(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】流体圧機器用バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 35/02 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
F16K35/02 Z
(21)【出願番号】P 2021002107
(22)【出願日】2021-01-08
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】薛 成華
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】小杉 光弘
(72)【発明者】
【氏名】林 清信
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-037338(JP,A)
【文献】実開昭61-096053(JP,U)
【文献】実公昭45-020614(JP,Y1)
【文献】特開2006-250311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0361034(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22
21/14
F16K 1/00-1/54
11/00-11/24
31/44-31/62
35/00-35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導入ポート、第2導入ポート、排出ポート、第1弁室、及び第2弁室を有するハウジングと、
前記第1弁室に収容される第1弁体と、
前記第2弁室に収容される第2弁体と、
前記第1弁室に連通する第1弁孔、前記第2弁室に連通する第2弁孔、前記第1弁孔の周囲に形成されるとともに前記第1弁体が接離する第1弁座、及び前記第2弁孔の周囲に形成されるとともに前記第2弁体が接離する第2弁座を有する弁座形成体と、
前記第1弁体を前記第1弁座に向けて付勢する第1付勢ばねと、
前記第2弁体を前記第2弁座に向けて付勢する第2付勢ばねと、
前記第1付勢ばねの付勢力に抗して前記第1弁体を前記第1弁座から離間する方向へ押圧することにより、前記第1弁体を開弁状態とする第1軸部、及び前記第2付勢ばねの付勢力に抗して前記第2弁体を前記第2弁座から離間する方向へ押圧することにより、前記第2弁体を開弁状態とする第2軸部を有するとともに前記ハウジングに対して移動可能である手動軸と、備えている流体圧機器用バルブであって、
前記手動軸に一体的に設けられる円柱状の操作部材を備え、
前記手動軸は、前記操作部材が収容される円孔状の収容凹部と、前記収容凹部の内側に連通するとともに前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に延びる挿通孔と、を有し、
前記ハウジングには、前記挿通孔を介して前記収容凹部の内側に突出する挿入部材が設けられており、
前記操作部材は、前記操作部材の軸方向が前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に一致した状態で前記収容凹部に収容されており、
前記操作部材は、
前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を許容するとともに前記操作部材における前記収容凹部内での前記操作部材の軸線を回転中心とした回転を規制するノンロック孔と、
前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を許容するとともに前記第1弁体及び前記第2弁体それぞれを開弁状態とする位置まで前記手動軸を移動させた後に前記操作部材における前記収容凹部内での前記操作部材の軸線を回転中心とした回転を許容し、前記操作部材の回転後に前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を規制するロック孔と、を有していることを特徴とする流体圧機器用バルブ。
【請求項2】
前記手動軸は、前記収容凹部が形成された平面視長円形状の本体部を有し、
前記第1軸部及び前記第2軸部は、前記本体部の長軸が延びる方向に並んで配置された状態で前記本体部から突出していることを特徴とする請求項1に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項3】
前記本体部と前記弁座形成体との間には、前記第1弁体に対して前記第1軸部が離間する方向、及び前記第2弁体に対して前記第2軸部が離間する方向へ前記手動軸を付勢する第3付勢ばねが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項4】
前記弁座形成体は、係止片を有し、
前記係止片は、前記排出ポートに係止されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項5】
前記操作部材の第1端面には、前記操作部材を前記収容凹部内で前記操作部材の軸線を回転中心として回転させるための操作部が設けられ、
前記操作部材の第2端面の中央部には、円錐状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項6】
前記操作部は、前記操作部材の前記第1端面に形成されるスリット溝であることを特徴とする請求項5に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記弁座形成体を収容する収容孔を有し、
前記ハウジングは、前記収容孔の開口縁部から前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に延びるとともに前記収容孔の内部に連通する操作用開口部を有していることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の流体圧機器用バルブ。
【請求項8】
流体圧機器のピストンを中間位置に停止させるべく、前記流体圧機器の2つのシリンダ室にそれぞれ出力された流体を保持するパイロットチェック弁に一体化されていることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の流体圧機器用バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧機器用バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
流体圧機器用バルブとしては、例えば特許文献1のようなものが知られている。このような流体圧機器用バルブは、例えば、流体圧機器に残った流体を外部へ排出するために用いられる場合がある。例えば、流体圧機器のピストンの位置を中間位置に停止させるべく、流体圧機器の2つのシリンダ室にそれぞれ出力された流体を保持するために、例えば特許文献2のようなパイロットチェック弁が用いられる。このような場合、例えば、メンテナンス時においては、パイロットチェック弁によって保持されていた各シリンダ室の流体を外部へ排出する必要がある。
【0003】
そこで、流体圧機器用バルブのハウジングは、第1導入ポート、第2導入ポート、排出ポート、第1弁室、及び第2弁室を有している。第1弁室には、第1弁体が収容されている。第2弁室には、第2弁体が収容されている。また、流体圧機器用バルブは、弁座形成体を備えている。弁座形成体は、第1弁孔、第2弁孔、第1弁座、及び第2弁座を有している。第1弁孔は、第1弁室に連通している。第2弁孔は、第2弁室に連通している。第1弁座は、第1弁孔の周囲に形成されるとともに第1弁体が接離する。第2弁座は、第2弁孔の周囲に形成されるとともに第2弁体が接離する。また、流体圧機器用バルブは、第1付勢ばね及び第2付勢ばねを備えている。第1付勢ばねは、第1弁体を第1弁座に向けて付勢する。第2付勢ばねは、第2弁体を第2弁座に向けて付勢する。
【0004】
