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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】指針装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/28 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
G01D11/28 P
G01D11/28 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019238717
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021107776
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】深津 太佑
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-48892(JP,A)
【文献】特開昭63-193012(JP,A)
【文献】特開2010-210514(JP,A)
【文献】特開2001-304921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00-13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側の面である第一面と、裏側の面である第二面と、前記第一面から前記第二面まで貫通している貫通孔と、を有する基板と、
前記基板に対して前記第一面の側に配置されている指針本体と、前記指針本体から前記貫通孔に向けて突出している回転軸と、を有する透光性の指針と、
前記基板に対して前記第二面の側に配置された筐体を有し、前記回転軸と連結されているモータと、
前記基板に対して前記第二面の側に配置されており、前記第一面の側とは反対側に向けて光を出射する光源と、
前記光源から出射される光を前記回転軸の入射面に導く光学系と、
を備え
前記光学系は、前記モータの駆動軸を含み、
前記駆動軸は、透光性を有し、かつ前記貫通孔に挿通されて前記回転軸に連結されており、
前記光源は、前記筐体の外部に配置されており、
前記駆動軸は、前記回転軸の前記入射面と対向する出射面と、前記回転軸の前記入射面とは反対側を向く入射面と、を有し、
前記筐体は、前記駆動軸の前記入射面を外部空間に向けて露出させる開口部を有し、
前記光学系は、前記光源から出射される光を前記駆動軸の前記入射面に導く導光部材を有する
ことを特徴とする指針装置。
【請求項2】
前記導光部材は、前記光源と対向する入射面を有し、かつ湾曲している湾曲部と、前記駆動軸の前記入射面と対向する出射面を有し、かつ直線状の直線部と、前記湾曲部によって導かれた光を前記直線部に向けて反射する反射面と、を有する
請求項に記載の指針装置。
【請求項3】
前記導光部材は、
前記光源と対向する入射面を有する直線状の第一直線部と、
前記駆動軸の前記入射面と対向する出射面を有し、かつ直線状の第三直線部と、
前記第一直線部と前記第三直線部とをつなぐ第二直線部と、
前記第一直線部によって導かれた光を前記第二直線部に向けて反射する第一反射面と、
前記第二直線部によって導かれた光を前記第三直線部に向けて反射する第二反射面と、
を有する
請求項に記載の指針装置。
【請求項4】
表側の面である第一面と、裏側の面である第二面と、前記第一面から前記第二面まで貫通している貫通孔と、を有する基板と、
前記基板に対して前記第一面の側に配置されている指針本体と、前記指針本体から前記貫通孔に向けて突出している回転軸と、を有する透光性の指針と、
前記基板に対して前記第二面の側に配置された筐体を有し、前記回転軸と連結されているモータと、
前記基板に対して前記第二面の側に配置されており、前記第一面の側とは反対側に向けて光を出射する光源と、
前記光源から出射される光を前記回転軸の入射面に導く光学系と、
を備え、
前記光学系は、前記モータの駆動軸を含み、
前記駆動軸は、透光性を有し、かつ前記貫通孔に挿通されて前記回転軸に連結されており、
前記光源は、前記筐体の内部に配置されており、
前記駆動軸は、前記回転軸の前記入射面と対向する出射面と、前記回転軸の前記入射面とは反対側を向く入射面と、を有し、
前記光学系は、前記筐体の内部に配置され、前記光源から出射される光を前記駆動軸の前記入射面に導く導光部材を有する
ことを特徴とする指針装置。
【請求項5】
表側の面である第一面と、裏側の面である第二面と、前記第一面から前記第二面まで貫通している貫通孔と、を有する基板と、
前記基板に対して前記第一面の側に配置されている指針本体と、前記指針本体から前記貫通孔に向けて突出している回転軸と、を有する透光性の指針と、
