含んでもよい。ネットワークインターフェース1202は、プロセス制御ネットワーク100を介してUIデバイス112と通信してもよい。
【0137】
各UIデバイス112は、ユーザID1205、セッションID1210、クライアントデバイスID1215、及び/又はUIタイプ1220を表すデータを含んでもよい。ユーザID1205は、1人のユーザ又はオペレータに対応してもよく、一意の識別子として動作する。同様に、セッションID1210は、UIデバイス112での特定のユーザセッションの一意の識別子として機能してもよい。ユーザセッションは、一般に、いかなる延長されたブレークもない特定のユーザによる使用期間と考えられる。一般に、ユーザが延長された時間期間にわたってUIデバイス112aの使用をやめ、後でUIデバイス112aの使用を再開するときに、その後の使用は、新しいセッションの開始を表す(セッションが後述のように再開されない限り)。クライアントデバイスID1215aは、UIデバイス112aの一意の識別子として動作してもよい。最後に、UIタイプ1220aは、UIデバイス112aで実装されるGUIのタイプを表わしてもよい。UIタイプは、しばしば、UIデバイスのデバイスタイプに対応する。好ましい実施形態では、通常の(normal)UIとモバイルUIとの2つの共通のUIタイプが存在する。より大きい画面を備えるデスクトップ、ラップトップ、及び他のUIデバイスは、通常のUIを実装する。一方、電話、PDA、及びタブレットなどのモバイルデバイスは、しばしばモバイルUIを実装し、これはより大きいグラフィックス及びテキスト(画面サイズに対して)を提供する。多くの実施形態では、モバイルUIは、多くのモバイルデバイス画面の限られたサイズに起因して異なるGUI構成及びグラフィックスを提供することがある。別の実施形態では、電話UI、タブレットUI、又はヘッドセットUIなどの他のUIタイプが存在することがある。
【0138】
プロフィールデータ1245は、ユーザプロフィール1250a~1250dを含んでもよい。ユーザプロフィール1250a~1250dのそれぞれは、固有のユーザ又はオペレータに対応してもよい。ユーザプロフィール1250aは、ユーザID1252、ユーザ任務1254、及びユーザ履歴データ1256を表すデータを含んでもよい。ユーザプロフィール1250b~1250dは、類似の要素を含んでもよい。ユーザID1250aは、特定のユーザに関する一意の識別子を表わしてもよく、クライアントデバイス112aでのユーザID1205aに対応してもよい。ユーザ任務1254は、プロセスプラントでの特定のユーザの責務、役職、又は任務を表わしてもよい。例えば、ユーザ任務1254は、ユーザが制御する許可を有するプラントの領域を制限してもよい。ユーザ任務1254はまた、ユーザが実施できる制御の範囲又はユーザがアクセスしてもよいプログラムのタイプを制限してもよい。一部の実施形態では、ユーザ任務1254はまた、スケジュールに基づいてプロセスプラントにおけるエンティティにアクセスし、これを制御するためのユーザの許可を制限してもよい。例えば、ユーザ任務1254は、ユーザの作業スケジュール中(例えば午前8時から午後5時まで)に制御を実施する許可だけを有してもよい。最後に、ユーザ履歴データ1256は、ユーザプロフィール1250aに関連するユーザの傾向、習慣、及び好みを表わしてもよい。ユーザ履歴データ1256は、例えば、プロセスプラント、特定のデバイス、又は機器における特定の領域、又はユーザによって重視される傾向がある特定のプロセスパラメータを明らかにしてもよい。
【0139】
セッションデータ1265は、セッション1270a~1270dを含んでもよい。セッション1270aは、セッションID1272、ユーザID1274、クライアントデバイスID1276、UIタイプ1278、アプリケーション状態データ1280、及びセッション時間データ1282を表すデータを含んでもよい。セッション1270b~1270dのそれぞれは、類似のエンティティを表すデータを含んでもよい。セッションID1272は、特定のセッションに関する一意の識別子として役立ってもよい。ユーザID1274は、固有のユーザを表わしてもよくもよく、ユーザプロフィール1250aのユーザID1252及びUIデバイス112aのユーザID1205aに対応してもよい。クライアントデバイスID1276は、特定のUIデバイスを一意に識別してもよく、UIデバイスID1215aに対応してもよい。同様に、UIタイプ1278は、UIデバイス112aでのUIタイプ1220aに対応してもよい。アプリケーション状態データ1280は、UI状態情報1240が取り込まれたときにUIデバイスで実行していたプログラムを表わしてもよく、取り込み時の各特定のアプリケーションの状態を表わしてもよい。セッション時間データ1282は、セッションの開始時刻、セッションの終了時刻、及びセッションの長さなどの一時的データを表わしてもよい。
【0140】
動作時には、UIデバイス112aは、UI状態情報1240(プロフィールデータ1250a及びセッションデータ1270aを含む)を取り込んでもよい。ユーザセッションが終了したときに、UIデバイス112aは、UI状態情報1240をサーバ150に格納されるように伝送してもよい。ネットワークインターフェース1202は、プロセス制御ネットワーク100からUI状態情報1240を受信してもよい。プロセッサ1201は、UI状態情報1240をメモリ1203に伝送して格納するように動作してもよい。代替的実施形態では、UIデバイス112aは、UI状態情報1240のいくつか又はすべてをサーバ150に定期的に又はトリガイベントに反応して伝送してもよい。サーバ150は、その後、UI状態情報896のいくつか又はすべてをUIデバイス112bなどのUIデバイスに伝送してもよい。
【0141】
図12Aと同様に、図12Bは、モバイル制御室1200bにおけるUIデバイス112に関連する例示的なデータを示すブロック図である。モバイル制御室1200bは、第1のUIデバイス112aから1つ以上の他のUIデバイス112b、112cへの状態伝達を可能にしてもよい。モバイル制御室1200aと同様に、モバイル制御室1200bは、UIデバイス112aのユーザがUIデバイス112b上のワークフローを再開及び/又は続行すること、又はUIデバイス112bを用いて別のユーザと協同することを可能にする。モバイル制御室1200bは、サーバ150、プロセス制御ネットワーク100、及びUIデバイス112a~cを含む。一部の実施形態では、サーバ150はまたUIデバイス112として機能してもよく、この場合、サーバ150は、GUI構成を表示するためのディスプレイ820を含み、オペレータ又はユーザにプロセス情報を提供する。このような実施形態では、サーバ150はまた、ユーザ入力を受信するための入力インターフェース830を含んでもよい。
【0142】
モバイル制御室1200bは、少なくとも1つの点でモバイル制御1200aとは異なる。具体的には、モバイル制御室1200bでは、状態及び/又はセッションデータは、例えばUIデバイス112aからUIデバイス112bに、サーバ150を介してではなく直接伝達される。UIデバイス112のそれぞれは、セッションデータ1265を含むことがあるUI状態情報1240を格納する。UIデバイス112のそれぞれによって格納されるセッションデータ1265は、ユーザID1205、セッションID1210、UIデバイスID1215、UIデバイスタイプ1220、アプリケーション状態データ1280、及びセッション時間データ1282を含んでもよい。
【0143】
図12Aを参照して説明されるユーザプロフィールデータ1245は、サーバ150に及び/又は個々のUIデバイス112のメモリに格納されてもよい。このようにして、任意のユーザがUIデバイス112のいずれかを用いてもよく、ユーザのプロフィール(ユーザの好み、任務、履歴データなどを含む)がUIデバイス112に利用可能となるであろう。一部の実施形態では、UIデバイス112は、特定のユーザがUIデバイス112にログインするときにユーザプロフィールデータ1245をサーバ150からダウンロードするか、又は他の方法でアクセスしてもよい。別の実施形態では、すべてのユーザの又は特定のUIデバイス112を以前に使用していたユーザのプロフィールが、UIデバイス112のメモリに存在していてもよい。
【0144】
動作時に、各UIデバイス112は、プロセスプラントについての情報を閲覧するための表示アプリケーションなどの1つ以上のアプリケーションをメモリ815に格納していてもよい。UIデバイス112は、アプリケーションの状態をアプリケーション状態データ1280に周期的に格納してもよく、及び/又はアプリケーションの状態を、該状態を別のUIデバイス112に伝達する要求により格納してもよい。単なる例として、ユーザは、UIデバイス112a上の閲覧アプリケーションを用いてプロセスプラントデータを閲覧してもよい。閲覧アプリケーションは、UIデバイス112a上に常駐していてもよく、サーバ150からデータ(例えば、プロセスデータ)を検索及び/又は受信してもよい。一部の実施形態では、UIデバイス112aは、サーバ150からプロセスデータと視覚化データとの両方を受信する。例えば、UIデバイス112aは、サーバ150から特定のプロセスパラメータに関係した傾向データを受信してもよく、該傾向データと共に、データが表示される様態を示すレンダリング命令を付加的に受信してもよい(例えば、3Dプロット情報、テーブル情報、軸情報など)。レンダリングデータは、同じデータが目標デバイスに従って異なるレンダリング(例えば、形式)情報と共に送信されることを可能にする、別個のエンティティとして送信されてもよい。いずれにしても、UIデバイス112aは、どのデータが表示されているか、どのプロセスプラント領域又はデバイスが表示されているか、どのタスクが実行されているかなどについての情報を含む、UIデバイス112a上で実行するアプリケーションの状態に関する特定の情報を維持する。
【0145】
ユーザは、例えばワークステーションUIデバイスからタブレットUIデバイスに移行するためにUIデバイス112aからUIデバイス112bに切り換えることを望んでもよい。そうするために、ユーザは、UIデバイス112aからUIデバイス112bへの状態伝達を開始してもよい。第1の実施形態では、ユーザは、接続を確立及び設定するために各UIデバイス112におけるNFCデバイスが互いに通信できるように、UIデバイス112bをUIデバイス112の近傍にもっていく。NFCデバイスは、セッションデータ1265aがUIデバイス112aからUIデバイス112bに渡され得るように、例えばBluetooth又はWiFiを介して接続を設定するように協働して、UIデバイス112bがセッションをUIデバイス112a上で動作していたのと類似の又は同じ状態で再開できるようにすることがある。第2の実施形態では、ユーザは、例えば、UIデバイス112aのディスプレイ820上に表示されるセッション番号を選択するために、UIデバイス112b上の1つ以上のメニューに従事してもよい。この状況又は他の状況で採用され得る状態を伝送するための別の実施形態は、この説明の至る所で説明される。次いで、UIデバイス112aからUIデバイス112bにセッションデータ1265aを伝達するために、デバイスは、ネットワーク100(随意的にサーバ150)を介して、又は直接にBluetooth又はWiFiを介して、それらの間で通信してもよい。UIデバイス112bがセッションデータ1265aを受信し、これをセッションデータ1265bとして格納すると、UIデバイス112bは、以前UIデバイス112a上で動作していたセッションを再開してもよい。
【0146】
実施形態では、第1のUIデバイス112から第2のUIデバイス112への状態の伝達はまた、UIデバイス112に関連する任意の制御を伝達する。例えば、場合によっては、コントローラ又は他のプロセスデバイスは、一度にただ1つの入力源から入力を受信してもよい。このような事例では、入力源が明確に確立されること、及びコンフリクトの可能性がなくされることが重要である。ユーザが第1のUIデバイス112から第2のUIデバイス112に切り換える場合に、任意のこうした入力は、状態を第2のUIデバイスに伝達した後で第2のUIデバイス112に明確に関連していなければならない。このような事例では、サーバ150は、トラッキングデータ(例えば、特定のセッション1265に関連するUIデバイスID1276)を維持してもよく、第2のUIデバイスへの伝達時にUIデバイスIDを再び割り当ててもよい。プロセス制御データに対する最新の要求に従って第1のUIデバイス112と第2のUIデバイス112との間で直接に伝達が行われる場合であっても、サーバ150は、行われる伝達を確立することができることがある。例えば、サーバ150は、UIデバイス112bが最新の要求されるデータを有することを判定してもよく、したがって、UIデバイス112bが今セッションを制御していることを判定してもよい。代替的に、UIデバイス112aがUIデバイス112bに伝達されるセッションにもはや関連しないことを示すメッセージをサーバ150に送信することによって、UIデバイス112aは、一度セッションが伝達されるとセッションを放棄(relinquish)又は否認してもよく、又はUIデバイス112bは、UIデバイス112bが今セッションに関連していることを積極的に識別するか、及びUIデバイス112aがセッションにもはや関連しないことをサーバ150に教示する類似のメッセージをサーバ150に送信してもよい。さらに別の実施形態では、各セッションは、デバイスからデバイスに渡されるUIデバイスのメモリに格納されるそれに関連する「セッショントークン」を有していてもよい。デバイスが特定のセッションに関するセッショントークンを有さないとき、デバイスは、デバイスがセッションを他の方法で維持する場合であっても、該デバイスからコマンドを送信しないであろう(又は少なくともコマンドのサブセットを送信するのをやめるであろう)。このように、状態伝達が行われ、セッショントークンがUIデバイス112bに渡された後であっても、特定のセッションに関連するデータが、UIデバイス112a上に表示され続けてもよい。セッショントークンは、単なる例として、安全なファイル、ハッシュコード、特定のコード、又は文字シーケンスなどを含む任意の形態をとることがある。
【0147】
上記段落で説明した概念に関係した種々の方法を、対応する図面を参照してここで説明する。
【0148】
図13は、UIデバイス112にセッションデータを提供する例示的な方法1300のフローチャートである。セッションデータの提供は、連続的なワークフロー又は作業者の協同を可能にするUI状態の伝達又は同期を容易にすることがある。方法1300は、図1図9、及び図12に示されるサーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0149】
方法1300は、サーバ150がUIデバイス112からセッション要求を受信するときに始まる(ブロック1305)。サーバ150は、UIデバイス112がユーザIDを提供するかどうかを判定してもよく(ブロック1310)、提供されていないときにはユーザIDを要求してもよい(ブロック1315)。ユーザIDが提供されると、サーバ150は、ユーザIDに関連するデータを識別してもよい(ブロック1320)。例えば、ユーザIDに関連する1つ以上のユーザプロフィール、セッション、又はUIデバイス112が存在することがある。代替的実施形態では、サーバ150は、UIデバイスIDを受信し、(ユーザIDではなく)UIデバイスIDに関連するデータを識別してもよい。
【0150】
提供されるユーザIDに関連するデータを識別した後で、サーバ150は、UIデバイス112が以前のセッションからのワークフローを再開することを要求しているかどうかを判定してもよい(ブロック1325)。こうした要求が存在しないとき、サーバ150は、UIデバイスに提供される「目標セッション」として、デフォルトセッション(すなわち、新しいセッション又はデフォルトセッションを表すデータ)を識別してもよい(ブロック1330)。デフォルトセッションデータは、デフォルトGUI構成データ、デフォルトプロセスパラメータデータ、又はデフォルト表示データなどのデータを含んでもよい。例えば、以前のワークフローを再開しない新しいセッションに関するデフォルトGUI構成は、プラント全体像グラフィックと共にアクティブウィンドウを含んでもよい。サーバ150は、デフォルトセッションデータをUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック1350)。
【0151】
サーバ150が、以前のワークフローを再開することに関する要求を受信すると、サーバ150は、UIデバイス112によって特定のセッションが識別されているかどうかを判定してもよい(ブロック1335)。特定のセッションが識別されていないとき、サーバ150は、ユーザID(又は代替的実施形態ではUIデバイスID)に関連する最新の保存されたセッションを、UIデバイス112に提供される「目標セッション」として識別してもよい(ブロック1340)。サーバ150は、最近のセッションデータをUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック1350)。サーバ150が、ワークフローを再開することに関する要求に関連する特定のセッションを受信するときに、サーバ150は、該特定のセッションに関する格納されたセッションデータ(例えば図12Aに示されるサーバ150のメモリ1203に格納される)を、UIデバイス112に提供される「目標セッション」に関するデータとして識別してもよい(ブロック1345)。サーバ150は、特定のセッションデータをUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック1350)。
【0152】
代替的実施形態では、サーバ150は、第2のUIデバイス112であってもよく、この場合、第2のUIデバイス112は、第1のUIデバイス112からセッション要求を受信し、セッションデータを第1のUIデバイス112に提供する。
【0153】