流体圧機器用バルブは、手動軸を備えている。手動軸は、ハウジングに対して移動可能である。手動軸は、第1軸部及び第2軸部を有している。第1軸部は、第1付勢ばねの付勢力に抗して第1弁体を第1弁座から離間する方向へ押圧することにより、第1弁体を開弁状態とする。第2軸部は、第2付勢ばねの付勢力に抗して第2弁体を第2弁座から離間する方向へ押圧することにより、第2弁体を開弁状態とする。
【0005】
そして、パイロットチェック弁によって保持されている各シリンダ室の流体を外部へ排出する際には、第1軸部が第1弁体を押圧して第1弁体が開弁状態となり、第2軸部が第2弁体を押圧して第2弁体が開弁状態となるまで手動軸をハウジングに対して移動させる。これにより、例えば、2つのシリンダ室の一方の流体が、第1導入ポート、第1弁室、及び第1弁孔を通過して排出ポートから外部へ排出されるとともに、2つのシリンダ室の他方の流体が、第2導入ポート、第2弁室、及び第2弁孔を通過して排出ポートから外部へ排出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平6-28433号公報
【文献】特開平7-293511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような流体圧機器用バルブにおいては、第1弁体及び第2弁体それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸をハウジングに対して移動させた後、手動軸の位置を保持したいという要望がある。かといって、流体圧機器用バルブを、第1弁体及び第2弁体それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸をハウジングに対して移動させた後、手動軸の位置を保持可能であるロック仕様とした場合、手動軸の位置を保持する必要が無い場合であっても、意図せずに手動軸の位置が保持されてしまうといった問題が生じる虞がある。したがって、第1弁体及び第2弁体それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸をハウジングに対して移動させても、手動軸の位置が保持されないノンロック仕様として流体圧機器用バルブを使用したいという要望もある。よって、ロック仕様とノンロック仕様とに容易に使い分けることができる流体圧機器用バルブが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する流体圧機器用バルブは、第1導入ポート、第2導入ポート、排出ポート、第1弁室、及び第2弁室を有するハウジングと、前記第1弁室に収容される第1弁体と、前記第2弁室に収容される第2弁体と、前記第1弁室に連通する第1弁孔、前記第2弁室に連通する第2弁孔、前記第1弁孔の周囲に形成されるとともに前記第1弁体が接離する第1弁座、及び前記第2弁孔の周囲に形成されるとともに前記第2弁体が接離する第2弁座を有する弁座形成体と、前記第1弁体を前記第1弁座に向けて付勢する第1付勢ばねと、前記第2弁体を前記第2弁座に向けて付勢する第2付勢ばねと、前記第1付勢ばねの付勢力に抗して前記第1弁体を前記第1弁座から離間する方向へ押圧することにより、前記第1弁体を開弁状態とする第1軸部、及び前記第2付勢ばねの付勢力に抗して前記第2弁体を前記第2弁座から離間する方向へ押圧することにより、前記第2弁体を開弁状態とする第2軸部を有するとともに前記ハウジングに対して移動可能である手動軸と、備えている流体圧機器用バルブであって、前記手動軸に一体的に設けられる円柱状の操作部材を備え、前記手動軸は、前記操作部材が収容される円孔状の収容凹部と、前記収容凹部の内側に連通するとともに前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に延びる挿通孔と、を有し、前記ハウジングには、前記挿通孔を介して前記収容凹部の内側に突出する挿入部材が設けられており、前記操作部材は、前記操作部材の軸方向が前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に一致した状態で前記収容凹部に収容されており、前記操作部材は、前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を許容するとともに前記操作部材における前記収容凹部内での前記操作部材の軸線を回転中心とした回転を規制するノンロック孔と、前記挿入部材が挿入された状態で前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を許容するとともに前記第1弁体及び前記第2弁体それぞれを開弁状態とする位置まで前記手動軸を移動させた後に前記操作部材における前記収容凹部内での前記操作部材の軸線を回転中心とした回転を許容し、前記操作部材の回転後に前記手動軸における前記ハウジングに対する移動を規制するロック孔と、を有している。
【0009】
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記手動軸は、前記収容凹部が形成された平面視長円形状の本体部を有し、前記第1軸部及び前記第2軸部は、前記本体部の長軸が延びる方向に並んで配置された状態で前記本体部から突出しているとよい。
【0010】
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記本体部と前記弁座形成体との間には、前記第1弁体に対して前記第1軸部が離間する方向、及び前記第2弁体に対して前記第2軸部が離間する方向へ前記手動軸を付勢する第3付勢ばねが設けられているとよい。
【0011】
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記弁座形成体は、係止片を有し、前記係止片は、前記排出ポートに係止されているとよい。
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記操作部材の第1端面には、前記操作部材を前記収容凹部内で前記操作部材の軸線を回転中心として回転させるための操作部が設けられ、前記操作部材の第2端面の中央部には、円錐状の凹部が形成されているとよい。
【0012】
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記操作部は、前記操作部材の前記第1端面に形成されるスリット溝であるとよい。
上記流体圧機器用バルブにおいて、前記ハウジングは、前記弁座形成体を収容する収容孔を有し、前記ハウジングは、前記収容孔の開口縁部から前記手動軸における前記ハウジングに対する移動方向に延びるとともに前記収容孔の内部に連通する操作用開口部を有しているとよい。
【0013】
上記流体圧機器用バルブにおいて、流体圧機器のピストンを中間位置に停止させるべく、前記流体圧機器の2つのシリンダ室にそれぞれ出力された流体を保持するパイロットチェック弁に一体化されているとよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、ロック仕様とノンロック仕様とに容易に使い分けることができる流体圧機器用バルブを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態における流体圧機器用バルブが搭載された電磁弁マニホールドの構成を模式的に示す図。
【
図2】パイロットチェック弁及び流体圧機器用バルブを示す断面図。
【
図3】パイロットチェック弁及び流体圧機器用バルブを示す断面図。
【
図9】(a)は流体圧機器用バルブの平面図、(b)は流体圧機器用バルブの断面図。
【
図10】(a)は流体圧機器用バルブの平面図、(b)は流体圧機器用バルブの断面図。
【
図11】(a)は流体圧機器用バルブの平面図、(b)は流体圧機器用バルブの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、流体圧機器用バルブを具体化した一実施形態を
図1~
図11にしたがって説明する。本実施形態の流体圧機器用バルブは、電磁弁マニホールドに搭載されている。電磁弁マニホールドは、流体圧機器に流体を給排するために用いられる。
【0017】
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11と、パイロットチェック弁12と、マニホールドベース13と、流体圧機器用バルブ14と、を備えている。電磁弁11は、供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2を有している。したがって、本実施形態の電磁弁11は、5ポート電磁弁である。