前記基板に対して前記第二面の側に配置された筐体を有し、前記回転軸と連結されているモータと、
前記基板に対して前記第二面の側に配置されており、前記第一面の側とは反対側に向けて光を出射する光源と、
前記光源から出射される光を前記回転軸の入射面に導く光学系と、
を備え、
前記光学系は、前記モータの駆動軸を含み、
前記駆動軸は、透光性を有し、かつ前記貫通孔に挿通されて前記回転軸に連結されており、
前記光源および前記光学系は、前記筐体の内部に配置されており、
前記駆動軸は、前記回転軸の前記入射面と対向する出射面と、前記回転軸の前記入射面とは反対側を向く入射面と、を有し、
前記光学系は、前記光源の光軸方向において前記光源と対向している第一反射面と、前記駆動軸の軸方向において前記駆動軸の前記入射面と対向している第二反射面と、を有し、
前記第一反射面は、前記光源から出射される光を前記第二反射面に向けて反射し、前記第二反射面は、前記第一反射面から入射する光を前記駆動軸の前記入射面に向けて反射する
ことを特徴とする指針装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指針装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光する指針を有する装置がある。特許文献1には、文字盤と、文字盤の裏側に配置された光源と、ムーブメントの回転駆動により回転され、光源の光を導光する指針用の導光部材と、導光部材から受光した光により発光される指針とを備える発光指針計器が開示されている。特許文献1の発光指針計器では、配線板における文字盤の側である表側の表面に光源が実装されている。また、導光部が回転しても導光部に光を受光させられるように、配線板のシャフトの周囲に光源が複数個備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-253844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に対して装置を配置する自由度を向上できることが望ましい。例えば、基板における表側の面を第一面とした場合に、指針装置のうち第一面の側に配置される構成要素を少なくできることが好ましい。例えば、第一面の側における指針装置と他の装置との干渉を抑制し、スペースを有効利用できることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、基板に対して装置を配置する自由度を向上できる指針装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の指針装置は、表側の面である第一面と、裏側の面である第二面と、前記第一面から前記第二面まで貫通している貫通孔と、を有する基板と、前記基板に対して前記第一面の側に配置されている指針本体と、前記指針本体から前記貫通孔に向けて突出している回転軸と、を有する透光性の指針と、前記基板に対して前記第二面の側に配置された筐体を有し、前記回転軸と連結されているモータと、前記基板に対して前記第二面の側に配置されており、前記第一面の側とは反対側に向けて光を出射する光源と、前記光源から出射される光を前記回転軸の入射面に導く光学系と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る指針装置は、基板に対して第一面の側に配置されている指針本体と、指針本体から突出している回転軸と、を有する透光性の指針と、基板に対して第二面の側に配置された筐体を有するモータと、基板に対して第二面の側に配置された光源と、光源から出射される光を回転軸の入射面に導く光学系と、を有する。本発明に係る指針装置によれば、モータの筐体および光源が第二面の側に配置されていることで、基板に対して装置を配置する自由度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る指針装置の正面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る指針の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る指針の断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るモータの正面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る駆動軸の正面図である。
図6図6は、第1実施形態に係るモータの断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る導光部材の斜視図である。
図8図8は、第1実施形態に係るモータおよび導光部材の断面図である。
