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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/37 20200101AFI20230912BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20230912BHJP
   D06F 103/14 20200101ALN20230912BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F39/02 A
D06F103:14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019217290
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021083965
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘暁
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063381(JP,A)
【文献】特表2004-503853(JP,A)
【文献】特開2002-224489(JP,A)
【文献】特開2017-074081(JP,A)
【文献】国際公開第2014/141665(WO,A1)
【文献】特開2010-022556(JP,A)
【文献】特開2004-321306(JP,A)
【文献】特開2016-129533(JP,A)
【文献】特開2014-226418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314234(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0239337(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00 - 33/76
D06F 34/00 - 34/34
F06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽を含む筐体と、
洗濯処理剤を前記水槽に自動投入する自動投入機構と、
前記水槽における洗濯動作を制御するとともに、洗濯動作時における前記洗濯処理剤の使用量を計測し、前記計測した洗濯処理剤の使用量に基づいて、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行う制御部と、
を備え、
前記自動投入機構は、前記洗濯処理剤を充填するタンクを有し、
前記制御部は、
前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから所定日数が経過後、または、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから洗濯動作が所定回数実行された後に、前記タンクに補充された前記洗濯処理剤の残量が所定値未満になった場合には、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行い、
前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから前記所定日数が経過前、または、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから洗濯動作が前記所定回数実行される前に、前記タンクに補充された前記洗濯処理剤の残量が前記所定値未満になった場合には、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定しない、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行わない、
洗濯機。
【請求項2】
前記制御部は、単位時間における洗濯回数を計測し、前記計測した洗濯回数に基づいて、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御部は、前記自動投入機構により前記水槽に前記洗濯処理剤が自動投入されることなく洗濯動作が行われる場合、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定しない、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行わない、
請求項1または請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記制御部は、前記発注する洗濯処理剤の在庫が発注先に無い場合、前記発注した洗濯処理剤と類似する洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記発注した洗濯処理剤と類似する洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記制御部は、前記発注する洗濯処理剤に新商品の洗濯処理剤が存在する場合、前記新商品の洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記新商品の洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御部は、前記洗濯処理剤の使用履歴に基づいてユーザの嗜好を分析し、前記ユーザの嗜好に合った洗濯処理剤を選定し、前記選定した洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記選定した洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
