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特許7348066単一細胞のゲノム、トランスクリプトームおよびプロテオームの同時解析のための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】単一細胞のゲノム、トランスクリプトームおよびプロテオームの同時解析のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6809 20180101AFI20230912BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20230912BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20230912BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20230912BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20230912BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20230912BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20230912BHJP
【FI】
C12Q1/6809 Z
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6869 Z
G01N33/53 N
G01N33/53 M
G01N33/543 501A
G01N33/543 521
C12N15/09 Z
C12M1/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019546778
(86)(22)【出願日】2017-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2017061344
(87)【国際公開番号】W WO2018089910
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/421,031
(32)【優先日】2016-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/544,521
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517193327
【氏名又は名称】アイソプレキシス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ング, コリン
(72)【発明者】
【氏名】カイザー, アリアナ
(72)【発明者】
【氏名】ベッティーニ, エミリー
(72)【発明者】
【氏名】パズコフスキー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マッケイ, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, フェイメイ
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァサン, マイスレヤン
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/130704(WO,A2)
【文献】特表2015-533079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00 - 1/70
G01N 33/48 - 38/98
C12N 15/00 - 15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法であって、
生体試料の単一細胞と組成物を接触させるステップであって、
該組成物が、
スライドであって、その表面に操作可能に連結された複数の捕捉剤を含み、各捕捉剤が、抗体であり、別個の細胞内標的に特異的に結合し、該細胞内標的は、タンパク質またはポリペプチドであり、該複数の捕捉剤が、反復パターンを形成する、スライドと、
複数のチャンバーを含む基材であって、該基材が、該スライドと放出可能にカップリングし、該複数のチャンバーの各チャンバーが、該スライドの表面の該複数の捕捉剤の該反復パターンの少なくとも1つの反復を含む、基材と、を含み、
ここで、接触させるステップが、該基材の該複数のチャンバーの各チャンバー内で、該単一細胞を溶解して単一細胞溶解物を生成するのに十分な条件下で実行され、
該複数のチャンバーの各チャンバー内で、該単一細胞溶解物が、該スライドの表面と流体連絡している、ステップと、
該複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤を少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合させて捕捉剤:標的複合体を生成させるのに十分な時間、該複数のチャンバーの各チャンバー内で該単一細胞溶解物をインキュベートするステップと、
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記可視化するステップが、
前記少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を、該捕捉剤に結合する標識された二次抗体と接触させるステップと、該標識された二次抗体を検出するステップと
を含むか、あるいは、
第1の捕捉剤:標的複合体を、該第1の捕捉剤に結合する第1の標識された二次抗体と接触させるステップと、
第2の捕捉剤:標的複合体を、該第2の捕捉剤に結合する第2の標識された二次抗体と接触させるステップと、
該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体を検出するステップであって、該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体がそれぞれ別個の標識を含む、ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標識された二次抗体が、蛍光標識、金標識または銀標識を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種の細胞内標的を定量するステップをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記定量するステップが、前記標識された二次抗体の強度および/または密度を測定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞内標的が、リンタンパク質である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のチャンバーの各チャンバー内で、前記生体試料が、ビーズと流体連絡しており、
該ビーズが、少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合して、捕捉剤:標的複合体を生成するための複数の捕捉剤を含み、該捕捉剤が核酸配列を含み、該細胞内標的がDNAまたはRNA配列であり、
以下:
該少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップ、または
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップ
のうちの少なくとも1つが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ビーズの前記核酸配列、バーコードをコードする核酸配列およびバーコードハンドルをコードする配列を含み、前記方法が、cDNAバーコード配列を合成することにより、該バーコードを配列決定するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バーコードを合成するステップが、ハイブリダイゼーションおよびcDNA合成に十分な条件下で、前記バーコードハンドルをコードする前記配列、該バーコードハンドルをコードする該配列の部分に相補的な配列を含むプライマー、およびポリメラーゼを接触させるステップを含み、該接触させるステップが、cDNAバーコード配列を生成する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記配列決定するステップが、前記チャンバー内で実行される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記バーコードをコードする前記核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列のうち1つまたは複数をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記バーコードをコードする核酸配列が、5’から3’へと、PCRハンドルをコードする配列、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ビーズが、固有のバーコードを含む、または
各チャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、または
前記複数のチャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記バーコードをコードする前記配列が、12ヌクレオチドを含むかまたは12ヌクレオチドからなる、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ビーズの前記バーコードをコードする前記核酸の部分へとTSOをハイブリダイゼーションして、核酸/TSO二重鎖を生成するのに十分な条件下で、該バーコードをコードする該核酸配列および該TSOを接触させるステップをさらに含む、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2016年11月11日に出願した仮出願USSN62/421,031、2017年8月11日に出願したUSSN62/544,521の利益を主張する。これらの出願の各々の内容は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
開示の分野
本開示は、分子生物学を対象とし、より詳細には、単一細胞内の細胞内タンパク質構成成分、相互作用およびシグナリングのマルチプレックス解析のための組成物および方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
背景
当技術分野には、複数の数千個の細胞のそれぞれのDNA、RNA、代謝物およびタンパク質レベルを含む数百種の細胞内構成成分を同時に並行して捕捉および解析することができるハイスループット形式での、単一細胞内の細胞内タンパク質相互作用およびシグナリング、ならびに細胞内で遮断される分泌タンパク質シグナルのマルチプレックス解析のための組成物および方法に対する、長年にわたって希求されてきたが未だに満たされていない必要がある。本開示は、このような長年にわたって希求されてきたが未だに満たされていない必要を解決するためのシステムおよび方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示のシステムは、複数の数千個の細胞のそれぞれの数百種の細胞内構成成分を並行して同時に解析することができるハイスループット形式での、単一細胞内の細胞内タンパク質相互作用およびシグナリングのマルチプレックス解析のための組成物および方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、細胞に接触すると細胞の膜を破壊し、細胞の細胞内構成成分を捕捉剤の反復パターンの単回反復に曝露する、溶解組成物の放出制御のための組成物を提供する。本開示の捕捉剤は、細胞の少なくとも1種の細胞内構成成分に特異的に結合して、少なくとも1種の複合体を形成する。少なくとも1種の複合体(捕捉剤および細胞内構成成分を含む)の可視化は、細胞内のタンパク質発現、タンパク質調節、タンパク質-タンパク質相互作用、タンパク質活性化および/またはタンパク質シグナリング事象を指し示すまたは実証することができる。
【0005】
本開示は、そこに操作可能に連結された複数の捕捉剤を含む表面であって、各捕捉剤が、別個の細胞内標的に特異的に結合し、複数の捕捉剤が、反復パターンを形成する、表面と;複数のチャンバーを含む基材であって、基材が、表面と放出可能にカップリングし、複数のチャンバーの各チャンバーが、表面の複数の捕捉剤の反復パターンの少なくとも1つの反復を含む、基材と;細胞溶解組成物を含むコーティング組成物と;官能化構成成分および伸長構成成分を含むリンカー組成物とを含む組成物を提供する。
【0006】
本開示は、そこに操作可能に連結された複数の捕捉剤を含むビーズであって、各捕捉剤が、別個の細胞内標的に特異的に結合する、ビーズと;複数のチャンバーを含む基材であって、基材が、表面と放出可能にカップリングし、複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも1個のビーズを含む、基材と;細胞溶解組成物を含むコーティング組成物と;官能化構成成分および伸長構成成分を含むリンカー組成物とを含む組成物を提供する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、単一のビーズを含む。
【0007】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、2~200種の間の別個の捕捉剤を含む。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、2~100種の間の別個の捕捉剤を含む。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、2~50種の間の別個の捕捉剤を含む。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、2~25種の間の別個の捕捉剤を含む。
【0008】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~20,000個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~12,000個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~10,000個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~5,000個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~2,500個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~1,000個の間のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーは、2~500個の間のチャンバーを含む。
【0009】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、同一の形状を有する。本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、少なくとも1つの寸法に関して等しい値を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、各寸法に関して等しい値を有する。本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、円形である。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのチャンバー、または複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも10μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、少なくとも50μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの深さを有する。本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、長方形である。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの深さを有する。
【0010】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、少なくとも1つの寸法に関して等しい値を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、各寸法に関して等しい値を有する。
【0011】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、円形である。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの深さを有する。
【0012】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、長方形である。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの第1の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの第2の側面の長さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも10μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも50μmの深さを有する。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうちの少なくとも1つのチャンバーまたは各チャンバーは、少なくとも100μmの深さを有する。
【0013】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、基材は、ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、基材は、酸化した表面を有する。
【0014】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、基材は、ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、基材は、酸化した表面を有する。ある特定の実施形態では、ポリマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。ある特定の実施形態では、PDMS基材は、射出成形による製造に先立ち、表面活性物質と混合されたPDMSプレポリマーから形成されており、任意選択で、表面活性物質は、Triton-X-100を含む。
【0015】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、表面は、ガラスを含む。
【0016】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤は、オリゴヌクレオチド、アプタマー、抗体、抗体の機能的断片または抗体ミメティックを含む。
【0017】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤が、抗体を含む。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤の各捕捉剤は、抗体を含む。
【0018】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、コーティング組成物は、架橋組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、架橋組成物は、生体適合性ポリマー(biocompatable polymer)を含む。例えば、生体適合性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含み得る。ある特定の実施形態では、架橋組成物は、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含む。ある特定の実施形態では、架橋組成物は、3%v/v PVAを含む、ある特定の実施形態では、架橋組成物は、グルタルアルデヒド組成物および塩酸(HCl)組成物をさらに含む。ある特定の実施形態では、グルタルアルデヒド組成物は、0.1%グルタルアルデヒドを含む。ある特定の実施形態では、HCl組成物は、10%HClを含む。ある特定の実施形態では、架橋組成物は、0.1%グルタルアルデヒドを含む(comrpising)グルタルアルデヒド組成物および10%HClを含む塩酸(HCl)組成物をさらに含む。
【0019】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞溶解組成物は、界面活性剤を含む。例えば、界面活性剤は、Triton-X-100を含み得る。ある特定の実施形態では、細胞溶解組成物は、Triton-X-100を含む。ある特定の実施形態では、細胞溶解組成物は、0.2%Triton-X-100を含む。
【0020】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、コーティング組成物は、3%v/v PVAを含む架橋組成物および0.2%Triton-X-100を含む細胞溶解組成物を含む。ある特定の実施形態では、架橋組成物は、0.1%グルタルアルデヒドを含むグルタルアルデヒド組成物および10%HClを含む塩酸(HCl)組成物をさらに含む。
【0021】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、コーティング組成物は、溶解組成物、シグナリング剤および少なくとも1種の架橋組成物を含む。架橋組成物は、単独でまたはシグナリング剤と組み合わせて、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。例えば、本開示のコーティング組成物は、チャンバー内の細胞のシグナリング経路を活性化、阻害または変更するシグナリング剤を含み得る。本開示の溶解組成物は、チャンバー内の細胞のシグナリング経路を活性化、阻害または変更するシグナリング剤を含み得る。例えば、本開示のコーティング組成物において、溶解組成物は、第1の架橋組成物と組み合わせることができ、シグナリング剤は、第2の架橋組成物と組み合わせることができ、第1および第2の架橋組成物は、同一である、または別個の時間および/または別個の速度での溶解組成物もしくはシグナリング剤のいずれかの放出のために固有に製剤化される。本開示のコーティング組成物のある特定の実施形態では、溶解組成物は、第1の架橋組成物と組み合わされ、シグナリング剤は、第2の架橋組成物と組み合わされ、第1の架橋組成物は、基材に直接的に接触する底層として基材に添加され、第2の架橋組成物は、基材に直接的に接触しない上層として第1の架橋組成物の上に添加される。細胞懸濁液と接触した後に、コーティング組成物の底層(すなわち、第1の架橋組成物)が分解または溶解組成物を放出することができるようになる前に、コーティング組成物の上層(すなわち、第2の架橋組成物)は、分解またはシグナリング剤を放出することができる。この層別化されたコーティング組成物の結果は、溶解組成物と細胞との接触が続いて起こる、シグナリング剤と細胞との逐次接触である。可動部または複数チャネルを要求することなく、本開示の組成物を使用して、先ず細胞シグナリングに影響を与え、次いで細胞を溶解して、即時解析のために細胞内構成成分を露出することができる。
【0022】
本開示の例示的なシグナリング剤として、細胞表面および膜貫通受容体のリガンド、抗原、成長因子(神経成長因子(NGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インターロイキン-2、エリスロポエチン)、サイトカイン(ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカインおよび腫瘍壊死因子、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-21(IL-21)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-17(IL-17)、インターロイキン-18(IL-18)、インターロイキン-19(IL-19)、インターロイキン-20(IL-20)、インターロイキン-22(IL-22)、インターロイキン-24(IL-24)、インターロイキン-26(IL-26)、インターフェロン(IFN)I~III型、インターフェロン-アルファ(IFN-α)、インターフェロン-ベータ(IFN-β)、インターフェロン-イプシロン(IFN-ε)、インターフェロン-カッパー(IFN-κ)、インターフェロン-デルタ(IFN-δ)、インターフェロン-タウ(IFN-τ)、インターフェロン-オメガ(IFN-ω)、インターフェロン-ゼータ(IFN-ζ)、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)、インターフェロン-ラムダ(lamba)(IFN-λ)、トランスフォーミング成長因子(growth facctor)ベータ1(TGF-β1)、トランスフォーミング成長因子ベータ2(TGF-β2)およびトランスフォーミング成長因子ベータ3(TGF-β3))ホルモン(甲状腺ホルモン、ビタミンD3、レチノイン酸、テストステロン、エストロゲン、プロゲステロン、コルチコステロイド、エクジソン(ectysone)、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチンが挙げられるがこれらに限定されない)、脂質(プロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサンおよびロイコトリエン)、ペプチド(インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロラクチン、サブスタンスP、オキシトシン、バソプレシン、エンケファリン、β-エンドルフィン、神経成長因子(NGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インターロイキン-2、エリスロポエチン)、疼痛ペプチド(ニューロキニンA、グルタミン酸塩、サブスタンスP、ステロイド、生理的ストレス要因(アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、副腎皮質刺激ホルモン、コルチコトロピン放出ホルモン、セロトニン、ニューロペプチドY)、神経伝達物質(アセチルコリン、ドーパミン、エピネフリン(アドレナリン)、セロトニン、ヒスタミン、グルタミン酸塩、グリシン、γ-アミノ酪酸(GABA)、サブスタンスP、オキシトシン、バソプレシン、エンケファリン、β-エンドルフィン)、小分子、イオン(カルシウム、カリウムおよびナトリウム)、気体粒子(一酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素および酸素(O)が挙げられるがこれらに限定されない)、合成リガンド、細胞表面および膜貫通受容体の合成アゴニスト、細胞表面および膜貫通受容体の合成アンタゴニスト、ならびに細胞表面および膜貫通受容体の競合的リガンド(可逆的および不可逆的)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0023】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、組成物は、水を含む。
【0024】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、組成物は、水を含まない。
【0025】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、リンカー組成物は、少なくとも1週間、室温で分解しない。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、少なくとも1ヶ月間、室温で分解しない。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、少なくとも6ヶ月間、室温で分解しない。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、少なくとも1年間、室温で分解しない。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、製造終了から消費者による使用にわたる期間、氷点を上回り沸点を下回る温度範囲(高度に従って必要に応じて調整)で、「常温保存可能」である。本開示の組成物は、製造終了から消費者による使用にわたる期間、一時的に封着することができる。本開示の組成物が、汚染、開放(使用前に互いに分離された表面および基材)、開封、沸騰、凍結および/または破損されていない限り、本開示の組成物は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間またはその間のいずれか1時間刻みの増分となり得る、製造終了から消費者による使用にわたる期間、安定かつ効果的であり続けることができる。本開示の組成物が、汚染、開放(使用前に互いに分離された表面および基材)、開封、沸騰、凍結および/または破損されていない限り、本開示の組成物は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間またはその間のいずれか1日刻みの増分となり得る、製造終了から消費者による使用にわたる期間、安定かつ効果的であり続けることができる。本開示の組成物が、汚染、開放(使用前に互いに分離された表面および基材)、開封、沸騰、凍結および/または破損されていない限り、本開示の組成物は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間またはその間のいずれか1週間刻みの増分となり得る、製造終了から消費者による使用にわたる期間、安定かつ効果的であり続けることができる。本開示の組成物が、汚染、開放(使用前に互いに分離された表面および基材)、開封、沸騰、凍結および/または破損されていない限り、本開示の組成物は、少なくとも1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間またはその間のいずれか1ヶ月刻みの増分となり得る、製造終了から消費者による使用にわたる期間、安定かつ効果的であり続けることができる。本開示の組成物が、汚染、開放(使用前に互いに分離された表面および基材)、開封、沸騰、凍結および/または破損されていない限り、本開示の組成物は、少なくとも1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間またはその間のいずれか1年刻みの増分となり得る、製造終了から消費者による使用にわたる期間、安定かつ効果的であり続けることができる。
