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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】コネクタおよび接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20230912BHJP
   H01R 12/88 20110101ALI20230912BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R12/88
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019193203
(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公開番号】P2021068601
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156861(JP,A)
【文献】特開2001-035573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/59
H01R 12/77
H01R 12/88
A61B 5/256
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、
導電性材料から形成されたコンタクトを含むコンタクト部材と、
弾性部材本体と前記弾性部材本体から延びる回転操作部とを有する弾性部材と
を備え、
前記コンタクト部材は、前記コンタクトの一部からなる導体接触部と、前記導体接触部から所定の方向に離れて配置され且つ前記導体接触部に対向する弾性部材接触部とを有し、
前記弾性部材本体は、前記回転操作部が連結された基部と、前記基部から前記所定の方向に離れて配置され且つ前記基部に対して前記所定の方向に弾性変位可能な押し付け部とを有し、
前記フレキシブル導体の一部が前記弾性部材本体の前記押し付け部と前記コンタクト部材の前記導体接触部との間に配置され、前記弾性部材本体の前記基部が前記コンタクト部材の前記弾性部材接触部に接触し、前記所定の方向に弾性変位した前記押し付け部が前記フレキシブル導体の前記一部を前記導体接触部に押し付けることで前記コンタクトが前記フレキシブル導体に電気的に接続されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記コンタクト部材は、前記コンタクトからなり、
前記コンタクトは、前記弾性部材本体が収容される凹状の弾性部材本体収容部を有し、
前記所定の方向における前記弾性部材本体収容部の一端部に前記導体接触部が配置され且つ他端部に前記弾性部材接触部が配置されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記弾性部材本体は、前記所定の方向が含まれる所定の平面上に延びるリング形状、C字形状または平板形状を有し、
前記所定の方向における前記弾性部材本体の一端部に前記押し付け部が配置され且つ他端部に前記基部が配置されている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回転操作部は、前記所定の平面から前記所定の平面に対して垂直な方向に離れた位置において、前記基部から前記押し付け部とは反対方向で且つ前記所定の方向に延びている請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
一直線上に配列される複数の前記コンタクトを備え、
前記弾性部材は、複数の前記コンタクトに対応して一直線上に配列される複数の前記弾性部材本体と、複数の前記弾性部材本体に連結された1つの前記回転操作部とを有する請求項2~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コンタクトは、突状部と、前記突状部の一端に形成されたフランジを有し、
前記コンタクトの前記突状部が貫通し且つ前記フランジよりも小さいコンタクト用貫通孔が形成された第1インシュレータをさらに備える請求項2~5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1インシュレータは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有する請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記フレキシブル導体を間に挟んで前記第1インシュレータに対向し且つ前記回転操作部を覆う第2インシュレータを備える請求項6または7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記コンタクト部材は、複数の前記コンタクトが配列された状態でコンタクト用インシュレータにより保持されたコンタクトユニットからなり、
前記コンタクトユニットは、複数の前記コンタクトの一部からなる複数の前記導体接触部と、前記弾性部材接触部とを有し、
前記弾性部材本体は、複数の前記コンタクトに対応する複数の前記基部と、複数の前記基部から前記所定の方向に離れて配置され且つ複数の前記基部に対して前記所定の方向に弾性変位可能な複数の前記押し付け部とを有し、
複数の前記フレキシブル導体の前記一部が複数の前記押し付け部と複数の前記導体接触部との間に配置され、前記弾性部材の複数の前記基部が前記コンタクトユニットの前記弾性部材接触部に接触し、前記所定の方向に弾性変位した複数の前記押し付け部が複数の前記フレキシブル導体の前記一部を複数の前記導体接触部に押し付けることで複数の前記コンタクトが複数の前記フレキシブル導体に電気的に接続される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コンタクトユニットは、前記弾性部材本体が収容される凹状の弾性部材本体収容部を有し、
前記所定の方向における前記弾性部材本体収容部の一端部に複数の前記導体接触部が露出し且つ他端部に前記弾性部材接触部が配置され、
前記所定の方向における前記弾性部材本体の一端部に複数の前記押し付け部が配列され且つ他端部に複数の前記基部が配列され、
複数の前記押し付け部が前記所定の方向に弾性変位した状態で前記弾性部材本体が前記弾性部材本体収容部に収容されることで、前記弾性部材の複数の前記基部が前記コンタクトユニットの前記弾性部材接触部に接触する請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記弾性部材本体は、複数の前記コンタクトの配列方向に配列された片持ち梁形状の複数の弾性片を有し、
複数の前記基部は、前記複数の弾性片の基端部に配置され、複数の前記押し付け部は、前記複数の弾性片の先端部に配置されている請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記回転操作部は、前記複数の弾性片の複数の前記基部に連結され且つ複数の前記基部から複数の前記押し付け部とは反対方向で且つ前記所定の方向に延びる平板形状を有する請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
複数の前記フレキシブル導体を間に挟んで前記コンタクトユニットに対向し且つ前記回転操作部を覆う第2インシュレータを備える請求項9~12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記弾性部材は、前記回転操作部に突出形成されたガイド部を有し、
前記コンタクトユニットは、前記ガイド部が収容されるガイド受け部を有し、
前記ガイド部が前記ガイド受け部に収容されることで、前記弾性部材本体収容部に対する前記弾性部材本体の収容位置が規制される請求項1012のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記フレキシブル導体は、独立して、前記弾性部材の前記押し付け部と前記コンタクト部材の前記導体接触部との間に配置される請求項1~14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、