【0018】
電磁弁11は、第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2を有している。第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2は、周知のパイロット弁である。例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が行われており、第2パイロット弁V2への電圧の印加が停止されているとする。すると、電磁弁11は、供給ポートPと第1出力ポートAとが連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とが連通する第1切換状態に切り換わる。電磁弁11が第1切換状態のとき、第1出力ポートAと第1排出ポートR1とは非連通になっており、供給ポートPと第2出力ポートBとは非連通になっている。
【0019】
例えば、第1パイロット弁V1への電圧の印加が停止されており、第2パイロット弁V2への電圧の印加が行われているとする。すると、電磁弁11は、供給ポートPと第2出力ポートBとが連通し、且つ第1出力ポートAと第1排出ポートR1とが連通する第2切換状態に切り換わる。電磁弁11が第2切換状態のとき、第2出力ポートBと第2排出ポートR2とは非連通になっており、供給ポートPと第1出力ポートAとは非連通になっている。
【0020】
例えば、第1パイロット弁V1及び第2パイロット弁V2の両方への電圧の印加が停止されているとする。すると、電磁弁11は、第1出力ポートAと第1排出ポートR1とが連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とが連通する第3切換状態に切り換わる。電磁弁11が第3切換状態のとき、供給ポートPと第1出力ポートAとは非連通になっており、供給ポートPと第2出力ポートBとは非連通になっている。
【0021】
このように、本実施形態の電磁弁11は、第1切換状態、第2切換状態、及び第3切換状態の3つの切換状態に切換可能に構成されたパイロット式3位置切換弁である。このようなパイロット式3位置切換弁は、周知の切換弁であるため、その構成の詳細な説明を省略する。
【0022】
マニホールドベース13は、供給流路13a、第1出力流路13b、第2出力流路13c、第1排出流路13d、及び第2排出流路13eを有している。供給流路13aは、例えば配管等を介して、流体供給源15に接続されている。供給流路13aには、圧縮された流体が流体供給源15から供給される。第1出力流路13bは、例えば配管等を介して流体圧機器16の第1シリンダ室16aに接続されている。第2出力流路13cは、例えば配管等を介して、流体圧機器16の第2シリンダ室16bに接続されている。第1排出流路13d及び第2排出流路13eは、例えば配管等を介して、外部にそれぞれ連通している。
【0023】
パイロットチェック弁12は、電磁弁11とマニホールドベース13との間に介在されている。パイロットチェック弁12は、スペーサ20及びケーシング21を有している。ケーシング21は、長四角ブロック状である。スペーサ20は、長四角ブロック状である。スペーサ20は、ケーシング21の長手方向の一方に位置する第1端面に連結されている。
【0024】
流体圧機器用バルブ14は、パイロットチェック弁12に一体化されている。流体圧機器用バルブ14は、流体圧機器用バルブ14のハウジング50が、ケーシング21の長手方向の他方に位置する第2端面に連結されることにより、パイロットチェック弁12に一体化されている。
【0025】
図2及び
図3に示すように、ケーシング21は、スプール弁孔22を有している。スプール弁孔22は、円孔状である。スプール弁孔22は、ケーシング21の長手方向に延びている。スプール弁孔22の一端は、ケーシング21の第1端面に開口している。スプール弁孔22の他端は、ケーシング21の第2端面に開口している。
【0026】
スプール弁孔22には、柱状のスプール弁23が収容されている。スプール弁23は、スプール弁孔22内をスプール弁孔22の軸方向に往復動可能である。スプール弁23は、大径部24、第1小径部25、及び第2小径部26を有している。大径部24は、円柱状である。大径部24の外径は、スプール弁孔22の孔径よりも僅かに小さい。大径部24の外周面には、環状のシール部材27が装着されている。シール部材27は、大径部24とスプール弁孔22との間をシールしている。
【0027】
第1小径部25は、円柱状である。第1小径部25の外径は、大径部24の外径よりも小さい。第1小径部25は、大径部24の第1端面から突出している。第2小径部26は、円柱状である。第2小径部26の外径は、大径部24の外径よりも小さい。第2小径部26は、大径部24の第2端面から突出している。第1小径部25の外径と第2小径部26の外径とは同じである。大径部24の軸線、第1小径部25の軸線、及び第2小径部26の軸線は、それぞれ一致している。
【0028】
スプール弁孔22の第1端部には、第1弁座形成体28が設けられている。第1弁座形成体28は、円筒状である。第1弁座形成体28は、例えば、スプール弁孔22の内周面に対して圧入されることによって、スプール弁孔22に固定されている。第1弁座形成体28の軸方向の一端に位置する第1端面は、スプール弁23の大径部24に対してスプール弁23の軸方向で対向している。第1弁座形成体28の軸方向の他端に位置する第2端面は、スプール弁孔22の第1端部から臨んでいる。
【0029】
第1弁座形成体28は、第1軸孔29、第1軸路30、及び第1径路31を有している。第1軸孔29は円孔状である。第1軸孔29は、第1弁座形成体28の第1端面に開口している。第1軸孔29の孔径は、第1小径部25の外径よりも僅かに大きい。第1軸路30は、第1軸孔29に連通している。第1軸路30は、第1軸孔29から第1弁座形成体28の第2端面に向けて第1弁座形成体28の軸方向に延びている。第1軸路30における第1軸孔29とは反対側の端部は、第1弁座形成体28の第2端面に開口している。第1軸路30は、円孔状である。第1軸路30の孔径は、第1軸孔29の孔径よりも大きい。第1径路31は、第1弁座形成体28の径方向に延びている。第1径路31の一端は、第1軸路30に連通している。第1径路31の他端は、第1弁座形成体28の外周面に開口している。第1弁座形成体28は、円環状の第1チェック弁座32を有している。第1チェック弁座32は、第1弁座形成体28の第2端面における第1軸路30の周囲から突出している。
【0030】
スプール弁孔22の第2端部には、第2弁座形成体33が設けられている。第2弁座形成体33は、円筒状である。第2弁座形成体33は、例えば、スプール弁孔22の内周面に対して圧入されることによって、スプール弁孔22に固定されている。第2弁座形成体33の軸方向の一端に位置する第1端面は、スプール弁23の大径部24に対してスプール弁23の軸方向で対向している。第2弁座形成体33の軸方向の他端に位置する第2端面は、スプール弁孔22の第2端部から臨んでいる。
【0031】
第2弁座形成体33は、第2軸孔34、第2軸路35、及び第2径路36を有している。第2軸孔34は円孔状である。第2軸孔34は、第2弁座形成体33の第1端面に開口している。第2軸孔34の孔径は、第2小径部26の外径よりも僅かに大きい。第2軸路35は、第2軸孔34に連通している。第2軸路35は、第2軸孔34から第2弁座形成体33の第2端面に向けて第2弁座形成体33の軸方向に延びている。第2軸路35における第2軸孔34とは反対側の端部は、第2弁座形成体33の第2端面に開口している。第2軸路35は、円孔状である。第2軸路35の孔径は、第2軸孔34の孔径よりも大きい。第2径路36は、第2弁座形成体33の径方向に延びている。第2径路36の一端は、第2軸路35に連通している。第2径路36の他端は、第2弁座形成体33の外周面に開口している。第2弁座形成体33は、円環状の第2チェック弁座37を有している。第2チェック弁座37は、第2弁座形成体33の第2端面における第2軸路35の周囲から突出している。