図14は、UIデバイス112でGUI構成を生成するための例示的な方法1400のフローチャートである。方法1400は、UI状態伝達で受信した情報に従って及びUIデバイス112の環境及び使用のコンテキストに従ってUIデバイス112が出力を提供することを可能にしてもよい。方法1400は、UIデバイス112又は112a~g(図1図10及び図12)のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1400は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815上に保存されてもよく、プロセッサ8310によって実行されてもよい。
【0154】
方法1400は、UIデバイス112がコンテキストデータを識別する(ブロック1405)ときに始まる。UIデバイス112はまた、コンテキストデータに関連するエンティティを識別してもよい。コンテキストデータは、任意のコンテキスト情報又は項目であってもよい。一実施形態では、コンテキストデータは、図15に関連して説明されるコンテキストアウェアネスデータ1540又は作業項目データ1550に含まれる要素のいずれかを表わしてもよい。関連するエンティティは、コンテキスト項目に関連する任意の領域、機器、デバイス、又はパラメータであってもよい。
【0155】
方法1400は、図12に示されるUI状態情報896などのUI状態情報896を受信することを含んでもよい(ブロック14)。UIデバイス112は、図13に示される方法1300を実施するデバイス又はシステムからUI状態情報896を受信してもよい。UI状態情報896を受信した後で、UIデバイス112は、受信したUI状態情報896に関連するエンティティを識別してもよい(ブロック1420)。エンティティは、プロセスにおける任意の領域、デバイス、システム、又はパラメータであってもよい。一般に、UI状態情報896に関連するエンティティはまた、UI状態情報896が取り込まれた以前のUIデバイス112で提供された情報に関連する。
【0156】
UIデバイス112は、エンティティに優先順位をつけてもよい(ブロック1430)。エンティティは、プロセスの安定した動作、時間感度(time sensitivity)(例えば、エンティティが迅速に対処されない場合、バッチが崩れることがある)、場所(例えば、UIデバイス112はエンティティに関連する場所に隣接する)、ステータス(例えば、エンティティが動作不良を起こしている又は誤動作に関連する)、アラーム条件、(例えば、エンティティが正常動作範囲外のパラメータ値と関連付けられる)、スケジュール(例えば、エンティティはオフライン機器に関連する場合がある)、又は作業項目の関連度(relevance)(例えば、エンティティはユーザ又はUIデバイス112に関連する作業項目に関係する場合がある)に対するエンティティの重要性などの因子に依存し、より高い又は低い優先順位であることがある。
【0157】
UIデバイス112は、優先順位をつけられたエンティティに基づいてGUI構成を生成してもよい(ブロック1435)。エンティティの優先順位づけは、UIデバイス112がコンテキストデータ及び受信したセッションで識別されるエンティティに該当する情報のすべてを表示できないときに必要な場合がある。例えば、一部の実施形態では、以前のUIデバイス112は通常のUIタイプのワークステーションである場合があり、一方、UI状態情報896を受信するUIデバイス112はモバイルUIタイプのタブレットである。モバイルUIデバイスはより小さい画面用に構成されるので、それらはしばしばより少ない情報を提供する。したがって、UIデバイス112がコンテキストデータに関連するエンティティの識別を回避した場合であっても、UIデバイス112は、どのエンティティにUIデバイス112が情報を提供するべきかを識別するためにエンティティに依然として優先順位をつけるであろう。
【0158】
代替的実施形態では、UI状態情報896を提供するシステム又はデバイスは、UI状態情報896を受信するUIデバイス112のUIタイプ又はデバイスタイプを識別してもよい。こうした実施形態では、提供するシステムは、UIデバイス112に提供されるUI状態情報896を調整してもよい。言い換えれば、提供するシステムは、UIタイプ又はデバイスタイプに基づいてより多くの又はより少ない情報を提供してもよい。提供するシステムはまた、UIタイプ又はデバイスタイプに関して形式化された表示データを提供してもよい。
【0159】
図15は、プロセス制御プラント10における2つのUIデバイス112間で状態情報を直接伝達する方法1500を示すフローチャートである。方法1500は、UIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1500は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815上に保存されてもよく、プロセッサ810によって実行されてもよい。
【0160】
方法1500は、機能を行うための1つ以上の第1のルーチンを実行し得る第1のUIデバイス112で始まる(ブロック1505)。機能は、制御機能、動作機能、構成機能、保守機能、データ解析機能、管理機能、品質制御機能、又はセキュリティ機能であってもよい。第1のUIデバイス112は、ビッグデータ装置102などのユニット式の論理データストレージ領域にネットワークを介して結合されてもよい。ユニット式の論理データストレージ領域は、共通の形式を用いてプロセスプラントに対応するプロセスデータを格納するように構成されてもよい。プロセスデータは、構成データ、連続データ、バッチデータ、計測データ、及びイベントデータを含む複数のタイプのプロセスデータを含んでもよい。
【0161】
第1のUIデバイス112は、状態情報を第2のUIデバイス112に渡してもよい(ブロック1510)。状態情報は、第1のUIデバイス112上で動作する1つ以上の第1のルーチンを示してもよい。一部の実施形態では、状態情報は、インターネット接続を介して渡されてもよい。別の実施形態では、状態情報は、中間ネットワークを介して渡されてもよい。さらに別の実施形態では、状態情報は、ポイントツーポイント無線接続を介して第1のUIデバイス112から第2のUIデバイス112に渡されてもよい。場合によっては、状態情報は、Bluetoothプロトコル又はNFCプロトコルなどのプロトコルに従う無線通信を介して渡されてもよい。他の事例では、状態情報は、中間デバイス(サーバ150であり得る)を介して第1のUIデバイス112から第2のUIデバイス112に渡されてもよい。いくつかの場合には、第1のUIデバイス112は、UIデバイス112が互いを相互に検出し、且つ同じユーザが両方のデバイスにログオンされるときに、状態情報を第2のUIデバイス112に渡してもよい。一部の実施形態では、状態情報は、第1のUIデバイス112での状態情報を渡す命令の受信時に渡されてもよい。特定の実施形態では、状態情報を渡すことは、異なるユーザ間の2つのUIデバイス112上での協同、2つのUIデバイス112にわたる1人のユーザの移動性、プロセスプラント内のユーザの場所のデバイスアウェアネス、又は特定のプロセスプラント機器とのユーザの近接性のデバイスアウェアネスのうちの1つ以上を容易にすることがある。
【0162】
第2のUIデバイス112は、状態情報を受信し、1つ以上の第2のルーチンを実行してもよい(ブロック1515)。第2のUIデバイス112の表示は、格納した状態に従って及び第2のUIデバイス112のデバイスタイプ又はUIタイプに従って構成されてもよい。第2のルーチンは、第1のUIデバイス112上で動作する第1のルーチンのうちの1つ以上に対応してもよい。一部の実施形態では、第2のUIデバイス112は、場所アウェアネスコンポーネントから信号を受信してもよく、受信した信号に従って1つ以上の第2のルーチンの実行を修正してもよい。特定の場合には、場所アウェアネスコンポーネントは、第2のUIデバイス112から信号を受信してもよい。信号は、ネットワークを介して、第2のUIデバイス112に受信した信号に従って1つ以上のルーチンの実行を修正させてもよい。1つ以上のルーチンの実行を修正することは、第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域を強調表示すること、第2のUIデバイス112の所定の距離内の特定のデバイスについての情報を表示すること、第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域におけるデバイスに該当するアラームを表示すること、又は第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域におけるデバイスに関する作業項目を表示することのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0163】
一部の実施形態では、第2のUIデバイス112は、機器アウェアネスコンポーネントから信号を受信し、受信した信号に従って1つ以上の第2のルーチンの実行を修正してもよい。特定の実施形態では、機器アウェアネスコンポーネントは、無線信号を第2のUIデバイス112に伝送するために送信器を含んでもよい。無線信号は、それに送信器が関連する機器を識別してもよい。
【0164】
一部の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はモバイルデバイスであってもよい。別の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はワークステーションであってもよい。一部の実施形態では、一方のUIデバイス112はモバイルデバイスであってもよく、他方はワークステーションであってもよい。一実施形態では、第2のUIデバイス112は、第1のUIデバイス112から受信した状態情報に従って及び第2のUIデバイス112に関連するデバイスタイプ又はUIタイプに従って表示を構成してもよい。
【0165】
図16は、プロセスプラント10におけるサーバ150に結合される2つのUIデバイス112で状態情報を伝達するための例示的な方法1600を示すフローチャートである。方法1600は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法1600は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1600は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0166】
方法1600は、プロセスプラントにおける機能を行うための1つ以上の第1のルーチンを実行し得る第1のUIデバイス112で始まる(ブロック1605)。第1のUIデバイス112は、第1のUIデバイス112で実行する1つ以上の第1のルーチンの状態を追跡してもよい(ブロック1610)。一部の実施形態では、サーバ150が、第1のUIデバイス112で実行する1つ以上の第1のルーチンの状態を追跡してもよい。第1のUIデバイス112、又はサーバ150は、1つ以上の第1のルーチンの追跡した状態を格納してもよい(ブロック1615)
【0167】
第1のUIデバイス112、又はサーバ150は、1つ以上の第1のルーチンの格納した状態を第2のUIデバイス112に伝達してもよい(ブロック1620)。一部の実施形態では、状態情報は、インターネット接続を介して渡されてもよい。別の実施形態では、状態情報は、ポイントツーポイント無線接続を介して第1のUIデバイス112又はサーバ150から第2のUIデバイス112に渡されてもよい。状態情報はまた、中間デバイス又はサーバ150を介して第1のUIデバイス112から第2のUIデバイス112に伝達されてもよい。場合によっては、状態情報は、Bluetoothプロトコル又は近距離通信プロトコルなどのプロトコルに従う無線通信を介して渡されてもよい。特定の実施形態では、状態は、第2のUIデバイス112による第1のUIデバイス112の検出時に又は第1のUIデバイス112による第2のUIデバイス112の検出時に第2のUIデバイス112に伝送されてもよい。格納した状態を第2のUIデバイス112に伝送することは、第1のUIデバイス112で命令を受信すると、格納した状態を伝送することを含んでいてもよく、この場合、命令は、格納した状態を第2のUIデバイス112に渡すように第1のUIデバイス112に指示する。
【0168】
第2のUIデバイス112は、1つ以上の第2のルーチンを実行してもよく、この場合、第2のルーチンは第1のUIデバイス112で実行される1つ以上の第1のルーチンに対応する(ブロック1625)。一部の実施形態では、第2のUIデバイス112は、信号を受信してもよい。信号は、特定のデバイス又は場所との第2のUIデバイス112の近接性を示してもよい。信号を受信した後で、第2のUIデバイス112は、受信した信号に従って1つ以上の第2のルーチンの実行を修正してもよい。一部の実施形態では、第2のUIデバイス112は、場所アウェアネスコンポーネントに、特定のデバイス又は場所との第2のUIデバイス112の近接性を示す信号を伝送してもよい。このような実施形態では、第2のUIデバイス112は、サーバ150から、特定のデバイス又は場所に特異的な情報を受信してもよい。
【0169】
一部の実施形態では、第2のUIデバイス112は、特定のデバイス又は場所に近接しているときに、第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域を強調表示する行為、第2のUIデバイス112の所定の距離内の特定のデバイスについての情報を表示する行為、第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域におけるデバイスに該当するアラームを表示する行為、第2のUIデバイス112が存在するプロセスプラントの領域におけるデバイスに関する作業項目を表示する行為、受信した信号に関連するプロセスプラント機器をディスプレイ上に強調表示する行為、受信した信号に関連する特定のデバイスについての情報を第2のUIデバイス112上に表示する行為、受信した信号に関連するデバイスに該当するアラームを表示する行為、又は受信した信号に関連するデバイスに関する作業項目を表示する行為のうちの1つ以上をとってもよい。
【0170】
一部の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はモバイルデバイスであってもよい。別の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はワークステーションであってもよい。一部の実施形態では、一方のUIデバイス112はモバイルデバイスであってもよく、他方はワークステーションであってもよい。一実施形態では、第2のUIデバイス112は、第1のUIデバイス112から受信した状態情報に従って及び第2のUIデバイス112に関連するデバイスタイプ又はUIタイプに従って表示を構成してもよい。
【0171】
図17は、プロセス制御プラント10における2つのUIデバイス112間で状態情報を伝達するための付加的な方法1700を描いているフローチャートである。方法1700は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1700は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又は図12のプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0172】
方法7500は、プロセスデータに関係した1つ以上の機能を提供し得るサーバ150で始まる(ブロック1705)。一部の実施形態では、プロセスデータは、ユニット式の論理データストレージ領域に格納されてもよく、共通の形式を用いて格納されてもよい。プロセスデータは、構成データ、連続データ、バッチデータ、計測データ、及びイベントデータを含む複数のタイプのプロセスデータを含んでもよい。
【0173】
サーバ150は、第1のUIデバイス112がサーバ150を介してプロセスデータにアクセスすることを可能にしてもよい。サーバ150はまた、第1のUIデバイス112がサーバ150上に状態情報を維持することを可能にしてもよい(ブロック1710)。状態情報は、第1のUIデバイス112上で実行するUIの状態を示してもよい。
【0174】
サーバ150は、第2のUIデバイス112がサーバ150を介してプロセスデータ及び状態情報にアクセスすることを可能にしてもよい(ブロック1710)。第2のUIデバイス112は、状態情報に従ってUIを実行してもよい。
【0175】
一部の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はモバイルデバイスであってもよい。別の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はワークステーションであってもよい。一部の実施形態では、一方のUIデバイス112はモバイルデバイスであってもよく、他方はワークステーションであってもよい。
【0176】
図18は、モバイル制御室に関連するUIデバイス112を用いてプロセス制御プラント10を動作させるための例示的な方法1800のフローチャートである。方法1800は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1800は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0177】
方法1800は、サーバ150にアクセスし得る第1のUIデバイス112で始まる(ブロック1805)。サーバ150は、プロセスデータを格納するデータベースに通信可能に結合されてもよい。第1のUIデバイス112は第1のユーザプロフィールに関連していてもよい。第1のUIデバイス112は、プロセスプラントにおける機能を行ってもよい(ブロック1810)。
【0178】
第2のUIデバイス112は、サーバ150へのアクセスを要求してもよい(ブロック1812)。第2のUIデバイス112は第1のユーザプロフィールに関連していてもよい。サーバ150は、状態情報を格納してもよく、この場合、状態情報は、第1のUIデバイス112の状態と関連付けられる(ブロック1815)。
【0179】
