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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】車両スライドドア用開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/22 20140101AFI20230912BHJP
   E05B 81/20 20140101ALI20230912BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20230912BHJP
   B60J 5/06 20060101ALI20230912BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
E05B79/22 A
E05B81/20 B
E05B81/20 A
B60J5/00 M
B60J5/06 A
B60J5/04 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020003277
(22)【出願日】2020-01-11
(65)【公開番号】P2021110164
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】平本 茂憲
(72)【発明者】
【氏名】花木 直樹
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166236(JP,A)
【文献】特開2014-009588(JP,A)
【文献】特開2016-094770(JP,A)
【文献】国際公開第2017/109852(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0284849(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 79/22
E05B 81/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライカ(16)と共同してスライドドア(12)を閉扉状態に保持する全閉ラッチ機構(17)と;
全開ストライカ(19)と共同して前記スライドドア(12)を開扉状態に保持する全開ラッチ機構(18)と;
前記全閉ラッチ機構(17)と前記全開ラッチ機構(18)とをモータ動力によりアンラッチしうるパワーリリーサー(PR)と;
前記全閉ラッチ機構(17)のラッチ(41)をモータ動力により動力伝達経路を介してハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させ得るパワークローザー(PC)と;
前記動力伝達経路を遮断して前記モータ動力による前記ラッチ(41)の前記フルラッチ位置に向けての移動をキャンセルさせるキャンセル機構と;
前記パワーリリーサー(PR)の作動により前記全閉ラッチ機構(17)のアンラッチを可能とするアンロック状態と、アンラッチを不能とするロック状態とにモータ動力で切り替わるロック機構と;
インサイドハンドル(IH)を有する中継機構(20)と;
を備えた車両スライドドア用開閉装置において;
前記ロック機構と、前記パワーリリーサー(PR)と、前記キャンセル機構とは、前記全閉ラッチ機構(17)に配設し;
前記中継機構(20)には、前記インサイドハンドル(IH)の開扉操作により開扉回転して前記全閉ラッチ機構(17)をアンラッチさせると共に前記キャンセル機構を作動させ、また、前記インサイドハンドル(IH)の閉扉操作により閉扉回転して前記全開ラッチ機構(18)をアンラッチさせるハンドルレバー(27)を設け;
前記インサイドハンドル(IH)は、前記中継機構(20)のハンドルケース(22)に2方向に回転可能に枢支させ;
前記ハンドルレバー(27)は前記ハンドルケース(22)に軸止した車両スライドドア用開閉装置。
【請求項2】
請求項1において、前記中継機構(20)は、前記スライドドア(12)のインナーパネルに固定されるベースパネル(23)を備え、前記ハンドルケース(22)は前記ベースパネル(23)に固定し、前記ベースパネル(23)には、前記ハンドルレバー(27)の閉扉回転により回転して前記全開ラッチ機構(18)をアンラッチさせる全開解放レバー(28)、および、前記ハンドルレバー(27)の開扉回転により回転して前記全閉ラッチ機構(17)をアンラッチさせるインナー中継レバー(29)とを軸止させた車両スライドドア用開閉装置。
【請求項3】
請求項2において、前記全閉ラッチ機構(17)にはアウターハンドル(OH)に接続されて前記アウターハンドル(OH)が操作されると動作するオープンレバー(45)を設け、前記全開解放レバー(28)は前記オープンレバー(45)の動作に連動する構成とした車両スライドドア用開閉装置。
【請求項4】
