(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20230912BHJP
【FI】
H01R12/77
(21)【出願番号】P 2019207822
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】榛地 陽
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-230860(JP,A)
【文献】特開2017-004857(JP,A)
【文献】特開2006-085989(JP,A)
【文献】特開2011-070841(JP,A)
【文献】特開2011-192616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部から挿入方向へ延在する内部空間を具備し、前記開口部を介して前記内部空間と外部とが連通される端子を複数有し、複数の前記端子を前記挿入方向と直交する配列方向へ間隔をあけて配置するコネクタと、
一方の面に複数設けられるベース側接点部が形成され、可撓性及び絶縁性を有するベース部、及び前記内部空間に対する複数の前記ベース側接点部の挿入を一括して案内する絶縁性の案内部を有する接続部材と、
を備え、
前記端子は、弾性変形可能に形成され、前記挿入方向に直交する対向方向の一方側に位置する第1対向部と、前記第1対向部に対して対向し、かつ、前記対向方向の他方側に位置する第2対向部と、前記第1対向部における前記挿入方向の一端と前記第2対向部における前記挿入方向の一端とを連結する連結部とを有し、
前記案内部は、前記ベース側接点部の前記挿入方向側の端面よりも前記挿入方向側に突出し、前記挿入方向において隙間を介して前記端面と対向する突出部を有し、
前記第2対向部は、前記対向方向の一方側に位置する表面から前記対向方向の一方側へ突出する突出面を有し、
前記突出面は、前記接続部材が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によって前記ベース側接点部に電気的に接続されるコネクタ側接点部を含み、
前記突出面のうち前記コネクタ側接点部の前記挿入方向側に位置する挿入方向側突出面は、
前記コネクタ側接点部と前記突出部とが接触してから、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが対向するまでの挿入初期動作において、前記突出部に接触する接触部を有し、
前記端子の前記開口部に前記接続部材の前記案内部を挿入する挿入中において、前記挿入初期動作における前記コネクタ側接点部の軌跡が、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが非接触となる態様で形成さ
れ、
前記隙間は、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記突出部のうちの前記対向方向における他方側へ向けて最も突出する部分との間に位置し、
前記挿入方向側突出面は、平坦に形成され、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記コネクタ側接点部とが前記対向方向において対向する状態で、前記突出部に接触する対向状態接触部と、前記コネクタ側接点部との間に位置し、
前記挿入方向側突出面の前記挿入方向に沿った長さは、前記隙間の前記挿入方向に沿った長さよりも長いことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
開口部から挿入方向へ延在する内部空間を具備し、前記開口部を介して前記内部空間と外部とが連通される端子を複数有し、複数の前記端子を前記挿入方向と直交する配列方向へ間隔をあけて配置するコネクタと、
一方の面に複数設けられるベース側接点部が形成され、可撓性及び絶縁性を有するベース部、及び前記内部空間に対する複数の前記ベース側接点部の挿入を一括して案内する絶縁性の案内部を有する接続部材と、
を備え、
前記端子は、弾性変形可能に形成され、前記挿入方向に直交する対向方向の一方側に位置する第1対向部と、前記第1対向部に対して対向し、かつ、前記対向方向の他方側に位置する第2対向部と、前記第1対向部における前記挿入方向の一端と前記第2対向部における前記挿入方向の一端とを連結する連結部とを有し、
前記案内部は、前記ベース側接点部の前記挿入方向側の端面よりも前記挿入方向側に突出し、前記挿入方向において隙間を介して前記端面と対向する突出部を有し、
前記第2対向部は、前記対向方向の一方側に位置する表面から前記対向方向の一方側へ突出する突出面を有し、
前記突出面は、前記接続部材が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によって前記ベース側接点部に電気的に接続されるコネクタ側接点部を含み、
前記突出面のうち前記コネクタ側接点部の前記挿入方向側に位置する挿入方向側突出面は、
前記コネクタ側接点部と前記突出部とが接触してから、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが対向するまでの挿入初期動作において、前記突出部に接触する接触部を有し、