【0026】
リンカー構成成分は、官能化構成成分および伸長構成成分を含む。本開示の組成物のある特定の実施形態では、基材との接触後に、官能化構成成分は、少なくとも1個の官能基を基材の表面に共有結合させる。ある特定の実施形態では、表面は、複数のチャンバーの各チャンバーの内部表面を含む。ある特定の実施形態では、表面は、複数のチャンバーの各チャンバーの各内部表面を含む。
【0027】
リンカー構成成分は、官能化構成成分および伸長構成成分を含む。本開示の組成物のある特定の実施形態では、基材との接触後に、官能化構成成分は、少なくとも1個の官能基を基材の表面に共有結合させる。ある特定の実施形態では、少なくとも1個の官能基は、シラン基である。ある特定の実施形態では、官能化構成成分は、有機官能性アルコキシシランを含む。例えば、有機官能性アルコキシシランは、アミノシランを含み得る。ある特定の実施形態では、官能化構成成分は、アミノシランを含む。例えば、アミノシランは、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)を含み得る。ある特定の実施形態では、官能化構成成分は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)を含む。ある特定の実施形態では、官能化構成成分は、1%APTESを含む。
【0028】
リンカー構成成分は、官能化構成成分および伸長構成成分を含む。本開示の組成物のある特定の実施形態では、伸長構成成分は、第1の末端における官能化構成成分に共有結合する有機ポリマーを含む。ある特定の実施形態では、有機ポリマーは、第2の末端にアルデヒドを含む。ある特定の実施形態では、伸長構成成分は、架橋組成物に結合する。ある特定の実施形態では、伸長構成成分は、グルタルアルデヒドを含む。ある特定の実施形態では、伸長構成成分は、1%グルタルアルデヒドを含む。
【0029】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、反復パターンは、複数の平行線を含む。本開示の組成物のある特定の実施形態では、反復パターンは、複数のドットを含む。複数の捕捉剤の反復パターンの全実施形態では、パターンの各反復は、各別個の捕捉剤のうち少なくとも1個を含む。例えば、例証によって、複数の捕捉剤が、それぞれ細胞内標的「a」、「b」および「c」に特異的に結合する「A」、「B」および「C」を含む場合、複数の捕捉剤の反復パターンの各反復は、少なくとも1個の「A」、少なくとも1個の「B」および少なくとも1個の「C」を含む。
【0030】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞内標的は、DNA分子、RNA分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質複合体、チャネル、オルガネラ、脂質、オリゴ糖、細胞骨格要素である。それに代えてまたはそれに加えて、細胞内標的は、癌遺伝子の転写物、癌タンパク質、腫瘍抑制因子遺伝子の転写物、腫瘍抑制因子タンパク質、癌遺伝子の調節因子、癌タンパク質の調節因子または腫瘍抑制因子遺伝子の調節因子となり得る。それに代えてまたはさらにそれに加えて、細胞内標的は、受容体、酵素、転写因子または成長因子となり得る。それに代えてまたはさらにそれに加えて、細胞内標的は、リン酸化された(phosphorylized)受容体またはリン酸化された酵素である。ある特定の実施形態では、酵素は、キナーゼである。
【0031】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞内標的は、DNA分子、RNA分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質複合体、チャネル、オルガネラ、脂質、オリゴ糖、細胞骨格要素である。ある特定の実施形態では、細胞内標的は、癌遺伝子の転写物、癌タンパク質、腫瘍抑制因子遺伝子の転写物、腫瘍抑制因子タンパク質、癌遺伝子の調節因子、癌タンパク質の調節因子または腫瘍抑制因子遺伝子の調節因子を含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的は、受容体、酵素、転写因子または成長因子を含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的は、リン酸化された受容体またはリン酸化された酵素を含む。ある特定の実施形態では、酵素は、キナーゼである。
【0032】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーのうち少なくとも1個のチャンバーは、官能化されたバンドをさらに含む。少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、官能化されたバンドをさらに含む。
【0033】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、ビーズを捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、少なくとも1個のビーズを捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、多くとも1個のビーズを捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、単一のビーズのみを捕捉する。
【0034】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、細胞を捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、少なくとも1個の細胞を捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、多くとも1個の細胞を捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、単一細胞のみを捕捉する。
【0035】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、1個のビーズおよび1個の細胞を捕捉する。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、多くとも1個のビーズおよび多くとも1個の細胞を捕捉する。
【0036】
本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの少なくとも1個のチャンバーは、第2のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを防止する、1つまたは複数の寸法を有する。本開示の組成物のある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各チャンバーは、第2のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを防止する、1つまたは複数の寸法を有する。ある特定の実施形態では、チャンバーの1つまたは複数の寸法は、第1のビーズのいずれかの寸法よりも大きく、これにより、第1のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを可能にする。ある特定の実施形態では、チャンバーの1つまたは複数の寸法が、第1のビーズのいずれかの寸法と第2のビーズのいずれかの寸法との和よりも小さく、これにより、第2のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを防止する。ある特定の実施形態では、チャンバーの1つまたは複数の寸法が、直径であり、直径が、50μmまたは約50μmである。ある特定の実施形態では、第1のビーズは、終点を含めて30~40μmの間の直径を有し、これにより、第1のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを可能にする。ある特定の実施形態では、第1のビーズの直径と第2のビーズの直径との和は、60~80μmの間であり、これにより、第2のビーズがチャンバーに進入することまたは官能化されたバンドと接触することを防止する。
【0037】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドは、10μmまたは約10μmの幅を有する。
【0038】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドを含むチャンバーは、チャンバーの少なくとも1個の表面をコーティング組成物と接触させて、少なくとも1個のコーティングされた表面を生成するステップと、チャンバーの少なくとも1個のコーティングされた表面を不動態化して、少なくとも1個の不動態化された表面を生成するステップと;フォトマスクがパターンを含む、少なくとも1個の不動態化された表面の部分をフォトマスクで覆って、少なくとも1個のマスクされた表面を生成するステップと;少なくとも1個のマスクされた表面をUV光に曝露するステップと;チャンバーの少なくとも1個のマスクされた表面に捕捉抗体組成物を沈着させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、ビーズ組成物をチャンバーに接触させるステップであって、少なくとも1個の官能化された表面が、ビーズを捕捉する、ステップと、細胞溶解組成物をチャンバーに導入するステップと、細胞をチャンバーに導入するステップとを含む方法に従って調製される。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドを含むチャンバーは、チャンバーからビーズを除去するステップをさらに含む方法に従って調製される。ある特定の実施形態では、官能化されたバンドを含むチャンバーは、チャンバー内にストレプトアビジン組成物を沈着させるステップをさらに含む方法に従って調製され、ストレプトアビジン組成物は、捕捉抗体組成物を沈着させた後にチャンバー内に沈着し、ストレプトアビジン組成物は、ビーズをチャンバーに導入する前にチャンバー内に沈着する。
【0039】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、コーティング組成物は、PVA-SbQ組成物を含む。
【0040】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、抗体組成物は、捕捉抗体を含む。
【0041】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、抗体組成物の沈着に先立ち、少なくとも1個のマスクされた表面は、少なくとも1個のマスクされた表面をリンカー組成物と接触させるステップを含む方法に従って調製される。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、伸長構成成分を含む。ある特定の実施形態では、伸長構成成分は、APTES組成物を含む。ある特定の実施形態では、リンカー組成物は、官能化構成成分を含む。ある特定の実施形態では、官能化構成成分は、プロテインG組成物を含む。
【0042】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、官能化されたバンドを含むチャンバーは、チャンバーの少なくとも1個の表面を不動態化するステップと;フォトマスクがパターンを含む、少なくとも1個の不動態化された表面の部分をフォトマスクで覆って、少なくとも1個のマスクされた表面を生成するステップと;少なくとも1個のマスクされた表面をUV光に曝露するステップと;チャンバー内に捕捉抗体組成物を沈着させるステップと;細胞をチャンバーに導入するステップとを含む方法に従って調製される。ある特定の実施形態では、不動態化するステップは、チャンバーの少なくとも1個の表面および酸素プラズマを接触させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、少なくとも1個の官能化された表面を前処理組成物と接触させて、前処理された表面を生成するステップと、少なくとも1個の前処理された表面をビオチン組成物と接触させるステップとを含む。ある特定の実施形態では、前処理組成物は、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN-ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sulfo-NHS)を含む。ある特定の実施形態では、前処理組成物は、0.05M MESおよび0.5M NaClを含むバッファーをさらに含む。ある特定の実施形態では、ビオチン組成物は、PLL(20)-g[3.5]-PEG(2):ポリ-L-リシン-g-ポリ(エチレングリコール)-ビオチン(PLL-g-PEG-ビオチン)を含む。ある特定の実施形態では、ビオチン組成物は、HEPESバッファーをさらに含む。ある特定の実施形態では、前処理組成物は、11.5mg/mlのN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、19.2mg/mlのN-ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sulfo-NHS)、ならびに0.05M MESおよび0.5M NaClバッファーを含むバッファーを含む。ある特定の実施形態では、ビオチン組成物は、0.5mg/mlのPLL(20)-g[3.5]-PEG(2):ポリ-L-リシン-g-ポリ(エチレングリコール)-ビオチン(PLL-g-PEG-ビオチン)および10mM HEPESバッファーを含む。ある特定の実施形態では、不動態化するステップは、チャンバーの少なくとも1個の表面および酸素プラズマを接触させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、少なくとも1個の官能化された表面を前処理組成物と15分間接触させて、前処理された表面を生成するステップと、少なくとも1個の前処理された表面をビオチン組成物と少なくとも3時間接触させるステップとを含む。
【0043】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、ビーズは、ビオチン化オリゴヌクレオチドを含む組成物を含む。
【0044】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞組成物は、RNAse阻害剤溶液を含む。
【0045】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、ビーズ組成物は、ビーズおよびバーコードをコードする核酸配列を含み、バーコードは、バーコードをコードする配列およびバーコードハンドルをコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列のうち1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列は、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(a template switching oligonucleotide)(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をさらに含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列は、5’から3’へと、PCRハンドルをコードする配列、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列は、ポリグアニン(ポリG)配列を含む。ある特定の実施形態では、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列は、ポリグアニン(ポリG)配列からなる。
【0046】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、ビーズ組成物の各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、各チャンバーの各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、ビーズ基材は、基材としてのスライドグラスと相互交換することができ、mRNAとタンパク質の両方を捕捉するために、チャンバーの上に位置する同じスライドを利用する。
【0047】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列は、12ヌクレオチドを含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列は、12ヌクレオチドからなる。
【0048】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列は、少なくとも1個の修飾されたヌクレオチドを含む。ある特定の実施形態では、修飾されたヌクレオチドは、標識を含む。ある特定の実施形態では、標識は、フルオロフォアまたは発色団を含む。ある特定の実施形態では、標識は、蛍光標識である。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列の各ヌクレオチドは、標識を含む。ある特定の実施形態では、各アデニンは第1の標識を含み、各シトシンは第2の標識を含み、各グアニンは第3の標識を含み、各チミンは第4の標識を含む。ある特定の実施形態では、第1の標識、第2の標識、第3の標識および第4の標識は、別個の標識である。ある特定の実施形態では、第1の標識、第2の標識、第3の標識および第4の標識は、スペクトルにより識別可能な蛍光標識である。
【0049】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、組成物は、鋳型スイッチングオリゴ(TSO)をさらに含む。ある特定の実施形態では、TSOは、UMIをコードする配列に相補的な配列、TSOハンドルをコードする配列に相補的な配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列、および細胞内標的RNAに相補的な配列を含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、mRNAである。ある特定の実施形態では、TSOのTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列は、バーコードをコードする核酸のTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列にハイブリダイズする。
【0050】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、組成物は、細胞内標的RNAをさらに含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TSOとハイブリダイズする。
【0051】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、組成物は、フォワードプライマーおよびリバースプライマーをさらに含み、フォワードプライマーは、PCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、第2のプライマーが、細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む。ある特定の実施形態では、リバースプライマーは、プライマー特異的識別配列をさらに含む。
【0052】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、T細胞受容体(TCR)の構成成分をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのα鎖(TCRα)をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする。
【0053】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、配列の野生型バージョンと比較して変異を含む。ある特定の実施形態では、変異は、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、TCRの構成成分をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのα鎖(TCRα)をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする。
【0054】
少なくとも1個のチャンバーがビーズを含む実施形態を含む本開示の組成物のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、配列の野生型バージョンと比較して変異を含む。ある特定の実施形態では、変異は、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、融合タンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする。ある特定の実施形態では、CARは、修飾された細胞から放出される。ある特定の実施形態では、修飾された細胞は、修飾されたT細胞である。
【0055】
本開示は、単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法であって、細胞溶解を引き起こすのに十分な条件下で、生体試料および本開示の組成物を接触させて、基材の複数のチャンバーの各チャンバー内に細胞溶解物を生成するステップであって、複数のチャンバーの各チャンバーが、生体試料の単一細胞を含み、生体試料が、複数の細胞および流体を含み、複数のチャンバーの各チャンバー内で、生体試料が、表面と流体連絡している、ステップと;複数の捕捉剤の少なくとも1個の捕捉剤を少なくとも1個の細胞内標的に特異的に結合させるのに十分な時間、複数のチャンバーの各チャンバー内で細胞溶解物をインキュベートして、捕捉剤:標的複合体を生成するステップと;少なくとも1個の捕捉剤:標的複合体を可視化して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップとを含む方法を提供する。
【0056】
本開示は、単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法であって、基材の複数のチャンバーの各チャンバー内で、細胞溶解を引き起こして細胞溶解物を生成するのに十分な条件下で、生体試料および本開示の組成物を接触させるステップであって、複数のチャンバーの各チャンバーが、生体試料の単一細胞を含み、生体試料が、複数の細胞および流体を含み、複数のチャンバーの各チャンバー内で、生体試料が、ビーズと流体連絡しており、ビーズが、少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合して、捕捉剤:標的複合体を生成するための複数の捕捉剤を含む、ステップと、複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤を少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合させて捕捉剤:標的複合体を生成させるのに十分な時間、複数のチャンバーの各チャンバー内で細胞溶解物をインキュベートするステップと、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、または少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップとを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む。
【0057】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、または少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップを含む。
【0058】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む。
【0059】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む。
【0060】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、ビーズ組成物は、ビーズおよびバーコードをコードする核酸配列を含み、バーコードは、バーコードをコードする配列およびバーコードハンドルをコードする配列を含み、方法は、cDNAバーコード配列を合成することにより、バーコードを配列決定するステップを含む。ある特定の実施形態では、バーコードを合成するステップは、ハイブリダイゼーションおよびcDNA合成に十分な条件下で、バーコードハンドルをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列の部分に相補的な配列を含むプライマー、およびポリメラーゼを接触させるステップを含み、接触させるステップは、cDNAバーコード配列を生成する。ある特定の実施形態では、配列決定するステップは、チャンバー内で実行される。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列は、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列のうち1つまたは複数をさらに含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列ハ、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をさらに含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする核酸配列は、5’から3’へと、PCRハンドルをコードする配列、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列を含む。ある特定の実施形態では、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列は、ポリグアニン(ポリG)配列を含む。ある特定の実施形態では、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列は、ポリグアニン(ポリG)配列からなる。ある特定の実施形態では、ビーズ組成物の各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、各チャンバーの各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、複数のチャンバーの各ビーズは、固有のバーコードを含む。ある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列は、12ヌクレオチドを含む。
【0061】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、バーコードをコードする配列は、12ヌクレオチドからなる。ある特定の実施形態では、ハイブリダイゼーションおよびcDNA合成に十分な条件は、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)を含む。ある特定の実施形態では、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)の少なくとも1つのdNTPは、修飾を含む。ある特定の実施形態では、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)の各dNTPは、修飾を含む。ある特定の実施形態では、修飾は、標識を含む。ある特定の実施形態では、標識は、フルオロフォアまたは発色団(chromaphore)を含む。ある特定の実施形態では、標識は、蛍光標識である。ある特定の実施形態では、各アデニンは、第1の標識を含み、各シトシンは、第2の標識を含み、各グアニンは、第3の標識を含み、各チミンは、第4の標識を含む。ある特定の実施形態では、第1の標識、第2の標識、第3の標識および第4の標識は、別個の標識である。ある特定の実施形態では、第1の標識、第2の標識、第3の標識および第4の標識は、スペクトルにより識別可能な蛍光標識である。
【0062】
本開示は、本開示の方法に従って生成されるcDNAバーコード配列を提供する。
【0063】
本開示は、本開示のcDNAバーコード配列を含む組成物を提供する。
【0064】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、ビーズのバーコードをコードする核酸の部分へとTSOをハイブリダイゼーションして、核酸/TSO二重鎖を生成するのに十分な条件下で、バーコードをコードする核酸配列およびTSOを接触させるステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、TSOは、UMIをコードする配列に相補的な配列、TSOハンドルをコードする配列に相補的な配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列、および細胞内標的RNAに相補的な配列を含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、mRNAである。ある特定の実施形態では、TSOのTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列に相補的な配列は、バーコードをコードする核酸のTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列にハイブリダイズする。ある特定の実施形態では、TSOは、細胞内標的RNAとハイブリダイズして、核酸:TSO:細胞内標的RNA三重鎖を形成する。