請求項3において、スライドドア(12)の内部には、前記パワーリリーサー(PR)を作動させうる補助電源(66)を設けた車両スライドドア用開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両スライドドア用開閉装置に関するものである。本発明における開閉装置とは、スライドドアを閉扉状態に保つ全閉ラッチ機構や、スライドドアを開扉状態に保つ全開ラッチ機構や、スライドドアの閉扉状態を解放する解放機構や、スライドドアの開扉状態を解放する解放機構や、解放機構の機能を規制するロック機構などを含むものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両スライドドア用開閉装置は、全閉ラッチ機構に作用してスライドドアをハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移動させるパワークローザーや、全閉ラッチ機構に作用してスライドドアの閉扉状態を解放させたり開扉用ラッチ機構に作用してスライドドアの開扉状態を解放させたりするパワーリリーサーや、ロック機構に作用してロック状態とアンロック状態とを切り替えるパワーロックアクチュエータを備えている。
【0003】
パワークローザー、パワーリリーサー、およびパワーロックアクチュエータは、要求出力の違いから、大型モータ、中型モータおよび小型モータをそれぞれ備え、モータはその大きさに比例して重量およびコストが増大している。
【0004】
パワークローザーやパワーリリーサーからの動力(出力)は、ボーデンケーブル等の伝達機構を介して被操作部材、例えば、ラッチ機構のラッチやラチェットに伝達されるが、スライドドアのラッチ機構には全閉ラッチ機構と全開ラッチ機構とがあるため、配策されるケーブルの全長はかなり長くなり、ワイヤーの総重量は、モータの総重量と共に車両スライドドア用開閉装置を重量化させる大きな原因となっている。
【0005】
また、スライドドアには、アウターハンドルとインナーハンドルとが設けられ、アウターハンドルおよびインナーハンドルの操作力もケーブル等の伝達機構を介して被操作部材に伝達されるため、これらも車両スライドドア用開閉装置の重量化の一因となっている。
【0006】
例えば、特許文献1には、パワークローザーを全閉ラッチ機構に設け、パワーリリーサーはスライドドアのほぼ中央に位置する第1中継機構に設け、パワーロックアクチュエータはスライドドアのほぼ中央に位置する第2中継機構に設けた構成が開示されている。
また、特許文献2、3、4には、パワークローザーとパワーリリーサーのモータを1個の共用モータにする構成が開示されている。この構成はモータ共用化の利点を備える反面、複数のケーブルが複雑に配策されることでケーブルの全長が伸びたり、ケーブルを往復の一対とすることでケーブルの全長が長くなっていて、モータとケーブルの総重量は、特許文献1の構成より不利になると考えられ、また、組み立て作業面においても不利を招いていた。
また、特許文献5のように、アウターハンドルやインナーハンドルにタッチセンサー等を設けて、一部を、ケーブルによる機械式連結に代えて電気式連結(バイワイヤー)とし、軽量化を計った車両スライドドア用開閉装置も提案されている。
また、特許文献6には、車両事故等により、パワーロックアクチュエータが車両のメインバッテリーから給電を受けることができないときは、補助バッテリーで駆動させることができるように、電源を二重にした構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-138696号公報
【文献】特開2014-009477号公報
【文献】特開2014-152496号公報
【文献】特開2016-094770号公報
【文献】特開2018-058520号公報
【文献】WO2017/109852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、パワークローザー、パワーリリーサー、およびパワーロックアクチュエータのモータの共用化や、このモータの出力を被操作部材に伝達するケーブルの配策関係の改善や、アウターハンドルおよびインナーハンドルの操作力を被操作部材に伝達するケーブルの配策関係の改善等により、車両スライドドア用開閉装置の軽量化が試みられてきたが、軽量化の達成と、構造のシンプル化を良好に両立させることはできていなかった。
よって、本発明は、全閉ラッチ機構に各種機能を集約することで、中継機構を簡素化し、以て、車両スライドドア用開閉装置の軽量化を計れるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
