(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】布類の折り畳み装置
(51)【国際特許分類】
D06F 89/00 20060101AFI20230912BHJP
D06F 67/04 20060101ALI20230912BHJP
B65H 45/04 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
D06F89/00
D06F67/04
B65H45/04
(21)【出願番号】P 2019230924
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 誠
(72)【発明者】
【氏名】井本 大雄
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-022518(JP,A)
【文献】特開2016-022071(JP,A)
【文献】実開昭59-183455(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 89/00
D06F 67/04
B65H 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸展された布類を搬送開始点から搬送終了点に至るまでの間の搬送経路上で折り込むことにより畳み仕上げを完了させる折り畳み装置において、
前記搬送経路上の折り込み前の布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを示す信号を出力する布類所定向き面指示手段と、
前記布類所定向き面指示手段の出力信号に基づき表面と裏面のうち所定の面が一番上になるように前記搬送経路上で前記布類を折り込む折り込み器と、
を備え
、
前記折り込み器は、
前記布類所定向き面指示手段により示された、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかに応じて、その布類の搬送方向でのその布類の表面または裏面の端部から全長の1/2の部位を折ることでその表面または裏面の半部同士を重ねて2つ折り状態に折り込む2つ折り部と、
前記2つ折り状態の布類の端部から全長の1/2の部位を折ることでその2つ折り状態の布類の半部同士を重ねて4つ折り状態に折り込む4つ折り部と、
前記布類所定向き面指示手段により示された、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかに応じて、その布類の搬送方向でのその布類の表面または裏面の端部から全長の1/4の部位を折ってその1/4の部位から続く3/4の部位までの部分を2つ折りに垂れ下がらせるとともに残りの1/4の部分と先の1/4の部分との表面または裏面同士を重ねて4つ折り状態に折り込む4つ折り専用部と、を有すること
、
を特徴とする布類の折り畳み装置。
【請求項2】
前記布類所定向き面指示手段は、布類の搬送経路上での布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを検出する所定向き面検出手段と、前記所定向き面検出手段が検出した所定の向きの面に基づき前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きの面かを示す信号を出力する信号出力手段と、を有することを特徴とする、請求項
1記載の布類の折り畳み装置。
【請求項3】
前記布類所定向き面指示手段は、布類の搬送経路上での布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを識別した作業員の操作に基づき、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを示す信号を出力することを特徴とする、請求項
1記載の布類の折り畳み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布類洗濯工場等において洗濯された後に伸展されたバスタオルやフェイスタオル等の布類を、布類の表面と裏面のどちらを表向きにして投入しても、折り畳み後に一番上に見える面を常時一定面として畳み仕上げする布類の折り畳み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リネン製品においてタオル等の布類は、ホテル名やロゴが刺繍されていたり、ジャガード織込みされていたりするものが多数存在しており、該布類の洗濯後においてはホテル名やロゴが表に見える面となるように畳み仕上げをする傾向がある。また、この種の布類は、縫製の関係でヘム部分に折り返しがあり、その折り返しが表に見えない面になるように畳み仕上げをする場合もある。
【0003】
布類の折り畳み装置において、例えばホテル名やロゴが見えたりヘム部分の折り返しが見えなかったりする「表面」を一番上に見えるようにして折り畳む「表折り」の畳み仕上げとするか、逆に、ホテル名やロゴが隠れたりヘム部分の折り返しが見えたりする「裏面」を一番上に見えるようにして折り畳む「裏折り」の畳み仕上げとするかは、エンドユーザー側の要求によりなされるものであるが、何れの場合であっても、折り畳み後に一番上に見える面を常時一定面として畳み仕上げすることが望ましい。
【0004】
ところで、従来の布類の折り畳み装置としては、例えば特許文献1に開示されたものが知られており、この折り畳み装置は、幅および長さの異なる2種類の布類を識別するとともに、布類を吸着保持する布類保持部への布類の投入位置の、コンベヤの中央から左右方向へのずれをその布類の幅に応じて識別し、投入位置がずれている布類は布類保持部でコンベヤの中央に移動させてからコンベヤ上に移載し、その後に布類をその長さに応じた位置で1/4折りに折り畳んでから、布類の種類毎に異なる所定の搬出位置に積み上げて搬出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の布類の折り畳み装置は、コンベヤ上の布類の表向きの面が折り畳み後に内側に折り込まれる構造になっているので、「表面」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行おうとすると、その「表面」を内側に折り込まれないように裏向きにして投入する必要があり、また「裏面」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行おうとすると、その「裏面」を内側に折り込まれないように裏向きにして投入する必要があることから、投入の際に作業者が、布類の「表面」または「裏面」が表向きになっているか裏向きになっているかを目視により判定するとともに、布類の「表面」または「裏面」の向きが所定の向きでない場合には所定の向きになるように布類を反転させる作業を行う必要があり、布類の効率的な折り畳みを行うことができないという問題があった。
【0007】
それゆえ本発明の目的は、折り畳み装置に布類を投入する際に布類の「表面」または「裏面」を表向きおよび裏向きのうちのどちらの向きで投入しても、表面と裏面のうち所定の面が常に一番上に見えるようにして布類の畳み仕上げをすることができる布類の折り畳み装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を有利に解決する本発明の布類の折り畳み装置は、伸展された布類を搬送開始点から搬送終了点に至るまでの間の搬送経路上で折り込むことにより畳み仕上げを完了させる折り畳み装置であって、
前記搬送経路上の折り込み前の布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを示す信号を出力する布類所定向き面指示手段と、
前記布類所定向き面指示手段の出力信号に基づき、表面と裏面のうち所定の面が一番上になるように前記搬送経路上で前記布類を折り込む折り込み器と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の折り畳み装置においては、前記折り込み器は、前記布類所定向き面指示手段により示された、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかに応じて、その布類の搬送方向でのその布類の表面または裏面の端部から全長の1/2の部位を折ることでその表面または裏面の半部同士を重ねて2つ折り状態に折り込む2つ折り部を有する。
【0010】
本発明の折り畳み装置においては、前記折り込み器はさらに、前記2つ折り状態の布類の端部から全長の1/2の部位を折ることでその2つ折り状態の布類の半部同士を重ねて4つ折り状態に折り込む4つ折り部を有する。
【0011】