前記フレキシブル導体が前記コンタクト部材の前記導体接触部に対向し、前記基板本体の裏面が前記弾性部材の前記押し付け部に対向するように、前記フレキシブル導体が前記弾性部材の前記押し付け部と前記コンタクト部材の前記導体接触部との間に配置される請求項1~14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記コンタクトは、プラグ型のコンタクトである請求項1~16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記コンタクトは、レセプタクル型のコンタクトである請求項1~16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項19】
コンタクトの一部からなる導体接触部と前記導体接触部から所定の方向に離れて配置された弾性部材接触部とを有するコンタクト部材における前記コンタクトを、基部と前記基部から前記所定の方向に離れて配置され且つ前記基部に対して前記所定の方向に弾性変位可能な押し付け部とを有する弾性部材本体と前記弾性部材本体に連結された回転操作部とを備える弾性部材を用いて、フレキシブル導体に接続する接続方法であって、
前記導体接触部の近傍に前記フレキシブル導体の一部が位置するように前記コンタクト部材に対して前記フレキシブル導体を配置し、
前記押し付け部が前記フレキシブル導体の前記一部に接触し且つ前記フレキシブル導体の前記一部が前記導体接触部と前記押し付け部との間に挟まれるように前記コンタクト部材に対して前記弾性部材を傾斜させて配置し、
前記回転操作部を操作して前記フレキシブル導体の前記一部に接触する前記押し付け部を中心として前記弾性部材を回転させ、前記弾性部材本体の前記基部を前記コンタクト部材の前記弾性部材接触部に接触させることにより、弾性変位した前記押し付け部が前記フレキシブル導体の前記一部を前記導体接触部に押し付けることで前記コンタクトが前記フレキシブル導体に電気的に接続されることを特徴とする接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタおよび接続方法に係り、特に、フレキシブル導体に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体に接続されるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図41に示されるようなコネクタが開示されている。このコネクタは、フレキシブル基板1を間に挟んでフレキシブル基板1の両側に配置されるコンタクト2とベース部材3を備えている。
【0003】
コンタクト2に対向するフレキシブル基板1の表面上にフレキシブル導体4が露出しており、コンタクト2は、フレキシブル導体4に対向するように形成された凹状の突起収容部5を有し、ベース部材3には、フレキシブル基板1の裏面に向かって突出する突起6が形成されている。フレキシブル基板1により突起6が覆われるようにフレキシブル基板1を間に挟んでベース部材3の突起6がフレキシブル基板1と共にコンタクト2の突起収容部5に挿入されると、突起6によりフレキシブル基板1がコンタクト2の突起収容部5の内面に押しつけられ、突起収容部5の内面がフレキシブル基板1の表面上に露出しているフレキシブル導体4に所定の接触力で接触し、これによりコンタクト2がフレキシブル導体4に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-129244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ベース部材3の突起6をフレキシブル基板1と共にコンタクト2の突起収容部5に挿入する際に、フレキシブル基板1は、接続状態におけるフレキシブル導体4と突起収容部5の内面との間の所定の接触力となる大きな力を突起6から受けて突起収容部5の内面に擦れながら挿入されることとなる。このため、フレキシブル基板1の表面上に配置されているフレキシブル導体4が破損して、フレキシブル導体4とコンタクト2との電気的接続の信頼性が損なわれるおそれがある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、接続時におけるフレキシブル導体の破損を防止して、フレキシブル導体に対する電気的接続の信頼性を確保することができるコネクタを提供することを目的とする。
また、この発明は、フレキシブル導体の破損を防止しつつフレキシブル導体に対してコンタクトを電気的に接続する接続方法を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るコネクタは、フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、導電性材料から形成されたコンタクトを含むコンタクト部材と、弾性部材本体と弾性部材本体から延びる回転操作部とを有する弾性部材とを備え、コンタクト部材は、コンタクトの一部からなる導体接触部と、導体接触部から所定の方向に離れて配置され且つ導体接触部に対向する弾性部材接触部とを有し、弾性部材本体は、回転操作部が連結された基部と、基部から所定の方向に離れて配置され且つ基部に対して所定の方向に弾性変位可能な押し付け部とを有し、フレキシブル導体の一部が弾性部材本体の押し付け部とコンタクト部材の導体接触部との間に配置され、弾性部材本体の基部がコンタクト部材の弾性部材接触部に接触し、所定の方向に弾性変位した押し付け部がフレキシブル導体の一部を導体接触部に押し付けることでコンタクトがフレキシブル導体に電気的に接続されるものである。
【0008】
コンタクト部材は、コンタクトからなり、コンタクトは、弾性部材本体が収容される凹状の弾性部材本体収容部を有し、所定の方向における弾性部材本体収容部の一端部に導体接触部が配置され且つ他端部に弾性部材接触部が配置されるように構成することができる。
弾性部材本体は、所定の方向が含まれる所定の平面上に延びるリング形状、C字形状または平板形状を有し、所定の方向における弾性部材本体の一端部に押し付け部が配置され且つ他端部に基部が配置されていることが好ましい。
回転操作部は、所定の平面から所定の平面に対して垂直な方向に離れた位置において、基部から押し付け部とは反対方向で且つ所定の方向に延びるように形成することができる。
一直線上に配列される複数のコンタクトを備え、弾性部材は、複数のコンタクトに対応して一直線上に配列される複数の弾性部材本体と、複数の弾性部材本体に連結された1つの回転操作部とを有するように構成することができる。
【0009】
コンタクトは、突状部と、突状部の一端に形成されたフランジを有し、コンタクトの突状部が貫通し且つフランジよりも小さいコンタクト用貫通孔が形成された第1インシュレータをさらに備えることが好ましい。
第1インシュレータは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有することが好ましい。
また、フレキシブル導体を間に挟んで第1インシュレータに対向し且つ回転操作部を覆う第2インシュレータを備えることが好ましい。
【0010】
コンタクト部材は、複数のコンタクトが配列された状態でコンタクト用インシュレータにより保持されたコンタクトユニットからなり、コンタクトユニットは、複数のコンタクトの一部からなる複数の導体接触部と、弾性部材接触部とを有し、弾性部材本体は、複数のコンタクトに対応する複数の基部と、複数の基部から所定の方向に離れて配置され且つ複数の基部に対して所定の方向に弾性変位可能な複数の押し付け部とを有し、複数のフレキシブル導体の一部が複数の押し付け部と複数の導体接触部との間に配置され、弾性部材の複数の基部がコンタクトユニットの弾性部材接触部に接触し、所定の方向に弾性変位した複数の押し付け部が複数のフレキシブル導体の一部を複数の導体接触部に押し付けることで複数のコンタクトが複数のフレキシブル導体に電気的に接続されるように構成することもできる。
【0011】
コンタクトユニットは、弾性部材本体が収容される凹状の弾性部材本体収容部を有し、所定の方向における弾性部材本体収容部の一端部に複数の導体接触部が露出し且つ他端部に弾性部材接触部が配置され、所定の方向における弾性部材本体の一端部に複数の押し付け部が配列され且つ他端部に複数の基部が配列され、複数の押し付け部が所定の方向に弾性変位した状態で弾性部材本体が弾性部材本体収容部に収容されることで、弾性部材の複数の基部がコンタクトユニットの弾性部材接触部に接触することが好ましい。