よって、本発明は、ストライカ16と共同してスライドドア12を閉扉状態に保持する全閉ラッチ機構17と、全開ストライカ19と共同して前記スライドドア12を開扉状態に保持する全開ラッチ機構18と、前記全閉ラッチ機構17と前記全開ラッチ機構18とをモータ動力によりアンラッチしうるパワーリリーサーPRと、前記全閉ラッチ機構17のラッチ41をモータ動力により動力伝達経路を介してハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させ得るパワークローザーPCと、前記動力伝達経路を遮断して前記モータ動力による前記ラッチ41の前記フルラッチ位置に向けての移動をキャンセルさせるキャンセル機構と、前記パワーリリーサーPRの作動により前記全閉ラッチ機構17のアンラッチを可能とするアンロック状態と、アンラッチを不能とするロック状態とにモータ動力で切り替わるロック機構と、インサイドハンドルIHを有する中継機構20とを備えた車両スライドドア用開閉装置において;前記ロック機構と、前記パワーリリーサーPRと、前記キャンセル機構とは、前記全閉ラッチ機構17に配設し、前記中継機構20には、前記インサイドハンドルIHの開扉操作により開扉回転して前記全閉ラッチ機構17をアンラッチさせると共に前記キャンセル機構を作動させ、また、前記インサイドハンドルIHの閉扉操作により閉扉回転して前記全開ラッチ機構18をアンラッチさせるハンドルレバー27を設け、前記インサイドハンドルIHは、前記中継機構20のハンドルケース22に2方向に回転可能に枢支させ、前記ハンドルレバー27は前記ハンドルケース22に軸止した車両スライドドア用開閉装置としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る発明では、全閉ラッチ機構17に、ロック機構と、パワーリリーサーPRと、キャンセル機構とを集約し、中継機構には、インサイドハンドルIHの開扉操作により開扉回転して全閉ラッチ機構17をアンラッチさせると共にキャンセル機構を作動させ、また、インサイドハンドルIHの閉扉操作により閉扉回転して全開ラッチ機構18をアンラッチさせるハンドルレバー27を設け、ハンドルレバー27はハンドルケース22に軸止したたため、中継機構20をより合理的に設計することができ、中継機構20の組み立てが容易になり、また、簡素で軽量な中継機構20を得ることができる。まや、全閉ラッチ機構17と中継機構20とを機械的に連結するケーブルを合理的に配策できるため、ケーブルの重量と、パワークローザーPC、ロック機構、およびパワーリリーサーPRのモータ重量との総計を従来より大幅に軽減できる。
本発明の請求項2および請求項3に係る発明では、中継機構20は、モータ動力が直接伝達される可動部材を不要にできるので、合理的な設計となり、中継機構20の組み立てが容易になり、また、簡素で軽量な中継機構20を得ることができる。
本発明の請求項4に係る発明では、全閉ラッチ機構17のパワーリリーサーPRを作動させうる補助電源66を設けてあるため、車両事故等により、車両のメインバッテリーから全閉ラッチ機構17に至る電源回路が損傷した場合の多重電源を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による車両スライドドア用開閉装置を備えた車体およびスライドドアの概略を示した側面図である。
図2】車両スライドドア用開閉装置の中継機構の室内側側面図である。
図3】車両スライドドア用開閉装置の中継機構の室外側側面図である。
図4】中継機構のハンドルケースとインナーハンドルの斜視図である。
図5】中継機構のレバー群を示す側面図である。
図6】中継機構のハンドルレバーとインナー中継レバーの側面図である。
図7】中継機構の全開解放レバーと全開中継レバーとハンドルレバーの側面図である。
図8】中継機構のアウター中継レバーの側面図である。
図9】車両スライドドア用開閉装置の全閉ラッチ機構の室内側の内部構造を示した側面図である。
図10】全閉ラッチ機構の室外側の内部構造を示した側面図である。
図11】全閉ラッチ機構のラッチユニットの正面図である。
図12】全閉ラッチ機構の解放機構を示した室内側側面図である。
図13】全閉ラッチ機構の解放機構を示した室外側側面図である。
図14】オープンリンクとラチェットレバーの斜視図である。
図15】全閉ラッチ機構の解放機構とチャイルドロック機構の室外側側面図である。
図16】インナーレバーの側面図である。
図17】チャイルドリンクの側面図である。
図18】車両スライドドア用開閉装置のパワークローザーの側面図である。
図19】パワークローザーからラッチに至る動力伝達機構を示す室内側側面図である。
図20】パワークローザーからラッチに至る動力伝達機構を示す室外側側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る車両スライドドア用開閉装置の好適な実施形態を図面により説明する。本発明の開閉装置とは、スライドドアを閉扉状態に維持する全閉ラッチ機構や、スライドドアを開扉状態に保つ全開ラッチ機構や、スライドドアの閉扉状態を解放する解放機構や、スライドドアの開扉状態を解放する解放機構や、解放機構の機能を規制するロック機構などを含むものである。
【0013】
図1は、開閉装置を備えた車両の側面を示しており、車両は、車体10と、車体10のドア開口部11と、車体10にスライド自在に取り付けられたスライドドア12とを備えている。スライドドア12は、車体10又はスライドドア12に配設したパワースライド機構13の動力より前方の閉扉方向と後方の開扉方向にスライドする。
【0014】
車体10のドア開口部11の後縁部にはストライカ16を設け、スライドドア12の後端にはストライカ16と係合することでスライドドア12を閉扉状態に維持する全閉ラッチ機構17(以下、ラッチ機構17と省略することがある)を設ける。全閉ラッチ機構17は、周知のようにラッチ及びラチェットを備えたものである。
