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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20230912BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230912BHJP
   H04M 3/493 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04M9/00 D
H04M11/00 302
H04M3/493
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019049592
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020155809
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-11-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 広視
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144146(JP,A)
【文献】特開2017-011380(JP,A)
【文献】特開2012-124882(JP,A)
【文献】特開2015-154099(JP,A)
【文献】特開2015-115813(JP,A)
【文献】特開2004-128624(JP,A)
【文献】特開2017-175451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B23/00-31/00
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-11/10
99/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住居で構成される集合住宅に用いられるインターホンシステムであって、
前記複数の住居の各々に備えられ、表示部を有する居室親機と、
複数のテンプレートを含むプラットフォームを有し、外部ネットワークを介して前記居室親機と接続された第一サーバと、
前記複数の住居の居住者へ提供可能なサービスに関連付けられたコンテンツデータを有し、前記外部ネットワークを介して前記第一サーバと接続された少なくとも一つの第二サーバと、
を備え、
前記集合住宅内または前記集合住宅を管理する管理会社内に設置された前記第一サーバは、
前記サービスを提供するサービス提供者が前記コンテンツデータを前記少なくとも一つの第二サーバにアップロードしたことに基づいて、前記少なくとも一つの第二サーバから前記コンテンツデータを受信し、
受信された前記コンテンツデータを前記少なくとも一つの第二サーバと関連付けて保持し、
受信した前記コンテンツデータを、前記複数のテンプレートのうち少なくとも一つのテンプレートに基づいて、前記表示部へ表示可能な形態のコンテンツ表示用データへと変換し、
変換された前記コンテンツ表示用データを、前記外部ネットワークを通じて各住居の前記居室親機に送信する、
ように構成され、
前記コンテンツ表示用データは、少なくとも一つの操作ボタンを前記表示部に表示させるためのデータを含み、
前記少なくとも一つの操作ボタンは、前記コンテンツデータに関連付けて保持された前記少なくとも一つの第二サーバに対する指示信号を作成するためのユーザ入力を受け付けるものである、インターホンシステム。
【請求項2】
前記居室親機は、前記表示部に表示された前記少なくとも一つの操作ボタンに対するユーザ入力がなされた場合には、前記ユーザ入力に基づく前記指示信号を前記第一サーバへ送信し、
前記第一サーバは、
前記指示信号を前記第二サーバへ送信し、
前記指示信号に基づく応答信号を前記第二サーバから受信した場合には、前記応答信号に基づいて前記コンテンツ表示用データを変更して、変更された前記コンテンツ表示用データを各住居の前記居室親機に送信する、
ように構成されている、請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記集合住宅に備えられ、前記複数の住居の各々の前記居室親機と接続された制御装置を、さらに備え、