【0032】
スプール弁23の第1小径部25は、第1軸孔29を通過して第1軸路30内に突出している。大径部24の第1端面と第1弁座形成体28の第1端面との間には、第1復帰ばね38が介在されている。第1復帰ばね38は、大径部24を第1弁座形成体28から離間する方向へ付勢する。
【0033】
スプール弁23の第2小径部26は、第2軸孔34を通過して第2軸路35内に突出している。大径部24の第2端面と第2弁座形成体33の第1端面との間には、第2復帰ばね39が介在されている。第2復帰ばね39は、大径部24を第2弁座形成体33から離間する方向へ付勢する。第1復帰ばね38のばね力と第2復帰ばね39のばね力とは同じに設定されている。
【0034】
スペーサ20は、第1チェック弁室40を有している。第1チェック弁室40は、スペーサ20におけるケーシング21の第1端面に対向する面に凹設されている。第1チェック弁室40は、円孔状である。第1チェック弁室40の孔径は、第1軸路30の孔径よりも大きい。第1チェック弁室40内には、第1チェック弁体41が収容されている。第1チェック弁体41は、第1チェック弁座32に対して接離可能である。第1チェック弁室40内には、第1チェック付勢ばね42が収容されている。第1チェック付勢ばね42は、第1チェック弁体41を第1チェック弁座32に向けて付勢している。
【0035】
ハウジング50は、第2チェック弁室43を有している。第2チェック弁室43は、ハウジング50におけるケーシング21の第2端面に対向する面に凹設されている。第2チェック弁室43は、円孔状である。第2チェック弁室43の孔径は、第2軸路35の孔径よりも大きい。第2チェック弁室43内には、第2チェック弁体44が収容されている。第2チェック弁体44は、第2チェック弁座37に対して接離可能である。第2チェック弁室43内には、第2チェック付勢ばね45が収容されている。第2チェック付勢ばね45は、第2チェック弁体44を第1チェック弁座32に向けて付勢している。
【0036】
図4、
図5及び
図6に示すように、流体圧機器用バルブ14のハウジング50は、第1導入ポート51、第2導入ポート52、第1弁室53、及び第2弁室54を有している。第1導入ポート51の一端は第1弁室53に連通し、第1導入ポート51の他端はハウジング50におけるケーシング21の第2端面に対向する面に開口している。第2導入ポート52の一端は第2弁室54に連通し、第2導入ポート52の他端はハウジング50におけるケーシング21の第2端面に対向する面に開口している。第1弁室53は、円孔状である。第2弁室54は、円孔状である。また、ハウジング50は、排出ポートである第1排出ポート55及び第2排出ポート56を有している。したがって、本実施形態の流体圧機器用バルブ14は、排出ポートを2つ有している。
【0037】
ハウジング50は、収容孔57を有している。収容孔57は、平面視長円形状である。収容孔57は、第1弁室53及び第2弁室54に連続している。第1弁室53及び第2弁室54は、収容孔57の長軸が延びる方向に並んだ状態で、収容孔57に対して開口している。
【0038】
流体圧機器用バルブ14は、第1弁体58と、第2弁体59と、を備えている。第1弁体58は、第1弁室53に収容されている。第2弁体59は、第2弁室54に収容されている。
【0039】
流体圧機器用バルブ14は、弁座形成体60を備えている。弁座形成体60は、弁座本体部61、第1突出部62、及び第2突出部63を有している。弁座本体部61は、平面視長円形状である。弁座本体部61は、平板状である。弁座本体部61の外周縁は、収容孔57の内周面に沿って延びている。弁座本体部61は、収容孔57の内側に配置されている。
【0040】
第1突出部62及び第2突出部63は、弁座本体部61の厚み方向の一方に位置する第1面からそれぞれ突出する円柱状である。第1突出部62及び第2突出部63は、互いに平行に延びている。第1突出部62の軸線方向及び第2突出部63の軸線方向は、弁座本体部61の厚み方向に一致している。第1突出部62及び第2突出部63は、弁座本体部61の長軸が延びる方向に並んで配置されている。
【0041】
弁座形成体60は、第1弁孔64、第2弁孔65、第1弁座66、及び第2弁座67を有している。第1弁孔64は、第1突出部62及び弁座本体部61を貫通している。第1弁孔64の軸線は、第1突出部62の軸線に一致している。第2弁孔65は、第2突出部63及び弁座本体部61を貫通している。第2弁孔65の軸線は、第2突出部63の軸線に一致している。第1弁座66は、第1突出部62の先端面における第1弁孔64の周囲に形成されている。第1弁座66は、環状である。第2弁座67は、第2突出部63の先端面における第2弁孔65の周囲に形成されている。第2弁座67は、環状である。
【0042】
弁座形成体60は、第1突出部62が第1弁室53に挿入されるとともに、第2突出部63が第2弁室54に挿入された状態で、収容孔57の内側に配置されている。したがって、収容孔57は、弁座形成体60を収容する。第1弁孔64は、第1弁室53に連通しており、第2弁孔65は、第2弁室54に連通している。第1弁座66には、第1弁体58が接離する。第2弁座67には、第2弁体59が接離する。
【0043】
第1突出部62の外周面には、第1シール部材68が装着されている。第1シール部材68は円環状である。第1シール部材68は、第1弁室53と収容孔57との間をシールしている。第2突出部63の外周面には、第2シール部材69が装着されている。第2シール部材69は円環状である。第2シール部材69は、第2弁室54と収容孔57との間をシールしている。
【0044】
弁座形成体60は、係止片70を一対有している。各係止片70は、弁座本体部61の厚み方向の他方に位置する第2面の縁部から弁座本体部61の厚み方向に延びる細長柱状である。各係止片70は、弁座本体部61の長軸が延びる方向で対向する位置にそれぞれ配置されている。各係止片70の先端部は、鉤状になっている。各係止片70の先端部は、第1排出ポート55及び第2排出ポート56にそれぞれ係止されている。そして、弁座形成体60は、各係止片70が、第1排出ポート55及び第2排出ポート56にそれぞれ係止されることにより、ハウジング50に対して取り付けられている。
【0045】
流体圧機器用バルブ14は、第1付勢ばね71と、第2付勢ばね72と、を備えている。第1付勢ばね71は、第1弁室53に収容されている。第1付勢ばね71は、第1弁体58を第1弁座66に向けて付勢している。第2付勢ばね72は、第2弁室54に収容されている。第2付勢ばね72は、第2弁体59を第2弁座67に向けて付勢している。第1付勢ばね71のばね力と第2付勢ばね72のばね力とは同じに設定されている。
【0046】
流体圧機器用バルブ14は、手動軸75と、手動軸75に一体的に設けられる円柱状の操作部材81と、を備えている。手動軸75は、本体部76、第1軸部77、及び第2軸部78を有している。本体部76は、平面視長円形状である。本体部76の外周縁は、収容孔57の内周面に沿って延びている。第1軸部77及び第2軸部78は、本体部76の長軸が延びる方向に並んで配置された状態で本体部76から突出している。第1軸部77及び第2軸部78は、細長円柱状である。第1軸部77及び第2軸部78は互いに平行に延びている。手動軸75は、第1軸部77が第1弁孔64に挿入されるとともに、第2軸部78が第2弁孔65に挿入された状態で、収容孔57内に配置されている。手動軸75は、ハウジング50に対して移動可能である。手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向は、第1軸部77及び第2軸部78が延びる方向である。
【0047】
本体部76と弁座形成体60との間には、第3付勢ばね73が設けられている。第3付勢ばね73は、第1弁体58に対して第1軸部77が離間する方向、及び第2弁体に対して第2軸部78が離間する方向へ手動軸75を付勢する。第3付勢ばね73は、本体部76の長軸が延びる方向で第1軸部77と第2軸部78との間に配置されている。
【0048】
