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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】仮設足場における階段開口部用手すり枠
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/14 20060101AFI20230912BHJP
   E04G 7/20 20060101ALI20230912BHJP
   E04G 7/34 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
E04G5/14 301E
E04G7/20 D
E04G7/34 303A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020141683
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2022037507
(43)【公開日】2022-03-09
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501415659
【氏名又は名称】JFE機材フォーミング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 潔
(72)【発明者】
【氏名】小澤 雄重
(72)【発明者】
【氏名】三宅 英徳
(72)【発明者】
【氏名】中島 篤人
(72)【発明者】
【氏名】脇浜 佳祐
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-027196(JP,A)
【文献】特開2003-193675(JP,A)
【文献】特開平05-171801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/14
E04G 7/20
E04G 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の支柱と、該支柱を相互につなぎ合わせる複数本の横架材と、該横架材の相互間に差し渡されその上面に歩行通路、作業床を形成する床付き布わくとを備えた仮設足場につき、該仮設足場の階段開口部に設けられる手すり枠であって、
水平姿勢に保持されて最上部に位置する手すり材と、水平姿勢に保持されて最下部に位置する布地材と、起立姿勢に保持されて該手すり材の両端部および該布地材の両端部のそれぞれにつながる一対の支柱材との組み合わせにて構成され、該階段開口部の桁側に配置される桁側枠を備え、
該布地材の一方の端部に、仮設足場の横架材に着脱自在に連係可能なつかみ金具を設け、該布地材のもう一方の端部に、該布地材の軸芯に沿う軸芯を有し、階段の桁材または仮設足場の横架材に連係させる連係部材に着脱自在に連結可能な凸部を設け
前記階段の桁材に連係させる連係部材は、前記凸部に適合させ、締結手段を介して該凸部に連結するソケットと、該ソケットに斜め下向きの傾斜姿勢でもってつながる斜材と、該斜材の下端先端部につながり、階段の桁材を両側から挟み込むとともに該階段の踏み板に接地される挟持片からなることを特徴とする仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【請求項2】
前記挟持片は、階段の桁材の一方の側面に位置する固定片と、該固定片にスライド可能に保持され、該固定片との相互間で階段の桁材を挟持する可動片からなることを特徴とする請求項に記載した仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【請求項3】
前記手すり材と前記布地材との相互間に、両端部のそれぞれが一方の支柱材、他方の支柱材につながる少なくとも1本の中桟材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載した仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【請求項4】
前記桁側枠は、前記手すり材と前記中桟材との相互間で回動可能に支持され、階段開口部の妻側において固定保持される妻側枠を有することを特徴とする請求項に記載した仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【請求項5】
