(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230912BHJP
【FI】
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2020559725
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 JP2019034678
(87)【国際公開番号】W WO2020115970
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-06-16
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2019100675
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】久原 俊介
(72)【発明者】
【氏名】東島 勝義
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0210352(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0330475(US,A1)
【文献】国際公開第2018/033283(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、
前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力
し、
前記対処タイミングは、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処にかかるコストに従って、決定される、
情報処理方法。
【請求項2】
前記対処タイミングは、前記認識処理を実行した時点である
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記対処タイミングは、前記認識処理を実行した時点から所定時間後の時点であり、
前記認識処理の結果に従って前記所定時間を決定することで、前記対処タイミングを決定する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記対処タイミングの到来後において、前記移動体に乗客又は貨物がない場合に前記通知を出力する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記認識処理の結果を表示し、
対処タイミング設定を入力する画面を表示し、
入力された前記対処タイミング設定を記憶し、
記憶する前記対処タイミング設定を用いて、前記対処タイミングを決定する
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記通知は、前記移動体への移動要求である
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記通知は、前記移動体の所有者又は管理者への、前記移動体の内部の対処の推奨である
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果および、前記移動体に乗車予定の乗客の、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する特性
に従って、
前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定
し、
前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する、
情報処理方法。
【請求項9】
前記移動体が備える、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処を実行する装置が動作したか否かを示す情報を取得し、
さらに、前記装置が動作したか否かにも従って、前記対処タイミングを決定する
請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、
前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する対処タイミング決定部と、を備え
、
前記対処タイミングは、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処にかかるコストに従って、決定される、
情報処理装置。
【請求項11】
移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、
前記認識処理の結果および、前記移動体に乗車予定の乗客の、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する特性に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する対処タイミング決定部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータ
に実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは前記コンピュータ
に、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、
前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する、処理
を実行させ、
前記対処タイミングは、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処にかかるコストに従って、決定される、
プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは前記コンピュータに、
移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、
前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、
前記認識処理の結果および、前記移動体に乗車予定の乗客の、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する特性に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、
前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する、処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に係る情報についての情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体の運用を管理する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、移動体の内部を自動的に清掃するロボットを備える移動体に関する技術が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-54537号公報
【文献】特開2002-166379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動体の運用を管理するにあたって、移動体の内部に汚損又は破損がある場合には、適切なタイミングで、その汚損又は破損に対処することが望まれる。
【0006】
そこで、本開示は、適切なタイミングで、移動体の内部の汚損又は破損に対処することができる情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する対処タイミング決定部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1処理を実行させるためのプログラムであって前記第1処理は、前記コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する、処理である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムによれば、適切なタイミングで、移動体の内部の汚損又は破損に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図2C】
図2Cは、実施の形態に係る移動体の内部の様子の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る認識処理実行部が記憶するテーブルの一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る移動体の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合の具体例の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る第1移動体管制処理のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る第1対処タイミング決定処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る対処タイミング設定入力処理のシーケンス図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る第2移動体管制処理のシーケンス図である。