【0065】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、ハイブリダイゼーションおよび増幅に十分な条件下で、核酸:TSO:細胞内標的RNA三重鎖、フォワードプライマー、リバースプライマーおよびポリメラーゼを接触させて、増幅産物を生成するステップをさらに含み、フォワードプライマーは、バーコードをコードする核酸のPCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、第2のプライマーは、細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む。ある特定の実施形態では、増幅産物は、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、UMIをコードする配列、TSOハンドルをコードする配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列、および細胞内標的RNAをコードする配列を含む。
【0066】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、ハイブリダイゼーションおよび増幅に十分な条件下で、増幅産物を、第2のフォワードプライマー、第2のリバースプライマーおよびポリメラーゼと接触させて、第1の配列決定産物を生成するステップをさらに含み、第2のフォワードプライマーが、増幅産物のPCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、第2のリバースプライマーが、増幅産物の細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む。ある特定の実施形態では、第2のリバースプライマーは、プライマー特異的識別配列をさらに含む。
【0067】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、T細胞受容体(TCR)の構成成分をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのα鎖(TCRα)をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする。
【0068】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、配列の野生型バージョンと比較して変異を含む。ある特定の実施形態では、変異は、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、TCRの構成成分をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのα鎖(TCRα)をコードする。ある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする。
【0069】
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法を含む本開示の方法のある特定の実施形態では、細胞内標的RNAは、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、配列の野生型バージョンと比較して変異を含む。ある特定の実施形態では、変異は、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、融合タンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、天然に存在しないRNAまたはmRNAは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする。ある特定の実施形態では、CARは、修飾された細胞から放出される。ある特定の実施形態では、修飾された細胞は、修飾されたT細胞である。
【0070】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、健康な細胞である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0071】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、健康な細胞ではない。ある特定の実施形態では、単一細胞は、感染または罹患組織から単離される、これから精製されるまたはこれに由来する。ある特定の実施形態では、単一細胞は、感染または罹患組織または流体から単離される、これから精製されるまたはこれに由来する。ある特定の実施形態では、単一細胞は、望ましくない健康状態、疾患または障害の原因となる、これを予測するまたはこれと相関する遺伝的またはエピジェネティックマーカーを含有する。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝的またはエピジェネティックマーカーの非存在下でのリスクと比較して、望ましくない健康状態、疾患または障害の有意に増加した発症リスクの原因となる、これを予測するまたはこれと相関する遺伝的またはエピジェネティックマーカーを含有する。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0072】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、腫瘍細胞である。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、良性である。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、悪性である。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、がん細胞である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、悪性細胞である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、がん細胞である。本開示のがん細胞は、固形組織または生体液が挙げられるがこれらに限定されない、いずれかの身体組織から単離する、これから精製する、これに由来する、および/またはこれから培養することができる。
【0073】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、神経細胞である。例えば、単一細胞は、ニューロン、神経前駆体、神経幹細胞、または神経細胞へと分化することができる細胞となり得る。ある特定の実施形態では、神経細胞は、中枢神経系の組織または流体から単離され得る、これから精製され得るまたはこれに由来し得る。ある特定の実施形態では、神経細胞は、末梢神経系の組織または流体から単離され得る、これから精製され得るまたはこれに由来し得る。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0074】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、グリア細胞である。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、神経細胞(例えば、神経膠細胞、放射状グリア細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア細胞、上衣細胞、シュワン細胞またはサテライト細胞)を支持することができる。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、中枢神経系の組織または流体から単離され得る、これから精製され得るまたはこれに由来し得る。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、末梢神経系の組織または流体から単離され得る、これから精製され得るまたはこれに由来し得る。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、神経細胞の恒常性状態を維持することができる。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、軸索周囲のミエリンまたはミエリン鞘を産生、形成、および/または維持することができる。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、シナプス間隙から1種または複数種のシグナリング分子を排除することができる。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、神経細胞または局所的微小環境のために1種または複数種の支持因子または成長因子を提供することができる。ある特定の実施形態では、グリア細胞は、神経細胞に近接した細胞間間隙からの老廃物の除去を容易にすることができる。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0075】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、免疫細胞である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、Bリンパ球である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、白血球である。例示的な白血球として、貪食細胞(マクロファージ、好中球および樹状細胞)、リンパ系細胞(例えば、リンパ球)、マスト細胞、好酸球、好塩基球およびナチュラルキラー細胞が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、単一細胞は、リンパ球である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、Tリンパ球またはBリンパ球である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、Tリンパ球である。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0076】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、細菌である。例示的な細菌は、いかなる種のものであってもよい。例示的な細菌は、バイオフィルムから単離され得る、これから精製され得る、これに由来し得る、またはこれから培養され得る。例示的な細菌は、宿主と相利共生または共生関係を有することができる。例示的な細菌は、宿主と病原性関係を有することができる。ある特定の実施形態では、宿主は、脊椎動物である。ある特定の実施形態では、宿主は、哺乳動物である。ある特定の実施形態では、宿主は、ヒトである。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0077】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、古細菌である。例示的な古細菌は、いかなる種のものであってもよい。例示的な古細菌は、複数の古細菌またはその集団から単離され得る、これから精製され得る、これに由来し得る、またはこれから培養され得る。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0078】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、酵母細胞である。例示的な酵母細胞は、いかなる種のものであってもよい。例示的な酵母細胞は、複数の酵母細胞またはその集団から単離され得る、これから精製され得る、これに由来し得る、またはこれから培養され得る。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0079】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、藻類である。例示的な藻類は、いかなる種のものであってもよい。例示的な藻類は、複数の藻類またはその集団から単離され得る、これから精製され得る、これに由来し得る、またはこれから培養され得る。ある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。
【0080】
本開示の方法のある特定の実施形態では、単一細胞は、遺伝子改変されている。ある特定の実施形態では、単一細胞は、本開示の疾患または障害を処置する細胞療法としての使用のために遺伝子改変されている。
【0081】
本開示の方法のある特定の実施形態では、生体試料は、いずれかの体液を含む。ある特定の実施形態では、生体試料は、血液、脳脊髄液(CSF)、リンパ液、胸水(plural effusion)、尿または唾液を含む。ある特定の実施形態では、生体試料は、単一の被験体またはドナーから得られる。ある特定の実施形態では、生体試料は、少なくとも1名の被験体またはドナーから得られる。ある特定の実施形態では、生体試料は、1名または複数の被験体(複数可)またはドナー(複数可)から得られる。ある特定の実施形態では、生体試料は、複数の被験体(複数可)またはドナー(複数可)から得られる。
【0082】
本開示の方法のある特定の実施形態では、生体試料は、細胞培養培地を含む。ある特定の実施形態では、生体試料は、被験体から得られ、初代培養物として維持される生検を含む。ある特定の実施形態では、生体試料は、被験体から得られ、不死化培養物として維持される生検を含む。
【0083】
本開示の方法のある特定の実施形態では、生体試料は、組織試料または組織生検を含む。ある特定の実施形態では、組織試料または組織生検は、脊椎動物身体のいずれかの組織から得られる。ある特定の実施形態では、組織試料または組織生検は、哺乳動物身体のいずれかの組織から得られる。ある特定の実施形態では、組織試料または組織生検は、ヒト身体のいずれかの組織から得られる。ある特定の実施形態では、組織試料または組織生検は、身体から摘出される臓器を含むいずれかの臓器と共に、in vitroで合成されるいずれかの臓器から得られる。ある特定の実施形態では、組織試料または組織生検は、in vitroで合成される(例えば、in vitroで育成またはプリントされる)いずれかの組織から得られる。
【0084】
本開示の方法のある特定の実施形態では、生体試料は、体液または流体生検を含む。ある特定の実施形態では、体液または流体生検は、脊椎動物身体のいずれかの流体から得られる。ある特定の実施形態では、体液または流体生検は、哺乳動物身体のいずれかの流体から得られる。ある特定の実施形態では、体液または流体生検は、ヒト身体のいずれかの流体から得られる。ある特定の実施形態では、体液または流体生検は、身体から抽出される流体を含むいずれかの流体と共に、in vitroで合成されるいずれかの流体から得られる。
【0085】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、健康である。
【0086】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、健康ではない。ある特定の実施形態では、被験体は、感染、疾患または障害を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、感染または罹患組織または流体を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、望ましくない健康状態、疾患または障害の原因となる、これを予測するまたはこれと相関する遺伝的またはエピジェネティックマーカーを有する。ある特定の実施形態では、被験体は、遺伝的またはエピジェネティックマーカーの非存在下でのリスクと比較して、望ましくない健康状態、疾患または障害の有意に増加した発症リスクの原因となる、これを予測するまたはこれと相関する遺伝的またはエピジェネティックマーカーを有する。被験体がヒト胚ではないある特定の実施形態では、被験体は、1個または複数の遺伝子改変細胞を含み得る。
【0087】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、腫瘍を有する。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、良性である。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、悪性である。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、がん細胞である。ある特定の実施形態では、被験体は、がんを有する。ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1種のがんを有する。ある特定の実施形態では、被験体は、1種または複数種のがんを有する。ある特定の実施形態では、被験体は、高悪性度型のがんを有する。ある特定の実施形態では、被験体は、希少がんまたは希少型のがん(例えば、年齢、性別、遺伝的および/またはエピジェネティック素因、リスク因子への曝露、および/または家族歴によって定義されるいずれかの集団の10%、5%、2%、1%またはその間のいずれかのパーセンテージ未満が罹患するがんまたはがん型)を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、転移性がんを有する。本開示の被験体は、固形組織または生体液が挙げられるがこれらに限定されない、いずれかの身体組織に位置するまたはこれに由来する腫瘍またはがん細胞を有することができる。
【0088】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、がんを有する。がんは、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、肛門直腸がん、肛門管のがん、虫垂がん、小児小脳アストロサイトーマ、小児大脳アストロサイトーマ、基底細胞癌、皮膚がん(非メラノーマ)、胆道がん、肝外胆管がん、肝内胆管がん、膀胱(bladder/urinary bladder)がん、骨関節がん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳がん、脳腫瘍、脳幹グリオーマ、小脳アストロサイトーマ、大脳アストロサイトーマ/悪性グリオーマ、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性(neuroectodeimal)腫瘍、視覚路および視床下部グリオーマ、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸管、神経系がん、神経系リンパ腫、中枢神経系がん、中枢神経系リンパ腫、子宮頸部がん、小児がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系新生物、菌状息肉症、セザリー(Seziary)症候群、子宮内膜がん、食道がん、頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、眼内メラノーマ、網膜芽細胞腫、胆嚢がん、胃(gastric/stomach)がん、胃腸管カルチノイド腫瘍、胃腸管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、卵巣生殖細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍グリオーマ、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内メラノーマ、眼性がん、島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓がん、腎がん、腎臓がん、喉頭がん、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄系白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、口唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ワルデンストレーム(Waldenstram)高ガンマグロブリン血症、髄芽腫、メラノーマ、眼内(眼)メラノーマ、メルケル細胞癌、中皮腫悪性、中皮腫、転移性扁平上皮頸部がん、口のがん、舌のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄系白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻咽頭がん、ニューロブラストーマ、口腔内がん、口腔がん、中咽頭がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣低悪性度腫瘍、膵がん、島細胞膵がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎盂および尿管、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫腫瘍のユーイングファミリー、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮がん、子宮肉腫、皮膚がん(非メラノーマ)、皮膚がん(メラノーマ)、メルケル細胞皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌、胃(stomach/gastric)がん、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管ならびに他の泌尿器系臓器の移行細胞がん、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道がん、子宮内膜子宮がん、子宮肉腫、子宮体部がん、腟がん、外陰部がん、および/またはウィルムス腫瘍となり得る。
【0089】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、感染を有する。ある特定の実施形態では、感染は、細菌性である。ある特定の実施形態では、感染は、ウイルス性である。ある特定の実施形態では、感染は、真菌性である。ある特定の実施形態では、感染は、微生物性である。本開示の感染病原体は、いかなる種のものであってもよい。
【0090】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、免疫障害を有する。本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、免疫不全障害を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、原発性または先天性免疫不全障害を有する。例示的な原発性または先天性免疫不全障害として、毛細血管拡張性運動失調症、チェディアック・東症候群、組み合わせた免疫不全疾患、補体欠損症、ディジョージ症候群、低ガンマグロブリン血症、ヨブ症候群、白血球粘着欠損症、汎低ガンマグロブリン血症、ブルトン病、先天性無ガンマグロブリン血症、IgAの選択的欠乏症、およびウィスコット・アルドリッチ症候群が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、被験体は、続発性または後天性免疫不全障害を有する。例示的な続発性または後天性免疫不全障害として、感染(例えば、HIVおよびAIDS)の結果としての免疫系の減弱、免疫系のがん(例えば、白血病)、血液形質細胞のがん(例えば、多発性骨髄腫)、免疫複合体障害(例えば、ウイルス性肝炎)、重度熱傷、医学的治療法(例えば、化学療法および放射線)、放射線または毒性化学物質曝露、および栄養障害(malnutritian)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0091】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、自己免疫性障害を有する。ある特定の実施形態では、障害は、先天性である。ある特定の実施形態では、障害は、遺伝的および/またはエピジェネティック原因を有する。例示的な自己免疫性障害として、円形脱毛症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、皮膚筋炎、糖尿病(1型)、一部の形態の若年性特発性関節炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、一部の形態の心筋炎、多発性硬化症、天疱瘡/類天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、関節リウマチ、強皮症/全身性硬化症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、一部の形態の甲状腺炎、一部の形態のぶどう膜炎、白斑および多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー病)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0092】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、炎症性障害を有する。ある特定の実施形態では、障害は、先天性である。ある特定の実施形態では、障害は、遺伝的および/またはエピジェネティック原因を有する。例示的な炎症性障害として、長期酸化ストレスに起因する疾患、アルツハイマー病、強直性脊椎炎、関節炎(変形性関節症、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎)、喘息、粥状動脈硬化、クローン病、大腸炎、皮膚炎、憩室炎、線維筋痛症、肝炎、過敏性腸症候群(IBS)、全身性エリテマトーデス(erythematous)(SLE)、腎炎、パーキンソン病および潰瘍性大腸炎が挙げられるがこれらに限定されない。
【0093】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、神経学的障害を有する。ある特定の実施形態では、障害は、先天性である。ある特定の実施形態では、障害は、遺伝的および/またはエピジェネティック原因を有する。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、中枢神経系を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、末梢神経系を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、自律神経系を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、交感神経系を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、副交感神経系を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、先天性である。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、進行性である。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、変性である。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、高齢成人(例えば、少なくとも70歳、80歳、90歳、100歳またはその間のいずれかの年齢の成人)を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、随意または不随意運動を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚および味覚が挙げられるがこれらに限定されない、1つまたは複数の感覚を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、言語理解、観念化およびコミュニケーション(話し言葉によるおよび/または書き言葉による)が挙げられるがこれらに限定されない、言語処理を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、記憶を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、疼痛シグナルの連絡および制御を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、心臓および/または脈管構造の筋肉の運動および/または協調を冒す。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、睡眠を冒す。例示的な神経学的疾患として、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、自律神経障害、失調、認知症、ニューロパチー、麻痺、ハンチントン病、てんかん、片頭痛、運動ニューロン疾患、多発性硬化症、筋ジストロフィー、ナルコレプシー、神経変性および外傷(脳および/または脊髄)が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、神経学的障害は、医学的処置、別の医学的状態または外傷(例えば、振盪)に対して続発性である。
