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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】飲料
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20230912BHJP
   A23L 2/42 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
C12G3/04
A23L2/42
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019000621
(22)【出願日】2019-01-07
(65)【公開番号】P2020108357
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-12-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100215957
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 明照
(72)【発明者】
【氏名】町田 賢司
(72)【発明者】
【氏名】綿屋 佑紀
(72)【発明者】
【氏名】蛸井 潔
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 利久
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/001825(WO,A1)
【文献】特開2017-063773(JP,A)
【文献】国際公開第2009/017116(WO,A1)
【文献】特開2018-102278(JP,A)
【文献】特開2000-312580(JP,A)
【文献】特開2018-050504(JP,A)
【文献】国際公開第2007/139181(WO,A1)
【文献】特開2018-029540(JP,A)
【文献】特開2018-130049(JP,A)
【文献】国際公開第2019/035439(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12G
C12C
C12H
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
苦味価が5未満であり、
アルコール度数が3v/v%未満であり、かつpHが3.2以下であるか、
アルコール度数が3v/v%以上7v/v%未満であり、かつpHが3.75以下であるか、又は
アルコール度数が7v/v%以上であり、かつpHが5.0以下であり、
原料として麦原料を含まない、ビールテイスト飲料。
【請求項2】
原料としてホップを含まない、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
【請求項3】
発泡性飲料である、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項4】
非発酵飲料である、請求項1~のいずれか一項に記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好性や価値観が多様化したことから、様々な種類の飲料の開発が進められている。
【0003】
例えば、最近のビールテイスト飲料の開発においては、ホップを使用せずにビール特有の香味を再現する技術が、検討されている。例えば、特許文献1には、カルボン酸エステル、アルデヒドおよびペンチルアルコールからなる群より選ばれる1以上の香気成分とテルペノイドとを含み、原材料にホップを用いない、ビールテイスト飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-126079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ホップには殺菌作用があるためホップを微量しか含まない又は一切含まない飲料は、微生物が増殖しやすくなることが問題となる。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑みたものであり、ホップの使用量が少なくても、又はホップを一切使用しなくても、微生物の増殖を抑制できる、飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、苦味価が5未満である、飲料に関する。
【0008】
上記飲料は、ホップの使用量が少なくても又はホップを一切使用しなくても、微生物の増殖を抑制できる。
【0009】
一態様において、飲料は、ビールテイスト飲料であり、アルコール度数が3v/v%未満であり、かつpHが3.2以下であるか、アルコール度数が3v/v%以上7v/v%未満であり、かつpHが3.8以下であるか、又はアルコール度数が7v/v%以上であり、かつpHが5.0以下である飲料であってよい。当該飲料は、アルコール度数及びpHの範囲が特定の条件を満たすため、ホップの使用量が少なくても、又はホップを一切使用しなくても、微生物の増殖を抑制できる。
【0010】
一態様において、飲料は、原料としてホップを含まなくてよい。
【0011】
一態様において、飲料は、原料として麦原料を含まなくてよい。
【0012】
一態様において、飲料は、果汁含有飲料であり、アルコール度数が4v/v%以上である飲料であってよい。当該飲料は、アルコール度数が特定の値以上であるため、ホップの使用量が少なくても、又はホップを一切使用しなくても、微生物の増殖を抑制できる。
【0013】
一態様において、飲料は、pHが4.1以上であってよい。これにより、香味がより優れる(特に、渋味及び不快なアルコール味が抑えられ、まろやかさが向上する。)。
【0014】
一態様において、飲料は、非発酵飲料であってよい。
【0015】
一態様において、飲料は、発泡性飲料であってよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ホップの使用量が少なくても、又はホップを一切使用しなくても、微生物の増殖を抑制できる、飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本実施形態に係る飲料は、苦味価が5未満である。