図9図9は、第1実施形態の第1変形例に係る導光部材およびモータの斜視図である。
図10図10は、第1実施形態の第1変形例に係る導光部材およびモータの断面図である。
図11図11は、第2実施形態に係るモータの斜視図である。
図12図12は、第2実施形態に係るモータの内部を示す斜視図である。
図13図13は、第2実施形態に係るモータおよび導光部材の断面図である。
図14図14は、第3実施形態に係るモータの側面図である。
図15図15は、第3実施形態にかかる第一反射部材の斜視図である。
図16図16は、第3実施形態にかかる第二反射部材の斜視図である。
図17図17は、第3実施形態にかかる駆動軸の断面図である。
図18図18は、第3実施形態の光路について説明する図である。
図19図19は、第4実施形態に係るギア部の斜視図である。
図20図20は、第4実施形態に係る軸部の断面図である。
図21図21は、第4実施形態の光路について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る指針装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[第1実施形態]
図1から図8を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、指針装置に関する。図1は、第1実施形態に係る指針装置の正面図、図2は、第1実施形態に係る指針の斜視図、図3は、第1実施形態に係る指針の断面図、図4は、第1実施形態に係るモータの正面図、図5は、第1実施形態に係る駆動軸の正面図、図6は、第1実施形態に係るモータの断面図、図7は、第1実施形態に係る導光部材の斜視図、図8は、第1実施形態に係るモータおよび導光部材の断面図である。
【0011】
図1に示すように、第1実施形態の指針装置1は、基板2と、透光性の指針3と、モータ4と、光源5と、光学系6と、遮光性のカバー7と、文字板8と、を有する。本実施形態の指針装置1は、車両用表示装置で用いられる装置である。以下の各実施形態では、指針装置1が車両用メータ装置100に搭載されている場合について説明する。指針3は、例えば、車両の走行速度や車両の機関の回転速度を表示する。車両用メータ装置100は、ドライバに対して車両前後方向の前方に配置される。一例として、車両用メータ装置100は、指針3を車両後方に向けた姿勢でインストルメントパネルに固定される。
【0012】
本実施形態の指針3は、光源5から導かれた光によって発光する発光指針である。カバー7には、指針3の一部をドライバに向けて露出させるスリット等の開口が設けられている。指針3から出射される光Lt2は、ドライバによって視認される。
【0013】
基板2は、車両用メータ装置100の制御基板である。基板2には、指針装置1の他にも、表示意匠のための光源や、液晶表示装置等の各種装置が設けられる。基板2は、例えば、PCB(Printed Circuit Board)であり、指針装置1を制御する制御回路等を有する。基板2は、表側の面である第一面2a、および裏側の面である第二面2bを有する。第一面2aは、ドライバ側を向く面であり、車両後方を向いている。第二面2bは、第一面2aとは反対側の面であり、車両前方を向いている。基板2は、第一面2aから第二面2bまで貫通している貫通孔2cを有する。
【0014】
指針3は、図2に示すように、指針本体30と、回転軸31と、を有する。指針本体30および回転軸31は、例えば、ポリカーボネート等の合成樹脂によって一体に成型される。指針3は、透光性を有しており、例えば、透明または半透明である。指針3は、無色であっても、有色であってもよい。指針本体30は、図1に示すように、基板2に対して第一面2aの側に配置されている。指針本体30は、第一面2aに沿って延在している。
【0015】
回転軸31は、指針本体30の裏面30aから貫通孔2cに向けて突出している。裏面30aは、基板2の第一面2aと対向する面である。回転軸31の形状は、例えば、円柱形状である。回転軸31には、嵌合孔32が設けられている。嵌合孔32は、回転軸31の先端面31aから回転軸31の軸方向に沿って延在している。図3に示すように、嵌合孔32の奥部には、入射面33が設けられている。入射面33は、光源5から導かれてきた光が指針3に入射する面である。入射面33の形状は、例えば、嵌合孔32の開口部に向けて凸の湾曲面である。入射面33から入射する光は、指針3の内部において反射を繰り返しながら指針本体30の全体を光らせる。指針本体30の形状は、光の一部が指針本体30の内部で反射しながら先端30bまで到達するように定められている。
【0016】