前記第一サーバから送信される前記コンテンツ表示用データは、前記外部ネットワークを介して前記制御装置に送信され、前記制御装置から前記居室親機に送信される、請求項1または2に記載のインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅に用いられるインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の住居棟で構成される集合住宅向けのインターホンシステムが特許文献1に開示されている。このインターホンシステムの構成では、各住居棟は、インターホン回線(インターホン専用線)を介して制御機と接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-260679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、集合住宅の各居室に設けられた居室親機へ広告等の様々なコンテンツ情報を送信し、当該コンテンツページを居室親機の表示部に表示させる場合がある。しかしながら、従来は、コンテンツページの送信元であるサービス提供者が各居室親機の表示部に適合したコンテンツページを作成する必要があり、処理が煩雑であった。
【0005】
そこで、本発明は、種々のコンテンツ表示用データを居室親機に簡便に表示可能なインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のインターホンシステムは、
複数の住居で構成される集合住宅に用いられるインターホンシステムであって、
前記複数の住居の各々に備えられ、表示部を有する居室親機と、
複数のテンプレートを含むプラットフォームを有し、外部ネットワークを介して前記居室親機と接続された第一サーバと、
前記複数の住居の居住者へ提供可能なサービスに関連付けられたコンテンツデータを有し、前記外部ネットワークを介して前記第一サーバと接続された少なくとも一つの第二サーバと、を備え、
前記第一サーバは、
前記少なくとも一つの第二サーバから前記コンテンツデータを受信し、
受信した前記コンテンツデータを、前記複数のテンプレートのうち少なくとも一つのテンプレートに基づいて、前記表示部へ表示可能な形態のコンテンツ表示用データへと変換し、
変換された前記コンテンツ表示用データを、前記外部ネットワークを通じて各住居の前記居室親機に送信する、ように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、第一サーバにおいて、第二サーバから送信されたコンテンツデータを適式な方式のコンテンツ表示用データへと変換している。すなわち、例えば各コンテンツデータのサービス提供元である各サービス提供者が各居室親機に適合したコンテンツ表示用データを開発する必要がない。また、第二サーバからのデータ通信方式の変更や更新があった場合でも、第一サーバにより通信方式の変更に対応することで、各居室親機で通信方式の変更を行う必要がない。これにより、種々のコンテンツ表示用データを居室親機に簡便に表示可能なインターホンシステムを提供することができる。
【0008】
また、本発明のインターホンシステムにおいて、
前記居室親機は、前記表示部に表示された前記コンテンツ表示用データに対するユーザ入力がなされた場合には、前記ユーザ入力に基づく指示信号を前記第一サーバへ送信し、
前記第一サーバは、
前記指示信号を前記第二サーバへ送信し、
前記指示信号に基づく応答信号を前記第二サーバから受信した場合には、前記応答信号に基づいて前記コンテンツ表示用データを変更して、変更された前記コンテンツ表示用データを各住居の前記居室親機に送信する、ように構成されていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、ユーザ入力に基づいて第一サーバによりコンテンツ表示用データが変更されるため、第二サーバから変更されたコンテンツ表示用データを提供する必要がない。そのため、コンテンツ表示用データを用いたコンテンツページの切り替え等をサービス提供者側に負担をかけることなく行うことができる。
【0010】
また、本発明のインターホンシステムは、
前記集合住宅に備えられ、前記複数の住居の各々の前記居室親機と接続された制御装置を、さらに備え、
前記第一サーバから送信される前記コンテンツ表示用データは、前記外部ネットワークを介して前記制御装置に送信され、前記制御装置から前記居室親機に送信されてもよい。
【0011】
居室親機が外部ネットワークに直接接続される方式では、集合住宅の全住居にインターネット接続サービスを一括で提供する全戸一括型のインターネット接続サービスを導入する必要がある。これに対して、上記構成によれば、居室親機は制御装置を介して外部ネットワークへ接続する方式を採用しているため、全戸一括型のインターネット接続サービスを導入していない集合住宅においても、本インターホンシステムを導入することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、種々のコンテンツ表示用データを居室親機に簡便に表示可能なインターホンシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るインターホンシステムの構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバ装置のブロック図である。