【
図9】
図9は、他の実施の形態に係る第3移動体管制処理のシーケンス図である。
【
図10】
図10は、他の実施の形態に係る第2対処タイミング決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明の一態様を得るに至った経緯)
一般に、自動運転の移動体においては、運転手が不在であるため、運転手が搭乗する移動体に比べて、移動体の内部の汚損又は破損の状態に目が届きにくい傾向にある。このため、自動運転の移動体をユーザに提供する場合には、移動体の内部の汚損又は破損に、適切なタイミングで対処することが難しい。例えば、移動体の内部の汚損又は破損に頻繁に対処する運用を行えば、ユーザが不快な思いをしてしまう頻度を低減することはできるが、移動体の利用効率が低下してしまう。逆に、例えば、移動体の内部の汚損又は破損に頻繁に対処しない運用を行えば、移動体の利用効率の低下を低減することはできるが、ユーザが不快な思いをしてしまう頻度が増加してしまう。
【0013】
発明者は、このような問題に鑑みて、鋭意検討、実験を繰り返した。その結果、発明者は、適切なタイミングで、移動体の内部の汚損又は破損に対処することができる、下記本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及び、プログラムに想到した。
【0014】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する。
【0015】
上記情報処理方法によると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングが決定され、決定された対処タイミングに従って移動体を対処場へ移動させるための通知が出力される。このため、移動体の内部の汚損又は破損に、適切なタイミングで対処することができる。言い換えると、当該汚損又は破損に効率的に対処することができるため、移動体の利用効率を向上させることができる。
【0016】
また、前記対処タイミングは、前記認識処理を実行した時点であるとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識した場合に、速やかに対処することができる。
【0017】
また、前記対処タイミングは、前記認識処理を実行した時点から所定時間後の時点であり、前記認識処理の結果に従って前記所定時間を決定することで、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損又は破損の認識結果に応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0018】
また、前記対処タイミングの到来後において、前記移動体に乗客又は貨物がない場合に前記通知を出力するとしてもよい。これにより、移動体が乗客又は貨物を輸送している期間には、その移動体を対処場へ移動させないようにすることができる。
【0019】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の度合いに従って、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損又は破損の度合いに応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0020】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損の種類に従って、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損又は破損の種類に応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0021】
また、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処にかかるコストに従って、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損又は破損に対する対処にかかるコストに応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0022】
また、前記対処タイミングは、前記移動体を清掃する清掃タイミングであり、前記認識処理の結果として認識された、前記移動体の内部の汚損の種類が、時間経過により悪化する汚損であるか否かに従って、前記清掃タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損が、時間経過により悪化する汚損であるか否かに応じて、清掃タイミングを決定することができる。
【0023】
また、前記認識処理の結果を表示し、対処タイミング設定を入力する画面を表示し、入力された前記対処タイミング設定を記憶し、記憶する前記対処タイミング設定を用いて、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、情報処理方法を利用する利用者によって設定された対処タイミング設定に基づいて、対処タイミングを決定することができる。
【0024】
また、前記通知は、前記移動体への移動要求であるとしてもよい。これにより、対処タイミングに従って、移動体を対処場へ移動させることができる。
【0025】
また、前記通知は、前記移動体の所有者又は管理者への、前記移動体の内部の対処の推奨であるとしてもよい。これにより、移動体の所有者又は管理者は、移動体の内部の対処の推奨を知ることができる。
【0026】
また、さらに、乗車予定の乗客の、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する特性にも従って、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体に乗車予定の乗客に応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0027】
また、前記移動体が備える、前記移動体の内部の汚損又は破損に対する対処を実行する装置が動作したか否かを示す情報を取得し、さらに、前記装置が動作したか否かにも従って、前記対処タイミングを決定するとしてもよい。これにより、移動体の内部の汚損又は破損に対する対処が実行されたか否かに応じて、対処タイミングを決定することができる。
【0028】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動体の内部に対するセンシング結果を取得する取得部と、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する認識処理実行部と、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する対処タイミング決定部と、を備える。
【0029】
上記情報処理装置によると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングが決定され、決定された対処タイミングに従って移動体を対処場へ移動させるための通知が出力される。このため、移動体の内部の汚損又は破損に、適切なタイミングで対処することができる。
【0030】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1処理を実行させるためのプログラムであって前記第1処理は、前記コンピュータが、移動体の内部に対するセンシング結果を取得し、前記センシング結果に基づいて、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行し、前記認識処理の結果に従って、前記移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定し、前記対処タイミングに従って前記移動体を対処場へ移動させるための通知を出力する、処理である。
【0031】
上記プログラムによると、移動体の内部のセンシング結果から移動体の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングが決定され、決定された対処タイミングに従って移動体を対処場へ移動させるための通知が出力される。このため、移動体の内部の汚損又は破損に、適切なタイミングで対処することができる。
【0032】
以下、本開示の一態様に係る情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムの具体例について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定するものではない。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0033】
なお、本開示の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0034】
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。この情報処理システムは、乗客又は貨物を輸送する移動体の運用を管理するシステムである。
【0035】
ここでは、一例として、移動体がライドシェアサービスで利用される自動運転車両であるとして説明するが、移動体は、乗客又は貨物を輸送可能な移動体であれば、必ずしもライドシェアサービスで利用される自動運転車両に限定される必要はない。また、運転手の有無や座席の有無も問わない。