図6に示すように、例えば、手動軸75が、第3付勢ばね73の付勢力に抗して、第1弁体58に対して第1軸部77が接近する方向、及び第2弁体59に対して第2軸部78が接近する方向へ移動したとする。すると、第1軸部77は、第1付勢ばね71の付勢力に抗して第1弁体58を第1弁座66から離間する方向へ押圧することにより、第1弁体58を開弁状態とする。さらに、第2軸部78は、第2付勢ばね72の付勢力に抗して第2弁体59を第2弁座67から離間する方向へ押圧することにより、第2弁体59を開弁状態とする。
【0049】
図5に示すように、例えば、手動軸75が、第3付勢ばね73の付勢力によって、第1弁体58に対して第1軸部77が離間する方向、及び第2弁体59に対して第2軸部78が離間する方向へ移動したとする。すると、第1弁体58が第1付勢ばね71の付勢力によって第1弁座66に接近する方向へ移動して第1弁座66に着座し、第1弁体58が閉弁状態となる。さらに、第2弁体59が第2付勢ばね72の付勢力によって第2弁座67に接近する方向へ移動して第2弁座67に着座し、第2弁体59が閉弁状態となる。
【0050】
図4、
図5及び
図6に示すように、手動軸75は、収容凹部79と、挿通孔80と、を有している。収容凹部79は、本体部76における第1軸部77及び第2軸部78が突出している部位とは反対側に位置する端面に凹設されている。収容凹部79は、円孔状である。収容凹部79には、操作部材81が収容される。操作部材81は、操作部材81の軸方向が手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に一致した状態で収容凹部79に収容されている。
【0051】
挿通孔80は、収容凹部79の内側に連通している。挿通孔80は、手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に延びる長四角孔状である。挿通孔80は、手動軸75を手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に対して直交する方向に貫通している。挿通孔80は、収容凹部79の側面に開口している。
【0052】
ハウジング50には、挿入部材としての固定ピン90が設けられている。ハウジング50には、固定ピン90を保持する円孔状の保持孔50hが形成されている。保持孔50hは、ハウジング50を貫通し、収容孔57の内周面に開口している。固定ピン90は、細長円柱状である。固定ピン90は、保持孔50hから収容孔57の内側に突出している。そして、固定ピン90は、挿通孔80を介して収容凹部79の内側に突出している。固定ピン90の外径は、挿通孔80における収容凹部79の周方向の幅よりも僅かに小さい。
【0053】
図7及び
図8に示すように、操作部材81は、ノンロック孔82と、ロック孔83と、を有している。
図8に示すように、ノンロック孔82は、操作部材81の外周面に開口している。ノンロック孔82は、手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に延びる長四角孔状である。ノンロック孔82の長手方向は、操作部材81の軸方向に一致している。したがって、ノンロック孔82の長手方向は、手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に一致している。ノンロック孔82における操作部材81の周方向の幅は、固定ピン90の外径よりも僅かに大きい。ノンロック孔82における操作部材81の周方向の幅は、挿通孔80における収容凹部79の周方向の幅と同じである。そして、ノンロック孔82は、ノンロック孔82に固定ピン90が操作部材81の軸線に達しない位置に挿入された状態で手動軸75におけるハウジング50に対する移動を許容するとともに操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転を規制する。
【0054】
図7に示すように、ロック孔83は、第1孔84及び第2孔85を有している。第1孔84は、手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に延びる長四角孔状である。第1孔84の長手方向は、操作部材81の軸方向に一致している。したがって、第1孔84の長手方向は、手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に一致している。第1孔84は、操作部材81の外周面において、ノンロック孔82の開口位置に対して操作部材81の周方向で180度間隔を置いた部位に開口している。本実施形態では、第1孔84及びノンロック孔82それぞれは、操作部材81の径方向に貫通した孔の一部である。したがって、第1孔84は、ノンロック孔82に連続している。本実施形態において、ノンロック孔82は、ロック孔83の一部分に連通している。第1孔84における操作部材81の周方向の幅は、ノンロック孔82における操作部材81の周方向の幅と同じである。したがって、第1孔84における操作部材81の周方向の幅は、固定ピン90の外径よりも僅かに大きい。
【0055】
第2孔85は、第1孔84に連続するとともに操作部材81の周方向に延びている。第2孔85は、第1孔84から操作部材81の周方向へ90度延びている。第2孔85における操作部材81の軸方向の幅は、固定ピン90の外径よりも僅かに大きい。第2孔85における操作部材81の第1端面81a側に位置する面は、第1孔84における操作部材81の第1端面81a側に位置する面と同一面上に位置している。第2孔85における操作部材81の第2端面81b側に位置する面は、第1孔84における操作部材81の第2端面81b側に位置する面よりも、操作部材81の第1端面81a寄りに位置している。したがって、ロック孔83において、第1孔84における操作部材81の第2端面81b側に位置する面と、第2孔85における操作部材81の第2端面81b側に位置する面との間は、操作部材81の軸方向に延びる段差面86になっている。
【0056】
ロック孔83は、ロック孔83の第1孔84に固定ピン90が操作部材81の軸線に達しない位置に挿入された状態で手動軸75におけるハウジング50に対する移動を許容する。また、ロック孔83は、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75を移動させた後に操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転を第2孔85によって許容する。そして、ロック孔83は、操作部材81の回転後に手動軸75におけるハウジング50に対する移動を第2孔85によって規制する。
【0057】
図7に示すように、操作部材81の第1端面81aには、スリット溝87が形成されている。スリット溝87は、操作部材81の径方向に延びている。また、操作部材81の第1端面81aには、第1目印88aが設けられている。第1目印88aは、操作部材81の軸方向で第1孔84と重なる位置に配置されている。したがって、第1目印88aは、操作部材81の周方向で第1孔84と対応する位置に配置されている。
【0058】
図8に示すように、操作部材81の第2端面81bには、円錐状の凹部89が形成されている。凹部89は、操作部材81の第2端面81bの中央部に形成されている。また、操作部材81の第2端面81bには、第2目印88bが設けられている。第2目印88bは、操作部材81の軸方向でノンロック孔82と重なる位置に配置されている。したがって、第2目印88bは、操作部材81の周方向でノンロック孔82と対応する位置に配置されている。
【0059】
図4に示すように、ハウジング50は、操作用開口部50aを有している。操作用開口部50aは、収容孔57の内部に連通している。操作用開口部50aは、収容孔57の開口縁部から手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に延びている。また、ハウジング50には、螺子挿通孔50bが2つ形成されている。各螺子挿通孔50bには、ケーシング21にハウジング50を固定するための螺子B1がそれぞれ挿通される。そして、各螺子挿通孔50bに挿通された各螺子B1がケーシング21にそれぞれねじ込まれることにより、ハウジング50がケーシング21に対して固定されている。
【0060】