【0019】
本実施形態に係る飲料は、例えば、ビールテイスト飲料、チューハイテイスト飲料等であってよい。また、飲料は、RTD(Ready To Drink)又はRTS(Ready To Serve)の形態であってもよい。
【0020】
本実施形態において、飲料の苦味価は、例えば、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、0.5以下、又は0であってよく、0.3以上、0.5以上、1.0以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、又は3.0以上であってよい。
【0021】
本明細書において、苦味価は、例えば改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
【0022】
本実施形態に係る飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるノンアルコール飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
【0023】
アルコール飲料のアルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、4v/v%以上、5v/v%以上、6v/v%以上、又は7v/v%以上であってよい。また、アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、又は7v/v%以下であってよい。
【0024】
ノンアルコール飲料は、実質的にアルコールを含有しない飲料である。ノンアルコール飲料のアルコール度数は、1v/v%未満であればよく、0.5v/v%以下であってよく、0.1v/v%以下であってよく、0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。
【0025】
本実施形態に係る飲料は、発酵飲料であってもよく、非発酵飲料であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。
【0026】
本実施形態に係る飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
【0027】
本実施形態に係る飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
【0028】
(ビールテイスト飲料)
本実施形態に係る飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。当該ビールテイスト飲料は、アルコール濃度及びpHが下記(i)~(iii)のいずれかの条件を満たすものである。
(i)アルコール濃度が3v/v%未満であり、かつpHが3.2以下である、
(ii)アルコール濃度が3v/v%以上7v/v%未満であり、かつpHが3.8以下である、
(iii)アルコール度数が7v/v%以上であり、かつpHが5.0以下である。
【0029】
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。ビールテイスト飲料としては、例えば、酒税法(平成三十年四月一日時点)上のビール、発泡酒、その他の醸造酒、リキュール、スピリッツに分類されるものが挙げられる。
【0030】
本実施形態において、ビールテイスト飲料のpHは、アルコール濃度が3v/v%未満のとき、例えば、2.4以上、2.5以上、2.6以上、又は2.7以上であってよい。また、本実施形態に係る飲料のpHは、アルコール濃度が3v/v%未満のとき、例えば、3.1以下、3.0以下、2.9以下、又は2.8以下であってよい。アルコール濃度及びpHが上記範囲であると、微生物の増殖が抑制された飲料となる。
【0031】
本実施形態において、ビールテイスト飲料のpHは、アルコール濃度が3v/v%以上7v/v%未満のとき、例えば、3.0以上、3.05以上、3.1以上、3.15以上、3.2以上、又は3.25以上であってよい。また、本実施形態に係る飲料のpHは、アルコール濃度が3v/v%以上7v/v%未満のとき、例えば、3.75以下、3.7以下、3.65以下、3.6以下、3.55以下であってよい。アルコール濃度及びpHが上記範囲であると、微生物の増殖が抑制された飲料となる。
【0032】
本実施形態において、ビールテイスト飲料のpHは、アルコール度数が7v/v%以上のとき、例えば、2.8以上、3.0以上、3.2以上、3.4以上、3.6以上、3.8以上、又は4.0以上であってよく、香味の観点から、4.1以上又は4.2以上が好ましい。また、本実施形態に係る飲料のpHは、アルコール度数が7v/v%以上のとき、例えば、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.5以下、4.4以下、又は4.3以下であってよい。アルコール濃度及びpHが上記範囲であると、微生物の増殖が抑制された飲料となる。
【0033】
pHは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.7 pH」に記載の方法によって測定することができる。pHは、原料の種類及び使用量、添加する酸味料の種類及び使用量等によって調節することができる。
【0034】
本実施形態において、ビールテイスト飲料は、原料として、麦原料を含んでいてもよく、麦原料を含んでいなくてもよい。ここで、原料とは、飲料の製造に用いられる全原料のうち、水及びホップ以外のものを意味する。
【0035】
麦原料としては、例えば、麦芽、麦、麦加工物等が挙げられる。麦芽は、麦を発芽させることにより得ることができる。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦及びハト麦等であってよく、大麦であることが好ましい。麦芽にはモルトエキスが含まれる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦及びハト麦等が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス等が挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦原料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