前記端子の前記開口部に前記接続部材の前記案内部を挿入する挿入中において、前記挿入初期動作における前記コネクタ側接点部の軌跡が、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが非接触となる態様で形成され、
前記隙間は、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記突出部のうちの前記対向方向における他方側へ向けて最も突出する部分との間に位置し、
前記挿入方向側突出面は、対向方向の他方側へ凹む凹状に形成され、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記コネクタ側接点部とが前記対向方向において対向する状態で、前記突出部に接触する対向状態接触部と、前記コネクタ側接点部との間に位置し、
前記挿入方向側突出面の前記挿入方向に沿った長さは、前記隙間の前記挿入方向に沿った長さよりも長いことを特徴とするコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板に設けられたコネクタの端子におけるコネクタ側接点部と、接続部材におけるフラットケーブルが有するベース側接点部とを電気的に接続するコネクタ装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このようなコネクタ装置の中には、端子を弾性変形可能に形成し、コネクタに対して接続部材が正規位置に配置された状態において、端子の弾性復元力によってコネクタ側接点部をベース側接点部に電気的に接続するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した端子は、開口部を有して内部空間と外部とが連通される。接続部材は、開口部を介して内部空間に挿入する絶縁性の案内部を有する。案内部は、ベース側接点部の挿入方向側の端面よりも挿入方向側に突出し、挿入方向においてベース側接点部の端面に対して隙間を介して対向する突出部を有する。
【0006】
コネクタ装置は、弾性変形させた端子の弾性復元力によって、挿入方向に対して直交する対向方向の一方側へコネクタ側接点部を付勢する。コネクタ側接点部とベース側接点部とを電気的に接続するため、作業者が接続部材を内部空間へ挿入した場合には、コネクタ側接点部は、ベース側接点部の端面に接触し、その後、ベース側接点部の端面の角部を乗り越える。従って、このコネクタ装置は、コネクタ側接点部がベース側接点部の端面に接触した後、ベース側接点部の端面の角部を乗り越える際に、ベース側接点部に過大な力が加わるおそれがある。このため、従来の技術には、コネクタ側接点部とベース側接点部との電気的接続の信頼性に関して改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、コネクタ側接点部とベース側接点部との電気的接続の信頼性を向上することができるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係るコネクタ装置は、開口部から挿入方向へ延在する内部空間を具備し、前記開口部を介して前記内部空間と外部とが連通される端子を複数有し、複数の前記端子を前記挿入方向と直交する配列方向へ間隔をあけて配置するコネクタと、一方の面に複数設けられるベース側接点部が形成され、可撓性及び絶縁性を有するベース部、及び、複数の前記ベース側接点部と前記ベース部の一部と共に前記内部空間に挿入される絶縁性の案内部を有する接続部材と、を備え、前記端子は、弾性変形可能に形成され、前記挿入方向に直交する対向方向の一方側に位置する第1対向部と、前記第1対向部に対して対向し、かつ、前記対向方向の他方側に位置する第2対向部と、前記第1対向部における前記挿入方向の一端と前記第2対向部における前記挿入方向の一端とを連結する連結部とを有し、前記案内部は、前記ベース側接点部の前記挿入方向側の端面よりも前記挿入方向側に突出し、前記挿入方向において隙間を介して前記端面と対向する突出部を有し、前記第2対向部は、前記対向方向の一方側に位置する表面から前記対向方向の一方側へ突出する突出面を有し、前記突出面は、前記接続部材が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によって前記ベース側接点部に電気的に接続されるコネクタ側接点部を含み、前記突出面のうち前記コネクタ側接点部の前記挿入方向側に位置する挿入方向側突出面は、前記コネクタ側接点部と前記突出部とが接触してから、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが対向するまでの挿入初期動作において、前記突出部に接触する接触部を有し、前記端子の前記開口部に前記接続部材の前記前記案内部を挿入する挿入中において、前記挿入初期動作における前記コネクタ側接点部の軌跡が、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが非接触となる態様で形成され、前記隙間は、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記突出部のうちの前記対向方向における他方側へ向けて最も突出する部分との間に位置し、前記挿入方向側突出面は、平坦に形成され、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記コネクタ側接点部とが前記対向方向において対向する状態で、前記突