【0094】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、代謝性障害を有する。ある特定の実施形態では、障害は、先天性である。ある特定の実施形態では、障害は、遺伝的および/またはエピジェネティック原因を有する。ある特定の実施形態では、障害は、別の医学的状態に対して後天性または続発性である。本開示の例示的な代謝性障害として、酸塩基平衡異常障害、代謝性脳疾患、カルシウム代謝障害、DNA修復欠乏障害、グルコース代謝障害、高乳酸塩血症、鉄代謝障害、脂質代謝障害、吸収不良症候群、代謝性シンドロームX、ミトコンドリア疾患、リン代謝障害、ポルフィリン症およびタンパク質恒常性欠乏症が挙げられるがこれらに限定されない。
【0095】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、変性障害を有する。本開示の例示的な変性障害は、細胞、組織および臓器に対する損傷を増加させる。多くの場合、この損傷は蓄積し、経時的に1つまたは複数の症状の重症度の増加をもたらす。
【0096】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、進行性障害を有する。本開示の例示的な進行性障害は、時間の関数として重症度を増加させる。重症度は、症状の質および量、ならびに疾患の身体的拡散の両方を含む。疾患の重症度の増加は、ますます否定的な予後を含むこともできる。
【0097】
本開示の方法のある特定の実施形態では、被験体は、疾患または障害に関連する遺伝的変異および/またはエピジェネティック修飾を有する。遺伝的変異および/またはエピジェネティック修飾は、疾患または障害のバイオマーカーとなり得る。遺伝的変異および/またはエピジェネティック修飾は、疾患または障害の出現増加または減少と相関することができる。遺伝的変異および/またはエピジェネティック修飾は、疾患または障害の出現増加または減少を予測することができる。遺伝的変異および/またはエピジェネティック修飾は、疾患または障害の出現増加または減少の原因となり得る。
【0098】
本開示の方法のある特定の実施形態では、可視化するステップは、少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を、捕捉剤に結合する標識された二次抗体と接触させるステップと、標識された二次抗体を検出するステップとを含む。可視化するステップのある特定の実施形態では、標識された二次抗体は、蛍光標識、金標識または銀標識を含む。ある特定の実施形態では、可視化するステップは、第1の捕捉剤:標的複合体を、第1の捕捉剤に結合する第1の標識された二次抗体と接触させるステップと、第2の捕捉剤:標的複合体を、第2の捕捉剤に結合する第2の標識された二次抗体と接触させるステップと、第1の標識された二次抗体および第2の標識された二次抗体を検出するステップであって、第1の標識された二次抗体および第2の標識された二次抗体がそれぞれ別個の標識を含む、ステップとを含む。
【0099】
本開示の方法のある特定の実施形態では、この方法は、少なくとも1種の細胞内標的を定量するステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、定量するステップは、標識された二次抗体の強度および/または密度を測定するステップを含む。ある特定の実施形態では、細胞内標的は、リンタンパク質である。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
組成物であって、
表面であって、そこに操作可能に連結された複数の捕捉剤を含み、各捕捉剤が、別個の細胞内標的に特異的に結合し、該複数の捕捉剤が、反復パターンを形成する、表面と、
複数のチャンバーを含む基材であって、該基材が、該表面と放出可能にカップリングし、該複数のチャンバーの各チャンバーが、該表面の該複数の捕捉剤の該反復パターンの少なくとも1つの反復を含む、基材と、
細胞溶解組成物を含むコーティング組成物と、
官能化構成成分および伸長構成成分を含むリンカー組成物と
を含む組成物。
(項目2)
前記複数の捕捉剤が、2~200種の間の別個の捕捉剤を含む、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記複数の捕捉剤が、2~100種の間の別個の捕捉剤を含む、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記複数の捕捉剤が、2~50種の間の別個の捕捉剤を含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記複数の捕捉剤が、2~25種の間の別個の捕捉剤を含む、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記複数のチャンバーが、2~20,000個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
前記複数のチャンバーが、2~12,000個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目8)
前記複数のチャンバーが、2~10,000個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目9)
前記複数のチャンバーが、2~5,000個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目10)
前記複数のチャンバーが、2~2,500個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目11)
前記複数のチャンバーが、2~1,000個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目12)
前記複数のチャンバーが、2~500個の間のチャンバーを含む、項目1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、同一の形状を有する、項目1から12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目14)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも1つの寸法に関して等しい値を有する、項目1から13のいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、各寸法に関して等しい値を有する、項目1から14のいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、円形である、項目1から15のいずれか一項に記載の組成物。
(項目17)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも10μmの直径を有する、項目16に記載の組成物。
(項目18)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも50μmの直径を有する、項目16に記載の組成物。
(項目19)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも100μmの直径を有する、項目16に記載の組成物。
(項目20)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも10μmの深さを有する、項目17から19のいずれか一項に記載の組成物。
(項目21)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも50μmの深さを有する、項目17から19のいずれか一項に記載の組成物。
(項目22)
前記複数のチャンバーの前記各チャンバーが、少なくとも100μmの深さを有する、項目17から19のいずれか一項に記載の組成物。
(項目23)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、長方形である、項目1から15のいずれか一項に記載の組成物。
(項目24)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも10μmの第1の側面の長さを有する、項目1から15または23のいずれか一項に記載の組成物。
(項目25)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも50μmの第1の側面の長さを有する、項目1から15または23のいずれか一項に記載の組成物。
(項目26)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも100μmの第1の側面の長さを有する、項目1から15または23のいずれか一項に記載の組成物。
(項目27)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも10μmの第2の側面の長さを有する、項目1から15または23から26のいずれか一項に記載の組成物。
(項目28)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも50μmの第2の側面の長さを有する、項目1から15または23から26のいずれか一項に記載の組成物。
(項目29)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも100μmの第2の側面の長さを有する、項目1から15または23から26のいずれか一項に記載の組成物。
(項目30)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも10μmの深さを有する、項目1から15または23から29のいずれか一項に記載の組成物。
(項目31)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも50μmの深さを有する、項目1から15または23から29のいずれか一項に記載の組成物。
(項目32)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、少なくとも100μmの深さを有する、項目1から15または23から29のいずれか一項に記載の組成物。
(項目33)
前記基材が、ポリマーを含む、項目1から32のいずれか一項に記載の組成物。
(項目34)
前記ポリマーが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、項目33に記載の組成物。
(項目35)
前記基材が、酸化した表面を有する、項目34に記載の組成物。
(項目36)
前記PDMS基材が、射出成形による製造に先立ち、表面活性物質と混合されたPDMSプレポリマーから形成された、項目34または35に記載の組成物。
(項目37)
前記表面活性物質が、Triton-X-100を含む、項目36に記載の組成物。
(項目38)
前記表面が、ガラスを含む、項目1から37のいずれか一項に記載の組成物。
(項目39)
前記複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤が、オリゴヌクレオチド、アプタマー、抗体、抗体の機能的断片または抗体ミメティックを含む、項目1から38のいずれか一項に記載の組成物。
(項目40)
前記複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤が、抗体を含む、項目1から38のいずれか一項に記載の組成物。
(項目41)
前記複数の捕捉剤の各捕捉剤が、抗体を含む、項目1から38のいずれか一項に記載の組成物。
(項目42)
前記コーティング組成物が、架橋組成物をさらに含む、項目1から41のいずれか一項に記載の組成物。
(項目43)
前記架橋組成物が、生体適合性ポリマーを含む、項目42に記載の組成物。
(項目44)
前記細胞溶解組成物が、界面活性剤を含む、項目1から43のいずれか一項に記載の組成物。
(項目45)
前記細胞溶解組成物が、Triton-X-100を含む、項目1から44のいずれか一項に記載の組成物。
(項目46)
前記架橋組成物が、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含む、項目42から45のいずれか一項に記載の組成物。
(項目47)
前記架橋組成物が、3%v/v PVAを含み、前記細胞溶解組成物が、0.2%Triton-X-100を含む、項目42から46のいずれか一項に記載の組成物。
(項目48)
前記架橋組成物が、グルタルアルデヒド組成物および塩酸(HCl)組成物をさらに含む、項目47に記載の組成物。
(項目49)
前記グルタルアルデヒド組成物が、0.1%グルタルアルデヒドを含む、項目48に記載の組成物。
(項目50)
前記HCl組成物が、10%HClを含む、項目48または49に記載の組成物。
(項目51)
前記コーティング組成物が、シグナリング剤を含む、項目1から50のいずれか一項に記載の組成物。
(項目52)
前記コーティング組成物が、複数のマイクロスフェアとして製剤化される、項目1から51のいずれか一項に記載の組成物。
(項目53)
前記コーティング組成物が、水を含む、項目1から52のいずれか一項に記載の組成物。
(項目54)
前記コーティング組成物が、水を含まない、項目1から52のいずれか一項に記載の組成物。
(項目55)
前記リンカー組成物が、少なくとも1週間、室温で分解しない、項目1から54のいずれか一項に記載の組成物。
(項目56)
前記リンカー組成物が、少なくとも1ヶ月間、室温で分解しない、項目1から54のいずれか一項に記載の組成物。
(項目57)
前記リンカー組成物が、少なくとも6ヶ月間、室温で分解しない、項目1から54のいずれか一項に記載の組成物。
(項目58)
前記リンカー組成物が、少なくとも1年間、室温で分解しない、項目1から54のいずれか一項に記載の組成物。
(項目59)
前記官能化構成成分が、前記基材と接触すると、少なくとも1個の官能基を該基材の表面に共有結合させる、項目1から58のいずれか一項に記載の組成物。
(項目60)
前記表面が、前記複数のチャンバーの各チャンバーの内部表面を含む、項目59に記載の組成物。
(項目61)
前記表面が、前記複数のチャンバーの各チャンバーの各内部表面を含む、項目59に記載の組成物。
(項目62)
前記少なくとも1個の官能基が、シラン基である、項目59から61のいずれか一項に記載の組成物。
(項目63)
前記官能化構成成分が、有機官能性アルコキシシランを含む、項目62に記載の組成物。
(項目64)
前記官能化構成成分が、アミノシランを含む、項目63に記載の組成物。
(項目65)
前記官能化構成成分が、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)を含む、項目63または64に記載の組成物。
(項目66)
前記官能化構成成分が、1%APTESを含む、項目65に記載の組成物。
(項目67)
前記伸長構成成分が、第1の末端において前記官能化構成成分に共有結合する有機ポリマーを含む、項目1から66のいずれか一項に記載の組成物。
(項目68)
前記有機ポリマーが、第2の末端においてアルデヒドを含む、項目67に記載の組成物。
(項目69)
前記伸長構成成分が、前記架橋組成物に結合する、項目42から68のいずれか一項に記載の組成物。
(項目70)
前記伸長構成成分が、グルタルアルデヒドを含む、項目1から69のいずれか一項に記載の組成物。
(項目71)
前記伸長構成成分が、1%グルタルアルデヒドを含む、項目70に記載の組成物。
(項目72)
前記反復パターンが、複数の平行線を含む、項目1から71のいずれか一項に記載の組成物。
(項目73)
前記反復パターンが、複数のドットを含む、項目1から71のいずれか一項に記載の組成物。
(項目74)
前記細胞内標的が、DNA分子、RNA分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質複合体、チャネル、オルガネラ、脂質、オリゴ糖、細胞骨格要素である、項目1から73のいずれか一項に記載の組成物。
(項目75)
前記細胞内標的が、癌遺伝子の転写物、癌タンパク質、腫瘍抑制因子遺伝子の転写物、腫瘍抑制因子タンパク質、癌遺伝子の調節因子、癌タンパク質の調節因子または腫瘍抑制因子遺伝子の調節因子である、項目1から73のいずれか一項に記載の組成物。
(項目76)
前記細胞内標的が、受容体、酵素、転写因子または成長因子である、項目1から73のいずれか一項に記載の組成物。
(項目77)
前記細胞内標的が、リン酸化された受容体またはリン酸化された酵素である、項目76に記載の組成物。
(項目78)
前記酵素が、キナーゼである、項目76または77に記載の組成物。
(項目79)
前記複数のチャンバーの少なくとも1個のチャンバーが、官能化されたバンドをさらに含む、項目1から78のいずれか一項に記載の組成物。
(項目80)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、官能化されたバンドをさらに含む、項目1から78のいずれか一項に記載の組成物。
(項目81)
前記官能化されたバンドが、ビーズを捕捉する、項目79または80に記載の組成物。
(項目82)
前記官能化されたバンドが、少なくとも1個のビーズを捕捉する、項目79または80に記載の組成物。
(項目83)
前記官能化されたバンドが、多くとも1個のビーズを捕捉する、項目79または80に記載の組成物。
(項目84)
前記官能化されたバンドが、細胞を捕捉する、項目79から83のいずれか一項に記載の組成物。
(項目85)
前記官能化されたバンドが、少なくとも1個の細胞を捕捉する、項目79から83のいずれか一項に記載の組成物。
(項目86)
前記官能化されたバンドが、多くとも1個の細胞を捕捉する、項目79から83のいずれか一項に記載の組成物。
(項目87)
前記官能化されたバンドが、1個のビーズおよび1個の細胞を捕捉する、項目79から86のいずれか一項に記載の組成物。
(項目88)
前記官能化されたバンドが、多くとも1個のビーズおよび多くとも1個の細胞を捕捉する、項目79から86のいずれか一項に記載の組成物。
(項目89)
前記複数のチャンバーの少なくとも1個のチャンバーが、第2のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを防止する、1つまたは複数の寸法を有する、項目79から88のいずれか一項に記載の組成物。
(項目90)
前記複数のチャンバーの各チャンバーが、第2のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを防止する、1つまたは複数の寸法を有する、項目79から88のいずれか一項に記載の組成物。
(項目91)
前記チャンバーの前記1つまたは複数の寸法が、第1のビーズのいずれかの寸法よりも大きく、これにより、該第1のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを可能にする、項目89または90に記載の組成物。
(項目92)
前記チャンバーの前記1つまたは複数の寸法が、前記第1のビーズのいずれかの寸法と前記第2のビーズのいずれかの寸法との和よりも小さく、これにより、該第2のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを防止する、項目91に記載の組成物。
(項目93)
前記チャンバーの前記1つまたは複数の寸法が、直径であり、該直径が、50μmまたは約50μmである、項目89から92のいずれか一項に記載の組成物。
(項目94)
前記第1のビーズが、終点を含めて30~40μmの間の直径を有し、これにより、該第1のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを可能にする、項目93に記載の組成物。
(項目95)
前記第1のビーズの直径と前記第2のビーズの直径との和が、60~80μmの間であり、これにより、該第2のビーズが該チャンバーに進入することまたは前記官能化されたバンドと接触することを防止する、項目94に記載の組成物。
(項目96)
前記官能化されたバンドが、10μmまたは約10μmの幅を有する、項目79から95のいずれか一項に記載の組成物。
(項目97)
前記官能化されたバンドを含む前記チャンバーが、
該チャンバーの少なくとも1個の表面をコーティング組成物と接触させて、少なくとも1個のコーティングされた表面を生成するステップと、
該チャンバーの該少なくとも1個のコーティングされた表面を不動態化して、少なくとも1個の不動態化された表面を生成するステップと、
該少なくとも1個の不動態化された表面の部分を、パターンを含むフォトマスクで覆って、少なくとも1個のマスクされた表面を生成するステップと、
該少なくとも1個のマスクされた表面をUV光に曝露するステップと、
前記チャンバーの該少なくとも1個のマスクされた表面に捕捉抗体組成物を沈着させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、
ビーズ組成物を該チャンバーへと接触させるステップであって、該少なくとも1個の官能化された表面が、該ビーズを捕捉する、ステップと、
細胞溶解組成物を該チャンバーに導入するステップと、
細胞を該チャンバーに導入するステップと
を含む方法に従って調製される、項目79から96のいずれか一項に記載の組成物。
(項目98)
前記官能化されたバンドを含む前記チャンバーが、
該チャンバーから前記ビーズを除去するステップ
をさらに含む方法に従って調製される、項目97に記載の組成物。
(項目99)
前記官能化されたバンドを含む前記チャンバーが、
該チャンバー内にストレプトアビジン組成物を沈着させるステップであって、
該ストレプトアビジン組成物が、前記捕捉抗体組成物を沈着させた後に該チャンバー内に沈着し、
該ストレプトアビジン組成物が、該ビーズを該チャンバーに導入する前に該チャンバー内に沈着する、ステップをさらに含む方法に従って調製される、
項目97または98に記載の組成物。
(項目100)
前記コーティング組成物が、PVA-SbQ組成物を含む、項目79から99のいずれか一項に記載の組成物。
(項目101)
前記抗体組成物が、捕捉抗体を含む、項目79から100のいずれか一項に記載の組成物。
(項目102)
前記抗体組成物の沈着に先立ち、少なくとも1個のマスクされた表面が、
該少なくとも1個のマスクされた表面をリンカー組成物と接触させるステップ
を含む方法に従って調製される、項目79から101のいずれか一項に記載の組成物。
(項目103)
前記リンカー組成物が、伸長構成成分を含む、項目102に記載の組成物。
(項目104)
前記伸長構成成分が、APTES組成物を含む、項目103に記載の組成物。
(項目105)
前記リンカー組成物が、官能化構成成分を含む、項目102から104のいずれか一項に記載の組成物。
(項目106)
前記官能化構成成分が、プロテインG組成物を含む、項目105に記載の組成物。
(項目107)
前記官能化されたバンドを含む前記チャンバーが、
該チャンバーの少なくとも1個の表面を不動態化するステップと、
該少なくとも1個の不動態化された表面の部分を、パターンを含むフォトマスクで覆って、少なくとも1個のマスクされた表面を生成するステップと、
該少なくとも1個のマスクされた表面をUV光に曝露するステップと、
該チャンバー内に捕捉抗体組成物を沈着させるステップと、
細胞を該チャンバーに導入するステップと
を含む方法に従って調製される、項目79から106のいずれか一項に記載の組成物。
(項目108)
前記不動態化するステップが、
前記チャンバーの前記少なくとも1個の表面および酸素プラズマを接触させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、
該少なくとも1個の官能化された表面を前処理組成物と接触させて、前処理された表面を生成するステップと、
少なくとも1個の該前処理された表面をビオチン組成物と接触させるステップと
を含む、項目106に記載の組成物。
(項目109)
前記前処理組成物が、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN-ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sulfo-NHS)を含む、項目108に記載の組成物。
(項目110)
前記前処理組成物が、0.05M MESおよび0.5M NaClを含むバッファーをさらに含む、項目109に記載の組成物。
(項目111)
前記ビオチン組成物が、PLL(20)-g[3.5]-PEG(2):ポリ-L-リシン-g-ポリ(エチレングリコール)-ビオチン(PLL-g-PEG-ビオチン)を含む、項目108から110のいずれか一項に記載の組成物。
(項目112)
前記ビオチン組成物が、HEPESバッファーをさらに含む、項目111に記載の組成物。
(項目113)
前記前処理組成物が、11.5mg/mlのN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、19.2mg/mlのN-ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sulfo-NHS)、ならびに0.05M MESおよび0.5M NaClバッファーを含むバッファーを含む、項目108から112のいずれか一項に記載の組成物。
(項目114)
前記ビオチン組成物が、0.5mg/mlのPLL(20)-g[3.5]-PEG(2):ポリ-L-リシン-g-ポリ(エチレングリコール)-ビオチン(PLL-g-PEG-ビオチン)および10mM HEPESバッファーを含む、項目108から113のいずれか一項に記載の組成物。
(項目115)
前記不動態化するステップが、
前記チャンバーの前記少なくとも1個の表面および酸素プラズマを接触させて、少なくとも1個の官能化された表面を生成するステップと、
該少なくとも1個の官能化された表面を前処理組成物と15分間接触させて、前処理された表面を生成するステップと、
少なくとも1個の該前処理された表面をビオチン組成物と少なくとも3時間接触させるステップと
を含む、項目108から114のいずれか一項に記載の組成物。
(項目116)
前記ビーズが、ビオチン化オリゴヌクレオチドを含む組成物を含む、項目79から115のいずれか一項に記載の組成物。
(項目117)
細胞組成物が、RNAse阻害剤溶液を含む、項目79から115のいずれか一項に記載の組成物。
(項目118)
前記ビーズ組成物が、ビーズおよびバーコードをコードする核酸配列を含み、該バーコードが、バーコードをコードする配列およびバーコードハンドルをコードする配列を含む、項目81から117のいずれか一項に記載の組成物。
(項目119)
前記バーコードをコードする前記核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列のうち1つまたは複数をさらに含む、項目118に記載の組成物。
(項目120)
前記バーコードをコードする前記核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をさらに含む、項目118に記載の組成物。
(項目121)
前記バーコードをコードする前記核酸配列が、5’から3’へと、PCRハンドルをコードする配列、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列を含む、項目118に記載の組成物。
(項目122)
TSOハイブリダイゼーション部位をコードする前記配列が、ポリグアニン(ポリG)配列を含む、項目118から121のいずれか一項に記載の組成物。
(項目123)
TSOハイブリダイゼーション部位をコードする前記配列が、ポリグアニン(ポリG)配列からなる、項目118から121のいずれか一項に記載の組成物。
(項目124)
ビーズ組成物の各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目118から123のいずれか一項に記載の組成物。
(項目125)
各チャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目118から124のいずれか一項に記載の組成物。
(項目126)
前記複数のチャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目118から125のいずれか一項に記載の組成物。
(項目127)
前記バーコードをコードする前記配列が、12ヌクレオチドを含む、項目118から126のいずれか一項に記載の組成物。
(項目128)
前記バーコードをコードする前記配列が、12ヌクレオチドからなる、項目118から126のいずれか一項に記載の組成物。
(項目129)
前記バーコードをコードする前記配列が、少なくとも1個の修飾されたヌクレオチドを含む、項目118から128のいずれか一項に記載の組成物。
(項目130)
前記修飾されたヌクレオチドが、標識を含む、項目129に記載の組成物。
(項目131)
前記標識が、フルオロフォアまたは発色団を含む、項目130に記載の組成物。
(項目132)
前記標識が、蛍光標識である、項目130に記載の組成物。
(項目133)
前記バーコードをコードする前記配列の各ヌクレオチドが、標識を含む、項目128から132のいずれか一項に記載の組成物。
(項目134)
各アデニンが第1の標識を含み、各シトシンが第2の標識を含み、各グアニンが第3の標識を含み、各チミンが第4の標識を含む、項目133に記載の組成物。
(項目135)
前記第1の標識、前記第2の標識、前記第3の標識および前記第4の標識が、別個の標識である、項目134に記載の組成物。
(項目136)
前記第1の標識、前記第2の標識、前記第3の標識および前記第4の標識が、スペクトルにより識別可能な蛍光標識である、項目135に記載の組成物。
(項目137)
鋳型スイッチングオリゴ(TSO)をさらに含む、項目118から136のいずれか一項に記載の組成物。
(項目138)
前記TSOが、前記UMIをコードする配列に相補的な配列、前記TSOハンドルをコードする配列に相補的な配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列、および細胞内標的RNAに相補的な配列を含む、項目137に記載の組成物。
(項目139)
前記細胞内標的RNAが、mRNAである、項目137に記載の組成物。
(項目140)
前記TSOのTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列が、前記バーコードをコードする前記核酸のTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列にハイブリダイズする、項目137から139のいずれか一項に記載の組成物。
(項目141)
細胞内標的RNAをさらに含む、項目137から140に記載の組成物。
(項目142)