【0015】
更に、図1に示したように、スライドドア12には、周知のラッチ及びラチェット機構を備えた全開ラッチ機構18が設けられる。全開ラッチ機構18は、スライドドア12が開扉スライドにより所定の全開位置まで移動すると、車体10に固定した全開ストライカ19と係合して、スライドドア12を全開位置に保持する。
【0016】
スライドドア12の室外面にはアウターハンドルOHが設けられ、スライドドア12の室内面にはインナーハンドルIHが設けられる。アウターハンドルOHおよびインナーハンドルIHの操作力は、機械的連結手段(ボーデンケーブル等)を介して全閉ラッチ機構17および全開ラッチ機構18に伝達される。
【0017】
インナーハンドルIHは、全閉ラッチ機構17をアンラッチにしてスライドドア12を開扉可能にする開扉操作方向と、全開ラッチ機構18をアンラッチにしてスライドドア12を閉扉可能とする閉扉操作方向との2方向に操作可能のハンドルグリップである。インナーハンドルIHは、好適には、縦回転軸で枢支され、中立位置から車両後方に向けた開扉操作方向と、中立位置から車両前方に向けた閉扉操作方向とに回転する。
【0018】
アウターハンドルOHは、1方向に操作可能のハンドルグリップであり、アウターハンドルOHの操作では、2個のラッチ機構17、18がアンラッチされる。なお、アウターハンドルOHは、タッチセンサー等の電気的スイッチを備えた回転動作をしないグリップとすることも可能で、この場合、機械的連結に代えて電気的連結(バイワイヤー)により、ラッチ機構17、18をアンラッチさせる。本発明では、アウターハンドルOHを機械的に連結する構成と、電気的に連結する構成とを、極めて容易に変更できる。この点については、実施例の更なる説明において、言及する。
【0019】
(中継機構20)
スライドドア12の内部空間には、業界においてリモートコントロール部と称される中継機構20が配設される。本発明の中継機構20の特徴は、インナーハンドルIHを回転自在に枢支する機能と、インナーハンドルIHの開扉操作力をケーブルを介して全閉ラッチ機構17に伝達する機能と、インナーハンドルIHの閉扉操作力をケーブルを介して全開ラッチ機構18に伝達する機能とを備えていることにある。そして、本発明の中継機構20の更なる特徴は、アウターハンドルOHからの操作力が全閉ラッチ機構17を経由して中継機構20に伝達される構成にある。これにより、アウターハンドルOHが回転式ハンドルグリップである場合と、回転しないセンサーグリップである場合でも、全閉ラッチ機構17から中継機構20に至る連結機構の設計変更は不要となる(アウターハンドルOHから全閉ラッチ機構17に至る連結機構の変更だけで済む)。また、本発明の中継機構20の特徴は、モータを備えていないことになる。このため、モータ動力を全閉ラッチ機構17や、全開ラッチ機構18に伝達するケーブルを省略できる。
【0020】
インナーハンドルIHは、利用者の操作性から、スライドドア12の前側で、上下のほぼ中間に設けられ、中継機構20もインナーハンドルIHの位置に応じて配置されることになる。インナーハンドルIHは縦回転軸21でハンドルケース22に軸止される。ハンドルケース22はベースパネル23に複数の螺子24により固定される。ベースパネル23はスライドドア12のインナーパネル(図示なし)に固定される。
【0021】
インナーハンドルIHは中立バネ25により中立位置に保持され、中立位置から車両後方に向けた開扉操作方向と、中立位置から車両前方に向けた閉扉操作方向とに回転する。
【0022】
ハンドルケース22にはピン26によりハンドルレバー27が軸止される。ハンドルレバー27には二叉状の連結部27aを設け、連結部27aをインナーハンドルIHの回動端部に嵌め込むように連結する。インナーハンドルIHが開扉操作方向または閉扉操作方向に回転すると、ハンドルレバー27もピン26を中心に開扉操作方向(図3、5において反時計回転)または閉扉操作方向(図3、5において時計回転)に回転する。
【0023】
ハンドルレバー27はL型を呈しており、ピン26から側方に伸びるハンドルアーム27bを有している。ハンドルアーム27bの延長上には、ベースパネル23に一体的に形成した軸部23aが設けられ、軸部23aには、全開解放レバー28と、インナー中継レバー29とが軸止される。軸部23aの軸芯はピン26の軸芯と平行である。
【0024】
全開解放レバー28には、ハンドルアーム27bの上縁と係合可能に対峙する係合片28aが設けられ、インナー中継レバー29には、ハンドルアーム27bの下縁と係合可能に対峙する係合片29aが設けられる。係合片28aと係合片29aはハンドルアーム27bを挟み込むようにバネ30で付勢される。
【0025】
全開解放レバー28のアーム28bはケーブル31を介して全開ラッチ機構18に機械的に連結され、インナーハンドルIHの閉扉操作により、ハンドルレバー27が図3、5において時計回転すると、ハンドルアーム27bが係合片28aを上動させて全開解放レバー28を反時計回転させ、ケーブル31を介して全開ラッチ機構18をアンラッチさせ、スライドドア12を閉扉可能状態にする。