サーバ150は、第2のUIデバイス112へのアクセスを提供してもよく、この場合、アクセスは、格納した状態情報に従ってもよい(ブロック1820)。第2のUIデバイス112は、プロセスプラントにおける機能を行ってもよい(ブロック1825)。
【0180】
一部の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はモバイルデバイスであってもよい。別の実施形態では、第1のUIデバイス112及び第2のUIデバイス112のいずれか又は両方はワークステーションであってもよい。一部の実施形態では、一方のUIデバイス112はモバイルデバイスであってもよく、他方はワークステーションであってもよい。
【0181】
図19は、プロセスプラント10のモバイル制御を容易にするためにサーバ上で実行される例示的な方法1900を示すフローチャートである。方法1900は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法1900は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法1900は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0182】
方法1900は、第1のUIデバイス112上に表示するためのプロセスデータを形式化し得るサーバ150で始まる(ブロック1905)。場合によっては、形式化されたプロセスデータは、第1のUIデバイス112上で実行するウェブブラウザで見ることができてもよい。サーバ150は、第1のUIデバイス112のデバイスタイプ又はUIタイプに従ってプロセスデータを形式化してもよい。
【0183】
サーバ150は、形式化されたプロセスデータを、第1のUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック1910)。特に、サーバ150は、第1のUIデバイス112に、第1のUIデバイス112上で実行する多目的プロセス制御アプリケーションで見ることができるプロセスデータを伝送してもよい。
【0184】
サーバ150は、第1のUIデバイス112上のプロセスデータの表示に関連する状態情報を格納してもよい(ブロック1915)。状態情報を格納することは、第1のUIデバイス112の表示構成、第1のUIデバイス112によって表示されるプロセスプラントの一部、第1のUIデバイス112によって表示されるプロセス制御デバイスのデータ、第1のUIデバイス112上で行われている機能、制御機能、動作機能、構成機能、保守機能、データ解析機能、品質制御機能、又はセキュリティ機能のうちの1つ以上を含む機能、及び第1のUIデバイス112上でアクティブであるユーザプロフィールのうちの1つ以上を格納することを含んでもよい。
【0185】
サーバ150は、格納した状態情報に従って第2のUIデバイス112上に表示するためのプロセスデータを形式化してもよい(ブロック1920)。サーバ150は、第2のUIデバイス112にプロセスデータを伝送してもよい(ブロック1925)。特に、サーバ150は、第2のUIデバイス112のデバイスタイプ又はUIタイプに従ってプロセスデータを形式化してもよい。場合によっては、第2のUIデバイス112のデバイスタイプは、第1のUIデバイス112のデバイスタイプとは異なっていてもよい。例えば、第1のUIデバイス112はワークステーションであってもよく、第2のUIデバイス112はモバイルデバイスであってもよい。代替的に、第1のUIデバイス112は、モバイルデバイスであってもよく、第2のUIデバイス112は、ワークステーションであってもよい。一部の実施形態では、サーバ150は、第1のUIデバイス112の動作状態が第2のUIデバイス112上に複製されるように、第2のUIデバイス112上に表示するためのプロセスデータを形式化してもよい。
【0186】
一部の実施形態では、サーバ150は、格納した状態情報に従ってユーザインターフェースを第2のUIデバイス112に提供することに関する要求を第2のUIデバイス112から受信してもよい。サーバ150は、第2のUIデバイス112と共に、ユーザインターフェースを提供することに関する要求に応答して、サーバ150と第2のUIデバイス112との間の安全な通信チャネルを確立してもよい。
【0187】
図20は、第1のUIデバイス112の状態を第2のUIデバイス112に伝送するための例示的な方法2000のフローチャートである。方法2000は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法2000は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法2000は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0188】
方法2000は、第1のUIデバイス112のディスプレイで描かれるグラフィックスを識別し得る第1のUIデバイス112又はサーバ150で始まる(ブロック2005)。
【0189】
第1のUIデバイス112又はサーバ150は、第1のUIデバイス112のディスプレイで提供されるグラフィックスに関連するプロセスエンティティデータを識別してもよい(ブロック2010)。プロセスエンティティデータを識別することは、第1のUIデバイス112のディスプレイで提供されるグラフィックスに関連するプロセスパラメータデータ、第1のUIデバイス112のディスプレイで提供されるグラフィックスに関連するプロセスプラント領域、第1のUIデバイス112のディスプレイで提供されるグラフィックスに関連するフィールドデバイス、第1のUIデバイス112上で実行するアプリケーション、又は第1のUIデバイス112上で実行するアプリケーションの状態のうちの1つ以上を識別することを含んでもよい。
【0190】
第1のUIデバイス112又はサーバ150は、識別したプロセスエンティティデータを第2のUIデバイス112に伝送してもよい(ブロック2020)。第1のUIデバイス112又はサーバ150は、識別したグラフィックスを第2のUIデバイス112に提供してもよい(ブロック2020)。
【0191】
図21は、第1のUIデバイス112上でUIセッションを開始する方法2100を示すフローチャートである。方法2100は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法2100は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法2100は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0192】
方法2100は、第1のUIデバイス112からセッション要求を受信し得るサーバ150で始まる(ブロック2105)。
【0193】
サーバ150は、セッション要求に関連するユーザプロフィールを識別してもよい(ブロック2110)。セッション要求に関連するユーザプロフィールを識別することは、第1のUIデバイス112から、ユーザプロフィールに関連するユーザ識別子を受信することを含んでもよい。ユーザ識別子は、第1のUIデバイス112に現在ログインされていてもよい。ユーザプロフィールを識別することはまた、第1のUIデバイス112から、ユーザプロフィールに関連するユーザ識別子を受信することを含んでいてもよく、この場合、ユーザ識別子は、第2のUIデバイス112に現在ログインされていてもよい。
【0194】
サーバ150は、以前のセッションが存在するかどうかを判定してもよい(ブロック2115)。判定を行うことは、第1のUIデバイス112から、以前のセッションに関連するセッション識別子を要求することを含んでもよい。一部の実施形態では、判定を行うことは、第1のUIデバイス112からセッション識別子要求に応答してセッション識別子を受信することを含んでもよい。一部の実施形態では、判定を行うことは、セッション要求と共に受信したセッション識別子を識別することを含んでもよい。
【0195】
サーバ150は、以前のセッションが存在するときに以前のセッションに従って新しいセッションをインスタンス化してもよい(ブロック2115)。代替的に、サーバ150は、以前のセッションが存在しない場合に新しいセッションをインスタンス化してもよく、この場合、新しいセッションは、デフォルトセッション構成を用いてインスタンス化されてもよい。以前のセッションに従って新しいセッションをインスタンス化することは、セッション要求と共にセッション識別子が受信されたかどうかを判定することを含んでもよい。セッション要求と共にセッション識別子が受信されたときに、サーバ150は、セッション識別子に関連するセッションをインスタンス化してもよい。セッション要求と共にセッション識別子が受信されなかったときに、サーバ150は、第1のUIデバイス112に関連するユーザ識別子の直近のセッションなどの最近のセッションに関連するセッションをインスタンス化してもよい。
【0196】
一部の実施形態では、方法2100は、サーバ150が、第2のUIデバイス112上で動作するセッションに従ってセッションを第1のUIデバイス112上でインスタンス化することに関する要求を第2のUIデバイス112に伝送することをさらに含んでもよい。方法2100はまた、サーバ150が第2のクライアントデバイスから確認を受信することを含んでもよい。
【0197】
図22は、第1のUIデバイス112上でUIセッションをインスタンス化するための第2の方法2200のフローチャートである。方法2200は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法2200は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法2200は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0198】
方法2200は、第1のUIデバイス112からセッション要求を受信し得るサーバ150で始まる(ブロック2205)。セッション要求を受信することは、目標セッション識別子及びデバイスタイプを受信することを含んでもよい。
【0199】
サーバ150は、セッション要求に関連するデバイスタイプを判定してもよい(ブロック2210)。サーバ150は、デバイスタイプに従ってグラフィカルユーザインターフェース構成を識別してもよい(ブロック2215)。サーバ150は、セッション要求に関連する目標セッションを識別してもよい(ブロック2220)。
【0200】
サーバ150は、識別したグラフィカルユーザインターフェース構成及び識別した目標セッションに従って第1のUIデバイス112に関する新しいセッションを構成してもよい。サーバ150は、第1のUIデバイス112に、新しいセッションに関連するデータを伝送してもよい(ブロック2225)。新しいセッションを構成することは、セッションデータとして、プロセス領域、機器リソース、又は目標セッションで監視される又は制御されるプロセスデータの組のうちの1つ以上を識別することを含んでもよい。新しいセッションを構成することはまた、識別したグラフィカルユーザインターフェース構成に関連する制約に従って新しいセッションを構成することを含んでもよい。新しいセッションを構成することは、セッション要求に関連するコンテキストデータを識別することをさらに含んでもよい。
【0201】
コンテキストデータを識別することは、プロセスプラントにおける第1のUIデバイス112の場所を識別すること、セッション要求に関連するユーザタイプ又はユーザ識別子を識別すること、第1のUIデバイス112に関連するユーザタイプ又はユーザ識別子を識別すること、第1のUIデバイス112から所定の距離内の1つ以上のプロセス制御デバイスを識別すること、目標セッションに関連する第2のUIデバイス112上で行われている機能を識別すること、又は目標セッションに関連する第2のUSデバイスに関連するユーザ識別子を識別することを含んでもよい。
【0202】
コンテキストアウェアネス
図23は、例示的なモバイル制御室2300、すなわちコンテキストアウェアネスの第2の態様を示す。モバイル制御室2300は、UIデバイス112及びプロセスエンティティ199を含む。プロセスエンティティ199は、現在のタスク、ユーザ、プロセス領域、デバイス、1台の機器、又は別のUIデバイスであることがある。モバイル制御室2300は、1つの又は組み合わされた状態の複数のコンテキストに応答してもよく、後述の種々の様態で1つ以上のコンテキストに応答してもよい。一般に、UIデバイス112は、表示するデータ及びデータを表示する形式についての情報を検索するであろう、及びコンテキストに従ってデータを検索及び/又は表示するであろう。
【0203】
一部の実施形態では、表示するデータのタイプ及び形式を指定する情報は、拡張されたデバイス記述言語(device description language:DDL)に含まれる。DDLは、スマートデバイスに関連し、そこから検索されるデータ、スマートデバイスの実装のために利用可能な方法、データを得るのにスマートデバイスと通信するための形式、デバイスについてのユーザインターフェース情報(例えば、編集表示及びメニュー)、及びスマートデバイスに関する他の情報を取り扱う又は解釈するのに必要なデータを意味するスマートデバイスから入手可能なデータを記述するためのプロトコルを提供する人間可読言語である。拡張されたDDLはまた、とりわけ、異なるタイプのユーザにどのような情報が表示されるべきか、異なるタイプのユーザに表示される情報をどのように形式化するか、異なるタイプのディスプレイ上にどのような情報が表示されるべきか、異なるタイプのディスプレイ上に表示される情報をどのように形式化するか、目標機能に従ってどのような情報が表示されるべきか(すなわち、ユーザが特定のタスクを行っているときにどのような情報を表示するか)、目標機能を行うユーザに関して表示される情報をどのように形式化するか、及びユーザ、目標機能、及び表示タイプのいくつかの組み合わせに従って種々のプロフィールに従う命令をどのようにマージするかを含んでもよい。
【0204】
UIデバイス112は、UIデバイス112が特定のプロセス制御デバイスに隣接するとき及び/又はユーザがプロセス制御デバイスに関係した情報を表示することを要求するときにサーバ150から特定のデバイスに関するDDL又は拡張されたDDLをダウンロードしてもよい。一部の実施形態では、UIデバイス112は、一度これが用いられると将来の使用のためにDDL又は拡張されたDDL(以下総称して「DDL」と呼ぶ)をキャッシュしてもよい。デバイスに関するDDLをキャッシュすることによって、UIデバイス112は、特定のコンテキスト又は表示がアクティブ化される/要求されるときに表示情報をより迅速に提供することができる。UIデバイス112は、DDLが変更された場合にバックグラウンドにおけるDDL情報を更新してもよい。DDLは、ユーザの好みに従って、プロセスプラントに関する規格に従って、特定のコンテキストにおいてどのような情報が有用であるかに関するエキスパートシステムによる判定などに従って(例えば、アラームを生じるのに特定のパラメータ又は値が重要であるとエキスパートシステムが判定する場合などに)、変化することがある。
【0205】
一実施形態では、モバイル制御室2300、特に、ユーザによって携行されるUIデバイス112は、ユーザに隣接する特定のプロセス制御デバイスに関係したユーザ情報(例えば、ステータス、プロセス変数及び/又はパラメータなど)を表示してもよい。UIデバイス112は、UIデバイス112の場所を判定してもよく、及び/又はUIデバイス112が後述する様態でプロセス制御デバイスに隣接することを判定してもよい。UIデバイス112がプロセス制御デバイスに隣接することを判定した後で、UIデバイス112は、表示するのにデバイス特有のデータ(例えば、プロセスパラメータ、ステータス、保守情報など)を指定するDDLにアクセスするか、又はこれを検索してもよく、次いで、DDLに従ってデバイス特有のデータをダウンロード及び表示してもよい。一部の実施形態では、特定のプロセス制御デバイスに関して表示されるデータは、隣接するデバイスの動作又はステータスについてのデータ、プロセスの動作(例えば、バッチレシピの状態)についてのデータなどの他のプロセス制御デバイスに関係したデータを含んでもよい。
【0206】
別の実施形態では、UIデバイス112は、デバイスの場所及び/又は特定のプロセス制御デバイスとのデバイスの近接性に従ってだけでなくユーザ、特にユーザの制御のスパンにも従って情報を表示してもよい。プロセス制御においては、制御のスパンは、ユーザの任務並びにユーザが担当するタスク及び機器を指す。ユーザの制御のスパンは、ユーザが閲覧できるプロセスパラメータ、ユーザが修正できるプロセスパラメータ、ユーザがプロセスパラメータを修正できる回数、ユーザが閲覧/修正できるプロセスプラントの領域及び/又は機器、ユーザが受取確認できるアラーム/アラート、ユーザが行うことができる保守タスク、ユーザが下すように依頼又は要求され得る決定などのプロセスの態様に影響を及ぼすことがある。したがって、これらの実施形態では、UIデバイス112は、ユーザに関するユーザプロフィール(UIデバイス112上又はサーバ150上に格納される)からユーザの任務及び/又は制御のスパンについての情報を検索してもよく、ユーザの任務及び/又は制御のスパンに特有のデータを表示してもよい。例えば、表示されるデータは、ユーザがオペレータである場合、ユーザが特定のプラント条件での制御決定を下すのに有用な又は必要なデータであってもよい。加えて、UIデバイス112によって表示される情報は、ユーザの任務又は制御のスパンに従って形式化されてもよい。例えば、UIデバイス112が混合タンクに近接しているとき、オペレータによって用いられているUIデバイス112は、タンクの動作ステータス、タンクの容量、タンクの充填レベル、タンク内の材料の温度、タンク内の圧力、タンクの中に/外に流れる材料を制御する任意の入力/出力バルブのステータス、タンクに関係した任意のアラーム又はアラート、及び実行するバッチレシピのステータスを表示してもよい。同じ混合タンクの近傍にいる保守要員によって同じUIデバイス112が用いられる場合、UIデバイス112は、混合タンクのステータス、混合タンクにおけるセンサの較正日、タンクが最後に点検された及び/又は清掃された日、混合タンクに関する(又は影響する)スケジュールされた保守タスクのリスト、必要な保守を示す任意のアラーム、タンク内の材料、タンクが使用休止にされる場合のタンクの任意のロックアウト、任意の残留フュームの存在などを表示してもよい。