図3】インターホンシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
図4】インターホンシステムの動作を説明するための図3に続くフローチャートである。
図5】居室親機に表示される画面例を示す図である。
図6】インターホンシステムの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態に係るインターホンシステムの一例について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、インターホンシステム1は、複数の住居棟(本例では、住居A棟3,住居B棟4)、および管理棟5などで構成される例えばマンション等の集合住宅2に用いられるシステムである。
【0015】
複数の住居棟3,4の各々は、居室親機10と、集合玄関機20と、管理室親機30と、棟制御部40(制御装置の一例)とを備えている。管理棟5は、管理玄関機50と、管理室親機60と、管理制御部70(制御装置の一例)とを備えている。なお、本例では、住居A棟3と住居B棟4とを同じ構成の住居棟として表しているが、例えば居室親機10の数(住戸数)、集合玄関機20の数等は各住居棟3,4によって相違していてもよい。
【0016】
住居A棟3、住居B棟4、および管理棟5は、インターネットN(外部ネットワークの一例)を介して、プラットフォームサーバ80(第一サーバまたはサーバ装置の一例)と通信可能に接続されている。本例では、住居A棟3と住居B棟4の棟制御部40、および管理棟5の管理制御部70が、インターネットNを介して、プラットフォームサーバ80と通信可能に接続されている。
【0017】
住居A棟3および住居B棟4の居室親機10はインターホン回線(専用線)L1を介して、集合玄関機20はインターホン回線L2を介して、管理室親機30はインターホン回線L3を介して、それぞれ棟制御部40に接続されている。管理棟5の管理玄関機50はインターホン回線L4を介して、管理室親機60はインターホン回線L5を介して、それぞれ管理制御部70に接続されている。したがって、居室親機10、集合玄関機20、および管理室親機30は、棟制御部40を経由し、インターネットNを介して、プラットフォームサーバ80と通信可能に接続されている。管理玄関機50、および管理室親機60は、管理制御部70を経由し、インターネットNを介して、プラットフォームサーバ80と通信可能に接続されている。なお、居室親機10、集合玄関機20、および管理室親機30と棟制御部40との間、管理玄関機50、および管理室親機60と管理制御部70との間は、LAN:Local Area Networkを介して接続されるようにしてもよい。
【0018】
また、プラットフォームサーバ80は、インターネットNを介して、少なくとも一つのサービスサーバ90(第二サーバまたはサービスサーバ装置の一例)と通信可能に接続されている。なお、図1に示す例では、プラットフォームサーバ80は、インターネットNを介して、2つのサービスサーバ90と通信可能に接続されている。
【0019】
居室親機10は、住居棟3,4の各住居内に設置されている。居室親機10は、表示部11、操作部12、親機CPU13などを有している。親機CPU13の記憶部(図示省略)には、その居室親機を特定する固有情報(例えば居室親機ID:identification等の識別番号)が記憶されている。集合玄関機20は、住居棟3,4の集合玄関や共用スペース等に設置されている。集合玄関機20は、表示部21、操作部22、カメラ23、玄関機CPU24などを有している。玄関機CPU24の記憶部(図示省略)には、その集合玄関機を特定する固有情報(例えば集合玄関機ID等の識別番号)が記憶されている。管理室親機30は、住居棟3,4の管理室に設置されている。管理室親機30は、表示部31、操作部32、通話部33、管理室CPU34などを有している。管理室CPU34の記憶部(図示省略)には、その管理室親機を特定する固有情報(例えば管理室親機ID等の識別番号)が記憶されている。居室親機10と集合玄関機20と管理室親機30とは、棟制御部40を経由して、相互に通信可能に構成されている。
【0020】
棟制御部40は、例えば住居棟3,4の管理室などに設置されている。棟制御部40は、制御部CPU41、配信サーバ42などを有している。制御部CPU41の記憶部(図示省略)には、インターホン回線上において、その棟制御部を特定するための固有情報(例えば棟制御部ID等の識別番号)が記憶されている。また、制御部CPU41の記憶部には、インターネットN上において各棟制御部40を識別することが可能なIP(Internet Protocol)アドレスが記憶されている。