そして、本発明の折り畳み装置においては、前記折り込み器は、前記2つ折り部に加えて、前記布類所定向き面指示手段により示された、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかに応じて、その布類の搬送方向でのその布類の表面または裏面の端部から全長の1/4の部位を折ってその1/4の部位から続く3/4の部位までの部分を2つ折りに垂れ下がらせるとともに残りの1/4の部分と先の1/4の部分との表面または裏面同士を重ねて4つ折り状態に折り込む4つ折り専用部を有する。
【0012】
なお、前記布類所定向き面指示手段は、前記搬送経路上での布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを検出する例えばカメラやセンサー等の所定向き面検出手段と、前記所定向き面検出手段が検出した所定の向きの面に基づき前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを示す信号を出力する信号出力手段と、を有するものであってもよい。
【0013】
また、前記布類所定向き面指示手段は、布類の搬送経路上での布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを識別した作業員の操作に基づき、前記布類の表面と裏面のどちらが所定の向きかを示す信号を出力する例えばスイッチ等のものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、折り畳み装置への布類の投入の際に布類の表面と裏面のどちらを所定の向きにして投入しても、布類所定向き面指示手段の出力信号に基づき、表面と裏面のうち所定の面が一番上になるように、搬送開始点から搬送終了点に至るまでの間の搬送経路上で折り込み器が布類を折り込むことから、折り畳み後に一番上に見える面を常時一定面として畳み仕上げすることができるので、作業者が投入前に布類の面を目視によって確認して所定の向きに反転させる作業が不要となって、作業者の作業労力を削減することができ、しかも、作業者が常に一定のリズムで効率良く布類を投入できるので、作業者の1枚の投入時間が最大約2~3秒短縮できて、布類の効率的な折り畳みを行うことができ、生産枚数の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明にしたがう布類の折り畳み装置の一実施形態としての布類の折り畳み機を模式的に示す断面図である。
【
図1A】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部を示す平面図および断面図である。
【
図1B】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部の一変形例を示す平面図および断面図である。
【
図1C】上記実施形態の布類の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部の他の一変形例を示す断面図である。
【
図2】(a)および(b)は、布類の一例を示す平面図および側面図である。
【
図3】(a)~(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を示す図である。
【
図4】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図3に引き続いて示す図である。
【
図5】(a)~(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順を示す図である。
【
図6】(a)~(c)は、本発明にしたがう布類の折り畳み装置の他の一実施形態としての布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図7】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図6に引き続いて示す図である。
【
図8】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図9】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図8に引き続いて示す図である。
【
図10】(a)~(d)は、本発明にしたがう布類の折り畳み装置のさらに他の一実施形態としての布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図11】(a)~(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図10に引き続いて示す図である。
【
図12】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図13】(a)~(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図12に引き続いて示す図である。
【
図14】(a)~(c)は、
図1に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図15】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図14に引き続いて示す図である。
【
図16】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図17】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図16に引き続いて示す図である。
【
図18】(a)および(b)は、
図6に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図19】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図18に引き続いて示す図である。
【
図20】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図21】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図20に引き続いて示す図である。
【
図22】(a)~(c)は、
図10に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図23】(a)~(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図22に引き続いて示す図である。
【
図24】(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図である。
【
図25】(a)および(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図24に引き続いて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明にしたがう布類の折り畳み装置の一実施形態としての布類の折り畳み機を模式的に示す断面図であり、
図1A(a)および
図1A(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部を示す平面図および断面図である。
【0017】
図1における符号1-1~1-6は、布類の搬送開始点Psから搬送終了点Peに至るまでの間で搬送経路を形成するコンベアである。これらのコンベヤ1-1~1-6は各々、コンベヤ1-4について代表で
図1Aの平面図に示すように、幅狭のベルト1aを幅方向に互いに隙間を明けて複数本並べて構成されており、ローラに対するベルトの巻き掛け形状やコンベアの台数は、適宜変更することが可能で、図示のものに限定されることはない。
【0018】
また、符号2は、布類の搬送経路上の布類の向きを検知する検知器である。検知器2は例えば、コンベア1-2,1-3の相互間に配置されてその上に布類を通過させる、例えばガラス板等の透明な板からなるガイド2aと、ガイド2a上を通過する布類の表向き(図では上向き)面と裏向き(図では下向き)面とを撮像して、搬送経路上にある布類の表面あるいは裏面が表向きであるか裏向きであるかを認識するカメラ2b等とで構成される。検知器2で検知された情報は、図示しない制御装置に入力される。
【0019】