洗濯動作時に前記水槽に排出される汚れ成分を検知する汚れセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記汚れセンサにより検知された前記汚れ成分に基づいて洗濯処理剤を選定し、前記選定した洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記選定した洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記制御部は、前記水槽を洗浄する槽洗浄コースを含む複数の洗濯コースを実行可能であり、前記槽洗浄コースを前回実行してから前記洗濯動作が所定回数実行されるまでの間、または、前記槽洗浄コースを前回実行してから所定日数が経過するまでの間、前記槽洗浄コースを実行していない場合には、前記槽洗浄コースの実行をユーザに促す通知を行う、または、前記水槽の洗浄に用いられる洗濯処理剤を発注する、
請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記制御部は、ユーザにより選択された洗濯運転履歴に基づいて前記洗濯処理剤を選定し、前記選定した洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記選定した洗濯処理剤の発注を促す通知を行う、
請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤や柔軟剤を自動的に水槽に投入して洗濯動作を行う洗濯機が知られている。しかしながら、洗剤や柔軟剤の残量が不足した時点で洗剤や柔軟剤が発注された場合には、発注した商品が届くまでの間は、洗濯動作が一時的に実行できなくなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-162521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、洗剤や柔軟剤の残量を使用実績から算定することで洗剤や柔軟剤の残量を確保して、洗濯動作を継続して実行することができる洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯機は、筐体と、自動投入機構と、制御部とを持つ。前記筐体は、水槽を含む。前記自動投入機構は、洗濯処理剤を前記水槽に自動投入する。前記制御部は、前記水槽における洗濯動作を制御する。前記制御部は、洗濯動作時における前記洗濯処理剤の使用量を計測し、前記計測した洗濯処理剤の使用量に基づいて、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行う。前記自動投入機構は、前記洗濯処理剤を充填するタンクを有する。前記制御部は、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから所定日数が経過後、または、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから洗濯動作が所定回数実行された後に、前記タンクに補充された前記洗濯処理剤の残量が所定値未満になった場合には、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定する、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行い、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから前記所定日数が経過前、または、前記自動投入機構に前記洗濯処理剤が補充されてから洗濯動作が前記所定回数実行される前に、前記タンクに補充された前記洗濯処理剤の残量が前記所定値未満になった場合には、前記洗濯処理剤を発注する時期を決定しない、または、前記洗濯処理剤の発注を促す通知を行わない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の洗濯機の使用環境の一例を示す図。
図2】実施形態の洗濯機を示す斜視図。
図3】実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される内容の一例を示す図。
図4】実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される内容の一例を示す図。
図5】実施形態の洗濯機の操作パネルに表示される内容の一例を示す図。
図6】実施形態の洗濯機の構成の一部を示すブロック図。
図7】実施形態の洗濯機の制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の洗濯機を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。本明細書で「YY1またはYY2」とは、「YY1」のみが存在する場合、または「YY2」のみが存在する場合に限定されず、「YY1」および「YY2」の両方が存在する場合も含む。これは、「または」で繋がれる要素が3つ以上の場合も同様である。本明細書で「ZZ1とZZ2とのうち少なくとも一方」とは、「ZZ1」および「ZZ2」の両方が前提として存在する場合に限定されず、「ZZ1」のみしか存在しない場合、または「ZZ2」のみしか存在しない場合も含む。「XX」、「YY1」、「YY2」、「ZZ1」、および「ZZ2」は、それぞれ、任意の要素(例えば任意の情報、機能、または構成)である。