【0036】
[1.情報処理システムの構成]
図1は、実施の形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示されるように、情報処理システム1は、移動体管制サーバ100と、サービササーバ200と、1以上の移動体300とを含んで構成される。
【0038】
移動体300は、ライドシェアサービスで利用される自動運転車両であって、乗客又は貨物を輸送する。
図1では、移動体300があたかも1台であるかのように図示されているが、移動体300の数は、必ずしも1台である場合に限定されず、複数台であってもよい。
【0039】
移動体300は、制御部30と、センシング部31と、操縦部32と、通信部33とを含んで構成される。移動体300は、例えば、さらに、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処を実行する装置を含んで構成されてもよい。例えば、対処は、清掃又は修繕であり、対処を実行する装置は、集塵機、自走掃除機、除菌装置、脱臭装置、修繕装置等である。
【0040】
センシング部31は、移動体300の内部をセンシングし、センシング結果を示すセンシング情報を出力する。センシング部31は、例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置を備え、移動体300の内部にある座席を撮像し、撮像した画像をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、匂いセンサを備え、移動体300の内部空間の匂いをセンシングし、センシングした匂いを示す情報をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、赤外線センサを備え、移動体300の内部にある座席の表面温度を測定し、測定した表面温度をセンシング情報として出力するとしてもよい。また、センシング部31は、例えば、集音マイクを備え、移動体300の内部の音声を集音し、集音した音声をセンシング情報として出力するとしてもよい。
【0041】
操縦部32は、移動体300を操縦する。操縦部32は、例えば、専用ハードウエアにより実現されてもよいし、例えば、プロセッサとメモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで実現されてもよい。
【0042】
通信部33は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体管制サーバ100が含まれる。通信部33は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0043】
制御部30は、センシング部31と、操縦部32と、通信部33とを制御する。制御部30は、例えば、専用ハードウエアにより実現されてもよいし、例えば、プロセッサとメモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することで実現されてもよい。
【0044】
移動体管制サーバ100は、移動体300を管制する管制会社が利用するサーバである。
【0045】
移動体管制サーバ100は、制御部10と、表示部11と、操作部12と、通信部13と、移動体管理部14と、移動体管理DB15と、取得部40と、認識処理実行部50と、対処タイミング決定部60と、対処タイミング設定部70と、対処タイミング設定DB80とを含んで構成される。移動体管制サーバ100は、例えば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータであって、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを実行することで、各種機能を実現してもよい。
【0046】
通信部13は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体300と、サービササーバ200とが含まれる。通信部13は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0047】
表示部11は、移動体管制サーバ100を利用するユーザに対して、画像を表示する。表示部11は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備え、表示デバイスに画像を表示するとしてもよい。
【0048】
操作部12は、移動体管制サーバ100を利用するユーザからの操作を受け付ける。操作部12は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、入力デバイスを用いてなされるユーザによる操作を受け付けるとしてもよい。
【0049】
移動体管理DB15は、移動体300の内部の汚損又は破損の状態に係る情報を記憶するデータベースである。
【0050】
移動体管理部14は、移動体管理DB15が記憶する情報を管理する。
【0051】
対処タイミング設定DB80は、移動体300の内部の汚損又破損に対する対処を行うタイミングの設定に係る情報(以下、「対処タイミング設定」とも称する。)を記憶するデータベースである。対処タイミング設定DB80は、対処タイミング設定として、例えば、移動体300の内部を清掃する時刻を示す情報、又は移動体300の内部を清掃する周期を示す情報を記憶していてもよい。例えば、清掃する時刻を示す情報は、「毎日12時、24時に清掃する」旨を示す情報であってもよく、清掃する周期を示す情報は、「サービス開始後、4時間毎に清掃する」旨を示す情報であってもよい。対処タイミング設定DB80は、例えば、繁忙期と閑散期とで互いに異なる対処タイミング設定を記憶してもよい。この場合、対処タイミング設定DB80は、さらに、繁忙期を示す情報を記憶していてもよい。例えば、繁忙期を示す情報は、サッカー、野球の試合、コンサート等のイベントの開催時間帯、開催場所等を示す情報であってもよい。また、対処タイミング設定DB80は、天候状況に応じて互いに異なる対処タイミング設定を記憶していてもよい。例えば、天候状況は、雨天、晴天、猛暑日、極寒日等であってもよい。この場合、対処タイミング設定DB80は、さらに、天候情報を示す情報を記憶していてもよい。
【0052】
対処タイミング設定部70は、対処タイミング設定DB80が記憶する情報を管理する。
【0053】
取得部40は、移動体300の内部に対するセンシング結果を取得する。より具体的には、取得部40は、移動体300のセンシング部31から出力されたセンシング情報を、移動体300の内部に対するセンシング結果として取得する。すなわち、取得部40は、移動体300の通信部33から送信され、移動体管制サーバ100の通信部13により受信されたセンシング情報を取得する。
【0054】
認識処理実行部50は、取得部40により取得された、移動体300の内部に対するセンシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する。
【0055】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部の画像である場合に、その画像に対して画像処理を行い、移動体300の内部の汚損又は破損を検知してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、乗客の乗車前と降車後の画像の差分を検出し、検出した差分に対して画像認識処理を行うことで、移動体300の内部の汚損又は破損を検知してもよい。また、この場合、認識処理実行部50は、例えば、画像に対して画像認識処理を行うことで乗車中の乗客の動作を特定し、特定した動作に基づいて、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を算出してもよい。認識処理実行部50は、例えば、乗客がお菓子を食べていたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損又は破損がお菓子のこぼしであると算出してもよい。また、例えば、認識処理実行部50は、乗客がドリンクを飲んでいたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損又は破損がドリンクのこぼしであると算出してもよい。また、例えば、認識処理実行部50は、乗客が鼻をかんでいたと特定した場合には、移動体300の内部の汚損がティッシュであると算出してもよい。
【0056】
図2Aは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「お菓子のこぼし」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図であり、
図2Bは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「ドリンクのこぼし」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図であり、
図2Cは、移動体300の内部の汚損又は破損の種類が「ペットボトル」である場合における、移動体300の内部の様子の一例を示す模式図である。
【0057】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部空間の匂いを示す情報である場合に、その匂いを示す情報に基づいて、移動体300内の空気の汚れを検知してもよい。