また、符号3は、検知器2による検知結果にしたがって布類を折り込む折り込み器である。折り込み器3は、ここでは2基で構成されており、そのうちの一基は、検知器2により布類の表面(ロゴ等がある面)または裏面(ロゴ等がない面)が表向き(上向き)面になっていることを検知した布類につき、その布類の表面と裏面のうち検知器2が検知した表向きになっている面を外面側として2つ折り表折り状態に折り込む、2つ折り部としての2つ折り器3aになっており、もう一基は、2つ折り表折り状態に折り込まれた布類を、その布類の表面と裏面のうち検知器2が検知した表向きになっている面が一番上になるようにさらに2つ折りして4つ折り状態に折り込む、4つ折り部としての4つ折り器3bになっている。
【0020】
なお、この4つ折り器3bは、検知器2により布類の表面と裏面のうちどちらが表向きになっているかを検知した布類につき、後述のように、その表面と裏面のうち検知器2が検知した表向きになっている面を内面側として一回の動作により4つ折り状態に折り込む、4つ折り専用部としても機能する。
【0021】
2つ折り器3aは、コンベア1-4を構成する複数本横並びした幅狭のベルト1aの上をコンベア1-4の全幅に亘って延在するとともに、枢軸S1を支点にアームaを介して斜め上下方向に揺動可能な折り込み板3a1と、その折り込み板3a1の上昇位置に位置して互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベヤ3a2とから構成されるものを適用することができる。
【0022】
折り込み板3a1は、図示しない制御装置からの指令により布類の搬送方向においてその布類の端部から全長の1/2の部位がその上を通過するタイミングで作動して、ベルト1a上の初期位置から斜め上方に揺動することにより布類の端部から全長の1/2の部位を幅方向において支持し、その布類の端部から全長の1/2の部位をベルト1a上から持ち上げて、互いに逆向きにベルトが回転している一対のコンベヤ3a2の間に押し込み、コンベヤ3a2は、その布類の端部から全長の1/2の部位を折り込み板3a1で間に押し込まれることにより該布類を全域にわたって挟持し、折り込み板3a1は、一対のコンベア3a2間へのその布類の端部から全長の1/2の部位の押し込みを終えた後は初期位置に復帰する。
【0023】
図1B(a)および
図1B(b)は、上記実施形態の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部の一変形例を示す平面図および断面図であり、この変形例では、コンベア1-4がコンベア前部1-4aとコンベア後部1-4bとに分かれるとともに、それらコンベア前部1-4aとコンベア後部1-4bとの間の隙間にコンベア1-4の全幅に亘って折り込み板3a1が延在している。
【0024】
この折り込み板3a1は、枢軸S1を支点にアームaを介してコンベヤ1-4の搬送面よりも下の初期位置とコンベヤ1-4の搬送面よりも上の押し込み位置との間で揺動可能で、図示しない制御装置からの指令により布類の搬送方向において布類の端部から全長の1/2の部位がその上を通過するタイミングで作動して、コンベヤ1-4の搬送面よりも下の初期位置から斜め上方に揺動することにより、コンベア前部1-4aとコンベア後部1-4bとの間の隙間を渡っている布類の端部から全長の1/2の部位を幅方向において支持し、その布類の端部から全長の1/2の部位を持ち上げて、互いに逆向きにベルトが回転している一対のコンベヤ3a2の間に押し込み、コンベヤ3a2は、布類の端部から全長の1/2の部位を折り込み板3a1で間に押し込まれることにより該布類を全域にわたって挟持し、折り込み板3a1は、一対のコンベア3a2間への布類の端部から全長の1/2の部位の押し込みを終えた後は初期位置に復帰する。
【0025】
図1Cは、上記実施形態の折り畳み機の折り込み器の2つ折り部の他の一変形例を示す断面図であり、この変形例では、コンベア1-4がコンベア前部1-4aとコンベア後部1-4bとに分かれるとともに、コンベア後部1-4bがコンベア前部1-4aよりも低くされ、コンベア前部1-4aと同じ高さに一対のコンベヤ3a2の一方が配置され、一対のコンベヤ3a2の他方をコンベア後部1-4bが構成しており、それらコンベア3a2とコンベア後部1-4bとの間に向き合い、コンベア1-4の全幅に亘って折り込み板3a1が延在している。
【0026】
この折り込み板3a1は、枢軸S1を支点にアームaを介してコンベア前部1-4aの下の初期位置と、コンベア3a2とコンベア後部1-4bとの間の押し込み位置との間で揺動可能で、図示しない制御装置からの指令により、布類の搬送方向において布類の端部から全長の1/2の部位がコンベア前部1-4aから垂れ下がって前方を通過するタイミングで作動して図示の初期位置から前方へ揺動することにより、コンベア前部1-4aから垂れ下がっている布類の端部から全長の1/2の部位を、互いに逆向きにベルトが回転しているコンベヤ3a2とコンベア後部1-4bの間に押し込み、コンベヤ3a2とコンベア後部1-4bは、布類の端部から全長の1/2の部位を折り込み板3a1で間に押し込まれることにより該布類を全域にわたって挟持し、折り込み板3a1は、コンベア3a2とコンベア後部1-4bの間への布類の端部から全長の1/2の部位の押し込みを終えた後は初期位置に復帰する。
【0027】
一方、4つ折り器3bは、枢軸S2を支点にアームbを介して前後方向に揺動可能で、かつ布類を幅方向において支持する折り込み板3b1と、互いに逆向きにベルトが回転して、折り込み板3b1にて布類の端部から全長の1/4の部位と3/4の部位とを重ねて間に押し込まれることにより該布類を全域にわたって挟持する一対のコンベア3b2とから構成されるものを適用することができる。
【0028】
4つ折り器3bを構成する一対のコンベア3b2は、図示例では布類の搬送経路を形成するコンベア1-4,1-5を利用しているが、コンベア1-4,1-5とは別途に設けることも可能であり、この点については図示例に限定されない。また、4つ折り器3bには、折り込み板3b1が作動したとき常に一定の位置で停止することができるようにストッパ3b3が設けられている。
【0029】
4つ折り器3bの折り込み板3b1は、2つ折り器3aを経て2つ折りになった布類については、その布類の搬送方向において端部から1/2(全長の1/4および3/4)の部位が通過するタイミングでこれらの部位を一対のコンベア3b2の相互間に押し込む一方、4つ折り専用部の折り込み板として機能する際は、該布類の搬送方向において端部から全長の1/4の部位が通過するタイミングでこの1/4の部位を支持し、さらに該布類の端部から全長の3/4の部位が通過するタイミングでこれら1/4の部位および3/4の部位を重ねて一対のコンベア3b2の相互間に押し込むものであり、コンベア3b2の相互間への押し込みを終えた後は初期位置へと復帰するようになっている。
【0030】
2つ折り器3aの折り込み板3a1に設けられたアームaおよび4つ折り器3bの折り込み板3b1に設けられたアームbは、それぞれアクチュエータ3a3,3b4に駆動結合されており、検知器2による検知結果や布類のトラッキング情報等を基に、上記制御装置からの指令によりアクチュエータ3a3,3b4を適宜駆動させることにより折り込み板3a1,3b1を揺動作動させることができるが、他の手段を用いて揺動あるいは進退作動させてもよい。
【0031】
なお、上述した変形例ではさらに、
図1B(b)に示すように、コンベア前部1-4aの横並びのベルト1a間の各隙間に細長い渡し部材3a
5を配置し、この渡し部材3a
5をコンベア前部1-4aの幅方向に繋げ、例えばそのコンベア前部1-4aの幅方向中央部に配置したアクチュエータ3a
4で進退駆動して、折り込み板3a1が初期位置にある間は図中一点鎖線で示す前進位置に位置させ、折り込み板3a1が上昇位置にある間は図中実線で示す後退位置に位置させるようにしてもよい。
【0032】
図2(a)および
図2(b)は、表面にロゴLが設けられた布類Nの一例を模式的に示す平面図および側面図であり、また
図3(a)~
図3(d)および
図4(a)~
図4(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を順次に示す図である。
図2に示す布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられた面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは先ず、
図3(a)および
図3(b)に示すように、布類Nの搬送方向において端部から全長の1/2の部位が2つ折り器3aの折り込み板3a1の先端上を通過するタイミングで折り込み板3a1により持ち上げられて支持され、該布類Nの端部から全長の1/2の部位を起点に一対のコンベア3a2の間に押し込まれ、布類NのロゴLが見える表面を外面側として2つ折り状態に折り込まれる。
【0033】
そして、2つ折り状態に折り込まれた布類Nは、
図3(c)および
図3(d)に示すように、コンベア3a2を経たのち搬送経路のコンベヤ1-4上に合流し、次いで