【0008】
[1.洗濯機の使用環境]
図1は、実施形態の洗濯機1の使用環境の一例を示す図である。洗濯機1は、例えば家屋内に設置されたルータRを介して、洗濯機1のユーザが利用する端末装置100と通信可能である。端末装置100は、例えば、ユーザが所有する携帯端末機器であり、スマートフォンやタブレット端末装置などである。洗濯機1は、ルータRを介してネットワークNWと接続され、クラウドサーバ200と通信可能である。また、洗濯機1は、ルータRおよびネットワークNWを介して、EC(Electronic Commerce)サーバ300と通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、電話回線、無線基地局などのうち1つ以上を含む。
【0009】
クラウドサーバ200は、ネットワークNWを介して洗濯機1および端末装置100と通信を行う。クラウドサーバ200は、例えば、ネットワークNWを介して複数の洗濯機1の洗濯運転履歴を受信し、複数の洗濯機1の洗濯運転履歴をデータベースに保存する。洗濯機1の洗濯運転履歴は、例えば、洗濯回数、洗濯処理剤の使用履歴、および、洗濯コースの使用履歴を含む。洗濯処理剤は、例えば、洗剤、柔軟剤、漂白剤、および、洗濯槽洗浄剤を含む。
【0010】
ECサーバ300は、例えば、オンラインショップを提供する小売店が管理するサーバ装置である。ECサーバ300は、ネットワークNWを介して洗濯機1および端末装置100と通信を行う。ECサーバ300は、洗濯機1から送信された洗濯処理剤の発注を受け付ける。また、ECサーバ300は、端末装置100に対するユーザの操作に基づき、端末装置100から送信された洗濯処理剤の発注を受け付ける。
【0011】
[2.洗濯機の全体構成]
次に、洗濯機1の全体構成について説明する。
図示はしないが、筐体1A内には、前面が開口したほぼ円筒状をなし、投入口2に連通して洗濯水が貯められる水槽が設けられている。水槽内には、衣類が収容される図示しないドラムが設けられている。図2に示すように、洗濯機1の筐体1Aの前面には、ドラムへの衣類の投入口2が設けられている。筐体1Aの前面には、扉3が設けられている。扉3は、ドラムへの投入口2を開放する開放位置と、ドラムへの投入口2を閉塞する閉塞位置との間で移動可能である。
【0012】
筐体1Aの上面には、操作パネル5が設けられている。操作パネル5は、例えば、タッチパネルディスプレイである。操作パネル5は、例えば、洗濯機1の洗濯コースの変更に関するユーザの入力操作を受け付ける。
【0013】
筐体1Aの前面には、洗濯処理剤投入口6が設けられている。洗濯処理剤投入口6は、ユーザが洗濯動作1回分の洗剤または柔軟剤を水槽に手動で投入する場合に用いられる。
【0014】
筐体1Aの上面には、給水弁ユニット8が設けられている。給水弁ユニット8の上部には接続口7が設けられ、接続口7には水道管が接続され、水道管から水道水が供給される。給水弁ユニット8には、後述する複数の給水弁38が設けられている。給水弁38が開弁した場合、洗濯処理剤投入口6または自動投入機構10を介して水が水槽に給水される。
【0015】
筐体1Aの上面には、洗剤または柔軟剤を水槽に自動投入する自動投入機構10が設けられている。自動投入機構10は、例えば、洗剤タンク11と、柔軟剤タンク12と、ポンプとを備える。自動投入機構10は、ポンプを駆動させることで、洗剤タンク11に収容された洗剤、または、柔軟剤タンク12に収容された柔軟剤を水槽に自動投入する。ポンプは、定量ポンプであり、例えば、シリンジポンプを含む。洗剤タンク11または柔軟剤タンク12は、筐体1Aの上面に凹設されたタンク収容部13に配置されている。筐体1Aの上面には、蓋14が設けられている。蓋14は、タンク収容部13の上方の開口を開放する開放位置と、タンク収容部13の上方の開口を閉塞する閉塞位置との間で変位可能である。
【0016】
図3は、洗濯機1の操作パネル5に表示される内容の一例を示す図である。図3に示す例では、操作パネル5には、洗濯機1が実行する運転の設定画面が表示されている。実施形態では、運転は、洗濯コースと、洗濯・乾燥コースと、乾燥コースとを含む。洗濯コースは、洗濯機1が衣類の洗浄を行うコースである。洗濯・乾燥コースは、洗濯機1が衣類の洗浄と衣類の乾燥を連続して行うコースである。乾燥コースは、衣類の乾燥を行うコースである。洗濯コースと洗濯・乾燥コースは、さらに、槽洗浄コースを含む。槽洗浄コースは、槽洗浄剤を用いて水槽およびドラムの洗浄を行うコースである。
【0017】
図4は、洗濯機1の操作パネル5に表示される内容の一例を示す図である。図4に示す例では、操作パネル5には、自動投入機構10により自動投入される洗剤または柔軟剤に関する設定画面が表示されている。実施形態では、洗剤の投入量または柔軟剤の投入量は、「なし」、「少なめ」、「標準」、「多め」の四段階に設定可能である。各々の段階の投入量は、例えば、基準量に対して各段階に対応する係数を積算することで算出される。
【0018】
図5は、洗濯機1の操作パネル5に表示される内容の一例を示す図である。図5に示す例では、操作パネル5には、洗剤または柔軟剤の投入量を算出する際に用いられる基準量の設定画面が表示されている。実施形態では、洗剤または柔軟剤の各々について基準量が設定されており、各々の基準量を個別に変更することが可能である。
【0019】
[3.制御に関する機能構成]