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、スペーサ20を貫通する第1連通流路91、第2連通流路92、及び第3連通流路93を有している。第1連通流路91は、供給ポートPと供給流路13aとを連通する。第2連通流路92は、第1排出ポートR1と第1排出流路13dとを連通している。第3連通流路93は、第2排出ポートR2と第2排出流路13eとを連通している。
【0061】
また、電磁弁マニホールド10は、スペーサ20及びケーシング21を貫通する第4連通流路94、第5連通流路95、第6連通流路96、及び第7連通流路97を有している。第4連通流路94は、第1出力ポートAと第1弁座形成体28の第1径路31とを連通している。第5連通流路95は、第1チェック弁室40と第1出力流路13bとを連通している。また、第5連通流路95は、第1導入ポート51に連通している。第6連通流路96は、第2出力ポートBと第2弁座形成体33の第2径路36とを連通している。第7連通流路97は、第2導入ポート52と第2出力流路13cとを連通している。また、ハウジング50には、第2弁室54と第2チェック弁室43とを連通する第8連通流路98が形成されている。
【0062】
例えば、流体圧機器用バルブ14の第1弁体58及び第2弁体59がそれぞれ閉弁状態であり、電磁弁11が第1切換状態となった場合を考える。この場合、流体供給源15からの流体が、供給流路13a、第1連通流路91、供給ポートP、第1出力ポートA、第4連通流路94、及び第1径路31を介して第1軸路30に出力される。ここで、
図3に示すように、第1軸路30に出力された流体の圧力が第1チェック付勢ばね42の付勢力に打ち勝って、第1チェック弁体41が第1チェック弁座32から離間する。そして、第1軸路30に出力された流体は、第1チェック弁室40、第5連通流路95、及び第1出力流路13bを介して流体圧機器16の第1シリンダ室16aに出力される。
【0063】
また、第1軸路30に出力された流体は、第1軸孔29を通過して大径部24の第1端面と第1弁座形成体28の第1端面との間に流出する。そして、大径部24が受圧する流体の圧力と、第1復帰ばね38の付勢力とによってスプール弁23が第2チェック弁体44に向けて移動し、第2小径部26が第2チェック弁体44を押圧することにより、第2チェック弁体44が第2チェック弁座37から離間する。
【0064】
そして、流体圧機器16の第2シリンダ室16b内の流体が、第2出力流路13c、第7連通流路97、第2導入ポート52、第2弁室54、第8連通流路98、第2チェック弁室43、第2軸路35、第2径路36、第6連通流路96、第2出力ポートB、第2排出ポートR2、第3連通流路93、及び第2排出流路13eを介して外部へ排出される。これにより、流体圧機器16のピストン17の位置が、例えば、ピストンロッド17aが最も没入した状態である第1ピストン位置に切り換わる。
【0065】
例えば、流体圧機器用バルブ14の第1弁体58及び第2弁体59がそれぞれ閉弁状態であり、電磁弁11が第2切換状態となった場合を考える。この場合、流体供給源15からの流体が、供給流路13a、第1連通流路91、供給ポートP、第2出力ポートB、第6連通流路96、及び第2径路36を介して第2軸路35に出力される。ここで、第2軸路35に出力された流体の圧力が第2チェック付勢ばね45の付勢力に打ち勝って、第2チェック弁体44が第2チェック弁座37から離間する。そして、第2軸路35に出力された流体は、第2チェック弁室43、第8連通流路98、第2弁室54、第2導入ポート52、第7連通流路97、及び第2出力流路13cを介して流体圧機器16の第2シリンダ室16bに出力される。
【0066】
また、第2軸路35に出力された流体は、第2軸孔34を通過して大径部24の第2端面と第2弁座形成体33の第1端面との間に流出する。そして、大径部24が受圧する流体の圧力と、第2復帰ばね39の付勢力とによってスプール弁23が第1チェック弁体41に向けて移動し、第1小径部25が第1チェック弁体41を押圧することにより、第1チェック弁体41が第1チェック弁座32から離間する。
【0067】
そして、流体圧機器16の第1シリンダ室16a内の流体が、第1出力流路13b、第5連通流路95、第1チェック弁室40、第1軸路30、第1径路31、第4連通流路94、第1出力ポートA、第1排出ポートR1、第2連通流路92、及び第1排出流路13dを介して外部へ排出される。これにより、流体圧機器16のピストン17の位置が、例えば、ピストンロッド17aが最も突出した状態である第2ピストン位置に切り換わる。
【0068】
例えば、流体圧機器用バルブ14の第1弁体58及び第2弁体59がそれぞれ閉弁状態であり、電磁弁11が第3切換状態となった場合を考える。この場合、第1出力ポートAの流体が第1排出ポートR1、第2連通流路92、及び第1排出流路13dを介して外部へ排出されるとともに、第2出力ポートBの流体が第2排出ポートR2、第3連通流路93、及び第2排出流路13eを介して外部へ排出される。そして、第1チェック弁体41が第1チェック付勢ばね42の付勢力によって第1チェック弁座32に向けて移動して第1チェック弁座32に着座し、第2チェック弁体44が第2チェック付勢ばね45の付勢力によって第2チェック弁座37に向けて移動して第2チェック弁座37に着座する。これにより、第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bにそれぞれ出力されていた流体が保持され、ピストン17が中間位置に停止される。このように、パイロットチェック弁12は、流体圧機器16のピストン17を中間位置に停止させるべく、流体圧機器16の2つのシリンダ室である第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bにそれぞれ出力された流体を保持する。そして、大径部24に圧力が作用しなくなることから、スプール弁23は、第1復帰ばね38の付勢力と第2復帰ばね39の付勢力とが釣り合った状態となる位置に保持される。
【0069】
第2導入ポート52には、第2シリンダ室16b内の流体が、第7連通流路97から導入されるようになっている。なお、第1導入ポート51には、第1シリンダ室16a内の流体が、例えば、第5連通流路95から導入されるようになっている。
【0070】
次に、本実施形態の作用について説明する。
例えば、メンテナンス時においては、流体圧機器用バルブ14によって、流体圧機器16の第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bに残った流体を外部へ排出する必要がある。
【0071】
図5及び
図6に示すように、ノンロック孔82に固定ピン90を挿入し、且つ操作部材81の第2端面81bが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容したとする。なお、この場合、操作部材81を収容凹部79に収容する際には、第2目印88bが、操作部材81の周方向で挿通孔80の位置に対応するように収容する。これにより、ノンロック孔82が挿通孔80に連通した状態で操作部材81が収容凹部79に収容される。そして、メンテナンス時においては、作業者は、操作部材81の第2端面81bの中央部に形成された円錐状の凹部89に対して、例えば、先端が尖った形状である工具を差し込んで、工具によって操作部材81を押し込む。
【0072】
図6に示すように、操作部材81を押し込むと、手動軸75が、第3付勢ばね73の付勢力に抗して、第1弁体58に対して第1軸部77が接近する方向、及び第2弁体59に対して第2軸部78が接近する方向へ移動する。そして、第1軸部77が、第1付勢ばね71の付勢力に抗して第1弁体58を第1弁座66から離間する方向へ押圧し、第1弁体58を開弁状態とする。さらに、第2軸部78が、第2付勢ばね72の付勢力に抗して第2弁体59を第2弁座67から離間する方向へ押圧し、第2弁体59を開弁状態とする。これにより、第1導入ポート51に導入されている流体が、第1弁室53及び第1弁孔64を介して収容孔57に流れ込み、収容孔57から第1排出ポート55及び第2排出ポート56を介して外部へ排出される。また、第2導入ポート52に導入されている流体が、第2弁室54及び第2弁孔65を介して収容孔57に流れ込み、収容孔57から第1排出ポート55及び第2排出ポート56を介して外部へ排出される。これにより、流体圧機器16の第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bに残った流体が外部へ排出される。