図1に示すように、指針本体30と基板2との間には、文字板8が配置されている。文字板8は、回転軸31が挿通される貫通孔8aを有する。文字板8には、指針3に対応する目盛りや、警告表示を含む表示意匠が形成されている。文字板8には、液晶表示装置のための開口が設けられていてもよい。
【0017】
図4から図6に示すように、モータ4は、筐体40と、駆動軸41と、ステータ42とを有する。モータ4は、ステッピングモータであってもよい。筐体40は、本体43と、カバー44と、を有する。本体43の形状は、両端が開放している筒状である。ステータ42は、本体43の内部に収容される。本体43は、駆動軸41が挿入される円筒形状の筒部43aを有する。
【0018】
本体43は、第一端部43bおよび第二端部43cを有する。第一端部43bは、本体43における軸方向の一方の端部である。第一端部43bは、基板2に対して固定される側の端部である。第一端部43bには、基板2に対して係合される係合部43dが設けられている。係合部43dは、基板2の貫通孔に挿入されて基板2と係合する。第二端部43cは、本体43における軸方向の他方の端部である。第二端部43cは、カバー44によって閉塞される。
【0019】
図5に示すように、駆動軸41は、軸部41aと、ギア部41bと、を有する。軸部41aおよびギア部41bは、例えば、ポリカーボネート等の合成樹脂によって一体に成型される。駆動軸41は、透光性を有しており、例えば、透明または半透明である。駆動軸41は、無色であっても、有色であってもよい。軸部41aの形状は、円柱形状である。軸部41aは、出射面41cおよび入射面41dを有する。出射面41cは、指針3の入射面33と対向する端面である。入射面41dは、出射面41cとは反対側の端面である。光源5から導かれた光は、入射面41dから軸部41aに入射する。軸部41aにおける出射面41c側の端部は、指針3の嵌合孔32に圧入される。
【0020】
ギア部41bは、円盤形状を有し、軸部41aにおける入射面41dの側の端部につながっている。ギア部41bの外周面には、ギア歯が形成されている。ギア歯は、図示しないロータと噛み合っている。ロータは、筐体40によって回転自在に支持されている。ステータ42は、基板2の制御回路から送られる駆動信号に応じて電磁力を発生させ、ロータを回転させる。駆動軸41は、ロータから受ける回転力により、指針3と共に回転する。
【0021】
図6に示すように、駆動軸41は、筐体40によって保持されている。より詳しくは、駆動軸41の軸部41aは、本体43の筒部43aに挿入される。軸部41aの出射面41cは、筒部43aから突出する。カバー44は、本体43の開口部を閉塞すると共に、軸部41aを回転自在に支持する。カバー44には、軸方向に沿ってカバー44を貫通する貫通孔44aが設けられている。貫通孔44aの開口部44bは、筐体40の外部空間に向けて開口している。軸部41aにおける入射面41d側の端部は、貫通孔44aに挿入され、貫通孔44aによって回転自在に支持される。開口部44bは、入射面41dを外部空間に向けて露出させる。
【0022】
図1に示すように、モータ4および光源5は、基板2に対して第二面2bの側に配置されている。本実施形態の光源5は、基板2の第二面2bに固定されている。光源5は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子である。光源5の点灯、消灯、光量等は、基板2の制御回路によって制御される。光源5は、第一面2aの側とは反対側に向けて光を出射する。光源5の光軸は、例えば、第二面2bと直交している。この場合、光源5は、主として第二面2bと直交する方向に向けて光を出射する。
【0023】
本実施形態の光学系6は、導光部材20および駆動軸41を含む。導光部材20は、例えば、ポリカーボネート等の合成樹脂によって成型される。導光部材20は、透光性を有しており、例えば、透明または半透明である。導光部材20は、無色であっても、有色であってもよい。
【0024】
図7および図8に示すように、導光部材20は、湾曲部21と、直線部22と、反射面23と、を有する。湾曲部21の中心軸線C1の形状は、湾曲形状であり、例えば、円弧形状である。中心軸線C1と直交する断面における湾曲部21の断面形状は、円形である。湾曲部21は、直径が実質的に均一の柱状に形成されている。平面視における湾曲部21の形状は、湾曲形状であり、例えば、円弧形状である。湾曲部21は、光源5と対向する入射面21aを有する。入射面21aは、例えば、光源5の光軸CLと直交する面である。入射面21aは、光源5に近接して配置されている。入射面21aの中心は、光軸CLと同軸上に位置していることが好ましい。
【0025】