前記手すり材と前記中桟材との相互間に、一端が該手すり材に連結し他端が該中桟材に連結する少なくとも1本の補強材を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載した仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【請求項6】
前記凸部は、その外表面に、該凸部の軸芯に沿う少なくとも1つの溝部またはリブを有し、前記ソケットは、該溝部またはリブに適合可能なリブまたは溝部を有することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載した仮設足場における階段開口部用手すり枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場や土木工事現場で構築される仮設足場の階段開口部用手すり枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築現場や土木工事現場において使用される工事用の仮設足場は、複数本の支柱と、これらの支柱を相互につなぐ複数本の横架材と、横架材の相互間に差し渡され、作業床や通路を形成する複数枚の床付き布わくとを適宜組み合わせることによって構築されている。
【0003】
仮設足場の床付き布わくは、建築物等の高さに沿い所定の間隔をおいて設けられた複数階層のそれぞれに設置されるものであって、各階層への移動にはその相互間に設置された階段が利用されている。
【0004】
仮設足場の階段は、平面矩形状をなす階段開口部に設置され、該階段開口部の桁側縁部、妻側縁部には、非特許文献1、特許文献1、2に見られるように、階段開口部の桁側に配置される桁側枠と、該桁側枠に揺動可能に連結し階段開口部の妻側に配置される妻側枠とで構成され、桁側枠の布地材の両端部に設けられたつかみ金具(クランプ)を仮設足場の横架材にそれぞれ連係させるか、あるいは、布地材の一方の端部につかみ金具を備えた垂直部材を設け、該垂直部材のつかみ金具を階段の桁材に連係させることにより固定される階段開口部用手すり枠が設けられており、これにより安全性を確保するようにしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】一般社団法人 仮設工業会 編集・発行、「仮設機材認定基準とその解説(厚生労働大臣が定める規格と認定基準)」、平成30年4月1日、第8版、p.139~144
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭59―181159号公報
【文献】特許第3831247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の手すり枠は、布地材に設けられたつかみ金具のうちの少なくとも一つについては、その取付部分の長さが長くなりがちであり、手すり枠を梱包して保管しておく場合に、その部位が嵩張るため余計なスペースが必要となり、手すり枠の効率的な梱包が困難な状況にあった。また、この種の手すり枠は、固定形式が、仮設足場の横架材の相互間で固定するか、仮設足場の横架材と階段の桁材との相互間で固定するかのいずれかに限定されるものであり、現場の状況に応じて手すり枠の固定形式を変更するのは不可能であって、作業性がよいとはいえないものであった。
【0008】
本発明の課題は、余分なスぺースを必要とすることなしに梱包することが可能であり、かつ、現場の状況に応じて固定形式を簡単に変更し得る階段開口部用手すり枠を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数本の支柱と、該支柱を相互につなぎ合わせる複数本の横架材と、該横架材の相互間に差し渡されその上面に歩行通路、作業床を形成する床付き布わくとを備えた仮設足場につき、該仮設足場の階段開口部に設けられる手すり枠であって、
水平姿勢に保持されて最上部に位置する手すり材と、水平姿勢に保持されて最下部に位置する布地材と、起立姿勢に保持されて該手すり材の両端部および該布地材の両端部のそれぞれにつながる一対の支柱材との組み合わせにて構成され、該階段開口部の桁側に配置される桁側枠を備え、
該布地材の一方の端部に、仮設足場の横架材に着脱自在に連係可能なつかみ金具を設け、該布地材のもう一方の端部に、該布地材の軸芯に沿う軸芯を有し、階段の桁材または仮設足場の横架材に連係させる連係部材に着脱自在に連結可能な凸部を設けたことを特徴とする仮設足場における階段開口部用手すり枠である。