【0073】
図5に示すように、作業者による操作部材81の押し込みを解除すると、第3付勢ばね73の付勢力によって、手動軸75が、作業者によって押し込まれる前の元の位置に復帰する。そして、第1弁体58が第1付勢ばね71の付勢力によって第1弁座66に接近する方向へ移動して第1弁座66に着座し、第1弁体58が閉弁状態となる。さらに、第2弁体59が第2付勢ばね72の付勢力によって第2弁座67に接近する方向へ移動して第2弁座67に着座し、第2弁体59が閉弁状態となる。
【0074】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、ロック孔83の第1孔84に固定ピン90を挿入し、且つ操作部材81の第1端面81aが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容したとする。なお、この場合、操作部材81を収容凹部79に収容する際には、第1目印88aが、操作部材81の周方向で挿通孔80の位置に対応するように収容する。これにより、ロック孔83の第1孔84が挿通孔80に連通した状態で操作部材81が収容凹部79に収容される。そして、メンテナンス時においては、作業者は、操作部材81の第1端面81aに形成されたスリット溝87に対して、例えば、マイナスドライバ等の工具の先端を差し込んで、工具によって操作部材81を押し込む。
【0075】
図10(a)及び
図10(b)に示すように、操作部材81を押し込むと、手動軸75が、第3付勢ばね73の付勢力に抗して、第1弁体58に対して第1軸部77が接近する方向、及び第2弁体59に対して第2軸部78が接近する方向へ移動する。そして、第1軸部77が、第1付勢ばね71の付勢力に抗して第1弁体58を第1弁座66から離間する方向へ押圧し、第1弁体58を開弁状態とする。さらに、第2軸部78が、第2付勢ばね72の付勢力に抗して第2弁体59を第2弁座67から離間する方向へ押圧し、第2弁体59を開弁状態とする。これにより、第1導入ポート51に導入されている流体が、第1弁室53及び第1弁孔64を介して収容孔57に流れ込み、収容孔57から第1排出ポート55及び第2排出ポート56を介して外部へ排出される。また、第2導入ポート52に導入されている流体が、第2弁室54及び第2弁孔65を介して収容孔57に流れ込み、収容孔57から第1排出ポート55及び第2排出ポート56を介して外部へ排出される。これにより、流体圧機器16の第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bに残った流体が外部へ排出される。
【0076】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、作業者は、工具の先端をスリット溝87に嵌め込みながら、工具によって操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させる。すると、固定ピン90が第1孔84から第2孔85に案内されるようにして操作部材81が収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転する。したがって、スリット溝87は、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させるための操作部である。よって、スリット溝87は、操作部として操作部材81の第1端面81aに設けられている。したがって、本実施形態の操作部は、操作部材81の第1端面81aに形成されるスリット溝87である。そして、操作部材81の回転後に工具の先端をスリット溝87から取り除き、作業者による操作部材81の押し込みを解除すると、第3付勢ばね73の付勢力によって、手動軸75が、作業者によって押し込まれる前の元の位置に復帰しようとする。
【0077】
このとき、固定ピン90が第2孔85における操作部材81の第2端面81b側に位置する面に当接することにより、手動軸75の位置が保持される。したがって、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、作業者による操作部材81の押し込みを解除しても、第1弁体58及び第2弁体59それぞれの開弁状態が維持される。
【0078】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ロック孔83は、固定ピン90が挿入された状態で手動軸75におけるハウジング50に対する移動を許容して、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75を移動させる。その後、操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転を許容し、操作部材81の回転後に手動軸75におけるハウジング50に対する移動を規制する。したがって、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、手動軸75の位置を保持することができる。つまり、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、手動軸75の位置を保持可能であるロック仕様として流体圧機器用バルブ14を使用することができる。
【0079】
一方で、ノンロック孔82は、固定ピン90が挿入された状態で手動軸75におけるハウジング50に対する移動を許容するとともに操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転を規制する。これによれば、例えば、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転が規制される。したがって、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後に、手動軸75の位置を保持する必要が無い場合であっても、意図せずに手動軸75の位置が保持されてしまうといった問題を回避することができる。つまり、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させても、手動軸75の位置が保持されないノンロック仕様として流体圧機器用バルブ14を使用することができる。以上によって、ロック仕様とノンロック仕様とに容易に使い分けることができる流体圧機器用バルブ14を提供することが可能となる。
【0080】
(2)手動軸75は、収容凹部79が形成された平面視長円形状の本体部76を有し、第1軸部77及び第2軸部78は、本体部76の長軸が延びる方向に並んで配置された状態で本体部76から突出している。これによれば、例えば、本体部76が平面視真円形状である場合に比べると、手動軸75の体格をコンパクトにすることができる。
【0081】
(3)第1弁体58が第1弁座66に着座して第1弁体58が閉弁状態となっており、第2弁体59が第2弁座67に着座して第2弁体59が閉弁状態となっているとき、第3付勢ばね73の付勢力によって、手動軸75が、第1弁体58に対して第1軸部77が離間する方向、及び第2弁体59に対して第2軸部78が離間する方向へ付勢される。したがって、第1弁体58が閉弁状態のときに第1軸部77を第1弁体58に対して離間させることができるとともに、第2弁体59が閉弁状態のときに第2軸部78を第2弁体59に対して離間させることができる。その結果、第1弁体58を確実に閉弁状態とすることができるとともに、第2弁体59を確実に閉弁状態とすることができ、信頼性を向上させることができる。
【0082】
(4)弁座形成体60は、係止片70を2つ有し、各係止片70は、第1排出ポート55及び第2排出ポート56にそれぞれ係止されている。これによれば、第1排出ポート55及び第2排出ポート56を弁座形成体60の各係止片70が係止される孔として利用することができるため、ハウジング50に、各係止片70が係止される孔を別途形成する必要が無く、ハウジング50の構成を簡素化することができる。