【0012】
弾性部材本体は、複数のコンタクトの配列方向に配列された片持ち梁形状の複数の弾性片を有し、複数の基部は、複数の弾性片の基端部に配置され、複数の押し付け部は、複数の弾性片の先端部に配置されていることが好ましい。
回転操作部は、複数の弾性片の複数の基部に連結され且つ複数の基部から複数の押し付け部とは反対方向で且つ所定の方向に延びる平板形状を有することが好ましい。
複数のフレキシブル導体を間に挟んでコンタクトユニットに対向し且つ回転操作部を覆う第2インシュレータを備えることができる。
弾性部材は、回転操作部に突出形成されたガイド部を有し、コンタクトユニットは、ガイド部が収容されるガイド受け部を有し、ガイド部がガイド受け部に収容されることで、弾性部材本体収容部に対する弾性部材本体の収容位置が規制されるように構成することができる。
【0013】
フレキシブル導体は、独立して、弾性部材の押し付け部とコンタクト部材の導体接触部との間に配置されるように構成することができる。
あるいは、フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、フレキシブル導体がコンタクト部材の導体接触部に対向し、基板本体の裏面が弾性部材の押し付け部に対向するように、フレキシブル導体が弾性部材の押し付け部とコンタクト部材の導体接触部との間に配置されるように構成してもよい。
なお、コンタクトは、プラグ型のコンタクトとすることもでき、あるいは、レセプタクル型のコンタクトとすることもできる。
【0014】
この発明に係る接続方法は、コンタクトの一部からなる導体接触部と導体接触部から所定の方向に離れて配置された弾性部材接触部とを有するコンタクト部材におけるコンタクトを、基部と基部から所定の方向に離れて配置され且つ基部に対して所定の方向に弾性変位可能な押し付け部とを有する弾性部材本体と弾性部材本体に連結された回転操作部とを備える弾性部材を用いて、フレキシブル導体に接続する接続方法であって、導体接触部の近傍にフレキシブル導体の一部が位置するようにコンタクト部材に対してフレキシブル導体を配置し、押し付け部がフレキシブル導体の一部に接触し且つフレキシブル導体の一部が導体接触部と押し付け部との間に挟まれるようにコンタクト部材に対して弾性部材を傾斜させて配置し、回転操作部を操作してフレキシブル導体の一部に接触する押し付け部を中心として弾性部材を回転させ、弾性部材本体の基部をコンタクト部材の弾性部材接触部に接触させることにより、弾性変位した押し付け部がフレキシブル導体の一部を導体接触部に押し付けることでコンタクトがフレキシブル導体に電気的に接続される方法である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、フレキシブル導体の一部が弾性部材本体の押し付け部とコンタクト部材の導体接触部との間に配置され、弾性部材本体の基部がコンタクト部材の弾性部材接触部に接触し、所定の方向に弾性変位した押し付け部がフレキシブル導体の一部を導体接触部に押し付けることでコンタクトがフレキシブル導体に電気的に接続されるので、接続時におけるフレキシブル導体の破損を防止して、フレキシブル導体に対する電気的接続の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た組立図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た組立図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す斜視図である。
図6】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトの断面図である。
図7】実施の形態1に係るコネクタに用いられる一方の弾性部材を示す斜視図である。
図8】実施の形態1に係るコネクタに用いられる一方の弾性部材を示す平面図である。
図9図8のA-A線断面図である。
図10】実施の形態1に係るコネクタに用いられる他方の弾性部材を示す斜視図である。
図11】コンタクトが嵌め込まれた第1インシュレータの上にフレキシブル導体を配置した段階の組立図である。
図12】弾性部材をコンタクトに対して傾斜させて配置した段階の組立図である。
図13】弾性部材がコンタクトに対して傾斜して配置された状態を示す部分断面図である。
図14】弾性部材本体をコンタクトの弾性部材本体収容部に収容した段階の組立図である。
図15】弾性部材本体がコンタクトの弾性部材本体収容部に収容された状態を示す部分断面図である。
図16】実施の形態1に係るコネクタを示す部分断面図である。
図17】実施の形態1の変形例に係るコネクタに用いられる弾性部材を示す斜視図である。
図18】実施の形態1の他の変形例に係るコネクタに用いられる弾性部材を示す斜視図である。
図19】実施の形態1のさらに他の変形例に係るコネクタに用いられる弾性部材を示す斜視図である。
図20】実施の形態2に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図21】実施の形態2に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図22】実施の形態2に係るコネクタの正面図である。
図23】実施の形態2に係るコネクタを斜め上方から見た組立図である。
図24】実施の形態2に係るコネクタを斜め下方から見た組立図である。
図25】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトユニットを斜め上方から見た斜視図である。
図26】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトユニットを斜め下方から見た斜視図である。
図27】実施の形態2に係るコネクタに用いられるコンタクトユニットを示す断面図である。
図28】実施の形態2に係るコネクタに用いられる弾性部材を斜め上方から見た斜視図である。
図29】実施の形態2に係るコネクタに用いられる弾性部材を斜め下方から見た斜視図である。
図30】実施の形態2に係るコネクタに用いられる弾性部材を示す平面図である。
図31図30のD-D線断面図である。
図32】フレキシブル基板にコンタクトユニットを配置した段階を斜め上方から見た組立図である。
図33】フレキシブル基板にコンタクトユニットを配置した段階を斜め下方から見た組立図である。
図34】弾性部材をコンタクトユニットに対して傾斜させて配置した段階の組立図である。
図35】弾性部材がコンタクトユニットに対して傾斜して配置されたときの弾性部材本体と弾性部材本体収容部の位置関係を示す断面図である。
図36】弾性部材がコンタクトユニットに対して傾斜して配置されたときのガイド部とガイド受け部の位置関係を示す断面図である。
図37】弾性部材本体をコンタクトユニットの弾性部材本体収容部に収容した段階の組立図である。
図38】弾性部材本体がコンタクトユニットの弾性部材本体収容部に収容された状態を示す断面図である。
図39図22のB-B線断面図である。
図40図22のC-C線断面図である。
図41】従来のコネクタにおけるコンタクトと突起およびフレキシブル基板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用されるもので、複数のフレキシブル導体21に接続されている。
【0018】
コネクタ11は、第1インシュレータ12と、4つのコンタクト13と、4つのフレキシブル導体21を間に挟んで第1インシュレータ12に対向する第2インシュレータ14を備えており、4つのコンタクト13と4つのフレキシブル導体21が互いに電気的に接続されている。第1インシュレータ12は、凹部12Aを有しており、複数のコンタクト13は、それぞれ、第1インシュレータ12の凹部12A内において、凹部12Aの平面状の底面に対し垂直に突出している。
フレキシブル導体21としては、複数の導電繊維を撚り合わせることにより作製された帯形状の導体が使用されている。