図4(a)に示すように、その2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)が、コンベア3b2から垂れ下がって4つ折り器3bの折り込み板3b1の先端の前方を通過するタイミングで、
図4(b)に示すように、折り込み板3b1により該2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)を起点に一対のコンベア3b2の間に押し込まれ、
図4(c)に示すように、布類NのロゴLが見える表面を外面側としてさらに2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、
図1に示す搬送終了点Peに設けられた積層部4で落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0034】
上記の手順で4つ折りに畳み仕上げられた布類Nは、
図4(c)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面に位置する「表折り」となる。
【0035】
図5(a)~
図5(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順を示す図である。布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「裏面(ロゴLが設けられていない面)」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図5(a)に示すように、2つ折り器3aを経ることなしにコンベヤ1-4で、この場合は4つ折り専用部として機能する4つ折り器3bに向けて搬送され、
図5(b)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/4の部位がコンベヤ1-4からなるコンベア3b2から垂れ下がって4つ折り器3bの折り込み板3b1の先端の後方を通過するタイミングで、折り込み板3b1の揺動によりその布類Nの端部から1/4の部位を折られて端部から1/4までの部分を折り込み板3b1の背面とストッパ3b3との間に挟持される。
【0036】
その後、布類Nは、
図5(c)に示すように、その1/4の部位から続く3/4の部位までの全長の1/2の部分がコンベア3b2から2つ折りに垂れ下がって、その端部から3/4の部位が折り込み板3b1の先端の前方を通過するタイミングで、
図5(d)に示すように、それら端部から1/4の部位と3/4の部位を起点として折り込み板3b1によりコンベア3b2の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、4つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、
図1に示す搬送終了点Peに設けられた積層部4で落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0037】
上記のように検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、4つ折り器3bのみを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図5(d)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となる。
【0038】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器2にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、2つ折り器3aと4つ折り器3bとに順次に通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、4つ折り器3bのみを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0039】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器2にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、2つ折り器3aと4つ折り器3bとに順次に通して4つ折りするか、4つ折り器3bのみに通して4つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの4つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0040】
それゆえ、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、布類の「表面」と「裏面」のどちらを表向き(上向き)面あるいは裏向き(下向き)面として投入しても、折り畳み後に一番上に見える面を常時「表面」と「裏面」のうちの一定面として畳み仕上げすることができるので、作業者が投入前に布類の面を目視によって確認して所定の向きに反転させる作業が不要となって、作業者の作業労力を削減することができ、しかも、作業者が常に一定のリズムで効率良く布類を投入できるので、作業者の1枚の投入時間が最大約2~3秒短縮できて、布類の効率的な折り畳みを行うことができ、生産枚数の向上を図ることができる。
【0041】
なお、検知器2は、折り畳み機に投入された布類Nの表向き(上向き)面を基準にして、その表向き面が「表面」であるか「裏面」であるかを検知するものを用いることができるが、布類Nの裏向き(下向き)面を基準して検知するものでもよいし、表向き面、裏向き面の両方を基準にして検知するものでもよく、この点については限定されない。
【0042】
積層部4としては、例えば、バスタオル積層部やフェイスタオル積層部等、処理対象物を種類別に積層する複数の積層部を設けておくことができ、畳み仕上げが完了した布類Nを、センサー等を使って該当箇所に落とし込む機構を採用することができる。
【0043】
図6(a)~
図6(c)は、本発明にしたがう布類の折り畳み装置の他の一実施形態としての布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図7(a)および
図7(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図6に引き続いて示す図である。
図6および
図7における符号5-1~5-5は、布類の搬送経路を形成するコンベアである。これらのコンベヤ5-1~5-5も各々、コンベヤ1-1~1-6におけると同様、幅狭のベルトを幅方向に互いに隙間を明けて複数本並べて構成されており、ローラに対するベルトの巻き掛け形状やコンベアの台数は、適宜変更することが可能で、図示のものに限定されることはない。
【0044】
また、コンベヤ5-1の上流部分には、布類の搬送経路上の布類の向きを検知する図示しない検知器が設けられており、検知器は例えば、その上に布類を通過させるガイドと、ガイド上を通過する布類の表向き(図では上向き)面と裏向き(図では下向き)面とを撮像して、搬送経路上にある布類の表面あるいは裏面が表向きであるか裏向きであるかを認識するカメラ等とで構成される。検知器で検知された情報は、図示しない制御装置に入力される。
【0045】
また、符号6aは、上記検知器による検知結果にしたがって布類を折り込む折り込み器である。折り込み器6aの折り込み板6a1に設けられたアームcは、アクチュエータ6a3に駆動結合されており、上記検知器による検知結果や布類のトラッキング情報等を基に、上記制御装置からの指令によりアクチュエータ6a3を適宜駆動させることにより折り込み板6a1を揺動作動させることができるが、他の手段を用いて揺動あるいは進退作動させてもよい。この折り込み器6aは、上記検知器により布類の表面(ロゴ等がある面)または裏面(ロゴ等がない面)が表向き(上向き)面になっていることを検知した布類につき、後述のように、その表面と裏面のうち検知器が検知した表向きになっている面を外面側として一回の動作により4つ折り状態に折り込む、4つ折り専用部として機能する。
【0046】
すなわち、布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図6(a)に示すように、コンベヤ5-1とコンベヤ5-2とコンベヤ5-3で、折り込み器6aに向けて搬送され、
図6(b)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/4の部位がコンベア5-3から垂れ下がって折り込み器6aの折り込み板6a1の先端の後方を通過するタイミングで、