【0026】
インナー中継レバー29の斜め上方に伸びる連結アーム29bは、ケーブル32を介して、全閉ラッチ機構17の解放機構(詳細は後記)に連結され、インナーハンドルIHの開扉操作により、ハンドルレバー27が図3、5において反時計回転すると、ハンドルアーム27bが係合片29aを下動させてインナー中継レバー29を時計回転させ、ケーブル32を介して全閉ラッチ機構17をアンラッチさせ、スライドドア12を開扉可能状態にする。
【0027】
このように、インナーハンドルIHの閉扉操作は、中継機構20を介して全開ラッチ機構18に伝達され、インナーハンドルIHの開扉操作は、中継機構20を介して全閉ラッチ機構17の解放機構に伝達される。
【0028】
インナーハンドルIHには、室外側に突出するスイッチアーム14を設ける。ハンドルケース22には、インナーハンドルIHが開扉操作されたとき、スイッチアーム14との当接により開扉操作を検出する開扉スイッチ15aと、インナーハンドルIHが閉扉操作されたとき、スイッチアーム14との当接により閉扉操作を検出する閉扉スイッチ15bとを設ける。
【0029】
ベースパネル23に一体的に形成した軸部23bには、全開中継レバー33およびアウター中継レバー34を軸止する。軸部23bの軸芯は軸部23aの軸芯と平行である。全開中継レバー33には、図7のように、全開解放レバー28の係合部28cに係合可能の凸部33aを設ける。
【0030】
アウター中継レバー34は、ケーブル35を介して、全閉ラッチ機構17の解放機構に連結され、解放機構がアウターハンドルOH等により解放動作すると、図3、5において時計回転する。アウター中継レバー34の時計回転は、連結ピン36を介して全開中継レバー33のアーム33bに伝達され、全開中継レバー33は凸部33aを介して全開解放レバー28を反時計回転させ、ケーブル31を介して全開ラッチ機構18をアンラッチさせ、スライドドア12を閉扉可能状態にする。
【0031】
このように、アウターハンドルOHの操作は、全閉ラッチ機構17を経由して中継機構20に伝達され、全開ラッチ機構18がアンラッチされる。
【0032】
なお、アウター中継レバー34に形成した大きな開口34aは、インナーハンドルIHとアウターハンドルOH等が同時操作されたときに、メカロックが生じないようにした開口である。
【0033】
(全閉ラッチ機構17)
全閉ラッチ機構17は、ストライカ16と噛合するラッチユニット37と、操作ユニット38とを備えており、概略として、ラッチユニット37はスライドドア12の幅方向に対して平行であり、操作ユニット38はラッチユニット37の室内側端部からスライドドア12の前方に向かって伸びていて、全体の俯瞰形状はL型を呈している。
【0034】
(ラッチユニット37)
ラッチユニット37は、図9、11のように、合成樹脂等で形成されるラッチボディ39を有し、ラッチボディ39にはラッチ軸40によりラッチ41が軸止され、また、ラチェット軸42によりラチェット43が軸止される。スライドドア12が閉扉移動すると、アンラッチ位置のラッチ41は、車体10のストライカ16と当接し、ハーフラッチ位置を越えてフルラッチ位置(正確には。オーバーストローク位置)まで回転する。ラチェット43は、周知のように、ラッチ41と係合して、ラッチ41とストライカ16との係合状態を保持し、スライドドア12を閉扉状態に保持する。図11のラッチ41はフルラッチ位置にあり、ラッチ41はラッチバネ(図示なし)により反時計回転方向(アンラッチ方向)に付勢され、ラチェット43はラチェットバネ(図示なし)により時計回転方向(ラッチ係合方向)に付勢され、ラッチ41に係合している。
【0035】
ラッチ41の外周面には、操作ユニット38側に大きく突き出たラッチアーム41aが設けられる。ラッチアーム41aは、後述するパワークローザーのモータ動力により、時計回転してラッチ41をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させる。
【0036】
ラッチボディ39の裏側には、ラチェット43と一体的に連動するラチェットアーム43a(図9、10、14参照)が設けられる。好適には、ラチェットアーム43aはラチェット軸42に軸止され、連結ピン44でラチェット43と一体回転するように連結される。ラチェットアーム43aは、後述するパワーリリーサーのモータ動力により回転して、ラチェット43を反係合方向に移動させ、ラッチユニット37をアンラッチさせる。
【0037】
(操作ユニット38の解放機構)
図9及び図10には操作ユニット38の内部構造が示されている。図の中央には、上下に伸びるオープンレバー45が設けられ、オープンレバー45は、操作ユニット38のハウジング46の軸部46aに軸止される。オープンレバー45は、図12、13のように、後方に伸びる連結アーム45aを有し、連結アーム45aの先端には、オープンリンク47をピン47aで連結する。
【0038】