【0019】
ここで、便宜上、第1インシュレータ12の凹部12Aの底面がXY面に沿って延び、それぞれのコンタクト13が突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
第1インシュレータ12の-Z方向側に4つのフレキシブル導体21が配置され、4つのフレキシブル導体21の-Z方向側に第2インシュレータ14が配置されている。
4つのコンタクト13は、第1列R1および第2列R2の2つの列に配列されている。第1列R1および第2列R2は、それぞれ、Y方向に沿って延び、互いに隣接する一対のコンタクト13から形成されている。また、第1列R1および第2列R2は、互いにX方向に離れており、第2列R2は、第1列R1の+X方向側に配置されている。
【0020】
図3および図4にコネクタ11の組立図を示す。第1インシュレータ12は、絶縁性樹脂からなり、+Z方向に向かって開いている凹部12A内に、4つのコンタクト用貫通孔12Bが形成されている。凹部12Aは、図示しない相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を構成するものである。4つのコンタクト用貫通孔12Bには、それぞれコンタクト13が挿入されている。また、XY方向において凹部12Aの外側の箇所で且つ第1インシュレータ12の-Z方向を向いた面12Cに、2つの凹状のポスト収容部12Dが形成されている。
【0021】
4つのコンタクト13は、それぞれ、金属等の導電性材料から形成されたプラグ型のコンタクトで、第1インシュレータ12の凹部12Aに図示しない相手側コネクタの一部が収容された場合に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものである。
第1インシュレータ12の-Z方向側に4つのフレキシブル導体21が配置され、4つのフレキシブル導体21の-Z方向側に2つの弾性部材15および16が配置されている。
【0022】
弾性部材15は、第1列R1を形成する一対のコンタクト13に対応し、弾性部材16は、第2列R2を形成する一対のコンタクト13に対応している。弾性部材15は、2つの弾性部材本体15Aと、2つの弾性部材本体15Aに連結された1つの回転操作部15Bとを有している。同様に、弾性部材16は、2つの弾性部材本体16Aと、2つの弾性部材本体16Aに連結された1つの回転操作部16Bとを有している。これらの弾性部材15および16は、弾性変形可能な樹脂または金属から形成されている。
【0023】
2つの弾性部材15および16の-Z方向側に第2インシュレータ14が配置されている。第2インシュレータ14は、絶縁性樹脂からなり、平板部14Aを有している。平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bに、2つの弾性部材15および16にそれぞれ対応する2つの弾性部材用凹部14Cおよび14Dが形成されると共に、弾性部材用凹部14Cに連通する2つの導体収容溝14Eと弾性部材用凹部14Dに連通する2つの導体収容溝14Eとが形成されている。これらの導体収容溝14Eは、対応するフレキシブル導体21を収容するためのものである。
さらに、平板部14Aの面14Bには、2つの固定用ポスト14Fが突出形成されている。これら2つの固定用ポスト14Fは、第1インシュレータ12の2つの凹状のポスト収容部12Dに対応している。
【0024】
第1インシュレータ12の4つのコンタクト用貫通孔12Bのうち-X方向側に配置された2つのコンタクト用貫通孔12Bに挿入され且つ第1列R1を形成する2つのコンタクト13と、4つのフレキシブル導体21のうち-X方向側に配置された2つのフレキシブル導体21の接点部21Aと、弾性部材15の2つの弾性部材本体15Aは、互いにZ方向に整列する位置に配置されている。
同様に、第1インシュレータ12の4つのコンタクト用貫通孔12Bのうち+X方向側に配置された2つのコンタクト用貫通孔12Bに挿入され且つ第2列R2を形成する2つのコンタクト13と、4つのフレキシブル導体21のうち+X方向側に配置された2つのフレキシブル導体21の接点部21Aと、弾性部材16の2つの弾性部材本体16Aは、互いにZ方向に整列する位置に配置されている。
また、第1インシュレータ12の2つのポスト収容部12Dと、第2インシュレータ14の2つの固定用ポスト14Fは、互いにZ方向に整列する位置に配置されている。
【0025】
図5および図6に、第1列R1に配置されるコンタクト13を示す。コンタクト13は、Z方向に延びる円筒形状の突状部13Aと、突状部13Aの-Z方向端部からXY面に沿って延びる円板形状のフランジ13Bを有している。突状部13Aの-Z方向側部分に、突状部13Aの+Z方向側部分よりも大きい径を有する大径部13A1が形成されており、大径部13A1の内部に、-Z方向に向かって開放された凹状の弾性部材本体収容部13Cが形成されている。弾性部材本体収容部13Cは、内径D1を有しており、弾性部材本体収容部13Cの-X方向端部における内面により、フレキシブル導体21の接点部21Aに接触する導体接触部13Dが形成され、弾性部材本体収容部13Cの+X方向端部における内面により、弾性部材15に接触する弾性部材接触部13Eが形成されている。
【0026】
なお、第2列R2に配置されるコンタクト13も、第1列R1に配置されるコンタクト13と同様の構成を有しているが、X方向における導体接触部13Dと弾性部材接触部13Eの位置関係が逆になり、弾性部材本体収容部13Cの+X方向端部における内面により、フレキシブル導体21の接点部21Aに接触する導体接触部13Dが形成され、弾性部材本体収容部13Cの-X方向端部における内面により、弾性部材16に接触する弾性部材接触部13Eが形成されている。
このようなコンタクト13は、例えば、プレス加工、切削、絞り加工等により作製することができる。
【0027】
なお、第1インシュレータ12のコンタクト用貫通孔12Bは、コンタクト13の突状部13Aの大径部13A1の外径より大きく且つフランジ13Bの外径より小さい内径を有しており、図3に示されるように、コンタクト13の突状部13Aが、コンタクト用貫通孔12Bを貫通して第1インシュレータ12の凹部12A内に突出し、図4に示されるように、コンタクト13のフランジ13Bは、第1インシュレータ12の-Z方向を向いた面12C上に露出している。
【0028】
図7図9に、第1列R1を形成する2つのコンタクト13に対応する弾性部材15を示す。弾性部材15は、Y方向に並んで配置された2つの弾性部材本体15Aと、2つの弾性部材本体15Aに連結された1つの回転操作部15Bとを有している。2つの弾性部材本体15AのY方向における中心間距離は、第1列R1を形成する2つのコンタクト13のY方向における中心間距離に等しく設定されている。
それぞれの弾性部材本体15Aは、XY面上に延びるリング形状を有しており、弾性部材本体15Aの+X方向端部に基部15Cが配置され、基部15CからX方向(所定の方向)に離れた弾性部材本体15Aの-X方向端部には、基部15Cに対してX方向(所定の方向)に弾性変位可能な押し付け部15Dが配置されている。
【0029】
押し付け部15Dは、フレキシブル導体21の接点部21Aを対応するコンタクト13の導体接触部13Dに押し付けて電気的に接続させるためのものである。
リング形状の弾性部材本体15AのX方向の外側寸法D2は、コンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの内径D1からフレキシブル導体21の厚さを減じた値よりも大きく設定されている。
なお、弾性部材本体15AのY方向の外側寸法D2Yは、X方向の外側寸法D2よりも小さい値を有している。
【0030】
2つの弾性部材本体15Aの基部15Cの-Z方向側に回転操作部15Bが連結されている。回転操作部15Bは、それぞれの弾性部材本体15Aが延びるXY面よりも-Z方向側に離れた位置において、2つの弾性部材本体15AにわたるようにY方向に延びると共に、双方の弾性部材本体15Aの基部15Cから押し付け部15Dとは反対側の+X方向に延びる平板形状を有している。回転操作部15Bは、2つの弾性部材本体15Aを同時にY軸の周りに回転操作させるためのものである。