直線部22の中心軸線C2は、直線状である。直線部22は、直径が実質的に均一の円柱状に形成されている。平面視における直線部22の形状は、直線状である。湾曲部21と直線部22とは、中心軸線C1,C2が交差するようにつながっている。本実施形態の導光部材20では、湾曲部21と直線部22との接続部において、中心軸線C1と中心軸線C2とが実質的に直交している。直線部22は、駆動軸41の入射面41dと対向する出射面22aを有する。出射面22aは、例えば、入射面41dと平行な面である。出射面22aは、貫通孔44aの内部において入射面41dと対向している。直線部22の中心軸線C2は、軸部41aの中心軸線C3と同軸上にあることが好ましい。この場合、入射面41dおよび出射面22aは、中心軸線C2,C3と直交する面であってもよい。
【0026】
反射面23は、湾曲部21と直線部22との接続部に設けられている。反射面23は、導光部材20の内部側の面である。反射面23の形状は、実質的に平面であるが、これには限定されない。図1に示すように、反射面23は、湾曲部21によって導かれた光Lt1を直線部22に向けて反射するように形成されている。例えば、反射面23は、湾曲部21の中心軸線C1に沿って反射面23に入射する光を、直線部22の中心軸線C2に沿って反射光として反射する。
【0027】
以上のように構成された指針装置1では、図1に示すように、光源5から出射される光は導光部材20の湾曲部21に入射する。湾曲部21によって導かれた光Lt1は、反射面23によって直線部22に向けて反射される。直線部22を透過する光Lt2は、モータ4の駆動軸41に入射し、駆動軸41によって指針3の入射面33に導かれる。入射面33に入射した光によって、指針本体30の各部が発光する。
【0028】
本実施形態の指針装置1では、光源5およびモータ4が基板2に対して第二面2bの側に配置されている。よって、基板2における配置の自由度が向上する。例えば、回転軸31の周りの空間を、指針装置1とは異なる装置を配置するために利用することが可能となる。また、第一面2aにおいて、回転軸31の周りの領域を、指針装置1とは異なる装置に割り当てることが可能となる。
【0029】
以上説明したように、第1実施形態に係る指針装置1は、基板2と、指針3と、モータ4と、光源5と、光学系6と、を有する。基板2は、表側の面である第一面2aと、裏側の面である第二面2bと、第一面2aから第二面2bまで貫通している貫通孔2cと、を有する。指針3は、指針本体30と、回転軸31と、を有する透光性の部材である。指針本体30は、基板2に対して第一面2aの側に配置されている。回転軸31は、指針本体30から貫通孔2cに向けて突出している。
【0030】
モータ4は、基板2に対して第二面2bの側に配置された筐体40を有し、かつ指針3の回転軸31と連結されている。モータ4のステータ42やロータは、基板2に対して第二面2bの側に配置されている。光源5は、基板2に対して第二面2bの側に配置されており、第一面2aの側とは反対側に向けて光を出射する。光学系6は、光源5から出射される光を回転軸31の入射面33に導く。光学系6は、例えば、樹脂やガラス等の媒体によって導光するものであるが、これには限定されない。光学系6は、光源5から入射面33までの少なくとも一部の区間において光が空気中を通過するように構成されていてもよい。
【0031】
本実施形態の指針装置1では、モータ4の筐体40および光源5が基板2に対して第二面2bの側に配置されている。従って、基板2に対して装置を配置する自由度を向上させることが可能である。また、光源5が第二面2bの側に配置されることで、光源5に対する異物の付着が抑制される。
【0032】
本実施形態の光学系6は、モータ4の駆動軸41を含む。駆動軸41は、透光性を有し、かつ基板2の貫通孔2cに挿通されて回転軸31に連結されている。駆動軸41を光学系6の一部とすることで、部品数の低減や、装置の配置における自由度が向上する。
【0033】
本実施形態の光源5は、筐体40の外部に配置されている。駆動軸41は、回転軸31の入射面33と対向する出射面41cと、回転軸31の入射面33とは反対側を向く入射面41dと、を有する。筐体40は、駆動軸41の入射面41dを外部空間に向けて露出させる開口部44bを有する。光学系6は、光源5から出射される光を駆動軸41の入射面41dに導く導光部材20を有する。光源5および導光部材20が筐体40の外部に配置されることで、筐体40の大型化が抑制される。
【0034】
本実施形態の導光部材20は、湾曲部21と、直線部22と、反射面23と、を有する。湾曲部21は、光源5と対向する入射面21aを有し、かつ湾曲している。直線部22は、駆動軸41の入射面41dと対向する出射面22aを有する直線状の部分である。反射面23は、湾曲部21によって導かれた光を直線部22に向けて反射する。本実施形態の導光部材20では、反射面23の数を最小化して光の損失を低減することが可能である。
【0035】
[第1実施形態の第1変形例]