オープンリンク47は、上方のラチェットレバー47bと下方のロック連動レバー47cとに分割形成される。ラチェットレバー47bはロック連動レバー47cに形成したピン47aに軸止される。また、ラチェットレバー47bとロック連動レバー47cとは連結バネ47dで弾力的に連結され、通常は、オープンリンク47として一体回転する。ラチェットレバー47bの先端は、図13、14のように、ラチェットアーム43aと係合可能に対峙している。この係合可能の対峙状態がロック機構のアンロック状態となる。
【0039】
オープンレバー45が図10、13において軸部46aを中心に反時計回転(開扉回転)すると、ピン47aで連結されたオープンリンク47は下方に移動して、オープンリンク47のラチェットレバー47bはラチェットアーム43aに当接して下方に回転させ、これにより、ラチェット43を反係合方向に移動させてラッチ41から離脱させ、ラッチユニット37のアンラッチが行われる。
【0040】
オープンレバー45の開扉回転は、オープンレバー45の下部にケーブル48を介して連結させたアウターハンドルOHの操作で行われる。
【0041】
また、オープンレバー45の上部は、ケーブル35を介して、中継機構20のアウター中継レバー34に連結する。これにより、アウターハンドルOHの操作でオープンレバー45の開扉回転が行われると、前述のように、ラッチユニット37のアンラッチが行われると共に、中継機構20のアウター中継レバー34が回転して、全開中継レバー33を介して全開解放レバー28を回転させ、全開ラッチ機構18のアンラッチも行える。
【0042】
ハウジング46の軸部46aには、オープンレバー45と重合するように配置したインナーレバー49を軸止する。インナーレバー49の下部は、ケーブル32を介してインナー中継レバー29に連結し、インナーハンドルIHが開扉操作されたとき、インナーレバー49は、図15において、反時計回転する構成にする。
【0043】
(チャイルドロック機構)
インナーレバー49にはスロット49aを設け、スロット49aにはチャイルドリンク50のチャイルドピン50aを挿通させる。チャイルドピン50aはインナーレバー49の反時計回転(図15)と共に移動し、オープンレバー45の係合部45c(図12、13)に当接して、オープンレバー45を開扉回転させ、もって、オープンリンク47を下動させてラッチユニット37をアンラッチさせる。
【0044】
チャイルドリンク50は、チャイルドレバー51にピン51aで連結し、チャイルドレバー51の先端の操作摘み51bはラッチユニット37の近傍から、スライドドア12の外部に露呈させる。つまり、操作摘み51bはスライドドア12の後端面から露出させるため、悪戯操作を効果的に避けられる。
【0045】
操作摘み51bがチャイルドロック側に操作されると、チャイルドレバー51はチャイルド軸51cを中心に図15において反時計回転し、チャイルドピン50aをスロット49aの上側に移動させる。これにより、チャイルドピン50aは係合部45cに対して非対峙(チャイルドロック状態)となり、インナーレバー49の開扉回転で、オープンレバー45を開扉回転させることはできなくなる。
【0046】
(パワーリリーサーPR)
オープンレバー45の開扉回転は、操作ユニット38のパワーリリーサーPRによっても行われる。パワーリリーサーPRの制御に関しては、本願の目的とするところではないため、簡単に言及するが、パワーリリーサーPRは、スライドドア12の室内・室外に設けたタッチセンサーや、車両利用者が携帯するリモコン等の信号や、スイッチ15a、15bからの信号で、ラッチ機構17、18のアンラッチ制御を行う。
【0047】
パワーリリーサーPRは、ハウジング46内に配備したモータ52を備え、モータ52の動力でカム体53が回転する構成となっている。カム体53のカム面53aは、図10の待機状態では、オープンレバー45の従動片45bを押圧しておらず、モータ52の回転によりカム体53が時計回転すると、カム面53aにより従動片45bが押圧されて、オープンレバー45は軸部46aを中心に反時計回転(開扉回転)し、上記したように、ラッチユニット37のアンラッチが行われ、また、全開ラッチ機構18もアンラッチになる。
【0048】
本実施例では、アウターハンドルOHをケーブル48を介してオープンレバー45に連結しているが、アウターハンドルOHをタッチセンサー等の電気的スイッチを備えた回転動作をしないグリップとするときは、ケーブル48を省略し、電気的スイッチでパワーリリーサーPRを作動させる構成にする。この場合においても、オープンレバー45の回転はケーブル35を経由して中継機構20に伝達されるから、機械的な連結から電気的な連結への変更はとても容易に可能となる。
【0049】
本発明におけるパワーリリース機構とは、パワーリリーサーPRの動力でオープンレバー45を回転させる機構を示す。
【0050】
(ロック機構とパワーロックアクチュエータPL)
パワーロックアクチュエータPLは、ハウジング46内に配備したモータ54を備え、モータ54の動力で円盤状のロック部材55が回転する構成となっている。ロック部材55はハウジング46の軸部46bに軸止されている。ロック部材55は従来のようにレバー部材にしてもよい。
【0051】
ロック部材55には、前後に伸びる連結リンク56の前端を連結し、連結リンク56の後端は、オープンリンク47の下部のロック連動レバー47cの連結孔47eに連結する。