なお、図9に示されるように、リング形状の弾性部材本体15Aの+Z方向側の縁部および-Z方向側の縁部には、湾曲面15Eが形成されている。
【0031】
第2列R2を形成する2つのコンタクト13に対応する弾性部材16を図10に示す。弾性部材16は、弾性部材15と同様に、Y方向に並んで配置された2つの弾性部材本体16Aと、2つの弾性部材本体16Aに連結された1つの回転操作部16Bとを有している。ただし、X方向における弾性部材本体16Aと回転操作部16Bとの位置関係が弾性部材15とは逆になり、2つの弾性部材本体16Aの-X方向側に回転操作部16Bが連結されている。2つの弾性部材本体16AのY方向における中心間距離は、第2列R2を形成する2つのコンタクト13のY方向における中心間距離に等しく設定されている。
【0032】
弾性部材本体16Aは、弾性部材15の弾性部材本体15Aと同様の構成を有しているが、弾性部材本体16Aの-X方向端部に基部16Cが配置され、弾性部材本体16Aの+X方向端部に押し付け部16Dが配置されている。弾性部材本体16Aは、弾性部材15の弾性部材本体15Aと同一のX方向の外側寸法D2およびY方向の外側寸法D2Yを有している。
【0033】
2つの弾性部材本体16Aの基部16Cに連結された回転操作部16Bは、それぞれの弾性部材本体16Aが延びるXY面よりも-Z方向側に離れた位置において、2つの弾性部材本体16AにわたるようにY方向に延びると共に、双方の弾性部材本体16Aの基部16Cから押し付け部16Dとは反対側の-X方向に延びる平板形状を有している。回転操作部16Bは、2つの弾性部材本体16Aを同時にY軸の周りに回転操作させるためのものである。
なお、弾性部材15の弾性部材本体15Aと同様に、リング形状の弾性部材本体16Aの+Z方向側の縁部および-Z方向側の縁部には、湾曲面16Eが形成されている。
【0034】
コネクタ11を複数のフレキシブル導体21に接続する際には、まず、4つのコンタクト13の突状部13Aが、第1インシュレータ12の4つのコンタクト用貫通孔12Bに挿入される。このとき、図11に示されるように、4つのコンタクト13のフランジ13Bは、第1インシュレータ12の-Z方向を向いた面12C上に露出した状態となる。
【0035】
次に、それぞれのコンタクト13の凹状の弾性部材本体収容部13Cの上に、対応するフレキシブル導体21の接点部21Aが位置するように、4つのフレキシブル導体21が第1インシュレータ12の面12C上に配置される。このとき、第1列R1を形成する2つのコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに対しては、それぞれ、対応するフレキシブル導体21が-X方向側から+X方向に向かって延び、フレキシブル導体21の+X方向端部に配置された接点部21Aがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの上に位置する。一方、第2列R2を形成する2つのコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに対しては、それぞれ、対応するフレキシブル導体21が+X方向側から-X方向に向かって延び、フレキシブル導体21の-X方向端部に配置された接点部21Aがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの上に位置する。
【0036】
この状態で、図12に示されるように、第1列R1を形成する2つのコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに対して、弾性部材15の2つの弾性部材本体15Aを斜めに挿入すると共に、第2列R2を形成する2つのコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに対して、弾性部材16の2つの弾性部材本体16Aを斜めに挿入する。
【0037】
これにより、図13に示されるように、弾性部材15の弾性部材本体15Aは、押し付け部15Dのみが、第1列R1に配置されているコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの中に挿入され、基部15Cは、弾性部材本体収容部13Cの-Z方向側に張り出し、基部15Cに連結されている回転操作部15Bは、第1インシュレータ12の面12Cから-Z方向側に斜めに突出した状態となる。このため、押し付け部15Dは、基部15Cに対して弾性変位することがなく、弾性部材本体15Aの外側寸法D2が維持されている。
【0038】
また、コンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの上に位置していたフレキシブル導体21の接点部21Aが、弾性部材本体15Aの押し付け部15Dにより押されて+Z方向に屈曲し、コンタクト13の弾性部材本体収容部13C内に挿入される。フレキシブル導体21の接点部21Aは、弾性部材本体15Aの押し付け部15Dに接触し、弾性部材本体15Aの押し付け部15Dと弾性部材本体収容部13Cの導体接触部13Dとの間に挟まれるように配置される。このとき、フレキシブル導体21の接点部21Aは、弾性部材15の弾性部材本体15Aの押し付け部15Dにより+Z方向に押されてコンタクト13の弾性部材本体収容部13C内に挿入されるが、押し付け部15Dに擦れることなく、+Z方向に屈曲する。
【0039】
図示しないが、同様に、弾性部材16の弾性部材本体16Aも、押し付け部16Dのみが、第2列R2に配置されているコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの中に挿入され、基部16Cは、弾性部材本体収容部13Cの-Z方向側に張り出し、基部16Cに連結されている回転操作部16Bは、第1インシュレータ12の面12Cから-Z方向側に斜めに突出した状態となる。このため、押し付け部16Dは弾性変位することがなく、弾性部材本体16Aの外側寸法D2が維持されている。
【0040】
また、コンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの上に位置していたフレキシブル導体21の接点部21Aが、+Z方向に屈曲してコンタクト13の弾性部材本体収容部13C内に挿入され、弾性部材本体16Aの押し付け部16Dと弾性部材本体収容部13Cの導体接触部13Dとの間に挟まれるように配置される。このとき、フレキシブル導体21の接点部21Aは、弾性部材16の弾性部材本体16Aの押し付け部16Dにより+Z方向に押されてコンタクト13の弾性部材本体収容部13C内に挿入されるが、押し付け部16Dに擦れることなく、+Z方向に屈曲する。
【0041】
次に、第1インシュレータ12の面12Cから-Z方向側に斜めに突出している回転操作部15Bおよび16Bを操作することにより、図14に示されるように、回転操作部15Bおよび16Bが第1インシュレータ12の面12Cに対して平行になるまで弾性部材15および16をそれぞれ回転させる。
【0042】
図15に示されるように、弾性部材15は、第1列R1に配置されているコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに挿入されたフレキシブル導体21の接点部21Aに接触している押し付け部15Dを中心として回転するが、基部15Cの+Z方向端部に位置する弾性部材本体15Aの縁部に湾曲面15Eが形成されているので、弾性部材15の回転に伴って、押し付け部15Dを弾性変位させながら、弾性部材本体15Aの基部15Cがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに挿入される。
【0043】
このようにして、回転操作部15Bが第1インシュレータ12の面12Cに対して平行になるまで弾性部材15が回転すると、弾性部材本体15Aの基部15Cがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの弾性部材接触部13Eに接触し、弾性変位した押し付け部15Dは、フレキシブル導体21の接点部21Aをコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの導体接触部13Dに向けて押し付けることとなる。その結果、第1列R1に配置されているコンタクト13が対応するフレキシブル導体21に電気的に接続される。