前記細胞内標的RNAが、前記TSOとハイブリダイズする、項目137から141のいずれか一項に記載の組成物。
(項目143)
フォワードプライマーおよびリバースプライマーをさらに含み、該フォワードプライマーが、前記PCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、該第2のプライマーが、前記細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む、項目137から142のいずれか一項に記載の組成物。
(項目143)
前記リバースプライマーが、プライマー特異的識別配列をさらに含む、項目143に記載の組成物。
(項目144)
前記細胞内標的RNAが、T細胞受容体(TCR)の構成成分をコードする、項目137から144のいずれか一項に記載の組成物。
(項目145)
前記細胞内標的RNAが、TCRのα鎖(TCRα)をコードする、項目144に記載の組成物。
(項目146)
前記細胞内標的RNAが、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする、項目144に記載の組成物。
(項目147)
前記細胞内標的RNAが、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする、項目137から144のいずれか一項に記載の組成物。
(項目148)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む、項目147に記載の組成物。
(項目149)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、該配列の野生型バージョンと比較して変異を含む、項目147または148に記載の組成物。
(項目150)
前記変異が、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む、項目149に記載の組成物。
(項目151)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、TCRの構成成分をコードする、項目147から150のいずれか一項に記載の組成物。
(項目152)
前記細胞内標的RNAが、TCRのα鎖(TCRα)をコードする、項目151に記載の組成物。
(項目153)
前記細胞内標的RNAが、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする、項目151に記載の組成物。
(項目154)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、融合タンパク質をコードする、項目147から150のいずれか一項に記載の組成物。
(項目155)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする、項目147から150または154のいずれか一項に記載の組成物。
(項目156)
前記CARが、修飾された細胞から放出される、項目155に記載の組成物。
(項目157)
前記修飾された細胞が、修飾されたT細胞である、項目156に記載の組成物。
(項目158)
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法であって、
基材の複数のチャンバーの各チャンバー内で、細胞溶解を引き起こして細胞溶解物を生成するのに十分な条件下で、生体試料および項目1から157のいずれか一項に記載の組成物を接触させるステップであって、該複数のチャンバーの各チャンバーが、該生体試料の単一細胞を含み、該生体試料が、複数の細胞および流体を含み、該複数のチャンバーの各チャンバー内で、該生体試料が、表面と流体連絡している、ステップと、
複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤を少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合させて捕捉剤:標的複合体を生成させるのに十分な時間、該複数のチャンバーの各チャンバー内で該細胞溶解物をインキュベートするステップと、
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップと
を含む方法。
(項目159)
前記単一細胞が、健康な細胞である、項目158に記載の方法。
(項目160)
前記単一細胞が、腫瘍細胞である、項目158に記載の方法。
(項目161)
前記単一細胞が、悪性細胞である、項目158または160に記載の方法。
(項目162)
前記単一細胞が、神経細胞である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目163)
前記単一細胞が、グリア細胞である、項目158から162のいずれか一項に記載の方法。
(項目164)
前記単一細胞が、免疫細胞である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目165)
前記単一細胞が、Tリンパ球またはBリンパ球である、項目164に記載の方法。
(項目166)
前記単一細胞が、細菌である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目167)
前記単一細胞が、古細菌である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目168)
前記単一細胞が、酵母細胞である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記単一細胞が、藻類である、項目158から161のいずれか一項に記載の方法。
(項目170)
前記単一細胞が、遺伝子改変されている、項目158、159、162、163または166から169に記載の方法。
(項目171)
前記生体試料が、被験体から得られる、項目158から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
前記生体試料が、血液、脳脊髄液(CSF)、リンパ液、胸水、尿または唾液を含む、項目171に記載の方法。
(項目173)
前記生体試料が、細胞培養培地を含む、項目171または172に記載の方法。
(項目174)
前記生体試料が、組織試料または組織生検を含む、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目175)
前記被験体が、健康である、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目176)
前記被験体が、がんを有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目177)
前記被験体が、感染を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目178)
前記被験体が、自己免疫性障害を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目179)
前記被験体が、炎症性障害を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目180)
前記被験体が、神経学的障害を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目181)
前記被験体が、代謝性障害を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目182)
前記被験体が、変性障害を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目183)
前記被験体が、疾患または障害に関連する遺伝的変異またはエピジェネティック修飾を有する、項目171から173のいずれか一項に記載の方法。
(項目184)
前記可視化するステップが、
前記少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を、該捕捉剤に結合する標識された二次抗体と接触させるステップと、
前記標識された二次抗体を検出するステップと
を含む、項目158から183のいずれか一項に記載の方法。
(項目185)
前記標識された二次抗体が、蛍光標識、金標識または銀標識を含む、項目184に記載の方法。
(項目186)
前記可視化するステップが、
第1の捕捉剤:標的複合体を、該第1の捕捉剤に結合する第1の標識された二次抗体と接触させるステップと、
第2の捕捉剤:標的複合体を、該第2の捕捉剤に結合する第2の標識された二次抗体と接触させるステップと、
該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体を検出するステップであって、該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体がそれぞれ別個の標識を含む、ステップと
を含む、項目184または185に記載の方法。
(項目187)
前記少なくとも1種の細胞内標的を定量するステップをさらに含む、項目184から186のいずれか一項に記載の方法。
(項目188)
前記定量するステップが、前記標識された二次抗体の強度および/または密度を測定するステップを含む、項目187に記載の方法。
(項目189)
前記細胞内標的が、リンタンパク質である、項目187または188に記載の方法。
(項目190)
単一細胞の1種または複数種の細胞内標的のマルチプレックス解析のための方法であって、
基材の複数のチャンバーの各チャンバー内で、細胞溶解を引き起こして細胞溶解物を生成するのに十分な条件下で、生体試料および項目79から157のいずれか一項に記載の組成物を接触させるステップであって、該複数のチャンバーの各チャンバーが、該生体試料の単一細胞を含み、該生体試料が、複数の細胞および流体を含み、該複数のチャンバーの各チャンバー内で、該生体試料が、ビーズと流体連絡しており、該ビーズが、少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合して、捕捉剤:標的複合体を生成するための複数の捕捉剤を含む、ステップと、
該複数の捕捉剤の少なくとも1つの捕捉剤を少なくとも1種の細胞内標的に特異的に結合させて捕捉剤:標的複合体を生成させるのに十分な時間、該複数のチャンバーの各チャンバー内で該細胞溶解物をインキュベートするステップと、
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、または該少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップと
を含む方法。
(項目191)
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、該少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む、項目190に記載の方法。
(項目192)
少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を可視化し、または該少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種もしくは複数種の細胞内標的を同定するステップを含む、項目190に記載の方法。
(項目193)
前記少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む、項目190に記載の方法。
(項目194)
前記少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体の標的を配列決定して、マルチプレックス解析において単一細胞の1種または複数種の細胞内標的を同定するステップを含む、項目190または192に記載の方法。
(項目195)
前記ビーズ組成物が、ビーズおよびバーコードをコードする核酸配列を含み、該バーコードが、バーコードをコードする配列およびバーコードハンドルをコードする配列を含み、前記方法が、cDNAバーコード配列を合成することにより、該バーコードを配列決定するステップを含む、項目190に記載の方法。
(項目196)
前記バーコードを合成するステップが、ハイブリダイゼーションおよびcDNA合成に十分な条件下で、前記バーコードハンドルをコードする前記配列、該バーコードハンドルをコードする該配列の部分に相補的な配列を含むプライマー、およびポリメラーゼを接触させるステップを含み、該接触させるステップが、cDNAバーコード配列を生成する、項目195に記載の方法。
(項目197)
前記配列決定するステップが、前記チャンバー内で実行される、項目195または196に記載の方法。
(項目198)
前記バーコードをコードする前記核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列のうち1つまたは複数をさらに含む、項目195から197のいずれか一項に記載の方法。
(項目199)
前記バーコードをコードする核酸配列が、PCRハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をさらに含む、項目195から197のいずれか一項に記載の方法。
(項目200)
前記バーコードをコードする核酸配列が、5’から3’へと、PCRハンドルをコードする配列、バーコードをコードする配列、バーコードハンドルをコードする配列、固有分子識別子(UMI)をコードする配列、鋳型スイッチングオリゴヌクレオチド(TSO)ハンドルをコードする配列、およびTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列を含む、項目195から197のいずれか一項に記載の方法。
(項目201)
TSOハイブリダイゼーション部位をコードする前記配列が、ポリグアニン(ポリG)配列を含む、項目195から200のいずれか一項に記載の方法。
(項目202)
TSOハイブリダイゼーション部位をコードする前記配列が、ポリグアニン(ポリG)配列からなる、項目195から200のいずれか一項に記載の方法。
(項目203)
ビーズ組成物の各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目195から200のいずれか一項に記載の方法。
(項目204)
各チャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目195から200のいずれか一項に記載の方法。
(項目205)
前記複数のチャンバーの各ビーズが、固有のバーコードを含む、項目195から200のいずれか一項に記載の方法。
(項目206)
前記バーコードをコードする前記配列が、12ヌクレオチドを含む、項目195から205のいずれか一項に記載の方法。
(項目207)
前記バーコードをコードする前記配列が、12ヌクレオチドからなる、項目195から205のいずれか一項に記載の方法。
(項目208)
ハイブリダイゼーションおよびcDNA合成に十分な前記条件が、複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)を含む、項目195から207のいずれか一項に記載の方法。
(項目209)
前記複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)の少なくとも1つのdNTPが、修飾を含む、項目208のいずれか一項に記載の方法。
(項目210)
前記複数のデオキシヌクレオチド(dNTP)の各dNTPが、修飾を含む、項目208のいずれか一項に記載の方法。
(項目211)
前記修飾が、標識を含む、項目210に記載の方法。
(項目212)
前記標識が、フルオロフォアまたは発色団を含む、項目211に記載の方法。
(項目213)
前記標識が、蛍光標識である、項目211に記載の方法。
(項目214)
各アデニンが第1の標識を含み、各シトシンが第2の標識を含み、各グアニンが第3の標識を含み、各チミンが第4の標識を含む、項目210から213のいずれか一項に記載の方法。
(項目215)
前記第1の標識、前記第2の標識、前記第3の標識および前記第4の標識が、別個の標識である、項目214に記載の方法。
(項目216)
前記第1の標識、前記第2の標識、前記第3の標識および前記第4の標識が、スペクトルにより識別可能な蛍光標識である、項目215に記載の方法。
(項目217)
項目195から217のいずれか一項に記載の方法に従って生成されるcDNAバーコード配列。
(項目218)
項目217に記載のcDNAバーコード配列を含む組成物。
(項目219)
前記ビーズの前記バーコードをコードする前記核酸の部分へとTSOをハイブリダイゼーションして、核酸/TSO二重鎖を生成するのに十分な条件下で、該バーコードをコードする該核酸配列および該TSOを接触させるステップをさらに含む、項目195から218のいずれか一項に記載の方法。
(項目220)
前記TSOが、前記UMIをコードする配列に相補的な配列、前記TSOハンドルをコードする配列に相補的な配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列をコードする配列に相補的な配列、および細胞内標的RNAに相補的な配列を含む、項目219に記載の方法。
(項目221)
前記細胞内標的RNAが、mRNAである、項目220に記載の方法。
(項目222)
前記TSOのTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列に相補的な配列が、前記バーコードをコードする前記核酸のTSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列にハイブリダイズする、項目219から221のいずれか一項に記載の方法。
(項目223)
TSOが、細胞内標的RNAとハイブリダイズして、核酸:TSO:細胞内標的RNA三重鎖を形成する、項目219から222のいずれか一項に記載の方法。
(項目224)
ハイブリダイゼーションおよび増幅に十分な条件下で、前記核酸:TSO:細胞内標的RNA三重鎖、フォワードプライマー、リバースプライマーおよびポリメラーゼを接触させて、増幅産物を生成するステップをさらに含み、該フォワードプライマーが、前記バーコードをコードする前記核酸の前記PCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、該第2のプライマーが、該細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む、項目223に記載の方法。
(項目225)
前記増幅産物が、前記バーコードをコードする配列、前記バーコードハンドルをコードする配列、UMIをコードする配列、前記TSOハンドルをコードする配列、TSOハイブリダイゼーション部位をコードする配列、および前記細胞内標的RNAをコードする配列を含む、項目224に記載の方法。
(項目226)
ハイブリダイゼーションおよび増幅に十分な条件下で、前記増幅産物を、第2のフォワードプライマー、第2のリバースプライマーおよびポリメラーゼと接触させて、第1の配列決定産物を生成するステップをさらに含み、該第2のフォワードプライマーが、該増幅産物の前記PCRハンドルをコードする配列に相補的な配列を含み、該第2のリバースプライマーが、該増幅産物の前記細胞内標的RNAの配列に相補的な配列を含む、項目224または225に記載の方法。
(項目227)
前記第2のリバースプライマーが、プライマー特異的識別配列をさらに含む、項目226に記載の方法。
(項目228)
前記細胞内標的RNAが、T細胞受容体(TCR)の構成成分をコードする、項目220から228のいずれか一項に記載の方法。
(項目229)
前記細胞内標的RNAが、TCRのα鎖(TCRα)をコードする、項目228に記載の方法。
(項目230)
前記細胞内標的RNAが、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする、項目228に記載の方法。
(項目231)
前記細胞内標的RNAが、天然に存在しないRNAまたはmRNAをコードする、項目220から230のいずれか一項に記載の方法。
(項目232)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、合成配列、修飾配列、組換え配列またはキメラ配列を含む、項目231に記載の方法。
(項目233)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、該配列の野生型バージョンと比較して変異を含む、項目231または232に記載の方法。
(項目234)
前記変異が、置換、挿入、欠失、逆位または転位を含む、項目233に記載の方法。
(項目235)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、TCRの構成成分をコードする、項目231から234のいずれか一項に記載の方法。
(項目236)
前記細胞内標的RNAが、TCRのα鎖(TCRα)をコードする、項目235に記載の方法。
(項目237)
前記細胞内標的RNAが、TCRのβ鎖(TCRβ)をコードする、項目235に記載の方法。
(項目238)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、融合タンパク質をコードする、項目231から237のいずれか一項に記載の方法。
(項目239)
前記天然に存在しないRNAまたはmRNAが、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする、項目231から234または238のいずれか一項に記載の方法。
(項目240)
前記CARが、修飾された細胞から放出される、項目239に記載の方法。
(項目241)
前記修飾された細胞が、修飾されたT細胞である、項目240に記載の方法。
(項目242)
前記可視化するステップが、
前記少なくとも1種の捕捉剤:標的複合体を、該捕捉剤に結合する標識された二次抗体と接触させるステップと、
前記標識された二次抗体を検出するステップと
を含む、項目158または159に記載の方法。
(項目243)
前記標識された二次抗体が、蛍光標識、金標識または銀標識を含む、項目242に記載の方法。
(項目244)
前記可視化するステップが、
第1の捕捉剤:標的複合体を、該第1の捕捉剤に結合する第1の標識された二次抗体と接触させるステップと、
第2の捕捉剤:標的複合体を、該第2の捕捉剤に結合する第2の標識された二次抗体と接触させるステップと、
該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体を検出するステップであって、該第1の標識された二次抗体および該第2の標識された二次抗体がそれぞれ別個の標識を含む、ステップと
を含む、項目242または243に記載の方法。
(項目245)
前記少なくとも1種の細胞内標的を定量するステップをさらに含む、項目158から244のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
前記定量するステップが、前記標識された二次抗体の強度および/または密度を測定するステップを含む、項目245に記載の方法。
(項目247)
前記定量するステップが、所定のラウンド数の増幅後に、転写物の存在量を測定するステップを含む、項目245に記載の方法。
(項目248)
前記増幅が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応を含む、項目247に記載の方法。
【0100】
本特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1枚の図面を含有する。カラー図面(複数可)入りの本特許または特許出願公開のコピーは、依頼して必要な料金を支払えば、当局から入手できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1図1Aは、組成物の基材をコーティングし、基材のチャンバー内で単一細胞を溶解するプロセスの模式的描写である。プロセスは、1)表面官能化のためにマイクロチャンバーを調製することによって始まる。2)APTES、次いでグルタルアルデヒドが、チャンバーにコーティングされて、コーティングをPDMSマイクロチャンバーに連結する。3)溶解組成物および/またはシグナリング剤がロードされたPVA溶液が調製されて、マイクロチャンバーにロードされる。4)スピンコーティングにより、PVAフィルムが、PDMSチャンバーに溶解組成物および/またはシグナリング剤を固定化する。5)細胞懸濁液が、タンパク質捕捉のために取り付けられた複数の捕捉剤を含む表面にロードされる。
【0102】
図1Bは、マイクロチャンバー上のコーティング組成物を可視化するためにフルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含むコーティング組成物を含む本開示の基材を描写する写真である。マイクロチャンバー上のPVAコートを示す断面像を撮影した。
【0103】
図1Cは、T=0およびT=30分目(この時点で、ほぼ全ての細胞が完全に溶解)におけるマイクロチャンバー内の細胞溶解を十分に図解するために、細胞をオーバーロードされた本開示の基材のマイクロチャンバーを描写する写真である。
【0104】
図1Dは、時間経過による全溶解最適化を描写するグラフである。30分後の70%溶解を示す最適溶解(最も上の線、橙色)を選択した。
【0105】
図2図2は、EGFRシグナリング経路の試験のために開発された14-plex抗体パネルの構成成分が関与する、シグナリング経路の模式的描写である。本開示の組成物によって使用される高度にマルチプレックスなパネルは、複数のシグナル伝達経路に沿った鍵となる細胞内タンパク質をモニターする。非遺伝的(適応性)機構によるシグナリング剤(薬)有効性および抵抗性は、数日以内に検出することができ、例えば、グリオブラストーマ(GBM)患者における併用療法戦略の設計に関する臨床的に実施可能な洞察を可能にする。提示されているパネルは、より多くの抗体を空間的に(本開示の組成物の捕捉剤の反復パターンの反復1回につき、より多くの抗体)およびスペクトル的に(より広い範囲の標識二次抗体またはより高感度の検出方法)加えることにより拡大することができる。
【0106】
図3図3は、PDMS/PVA結合化学および本開示のAPTES/GAリンカーの調製を描写する模式図である。1)0.1%Triton X-100 PDMSマイクロチャンバーは、酸素プラズマ処置前にメタノールで浄化される。酸素プラズマは、主に、APTES官能化に要求されるシラノール基(SiOH)である、極性官能基を導入するために、PDMS表面を修飾するために使用される。2)次に、チャンバーは、アセトン中の1%APTESで10分間コーティングされ、PDMS表面をシラン処理し、グルタルアルデヒド結合のためにアミン基をもたらす。試料を80℃で30分間ベーキングして、縮合およびシロキサン結合形成を促進した。3)APTES修飾PDMSは、PVA結合に要求されるアルデヒド基の生成のために1%グルタルアルデヒド溶液でコーティングされる。4)グルタルアルデヒド官能化表面は、PVAコートおよびPDMSの間の共有結合を可能にする。
【0107】
図4図4は、放出制御化学および本開示の方法に従った単一細胞溶解のための調製の例を描写する模式図である。4)コーティング溶液(PVA、Triton X-100、HClおよび遊離グルタルアルデヒド)は、グルタルアルデヒド官能化表面にピペッティングして加えられ、PDMS表面におけるPVAハイドロゲル形成を開始する。5)液体は、スピンコーティングにより除去され、PDMSの表面にわたって薄いPVAフィルムを残す。このように架橋されたPVAフィルムは、tritonをフィルムと固定化するPDMS表面に共有結合される。6)細胞は、コーティングされたPDMSチャンバー内にロードされ、捕捉剤(この例では、抗体)の反復パターンを含む表面により封入される。細胞懸濁液中の液体はハイドロゲルへと拡散し、これを拡大させ、Triton X-100をマイクロチャンバー内にゆっくり放出し、30分以内に細胞を溶解する。
【0108】
図5図5Aは、本開示のコーティング組成物による制御された溶解組成物および/またはシグナリング剤放出によって生成される単一細胞溶解後の総タンパク質捕捉を実証する散布図である。各細胞からのタンパク質強度を利用して、タンパク質対タンパク質の相関を誘発して、シグナル協調を決定することができる。
【0109】
図5Bは、二次経路の活性化を検出することにより、阻害剤を標的とするために適応性抵抗性が評価され得る仕方を実証するグラフである。このデータは、例えば、グリオブラストーマにおける標的療法のための薬物組合せの選択および最適化に使用することができる。
【0110】
図6図6A図6Cは、U87グリオブラストーマ腫瘍細胞を含む本開示の組成物を使用した、解析の試料間の一貫性を実証する一連のグラフである。パネルAは、総タンパク質捕捉に関する21%のアッセイ間変動係数(CV)を示し、これは、単一細胞デバイスに関する現在の薬局方基準を満たす(CV<25~30%)。パネルBは、全タンパク質および全試料の間の、>75%の精度によるタンパク質-タンパク質相関の一貫した解析を示す。パネルCは、無刺激、EGFおよびEGF/エルロチニブ処置U87細胞の一貫したかつ差次的な解析を示す。
【0111】
図7図7は、本開示のコーティング組成物の開発を描写する一連の模式図である。PDMSに基づく基材からの親水性架橋組成物(例えば、PVA)の分離は、制御された溶解組成物および/またはシグナリング剤放出に望ましいが、コーティング組成物または意図される細胞組成物が水性である(水を含有する)場合、リンカー組成物(この例では、APTES)の官能化構成成分を含むリンカー組成物は、加水分解に抵抗するように最適化することができる。APTESは、この例では、適切な封着をもたらすが、本開示は、このような条件下では加水分解を起こさないリンカー組成物の官能化構成成分を含むリンカー組成物を提供する。
【0112】
図8図8は、本開示のコーティング組成物の開発を描写する一連の模式図である。水の存在下での加水分解に抵抗するためのリンカー組成物の官能化構成成分を含むリンカー組成物の最適化に加えて、この一連の図表は、より長い期間にわたりリンカー組成物の安定性を増加させるための代替方法を示す。示されている代替方法として、PDMS基材からの低分子量(LMW)種の除去、LMW種の拡散を最小化し、より均一なコーティングを生成するための官能化構成成分(この例では、APTES)の分子間の結合の導入、架橋組成物およびPDMS基材の間の反発を低下させるためのPDMS基材への表面活性物質の添加、ならびに微量の水による官能化構成成分の分解(この例では、APTESの加水分解)を最小化または防止するための乾燥剤を入れた真空下でのコーティング組成物を含む基材の貯蔵が挙げられるがこれらに限定されない。