【0052】
パワーロックアクチュエータPLの制御は、本願の目的とするところではないため、詳細は割愛するが、パワーロックアクチュエータPLのモータ54の回転で、図10において、ロック部材55が時計回転すると、連結リンク56を介してロック連動レバー47cがピン47aを中心に時計回転し、ロック連動レバー47cの突起47fがラチェットレバー47bを連結バネ47dの弾力に抗して時計回転させ、これにより、ラチェットレバー47bはラチェットアーム43aの側方に離間し、両者の対峙状態は解除される。これがロック機構のロック状態である。
【0053】
ロック状態では、オープンレバー45が図10、13において軸部46aを中心に反時計回転(開扉回転)しても、ラチェットレバー47bはラチェットアーム43aに当接しないため、ラッチユニット37のアンラッチは行われない。
【0054】
ロック部材55にはケーブル57(図10)を介して中継機構20に設けたロック操作部58を連結し、ロック操作部58の操作により、ロック部材55および連結リンク56を介して、オープンリンク47をロック位置とアンロック位置とに切り替えられるように構成する。ロック操作部58は、好適にはインナーハンドルIHに近傍に設けると共に、室内に露呈させて搭乗者が操作できるようにする。
【0055】
本発明におけるロック機構とは、オープンリンク47をピン47aを中心に揺動させる機構を示し、オープンリンク47は、パワーロックアクチュエータPLや、ロック操作部58によりロック位置とアンロック位置に変位する。
【0056】
(パワークローザーPC)
図18は、パワークローザーPCを示している。パワークローザーPCは、モータ動力でケーブル59の巻き取りと繰り出しを行うものである。パワークローザーPCは全閉ラッチ機構17の下方近傍に配設する。
【0057】
ケーブル59の先端部は、図9、19、20に示した駆動レバー60の回動端に連結させる。駆動レバー60は、ハウジング46の大径の軸部46cに軸止され、パワークローザーPCがケーブル59を巻き取ると、バネ61の弾力に抗して図9、19において時計回転する。
【0058】
駆動レバー60の基部には、軸部46cを中心とする円弧状の出力歯車60aを設ける。駆動レバー60の近傍には、クローズレバー62を設ける。クローズレバー62はハウジング46の大径の軸部46dに軸止する。
【0059】
クローズレバー62は、受動レバー63と、ラッチ当接レバー64とを備えている。受動レバー63は、出力歯車60aと噛合する受動歯車63aを備え、軸部46dに軸止される。ラッチ当接レバー64は受動レバー63に連結軸62aで軸止され、受動レバー63に対して図20においてバネ62bにより、反時計回転方向に付勢される。
【0060】
ラッチ当接レバー64の基端側には、コロ状の当接部64aが設けられる。当接部64aは、バネ62bの弾力により、キャンセルレバー65の支持部65aに当接した状態に保持され、当接部64aは軸部46dとドアの幅方向において重合している。
【0061】
パワークローザーPCのモータ動力でケーブル59を介して駆動レバー60が、図19において時計回転すると、ギア係合を介してクローズレバー62の受動レバー63が軸部46dを中心に反時計回転(クローズ回転)する。このとき、受動レバー63に連結軸62aで軸止されたラッチ当接レバー64は、基端側の当接部64aがキャンセルレバー65の支持部65aとの当接により上方移動が規制された状態であるため、受動レバー63とともに、図20において時計回転することになる。
【0062】
ラッチ当接レバー64の先端部は、アンラッチ位置(開扉位置)のラッチ41のラッチアーム41aの下方に位置し、ラッチ当接レバー64が図20で上動すると、ラッチ41は、アンラッチ位置からフルラッチ位置に回転する。このため、パワークローザーPCのモータ動力でラッチ41をフルラッチさせることができる。なお、実施品では、ラッチ当接レバー64はハーフラッチ位置のラッチ41をフルラッチ位置(オーバーストローク位置)まで回転させる構成となる。
【0063】
本発明におけるパワークローズ機構とは、パワークローザーPCのモータ動力でラッチ41をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させて、スライドドア12の閉扉を動力で完遂させる機構を示す。
【0064】
(パワークローザーのキャンセル)
図9,19、20のように、キャンセルレバー65は上下に伸びており、オープンレバー45の側方に配置される。キャンセルレバー65は、上下の中間をハウジング46にキャンセル軸65bで軸止される。キャンセルレバー65の下部には、クローズレバー62(ラッチ当接レバー64)の当接部64aに上方から対峙する支持部65aが設けられ、キャンセルレバー65の上部には、当接部65cを形成する。
【0065】
キャンセルレバー65は、オープンレバー45若しくはインナーレバー49の開扉回転により、キャンセル回転する(図9、19において時計回転、図10、20において反時計回転)。キャンセルレバー65がキャンセル回転すると、支持部65aはクローズレバー62(ラッチ当接レバー64)の当接部64aに対する対峙関係を解放し、これにより、受動レバー63とラッチ当接レバー64との連結回転は解除され、ラッチ41のモータ動力によるクローズ回転はキャンセルされる。