【0207】
さらに別の実施形態では、UIデバイス112は、デバイスの場所及び/又は特定のプロセス制御デバイスとのデバイスの近接性に従ってだけでなく目標機能にも従って情報を表示してもよい。例えば、ユーザは、作業項目が割り当てられてもよい(例えば、スーパーバイザエンジン106によって)。UIデバイス112は、ユーザが作業項目に関係したタスクを行うつもりであることがアウェアであってもよい(例えば、行われるべき作業項目がスケジュールされた時刻により、ユーザからの入力などにより)。ユーザが作業項目に関係したプロセス制御デバイスの場所又はその近傍(すなわち、対象機器及び目標の場所)に到着するときに、UIデバイス112は、特定のタスクに関係した情報を知らせてもよい。上記の例示的な混合タンクを再び参照すると、タンクのクリーニング又は点検に関係した作業項目を行う保守要員には、タンクを使用不可にし、タンクを使用休止にし、タンクをロックアウトするためのタンクの動作ステータス及び命令又はコマンド、又は作業項目に関連するクリーニング又は点検機能を開始するのに必要な他のどのような手順が、UIデバイス112によって提示されてもよい。UIデバイス112はまた、保守機能及び安全動作を実施及び/又は支援するために、スーパーバイザエンジン104から、サーバ150から、ビッグデータ装置102から、もしくは1つ以上のコントローラから情報を引き出してもよい。上記の例で(例えば、例4で)説明されるように、UIデバイス112は、保守タスク中の安全性を促進するために情報/データを引き出してもよい。これらの概念の実装が以下の段落で説明される。
【0208】
動作時に、モバイル制御室2300は、UIデバイス112がUIデバイス112の使用環境及び様態についての情報を受信することを可能にしてもよい。例えば、UIデバイス112は、GPSデバイスなどの据置型ロケーションデバイス118から又は図1Aに示されるプロセス制御ネットワーク100上のノードから場所データを受信することによってプロセスプラントにおけるその場所を識別してもよい。例えば、UIデバイス112は、ユーザの場所、スケジュール、技能、及び/又は作業項目の進行を追跡し得るコンテキストアウェアネスルーチン及び/又は場所アウェアネスルーチンを実行してもよい。別の実施形態では、図1Aに示されるサーバ150は、コンテキスト及び/又は場所アウェアネスルーチンを実行してもよく、コンテキスト及び/又は場所アウェアネスルーチンは、UIデバイス112と通信する。追跡に基づいて、場所及び/又はコンテキストアウェアネスルーチンは、UIデバイス112がプラントマップ、機器の写真又はビデオ、GPS座標、及び作業者の場所に対応する他の情報を自動的に判定及び/又は表示すること、若しくはナビゲーションにおけるモバイル作業者及び機器識別を助けることを可能にしてもよい。加えて又は代替的に、ユーザが特定の技能を有していることがあるため、コンテキストアウェアネスルーチン又はUIデバイス112は、技能及び/又はUIデバイス112の場所に基づいてGUI構成の外観を自動的にカスタマイズしてもよい。例えば、別のシナリオでは、コンテキストアウェアネスルーチンは、モバイル作業者の近くにある1台の機器に関する、及びモバイル作業者が対処する資格がある新たに開かれた作業項目又はアラームをユーザにリアルタイムで通知してもよい。さらに別のシナリオでは、コンテキストアウェアネスルーチンは、ユーザの場所及び/又は技能に明確に関係する1つ以上のアプリケーションがUIデバイス112で自動的に立ち上がるようにしてもよい。
【0209】
UIデバイス112は、その近傍にあるフィールドデバイス又は1台の機器などの特定のプロセスエンティティを識別してもよい。プロセスエンティティは、例えば、IEEE802.11に準拠した無線ローカルエリアネットワークプロトコルなどの無線通信プロトコル、WiMAX、LTE、又は他のITU-R対応プロトコルなどのモバイル通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)又はBluetoothなどの短波長無線通信プロトコル、wireless HARTなどのプロセス制御無線プロトコル、又はいくつかの他の適切な無線通信プロトコルを用いることによって、UIデバイス112に自動的に自身を識別させてもよい。一部の実施形態では、UIデバイス112は、識別された場所、機器、又はフィールドデバイスに該当するスケジュール又は作業項目を受信してもよい。一実施形態では、プロセスエンティティを識別することにより、作業命令、診断、解析、又は他のアプリケーションなどの識別されたプロセスエンティティに関する1つ以上のアプリケーションをUIデバイス112に自動的に立ち上がらせてもよい。
【0210】
動作時には、UIデバイス112は、一部の実施形態ではUIデバイス112でのイメージセンサを介してプロセスエンティティ199を識別してもよい。場合によっては、UIデバイス112のユーザは、プロセスエンティティ199の写真をとってもよく、UIデバイス112は、取り込まれるイメージに基づいてプロセスエンティティ199を識別してもよい。一部の実施形態では、プロセスエンティティ199は、固有のタグ又は識別子(例えば、バーコード)を提供するコンテキストIDデバイス198を含んでいてもよく、又はその近傍にあってもよい。UIデバイス112は、UIデバイス112がプロセスエンティティ199又はコンテキストIDデバイス198を識別することを可能にする、固有のタグを取り込んでもよい。UIデバイス112は、プロセスエンティティ199に該当するか、又はコンテキストIDデバイス198に該当する情報を提供してもよい(例えばディスプレイを介して)。一部の実施形態では、UIデバイス112は、識別されたプロセスエンティティ199又はコンテキストIDデバイス198の場所を判定することによってUIデバイス112の場所を判定してもよい。UIデバイス112の場所が判定されると、UIデバイス112は、判定された場所に該当するコンテキスト情報を提供してもよい(例えばディスプレイを介して)。コンテキスト情報は、例えば、領域、スケジュール、又は作業項目における他のプロセスエンティティに関係していることがある。一部の実施形態では、コンテキストIDデバイス198は、コンテキスト情報をUIデバイス112に伝送してもよい。別の実施形態では、UIデバイス112は、その場所をサーバ150に伝送することに応答してサーバ150からコンテキスト情報を受信してもよい。
【0211】
いくつかの実装では、UIデバイス112は、モーションセンサ又は音声センサを介してプロセスエンティティ199を識別してもよい。例えば、音声センサは、プロセスエンティティ199に関連する音声を取り込むのに用いられてもよい(例えば、音取り込みルーチンを介して)。音声は、プロセスエンティティの正常動作中にプロセスエンティティ199によって生成されてもよい。他の実装では、音声は、プロセスエンティティ199に関連する音声デバイスのスピーカによって生成されてもよい。いずれにしても、取り込まれた音声は、プロセスエンティティ199を識別するのに用いられてもよい。UIデバイス112はまた、プロセスエンティティ199を識別するためにモーションセンサを介して振動を検出してもよい。例えば、プラント資産は、動作中に振動の期待されるレベルを有することがある。ユーザはUIデバイス112をプラント資産上に又はその付近に配置してもよい。UIデバイス112は、資産に関連する現在の振動レベルを識別するのにモーションセンサによって検出されたデータを用いてもよい。UIデバイス112は、現在の振動レベルを、UIデバイス112がプロセスエンティティ199を識別することを可能にするプロセスエンティティ199に関連するシグネチャ振動と相互に関連付けてもよい。場合によっては、一意の識別子を識別するのに別の識別されたイメージ/音/振動/場所と併せてモーションセンサ及び/又は音声センサが用いられてもよい。例えば、プラント資産及びUIデバイス112の場所に関連する検出された振動レベルに基づいて、UIデバイス112は、UIデバイス112がプロセスエンティティ199を識別することを可能にする、プロセスエンティティ199に関連する特定のタグを識別してもよい。
【0212】
さらなる動作では、UIデバイス112は、1つ以上のGPS衛星2303から場所データを受信することによってそれ独自の場所を識別してもよい。その場所を識別した後で、UIデバイス112は、UIデバイス112の場所の近傍の場所でプロセスエンティティを識別するためにデータベース又はサーバと通信してもよい。UIデバイス112は、その場所をサーバ150に伝送してもよい。サーバ150は、コンテキスト情報をUIデバイス112に戻るように伝送してもよい。コンテキスト情報は、UIデバイス112に近接している1つ以上のプロセス領域、デバイス、又は機器に関係していてもよい。コンテキスト情報はまた、UIデバイス112の場所に該当するスケジュール又は作業項目に関係していてもよい。後述の図24図27は、本開示の種々の実施形態におけるコンテキストアウェアネスルーチンの動作を詳述する。
【0213】
図24は、モバイル制御室2400における例示的なコンテキスト-アウェアUIデバイス112のブロック図である。コンテキストアウェアモバイル制御室2400は、UIデバイス112がその使用環境及び様態に応答して出力を提供することを可能にしてもよい。コンテキストアウェアモバイル制御室2400は、コンテキスト識別(「コンテキストID」)デバイス2402、UIデバイス112、及びサーバ150を含んでもよい。UIデバイス112は、コンテキストデータ又はコンテキスト項目を識別するためにコンテキストIDデバイス2402と対話してもよい。特定の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、無線チャネル又は有線チャネル経由でUIデバイス112と通信してもよい。特定の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、プロセスパラメータデータ及び/又は表示データをUIデバイス112に伝送してもよい。コンテキストIDデバイス2402は、イメージ識別技術(例えばバーコード又はQRコード)、音声識別技術(固有のサウンドシグネチャを発する)、又はRFID、NFC、Bluetooth、又はWi-Fi(IEEE802.11規格)技術などの無線周波数技術を用いてもよい。UIデバイス112は、プロセス制御ネットワーク100などのネットワークを介してサーバ150と通信してもよい。別の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、UIデバイス112にあってもよく、デバイス(例えば、plcデバイス)は、コンテキストIDデバイス2402から信号を受信し、UIデバイス112の場所をサーバ150に報告してもよい。
【0214】
いずれにしても、サーバ150は、コンテキストデータ2410を格納してもよい。コンテキストデータは、ユーザプロフィールデータ1245(プラントでのユーザ/オペレータに関係する)、UIデバイスプロフィールデータ2414(プラントでの登録されたUIデバイスに関係する)、フィールドデバイスプロフィールデータ2416(プラントに設置されたデバイスに関係する)、機器プロフィールデータ2418(プラントに設置された機器に関係する)、スケジュールデータ2420(ユーザ及び機器/デバイスに関係する)、及び作業項目データ2422(プラントでのタスク又はジョブに関係する)を含んでもよい。一部の実施形態では、フィールドデバイスプロフィールデータ2416は、機器プロフィールデータ2418に含まれていてもよい。ユーザプロフィールデータ1245は、特定のユーザに関連するスキルレベル又は責務レベルを示す技能データを含んでもよい。作業項目データ2422は、タスクID(特定のタスクを識別する)、スキル閾値(タスクの作業に必要な最低スキルレベル又は任務/責務を識別する)、対象機器(タスクに関連する機器)、及び作業項目の進行(タスクの完了がどれだけ近いかを識別する)などのデータを含んでもよい。コンテキスト項目1245及び2414~2422のそれぞれは、場所又は領域(例えば、ユーザ、デバイス、機器、スケジュール、又は作業項目に関連する)、ステータス、関係するプロセスエンティティ、一意の識別子/タグ、及び/又は許可情報などの情報を含んでもよい。
【0215】
コンテキストIDデバイス2402の動作時に、コンテキストIDデバイス2402は、UIデバイス112がコンテキストIDデバイス2402の範囲に入るときにUIデバイス112で読み出され、走査され、又は他の方法で受信され得る一意の識別子又はタグを含んでもよい。コンテキストIDデバイス2402の範囲は、コンテキストIDデバイス2402の特定の実施形態に依存するが、数センチメートル以下の小ささ、1キロメートル以上の大きさ、又はその間の特定の距離であってもよい。一部の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、一意の識別子をUIデバイス112に伝送してもよい。他の事例では、コンテキストIDデバイス2402は、これがUIデバイス112によって受信及び/又は検索され得るように一意の識別子を表示するか、又は他の方法で提供してもよい。
【0216】
いずれにしても、UIデバイス112は、一意の識別子を受信し、一意の識別子をコンテキスト項目と相互に関連付けることによってUIデバイス112の環境における領域(すなわち、場所、地理上の領域、又は地域)、機器、デバイス、作業項目、又は利用可能スケジュールなどのコンテキスト項目を識別してもよい。例えば、UIデバイス112は、一意の識別子を特定のコンテキスト項目とペアにするデータベース、テーブル、又はデータ構造にアクセスしてもよい。こうしたデータベース又はテーブルは、UIデバイス112に、コンテキストID2402に、又はサーバ150に存在していてもよい。データベース又はテーブルがサーバ150に存在するとき、UIデバイス112は、一意の識別子をサーバ150に伝送してもよい。サーバ150は、一意の識別子に関連するコンテキスト項目を識別するためにデータベース、テーブル、又はいくつかの他のデータ構造にアクセスしてもよい。サーバ150は、コンテキスト項目を表すデータをUIデバイス112に伝送してもよい。
【0217】
UIデバイス112がコンテキスト項目を識別すると、UIデバイス112は、識別されたコンテキスト項目に該当する出力を提供してもよい。例えば、コンテキスト項目は、領域に関連する特定の領域、デバイス、機器、又はアラームを示してもよい。UIデバイス112は、ユーザがプロセス領域におけるプロセス条件について通知され得るように、特定のデバイス、機器、又はアラームに関する視覚表現、音、又は他の出力を生成してもよい。同様に、識別された1台の機器に関連する多数のデバイス又はアラームが存在していてもよい。UIデバイス112は、デバイスに関する情報又はデバイスに関連するアラームを提供してもよい(フィールドデバイスプロフィールデータ2416から)。同様に、コンテキスト項目は、UIデバイス112に機器に関係した情報を提供させてもよい(機器プロフィールデータ2418から)、スケジュール(スケジュールデータ2420から)、又は作業項目(作業項目データ2422から)。
【0218】
特定の実施形態では、プロセスプラントにおける1つ以上のプロセス制御デバイスは、コンテキストIDデバイス2402であってもよい。別の実施形態では、1つ以上のプロセス制御デバイスは、コンテキストIDデバイス2402を含んでいてもよく、近くのコンテキストIDデバイス2402に関連していてもよい。例えば、図1Aに示されるフィールドデバイス15~22及び/又は40~58のうちの1つ以上は、コンテキストIDデバイス2402であってもよく、これを含んでいてもよく、又はその近傍に位置してもよい(例えば、コンテキストIDデバイス2402は、フィールドデバイスのそれぞれに取り付けられ又はその近傍にあってもよく、又はフィールドデバイスは、フィールドデバイスがコンテキストIDデバイスとして機能することを可能にする内部回路を有していてもよい)。同様に、図1Aに示されるコントローラ11、ゲートウェイ35、UIデバイス112、I/Oカード26及び28、及びルータ58は、コンテキストIDデバイス2402であってもよく、これを含んでいてもよく、又はその近傍にあってもよい。こうした実施形態では、UIデバイス112は、UIデバイス112がプロセス制御デバイスのそれぞれに関連するコンテキスト項目(例えば場所又は機器ID)を受信することを可能にする、コンテキストIDデバイス2402のそれぞれに関連する一意の識別子を受信してもよい。
【0219】
コンテキストアウェアモバイル制御室2400の代替的実施形態では、UIデバイス112は、一意の識別子を含んでいてもよく又は提供してもよい。例えば、UIデバイス112は、固有の識別データを伝送するデバイス又はチップ上の固有の走査可能イメージを有していてもよい。別の例では、UIデバイス112のユーザは、類似のイメージ又はチップを含むバッジ、カード、又はいくつかの他の付属品を携行してもよい。こうした実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、一意の識別子を読み出し、走査し、又は他の方法で受信してもよい。コンテキストIDデバイス2402は、一意の識別子を特定のユーザ又はUIデバイス112と関連付けるように動作してもよい。コンテキストIDデバイス2402は、コンテキストIDデバイス2402に格納されるデータ構造にアクセスすることによって一意の識別子を特定のユーザ又はUIデバイスと関連付けてもよい。代替的に、コンテキストIDデバイス2402は、一意の識別子をサーバ150に伝送してもよく、この場合、サーバ150は、特定のユーザ又はUIデバイスを一意の識別子と関連付ける。
【0220】