図6(c)に示すように、折り込み板6a1の揺動によりその布類Nの端部から1/4の部位を折られて端部から1/4までの部分を折り込み板6a1の背面とストッパ6a2との間に挟持される。
【0047】
その後、布類Nは、その1/4の部位から続く3/4の部位までの全長の1/2の部分がコンベア5-3から2つ折りに垂れ下がって、その端部から3/4の部位が折り込み板6a1の先端の前方を通過するタイミングで、
図7(a)に示すように、それら端部から1/4の部位と3/4の部位を起点として折り込み板6a1により、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベアを構成するコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、4つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ5-5で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0048】
上記のように検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、折り込み器6aを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図7(b)の左端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0049】
図8(a)~
図8(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図9(a)および
図9(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図8に引き続いて示す図である。
【0050】
布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「裏面(ロゴLが設けられていない面)」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図8(a)に示すように、コンベヤ5-1とコンベヤ5-2とで先ず前方へ搬送された後、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間に位置したときにコンベヤ5-2の逆転により、
図8(b)に示すように、コンベヤ5-1とコンベヤ5-3の間にロゴLが内向きになる2つ折り状態で送られる。
【0051】
なお、図示しない気体吹き付けノズルにて布類Nに上方から気体を吹き付け(エアブロー等)、布類Nをその端部から全長の1/2の部位を起点にコンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間に送り込むことにより、布類Nの送り込みをより確実にしてもよい。
【0052】
その後、布類Nは、
図8(c)に示すように、コンベア5-3から2つ折り状態で垂れ下がって、布類Nの先端から1/4の部位と3/4の部位が折り込み板6a1の先端の前方を通過するタイミングで、
図9(a)に示すように、それら端部から1/4の部位と3/4の部位を起点として折り込み板6a1により、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベアを構成するコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、布類NのロゴLが見える表面を内向きにしたままさらに2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ5-5で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0053】
上記のように検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、折り込み器6aを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図9(b)の左端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内向きに位置する「裏折り」となる。
【0054】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、そのまま折り込み器6aを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、コンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間で2つ折りにされてから折り込み器6aを通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0055】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、そのまま折り込み器6aに通して4つ折りするか、コンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間で2つ折りしてから折り込み器6aに通して4つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの4つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0056】
図10(a)~
図10(d)は、本発明にしたがう布類の折り畳み装置のさらに他の一実施形態としての布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図11(a)~
図11(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図10に引き続いて示す図である。
図10および
図11における符号7-1~7-6は、布類の搬送経路を形成するコンベアである。これらのコンベヤ7-1~7-6も各々、コンベヤ1-1~1-6におけると同様、幅狭のベルトを幅方向に互いに隙間を明けて複数本並べて構成されており、ローラに対するベルトの巻き掛け形状やコンベアの台数は、適宜変更することが可能で、図示のものに限定されることはない。
【0057】
また、コンベヤ7-1の上流部分には、布類の搬送経路上の布類の向きを検知する図示しない検知器が設けられており、検知器は例えば、その上に布類を通過させるガイドと、ガイド上を通過する布類の表向き(図では上向き)面と裏向き(図では下向き)面とを撮像して、搬送経路上にある布類の表面あるいは裏面が表向きであるか裏向きであるかを認識するカメラ等とで構成される。検知器で検知された情報は、図示しない制御装置に入力される。
【0058】
また、符号8a~8cは、上記検知器による検知結果にしたがって布類を折り込む折り込み器である。折り込み器8aは、
図1に示す実施形態の布類の折り畳み機における2つ折り器3aと同様に、折り込み板8a1と、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベヤ8a2で構成されており、上記検知器により布類の表面(ロゴ等がある面)または裏面(ロゴ等がない面)が表向き(上向き)面になっていることを検知した布類につき、後述のように、その表面と裏面のうち検知器が検知した表向きになっている面を外面側または内面側として2つ折り状態に折り込む、2つ折り部として機能する。
【0059】
折り込み器8bは、折り込み板8b1と、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベヤを構成するコンベヤ7-3およびコンベヤ7-4で構成されており、2つ折り表折り状態に折り込まれた布類をさらに2つ折りして4つ折り状態に折り込む、4つ折り部として機能する。そして折り込み器8cは、折り込み板8c1と、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベヤを構成するコンベヤ7-1およびコンベヤ7-2で構成されており、折り込み器8aと逆の向きに布類を2つ折りして折り込み器8bに供給する、2つ折り部として機能する。折り込み器8aの折り込み板8a1に設けられたアームdと、折り込み器8bの折り込み板8b1に設けられたアームeと、折り込み器8cの折り込み板8c1に設けられたアームfとは、それぞれアクチュエータ8a3,8b3,8c3に駆動結合されており、検知器2による検知結果や布類のトラッキング情報等を基に、上記制御装置からの指令によりアクチュエータ8a3,8b3,8c3を適宜駆動させることにより折り込み板8a1,8b1,8c1を揺動作動させることができるが、他の手段を用いて揺動あるいは進退作動させてもよい。
【0060】