【0066】
従って、アウターハンドルOHによりオープンレバー45を回転させるか、インナーハンドルIHの開扉操作によりインナー中継レバー29およびケーブル32を介してインナーレバー49を回転させれば、ラッチ41のモータ動力によるラッチ回転を緊急解除することができる。
【0067】
本発明におけるキャンセル機構とは、パワークローザーPCのモータ動力をラッチ41に伝達させる動力伝達経路(駆動レバー60、クローズレバー62等)を遮断して、ラッチ41のモータ動力によるラッチ回転を緊急解除する機構を示す。
【0068】
図1において、スライドドア12の内部には、全閉ラッチ機構17のパワーリリーサーPRを作動させうる補助電源66を設ける。補助電源66は緊急時にパワーリリーサーPRの使用を可能にするものであり(アンラッチへの切替)、車両事故等により、車両のメインバッテリーから全閉ラッチ機構17に至る電源回路が損傷した場合の多重電源となる。補助電源66はパワーロックアクチュエータPLに対してのバックアップ電源とも使用できる。
【0069】
(軽量化)
以上までに説明した実施例では、車両スライドドア用開閉装置のモータ及びケーブルの重量を軽減できることになった。
これは、伝統的に中継機構に設けられていた機構を、全閉ラッチ機構に集約させることで、ケーブルの配策を合理的にすることができ、重量の軽減が図れた。
具体的には、ロック機構を中継機構20から全閉ラッチ機構17に移設したことで、ロック機構を経由させるためのケーブルが不要となり軽量化に成功した。
また、モータ等の動力源を中継機構20から全閉ラッチ機構17に移設したことで、ケーブルを動力源から中継機構20に至る往路分だけとし、中継機構20から動力源側に戻す復路用のケーブルが不要にできたので、軽量化に成功した。
また、各種機構を全閉ラッチ機構17に集約したことで、中継機構20をより合理的に設計することができ、中継機構20の組み立てが容易になり、また、簡素で軽量な中継機構20を得ることができた。
本実施例では、スライドドア12を閉扉状態に維持する全閉ラッチ機構17は、スライドドア12の後側に設けているが、全閉ラッチ機構17の他に、スライドドア12の前側にフロント用全閉ラッチ機構を設定することも可能である。フロント用全閉ラッチ機構は基本のラッチ/ラチェット機構を備えた簡単な構成でよく、この構成においても、上記同様に、中継機構に設けられていた機構を、リア用全閉ラッチ機構17に集約させることで、ケーブルの配策を合理的にすることができる。
【符号の説明】
【0070】
OH…アウターハンドル、IH…インナーハンドル、PR…パワーリリーサー、PC…パワークローザー、10…車体、11…ドア開口部、12…スライドドア、13…パワースライド機構、14…スイッチアーム、15a…開扉スイッチ、15b…閉扉スイッチ、16…ストライカ、17…全閉ラッチ機構、18…全開ラッチ機構、19…全開ストライカ、20…中継機構、21…縦回転軸、22…ハンドルケース、23…ベースパネル、23a…軸部、23b…軸部、24…螺子、25…中立バネ、26…ピン、27…ハンドルレバー、27a…連結部、27b…ハンドルアーム、28…全開解放レバー、28a…係合片、28b…アーム、28c…係合部、29…インナー中継レバー、29a…係合片、29b…連結アーム、30…バネ、31…ケーブル、32…ケーブル、33…全開中継レバー、33a…凸部、33b…アーム、34…アウター中継レバー、34a…開口、35…ケーブル、36…連結ピン、37…ラッチユニット、38…操作ユニット、39…ラッチボディ、40…ラッチ軸、41…ラッチ、41a…ラッチアーム、42…ラチェット軸、43…ラチェット、43a…ラチェットアーム、44…連結ピン、45…オープンレバー、45a…連結アーム、45b…従動片、45c…係合部、46…ハウジング、46a…軸部、46b…軸部、46c…軸部、46d…軸部、47…オープンリンク、47a…ピン、47b…ラチェットレバー、47c…ロック連動レバー、47d…連結バネ、47e…連結孔、47f…突起、48…ケーブル、49…インナーレバー、49a…スロット、50…チャイルドリンク、50a…チャイルドピン、51…チャイルドレバー、51a…ピン、51b…操作摘み、51c…チャイルド軸、52…モータ、53…カム体、53a…カム面、54…モータ、55…ロック部材、56…連結リンク、57…ケーブル、58…ロック操作部、59…ケーブル、60…駆動レバー、60a…出力歯車、61…バネ、62…クローズレバー、62a…連結軸、62b…バネ、63…受動レバー、63a…受動歯車、64…ラッチ当接レバー、64a…当接部、65…キャンセルレバー、65a…支持部、65b…キャンセル軸、65c…当接部、66…補助電源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
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図20