いずれにしても、コンテキストIDデバイス2402がUIデバイス112又はユーザを識別すると、コンテキストIDデバイス2402は、該当するコンテキスト項目をUIデバイス112に伝送してもよい。代替的に、コンテキストIDデバイス2402は、ユーザ又はUIデバイス112がコンテキストIDデバイス2402の範囲に入ったことを1つ以上のノードに知らせるために、プロセス制御ネットワーク100などのネットワーク上の1つ以上のノードと通信してもよい。1つ以上のノードは、1つ以上のコンテキスト項目、UIデータ(例えば、表示データ、プロセスパラメータデータ)、又は他のどのようなデータをUIデバイス112に伝送してもよい。UIデバイス112は、受信したデータに基づいて動作するか、又は出力を提供してもよい。例えば、特定の実施形態では、UIデバイス112は、コンテキストIDデバイス2402から又はサーバ150から一意の識別子、コンテキスト項目、UIデータ、又は他のデータを受信することに応答して目標アプリケーションを立ち上げてもよい。目標アプリケーションは、例えば、ユーザにプロセスグラフィックス及び情報を提供することに特化されたアプリケーションであってもよい。目標アプリケーションは、例えば、電話又はタブレットデバイス上で動作可能なモバイルアプリケーションであってもよい。別の実施形態では、目標アプリケーションは、ブラウザルーチン888であってもよい。特定の場合には、ブラウザルーチン888は、受信した一意の識別子、コンテキスト項目、UIデータ、又は他のデータに関する特定のリソース又はリソース群に向けられてもよい。
【0221】
一部の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402は、許可システムの一部であってもよい。例えば、プロセスエンティティに関連する許可は、プロセスエンティティとのUIデバイス112の近接性に依存することがある。一部の実施形態では、UIデバイス112は、ユーザ又はUIデバイス112がプロセスエンティティに近接しているときにプロセスエンティティに関連するパラメータを修正するために許可又は認証を受信してもよい。UIデバイス112はまた、ユーザのスキルレベルが作業項目又はパラメータに関連する示されるスキル閾値を下回るときに、作業項目に従事することの許可を取り下げ、又はパラメータを修正してもよい。
【0222】
図25は、プロセスプラント10におけるモバイル制御室2500の別の実施形態のブロック図である。コンテキストアウェアモバイル制御室2500は、UIデバイス112がその使用環境及び様態に応答して出力を提供することを可能にしてもよい。モバイル制御室2500は、領域2505~2515及びタンク2520を含むプロセス制御ネットワーク100に通信可能に結合されるUIデバイス112を含んでもよい。UIデバイス112は、プロセス制御ネットワーク100に接続される。領域2505はコンテキストIDデバイス2402aを含み、領域2510はコンテキストIDデバイス2402bを含み、プロセス領域2515はコンテキストIDデバイス2402cを含み、タンク2520はコンテキストIDデバイス2402dを含む。
【0223】
一実施形態では、コンテキストIDデバイス2402aは、NFCデバイスである、又はこれを含む。UIデバイス112とコンテキストIDデバイス2402aは、一般に13.56MHZで動作し、ISO/IEC14443、ISO/IEC1809、NFCIP-1、NFCIP-2、及びJIS:X6319-fなどのNFC規格に従って動作してもよい。NFC技術は、UIデバイス112とコンテキストIDデバイス2402aとの間の無線トランザクション及びデータ交換を可能にする。NFC技術はまた、他の通信接続を自動的にブートストラップするのに用いられてもよい。このような実施形態では、コンテキストIDデバイス2402aは、命令をUIデバイス112に伝送してもよい。UIデバイス112は、UIデバイス112に別のネットワークに接続させる命令を受信及び実行してもよい。一部の実施形態では、他のネットワークは、他のノードを含むプロセス制御ネットワーク100などの広域ネットワークであってもよい。特定の実施形態では、他のネットワークは、UIデバイス112とコンテキストIDデバイス2402aとの間の接続であってもよい。例えば、他のネットワークは、無線アドホックネットワーク又はパーソナルエリアネットワーク(例えば、Bluetooth、IEEE802.15.1規格)であってもよい。いずれにしても、ネットワーク接続命令に加えて、コンテキストIDデバイス2402aは、UIデバイス112のユーザがネットワークを手動で設定し、認証情報を入力する必要なくUIデバイス112がネットワークへの接続を確立することを可能にする認証情報をUIデバイス112に伝送してもよい。
【0224】
コンテキストIDデバイス2402aのさらなる動作では、コンテキストIDデバイス2402aでのNFCタグ又はデバイスはまた、UIデバイス112で実行され得る他の命令を格納してもよい。例えば、命令は、1つ以上のアプリケーションを特定の様態で立ち上がらせ又は実行させてもよい。図示した実施形態では、命令は、UIデバイス112にUI(例えば、図8のUIルーチン882)又はブラウザ(例えば、図8のブラウザルーチン888)を立ち上げさせ、又はUI又はブラウザを特定の状態にさせてもよい。命令は、UIデバイス112に領域2505におけるデバイス及び機器に関する情報を提供するGUI構成を提供させてもよい。例えば、GUI構成は、プロセス領域2505のグラフィカルな全体像を伴うウィンドウを含んでもよい。
【0225】
コンテキストIDデバイス2402aのさらなる動作では、UIデバイス112は、NFC通信を介して又はNFC通信を介して認証情報を受信した後でUIデバイス112が接続されるネットワークを介して、コンテキストIDデバイス2402aから一意の識別子を受信してもよい。一意の識別子は、一般に領域2505を表すが、特定の実施形態では他のコンテキスト項目を表わしてもよい。UIデバイス112は、コンテキスト項目(例えば領域2505)を識別するのに一意の識別子を使用し、識別されたコンテキスト項目に従って動作するか、又は出力を提供してもよい(例えば、領域2505のグラフィカルな全体像を提供する)。代替的に、コンテキストIDデバイス2402aは、UIデバイス112から一意の識別子を受信し、UIデバイス112(又はそのユーザ)を識別して、コンテキストIDデバイス2402a又はプロセス制御ネットワーク100上の別のノードがコンテキストデータ又はUIデータなどのデータをUIデバイス112に伝送することを可能にしてもよい。UIデバイス112は、受信したデータに基づいて動作するか、又は出力を提供してもよい。
【0226】
コンテキストIDデバイス2402bの一実施形態では、コンテキストIDデバイス2402bは、RFIDタグである又はこれを含む。このような実施形態では、UIデバイス112はRFIDスキャナを含み、一意の識別子を得るのにRFIDスキャナを用いる。一意の識別子は、一般に領域2510を表すが、特定の実施形態では他のコンテキスト項目(例えば、特定のデバイス、機器、場所など)を表わしてもよい。UIデバイス112は、図24に関して説明した方法と一致する様態でコンテキスト項目を識別するのに一意の識別子を用いてもよい。代替的な実施形態では、コンテキストIDデバイス2402bは、RFIDスキャナであってもよく、UIデバイス112は、RFIDタグを含んでもよい。このような実施形態では、UIデバイス112がコンテキストIDデバイス2402bの範囲に入るとき(例えば、ユーザが領域2510に入るとき)に、コンテキストIDデバイス2402bはUIデバイス112を識別する。UIデバイス112を識別した後で、コンテキストIDデバイス2402bは、(例えば、プロセス制御ネットワーク100を用いて、パーソナルエリアネットワークなどの別のネットワークを用いて、又はディスプレイを用いて)UIデバイス112と通信し、コンテキスト情報をUIデバイス112に提供するのに一意の識別子を使用し得るUIデバイス112又はサーバ150に一意の識別子を伝送してもよい。UIデバイス112は、図24に関して説明した方法と一致する様態で領域2510を識別し、識別された領域2510に基づいて動作するか、又は出力を提供してもよい。別の実施形態では、コンテキストIDデバイス2402bは、コンテキスト項目(一意の識別子ではなく)をUIデバイス112に(例えばBluetoothなどの短距離無線ネットワーク通信を用いて)伝送してもよい。さらに別の実施形態では、ユーザは、RFIDタグを有するUIデバイス112の代わりに又はこれに加えてRFIDタグを有していてもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、RFIDスキャナとRFIDタグとの両方は、能動又は受動のいずれであってもよい。UIデバイス112は、受信したデータに基づいて動作するか、又は出力を提供してもよい。
【0227】
コンテキストIDデバイス2402cの実施形態の動作時に、コンテキストIDデバイス2402cは、プロセス領域2515をカバーする範囲のWi-Fiアクセスポイントであってもよい。UIデバイス112がプロセス領域2515に入るときに、コンテキストIDデバイス2402cは、UIデバイス112との通信を確立してもよい。コンテキストIDデバイス2402cは、MACアドレス又はデバイスタグなどの一意の識別子をUIデバイス112に伝送してもよい。一意の識別子は、一般に領域2515を表すが、特定の実施形態では他のコンテキスト項目を表わしてもよい。UIデバイス112は、図24に関して説明した方法と一致する様態でコンテキスト項目(例えば領域2515を表すデータ)を識別するために、及びコンテキスト項目に従って動作するか、又は出力を提供する(例えば、領域2515の視覚表現を提供する)ために一意の識別子を用いてもよい。例えば、MACアドレス又はデバイスタグを特定の領域とペアにするデータベースが、UIデバイス112によってアクセスされることが可能なUIデバイス112上に格納されてもよく、又はUIデバイス112と通信するノード上に格納されてもよい。代替的に、UIデバイス112は、UIデバイス112のMACアドレスなどの一意の識別子をコンテキストIDデバイス2402cに伝送してもよい。一意の識別子を受信した後で、コンテキストIDデバイス2402cは、UIデバイス112が一意の識別子と関連付けられることを判定するように動作してもよい。UIデバイス112は、受信したデータに基づいて動作するか、又は出力を提供してもよい。
【0228】
コンテキストIDデバイス2402dの一実施形態では、コンテキストIDデバイス2402dは、バーコードを含んでもよい。バーコードは、マトリクスバーコード(例えばQRコード)又は直線バーコード(例えばUPCバーコード)であってもよい。UIデバイス112は、カメラ又は専用のバーコードスキャナであり得るイメージセンサを含んでいてもよく、又はこれと通信してもよい。動作時に、UIデバイス112は、コンテキストIDデバイス2402dでバーコードを取り込むのにイメージセンサを用いてもよい。UIデバイス112は、バーコードにエンコードされるデータ(「バーコードデータ」)をデコードしてもよい。バーコードデータは、一般に、タンク2520(又はこれが取り付けられる他のどのようなプロセス制御デバイス又は機器)表す一意の識別子を含むが、一意の識別子は、特定の実施形態では他のコンテキスト項目を表わしてもよい。UIデバイス112は、図24に関して説明した方法と一致する様態でコンテキスト項目(例えばタンク2520を表すデータ)を識別するために及びコンテキスト項目に従って動作するか、又は出力を提供する(例えば、タンク2520の視覚表現を提供する)ために一意の識別子を用いてもよい。代替的実施形態では、バーコードは、ブラウザ又はUIが特定の情報を提供するようにブラウザ又はUIを立ち上げることなどの特定の行為をUIデバイス112にとらせるデータ又は命令を含んでもよい。特定の情報は、プロセスパラメータデータ、特定の項目(例えばタンク2520)のグラフィックス、又は特定のデバイスに関するアラームデータなどの多数のプロセスエンティティのいずれかに関係していてもよい。さらなる実施形態では、UIデバイス112又はUIデバイス112のユーザは、代替的に又は加えて、コンテキストIDデバイス2402dがUIデバイス112又はユーザを識別することを可能にする、コンテキストIDデバイス2402dによって取り込まれるバーコードを含んでもよい。UIデバイス112でのバーコードはまた、コンテキストIDデバイス2402dで実行される命令を提供してもよい。例えば、バーコードは、コンテキストIDデバイス2402dに、該当する情報をユーザ又はUIデバイス112に提供させてもよい。
【0229】
一部の実施形態では、UIデバイス112は、他の方法を用いて一意の識別子を識別してもよい。例えば、UIデバイス112は、一意の識別子を識別するのに音声センサを用いてもよく、この場合、一意の識別子は、プラント領域/資産に関連するサウンドシグネチャ(図24に関して示したように)である。サウンドシグネチャは、特定のプラント領域/資産が動作中に生じるノイズと関連付けられてもよい。代替的に、サウンドシグネチャは、資産に関連する音声出力デバイスによって生成される音声信号であってもよい。UIデバイス112はまた、一意の識別子を識別するのにモーションセンサを用いてもよい。一意の識別子は、プラント資産に関連する特定の振動レベルであってもよい。例えば、ユーザは、UIデバイス112をプラント資産上におき、UIデバイス112が振動レベルを検出することを可能にしてもよい。場合によっては、一意の識別子を識別するのに識別されたイメージ/音/場所と併せてモーションセンサが用いられてもよい。例えば、プラント資産及びUIデバイス112の場所に関連する検出された振動レベルに基づいて、UIデバイス112は、プラント資産に関連する特定のタグを識別してもよい。
【0230】
一部の実施形態では、UIデバイス112は、場所データを受信することによってその場所を識別してもよい。場所データは、プロセス制御ネットワーク100などのネットワークを介して受信されてもよい。代替的に、場所データは、UIデバイス112のネットワークインターフェースでのGPSレシーバを介して受信されてもよい。UIデバイス112は、UIデバイス112に近接しているプロセスエンティティを識別するために、その場所を他のプロセスエンティティの場所と比較してもよい。UIデバイス112は、その場所をサーバ150などのプロセスネットワーク100上のノードに伝送してもよい。一部の実施形態では、ノードは、コンテキスト情報をUIデバイス112に伝送することによって応答してもよい。別の実施形態では、UIデバイス112は、場所データをコンテキストIDデバイス2402に伝送してもよい。コンテキストIDデバイス2402は、受信した場所データに従ってコンテキストデータをUIデバイス112に伝送してもよい。
【0231】
UIデバイス112は、一部の実施形態では、UIデバイス112のリアルタイム場所データを提供するためにコンテキストIDデバイス2402と協働してもよい。モバイルオペレータが特定の環境を通ってモバイルUIデバイス112を携行する際に、UIデバイス112は、プロセスプラントにおけるUIデバイス112の現在の場所を判定するのにコンテキストIDデバイス2402から受信した(又はその結果として)場所情報を用いてもよく、該環境におけるモバイルオペレータの位置の現在のマップを表示してもよい。マップは、上から見たビューからの、又は三次元斜視ビューにおけるモバイルオペレータの位置を表示してもよい。もちろん、所望の又は予測されたルートはまた、モバイルUIデバイス112上に表示されてもよい。代替的に、UIデバイス112は、環境内のデバイスの配向及び位置を判定するのに1つ以上の加速度計を用いてもよく、環境の拡張現実ビューを表示するためにUIデバイス112上のイメージセンサと協働する。例えば、モバイルオペレータは、イメージセンサをプロセスプラントの領域に向けてもよく、UIデバイス112は、イメージの上に機器の図を表示してもよく、所望の1台の機器(例えば、現在の作業項目に関連する機器)へのルートを表示してもよく、プロセスプラントの領域に関連するパラメータ又は他のプロセスデータなどを表示してもよい。
【0232】
図26は、例示的なモバイル制御室2600の図である。モバイル制御室2600は、第1のUIデバイス2602a、第2のUIデバイス2602b、機器2610、及び機器2620を含んでもよい。第1のUIデバイス2602aは、機器2610を表わすグラフィック2615又は機器2610に関係した他のデータ(例えば、現在の動作パラメータ、セットポイント、アラーム、エラー、スケジュールされた保守、較正データなど)を提供するディスプレイを含んでもよい。第2のUIデバイス2602bは、機器2620を表わすグラフィック2625又は機器2620に関係した他のデータ(例えば、現在の動作パラメータ、セットポイント、アラーム、エラー、スケジュールされた保守、較正データなど)を提供するディスプレイを含んでもよい。機器2610は、第1のコンテキストIDデバイス2604aを含んでいてもよく、機器2620は、第2のコンテキストIDデバイス2604bを含んでもよい。
【0233】
動作時に、UIデバイス2602aを携行するオペレータは、コンテキストIDデバイス2604aの範囲内の領域に入ってもよい。UIデバイス2602aは、コンテキストIDデバイス2604aと通信するか、又はこれを走査して、UIデバイス2602aがコンテキストIDデバイス2604aからデータを受信できるようにすることがある。UIデバイス2602aは、受信したデータに応答して動作するか、又は出力を提供してもよい。図示した実施形態では、UIデバイス2602aは、機器2610を表わすグラフィック2615を提供してもよい。一部の実施形態では、UIデバイス2602aは、他のグラフィックス、プロセスパラメータ値、又はアラームなどの代替的な又は付加的な出力を提供してもよい。UIデバイス2602bを携行するオペレータは、コンテキストIDデバイス2604bの範囲に入って、機器2620を表わすグラフィック2625をUIデバイス2602bに提供させてもよい。
【0234】
図27は、グラフィカルユーザインターフェースを生成する例示的な方法2700を示すフローチャートである。方法2700は、UIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法2700は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815上に保存されてもよく、プロセッサ810によって実行されてもよい。