図6は、洗濯機1の制御に関する機能構成の一部を示すブロック図である。制御部20は、マイコンやタイマなどを有したコンピュータで実現される。制御部20には、通信装置30、操作パネル5、回転センサ32、水位センサ34、自動投入機構10、モータ36、給水弁38、排水弁40、循環ポンプ42、および乾燥ユニット44が接続されている。
【0020】
通信装置30は、例えば、アンテナと高周波回路とを含む無線モジュールである。通信装置30は、ルータRおよびネットワークNWを介して端末装置100、クラウドサーバ200、およびECサーバ300と通信可能である。
【0021】
モータ36は、例えばブラシレスDCモータであり、ドラムを正逆両方向に回転駆動させる。
【0022】
回転センサ32は、モータ36の回転軸に設けられ、モータ36の回転位置を検知する。
【0023】
水位センサ34は、筐体1Aの上部に設けられ、ドラムに貯められた水の水位を検知する。
【0024】
給水弁38は、例えば、電磁式の開閉弁であり、給水弁ユニット8内に設けられている。制御部20からの制御に基づき、給水弁38の開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる。給水弁38が開弁状態である場合、給水弁ユニット8に供給された水道水が洗濯処理剤投入口6または自動投入機構10を介して水槽に給水される。
【0025】
排水弁40は、例えば、電磁式の開閉弁であり、水槽の排水口に設けられている。制御部20からの制御に基づき、排水弁40の開弁状態と閉弁状態とが切り替えられる。排水弁40が開弁状態である場合、水槽に貯められた水が洗濯機1の外部に排出される。
【0026】
循環ポンプ42の吸入口は、水槽に貯められた水を、フィルタユニットを介して吸入し、吸入した水を水槽に循環させる。
【0027】
乾燥ユニット44は、水槽内に温風を循環供給して衣類を乾燥させる。乾燥ユニット44は、例えば、循環ダクトと、循環ダクト内に設けられた送風ファンおよびヒータを備える。乾燥ユニット44は、例えば、循環ダクト内に設けられたヒートポンプなどの除湿手段を含んでもよい。
【0028】
制御部20は、例えば、ユーザによる操作パネル5の操作信号や、水位センサ34の検出信号に基づいて、運転制御プログラムに従って、モータ36、給水弁38、排水弁40、循環ポンプ42等の各機構を制御し、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程などの各工程からなる洗濯動作を実行する。制御部20は、洗い工程およびすすぎ工程において、水槽内の所定水位までの給水状態で、循環ポンプ42を適宜駆動させつつ、ドラムを比較的低速で正方向および逆方向に所定時間間隔で交互に回転させる制御を行う。制御部20は、脱水工程において、ドラムを一方向に連続して高速回転させる制御を行う。
【0029】
制御部20は、洗濯動作時における自動投入機構10による洗剤または柔軟剤の使用量を計測し、計測した洗剤または柔軟剤の使用量に基づいて、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用量に基づいて、即座に洗剤または柔軟剤をECサーバ300に対して発注してもよいし、配送日を指定して洗剤または柔軟剤をECサーバ300に対して発注してもよい。
【0030】
制御部20は、洗濯動作時における洗剤または柔軟剤の使用量を計測し、計測した洗剤または柔軟剤の使用量に基づいて、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う場合、例えば、洗剤または柔軟剤の発注を行うための画面を、洗濯機1の操作パネル5に表示してもよいし、洗剤または柔軟剤の発注を行うための画面の表示を、通信装置30を通じて端末装置100に指示してもよい。
【0031】
制御部20は、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量に基づいて、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量に基づいて、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、例えば、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された洗剤の残量が所定値未満である場合、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。また、制御部20は、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が所定値よりも小さい残量閾値未満である場合、洗剤または柔軟剤の残量が不足していると判定する。実施形態では、洗剤および柔軟剤の各々について、所定値および残量閾値が個別に設定されている。
【0032】
制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用量を計測する場合、自動投入機構10による洗剤または柔軟剤の投入量を累積して加算してもよい。
【0033】
制御部20は、自動投入機構10が洗剤または柔軟剤を充填可能なタンクを有する場合、タンクに充填された洗剤または柔軟剤の残量に基づいて、洗剤または柔軟剤の使用量を計測してもよい。タンクに充填された洗剤または柔軟剤の残量は、例えば、タンクの重量を検知する圧力センサを用いて計測してもよいし、洗剤または柔軟剤の液面に浮遊させたフロートセンサを用いて計測してもよい。
【0034】