【0044】
このとき、弾性部材本体15Aの押し付け部15Dが+X方向に変位量ΔD2だけ弾性変位することで、弾性部材本体15AのX方向の外側寸法は、コンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの内径D1からフレキシブル導体21の厚さを減じた値に等しい外側寸法D3となる。
【0045】
図示しないが、同様に、弾性部材16は、第2列R2に配置されているコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに挿入されたフレキシブル導体21の接点部21Aに接触している押し付け部16Dを中心として回転し、押し付け部16Dを弾性変位させながら、弾性部材本体16Aの基部16Cがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに挿入される。
【0046】
回転操作部16Bが第1インシュレータ12の面12Cに対して平行になるまで弾性部材16が回転すると、弾性部材本体16Aの基部16Cがコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの弾性部材接触部13Eに接触し、弾性変位した押し付け部16Dは、フレキシブル導体21の接点部21Aをコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cの導体接触部13Dに向けて押し付けることとなる。その結果、第2列R2に配置されているコンタクト13が対応するフレキシブル導体21に電気的に接続される。
【0047】
なお、回転操作部15Bおよび16Bの操作により弾性部材15および16をそれぞれ回転させる際においても、弾性部材15および16は、対応するコンタクト13の弾性部材本体収容部13Cに挿入されたフレキシブル導体21の接点部21Aに接触している押し付け部15Dおよび16Dを中心として回転するため、フレキシブル導体21の接点部21Aは、押し付け部15Dおよび16Dに擦れることがない。
【0048】
その後、第2インシュレータ14の2つの固定用ポスト14Fが、第1インシュレータ12の2つのポスト収容部12Dに挿入され、フレキシブル導体21を間に挟んで、第1インシュレータ12の-Z方向側の面12Cと第2インシュレータ14の平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bとが対向した状態で、第1インシュレータ12と第2インシュレータ14とが接着剤により互いに接着され、フレキシブル導体21へのコネクタ11の接続が完了する。
【0049】
このとき、図16に示されるように、弾性部材15の回転操作部15Bは、第2インシュレータ14に形成された弾性部材用凹部14Cに収容され、第1列R1に配置されているコンタクト13に接続されたフレキシブル導体21は、弾性部材用凹部14Cに連通するように第2インシュレータ14に形成された導体収容溝14Eに収容される。
図示しないが、同様に、弾性部材16の回転操作部16Bは、第2インシュレータ14に形成された弾性部材用凹部14Dに収容され、第2列R2に配置されているコンタクト13に接続されたフレキシブル導体21は、弾性部材用凹部14Dに連通するように第2インシュレータ14に形成された導体収容溝14Eに収容される。
【0050】
ここで、コンタクト13に対して弾性部材15、16を傾斜させて配置する際においても、回転操作部15B、16Bの操作により弾性部材15、16を回転させる際においても、フレキシブル導体21の接点部21Aは、押し付け部15Dおよび16Dに擦れることがなく、このため、フレキシブル導体21が破損することが防止され、フレキシブル導体21とコンタクト13との電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0051】
なお、上記の実施の形態1では、第1列R1を形成する2つのコンタクト13に対応して弾性部材15が2つの弾性部材本体15Aを有し、第2列R2を形成する2つのコンタクト13に対応して弾性部材16が2つの弾性部材本体16Aを有しているが、これに限るものではなく、図17に示されるように、1つのコンタクト13に対応する弾性部材17を使用することもできる。
【0052】
弾性部材17は、1つの弾性部材本体17Aと、弾性部材本体17Aに連結された1つの回転操作部17Bとを有している。弾性部材本体17Aは、弾性部材15の弾性部材本体15Aおよび弾性部材16の弾性部材本体16Aと同様の構成を有しており、回転操作部17Bも、弾性部材15の回転操作部15Bおよび弾性部材16の回転操作部16Bと同様の構成を有している。
4つの弾性部材17を用いることにより、同様にして、コネクタ11を複数のフレキシブル導体21に接続することができる。
ただし、2つの弾性部材本体15A、16Aを有する弾性部材15、16を用いれば、回転操作部15B、16Bによる1回の回転操作により、同時に2つのコンタクト13を2つのフレキシブル導体21に接続することができるため、効率よく複数のフレキシブル導体21へのコネクタ11の接続を行うことが可能となる。
【0053】
なお、上記の実施の形態1では、コネクタ11が4つのコンタクト13を有しているが、これに限るものではなく、1つ以上のコンタクト13を有するコネクタにこの発明を適用することができる。
また、コネクタが、一直線上に配列された3つ以上のコンタクト13を有する場合には、これら3つ以上のコンタクト13に対応する3つ以上の弾性部材本体が1つの回転操作部に連結された弾性部材を用いることもできる。
【0054】
上記の実施の形態1では、弾性部材15、16の弾性部材本体15A、16Aがリング形状を有しているが、押し付け部15D、16DがX方向に弾性変位可能であればよく、例えば、図18に示されるように、C字形状を有する弾性部材本体18Aを有する弾性部材18、または、図19に示されるように、平板形状を有する弾性部材本体19Aを有する弾性部材19を用いることもできる。
【0055】
また、上記の実施の形態1では、フレキシブル導体21が、例えば絶縁性の基板本体に支持されることなく、独立して弾性部材15、16の押し付け部15D、16Dとコンタクト13の導体接触部13Dとの間に配置されているが、これに限るものではなく、絶縁性材料からなる基板本体の表面上に露出した状態で配置されたフレキシブル導体21に、この発明に係るコネクタを接続することもできる。ただし、コンタクト13をフレキシブル導体21に電気的に接続するために、フレキシブル導体21がコンタクト13の導体接触部13Dに対向し、絶縁性材料からなる基板本体の裏面が弾性部材15、16の押し付け部15D、16Dに対向するように、フレキシブル導体21が配置される必要がある。
【0056】
実施の形態2
図20図22に、実施の形態2に係るコネクタ31を示す。コネクタ31は、実施の形態1のコネクタ11と同様に、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用され、フレキシブル基板41に装着されている。
【0057】
コネクタ31は、フレキシブル基板41の表面上に配置され且つ複数のコンタクト33を有するコンタクトユニット51と、フレキシブル基板41を間に挟んでコンタクトユニット51に対向する第2インシュレータ34を備えている。
【0058】
フレキシブル基板41は、絶縁性材料からなるシート状の基板本体42を有し、基板本体42は、+Z方向を向いた表面42Aと、-Z方向を向いた裏面42Bを有している。基板本体42の表面42Aに複数のフレキシブル導体43が露出した状態で配置されている。複数のフレキシブル導体43は、例えば、導電繊維からなる帯状または糸状の導体で、それぞれX方向に延びると共に互いに平行にY方向に配列されている。
また、フレキシブル導体43は、基板本体42の表面42A上に印刷等により塗布された導電ペーストから形成することもできる。
【0059】
コンタクトユニット51は、フレキシブル基板41の基板本体42の表面42A上に突出するように配置されている。