【0058】
認識処理実行部50は、例えば、センシング情報が移動体300の内部の表面温度である場合に、その移動体300の内部の表面温度に基づいて、移動体300内部の濡れを検知してもよい。例えば、シートの濡れが検知されてもよい。
【0059】
認識処理実行部50は、例えば、認識処理において、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0060】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の個数を特定し、特定した汚損又は破損の個数に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の個数が比較的少ない場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の個数が比較的中程度の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の個数が比較的多い場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。例えば、認識処理実行部50は、汚損又は破損の個数が3個以下の場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の個数が4個以上6個以下の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の個数が7個以上の場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。ここで、汚損又は破損の個数は、移動体300の内部全体における汚損又は破損の個数であってもよいし、移動体300の内部の特定の場所における汚損又は破損の個数であってもよいし、汚損又は破損の単位面積当たりの個数(すなわち、密度)であってもよい。
【0061】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間を特定し、特定した経過時間に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。例えば、移動体300の内部の汚損又は破損がドリンクのこぼしである場合には、ドリンクをこぼしてから時間が経過すればするほど、ドリンクのこぼしの清掃の時間又は料金が増加する。このため、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が大きくなるほどより汚損又は破損の度合いが大きくなると算出してもよい。認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が1時間未満の場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が1時間以上3時間未満の場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、移動体300の内部が汚損又は破損してからの経過時間が3時間以上の場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0062】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類の個数に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類の個数が1個である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の種類の個数が2個である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の種類の個数が3個である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0063】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類に応じた対処方法を特定し、特定した対処方法に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、対処方法の数が1つである場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、対処方法の数が2つである場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、対処方法の数が3つである場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類と、対処方法とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、特定した汚損又は破損の種類に応じた対処方法を特定してもよい。
【0064】
図3は、認識処理実行部50が記憶するテーブルの一例を示す模式図である。
【0065】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類を特定し、特定した汚損又は破損の種類に応じて、汚損又は破損委対処するための対処コストを特定し、特定した対処コストに基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。例えば、対処コストは、対処時間又は対処料金である。この場合、認識処理実行部50は、例えば、対処コストが対処時間である場合、対処時間が10分未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、対処コストが10分以上1時間未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、対処コストが1時間以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。また、この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の種類と、対処時間又は対処料金方法とを対応付けたテーブルを記憶し、記憶するテーブルを参照して、特定した汚損又は破損の種類から対処方法を特定してもよい。記憶するテーブルの一例として、例えば
図3に図示されたテーブルであってもよい。対処時間、対処料金は、予め設定された値であってもよいし、過去の履歴から算出された値であってもよいし、外部の業者等から取得した値であってもよい。
【0066】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合を特定し、特定した汚損又は破損の範囲の割合に基づいて、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。この場合、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の範囲の割合が1割未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「小」と算出し、汚損又は破損の範囲の割合が1割以上3割未満である場合に、汚損又は破損の度合いを「中」と算出し、汚損又は破損の範囲の割合が3割以上である場合に、汚損又は破損の度合いを「大」と算出してもよい。
【0067】
図4は、移動体300の内部の所定のエリアにおける汚損又は破損の範囲の割合の具体例の一例を示す模式図である。
【0068】
ここで、汚損又は破損は、移動体300の内部の一か所に集中している場合もあれば、複数個所に分散している場合もある。そのため、認識処理実行部50は、例えば、汚損又は破損の位置から、移動体300内部の所定エリアにおける使用可能範囲を決定し、決定した使用可能範囲の割合に応じて、汚れの度合いを算出するとしてもよい。移動体300内部の所定エリアにおける使用可能範囲の例として、例えば、汚損又は破損のそれぞれの位置から所定範囲内の領域を使用不可能領域とし、所定のエリアにおける使用不可能領域以外の領域を使用可能範囲としてもよい。
【0069】
認識処理実行部50は、上記汚損又は破損の度合いの算出を組み合わせることで、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0070】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の場所毎に、汚損又は破損の度合いを算出してもよい。
【0071】
認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いに応じて、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いを算出するとしてもよい。認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、それらの合計を移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いの最高値を、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、移動体300の内部のパーツ毎に合計した値のうち最高値を、移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。例えば、当該パーツは、シート、床、窓等である。また、認識処理実行部50は、例えば、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いを数値化し、それらの平均を移動体300の内部の全体としての汚損又は破損の度合いとして算出してもよい。