【0021】
棟制御部40の制御部CPU41は、インターホン回線を介して接続される自棟内の居室親機10と、集合玄関機20と、管理室親機30との間の通信等を制御する。また、制御部CPU41は、インターネットNを介して接続されるプラットフォームサーバ80との間の通信等を制御する。例えば、制御部CPU41は、居室親機10、集合玄関機20、および管理室親機30からインターホン回線L1、L2、およびL3を介して送信されたデータを、インターネットNを介してプラットフォームサーバ80へ送信する。また、制御部CPU41は、同様に、プラットフォームサーバ80から送信されてくるデータを居室親機10、集合玄関機20、および管理室親機30へ送信する。
【0022】
配信サーバ42には、インターネットNを介して、プラットフォームサーバ80から送信されてくるデータが保存される。配信サーバ42に保存されたデータは、インターホン回線L1、L2、およびL3を介して、それぞれ居室親機10、集合玄関機20、および管理室親機30に向けて配信される。配信されたデータは、居室親機10の表示部11、集合玄関機20の表示部21、および管理室親機30の表示部31に表示される。
【0023】
管理棟5は、住居A棟3および住居B棟4を管理することができるように構成されている。管理棟5は、管理玄関機50と、管理室親機60と、管理制御部70とを備えている。管理玄関機50は、管理棟5の玄関に設置されており、表示部51、操作部52、カメラ53、管理玄関CPU54などを有している。管理玄関CPU54の記憶部(図示省略)には、その管理玄関機を特定する固有情報(例えば管理玄関機ID等の識別番号)が記憶されている。管理室親機60は、管理棟5の管理室に設置されており、表示部61、操作部62、通話部63、管理室CPU64などを有している。管理室CPU64の記憶部(図示省略)には、その管理室親機を特定する固有情報(例えば管理室親機ID等の識別番号)が記憶されている。
【0024】
管理制御部70は、管理棟5の管理室などに設置されている。管理制御部70は、管理制御部CPU71、配信サーバ72などを有している。管理制御部CPU71の記憶部(図示省略)には、インターホン回線上において、その管理制御部を特定するための固有情報(例えば管理制御部ID等の識別番号)が記憶されている。また、管理制御部CPU71の記憶部には、インターネットN上において管理制御部を識別することが可能なIPアドレスが記憶されている。
【0025】
管理制御部70の管理制御部CPU71は、インターホン回線L4,L5を介して接続される管理玄関機50と管理室親機60との間の通信等を制御する。また、管理制御部CPU71は、インターネットNを介して接続されるプラットフォームサーバ80との間の通信等を制御する。例えば、管理制御部CPU71は、管理玄関機50、および管理室親機60からインターホン回線L4,L5を介して送信されてくるデータを、インターネットNを介してプラットフォームサーバ80へ送信する。また、管理制御部CPU71は、同様に、プラットフォームサーバ80から送信されてくるデータを管理玄関機50、および管理室親機60へ送信する。
【0026】
配信サーバ72には、インターネットNを介して、プラットフォームサーバ80から送信されてくるデータが保存される。配信サーバ72に保存されたデータは、インターホン回線L4,L5を介して管理玄関機50および管理室親機60にそれぞれ配信され、管理玄関機50の表示部51や管理室親機60の表示部61に表示される。
【0027】
また、管理棟5の管理制御部70は、インターネットNを介して、住居A棟3および住居B棟4の各棟制御部40とそれぞれ通信可能に接続されている。管理制御部70は、棟制御部40から各居室親機10へのデータ送信を制御することができるように構成されている。例えば、管理制御部70は、プラットフォームサーバ80から棟制御部40の配信サーバ42に送信されたデータが各居室親機10へ配信されるのを、管理室親機60からの入力操作によって配信規制することができるように構成されている。
【0028】
プラットフォームサーバ80は、住居棟3,4の棟制御部40および管理棟5の管理制御部70(集合住宅2側)とサービスサーバ90(サービス提供者側)との間を中継するための中継サーバとして機能する。プラットフォームサーバ80は、例えば、集合住宅2の管理棟5、あるいは住居A棟3や住居B棟4の管理室等に設置されている。また、プラットフォームサーバ80は、集合住宅2を管理する管理会社に設置されていてもよい。プラットフォームサーバ80は、例えばクラウドサーバであってもよい。
【0029】