【0010】
上記の構成からなる 階段開口部用手すり枠においては、
1)前記手すり材と前記布地材との相互間に、両端部のそれぞれが一方の支柱材、他方の支柱材につながる少なくとも1本の中桟材を設けること、
2)前記桁側枠は、前記手すり材と前記中桟材との相互間で回動可能に支持され、階段開口部の妻側において固定保持される妻側枠を有すること、
3)前記手すり材と前記中桟材との相互間に、一端が該手すり材に連結し他端が該中桟材に連結する少なくとも1本の補強材を設けること、
4)前記階段の桁材に連係させる連係部材は、前記凸部に適合させ、締結手段を介して該凸部部に連結するソケットと、該ソケットに斜め下向きの傾斜姿勢でもってつながる斜材と、該斜材の下端先端部につながり、階段の桁材を両側から挟み込むとともに該階段の踏み板に接地される挟持片からなること、
5)前記挟持片は、階段の桁材の一方の側面に位置する固定片と、該固定片にスライド可能に保持され、該固定片との相互間で階段の桁材を挟持する可動片からなること、
6)前記仮設足場の横架材に連係させる連係部材は、前記凸部に適合させ、締結手段を介して該凸部に連結するソケットと、前記布地材の軸芯に沿う向きでもって該ソケットにつながる腕部材と、該腕部材につながり、仮設足場の横架材に着脱自在に連係可能なつかみ金具からなること、さらに、
7)前記凸部は、その外表面に、該凸部の軸芯に沿う少なくとも1つの溝部またはリブを有し、前記ソケットは、該溝部またはリブに適合可能なリブまたは溝部を有すること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、布地材の端部に、布地材の軸芯に沿う軸芯をもった凸部を設け、この凸部に、階段の桁材または仮設足場の横架材に連係させる連係部材(つかみ金具等)を着脱自在に取り付ける構造としたことにより、手すり枠を梱包、保管する際に、連係部材を取り外して梱包することが可能となり、余計なスペースを必要とせずに手すり枠を梱包することができる。
【0012】
また、本発明によれば、横架材に連係させ得る連係部材、階段の桁材に連係させ得る連係部材をそれぞれ用意しておき、それらを適宜選択して付け替えることにより、現場の状況に応じた取り付けが可能となり、作業性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明にしたがう手すり枠の実施の形態を模式的に示した図であり、(a)は、その平面図であり、(b)は、その側面図である。
図2図1(a)(b)に示した手すり枠を仮設足場の階段開口部に取り付けた状態の平面を示した図である。
図3図1(a)(b)に示した手すり枠を仮設足場の階段開口部に取り付けた状態の側面を示した図である。
図4】本発明にしたがう手すり枠の他の実施の形態を模式的に示した図であり、(a)は、その平面図であり、(b)は、その側面図である。
図5図4(a)(b)に示した手すり枠を仮設足場の階段開口部に取り付けた状態の平面を示した図である。
図6】図(a)(b)に示した手すり枠を仮設足場の階段開口部に取り付けた状態の側面を示した図である。
図7】本発明にしたがう手すり枠と連係部材との連結状況を示した図である。
図8】挟持片の変形例を示した図である。
図9】(a)~(c)は、固定片の正面、側面および背面をそれぞれ示した図である。
図10】(a)~(c)は、可動片の平面、側面および背面をそれぞれ示した図である。
図11】本発明にしたがう手すり枠の他の実施の形態を要部について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1(a)(b)は、本発明にしたがう手すり枠の実施の形態を模式的に示した図であり、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図である。また、図2図3は、図1(a)(b)に示した手すり枠を、仮設足場の階段開口部に取り付けた状態を、その平面、側面についてそれぞれ示した図である。
【0015】
本発明にしたがう手すり枠は、 複数本の支柱Aと、この支柱Aを相互につなぐ複数本の横架材Bと、横架材Bの相互間に水平姿勢で差し渡されその上面に歩行経路、作業床等を形成する床付き布わくC、先行手すり付きブレースTで構成された仮設足場の階段開口部Mに設けられるものである。