制御部20は、一日の洗濯回数を計測し、計測した洗濯回数に基づいて、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。また、制御部20は、一日の洗濯回数を計測し、計測した洗濯回数に基づいて、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。一日は、「単位時間」の一例である。一日の洗濯回数は、洗剤または柔軟剤の使用量に大きく寄与するパラメータであり、一日の洗濯回数の大小に応じて、洗剤または柔軟剤の使用量が大きく変化する。制御部20は、例えば、ある計測期間におけるデータを平均化することで、一日の洗濯回数を計測してもよい。この場合、制御部20は、例えば、季節、曜日、または、平日/週末ごとに区別してデータを処理することで、一日の洗濯回数を計測してもよい。
【0035】
制御部20は、自動投入機構10により水槽に洗剤または柔軟剤が自動投入されることなく洗濯動作が行われる場合、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定しない。また、制御部20は、自動投入機構10により水槽に洗剤または柔軟剤が自動投入されることなく洗濯動作が行われる場合、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行わない。制御部20は、例えば、図4に示す自動投入設定において、洗剤または柔軟剤の投入量が「なし」に設定された場合に、洗剤または柔軟剤が自動投入されることなく洗濯動作が行われたと判定する。
【0036】
制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤の在庫が発注先に無い場合、発注した洗剤または柔軟剤と類似する洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤の在庫が発注先に無い場合、発注した洗剤または柔軟剤と類似する洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、例えば、通信装置30を通じてECサーバ300に洗剤または柔軟剤の在庫の有無を問い合わせ、ECサーバ300から返信された情報に基づいて、発注する洗剤または柔軟剤の在庫が発注先にあるか否かを判定する。制御部20は、例えば、洗剤または柔軟剤の特性に基づいて、洗剤または柔軟剤の類似性を評価する。洗剤の特性は、例えば、濃縮系であるか否か、漂白系であるか否か、および、抗菌、汗に強いなどの付加機能を有するか否かを含む。柔軟剤の特性は、例えば、芳香の有無、および、芳香の種別を含む。
【0037】
制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤に新商品が存在する場合、新商品の洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤に新商品が存在する場合、新商品の洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。新商品とは、比較対象の商品と商品種別が同一であり、比較対象の商品よりも販売開始時期が新しい商品を示す。制御部20は、例えば、通信装置30を通じてECサーバ300に新商品の洗剤または柔軟剤の有無を問い合わせ、ECサーバ300から返信された情報に基づいて、新商品の洗剤または柔軟剤が存在するか否かを判定する。
【0038】
制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用履歴に基づいてユーザの嗜好を分析し、ユーザの嗜好に合った洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用履歴に基づいてユーザの嗜好を分析し、ユーザの嗜好に合った洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、例えば、洗濯機1の状態情報をクラウドサーバ200に問い合わせ、クラウドサーバ200から返信された情報に基づいて、ユーザの嗜好を分析してもよい。ユーザの嗜好は、例えば、ユーザが好む洗剤または柔軟剤の特性を含む。洗剤の特性は、例えば、濃縮系であるか否か、漂白系であるか否か、および、抗菌、汗に強いなどの付加機能を有するか否かを含む。柔軟剤の特性は、例えば、芳香の有無、および、芳香の種別を含む。制御部20は、例えば、複数の洗濯機1の状態情報をクラウドサーバ200に問い合わせ、洗濯機1の設置エリアごとに洗濯機1の状態情報を統計処理して、エリアごとのユーザの嗜好を分析してもよい。すなわち、洗濯機1の設置エリアごとに洗濯に用いられる水の硬度や日照条件が異なる場合には、エリアごとの条件の違いを考慮してユーザの嗜好を分析することが可能となる。
【0039】
制御部20は、洗濯動作時に衣類から水槽に排出される汚れ成分に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、洗濯動作時に衣類から水槽に排出される汚れ成分に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、洗濯機1に設けられた汚れセンサの検知結果に基づいて、汚れ成分を分析する。汚れセンサは、洗濯機1の排水路に設けられてもよいし、洗濯機1の水槽に設けられてもよい。汚れ成分は、例えば、汗、および、皮脂汚れを含む。制御部20は、例えば、汚れ成分の洗浄に適した洗剤を選定する。
【0040】