プラットフォームサーバ80には、サービスサーバ90から送信されてくるデータを所定の形態のデータに変換して住居棟3,4の棟制御部40および管理棟5の管理制御部70へ送信するための複数のテンプレートデータが保存されている。プラットフォームサーバ80には、例えば、プラットフォームサーバ80を管理する管理会社のパーソナルコンピュータがインターネットNを介して通信可能に接続されている。プラットフォームサーバ80に保存されるテンプレートデータは、管理会社のパーソナルコンピュータを用いてアップロードされる。また、テンプレートデータは、追加、更新等されるごとにプラットフォームサーバ80にアップロードすることができる。
【0030】
サービスサーバ90は、集合住宅2の居住者等に対して所定のサービスを提供するサービス提供者が管理するサーバである。サービスサーバ90には、サービス提供者から集合住宅2の居住者等へ提供可能なサービスに関連付けられたコンテンツデータが保存されている。サービスサーバ90の記憶部(図示省略)には、インターネットN上においてサービスサーバ90を識別することが可能なIPアドレスが記憶されている。
【0031】
集合住宅2の居住者等に対して提供されるサービスには、例えば、タクシー会社が提供するタクシー配車のサービス、電力会社等が提供するエネルギー使用状況を見える化するサービス(例えば、HEMS:Home Energy Management System、MEMS:Mansion Energy Management System)、マンション管理会社が提供するマンション施設(ゲストルーム、来客用駐車場、会議室等)の予約サービスがある。また、この他に提供されるサービスとして、例えば、立体駐車場の出庫指示や待ち台数確認、SNS(Social Networking Service)の内容表示確認、エアコンなどの家電操作、家族の安否確認、各住居の防犯設定、特売情報などの広告表示、地域防犯情報の表示、生活必需品などのネットショッピング、ジムや美容院やクリニックなどの近隣施設の予約、全国瞬時警報システム(j-ALERT)による緊急情報、バスの時刻表、電車遅延などの交通情報、天気情報、宅配ロッカーの着荷情報、電気自動車の充電状況表示等のサービスがある。
【0032】
図2は、プラットフォームサーバ80の機能を説明するブロック図である。図2に示すように、プラットフォームサーバ80は、保持部81と、受信部82と、変換部83と、送信部84と、サーバ制御部85と、通信インタフェース(以下、通信I/Fと称する)87,88と、を備えている。
【0033】
保持部81には、棟制御部40および管理制御部70とサービスサーバ90との間のデータ通信を中継するために必要なプラットフォームデータが保持されている。プラットフォームデータには、例えば、データの形態を変換するための上記複数のテンプレートデータが含まれる。また、保持部81には、インターネットN上においてプラットフォームサーバ80を識別することが可能なIPアドレスが保持されている。
【0034】
受信部82は、例えば、サービスサーバ90から送信されてくるコンテンツデータを、インターネットNを通じて受信する。また、受信部82は、例えば、棟制御部40および管理制御部70から送信されてくる所定のサービスを要求するための指示信号を、インターネットNを通じて受信する。また、受信部82は、上記指示信号に対して応答するためにサービスサーバ90から送信されてくる応答信号を、インターネットNを通じて受信する。
【0035】
変換部83は、サービスサーバ90から送信されてくるコンテンツデータを、保持部81に保持されている所定のテンプレートデータに基づいて、棟制御部40および管理制御部70へ送信するためのコンテンツ表示用データへ変換する。例えば、変換部83は、コンテンツデータを、所定のテンプレートデータに基づいて、棟制御部40に接続されている居室親機10の表示部11に表示可能な形態のコンテンツ表示用データへ変換する。また、例えば、変換部83は、コンテンツデータを、所定のテンプレートデータに基づいて、棟制御部40に接続されている集合玄関機20の表示部21または管理室親機30の表示部31に表示可能な形態のコンテンツ表示用データへ変換する。また、例えば、変換部83は、コンテンツデータを、所定のテンプレートデータに基づいて、管理制御部70に接続されている管理玄関機50の表示部51または管理室親機60の表示部61に表示可能な形態のコンテンツ表示用データへ変換する。
【0036】
送信部84は、例えば、変換部83によって変換されたコンテンツ表示用データを、インターネットNを通じて、棟制御部40および管理制御部70へ送信する。また、送信部84は、例えば、棟制御部40および管理制御部70から送信されてくる指示信号を、インターネットNを通じて、所定のサービスサーバ90へ送信する。また、送信部84は、例えば、サービスサーバ90から送信されてくる応答信号を、インターネットNを通じて、棟制御部40および管理制御部70へ送信する。