原料中の麦芽の比率は、特に限定されず、例えば、10重量%以上であってよく、25重量%以上であってよく、50重量%以上であってよく、66重量%以上であってよく、100重量%であってもよい。また、原料中の麦芽の比率は、100重量%未満であってよく、66%重量%以下であってよく、50重量%未満であってもよい。
【0037】
本実施形態において、ビールテイスト飲料の原料としては、その他に副原料を用いてもよい。副原料としては、コーン、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料、液糖、砂糖等の糖質原料が挙げられる。更に、飲料の原料として、酒税法の第三条第十二号ロ及びハに記載の政令で定める物品(果実又はコリアンダーその他の財務省令で定める香味料)を含んでいてもよい。これらの原料を含有する場合、上記果実及び香味料の含有量は、麦芽100重量部に対して、5重量部未満であることが好ましい。
【0038】
本実施形態において、ビールテイスト飲料は、原料としてホップを含んでいてもよく、原料としてホップを含んでいなくてもよい。ホップには、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。本実施形態に係る飲料は、ホップを含んでいなくても、又は含まれるホップが少量であっても(例えば、BU5未満)、微生物の増殖が抑制されている。したがって、本実施形態に係る飲料は、原料としてホップを含んでいないことが好ましい。
【0039】
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、タンパク質分解物を含んでいてもよい。タンパク質分解物は、動物又は植物に由来するタンパク質の分解物であってよい。タンパク質分解物は、タンパク質の加水分解(例えば、酸、酵素等による加水分解)によって得られる。タンパク質分解物としては、例えば、小麦タンパク質分解物、大豆タンパク質分解物、とうもろこしタンパク質分解物、乳タンパク質分解物、エンドウタンパク質分解物等が挙げられる。タンパク質分解物には、ペプチド、タンパク質、アミノ酸等が含まれている。タンパク質分解物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、その他の成分(添加剤)として、飲料に通常配合される酸味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、塩類、食物繊維、pH調整剤、保存料等を含んでいてもよい。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸等を挙げることができる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、リチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。香料としては、例えば、ビールフレーバー、モルトフレーバー、ホップフレーバー等を挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム等を挙げることができる。食物繊維としては、例えば難消化性デキストリン、ポリデキストロース、難消化性グルカン等を挙げることができる。pH調整剤としては、食品に添加できる酸又はアルカリを用いることができる。具体的には、例えば、リン酸、塩酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、コハク酸等の酸、並びに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリを挙げることができる。保存料としては、例えば、安息香酸ナトリウム、脂肪酸エステル、ピロ亜硫酸カリウム等を挙げることができる。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、保存料を少量添加した場合であっても、又は保存料を添加しなくても、微生物の増殖が抑制されている。したがって、保存料の添加は、添加量を少なくしてもよいし、省略してもよい。
【0041】
一実施形態におけるビールテイスト飲料の製造方法は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
【0042】
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。なお、本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、後述する、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。
【0043】
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップ等が挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料の糖化を経て得られる液体であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
【0044】
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、上述のホップであってよい。なお、本実施形態に係る飲料は、ホップを少量添加した場合であっても、又はホップを添加しなくても、微生物の増殖が抑制されている。したがって、ホップの添加は、添加量を少なくしてもよいし、省略してもよい。
【0045】
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。除去工程における原料液の温度は、例えば、99℃以下、95℃以下、92℃以下、90℃以下、又は89℃以下であってよく、80℃、85℃以上、又は90℃以上であってよい。
【0046】
冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。冷却工程では、例えば、発酵前液の温度が5℃以上25℃以下、6℃以上20℃以下、又は7℃以上15℃以下となるように冷却してよい。
【0047】
発酵工程では、発酵前液を酵母により発酵させて発酵後液を得る。発酵工程では、酵母を添加してアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。発酵工程における原料液の温度(発酵温度)は、例えば、5℃以上25℃以下、6℃以上20℃以下、又は7℃以上15℃以下であってよい。
【0048】
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
【0049】
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)、各種添加剤(例えば、着色料、酸化防止剤、酸味料、苦味料、香料)の添加、アルコールの添加、カーボネーション等を行ってもよい。発酵後工程で添加するアルコールとしては、例えば、スピリッツを用いることができる。
【0050】
ビールテイスト飲料がノンアルコールビールテイスト飲料である場合は、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを除去又は低減させることによって製造してもよく、また、発酵期間を短くしてアルコールの生成を抑えることによって製造してもよい。
【0051】
ビールテイスト飲料が非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)である場合は、上記発酵工程を行うことなく製造してもよい。
【0052】
他の実施形態における製造方法は、例えば、水と、必要に応じて、蒸留アルコール及び各種添加剤(例えば、酸味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、塩類、食物繊維、pH調整剤等)と、を原料タンクに配合する配合工程を含む。
【0053】
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ビン、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
【0054】
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一の殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
【0055】
他の実施形態に係る飲料は、チューハイテイスト飲料であってよい。
【0056】
チューハイテイスト飲料とは、チューハイ、又は、チューハイのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にチューハイを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。チューハイテイスト飲料は、例えば、果汁、ウーロン茶等を含有していてよく、香味の観点から、果汁を含有することが好ましい。なお、本明細書において、果汁を含有するチューハイテイスト飲料を、果汁含有飲料という。
【0057】
(果汁含有飲料)
他の実施形態に係る飲料は、果汁含有飲料であり、アルコール度数が4v/v%以上であってよい。
【0058】
本実施形態において、果汁含有飲料は、果汁を含有する飲料である。
【0059】
本明細書における「果汁」とは、果実を搾汁して得られるものを意味し、濃縮されたものであってもよく、飲料水等で希釈されたものであってもよい。すなわち、果汁は、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁だけでなく、これらの希釈液、濃縮液、混合液等も含まれる。
【0060】
果汁は、レモン果汁、オレンジ果汁、グレープフルーツ果汁、シトラス果汁等の柑橘系果汁であってもよく、メロン果汁、リンゴ果汁、ブドウ果汁等の柑橘系以外の果汁であってもよいが、香味設計及びpH管理の観点から、柑橘系果汁が好ましい。
【0061】
本実施形態に係る果汁含有飲料の果汁含有量は、例えば、50重量/体積%以下、40重量/体積%以下、30重量/体積%以下、20重量/体積%以下、10重量/体積%以下、5重量/体積%以下、3重量/体積%以下、又は1重量/体積%以下であってよい。また、本実施形態に係る飲料の果汁含有量は、例えば、0.1重量/体積%以上、1.0重量/体積%以上、3.0重量/体積%以上、又は5.0重量/体積%以上であってよい。
【0062】
本実施形態に係る果汁含有飲料のアルコール度数は、例えば、4.2v/v%以上、4.4v/v%以上、4.6v/v%以上、4.8v/v%以上、又は5v/v%以上であってよい。また、本実施形態に係る果汁含有飲料のアルコール度数は、例えば、12v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8.5v/v%以下、又は8v/v%以下であってよい。
【0063】
本実施形態に係る果汁含有飲料のpHは、例えば、3.2以上、3.4以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、又は4.0以上であってよく、香味の観点から、4.1以上又は4.2以上が好ましい。また、本実施形態に係る果汁含有飲料のpHは、4.8以下、4.7以下、4.6以下、又は4.5以下であってよい。
【0064】
本実施形態に係る果汁含有飲料は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分(添加剤)を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、酸味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、塩類、食物繊維、pH調整剤、保存料等を使用することができる。酸味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、塩類、食物繊維、pH調整剤、及び保存料は、ビールテイスト飲料で例示したものを好適に使用することができる。これらの添加剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本実施形態に係る果汁含有飲料は、保存料を少量添加した場合であっても、又は保存料を添加しなくても、微生物の増殖が抑制されている。したがって、保存料の添加は、添加量を少なくしてもよいし、省略してもよい。