図9および図10を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。図9は、第1実施形態の第1変形例に係る導光部材およびモータの斜視図、図10は、第1実施形態の第1変形例に係る導光部材およびモータの断面図である。第1変形例において、上記第1実施形態と異なる点は、例えば、導光部材20の形状である。
【0036】
図9および図10に示すように、第1実施形態の第1変形例に係る導光部材20は、第一直線部24、第二直線部25、第三直線部26、第一反射面27、および第二反射面28を有する。第一直線部24、第二直線部25、および第三直線部26は、それぞれ直線状に形成されている。
【0037】
第一直線部24は、光源5と対向する入射面24aを有する。入射面24aは、例えば、光源5の光軸CLと直交する面である。入射面24aは、光源5に近接して配置されている。入射面24aの中心は、光軸CLと同軸上に位置していることが好ましい。第一直線部24の中心軸線C11は、光軸CLと同軸上にあることが好ましい。中心軸線C11と直交する断面における第一直線部24の断面形状は、円形である。例示された第一直線部24は、中心軸線C11に沿って入射面24aから遠ざかるに従って直径が増加するように形成されている。
【0038】
第三直線部26は、入射面41dと対向する出射面26aを有する。出射面26aは、例えば、駆動軸41の中心軸線C3と直交する面である。出射面26aは、貫通孔44aの内部において入射面41dと対向している。出射面26aの中心は、中心軸線C3と同軸上に位置していることが好ましい。第三直線部26の中心軸線C13は、駆動軸41の中心軸線C3と同軸上にあることが好ましい。中心軸線C13と直交する断面における第三直線部26の断面形状は、円形である。
【0039】
第二直線部25は、第一直線部24と第三直線部26とをつないでいる。第二直線部25は、例えば、第一直線部24および第三直線部26のそれぞれと直交する方向に延在している。第二直線部25の中心軸線C12は、例えば、第一直線部24の中心軸線C11および第三直線部26の中心軸線C13の何れとも直交している。中心軸線C12と直交する断面における第二直線部25の断面形状は、円形である。例示された第二直線部25は、第一直線部24から第三直線部26へ向うに従って直径が減少するように形成されている。
【0040】
第一反射面27は、第一直線部24と第二直線部25との接続部に設けられている。第一反射面27は、導光部材20の内側の面である。第一反射面27は、例えば、実質的に平面である。第一反射面27は、第一直線部24によって導かれた光を第二直線部25に向けて反射するように形成されている。例えば、中心軸線C11に沿って第一反射面27に入射する光は、第二直線部25の中心軸線C12に沿って反射される。
【0041】
第二反射面28は、第二直線部25と第三直線部26との接続部に設けられている。第二反射面28は、導光部材20の内側の面である。第二反射面28は、例えば、実質的に平面である。第二反射面28は、第二直線部25によって導かれた光を第三直線部26に向けて反射するように形成されている。例えば、中心軸線C12に沿って第二反射面28に入射する光は、第三直線部26の中心軸線C13に沿って反射される。
【0042】
第1実施形態の第1変形例に係る導光部材20は、二つの屈曲部を有することで、導光経路の設計における自由度が向上する。例えば、第1変形例の導光部材20では、第一直線部24が筐体40の側面に沿って延在し、第二直線部25が筐体40の底面に沿って延在している。このように、筐体40の外面に沿って導光部材20を延在させることで、導光部材20の設置に必要なスペースが最小化される。本変形例の筐体40のカバー44には、第二直線部25を収容する凹部44cが設けられている。
【0043】
[第2実施形態]
図11から図13を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図11は、第2実施形態に係るモータの斜視図、図12は、第2実施形態に係るモータの内部を示す斜視図、図13は、第2実施形態に係るモータおよび導光部材の断面図である。第2実施形態の指針装置1において、上記第1実施形態の指針装置1と異なる点は、例えば、光源5および導光部材20が筐体40の内部に配置されている点である。
【0044】
図11に示すように、第2実施形態に係るモータ4の筐体40は、外方に向けて突出している凸状の収容部45を有する。収容部45は、光源5および導光部材20を収容し、光源5および導光部材20を覆う部分である。収容部45は、本体43の一部であってもよく、カバー44の一部であってもよい。収容部45は、本体43およびカバー44の何れとも別であってもよい。
【0045】