【0037】
サーバ制御部85は、保持部81、受信部82、変換部83、および送信部84を制御することにより、棟制御部40および管理制御部70とサービスサーバ90との間の通信を行う。通信I/F87は、サービスサーバ90とプラットフォームサーバ80との間におけるインターネットNを介した信号伝送路を形成する。通信I/F88は、プラットフォームサーバ80と棟制御部40および管理制御部70との間におけるインターネットNを介した信号伝送路を形成する。
【0038】
次に、インターホンシステム1の動作例について、図3および図4に示すフローチャートと図5に示す表示画面とを参照して説明する。本動作例では、サービスサーバ90から提供されるサービス情報が集合住宅2の居室親機10に表示される場合について説明する。
【0039】
図3に示すように、まず、各サービス提供者が提供可能なサービスに関連付けられたコンテンツデータが、サービスサーバ90にアップロードされる(ステップS10)。次に、サービスサーバ90は、アップロードされた上記サービスに関連付けられるコンテンツデータを、インターネットNを通じて、プラットフォームサーバ80へ送信する(ステップS11)。例えば、サービスに関連付けられたコンテンツデータは、タクシー会社の配車に関連付けられたデータ、電力会社のエネルギー使用状況に関連付けられたデータ、マンション管理会社のマンション施設の予約に関連付けられたデータ等である。
【0040】
プラットフォームサーバ80のサーバ制御部85は、各サービスサーバ90から送信されてくるサービスに関連付けられたコンテンツデータを受信部82で受信し、受信したコンテンツデータを各サービスサーバ90と関連付けて保持部81に保持する(ステップS12)。次に、サーバ制御部85は、変換部83を制御して、受信したコンテンツデータを、予め保持部81に保持されている例えば「サービス一覧」用のテンプレートに基づいて、居室親機10の表示部11に表示可能な形態のサービス一覧表示用データ(コンテンツ表示用データの一例)へと変換する(ステップS13)。次に、サーバ制御部85は、変換されたサービス一覧表示用データを、インターネットNを通じて、送信部84から集合住宅2の棟制御部40へ送信する(ステップS14)。
【0041】
棟制御部40の制御部CPU41は、プラットフォームサーバ80から送信されてきたサービス一覧表示用データを配信サーバ42に保存する(ステップS15)。次に、制御部CPU41は、配信サーバ42に保存されたサービス一覧表示用データを、インターホン回線L1を通じて、各居室親機10へ送信する(ステップS16)。
【0042】
各居室親機10の親機CPU13は、棟制御部40から送信されてきたサービス一覧表示用データを、サービス一覧画面として表示部11に表示する(ステップS17)。具体的には、表示部11には、例えば、図5(a)に示すような「サービス一覧」の画面が表示される。
【0043】
次に、居室親機10の表示部11に表示された「サービス一覧」の画面(図5(a)参照)において、タクシー情報を確認するための「タクシー配車」ボタン11aが、例えば、住居A棟3における101号室の居住者によって押下されたとする(ステップS18)。「タクシー配車」ボタン11aの押下に基づいて、101号室の居室親機10は、タクシー情報を要求する指示信号を、インターホン回線L1を通じて、棟制御部40へ送信する(ステップS19)。
【0044】
棟制御部40の制御部CPU41は、101号室の居室親機10から送信されてきた指示信号を配信サーバ42に保存する(ステップS20)。次に、制御部CPU41は、インターネットNを通じて、指示信号をプラットフォームサーバ80へ送信する(ステップS21)。
【0045】
プラットフォームサーバ80のサーバ制御部85は、住居A棟3の棟制御部40から送信されてきた指示信号を受信部82で受信すると、当該タクシー情報を要求する指示信号に対応するタクシー情報表示用データ(コンテンツ表示用データの一例)を、保持部81から読み出す(ステップS22)。次に、サーバ制御部85は、読み出したタクシー情報表示用データを、インターネットNを通じて、送信部84から住居A棟3の棟制御部40へ送信する(ステップS23)。
【0046】
棟制御部40の制御部CPU41は、プラットフォームサーバ80から送信されてきたタクシー情報表示用データを配信サーバ42に保存する(ステップS24)。次に、制御部CPU41は、タクシー情報表示用データを、インターホン回線L1を通じて、101号室の居室親機10へ送信する(ステップS25)。
【0047】
101号室の居室親機10の親機CPU13は、棟制御部40から送信されてきたタクシー情報表示用データを、表示部11に表示する(ステップS26)。具体的には、表示部11には、例えば、図5(b)に示すような「タクシー情報」の画面が表示される。