【0072】
認識処理実行部50は、例えば、さらに、移動体300外部の装置により取得された情報にも基づいて、移動体300の外観の汚損又は破損を検知するとしてもよい。例えば、当該情報は、移動体300を格納する格納庫に設置された監視カメラにより撮像された画像、移動体300以外の移動体の車載カメラにより撮像された画像等である。
【0073】
対処タイミング決定部60は、認識処理実行部50により実行された認識処理の結果に従って、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングを決定する。ここで、対処タイミング決定部60は、さらに、対処タイミング設定DB80が記憶する対処タイミング設定を用いて、対処タイミングを決定してもよい。
【0074】
対処タイミング決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いに従って、対処タイミングを決定してもよい。対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いがより大きいほど、対処タイミングがより早くなるように、対処タイミングを決定してもよい。対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが閾値を超える場合に、予め設定された対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定し、閾値を超えない場合に、予め設定された対処タイミング通りのタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。予め設定された対処タイミングは、対処タイミング設定DB80に記憶される対処タイミング設定により示される、移動体300の内部の汚損又破損に対する対処を行うタイミングである。これにより、汚損又は破損の度合いが小さいにも拘わらずに対処することで、移動体300の稼働率が必要以上に低下してしまうことを抑制できる。この場合、移動体300の内部の汚損又は破損が、時間経過により清掃の時間又は料金が増加する種類の汚損又は破損である場合には、閾値を小さくするとしてもよい。例えば、当該種類の汚損は、ドリンクのこぼし等であり、当該種類の破損は、シートの繊維のほつれ等である。これにより、汚損又は破損への対処にかかる時間又は料金の増加を抑制できる。また、この場合、対処タイミング決定部60は、さらに、移動体300の内部の汚損又は破損の場所に応じて、閾値の値を変更するとしてもよい。例えば、当該場所はシート又は床であり、シートは床に比べてドリンクの液体が染みこみにくい。これにより、例えば、汚損又は破損の種類がドリンクのこぼしである場合において、汚損又は破損の場所がドリンク等の液体が染み込まない材質の場所であるときには、ドリンク等の液体が染み込む材質の場所であるときよりも、急いで対処しないようにできる。また、認識処理実行部50による認識処理の結果として、移動体300の内部の各場所における破損又は汚損の度合いが算出されている場合には、対処タイミング決定部60は、少なくとも1つの場所において閾値を超えた場合に、予め設定された対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。また、対処タイミング決定部60は、閾値を超えた場所が所定数以上の場合に、予め設定された対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。これは、移動体300の内部の一部の場所だけに汚損又は破損がある場合には、乗客に強く不快感を与えることなくサービスを提供することができることを利用して、汚損又は破損への対処の回数を抑制することができるからである。より具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、閾値を超えた場所がシートである場合には、閾値を超えたシートの数が2つ以上の場合に、予め設定された対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。さらには、対処タイミング決定部60は、例えば、破損又は汚損の度合いが閾値を超えたシートの位置に基づいて、乗客が使用可能なシートを決定し、使用可能なシートが存在しない場合に、予め設定された対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。また、対処タイミング決定部60は、現時点の時間帯に応じて、閾値の値を変更するとしてもよい。この場合、対処タイミング決定部60は、例えば、閑散期に閾値の値を低めに設定し、繁忙期に閾値の値を高めに設定してもよい。これにより、閑散期にも拘わらず、汚損又は破損している移動体300が提供されることによる乗客の不快感を低減し、繁忙期にも拘わらず、移動体300の稼働率が低下してしまうことを抑制できる。また、対処タイミング決定部60は、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが閾値を超える場合であっても、サービスの提供中であれば、サービスの終了後のタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。これにより、サービスの途中に汚損又は破損に対する対処が行われてしまうことを防止することができる。また、対処タイミング決定部60は、時間帯に応じて、破損又は汚損に対する対処内容を決定してもよい。この場合、対処タイミング決定部60は、例えば、閑散期には、所要時間が比較的少ない対処内容に対処内容を限定し、繁忙期には、対処内容を限定しないように対処内容を決定してもよい。例えば、所要時間が比較的少ない対処内容は、ごみ除去、掃除機である。また、対処タイミング決定部60は、移動体300の需要状況に応じて、閾値の値を変更するとしてもよい。この場合、対処タイミング決定部60は、例えば、需要状況が高い場合に、閾値の値を低めに設定し、需要状況が低い場合に閾値の値を高めに設定してもよい。例えば、高い需要状況は、雨天時、猛暑日、極寒日、イベント(コンサート、サッカー、野球等)の開催時間帯である。また、対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いがより大きいほど、予め設定された対処タイミングにより示される次回の対処タイミングまでの時間を、より短縮するように、対処タイミングを決定してもよい。これにより、汚損又は破損の度合いが大きいほど対処タイミングを早め、逆に、汚損または破損の度合いが小さいほど対処タイミングを遅らせることができる。より具体的な例として、例えば、対処タイミング決定部60は、汚損又は破損の度合いが「小」である場合には、次回の対処タイミングまでの時間を15分短縮し、汚損又は破損の度合いが「中」である場合には、次回の対処タイミングまでの時間を30分短縮し、汚損又は破損の度合いが「大」である場合には、次回の対処タイミングまでの時間を1時間短縮するように、対処タイミングを決定してもよい。この場合、例えば、次回の対処タイミングまでの時間が2時間である場合において、認識処理実行部50による認識処理の結果として、汚損又は破損の度合いが「中」であると認識されたときには、対処タイミング決定部60は、対処タイミングを1時間30分後と決定する。
【0075】
対処タイミング決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損の種類に従って、対処タイミングを決定してもよい。対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損の種類の数が複数の場合に、それら複数の種類の汚損又は破損に対応することができる対処場で対処できるように、対処タイミングを決定してもよい。これにより、一の対処場で移動体300の全ての対処が終わらずに、移動体300を他の対処場へ移動させなければならなくなることを防ぐことができる。また、対処タイミングが移動体300を清掃する清掃タイミングである場合には、対処タイミング決定部60は、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損の種類が、時間経過により悪化する汚損であるか否かに従って、清掃タイミングを決定してもよい。例えば、時間経過により悪化する汚損は、ドリンクのこぼしであり、時間経過により悪化する破損は、シートの繊維のほつれ等である。
【0076】
対処タイミング決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処にかかる対処コストに従って、対処タイミングを決定してもよい。これにより、例えば、対処コストが対処時間である場合には、対処のためにサービスを一時中断する期間がわかるため、他の移動体300を含めたサービス全体の稼働状況に合わせて、対処タイミングを決定できる。対処タイミング決定部60は、例えば、対処コストが対処時間である場合には、現時点が閑散期のときには、対処時間がより大きいほど、対処タイミングがより早くなるように対処タイミングを決定してよい。また、対処タイミング決定部60は、例えば、現時点が繁忙期のときには、対処時間がより小さいほど、対処タイミングがより早くなるように対処タイミングを決定してもよい。