図12および図13に示すように、第2実施形態に係る導光部材20の構成は、上記第1実施形態の導光部材20の構成と同様である。導光部材20は、湾曲部21、直線部22、および反射面23を有する。湾曲部21の入射面21aは、光源5と対向している。直線部22の出射面22aは、駆動軸41の入射面41dと対向している。反射面23は、湾曲部21によって導かれた光を直線部22に向けて反射する。第2実施形態の指針装置1では、筐体40の内部に導光部材20が収容されることで、導光経路の最短化が図られている。本実施形態の指針装置1では、導光部材20をモータ4と一体で基板2に対して組み付けることが可能である。
【0046】
[第3実施形態]
図14から図18を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図14は、第3実施形態に係るモータの側面図、図15は、第3実施形態にかかる第一反射部材の斜視図、図16は、第3実施形態にかかる第二反射部材の斜視図、図17は、第3実施形態にかかる駆動軸の断面図、図18は、第3実施形態の光路について説明する図である。第3実施形態の指針装置1において、上記第1実施形態の指針装置1と異なる点は、例えば、異なる部材に設けられた二つの反射面を有する点である。
【0047】
図14に示すように、光源5および光学系6は、筐体40の内部に配置されている。光学系6は、第一反射面52aおよび第二反射面61aを有する。第一反射面52aは、第一反射部材50に設けられた反射面である。第二反射面61aは、第二反射部材60に設けられた反射面である。第一反射面52aは、光源5から出射される光を第二反射面61aに向けて反射する。第二反射面61aは、第一反射面52aから入射する光を入射面41dに向けて反射する。つまり、光源5から出射される光は、第一反射面52aおよび第二反射面61aによって駆動軸41の入射面41dに導かれる。
【0048】
第一反射部材50は、図15に示すように、円柱部51およびプリズム部52を有する。円柱部51およびプリズム部52は、例えば、ポリカーボネート等の合成樹脂によって一体に成型される。第一反射部材50は、透光性を有しており、例えば、透明または半透明である。第一反射部材50は、無色であっても、有色であってもよい。円柱部51の形状は、円柱形状である。円柱部51は、光源5の光軸方向において光源5と対向する入射面51aを有する。入射面51aは、例えば、入射面51aの中心が光源5の光軸上に位置するように配置される。
【0049】
プリズム部52の形状は、三角柱である。円柱部51は、プリズム部52の入射面52bから突出している。第一反射面52aは、プリズム部52の内部側の面である。第一反射面52aは、入射面52bから入射する光を出射面52cに向けて反射する。
【0050】
第二反射部材60は、例えば、合成樹脂によって一体に成型される。図16に示すように、第二反射部材60は、嵌合部61を有する。嵌合部61は、駆動軸41の軸部41aに設けられた凹部と嵌合する。嵌合部61は、軸部62およびフランジ部63を有する。軸部62の断面形状は、円形である。
【0051】
軸部62の一端には、第二反射面61aが形成されている。第二反射面61aは、軸部62の軸方向に対して傾斜している面であり、例えば、平面である。第二反射面61aには、金属蒸着等によって反射層が形成されていてもよい。フランジ部63は、軸部62の他端から半径方向に向けて突出している。フランジ部63の形状は、例えば、円形である。
【0052】
図17に示すように、第3実施形態の駆動軸41は、第二反射部材60に対応する凹部46を有する。凹部46は、軸部41aおよびギア部41bに設けられている。第二反射部材60の嵌合部61は、凹部46に挿入される。第3実施形態の駆動軸41では、凹部46の奥部に入射面41dが設けられている。
【0053】
図18に示すように、第二反射部材60の軸部62は、駆動軸41の凹部46に収容される。第二反射面61aは、第一反射部材50の第一反射面52aと対向している。第二反射部材60は、筐体40によって回転不能に保持される。駆動軸41は、第二反射部材60に対して相対回転自在である。
【0054】
図18に示すように、第一反射面52aは、光源5から出射される光Lt11を第二反射面61aに向けて反射する。第二反射面61aは、第一反射面52aから入射する光Lt12を駆動軸41の入射面41dに向けて反射する。第二反射面61aによって反射された反射光Lt13は、軸部41aを透過し、指針3の入射面33に入射する。
【0055】
[第4実施形態]
図19から図21を参照して、第4実施形態について説明する。図19は、第4実施形態に係るギア部の斜視図、図20は、第4実施形態に係る軸部の断面図、図21は、第4実施形態の光路について説明する図である。第4実施形態において、上記第3実施形態と異なる点は、例えば、駆動軸41のギア部47と軸部48とが別体とされている点である。