【0235】
方法2700は、外部デバイス又は識別子/タグを識別するUIデバイス112で始まる(ブロック2705)。識別子は、イメージ、音、又はバーコードであってもよい。識別子は、代替的に、NFCシステム又はRFIDシステムによる伝送に関連する固有のタグであってもよい。一部の実施形態では、識別子は、プロセス領域、デバイス、機器の一部、又は別のUIデバイス112などのプロセスエンティティに関連していてもよい。
【0236】
UIデバイス112は、識別された外部デバイス又は識別子に基づいてコンテキスト情報を受信してもよい(ブロック2710)。UIデバイス112は、一部の実施形態では識別された外部デバイス又は識別子からコンテキスト情報を受信してもよい。別の実施形態では、UIデバイス112は、識別子を表すデータをサーバ150に伝送することに応答してサーバ150からコンテキスト情報を受信してもよい。コンテキスト情報は、場所、機器、スケジュール、作業項目などのコンテキスト項目を表わしてもよい。
【0237】
UIデバイス112は、UIデバイス112のディスプレイで情報を提供してもよい(ブロック2715)。情報は、受信したコンテキスト情報に従って提供されてもよい。例えば、UIデバイス112は、受信した場所、識別した機器又はデバイス、受信したスケジュール、又は受信した作業項目に該当する情報を生成してもよい。
【0238】
ここで図28を参照すると、フローチャートは、UIデバイス112と共にプロセスプラント10を制御するための、UIデバイス112上で実行する例示的な方法2800を描いている。方法2800は、プロセス制御ネットワーク100などの1つ以上のネットワーク又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。特に、方法2800は、サーバ150などの1つ以上のデバイス又はシステムで又はUIデバイス112のいずれかなどの1つ以上のデバイス又はシステムですべて又は一部が実施されてもよい。方法2800は、命令、ルーチン、プログラム、又はモジュールのセットとしてメモリ815又はメモリ1203上に保存されてもよく、プロセッサ810又はプロセッサ1201によって実行されてもよい。
【0239】
方法は、データストレージ領域からの第1のデータに関する第1の要求をネットワークを介してサーバ150に伝送し得るUIデバイス112で始まる(ブロック2805)。データストレージ領域は、共通の形式を用いてプロセスプラントに対応するプロセスデータを格納するように構成された1つ以上のデバイスを含むユニット式の論理データストレージ領域であってもよい。プロセスデータは、構成データ、連続データ、バッチデータ、計測データ、及びイベントデータなどの複数のタイプのプロセスデータを含んでもよい。
【0240】
UIデバイス112は、サーバ150から、第1の要求に応答して、ストレージ領域からの第1のデータを受信してもよい(ブロック2810)。UIデバイス112は、サーバ150から受信した第1のデータを表示してもよい(ブロック2815)。
【0241】
UIデバイス112は、UIデバイス112が外部デバイスに近接しているという指標を受信してもよい(ブロック2820)。UIデバイス112は、外部デバイスの近接性を検出するように動作する通信回路を含んでもよい。通信回路は、近距離無線通信(NFC)回路、無線周波数識別(RFID回路、Bluetooth回路、IEEE802.11プロトコルに従って動作する回路、又はwireless HARTプロトコルに従って動作する回路を含んでもよい。場合によっては、UIデバイス112は、UIデバイス112が付加的なUIデバイス112に近接しているという指標を受信してもよい。
【0242】
UIデバイス112は、サーバ150に、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送してもよい(ブロック2825)。一部の実施形態では、第2の要求を伝送することは、サーバ150に、付加的なUIデバイス112の状態情報に関する要求を伝送することを含む。
【0243】
UIデバイス112は、サーバ150から、第2の要求に応答して、第2のデータを受信してもよい(ブロック2830)。一部の実施形態では、第2のデータは、付加的なUIデバイス112の要求された状態情報を表わしてもよい。こうした実施形態では、UIデバイス112はまた、受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示してもよい。プロセス制御データを表示することは、UIデバイス112の表示上に付加的なUIデバイス112の表示を複製することを含んでもよい。プロセス制御データを表示することは、UIデバイス112の表示上に、付加的なUIデバイス112上に表示されるデータを配置することを含んでもよい。
【0244】
別の実施形態では、近接性の指標を受信すること(ブロック1720)は、UIデバイス112がプロセス制御デバイスに近接しているという指標を受信することを含んでもよい。第2の要求を伝送すること(ブロック2825)は、サーバ150に、UIデバイス112がプロセス制御デバイスに近接しているという指標を伝送することを含んでもよい。こうした実施形態では、第2のデータを受信することは、プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することを含んでもよい(ブロック2830)。プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することは、プロセス制御デバイスに関連するアラーム、プロセス制御デバイスに関連する保守タスク、プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域の概略図、又はプロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータスのうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含んでもよい。
【0245】
一部の実施形態では、近接性の指標を受信すること(ブロック2820)は、モバイルデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を受信することを含んでもよい。こうした実施形態では、第2の要求を伝送すること(ブロック2825)は、サーバ150に、UIデバイス112がプラントの特定の領域にあるという指標を伝送することを含んでもよい。さらに、第2のデータを受信すること(ブロック2830)は、プロセスプラントの特定の領域に関係した第2のプロセス制御データを受信することを含んでもよい。特定の領域に関係したプロセス制御データを受信することは、プロセスプラントの特定の領域に関連するアラーム、プロセスプラントの特定の領域に関連する保守タスク、プロセスプラントの特定の領域の概略図、又は特定の領域に関連する1つ以上のプロセス制御デバイスのステータス、のうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含んでもよい。
【0246】
特定の実施形態では、UIデバイス112は、サーバ150と通信する状態でなくてもよいが、特定の領域における機器と通信する状態であってもよい。例えば、UIデバイス112は、プロセスプラントの領域における特定の1台のプロセス機器に近接していてもよく、プロセスプラントの領域における1つ以上のデバイス(サーバ150ではない)と直接又は中間デバイスを介して(例えば、無線ネットワークの一部であるルータ又は他のアクセスポイントを介して)通信することができることがある。これは、例えば、サーバ150が利用可能でない場合、又はプロセスプラントの領域がサーバ150から物理的に又は論理的に分離される場合にあてはまることがある。いずれにしても、UIデバイス112は、プロセスプラントの領域におけるデバイスにデータ又は要求を直接伝送する、及び/又はデータを直接受信してもよい。例えば、UIデバイス112は、ネットワークを介してデータに関する要求を(サーバ150にではなく)別のデバイスに直接伝送することができ、要求に応答してデバイスからデータを受信することができ、受信したデータを表示することができ、UIデバイス112が外部デバイスに隣接するという指標を受信することなどができる。
【0247】
プロセスプラントのモバイル制御を容易にする方法2900を示すフローチャートが図29で提供される。方法2900は、モバイルユーザインターフェースデバイスを実装すること(ブロック2905)、及びモバイルユーザインターフェースデバイスにおいてモバイルデバイスの場所に関する情報を生成することができる場所アウェアネスコンポーネントを提供すること(ブロック2910)を含む。方法2900はまた、プロセスプラントのレイアウト情報を格納するデータベースを提供すること(ブロック2915)、及びモバイルユーザインターフェースデバイス上で第1のルーチンを実施すること(ブロック2920)を含む。第1のルーチンは、モバイルユーザインターフェースデバイスの場所とプロセスプラントのレイアウトとの間の関係性を判定するために、データベースに格納される情報に従って場所アウェアネスコンポーネントによって生成される情報を解釈するように動作可能であってもよい。モバイルユーザインターフェースデバイスはまた、モバイルデバイスの場所とプロセスプラントのレイアウトとの間の判定された関係性に従ってディスプレイ上に描画するためのグラフィックを生成するように動作可能な第2のルーチンを実施してもよい(ブロック2925)。一部の実施形態では、レイアウト情報を格納するデータベースを提供することは、オーバーヘッドの視点からのレイアウト情報を格納するデータベースを提供することを含んでいてもよく、又は、アイレベルの視点からのレイアウト情報を格納するデータベースを提供することを含んでもよい。レイアウト情報は、各プロセスデバイスに関して、デバイスタグ、デバイス視覚化(例えば、それぞれがモバイルユーザインターフェースデバイスのタイプ又はモバイルユーザインターフェースデバイスのディスプレイタイプに対応する1つ以上の視覚化)、デバイスの場所、及びデバイス接続情報を含んでもよい。場所アウェアコンポーネントは、例えば、GPSレシーバ、RFIDリーダ、RFIDタグ、及びモバイルユーザインターフェースデバイスとデータをモバイルユーザインターフェースデバイスに提供するサーバとの間の通信チャネル、アンカーポイントに対するモバイルユーザインターフェースデバイスの移動及び位置を判定するように動作可能な複数のセンサ(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)などであってもよい。第2のルーチンを実施することは、一部の実施形態では、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセスプラント内で動く際にプロセスプラント内のモバイルユーザインターフェースデバイスの場所のリアルタイムグラフィックを生成するように動作可能なルーチンを実施することを含む。モバイルユーザインターフェースデバイスの場所のリアルタイムグラフィックを生成することは、オーバーヘッドの視点からのモバイルユーザインターフェースデバイスの場所をディスプレイ上に描画すること、又はアイレベルの視点からの三次元のモバイルユーザインターフェースデバイスの場所をディスプレイ上に描画することを含んでもよい。
【0248】
これまでに明らかであろうように、UIデバイス112、及び一部の実施形態では制御ネットワーク100は、重要なのは、プロセスプラント10におけるUIデバイス112のうちの1つ以上の場所を含む、種々のコンテキスト情報のアウェアであることがある。制御ネットワーク100(サーバ150を含む)又はUIデバイス112がデバイスの場所を判定するための種々の方法が説明されている。例えば、UIデバイス112は、UIデバイス112の場所を判定するためにコンテキストIDデバイス2402及び/又はサーバ150と協働してもよい。UIデバイス112はまた、一般に理解されるようにGPS衛星から信号を受信することによってUIデバイス112がその場所を判定することを可能にするGPSレシーバ832を含んでもよい。一部の実施形態では、しかしながら、UIデバイス112のうちの1つ以上はまた、慣性測位システム(IPS)834を含んでもよい。IPS834は、個別のコンポーネント又は集積回路の形態をとっていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、IPS834は、高精度クロック回路、3つの加速度計(x軸、y軸、及びz軸のそれぞれに1つ)、及び3つのジャイロスコープ(x軸、y軸、及びz軸のそれぞれに1つ)を含む集積回路である。一部の実施形態では、IPS834はまた、コンパス又は磁力計を含む。
【0249】
いずれにしても、IPS834は、それが存在するUIデバイス112の移動及び配向を検出し、デバイスが動いている又は動いた距離及び方向に関する情報を提供するように動作してもよい。UIデバイス112の検出された移動及び配向についての情報を、UIデバイス112の最初の位置(「アンカーポイント」)を示す別の情報源と組み合わせることによって、UIデバイス112が、任意の連続する情報源と関係なくその位置を判定することができる。例えば、オペレータによって携行されるUIデバイス112は、GPSレシーバを有していてもよく、オペレータが屋外環境を通って屋内環境の方に動く際にUIデバイス112の位置を追跡してもよい。オペレータが屋外環境と屋内環境との間の境界を横切る際に、UIデバイス112、特に、GPSレシーバ832は、おそらくGPS信号を失うであろう。UIデバイス112は、GPSレシーバ832を用いて判定されたUIデバイス112の最後の既知の場所をアンカーポイントとして用いてもよい。アンカーポイントから、UIデバイス112は、UIデバイス112が屋内環境において動いた距離及び方向を判定してもよい。この情報を用いて、UIデバイス112、UIデバイス112上で動作するルーチン、及び潜在的に他のデバイス(例えば、サーバ150、スーパーバイザエンジン106など)は、UIデバイス112の位置を追跡し続けてもよい。UIデバイス112は、屋内環境におけるオペレータの位置の描画をオペレータに提供し続けてもよく、オペレータに特定のプラント資産(例えば、機器の特定の一部)へのナビゲーション指示を提供してもよく、プラント内のオペレータの場所に基づいて行為をとる又は推奨するなどしてもよい。
【0250】
GPSレシーバ832は、IPS834と組み合わせて用いられるアンカーポイントを提供することができる唯一の情報源ではないことに注目される。コンテキストIDデバイス2402のいずれかはまた、アンカーポイントを判定するためにUIデバイス112と協働してもよい。例えば、オペレータが屋外環境と屋内環境との間の境界を横切る際に、敷居でのコンテキストIDデバイス2402(例えば、ドアフレーム上のNFCデバイス)は、UIデバイス112の位置を確立し、アンカーポイントを提供するために、UIデバイス112と通信してもよい。別の例として、オペレータは、アンカーポイントを提供するために、プロセスプラントにおける任意の既知の固定位置(例えば、プロセスデバイス上、特定のプラント領域の近くなど)でのコンテキストIDデバイス2402(例えば、RFIDタグ、NFCチップ、バーコードなど)を走査するか、又は他の方法でこれと相互作用するのにUIデバイス112を用いてもよい。
【0251】
UIデバイス112は、プロセスプラント又は他の環境におけるUIデバイス112の場所をUIデバイス112のディスプレイ上に描画するために、IPS834によって提供されるアンカーポイント及び情報を用いてもよい。一部の実施形態では、これは、プロセスプラントのフロアプラン上の場所を描画すること、プロセスプラントの3Dマップ上の場所を描画すること、プロセスプラントの概略図上の場所を描画することなどを含む。代替的に又は加えて、UIデバイス112は、オペレータをプロセスプラントにおける所望の場所に(例えば、割り当てられた作業項目に関連する場所に、選択された場所に、エラー又はアラームに関連するデバイスなどに)誘導するためにナビゲーション情報を提供してもよい。一部の実施形態では、UIデバイス112は、オペレータをプラント環境における他の人員に案内するためにナビゲーション情報又は位置情報を提供してもよい。これは、例えば、負傷した人員又はタスクに伴う支援を要求する人員の場所を突き止めようとするときに有用な場合がある。
【0252】
場所データを有する各UIデバイス112、GPSデータ、IPSデータ、又はコンテキストIDデバイス2402との共同のいずれによって提供されようとも、UIデバイス112の場所を、制御システム、特に、サーバ150及び/又はスーパーバイザエンジン106に提供してもよい。一部の実施形態では、特定の領域におけるUIデバイス112の存在は、サーバ150、スーパーバイザエンジン106、又はUIデバイス112に、UIデバイス112の1つ以上の特徴を使用不可にさせてもよい。例えば、マイクロフォン842及び/又はカメラ844は、UIデバイス112がオペレータのプライバシーが重要であることがある領域(例えば、手洗所)又はセキュリティの考慮事項がそれを必要とする領域にあるときに使用不可にされてもよい。
【0253】
同様に、プロセスプラントの種々の制御態様は、一部の実施形態では、領域における人員の存在によって変更されてもよい。例えば、特定の安全システムは、人員が領域に存在しないときの第1の閾値、及び人員が領域に存在するときの第2のより保守的な閾値を有していてもよい。このように、人員の安全性が改善されることがある。
【0254】