【0016】
図における符号1は、階段開口部Mの桁側に配置される桁側枠である。桁側枠1は、水平姿勢に保持されて最上部に位置する手すり材1aと、水平姿勢に保持されて最下部に位置する布地材1bと、起立姿勢に保持されて該手すり材1aの両端部および該布地材1bの両端部のそれぞれにつながる一対の支柱材1cとの組み合わせによって構成されている。手すり材1a、布地材1bおよび支柱材1cは、金属製の中空管体が用いられる。
【0017】
また、図における符号2は、布地材1bの一方の端部に設けられ、仮設足場の横架材Bに着脱自在に連係可能なつかみ金具、3は、布地材1bのもう一方の端部に設けられた凸部である。
【0018】
凸部3は、布地材1bの軸芯Lに沿う軸芯L1を有する、例えば、金属製の中空管体からなるものを用いることができ、仮設足場の横架材Bに連係させる連係部材Dに連結可能になっている。
【0019】
また、図における符号4は、手すり材1aと布地材1bとの相互間に水平姿勢で設けられ、両端部のそれぞれが一方の支柱材1c、他方の支柱材1cにつながる中桟材、5は、手すり材1aと中桟材4との相互間に垂直姿勢で設けられ、一端が手すり材1aに連結し、他端が中桟材4に連係する補強材である。中桟材4、補強材5についても、手すり材1a、布地材1b、支柱材1cと同様に、金属製の中空管体が用いられる。
【0020】
また、図における符号6は、手すり材1aと中桟材4との相互間で回動可能に支持され、階段開口部Mの妻側において固定保持される妻側枠である。妻側枠6は、中桟材4の直上に配置されるロア部材6aと、手すり材1aの直下に配置されるアッパー部材6bと、これらロア部材6a、アッパー部材6bの端部においてそれぞれスライド可能に保持されるコの字形状をなすスライダー6cにて構成されており、スライダー6cには、補強材5および仮設足場の支柱Aのそれぞれに連結可能な連結手段6dが設けられている。妻側枠6についても金属製部材が適用される。
【0021】
仮設足場の横架材Bに連係させる連係部材Dとしては、凸部3に適合させ、ボルト、ナット等の締結手段を介して該凸部3に連結するソケットD1と、布地材1bの軸芯Lに沿う向きでもって該ソケットD1につながる腕部材D2と、該腕部材D2につながり、仮設足場の横架材材Bに着脱自在に連係可能なつかみ金具D3からなるものを用いることができる。なお、つかみ金具D3については、図1(a)、図2に示すように、腕部材D2の取り付け位置を、連係部材Dの軸芯L1から偏心させたものを例として示したが、つかみ金具D3の取り付け位置は、連係部材Dの軸芯L1に一致させておくのが好ましく、これにより、階段開口部Mが床付き布枠Cの右側、左側のどちら側にあったとしても同じ条件で取り付けることができる。
【0022】
本発明にしたがう手すり枠は、凸部3において連係部材Dの取付、取り外しが可能になっているため、手すり枠の梱包時には連係部材Dを取り外しておくことが可能であり、梱包スペースを必要最小限にすることができる。この実施の形態では、つかみ金具2を、布地材1bの端部に固定したものを例として示したが、該つかみ金具2は、連係部材Dと同じ構成としてもよい。
【0023】
図4(a)(b)は、本発明にしたがう手すり枠の他の実施の形態を模式的に示した図であり、図5図6は、図4(a)(b)に示した手すり枠の、階段開口部Mへの取付状況をその平面、側面についてそれぞれ示した図である。
【0024】
かかる手すり枠は、妻側枠6を、中桟材4の直上に配置されるロア部材6aと、手すり材1aの直下に配置されるアッパー部材(妻側手すり材)6bと、一端がロア部材6aの端部につながり、他端がアッパー部材6bの胴体部分につながる斜材6eと、アッパー部材6bにスライド可能に配置されるスライダー6fにて構成するとともに、連係部材Dとして、凸部3に適合させ、締結手段を介して該凸部3に連結するソケットD1と、該ソケットD1に斜め下向きにつながる斜材D4と、該斜材D4の下端先端部につながり、階段Eの桁材E1の一つを両側から挟み込んで該階段Eの踏み板(ステップ)E2に接地される挟持片D5とからなるものを適用した例である。
【0025】