すなわち、布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは先ず、
図10(a)および
図10(b)に示すように、布類Nの搬送方向において端部から全長の1/2の部位が折り込み器8aの折り込み板8a1の先端上を通過するタイミングで折り込み板8a1により持ち上げられて支持され、該布類Nの端部から全長の1/2の部位を起点に、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベア8a2の間に押し込まれ、布類NのロゴLが見える表面を外面側として2つ折り状態に折り込まれる。
【0061】
そして、2つ折り状態に折り込まれた布類Nは、
図10(c)および
図10(d)に示すように、コンベア8a2を経たのち搬送経路のコンベヤ7-1上に合流し、次いで
図11(a)に示すように、コンベヤ7-3からコンベヤ7-4に運ばれ、
図11(b)に示すように、その2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)がコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に位置する通過するタイミングで、
図11(c)に示すように、折り込み器8bの折り込み板8b1により該2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)を起点に、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベアを構成するコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に押し込まれ、
図11(d)に示すように、布類NのロゴLが見える表面を外面側としてさらに2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ7-6で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0062】
上記の手順で4つ折りに畳み仕上げられた布類Nは、
図11(d)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面に位置する「表折り」となる。
【0063】
図12(a)~
図12(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図13(a)~
図13(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を4つ折り表折りに畳みあげる手順を
図12に引き続いて示す図である。
【0064】
布類Nを処理対象物として4つ折りかつ「裏面(ロゴLが設けられていない面)」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図12(a)に示すように、コンベヤ7-1とコンベヤ7-2とで先ず前方へ搬送された後、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ7-1とコンベヤ7-2の間に位置したときにコンベヤ7-2の逆転と、折り込み器8cの折り込み板8c1とにより、
図12(b)および
図12(c)に示すように、その類Nの端部から全長の1/2の部位を起点として、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベヤを構成するコンベヤ7-1とコンベヤ7-2の間にロゴLが内向きになる2つ折り状態で送られる。
【0065】
その後、布類Nは、
図13(a)に示すように、コンベヤ7-3からコンベヤ7-4に運ばれ、
図13(b)に示すように、その2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)がコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に位置する通過するタイミングで、
図13(c)に示すように、折り込み器8bの折り込み板8b1により該2つ折りの布類Nの端部から全長の1/2の部位(2つ折り前の全長の1/4および3/4の部位)を起点に、互いに逆向きにベルトが回転するコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に押し込まれ、
図13(d)に示すように、布類NのロゴLが見える表面を内向きにしたままさらに2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ7-6で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの4つ折り畳み仕上げを完了する。
【0066】
上記の手順で4つ折りに畳み仕上げられた布類Nは、
図13(d)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内向きに位置する「裏折り」となる。
【0067】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、折り込み器8aおよび折り込み器8bを順次に通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、折り込み器8cおよび折り込み器8bを順次に通されて4つ折りの畳み仕上げがなされれば、コンベ表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0068】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、そのまま折り込み器8aに通して2つ折りしてから折り込み器8bに通して4つ折りするか、折り込み器8cに通して2つ折りしてから折り込み器8bに通して4つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの4つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0069】
次に、上記三種類の実施形態の布類の折り畳み機によって布類Nの2つ折りの畳み仕上げを行う場合について説明する。ここで、布類の折り畳み機の構成自体は上記各実施形態から変更されないので、上記実施形態におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0070】
図14(a)~
図14(c)は、
図1に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図15(a)~
図15(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図14に引き続いて示す図である。
【0071】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図14(a)に示すように、2つ折り器3aを経ることなしにコンベヤ1-4で、この場合は2つ折り部として機能する4つ折り器3bに向けて搬送され、
図14(b)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ1-4からなるコンベア3b2から垂れ下がって4つ折り器3bの折り込み板3b1の先端の後方を通過するタイミングで、折り込み板3b1の揺動によりその布類Nの端部から1/2の部位を折られて端部から1/2までの部分を折り込み板3b1の背面とストッパ3b3との間に挟持される。
【0072】
その後、布類Nは、
図15(a)に示すように、その端部から1/2の部位から続く残りの1/2の部分がコンベア3b2から折り込み板3b1の後方に垂れ下がって、布類Nの全長が折り込み板3b1の先端に掛かるタイミングで、
図15(b)に示すように、その端部から1/2の部位を起点として折り込み板3b1によりコンベア3b2の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、
図1に示す搬送終了点Peに設けられた積層部4で落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0073】
上記のように検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、4つ折り器3bのみを通されて、一旦布類Nの全長が折り込み板3b1の先端に掛けられてから2つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図15(c)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0074】