ここで、便宜上、フレキシブル基板41の基板本体42の表面42AがXY面に沿って延び、コンタクトユニット51が突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0060】
図23および図24にコネクタ31の組立図を示す。コンタクトユニット51の-Z方向側に、フレキシブル基板41が配置されている。フレキシブル基板41は、切り込み44を有している。切り込み44は、Y方向に直線状に延びると共に+Y方向端部および-Y方向端部においてそれぞれ+X方向にわずかに延びる、ほぼU字形状を有している。基板本体42の表面42A上には、切り込み44の+X方向側に複数のフレキシブル導体43が互いに平行に配置されている。それぞれのフレキシブル導体43の-X方向端部は、切り込み44にまで延びて、屈曲可能な接点部45を形成している。
【0061】
フレキシブル基板41の-Z方向側に、弾性部材35が配置され、弾性部材35の-Z方向側に、第2インシュレータ34が配置されている。
弾性部材35は、複数のフレキシブル導体43の接点部45をコンタクトユニット51の対応するコンタクト33に電気的に接続させるためのものである。
第2インシュレータ34は、絶縁性樹脂からなり且つ平板形状を有し、第2インシュレータ34の+Z方向を向いた面34Aに、弾性部材用凹部34Bが形成されている。
【0062】
コンタクトユニット51は、図25および図26に示されるように、複数のコンタクト33がY方向に配列された状態でコンタクト用インシュレータ52により保持されたものである。
それぞれのコンタクト33は、金属等の導電性材料から形成されたプラグ型コンタクトで、図示しない相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものであり、図27に示されるように、Z方向に延びる平板形状を有している。より詳細には、コンタクト33は、+Z方向側端部側における+X方向の端面に形成された接点部33Aと、-Z方向側端部側で且つ-X方向の端面に形成された導体接触部33Bとを有している。
それぞれのコンタクト33は、接点部33Aと導体接触部33Bが露出されるようにコンタクト用インシュレータ52に保持されている。
【0063】
また、コンタクト用インシュレータ52は、複数のコンタクト33の導体接触部33Bに対向するようにYZ面に沿って延びる弾性部材接触部52Aを有しており、互いに対向する複数のコンタクト33の導体接触部33Bとコンタクト用インシュレータ52の弾性部材接触部52Aの間に、Y方向に延び且つ-Z方向に向かって開放された凹状の弾性部材本体収容部53が形成されている。弾性部材本体収容部53は、-Z方向端部においてX方向の幅W1を有している。
また、図26に示されるように、コンタクト用インシュレータ52には、弾性部材本体収容部53の+Y方向端部のさらに+Y方向側と、弾性部材本体収容部53の-Y方向端部のさらに-Y方向側に、一対の凹状のガイド受け部54が形成されている。
【0064】
図28図30に示されるように、弾性部材35は、弾性変形可能な樹脂または金属から形成され、弾性部材本体35Aと、弾性部材本体35Aに連結された回転操作部35Bとを有している。
弾性部材本体35Aは、回転操作部35Bに連結され且つY方向に配列された片持ち梁形状の複数の弾性片35Cを有している。それぞれの弾性片35Cの基端部には、回転操作部35Bに連結された基部35Dが配置されており、弾性片35Cは、基部35Dから+Z方向および+X方向に向かって立ち上がると共に、立ち上がりの頂点で湾曲しながら-Z方向に屈曲する形状を有している。
【0065】
片持ち梁の自由端を形成する弾性片35Cの先端部には、基部35Dに対してX方向(所定の方向)に弾性変位可能で且つ+X方向に突出する押し付け部35Eが形成されている。
押し付け部35Eは、フレキシブル導体43の接点部45をコンタクトユニット51の対応するコンタクト33の導体接触部33Bに押し付けて電気的に接続させるためのものである。
【0066】
回転操作部35Bは、弾性部材本体35Aの複数の弾性片35Cの基部35Dに連結され、Y方向に延びると共に、複数の弾性片35Cの押し付け部35Eとは反対側の-X方向に延びる平板形状を有している。回転操作部35Bは、複数の弾性片35Cを同時にY軸の周りに回転操作させるためのものである。
【0067】
また、回転操作部35Bの-Y方向端部および+Y方向端部には、+X方向に突出する一対のガイド部35Fが連結されている。Y方向に配列された複数の弾性片35Cは、一対のガイド部35Fの間に配置されている。
図31に示されるように、弾性片35Cは、基部35Dから押し付け部35Eに至るX方向の幅W2を有している。この弾性片35CのX方向の幅W2は、コンタクトユニット51に形成された弾性部材本体収容部53のX方向の幅W1からフレキシブル導体43の厚さを減じた値よりも大きく設定されている。
また、複数の弾性片35Cの基部35Dの+Z方向端部には、それぞれ、湾曲面35Gが形成されている。
【0068】
弾性部材本体35Aは、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53内に収容されるもので、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53のY方向長さよりもわずかに短いY方向長さを有している。
弾性部材35の一対のガイド部35Fは、コンタクトユニット51の一対の凹状のガイド受け部54に対応する大きさおよび配置間隔を有しており、フレキシブル基板41のほぼU字形状の切り込み44も、弾性部材35の一対のガイド部35Fおよびコンタクトユニット51の一対の凹状のガイド受け部54に対応する大きさを有しているものとする。
また、複数の弾性片35Cは、弾性部材本体35Aがコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53内に収容されたときに、弾性部材本体収容部53の天井部に突き当たることがないように、弾性部材本体収容部53のZ方向の深さ寸法よりも小さいZ方向の高さ寸法を有している。
【0069】
コネクタ31をフレキシブル基板41に装着する際には、まず、図32に示されるように、コンタクトユニット51が、フレキシブル基板41の基板本体42の表面42A上に配置される。このとき、コンタクトユニット51は、フレキシブル基板41の切り込み44の直上で且つ複数のフレキシブル導体43の上に配置される。
次に、図33に示されるように、弾性部材35が、-Z方向からフレキシブル基板41の基板本体42の裏面42Bにおける切り込み44に向けて移動され、図34に示されるように、弾性部材35が、切り込み44を通してコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に斜めに挿入される。
【0070】
これにより、図35に示されるように、弾性部材35の弾性部材本体35Aは、複数の弾性片35Cの押し付け部35Eが、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53内に挿入されるものの、複数の弾性片35Cの基部35Dは、弾性部材本体収容部53の-Z方向側に張り出し、これらの基部35Dに連結されている回転操作部35Bは、フレキシブル基板41の基板本体42の裏面42Bから-Z方向側に斜めに突出した状態となる。このため、それぞれの弾性片35Cの押し付け部35Eは、基部35Dに対して弾性変位することがなく、弾性片35Cの幅W2が維持されている。
【0071】
また、フレキシブル基板41の切り込み44の+X方向側に配置されている複数のフレキシブル導体43の接点部45が、弾性部材本体35Aの複数の弾性片35Cにより押されて+Z方向に屈曲し、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53内に挿入される。複数のフレキシブル導体43の接点部45は、弾性部材本体35Aの複数の弾性片35Cの押し付け部35Eに接触し、複数の弾性片35Cの押し付け部35Eとコンタクトユニット51の複数のコンタクト33の導体接触部33Bとの間に挟まれるように配置される。このとき、それぞれのフレキシブル導体43の接点部45は、弾性部材35の対応する弾性片35Cの押し付け部35Eにより+Z方向に押されてコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53内に挿入されるが、押し付け部35Eに擦れることなく、+Z方向に屈曲する。