出部に接触する対向状態接触部と、前記コネクタ側接点部との間に位置し、前記挿入方向側突出面の前記挿入方向に沿った長さは、前記隙間の前記挿入方向に沿った長さよりも長いことを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係るコネクタ装置は、開口部から挿入方向へ延在する内部空間を具備し、前記開口部を介して前記内部空間と外部とが連通される端子を複数有し、複数の前記端子を前記挿入方向と直交する配列方向へ間隔をあけて配置するコネクタと、一方の面に複数設けられるベース側接点部が形成され、可撓性及び絶縁性を有するベース部、及び、複数の前記ベース側接点部と前記ベース部の一部と共に前記内部空間に挿入される絶縁性の案内部を有する接続部材と、を備え、前記端子は、弾性変形可能に形成され、前記挿入方向に直交する対向方向の一方側に位置する第1対向部と、前記第1対向部に対して対向し、かつ、前記対向方向の他方側に位置する第2対向部と、前記第1対向部における前記挿入方向の一端と前記第2対向部における前記挿入方向の一端とを連結する連結部とを有し、前記案内部は、前記ベース側接点部の前記挿入方向側の端面よりも前記挿入方向側に突出し、前記挿入方向において隙間を介して前記端面と対向する突出部を有し、前記第2対向部は、前記対向方向の一方側に位置する表面から前記対向方向の一方側へ突出する突出面を有し、前記突出面は、前記接続部材が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によって前記ベース側接点部に電気的に接続されるコネクタ側接点部を含み、前記突出面のうち前記コネクタ側接点部の前記挿入方向側に位置する挿入方向側突出面は、前記コネクタ側接点部と前記突出部とが接触してから、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが対向するまでの挿入初期動作において、前記突出部に接触する接触部を有し、前記端子の前記開口部に前記接続部材の前記前記案内部を挿入する挿入中において、前記挿入初期動作における前記コネクタ側接点部の軌跡が、前記対向方向において前記コネクタ側接点部と前記ベース側接点部の前記端面とが非接触となる態様で形成され、前記隙間は、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記突出部のうちの前記対向方向における他方側へ向けて最も突出する部分との間に位置し、前記挿入方向側突出面は、対向方向の他方側へ凹む凹状に形成され、前記挿入方向において、前記ベース側接点部の前記端面と前記コネクタ側接点部とが前記対向方向において対向する状態で、前記突出部に接触する対向状態接触部と、前記コネクタ側接点部との間に位置し、前記挿入方向側突出面の前記挿入方向に沿った長さは、前記隙間の前記挿入方向に沿った長さよりも長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るコネクタ装置は、以下の構成を有する。突出面のうちコネクタ側接点部の挿入方向側に位置する挿入方向側突出面は、コネクタ側接点部と突出部とが接触してから、対向方向においてコネクタ側接点部とベース側接点部の端面とが対向するまでの挿入初期動作において、突出部に接触する接触部を有する。その上、挿入方向側突出面は、挿入初期動作におけるコネクタ側接点部の軌跡が、対向方向においてコネクタ側接点部とベース側接点部の端面とが非接触となる態様で形成される。これらのため、本発明に係るコネクタ装置は、端子の内部空間にベース側接点部を挿入する際に、端子のコネクタ側接点部がベース側接点部の端面の角部を乗り越えることを防止することができるから、ベース側接点部の端面に大きな力が加わることを防止することができる。この結果、本発明に係るコネクタ装置は、コネクタ側接点部とベース側接点部との電気的接続の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るコネクタ装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るコネクタ装置において、コネクタ装置が備えるコネクタの一部を破断して示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るコネクタ装置において、端子の内部空間に対して接続部材が正規位置に挿入され、端子のコネクタ側接点部と、接続部材のベース側接点部とが電気的に接続された状態の断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るコネクタ装置における端子の側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るコネクタ装置において、コネクタ装置が備える接続部材の一部を破断して示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るコネクタ装置において、接続部材を第2方向の他方側から視た斜視図である。
【
図7】
図7は、コネクタに接続部材を取り付ける際において、端子のコネクタ側接点部と、接続部材の突出部とが接触した状態におけるコネクタ装置の断面図である。
【
図8】
図8は、コネクタに接続部材を取り付ける際において、端子のコネクタ側接点部と、接続部材のベース側接点部の端面とが対向した状態におけるコネクタ装置の断面図である。