図30は、プロセス制御環境内のモバイルデバイスの位置を判定する方法3000を示すフローチャートである。方法3000は、プロセスプラント内のアンカー位置を取得すること(ブロック3005)、及び取得したデータに従ってアンカー位置を判定すること(ブロック3010)を含む。方法はまた、モバイルデバイスの回路からモバイルデバイスの加速度及び配向を示すデータを受信すること(ブロック3015)、及び受信したデータ及びアンカー位置に従ってモバイルデバイスの位置を判定すること(ブロック3020)を含む。一部の実施形態では、アンカー位置を示すデータを取得することは、GPS、GLONASS、又は他のどのような衛星位置システムなどの全地球衛星測位システムを用いてモバイルデバイスの位置を判定することを含む。アンカー位置を示すデータを取得することは、一部の実施形態ではイメージ(例えば、バーコードのイメージ、プロセスプラントの一部のイメージなど)を取得することを含む。プロセスプラントの一部のイメージが取得される場合、例えば、取り込まれるイメージは、位置が判定された(geolocated)イメージ(すなわち、対応する物理的場所に関連するイメージ)のデータベースと比較されてもよい。アンカー位置を示すデータはまた、IEEE802.11仕様に準拠する信号、RFIDデバイスからデータを取得する信号、Bluetooth接続を確立する信号、又は近距離無線通信セッションを確立する信号などの1つ以上の無線信号のデータを含むことができることがある。アンカー位置を示すデータを取得することはまた、モバイルデバイスの近くのプロセス制御デバイスを確認すること、及びプロセス制御デバイスの位置に関連する情報をメモリから(又はリモートデータベースから)受信すること又は検索することを含むことができることがある。
【0255】
モバイルデバイスの加速度及び配向を示すデータを受信することは、1つ以上の加速度計から及び1つ以上のジャイロスコープからデータを受信すること、磁力計からデータを受信すること、慣性計測装置からデータを受信すること、及び/又は種々の実施形態において3つの加速度計及び3つのジャイロスコープを含むデバイスからデータを受信することを含む。一部の実施形態では、方法はまた、モバイルデバイスの判定された位置に少なくとも部分的に基づいてモバイルデバイスのアプリケーションを立ち上げることを含み、アプリケーションは、プロセスプラントの動作を修正するように動作可能である。
【0256】
図31を参照すると、フローチャートは、プロセス制御環境におけるモバイルデバイスのコンテキスト動作のための方法3100を描いている。方法は、プロセス制御環境におけるプロセスエンティティを識別するために情報をモバイルデバイスで取得することを含む(ブロック3105)。プロセスエンティティは、プロセスプラントの領域、プロセス制御デバイス、コントローラなど含むがこれに限らない、プロセスプラントにおける任意のプロセスエンティティとすることができる。方法はまた、プロセスエンティティに関連する作業項目データをモバイルデバイスで識別することを含む(ブロック3110)。作業項目データは、プロセスエンティティに関連する目標機能に関する情報を含む。モバイルデバイスでのイベントは、取得した情報及び識別した作業項目データに応答してプロセスエンティティに関連する目標機能の実装を容易にするために自動的にトリガされる(ブロック3115)。目標機能は、プロセスエンティティに関連するスケジュールされたタスクであってもよい。一部の実施形態では、モバイルデバイスでのトリガイベントは、スケジュールされたタスクを実行することに該当する命令をモバイルデバイスに提供させること、安全情報(例えば、プロセス制御デバイスにおける材料、プロセス制御デバイスが非アクティブにされている及び/又はロックアウトされているかどうか、残留物が検出されるかどうかなど)をモバイルデバイスに表示させること、スケジュールされたタスクを実行するためのアプリケーションをモバイルデバイスに立ち上げさせること、又はスケジュールされたタスクを実施するためのインターフェースをモバイルデバイスに提供させることのうちの少なくとも1つを含む。目標機能は、一部の実施形態では、プロセスエンティティに関連する許可検証機能であってもよい。自動的にトリガされるイベントは、モバイルデバイスを動作させるユーザに関連するユーザIDを識別すること、プロセスエンティティに関連する許可トークンを識別すること、ユーザID及び許可トークンに基づいて許可レベルを判定すること、及び許可レベルによって示される程度にプロセスエンティティに関連するパラメータを修正するためのインターフェースを提供することであってもよい。許可レベルは、プロセス制御エンティティに関連するパラメータの修正を許される程度を示してもよい。プロセスエンティティに関連する目標機能はまた、アラーム検査機能とすることができることがあり、イベントをトリガすることは、アラームを識別すること及びアラームの指標を提供することを含むことができることがある。目標機能は、場所判定機能とすることができることがあり、自動的にトリガされるイベントは、プロセス制御エンティティに関連する場所の判定及びプロセス制御環境内のプロセスエンティティの場所を表示するマップグラフィックの提供とすることができることがある。一部の実施形態では、プロセスエンティティを識別するために情報を取得することは、プロセス制御環境におけるプロセスエンティティに該当する固定された空間的関係を有する、及び一意の識別子を備える1つ以上の対応する識別デバイスから1つ以上のデータタグを取得することを含む。一部の実施形態では、コンテキスト識別デバイスはバーコードであり、タグデータを取得することは、バーコードのイメージを取り込むこと、及びタグデータを識別するためにバーコードを解析することを含む。コンテキスト識別デバイスは無線送信器であってもよく、タグデータを取得することは、無線送信器によって放出され、タグデータを搬送する無線周波数信号を検出することを含んでもよい。無線送信器は、短波長無線伝送を伝送するNFCデバイス、RFIDデバイス、又はパーソナルエリアネットワークデバイスであってもよい。プロセス制御環境におけるプロセスエンティティを識別するために情報を取得することは、一部の実施形態ではプロセスエンティティに関連するイメージを一意に取り込むことを含む。情報を取得することはまた、音声信号を取り込むこと及び音声信号がプロセスエンティティに相互に関連することを判定することを含んでもよい。同様に、情報を取得することは、プロセスエンティティに関連する移動パターンを検出することを含んでもよい。
【0257】
物理的現象の解析
UIデバイス112は、物理的現象に関係したデータを解析するために、一部の実施形態ではエキスパートシステム104及びビッグデータ装置102と協働してもよい。解析され得る物理的現象は、可視及び非可視スペクトルの光に関係した現象(例えば、可視及び赤外スペクトルにおける炎の色)、及び可聴、可聴以下、及び可聴以上の範囲(例えば、音及び他の振動)の振動に関係した現象を含む(限定ではない)。カメラ、加速度計、マイクロフォン、又は他の機器を備えた人員携行型UIデバイス112は、物理的現象に関係したデータを取り込む及び/又は記録するのに用いられてもよい。カメラは、例えば、可視又は、特定の実施形態では赤外又は他のスペクトルにおけるイメージを感知及び記録してもよい。マイクロフォンは、空気によって伝えられる可聴、可聴以下、及び/又は可聴以上の振動を感知及び/又は記録してもよい。加速度計は、UIデバイス112が1台の機器に接触して置かれるときに振動を感知及び/又は記録してもよい。これらのタイプのデータのいずれか及び/又はすべては、ビッグデータ装置102におけるデータを解析及び/又は比較するためにUIデバイス112からエキスパートシステム104に送信されてもよい。
【0258】
プロセスプラントにおける物理的現象を解析する方法3200が図32に描かれる。方法3200は、モバイルデバイスにおいて、プロセスプラントにおける物理的現象を検出することを含む(ブロック3205)。物理的現象を検出することは、種々の実施形態において情景を検出すること、音を検出すること、及び/又は振動を検出することを含んでもよい。限定ではない単なる例として、物理的現象を検出することは、種々の実施形態において、炎を含む情景、燃焼チャンバに関連する音、流体の移動に関連する音、スタック頂部のイメージ又はビデオ、及び/又は回転要素に関連する振動を検出することを含んでもよい。
【0259】
方法3200はまた、モバイルデバイスにおいて、検出された物理的現象を、物理的現象を表すデジタルデータに変換することを含む(ブロック3210)。すなわち、検出された物理的現象(情景、音、振動など)を取得し、これを、例えば、検出された振動のデジタルイメージ、デジタルビデオ、デジタル音ファイル、又はデジタル表現の形態のデジタルデータに変換する。さらに、方法3200は、デジタルデータをエキスパートシステムに伝送すること(ブロック3215)、及び1つ以上のプロセス要素の状態を判定するためにエキスパートシステムにおけるデジタルデータを解析すること(ブロック3220)を含む。単なる例として、検出される物理的現象が炎の情景である場合、データを解析することは、炎の1つ以上の部分に関連する色を解析すること、炎の形状を解析すること、及び/又は炎の動きを解析することを含んでいてもよく、検出される物理的現象が流体の移動に関連する音又は振動である場合、データを解析することは、流体の動きに関連するキャビテーションを検出することを含んでいてもよく、検出される物理的現象がスタック頂部の情景である場合、データを解析することは、放出された煙の色又は体積を解析することを含んでもよい。
【0260】
方法3200はまた、種々の実施形態において、1つ以上のプロセス要素に関連する異常な条件を検出すること、デジタルデータから異常な条件の原因を判定すること、異常な条件を正すために1つ以上のプロセス制御パラメータの変更を自動的に開始すること、異常な条件を正す行為を人員にとらせるために作業項目を自動的に作成すること、異常な条件を解決するために是正措置がとられるべきであるという指標をオペレータに提供すること、及び/又は炎又は燃焼チャンバに関連する燃料組成を判定することを含んでもよい。
【0261】
以下の付加的な考慮事項は上記の説明にあてはまる。本明細書の全体を通して、サーバ150、UIデバイス112、又は他のどのようなデバイス又はルーチンによって行われるように説明される行為は、一般に、機械可読命令に従ってデータを操作又は変換するプロセッサの行為又はプロセスを指す。機械可読命令は、プロセッサに通信可能に結合されるメモリデバイス上に格納され、そこから検索されてもよい。すなわち、本明細書に記載の方法は、コンピュータ可読媒体上(すなわち、メモリデバイス上)に格納される機械で実行可能な命令セットによって具体化されてもよい。命令は、対応するデバイス(例えば、サーバ、モバイルデバイスなど)の1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに方法を実行させる。命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、及び/又はアプリケーションがコンピュータ可読メモリ上又はコンピュータ可読媒体上に格納される又は保存されることが本明細書で言及される場合、「格納される」及び「保存される」という言葉は、一時的な信号を除外することを意図される。
【0262】
ユーザインターフェースデバイスは、本明細書では「UIデバイス」及び「モバイルUIデバイス」として交換可能に言及される。ほとんどの場合、これらのデバイスは単純に「UIデバイス」として言及されるが、特定の説明では、それを示すために「モバイル」という用語が付加され、特定の例示的な使用では、UIデバイスは、モバイルUIデバイスであることがある。本明細書に記載の概念はプロセスプラント環境で用いることができる任意のすべてのUIデバイスに当てはまることがあるので、「モバイル」という用語の使用又は欠如は、限定するものと考えられるべきではない。
【0263】
本明細書での例の多くは情報を表示するブラウザを言及するが、各例は、情報を提供するためにサーバと通信するネイティブアプリケーションの使用を考慮している。ネイティブアプリケーションは、任意のモバイルプラットフォーム、任意のワークステーションオペレーティングシステム、又はモバイルプラットフォーム及び/又はワークステーションオペレーティングシステム及び/又はウェブブラウザの任意の組み合わせに向けて設計されてもよい。例えば、モバイルUIデバイスは、Android(商標)プラットフォーム上で実行してもよく、一方、協働する据置型UIデバイス(例えば、ワークステーション)は、Windows(登録商標)7プラットフォーム上で実行してもよい。
【0264】
さらに、「オペレータ」、「人員」、「人」、「ユーザ」、「技術者」、及び同様の他の用語は、本明細書に記載のシステム、装置、及び方法を使用し得る又はこれらと対話し得る、プロセスプラント環境における人を説明するのに用いられるが、これらの用語は、限定となることを意図されない。上記の説明から分かるように、本明細書に記載のシステム、装置、及び方法は、プロセス制御システムの伝統的な境界からプラント人員を特定の程度自由にする利点又は効果を有することがある。すなわち、オペレータは、伝統的に技術者によって従事されるいくつかのアクティビティを引き受けてもよく、技術者は、伝統的にオペレータに留保されるアクティビティなどに参加してもよい。説明に特定の用語が用いられる場合、該用語は、一部、プラント人員が従事する伝統的なアクティビティのために用いられるが、該特定のアクティビティに従事することができることがある人員を制限することを意図されない。
【0265】
加えて、本明細書の全体を通して、複数形のインスタンスは、単一のインスタンスとして説明されるコンポーネント、動作、又は構造を実装してもよい。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として例証及び説明されるが、個々の動作のうちの1つ以上は、同時に行われてもよく、動作が例証される順に行われる必要はない。例示的な構成の別個のコンポーネントとして提示される構造及び機能性は、組み合わされた構造又はコンポーネントとして実装されてもよい。同様に、単一のコンポーネントとして提示される構造及び機能性は、別個のコンポーネントとして実装されてもよい。これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内に入る。
【0266】
特にそれ以外の指定のない限り、「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「判定する」、「識別する」、「提示する」、「表示する」などの言葉を用いる本明細書での説明は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はこれらの組み合わせ)、レジスタ、又は情報を受信する、格納する、伝送する、又は表示する他の機械コンポーネント内の物理的(例えば、電子、磁気、又は光学)量として表わされるデータを操作又は変換する機械(例えば、コンピュータ)の行為又はプロセスを指すことがある。
【0267】
ソフトウェアにおいて実装されるときに、本明細書に記載のアプリケーション、サービス、及びエンジンのいずれかは、任意の有形の非一時的コンピュータ可読メモリに、例えば、磁気ディスク、レーザディスク、ソリッドステートメモリデバイス、モレキュラーメモリストレージデバイス、又は他の記憶媒体上に、コンピュータ又はプロセッサのRAM又はROMなどに格納されてもよい。本明細書で開示される例示的なシステムは、他のコンポーネントのうち、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアを含むものとして開示されるが、こうしたシステムは単なる例証であり、限定するものとして考えられるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアコンポーネントのいずれか又はすべては、ハードウェアにおいて排他的に、ソフトウェアにおいて排他的に、又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせにおいて具体化することができることがあることが考慮される。したがって、当業者は、提供される例はこうしたシステムを実装する唯一のものではないことを容易に理解するであろう。
【0268】
したがって、本発明は、単なる例示となることを意図され本発明の限定となることを意図されない、具体例を参照して説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく開示された実施形態に変更、追加、又は削除がなされ得ることが当業者には明らかであろう。
【0269】
付記項
本開示の以下の付記項は、単なる例示であって、本開示の範囲を限定することを意図されない。
【0270】
付記項1.プロセスプラントを制御するためのモバイルユーザインターフェースデバイスであって、ネットワークに通信可能に結合されるプロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されるメモリと、プロセッサに通信可能に結合されるディスプレイと、モバイルユーザインターフェースデバイスと外部デバイスとの近接性を検出するように動作可能な通信回路と、メモリデバイス上に格納され、プロセッサに、ネットワークを介して第1のデータに関する第1の要求を伝送させ、第1の要求に応答してネットワークを介して第1のデータを受信させ、受信した第1のデータをディスプレイに表示させ、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させ、受信した指標に従ってネットワークを介して第2のデータに関する第2の要求を伝送させ、第2の要求に応答してネットワークを介して第2のデータを受信させる、プロセッサによって実行可能な1つ以上のルーチンを備えるモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0271】
付記項2.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルユーザインターフェースデバイスが付加的なユーザインターフェースデバイスに近接しているという指標を受信することを含む、付記1に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0272】
付記項3.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、付加的なユーザインターフェースデバイスの状態情報に関する要求をサーバに伝送することを含み、第2のデータを受信することが、付加的なユーザインターフェースデバイスの要求された状態情報をサーバから受信することを含む、付記1又は付記2のいずれかに記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0273】