【0113】
図9図9は、コーティング組成物を基材に適用するために凍結および超音波処理の組合せを使用する基材と、Triton-X-100ロードPVAを含むコーティング組成物を含む基材との間のシグナル協調を比較する一対の模式図である。図表に示す通り、Triton-X-100ロードPVAを含むコーティング組成物を含む基材を使用したシグナル協調(放出制御方法)は、代替よりも優れている。
【0114】
図10図10は、放出制御方法を使用した平均タンパク質捕捉のアッセイ間可変性に関するデータを提示する表である。データによって示される通り、アッセイ間可変性は低く、平均可変性は21%である。
【0115】
図11図11は、溶解組成物の最適化を描写する写真およびグラフである。左パネルは、細胞溶解の目視による確認のために2時間の期間にわたって撮影されたタイムラプス写真の静止画像である。右パネルは、グルタルアルデヒドでプレコーティングされたPDMS基材に適用された、3%PVA、0.2%Triton-X-100、0.2%グルタルアルデヒドおよび10%HClを含むコーティング組成物に関するこのデータの定量的解析を示すグラフである。PDMS基材における最も上の線(0.1%グルタルアルデヒドコート)は、(0.1%GAコート、次に下の線、青色;0.25%GAコート、2つ下の線、紫色;および1.0%GAコート、最も下の線、赤色)よりも性能が良かった。グルタルアルデヒドの全濃度が、細胞溶解を誘導したが、PDMS基材における0.1%グルタルアルデヒドプレコートが、最も性能が良かった。
【0116】
図12図12は、基材プレコーティングおよびグルタルアルデヒドでプレコーティングされたPDMS基材のためのコーティング組成物、ならびにTriton-X-100を含む溶解組成物およびPVAを含む架橋組成物を含むコーティング組成物の最適化を要約する表である。
【0117】
図13図13は、本開示の例示的な組成物を描写する模式図である。
【0118】
図14図14は、本開示のコーティング組成物の調製のための例示的なプロセスを描写する一連の模式図である。ステップ1において、溶解組成物および架橋組成物が組み合わされて、複数のマイクロビーズを形成する。この特定の例では、架橋組成物は、PVAを含む。ステップ2において、コーティング組成物および細胞懸濁液(解離された単一細胞を含む)が組み合わされる。単一細胞および複数のマイクロビーズを含むステップ2の組成物のアリコートは、基材の少なくとも1個のチャンバー内に導入される(好ましくは、このステップは、各チャンバーが単一細胞および複数のマイクロビーズを含有するまで反復される)。ステップ2の組成物が、基材のチャンバーの間に分布されたら、基材に放出可能にカップリングする表面が基材に接触される。ステップ3において、マイクロビーズは、チャンバー内に制御された様式で溶解組成物を放出し、同じチャンバーにおける単一細胞の溶解を開始する。ステップ4において、マイクロビーズは、溶解組成物の大部分を放出しており、細胞溶解は完全である。チャンバーにおける単一細胞の細胞内構成成分は、周囲の液体へと放出され、そこで、このような構成成分は、表面の捕捉剤に遭遇し、これに特異的に結合する。
【0119】
図15A-F】図15A図15Lは、単一ビーズ単一細胞捕捉のための配列決定プロトコールを描写する一連の模式的図面である。A.UV架橋可能なPVAは、マイクロチャンバー表面にスピンコーティングされる。B.ネガティブフォトマスクを使用して、PVAは架橋され、UV光に曝露されない10μMバンドを除いて、マイクロチャンバー表面にPVAハイドロゲルを形成する。C.曝露されたPDMSは、抗体固定化のためにアミン基/グルタルアルデヒドにより官能化される。D.アクリルアミド-ストレプトアビジンは、表面にスピンコーティングされ、E.ポジティブフォトマスクを利用してバンドに固定化される。F.ビオチン化seq-ウェルビーズは、ストレプトアビジン官能化表面に結合される。最終消耗品は、マイクロチャンバー当たり1個のビーズおよび1個の細胞からなる。G.ハイドロゲルコーティングされたPDMSマイクロチャンバーは、3%SDSに1時間浸漬される。この時間内に、溶解剤のSDSは、ハイドロゲルによって吸収される。インキュベーション後に、マイクロチャンバーは、dHOでリンスされ、次いで圧縮空気で乾燥される。H.細胞は、RNAse阻害剤溶液において適切な濃度で再懸濁され、マイクロチャンバーPDMSの表面にピペッティングして加えられる。細胞は、過剰な細胞が洗い流される前に捕捉抗体に結合させる。I.細胞がロードされたら、マイクロチャンバーは、抗体スライドグラスの添加により封着され、SDSは、ハイドロゲルからゆっくり放出される。J.溶解後に、mRNA転写物は、捕捉ビーズ上のオリゴのポリT領域にハイブリダイズする。K.インキュベーション後に、マイクロチャンバーPDMSは開封され、マイクロチャンバーからビーズが洗い流される。ビーズは、flaconチューブ内に収集され、さらに加工する前に洗浄される。L.鋳型スイッチングPCRによりビーズからcDNAライブラリーが生成される。次に、cDNAライブラリーは増幅され、NGSのために指標をつけられる。
図15G-L】図15A図15Lは、単一ビーズ単一細胞捕捉のための配列決定プロトコールを描写する一連の模式的図面である。A.UV架橋可能なPVAは、マイクロチャンバー表面にスピンコーティングされる。B.ネガティブフォトマスクを使用して、PVAは架橋され、UV光に曝露されない10μMバンドを除いて、マイクロチャンバー表面にPVAハイドロゲルを形成する。C.曝露されたPDMSは、抗体固定化のためにアミン基/グルタルアルデヒドにより官能化される。D.アクリルアミド-ストレプトアビジンは、表面にスピンコーティングされ、E.ポジティブフォトマスクを利用してバンドに固定化される。F.ビオチン化seq-ウェルビーズは、ストレプトアビジン官能化表面に結合される。最終消耗品は、マイクロチャンバー当たり1個のビーズおよび1個の細胞からなる。G.ハイドロゲルコーティングされたPDMSマイクロチャンバーは、3%SDSに1時間浸漬される。この時間内に、溶解剤のSDSは、ハイドロゲルによって吸収される。インキュベーション後に、マイクロチャンバーは、dHOでリンスされ、次いで圧縮空気で乾燥される。H.細胞は、RNAse阻害剤溶液において適切な濃度で再懸濁され、マイクロチャンバーPDMSの表面にピペッティングして加えられる。細胞は、過剰な細胞が洗い流される前に捕捉抗体に結合させる。I.細胞がロードされたら、マイクロチャンバーは、抗体スライドグラスの添加により封着され、SDSは、ハイドロゲルからゆっくり放出される。J.溶解後に、mRNA転写物は、捕捉ビーズ上のオリゴのポリT領域にハイブリダイズする。K.インキュベーション後に、マイクロチャンバーPDMSは開封され、マイクロチャンバーからビーズが洗い流される。ビーズは、flaconチューブ内に収集され、さらに加工する前に洗浄される。L.鋳型スイッチングPCRによりビーズからcDNAライブラリーが生成される。次に、cDNAライブラリーは増幅され、NGSのために指標をつけられる。
【0120】
図16図16A図16Eは、単一細胞捕捉を描写する一連の模式的図面である。A.PLL-g-ビオチンは、ECD/NHSによるPDMS処置後に、マイクロチャンバー表面にスピンコーティングされる。B.ネガティブフォトマスクを使用して、PLL-g-PEG-ビオチンは、UV光に曝露されない10μMバンドを除いて、PDMS表面から除去される。C.ビオチン化領域は、ニュートラアビジン/プロテインG-ビオチンを介して細胞捕捉抗体で官能化される。D.細胞懸濁液が、PDMS表面にピペッティングして加えられ、単一細胞が、各マイクロチャンバーにおける抗体バンドによって捕捉され、過剰な細胞はリンスされて、マイクロチャンバーから除去される。E.マイクロチャンバーは、抗体スライドにより封着され、16時間インキュベートされて、分泌されたサイトカインを捕捉する。
【0121】
図17図17A図17Fは、分子ふるいウェルによる単一ビーズ単一細胞捕捉のための配列決定プロトコールを描写する一連の模式的図面である。A.UV架橋可能なPVAは、マイクロチャンバー表面にスピンコーティングされる。B.ネガティブフォトマスクを使用して、PVAが架橋されて、UV光に曝露されない10μMバンドを除いて、マイクロチャンバー表面にPVAハイドロゲルを形成する。C.曝露されたPDMSは、抗体固定化のためにアミン基/グルタルアルデヒドにより官能化される。D.Seq-ウェルビーズがマイクロチャンバーに添加され、分子ふるいウェル内にトラップされるようになり、過剰なビーズがリンスされて除去される。E.細胞懸濁液が、PDMS表面にピペッティングして加えられ、各マイクロチャンバー内の細胞トラップにおいて単一細胞が捕捉され、過剰な細胞がリンスされて除去される。F.マイクロチャンバーが、抗体スライドにより封着され、細胞が溶解されて、mRNAを放出する。mRNA転写物は、3時間後にDrop-Seqビーズにハイブリダイズされる。スライドが、PDMSから除去され、ビーズが、オフチップ配列決定のために除去される。
【0122】
図18図18A図18Eは、フォトリソグラフィー発展および抗体固定化化学を描写する一連の写真である。A.ポジティブマスクフォトリソグラフィー:PDMSマイクロチャンバーは、PLL-g-PEGでコーティングされる。接触フォトリソグラフィーを利用して、PLL-g-PEGは、UVリソグラフィーによって分解され、FITC-BSAによって可視化されるチャンバー内の別々のバンドを残す。B.ネガティブマスクフォトリソグラフィー。PDMSマイクロチャンバーは、PLL-g-PEG-ビオチンでコーティングされる。接触フォトリソグラフィーを利用して、PLL-g-PEG-ビオチンは、UVリソグラフィーによって分解され、ストレプトアビジン-Alexa Fluor647によって可視化されるチャンバー内の別々のビオチンバンドを残す。C.選択的抗体沈着。CD8抗体バンドは、PDMS表面マイクロチャンバーへの沈着に成功した(抗fab Alexa Fluor 647により検証)。D.結合化学。非UV曝露(左)およびUV曝露領域(右)における選択的CD8a抗体沈着。E.ブリリアントバイオレット膜染色で染色され、抗CD8a抗体バンドによってトラップされた単一のCD8+T細胞の5×顕微鏡像。
【0123】
図19図19A図19Cは、単一細胞溶解および表面官能化のために最適化された光架橋可能なポリマー(SbQ-PVA)の検証を描写する一連の写真である。A.薄いPVAハイドロゲルコートは、PDMSマイクロチャンバーの表面にUV架橋し、溶解バッファーをロードした。細胞は、ブリリアントバイオレット細胞染色で染色し、マイクロチャンバーPDMSにロードした。5×タイムラプス像を撮影し、10分後に完全細胞溶解が達成されたことを実証した。B.同時タンパク質および配列決定捕捉組成物プロトコールによりハイドロゲルコーティングされたマイクロチャンバーを検査し、細胞内リンタンパク質の捕捉成功を可能にした。C.UV硬化性ハイドロゲルは、ネガティブフォトマスクを利用することにより、領域特異的抗体沈着を可能にした。曝露されたPDMS領域(ハイドロゲルで覆われていない)は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)/グルタルアルデヒドPDMS表面修飾によって結合された抗(anit)CD8a抗体により官能化した。
【0124】
図20図20は、200~1000bpの間の断片の大部分によるcDNAライブラリースメアを示すbioanalyzerデータのグラフである。データは、i)溶解された細胞由来のRNAをチップ上のビーズに結合させ、ii)チップからビーズを有効に回収し、iii)配列決定のための単一細胞cDNAライブラリーを有効に生成する様式で回収されたビーズを加工する、本開示の組成物および方法の能力を実証する。
【0125】
図21図21は、本開示の例示的なプロテオミクス/トランスクリプトーム消耗品デバイスを描写する一連の模式図である。本実施形態では、ビーズは、各マイクロチャンバーの端に、サイズ特異的ウェル内に捕捉され、チャンバー当たり1個のみのオリゴ-dTビーズを可能にする。表面は、単一細胞溶解のための制御された溶解バッファー放出のためにハイドロゲルでコーティングされる。単一細胞トラップは、ビーズのより近くに細胞捕捉が位置するように取り込むこともできる。
【0126】
図22図22A図22Bは、消耗品調製(A)および消耗品使用(B)のための例示的な完全配列決定プロトコールを描写する一対の模式図である。要約すると、オリゴ-dTビーズは、PDMSマイクロチャンバー上に捕捉および固定化される。ビーズバーコードは、マイクロチャンバー(単一細胞およびタンパク質捕捉のため)をオリゴ-dTビーズ(mRNA捕捉および下流配列決定のため)と連結する蛍光顕微鏡によりチップ上で同定される。マイクロチャンバーは、単一細胞溶解を可能にする薬物ロードハイドロゲルでコーティングされる。全般的なワークフローに関して、細胞は、配列決定消耗品上にロードされ、マイクロチャンバー内に封着され、バーコードがビーズを同定する。細胞が溶解され、mRNAおよびタンパク質が捕捉される。消耗品が開封され、そこで、オフチップ配列決定のためにビーズが抽出され、標準ELISAプロトコールを使用してタンパク質データが解析される。トランスクリプトーム情報およびデータ点の両方のために、また、その上、個々の細胞由来のDNA、RNAおよびプロテオームの同時解析のためのプロテオミクス情報およびデータ点のために、最終データトランスクリプトームおよびプロテオミクスデータは、単一細胞データを瓶分けすることができる解析プログラムと連結される。
【0127】
図23図23は、オンチップ配列決定プロセスの例示的な実施形態を描写する一連の模式図である。配列ハンドルが、オリゴ-dTビーズに添加されて、細胞バーコード同定を可能にする。ビーズが、マイクロチャンバー内にロードされる。細胞バーコードは、ビーズ細胞バーコードを特異的チャンバーに連結する蛍光標識によりオンチップで配列決定される。
【0128】
図24図24は、ビーズ同定のプロセスにおける使用のための一連の例示的な原画像である。AF568およびAF647標識タグが流動されて、細胞バーコード配列のTおよびGヌクレオチドを同定する。
【0129】
図25図25は、ビーズ化学およびmRNA捕捉の例示的な実施形態を描写する一連の模式図である。細胞バーコードは、オンチップビーズ同定のために配列決定ハンドルから配列決定される。プライマーおよび蛍光標識は、オリゴ-dTビーズから除去される。cDNAは、ウェル内でmRNAから合成され、ビーズ上で鋳型スイッチングオリゴを使用して捕捉される。
【0130】
図26図26は、TCR特異的増幅の例示的な実施形態を描写する一連の模式図である。オリゴ-dTビーズによって捕捉されたcDNAは、TCR特異的プライマーを使用して選択的に増幅される。最終ライブラリーは、配列決定のためにMiSeqに送られる。
【0131】
図27図27は、増幅されたcDNA由来のタグ計数の例示的な実施形態を描写する一連の模式図である。全長cDNAは、タグ計数のために増幅される。最終ライブラリーは、HiSeq、NovaSeqまたはMiSeqを使用して配列決定される。
【発明を実施するための形態】
【0132】
詳細な説明
本開示は、複数の数千個の細胞のそれぞれの数百種の細胞内構成成分を並行して同時に解析することができるハイスループット形式での、単一細胞内の細胞内タンパク質相互作用およびシグナリングのマルチプレックス解析のための組成物および方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、細胞との接触後に、細胞の膜を破壊し、細胞の細胞内構成成分を捕捉剤の反復パターンの単回反復に曝露する、溶解組成物の放出制御のための組成物を提供する。本開示の捕捉剤は、細胞の少なくとも1種の細胞内構成成分に特異的に結合して、少なくとも1種の複合体を形成する。少なくとも1種の複合体(捕捉剤および細胞内構成成分を含む)の可視化は、細胞内のタンパク質発現、タンパク質調節、タンパク質-タンパク質相互作用、タンパク質活性化および/またはタンパク質シグナリング事象を指し示すまたは実証することができる。
【0133】
細胞内構成成分およびその相互作用
シグナル伝達阻害剤は、がん患者に臨床利益を提供することができるが、癌遺伝子から発出するシグナルフラックスは多くの場合、複数の経路を経て分布し、これは潜在的に、かかる阻害剤の大部分の失敗の根底にある。例えば、本開示の組成物および方法を使用したシグナル伝達阻害剤に応答した、複数経路を経たシグナルフラックスの測定は、治療抵抗性に寄与し、個々の経路単体での解析によって予測することができない、ネットワーク相互作用を明らかにする。この図解的な例は、発癌性経路を説明するが、同じ原則が、本開示の疾患または障害の発症をもたらすほぼ全ての細胞過程に適用する。細胞の成果は、単一のシグナリング経路の結果であることはめったになく、寧ろ、複数経路間の相互作用である。
【0134】
本開示の組成物および方法は、単一細胞内の細胞内構成成分およびシグナリング事象を同定するための高度にマルチプレックス化された反応を使用する一方で、同時に、同一条件下で数千個の単一細胞において同じ解析を実行することにより、例えば、固形腫瘍微小環境を含むin vivo微小環境の細胞および分子の複雑性を順応させるように設計されている。よって、本開示の組成物および方法は、細胞内およびin vivo微小環境の複雑性を再現する詳細な解析の両方を提供する一方で、有意な結論を出すために単一の実験内での十分な検定力を提供する。
【0135】
放出制御
本開示のコーティング組成物は、制御された溶解組成物および/またはシグナリング剤放出技術を取り込む。チャンバーは、溶解組成物を含み、任意選択で架橋組成物を含む、コーティング組成物を含む。チャンバーは、溶解組成物、シグナリング剤を含み、任意選択で少なくとも1種の架橋組成物を含む、コーティング組成物を含む。本開示の組成物のある特定の実施形態では、架橋組成物は、PVA(ポリ(ビニルアルコール)等の生体適合性ポリマーを含む。例えば、PVA等の生体適合性ポリマーは、溶解組成物(例えば、Triton X-100を含む組成物)をロードすることができる。組成物のチャンバーへの所望の細胞組成物(好ましくは、細胞懸濁液)の導入後に、架橋剤(例えば、PVA)は、細胞組成物の流体に接触し、制御された様式でチャンバーへと溶解組成物を放出するように拡大する(図2Bを参照)。
【0136】
架橋組成物は、定義された期間にわたり、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。例えば、架橋組成物は、少なくとも1秒間、2秒間、3秒間、4秒間、5秒間、6秒間、7秒間、8秒間、9秒間、10秒間、15秒間、20秒間、25秒間、30秒間、35秒間、40秒間、45秒間、50秒間、55秒間、60秒間またはその間のいずれかの秒数の期間にわたる、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。架橋組成物は、少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間またはその間のいずれかの分の数の期間にわたる、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。架橋組成物は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間またはその間のいずれかの時間増分の期間にわたる、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。
【0137】
架橋組成物は、架橋組成物の1種または複数種の構成成分の同一性(identify)および/または濃度を変動させることにより、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。例えば、架橋組成物および/または生体適合性ポリマーは、いかなるモノマー単位を含むこともでき、いかなる数のモノマー(いかなる分子量のポリマー)を含むこともできる。架橋組成物および/または生体適合性ポリマーは、いかなる濃度のポリマー分子を含むこともできる。架橋組成物および/または生体適合性ポリマーは、変動する程度(digress)で架橋して、それぞれ架橋組成物からの溶解組成物のエスケープを増加または減少し得る緩いマトリックスまたは密なマトリックスのいずれかを形成することができる。
【0138】
架橋組成物は、溶解組成物の放出の機構を変動させることにより、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。例えば、架橋組成物および/または生体適合性ポリマーは、細胞組成物の存在下で分解することができるが、細胞組成物の非存在下では分解しない。この実例では、本開示の架橋組成物が、細胞組成物に接触すると、架橋組成物の制御された分解は、チャンバーへの溶解組成物の放出をもたらす。
【0139】
架橋組成物は、単独で、またはシグナリング剤と組み合わせて、溶解組成物の放出制御のために最適化することができる。例えば、本開示のコーティング組成物は、チャンバー内の細胞のシグナリング経路を活性化、阻害または変更するシグナリング剤を含み得る。本開示の溶解組成物は、チャンバー内の細胞のシグナリング経路を活性化、阻害または変更するシグナリング剤を含み得る。例えば、本開示のコーティング組成物において、溶解組成物は、第1の架橋組成物と組み合わせることができ、シグナリング剤は、第2の架橋組成物と組み合わせることができ、第1および第2の架橋組成物は、同一である、または別個の時間および/または別個の速度での溶解組成物またはシグナリング剤のいずれかの放出のために固有に製剤化される。本開示のコーティング組成物のある特定の実施形態では、溶解組成物は、第1の架橋組成物と組み合わされ、シグナリング剤は、第2の架橋組成物と組み合わされ、第1の架橋組成物は、基材に直接的に接触する底層として基材に添加され、第2の架橋組成物は、基材に直接的に接触しない上層として第1の架橋組成物の上に添加される。細胞懸濁液と接触した後に、コーティング組成物の底層(すなわち、第1の架橋組成物)が、分解または溶解組成物を放出することができるようになる前に、コーティング組成物の上層(すなわち、第2の架橋組成物)は、分解またはシグナリング剤を放出することができる。この層別化されたコーティング組成物の結果は、溶解組成物と細胞との接触が続いて起こる、シグナリング剤と細胞との逐次接触である。可動部または複数チャネルを要求することなく、本開示の組成物を使用して、先ず細胞シグナリングに影響を与え、次いで細胞を溶解して、即時解析のために細胞内構成成分を露出することができる。
【0140】
本開示のシグナリング剤の使用の例として、本開示のコーティング組成物は、チャンバーにおいてT細胞を刺激する抗原(シグナリング剤として)を含み得る。コーティング組成物と細胞組成物との接触後に、架橋組成物は拡大および/または分解して、逐次または同時のいずれかで抗原および溶解組成物を放出して、T細胞を最終的に刺激および溶解することができ、細胞内構成成分およびT細胞の活性化を媒介する抗原受容体下流のシグナリング経路を露出する。
【0141】
ある特定の好まれる実施形態では、本開示のコーティング組成物は、30分以内の完全単一細胞溶解のために最適化されて、使用者が単一細胞チャンバーを撮像するのに十分な時間を可能にし、反復可能でスケーラブルな様式での関連する生物学の捕捉に十分な速さで細胞を溶解させる。溶解組成物の放出制御および30分以内の完全細胞溶解のために最適化されたコーティング組成物を含む本開示の組成物は、例えば、単一細胞当たり90種の別個の細胞内タンパク質の検出のための複数の捕捉剤、および少なくとも2500個の単一細胞を含有するための少なくとも2500個のチャンバー(各チャンバーにおける単一細胞)をさらに含み得る。
【0142】
消耗品組成物
本開示の組成物および方法は、マルチプレックス化された反応のコンピュータまたはロボット制御なしで、卓上で使用することができる。本開示の方法は、単一細胞または定義された数の細胞が、複数のチャンバーの各チャンバーに導入されるように、基材に細胞組成物を導入するステップと、各チャンバー内に存在するコーティング組成物に、溶解組成物を放出させて、細胞を溶解し、各細胞の細胞内構成成分を表面における捕捉剤に曝露するステップとを含む。細胞内構成成分が、捕捉剤と複合体を形成したら、表面を除去し、可視化することができる。細胞内サイン(すなわち、いずれか特定の細胞過程に関与する細胞内構成成分および経路を指し示す、単一細胞内で細胞内構成成分および捕捉剤の間で形成された複合体の総数)の可視化は、例えば、蛍光シグナル検出器を使用して実行することができる。したがって、細胞組成物が、基材のチャンバー内に導入されたら(これは手作業で達成され得る)、本開示の方法は、追加的な他の「可動部」なしで達成することができる。基材から表面を除去して、捕捉剤に結合した細胞内構成成分の複合体を可視化することが可能であるが、このステップは要求されていない。例えば、表面が透明である場合、捕捉剤は、表面を通して可視化することができる。
【0143】
本開示の組成物および方法を使用して、単一細胞の数百種の細胞内構成成分を同時に検出しつつ、数千個の単一細胞においてこのマルチプレックス解析を並行して実行することができる。さらに、数千種の複合体細胞内サインのそれぞれの可視化は、単一の実験において同時に実行することができる。
【0144】
本開示の組成物および方法を購入し、組成物を分解させずに貯蔵し、本開示の方法に従って使用し、廃棄することができる。よって、本開示の組成物は、消耗品組成物である。さらに、本開示の組成物は、マルチプレックス化された反応のためにコンピュータ制御または機械操作を要求しないため、本開示の組成物は、使用者の既存のシステムのいずれかに対する組成物の適応性に関係なく使用することができる。したがって(According)、本開示の消耗品組成物は、既存の技術よりも効果的であるのみならず、操作がはるかに安価でもある。
【0145】
組成物
本開示は、複数のチャンバーおよび複数の捕捉剤を含むアレイを含む、単一細胞由来の複数の化合物のマルチプレックス検出のための組成物を提供する。好まれる捕捉剤は、抗体を含むが、捕捉剤は、本開示の細胞内構成成分に特異的に結合するいかなる検出可能な実体を含むこともできる。検出可能な実体は、例えば、検出可能な標識を含み得る。検出可能な標識として、蛍光標識を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0146】
本開示の組成物は、好ましくは均一な配置の、複数の個々のチャンバーを含む。ある特定の実施形態では、複数の個々のチャンバーの少なくともいくつかは、50μmを超える長さを有し、任意選択で、ナノリットル未満の容量の内容物において単離された単一細胞を含有するように構成され得る。
【0147】
本開示の組成物の表面は、複数の固定化された捕捉剤を含み得、各固定化された捕捉剤は、本開示の複数の標的細胞内構成成分のうち1種に特異的に結合することができる。好ましくは、固定化された捕捉剤は、反復可能パターンで表面に取り付けられ、パターンの各反復は、複数のチャンバーのチャンバーと整列する。
【0148】
本開示の組成物の基材および表面はカップリングされて、複数の封入された界面を形成し、各チャンバーの内容物が、パターン化された複数の捕捉剤の少なくとも1つの反復のどの捕捉剤にも到達可能となるように、各封入された界面は、チャンバーおよび複数の捕捉剤の反復パターンの少なくとも1つの反復を含む。
【0149】
基材のチャンバーは、いかなる形状を呈することもでき、いかなる寸法を有することもできるが、本開示のある特定の実施形態では、基材は、少なくとも1、2、5、10、15、20、25、50、100、150、500、1000、1500、2000個またはその間のいずれかの整数のチャンバーを含む。各チャンバーは、1μm~2000μmの間の深さ/高さ、1μm~2000μmの間の直径、1μm~2000μmの間の幅、および/または1μm~2000μmの間の長さを有することができる。基材の任意の2個のチャンバー間の距離は、1μm~2000μmの間となり得る。
【0150】
ある特定の実施形態では、少なくとも1個のチャンバーは、約1~2mmの長さおよび約5~50μmの深さの寸法を有する、高いアスペクト比の長方形ウェルである。
【0151】
ある特定の実施形態では、各チャンバーは、約10~2000μmの長さ、約10~100μmの幅および約10~100μmの深さを有する長方形である。
【0152】
ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、3~500種の間の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の3~500種の間の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、3種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の3種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、10種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の10種の間の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、50種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の50種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、100種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の100種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、150種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の150種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、200種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の200種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、250種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の250種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、300種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の300種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、350種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の350種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、400種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の400種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、450種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の450種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。ある特定の実施形態では、複数の捕捉剤は、500種の別個の捕捉剤を含み得、それにより、単一細胞の500種の別個の細胞内構成成分の検出を可能にする。