【
図9】
図9は、コネクタに接続部材を取り付ける際において、端子の挿入方向側角部と、接続部材の突出部とが接触した状態におけるコネクタ装置の断面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るコネクタ装置において、端子の内部空間に対して接続部材が正規位置に挿入され、端子のコネクタ側接点部と、接続部材のベース側接点部とが電気的に接続された状態の断面図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係るコネクタ装置における端子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るコネクタ装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコネクタ装置100を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るコネクタ装置100において、コネクタ装置100が備えるコネクタ1の一部を破断して示す斜視図である。
図3は、第1実施形態に係るコネクタ装置100において、端子3の内部空間3sに対して接続部材5が正規位置に挿入され、端子3のコネクタ側接点部36aと、接続部材5のベース側接点部83とが電気的に接続された状態の断面図である。
図4は、第1実施形態に係るコネクタ装置100における端子3の側面図である。
図5は、第1実施形態に係るコネクタ装置100において、コネクタ装置100が備える接続部材5の一部を破断して示す斜視図である。
図6は、第1実施形態に係るコネクタ装置100において、接続部材5を第3方向Zの他方側から視た斜視図である。
【0015】
以下の説明では、互いに直交する3つの方向を便宜的にそれぞれ「第1方向X」、「第2方向Y」、及び、「第3方向Z」という。本実施形態において、第1方向Xは、
図3、
図4、
図7、
図8、
図9、
図11に示すように、端子3において、開口部30から延在する内部空間3sの延在方向であり、端子3の開口部30に対するフレキシブルフラットケーブル8の挿入方向である。第2方向Yは、
図1、
図2に示すように、第1方向Xに対して直交し、複数の端子3が配列される配列方向である。第3方向Zは、
図3、
図4、
図7、
図8、
図9、
図11に示すように、第1方向X及び第2方向Yに対して直交し、端子3において、第1対向部31と第2対向部32とが対向する対向方向である。
【0016】
図1に示す本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ1と、接続部材5とを備える。このコネクタ装置100は、例えば、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)と、車両に搭載される電子機器とを電気的に接続するものである。コネクタ1は、基板4と、一対の固定具11a、11bによって基板4に取り付けられたコネクタハウジング2と、複数の端子3とを有する。
【0017】
基板4は、
図2に示すように、絶縁性の合成樹脂によって形成された絶縁層41と、絶縁層41における第3方向Zの一方側の表面に形成された基板側導電部42を有する。
【0018】
コネクタハウジング2は、複数の端子3を収容、及び、保持するものであり、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成される。本実施形態のコネクタハウジング2は、例えば、40個の端子3を収容、及び、保持する。コネクタハウジング2は、第3方向Zにおいて対向する天壁部21及び底壁部22と、第2方向Yにおいて対向する両側壁部23、24とを有する(
図1参照)。両側壁部23、24のうち一方の側壁部23は、
図1に示すように、第2方向Yの一方側に位置する。両側壁部23、24のうち他方の側壁部24は、第2方向Yの他方側に位置する。
【0019】
コネクタハウジング2は、天壁部21と底壁部22と両側壁部23、24とによって区画される空間部2sに、複数の隔壁部25を第2方向Yへ間隔をあけて設けることによって各端子3を配置する空間を、任意の隔壁部25と、その隔壁部25に隣接する隔壁部25との間に形成する。また、底壁部22は、端子3を挿入する底壁挿入溝22aを有する。底壁挿入溝22aは、第2方向Yにおいて隣接する隔壁部25と隔壁部25との間に配置することによって、第2方向Yに間隔をあけて配置する。また、天壁部21は、第3方向Zの一方側に位置する平面21hに、第3方向Zの一方側へ向けて突出する嵌合凸部21aを有する。嵌合凸部21aは、天壁部21の第1方向Xの中間部に配置してあり、かつ、第2方向Yの中央部に配置してある。嵌合凸部21aは、
図3に示すように、第1方向Xに沿って徐々に厚さが厚くなる傾斜面21bを有し、かつ、天壁部21の上面から第3方向Zに対して垂直に立ち上がる直交面21cを有する。コネクタハウジング2は、さらに、第2方向Yにおいて隣接する隔壁部25と隔壁部25との間に、両者を連結する連結壁部26を有する。連結壁部26は、端子3の第1方向Xにおける位置を決定し、端子3の係合凸部31aに係合する係合凹部26aを有する。係合凸部31a及び係合凹部26aは、互いに係合することによって、コネクタハウジング2に端子3を固定する。
【0020】