【0048】
次に、図4に示すように、101号室の居室親機10の表示部11に表示された「タクシー情報」の画面(図5(b)参照)において、タクシーの配車を要求するための「タクシーを呼ぶ」ボタン11bが押下されたとする(ステップS27)。「タクシーを呼ぶ」ボタン11bの押下に基づいて、101号室の居室親機10は、タクシーの配車を要求する指示信号を、インターホン回線L1を通じて、棟制御部40へ送信する(ステップS28)。
【0049】
棟制御部40の制御部CPU41は、101号室の居室親機10から送信されてきた指示信号を配信サーバ42に保存する(ステップS29)。次に、制御部CPU41は、インターネットNを通じて、指示信号をプラットフォームサーバ80へ送信する(ステップS30)。指示信号には、タクシー配車を要求したユーザの情報として、例えば101号室の居住者名、電話番号等が含まれる。
【0050】
プラットフォームサーバ80のサーバ制御部85は、棟制御部40から送信されてきた指示信号を受信部82で受信すると、インターネットNを通じて、当該指示信号を送信部84からタクシー会社のサービスサーバ90へ送信する(ステップS31)。
【0051】
タクシー会社のサービスサーバ90は、プラットフォームサーバ80から送信されてきた指示信号に対して、配車到着予定時間、タクシー会社名、配車番号等を含む応答信号を、インターネットNを通じて、プラットフォームサーバ80へ送信する(ステップS32)。
【0052】
プラットフォームサーバ80のサーバ制御部85は、タクシー会社のサービスサーバ90から送信されてきた応答信号を受信部82で受信し、当該応答信号をタクシー会社のサービスサーバ90と関連付けて保持部81に保持する(ステップS33)。次に、サーバ制御部85は、変換部83を制御して、応答信号(配車到着予定時間、タクシー会社名、配車番号等)を、予め保持部81に保持されている「配車応答」用のテンプレートに基づいて、居室親機10の表示部11に表示可能な形態の配車応答表示用データ(コンテンツ表示用データの一例)へと変更する(ステップS34)。サーバ制御部85は、変換部83で変更された配車応答表示用データを、送信部84からインターネットNを通じて住居A棟3の棟制御部40へ送信する(ステップS35)。
【0053】
棟制御部40の制御部CPU41は、プラットフォームサーバ80から送信されてきた配車応答表示用データを配信サーバ42に保存する(ステップS36)。次に、制御部CPU41は、配車応答表示用データを、インターホン回線L1を通じて、101号室の居室親機10へ送信する(ステップS37)。
【0054】
101号室の居室親機10の親機CPU13は、棟制御部40から送信されてきた配車応答表示用データを、表示部11に表示する(ステップS38)。具体的には、表示部11には、例えば、図5(c)に示すような「配車応答」の画面が表示される。
【0055】
なお、本例では居室親機10にサービス情報が表示される動作について説明したが、これに限られない。例えば、集合玄関機20、管理室親機30、管理玄関機50、および管理室親機60にも同様にしてサービス情報を表示させることが可能である。
【0056】
ところで、タクシー配車のサービス、エネルギーの使用状況を見える化するサービス、マンション施設の予約サービス等を、インターネットを通じて集合住宅の居住者に向けて提供する場合、従来は、各サービスの提供者が各居室親機の表示部に適合した方式のコンテンツページを作成する必要があり、処理が煩雑であった。
【0057】
これに対して、上記構成のインターホンシステム1では、プラットフォームサーバ80が、サービスサーバ90から送信されたコンテンツデータを適式な方式のコンテンツ表示用データへと変換し、当該コンテンツ表示用データを居室親機10に送信している。このため、各コンテンツデータのサービス提供元である各サービス提供者が、各居室親機10に適合したコンテンツ表示用データを開発する必要がない。また、例えば、サービスサーバ90からのデータ通信方式の変更や更新があった場合でも、プラットフォームサーバ80により通信方式の変更等に対応することができる。このため、サービスサーバ90との間でデータ通信を行う各居室親機10で通信方式の変更を行う必要がない。したがって、インターホンシステム1によれば、種々のコンテンツ表示用データを居室親機10に簡便に表示することができる。また、プラットフォームサーバ80によれば、種々のコンテンツ表示用データを居室親機10に簡便に表示可能なプラットフォームを提供することができる。
【0058】