【0077】
対処タイミング決定部60は、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果として認識された、移動体300の内部の汚損又は破損が特定の汚損又は破損であるか否かに応じて、対処タイミングを決定してもよい。
【0078】
対処タイミング決定部60は、例えば、汚損又は破損が特定の汚損又は破損である場合には、予め定められた対処タイミングよりも早いタイミングとなるように、対処タイミングを決定してもよい。これにより、乗客に不快感を与える可能性が高い汚損又は破損の場合に、新たな乗客を取らずに、汚損又は破損への対処を優先させることができる。特に、特定の汚損又は破損が嘔吐物である場合には、例えば、対処タイミング決定部60は、対処タイミングを、認識処理を実行した時点であると決定してもよい。汚損又は破損が嘔吐物であることは、例えば、移動体300の内部の画像又は/及び、移動体300の内部空間の匂い等により検知可能である。
【0079】
対処タイミング決定部60は、対処タイミングが移動体300を清掃する清掃タイミングである場合には、例えば、予め設定された要清掃期間に少なくとも一度は清掃を行うように、又は、乗客を乗せた乗車回数が、予め設定された回数に達するまでの間に少なくとも一度は清掃を行うように、又は、乗客を乗せた総サービス時間が、予め設定された時間に達するまでの間に少なくとも一度は清掃を行うように、又は、充電又は給油の回数が、予め設定された回数に達するまでの間に少なくとも一度は清掃を行うように、又は、走行距離が、予め設定された距離に達するまでの間に少なくとも一度は清掃を行うように、又は、走行時間が、予め設定された時間に達するまでの間に少なくとも一度は清掃を行うように、清掃タイミングを決定してもよい。このようにすることで、センサで検知することが困難な汚損又は破損に対処することができる。例えば、センサで検知することが困難な汚損は、目に見えない埃等であり、センサで検知することが困難な汚損は、センシング範囲外のシートの裏の破れ等である。
【0080】
対処タイミング決定部60は、例えば、充電により移動体300のサービスを一旦停止するタイミングを、対処タイミングと決定してもよい。これにより、移動体300の稼働率の低下を抑制できる。この場合、対処タイミング決定部60は、汚損又は破損への対処と、充電との双方を行うことができる場所を探索するとしてもよい。または、この場合、対処タイミング決定部60は、充電ステーションに、汚損又は破損へ対応する対応スタッフを派遣させるための信号を出力するとしてもよい。または、この場合、対処タイミング決定部60は、充電ステーションに向かう移動中に、充電ステーションに、汚損又は破損へ対応する対応スタッフを乗車させるための信号を出力するとしてもよい。ここで、移動体300のサービスを一旦停止する場合の他の例として、移動体300のメンテナンスを行う場合等が考えられる。
【0081】
移動体300が複数台である場合には、対処タイミング決定部60は、一の移動体300についての対処タイミングの決定を、その一の移動体300についての汚損又は破損の度合いと、他の移動体300についての汚損又は破損の度合いとの比較に応じて、その一の移動体300についての対処タイミングを決定してもよい。これにより、複数の移動体300が一斉に汚損又は破損への対処を行うことで、サービスを提供する移動体300が不足してしまう可能性を低減することができる。この場合、対処タイミング決定部60は、複数の移動体300を効率よく利用できるようにする観点から、各移動体300の対処タイミングを決定するとしてもよい。より具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、汚損又は破損の度合いがより大きい移動体300の方が、対処タイミングがより早くなるように、各移動体300の対処タイミングを決定してもよい。また、他のより具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、サービスを一旦停止するまでの時間が最も短い移動体300を優先して、各移動体300の対処タイミングを決定してもよい。例えば、サービスを一旦停止するまでの時間が最も短い移動体300は、充電が必要となりそうな移動体300である。また、他のより具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、手配可能な他の移動体300が近くにいる移動体300を優先して、各移動体300の対処タイミングを決定してもよい。また、他のより具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、過去の履歴より、需要の少ないエリアの移動体300を優先して、各移動体300の対処タイミングを決定してもよい。また、他のより具体的な例として、対処タイミング決定部60は、例えば、汚損又は破損に対する対処に係る対処時間がより短い移動体300をより優先して、各移動体300の対処タイミングを決定してもよい。対処タイミング決定部60は、一の移動体300についての汚損又は破損の度合いが、相対的に他の移動体300についての汚損又は破損の度合いより大きいとしても、絶対的に大きくなければ、その一の移動体300に対する対処タイミングを早めなくてもよい。これにより、一の移動体300へ対処回数が必要以上に多くなることを抑制できる。対処タイミング決定部60は、例えば、乗車予定の乗客の、移動体300内部の汚損又は破損に対する特性にも従って対処タイミングを決定してもよい。
【0082】
対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300が備える、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処を実行する装置が動作したか否かにも従って、対処タイミングを決定してもよい。
【0083】
対処タイミング決定部60は、対処タイミングを決定すると、決定した対処タイミングに従って移動体300を対処場へ移動させるための通知を出力する。対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300への移動要求を上記通知として出力してもよい。また、対処タイミング決定部60は、例えば、移動体300の所有者又は管理者への、移動体300の内部の対処の推奨を上記通知として出力してもよい。また、対処タイミング決定部60は、対処タイミングの到来後において、移動体300に乗客又は貨物がない場合に上記通知を出力してもよい。
【0084】
対処タイミング決定部60は、例えば、除菌装置又は脱臭装置を備える移動体300がそのサービスを終了した場合に、その移動体300に、除菌装置又は脱臭装置を稼働させて移動体300内部の除菌又は脱臭を行わせる指示を出力してもよい。
【0085】
制御部10は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、移動体管理部14と、取得部40と、認識処理実行部50と、対処タイミング決定部60と、対処タイミング設定部70とを制御する。
【0086】
サービササーバ200は、移動体300を提供するサービス会社が利用するサーバである。
【0087】
サービササーバ200は、制御部20と、表示部21と、操作部22と、通信部23と、対処タイミング設定UI生成部90とを含んで構成される。サービササーバ200は、例えば、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータであって、プロセッサがメモリに記憶されるプログラムを実行することで、各種機能を実現してもよい。
【0088】
通信部23は、通信可能な他の機器と通信する。他の機器には、移動体管制サーバ100が含まれる。通信部23は、例えば、無線通信機を備え、無線を利用して他の機器と通信するとしてもよい。
【0089】
表示部21は、サービササーバ200を利用するユーザに対して、画像を表示する。表示部21は、対処タイミング設定UI生成部90が後述の対処タイミング設定ユーザインターフェースを生成した場合には、その対処タイミング設定ユーザインターフェースを表示する。表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備え、表示デバイスに画像を表示するとしてもよい。
【0090】
操作部22は、サービササーバ200を利用するユーザからの操作を受け付ける。操作部22は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを備え、入力デバイスを用いてなされるユーザによる操作を受け付けるとしてもよい。
【0091】
対処タイミング設定UI生成部90は、サービササーバ200を利用するユーザが対処タイミング設定を入力する際、又は、サービササーバ200を利用するユーザが、移動体300を、移動体300の内部の汚損又は破損に対する対処を行う対処場へ移動させる移動要求を入力する際に有用となる情報を表示する対処タイミング設定ユーザインターフェースを生成する。
【0092】