階段開口部Mにおいては、床付き布わくCのつかみ金具や階段を固定するためのつかみ金具が横架材Bに連係しており、とくに、横架材Bと床付き布わくCとの間にすき間が形成されないように端部カバーを備えたすき間レスタイプの床付き布わくCを使用する仮設足場にあっては、連係部材Dのつかみ金具D3を取り付けるスペースを確保するのが難しく、そのスペースを確保するには、端部カバーを有しない床付き布わくCを使用せざるを得ず、この場合、横架材Bと床付き布枠Cとの間にすき間が形成され、そのすき間を通して工事用の道具等を誤って落下させてしまうことも懸念される。なお、床材間のすき間に関してではあるが、労働安全衛生規則(第563条1項第2号)において30mm以下とすること、と規定されている。
【0026】
上掲図4(a)(b)に示すような連係部材Dを使用したものにあっては、つかみ金具D3を設置するためのすき間を設ける必要がない(作用床のすき間レス化が可能)ため、工事用の道具等を誤って落下させてしまう不具合をなくすことができる利点がある。また、かかる連係部材Dを用いる場合には、階段Eの踏み板E2に仮預け可能であり、手すり枠の取り付け作業を安定して行うこともできる。挟持片D5と階段Eの桁材E1とは、それらを貫通するように配置されたボルト、ナット等の締結手段を介して連結するのが好ましいが締結手段については、ボルト、ナット等に限定されることはない。
【0027】
本発明にしたがう手すり枠は、その本体部分から大きく突き出すような部分がないため、手すり枠を梱包する際の梱包スペースを必要最小限に留めることができるだけでなく、連係部材Dの付け替えにより手すり枠の固定形式を簡便に変更し得る。
【0028】
とくに、仮設足場の階段開口部Mに使用される階段は、ステップ高さや桁材の寸法、位置等が異なるものが多数存在しており、これらの階段に対応する連係部位材Dを予め用意しておくことにより手すり枠の共用化が可能となり、作業性が改善され、仮設足場を効率的に構築することができる。なお、本発明にしたがう手すり枠は、常設された階段に対しても適用可能である。
【0029】
図7は、本発明にしたがう手すり枠の凸部3と連係部材Dとの連結状況を示した図である。凸部3に、それを貫通する長孔7を設け、この長孔7にボルト、ナット等の締結手段を通して連係部材Dと連結することにより、連係部材Dの取り付け長さを長孔7の範囲内で調整することができる。
【0030】
図8は、挟持片D5の変形例を示した図である。ここで示した挟持片D5は、階段Eの桁材E1の一方の側面に位置する図9(a)~(c)に示す如き形状からなる固定片D51と、該固定片D51にスライド可能に保持され、桁材E1のもう一方の側面に位置して該桁材E1を固定片D51との相互間(図8のPの範囲)で挟持する図10(a)~(c)に示す如き形状からなる可動片D52にて構成されたものである。挟持片D5をこのような構成にすることにより手すり枠の、桁材E1への固定が確実になり、取り付け作業も容易になる。
【0031】
図8に示した挟持片D5は、固定片D51の対向位置にナットNが固定された側壁D511を設け、可動片D52に取り付けられたボルトD521を、ナットNに係合させ、該ボルトD521をねじ込むことによりスライドさせるものであるが、可動片D52のスライド機構は、図示のものに限定されることはない。
【0032】
本発明にしたがう手すり枠は、図11に示すように、凸部3の外表面に、該凸部3の軸芯L1に沿うリブ3aを設け、ソケットD1には、該リブ3aに適合可能な溝部D11を設けておくこともでき、これにより、連係部材Dの、凸部3に対する位置決めが簡単に行える。なお、図示はしないが、凸部3の外表面に溝部を設け、ソケットD1に該溝部に適合可能なリブを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、余分なスペースを必要とすることなしに梱包が可能で、かつ、現場の状況に応じて固定形式を簡便に変更し得る階段開口部用手すり枠が提供できる。
【符号の説明】
【0034】
1 桁側枠
1a 手すり材
1b 布地材
1c 支柱材
2 つかみ金具
3 凸部
3a リブ
4 中桟材
5 補強材
6 妻側枠
6a ロア部材
6b アッパー部材
6c スライダー
6d 連結手段
6e 斜材
6f スライダー
7 長孔
A 支柱
B 横架材
C 床付き布わく
D 連係部材
D1 ソケット
D11 溝部
D2 腕部材
D3 つかみ金具
D4 斜材
D5 挟持片
D51 固定片
D511 側壁
D52 可動片
D521 ボルト
T 先行手すり付きブレース
M 階段開口部
E 階段
E1 桁材
E2 踏み板
N ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11