端子3は、弾性変形可能に形成され、
図3、
図4に示すように、第1対向部31と、第2対向部32と、連結部33と、基板接触部34とを有する。第1対向部31は、第3方向Zの一方側に位置する。第2対向部32は、第1対向部31に対向し、第3方向Zの他方側に位置する。連結部33は、第1対向部31における第1方向Xの一端と第2対向部32における第1方向Xの一端とを連結する。
【0021】
このような端子3は、例えば、銅などの導電性を有する金属材料によって形成される金属金具である。より具体的には、端子3は、平らな板状の金属をプレスによる打ち抜き加工を行うことによって形成される。
【0022】
端子3は、第1対向部31における第1方向Xの反対方向側に位置する先端部と、第2対向部32における第1方向Xの反対方向側に位置する先端部とによって開口部30が形成される。端子3は、開口部30側に位置する第1対向部31の先端部と、第2対向部32の先端とが近接、及び、離隔可能な態様で弾性変形可能に形成される。このような端子3は、開口部30から第1方向Xへ延在する内部空間3sを具備し、開口部30を介して内部空間3sと外部3oとが連通される。基板接触部34は、基板4の基板側導電部42に電気的に接続される。第1対向部31は、第3方向Zの他方側に位置する表面31fから第3方向Zの他方側へ突出する係合凸部31aを有する。第2対向部32は、第3方向Zの一方側に位置する表面32fから第3方向Zの一方側へ突出する突出面36を有する。突出面36は、接続部材5が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によってベース側接点部83に電気的に接続されるコネクタ側接点部36aを含む(
図3参照)。コネクタ側接点部36aは、第2対向部32において最も第1対向部31に近接して位置し、突出面36の第1方向Xに対する反対方向側に位置する角部である。また、突出面36は、コネクタ側接点部36aの第1方向X側に位置する挿入方向側突出面36bを含む。挿入方向側突出面36bは、平坦に形成される。さらに、挿入方向側突出面36bは、後述するように、コネクタ側接点部36aと突出部71とが接触(
図7参照)してから、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが対向するまで(
図8参照)の挿入初期動作において、突出部71に接触する接触部36cを有する。挿入方向側突出面36bは、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが第3方向Zにおいて対向する状態で、突出部71に接触する対向状態接触部36dを有する(
図4、
図8参照)。挿入方向側突出面36bの第1方向Xに沿った長さはL1である(
図8参照)。また、挿入方向側突出面36bの第1方向Xに沿った長さはL1である。挿入方向側突出面36bは、後述するように、挿入初期動作におけるコネクタ側接点部36aの軌跡が、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが非接触となる態様の軌跡で形成される。また、突出面36は、第1方向X側に位置する挿入方向側角部36eを有する。
【0023】
接続部材5は、
図1、
図5に示すように、例えば、接続部材本体50と、フレキシブルフラットケーブル8(以下、単に「FFケーブル8」と省略する)と、挟持部材9とを有する。
【0024】
接続部材本体50は、絶縁性の合成樹脂材料によって、
図6に示すように、略直方体状に形成してある。接続部材本体50は、第3方向Zの一方側に位置する下端面50aから、第3方向Zの他方側に突出する一対のボス51a、51bを有する。接続部材本体50は、さらに、一対の係合爪52a、52bと、一対の本体対向部54a、54bとを有する。一対の係合爪52a、52bは、第2方向Yの両端に位置する両側端面50b、50cから、互いに離隔する態様で突出する。一対の係合爪52a、52bの第3方向Zの他方側は、第2方向Y、及び、第3方向Zに対してそれぞれ傾斜する傾斜面52c、52dを有する。一対の本体対向部54a、54bは、第3方向Zにおいて、本体隙間53a、53bを介して一対の係合爪52a、52bに対向する。その上、接続部材本体50は、一対のレバー60a、60bと、把持部材65と、案内部7とを有する。
【0025】
一対のレバー60a、60bは、
図5に示すように、接続部材本体50において、第2方向Yの中央に形成された孔部であるレバー配置空間5sに配置され、かつ、レバー基端部61a、61bを中心に、レバー先端部62a、62bが第3方向Zへ移動可能な態様で接続部材本体50に取り付けてある。一対のレバー60a、60bは、一対のレバー先端部62a、62bの間を連結する両端連結部63を有する。両端連結部63は、第3方向Zにおける他方側(下端面)に、先端側から基端側へ向けて、厚さが徐々に厚くなる連結傾斜部63aと有するとともに、連結傾斜部63aの第1方向Xに対する反対方向側に位置する嵌合孔部64とを有する。連結傾斜部63aは、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83とを電気的に接続する際、嵌合凸部21aの傾斜面21bに接触する部分である。嵌合孔部64は、コネクタハウジング2に形成された嵌合凸部21aに嵌合するものである。より具体的に説明すると、本実施形態の嵌合孔部64は、接続部材5のベース側接点部83が正規位置に配置された状態において、嵌合凸部21aに嵌合することによって、第1方向X及び第1方向Xに対する反対方向において、ベース側接点部83及びコネクタ側接点部36aが相対的に移動することを規制する。