図16(a)~
図16(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図17(a)および
図17(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図16に引き続いて示す図である。
【0075】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上でなく内向きに位置する「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図16(a)に示すように、2つ折り器3aを経ることなしにコンベヤ1-4で、この場合も2つ折り部として機能する4つ折り器3bに向けて搬送され、
図16(b)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ1-4からなるコンベア3b2から垂れ下がって4つ折り器3bの折り込み板3b1の先端の前方を通過するタイミングで、
図16(c)に示すように、その端部から1/2の部位を起点として折り込み板3b1によりコンベア3b2の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、
図17(a)に示すように、表面のロゴLを内向きにして2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、
図1に示す搬送終了点Peに設けられた積層部4で落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0076】
上記のように検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、4つ折り器3bのみを通されて、コンベア3b2から垂れ下がった状態から折り込み板3b1で折り込み板3b1の間に直接押し込まれて2つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図17(b)に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内向きに位置する「裏折り」となる。
【0077】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器2にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、4つ折り器3bのみを通されて、一旦布類Nの全長が折り込み板3b1の先端に掛けられてから2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、4つ折り器3bのみを通されて、コンベア3b2から垂れ下がった状態から折り込み板3b1で折り込み板3b1の間に直接押し込まれて2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0078】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器2にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、一旦布類Nの全長を折り込み板3b1の先端に掛けてからコンベア3b2の間に押し込んで2つ折りするか、コンベア3b2から垂れ下がった状態から折り込み板3b1で折り込み板3b1の間に直接押し込んで2つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの2つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0079】
図18(a)および
図18(b)は、
図6に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図19(a)および
図19(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図18に引き続いて示す図である。
【0080】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器2にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図18(a)に示すように、コンベヤ5-1とコンベヤ5-2とコンベヤ5-3で、折り込み器6aに向けて搬送され、
図18(b)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベア5-3から垂れ下がって折り込み器6aの折り込み板6a1の先端の前方を通過するタイミングで、
図19(a)に示すように、折り込み板6a1の揺動によりその布類Nの端部から1/2の部位を起点として、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベアを構成するコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、
図19(b)に示すように、コンベヤ5-5で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0081】
上記のように検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、折り込み器6aのみを通されて、コンベア5-3から垂れ下がった状態から折り込み板6a1でコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に直接押し込まれて2つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図19(b)の左端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0082】
図20(a)~(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図21(a)および
図21(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図20に引き続いて示す図である。
【0083】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「裏面(ロゴLが設けられていない面)」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図20(a)に示すように、コンベヤ5-1で前方へ搬送された後、コンベヤ5-1に対し逆向きにベルトが回転するコンベヤ5-2により、
図20(b)に示すように、コンベヤ5-1とコンベヤ5-3の間に送られる。
【0084】
なお、図示しない気体吹き付けノズルにてコンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間で布類Nに上方から気体を吹き付け(エアブロー等)、布類Nをコンベヤ5-1とコンベヤ5-2の間に送り込むことにより、コンベヤ5-1とコンベヤ5-3の間への布類Nの送り込みをより確実にしてもよい。
【0085】
その後、布類Nは、コンベア5-3から垂れ下がって、布類Nの先端から1/2の部位が折り込み板6a1の先端の後方を通過するタイミングで、
図20(c)に示すように、該布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ5-3から垂れ下がって、この場合は2つ折り部として機能する4つ折り器6aの折り込み板6a1の先端の後方を通過するタイミングで、折り込み板6a1の揺動によりその布類Nの端部から1/2の部位を折られて端部から1/2までの部分を折り込み板6a1の背面とストッパ6a2の間に挟持される。
【0086】
その後、布類Nは、
図21(a)に示すように、その端部から1/2の部位から続く残りの1/2の部分がコンベア5-3から折り込み板6a1の前方に垂れ下がって、布類Nの全長が折り込み板6a1の先端に掛かるタイミングで、その端部から1/2の部位を起点として折り込み板6a1によりコンベア5-3とコンベヤ5-4の間に押し込まれ、これにより該布類Nは、2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ5-5で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0087】
上記のように検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された後、折り込み器6aを通されて2つ折りの畳み仕上げがなされた布類Nにおいては、