【0153】
ある特定の実施形態では、基材は、1cm当たり約200個のチャンバー~1cm当たり約20,000個のチャンバーの密度を含む。
【0154】
マルチオミクス(Multi-omic)解析および発見プラットフォーム
本開示は、「同時タンパク質および配列決定捕捉」デバイス(または組成物)を使用して、単一のがん細胞に由来するmRNA転写物、トランスクリプトームの構成成分および全ゲノムの構成成分と併せて、細胞内シグナリングタンパク質、細胞内サイトカインタンパク質(例えば、単一のがんおよび免疫細胞に由来する)を捕捉することができる定量的マルチオミクスアッセイを提供する。
【0155】
本開示の同時タンパク質および配列決定捕捉組成物の一部の実施形態では、単一細胞および単一のビーズは、タンパク質のパネルの捕捉および検出のための抗体アレイを含有する、およそ2ナノリットル容量マイクロチャンバー内で単離される。同時タンパク質および配列決定捕捉組成物設計は、個々のトラップされた細胞それぞれの溶解を可能にする。本開示の例示的な同時タンパク質および配列決定捕捉組成物は、試料細胞集団の統計的に代表的な解析のために、チップ当たりおよそ2500個の単一細胞により、有意なパネル(最大90種の異なるリンタンパク質)をプロファイルすることができる。さらなる加工のために、ビーズを切断し、チップから除去することができる。それに代えて、さらなる加工のために、ビーズをオンチップで維持することができる。
【0156】
本開示の同時タンパク質および配列決定捕捉組成物は、並行して進む多くの単一細胞解析により、単一細胞に関する細胞内リンタンパク質およびトランスクリプトームの構成成分の同時検出を可能にする新規マルチオミクスプラットフォームを提供する。本開示のマルチオミクスプラットフォームは、使用者が、個々にこれらの方法のいずれかによる他の仕方では発見できない細胞集団(例えば、がん細胞を含む)におけるシグナルフラックスの新規相関および方法を発見するための手段を提供する(例えば、個々に細胞内リンタンパク質の解析またはトランスクリプトームの構成成分の解析のいずれか)。
【0157】
本明細書に記載されている同時タンパク質および配列決定捕捉組成物を含む本開示の組成物および方法は、制御された薬物放出技術を本開示のマイクロチャンバーへと取り込む。一部の実施形態では、PDMSマイクロチャンバーは、溶解バッファー(SDS)をロードされた生体適合性ポリマー(例えば、ポリ(ビニルアルコール)またはPVA)でコーティングされる。一部の実施形態では、各マイクロチャンバーにおける官能化されたバンドに沈着した細胞捕捉抗体への結合を介して、マイクロチャンバー当たり単一細胞が捕捉される。一部の実施形態では、この官能化されたバンドは、10μmの幅であり、このことは、チャンバー当たり1個のみの細胞の捕捉を可能にする。一部の実施形態では、PDMSマイクロ流体チップ(例えば、本開示の同時タンパク質および配列決定捕捉組成物)は、単一細胞特異的様式での細胞の溶解を容易にする。チップ上またはチップのマイクロチャンバー上もしくはその内のコーティングは、10分間足らずで完全単一細胞溶解を可能にするように最適化することができる。10分間足らずでの完全単一細胞溶解は、使用者が単一細胞マイクロチャンバーを撮像するのに十分な時間を可能にし、反復可能でスケーラブルな様式での関連する生物学の捕捉に十分なスピードで細胞を溶解させる。
【0158】
本開示の各マイクロチャンバーは、例えば、次の2種の方法のうち1種により、マイクロチャンバー当たり1個の配列決定ビーズを捕捉するように設計される:i.各マイクロチャンバーは、ビオチン化オリゴを介して、マイクロチャンバー当たり1個の配列決定ビーズの捕捉のために官能化されたストレプトアビジンバンドを含有する。官能化されたストレプトアビジンバンドのサイズのため(10μM)、チャンバー当たり1個のみのビーズが結合される。ビーズ加工をオフチップで行うことができるように、所望であればビオチン部分を切断することができる。ii.ウェル当たり1個の細胞および1個のビーズが捕捉されるように、各チャンバーは、分子ふるいウェルと併せて、官能化されたバンドに沈着した捕捉抗体を保有する。一部の実施形態では、配列決定ビーズは、サイズが、30~40μmの間に及ぶことができ、したがって、マイクロチャンバーにおける分子ふるいウェルは、50μmまたは約50μmの直径を有し、これにより、ウェル当たり1個のみのビーズが適合することを可能にする。
【0159】
定義
他に規定されていなければ、本開示に関連して使用されている科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意義を有するものとする。さらに、文脈がそれ以外を要求しなければ、単数形の用語は、複数を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含むものとする。一般に、本明細書に記載されている細胞および組織培養、分子生物学ならびにタンパク質およびオリゴまたはポリヌクレオチド化学ならびにハイブリダイゼーションに関連して利用されている命名法、ならびにそれらの技法は、周知の、当技術分野で一般的に使用されているものである。組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成および組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)のために標準技法が使用される。酵素反応および精製技法は、製造業者の明細に従って、または当技術分野で一般的に達成される通りに、または本明細書に記載されている通りに実行される。本発明の実施は、それとは反対のことが特に指し示されない限り、当業者の技能範囲内でウイルス学、免疫学、微生物学、分子生物学および組換えDNA技法の従来方法を用いることになり、それらの多くは、例証目的で後述されている。かかる技法は、文献において十分に説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版、1989年);Maniatisら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(1982年);DNA Cloning: A Practical Approach、I&II巻(D. Glover編);Oligonucleotide Synthesis(N. Gait編、1984年);Nucleic Acid Hybridization(B. HamesおよびS. Higgins編、1985年);Transcription and Translation(B. HamesおよびS. Higgins編、1984年);Animal Cell Culture(R. Freshney編、1986年);Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning(1984年)を参照されたい。
【0160】
次の定義は、本発明の理解において有用である:
【0161】
用語「抗体」(Ab)は、本明細書において、所望の生物活性を示す限りにおいて、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば、二特異性抗体)および抗体断片を含む。用語「免疫グロブリン」(Ig)は、本明細書において「抗体」と互換的に使用されている。
【0162】
「単離された抗体」は、その天然の環境の構成成分から分離および/または回収された抗体である。その天然の環境の夾雑構成成分は、抗体の診断または治療的使用に干渉する材料であり、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。好まれる実施形態では、抗体は、(1)ローリー法によって決定される抗体の95重量%超、最も好ましくは、99重量%超まで;(2)スピニングカップシークエネーターの使用によりN末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで;または(3)クーマシーブルーもしくは好ましくは銀染色を使用した還元もしくは非還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。抗体の天然の環境の少なくとも1種の構成成分が存在しないことから、単離された抗体は、組換え細胞内のin situでの抗体を含む。しかし通常、単離された抗体は、少なくとも1回の精製ステップによって調製されるであろう。
【0163】
本開示の捕捉剤は、1種または複数種のモノクローナル抗体を含み得る。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書において、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量存在し得る可能な天然に存在する変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性部位に対して作製される。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して作製された異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原における単一の決定基に対して作製される。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体によって汚染されずに合成され得るという点において有利である。
【0164】
本明細書において考慮されているモノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖の部分が、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である一方で、鎖(複数可)の残りが、別の種に由来するまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である、「キメラ」抗体と共に、所望の生物活性を示す限りにおいて、かかる抗体の断片を含む。本明細書における一番の目的のキメラ抗体は、1個または複数のヒト抗原結合性配列(例えば、CDR)を有し、非ヒト抗体に由来する1個または複数の配列、例えば、FRまたはC領域配列を含有する抗体を含む。その上、本明細書における一番の目的のキメラ抗体は、ある1種の抗体クラスまたはサブクラスのヒト可変ドメイン抗原結合性配列、および別の抗体クラスまたはサブクラスに由来する別の配列、例えば、FRまたはC領域配列を含むキメラ抗体を含む。本明細書における目的のキメラ抗体は、本明細書に記載されているものに関係する、または非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル、類人猿等)等の異なる種に由来する可変ドメイン抗原結合性配列を含有するキメラ抗体も含む。キメラ抗体は、霊長類化およびヒト化抗体も含む。
【0165】
本開示の捕捉剤は、ヒト化抗体を含み得る。「ヒト化抗体」は一般に、非ヒトである供給源から導入された1個または複数のアミノ酸残基を有するヒト抗体であると考慮される。このような非ヒトアミノ酸残基は多くの場合、「移入」残基と称され、これは典型的に、「移入」可変ドメインから得られる。ヒト化は伝統的に、移入高頻度可変領域配列を、ヒト抗体の対応する配列に代えて置換することによって実行される。したがって、かかる「ヒト化」抗体は、インタクトなヒト可変ドメインに実質的に満たないものが、非ヒト種に由来する対応する配列によって置換されたキメラ抗体である。
【0166】
「ヒト抗体」は、ヒトによって天然に産生される抗体に存在する配列のみを含有する抗体である。しかし、本明細書において、ヒト抗体は、本明細書に記載されている修飾およびバリアント配列を含む、天然に存在するヒト抗体には見出されない残基または修飾を含み得る。これらは典型的に、抗体の性能をさらに改良または増強するように作製される。
【0167】
本開示の捕捉剤は、インタクト抗体を含み得る。「インタクト」抗体は、抗原結合性部位、ならびにCLおよび少なくとも重鎖定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む抗体である。定常ドメインは、ネイティブ配列定常ドメイン(例えば、ヒトネイティブ配列定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列バリアントとなり得る。好ましくは、インタクト抗体は、1種または複数種のエフェクター機能を有する。
【0168】
本開示の捕捉剤は、抗体断片を含み得る。「抗体断片」は、インタクト抗体の部分、好ましくは、インタクト抗体の抗原結合性または可変領域を含む。抗体断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片;ダイアボディ;線形抗体;単鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成された多特異性抗体が挙げられる。
【0169】
本開示の捕捉剤は、抗体の機能的断片またはアナログを含み得る。抗体の「機能的断片またはアナログ」という語句は、全長抗体と共通した定性的生物活性を有する化合物である。例えば、抗IgE抗体の機能的断片またはアナログは、当該分子が、高親和性受容体FcεRIに結合する能力を有することを防止するまたはその能力を実質的に低下することができるような様式で、IgE免疫グロブリンに結合することができる機能的断片またはアナログである。
【0170】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2個の同一抗原結合性断片と、直ちに結晶化する能力を反映する命名である残余の「Fc」断片とを生成する。Fab断片は、H鎖の可変領域ドメイン(VH)および1本の重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)と共にL鎖全体からなる。各Fab断片は、抗原結合に関して一価である、すなわち、単一の抗原結合性部位を有する。抗体のペプシン処置は、二価抗原結合活性を有し、依然として抗原を架橋することができる、2個のジスルフィド連結されたFab断片に大まかに対応する、単一の大型のF(ab’)2断片を生じる。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1個または複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端における追加的な数残基を有することが、Fab断片とは異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’の本明細書における命名である。F(ab’)2抗体断片は本来、その間にヒンジシステインを有するFab’断片のペアとして生成された。抗体断片の他の化学的カップリングも公知である。
【0171】
「Fc」断片は、ジスルフィドによって一体に保持された、両方のH鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域における配列によって決定され、この領域は、ある特定の型の細胞に見出されるFc受容体(FcR)によって認識される部分でもある。
【0172】
「Fv」は、完全抗原認識および結合性部位を含有する最小抗体断片である。この断片は、緊密に非共有結合性会合した1個の重鎖および1個の軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。フォールディングから、これら2個のドメインは、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に抗原結合特異性を付与する6個の高頻度可変ループ(それぞれHおよびL鎖に由来する3個のループ)を発出する。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3個のCDRのみを含むFvの半分)であっても、結合部位全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識および結合する能力を有する。
【0173】
本開示の捕捉剤は、単鎖抗体(scFvとも称される)を含み得る。「sFv」または「scFv」とも省略される「単鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖へと接続されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドは、sFvが抗原結合に所望の構造を形成することを可能にする、VHおよびVLドメインの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。sFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113巻、RosenburgおよびMoore編、Springer-Verlag、New York、269~315頁(1994年);Borrebaeck 1995年、下記参照を参照されたい。
【0174】
本開示の捕捉剤は、ダイアボディを含み得る。用語「ダイアボディ」は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間ペア形成が達成され、二価性断片、すなわち、2個の抗原結合性部位を有する断片をもたらすように、VHおよびVLドメインの間に短いリンカー(約5~10残基)を有するsFv断片(先の段落を参照)を構築することによって調製された小型の抗体断片を指す。二特異性ダイアボディは、2種の抗体のVHおよびVLドメインが異なるポリペプチド鎖に存在する、2個の「クロスオーバー」sFv断片のヘテロ二量体である。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollingerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90巻:6444~6448頁(1993年)においてより十分に記載されている。
【0175】
本開示の捕捉剤は、二特異性抗体を含み得る。ある特定の実施形態では、本発明の抗体は、二特異性または多特異性である。二特異性抗体は、少なくとも2種の異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。例示的な二特異性抗体は、単一の抗原の2種の異なるエピトープに結合することができる。他のかかる抗体は、第1の抗原結合性部位を、第2の抗原に対する結合部位と組み合わせることができる。
【0176】
二特異性抗体を作製するための方法は、当技術分野で公知である。全長二特異性抗体の伝統的な生成は、2種の免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペアの同時発現に基づき、この2種の鎖は、異なる特異性を有する。免疫グロブリン重および軽鎖のランダムな仕分けのため、このようなハイブリドーマ(クアドローマ)は、10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、そのうち1種のみが、正確な二特異性構造を有する。親和性クロマトグラフィーステップによって通常為される正確な分子の精製は、幾分厄介であり、産物収量は低い。
【0177】
異なるアプローチによると、所望の結合特異性(抗体-抗原組合せ部位)を有する抗体可変ドメインが、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合される。好ましくは、融合は、ヒンジ、C2およびC3領域の少なくとも部分を含むIg重鎖定常ドメインと為される。融合体の少なくとも1種に存在する、軽鎖結合に必要な部位を含有する第1の重鎖定常領域(C1)を有することが好まれる。免疫グロブリン重鎖融合体および所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAが、別々の発現ベクターに挿入され、適した宿主細胞にコトランスフェクトされる。このことは、構築において使用される3種のポリペプチド鎖の不等な比が、所望の二特異性抗体の最適収量をもたらす場合の実施形態において、3種のポリペプチド断片の相互比率の調整においてより大きい柔軟性をもたらす。しかし、等しい比での少なくとも2種のポリペプチド鎖の発現が、高収量をもたらす場合、または比が、所望の鎖組合せの収量に有意な効果を持たない場合、2種または全3種のポリペプチド鎖のコード配列を単一の発現ベクターに挿入することが可能である。
【0178】
本明細書において、抗体は、検出可能なレベルで、好ましくは、約10-1を超えるもしくはこれに等しい、または約10-1を超えるもしくはこれに等しい、約10-1を超えるもしくはこれに等しい、約10-1を超えるもしくはこれに等しい、または10-1を超えるもしくはこれに等しい親和性定数Kで、抗原と反応する場合、「免疫特異的である」、抗原「に特異的である」または抗原「に特異的に結合する」と言われる。その同族抗原に対する抗体の親和性は、解離定数KDとしても一般的に表現され、ある特定の実施形態では、抗体は、10-4Mに満たないもしくはこれに等しい、約10-5Mに満たないもしくはこれに等しい、約10-6Mに満たないもしくはこれに等しい、10-7Mに満たないもしくはこれに等しい、または10-8Mに満たないもしくはこれに等しいKDで結合する場合、本開示の細胞内構成成分に特異的に結合する。抗体の親和性は、従来技法、例えば、Scatchardら(Ann. N.Y. Acad. Sci. USA 51巻:660頁(1949年))に記載されている技法を使用して直ちに決定することができる。
【0179】
本開示の細胞は、いずれかの哺乳動物を含むいずれかの種から単離され得る、これに由来し得るまたはこれから調製され得る。感染を処置する目的の「哺乳動物」は、ヒト、飼育動物および家畜ならびに動物園の、競技用またはペットの動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギ等を含むいずれかの哺乳動物を指す。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。
【0180】
本開示の細胞は、疾患または障害の処置のための細胞療法において使用することができる。「処置すること」または「処置」または「軽減」は、治療的処置および予防的または予防性措置の両方を指す;その目的は、標的とされた病的状態または障害を予防または減速(低減)することである。処置を必要とする者は、障害を既に有する者と共に、障害を有する傾向がある者または障害が予防されるべき者を含む。被験体または哺乳動物は、本開示の対象細胞による細胞療法を受けた後に、患者が、次のうち1つまたは複数の観察可能および/または測定可能な低下、またはその非存在を示す場合、「処置」が成功することができる:疾患または障害に伴う症状の1つまたは複数の低下;低下した罹患率および死亡率、ならびにクオリティ・オブ・ライフ問題の改善。処置成功および疾患改善を評価するための上述のパラメータは、医師に馴染みのルーチン手順によって直ちに測定可能である。本開示の方法を使用して、被験体の処置開始の前、その間またはその後に、細胞療法の安全性および/または有効性を決定することができる。
【0181】
1つまたは複数の手段を使用して、本開示の捕捉剤を標識して、検出可能にすることができる。「標識」は、本明細書において、「標識された」捕捉剤(例えば、抗体)を生成することができるように、捕捉剤(例えば、抗体)に直接的にまたは間接的にコンジュゲートされる検出可能な化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能となり得る(例えば、蛍光標識)、または酵素標識の場合は、検出可能な基質化合物または組成物の化学的変更を触媒することができる。
【0182】
本開示の捕捉剤は、細胞内構成成分を選択的にまたは特異的に同定、捕捉および/または定量することができ、細胞内構成成分は、1種または複数種の小分子を含む。「小分子」は、約500ダルトンを下回る分子量を有すると本明細書で定義されている。
【0183】
本開示の捕捉剤は、小分子を含む。
【0184】
本開示の捕捉剤は、細胞内構成成分を選択的にまたは特異的に同定、捕捉および/または定量することができ、細胞内構成成分は、DNA分子、RNA分子またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0185】
本開示の捕捉剤は、核酸または標識された核酸を含み得る。用語「核酸」および「ポリヌクレオチド」は、一本もしくは二本鎖RNA、DNAまたは混合されたポリマーを指すように本明細書で互換的に使用されている。ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現するまたは発現するように適応され得る、ゲノム配列、ゲノム外およびプラスミド配列、ならびにより小型の操作された遺伝子セグメントを含み得る。
【0186】
「単離された核酸」は、ネイティブ配列に天然に伴う、他のゲノムDNA配列ならびにリボソームおよびポリメラーゼ等のタンパク質または複合体から実質的に分離された核酸である。この用語は、その天然に存在する環境から除去された核酸配列を包含し、組換えもしくはクローニングされたDNA単離物および化学合成されたアナログ、または異種システムによって生物学的に合成されたアナログを含む。実質的に純粋な核酸は、単離された形態の核酸を含む。当然ながら、これは、本来単離された核酸を指し、人の手によって単離された核酸に後に付加される遺伝子または配列を除外しない。
【0187】
用語「ポリペプチド」は、その従来の意義で、すなわち、アミノ酸の配列として使用されている。ポリペプチドは、特異的な長さの産物に限定されない。ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれており、かかる用語は、他に特段の断りがなければ、本明細書で互換的に使用することができる。この用語は、また、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化その他、ならびに天然に存在するものおよび天然に存在しないものの両方の当技術分野で公知の他の修飾を指さないまたは除外しない。ポリペプチドは、タンパク質全体またはその部分配列となり得る。
【0188】
「単離されたポリペプチド」は、同定され、その天然の環境の構成成分から分離および/または回収されたポリペプチドである。好まれる実施形態では、単離されたポリペプチドは、(1)ローリー法によって決定されるポリペプチドの95重量%超、最も好ましくは、99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によりN末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クーマシーブルーもしくは好ましくは銀染色を使用した還元もしくは非還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで、精製されるであろう。ポリペプチドの天然の環境の少なくとも1種の構成成分が存在しないことから、単離されたポリペプチドは、組換え細胞内のin situでのポリペプチドを含む。しかし通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1回の精製ステップによって調製されるであろう。
【0189】
「ネイティブ配列」ポリヌクレオチドは、自然に由来するポリヌクレオチドと同じヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。「ネイティブ配列」ポリペプチドは、自然(例えば、いずれかの種)に由来するポリペプチド(例えば、抗体)と同じアミノ酸配列を有するポリペプチドである。かかるネイティブ配列ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、自然から単離することができる、または組換えもしくは合成手段によって生成することができる。
【0190】
ポリヌクレオチド「バリアント」は、この用語が本明細書で使用されている場合、1個または複数の置換、欠失、付加および/または挿入が、本明細書で特に開示されているポリヌクレオチドとは典型的に異なるポリヌクレオチドである。かかるバリアントは、天然に存在するものでもよく、または例えば、本発明のポリヌクレオチド配列のうち1種または複数種を修飾し、本明細書に記載されているコードされるポリペプチドの1種または複数種の生物活性を評価することにより、および/または当技術分野で周知のいくつかの技法のいずれかを使用することにより、合成により生成することができる。
【0191】
ポリペプチド「バリアント」は、この用語が本明細書で使用されている場合、1個または複数の置換、欠失、付加および/または挿入が、本明細書で特に開示されているポリペプチドとは典型的に異なるポリペプチドである。かかるバリアントは、天然に存在するものでもよく、または例えば、本発明の上述のポリペプチド配列の1種または複数種を修飾し、本明細書に記載されているポリペプチドの1種または複数種の生物活性を評価することにより、および/または当技術分野で周知のいくつかの技法のいずれかを使用することにより、合成により生成することができる。