【0026】
把持部材65は、コネクタ1に対して接続部材5を第1方向X側に移動する場合に、作業者が手で握る部分であり、接続部材本体50よりも第1方向X側に向けて突出するように形成してある。
【0027】
案内部7は、接続部材本体50の第1方向Xの先端側に位置する先端面50dよりも第1方向X側に突出する態様で形成される。このような案内部7は、第3方向Zにおいて所定の幅を有する。より具体的に説明すると、案内部7は、第2方向Yにおいて複数のベース側接点部83のうち一方側の端部に配置されたベース側接点部83xよりも一方側に突出し、かつ他方側の端部に配置されたベース側接点部83yよりも他方側に突出する所定の幅を有する。案内部7は、後述するように複数のベース側接点部83とベース部82の一部と共に内部空間3sに挿入されるものである。すなわち、案内部7は、内部空間3sに対する複数のベース側接点部83の挿入を一括して案内するものである。また、案内部7は、
図3に示すように、ベース側接点部83の第1方向X側の端面83aよりも第1方向X側に突出し、第1方向Xにおいて隙間72を介して端面83aと対向する突出部71を有する。隙間72は、第1方向Xにおいて、ベース側接点部83の端面83aと突出部71のうちの第3方向Zにおける他方側へ向けて最も突出する部分との間に位置する(
図8参照)。
図8に示す隙間72の第1方向Xに沿った長さはL2である。また、挿入方向側突出面36bの第1方向Xに沿った長さL1は、隙間72の第1方向Xに沿った長さL2よりも長い。
【0028】
FFケーブル8は、
図3、
図5に示すように、複数の導電部81と、導電部81を被覆し、可撓性及び絶縁性を有するベース部82とを有し、平板状に形成される。導電部81は、例えば、銅等の導電性を有する金属によって形成され、第1方向Xへ延在する。このような導電部81は、第2方向Yに間隔をあけて配置される。ベース部82は、例えば、可撓性、及び、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成される2枚のシート材によって構成され、これらのシート材の間に導電部81を配置し、その後、2枚のシート材を貼り合わせることによって形成される。ベース部82は、第2方向Yの両端に導電部81を配置していない一対の非形成領域82a、82bを有する。非形成領域82a、82bは、
図6に示すように、接続部材本体50の一対のボス51a、51bを挿入可能な貫通孔82c、82dを有する。FFケーブル8の第1方向Xの先端側は、
図3、
図6に示すように、第3方向Zにおいて他方側に位置する一方の面のベース部82を除去することによって導電部81を露出させたベース側接点部83を有する。つまり、ベース部82には、一方の面にベース側接点部83が複数形成され、それらのベース側接点部83が第2方向Yに間隔をあけて配置される。
【0029】
挟持部材9は、
図6に示すように、第3方向Zにおいて、案内部7との間にFFケーブル8のベース側接点部83を挟持するものである。挟持部材9は、第2方向Yへ直線状に延在し、第3方向Zにおいて、ベース側接点部83に対向する板状部91と、板状部91における第2方向Yの端部から第3方向Zの一方側へ突出する一対の挟持部突出部92a、92bとを有する。一対の挟持部突出部92a、92bは、一対の係合爪52a、52bに係合する係合孔93a、93bを有する。接続部材本体50及び挟持部材9は、第3方向Zにおいて、接続部材本体50と挟持部材9との間にFFケーブル8を配置した後、係合爪52a、52b及び係合孔93a、93bを互いに係合させることによって、接続部材本体50にFFケーブル8及び挟持部材9を固定する。板状部91は、接続部材本体50の一対のボス51a、51bを挿入可能な貫通孔91a、91bを有する。
【0030】
これらの構成を有する接続部材5を組み立てる場合、先ず、作業者は、第3方向Zに間隔をあけて、接続部材本体50と、挟持部材9とを配置する。次に、作業者は、第3方向Zにおいて、接続部材本体50と挟持部材9との間にFFケーブル8を配置する。その後、作業者は、FFケーブル8の貫通孔82c、82dに一対のボス51a、51bを挿入し、かつ、挟持部材9の貫通孔91a、91bに一対のボス51a、51bを挿入するとともに、係合爪52a、52bと係合孔93a、93bとを係合させて接続部材5を得る。
【0031】
上記のような構成を有するコネクタ装置100は、以下のようにして、コネクタ1に接続部材5を取り付け、端子3のコネクタ側接点部36aと、接続部材5のベース側接点部83とを電気的に接続する。
【0032】
先ず、作業者は、複数の端子3の開口部30に、接続部材5の案内部7の先端を挿入する。すると、
図7に示すように、コネクタ側接点部36aと突出部71とが接触する。
【0033】
次に、作業者は、コネクタ1を固定した状態で、端子3の内部空間3sの奥側へ向けて案内部7を第1方向X側に移動させる。すると、
図8に示すように、接続部材5の連結傾斜部63aと、嵌合凸部21aの傾斜面21bとが接触し、その後、接続部材5の両端連結部63が、コネクタハウジング2の天壁部21における平面21hから離隔する。