【0065】
香料は、天然物、合成物のいずれの香料であっても使用することができる。香料としては、特に限定されるものではないが、レモン香料、オレンジ香料、グレープフルーツ香料、シトラス香料等の柑橘系香料であってよく、メロン香料、リンゴ香料、ブドウ香料等の柑橘系以外の香料であってもよい。これらの香料は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0066】
酸味料は、飲食品に使用するものであれば特に限定されずに使用することができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸等を使用することができる。
【0067】
着色料としては、飲食品の色付けに用いるものであれば、天然着色料、及び合成着色料のいずれも使用できる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、マリーゴールド色素、カロテン色素、アントシアニン色素、果汁色素、野菜色素、合成色素等を使用することができる。
【0068】
一実施形態における果汁含有飲料の製造方法は、原材料を配合する工程を有する。ここで、原材料とは、果汁、アルコール、その他の成分(添加剤)等、飲料を製造するための材料のことを意味する。果汁、アルコール、その他の成分等としては上述のものを使用することができる。
【0069】
本実施形態に係る果汁含有飲料の酸度、糖度及び糖酸比は、果汁含有飲料に配合される果汁、添加剤等の種類及び含有量、水分の配合量等、種々の方法により調整することができる。
【0070】
本実施形態に係る製造方法は、加熱処理工程、冷却工程、濾過工程、容器詰め工程等の工程をさらに有していてもよい。
【0071】
加熱処理工程は、通常、90~150℃程度の温度に加熱することにより行われる。この工程により、果汁含有飲料の滅菌、殺菌処理を行うことができる。加熱処理工程を有することにより、果汁含有飲料の保存安定性の向上を図ることができる。加熱処理の方法は、特に制限されるものではないが、例えば、熱水・蒸気加熱殺菌法、低温殺菌法、高温殺菌法、超高温殺菌法(UHT殺菌法)を適用することができる。UHT殺菌法の場合、通常100~150℃で1~120秒間程度行われるが、内容液に合わせて適宜加熱処理条件を設定すればよい。
【0072】
容器詰め工程は、例えば、不活性ガスを容器に充填する工程、果汁含有飲料を容器に充填する工程、容器を密封する工程等からなっていてもよい。このような工程を経ることによって、容器詰めされた果汁含有飲料の保存安定性の向上を図ることができる。
【実施例
【0073】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
【0074】
(試験例1:飲料の調製及び評価)
<飲料の調製>
食物繊維、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸ナトリウム、大豆多糖類、ビタミン、ビールフレーバー、スピリッツ、純水、及び炭酸水を配合して、比較例1-4のビールテイスト飲料(アルコール度数:1.5v/v%)を調製した。また、比較例1-4のビールテイスト飲料に対し、リン酸を添加し、実施例1-1及び比較例1-1~1-3のビールテイスト飲料を調製した。得られたビールテイスト飲料について、pHを測定した。結果を表1に示す。
【0075】
なお、実施例1-1及び比較例1-1~1-4のビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、いずれも5未満になるように調整した。
【0076】
<微生物増殖試験>
実施例1-1及び比較例1-1~1-4のビールテイスト飲料に、菌体としてSporolactobacillus putidusを接種し(1×10~1×10cfu/mL)、30℃嫌気条件下で14日間保存した後、目視で菌体の増殖性を評価した。微生物増殖性の評価基準は以下のとおりである。
A:菌体を添加していない飲料と比較して目視で菌体の沈殿が認められなかったもの
B:菌体を添加していない飲料と比較して目視で菌体の沈殿が認められたもの
結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
アルコール度数が3v/v%未満であり、かつpHが3.2以下である実施例1-1のビールテイスト飲料は、微生物の増殖が抑制されていることが示された。
【0079】
(試験例2:飲料の調製及び評価)
<飲料の調製>
スピリッツ及び純水の量を変更したこと以外は比較例1-4のビールテイスト飲料と同様にして、比較例2-4のビールテイスト飲料(アルコール度数:3.0v/v%)及び比較例3-3のビールテイスト飲料(アルコール度数:5.0v/v%)を調製した。また、比較例2-4のビールテイスト飲料及び比較例3-3のビールテイスト飲料に対し、リン酸をそれぞれ添加し、実施例2-1及び比較例2-1~2-3のビールテイスト飲料、並びに、実施例3-1~3-2及び比較例3-1~3-2のビールテイスト飲料を調製した。得られたビールテイスト飲料について、pHを測定した。結果を表2及び3に示す。
【0080】
なお、実施例2-1及び3-1~3-2、並びに比較例2-1~2-4及び3-1~3-3のビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、いずれも5未満になるように調整した。
【0081】
<微生物増殖試験>
実施例2-1及び3-1~3-2、並びに比較例2-1~2-4及び3-1~3-3のビールテイスト飲料について、試験例1と同様にして、微生物増殖性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
アルコール度数が3v/v%以上7v/v%未満であり、かつpHが3.8以下である実施例2-1及び3-1~3-2のビールテイスト飲料は、微生物の増殖が抑制されていることが示された。