制御部20は、槽洗浄コースを含む複数の洗濯コースを実行可能であり、槽洗浄コースを前回実行してから洗濯動作が所定回数実行されるまでの間、または、槽洗浄コースを前回実行してから所定日数が経過するまでの間、槽洗浄コースを実行していない場合には、槽洗浄コースの実行をユーザに促す通知を行う。制御部20は、槽洗浄コースを前回実行してから洗濯動作が所定回数実行されるまでの間、または、槽洗浄コースを前回実行してから所定日数が経過するまでの間、槽洗浄コースを実行していない場合には、水槽およびドラムの洗浄に用いられる槽洗浄剤を発注してもよい。制御部20は、例えば、槽洗浄コースの実行履歴をクラウドサーバ200に問い合わせ、クラウドサーバ200から返信された情報に基づいて、槽洗浄コースを前回実行してから洗濯動作が所定回数実行されたか否か、または、槽洗浄コースを前回実行してから所定日数が経過したか否かを判定する。
【0041】
制御部20は、洗濯機1の洗濯運転履歴に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する。制御部20は、ユーザにより選択された洗濯機1の洗濯運転履歴に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行ってもよい。制御部20は、例えば、ユーザにより選択された洗濯機1の洗濯運転履歴をクラウドサーバ200に問い合わせ、クラウドサーバ200から返信された情報に基づいて、ユーザにより選択された洗濯機1の洗濯運転履歴を取得してもよい。制御部20は、例えば、洗濯コースが実行された頻度を比較し、実行された頻度が相対的に多い洗濯コースに適した洗剤または柔軟剤を選定してもよい。
【0042】
制御部20は、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が補充されてから所定日数が経過していない場合、または、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が補充されてから洗濯動作が所定回数実行されていない場合において、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が所定値未満である場合、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定しない。すなわち、洗剤タンク11に充填された洗剤、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が急激に低下し、ユーザが何らかの理由により洗剤または柔軟剤を廃棄したと考えられる場合には、洗剤または柔軟剤の発注を促さない。制御部20は、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が補充されてから所定日数が経過していない場合、または、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が補充されてから洗濯動作が所定回数実行されていない場合において、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が所定値未満である場合、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行わなくてもよい。制御部20は、例えば、洗濯機1に設けられた補充センサの検知結果に基づいて、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が補充されたか否かを判定する。補充センサは、例えば、自動投入機構10の蓋14の開閉動作を検知するセンサである。
【0043】
[4.発注処理の制御フロー]
図7は、発注処理の主な制御の流れを示すフローチャートである。まず、制御部20は、洗濯に関する条件を設定する(S10)。洗濯に関する条件は、例えば、洗濯コース、および、洗剤または柔軟剤の自動投入に関する設定情報を含む。そして、制御部20は、設定した条件の下で、洗濯動作を実行する(S12)。また、制御部20は、洗濯動作を実行したときの洗剤または柔軟剤の使用量を取得する(S14)。
【0044】
制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用量から計算した残量が所定値未満である場合(S16:YES)、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定し、または、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を実行し(S18)、本フローチャートの処理が終了する。一方で、制御部20は、洗剤の残量が所定値以上である場合(S16:NO)、S18の処理を経ることなく、本フローチャートの処理が終了する。
【0045】
[5.利点]
本実施形態の洗濯機1は、洗濯動作時における洗剤または柔軟剤の使用量を計測し、計測した洗剤または柔軟剤の使用量に基づいて、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、洗剤または柔軟剤の残量が不足する前に、洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。これにより、洗剤や柔軟剤の残量を使用実績から算定することで洗剤や柔軟剤の残量を確保して、洗濯動作を継続して実行することができる。なお、洗剤または柔軟剤を発注すると、配送に時間が掛かるため、洗濯回数や洗剤または柔軟剤の使用量が多い場合には洗剤または柔軟剤を使い切ってしまう場合がある。これに対し、本実施形態の洗濯機1は、洗剤または柔軟剤の使用量を計測して発注する時期を決定するため、残量が少なくなったことを洗濯機1が検知する前に発注を行うことができ、洗剤または柔軟剤を使い切ってしまうことを防止できる。