対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、認識処理実行部50による認識処理の結果を表示し、サービササーバ200を利用するユーザが対処タイミング設定又は移動要求を入力する画面を表示してもよい。センシング情報が、移動体300の内部の画像である場合には、例えば、対処タイミング設定ユーザインターフェースは、移動体300の内部の汚損又は破損を視認することができる画像を表示してもよい。これにより、サービササーバ200を利用するユーザは、移動体300の内部の汚損又は破損の状態を確認して、対処タイミング設定又は移動要求を入力することができる。また、この場合、対処タイミング設定ユーザインターフェースは、最新の画像だけでなく、過去に撮像された1以上の画像も併せて表示してもよい。対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、移動体300の内部の汚損又は破損に対応することができる対処場の位置、又は、対処場までの移動時間の見積もりを併せて表示してもよい。対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、繁忙期、閑散期に関する情報、現在時刻を併せて表示してもよい。対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、過去の清掃履歴を併せて表示してもよい。
【0093】
移動体300が複数台である場合には、対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、対処タイミング設定又は移動要求の対象となる一の移動体300のセンシング情報に加えて、他の移動体300のセンシング情報を併せて表示してもよい。これにより、サービササーバ200を利用するユーザは、複数の移動体300を効率よく利用できるようにする観点から、一の移動体300の対処タイミング設定又は移動要求を入力することができる。また、移動体300が複数台である場合には、対処タイミング設定ユーザインターフェースは、例えば、各移動体300のステータスを併せて表示してもよい。例えば、当該ステータスは、サービス中、待機中、清掃中、充電中等である。これにより、サービササーバ200を利用するユーザは、複数の移動体300を効率よく利用できるようにする観点から、一の移動体300の対処タイミング設定又は移動要求を入力することができる。
【0094】
[2.情報処理システムの動作]
以下、上記構成の情報処理システム1の行う動作について説明する。
【0095】
情報処理システム1は、一例として、第1移動体管制処理と、対処タイミング設定入力処理と、第2移動体管制処理とを行う。
【0096】
まず、第1移動体管制処理について、図面を参照しながら説明する。
【0097】
第1移動体管制処理は、移動体管制サーバ100が、移動体300の内部のセンシング結果に従って、その移動体300を管制する処理である。
【0098】
【0099】
移動体300において、センシング部31は、移動体300の内部をセンシングし、センシング結果を示すセンシング情報を出力する。そして、通信部33は、センシング部31から出力されたセンシング情報を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS10)。
【0100】
センシング情報が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、そのセンシング情報を受信する。センシング情報が受信されると、移動体管制サーバ100は、第1対処タイミング決定処理を開始する(ステップS20)。
【0101】
図6は、第1対処タイミング決定処理のフローチャートである。
【0102】
第1対処タイミング決定処理が開始されると、取得部40は、通信部13により受信されたセンシング情報を、移動体300の内部に対するセンシング結果として取得する(ステップS21)。
【0103】
センシング結果が取得されると、認識処理実行部50は、取得されたセンシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する(ステップS22)。
【0104】
認識処理が実行されると、対処タイミング決定部60は、実行された認識処理の結果によって示される、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが、閾値以上であるか否かを調べる(ステップS23)。
【0105】
ステップS23の処理において、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが、閾値以上でない場合に(ステップS23:No)、対処タイミング決定部60は、移動体300の内部の汚損又は破損が、特定の汚損又は破損であるか否かを調べる(ステップS24)。例えば、特定の汚損は、嘔吐物等であり、特定の破損は、シートの穴等である。
【0106】
ステップS23の処理において、移動体300の内部の汚損又は破損の度合いが、閾値以上である場合と(ステップS23:Yes)、ステップS24の処理において、移動体300の内部の汚損又は破損が、特定の汚損又は破損である場合とに(ステップS24:Yes)、対処タイミング決定部60は、対処場に移動させるまでの時間を短縮するように、対処タイミングを決定する(ステップS25)。上記対処場は、対処タイミング設定DB80に記憶される対処タイミング設定により示される、移動体300を、移動体300の内部の汚損又は破損に対応することができる対処場である。
【0107】
ステップS24の処理において、移動体300の内部の汚損又は破損が、特定の汚損又は破損でない場合に(ステップS24:No)、対処タイミング決定部60は、上記対処場に移動させるまでの時間を変更しないように、対処タイミングを決定する(ステップS26)。
【0108】
ステップS25の処理が終了した場合と、ステップS26の処理が終了した場合とに、対処タイミング決定部60は、決定した対処タイミングが到来するまで待機する(ステップS27:Noを繰り返す)。決定した対処タイミングが到来すると(ステップS27:Yes)、対処タイミング決定部60は、移動体300を対処場へ移動させる移動要求を出力する(ステップS28)。
【0109】
ステップS28の処理が終了すると、移動体管制サーバ100は、第1対処タイミング決定処理を終了する。
【0110】
再び
図5に戻って、第1移動体管制処理の説明を続ける。
【0111】
移動体管制サーバ100において、第1対処タイミング決定処理(ステップS20)が終了すると、通信部13は、対処タイミング決定部60から出力された、移動体300を対処場へ移動させる移動要求を、移動体300に送信する(ステップS29)。
【0112】
移動要求が送信されると、移動体300において、通信部33は、その移動要求を受信する。そして、操縦部32は、移動要求に従って、移動体300を対処場へ移動させる(ステップS30)。
【0113】
除菌装置又は脱臭装置を備える移動体300がそのサービスを終了すると、移動体管制サーバ100において、対処タイミング決定部60は、その移動体300に、除菌装置又は脱臭装置を稼働させて移動体300内部の除菌又は脱臭を行わせる指示(以下、「除菌/脱臭指示」とも称する。)を出力する。すると、通信部13は、その除菌/脱臭指示を、その移動体300に送信する。
【0114】
除菌/脱臭指示が送信されると、移動体300において、通信部33は、その除菌/脱臭指示を受信する。そして、移動体300が備える除菌装置又は脱臭装置は、移動体300の内部の除菌又は脱臭を実行する(ステップS50)。
【0115】
次に、対処タイミング設定入力処理について、図面を参照しながら説明する。
【0116】
対処タイミング設定入力処理は、移動体管制サーバ100が、対処タイミング設定を更新する処理である。
【0117】
図7は、対処タイミング設定入力処理のシーケンス図である。
【0118】
移動体300において、センシング部31は、移動体300の内部をセンシングし、センシング結果を示すセンシング情報を出力する。そして、通信部33は、センシング部31から出力されたセンシング情報を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS110)。
【0119】
センシング情報が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、そのセンシング情報を受信する。センシング情報が受信されると、取得部40は、通信部13により受信されたセンシング情報を、移動体300の内部に対するセンシング結果として取得する。センシング結果が取得されると、認識処理実行部50は、取得されたセンシング結果に基づいて、移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを認識する認識処理を実行する(ステップS120)。
【0120】
認識処理が実行されると、通信部33は、認識処理の結果を、サービササーバ200に送信する(ステップS130)。
【0121】
認識処理の結果が送信されると、サービササーバ200において、通信部23は、その認識処理の結果を受信する。認識処理の結果が受信されると、対処タイミング設定UI生成部90は、その認識処理の結果を表示する対処タイミング設定ユーザインターフェースを生成する。そして、表示部21は、生成された対処タイミング設定ユーザインターフェースを表示する、すなわち、認識処理の結果を表示する(ステップS140)。
【0122】
表示された認識処理の結果を確認したユーザにより、操作部22に対して、対処タイミング設定を入力する操作がなされると、操作部22は、その対処タイミング設定を受け付ける(ステップS150)。