【0034】
一方、挿入方向側突出面36bの接触部36cは、案内部7の突出部71と接触する。また、この状態では、案内部7の突出部71と、挿入方向側突出面36bの接触部36cとが接触することによって、第3方向Zにおいて、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが非接触である。
【0035】
次いで、作業者は、コネクタ1を固定した状態で、端子3の内部空間3sのさらなる奥側へ向けて案内部7を第1方向X側に移動させる。すると、
図9に示すように、突出面36の挿入方向側角部36eと、接続部材5の突出部71とが接触することによって、第3方向Zにおいて、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが非接触である。
【0036】
次に、作業者は、コネクタ1を固定した状態で、端子3の内部空間3sのさらなる奥側へ向けて案内部7を第1方向X側に移動させる。すると、接続部材5の突出部71と、突出面36との接触が解除されるとともに、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83とが接触する。その後、作業者は、コネクタ1を固定した状態で、端子3の内部空間3sの最も奥側へ向けて案内部7を第1方向X側に移動させる。すると、
図3に示すように、嵌合凸部21aと嵌合孔部64とが嵌合し、接続部材5が正規位置に配置されてコネクタ側接点部36aとベース側接点部83とが電気的に接続された状態となり、コネクタ1に対する接続部材5の取り付けが終了する。
【0037】
なお、上記した挿入初期動作において、コネクタ側接点部36aは、突出部71と挿入方向側突出面36bとの接触を継続することによって、接点部36aが第3方向Zの他方側に位置して、接点部36aとベース側接点部83の端面83aとの接触を防止する。その上、コネクタ装置100は、挿入方向側突出面36bが平坦に形成されるため、挿入初期動作中、接点部36aが第3方向の他方側に位置する状態を継続する。このため、コネクタ側接点部36aは、案内部7に接触することがないとともに、ベース側接点部83のいずれの場所にも接触することがない。
【0038】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。突出面36のうちコネクタ側接点部36aの第1方向X側に位置する挿入方向側突出面36bは、コネクタ側接点部36aと突出部71とが接触してから、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが対向するまでの挿入初期動作において、突出部71に接触する接触部36cを有する。その上、挿入方向側突出面36bは、挿入初期動作におけるコネクタ側接点部36aの軌跡が、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部36aとベース側接点部83の端面83aとが非接触となる態様で形成される。これらのため、本発明に係るコネクタ装置100は、端子3の内部空間3sにベース側接点部83を挿入する際に、端子3のコネクタ側接点部36aがベース側接点部83の端面83aの角部を乗り越えることを防止することができるから、ベース側接点部83の端面83aに大きな力が加わることを防止することができる。この結果、本発明に係るコネクタ装置100は、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83との電気的接続の信頼性を向上することができる。
【0039】
本実施形態に係るコネクタ装置100は以下の構成を有する。本実施形態に係るコネクタ装置100において、挿入方向側突出面36bの第1方向Xに沿った長さは、隙間72の第1方向Xに沿った長さよりも長い。このため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ側接点部36aが隙間72に入ることを防止することができるから、コネクタ側接点部36aがベース側接点部83の端面83aの角部を乗り越えることがない。これにより、本実施形態に係るコネクタ装置100は、ベース側接点部83における第1方向X側の端面83aに大きな力が加わることを確実に防止することができる。この結果、本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ側接点部36aとベース側接点部83との電気的接続の信頼性を確実に向上することができる。
【0040】
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態に係るコネクタ装置100Aにおいて、端子3Aの内部空間3sに対して接続部材5が正規位置に挿入され、端子3Aのコネクタ側接点部36aと、接続部材5のベース側接点部83とが電気的に接続された状態の断面図である。
図11は、第2実施形態に係るコネクタ装置100Aにおける端子3Aの側面図である。
【0041】
第2実施形態における端子3Aの第2対向部32Aにおける突出面136の形状が、第1実施形態における端子3の第2対向部32における突出面36の形状と異なるが、第2実施形態に係るコネクタ装置100Aのその他の構成は、第1実施形態のコネクタ装置100と同様である。このため、第2実施形態に係るコネクタ装置100Aは、第1実施形態のコネクタ装置100と異なる点についてのみ以下に説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0042】