【0046】
本実施形態では、制御部20は、一日の洗濯回数を計測し、計測した洗濯回数に基づいて、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、洗剤または柔軟剤の使用量が予測しやすくなり、洗剤または柔軟剤を適切なタイミングで発注することが可能となる。
【0047】
本実施形態では、制御部20は、自動投入機構10により水槽に洗剤または柔軟剤が自動投入されることなく洗濯動作が行われる場合、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定しない、または、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行わない。自動投入を取り止めて洗濯動作が行われている場合には、自動投入される洗剤または柔軟剤とは別の洗剤または柔軟剤が手動で投入されている可能性があり、ユーザが洗濯動作に用いる洗剤または柔軟剤を切り替えようとしていることが想定される。そのため、このような構成によれば、自動投入される洗剤または柔軟剤の残量が少なくなったとしても、ユーザの意図に反して、洗剤または柔軟剤の発注が促されることを抑制できる。
【0048】
本実施形態では、制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤の在庫が発注先に無い場合、発注した洗剤または柔軟剤と類似する洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、発注した洗剤または柔軟剤と類似する洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、洗剤や柔軟剤の発注を確実に行うことができる。
【0049】
本実施形態では、制御部20は、発注する洗剤または柔軟剤に新商品の洗剤または柔軟剤が存在する場合、新商品の洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、新商品の洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、より機能性の高い洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。
【0050】
本実施形態では、制御部20は、洗剤または柔軟剤の使用履歴に基づいてユーザの嗜好を分析し、ユーザの嗜好に合った洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、ユーザの嗜好に合った洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。
【0051】
本実施形態では、制御部20は、水槽に排出された汚れ成分に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、汚れ成分の除去に適した洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。
【0052】
本実施形態では、制御部20は、槽洗浄コースを前回実行してから洗濯動作が所定回数実行されるまでの間、または、槽洗浄コースを前回実行してから所定日数が経過するまでの間、槽洗浄コースを実行していない場合には、槽洗浄コースの実行をユーザに促す通知を行う、または、水槽およびドラムの洗浄に用いられる洗濯処理剤を発注する。このような構成によれば、水槽およびドラムの洗浄を所望のタイミングで確実に行うことができる。
【0053】
本実施形態では、制御部20は、ユーザにより選択された洗濯運転履歴に基づいて洗剤または柔軟剤を選定し、選定した洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定する、または、選定した洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行う。このような構成によれば、ユーザの使用実態に合った洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。
【0054】
本実施形態では、制御部20は、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が投入されてから所定日数が経過していない場合、または、自動投入機構10に洗剤または柔軟剤が投入されてから洗濯動作が所定回数実行されていない場合において、洗剤タンク11に充填された洗剤の残量、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が所定値未満である場合、洗剤または柔軟剤を発注する時期を決定しない、または、洗剤または柔軟剤の発注を促す通知を行わない。すなわち、洗剤タンク11に充填された洗剤、または、柔軟剤タンク12に充填された柔軟剤の残量が急激に低下し、ユーザが何らかの理由により洗剤または柔軟剤を廃棄したと考えられる場合には、洗剤または柔軟剤の発注を促さない。そのため、ユーザの使用実態に合った洗剤または柔軟剤の発注が行われやすくなる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1…洗濯機、1A…筐体、10…自動投入機構、11…洗剤タンク、12…柔軟剤タンク、100…端末装置、200…クラウドサーバ、300…ECサーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7