【0072】
このとき、図36に示されるように、弾性部材35の一対のガイド部35Fの+X方向端部が、切り込み44を通してコンタクトユニット51の一対の凹状のガイド受け部54に挿入されるが、一対のガイド部35Fの-X方向端部は、一対の凹状のガイド受け部54の-Z方向側に張り出した状態にある。
【0073】
次に、フレキシブル基板41の基板本体42の裏面42Bから-Z方向側に斜めに突出している回転操作部35Bを操作することにより、図37に示されるように、回転操作部35Bがフレキシブル基板41の基板本体42の裏面42Bに対して平行になるまで弾性部材35を回転させる。
【0074】
図38に示されるように、弾性部材35は、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に挿入された複数のフレキシブル導体43の接点部45に接触している複数の弾性片35Cの押し付け部35Eを中心として回転するが、複数の弾性片35Cの基部35Dの+Z方向端部にそれぞれ湾曲面35Gが形成されているので、弾性部材35の回転に伴って、複数の弾性片35Cの押し付け部35Eを弾性変位させながら、複数の弾性片35Cの基部35Dがコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に挿入される。
【0075】
このようにして、回転操作部35Bがフレキシブル基板41の基板本体42の裏面42Bに対して平行になるまで弾性部材35が回転すると、複数の弾性片35Cの基部35Dがコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53の弾性部材接触部52Aに接触し、弾性変位した複数の弾性片35Cの押し付け部35Eは、複数のフレキシブル導体43の接点部45をコンタクトユニット51の複数のコンタクト33の導体接触部33Bに向けて押し付けることとなる。その結果、複数のコンタクト33が複数のフレキシブル導体43に電気的に接続される。
【0076】
このとき、弾性部材本体15Aのそれぞれの弾性片35Cにおいて、押し付け部35Eが-X方向に変位量ΔW2だけ弾性変位することで、弾性片35CのX方向の幅は、コンタクトユニット51に形成された弾性部材本体収容部53のX方向の幅W1からフレキシブル導体43の厚さを減じた値に等しい幅W3となる。
【0077】
なお、回転操作部35Bの操作により弾性部材35を回転させる際においても、弾性部材35は、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に挿入された複数のフレキシブル導体43の接点部45に接触している複数の弾性片35Cの押し付け部35Eを中心として回転するため、それぞれのフレキシブル導体43の接点部45は、対応する弾性片35Cの押し付け部35Eに擦れることがない。
【0078】
その後、図39に示されるように、フレキシブル基板41の基板本体42の裏面42B上に、第2インシュレータ34の+Z方向を向いた面34Aが接着剤により接着される。なお、フレキシブル基板41とコンタクトユニット51との間も、接着剤により接着される。これにより、フレキシブル基板41へのコネクタ31の装着が完了する。
このとき、弾性部材35の回転操作部35Bは、第2インシュレータ14の面34Aに形成された弾性部材用凹部34Bに収容される。
また、図40に示されるように、弾性部材35の一対のガイド部35Fは、コンタクトユニット51の一対の凹状のガイド受け部54に収容された状態となる。
【0079】
ここで、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に対して弾性部材35を傾斜させて配置する際においても、回転操作部35Bの操作により弾性部材35を回転させる際においても、複数のフレキシブル導体43の接点部45は、弾性部材35の複数の弾性片35Cの押し付け部35Eに擦れることがなく、このため、複数のフレキシブル導体43が破損することが防止され、複数のフレキシブル導体43とコンタクトユニット51の複数のコンタクト33との電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0080】
実施の形態2においては、図40に示されるように、弾性部材35の一対のガイド部35Fが、コンタクトユニット51の一対の凹状のガイド受け部54に収容されるため、コンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に対する弾性部材35の弾性部材本体35Aの収容位置が規制される。従って、弾性部材35の弾性部材本体35Aをコンタクトユニット51の弾性部材本体収容部53に挿入し過ぎて、複数の弾性片35Cが弾性部材本体収容部53の天井部に突き当たることによる複数の弾性片35Cの損傷を防止することができる。
【0081】
実施の形態2によれば、1つの弾性部材35を用いてコンタクトユニット51の複数のコンタクト33をフレキシブル基板41の複数のフレキシブル導体43に電気的に接続することにより、多芯のコネクタ31を実現することが可能となる。
なお、上記の実施の形態2では、コンタクトユニット51の複数のコンタクト33が1列に配列されているが、これに限るものではなく、例えば、複数のコンタクト33を2列に配列し、2つの弾性部材35を用いて、それぞれ対応する列の複数のコンタクト33を対応する複数のフレキシブル導体43に電気的に接続することもできる。
【0082】
また、上記の実施の形態2では、フレキシブル導体43が絶縁性の基板本体42に支持されたフレキシブル基板41に、コネクタ31が装着されているが、これに限るものではなく、同様にして、絶縁性の基板本体に支持されることなく、独立して、弾性部材35の複数の弾性片35Cの押し付け部35Eとコンタクトユニット51の複数のコンタクト33の導体接触部33Bとの間に配置される複数のフレキシブル導体43に接続されるコネクタを構成することもできる。
【0083】
また、上記の実施の形態1および2では、プラグ型のコンタクト13、33が用いられているが、これに限るものではなく、同様にして、レセプタクル型のコンタクトを、フレキシブル導体21、43に接続するコネクタを構成することもできる。
【符号の説明】
【0084】
1 フレキシブル基板、2 コンタクト、3 ベース部材、4 フレキシブル導体、5 突起収容部、6 突起、11,31 コネクタ、12 第1インシュレータ、12A 凹部、12B コンタクト用貫通孔、12C 面、12D ポスト収容部、13,33 コンタクト、13A 突状部、13A1 大径部、13B フランジ、13C,53 弾性部材本体収容部、13D,33B 導体接触部、13E,52A 弾性部材接触部、14,34 第2インシュレータ、14A 平板部、14B,34A 面、14C,14D,34B 弾性部材用凹部、14E 導体収容溝、14F 固定用ポスト、15,16,17,18,19,35 弾性部材、15A.16A,17A,18A,19A,35A 弾性部材本体、15B,16B,35B 回転操作部、15C,16C,35D 基部、15D,16D,35E 押し付け部、15E,16E,35G 湾曲面、21,43 フレキシブル導体、21A,45 接点部、33A 接点部、35C 弾性片、35F ガイド部、41 フレキシブル基板、42 基板本体、42A 表面、42B 裏面、44 切り込み、51 コンタクトユニット、52 コンタクト用インシュレータ、54 ガイド受け部、R1 第1列、R2 第2列、D1 内径、D2,D2Y,D3 外側寸法、ΔD2,ΔW2 変位量、W1,W2,W3 幅。
図1
図2
図3
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図5
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