図21(b)の左端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内向きに位置する「裏折り」となる。
【0088】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、そのまま折り込み器6aのみを通されて、コンベア5-3から垂れ下がった状態から折り込み板6a1でコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に直接押し込まれて2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、折り込み器6aのみを通されて、一旦布類Nの全長が折り込み板3b1の先端に掛けられてから2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0089】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、折り込み器6aに通してコンベヤ5-3とコンベヤ5-4の間に直接押し込んで2つ折りするか、折り込み器6aに通して一旦布類Nの全長を折り込み板3b1の先端に掛けてから2つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの2つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0090】
図22(a)~
図22(c)は、
図10に示す実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図23(a)~
図23(d)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り表折りに畳みあげる手順を
図22に引き続いて示す図である。
【0091】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「表面(ロゴLが設けられている面)」が一番上に見える「表折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは先ず、
図22(a)および
図22(b)に示すように、布類Nの搬送方向において端部から全長の1/2の部位が折り込み器8aの折り込み板8a1の先端上を通過するタイミングで折り込み板8a1により持ち上げられて支持され、該布類Nの端部から全長の1/2の部位を起点に、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベア8a2の間に押し込まれ、布類NのロゴLが見える表面を外面側として2つ折り状態に折り込まれる。
【0092】
そして、2つ折り状態に折り込まれた布類Nは、
図22(c)および
図23(a)に示すように、コンベア8a2を経たのち搬送経路のコンベヤ7-1上に合流し、次いで
図23(b)に示すように、コンベヤ7-3からコンベヤ7-4に運ばれ、
図23(c)に示すように、その2つ折りの布類Nの端部に対する反対側の折り部(端部から全長の1/2の部位)がコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に位置する通過するタイミングで、コンベヤ7-4の逆転と、好ましくは折り込み器8bの折り込み板8b1の揺動の助けにより、該2つ折りの布類Nのその折り部を起点に、布類NのロゴLが見える表面を外面側として、互いに逆向きにベルトが回転する一対のコンベアを構成するコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に押し込まれ、
図23(d)に示すように、コンベヤ7-6で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0093】
上記の手順で2つ折りに畳み仕上げられた布類Nは、
図23(d)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面に位置する「表折り」となる。
【0094】
図24(a)~
図24(c)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順をその布類の折り畳み機の要部について示す図であり、
図25(a)および
図25(b)は、上記実施形態の布類の折り畳み機を使用して布類を2つ折り裏折りに畳みあげる手順を
図24に引き続いて示す図である。
【0095】
布類Nを処理対象物として2つ折りかつ「裏面(ロゴLが設けられていない面)」が一番上に見える「裏折り」の畳み仕上げを行うに当り、検知器にて布類の「表面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合には、この実施形態の折り畳み機では、布類Nは、
図24(a)に示すように、先ずコンベヤ7-1により前方に搬送され、次いでコンベヤ7-1に対し逆転するコンベヤ7-2の助けでコンベヤ7-1により、
図24(b)および
図12(c)に示すように、コンベヤ7-3からコンベヤ7-4に運ばれ、さらに
図24(c)に示すように、その布類Nの端部から全長の1/2の部位がコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に位置する通過するタイミングで、
図25(a)に示すように、折り込み器8bの折り込み板8b1により該布類Nの端部から全長の1/2の部位を起点に、互いに逆向きにベルトが回転するコンベヤ7-3とコンベヤ7-4の間に押し込まれ、
図25(b)に示すように、布類NのロゴLが見える表面を内向きにて2つ折り状態に折り込まれることとなり、その後、コンベヤ7-6で、
図1に示す積層部4と同様の図示しない積層部に搬送されてそこで落下し、積層されて、布類Nの2つ折り畳み仕上げを完了する。
【0096】
上記の手順で2つ折りに畳み仕上げられた布類Nは、
図25(b)の右端に示すように、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内向きに位置する「裏折り」となる。
【0097】
そして、この実施形態の布類の折り畳み機では、上記の場合と逆に検知器にて布類の「裏面」が所定の向きの面としての表向き(上向き)面として検知された場合に、その後、折り込み器8aを通されて2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)でなく内側に位置する「裏折り」となり、また上記検知後、折り込み器8bを通されて2つ折りの畳み仕上げがなされれば、表面のロゴLが一番上の面(外表面)に位置する「表折り」となる。
【0098】
従って、この実施形態の布類の折り畳み機によれば、検知器にて布類の「表面」と「裏面」のどちらが所定の向きとしての表向き(上向き)あるいは裏向き(下向き)の面として検知されても、その検知された面の向きに応じて布類を、折り込み器8aに通して2つ折りするか、折り込み器8cに通して2つ折りするかによって、「表折り」と「裏折り」との何れの2つ折りの畳み仕上げも行うことができる。
【0099】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
かくして本発明の布類の折り畳み機によれば、折り畳み機へ布類を投入する際に布類の向きに違いがあったとしても、折り畳み後に一番上に見える面を常時一定面として畳み仕上げすることができるので、作業者が投入前に布類の面を目視によって確認して所定の向きに反転させる作業が不要となって、作業者の作業労力を削減することができ、しかも、作業者が常に一定のリズムで効率良く布類を投入できるので、作業者の1枚の投入時間が最大約2~3秒短縮できて、布類の効率的な折り畳みを行うことができ、生産枚数の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0101】
1-1~1-6 コンベア
1-4a コンベヤ前部
1-4b コンベヤ後部
1a ベルト
2 検知器
2a ガイド
2b カメラ
3 折り込み器
3a 2つ折り器
3a1 折り込み板
3a2 コンベア
3a3 アクチュエータ
3a4 アクチュエータ
3a5 渡し部材
3b 4つ折り器
3b1 折り込み板
3b2 コンベア
3b3 ストッパ
3b4 アクチュエータ
4 積層部
5-1~5-5 コンベヤ
6a 折り込み器
6a1 折り込み板
6a2 ストッパ
6a3 アクチュエータ
7-1~7-6 コンベヤ
8a 折り込み器
8a1 折り込み板
8a2 コンベヤ
8a3 アクチュエータ
8b 折り込み器
8b1 折り込み板
8b3 アクチュエータ
8c 折り込み器
8c1 折り込み板
8c3 アクチュエータ
L ロゴ
N 布類