【0083】
(5)操作部材81の第1端面81aには、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させるためのスリット溝87が設けられ、操作部材81の第2端面81bの中央部には、円錐状の凹部89が形成されている。そして、例えば、ロック孔83に固定ピン90を挿入し、且つ操作部材81の第1端面81aが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容する。これにより、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、手動軸75の位置を保持可能であるロック仕様となっていることを作業者に知らせることができる。そして、作業者は、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75を移動させた後に、スリット溝87を利用して、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させる。これにより、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させた後、手動軸75の位置を保持することができる。
【0084】
一方で、例えば、ノンロック孔82に固定ピン90を挿入し、且つ操作部材81の第2端面81bが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容する。これにより、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させても、手動軸75の位置が保持されないノンロック仕様となっていることを作業者に知らせることができる。そして、作業者は、操作部材81の第2端面81bの中央部に形成された円錐状の凹部89に対して、例えば、先端が尖った形状である工具を差し込んで、工具によって操作部材81を押し込むことで、第1弁体58及び第2弁体59それぞれを開弁状態とする位置まで手動軸75をハウジング50に対して移動させることができる。
【0085】
このように、操作部材81の第1端面81aが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容するか、操作部材81の第2端面81bが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容するかを選択するだけで、ロック仕様とノンロック仕様とに容易に使い分けることができる。
【0086】
(6)操作部材81の第1端面81aには、スリット溝87が形成されている。これによれば、例えば、マイナスドライバ等の工具の先端をスリット溝87に嵌め込みながら、工具によって操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させることができるため、操作部材81の回転を容易に行うことができる。
【0087】
(7)ハウジング50は、収容孔57の開口縁部から手動軸75におけるハウジング50に対する移動方向に延びるとともに収容孔57の内部に連通する操作用開口部50aを有している。これによれば、操作用開口部50aから手動軸75を操作することができるため、手動軸75の操作性を向上させることができる。
【0088】
(8)流体圧機器16のピストン17を中間位置に停止させるべく、流体圧機器16の第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bにそれぞれ出力された流体を保持するパイロットチェック弁12は、流体圧機器用バルブ14を一体化させる対象として好適である。
【0089】
(9)操作部材81と第3付勢ばね73との間に手動軸75の一部が介在されているため、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させても、第3付勢ばね73のばね力が操作部材81の回転に影響を及ぼすことが無い。したがって、操作部材81における収容凹部79内での操作部材81の軸線を回転中心とした回転をスムーズに行うことができる。
【0090】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0091】
・実施形態において、例えば、手動軸75の本体部76が平面視真円形状であってもよい。要は、第1軸部77及び第2軸部78が突出する手動軸75の本体部76の形状は、特に限定されるものではない。
【0092】
・実施形態において、流体圧機器用バルブ14は、第3付勢ばね73を備えていない構成であってもよい。
・実施形態において、弁座形成体60の各係止片70が、第1排出ポート55及び第2排出ポート56にそれぞれ係止されていなくてもよく、ハウジング50に、各係止片70が係止される孔を別途形成してもよい。
【0093】
・実施形態において、弁座形成体60は、各係止片70が、第1排出ポート55及び第2排出ポート56にそれぞれ係止されることにより、ハウジング50に対して取り付けられていたが、これに限らない。例えば、弁座形成体60が、螺子によってハウジング50に対して取り付けられていてもよい。
【0094】
・実施形態において、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させるための操作部は、スリット溝87に限らず、例えば、操作部材81の第1端面81aから突出する柱状の突起であってもよい。そして、作業者が、例えば、工具等を利用して突起を工具によって把持して、操作部材81を収容凹部79内で操作部材81の軸線を回転中心として回転させるようにしてもよい。
【0095】
・実施形態において、操作部材81の第1端面81aにスリット溝87が形成されていなくてもよい。また、操作部材81の第2端面81bに凹部89が形成されていなくてもよい。
【0096】
・実施形態において、ノンロック孔82が、ロック孔83の一部分に連通していなくてもよく、例えば、ノンロック孔82とロック孔83とがそれぞれ独立した孔であってもよい。
【0097】
・実施形態において、ハウジング50が操作用開口部50aを有していなくてもよい。
・実施形態において、ハウジング50に設けられるとともに挿通孔80を介して収容凹部79の内側に突出する挿入部材として、固定ピン90を用いたが、これに限らない。要は、挿入部材は、ハウジング50に設けられるとともに挿通孔80を介して収容凹部79の内側に突出し、ノンロック孔82又はロック孔83に挿入可能な部材であればよい。
【0098】
・実施形態において、流体圧機器用バルブ14は、ハウジング50に排出ポートが1つだけ形成されている構成であってもよい。要は、ハウジング50に形成される排出ポートの数は特に限定されるものではない。
【0099】
・実施形態において、例えば、操作部材81の第1端面81aが臨むように操作部材81を収容凹部79に収容した状態で、ノンロック孔82に固定ピン90を挿入することで、ノンロック仕様としてもよい。
【0100】
・実施形態において、流体圧機器用バルブ14は、例えば、メンテナンス時において、パイロットチェック弁12によって保持されていた第1シリンダ室16a及び第2シリンダ室16bの流体を外部へ排出するといった用途以外で用いられてもよい。
【符号の説明】
【0101】
12…パイロットチェック弁、14…流体圧機器用バルブ、16…流体圧機器、16a…シリンダ室としての第1シリンダ室、16b…シリンダ室としての第2シリンダ室、17…ピストン、50…ハウジング、50a…操作用開口部、51…第1導入ポート、52…第2導入ポート、53…第1弁室、54…第2弁室、55…排出ポートとしての第1排出ポート、56…排出ポートとしての第2排出ポート、57…収容孔、58…第1弁体、59…第2弁体、60…弁座形成体、64…第1弁孔、65…第2弁孔、66…第1弁座、67…第2弁座、70…係止片、71…第1付勢ばね、72…第2付勢ばね、73…第3付勢ばね、75…手動軸、76…本体部、77…第1軸部、78…第2軸部、79…収容凹部、80…挿通孔、81…操作部材、82…ノンロック孔、83…ロック孔、87…操作部であるスリット溝、89…凹部、90…挿入部材としての固定ピン。