【0123】
対処タイミング設定が受け付けられると、通信部23は、受け付けられた対処タイミング設定を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS160)。
【0124】
対処タイミング設定が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、その対処タイミング設定を受信する。そして、対処タイミング設定部70は、受信した対処タイミング設定を対処タイミング設定DBに記憶させる(ステップS170)ことで、対処タイミング設定を更新する。
【0125】
次に、第2移動体管制処理について、図面を参照しながら説明する。
【0126】
第2移動体管制処理は、移動体管制サーバ100が、ユーザからの移動体300の移動要求に応じて移動体300を管制する処理である。
【0127】
【0128】
図8に図示される各処理のうち、ステップS210の処理~ステップS240の処理は、それぞれ、対処タイミング設定入力処理における、ステップS110の処理~ステップS140の処理と同様の処理である。また、ステップS275の処理~ステップS290の処理は、それぞれ、第1移動体管制処理におけるステップS30の処理~ステップS50の処理と同様の処理である。このためここでは、ステップS210の処理~ステップS240の処理、及び、ステップS275の処理~ステップS290の処理は既に説明済であるとしてその詳細な説明を省略し、ステップS250の処理~ステップS270の処理を中心に説明する。
【0129】
ステップS240の処理が終了した後において、表示された認識処理の結果を確認したユーザにより、操作部22に対して、移動体300を対処場へ移動させる移動要求を入力する操作がなされると、操作部22は、その移動要求を受け付ける(ステップS250)。
【0130】
移動要求が受け付けられると、通信部23は、その移動要求を、移動体管制サーバ100に送信する(ステップS260)。
【0131】
移動要求が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、送信された移動要求を受信し、受信した移動要求を、移動体300に送信する(ステップS270)。
【0132】
ステップS270の処理が終了すると、情報処理システム1は、ステップS275の処理に進む。
【0133】
[3.考察]
上述したように、情報処理システム1によると、移動体300の内部のセンシング結果から移動体300の内部の汚損及び破損の少なくとも1つを対処するための対処タイミングが決定され、決定された対処タイミングに従って移動体300を対処場へ移動させるための通知が出力される。このため、移動体300の内部の汚損又は破損に、適切なタイミングで対処することができる。
【0134】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る情報処理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0135】
(1)実施の形態において、情報処理システム1は、一例として、第1移動体管制処理を行う構成であるとして説明した。これに対して、情報処理システム1は、例えば、第1移動体管制処理の代わりに、第3移動体管制処理を行う構成であってもよい。
【0136】
以下、第3移動体管制処理について、図面を参照しながら説明する。
【0137】
第3移動体管制処理は、移動体管制サーバ100が、移動体300の内部のセンシング結果に従って、移動体300の所有者又は管理者への、移動体300の内部の対処の推奨を通知する処理である。
【0138】
【0139】
図9に図示される各処理のうち、ステップS310の処理、及び、ステップS340の処理~ステップS350の処理は、それぞれ、実施の形態に係る第1移動体管制処理における、ステップS10の処理、及びステップS40の処理~ステップS50の処理と同様の処理である。このため、ここでは、ステップS310の処理、及び、ステップS340の処理~ステップS350の処理は既に説明済みであるとしてその詳細な説明を省略し、ステップS320の処理~ステップS328の処理を中心に説明する。
【0140】
ステップS310の処理において、移動体300からセンシング情報が送信されると、移動体管制サーバ100において、通信部13は、そのセンシング情報を受信する。センシング情報が受信されると、移動体管制サーバ100は、第2対処タイミング決定処理を開始する(ステップS320)。
【0141】
図10は、第2対処タイミング決定処理のフローチャートである。
【0142】
図10に図示される各処理のうち、ステップS321の処理~ステップS327の処理は、それぞれ、実施の形態に係る第1対処タイミング決定処理におけるステップS21の処理~ステップS27の処理と同様の処理である。このため、ここでは、ステップS321の処理~ステップS327の処理については既に説明済みであるとしてその詳細な説明を省略し、ステップS329~ステップS330の処理を中心に説明する。
【0143】
ステップS327の処理において、決定した対処タイミングが到来すると(ステップS327:Yes)、対処タイミング決定部60は、移動体300の所有者又は管理者への、移動体300の内部の対処の推奨を出力する(ステップS328)。
【0144】
ステップS328の処理が終了すると、移動体管制サーバ100は、第2対処タイミング決定処理を終了する。
【0145】
再び
図9に戻って、第2移動体管制処理の説明を続ける。
【0146】
移動体管制サーバ100において、第2対処タイミング決定処理(ステップS320)が終了すると、通信部13は、対処タイミング決定部60から出力された、移動体300の所有者又は管理者への、移動体300の内部の対処の推奨を、サービササーバ200に送信すする(ステップS329)。
【0147】
移動体300の内部の対処の推奨が送信されると、サービササーバ200において、通信部23は、その移動体300の内部の対処の推奨を受信する。そして、表示部21は、受信した移動体300の内部の対処の推奨を表示する(ステップS330)。
【0148】
(2)実施の形態において、情報処理システム1は、一例として、移動体管制サーバ100とサービササーバ200との2つのサーバを含んで構成されるとして説明した。しかしながら、情報処理システム1は、移動体管制サーバ100とサービササーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができれば、必ずしも、移動体管制サーバ100とサービササーバ200とを含んで構成される例に限定されない。情報処理システム1は、例えば、移動体管制サーバ100とサービササーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができる1つのサーバを含んで構成されてもよい。また、例えば、情報処理システム1は、互いに協調して動作することで、移動体管制サーバ100とサービササーバ200とにより実現される機能と同様の機能を実現することができる3つ以上のサーバを含んで構成されてもよい。
【0149】
(3)実施の形態において、情報処理システム1は、一例として、移動体管制サーバ100が、認識処理を実行し、対処タイミングを決定する構成であるとして説明した。しかしながら情報処理システム1は、認識処理を実行し、対処タイミングを決定することができれば、必ずしも、移動体管制サーバ100が、認識処理を実行し、対処タイミングを決定する構成に限定される必要はない。情報処理システム1は、例えば、移動体300が、認識処理の一部または全部を実行する構成、又は対処タイミングを決定する処理の一部又は全部を実行する構成であってもよい。
【0150】
(4)移動体管制サーバ100、サービササーバ200、移動体300が備える構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0151】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサを利用してもよい。
【0152】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0153】
(5)本開示の一態様は、このような情報処理システムだけではなく、情報処理システムに含まれる特徴的な構成部をステップとする情報処理方法であってもよい。また、本開示の一態様は、情報処理方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
【0154】
(6)実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウエアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、移動体を運用するシステムに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0156】
1 情報処理システム
10、20、30 制御部
11、21 表示部
12、22 操作部
13、23、33 通信部
14 移動体管理部
15 移動体管理DB
31 センシング部
32 操縦部
40 取得部
50 認識処理実行部
60 対処タイミング決定部
70 対処タイミング設定部
80 対処タイミング設定DB
90 対処タイミング設定UI生成部
100 移動体管制サーバ
200 サービササーバ
300 移動体