【0192】
本開示のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの構造に修飾を為して、望ましい特徴を有するバリアントまたは誘導体ポリペプチドをコードする機能的分子を依然として得ることができる。ポリペプチドのアミノ酸配列を変更して、本発明のポリペプチドの均等なまたはさらには改善されたバリアントまたは部分を作製することが所望の場合、当業者は、典型的に、コードDNA配列のコドンの1個または複数を変化させるであろう。
【0193】
例えば、ある特定のアミノ酸は、他のポリペプチド(例えば、抗原)または細胞に結合するその能力の認識できる損失を伴わずに、タンパク質構造における他のアミノ酸に代えて置換することができる。当該タンパク質の生物学的機能活性を定義するのはタンパク質の結合能力および性質であるため、タンパク質配列および当然ながらその根底にあるDNAコード配列においてある特定のアミノ酸配列置換を為し、そうであるにもかかわらず、同様の特性を有するタンパク質を得ることができる。よって、その生物学的有用性または活性の認識できる損失を伴わずに、開示されている組成物のペプチド配列、またはペプチドをコードする対応するDNA配列に様々な変化を為すことができると考慮される。
【0194】
多くの事例では、ポリペプチドバリアントは、1個または複数の保存的置換を含有するであろう。「保存的置換」は、ペプチド化学技術分野の当業者が、ポリペプチドの二次構造および疎水性親水性指標性質が、実質的に未変化となることを予想するように、アミノ酸が同様の特性を有する別のアミノ酸に代えて置換された置換である。
【0195】
かかる変化の為す際に、アミノ酸の疎水性親水性指標指数を考慮することができる。タンパク質における相互作用的生物学的機能の付与における疎水性親水性指標アミノ酸指数の重要性は一般に、当技術分野で理解されている(KyteおよびDoolittle、1982年)。アミノ酸の相対的疎水性親水性指標特徴が、結果としてのタンパク質の二次構造に寄与し、次いでこれは、タンパク質の、他の分子、例えば、酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原その他との相互作用を定義することが受け入れられる。各アミノ酸は、その疎水性および電荷特徴に基づいて疎水性親水性指標指数を割り当てられた(KyteおよびDoolittle、1982年)。そのような値を次に示す:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リシン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。
【0196】
ある特定のアミノ酸は、同様の疎水性親水性指標指数またはスコアを有する他のアミノ酸によって置換し、依然として、同様の生物活性を有するタンパク質をもたらすことができる、すなわち、依然として、生物学的機能的に均等なタンパク質を得ることができる。かかる変化を為す際に、それらの疎水性親水性指標指数が±2以内のアミノ酸同士の置換が好まれ、±1以内が特に好まれ、±0.5以内がさらにより特に好まれる。同様のアミノ酸の置換を、親水性に基づいて有効に為すことができる。その隣接アミノ酸の親水性によって規定される、タンパク質の最大局所的平均親水性は、タンパク質の生物学的特性と相関する。
【0197】
次の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられた:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。アミノ酸を、同様の親水性値を有する別のアミノ酸に代えて置換し、依然として、生物学的に均等な、特に、免疫学的に均等なタンパク質を得ることができることが理解される。かかる変化において、それらの親水性値が±2以内のアミノ酸同士の置換が好まれ、±1以内が特に好まれ、±0.5以内がさらにより特に好まれる。
【0198】
上に概略されている通り、したがってアミノ酸置換は一般に、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、その疎水性、親水性、電荷、サイズその他に基づく。様々な前述の特徴を考慮に入れる例示的な置換は、当業者に周知であり、次のものを含む:アルギニンおよびリシン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシンおよびイソロイシン。
【0199】
アミノ酸置換は、残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性性質における類似性に基づいてさらに為すことができる。例えば、負の電荷を持つアミノ酸は、アスパラギン酸およびグルタミン酸を含み;正電荷を持つアミノ酸は、リシンおよびアルギニンを含み;同様の親水性値を有する無電荷極性頭部基を有するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシンおよびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパラギンおよびグルタミン;ならびにセリン、スレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンを含む。保存的変化を表すことができるアミノ酸の他の群は、次のものを含む:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;および(5)phe、tyr、trp、his。バリアントは、上述と共にまたは上述に代えて、非保存的変化を含有することができる。好まれる実施形態では、バリアントポリペプチドは、5アミノ酸またはそれよりも少ないアミノ酸の置換、欠失または付加が、ネイティブ配列とは異なる。バリアントは、上述と共に(または上述に代えて)、例えば、ポリペプチドの免疫原性、二次構造および疎水性親水性指標性質における影響が最小のアミノ酸の欠失または付加によって修飾することができる。
【0200】
ポリヌクレオチドやポリペプチド配列を比較する際に、後述する通り、最大一致のために整列された際に2種の配列におけるヌクレオチドまたはアミノ酸の配列が同じである場合、2種の配列は、「同一」であると言われる。2種の配列間の比較は典型的に、比較ウィンドウにわたって配列を比較して、配列類似性の局所的領域を同定および比較することにより実行される。「比較ウィンドウ」は、本明細書において、2種の配列が最適に整列された後に、配列を同数の近接位置の参照配列と比較することができる、少なくとも約20個の近接位置、通常は30~約75個、40~約50個のセグメントを指す。
【0201】
比較のための配列の最適整列は、デフォルトパラメータを使用した、バイオインフォマティクスソフトウェアのLasergene一式におけるMegalignプログラム(DNASTAR,Inc.、Madison、WI)を使用して遂行することができる。このプログラムは、次の参考文献に記載されているいくつかの整列スキームを具体化する:Dayhoff, M.O.(1978年)A model of evolutionary change in proteins - Matrices for detecting distant relationships.、Dayhoff, M.O.(編)内、Atlas of Protein Sequence and Structure、National Biomedical Research Foundation、Washington DC、5巻、追補3号、345~358頁;Hein J.(1990年)Unified Approach to Alignment and Phylogenes、626~645頁、Methods in Enzymology、183巻、Academic Press, Inc.、San Diego, CA;Higgins, D.G.およびSharp, P.M.(1989年)CABIOS 5巻:151~153頁;Myers, E.W.およびMuller W.(1988年)CABIOS 4巻:11~17頁;Robinson, E.D.(1971年)Comb. Theor 11巻:105頁;Santou, N. Nes, M.(1987年)Mol. Biol. Evol.4巻:406~425頁;Sneath, P.H.A.およびSokal, R.R.(1973年)Numerical Taxonomy - the Principles and Practice of Numerical Taxonomy、Freeman Press、San Francisco, CA;Wilbur, W.J.およびLipman, D.J.(1983年)Proc. Natl. Acad., Sci. USA 80巻:726~730頁。
【0202】
それに代えて、比較のための配列の最適整列は、SmithおよびWaterman(1981年)Add. APL. Math 2巻:482頁の局所的同一性アルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch(1970年)J. Mol. Biol.48巻:443頁の同一性整列アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:2444頁の類似性方法の検索によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理された実行(GAP、BESTFIT、BLAST、FASTAおよびTFASTA、Wisconsin Genetics Software Package内、Genetics Computer Group(GCG)、575 Science Dr.、Madison、WI)によって、または点検によって遂行することができる。
【0203】
パーセント配列同一性および配列類似性の決定に適したアルゴリズムの好まれる一例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれAltschulら(1977年)Nucl. Acids Res.25巻:3389~3402頁およびAltschulら(1990年)J. Mol. Biol.215巻:403~410頁に記載されている。例えば、本明細書に記載されているパラメータを用いたBLASTおよびBLAST 2.0を使用して、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドのためのパーセント配列同一性を決定することができる。BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationにより公開されている。
【0204】
「相同性」は、配列を整列し、必要であればギャップを導入して、最大パーセント相同性を達成した後に、非バリアント配列と同一であるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列バリアントにおける残基のパーセンテージを指す。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドバリアントは、本明細書に記載されているポリヌクレオチドまたはポリペプチドと、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%ポリヌクレオチドまたはポリペプチド相同性を有する。
【0205】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されている通り、単数形形態「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容がそれ以外を明らかに指示しない限り、複数形の参照を含む。
【実施例
【0206】
(実施例1)
本開示の組成物を作製する方法
本開示の例示的な12,000+チャンバーPDMS基材のためのモールドは、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)方法でエッチングされたシリコンマスターである。これを真空デシケーター内で30分間、トリメチルクロロシラン(Sigma-Aldrich)蒸気で前処理して、PDMS放出を容易にした。次に、ウエハをアクリル系モールド内で圧縮して、PDMS基材の形状となるように成形した。0.1%(v/m)Triton X-100(Sigma-Aldrich)と共に、PDMSプレポリマーエラストマーベースおよび硬化剤、Sylgard 184(Dow Corning)を完全に混合し(10:1比のパートAおよびB)、真空デシケーター内に30分間置いて、気泡を除去した。表面活性物質(Triton X-100)をPDMSに添加して、PDMSの長期疎水性回復を最小化した。シリンジを使用してPDMSをモールドに注入し、オーブン内でモールドを80℃にて1.5時間硬化させた。モールドからのPDMS除去後の結果としてのチップは、25mm(幅)×55mm(長さ)であり、4.75mmの高さである。
【0207】
溶解組成物:80℃でおよそ3時間絶えず混合することにより、3%(v/v)ポリビニルアルコール(PVA)(Mw 146,000~186,000、99+%加水分解、Sigma-Aldrich)溶液を脱イオン水において作製した。溶液が完全に透明になったら、3%(v/v)PVA溶液を冷やした。3%(v/v)溶液を300×gで10分間遠心分離して、いかなる微粒子も除去した。コーティングプロセスを開始する前に、0.2%(v/v)Triton X-100をPVA溶液に添加し、撹拌子を用いて30分間、200rpmで混合した。
【0208】
リンカー組成物:メタノール中で15分間超音波処理することにより、PDMSチャンバーを最初に浄化した。マイクロチャンバーを圧縮空気で乾燥させ、酸素プラズマで処理した(30秒間、40W、4cc/分、Glow Researchによって生成されたAutoGlow 200による)。次に、マイクロチャンバーをアセトン中の2%APTESで10分間、室温にてコーティングした。マイクロチャンバーをアセトンで厳密に洗浄し、次いで80℃で30分間ベーキングした。その後、室温での10分間インキュベーションにより、表面アミノ基をクロスリンカーのグルタルアルデヒド(dH2O中1%、0.1%NaOH、pH9.2)と反応させた。マイクロチャンバーを超音波処理して(およそ10秒間)、あらゆるエアポケットを除去した。試料を脱イオン水でリンスし、チャンバー表面を圧縮空気(60秒間)で完全に乾燥させた。
【0209】
コーティング組成物:0.1%グルタルアルデヒドおよび10%塩酸を、調製されたTriton X-100/PVA溶液に添加することにより、PVAコーティング溶液を調製した。溶液を100rpmで30秒間混合し、ゆっくりピペッティングしてマイクロチャンバー上に加えて、発泡を回避した。次に、マイクロチャンバーを2000rpmにて4分間コーティング溶液でスピンコーティングした。次に、試料を1時間80Cでベーキングし、乾燥剤と共に真空封着して、残余の湿気を除去した。細胞内タンパク質捕捉に要求されたら、真空からマイクロチャンバーを取り出した。
【0210】
細胞ローディングおよびチャンバー調製:チャンバーを真空から取り出し、3%BSAで30分間ブロッキングした。標的細胞をCellTrace Violet染色で染色し、コーティングされたマイクロチャンバー上にロードし、複数の捕捉剤の反復パターンを含む表面で封入した。細胞を2時間インキュベートした。複数の捕捉剤の反復パターンを含む表面を可視化のために取り出した。
【0211】
(実施例2)
マルチオミクスプラットフォームおよび使用方法
プロトコールA:細胞内二重バンド単一細胞/単一ビーズ捕捉プロトコール
【0212】
マイクロチャンバーアレイチップの製作:12,000+マイクロチャンバーアレイPDMSのためのモールドは、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)方法でエッチングされたシリコンマスターである。これを真空デシケーター内で30分間、トリメチルクロロシラン(Sigma-Aldrich)蒸気で前処理して、PDMS放出を容易にした。次に、ウエハをアクリル系モールド内で圧縮して、PDMSチップの形状となるように成形した。PDMSプレポリマーエラストマーベースおよび硬化剤、Sylgard 184(Dow Corning)を完全に混合し(10:1比のパートAおよびB)、真空デシケーター内に30分間置いて、気泡を除去した。シリンジを使用してPDMSをモールドに注入し、オーブン内でモールドを80℃にて1.5時間硬化させた。モールドからのPDMS除去後の結果としてのチップは、25mm(幅)×55mm(長さ)であり、4.75mmの高さである。
【0213】
ハイドロゲルコーティング:PDMSチップを酸素プラズマで処理し、10%(w/v)ベンゾフェノン水溶液中に1分間浸漬し、メタノールでリンスし、圧縮空気で乾燥させる。PDMSマイクロチャンバーを9%PVA-SbQ水溶液中で覆い、4分間2000rpmでスピンコーティングして、平らな層を形成する。次に、チップをフォトマスクで覆い、深UV光に1時間曝露する。
【0214】
抗体沈着:PDMSマイクロチャンバー表面は、水に溶解した1%(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)における30分間のインキュベーションによって官能化する。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて水に溶解した1%グルタルアルデヒドにおいて10分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いてPBSに溶解した1mg/mlプロテインGにおいて30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーをPBSでリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて細胞捕捉抗体において30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーをPBSでリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させる。
【0215】
ストレプトアビジン沈着:アクリルアミド-ストレプトアビジンのPBS中溶液(1mg/ml)を、PDMS上に4分間、2000rpmでスピンコーティングする。次に、このコーティングを、深UV光への1時間の曝露後に、フォトマスクを通して領域特異的様式でPVA-SbQ上に架橋する。
【0216】
ビーズ調製およびローディング:ビーズをPBSで2×洗浄し、次いで適切な濃度となるようにPBSに再懸濁した。次に、ビーズ溶液をピペッティングしてマイクロチャンバー上に加え、ビーズを30分間インキュベートして、結合させた。インキュベーション後に、マイクロチャンバーPDMSをPBSでリンスして、未結合のビーズを除去する。
【0217】
ハイドロゲルへの溶解バッファーローディング:ハイドロゲル中に溶解バッファーをロードするために、コーティングされたマイクロチャンバーを3%SDS中に1時間浸漬する。次に、マイクロチャンバーPDMSを水でリンスし、圧縮空気で乾燥させる。
【0218】
細胞調製およびローディング:コーティングされたマイクロチャンバー上にロードする前に、標的細胞をCellTrace Violet染色で染色し、適切な濃度となるようにRNAse阻害剤溶液(50%PBS、3%Ficoll PM-400、10mM EDTA、100mM Tris pH7.5、25mM DTT)に再懸濁した。細胞を結合させ、次いでRNase阻害剤溶液でリンスして、未結合の細胞を除去する。
【0219】
アッセイ後ビーズ除去:インキュベーション期間の完了後に、抗体スライドをマイクロチャンバーPDMSから取り出す。スライドおよびPDMSの両方をPBS+0.1%Triton X-100で10×リンスし、これを50mL falconチューブ内に収集する。次に、マイクロチャンバーPDMSを同じfalconチューブに置き、PBS-Tで50mLへとQCした。このチューブを室温で10分間回転させ、次いで1000×gで5分間遠心分離して、ビーズをペレットにする。遠心分離後に、過剰なPBS-Tを吸引除去し、マイクロチャンバーPDMSを10mLのPBS-Tで同じfalconチューブへとリンスし、次いで廃棄する。falconチューブを1000×gで10分間再度スピンして、ビーズをペレットにする。遠心分離後に、約5mLを残して過剰なPBS-Tを吸引除去する。ペレットをこの同じ5mLに再懸濁し、100μMフィルターに通す。次に、ビーズを1000×gで2分間ペレットにし、1mLの6×SSCに再懸濁する。この時点で、cDNA合成およびNGSのためにビーズを加工することができる。
【0220】
プロトコールB:分子ふるい単一ビーズ捕捉による細胞内UV架橋可能なPVA単一細胞捕捉
【0221】
マイクロチャンバーアレイチップの製作:12,000+マイクロチャンバーアレイPDMSのためのモールドは、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)方法でエッチングされたシリコンマスターである。これを真空デシケーター内で30分間、トリメチルクロロシラン(Sigma-Aldrich)蒸気で前処理して、PDMS放出を容易にした。次に、ウエハをアクリル系モールド内で圧縮して、PDMSチップの形状となるように成形した。PDMSプレポリマーエラストマーベースおよび硬化剤、Sylgard 184(Dow Corning)を完全に混合し(10:1比のパートAおよびB)、真空デシケーター内に30分間置いて、気泡を除去した。シリンジを使用してPDMSをモールドに注入し、オーブン内でモールドを80℃にて1.5時間硬化させた。モールドからのPDMS除去後の結果としてのチップは、25mm(幅)×55mm(長さ)であり、4.75mmの高さである。
【0222】
ハイドロゲルコーティング:PDMSチップを酸素プラズマで処理し、10%(w/v)ベンゾフェノン水溶液中に1分間浸漬し、メタノールでリンスし、圧縮空気で乾燥させる。PDMSマイクロチャンバーを9%PVA-SbQ水溶液中で覆い、4分間、2000rpmでスピンコーティングして、平らな層を形成する。次に、チップをフォトマスクで覆い、深UV光に1時間曝露する。
【0223】
抗体沈着:PDMSマイクロチャンバー表面は、水に溶解した1%(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)における30分間のインキュベーションにより官能化する。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて水に溶解した1%グルタルアルデヒドにおいて10分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いてPBSに溶解した1mg/mlプロテインGにおいて30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーをPBSでリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて細胞捕捉抗体において30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーをPBSでリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させる。
【0224】
ビーズ調製およびローディング:ビーズをPBSで2×洗浄し、次いで適切な濃度となるようにPBSに再懸濁する。次に、ビーズ溶液をピペッティングしてマイクロチャンバー上に加え、単一のビーズを分子ふるいウェルに収める。インキュベーション後に、マイクロチャンバーPDMSをPBSでリンスして、残余のビーズを除去する。
【0225】
ハイドロゲルへの溶解バッファーローディング:ハイドロゲル中に溶解バッファーをロードするために、コーティングされたマイクロチャンバーを3%SDS中に1時間浸漬する。次に、マイクロチャンバーPDMSをdHOでリンスし、圧縮空気で乾燥させる。
【0226】
細胞調製およびローディング:コーティングされたマイクロチャンバー上にロードする前に、標的細胞をCellTrace Violet染色で染色し、適切な濃度となるようにRNAse阻害剤溶液(50%PBS、3%Ficoll PM-400、10mM EDTA、100mM Tris pH7.5、25mM DTT)に再懸濁した。細胞を結合させ、次いでRNAse阻害剤溶液でリンスして、未結合の細胞を除去する。
【0227】
アッセイ後ビーズ除去:インキュベーション期間の完了後に、抗体スライドをマイクロチャンバーPDMSから取り出す。スライドおよびPDMSの両方を、PBS+0.1%Triton X-100で10×リンスし、これを50mL falconチューブ内に収集する。次に、マイクロチャンバーPDMSを同じfalconチューブ内に置き、PBS-Tで50mLへとQCする。このチューブを室温で10分間回転させ、次いで1000×gで5分間遠心分離して、ビーズをペレットにする。遠心分離後に、過剰なPBS-Tを吸引除去し、マイクロチャンバーPDMSを10mLのPBS-Tで同じfalconチューブ内へとリンスし、次いで廃棄する。falconチューブを1000×gで10分間、再度スピンして、ビーズをペレットにする。遠心分離後に、約5mLを残して過剰なPBS-Tを吸引除去する。ペレットをこの同じ5mLに再懸濁し、100uMフィルターに通す。次に、ビーズを1000×gで2分間ペレットにし、1mLの6×SSCに再懸濁する。この時点で、cDNA合成およびNGSのためにビーズを加工することができる。
【0228】
プロトコールC:分泌プロテオミクスPLL-g-PEG-ビオチン単一細胞捕捉
【0229】
マイクロチャンバーアレイチップの製作:12,000+マイクロチャンバーアレイPDMSのためのモールドは、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)方法でエッチングされたシリコンマスターである。これを真空デシケーター内で30分間、トリメチルクロロシラン(Sigma-Aldrich)蒸気で前処理して、PDMS放出を容易にした。次に、ウエハをアクリル系モールド内で圧縮して、PDMSチップの形状となるように成形した。PDMSプレポリマーエラストマーベースおよび硬化剤、Sylgard 184(Dow Corning)を完全に混合し(10:1比のパートAおよびB)、真空デシケーター内に30分間置いて、気泡を除去した。シリンジを使用してPDMSをモールドに注入し、オーブン内でモールドを80℃にて1.5時間硬化させた。モールドからのPDMS除去後の結果としてのチップは、25mm(幅)×55mm(長さ)であり、4.75mmの高さであった。
【0230】
PLL-g-PEG-ビオチン不動態化:PDMSを70%エタノールで洗浄し、気流下で乾燥させる。PDMSマイクロチャンバー表面は、酸素プラズマに曝露することにより官能化する。次に、0.05M MES+0.5M NaClバッファーに溶解した11.5mg/ml N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)および19.2mg/ml N-ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(Sulfo-NHS)の混合物中にPDMSを15分間浸漬し、PBSおよび水でリンスし、10mM HEPESバッファーに溶解した0.5mg/mlのPLL(20)-g[3.5]-PEG(2):ポリ-L-リシン-g-ポリ(エチレングリコール)-ビオチン(PLL-g-PEG-ビオチン)の溶液において3時間または一晩インキュベートする。
【0231】
UVフォトリソグラフィー:不動態化されたPDMS表面を、所望のマイクロパターンを有するフォトマスクで覆い、深UV光に10分間曝露する。
【0232】
抗体沈着:PDMSチップを1%Pluronic(登録商標)F-127溶液において30分間インキュベートする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて114μg/mlニュートラアビジン溶液において30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて1mg/mlプロテインG-ビオチンにおいて30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させ、続いて細胞捕捉抗体において30分間インキュベーションする。次に、PDMSマイクロチャンバーを水でリンスし、圧縮空気を使用して乾燥させる。
【0233】
細胞調製およびローディング:コーティングされたマイクロチャンバー上にロードする前に、標的細胞をCellTrace Violet染色で染色し、適切な濃度となるようにPBSに再懸濁した。細胞を結合させ、次いでPBSでリンスして、未結合の細胞を除去する。
【0234】
参照による援用
いかなる相互参照されたまたは関連する特許または出願も含む本明細書で引用されているあらゆる文書は、明確に除外または他の仕方で限定されない限り、これによりその全体を参照により本明細書に組み込む。いずれかの文書の引用は、開示もしくは請求されているいずれかの発明に関して先行技術であること、または単独でもしくは他のいずれかの参考文献(単数または複数)とのいずれかの組合せで、いずれかのかかる発明を教示、示唆もしくは開示することの承認ではない。さらに、本文書における用語のいずれかの意義または定義が、参照により本明細書に組み込む文書における同じ用語のいずれかの意義または定義と矛盾する程度まで、本文書において当該用語に割り当てられた意義または定義が適用されるものとする。
【0235】
他の実施形態
本開示の特定の実施形態について図解および記載してきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の変化および修飾を為すことができる。添付の特許請求の範囲の範囲は、本開示の範囲内のあらゆるかかる変化および修飾を含む。
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