【0085】
(試験例3:飲料の調製及び評価)
<飲料の調製>
スピリッツ及び純水の量を変更したこと以外は比較例1-4のビールテイスト飲料と同様にして、実施例4-5のビールテイスト飲料(アルコール度数:7.0v/v%)を調製した。また、実施例4-5のビールテイスト飲料に対し、リン酸を添加し、実施例4-1~4-4のビールテイスト飲料を調製した。得られたビールテイスト飲料について、pHを測定した。結果を表4に示す。
【0086】
なお、実施例4-1~4-5のビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、いずれも5未満になるように調整した。
【0087】
<微生物増殖試験>
実施例4-1~4-5のビールテイスト飲料について、試験例1と同様にして、微生物増殖性を評価した。結果を表4に示す。
【0088】
<官能評価>
実施例4-1~4-5のビールテイスト飲料の官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により、「平板さ」、「渋味」、「華やかな香り」及び「ビールらしい香り」を評価することにより行った。結果を表4に示す。なお、官能評価は、いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。
【0089】
「平板さ」は、口に含んだ瞬間から味に落差がない(キレがない)感覚であり、評点が高いほど好ましくない平板さを強く感じることを示す。「渋味」は、後味として渋味が残る感覚であり、評点が高いほど好ましくない渋味を強く感じることを示す。「華やかな香り」は、口に含んだ瞬間に広がる華やかな香りであり、評点が高いほど好ましい華やかな香りを強く感じることを示す。「ビールらしい香り」は、ビール様の香りであり、評点が高いほど好ましいビールらしい香りを強く感じることを示す。なお、「平板さ」、「渋味」、「華やかな香り」及び「ビールらしい香り」の官能評価は、比較例3-2のビールテイスト飲料の評点をそれぞれ3点、2点、4点及び4点として固定し、これを基準として他のビールテイスト飲料を評価した。
【0090】
【表4】
【0091】
アルコール度数が7v/v%以上であり、かつpHが5.0以下である実施例4-1~4-5のビールテイスト飲料は、微生物の増殖が抑制されていることが示された。また、「渋味」は、pHが大きいほど抑えられる傾向にあることが示された。「華やかな香り」及び「ビールらしい香り」は、pHが大きいほど優れる傾向にあることが示された。
【0092】
(試験例4:飲料の調製及び評価)
<飲料の調製>
スピリッツ、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸ナトリウム、減酸レモン濃縮果汁、レモン香料、純水、及び炭酸水を配合し、実施例5-5及び5-8並びに比較例5-4及び5-8の果汁含有飲料(果汁含有量:1重量/体積%)を調製した。また、実施例5-5及び5-8並びに比較例5-4及び5-8の果汁含有飲料に対し、リン酸をそれぞれ添加し、実施例5-1~5-4及び5-6~5-7並びに比較例5-1~5-3及び5-5~5-7の果汁含有飲料を調製した。得られた果汁含有飲料について、pHを測定した。結果を表5及び表6に示す。
【0093】
<微生物増殖試験>
実施例5-1~5-8及び比較例5ー1~5-8の果汁含有飲料について、試験例1と同様にして、微生物増殖性を評価した。結果を表5及び表6に示す。
【0094】
<官能評価>
実施例5-1~5-8の果汁含有飲料の官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル3名により、「渋味」、「不快なアルコール味」及び「まろやかさ」を評価することにより行った。結果を表5及び表6に示す。なお、官能評価は、いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。
【0095】
「渋味」は、後味として渋味が残る感覚であり、評点が高いほど好ましくない渋味を強く感じることを示す。「不快なアルコール味」は、後味として飲料にふさわしくないアルコールの味が残る感覚であり、評点が高いほど好ましくない不快なアルコール味を強く感じることを示す。「まろやかさ」は、口内に広がるまろやかな感覚であり、評点が高いほど好ましいまろやかさを強く感じることを示す。なお、「渋味」、「不快なアルコール味」及び「まろやかさ」の官能評価は、実施例5-1の果汁含有飲料の評点をそれぞれ4点、4点及び2点として固定し、これを基準として他の果汁含有飲料を評価した。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
アルコール度数が4v/v%以上である実施例5-1~5-8の果汁含有飲料は、微生物の増殖が抑制されていることが示された。また、「渋味」及び「不快なアルコール味」は、pHが大きいほど抑えられる傾向にあることが示された。「まろやかさ」は、pHが大きいほど優れる傾向にあることが示された。
【0099】
(試験例5:飲料の調製及び評価)
スピリッツ、果糖ぶどう糖液糖、リン酸、クエン酸ナトリウム、メロン透明濃縮果汁、メロン香料、純水、及び炭酸水を配合し、実施例6-1~6-3の果汁含有飲料(果汁含有量:1重量/体積%)を調製した。得られた果汁含有飲料について、pHを測定した。結果を表7に示す。
【0100】
実施例6-1~6-3の果汁含有飲料について、試験例4と同様にして、微生物増殖性を評価し、官能評価を行った。結果を表7に示す。なお、「渋味」、「不快なアルコール味」及び「まろやかさ」の官能評価は、pH3.6、アルコール度数5.0v/v%のメロン果汁を含有する飲料の評点をそれぞれ4点、4点及び2点として固定し、これを基準として他の果汁含有飲料を評価した。
【0101】
【表7】
【0102】
アルコール度数が4v/v%以上である実施例6-1~6-3の果汁含有飲料は、微生物の増殖が抑制されていることが示された。また、「渋味」及び「不快なアルコール味」は、pHが大きいほど抑えられる傾向にあることが示された。「まろやかさ」は、pHが大きいほど優れる傾向にあることが示された。