また、本実施形態に係るインターホンシステム1では、例えば居室親機10からのユーザ入力に基づくサービス要求(指示信号)があった場合、サービスサーバ90からの応答信号を、プラットフォームサーバ80が所定のテンプレートに基づいて、居室親機10で表示可能な形態のコンテンツ表示用データへと変更する。このため、サービスサーバ90は、応答信号のみをプラットフォームサーバ80へ送信すればよく、変更されたコンテンツ表示用データを提供する必要がない。したがって、インターホンシステム1によれば、コンテンツ表示用データを用いたコンテンツページの切り替え等をサービス提供者側に負担をかけることなく行うことができる。
【0059】
また、本実施形態に係るインターホンシステム1では、居室親機10が棟制御部40を介してインターネットNに接続される方式を採用している。このため、集合住宅の全住居にインターネット接続のサービスを一括で提供する全戸一括型のインターネット接続サービスを導入していない集合住宅においても、本インターホンシステム1を導入することができる。
【0060】
(変形例)
図6は、上述したインターホンシステム1の変形例を示す構成図である。図6に示すように、変形例に係るインターホンシステム1Aは、各居室親機10が、例えばハブ(HUB)100により分配されてインターネットNに直接接続されている点で、各居室親機10がインターホン回線L1を通じて接続された棟制御部40を介してインターネットNに(間接的に)接続されているインターホンシステム1と相違する。このため、各居室親機10とプラットフォームサーバ80との間の通信は、上記インターホンシステム1における棟制御部40を通じた通信とは異なり、棟制御部40を介さないで、各居室親機10とプラットフォームサーバ80との間で直接行われる。
【0061】
例えば、居室親機10からユーザ入力に基づくサービス要求(例えば、タクシー配車ボタン11aの押下)があった場合、インターホンシステム1Aでは、居室親機10から出力される指示信号(タクシー情報を要求する信号)を、インターネットNを通じて、プラットフォームサーバ80へ直接送信する。また、上記指示信号を受信したプラットフォームサーバ80は、上記指示信号に対応するコンテンツ表示用データ(タクシー情報表示用データ)を、インターネットNを通じて、居室親機10へ直接送信する。同様に、居室親機10から例えばタクシーを呼ぶボタン11bの押下があった場合、インターホンシステム1Aでは、居室親機10から出力されるタクシーの配車を要求する指示信号を、インターネットNを通じて、プラットフォームサーバ80へ直接送信する。また、居室親機10から出力された上記指示信号に対して、サービスサーバ90から応答信号(配車到着予定時間、タクシー会社名、配車番号等を含む信号)が出力された場合、プラットフォームサーバ80は、所定(配車応答用)のテンプレートに基づいて変更したコンテンツ表示用データ(配車応答表示用データ)を、インターネットNを通じて、居室親機10へ直接送信する。
【0062】
このように構成された変形例に係るインターホンシステム1Aでは、インターネットN上において各居室親機10を識別することが可能なIPアドレスが、各居室親機10の親機CPU13の記憶部(図示省略)に記憶されている。
【0063】
なお、図6のインターホンシステム1Aでは、居室親機10のみがインターネットNに直接接続されているが、これに限らない。例えば、集合玄関機20、管理室親機30、管理玄関機50、および管理室親機60がインターネットNに直接接続されるようにしてもよい。その場合、インターネットN上において集合玄関機20、管理室親機30、管理玄関機50、および管理室親機60を識別することが可能なIPアドレスが、集合玄関機20、管理室親機30、管理玄関機50、および管理室親機60の記憶部にそれぞれ記憶される。
【0064】
上記構成のインターホンシステム1Aによれば、上述したインターホンシステム1と同様の効果を得ることができる。また、インターホンシステム1Aは、全戸一括型のインターネット接続サービスを導入している集合住宅に適している。
【0065】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0066】
1,1A:インターホンシステム、2:集合住宅、10:居室親機、11:表示部、12:操作部、13:親機CPU、棟制御部40(制御装置の一例)、41:制御部CPU、42:配信サーバ、管理制御部70(制御装置の一例)、80:プラットフォームサーバ(第一サーバまたはサーバ装置の一例)、81:保持部、82:受信部、83:変換部、84:送信部、85:サーバ制御部、90:サービスサーバ(第二サーバまたはサービスサーバ装置の一例)、11a:タクシー配車ボタン、11b:タクシーを呼ぶボタン、100:ハブ(HUB)、L1~L5:インターホン回線、N:インターネット(外部ネットワークの一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6