付記項4.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってサーバのストレージ領域からプロセス制御データを表示することをさらに含み、サーバが、共通の形式を用いて、構成データ、計測データ、バッチデータ、連続データ、及びイベントデータから選択される複数のタイプのプロセスデータを含む、プロセスプラントに対応するプロセスデータを格納するように構成された、1つ以上のデータストレージデバイスを含むユニット式の論理データストレージ領域に通信可能に結合される、付記1~付記3のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0274】
付記項5.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示することが、モバイルユーザインターフェースデバイスの表示上に付加的なユーザインターフェースデバイスの表示を複製することを含む、付記4に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0275】
付記項6.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示することが、モバイルユーザインターフェースデバイスの表示上に、付加的なユーザインターフェースデバイス上に表示されるデータを配置することを含む、付記4又は付記5のいずれかに記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0276】
付記項7.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標を受信することを含む、付記1~付記6のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0277】
付記項8.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標を伝送することを含み、第2のデータを受信することが、プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することを含む、付記1~付記7のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0278】
付記項9.プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することが、(a)プロセス制御デバイスに関連するアラーム、(b)プロセス制御デバイスに関連する保守タスク、(c)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域の概略図、又は(d)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータス、のうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含む、付記1~付記8のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0279】
付記項10.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を受信することを含む、付記1~付記9のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0280】
付記項11.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を伝送することを含み、第2のデータを受信することが、プロセスプラントの特定の領域に関係したプロセス制御データを受信することを含む、付記1~付記10のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0281】
付記項12.プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することが、(a)プロセスプラントの特定の領域に関連するアラーム、(b)プロセスプラントの特定の領域に関連する保守タスク、(c)プロセスプラントの特定の領域の概略図、又は(d)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータス、のうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含む、付記1~付記11のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0282】
付記項13.通信回路が近距離無線通信(NFC)回路を含む、付記1~付記12のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0283】
付記項14.通信回路が無線周波数識別(RFID)回路を含む、付記1~付記13のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0284】
付記項15.通信回路がBluetooth回路を含む、付記1~付記14のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0285】
付記項16.通信回路がIEEE802.11プロトコルに従って動作する回路を含む、付記1~付記15のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0286】
付記項17.通信回路がwireless HARTプロトコルに従って動作する回路を含む、付記1~付記16のいずれか1項に記載のモバイルユーザインターフェースデバイス。
【0287】
付記項18.プロセスプラントのためのモバイルユーザインターフェースデバイスによって行われる方法であって、データストレージ領域からネットワークを介して第1のデータに関する第1の要求を伝送することと、第1の要求に応答してストレージ領域から第1のデータを受信することと、受信した第1のデータをモバイルユーザインターフェースデバイスのディスプレイに表示させることと、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させることと、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することと、第2の要求に応答して第2のデータを受信することと、を含む方法。
【0288】
付記項19.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルユーザインターフェースデバイスが付加的なユーザインターフェースデバイスに近接しているという指標を受信することを含む、付記18に記載の方法。
【0289】
付記項20.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、付加的なユーザインターフェースデバイスの状態情報に関する要求をサーバに伝送することを含み、第2のデータを受信することが、付加的なユーザインターフェースデバイスの要求された状態情報をサーバから受信することを含む、付記18又は付記19のいずれかに記載の方法。
【0290】
付記項21.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示することをさらに含む、付記18~付記20のいずれか1項に記載の方法。
【0291】
付記項22.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示することが、モバイルユーザインターフェース制御デバイスの表示上に付加的なユーザインターフェースデバイスの表示を複製することを含む、付記18~付記21のいずれか1項に記載の方法。
【0292】
付記項23.付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からプロセス制御データを表示することが、モバイルユーザインターフェースデバイスの表示上に、付加的なユーザインターフェースデバイス上に表示されるデータを配置することを含む、付記18~付記22のいずれか1項に記載の方法。
【0293】
付記項24.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標を受信することを含む、付記18~付記23のいずれか1項に記載の方法。
【0294】
付記項25.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標を伝送することを含み、第2のデータを受信することが、プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することを含む、付記18~付記24のいずれか1項に記載の方法。
【0295】
付記項26.プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することが、(a)プロセス制御デバイスに関連するアラーム、(b)プロセス制御デバイスに関連する保守タスク、(c)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域の概略図、又は(d)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータス、のうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含む、付記18~付記25のいずれか1項に記載の方法。
【0296】
付記項27.モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を受信することを含む、付記18~付記26のいずれか1項に記載の方法。
【0297】
付記項28.受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求を伝送することが、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を伝送することを含み、第2のデータを受信することが、プロセスプラントの特定の領域に関係したプロセス制御データを受信することを含む、付記18~付記27のいずれか1項に記載の方法。
【0298】
付記項29.プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信することが、(a)プロセスプラントの特定の領域に関連するアラーム、(b)プロセスプラントの特定の領域に関連する保守タスク、(c)プロセスプラントの特定の領域の概略図、又は(d)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータス、のうちの1つ以上のデータを受信すること及び表示することを含む、付記18~付記28のいずれか1項に記載の方法。
【0299】
付記項30.通信回路が近距離無線通信(NFC)回路を含む、付記18~付記29のいずれか1項に記載の方法。
【0300】
付記項31.通信回路が無線周波数識別(RFID)回路を含む、付記18~付記30のいずれか1項に記載の方法。
【0301】
付記項32.通信回路がBluetooth回路を含む、付記18~付記31のいずれか1項に記載の方法。
【0302】
付記項33.通信回路がIEEE802.11プロトコルに従って動作する回路を含む、付記18~付記32のいずれか1項に記載の方法。
【0303】
付記項34.通信回路がwireless HARTプロトコルに従って動作する回路を含む、付記18~付記33のいずれか1項に記載の方法。
【0304】
付記項35.プロセスプラントを制御するためのモバイルユーザインターフェースデバイスにおけるプロセッサによって実行可能な命令を格納するコンピュータ可読媒体であって、命令が、プロセッサに、データストレージ領域からの第1のデータに関する第1の要求をサーバに伝送させ、第1の要求に応答してストレージ領域からの第1のデータをサーバから受信させ、サーバから受信した第1のデータをディスプレイに表示させ、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させ、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求をサーバに伝送させ、第2の要求に応答して第2のデータをサーバから受信させるように動作可能である、コンピュータ可読媒体。
【0305】
付記項36.プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスが付加的なユーザインターフェースデバイスに近接しているという指標を受信させるための命令を含む、付記35に記載のコンピュータ可読媒体。
【0306】
付記項37.プロセッサに、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求をサーバに伝送させるための命令が、プロセッサに、付加的なユーザインターフェースデバイスの状態情報に関する要求を伝送させるための命令を含み、プロセッサにサーバからの第2のデータを受信させるための命令が、プロセッサに、付加的なユーザインターフェースデバイスの要求された状態情報を受信させるための命令を含む、付記35又は付記36のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【0307】
付記項38.プロセッサに、付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からのプロセス制御データを表示させるための命令をさらに含む、付記35~付記37のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0308】
付記項39.プロセッサに、付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からのプロセス制御データを表示させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスの表示上に付加的なユーザインターフェースデバイスの表示を複製させるための命令を含む、付記35~付記38のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0309】
付記項40.プロセッサに、付加的なユーザインターフェースデバイスの受信した状態情報に従ってストレージ領域からのプロセス制御データを表示させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスの表示上に、付加的なユーザインターフェースデバイス上に表示されるデータを配置させるための命令を含む、付記35~付記39のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0310】
付記項41.プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標を受信させるための命令を含む、付記35~付記40のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0311】
付記項42.プロセッサに、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求をサーバに伝送させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセス制御デバイスに近接しているという指標をサーバに伝送させるための命令を含み、プロセッサに第2のデータを受信させるための命令が、プロセッサに、プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信させるための命令を含む、付記35~付記41のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0312】
付記項43.プロセッサに、プロセス制御デバイスに関係したプロセス制御データを受信させるための命令が、プロセッサに、(a)プロセス制御デバイスに関連するアラーム、(b)プロセス制御デバイスに関連する保守タスク、(c)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域の概略図、又は(d)プロセス制御デバイスに関連するプロセスプラントの領域のステータス、のうちの1つ以上のデータを受信及び表示させるための命令を含む、付記35~付記42のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0313】
付記項44.プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスが外部デバイスに近接しているという指標を受信させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェースデバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標を受信させるための命令を含む、付記35~付記43のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
【0314】
付記項45.プロセッサに、受信した指標に従って第2のデータに関する第2の要求をサーバに伝送させるための命令が、プロセッサに、モバイルユーザインターフェース制御デバイスがプロセスプラントの特定の領域にあるという指標をサーバに伝送させるための命令を含み、プロセッサに第2のデータを受信させるための命令が、プロセッサに、プロセスプラントの特定の領域に関係したプロセス制御データを受信させるための命令を含む、付記35~付記44のいずれか1項に記載のコンピュータ可読媒体。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
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