第2対向部32Aは、第3方向Zの一方側に位置する表面32fから第3方向Zの一方側へ突出する突出面136を有する。突出面136は、接続部材5が正規位置に配置された状態において、弾性復元力によってベース側接点部83に電気的に接続されるコネクタ側接点部136aを含む。コネクタ側接点部136aは、第2対向部32Aにおいて最も第1対向部31に近接して位置し、突出面136の第1方向Xに対する反対方向側に位置する角部である。また、突出面136は、コネクタ側接点部136aの第1方向X側に位置する挿入方向側突出面136bを含む。挿入方向側突出面136bは、第3方向Zの他方側へ凹む凹状に形成される。さらに、挿入方向側突出面136bは、コネクタ側接点部136aと突出部71とが接触してから、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部136aとベース側接点部83の端面83aとが対向するまでの挿入初期動作において、突出部71に接触する接触部136cを有する。挿入方向側突出面136bの第1方向Xに沿った長さはL3である。挿入方向側突出面136bは、挿入初期動作におけるコネクタ側接点部136aの軌跡が、第3方向Zにおいてコネクタ側接点部136aとベース側接点部83の端面83aとが非接触となる態様の軌跡で形成される。
【0043】
挿入方向側突出面136bは、第1方向Xにおいて、ベース側接点部83の端面83aとコネクタ側接点部136aとが第3方向Zにおいて対向する状態で、突出部71に接触する対向状態接触部136dと、接点部136aとの間に位置する。挿入方向側突出面136bの第1方向Xに沿った長さL3は、隙間72の第1方向Xに沿った長さよりも長い。
【0044】
本実施形態に係るコネクタ装置100Aは、挿入方向側突出面136bが、第3方向Zの他方側へ凹む凹状に形成されるため、挿入初期動作中、コネクタ側接点部136aが第3方向Zの一方側及び他方側へ移動するが、コネクタ側接点部136aは、ベース側接点部83の端面83a、ベース側接点部83のいずれの場所、及び、案内部7に接触することがない。
【0045】
本実施形態に係るコネクタ装置100Aは、以下の構成を有する。本実施形態に係るコネクタ装置100において、挿入方向側突出面136bの第1方向Xに沿った長さL3は、隙間72の第1方向Xに沿った長さL2よりも長い。このため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ側接点部136aが隙間72に入ることを防止することができるから、コネクタ側接点部136aがベース側接点部83の端面83aの角部を乗り越えることがない。これにより、本実施形態に係るコネクタ装置100は、ベース側接点部83における第1方向X側の端面83aに大きな力が加わることを確実に防止することができる。この結果、本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ側接点部136aとベース側接点部83との電気的接続の信頼性を確実に向上することができる。
【0046】
なお、上述した実施形態のコネクタ装置100、100Aは、電子機器において、筐体の内部に配置された任意の電子部品と、他の電子部品とを電気的に接続するものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、コネクタ装置100は、例えば、車両の内部に配置された任意の電子部品と、他の電子部品とを電気的に接続するものとして使用することができる。
【0047】
また、上述した実施形態のコネクタ装置100、100Aは、接続部材5がFFケーブル8を備えるものを説明した。しかし、この発明はそれに限られず、接続部材5は、FFケーブル8に代えて、フレキシブルプリント回路基板を備えてもよい。
【0048】
さらに、上述した実施形態のコネクタ装置100、100Aは、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)と、車両に搭載される電子機器とを電気的に接続するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、デジタルカメラ、プリンタ、パーソナルコンピュータ、携帯電話器等の電子機器において、筐体の内部に配置された任意の電子部品と、他の電子部品とを電気的に接続するものにも使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 コネクタ
3、3A 端子
3s 内部空間
3o 外部
30 開口部
31 第1対向部
32、32A 第2対向部
33 連結部
36 突出面
36a、136a コネクタ側接点部
36b、136b 挿入方向側突出面
36c、136c 接触部
36d、136d 対向状態接触部
5 接続部材
7 案内部
71 突出部
82 ベース部
83 ベース側接点部
83a 端面
100、100A コネクタ装置
L1、L1A 挿入方向側突出面の挿入方向に沿った長さ
L2 隙間の挿入方向に沿った長さ
X 第1方向(挿入方向)
Y 第2方向(配列方向)
Z 第3方向(対向方向)