【0056】
第4実施形態に係る駆動軸41は、図19に示すギア部47と、図20に示す軸部48と、を有する。ギア部47は、合成樹脂等によって一体に成型されている。図19に示すように、ギア部47は、円盤状の本体47aと、嵌合部47bと、を有する。本体47aの外周面には、ギア歯が設けられている。嵌合部47bは、本体47aの中心から軸方向に向けて突出している。軸方向と直交する断面における嵌合部47bの形状は、円形である。
【0057】
嵌合部47bの先端には、円錐形状の円錐部47cが設けられている。第二反射面47dは、円錐部47cの外周面である。つまり、第二反射面47dの形状は、円錐面の形状である。第二反射面47dには、金属蒸着等によって反射層が形成されていてもよい。
【0058】
軸部48の形状は、円柱形状である。図20に示すように、軸部48は、出射面48aおよび入射面48bを有する。出射面48aは、軸部48における一方の端面であり、指針3の入射面33と対向する。軸部48において、出射面48aとは反対側の端部には凹部48cが設けられている。凹部48cは、軸部48の端面から軸方向に沿って凹んでいる。ギア部47の嵌合部47bは、凹部48cと嵌合する。ギア部47および軸部48は、一体となって回転する。入射面48bは、凹部48cの奥部に設けられている。
【0059】
図21に示すように、第4実施形態の指針装置1は、上記第3実施形態の第一反射部材50と同様の第一反射部材50を有する。ギア部47の嵌合部47bは、軸部48の凹部48cに圧入されている。ギア部47の第二反射面47dは、軸方向と直交する方向において第一反射部材50の第一反射面52aと対向している。
【0060】
第一反射面52aは、光源5から出射される光Lt21を第二反射面47dに向けて反射する。第二反射面47dは、第一反射面52aから入射する光Lt22を軸部48の入射面48bに向けて反射する。第二反射面47dによって反射された反射光Lt23は、軸部48を透過し、指針3の入射面33に入射する。本実施形態の指針装置1では、ギア部47と軸部48とが別部品である。従って、ギア部47の材料と軸部48の材料とを異ならせることができる。例えば、軸部48の材料として、軸部41aとギア部41bとが一体である場合の駆動軸41の材料と比較して導光効率の高い材料とすることができる。
【0061】
[各実施形態の変形例]
光源5の個数は、一つには限定されない。すなわち、指針装置1は、複数の光源5を有していてもよい。複数の光源5から出射される光の色は、互いに異なっていてもよい。この場合、複数の光源5の点灯および消灯を制御することで、指針3が発光する色を調整することができる。複数の光源5から出射される光の色は、RGBの三色であってもよい。
【0062】
指針装置1が複数の光源5を有する場合、光学系6は、複数の光源5の光を指針3の入射面33に導くように構成される。例えば、第1実施形態または第2実施形態の導光部材20は、複数の光源5の光を駆動軸41の入射面41dに導くように構成される。例えば、第3実施形態の第一反射面52aおよび第二反射面61aは、複数の光源5の光を駆動軸41の入射面41dに導く。例えば、第4実施形態の第一反射面52aおよび第二反射面47dは、複数の光源5の光を軸部48の入射面48bに向けて導く。
【0063】
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 指針装置
2 基板
2a:第一面、 2b:第二面、 2c:貫通孔
3 指針
4 モータ
5 光源
6 光学系
7 カバー
8 文字板
20 導光部材
21 湾曲部
21a 入射面
22 直線部
22a 出射面
23 反射面
24 第一直線部
25 第二直線部
26 第三直線部
27 第一反射面
28 第二反射面
30 指針本体
30a:裏面、 30b:先端
31 回転軸
32 嵌合孔
33 入射面
40 筐体
41 駆動軸
41a:軸部、 41b:ギア部、 41c:出射面、 41d:入射面
42 ステータ
43 本体
43a 筒部
44 カバー
44a:貫通孔、 44b:開口部
45 収容部
46 凹部
47 ギア部
47a:本体、 47b:嵌合部、 47c:円錐部、 47d:第二反射面
48 軸部
48a:出射面、 48b:入射面、 48c:凹部
50 第一反射部材
51 円柱部
52 プリズム部
52a 第一反射面
60 第二反射部材
61 嵌合部
61a 第二反射面
62 軸部
63 フランジ部
100 車両用メータ装置
C1,C2,C3,C11,C12,C13 中心軸線
CL 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21